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技術 密封装置

出願人 NOK株式会社
発明者 市川景将
出願日 2012年5月11日 (8年7ヶ月経過) 出願番号 2012-109301
公開日 2013年11月21日 (7年1ヶ月経過) 公開番号 2013-234747
状態 特許登録済
技術分野 ガスケットシール 密封装置
主要キーワード 平ワッシャ状 浸透ガス 内周部材 シール耐久性 大気側空間 円筒状隙間 二部材間 対向周面
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

急減圧によるメインシール1のパッキン11の発泡割れを有効に防止し、メインシール1とサブシール2間にガス圧力が保持されることによるサブシール2の負荷を低減する。

解決手段

一方の部材4における他方の部材3との対向周面4aに形成された環状の第一取付溝41に保持されたパッキン11を備えるメインシール1と、このメインシール1より密封空間SA側に位置して前記対向周面4aに形成された環状の第二取付溝42に保持された合成樹脂製のサブシール2とからなり、第二取付溝42の底面に密封空間SA側ほど浅くなる円錐面状底面42bが形成され、サブシール2が、第二取付溝42の円錐面状底面42bに乗り上がり又は乗り下がるように移動可能であり、サブシール2における一方の部材4又は他方の部材3との対向面に、サブシール2の軸方向両側の間で圧力損失を生じさせつつ流体流通許容する凹凸21が形成されたものである。

概要

背景

従来、圧力変動が小さい高圧ガスシールするための密封装置としては、ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料(以下、ゴム状弾性材料という)からなるOリング等のパッキンが用いられている。しかしながら、密封対象がゴム状弾性材料への透過性が高い例えばヘリウム窒素水素等のガスであって、高圧状態から急減圧されるような圧力変動が著しい条件で使用された場合は、ゴム状弾性材料からなるパッキンに発泡割れブリスタ)が発生して、シール機能が損なわれてしまうおそれがある。

このような発泡割れは、ゴム状弾性材料からなるパッキンには、高圧時に、密封対象である透過性の高いガスが高圧状態(圧縮状態)で保持され、その後、急激に減圧されたときに、パッキン内部に保持されていた高圧ガスが急激に膨張して、パッキンに発泡による亀裂が生じることによって起こる。

ゴム状弾性材料からなるパッキンに上述のような発泡割れを生じさせないためには、例えば前記パッキンをガス透過性の高い材料に変更し、高圧時に浸透したガスを、減圧時に放出しやすくすることが有効である。しかしガス透過性の高い材料であっても、減圧の度合いが急激すぎる場合には、パッキン内での発泡を十分に防ぐことができない問題があった。

そこで、ゴム状弾性材料からなるメインシールに急激な密封対象ガスの圧力変動が作用しないようにするための技術が開発されており、その典型的な例が下記の特許文献1に開示されている。図2は、この特許文献1に開示された従来の密封装置を示すものである。

図2において、参照符号110は外周部材、参照符号120は内周部材で、互いに同心的に配置された両部材110,120間の円筒状隙間は、図における右側が、高圧となる密封空間SAに連通しており、図における左側が相対的に低圧大気側空間SBに連通している。内周部材120には、外周部材110との対向周面に環状の第一取付溝121及び第二取付溝122が形成されており、前記隙間を密封する密封装置は、大気側空間SB側の第一取付溝121に保持されたメインシール130及び密封空間SA側の第二取付溝122に保持されたサブシール140とで構成される。

このうちメインシール130は、ゴム状弾性材料からなるOリング131と、それより大気側空間SB側にあって合成樹脂材料からなるバックアップリング132,133からなる。そしてメインシール130が保持される第一取付溝121の底面は、Oリング131が保持される部分が円筒面状に形成され(以下、円筒面状底面121aという)、バックアップリング132,133が保持される部分が大気側空間SB側へ向けて漸次溝深さが浅くなる円錐面状に形成され(以下、円錐面状底面121bという)、バックアップ132,133は、円錐面状底面121bと対応する円錐面132a,133aにおいてこの円錐面状底面121bと密接可能となっている。

