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技術 プラズマ成膜装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 渡辺一裕
出願日 2012年5月14日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2012-110379
公開日 2013年11月28日 (6年3ヶ月経過) 公開番号 2013-237884
状態 特許登録済
技術分野 燃料電池(本体) CVD
主要キーワード ボイルの法則 シャワー管 搭載空間 重力方向上側 ソレノイド機構 重力方向下側 溝部材 低真空状態
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

プラズマ成膜装置内における基板の搬送工程を効率化する技術を提供する。

解決手段

プラズマ成膜装置100は、入口予備室10と、前段真空予備室20と、前段中間室30と、成膜室40と、後段中間室50と、後段真空予備室60と、出口予備室70と、を備える。入口予備室10と、前段中間室30と、後段中間室50と、出口予備室70とは、各真空予備室20,60や成膜室40よりも小さい容積を有している。また、各真空予備室20,60は、成膜室40よりも低い真空度に保持される。入口予備室10と、前段中間室30と、後段中間室50と、出口予備室70とでは、基板5を搬入または搬出する際に、搬入口を閉じた後に搬出口を開くか、または、搬出口を閉じた後に搬入口を開く。

概要

背景

真空状態に保持された成膜室において、原料ガスプラズマ化することにより生成される金属イオンを、基板の表面に吸着させて成膜するプラズマ成膜装置が知られている。プラズマ成膜装置では、成膜室の真空状態を保持するために、成膜室に隣接して設けられた真空予備室を介して、成膜室に対する基板の搬入搬出を実行する(下記特許文献1等)。

ところで、プラズマ成膜装置では、基板を真空予備室に搬入・搬出する際に、真空予備室に外気侵入してしまうため、その都度、真空予備室を真空化するための真空化処理が実行される。真空化処理の所要時間や消費エネルギーは、真空予備室における気圧変動幅が大きいほど増大するため、真空予備室における気圧の変動幅が大きいと、基板の搬送工程の処理効率が低下してしまう。これまで、プラズマ成膜装置における真空予備室の真空化処理を効率化し、基板の搬送工程を効率化することについて十分な工夫がなされてこなかった。

概要

プラズマ成膜装置内における基板の搬送工程を効率化する技術を提供する。プラズマ成膜装置100は、入口予備室10と、前段真空予備室20と、前段中間室30と、成膜室40と、後段中間室50と、後段真空予備室60と、出口予備室70と、を備える。入口予備室10と、前段中間室30と、後段中間室50と、出口予備室70とは、各真空予備室20,60や成膜室40よりも小さい容積を有している。また、各真空予備室20,60は、成膜室40よりも低い真空度に保持される。入口予備室10と、前段中間室30と、後段中間室50と、出口予備室70とでは、基板5を搬入または搬出する際に、搬入口を閉じた後に搬出口を開くか、または、搬出口を閉じた後に搬入口を開く。

目的

本発明は、プラズマ成膜装置内における基板の搬送工程を効率化する技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

プラズマ成膜装置であって、真空状態に保持され、基板に対する成膜処理が実行される成膜室と、前記成膜室の真空状態よりも真空度の低い低真空状態に保持され、前記基板が通過する真空予備室と、前記成膜室と前記真空予備室よりも小さい容積を有し、前記成膜室と前記真空予備室との間に設けられ、前記成膜室と前記真空予備室との間での前記基板の搬送を仲介する、中間室と、を備える、プラズマ成膜装置。

請求項2

請求項1記載のプラズマ成膜装置であって、前記中間室は、前記成膜室との間に設けられた気密に開閉可能な第1の連通部と、前記真空予備室との間に設けられた気密に開閉可能な第2の連通部と、を備え、前記真空予備室との間で前記基板の搬送を行うときには、前記第2の連通部を開く前に、前記第1の連通部を閉じた状態とし、前記成膜室との間で前記基板の搬送を行うときには、前記第1の連通部を開く前に、前記第2の連通部を閉じた状態とする、プラズマ成膜装置。

請求項3

請求項1または2に記載のプラズマ成膜装置であって、さらに、前記真空予備室よりも小さい容積を有し、前記中間室より前段または後段において、前記真空予備室との間で前記基板の搬送を行う予備室を備える、プラズマ成膜装置。

請求項4

請求項3記載のプラズマ成膜装置であって、前記予備室と、前記真空予備室と、前記中間室と、前記成膜室とが、直列に連結され、前記基板が直線的に搬送される、プラズマ成膜装置。

請求項5

請求項4記載のプラズマ成膜装置であって、前記予備室と、前記真空予備室と、前記中間室とはそれぞれ、前記成膜室に対する重力方向の高低差が順に大きくなるように配置されており、前記基板を、重力を利用して搬送する、プラズマ成膜装置。

請求項6

請求項3から5のいずれか一項に記載のプラズマ成膜装置であって、前記真空予備室は、前記成膜室の前段に設けられた前段真空予備室と、前記成膜室の後段に設けられた後段真空予備室と、を含み、前記中間室は、前記前段真空予備室と、前記成膜室との間に設けられた前段中間室と、前記後段真空予備室と、前記成膜室との間に設けられた後段中間室と、を含み、前記予備室は、前記前段真空予備室の前段に設けられた前段予備室と、前記後段真空予備室の後段に設けられた後段予備室と、を含み、前記基板を、前記前段予備室、前記前段真空予備室、前記前段中間室、前記成膜室、前記後段中間室、前記後段真空予備室、前記後段予備室の順で搬送する、プラズマ成膜装置。

請求項7

請求項1から6のいずれか一項に記載のプラズマ成膜装置であって、さらに、前記真空予備室の真空状態を保持するための第1の真空ポンプと、前記成膜室の真空状態を保持するための第2の真空ポンプと、を備え、前記第1の真空ポンプの方が、前記第2の真空ポンプよりも容量が小さい、プラズマ成膜装置。

請求項8

請求項1から7のいずれか一項に記載のプラズマ成膜装置であって、前記中間室の容積は、前記真空予備室および前記成膜室の容積の1/100以下である、プラズマ成膜装置。

技術分野

0001

この発明は、プラズマ成膜装置に関する。

背景技術

0002

真空状態に保持された成膜室において、原料ガスプラズマ化することにより生成される金属イオンを、基板の表面に吸着させて成膜するプラズマ成膜装置が知られている。プラズマ成膜装置では、成膜室の真空状態を保持するために、成膜室に隣接して設けられた真空予備室を介して、成膜室に対する基板の搬入搬出を実行する(下記特許文献1等)。

