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技術 回転機の制御装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 稲村洋上松初柿原貴幸
出願日 2012年5月8日 (8年7ヶ月経過) 出願番号 2012-106509
公開日 2013年11月21日 (7年1ヶ月経過) 公開番号 2013-236437
状態 特許登録済
技術分野 車両の電気的な推進・制動 車両の電気的な推進・制動 無整流子電動機の制御
主要キーワード 規定温度未満 エネルギ供給源 制限手法 温度検出対象 最高雰囲気温度 開閉制御端子 許容上限温度 感温ダイオード
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

スイッチング素子を保護すべく、モータジェネレータトルク指令値制限機能を有する回転機制御装置において、トルク指令値の制限がなされる頻度を低下させることのできる回転機の制御装置を提供する。

解決手段

温度センサ54によって検出された冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度以上になってかつ、感温ダイオードSDによって検出されたスイッチング素子S¥#の温度Tswが第2の規定温度以上になったと判断された場合、トルク指令値Trq*を制限する。一方、トルク制限がなされている状態において、冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度未満になったと判断された場合、上記トルク制限を解除する。

概要

背景

従来、例えば下記特許文献1に見られるように、車載主機としてのモータ電気的に接続されたインバータの備えるスイッチング素子の温度が高い場合、モータのトルクを制限する装置も提案されている。詳しくは、この装置では、スイッチング素子のスイッチング周波数と、スイッチング素子の温度とに応じて設定されるトルク制限値によってモータのトルクを制限する。これにより、スイッチング素子の温度が高い場合に、スイッチング素子の発熱量を抑制することができ、ひいてはスイッチング素子の温度が過度に高くなる事態を回避することができる。

概要

スイッチング素子を保護すべく、モータジェネレータトルク指令値制限機能を有する回転機制御装置において、トルク指令値の制限がなされる頻度を低下させることのできる回転機の制御装置を提供する。温度センサ54によって検出された冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度以上になってかつ、感温ダイオードSDによって検出されたスイッチング素子S¥#の温度Tswが第2の規定温度以上になったと判断された場合、トルク指令値Trq*を制限する。一方、トルク制限がなされている状態において、冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度未満になったと判断された場合、上記トルク制限を解除する。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、スイッチング素子を保護するためのトルク制限機能を有する回転機の制御装置において、モータのトルクが制限されることに起因する不都合の発生を抑制できる回転機の制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車載主機としての回転機(10)と、前記回転機に電気的に接続されてかつスイッチング素子(S¥#;¥=u,v,w;#=p,n)を有する電力変換回路(20)と、前記回転機及び前記電力変換回路を循環する循環経路冷却流体(40)を循環させることで前記回転機及び前記電力変換回路を冷却する冷却装置(42,44,46)と、を備える車両に適用され、前記スイッチング素子を温度検出対象に含む素子温度検出手段(SD)の検出値を取得する素子温度取得手段と、前記冷却流体の温度情報又は該冷却流体の温度と相関を有する情報を取得する流体温度取得手段と、前記流体温度取得手段によって取得された前記情報に基づく前記冷却流体の温度(Tc)及び第1の規定温度(Tα)同士の比較と、前記スイッチング素子の許容上限温度(Tγ)未満であってかつ前記第1の規定温度よりも高い第2の規定温度(Tβ)及び前記素子温度取得手段によって取得された前記検出値に基づく前記スイッチング素子の温度(Tsw)同士の比較とに基づき、前記回転機に対する通電量を制限する処理及び前記回転機に対する通電量の制限を解除する処理のうち少なくとも1つを行う処理手段を備えることを特徴とする回転機の制御装置

請求項2

前記処理手段は、前記冷却流体の温度が前記第1の規定温度以上になってかつ、前記スイッチング素子の温度が前記第2の規定温度以上になったことに基づき、前記通電量を制限する処理を行うことを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。

請求項3

前記処理手段は、前記通電量を制限する処理が行われている状態において、前記冷却流体の温度が前記第1の規定温度未満になったことに基づき、前記通電量の制限を解除する処理を更に行うことを特徴とする請求項2記載の回転機の制御装置。

請求項4

前記処理手段は、前記通電量を制限する処理が行われている状態において、前記冷却流体の温度が前記第1の規定温度未満になったとの条件、及び前記スイッチング素子の温度が前記第2の規定温度未満になったとの条件の論理和が真であることに基づき、前記通電量の制限を解除する処理を更に行うことを特徴とする請求項2記載の回転機の制御装置。

