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技術 バルブリフト調整装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 天野均
出願日 2012年5月8日 (8年1ヶ月経過) 出願番号 2012-106824
公開日 2013年11月21日 (6年7ヶ月経過) 公開番号 2013-234592
状態 特許登録済
技術分野 特殊操作のための弁装置
主要キーワード 下り面 作動スピード 取り付けガタ 円板カム 低負荷用 作動開始直後 突起側 回転用カム
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年11月21日)のものです。
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図面 (14)

課題

操作部材の破損およびスライダの誤作動を抑制することができるバルブリフト調整装置を提供する。

解決手段

スライダ20は、第1係合溝22の第1斜面26に対し回転方向とは反対の位置でスライダ20の径外面21よりも径外方向へ突き出し、第1斜面26により径外方向へ押し戻された操作ピン41をさらに径外方向へ押し戻し可能な第1突起32と、第2係合溝27の第2斜面31に対し回転方向とは反対の位置でスライダ20の径外面21よりも径外方向へ突き出し、第1斜面26により径外方向へ押し戻された操作ピン41をさらに径外方向へ押し戻し可能な第2突起34とを形成している。したがって、操作ピン41は取り付けガタの影響で多少径内方向へ突き出したとしても第1係合溝22および第2係合溝27に接触しないので、操作ピン41の破損およびスライダ20の誤作動を抑制することができる。

概要

背景

内燃機関カム軸回転運動エンジンバルブ往復直線運動に変換可能な2つのカムを備え、エンジンバルブを連動させるカムを切り替えることによりバルブリフトを調整するバルブリフト調整装置が知られている。特許文献1に開示されたバルブリフト調整装置は、カムの切り替えをスライダにより行う。スライダは、各カムと一体に軸方向に移動する筒状部材であり、回転方向に延びる第1係合溝および第2係合溝を有している。第1係合溝および第2係合溝は、回転方向とは反対の方向に向かうほどスライダの径外面からの深さが浅くなる斜面を有している。斜面は、スライダが回転しているとき各係合溝に挿入されたアクチュエータ操作部材を径外方向へ押し戻す。

概要

操作部材の破損およびスライダの誤作動を抑制することができるバルブリフト調整装置を提供する。 スライダ20は、第1係合溝22の第1斜面26に対し回転方向とは反対の位置でスライダ20の径外面21よりも径外方向へ突き出し、第1斜面26により径外方向へ押し戻された操作ピン41をさらに径外方向へ押し戻し可能な第1突起32と、第2係合溝27の第2斜面31に対し回転方向とは反対の位置でスライダ20の径外面21よりも径外方向へ突き出し、第1斜面26により径外方向へ押し戻された操作ピン41をさらに径外方向へ押し戻し可能な第2突起34とを形成している。したがって、操作ピン41は取り付けガタの影響で多少径内方向へ突き出したとしても第1係合溝22および第2係合溝27に接触しないので、操作ピン41の破損およびスライダ20の誤作動を抑制することができる。

目的

本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作部材の破損およびスライダの誤作動を抑制することができるバルブリフト調整装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

エンジンバルブ(91)のバルブリフトを変更可能なバルブリフト調整装置(10、50)であって、カム軸(92)に回転伝達可能かつ軸方向に相対移動可能に嵌合する第1カム(11、51)と、前記第1カムに対し軸方向の一方に位置し、前記カム軸に回転伝達可能かつ軸方向に相対移動可能に嵌合する第2カム(11、15)と、前記カム軸に回転伝達可能かつ軸方向に相対移動可能に連結され、回転方向に延びる第1係合溝(22、54)および第2係合溝(27、59)を有し、前記エンジンバルブを前記第1カムに連動させる第1作動位置と前記エンジンバルブを前記第2カムに連動させる第2作動位置との間で前記第1カムおよび前記第2カムと一体に移動する筒状のスライダ(20、52)と、前記スライダに対し径外方向から接近および離間可能であり、前記スライダが回転しているとき前記第1係合溝に挿入されると当該第1係合溝の内壁(25、55)と係合して前記スライダを前記第2作動位置に移動させ、前記スライダが回転しているとき前記第2係合溝に挿入されると当該第2係合溝の内壁(30、60)と係合して前記スライダを前記第1作動位置に移動させる操作部材(41、71、72)と、前記操作部材を前記スライダ側に駆動可能な駆動部(42、73)と、を備え、前記第1係合溝の底面は、回転方向とは反対の方向に向かうほど前記スライダの径外面(21、53)からの深さが浅い第1斜面(26、57)を有し、前記第2係合溝の底面は、回転方向とは反対の方向に向かうほど前記径外面からの深さが浅い第2斜面(31、62)を有し、前記スライダは、前記第1斜面に対し回転方向とは反対の位置で前記径外面よりも径外方向へ突き出し、前記第1斜面により径外方向へ押し戻された前記操作部材をさらに径外方向へ押し戻し可能な第1突起(32、64)と、前記第2斜面に対し回転方向とは反対の位置で前記径外面よりも径外方向へ突き出し、前記第2斜面により径外方向へ押し戻された前記操作部材をさらに径外方向へ押し戻し可能な第2突起(34、65)と、を形成していることを特徴とするバルブリフト調整装置。