また、サブシール140は合成樹脂製のシールリングからなるものであって、このサブシール140が保持される第二取付溝122の底面は、第一取付溝121寄り(大気側空間SB側)の部分が円筒面状に形成され(以下、円筒面状底面122aという)、その反対側(密封空間SA側)の部分が密封空間SA側へ向けて漸次溝深さが浅くなる円錐面状に形成され(以下、円錐面状底面122bという)、サブシール140は第二取付溝122における円筒面状底面122aと対向する円筒面140aと、第二取付溝122における円錐面状底面122bと密接可能な円錐面140bを有する。

すなわち図2に示す密封装置は、密封空間SAから高いガス圧力が作用すると、サブシール140がこの圧力によって第二取付溝122内を密封空間SAと反対側へ移動し、外周部材110及び第二取付溝122の底面との間の間隙を介して前記ガス圧力がサブシール140とメインシール130の間の中間室SCへ導入され、この中間室SCのガス圧力によって、Oリング131及びバックアップリング132,133からなるメインシール130が外周部材110の内周面及び第一取付溝121の底面に押し付けられ、前記高圧ガスを密封する。

また、この高圧状態から、密封空間SAのガス圧力が急激に減圧された場合は、サブシール140とメインシール130の間の中間室SCが密封空間SAより相対的に高圧となることによって、サブシール140が第二取付溝122内を密封空間SA側へ移動して円錐面140bが第二取付溝122における円錐面状底面122bに乗り上がって密接されると共に、これによってサブシール140の外周面も外周部材110の内周面に密接されるので、中間室SCのガス圧力が維持される。このため、メインシール130のOリング131に浸透・保持されたガスが、密封空間SAの急減圧によってOリング131内で発泡することはないので、Oリング131の発泡割れ(ブリスタ)を有効に防止することができる。

概要

急減圧によるメインシール1のパッキン11の発泡割れを有効に防止し、メインシール1とサブシール2間にガス圧力が保持されることによるサブシール2の負荷を低減する。一方の部材4における他方の部材3との対向周面4aに形成された環状の第一取付溝41に保持されたパッキン11を備えるメインシール1と、このメインシール1より密封空間SA側に位置して前記対向周面4aに形成された環状の第二取付溝42に保持された合成樹脂製のサブシール2とからなり、第二取付溝42の底面に密封空間SA側ほど浅くなる円錐面状底面42bが形成され、サブシール2が、第二取付溝42の円錐面状底面42bに乗り上がり又は乗り下がるように移動可能であり、サブシール2における一方の部材4又は他方の部材3との対向面に、サブシール2の軸方向両側の間で圧力損失を生じさせつつ流体流通許容する凹凸21が形成されたものである。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

互いに対向する二部材間に介在されて密封空間からの高圧ガス密封対象とする密封装置において、前記二部材のうち一方の部材における他方の部材との対向周面に形成された環状の第一取付溝に保持されたゴム状弾性材料からなるパッキンを備えるメインシールと、このメインシールより密封空間側に位置して前記対向周面に形成された環状の第二取付溝に保持された合成樹脂製のサブシールとからなり、前記第二取付溝の底面に前記密封空間側ほど浅くなる円錐面状底面が形成され、前記サブシールが、前記第二取付溝の円錐面状底面に乗り上がり又は乗り下がるように移動可能であり、前記サブシールにおける前記一方の部材又は他方の部材との対向面に、前記サブシールの軸方向両側の間で圧力損失を生じさせつつ流体流通許容する凹部が形成されたことを特徴とする密封装置。

請求項2

凹部が円周方向へ延びる複数の溝からなることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。

技術分野

0001

本発明は、二部材間に介在される密封装置において、例えばヘリウム窒素二酸化炭素水素等、透過性の高いガス密封対象とし、高圧かつ圧力変動が大きい環境下で使用されるものに関する。

背景技術

0002

従来、圧力変動が小さい高圧ガスシールするための密封装置としては、ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料(以下、ゴム状弾性材料という)からなるOリング等のパッキンが用いられている。しかしながら、密封対象がゴム状弾性材料への透過性が高い例えばヘリウム、窒素、水素等のガスであって、高圧状態から急減圧されるような圧力変動が著しい条件で使用された場合は、ゴム状弾性材料からなるパッキンに発泡割れブリスタ)が発生して、シール機能が損なわれてしまうおそれがある。

