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技術 樹脂組成物

出願人 味の素株式会社
発明者 天野博河原滋
出願日 2013年9月6日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2013-185562
公開日 2013年11月28日 (6年7ヶ月経過) 公開番号 2013-237872
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 エポキシ樹脂
主要キーワード JISC 化学容器 接触円 含浸接着 汎用合成樹脂 アルカリ金属イオン濃度 干渉型顕微鏡 脱水分解
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年11月28日)のものです。
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図面 (2)

課題

本発明の課題は、入手容易な原料を構成要素とし、程よい硬化特性と保存安定性とのバランスを兼ね備えた実用的な樹脂組成物を提供することである。

解決手段

本発明の解決手段は、分子内にエポキシ基及び/又はチイラン基を2個以上有する化合物(成分(1))と、特定のイオン液体(成分(2))と、を含有させることである。前記イオン液体(成分(2))が、アンモニウム系カチオン又はホスホニウム系カチオンと、カルボン酸アニオンと、の組み合わせから構成されることが好ましい。

概要

背景

エポキシ樹脂組成物は、一般に、接着剤封止剤塗料など幅広い分野で利用されている汎用合成樹脂である。「二液性」エポキシ樹脂組成物がかつては主流であったが、主剤硬化剤とを使用直前に混合しなくてはならないという煩雑さ、不便さから、「一液性」のエポキシ樹脂組成物が開発されてきた。

特許文献1には、ジシアンジアミドジヒドラジド化合物アミンアダクト化合物を「固体分散型硬化促進剤」とする最も代表的な「一液性」エポキシ樹脂組成物が開示されている。これらは特殊な構造を有しており、必ずしも容易に入手可能とは言えるものではなかった。

一方、非特許文献1では、特定のイオン液体である1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートエポキシ樹脂の硬化剤として使用しうることが報告されている。しかし、硬化温度が190℃以上と高く、エポキシ樹脂100重量部に対し1〜5重量部もの添加量をしても6.5〜7時間もの長時間を要する等、とても実用的とは呼べるレベルではなかった。

概要

本発明の課題は、入手容易な原料を構成要素とし、程よい硬化特性と保存安定性とのバランスを兼ね備えた実用的な樹脂組成物を提供することである。本発明の解決手段は、分子内にエポキシ基及び/又はチイラン基を2個以上有する化合物(成分(1))と、特定のイオン液体(成分(2))と、を含有させることである。前記イオン液体(成分(2))が、アンモニウム系カチオン又はホスホニウム系カチオンと、カルボン酸アニオンと、の組み合わせから構成されることが好ましい。

目的

本発明は、入手容易な原料を構成要素とし、程よい硬化特性と保存安定性とのバランスを兼ね備えた実用的な樹脂組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

分子内にエポキシ基及び/又はチイラン基を2個以上有する化合物(成分(1))と、前記(1)の硬化剤または硬化促進剤としてイオン液体(成分(2))と、を含有することを特徴とする完全一液性熱硬化性樹脂組成物

請求項2

前記イオン液体(成分(2))が、アンモニウム系カチオン又はホスホニウム系カチオンと、酸性アミノ酸イオン中性アミノ酸イオン、N−アシルアミノ酸イオン及びカルボン酸アニオンから選択されるアニオンと、から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物

請求項3

さらに、分子内にチオール基を2個以上有するポリチオール化合物(成分(3))を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂組成物。

請求項4

さらに、ルイス酸性を有する化合物(成分(4))を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の樹脂組成物。

請求項5

さらに、酸無水物(成分(5))を含有することを特徴とする請求項1〜4何れか一項に記載の樹脂組成物。

請求項6

請求項1〜5の何れか一項に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とするファイン化学品。

請求項7

請求項1〜5の何れか一項に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする接着剤

請求項8

請求項1〜5の何れか一項に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする封止材

請求項9

アンモニウム系カチオン又はホスホニウム系カチオンと、酸性アミノ酸イオン、中性アミノ酸イオン、N−アシルアミノ酸イオン及びカルボン酸系アニオンから選択されるアニオンと、から構成されるイオン液体を含有することを特徴とする、分子内にエポキシ基及び/又はチイラン基を2個以上有する化合物の硬化剤または硬化促進剤。

技術分野

0001

本発明は、分子内にエポキシ基及び/又はチイラン基を2個以上有する化合物と、イオン液体と、を含有する樹脂組成物に関する。さらに、追加的に分子内にチオール基を2個以上有するポリチオール化合物ルイス酸性を有する化合物及び/又は酸無水物を含む前記樹脂組成物に関する。

背景技術

0002

エポキシ樹脂組成物は、一般に、接着剤封止剤塗料など幅広い分野で利用されている汎用合成樹脂である。「二液性」エポキシ樹脂組成物がかつては主流であったが、主剤硬化剤とを使用直前に混合しなくてはならないという煩雑さ、不便さから、「一液性」のエポキシ樹脂組成物が開発されてきた。

0003

特許文献1には、ジシアンジアミドジヒドラジド化合物アミンアダクト化合物を「固体分散型硬化促進剤」とする最も代表的な「一液性」エポキシ樹脂組成物が開示されている。これらは特殊な構造を有しており、必ずしも容易に入手可能とは言えるものではなかった。

0004

一方、非特許文献1では、特定のイオン液体である1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートエポキシ樹脂の硬化剤として使用しうることが報告されている。しかし、硬化温度が190℃以上と高く、エポキシ樹脂100重量部に対し1〜5重量部もの添加量をしても6.5〜7時間もの長時間を要する等、とても実用的とは呼べるレベルではなかった。

0005

特開平06−211969号公報

先行技術

0006

Polimery 2003, Vol. 48, pp.833-835

発明が解決しようとする課題

0007

エポキシ樹脂組成物に使用される従来の硬化剤、硬化促進剤は、上記のように種々の問題点があり、必ずしも作業性及び信頼性に優れた実用的な樹脂組成物とはいえなかった。本発明は、入手容易な原料を構成要素とし、程よい硬化特性と保存安定性とのバランスを兼ね備えた実用的な樹脂組成物を提供することが課題である。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、分子内にエポキシ基及び/又はチイラン基を2個以上有する化合物(成分(1))と、特定のイオン液体(成分(2))と、を含有させることにより課題が解決しうることを見出し、本発明を完成した。