請求項2

前記第1突起は、前記第1斜面に段差なく連なる第3斜面(33、58)を有し、前記第2突起は、前記第2斜面に段差なく連なる第4斜面(35、63)を有していることを特徴とする請求項1に記載のバルブリフト調整装置(10、50)。

請求項3

前記第3斜面は前記第1斜面と同一の平面であり、前記第4斜面は前記第2斜面と同一の平面であることを特徴とする請求項2に記載のバルブリフト調整装置(10、50)。

請求項4

前記第1係合溝と前記第2係合溝とは互いに周方向位置が重ならないように設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブリフト調整装置(10、50)。

技術分野

0001

本発明は、バルブリフト調整装置に関する。

背景技術

0002

内燃機関カム軸回転運動エンジンバルブ往復直線運動に変換可能な2つのカムを備え、エンジンバルブを連動させるカムを切り替えることによりバルブリフトを調整するバルブリフト調整装置が知られている。特許文献1に開示されたバルブリフト調整装置は、カムの切り替えをスライダにより行う。スライダは、各カムと一体に軸方向に移動する筒状部材であり、回転方向に延びる第1係合溝および第2係合溝を有している。第1係合溝および第2係合溝は、回転方向とは反対の方向に向かうほどスライダの径外面からの深さが浅くなる斜面を有している。斜面は、スライダが回転しているとき各係合溝に挿入されたアクチュエータ操作部材を径外方向へ押し戻す。

先行技術

0003

米国特許出願公開第2011/0247577号明細書

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1に開示されたバルブリフト調整装置では、係合溝の斜面は、アクチュエータの操作部材をスライダの径外面までしか押し戻さない。そのため、操作部材が押されたところまでしか戻らないようなアクチュエータである場合、操作部材の先端面がスライダの径外面に摺接しながらスライダが回転することになり、操作部材およびスライダの摩耗が懸念される。また、斜面により押し戻されたあと、取り付けガタの影響で操作部材が径外面よりも径内方向に突き出す場合、操作部材の先端部が係合溝と接触することに起因して操作部材が破損したり、スライダが誤作動する可能性がある。

0005

本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作部材の破損およびスライダの誤作動を抑制することができるバルブリフト調整装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、エンジンバルブのバルブリフトを変更可能なバルブリフト調整装置であって、スライダが第1突起および第2突起を形成していることを特徴とする。第1突起は、第1係合溝の第1斜面に対し回転方向とは反対の位置でスライダの径外面よりも径外方向へ突き出し、第1斜面により径外方向へ押し戻された操作部材をさらに径外方向へ押し戻し可能である。第2突起は、第2係合溝の第2斜面に対し回転方向とは反対の位置でスライダの径外面よりも径外方向へ突き出し、第1斜面により径外方向へ押し戻された操作部材をさらに径外方向へ押し戻し可能である。

0007

したがって、操作部材は、各突起によりスライダの径外面よりも径外方向へ押し戻されるので、取り付けガタの影響で多少径内方向へ突き出したとしても第1係合溝および第2係合溝に接触しない。そのため、本発明によれば、操作部材の先端部が係合溝と接触することに起因した操作部材の破損およびスライダの誤作動を抑制することができる。
また、第1突起および第2突起の径外方向への突き出し量だけ操作部材の取り付けガタを許容することができる。そのため、操作部材およびそれが取り付けられる部材は高い寸法精度が要求されないので、製造コストを削減することができる。