0003

このような発泡割れは、ゴム状弾性材料からなるパッキンには、高圧時に、密封対象である透過性の高いガスが高圧状態(圧縮状態)で保持され、その後、急激に減圧されたときに、パッキン内部に保持されていた高圧ガスが急激に膨張して、パッキンに発泡による亀裂が生じることによって起こる。

0004

ゴム状弾性材料からなるパッキンに上述のような発泡割れを生じさせないためには、例えば前記パッキンをガス透過性の高い材料に変更し、高圧時に浸透したガスを、減圧時に放出しやすくすることが有効である。しかしガス透過性の高い材料であっても、減圧の度合いが急激すぎる場合には、パッキン内での発泡を十分に防ぐことができない問題があった。

0005

そこで、ゴム状弾性材料からなるメインシールに急激な密封対象ガスの圧力変動が作用しないようにするための技術が開発されており、その典型的な例が下記の特許文献1に開示されている。図2は、この特許文献1に開示された従来の密封装置を示すものである。

0006

図2において、参照符号110は外周部材、参照符号120は内周部材で、互いに同心的に配置された両部材110,120間の円筒状隙間は、図における右側が、高圧となる密封空間SAに連通しており、図における左側が相対的に低圧大気側空間SBに連通している。内周部材120には、外周部材110との対向周面に環状の第一取付溝121及び第二取付溝122が形成されており、前記隙間を密封する密封装置は、大気側空間SB側の第一取付溝121に保持されたメインシール130及び密封空間SA側の第二取付溝122に保持されたサブシール140とで構成される。

0007

このうちメインシール130は、ゴム状弾性材料からなるOリング131と、それより大気側空間SB側にあって合成樹脂材料からなるバックアップリング132,133からなる。そしてメインシール130が保持される第一取付溝121の底面は、Oリング131が保持される部分が円筒面状に形成され(以下、円筒面状底面121aという)、バックアップリング132,133が保持される部分が大気側空間SB側へ向けて漸次溝深さが浅くなる円錐面状に形成され(以下、円錐面状底面121bという)、バックアップ132,133は、円錐面状底面121bと対応する円錐面132a,133aにおいてこの円錐面状底面121bと密接可能となっている。

0008

また、サブシール140は合成樹脂製のシールリングからなるものであって、このサブシール140が保持される第二取付溝122の底面は、第一取付溝121寄り(大気側空間SB側)の部分が円筒面状に形成され(以下、円筒面状底面122aという)、その反対側(密封空間SA側)の部分が密封空間SA側へ向けて漸次溝深さが浅くなる円錐面状に形成され(以下、円錐面状底面122bという)、サブシール140は第二取付溝122における円筒面状底面122aと対向する円筒面140aと、第二取付溝122における円錐面状底面122bと密接可能な円錐面140bを有する。

0009

すなわち図2に示す密封装置は、密封空間SAから高いガス圧力が作用すると、サブシール140がこの圧力によって第二取付溝122内を密封空間SAと反対側へ移動し、外周部材110及び第二取付溝122の底面との間の間隙を介して前記ガス圧力がサブシール140とメインシール130の間の中間室SCへ導入され、この中間室SCのガス圧力によって、Oリング131及びバックアップリング132,133からなるメインシール130が外周部材110の内周面及び第一取付溝121の底面に押し付けられ、前記高圧ガスを密封する。

0010

また、この高圧状態から、密封空間SAのガス圧力が急激に減圧された場合は、サブシール140とメインシール130の間の中間室SCが密封空間SAより相対的に高圧となることによって、サブシール140が第二取付溝122内を密封空間SA側へ移動して円錐面140bが第二取付溝122における円錐面状底面122bに乗り上がって密接されると共に、これによってサブシール140の外周面も外周部材110の内周面に密接されるので、中間室SCのガス圧力が維持される。このため、メインシール130のOリング131に浸透・保持されたガスが、密封空間SAの急減圧によってOリング131内で発泡することはないので、Oリング131の発泡割れ(ブリスタ)を有効に防止することができる。