請求項5

前記処理手段によって前記通電量を制限する処理が行われていない状態において、前記流体温度取得手段によって取得された前記情報に基づく前記冷却流体の温度が前記第1の規定温度未満であることに基づき、前記処理手段による前記通電量の制限を禁止する禁止手段を更に備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。

請求項6

前記処理手段は、前記冷却流体の循環開始タイミングから所定時間に渡って前記通電量を制限する処理を行う開始時制限手段を更に備え、該開始時制限手段によって前記通電量を制限する処理が行われている状態において、前記冷却流体の温度が前記第1の規定温度未満になったとの条件、及び前記スイッチング素子の温度が前記第2の規定温度未満になったとの条件の論理和が真であることに基づき、前記開始時制限手段による前記通電量の制限を解除する処理を行うことを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車載主機としての回転機と、前記回転機に電気的に接続されてかつスイッチング素子を有する電力変換回路と、前記回転機及び前記電力変換回路を循環する循環経路冷却流体を循環させることで前記回転機及び前記電力変換回路を冷却する冷却装置と、を備える車両に適用される回転機の制御装置に関する。

背景技術

0002

従来、例えば下記特許文献1に見られるように、車載主機としてのモータに電気的に接続されたインバータの備えるスイッチング素子の温度が高い場合、モータのトルクを制限する装置も提案されている。詳しくは、この装置では、スイッチング素子のスイッチング周波数と、スイッチング素子の温度とに応じて設定されるトルク制限値によってモータのトルクを制限する。これにより、スイッチング素子の温度が高い場合に、スイッチング素子の発熱量を抑制することができ、ひいてはスイッチング素子の温度が過度に高くなる事態を回避することができる。

先行技術

0003

特開2006−211886号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ここで、上記技術によれば、スイッチング素子の温度が過度に高くなることを回避できるものの、モータのトルク制限頻度が高くなったり、モータのトルクが制限される時間が長くなったりすることに起因して、モータのトルクが不足する等の不都合が生じることが懸念される。

0005

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、スイッチング素子を保護するためのトルク制限機能を有する回転機の制御装置において、モータのトルクが制限されることに起因する不都合の発生を抑制できる回転機の制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、車載主機としての回転機(10)と、前記回転機に電気的に接続されてかつスイッチング素子(S¥#;¥=u,v,w;#=p,n)を有する電力変換回路(20)と、前記回転機及び前記電力変換回路を循環する循環経路に冷却流体(40)を循環させることで前記回転機及び前記電力変換回路を冷却する冷却装置(42,44,46)と、を備える車両に適用され、前記スイッチング素子を温度検出対象に含む素子温度検出手段(SD)の検出値を取得する素子温度取得手段と、前記冷却流体の温度情報又は該冷却流体の温度と相関を有する情報を取得する流体温度取得手段と、前記流体温度取得手段によって取得された前記情報に基づく前記冷却流体の温度(Tc)及び第1の規定温度(Tα)同士の比較と、前記スイッチング素子の許容上限温度(Tγ)未満であってかつ前記第1の規定温度よりも高い第2の規定温度(Tβ)及び前記素子温度取得手段によって取得された前記検出値に基づく前記スイッチング素子の温度(Tsw)同士の比較とに基づき、前記回転機に対する通電量を制限する処理及び前記回転機に対する通電量の制限を解除する処理のうち少なくとも1つを行う処理手段を備えることを特徴とする。

0007

上記発明では、処理手段を備えることで、例えば、冷却流体の温度及び第1の規定温度同士の比較に基づき回転機に対する通電量を制限する構成と比較して、上記通電量の制限の頻度を低下させたり、回転機に対する通電量の制限時間を短くしたりすることができる。これにより、通電量の制限に起因する不都合の発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0008

第1の実施形態にかかるシステム構成図。
同実施形態にかかるトルク制限処理の手順を示す流れ図。
同実施形態にかかるトルク制限手法を示す図。
第2の実施形態にかかるトルク制限処理の手順を示す流れ図。
第3の実施形態にかかるトルク制限処理の手順を示す流れ図。
同実施形態の効果を示す図。

