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技術 細胞集団の状態を評価するための方法、候補化合物の発癌性を評価するための方法、潜在的な抗癌化合物の抗癌活性を評価するための方法及び治療用細胞集団の品質を評価するための方法

出願人 佐藤政彦佐藤祥子
発明者 佐藤政彦佐藤祥子
出願日 2013年4月19日 (8年1ヶ月経過) 出願番号 2013-087987
公開日 2013年11月14日 (7年6ヶ月経過) 公開番号 2013-230145
状態 拒絶査定
技術分野 微生物、その培養処理 特有な方法による材料の調査、分析 生物学的材料の調査,分析 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード 許容頻度 インデクス化 DD値 サブインデックス 追跡ソフトウェア エームズ試験 品質コントローラ 視野フィールド
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

蛍光を用いないライブセルイメージング技術が、哺乳動物細胞品質判定化合物発癌性研究、特に低用量および環境用量での発癌物質の研究に必要となる。化合物の評価、化合物のスクリーニング細胞品質の管理および/または評価等に有用な方法およびバイオマーカーに本発明が関連することから、本発明はこれらの必要性に応える。。

解決手段

哺乳類細胞集団の培養と、細胞集団内の個々の細胞の追跡と、頻度と細胞集団の状態との相関付けとを含んで構成され、頻度は前記細胞集団中の表現形質的および遺伝系質的変化の有無の指標であることを特徴とする、細胞集団の状態を評価するための方法を提供する。

概要

背景

ヒト癌はしばしば一個の悪質形質転換細胞起源とし、環境中に存在する発癌物質曝露が、その発生の原因となり得る。環境中に存在する発癌物質の濃度は、一般的に極めて低いため、形質転換に導く細胞イベントは既存の発癌性試験(in vivo)または遺伝毒性試験(in vitro)によって直接検出することは容易でない。従って、 どの程度の頻度で環境中の発癌物質による形質転換が引き起こされるのか良く知られていない 。

妥協策として実験室試験では、高用量または致死用量の被験物質が使用され、高用量を用いて得られた結果から、低用量で起こり得る影響を外挿し、被験物質の発癌性を評価するのに用いられている。

概念的にはこのような外挿は結果の解釈厄介な問題を引き起こし得る。第一に、高用量または致死用量の被験物質によって引き起こされる細胞毒性が、試験の焦点であるはずの悪性形質転換細胞をも除去してしまうので、発癌性イベントの検出が妨害され得る。第二に、大多数の細胞に変化させ得る致死用量曝露によって誘導される細胞の応答からの外挿で、低用量曝露によって少数の細胞に引き起こされる重大な変化を予想することが可能かについて、確固たる証明はない。もし、低用量曝露によって誘導される細胞の応答が高用量曝露のそれと異なる場合、外挿は不正確結論を導き得る。しかしながら、現在、 低用量及び環境用量の発癌物質への細胞の応答に関する情報が存在しないため、外挿によって得られた結論が正しいかどうかを検証するための正確な方法はほとんど存在しない。

良く知られているin vitro試験の一つ、エームス試験ではヒスチジン欠乏サルモネラ変異体を使用し遺伝子変異の結果として生成した復帰突然変異体数を数えることにより評価を行うが、その試験の失敗率は約55%である。姉妹染色体交換試験、マウスリンパ腫tk遺伝子突然変異試験、リンフォーマTK遺伝子突然変異試験及び染色体異常試験を含む多くの哺乳類細胞を基にした分析法では、既知齧歯類の発癌物質に対して比較的正確な陽性を示すが(約70〜90%)、非発癌物質に対する陽性率も著しく高いため(偽陽性率、70〜80%以上)、 これらの試験による被験物質の正確な発癌性評価が難しくなっている。

in vivo試験、すなわち主にラットおよびマウス等の齧歯類動物による発癌性試験も不正確さが問題となっている。齧歯類の寿命は2〜3年未満である。そのため、ヒトではしばしば20年以上かけて成長する癌を齧歯類の寿命内に増殖させるため、 高用量または致死用量に近い試験物質がしばしば投与されているが、それらの結果が低用量の発癌物質に曝露されているヒトの状況を反映しないであろうとの憂慮されている。実際、偽陽性または偽陰性の結果が実験動物を用いた発癌性試験で得られていることも知られている。従って、既存の試験でヒト発癌物質の識別を行うのは、一般的には、困難である。これら全ての問題は環境用量の発癌物質により誘導される細胞応答に関する情報の欠如と関連し得る。