0008

ここで、操作部材がスライダの径外面までしか押し戻されない場合、操作部材は、作動スピードが比較的遅い作動開始直後に係合溝に挿入されるため、特にスライダが高速回転しているときなどに操作部材の作動制御が困難である。
これに対し、本発明によれば、操作部材は、スライダの径外面に対し離れた位置から作動を開始し、ある程度加速した段階で係合溝に挿入される。そのため、操作部材の作動制御が容易となり、操作部材を係合溝に確実に挿入することができる。

図面の簡単な説明

0009

本発明の第1実施形態によるバルブリフト調整装置が適用されたバルブシステム概略構成を示す図である。
図1のII−II線断面図である。
図1のスライダの第1係合溝と第2係合溝とを通る断面図である。
図3の矢印IV方向から見たバルブシステムを示す図である。
図1のスライダを第1突起側から見た斜視図である。
図1に示す状態からスライダ側に突き出した操作ピンが第1係合溝に挿入した状態を示す図である。
図3に示す状態からスライダが回転し、操作ピンがスライダの径外面に一致する位置まで押し戻されたところを示す断面図である。
図7に示す状態から更にスライダが回転し、操作ピンがスライダの径外面よりもさらに径外方向に押し戻されたところを示す断面図である。
図6に示す状態からスライダが第2作動位置に移動した状態を示す図である。
図9に示す状態からスライダ側に突き出した操作ピンが第2係合溝に挿入した状態を示す図である。
本発明の第2実施形態によるバルブリフト調整装置が適用されたバルブシステムの概略構成を示す図である。
図11のスライダの第1係合溝と第2係合溝とを通る断面図である。
図12の矢印XIII方向から見たバルブシステムを示す図である。

実施例

0010

以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づき説明する。実施形態同士で実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるバルブリフト調整装置は、カム切り替え式の可変バルブ機構であり、図1に示すバルブシステムで使用されている。バルブシステム90は、内燃機関の吸気バルブ91を開閉駆動するシステムである。カム軸92は、シリンダヘッド93により図示しない箇所で回転可能に支持され、図示しないクランクシャフトタイミングチェーン等を介して連結されている。吸気バルブ91は、特許請求の範囲に記載の「エンジンバルブ」に相当する。

0011

図1図4に示すように、バルブリフト調整装置10は、低回転用カム11、高回転用カム15、スライダ20およびアクチュエータ40を備えている。低回転用カム11は、特許請求の範囲に記載の「第1カム」に相当し、高回転用カム15は、特許請求の範囲に記載の「第2カム」に相当する。
低回転用カム11、高回転用カム15およびスライダ20は、同一部材から成り、互いに一体に形成されている。

0012

低回転用カム11は、カム軸92にスプライン嵌合する円板カムであり、カム軸92に対し回転伝達可能かつ軸方向に相対移動可能である。低回転用カム11の径外壁には、ベースサークル12から径外方向に所定量突き出すカムローブ13が形成されている。低回転用カム11は、ローラーロッカー94と共に、カム軸92の回転運動を吸気バルブ91の往復直線運動に変換する低回転用カム機構を構成する。上記低回転用カム機構において、低回転用カム11は原節として機能し、ローラーロッカー94は従節として機能する。

0013

高回転用カム15は、低回転用カム11に対し軸方向の一方に隣接する位置でカム軸92にスプライン嵌合する円板カムであり、カム軸92に対し回転伝達可能かつ軸方向に相対移動可能である。高回転用カム15の径外壁には、ベースサークル16から径外方向に所定量突き出すカムローブ17が形成されている。ベースサークル12とベースサークル16とは、段差のない同一面状に形成されている。高回転用カム15は、ローラーロッカー94と共に、カム軸92の回転運動を吸気バルブ91の往復直線運動に変換する高回転用カム機構を構成する。上記高回転用カム機構において、高回転用カム15は原節として機能し、ローラーロッカー94は従節として機能する。

0014

高回転用カム15のカムプロフィールは、低回転用カム11のカムプロフィールとは異なる。例えば、高回転用カム15の最大カムリフトは、低回転用カム11の最大カムリフトよりも大きい。また、高回転用カム15のカム作動角は、低回転用カム11のカム作動角よりも大きい。