実施例

0009

(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる回転機の制御装置をパラレルハイブリッド車に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。

0011

図示されるように、モータジェネレータ10は、車載主機としての3相電動機兼発電機である。モータジェネレータ10の回転軸10aは、図示しないトランスミッション等を介して駆動輪14に連結されている。また、上記回転軸10aは、図示しないクラッチ等を介して内燃機関エンジン16)の出力軸クランク軸)に連結されている。なお、本実施形態では、モータジェネレータ10として、埋め込み磁石同期機IPMSM)を用いている。

0012

上記モータジェネレータ10は、直流交流変換回路(インバータ20)を介して、正常時の開放端電圧が例えば百V以上となる高電圧バッテリ30に接続されている。インバータ20は、高電圧バッテリ30の正極及びモータジェネレータ10の端子を接続するスイッチング素子S¥p(¥=u,v,w)と、高電圧バッテリ30の負極及びモータジェネレータ10の端子を接続するスイッチング素子S¥nとを備えている。これら各スイッチング素子S¥#(#=p,n)として、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を用いており、これらにはそれぞれダイオードD¥#が逆並列に接続されている。

0013

上記スイッチング素子S¥#の開閉制御端子ゲート)には、駆動回路22が接続されており、駆動回路22には、スイッチング素子S¥#のオン操作指令及びオフ操作指令のための信号(操作信号g¥#)が外部から入力される。これにより、駆動回路22では、スイッチング素子S¥#のゲートに印加する電圧を操作することで、スイッチング素子S¥#のオン操作処理及びオフ操作処理を行う。

0014

上記スイッチング素子S¥#付近には、スイッチング素子S¥#及びダイオードD¥#の温度を検出する感温ダイオードSDが設けられている。感温ダイオードSDは、その出力電圧Vsdを温度の検出信号とするものであり、出力電圧Vsdは、コンパレータ24の反転入力端子に印加される。コンパレータ24の非反転入力端子には、スイッチング素子S¥#やダイオードD¥#の閾値温度Tsthに対応する感温ダイオードSDの出力電圧Vsdに応じて設定された閾値電圧Vthが印加されている。感温ダイオードSDの出力電圧Vsdが温度と負の相関を有することから、出力電圧Vsdが閾値電圧Vth以下となることで、スイッチング素子S¥#及びダイオードD¥#の温度が閾値温度Tsth以上であるとして、スイッチング素子S¥#を強制的にオフ状態とするためのフェール信号FLがコンパレータ24から駆動回路22に対して出力される。これにより、スイッチング素子S¥#やダイオードD¥#の温度が過度に高くなる場合、スイッチング素子S¥#がオフ状態とされる。

0015

上記モータジェネレータ10及びインバータ20は、液状(非圧縮性)の冷却流体40によって冷却される。すなわち、本実施形態にかかる冷却装置は、電動式ポンプ42、インタークーラ44及びラジエータ46を備え、ポンプ42によって、ラジエータ46、モータジェネレータ10、インバータ20及びインタークーラ44の経路を冷却流体40が循環する。これにより、モータジェネレータ10やインバータ20が冷却されることとなる。特に、本実施形態では、冷却流体40の循環が定常的になされている場合、インバータ20を構成するスイッチング素子S¥#等の温度が許容上限温度を超えないように冷却装置の冷却能力が設定されている。ちなみに、本実施形態において、許容上限温度とは、例えば、スイッチング素子S¥#及びダイオードD¥#の信頼性を維持可能な温度の上限値であってかつ、上記閾値温度Tsthよりも低い温度(例えば150℃)のことである。

0016

上記インバータ20は、モータジェネレータ10を制御対象とする電子制御装置(MGECU50)によって制御される。MGECU50は、中央処理装置(CPU)及びメモリ等を備えており、メモリに記憶されたプログラムをCPUによって実行するソフトウェア処理手段である。MGECU50では、モータジェネレータ10のトルクをトルク指令値Trq*に制御すべく、操作信号g¥#を生成して、インバータ20に出力する。なお、MGECU50には、感温ダイオードSDの検出値が入力される。詳しくは、PWM処理された上記検出値Sgdがフォトカプラ等の絶縁通信手段を介して入力される。