先行技術

0011

特開2008−157333号公報

発明が解決しようとする課題

0012

しかしながら、上記従来の密封装置によれば、密封空間SAのガス圧力が急激に減圧されたときの中間室SCと密封空間SAの圧力差が大きいと、外周部材110の内周面及び第二取付溝122の底面に対するサブシール140の密接面圧や密接幅が大きくなるので、外周部材110及び内周部材120が相対回転又は軸方向へ反復的に相対移動した場合、外周部材110の内周面に対するサブシール140の摺動負荷が著しく大きくなり、サブシール140が破損してしまうおそれがある。また、このようにしてサブシール140のシール性失墜すると、密封空間SAのガス圧力が高圧状態から急激に減圧された場合に、中間室SCのガス圧力も追随して急激に減圧されるので、メインシール130のOリング131に浸透・保持された高圧ガスが急激に膨張してOリング131にブリスタを発生させ、そのシール機能が損なわれてしまうおそれがある。

0013

本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、高圧からの急減圧によるメインシールの発泡割れを有効に防止すると共に、メインシールとサブシール間にガス圧力が保持されることによるサブシールの負荷を低減してシール性の向上を図ることにある。

課題を解決するための手段

0014

上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る密封装置は、互いに対向する二部材間に介在されて密封空間からの高圧ガスを密封対象とする密封装置において、前記二部材のうち一方の部材における他方の部材との対向周面に形成された環状の第一取付溝に保持されたゴム状弾性材料からなるパッキンを備えるメインシールと、このメインシールより密封空間側に位置して前記対向周面に形成された環状の第二取付溝に保持された合成樹脂製のサブシールとからなり、前記第二取付溝の底面に前記密封空間側ほど浅くなる円錐面状底面が形成され、前記サブシールが、前記第二取付溝の円錐面状底面に乗り上がり又は乗り下がるように移動可能であり、前記サブシールにおける前記一方の部材又は他方の部材との対向面に、前記サブシールの軸方向両側の間で圧力損失を生じさせつつ流体流通許容する凹凸が形成されたものである。

0015

請求項2の発明に係る密封装置は、請求項1に記載の構成において、凹凸が円周方向へ延びる複数の溝からなるものである。

0016

請求項1又は2に記載の構成において、密封空間が高圧の状態のときにはサブシールが第二取付溝の円錐面状底面を乗り下がるように移動するので、一方の部材又は他方の部材との間の隙間が拡大されて、密封空間の圧力がサブシールとメインシールの間の空間に導入され、この空間の圧力によってメインシールのパッキンが第一取付溝の底面及び他方の部材に押し付けられ、密封機能を奏する。また、この高圧状態から密封空間が急激に減圧されると、サブシールとメインシールとの間の空間との差圧によって、サブシールは第二取付溝の円錐面状底面を乗り上がって一方の部材又は他方の部材との間の隙間が狭まるが、このサブシールに形成された凹凸が、圧力損失を生じながらサブシールとメインシールとの間の空間から密封空間へのガスの流出を許容するので、メインシールとサブシールの間の空間は徐々に減圧される。したがって、高圧時にメインシールのパッキンに浸透したガスの膨張・放出が抑制される。

発明の効果

0017

本発明に係る密封装置によれば、密封空間が高圧の状態から急激に減圧されても、メインシールとサブシールの間の空間の減圧速度緩和されるので、メインシールの発泡割れが有効に防止されると共に、メインシールとサブシールの間の空間の圧力によるサブシールの負荷増大浸透漏れも有効に抑制される。

図面の簡単な説明

0018

本発明に係る密封装置の好適な実施の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す装着状態の半断面図である。
従来の技術に係る密封装置の一例を、その軸心Oを通る平面で切断して示す装着状態の半断面図である。

実施例

0019

以下、本発明に係る密封装置の好ましい実施の形態について、図1を参照しながら詳細に説明する。

0020

図1において、参照符号3は外周部材、参照符号4は内周部材で、円筒状の内周面3aと外周面4a同士で対向するように互いに同心的に配置されており、両部材3,4間の円筒状隙間は、図における右側が、高圧となる密封空間SAに連通しており、図における左側が大気側空間SBに連通している。なお、内周部材4は請求項1に記載された二部材のうち一方の部材に相当し、外周部材3は請求項1に記載された二部材のうち他方の部材に相当する。

0021

内周部材4の外周面4aには、円周方向へ連続した第一取付溝41及び第二取付溝42が形成されており、外周部材3及び内周部材4間の円筒状隙間を密封する密封装置は、相対的に大気側空間SB側に位置する第一取付溝41に軸方向移動可能に保持されたメインシール1と、相対的に密封空間SA側に位置する第二取付溝42に軸方向移動可能に保持されたサブシール2とで構成される。なお、内周部材4の外周面4aは、請求項1に記載された一方の部材における他方の部材との対向周面に相当する。