0003

ところで、プラズマ成膜装置では、基板を真空予備室に搬入・搬出する際に、真空予備室に外気侵入してしまうため、その都度、真空予備室を真空化するための真空化処理が実行される。真空化処理の所要時間や消費エネルギーは、真空予備室における気圧変動幅が大きいほど増大するため、真空予備室における気圧の変動幅が大きいと、基板の搬送工程の処理効率が低下してしまう。これまで、プラズマ成膜装置における真空予備室の真空化処理を効率化し、基板の搬送工程を効率化することについて十分な工夫がなされてこなかった。

先行技術

0004

特開平11−102951号公報
特開平2−047828号公報
特開2000−216094号公報
特開2004−068091号公報
特開2010−263245号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、プラズマ成膜装置内における基板の搬送工程を効率化する技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。

0007

[適用例1]
プラズマ成膜装置であって、真空状態に保持され、基板に対する成膜処理が実行される成膜室と、前記成膜室の真空状態よりも真空度の低い低真空状態に保持され、前記基板が通過する真空予備室と、前記成膜室と前記真空予備室よりも小さい容積を有し、前記成膜室と前記真空予備室との間に設けられ、前記成膜室と前記真空予備室との間での前記基板の搬送を仲介する、中間室と、を備える、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、成膜室と真空予備室との間に設けられた、容積の小さい中間室によって、基板の搬入・搬出の際の成膜室における気圧の変動が抑制される。従って、成膜室の真空化処理を効率化することができ、基板の搬送工程を効率化することができる。また、真空予備室の真空度を成膜室よりも低い真空度に設定しているため、真空予備室のための真空化処理を成膜室の真空化処理よりも小さい消費エネルギーで実行することができる。

0008

[適用例2]
適用例1記載のプラズマ成膜装置であって、前記中間室は、前記成膜室との間に設けられた気密に開閉可能な第1の連通部と、前記真空予備室との間に設けられた気密に開閉可能な第2の連通部と、を備え、前記真空予備室との間で前記基板の搬送を行うときには、前記第2の連通部を開く前に、前記第1の連通部を閉じた状態とし、前記成膜室との間で前記基板の搬送を行うときには、前記第1の連通部を開く前に、前記第2の連通部を閉じた状態とする、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、真空予備室に対する基板の搬入・搬出の際の、真空予備室または成膜室における気圧の変動量を確実に低減することができる。

0009

[適用例3]
適用例2記載のプラズマ成膜装置であって、さらに、前記真空予備室よりも小さい容積を有し、前記中間室より前段または後段において、前記真空予備室との間で前記基板の搬送を行う予備室を備える、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、真空予備室における気圧の変動量を、容積の小さい予備室によって低減することができる。

0010

[適用例4]
適用例3記載のプラズマ成膜装置であって、前記予備室と、前記真空予備室と、前記中間室と、前記成膜室とが、直列に連結され、前記基板が直線的に搬送される、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、基板の搬送路を最小限に短縮でき、基板の搬送工程を効率化することができる。

0011

[適用例5]
適用例4記載のプラズマ成膜装置であって、前記予備室と、前記真空予備室と、前記中間室とはそれぞれ、前記成膜室に対する重力方向の高低差が順に大きくなるように配置されており、前記基板を、重力を利用して搬送する、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、基板の搬送を、重力を利用して実行するため、基板の搬送工程を効率化することができる。

0012

[適用例6]
適用例3から5のいずれかに記載のプラズマ成膜装置であって、前記真空予備室は、前記成膜室の前段に設けられた前段真空予備室と、前記成膜室の後段に設けられた後段真空予備室と、を含み、
前記中間室は、前記前段真空予備室と、前記成膜室との間に設けられた前段中間室と、前記後段真空予備室と、前記成膜室との間に設けられた後段中間室と、を含み、
前記予備室は、前記前段真空予備室の前段に設けられた前段予備室と、前記後段真空予備室の後段に設けられた後段予備室と、を含み、
前記基板を、前記前段予備室、前記前段真空予備室、前記前段中間室、前記成膜室、前記後段中間室、前記後段真空予備室、前記後段予備室の順で搬送する、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、成膜室へ基板を搬入する搬送工程と、成膜室から搬出される処理済みの基板の搬送工程と、において実行される真空化処理の処理効率を向上させることができる。

0013

[適用例7]
適用例1から6のいずれかに記載のプラズマ成膜装置であって、さらに、前記真空予備室の真空状態を保持するための第1の真空ポンプと、前記成膜室の真空状態を保持するための第2の真空ポンプと、を備え、前記第1の真空ポンプの方が、前記第2の真空ポンプよりも容量が小さい、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、真空予備室と成膜室の所定の真空度に応じた真空ポンプを用いて真空処理を実行することができる。

0014

[適用例8]
適用例1から7のいずれかに記載のプラズマ成膜装置であって、前記中間室の容積は、前記真空予備室および前記成膜室の容積の1/100以下である、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、基板の搬入・搬出の際の成膜室や真空予備室における気圧の変動量を確実に低減することができる。

0015

なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、プラズマ成膜装置、プラズマ成膜装置の制御方法および制御装置、プラズマ成膜装置における基板の搬送方法、それらの装置または方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。

図面の簡単な説明

0016

プラズマ成膜装置の構成を示す概略図。
プラズマ成膜装置の内部構成を示す概略図。
成膜室における保持部とシャワー管の構成を示す概略斜視図。
プラズマ成膜装置における成膜室への基板の搬入工程を工程順に示す模式図。
プラズマ成膜装置における処理済みの基板の成膜室からの搬出工程を工程順に示す模式図。
第2実施例としてのプラズマ成膜装置の構成を示す概略図。
第2実施例のプラズマ成膜装置における処理済みの基板の成膜室からの搬出工程を工程順に示す模式図。
他の構成例としてのプラズマ成膜装置の構成を説明するための概略図。
他の構成例としてのプラズマ成膜装置の構成を説明するための概略図。
他の構成例としてのプラズマ成膜装置の構成を説明するための概略図。
他の構成例としてのプラズマ成膜装置の構成を説明するための概略図。
他の構成例としてのプラズマ成膜装置の構成を説明するための概略図。
他の構成例としてのプラズマ成膜装置の構成を説明するための概略図。
基板の使用用途の一例としての燃料電池を説明するための概略図。