概要

蛍光を用いないライブセルイメージング技術が、哺乳動物細胞品質判定化合物の発癌性研究、特に低用量および環境用量での発癌物質の研究に必要となる。化合物の評価、化合物のスクリーニング、細胞品質の管理および/または評価等に有用な方法およびバイオマーカーに本発明が関連することから、本発明はこれらの必要性に応える。。哺乳類細胞集団の培養と、細胞集団内の個々の細胞の追跡と、頻度と細胞集団の状態との相関付けとを含んで構成され、頻度は前記細胞集団中の表現形質的および遺伝系質的変化の有無の指標であることを特徴とする、細胞集団の状態を評価するための方法を提供する。

目的

本発明の関連する実施形態は、細胞感染のタイミング、細胞による物質の取り込みのタイミング、細胞−細胞(病原体)の接触のタイミングを観察するための手段を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

哺乳類細胞集団の培養と、前記細胞集細胞集団内の一つまたはそれ以上の弁別的細胞イベントの発生の測定のため、そして、前記弁別的細胞イベントの頻度計算のための、前記細胞集団内の個々の細胞の追跡と、前記頻度と細胞集団の状態との相関付けとを含んで構成され、前記頻度は前記細胞集団中の表現形質的および遺伝系質的変化の有無の指標であることを特徴とする、細胞集団の状態を評価するための方法。

請求項2

前記測定が非蛍光顕微鏡観察イメージング及び複数の細胞の追跡からなることを特徴とする、請求項1に記載の細胞集団の状態を評価するための方法。

請求項3

前記細胞集団の培養は候補発癌化合物と前記細胞を接触させるものであり、前記頻度が候補発癌性化合物の発癌性の指標であることを特徴とする、請求項1に記載の細胞集団の状態を評価するための方法。

請求項4

前記細胞集団は哺乳動物被験体移植される治療用哺乳動物細胞であることを特徴とする、請求項1に記載の細胞集団の状態を評価するための方法。

請求項5

前記弁別的細胞イベントは、二極分裂DD)、三極分裂(TD)、四極分裂(QD)、五極分裂(HD)、細胞融合(CF)、細胞死(CD)、不完全または部分的な分裂(IP)、細胞形状の変化(CSA)、核形状の変化(NSA)、細胞内物質蓄積(IA)、細胞肥大(CE)、取り込み(EG)、過移動性HEM)、貧移動性(HPM)、分裂時間遅延(PD)並びに分裂時間短縮(SD)及びこれらの組合せからなるグループから選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の細胞集団の状態を評価するための方法。

請求項6

前記細胞集団のための細胞品質インデクスの計算を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の細胞集団の状態を評価するための方法。

請求項7

候補化合物存在下での細胞集団の培養と、前記細胞集団中での弁別的細胞イベントの発生の検出のための、そして、所定の時間にわたる弁別的細胞イベントの出現または非出現の頻度計算のための、前記細胞集団中の個々の細胞の追跡と、候補化合物の発癌性の評価とを含んで構成され、計算された頻度は外的イベントの発癌性の潜在力の指標であることを特徴とする、候補化合物の発癌性を評価するための方法。

請求項8

前記の発癌性の評価は、候補化合物の非存在下で培養された細胞集団から同時に得られる対照頻度と細胞集団の計算された頻度との比較を含むことを特徴とする、請求項7に記載の候補化合物の発癌性を評価するための方法。