0015

スライダ20は、低回転用カム11に対し軸方向の他方に隣接する位置でカム軸92にスプライン嵌合する筒状部材であり、カム軸92に対し回転伝達可能かつ軸方向に相対移動可能である。スライダ20は、低回転用カム11をローラーロッカー94に当接させる第1作動位置と、高回転用カム15をローラーロッカー94に当接させる第2作動位置との間で低回転用カム11および高回転用カム15と一体に移動可能である。

0016

スライダ20は、回転方向に延びる第1係合溝22、および、第1係合溝22に対し周方向位置が重ならないように回転方向に延びる第2係合溝27を有している。以降、回転方向とは反対の方向のことを「反対方向」と記載する。
第1係合溝22は、スライダ20が第1作動位置に位置しているとき後述の操作ピン41と軸方向位置が一致する第1周方向溝部23と、第1周方向溝部23に対し反対方向に位置し且つ反対方向に向かうほど軸方向の一方に位置するように傾斜している第1傾斜溝部24とから構成されている。第1傾斜溝部24の内壁のうち軸方向の他方の第1内壁25は、反対方向に向かうほど軸方向の一方に位置するように傾斜している。また第1傾斜溝部24の底面は、反対方向に向かうほどスライダ20の径外面21からの深さが浅くなる第1斜面26を有している。

0017

第2係合溝27は、スライダ20が第2作動位置に位置しているとき操作ピン41と軸方向位置が一致する第2周方向溝部28と、第2周方向溝部28に対し反対方向に位置し且つ反対方向に向かうほど軸方向の他方に位置するように傾斜している第2傾斜溝部29とから構成されている。第2傾斜溝部29の内壁のうち軸方向の他方の第2内壁30は、反対方向に向かうほど軸方向の他方に位置するように傾斜している。また第2傾斜溝部29の底面は、反対方向に向かうほどスライダ20の径外面21からの深さが浅くなる第2斜面31を有している。

0018

アクチュエータ40は、電磁式アクチュエータであり、操作ピン41および駆動部42から構成されている。操作ピン41は、特許請求の範囲に記載の「操作部材」に相当し、スライダ20に対し径外方向から接近および離間可能である。第1係合溝22および第2係合溝27の軸方向の溝幅は、操作ピン41の先端部の外径より僅かに大きい。第1係合溝22および第2係合溝27には操作ピン41の先端部を挿入可能である。操作ピン41は、スライダ20が回転しているとき第1係合溝22に挿入されると第1内壁25と係合してスライダ20を第2作動位置に移動させ、スライダ20が回転しているとき第2係合溝27に挿入されると第2内壁30と係合してスライダ20を第1作動位置に移動させる。

0019

駆動部42は、シリンダヘッド93に固定され且つ操作ピン41を支持するスリーブ43と、スリーブ43内で固定された固定コア44と、スリーブ43内で操作ピン41の端部に固定された可動コア45と、固定コア44に巻回された巻線からなり且つ通電により磁界を発生するコイル46とを有する。可動コア45は、コイル46の磁界によって磁化した固定コア44に対し反発する永久磁石を含む。駆動部42は、コイル46を通電させ可動コア45を固定コア44から離間させることにより、操作ピン41をスライダ20側に駆動させる。

0020

駆動部42は、スライダ20を第1作動位置から第2作動位置まで移動させる場合、操作ピン41の周方向位置が第1係合溝22に一致すると操作ピン41を第1係合溝22に挿入するための作動を開始し、操作ピン41の周方向位置が第1斜面26に一致すると通電を止める。
駆動部42は、スライダ20を第2作動位置から第1作動位置まで移動させる場合、操作ピン41の周方向位置が第2係合溝27に一致すると操作ピン41を第2係合溝27に挿入するための作動を開始し、操作ピン41の周方向位置が第2斜面31に一致すると通電を止める。