0017

一方、上記ポンプ42は、冷却流体40を制御対象とする電子制御装置(CECU52)によって操作される。CECU52は、冷却流体40の温度Tcを検出する温度センサ54の検出値を入力する機能や、ポンプ42に駆動信号mpを出力する機能を有する。なお、本実施形態では、温度センサ54の温度検出箇所を、ラジエータ46の下流であってかつモータジェネレータ10の上流としている。また、CECU52は、温度センサ54の検出値TcをMGECU50に対して出力する。

0018

HVECU60は、車両の走行許可スイッチや、アクセル操作部材アクセルセンサを含む)、表示パネル等のマンマシーンインターフェースとの通信が可能な電子制御装置である。HVECU60は、CPU及びメモリ等を備えており、メモリに記憶されたプログラムをCPUによって実行するソフトウェア処理手段である。なお、本実施形態では、HVECU60や、MGECU50、CECU52の基準電位を高電圧バッテリ30の基準電位とは相違する電位(車体電位)としている。詳しくは、高電圧バッテリ30の正極電位及び負極電位中央値を車体電位としている。

0019

上記走行許可スイッチは、ユーザによって直接操作されるものや、ユーザによって所持される携帯機が車両に近接することでオンとなる手段等、ユーザによる車両走行意思に応じてオンとされるスイッチである。HVECU60では、走行許可スイッチがオンとされることで、MGECU50やCECU52に対してレディー信号Srを出力する。CECU52では、レディー信号Srの入力をトリガとして、ポンプ42を起動する。一方、MGECU50では、レディー信号Srの入力後、HVECU60からのトルク指令値Trq*に応じて、モータジェネレータ10のトルクを制御すべく、インバータ20を操作する。

0020

ちなみに、アクセル操作部材の操作によって指示された車両の要求トルクをモータジェネレータ10及びエンジン16の合計トルクによって実現すべく、モータジェネレータ10やエンジン16が制御される。なお、エンジン16の制御は、例えば、HVECU60やMGECU50とは別の制御装置によって行われる。

0021

続いて、本実施形態にかかるMGECU50によって実行されるトルク制限処理について説明する。

0022

この処理は、基本的には、冷却流体40の温度が第1の規定温度以上になったと判断された場合にトルク指令値Trq*を制限する処理である。本実施形態では、第1の規定温度が、車両制御システムが動作される状況下、冷却流体40の循環が定常的になされている場合における冷却流体40の最高温度(例えば65℃)に設定され、この第1の規定温度Tαは、例えば、予め実験等により適合される固定値である。トルク制限処理は、冷却装置の体格コストが増大する等の不都合の発生を回避するための処理である。こうした不都合は、主に次に説明する2つの理由によって生じ得る。

0023

まず、第1に、冷却流体40の循環開始直後において冷却流体40の温度が過度に高くなることである。詳しくは、冷却流体40の循環開始直後にあっては、インバータ20付近の冷却流体40の温度が、定常的な循環状態における冷却流体40の最高温度を上回ることがある。これは、車両停止直前のモータジェネレータ10の運転領域が高負荷運転領域である場合等に、車両停止後におけるモータジェネレータ10付近の冷却流体40の温度がモータジェネレータ10からの熱を受け取ることで上昇することに起因したものである。すなわち、モータジェネレータ10付近の冷却流体40の温度が、車両走行時における温度よりも高くなった後、これが周囲との熱的な平衡状態へと収束するよりもかなり前に冷却流体40の循環が再開される場合、高温の冷却流体40がインバータ20付近を通過することでインバータ20近傍の温度が上昇する。

0024

こうした状況下、モータジェネレータ10に流れる電流が大きくなる場合、スイッチング素子S¥#等の温度が上記許容上限温度を超えるおそれがある。こうした事態は、例えば、ポンプ42の最大吐出量を増大させたり、ラジエータ46の放熱部の面積を増大させたりする等、冷却装置の放熱性能を増大させることで回避することが可能である。また、車両停止後において所定期間に渡って冷却流体40を循環させることでも回避することが可能である。しかし、冷却流体40の循環開始直後に限って生じうる問題に対処すべく、ポンプ42の最大吐出量を増大させたり、ラジエータ46の放熱部の面積を増大させたりする等、冷却装置の放熱性能を高めるのは、冷却装置の体格やコストの増大の面で好ましくない。また、車両停止後においても所定期間に渡って冷却流体40を循環させることは、例えば、消費電力が増大したり、ユーザに違和感を与えたりするおそれがある。