実施例

0017

A.第1実施例:
図1は本発明の一実施例としてのプラズマ成膜装置100の構成を示す概略図である。図1には、重力方向を示す矢印Gを図示してある。このプラズマ成膜装置100は、いわゆるプラズマCVD法(plasmaCVD; plasma-enhanced chemical vapor deposition)によって成膜対象である基板5の表面全体炭素薄膜を形成する。なお、成膜される炭素薄膜の構造としては、アモルファス構造や、グラファイト構造であるものとしても良く、他の種類の構造であるものとしても良い。

0018

プラズマ成膜装置100は、入口予備室10と、前段真空予備室20と、前段中間室30と、成膜室40と、後段中間室50と、後段真空予備室60と、出口予備室70と、が、この順で、重力方向上側から直列に配列された構成を有する。プラズマ成膜装置100では、入口予備室10の搬入口から投入された基板5が、前段真空予備室20と前段中間室30とを介して成膜室40に搬送される。そして、成膜室40において成膜処理された処理済みの基板5cが、後段中間室50と後段真空予備室60とを介して出口予備室70に搬送され、出口予備室70の搬出口から搬出される。

0019

なお、本実施例のプラズマ成膜装置100において成膜対象となる基板5は、燃料電池のセパレータとして用いられる、導電性およびガス不透過性を有する板状部材(例えば金属板)である。基板5は、略長方形形状を有しており、その外周の四辺に沿った所定の位置に複数の貫通孔6が配列されている。貫通孔6は、燃料電池を構成したときに、反応ガスなどの流体マニホールドを構成する。なお、燃料電池の詳細な構成については、参考例として、実施例の後に説明する。

0020

図2は、プラズマ成膜装置100の内部構成を示す概略図である。なお、図2では、各処理室10〜70に基板5,5cが収容されている状態を図示してある。また、図2には、重力方向を示す矢印Gを図示してある。プラズマ成膜装置100は、さらに、3つの真空ポンプ110,120,130と、原料ガス供給部140と、排ガス処理部150と、プラズマ発生用電源160と、を備える。

0021

入口予備室10は、隣接する前段真空予備室20よりも小さい容積を有している。より具体的には、入口予備室10は、基板5を、鉛直方向に立てた状態で収容可能な程度の容積を有している。前段真空予備室20の1/100程度の容積を有しているものとしても良い。なお、入口予備室10の容積が小さいことにより、前段真空予備室20への外気の侵入が抑制されるが、その詳細については後述する。

0022

入口予備室10の重力方向上側と下側の壁部にはそれぞれ、第1と第2の開口部11a,11bが設けられている。第1の開口部11aは、基板5を外部から受け入れる搬入口である。入口予備室10の第1の開口部11aには、第1の開口部11aを気密に開閉するゲートバルブ12が設けられている。第2の開口部11bは、入口予備室10から基板5を搬出する搬出口である。

0023

入口予備室10には、さらに、基板5を第1の開口部11aから第2の開口部11bへと誘導するガイドTGが設けられている。ガイドTGは、例えば、メッシュ部材によって構成することができる。なお、ガイドTGは、メッシュ部材以外の他の部材によって構成することができる。ガイドTGは、基板5の表面を損傷させない柔軟な部材によって構成されるものとしても良い。

0024

前段真空予備室20は、入口予備室10よりも大きい容積を有しており、第1の真空ポンプ110が接続されている。第1の真空ポンプは、成膜室40の真空度よりも低い真空度を有する低真空状態まで、入口予備室10を真空化することができる。前段真空予備室20の重力方向上側と下側の壁部にはそれぞれ、第1と第2の開口部21a,21bが設けられている。

0025

前段真空予備室20の第1の開口部21aは、前段真空予備室20に基板5を搬入する搬入口であり、入口予備室10の第2の開口部11bと連結されている。前段真空予備室20の第1の開口部21aには、第1の開口部21aを気密に開閉するゲートバルブ22が設けられている。第2の開口部21bは、前段真空予備室20から基板5を搬出する搬出口である。前段真空予備室20には、基板5を第1の開口部21aから第2の開口部21bへと誘導するガイドTGが、入口予備室10と同様に設けられている。

0026

前段中間室30は、入口予備室10と同様な構成を有している。即ち、前段中間室30は、基板5の搬入・搬出のための第1と第2の開口部31a,31bと、第1の開口部31aに設けられたゲートバルブ32と、第1と第2の開口部31a,31bの間に設けられたガイドTGと、を備えている。なお、前段中間室30は、前段真空予備室20および成膜室40よりも小さい容積を有しているが、その理由は後述する。

0027

成膜室40は、第2の真空ポンプ120によって、内部空間が真空状態に保持されており、前段中間室30から搬入された基板5に対する成膜処理が実行される。なお、以下では、成膜処理のための真空度まで真空化された成膜室40の真空状態を「高真空状態」と呼ぶ。

0028

成膜室40の重力方向上側と下側の壁部には、第1と第2の開口部41a,41bが設けられている。第1の開口部41aは、前段中間室30から基板5を搬入する搬入口である。第1の開口部41aには、第1の開口部41aを気密に開閉するゲートバルブ42が設けられている。第2の開口部41bは、成膜室40から基板5を搬出する搬出口である。

0029

第1と第2の開口部41a,41bの間には、成膜処理の実行中に基板5を保持するための保持部43が配置されている。また、保持部43の上方には、保持部43に保持された基板5の両面に原料ガスを噴射するシャワー管44が配置されている。さらに、成膜室40には、第1の開口部41aと保持部43との間と、保持部43と第2の開口部41bとの間にガイドTGが設けられている。

0030

図3は、成膜室40における保持部43とシャワー管44についての、より詳細な構成を示す概略斜視図である。図3には 成膜室40において、基板5を保持している状態の保持部43と、その上方に配置されているシャワー管44と、を図示してある。

0031

保持部43は、重力方向に沿った直線状の溝を有する左右一対溝部材43a,43bを備えている。溝部材43a,43bの溝には、基板5の貫通孔6より外側の外周端部が挿入される。各溝部材43a,43bの重力方向下側の端部には、ソレノイド機構などによって回動するロック部43Lが設けられている。ロック部43Lは閉じた状態(図示された状態)のときに、溝部材43a,43bの溝の端部を閉塞する。