0009

すなわち、本発明は以下の態様を含む。
[1]分子内にエポキシ基及び/又はチイラン基を2個以上有する化合物(成分(1))と、イオン液体(成分(2))と、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
[2]前記イオン液体(成分(2))が、アンモニウム系カチオン又はホスホニウム系カチオンと、カルボン酸アニオンと、から構成されることを特徴とする、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記カルボン酸系アニオンが、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオンギ酸イオン乳酸イオン酒石酸イオン馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン及びN−アセチルグリシンイオンから選択されることを特徴とする、[2]に記載の樹脂組成物。
[4]さらに、分子内にチオール基を2個以上有するポリチオール化合物(成分(3))を含有することを特徴とする、[1]〜[3]の何れかに記載の樹脂組成物。
[5]さらに、ルイス酸性を有する化合物(成分(4))を含有することを特徴とする[1]〜[4]の何れかに記載の樹脂組成物。
[6]さらに、酸無水物(成分(5))を含有することを特徴とする[1]〜[3]何れか記載の樹脂組成物。
[7][1]〜[6]の何れかに記載の樹脂組成物を含有することを特徴とするファイン化学品。
[8](a)イミダゾリウムイオンテトラアルキルホスホニウムイオンからなる群より選択されるカチオンと、
(b)ギ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン及びN−アセチルグリシンイオンからなる群より選択されるアニオンと、から構成されることを特徴とするイオン液体。
[9]1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムラクテートテトラブチルホスホニウム2−ピロリドン−5−カルボキシレートギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ラクテート、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、酒石酸ビス(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩、N−アセチルグリシン 1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩のいずれかであることを特徴とするイオン液体。
[10][8]または[9]のいずれかに記載のイオン液体を含有することを特徴とする、硬化促進剤。

発明の効果

0010

本発明によれば、入手容易な原料を構成要素とし、程よい硬化特性と保存安定性とのバランスを兼ね備えた実用的な樹脂組成物が得られるようになった。特に常温融解状態のイオン液体を使用した場合には、作業性に優れると共に狭所接着含浸接着にも適した完全液状一液型の樹脂組成物を提供できるようになった。

図面の簡単な説明

0011

実施例47〜51(イオン液体R、S、T、U及びV)についての示差走査熱量測定DSC)結果である。

0012

本発明において、用語「樹脂」とは、適当な試薬の存在で3次元網状構造を与える高分子前駆体化合物をいい、例えば、以下に説明するエポキシ樹脂等を含む。本明細書においては、この高分子前駆体化合物及びこれを含む組成物を、それぞれ「樹脂」及び「樹脂組成物」と称し、これらが重合により硬化したものを「硬化体」と称する。また、用語「イオン液体」とは、一般的には「アニオンとカチオンとから構成される約100℃以下の温度領域融解しうる塩」のことを意味するが、本明細書においては、「アニオンとカチオンとから構成される硬化温度以下の温度領域で融解しうる塩」を意味し、好ましくは「アニオンとカチオンとから構成される常温融解塩」のことを意味する。

0013

本発明の樹脂組成物は、分子内にエポキシ基及び/又はチイラン基を2個以上有する化合物と、特定のイオン液体と、を含むことを特徴とし、入手容易な原料を構成要素とし、程よい硬化特性と保存安定性とのバランスを兼ね備えた実用的な樹脂組成物を提供できるものである。さらに、以下に説明する各成分を用いて、所望の硬化時間、及び保存安定性に調製することが可能である。

0014

[成分(1)]
本発明の樹脂組成物に使用される成分(1)は、分子内にエポキシ基及び/又はチイラン基を2個以上有する化合物であり、(A)分子内に2個以上のチイラン基を含む化合物、(B)分子内にチイラン基とエポキシ基の両方を1個以上含む化合物、(C)分子内に2個以上のエポキシ基を含む化合物のいずれかをいう。なお、前記(A)〜(C)の化合物は、それぞれ単独、あるいは2種以上を混合して使用することができるが、(C)の化合物を単独で含む場合が硬化体の強度を大きくする点で好ましい。
保存安定性/ゲルタイム選択性が向上するという観点で、成分(1)中のチイラン基含有化合物((A)と(B)の一部(*)の合計重量)の割合(重量%)は60〜100重量%が好ましく、80〜100重量%がより好ましい。
(*:(B)の一部(重量)=(B)(重量)×((B)中チイラン基(モル)/((B)中チイラン基(モル)+(B)中エポキシ基(モル)))

0015

本発明のチイラン基含有化合物は各種方法で製造される。例えば2−ヒドロキシメルカプタンの熱脱水分解、1,2−クロチオール弱アルカリ溶液での処理、エチレン性不飽和エーテル硫黄またはポリスルフィドジアルキルのような化合物との処理が挙げられる。

0016

また、エポキシ化合物を原料としてエポキシ基の酸素原子の全部あるいは一部を硫黄原子置換してチイラン基含有化合物を得る方法は既に知られている。このような化合物はエピスルフィド、またはエピスルフィド樹脂とも呼ばれる。例示すると、J. Polym. Sci. Polym. Phys., 17, 329 (1979) に記載のエポキシ化合物とチオシアン酸塩を用いる方法や、J. Org. Chem., 26, 3467 (1961)に記載のエポキシ化合物とチオ尿素を用いる方法、特開2000−351829号公報、特開2001−342253号公報に示される方法等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。

0017

以上に詳述した、分子内に2個以上のチイラン基を含む含有化合物(A)の具体例としては、例えば、2,2−ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシフェニルプロパン、ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシ)フェニル)メタン、1,6−ジ(2,3−エピチオプロポキシ)ナフタレン、1,1,1−トリス−(4−(2,3−エピチオプロポキシ)フェニル)エタン、2,2−ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシ)シクロヘキシル)プロパン、ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシ)シクロヘキシル)メタン、1,1,1−トリス−(4−(2,3−エピチオプロポキシ)シクロヘキシル)エタン、1,5−ペンタンジオールの2,3−エピチオシクロヘキシル)エーテル、1,6−ヘキサンジオールのジ(3,4−エピチオオクチル)エーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0018

本発明の1分子中にチイラン基とエポキシ基の両方を持つ化合物(B)は、エポキシ化合物を原料としてエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に交換してエピスルフィド樹脂を合成するときに、エピスルフィド化試薬の使用量或いは反応条件を調整することによって得ることができる。また、各種精製方法で分離して得た部分エピスルフィド化物を全エピスルフィド化物と混合しても得ることができる。

0019

本発明においてより好ましいチイラン基含有化合物は、特開2000−351829号公報に示されるような、ビスフェノール骨格を有するエポキシ化合物の芳香環炭素−炭素不飽和結合水素化(水添)した、水素化ビスフェノールエポキシ樹脂が有するエポキシ基の酸素原子の全てまたは一部を硫黄原子に置換したチイラン基を含む化合物、特に水素化ビスフェノールA骨格を含むチイラン基含有化合物であり、この化合物を用いた組成物は特に硬化性、作業性と貯蔵安定性に優れる。

0020

本発明に使用される分子内に2個以上のエポキシ基を含む化合物(C)は、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するものであればよい。例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコールレゾルシノール等の多価フェノールグリセリンポリエチレングリコール等の多価アルコールエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテルp−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステルフタル酸テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル;さらにはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂エポキシ化ポリオレフィン環式脂肪族エポキシ樹脂、その他ウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0021