0025

続いて、第2に、冷却流体40の実際の温度が、冷却装置を含む車両制御システムの設計・開発時に設定した冷却流体40の最高温度を超えることである。こうした状況において、モータジェネレータ10に流れる電流が大きくなる場合、スイッチング素子S¥#の温度が上記許容上限温度を超えるおそれがある。ここで、上記最高温度を超える要因としては、車両制御システムの実際の雰囲気温度が、設計・開発時に設定した最高雰囲気温度よりも高くなることが挙げられる。これは、例えば、気候変化による気温の上昇等に起因して生じ得る。なお、別の要因として、車両の実際の使用環境が、設計・開発時に想定しなかった環境であることも挙げられる。

0026

ここで、設計・開発時に設定する車両制御システムの最高雰囲気温度を高めに見積もって冷却装置を設計することも考えられる。しかし、気候の変化等、将来発生する蓋然性が低い要因に対処すべく、冷却装置の放熱性能の増大を図るのは、冷却装置の体格やコストの増大の面で好ましくない。

0027

以上説明した不都合を回避しつつ、スイッチング素子S¥#の温度が過度に高くなる事態を回避すべく、上記トルク制限処理を行う。ここで、トルク制限処理に関して、冷却流体40の温度が第1の規定温度以上になったと判断された場合に一律にトルク指令値Trq*を制限すると、車両の燃費低減効果が低下するおそれがある。これは、トルク制限の頻度が高くなることで、エンジン16の駆動頻度が増大すること等に起因する。

0028

そこで、本実施形態では、上記トルク制限処理の実行条件として、冷却流体40の温度に関する条件に加え、スイッチング素子S¥#の温度に関する条件を追加することで、スイッチング素子S¥#等の保護のためにトルク指令値Trq*が制限される頻度の増加の回避を図る。

0029

図2に、本実施形態にかかる上記トルク制限処理の手順を示す。この処理は、レディー信号Srがオンに切り替えられた後、MGECU50によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。

0030

この一連の処理では、まずステップS10において、トルク指令値Trq*の制限がなされているか否かを示すフラグFが「1」であるか否かを判断する。ここで、フラグFは、「1」によってトルク指令値Trq*の制限がなされていることを示し、「0」によって制限がなされていないことを示す。

0031

ステップS10においてフラグFが「1」でないと判断された場合には、ステップS12に進み、CECU52から取得された温度センサ54の検出値に基づく冷却流体40の温度Tcが上記第1の規定温度Tα以上になったとの条件、及び感温ダイオードSDによって検出された温度情報Sgdに基づくスイッチング素子S¥#の温度Tswが第2の規定温度Tβ以上になったとの条件の論理積が真であるか否かを判断する。この処理は、トルク指令値Trq*の制限を開始するか否かを判断するための処理である。

0032

ここで、本実施形態において、第2の規定温度Tβが、第1の規定温度Tαよりも高くてかつ、スイッチング素子S¥#の上記許容上限温度Tγよりも低い温度に設定されている。特に本実施形態では、上記第2の規定温度Tβが、スイッチング素子S¥#の実際の温度に対する検出誤差(例えば±15℃)を許容上限温度から減算した温度(例えば135℃)に設定している。この検出誤差は、感温ダイオードSDの出力特性個体差や、温度情報を量子化する際の誤差等によって生じる。

0033

スイッチング素子S¥#の温度Tswが第2の規定温度Tβ未満であると判断された場合等、ステップS12において否定判断された場合には、トルク指令値Trq*の制限を禁止する。一方、上記ステップS12において肯定判断された場合には、ステップS14に進み、フラグFを「1」としてかつ、HVECU60から入力されるトルク指令値Trq*をガード処理するためのトルクガード値MAXTrqを、起動時制限値Trqth2とする。