0021

第1実施形態はスライダ20に特徴がある。スライダ20は、第1斜面26に対し反対方向で径外面21よりも径外方向へ突き出し、第1斜面26により径外方向へ押し戻された操作ピン41をさらに径外方向へ押し戻し可能な第1突起32と、第2斜面31に対し反対方向で径外面21よりも径外方向へ突き出し、第2斜面31により径外方向へ押し戻された操作ピン41をさらに径外方向へ押し戻し可能な第2突起34と、を形成している。第1突起32は、第1斜面26に段差なく連なっている第3斜面33を有している。第1斜面26および第3斜面33は同一平面である。第2突起34は、第2斜面31に段差なく連なっている第4斜面35を有している。第2斜面31および第4斜面35は同一平面である。

0022

次に、バルブシステム90の作動を図1図6図10に基づき説明する。
図1に示すようにスライダ20が第1作動位置に位置するときカム軸92が回転すると、低回転用カム11の回転運動は、ローラーロッカー94を介して吸気バルブ91に伝達され、吸気バルブ91の往復直線運動に変換される。

0023

図1の状態で例えばエンジン回転数高回転域に達したとき、スライダ20に対する操作ピン41の周方向位置が第1係合溝22に一致すると、駆動部42は操作ピン41を第1係合溝22に挿入するための作動を開始する。操作ピン41は、スライダ20に対する周方向位置が第1内壁25に到達するまでの間に第1係合溝22に挿入される。

0024

図6に示すように操作ピン41が第1係合溝22に挿入された状態でスライダ20がカム軸92と共に回転すると、スライダ20は第1係合溝22の第1内壁25が操作ピン41と係合することによって軸方向位置が規制され、図6の矢印A1で示すように軸方向の他方側すなわち第2作動位置側にスライドする。スライダ20に対する操作ピン41の周方向位置が第1斜面26に一致すると駆動部42は通電を止める。このあと操作ピン41は、第1斜面26により径外方向に押し戻される。第1実施形態では、操作ピン41は、図7に示すように先端面が径外面21に一致する状態から更に図8に示すように第1突起32の第3斜面33により径外方向へ押し戻される。図8に示すように、操作ピン41が第1突起32により径外方向へ押し戻される量は、第1突起32の径外方向への突き出し量に一致する。

0025

図9に示すようにスライダ20が第2作動位置に位置するときカム軸92が回転すると、高回転用カム15の回転運動は、ローラーロッカー94を介して吸気バルブ91に伝達され、吸気バルブ91の往復直線運動に変換される。高回転用カム15の回転運動が吸気バルブ91の往復直線運動に変換される場合、低回転用カム11の回転運動が吸気バルブ91の往復直線運動に変換される場合よりも、バルブリフトが大きくなる。

0026

図9の状態で例えばエンジン回転数が低回転域に達したとき、スライダ20に対する操作ピン41の周方向位置が第2係合溝27に一致すると、駆動部42は操作ピン41を第2係合溝27に挿入するための作動を開始する。操作ピン41は、スライダ20に対する周方向位置が第2内壁30に到達するまでの間に第2係合溝27に挿入される。

0027

図10に示すように操作ピン41が第2係合溝27に挿入された状態でスライダ20がカム軸92と共に回転すると、スライダ20は第2係合溝27の第2内壁30が操作ピン41と係合することによって軸方向位置が規制され、図10の矢印A2で示すように軸方向の一方側すなわち第1作動位置側にスライドする。スライダ20に対する操作ピン41の周方向位置が第2斜面31に一致すると駆動部42は通電を止める。このあと操作ピン41は、第2斜面31により径外方向に押し戻される。第1実施形態では、操作ピン41は、先端面が径外面21に一致する状態から更に第2突起34の第4斜面35により径外方向へ押し戻される。操作ピン41が第2突起34により径外方向へ押し戻される量は、第1突起32の場合と同様に第2突起34の径外方向への突き出し量に一致する。

0028

以上説明したように、第1実施形態では、スライダ20が第1突起32および第2突起34を形成している。第1突起32は、第1係合溝22の第1斜面26に対し回転方向とは反対の位置でスライダ20の径外面21よりも径外方向へ突き出し、第1斜面26により径外方向へ押し戻された操作ピン41をさらに径外方向へ押し戻し可能である。第2突起34は、第2係合溝27の第2斜面31に対し回転方向とは反対の位置でスライダ20の径外面21よりも径外方向へ突き出し、第1斜面26により径外方向へ押し戻された操作ピン41をさらに径外方向へ押し戻し可能である。