市販されているエポキシ樹脂製品としては例えばジャパンエポキシレジン株式会社製のエピコート828、1001、801、806、807、152、604、630、871、YX8000、YX8034、YX4000、カージュラE10P、大日本インキ工業株式会社製のエピクロン830、835LV、HP4032D、703、720、726、HP820、旭電化工業株式会社製のEP4100、EP4000、EP4080、EP4085、EP4088、EPU6、EPR4023、EPR1309、EP49−20、ナガセケムテックス株式会社製デナコールEX411、EX314、EX201、EX212、EX252、EX111、EX146、EX721等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは、それぞれ単独で用いることも、また二種以上を混合して用いても良い。

0022

なお、上記した(A)〜(C)の各成分は、エポキシ基とチイラン基以外の官能基を有していても良い。例えばヒドロキシル基ビニル基アセタール基エステル基カルボニル基アミド基アルコキシシリル基等である。

0023

[成分(2)]
本発明に使用される成分(2)のイオン液体は、「アニオンとカチオンとから構成される硬化温度以下の温度領域で融解しうる塩」であり、樹脂硬化剤としての働きと、硬化促進剤としての働きを有する。本発明の組成物においては、成分(1)に成分(2)を均一に溶解している状態で使用されるのが望ましく、組成物を調製する容易さという観点で成分(2)の融点は室温よりも低いのが望ましい。

0024

イオン液体を構成するカチオンとしては、イミダゾリウムイオン、ピペリジニウムイオン、ピロリジニウムイオンピラゾニウムイオン、グアニジニウムイオン、ピリジニウムイオン等のアンモニウム系カチオン;テトラブチルホスホニウムイオン、トリブチルヘキシルホスホニウムイオン等のホスホニウム系カチオン;トリエチルスルホニウムイオン等のスルホニウム系カチオン等が挙げられる。

0025

イオン液体を構成するアニオンとしては、フッ化物イオン塩化物イオン臭化物イオンヨウ化物イオン等のハロゲン化物系アニオン;メタンスルホン酸イオン等のアルキル硫酸系アニオン;トリフルオロメタンスルホン酸イオンヘキサフルオロホスホン酸イオン、トリフルオロトリスペンタフルオロエチル)ホスホン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミドイオントリフルオロ酢酸イオンテトラフルオロホウ酸イオン等の含フッ素化合物系アニオン;フェノールイオン、2−メトキシフェノールイオン、2,6−ジ−tertブチルフェノールイオン等のフェノール系アニオン;アスパラギン酸イオン、グルタミン酸イオン等の酸性アミノ酸イオン;グリシンイオン、アラニンイオン、フェニルアラニンイオン等の中性アミノ酸イオン;N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、N−アセチルグリシンイオン等の下記一般式(1)で示されるN−アシルアミノ酸イオン;ギ酸イオン、酢酸イオンデカン酸イオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、α−リポ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、安息香酸イオン等のカルボン酸系アニオンが挙げられる。

0026

0027

(但し、R−CO−は炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖脂肪酸より誘導されるアシル基、或いは、置換または無置換ベンゾイル基であり、−NH−CHX−CO2はアスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸イオン、或いはグリシン、アラニン、フェニルアラニン等の中性アミノ酸イオンである)

0028

まず、成分(1)と成分(2)と成分(3)及び/又は成分(4)より構成される樹脂組成物に使用される場合に適したイオン液体について述べる。この場合には、イオン液体は硬化促進剤として作用することになる。

0029

本用途に適したイオン液体を構成するカチオンとしては、硬化性と貯蔵安定性のバランスが良好という観点で、アンモニウム系カチオン、ホスホニウム系カチオンが好ましく、イミダゾリウムイオン、ピペリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオンがより好ましく、イミダゾリウムイオン及びホスホニウムイオンが更に好ましい。

0030

本用途に適したイオン液体を構成するアニオンとしては、硬化性と貯蔵安定性のバランスが良好という観点で、含フッ素化合物系アニオン、フェノール系アニオン、一般式(1)で示されるN−アシルアミノ酸イオン、カルボン酸系アニオンが好ましく、ヘキサフルオロホスホン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、2−メトキシフェノールイオン、2,6−ジ−tertブチルフェノールイオン、酢酸イオン、デカン酸イオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、ギ酸イオン、α−リポ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、及びN−アセチルグリシンイオンがより好ましく、2,6−ジ−tertブチルフェノールイオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、酢酸イオン、デカン酸イオン、ギ酸イオン、α−リポ酸イオン、乳酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、安息香酸イオン、グリシンイオン及びN−アセチルグリシンイオンが更に好ましく、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、酢酸イオン、デカン酸イオン、ギ酸イオン、乳酸イオン、2,6−ジ−tertブチルフェノールイオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、安息香酸イオン、N−アセチルグリシンイオンが更に一層好ましく、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、酢酸イオン、デカン酸イオン、ギ酸イオン、乳酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、安息香酸イオン、N−アセチルグリシンイオンが殊更好ましく、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、ギ酸イオン、N−アセチルグリシンイオンが特に好ましい。

0031

具体的なイオン液体としては、硬化性と貯蔵安定性のバランスが良好という観点で、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘキシルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、テトラブチルホスホニウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムトリフルオロアセテート、テトラブチルホスホニウムα−リポエート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、酒石酸ビス(テトラブチルホスホニウム)塩、馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、N−メチル馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルフェニルアラニンテトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムメタンスルホネート、2,6−ジ−tertブチルフェノールテトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムベンゾエート、L−アスパラギン酸モノテトラブチルホスホニウム塩、グリシンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−1−メチルピペリジニウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレート、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩が好ましく、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、テトラブチルホスホニウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムα−リポエート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、酒石酸ビス(テトラブチルホスホニウム)塩、馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、N−メチル馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルフェニルアラニンテトラブチルホスホニウム塩、2,6−ジ−tertブチルフェノールテトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムベンゾエート、L−アスパラギン酸モノテトラブチルホスホニウム塩、グリシンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−1−メチルピペリジニウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレート、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩がより好ましく、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、テトラブチルホスホニウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムα−リポエート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、酒石酸ビス(テトラブチルホスホニウム)塩、馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、N−メチル馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルフェニルアラニンテトラブチルホスホニウム塩、2,6−ジ−tertブチルフェノールテトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムベンゾエート、L−アスパラギン酸モノテトラブチルホスホニウム塩、グリシンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−1−メチルピペリジニウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレート、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩が更に好ましく、テトラブチルホスホニウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、N−メチル馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムベンゾエート、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−1−メチルピペリジニウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレート、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩が更に一層好ましい。