0032

シャワー管44は、2つの平行配管部44a,44bを有している。2つの平行配管部44a,44bは、重力方向に沿って見たときに、保持部43に保持された基板5の両面に平行に延びるように配置されている。なお、シャワー管44は、第1の開口部41aと保持部43との間における基板5の移動経路干渉しないように配置されている。

0033

ここで、第1の開口部41aから搬入された基板5は、ガイドTG(図3では図示を省略)によって、その左右両側の端部が対応する溝部材43a,43bの溝に挿入されるように誘導され、閉じた状態のロック部43Lに係止される。成膜処理が完了したときには、ロック部43Lが開かれる。すると、基板5は、重力に従って落下し、ガイドTGに沿って第2の開口部41bへと誘導される。

0034

成膜室40(図2)には、保持部43に保持された基板5を囲むように防着板45が配置されている。防着板45は、成膜処理の際に、プラズマ中に生成される、カーボン中間体などの汚れ原因物質が、成膜室40の内壁面に付着することを防止する。また、防着板45は、原料ガスのプラズマを生成するための電極としても機能する。なお、重力方向上側と下側の防着板45には、ガイドTGを配置するための開口部が形成されている。また、シャワー管44は、保持部43とともに、防着板45で囲まれた領域内に収容されている。

0035

成膜室40には、成膜処理のための原料ガス供給部140と、排ガス処理部150と、プラズマ発生用電源160とが接続されている。原料ガス供給部140は、原料ガスの貯蔵タンク(図示は省略)を備えており、シャワー管44に原料ガスを供給する。本実施例では、原料ガスとしてピリジン(py;C5H5N)が供給される。

0036

排ガス処理部150は、排ガス吸引するためのポンプ(図示は省略)を備え、配管を介して、防着板45で囲まれた領域に接続されている。排ガス処理部150は、成膜に用いられることのなかった原子を含む排ガスを、成膜室40の外部へと排出する。なお、排ガスの吸引口は、シャワー管44の開口方向に対向して配置されている重力方向下側の防着板45に設けられている。

0037

プラズマ発生用電源160は、保持部43におよび防着板45に電気的に接続され、保持部43に保持された基板5と防着板45との間に、原料ガスをプラズマ化するための電場を生成する。なお、本実施例では、プラズマ発生用電源160は、基板5を負極とし、防着板45を陽極として電圧印加する。

0038

後段中間室50は、前段中間室30と同様な構成を有している。即ち、後段中間室50は、処理済みの基板5cの搬入・搬出のための第1と第2の開口部51a,51bと、第1の開口部51aに設けられたゲートバルブ52と、第1と第2の開口部51a,51bの間に設けられたガイドTGと、を備えている。また、後段中間室50は、後段真空予備室60および成膜室40よりも小さい容積を有している。

0039

後段真空予備室60は、前段真空予備室20と同様な構成を有している。即ち、後段真空予備室60は、処理済みの基板5cの搬入・搬出のための第1と第2の開口部61a,61bと、第1の開口部61aに設けられたゲートバルブ62と、第1と第2の開口部61a,61bの間に設けられたガイドTGと、を備えている。

0040

後段真空予備室60には、第3の真空ポンプ130が接続されている。第3の真空ポンプ130は、後段真空予備室60を、前段真空予備室20と同程度の真空度(低真空状態)まで真空化する。

0041

出口予備室70は、入口予備室10と同程度の容積を有している。出口予備室70は、基板5の搬入・搬出のための第1と第2の開口部71a,71bを有している。第1と第2の開口部71a,71bのそれぞれには、第1と第2の開口部71a,71bを気密に開閉するゲートバルブ72,73が設けられている。また、第1と第2の開口部71a,71bの間には、処理済みの基板5cを誘導するガイドTGが配置されている。

0042

図4(A)〜(E)は、プラズマ成膜装置100における成膜室40への基板5の搬入工程を工程順に示す模式図である。図4(A)〜(E)にはそれぞれ、プラズマ成膜装置100の入口予備室10と、前段真空予備室20と、前段中間室30と、成膜室40と、後段中間室50の入口部と、を模式的に図示してある。

0043

なお、図4(A)〜(E)では、閉じられた状態のゲートバルブ22,32,42,52のみを図示してあり、他の構成部の図示は省略してある。また、図4(A)〜(E)では、説明の便宜上、各処理室20〜40の室内に、真空度が低いほど濃度の高いハッチングを付してある。

0044

入口予備室10では、基板5が搬入されたときに、一旦、第1と第2の開口部11a,11bを気密に閉じる(図4(A))。このとき、入口予備室10は、基板5とともに収容された外気によって大気圧の状態となる。また、入口予備室10に収容された基板5は、ガイドTG(図示は省略)に沿って落下し、閉じたゲートバルブ22の弁体に係止された状態となる。

0045

なお、この段階では、前段真空予備室20は、第1と第2の開口部21a,21bが閉じられ、低真空状態に保持された状態である。前段中間室30は、第1と第2の開口部31a,31bが閉じられ、高真空状態に保持された状態である。成膜室40も、第1と第2の開口部41a,41bが閉じられ、高真空状態に保持された状態である。

0046

次の工程では、入口予備室10の第1の開口部11aを閉じたまま、第2の開口部11bを開く(図4(B))。これによって、基板5が、前段真空予備室20のガイドTG(図示は省略)に沿って落下して、閉じた状態のゲートバルブ32の弁体に係止される。第1の開口部21aを閉じた後、基板5とともに入口予備室10から侵入した空気によって低下した真空度を回復するために、第1の真空ポンプ110(図示は省略)を駆動させて真空化処理を実行する。

0047

ここで、前段真空予備室20に侵入する入口予備室10の空気は、入口予備室10より前段真空予備室20の方が容積が大きいため、ゲートバルブ22が開かれ、前段真空予備室20まで拡散することにより、その圧力が低下する(ボイルの法則)。例えば、入口予備室10の容積が、前段真空予備室20の容積の1/100である場合には、入口予備室10に収容されていた空気の圧力は、約1/100倍まで低下する。