0029

したがって、操作ピン41は、各突起32、34によりスライダ20の径外面21よりも径外方向へ押し戻されるので、取り付けガタの影響で多少径内方向へ突き出したとしても第1係合溝22および第2係合溝27に接触しない。そのため、第1実施形態によれば、操作ピン41の破損およびスライダ20の誤作動を抑制することができる。
また、第1突起32および第2突起34の径外方向への突き出し量だけ操作ピン41の取り付けガタを許容することができる。そのため、操作ピン41およびそれが取り付けられるスリーブ43などの部材は高い寸法精度が要求されないので、製造コストを削減することができる。
また、操作ピン41は、スライダ20の径外面21に対し離れた位置から作動を開始し、ある程度加速した段階で係合溝22、27に挿入される。そのため、操作ピン41の作動制御が容易となり、操作ピン41を係合溝22、27に確実に挿入することができる。

0030

また、第1実施形態では、第1突起32の第3斜面33は、第1係合溝22の第1斜面26に段差なく連なり且つ第1斜面26と同一の平面である。したがって、操作ピン41が第1斜面26から第3斜面33に円滑に乗り移ることができる。
また、第1実施形態では、第2突起34の第4斜面35は、第2係合溝27の第2斜面31に段差なく連なり且つ第2斜面31と同一の平面である。したがって、操作ピン41が第2斜面31から第4斜面35に円滑に乗り移ることができる。

0031

また、第1実施形態では、第1係合溝22と第2係合溝27とは互いに周方向位置が重ならないように形成され、第1係合溝22の反対方向の端部は第2係合溝27の回転方向の端部と軸方向位置が一致し、第2係合溝27の反対方向の端部は第1係合溝22の回転方向の端部と軸方向位置が一致している。したがって、1つの操作ピン41でスライダ20を2つの作動位置に移動させることができる。

0032

(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるバルブリフト調整装置を図11および図12に基づき説明する。バルブリフト調整装置50は、低回転用カム11とスライダ52との間に低負荷用カム51を備えている。低負荷用カム51は、スライダ52に対し軸方向の一方に隣接する位置でカム軸92にスプライン嵌合する円板カムであり、低回転用カム11、高回転用カム15およびスライダ52と一体に形成されている。低負荷用カム51は、特許請求の範囲に記載の「第1カム」に相当する。低回転用カム11は、高回転用カム15との関係においては特許請求の範囲に記載の「第1カム」に相当し、低負荷用カム51との関係においては特許請求の範囲に記載の「第2カム」に相当する。

0033

スライダ52は、低回転用カム11をローラーロッカー94に当接させる第1作動位置と、高回転用カム15をローラーロッカー94に当接させる第2作動位置と、低負荷用カム51をローラーロッカー94に当接させる第3作動位置とに各カムと一体に移動可能である。
スライダ52は、回転方向に延びる第1係合溝54および第2係合溝59を有している。第1係合溝54は、第2係合溝59に対し軸方向位置が一致し且つ周方向位置が重ならないように設けられている。第1係合溝54および第2係合溝59の溝幅は、後述の操作ピン71の先端部の外径と、スライダ52のスライド量とを足した値より僅かに大きく設定されている。上記スライド量は、スライダ52が第1作動位置から第2作動位置まで移動するときの移動距離である。スライダ52が第1作動位置から第3作動位置まで移動するときの移動距離は、スライダ52が第1作動位置から第2作動位置まで移動するときの移動距離と同じである。

0034

第1係合溝54の内壁のうち軸方向の他方の第1内壁55は、反対方向の端部において反対方向に向かうほど軸方向の一方に突き出す第1凸部56を形成している。また第1係合溝54の底面は、反対方向の端部において反対方向に向かうほどスライダ52の径外面53からの深さが浅くなる第1斜面57と、回転方向の端部において回転方向に向かうほどスライダ52の径外面53からの深さが浅くなる第1下り面58とを有している。
第2係合溝59の内壁のうち軸方向の他方の第2内壁60は、反対方向の端部において反対方向に向かうほど軸方向の一方に突き出す第2凸部61を形成している。また第2係合溝59の底面は、反対方向の端部において反対方向に向かうほどスライダ52の径外面53からの深さが浅くなる第2斜面62と、回転方向の端部において回転方向に向かうほどスライダ52の径外面53からの深さが浅くなる第2下り面63とを有している。