0032

次に、成分(1)と成分(2)より構成される樹脂組成物に使用される場合に適したイオン液体について述べる。特に、成分(1)が(C)分子内に2個以上のエポキシ基を含む化合物の場合は、樹脂組成物にイオウ分を含まないため、硬化後の樹脂自体の安定性が殊のほか良いという特性を有する。この場合には、イオン液体は硬化剤として作用することになる。

0033

本用途に適したイオン液体を構成するカチオンとしては、アンモニウム系カチオン、ホスホニウム系カチオンが好ましく、イミダゾリウムイオン、ホスホニウムイオンがより好ましく、ホスホニウムイオンが更に好ましい。

0034

本用途に適したイオン液体を構成するアニオンとしては、フェノール系アニオン、一般式(1)で示されるN−アシルアミノ酸イオン又は、カルボン酸系アニオンが好ましく、2,6−ジ−tertブチルフェノールイオン、酢酸イオン、デカン酸イオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、ギ酸イオン、α−リポ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、アスパラギン酸イオン、グリシンイオン及びN−アセチルグリシンイオンがより好ましく、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、ギ酸イオン、α−リポ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、2,6−ジ−tertブチルフェノールイオン及びN−アセチルグリシンイオンが更に好ましく、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、ギ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、及びN−アセチルグリシンイオンが更に一層好ましく、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、ギ酸イオン、乳酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルグリシンイオンが殊更好ましく、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、ギ酸イオンが特に好ましい。

0035

本用途に適した具体的なイオン液体としては、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、テトラブチルホスホニウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムトリフルオロアセテート、テトラブチルホスホニウムα−リポエート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、酒石酸ビス(テトラブチルホスホニウム)塩、馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、N−メチル馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルフェニルアラニンテトラブチルホスホニウム塩、2,6−ジ−tertブチルフェノールテトラブチルホスホニウム塩、L−アスパラギン酸モノテトラブチルホスホニウム塩、グリシンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ラクテート、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、酒石酸ビス(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩、N−アセチルグリシン 1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩が好ましく、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、テトラブチルホスホニウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、酒石酸ビス(テトラブチルホスホニウム)塩、馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、N−メチル馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルフェニルアラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ラクテート、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、酒石酸 ビス(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩、N−アセチルグリシン 1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩がより好ましく、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、テトラブチルホスホニウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ラクテート、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、酒石酸 ビス(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩、N−アセチルグリシン 1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩が更に好ましく、テトラブチルホスホニウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、N−アセチルグリシン 1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩が更に一層好ましく、テトラブチルホスホニウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩が殊更好ましい。

0036

次に、成分(1)と成分(2)と成分(5)より構成される樹脂組成物に使用される場合に適したイオン液体について述べる。これらの構成では、保存安定性は若干乏しいながらも、短時間硬化を要求される場面に適した樹脂組成物を提供することができる。

0037

本用途に適したイオン液体を構成するカチオンとしては、アンモニウム系カチオン、ホスホニウム系カチオンが好ましく、イミダゾリウムイオン、ピペリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオンがより好ましく、ピペリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン及びホスホニウムイオンが更に好ましく、ピペリジニウムイオン、イミダゾリウムイオンが更に一層好ましく、ピペリジニウムイオンが殊更好ましい。

0038

本用途に適したイオン液体を構成するアニオンとしては、含フッ素化合物系アニオン、フェノール系アニオン、一般式(1)で示されるN−アシルアミノ酸イオン、カルボン酸系アニオンが好ましく、ヘキサフルオロホスホン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、酢酸イオン、デカン酸イオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、ギ酸イオン、α−リポ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、2,6−ジ−tertブチルフェノールイオン、安息香酸イオン、アスパラギン酸イオン、グリシンイオン及びN−アセチルグリシンイオンがより好ましく、酢酸イオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、2,6−ジ−tertブチルフェノールイオン、安息香酸イオン、N−アセチルグリシンイオンが更に好ましく、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルグリシンイオンが更に一層好ましく、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、乳酸イオンが殊更好ましい。

0039

本用途に適した具体的なイオン液体としては、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘキシルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、テトラブチルホスホニウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムトリフルオロアセテート、テトラブチルホスホニウムα−リポエート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、酒石酸ビス(テトラブチルホスホニウム)塩、馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、N−メチル馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルフェニルアラニンテトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムメタンスルホネート、2,6−ジ−tertブチルフェノールテトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムベンゾエート、L−アスパラギン酸モノテトラブチルホスホニウム塩、グリシンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−1−メチルピペリジニウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ラクテート、馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレート、酒石酸ビス(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩、N−ベンゾイル−DL−アラニン 1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、N−アセチルグリシン 1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩が好ましく、2,6−ジ−tertブチルフェノールテトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムベンゾエート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−1−メチルピペリジニウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ラクテート、馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレート、酒石酸 ビス(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩、N−ベンゾイル−DL−アラニン 1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、N−アセチルグリシン 1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩がより好ましく、1−エチル−1−メチルピペリジニウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ラクテート、馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレート、酒石酸 ビス(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩、N−ベンゾイル−DL−アラニン 1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、N−アセチルグリシン 1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩が更に好ましく、1−エチル−1−メチルピペリジニウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ラクテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレートが更に一層好ましく、1−エチル−1−メチルピペリジニウム 2−ピロリドン−5−カルボキシレートが殊更好ましい。

0040

かかるイオン液体の合成法としては、アルキルイミダゾリウムアルキルピリジニウム、アルキルアンモニウム及びアルキルスルホニウムイオン等のカチオン部位と、ハロゲンを含むアニオン部位から構成される前駆体に、NaBF4、NaPF6、CF3SO3NaやLiN(SO2CF3)2等を反応させるアニオン交換法、アミン系物質と酸エステルとを反応させてアルキル基を導入しつつ、有機酸残基対アニオンになるような酸エステル法、及びアミン類有機酸中和して塩を得る中和法等があるがこれらに限定されない。アニオンとカチオンと溶媒による中和法では、アニオンとカチオンとを当量使用し、得られた反応液中の溶媒を留去して、そのまま用いることも可能であるし、更に有機溶媒メタノールトルエン酢酸エチルアセトン等)を差し液濃縮しても構わない。