0048

このように、入口予備室10と前段真空予備室20との間の容積差によって、基板5の搬入に伴う前段真空予備室20の真空度の低下が抑制される。そのため、前段真空予備室20の真空化処理のための所要時間や第1の真空ポンプ110の駆動量が低減され、前段真空予備室20の真空化処理が効率化される。

0049

次の工程では、前段真空予備室20の真空度が回復した後に、第1の開口部21aを閉じたまま、第2の開口部21bを開く(図4(C))。これによって、基板5は、前段中間室30のガイドTG(図示は省略)に沿って落下し、ゲートバルブ42の弁体に係止される。このとき、前段中間室30は、前段真空予備室20との連通によって、高真空状態からほぼ低真空状態となる。

0050

なお、この段階において、入口予備室10には、次の基板5がセットされる。以下、先行して搬送されている基板5と区別するため、新たに入口予備室10にセットされた基板5を、「後続基板5n」と呼ぶ。

0051

次の工程では、前段中間室30の第1の開口部31aを閉じた後に、第2の開口部31bを開く(図4(D))。これによって、基板5は、成膜室40のガイドTG(図示は省略)に沿って落下し、保持部43(図示は省略)に保持される。このとき、前段中間室30と連通されることにより、成膜室40の真空度が低下する。

0052

しかし、前段真空予備室20における基板5の搬入に伴う真空度の低下と同様に、成膜室40においても、基板5の搬入に伴う真空度の低下は、前段中間室30との間の容積差の分だけ抑制される。そのため、真空化処理の処理時間や第2の真空ポンプ120の駆動量が低減され、成膜室40の真空化処理が効率化される。なお、この段階では、後続基板5nは、上述した基板5の工程と同様な工程で、入口予備室10から前段真空予備室20に搬入される。

0053

基板5が保持部43に保持されると、成膜室40では、成膜処理が開始される。具体的には、まず、プラズマ発生用電源160によって、基板5と防着板45との間に電場が生成される。そして、原料ガス供給部140によって、原料ガスの供給が開始されるとともに、排ガス処理部150によって排ガスの吸引が開始される。成膜室40の室温が、350℃〜400℃程度の高温に到達すると、防着板45によって囲まれた領域内に原料ガスのプラズマが生じ、プラズマ中の炭素原子陽イオンが、陰極である基板5の表面に吸着され、炭素薄膜が形成される。

0054

なお、基板5の成膜処理の実行中に、後続基板5nは、基板5と同様な工程で、前段真空予備室20から前段中間室30に搬入される。また、入口予備室10には、新規の後続基板5nがセッティングされる。

0055

図5(A)〜(E)は、プラズマ成膜装置100における処理済みの基板5cの成膜室40からの搬出工程を工程順に示す、図4と同様な模式図である。図5(A)〜(E)にはそれぞれ、前段中間室30の出口と、成膜室40と、後段中間室50と、後段真空予備室60と、出口予備室70と、を模式的に図示してある。

0056

成膜処理が完了して処理済みの基板5cが保持部43(図示は省略)に保持された状態のときには、成膜室40の第1と第2の開口部41a,41bはゲートバルブ42,52によって閉じられ、高真空状態が保持されている(図5(A))。このとき、後段中間室50では、第1と第2の開口部51a,51bがそれぞれゲートバルブ52,63によって閉じられ、低真空状態が保持されている。

0057

また、後段真空予備室60は、第1と第2の開口部61a,61bがそれぞれゲートバルブ62,73によって閉じられ、低真空状態が保持されている。出口予備室70は、第1と第2の開口部71a,71bがそれぞれゲートバルブ72,73によって閉じられ、大気圧の状態となっている。

0058

成膜室40から処理済みの基板5cを搬出する際には、まず、成膜室40の第2の開口部41bを開き、成膜室40と後段中間室50とを連通させる(図5(B))。そして、保持部43のロック部43Lを開き、処理済み基板5cを保持部43から脱落させる。

0059

処理済みの基板5cは、後段中間室50のガイドTG(図示は省略)に沿って落下し、閉じた状態のゲートバルブ62の弁体に保持される。このとき、後段中間室50との連通によって、成膜室40の真空度が低下するが、成膜室40の容積は、後段中間室50の容積より大きいため、その容積差の分だけ、その真空度の低下は抑制される。

0060

次の工程では、後段中間室50の第1の開口部51aをゲートバルブ52によって閉じた後に、第2の開口部51bを開く(図5(C))。これによって、処理済みの基板5cは、後段真空予備室60のガイドTG(図示は省略)に沿って落下し、ゲートバルブ72の弁体に係止される。このとき、後段中間室50は、後段真空予備室60との連通によって、高真空状態からほぼ低真空状態となる。なお、この段階では、成膜室40において、後続基板5nの成膜処理が開始される。

0061

次の工程では、後段真空予備室60の第1の開口部61aを閉じた後に、第2の開口部61bを開く(図5(D))。これによって、処理済みの基板5cは、出口予備室70のガイドTG(図示は省略)に沿って落下し、閉じた状態のゲートバルブ73の弁体に係止される。

0062

ここで、大気圧の状態にあった出口予備室70との連通によって、後段真空予備室60の真空度は低下する。そこで、次の工程では、後段真空予備室60の第2の開口部61bを閉じた後に、第3の真空ポンプ130を駆動させて、後段真空予備室60を低真空状態まで回復させるための真空化処理を実行する(図5(E))。

0063

なお、出口予備室70との連通による後段真空予備室60の真空度の低下は、出口予備室70と後段真空予備室との容積差の分だけ抑制されている。そのため、後段真空予備室60の真空化処理のための処理時間や第3の真空ポンプ130の駆動量を低減することができ、後段真空予備室60の真空化処理が効率化される。

0064

後段真空予備室60の真空化処理を実行している間に、出口予備室70では、第2の開口部71bを開き、処理済みの基板5cを外部に搬出する。このとき、出口予備室70は外気に曝されるため大気圧の状態となる。また、後段真空予備室60の真空化処理を実行している間に、後段中間室50には、成膜室40から、後続基板5nが成膜処理された処理済みの後続基板5ncが、上述した処理済みの基板5cの工程と同様な工程によって搬入される。