請求項9

前記細胞集団は準細胞毒性用量または非細胞毒性用量の候補化合物存在下で培養されることを特徴とする、請求項7に記載の候補化合物の発癌性を評価するための方法。

請求項10

前記検出は複数の細胞の非蛍光顕微鏡観察、イメージング、そして追跡を含むことを特徴とする、請求項7に記載の候補化合物の発癌性を評価するための方法。

請求項11

抗癌化合物候補存在下における細胞集団の顕微鏡観察下での培養と、細胞系統追跡と撮像装置による前記集団内の個々の細胞追跡により、前記集団内での弁別的細胞イベントの発生の検出と、一定期間にわたる前記イベントの出現または非出現の頻度の計算と、候補化合物の抗癌活性の評価とを含んで構成され、計算された頻度は候補化合物の抗癌活性の指標であることを特徴とする、潜在的な抗癌化合物の抗癌活性を評価するための方法。

請求項12

患者に移植されるところの複数細胞の取得と、前記複数の細胞の顕微鏡観察下での培養と、細胞系統追跡・撮像装置による前記集団内の個々の細胞を追跡することによる弁別的細胞イベントの前記複数細胞内での発生の検出と前記弁別的細胞イベントの頻度に基づいて許容できない品質の細胞を含有している細胞集団の特徴付けとを含んで構成されることを特徴とする、治療用細胞集団の品質を評価するための方法。

請求項13

さらに、許容できない品質の細胞の排除を含んで構成されることを特徴とする、請求項12に記載の治療用細胞集団の品質を評価するための方法。

請求項14

前記細胞系統追跡・撮像装置は 非蛍光撮像追跡装置であることを特徴とする、請求項12に記載の治療用細胞集団の品質を評価するための方法。

請求項15

顕微鏡観察下での哺乳類細胞集団の培養と、十分な期間にわたる前記培養細胞集団の前記顕微鏡観察下での連続的した画像の取得と、個々の細胞を一定期間にわたり追跡するための連続した画像内の複数の細胞のインデックスの作成と、前記細胞集団内での一つまたはそれ以上の弁別的細胞イベントの発生測定のため、および、前記弁別的細胞イベントの頻度計算のためのインデックス化された細胞を含む取得された連続画像分析と、前記頻度と前記細胞集団状態の相関付けとを含んで構成され、前記頻度は前記細胞集団中における表現形質的及び遺伝系質的の変化を有する細胞の存在又は非存在の指標であることを特徴とする、細胞集団の状態を評価するための方法。

技術分野

0001

本発明は医学に関する。より具体的には、細胞表現形質及び/又は遺伝形質の変化に伴う若しくは由来する生物学的マーカーに係わり、そして哺乳動物細胞を評価するための方法に関する。

背景技術

0002

ヒト癌はしばしば一個の悪質形質転換細胞起源とし、環境中に存在する発癌物質曝露が、その発生の原因となり得る。環境中に存在する発癌物質の濃度は、一般的に極めて低いため、形質転換に導く細胞イベントは既存の発癌性試験(in vivo)または遺伝毒性試験(in vitro)によって直接検出することは容易でない。従って、 どの程度の頻度で環境中の発癌物質による形質転換が引き起こされるのか良く知られていない 。

0003

妥協策として実験室試験では、高用量または致死用量の被験物質が使用され、高用量を用いて得られた結果から、低用量で起こり得る影響を外挿し、被験物質の発癌性を評価するのに用いられている。

0004

概念的にはこのような外挿は結果の解釈厄介な問題を引き起こし得る。第一に、高用量または致死用量の被験物質によって引き起こされる細胞毒性が、試験の焦点であるはずの悪性形質転換細胞をも除去してしまうので、発癌性イベントの検出が妨害され得る。第二に、大多数の細胞に変化させ得る致死用量曝露によって誘導される細胞の応答からの外挿で、低用量曝露によって少数の細胞に引き起こされる重大な変化を予想することが可能かについて、確固たる証明はない。もし、低用量曝露によって誘導される細胞の応答が高用量曝露のそれと異なる場合、外挿は不正確結論を導き得る。しかしながら、現在、 低用量及び環境用量の発癌物質への細胞の応答に関する情報が存在しないため、外挿によって得られた結論が正しいかどうかを検証するための正確な方法はほとんど存在しない。