0041

イオン液体の添加量は、樹脂が硬化しさえすれば特に制限は無いが、成分(1)100重量部に対して0.01〜30重量部が好ましい。0.01重量部よりも少ないと十分な硬化性が得られない場合があり、30重量部より多いと貯蔵安定性が損なわれることがある。本発明に係るイオン液体は、成分(1)の硬化剤として、或いは他の硬化剤と併用した場合の硬化促進剤としても使用することができる。従って、以下に説明する他の成分の存在又は不存在によって、その添加量を適宜調節することが好ましい。硬化促進剤としても硬化剤としても使用する場合に良好な性能を発揮できるという観点でその添加量の下限値は、成分(1)100重量部に対して0.02重量部がより好ましく、0.05重量部が更に好ましく、0.1重量部が更に一層好ましく、0.2重量部が殊更好ましく、0.5重量部が特に好ましい。また、硬化促進剤としても硬化剤としても使用する場合に良好な性能を発揮できるという観点でその添加量の上限値は、成分(1)100重量部に対して25重量部がより好ましく、20重量部が更に好ましく、15重量部が更に一層好ましく、10重量部が殊更好ましく、5重量部が特に好ましい。

0042

[成分(3)]
更に本発明の成分(1)と成分(2)を含有する樹脂組成物には、成分(3)の分子内にチオール基を2個以上有するポリチオール化合物を含有させることにより、硬化速度を速めることができる。具体的には、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパン トリス(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトール テトラキス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリスリトールポリ(β−チオプロピオネート)が挙げられる。ポリオールメルカプト有機酸のエステル化反応によって得られるチオール化合物のように、製造上塩基性物質の使用を必要としない、分子内にチオール基を2個以上有するチオール化合物がある。

0043

同様に、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオール等のアルキルポリチオール化合物;末端チオール基含有ポリエーテル;末端チオール基含有ポリチオエーテル;エポキシ化合物と硫化水素との反応によって得られるチオール化合物;ポリチオール化合物とエポキシ化合物との反応によって得られる末端チオール基を有するチオール化合物等のように、その製造工程上反応触媒として、塩基性物質を使用するものにあっては、脱アルカリ処理を行いアルカリ金属イオン濃度を50ppm以下とした分子内にチオール基を2個以上有するチオール化合物が使用できる。

0044

反応触媒として、塩基性物質を使用して製造されたポリチオール化合物の脱アルカリ処理方法としては、例えば処理を行うポリチオール化合物をアセトン、メタノールなどの有機溶媒に溶解し、希塩酸希硫酸等の酸を加えることにより中和した後、抽出・洗浄等により脱塩する方法やイオン交換樹脂を用いて吸着する方法、蒸留により精製する方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0045

本発明に於いて成分(1)と成分(3)の混合比は、SH当量数エポキシ当量数で通常0.2〜1.2とすることが好ましい。0.2よりも少ないと十分な速硬化性が得られない場合があり、他方、1.2より多いと耐熱性などの硬化物の物性が損なわれる場合がある。接着性が安定するという観点から0.5〜1.0がより好ましい。

0046

[成分(4)]
更に本発明の成分(1)と成分(2)を含有する樹脂組成物、或いは本発明の成分(1)と成分(2)と成分(3)を含有する樹脂組成物には、成分(4)のルイス酸性を有する化合物を含有させることにより、保存安定性を付与することができる。具体的には、チタン酸エステル化合物、ホウ酸エステル化合物アルミネート化合物ジルコネート化合物などが挙げられる。

0047

ホウ酸エステル類の代表例としては、トリメチルボレートトリエチルボレート、トリ−n−プロピルボレートトリイソプロピルボレート、トリ−n−ブチルボレート、トリペンチルボレート、トリアリルボレート、トリヘキシルボレート、トリシクロヘキシルボレート、トリオクチルボレート、トリノニルボレート、トリデシルボレート、トリドデシルボレート、トリヘキサデシルボレート、トリオタデシルボレート、トリス(2−エチルヘキシロキシボラン、ビス(1,4,7,10−テトラオキサウンデシル)(1,4,7,10,13−ペンタオキサテトラデシル)(1,4,7−トリオキサウンデシル)ボラン、トリベンジルボレート、トリフェニルボレート、トリ−O−トリルボレート、トリ−m−トリルボレート、トリエタノールアミンボレート等が挙げられる。

0048

チタン酸エステル類としては、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート等が挙げられる。

0049

アルミネート化合物としては、トリエチルアルミネート、トリプロピルアルミネート、トリイソプロピルアルミネート、トリブチルアルミネート、トリオクチルアルミネート等が挙げられる。

0050

ジルコネート化合物としては、テトラエチルジルコネート、テトラプロピルジルコネート、テトライソプロピルジルコネート、テトラブチルジルコネート等が挙げられる。

0051

これらのうち、汎用性・安全性が高く、保存安定性に優れるという観点でホウ酸エステル類が好ましく、トリエチルボレート、トリ−n−プロピルボレート、トリイソプロピルボレート、トリ−n−ブチルボレートがより好ましく、トリエチルボレートが特に好ましい。ホウ酸エステルの添加量は、樹脂の保存安定性が高まりさえすれば特に制限は無いが、エポキシ樹脂100重量部に対して0.001〜3.0重量部が好ましい。0.001重量部よりも少ないと期待した貯蔵安定性が得られない場合があり、3.0重量部より多いと硬化時間が遅くなる場合がある。程よい硬化性と貯蔵安定性が付与できるという観点で0.5〜2.0重量部がより好ましい。

0052

[成分(5)]
更に本発明の成分(1)と成分(2)を含有する樹脂組成物には、硬化剤として酸無水物(5)を使用することができる。このような酸無水物としては、テトラヒドロフタル酸無水物メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物等であり、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

0053

本発明の樹脂組成物は、上記成分(1)〜(5)の組み合わせによって所望の硬化特性、又は硬化体としての強度や安定性を得ることができる。例えば、硬化速度を速めるためには成分(2)、(3)及び(5)から1種又は2種以上の所望の成分を選択し又はその添加量を調節する。一方、長期間の保存安定性を得るためには、例えば、成分(4)の添加量を調節することが好ましい。

0054

本発明の樹脂組成物を硬化させる方法は特に制限がなく、使用される分野によって適宜選択して用いることができる。例えば、熱風循環式オーブン赤外線ヒーターヒートガン高周波誘導加熱装置ヒートツール圧着による加熱などが使用可能である。硬化させる条件は、使用機種、使用目的により低温長時間硬化と、高温短時間硬化に分けられ、本樹脂組成物一緒に使用される部材の過熱劣化の低減とエネルギー節約を考慮しながら、それぞれ好ましい温度域と時間を選択することができる。

0055

本発明における、「実用的な硬化温度」とは、本組成物と一緒に使用される部材に対する過熱による劣化を低減させる、あるいは硬化に使用されるエネルギーを節約するという観点で、一般的な硬化温度の上限値は250℃が好ましく、200℃がより好ましく、180℃が更に好ましく、160℃が更に一層好ましく、140℃が殊更好ましく、120℃が特に好ましい。一方、一般的な硬化温度の下限値は、実用的な保存安定性を有しつつ硬化できるという観点で、50℃が好ましく、55℃がより好ましい。