0065

ところで、プラズマ成膜装置が、基板の搬入・搬出の際に、真空状態から大気圧の状態まで真空予備室の気圧が変動してしまう構成を有する場合には、真空予備室に入り込む外気の量が多くなり、真空予備室に余分な水分が侵入しやすくなる。真空予備室に侵入した水分は、真空予備室の内壁面に結露し、その結露した水分は内壁面の微細孔含浸されることが知られている。

0066

そうした真空予備室の内壁面に含浸されている水分が気化して、成膜室に入り込むと、成膜処理の際に、異常放電が発生する原因となる。そのため、そのような真空予備室の真空化処理では、真空ポンプによる吸引時間を長くするなどして、そうした水分を確実に排出させることが望ましい。

0067

これに対して、本実施例のプラズマ成膜装置100では、2つの真空予備室20,60における、基板5,5cの搬入または搬出の際の外気の侵入量が、容積の小さい中間室30,50や予備室10,70によって低減されている。従って、各真空予備室20,60や成膜室40への余分な水分の侵入を抑制でき、基板5cにおける成膜処理が余分な水分によって阻害されてしまうことを抑制できる。

0068

また、気圧が大気圧まで上昇してしまうことがある真空予備室では、一般的に、真空化処理の際に、真空度の低下に従って、容量の異なる真空ポンプを段階的に切り替えて使用する。そのため、1つの真空予備室に対して、複数種類の真空ポンプが準備される。これに対して、本実施例のプラズマ成膜装置100では、各真空予備室20,60に対して、所定の真空度に応じた真空ポンプ110,130が接続されている。従って、複数種類の真空ポンプの切替動作の必要がなく、より効率的である。

0069

以上のように、本実施例のプラズマ成膜装置100であれば、真空予備室20,60と成膜室40との間の基板5,5cの搬送を、容積の小さい中間室30,50によって仲介させているため、基板5,5cの搬送の際の成膜室40における気圧の変動量を低減できる。従って、基板5,5cの搬送工程における真空化処理を効率的に実行でき、基板5,5cの搬送工程を効率化することができる。

0070

B.第2実施例:
図6は本発明の第2実施例としてのプラズマ成膜装置100Aの構成を示す概略図である。図6は、後段中間室50および後段真空予備室60が省略されている点以外は、図1とほぼ同じである。なお、第2実施例のプラズマ成膜装置100Aの各処理室10〜40,70の構成は、第1実施例のプラズマ成膜装置100と同様である(図2)。

0071

第2実施例のプラズマ成膜装置100Aでは、成膜室40に対する基板5の搬入工程は、第1実施例のプラズマ成膜装置100と同様に実行される(図4)。しかし、第2実施例のプラズマ成膜装置100Aでは、処理済みの基板5cは、真空予備室を介さずに、成膜室40から出口予備室70を経て搬出される。

0072

図7(A)〜(C)は、第2実施例のプラズマ成膜装置100Aにおける処理済みの基板5cの成膜室40からの搬出工程を工程順に示す、図5と同様な模式図である。図7(A)〜(C)にはそれぞれ、前段中間室30の出口部と、成膜室40と、出口予備室70とが模式的に図示してある。

0073

成膜処理が完了したときには、成膜室40では、第1と第2の開口部41a,41bが、それぞれゲートバルブ42,72によって閉じられ、高真空状態が保持されている(図7(A))。また、出口予備室70は、第1と第2の開口部71a,71bがそれぞれゲートバルブ72,73によって閉じられ、大気圧の状態になっている。

0074

処理済みの基板5cを成膜室40から搬出する際には、まず、ゲートバルブ72を開き、成膜室40と、出口予備室70とを連通させる(図7(B))。そして、保持部43のロック部43L(図3)を開き、処理済みの基板5cを、保持部43から脱落させるとともに、出口予備室70のガイドTG(図示は省略)に沿って落下させ、ゲートバルブ73の弁体に係止させる。なお、この工程では、成膜室40と出口予備室70との連通の際に、出口予備室70の空気が成膜室40に入り込むため、成膜室40の真空度は低下する。

0075

次の工程では、出口予備室70の第1の開口部71aをゲートバルブ72によって閉じた後に、第2の開口部71bを開き、出口予備室70から処理済みの基板5cを搬出させる(図7(C))。このときに、成膜室40では、前工程において低下した高真空状態を回復するための真空化処理が、第2の真空ポンプ120によって実行される。なお、出口予備室70の容積が、成膜室40の容積より小さい分だけ、前工程における成膜室40の真空度の低下量は低減されている。そのため、成膜室40の真空化処理を効率的に実行することができる。

0076

以上のように、第2実施例のプラズマ成膜装置100Aであっても、前段真空予備室20や成膜室40における基板5,5cの搬入・搬出の際の気圧の変動を抑制できる。従って、基板5,5cの搬送工程における真空化処理を効率的に実行でき、基板5,5cの搬送工程を効率化することができる。

0077

C.他の構成例:
ところで、本発明の実施例としてのプラズマ成膜装置は、以下のように構成することも可能である。以下では、第2実施例のプラズマ成膜装置100Aと同様な各処理室10〜40,70を有する構成を基本構成として、プラズマ成膜装置の他の構成例を説明する。

0078

C1.他の構成例1:
図8は、他の構成例としてのプラズマ成膜装置100aの構成を説明するための概略図である。図8には、プラズマ成膜装置100aにおける各処理室10〜40,70の配置構成を模式的に図示してある。なお、図8では、搬送中の基板5、5cを、一点鎖線によって段階的に図示してある。また、図8では、成膜室40の概略的な内部構成を破線で図示してある。

0079

上記実施例のプラズマ成膜装置100,100Aでは、基板5,5cの搬送路が重力方向に平行な角度となるように構成されていた。これに対して、この構成例のプラズマ成膜装置100aでは、基板5,5cの搬送路が、重力方向に対して傾斜角を有するように、各処理室10〜40,70が配置されている。なお、この構成例では、成膜室40における保持部43や、シャワー管44、防着板45の配置角度も、搬送路の傾斜角に応じた角度で配置されている。このような構成であっても、基板5,5cの搬送の駆動力として重力を利用でき、基板5,5cの搬送工程を効率化できる。

0080

C2.他の構成例2:
図9は、他の構成例としてのプラズマ成膜装置100bの構成を説明するための概略図である。図9紙面左側には、上記の第2実施例のプラズマ成膜装置100Aの各処理室10〜40,70の配置構成を模式的に図示してあり、紙面右側には、この構成例におけるプラズマ成膜装置100bの各処理室10〜40,70の配置構成を模式的に図示してある。