0035

アクチュエータ70は、電磁式アクチュエータであり、2つの操作ピン71、72および駆動部73から構成されている。操作ピン71、72は、特許請求の範囲に記載の「操作部材」に相当し、スライダ52に対し径外方向から接近および離間可能である。操作ピン71は、スライダ52が第1作動位置で回転しているとき第1係合溝54に挿入されると第1凸部56と係合してスライダ52を第2作動位置に移動させ、スライダ52が第2作動位置で回転しているとき第2係合溝59に挿入されると第2凸部61と係合してスライダ52を第1作動位置に移動させる。操作ピン72は、スライダ52が第1作動位置で回転しているとき第2係合溝59に挿入されると第2凸部61と係合してスライダ52を第3作動位置に移動させ、スライダ52が第3作動位置で回転しているとき第1係合溝54に挿入されると第1凸部56と係合してスライダ52を第1作動位置に移動させる。

0036

駆動部73は、シリンダヘッド93に固定され且つ操作ピン71、72を支持するスリーブ74と、スリーブ74内で固定された固定コア75、76と、スリーブ74内で操作ピン71の端部に固定された可動コア77と、固定コア75に巻回された巻線からなり且つ通電により磁界を発生するコイル79と、スリーブ74内で操作ピン72の端部に固定された可動コア78と、固定コア76に巻回された巻線からなり且つ通電により磁界を発生するコイル80とを有する。可動コア77は、コイル79の磁界によって磁化した固定コア75に対し反発する永久磁石を含む。可動コア78は、コイル80の磁界によって磁化した固定コア76に対し反発する永久磁石を含む。駆動部73は、コイル79を通電させ可動コア77を固定コア75から離間させることにより操作ピン71をスライダ52側に駆動させ、コイル80を通電させ可動コア78を固定コア76から離間させることにより操作ピン72をスライダ52側に駆動させる。

0037

第2実施形態はスライダ52に特徴がある。スライダ52は、第1斜面57に対し反対方向で径外面53よりも径外方向へ突き出し、第1斜面57により径外方向へ押し戻された操作ピン71、72をさらに径外方向へ押し戻し可能な第1突起64と、第2斜面62に対し反対方向で径外面53よりも径外方向へ突き出し、第2斜面62により径外方向へ押し戻された操作ピン71、72をさらに径外方向へ押し戻し可能な第2突起65と、を形成している。第1突起64は、第1斜面57に段差なく連なっている第3斜面66を有している。第1斜面57および第3斜面66は同一平面である。第2突起65は、第2斜面62に段差なく連なっている第4斜面67を有している。第2斜面62および第4斜面67は同一平面である。

0038

以上説明したように、第2実施形態によれば、操作ピン71、72は、各突起64、65によりスライダ52の径外面53よりも径外方向へ押し戻されるので、第1実施形態と同様の効果を奏する。

0039

(他の実施形態)
本発明の他の実施形態では、第1突起の第3斜面および第2突起の第4斜面は、平面に限らず、曲面であってもよい。
本発明の他の実施形態では、バルブリフト調整装置は、排気バルブを開閉駆動するバルブシステムに適用されてもよい。
本発明の他の実施形態では、バルブリフト調整装置は、ローラーロッカーを備えるバルブシステムに限らず、他の型式のバルブシステムに適用されてもよい。

0040

本発明の他の実施形態では、各カムおよびスライダは、スプライン嵌合以外の方法でカム軸に連結されてもよい。
本発明の他の実施形態では、各カム同士のカムプロフィールにどのような違いを設けてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。

0041

10 ・・・バルブリフト調整装置
11 ・・・低回転用カム(第1カム、第2カム)
15 ・・・高回転用カム(第2カム)
20、52・・・スライダ
21、53・・・径外面
22、54・・・第1係合溝
25 ・・・第1内壁(第1係合溝の内壁)
26、57・・・第1斜面
27、59・・・第2係合溝
30 ・・・第2内壁(第2係合溝の内壁)
31、62・・・第2斜面
32、64・・・第1突起
34、65・・・第2突起
41、71、72・・・操作ピン(操作部材)
42、73・・・駆動部
51 ・・・低負荷用カム(第1カム)

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