0056

特に、本樹脂組成物と一緒に使用される部材に、プラスチック材料が含まれる場合には、硬化温度の上限は150℃が好ましく、120℃がより好ましく、100℃が更に好ましく、80℃が更に一層好ましく、60℃が特に好ましい。一方、実用的な保存安定性を有しつつ硬化できるという観点で、硬化温度の下限値は50℃が好ましく、55℃がさらに好ましい。

0057

特に、本樹脂組成物と一緒に使用される部材に、マグネットが含まれる場合には、熱による磁性体の劣化を軽減させるという観点で、硬化温度の上限値は180℃が好ましく、150℃がより好ましく、120℃がさらに好ましく、100℃が特に好ましい。実用的な保存安定性を有しつつ硬化できるという観点で、硬化温度の下限値は50℃が好ましく、55℃がさらに好ましい。

0058

本発明における、「実用的なゲル化時間(ゲルタイム)」とは、製造現場で使用しうる時間を意味しているが、一般的には生産性を向上させる意味で短ければ短いほど良い。硬化温度にもよるが、実用的なゲルタイムの上限値は、120分が好ましく、90分がより好ましく、60分が更に好ましく、30分が更に一層好ましく、15分が特に好ましい。早いほど良いものの制御可能という観点で、実用的なゲルタイムの下限値は、0.001秒が好ましく、0.1秒がより好ましい。特に、ベルトコンベアー等により、加熱器を通過させるように加熱する場合には、比較的瞬時に硬化することが求められるという観点では、実用的なゲルタイムの上限値は、15分が好ましく、5分がより好ましく、3分が更に好ましく、1分が更に一層好ましく、30秒が特に好ましい。早いほど良いものの制御可能という観点で、実用的なゲルタイムの下限値は、0.001秒が好ましく、0.1秒がより好ましい。

0059

本発明における、「実用的な保存安定性」とは、生産してから使用する状態、更には商品流通させて購入先で使用に耐えうる期間の安定性を意味する。商品流通あるいは長期に保管した後に使用する場合、冷蔵庫冷凍庫など低温化で保管することで保存安定性を伸ばすことも可能である。一般的には20℃以上40℃以下の環境温度において流通に耐えうるという観点で、保存安定性の下限値は、3時間が好ましく、6時間がより好ましく、12時間が更に好ましく、1日が更に一層好ましく、3日が殊更好ましく、7日が特に好ましい。一般的には20℃以上40℃以下の環境温度において流通に耐えうるという観点で、保存安定性の上限値は2週間が好ましく、3週間がより好ましく、1ヶ月が更に好ましく、2ヶ月が更に一層好ましく、3ヶ月が殊更好ましく、6ヶ月が特に好ましい。

0060

本発明における「実用的な硬化時間」とは、一般的にいう「硬化開始から硬化完了までの時間」とは異なり、「示差走査熱量測定(DSC)の発熱カーブ反応開始時(発熱発現時)と反応終了時(発熱終了時)との時間」のことを示す。均一硬化ができるという観点で、ピークがくきりとしていて硬化時間が短いものが好ましい。具体的には、硬化時間の下限値は低い程よいため、0.001分が好ましい。硬化時間の上限値は、硬化しさえすれば特に制限はないものの、ムラの無い均一効果ができるという観点で、60分が好ましく、30分がより好ましく、20分が更に好ましく、10分が更に一層好ましく、5分が殊更好ましい。

0061

本発明の樹脂組成物には、効果を阻害しない程度に充填剤希釈剤溶剤顔料可撓性付与剤カップリング剤酸化防止剤消泡剤等の各種添加剤を加えることができる。

0062

本発明の樹脂組成物は、硬化性に優れ、特に常温融解のイオン液体を使用した場合には完全液状であるため、主として接着剤、シーリング剤注型等のファイン化学品用途に使用する場合が好ましい。特に従来浸透性の関係で未硬化部分が発生してしまう、コイル含浸封止リレー封止、あらかじめ被着体となる部品を接触させた隙間に流し込んで接着する所謂含浸接着などの用途に最適である。塗料、コーティング剤としてはプリント配線版絶縁塗料や、各種電子部品の耐湿コート等にも利用できる。

0063

さらに本発明の異なる観点において、上記樹脂組成物の硬化剤及び/又は硬化促進剤として使用される新規なイオン液体が提供される。当該イオン液体は、(a)テトラアルキルホスホニウムイオンから選択されるカチオン、好ましくはテトラブチルホスホニウムイオンと、(b)α−リポ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、及びN−アセチルグリシンイオンからなる群より選択されるアニオンと、から構成される。これらのイオン液体は、上記成分(1)の硬化剤として単独で使用することができるため、樹脂組成物の構成が単純となり容易に調製することができる。一般的に、エポキシ樹脂組成物にチオール系の硬化剤が添加されると硬化速度が改善される一方、耐湿性、耐熱性が低下するという問題点があるが、本発明のイオン液体は、単独で優れた硬化作用を発揮するため、これらの問題点を解消できるものである。また、帯電防止剤等、溶剤、難燃剤、等、イオン液体として有用な機能を発揮することもできる。

0064

以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0065

評価方法
[接着剤の外観試験
樹脂組成物を50mLのガラスサンプル瓶に入れ目視により、透明(着色みられずサンプル瓶越しに透け見える状態)、半透明(若干着色あるもののサンプル瓶越しに透けて見える状態)、不透明(着色あってサンプル瓶越しに透けては見えない状態)かを識別確認した。

0066

[ゲル化時間測定試験
それぞれの組成物を、JISC6521に準じてホットプレートゲル試験機GT−D:日新科学社製)により150℃で糸を引かなくなった時間を測定した。具体的には、約0.5gの樹脂をホットプレート式ゲル化試験機上に置き、150℃でストップウォッチ始動し、先端幅5mmのへら接触円運動を繰り返し、ゲル化するまでの時間を測定することである。接触円運動は、樹脂が直径25mmの範囲内におさまるようにし、へらは樹脂の粘度が低い間は持ち上げないようにし、一秒間に一回転の速さとし、粘度が上昇してきたら時々ホットプレートから約30mm垂直に持ち上げ、糸状のものが切れるまでこの上下運動を繰り返し行うことを意味する。測定は3回繰り返し、その平均値をゲル化時間とした。