0034

ここで、起動時制限値Trqth2は、図3に示すように、冷却流体40が定常的に循環している場合の制限値(通常時制限値Trqth1)よりも小さい値とされている。起動時制限値Trqth2によるガード処理がなされる場合、通常時制限値Trqth1による制限がなされる場合と比較して、モータジェネレータ10の通電量が制限され、ひいてはインバータ20を構成するスイッチング素子S¥#やダイオードD¥#に流れる電流が制限される。これにより、スイッチング素子S¥#やダイオードD¥#の導通損失や、スイッチング素子S¥#のスイッチング損失を低減することができる。なお、図3では、モータジェネレータ10の電気角速度ωがある値以下である領域では、トルクがガード値に一致するものの、ある値よりも高回転領域では、電気角速度ωの上昇とともにトルクが漸減している。これは、電気角速度ωの上昇に伴って誘起電圧が大きくなることから、インバータ20の入力電圧によって実現可能なトルクが低下するためである。

0035

なお、起動時制限値Trqth2による制限処理は、トルクガード値MAXTrqを変数として、これに起動時制限値Trqth2を代入する処理とすればよい。もっとも、これに代えて、電気角速度ωとトルクガード値MAXTrqとの関係を定めたマップを、起動時制限値Trqth2によるものと、通常時制限値Trqth1によるものとの2通り用意することで行う処理としてもよい。

0036

先の図2の説明に戻り、上記ステップS10において肯定判断された場合には、トルク指令値Trq*が制限されていると判断し、ステップS16に進む。ステップS16では、冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度Tα未満になったか否かを判断する。この処理は、トルク指令値Trq*の制限を解除する条件が成立したか否かを判断するためのものである。この処理は、冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度Tα未満になったと判断された時点で、スイッチング素子S¥#の実際の温度が許容上限温度以下となっている蓋然性が高いことに基づくものである。

0037

ステップS16において肯定判断された場合には、ステップS18に進み、フラグFを初期化するとともに、トルクガード値MAXTrqを通常時制限値Trqth1に変更する。これにより、トルク指令値Trq*の制限が解除される。

0038

なお、上記ステップS12、S16において否定判断された場合や、ステップS14、S18の処理が完了した場合には、この一連の処理を一旦終了する。

0039

以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。

0040

(1)冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度Tα以上になってかつ、スイッチング素子S¥#の温度Tswが第2の規定温度Tβ以上になったと判断された場合、トルク指令値Trq*を制限した。こうした構成によれば、冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度Tα以上になったと判断された場合であっても、スイッチング素子S¥#の温度Tswが第2の規定温度Tβ以上になると判断されるまでは、トルク指令値Trq*が制限されない。これにより、例えば、冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度Tα以上になったと判断された場合にトルク指令値Trq*を制限する構成と比較して、スイッチング素子S¥#を保護するためにトルク指令値Trq*が制限される頻度を低下させることができる。したがって、本実施形態にかかるトルク制限処理によれば、車両の始動時(冷却流体40の循環開始時)や車両の通常走行時において、車両の燃費低減効果が低下する等の不都合の発生を好適に抑制することができる。

0041

なお、上記トルク制限処理によれば、冷却流体40の循環開始タイミングからの所定期間に限ってトルク指令値Trq*が制限されることがある。しかし、トルク指令値Trq*の制限がドライバビリティに与える影響は限定的である。これは、モータジェネレータ10の通電量が制限されることでトルクが制限されることとなるものの、冷却流体40の循環開始初期にモータジェネレータ10に対するトルク指令値Trq*が過度に大きくなる事態が生じる蓋然性が低いことによる。

0042

(2)トルク制限がなされている状態において、冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度Tα未満になったと判断された場合、トルク制限を解除した。これにより、スイッチング素子S¥#の温度Tswが第2の規定温度Tβ以上であると判断された場合であってもトルク制限を解除可能な機会が増えることから、トルク制限時間が長くなることを回避できる。

0043

(3)スイッチング素子S¥#の温度Tswが第2の規定温度以上になったと判断された場合であっても、冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度未満であると判断された場合、トルク制限がなされることを禁止した。このため、トルク制限がなされる頻度をいっそう低下させることができる。

0044

(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。

0045

本実施形態では、トルク制限の解除条件を変更する。

0046

図4に、本実施形態にかかるトルク制限処理の手順を示す。この処理は、MGECU50によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図4において、先の図2と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。

0047

この一連の処理では、ステップS10において肯定判断された場合には、ステップS16aに進み、冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度Tα未満になったとの条件、及びスイッチング素子S¥#の温度Tswが第2の規定温度Tβ未満になったとの条件の論理和が真であるか否かを判断する。この処理は、トルク指令値Trq*の制限を解除する条件が成立したか否かを判断するためのものである。