0022

このうち、メインシール1は、Oリング11と、それより大気側空間SB側に配置されたバックアップリング12,13からなる。そしてメインシール1が保持される第一取付溝41の底面は、Oリング11が保持される部分である円筒面状底面41aと、バックアップリング12,13が保持される部分である円錐面状底面41bからなり、円錐面状底面41bは、大気側空間SB側へ向けて漸次溝深さが浅くなるように形成されている。なお、Oリング11は請求項1に記載されたパッキンに相当する。

0023

メインシール1におけるOリング11は、よく知られているようにゴム状弾性材料(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)からなるものであって断面が円形をなし、第一取付溝41における円筒面状底面41aと、外周部材3の内周面3aとの間で径方向に適当に圧縮された状態に介在している。また、バックアップリング12,13は、Oリング11よりも硬質の、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)あるいはナイロンなどの合成樹脂材料によって平ワッシャ状成形されたものであって、円錐面状底面41bと対応する円錐面12a,13aにおいてこの円錐面状底面41bと密接可能であると共に、外周面12b,13bが外周部材3の内周面3aと密接可能となっている。

0024

一方、サブシール2が保持される第二取付溝42の底面は、相対的に第一取付溝41側の円筒面状底面42aと、相対的に密封空間SA側の円錐面状底面42bからなり、円錐面状底面42bは、密封空間SA側へ向けて漸次溝深さが浅くなるように形成されている。

0025

サブシール2は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)あるいはナイロンなどの合成樹脂材料で成形されたものであって、その内周面は、第二取付溝42の円筒面状底面42aより僅かに大径の円筒面状内周面2aと、そこから密封空間SA側へ向けて延びる円錐面状内周面2bからなり、円錐面状内周面2bは、密封空間SA側ほどサブシール2の径方向厚さが減少するように、第二取付溝42の円錐面状底面42bと対応した斜面をなすものである。

0026

サブシール2の外径は、内周部材4の外周面4aより大径であると共に外周部材3の内周面3aより僅かに小径で、すなわちサブシール2の外周面は、外周部材3の内周面3aと密接可能な状態で対向している。このサブシール2の外周面には、円周方向へ連続した溝状の複数の微小凹部21が形成されており、この微小凹部21は、サブシール2の外周面が外周部材3の内周面3aに押し付けられた時に、完全に密接した状態とならないようにするものである。このため、密封空間SAのガス圧力が中間室SCより高い状態から低い状態へ急激に減圧された場合に、サブシール2の外周面と外周部材3の内周面3aの間で圧力損失を生じさせつつ中間室SCから密封空間SAへのガスの流通を許容し、これによる中間室SCの減圧速度を、Oリング11に発泡を生じない程度の速度に抑制するものである。

0027

また、サブシール2における密封空間SA側の端面2cは、その径方向高さが第二取付溝42における密封空間SA側の径方向立ち上がり面42cよりも高く、かつサブシール2における円錐面状内周面2bは、第二取付溝42における円錐面状底面42bより短く、このためサブシール2が第二取付溝42内を最も密封空間SA側まで移動しても、サブシール2の端面2cと第二取付溝42の径方向立ち上がり面122cの間には軸方向の隙間Gが存在するようになっている。

0028

以上のように構成された実施の形態において、密封空間SAから高いガス圧力が作用すると、この圧力によってサブシール2が第二取付溝42内を密封空間SAと反対側へ移動し、サブシール2の円錐面状内周面2bは第二取付溝42の円錐面状底面42bから離れるため、前記ガス圧力は、外周部材3の内周面3a及び第二取付溝42の円筒面状底面42aとサブシール2との間の隙間を通じてメインシール1(Oリング11)とサブシール2の間の中間室SCに導入される。そしてこの中間室SCに導入されたガス圧力によって、Oリング11が第一取付溝41内を相対的に低圧の大気側空間SB側へ向けて変位し、バックアップリング12,13に、Oリング11を介して中間室SCのガス圧力による軸方向荷重が作用する。