0067

[保存安定性試験
調製した樹脂組成物を5mLのポリプロピレン容器化学容器株式会社製プラ)に入れ、30℃でゲル化するまでの時間(日数)を測定した。

0068

[含浸接着性試験
軟鋼板(JISG3141、SPCCD)の試験片の表面をエンドレスベルト(JIS#120)で研磨した。研磨面の凹凸を三次元干渉型顕微鏡(Veeco Metorology製「WykoNT3300」)で測定したところ、研磨の深さは片面で3〜8μmであった。研磨面を12mmのオーバーラップで、クリップ2個で貼り合せ圧締した。試験片の重ね合わされた片方の端部に各実施例で調製した組成物を約3mm厚に塗布し、オーブン内に斜めに立て、貼り合せ部に接着剤が含浸し易い状態で170℃、60分加熱硬化し接着させた。硬化後の鋼板を引き剥がし、接着面を観察した。接着面にタックが無く、均一に硬化しているものを○、未硬化でタックが残っているものを×とした。

0069

薄膜硬化性試験
上記含浸接着性試験と同様に研磨した鋼板に、バーコーターを厚さ20μmに設定し、各実施例で調製した組成物を塗布した。塗布した塗膜を170℃、60分加熱し硬化させた。硬化後の塗膜厚みは10〜20μmであった。硬化した塗膜が均一なものを○、不均一でざらつきがあるものを×とした。

0070

[硬化時間の測定]
硬化時間とは、一般的には、硬化開始から硬化完了までの時間をいうが、以下の実施例では示差走査熱量測定(DSC)の発熱カーブの反応開始時(発熱発現時)と反応終了時(発熱終了時)との時間差を硬化時間とした。測定方法は、セイコーインスツルメンツ株式会社製の示差走査熱量計DSC6200により、約2mgのサンプルを用いて25℃から250℃まで昇温速度5℃/分で昇温させたときの発熱カーブを測定した(図1参照)。

0071

以下の実施例にて用いた原料の略称は以下の通りである。
(1)エポキシ樹脂:
「EP−828」(ジャパンエポキシレジン社商品名);ビスフェノールA型エポキシ樹脂
エポキシ当量184〜194
(2)エピスルフィド樹脂:
「YL7007」(ジャパンエポキシレジン社商品名)
エピスルフィド当量 220
(3)ポリチオール化合物:
「TMTP」(淀化学社商品名);トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)
(4)シランカップリング剤
KBM403」(信越化学工業製
(5)疎水性シリカ
アエロジルRY200」(日本アエロジル製

0072

[製造例1]
(S)−(−)−2−ピロリドン−5−カルボン酸(和光純薬工業製)5.0gをメタノール30ml中に懸濁し、テトラブチルホスホニウムハイドロサイド40%水溶液アルドリッチ製)26.8gを0℃にて3分間かけて滴下した。10分間攪拌した後に、エバポレーターを用いて、40℃にて減圧濃縮した。残渣に対しメタノール50mlを加え、同様に減圧濃縮した。得られた残渣にトルエン100mlを加えて減圧濃縮する作業を2回繰り返した後、超高真空下、室温から50℃にて15時間濃縮した。テトラブチルホスホニウム(S)−(−)−2−ピロリドン−5−カルボキシレート15.3g(純度:98.0%)をオイル状化合物として得た。(イオン液体Aとする)
MRにて分析した結果、トルエン、メタノールは検出されなかった。
NMRスペクトル
1HNMR (CDCl3) δ : 0.77-0.93 (m, 12H) , 1.30-1.49 (m, 16H), 2.02-2.12 (m, 1H) , 2.12‐2.23 (m, 10H), 2.23‐2.33 (m, 1H), 3.92-3.97 (m, 1H) , 6.25 (br s, 1H)
(純度計算方法は、「純度(%)=理論重量(g)/得量(g)×100」である。)

0073

同様にして、各種ホスホニウム塩(製造例2〜16)を調製した。また、各種イミダゾリウム塩(製造例17、19−25)及びピペリジニウム塩(製造例18)については、各々1−エチル−3−メチルイミダゾリウム炭酸水素塩(50%溶液アルドリッチ)、1−エチル−1−メチルピペリジニウム炭酸メチル塩(50%溶液、アルドリッチ)を使用した他は、同様にして調製した。結果を表1に示す。

0074

0075

[実施例1]
「EP828」100重量部、「TMTP」59重量部、トリエチルボレート1.4重量部、製造例1に示したイオン液体0.3重量部をミキサーにて室温で30分混合した。

0076

[実施例2〜14]
市販のイオン液体B〜Gを用いて下記表2及び表3に示す配合に従って、実施例1と同様にして、実施例2〜14の樹脂組成物を得た。但し表中の原料の配合量を示す値は重量部を表す。得られた樹脂組成物について、接着剤の外観、保存安定性、ゲル化時間、含浸接着性、薄膜硬化性の試験・評価を行った。結果を表2及び表3に示す。

0077

0078

0079

表2に示した結果より、少量のイオン液体の添加により、迅速な硬化性と保存安定性が得られることが分かった。イオン液体の種類により硬化速度に差があるが、樹脂組成物への添加量を調節することによって硬化速度を制御できる可能性がある。比較的硬化速度の遅かったイオン液体E〜Gについて、トリエチルボレートの添加量を変えたところ、トリエチルボレートの添加による反応性遅延効果はイオン液体Gでは大きく認められたがイオン液体Eでは小さかった。なお、シランカップリング剤の添加は金属への接着性を向上し、疎水性シリカの添加は薄膜硬化性試験でのフロー性を抑制する効果があるが、硬化速度や保存安定性に対しては影響しないことを確認した。

0080

[実施例15〜20]
次に、本発明に係る成分(1)として、エポキシ樹脂とエピスルフィド樹脂とを種々の割合で混合した表4に示した配合に従って実施例15〜20の樹脂組成物を調製し、上記と同様の試験・評価を行なった。その結果を以下に示す。

0081

0082

表4に示した結果より、エポキシ樹脂にエピスルフィド樹脂を添加することにより硬化性が早くなり貯蔵安定性は多少向上する傾向があったが、問題はなく使用可能であることが分かった。

0083

[実施例21〜36]
さらに、成分(3)のポリチオール化合物を含まないとき、イオン液体単独で硬化剤として機能するか否かを確認するために、表5及び6に示した配合に従って実施例21〜36の樹脂組成物を調製し、上記と同様の試験・評価を行なった。その結果を表5及び表6に示す。

0084

0085

0086

表5の結果より、イオン液体A、B、C、Dは単独使用でエポキシ樹脂を硬化する機能があることが確認された。トリエチルボレートの添加により反応性が遅延され、保存安定性は改善されるがイオン液体A、Dは無添加でも硬化性が良いにも関わらず実用上問題ない程度の保存安定性があることが分かった。表6の結果より、エピサルファイド樹脂への適用は硬化を促進し、保存安定性を低下させるが、イオン液体の添加量を少なくすることで保存安定性は改善されると推定される。イオン液体のみを硬化剤として使用する場合のベース樹脂としてエピサルファイド樹脂は使用可能と思われる。