0048

なお、上記ステップS12、S16aにおいて否定判断された場合や、ステップS14、S18の処理が完了した場合には、この一連の処理を一旦終了する。

0049

以上説明したトルク制限の解除条件によっても、スイッチング素子S¥#の温度が過度に高くなるおそれがなくなった状況でトルク制限を解除することができる。

0050

(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。

0051

本実施形態では、トルク制限処理を冷却流体40の循環開始初期に限って実行する。

0052

図5に、本実施形態にかかるトルク制限処理の手順を示す。この処理は、MGECU50によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図5において、先の図2と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。

0053

この一連の処理では、まずステップS10においてフラグFが「1」でないと判断された場合には、ステップS20に進み、レディー信号Srがオン状態に切り替わったか否かを判断する。この処理は、冷却流体40の循環が開始されたか否かを判断するためのものである。ステップS20において肯定判断される場合には、ステップS14に進む。

0054

上記ステップS10において肯定判断された場合や、ステップS14の処理が完了した場合には、ステップS22に進み、トルク指令値Trq*を制限する時間を計時するカウンタCntをインクリメントする。

0055

続くステップS24では、カウンタCntの値が閾値Cth以上であるか否かを判断する。この処理は、トルク指令値Trq*の制限を解除する条件が成立したか否かを判断するためのものである。ここで、閾値Cthは、トルク指令値Trq*の制限を解除してもスイッチング素子S¥#やダイオードD¥#の温度が許容上限温度Tγを超えないと想定される時間に対応する値に設定される。この時間は、例えば15秒以下とすればよく、より望ましくは10秒以下とすればよい。また、3秒以上とすることが望ましく、より望ましくは5秒以上とすることが望ましい。

0056

ステップS24において否定判断された場合には、ステップS26に進み、冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度Tα未満になったとの条件、及びスイッチング素子S¥#の温度Tswが第2の規定温度Tβ未満になったとの条件の論理和が真であるか否かを判断する。この処理は、トルク指令値Trq*の制限を早期に解除できるか否かを判断するための処理である。

0057

上記ステップS24、S26において肯定判断された場合には、ステップS18に進み、トルク指令値Trq*の制限を解除する。

0058

なお、上記ステップS20、S26において否定判断された場合や、ステップS18の処理が完了した場合には、この一連の処理を一旦終了する。

0059

図6に、本実施形態の効果を示す。

0060

図示されるように、走行許可スイッチがオンとなった後(図中、IGON)、レディー信号Srがオンとされることで、冷却流体40の循環が開始される。そしてこれにより、モータジェネレータ10付近の冷却流体40からの受熱に起因してスイッチング素子S¥#やダイオードD¥#の温度Tswが上昇する。しかし、トルクガード値MAXTrqが起動時制限値Trqth2とされているため、スイッチング素子S¥#やダイオードD¥#の発熱を低減することができ、図中実線に示すように、スイッチング素子S¥#の温度Tswが許容上限温度Tγに達することはない。これに対し、冷却流体40の循環開始時から通常時制限値Trqth1を用いる場合には、図中、1点鎖線にて示すように、スイッチング素子S¥#の温度Tswが許容上限温度Tγを超えるおそれがある。

0061

このように、本実施形態にかかるトルク制限処理によっても、冷却装置の体格の増大等を回避しつつも、冷却流体40の循環初期におけるスイッチング素子S¥#やダイオードD¥#の過度の温度上昇を回避することができる。さらに、先の図5のステップS26の処理を設けることで、冷却流体40の温度Tcが第1の規定温度Tα以上であると判断された場合であっても、スイッチング素子S¥#の温度Tswが第2の規定温度Tβ未満になったと判断された場合、トルク制限を解除することもできる。すなわち、冷却流体40の循環初期におけるトルク制限を極力早期に解除することができる。

0062

(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。

0063

・トルクの制限手法としては、起動時制限値Trqth2を固定値とするものに限らない。例えば、電気角速度ωに応じてスイッチング周波数を変更する設定においては、電気角速度ωに応じて起動時制限値Trqth2を可変設定してもよい。これは、スイッチング周波数に応じてスイッチング素子S¥#の単位時間当たりの発熱量が相違することに鑑みたものである。