0081

第2実施例のプラズマ成膜装置100Aでは、各処理室10〜40,70の中心線CL(一点鎖線で図示)が一致するように、各処理室10〜40,70が配置されており、基板5,5cは、その中心線CLに沿って搬送されていた。これに対して、この構成例のプラズマ成膜装置100bでは、容積の小さい処理室10,20,70の中心線CL1(一点鎖線で図示)と、容積の大きい処理室20,40の中心線CL2(二点差線で図示)とがオフセットされている。なお、この構成例のプラズマ成膜装置100bでは、基板5,5cが、中心線CL1に沿って搬送される。

0082

ここで、上記実施例のプラズマ成膜装置100,100Aでは、容積の大きい処理室20,40の上部に形成された段差部を真空ポンプなどの補機類搭載空間LSとして利用できる。この構成例のプラズマ成膜装置100bであれば、その搭載空間LSを、容積の小さい処理室10,30,70に隣り合う片側の領域に集約して大きく確保することができる。従って、より大きな補機類を搭載することが可能となる。

0083

C3.他の構成例3:
図10は、他の構成例としてのプラズマ成膜装置100cの構成を説明するための概略図である。図10には、プラズマ成膜装置100cにおける第1と第2の真空ポンプ110,120の配管接続の構成を図示してある。

0084

この構成例のプラズマ成膜装置100cでは、第1と第2の真空ポンプ110,120は、4つの配管171〜174と、四方向の接続部を有する切替バルブ170とを介して、前段真空予備室20及び成膜室40に接続されている。具体的には、第1の配管171は、前段真空予備室20と切替バルブ170とに接続されている。第2の配管172は、成膜室40と切替バルブ170とに接続されている。第3の配管173は、第1の真空ポンプ110と切替バルブ170とに接続されている。第4の配管174は、第2の真空ポンプ120と切替バルブ170とに接続されている。

0085

この構成例のプラズマ成膜装置100cでは、前段真空予備室20の真空化処理の場合には、切替バルブ170によって、第1の真空ポンプ110を、第1の配管171と第3の配管173とを介して、前段真空予備室20に接続させる。また、成膜室40の真空化処理の場合には、切替バルブ170によって、第2の真空ポンプ120を、第2と第4の配管172,174を介して成膜室40に接続させるとともに、第1の真空ポンプ110を、第2と第3の配管172,173を介して成膜室40に接続させる。これによって、容量の小さい第1の真空ポンプ110を、容量の大きい第2の真空ポンプ120の補助ポンプとして機能させることができる。従って、成膜室40における真空化処理を効率化することができる。

0086

C4.他の構成例4:
図11は、他の構成例としてのプラズマ成膜装置100dの構成を説明するための概略図である。この構成例のプラズマ成膜装置100dは、基板5を1つずつ成膜処理する成膜室40に換えて、複数の基板5を搬送しつつ成膜する成膜室40dが設けられている点と、出口予備室70に換えて、搬出機構75を備える出口予備室70dが設けられている点以外は、第2実施例のプラズマ成膜装置100Aと同様である。

0087

成膜室40dでは、順次搬入された基板5が、保持部材46によって垂直に立てられた状態で、ベルトコンベアなどの搬送機構47によって出口予備室70dに向かって搬送されていく。そして、搬送機構47の上方に設けられたシャワー管44によって原料ガスが搬送中の基板5に向かって噴射される。なお、この成膜室40dでは、防着板45(一点鎖線で図示)は、基板5の搬送路をトンネル状に覆うように配置されている。

0088

出口予備室70dには、ロボットアームなどによって構成された、処理済みの基板5cを成膜室40dから搬出させるための搬出機構75が収容されている。搬出機構75は、成膜室40dと出口予備室70dとの間のゲートバルブ(図示は省略)が開くたびに、搬送されてきた処理済みの基板5cを出口予備室70dへと搬出する。この構成例のプラズマ成膜装置100dであれば、複数の基板5に対する成膜処理を、より迅速、かつ、容易に実行することが可能である。

0089

C5.他の構成例5:
図12は、他の構成例としてのプラズマ成膜装置100eの構成を説明するための概略図である。図12には、図11で説明したのと同様な成膜室40dと出口予備室70dとを備えるプラズマ成膜装置100eの構成を模式的に図示してある。なお、図12には、搬送中の基板5の軌跡を一点鎖線によって段階的に図示してある。また、図12には、重力方向を示す矢印Gを図示してある。

0090

この構成例のプラズマ成膜装置100eでは、入口予備室10から成膜室40dに至るまでの基板5の搬送路が重力方向に対して傾斜角を有するように構成されている。この構成例のプラズマ成膜装置100eであっても、上記のプラズマ成膜装置100dと同様に、複数の基板5に対する成膜処理を、迅速、かつ、容易に実行することが可能である。

0091

C6.他の構成例6:
図13は、他の構成例としてのプラズマ成膜装置100fの構成を説明するための概略図である。図13は、前段中間室30と成膜室40の間に、第2の前段真空予備室20aと第2の前段中間室30aとが追加されている点以外は図6とほぼ同じである。なお、第2の前段真空予備室20aと第2の前段中間室30aの構成はそれぞれ、前段真空予備室20と前段中間室30の構成と同様である。

0092

ただし、第2の前段真空予備室20aは、図示せざる真空ポンプによって、前段真空予備室20の低真空状態よりも高い真空度であって、成膜室40の高真空状態よりも低い真空度である中真空状態に保持される。このように、上記実施例のプラズマ成膜装置100,100Aの構成に対して、さらに、複数段階の真空度を有する真空予備室が追加することも可能である。

0093

D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や構成例、実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。

0094

D1.変形例1:
上記実施例では、容積の小さい処理室10,30,50,70が、容積の大きい真空予備室20,60の1/100程度の容積を有していた。しかし、容積の小さい処理室10,30,50,70の容積は、容積の大きい処理室20,60の1/100程度の容積でなくとも良い。ただし、容積の小さい処理室10,30,50,70の容積を、容積の大きい処理室20,60の1/100以下の容積とすれば、確実に、基板5,5cの搬入・搬出の際の真空予備室20,60における気圧の変動量を低減することができる。