0029

このため、バックアップリング12,13は、第一取付溝41内を大気側空間SB側へ向けて変位しながら、その内径の円錐面12a,13aが第一取付溝41の円錐面状底面41bと摺動して乗り上がるので、バックアップリング12,13の外周面12b,13bと外周部材3の内周面3aとの間の隙間が縮小され、大気側空間SB側へのOリング11のはみ出しを有効に防止する。

0030

そしてOリング11は、中間室SCのガス圧力によってバックアップリング12に押し付けられると共に外周部材3の内周面3a及び第一取付溝41の円筒面状底面41aへの密接面圧が大きくなるので、密封空間SAから中間室SCへ導入された高圧ガスがさらに大気側空間SB側へ漏洩するのを有効に防止する。

0031

また、密封空間SAのガス圧力が高い状態から、このガス圧力が急激に減圧された場合は、メインシール1(Oリング11)とサブシール2の間の中間室SCが密封空間SAより相対的に高圧となることによって、サブシール2が第二取付溝42内を密封空間SA側へ変位しながら、その円錐面状内周面2bが第二取付溝42の円錐面状底面42bと摺動して乗り上がる。このため、サブシール2は、その円錐面状内周面2bが円錐面状底面42bに密接されると共に、外周面が外周部材3の内周面3aに押し付けられる。

0032

しかしながら、サブシール2の外周面には円周方向へ連続した溝状の複数の微小凹部21が形成されており、この微小凹部21によって、サブシール2の外周面と外周部材3の内周面3aは完全に密接した状態とならないようになっているので、中間室SC内の高圧ガスは、外周部材3の内周面3aとサブシール2の外周面の間の微小隙間を介して、減圧によって中間室SCより低圧となった密封空間SAへ徐々に放出される。このため、中間室SCは急減圧されることなく、徐々に減圧される。

0033

したがって、密封空間SAが高圧の時に中間室SC内に導入されたガスがOリング11に浸透しても、この浸透ガスが、中間室SCの急減圧によってOリング11内で急激に膨張して発泡することはない。すなわち、サブシール2の外周面に形成された微小凹部21は、Oリング11に発泡を生じない程度の速度でOリング11からのガスの放出を許容するように、中間室SCの減圧速度を密封空間SAの減圧速度より小さくする圧力損失を生じるものである。このため、Oリング11の発泡割れ(ブリスタ)の発生が有効に防止される。

0034

また、上述のように、中間室SCに導入された高圧ガスは密封空間SAの減圧時には密封空間SAへ徐々に放出されるので、中間室SCは高圧に保持されることはない。したがって外周部材3及び内周部材4が相対回転又は軸方向へ反復的に相対移動するものである場合に、外周部材3の内周面3aに対するOリング11及びサブシール2の摺動負荷が著しく大きくなるようなことはなく、このためシール耐久性が向上する。

0035

さらに、密封空間SAが減圧されている間は、Oリング11へのガスの浸透が起こらないため、大気側空間SBへのガスの浸透漏れも有効に抑制される。

0036

なお、密封空間SAのガス圧力が急激に減圧された場合の中間室SCの減圧速度をOリング11に発泡を生じない程度の速度に緩和するための凹凸としては、溝状の複数の微小凹部21のほか、例えば粗面による微小凹凸であっても良く、また、サブシール2の円錐面状内周面2bに形成しても良い。

0037

1メインシール
11 Oリング(パッキン)
12,13バックアップリング
2サブシール
2a円筒面状内周面
2b円錐面状内周面
21微小凹部(凹凸)
3外周部材(二部材のうち他方の部材)
4内周部材(二部材のうち一方の部材)
4a外周面(他方の部材との対向周面)
41 第一取付溝
41a,42a 円筒面状底面
41b,42b円錐面状底面
42 第二取付溝
SA密封空間
SB大気側空間
SC 中間室

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    【課題】ハウジングと軸との間に傾斜して組み付けられることを更に抑制することができる密封装置を提供する。【解決手段】密封装置1は、軸線Y1周りに環状の補強環10と、補強環10に取り付けられている弾性体か... 詳細

  • ナブテスコ株式会社の「 シール構造及びシール」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】簡易な構成によって内部を適正にシールすることができるシール構造及びシールを提供する。【解決手段】回転機械のシール構造は、ケース2と、軸部材3と、シール部材10とを備える。軸部材3は、ケース2の... 詳細

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