0064

また、例えば、上記第3の実施形態において、冷却流体40の循環開始時におけるモータジェネレータ10付近の冷却流体40の温度が高いほど起動時制限値Trqth2を小さい値に設定してもよい。さらに、上記第3の実施形態におけるトルク制限手法としては、通電許可しつつ通電量を制限するものに限らず、例えば、モータジェネレータ10の通電自体を禁止するものであってもよい。

0065

・処理手段による制限対象となるパラメータとしては、トルク指令値Trq*に限らない。例えば、電流であってもよい。これは、例えば、トルク指令値Trq*に基づき指令電流id*,iq*を設定し、実際の電流id,iqをそれら指令電流id*,iq*にフィードバック制御する周知の電流フィードバック制御を行ってかつ、指令電流id*,iq*にガード処理を施すことで行うことができる。

0066

・流体温度取得手段としては、温度センサ54の検出値(冷却流体40の温度情報)を取得するものに限らず、冷却流体40の温度と相関を有する情報を取得するものであってもよい。ここで、上記相関を有する情報としては、例えば、冷却流体40が循環する循環経路とは別の経路(エンジンのシリンダブロック等で構成される経路)を流れるエンジン冷却水の温度(エンジン水温)であってもよい。これは、エンジン水温と、冷却流体40の温度とに相関があることが本発明者らによって調べられていることによる。なお、上記相関を有する情報としては、1つに限らず、複数の種類の情報によって冷却流体40の温度を把握できるのであれば、複数の情報であってもよい。

0067

・冷却装置について、以下(A)〜(C)のように変更してもよい。

0068

(A)モータジェネレータ10の上流側にインバータ20を配置してもよい。

0069

(B)インタークーラ44を備えない構成であってもよい。

0070

(C)冷却流体40の冷却対象に、モータジェネレータ10及びインバータ20に加えて、例えば、エンジン16のシリンダブロックを加えてもよい。

0071

・第1の規定温度Tαの設定手法としては、上記第1の実施形態に例示したものに限らない。例えば、温度センサ54の出力特性に個体差がある等、温度センサ54の検出値に含まれる検出誤差が無視できない場合、これを考慮して第1の規定温度Tαを設定してもよい。

0072

また、車両の始動時と通常走行時とで、冷却流体40の温度が取り得る最大値が相違するなら、始動時と通常走行時とで第1の規定温度Tαを変更する制御ロジックを採用してもよい。

0073

・素子温度検出手段としては、感温ダイオードSDに限らず、例えば、出力特性の個体差が問題となるなら、サーミスタ等、他の検出手段であってもよい。

0074

・上記第1の実施形態において、高電圧バッテリ30の電圧を昇圧させてインバータ20に出力する昇圧コンバータを備えてもよい。この場合、電力変換回路としては、インバータ20に加えて又は代えて昇圧コンバータであってもよい。

0075

・スイッチング素子としては、IGBTに限らず、例えばMOSFETであってもよい。

0076

・回転機としては、IPMSMに限らない。また、回転機としては、同期機に限らず、例えば誘導機であってもよい。

0077

本願発明の適用車両としては、パラレルハイブリッド車に限らず、例えば、パラレルシリーズハイブリッド車であってもよい。

0078

また、車両としては、車載主機として回転機及び内燃機関の双方を備えるものに限らず、車載主機として回転機のみを備える車両(例えば、シリーズハイブリッド車や、回転機に対するエネルギ供給源として電池のみを搭載する電気自動車)であってもよい。この場合、例えば、車両の通常走行時においてトルク制限がなされることで、車両の力行に用いられるトルクが制限されることから、ドライバビリティが低下する等、ユーザに違和感を与える懸念がある。このため、上記車両においてトルク制限がなされる場合、トルク制限がなされる旨をユーザに通知する処理を行うことが望ましい。この処理は、具体的には例えば、MGECU50からHVECU60にトルク制限の実行を示す信号を出力し、HVECU60がこれに基づきインストルメントパネル等にトルク制限の実行中である旨を表示する処理となる。これにより、トルク制限処理がなされることに起因してユーザに与える違和感を抑制できると考えられる。

0079

10…モータジェネレータ、20…インバータ、40…冷却流体、42…ポンプ、44…インタークーラ、46…ラジエータ、SD…感温ダイオード、S¥#…スイッチング素子(¥=u,v,w;#=p,n)。

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