0095

D2.変形例2:
上記第1実施例では、成膜室40の前段(上流側)の搬送路として機能する入口予備室10、前段真空予備室20,前段中間室30が設けられていた。しかし、プラズマ成膜装置では、成膜室40の前段における容積の異なる処理室10〜30を組み合わせた基板5の搬送経路の構成が省略されるものとしても良い。プラズマ成膜装置では、少なくとも、成膜室40の前段または後段のいずれか一方において、そうした容積の異なる処理室を組み合わせて、真空予備室の気圧の変動を抑制した搬送経路の構成が設けられていれば良い。

0096

D3.変形例3:
上記実施例のプラズマ成膜装置100,100Aは、入口予備室10や出口予備室70を備えていた。しかし、プラズマ成膜装置100,100Aでは、入口予備室10や出口予備室70が省略されるものとしても良い。そのような構成であっても、前段真空予備室20や後段真空予備室60と成膜室40との間に、前段真空予備室20や後段真空予備室60より容積の小さい中間室30,50が設けられていることにより、基板5,5cの搬入・搬出の際の成膜室40における真空度の低下が抑制される。

0097

D4.変形例4:
上記実施例のプラズマ成膜装置では、基板5,5cが、重力を利用して搬送されていた。しかし、基板5,5cの搬送は、重力を利用しない搬送機構によって行われるものとしても良い。ただし、上記実施例のように、基板5,5cを重力を利用して直線的に搬送する構成であれば、基板5,5cの搬送機構によって装置が大型化してしまうことや、搬送機構によるエネルギー消費量の増大を抑制できる。また、搬送機構に用いられるオイルなどの油分などによって、成膜処理が阻害されることを回避できる。

0098

E.参考例:
図14は基板5の使用用途の一例としての燃料電池500を説明するための概略図である。図17は、燃料電池500の構成を示す概略図である。この燃料電池500は、反応ガスとして水素燃料ガス)と酸素酸化ガス)の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。なお、燃料電池500は、固体高分子形燃料電池でなくとも良く、セパレータを備えた他の種類の燃料電池であるものとしても良い。

0099

燃料電池500は、膜電極接合体510と、セパレータ520とが交互に積層されたスタック構造を有する。膜電極接合体510は、電解質膜511の外側に2つの電極512,513が設けられた発電体である。電解質膜511は、湿潤状態において良好なプロトン伝導性を示すイオン交換膜によって構成される。

0100

各電極512,513はそれぞれ、電解質膜511の外表面に形成されたガス拡散性を有する電極であり、電気化学反応を促進するための触媒担持されている。各電極512,513は、例えば、白金担持カーボンによって構成することができる。各電極512,513の外側の面には、ガス拡散層515が設けられている。ガス拡散層515は、炭素繊維などの導電性およびガス透過性・ガス拡散性を有する多孔質繊維基材や、いわゆるエキスパンドメタルなどの金属加工板によって構成することができる。

0101

膜電極接合体510の外周端には、当該外周端を被覆するようにシール部530が形成されている。シール部530は、反応ガスがシール部530に囲まれた領域から漏洩することを防止するとともに、膜電極接合体510を狭持するセパレータ520同士の間の短絡を防止する。なお、シール部530には、各膜電極接合体510に反応ガスを供給するためのマニホールドが形成されるが、その図示および説明は省略する。

0102

セパレータ520は、それぞれが各電極512,513と対向するように配置される2枚のプレート521,522を備える。2つのプレート521,522の間には、反応ガスや冷媒のための流路を構成する流路形成層523が形成されている。各プレート521,522は、導電性を有するガス不透過の板状部材(例えば金属板)によって構成することができる。流路形成層523は樹脂フィルム導電性部材とを組み合わせて構成されるものとしても良いし、金属材料を各プレート521,522の外表面に付着させて形成されるものとしても良い。

0103

ここで、セパレータ520は、反応ガスや冷媒のための流路が形成された流体流路として機能する。即ち、セパレータ520を構成する各プレート521,522は、燃料電池500に供給される水素をはじめとする各流体や、燃料電池500で生成される水分と、高温環境下(例えば80℃程度)で直接的に接触する。そのため、セパレータ520の各プレート521,522は、耐腐食性が向上されることが好ましい。

0104

また、セパレータ520の各プレート521,522は、膜電極接合体510における発電反応で生じた水分を発電領域から円滑に誘導するために、親水性が向上されていることが好ましい。さらに、セパレータ520は、膜電極接合体510で発電された電気の導電パスとしても機能するため、各プレート521,522は、その表面抵抗が低減されることが好ましい。

0105

そこで、上記実施例で説明したプラズマ成膜装置によって、セパレータ520を構成するための基板5の外表面を炭素薄膜によってコーティングすることにより、そうしたセパレータ520の耐腐食性や導電性を向上させることができる。

0106

5,5n,5c,5nc…基板
6…貫通孔
10…入口予備室
11a…第1の開口部
11b…第2の開口部
12…ゲートバルブ
20…前段真空予備室
20a…第2の前段真空予備室
21a…第1の開口部
21b…第2の開口部
22…ゲートバルブ
30…前段中間室
30a…第2の前段中間室
31a…第1の開口部
31b…第2の開口部
32…ゲートバルブ
40,40d…成膜室
41a…第1の開口部
41b…第2の開口部
42…ゲートバルブ
43…保持部
43L…ロック部
43a,43b…溝部材
44…シャワー管
44a,44b…平行配管部
45…防着板
46…保持部材
47…搬送機構
50…後段中間室
51a…第1の開口部
51b…第2の開口部
52…ゲートバルブ
60…後段真空予備室
61a…第1の開口部
61b…第2の開口部
62…ゲートバルブ
70,70d…出口予備室
71a…第1の開口部
71b…第2の開口部
72,73…ゲートバルブ
75…搬出機構
100,100A,100a〜100f…プラズマ成膜装置
110…第1の真空ポンプ
120…第2の真空ポンプ
130…第3の真空ポンプ
140…原料ガス供給部
150…排ガス処理部
160…プラズマ発生用電源
170…切替バルブ
171〜174…配管
500…燃料電池
510…膜電極接合体
511…電解質膜
512,513…電極
515…ガス拡散層
520…セパレータ
521,522…プレート
523…流路形成層
530…シール部
LS…搭載空間
TG…ガイド

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