0087

[実施例37〜52]
上記製造例において新たに合成したイオン液体H〜Wを用いて、エポキシ樹脂の硬化作用について検討した結果を下記に示す。

0088

0089

0090

イオン液体Q及びWは、この量関係では150℃でのゲル化時間(ゲルタイム)が1時間以上と長く必ずしも実用的とは言い難い。イオン液体の種類によって、ゲルタイム、硬化速度、保存安定性にばらつきがあるものの、ゲルタイムが10分以内、保存安定性が10日以上の実用的な使用に耐える硬化剤として、イオン液体J、K、M、O、T、U、Vが好ましい。さらに硬化時間が10分以内のイオン液体A(8.2分)、イオン液体K(6.4分)、イオン液体T(6.2分)、イオン液体U(7.8分)は反応完結度に優れ特に好ましいことが分かった。例示として実施例47〜51(イオン液体R、S、T、U及びV)についての示差走査熱量測定(DSC)結果を図1に示す。

0091

[実施例53〜67]
イオン液体H〜Wを用いて、トリエチルボレートを含有するエポキシ樹脂の硬化速度と保存安定性を調べた。

0092

0093

0094

比較的安定性の悪かったイオン液体L、N、Rについては、実用的なレベル(30℃にて10日間以上)の保存安定性が得られた。イオン液体Pについてもトリエチルボレートの添加により保存安定性が改善されることが認められた。

0095

[実施例68〜83]
イオン液体H〜Wを用いて、ポリチオール及びトリエチルボレート含有ポリチオールへの硬化促進作用を調べた。

0096

0097

0098

上記で検討したすべてのイオン液体に硬化促進作用が認められた。硬化剤としては非常に反応性が遅いイオン液体についてもポリチオールへの実用的レベルの硬化促進作用を有する。なお、いくつかのイオン液体については示差走査熱量測定(DSC)による熱硬化反応解析した結果、極めてシャープな熱吸収反応を示し硬化時間が短く、熱硬化反応の完結度が優れていることが分かった。

0099

[実施例84〜101]
イオン液体A,D,イオン液体H〜Wを用いて、酸無水物4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸MH700−G(新日本理化社製)を含むエポキシ樹脂の硬化作用を調べた。

0100

0101

0102

イオン液体A、D、H〜Vのイオン液体は酸無水物の硬化促進剤として有効であることが分かった。

0103

[実施例102〜110]
新たに合成したイオン液体a〜iを用いて、エポキシ樹脂の硬化作用について検討した結果を下記に示す。

0104

0105

表15に示すようにイオン液体すべてにおいてエポキシ樹脂を硬化することが確認された。特にイオン液体i、次いでイオン液体e、イオン液体gがゲルタイムと保存安定性のバランスが良好なことが判明した。但しイオン液体dは最もゲルタイムが短かったがこの温度では発泡の傾向が見られた。

0106

[実施例111〜119]
新たに合成したイオン液体a〜iを用いて、トリエチルボレートを含有するエポキシ樹脂の硬化速度と保存安定性を調べた。

0107

0108

表16の結果からイオン液体a〜イオン液体iにおいてもトリエチルボレートを添加することにより保存安定性が改善され、特に保存安定性が短かったイオン液体aでは大幅に向上することが認められた。

0109

[実施例120〜128]
新たに合成したイオン液体a〜iを用いて、ポリチオール及びトリエチルボレート含有ポリチオールへの硬化促進作用を調べた。

0110

0111

表17に示すように検討したすべてのイオン液体a〜イオン液体iがポリチオールの硬化促進剤として機能し、全体的に速硬化性で保存安定性が良好な組成物を与え、特にイオン液体bは最も速硬化性で望ましいことが分かった。

0112

[実施例129〜137]
新たに合成したイオン液体a〜iを用いて、酸無水物4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸MH700−G(新日本理化社製)を含むエポキシ樹脂の硬化作用を調べた。

0113

0114

表18に示すようにイオン液体a〜イオン液体iは酸無水物の硬化促進剤として機能することが分かった。全体的に表13、表14に示したイオン液体A,イオン液体Dおよびイオン液体H〜イオン液体Vに比較し、保存安定性が2−3倍と長くなることが認められた。

0115

[製造例26]
テトラブチルホスホニウムハイドロキサイド41.4%水溶液(興化学)21.3gに対し、0℃にて(S)−(−)−2−ピロリドン−5−カルボン酸(和光純薬工業製)4.2gを加え10分間攪拌した。エバポレーターを用いて40−50mmHgに減圧し、60−80℃にて2時間、90℃にて3時間濃縮した。テトラブチルホスホニウム(S)−(−)−2−ピロリドン−5−カルボキシレート13.3g(純度:94.1%)をオイル状化合物として得た。得られたイオン液体は、製造例1と同等の性能を示した。

0116

[製造例27]
テトラブチルホスホニウムハイドロキサイド41.4%水溶液(北興化学)20.0gに対し、0℃にてN−アセチルグリシン(東京化成)3.54gを加え10分間攪拌した。エバポレーターを用いて40−50mmHgに減圧し、60−80℃にて2時間、90℃にて5時間濃縮した。室温にて酢酸エチル(純正化学)14.2mlに再度溶解し、エバポレーターを用いて40−50mmHgに減圧し、70−90℃にて3時間濃縮した。テトラブチルホスホニウムN−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩11.7g(純度:96.9%)をオイル状化合物として得た。得られたイオン液体は、製造例16と同等の性能を示した。
(NMRスペクトル)
1HNMR(CDCl3) δ : 0.89-0.99 (m, 12H) , 1.42-1.55 (m, 16H), 1.92 (s, 3H) , 2.24‐2.35 (m, 8H), 3.66 (d, J=3.8 Hz, 2H), 6.70 (br s, 1H)

実施例

0117

[処方例1]
下記組成の接着剤を製造したところ、良好な狭所接着性と含浸接着性とを兼ね備えた完全液状一液型の接着剤であることが分かった。
成分(1):ビスフェノールA型エポキシ樹脂の20%エピスルフィド化品
「YL7150」(ジャパンエポキシレジン社商品名) 100重量部
成分(2):イオン液体A(テトラブチルホスホニウム(S)−(−)−2−ピロリドン−5−カルボキシレート(製造例1) 5重量部

0118

本発明により、入手容易な原料を構成要素とし、程よい硬化特性と保存安定性とのバランスを兼ね備えた実用的な樹脂組成物、更には、接着剤、注型剤、シーリング剤、封止剤、繊維強化用樹脂、コーティング剤または塗料等のファイン化学品を提供できるようになり、電気電子部品自動車部品業界にとって意義深い。特に常温融解状態のイオン液体を使用した場合には、作業性に優れると共に狭所接着や含浸接着にも適した完全液状一液型の樹脂組成物を提供できるようになったことは極めて意義深い。

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