0005

良く知られているin vitro試験の一つ、エームス試験ではヒスチジン欠乏サルモネラ変異体を使用し遺伝子変異の結果として生成した復帰突然変異体数を数えることにより評価を行うが、その試験の失敗率は約55%である。姉妹染色体交換試験、マウスリンパ腫tk遺伝子突然変異試験、リンフォーマTK遺伝子突然変異試験及び染色体異常試験を含む多くの哺乳類細胞を基にした分析法では、既知齧歯類の発癌物質に対して比較的正確な陽性を示すが(約70〜90%)、非発癌物質に対する陽性率も著しく高いため(偽陽性率、70〜80%以上)、 これらの試験による被験物質の正確な発癌性評価が難しくなっている。

0006

in vivo試験、すなわち主にラットおよびマウス等の齧歯類動物による発癌性試験も不正確さが問題となっている。齧歯類の寿命は2〜3年未満である。そのため、ヒトではしばしば20年以上かけて成長する癌を齧歯類の寿命内に増殖させるため、 高用量または致死用量に近い試験物質がしばしば投与されているが、それらの結果が低用量の発癌物質に曝露されているヒトの状況を反映しないであろうとの憂慮されている。実際、偽陽性または偽陰性の結果が実験動物を用いた発癌性試験で得られていることも知られている。従って、既存の試験でヒト発癌物質の識別を行うのは、一般的には、困難である。これら全ての問題は環境用量の発癌物質により誘導される細胞応答に関する情報の欠如と関連し得る。

先行技術

0007

国際特許出願WO2012/056345号公報

発明が解決しようとする課題

0008

環境用量の発癌物質によって誘発される細胞異常や稀な細胞イベントを直接研究するためには、外挿法を用いない技術が必要となる。そのような異常や稀な細胞イベントは、網羅的な生細胞ビデオ録画ライブセルイメージング)、個々の細胞追跡、細胞系統マップの作成、細胞系統データベース構築により、定量的に識別または検出し得る。現存する多くのライブセルイメージング法では、例えば蛍光タンパク質(緑、赤、黄等)、蛍光色素量子ドット等の蛍光物質励起によって細胞の可視化が行われている。しかし、この励起は細胞に対し光毒性の原因となり、そのため異常や稀な細胞イベントの検出を妨げる。

0009

したがって、蛍光を用いないライブセルイメージング技術が、哺乳動物細胞の品質判定化合物の発癌性研究、特に低用量および環境用量での発癌物質の研究に必要となる。

0010

化合物の評価、化合物のスクリーニング、細胞品質の管理および/または評価等に有用な方法およびバイオマーカーに本発明が関連することから、本発明はこれらの必要性に応える。

課題を解決するための手段

0011

第一の態様によれば、本発明は細胞集団の状態を評価するための方法に関するものであり、
哺乳類細胞集団の培養と、
前記細胞集細胞集団内の一つまたはそれ以上の弁別的細胞イベントの発生の測定のため、そして、前記弁別的細胞イベントの頻度計算のための、前記細胞集団内の個々の細胞の追跡と、
前記頻度と細胞集団の状態との相関付けとを含んで構成され、
前記頻度は前記細胞集団中の表現形質的および遺伝系質的変化の有無の指標である。

0012

前記弁別的細胞イベントは、二極分裂DD)、三極分裂(TD)、四極分裂(QD)、五極分裂(HD)、細胞融合(CF)、細胞死(CD)、不完全または部分的な分裂(IP)、細胞形状の変化(CSA)、核形状の変化(NSA)、細胞内物質蓄積(IA)、細胞肥大(CE)、取り込み(EG)、過移動性HEM)、貧移動性(HPM)、分裂時間遅延(PD)並びに分裂時間短縮(SD)及びこれらの組合せからなるグループから選ばれる。

0013

一実施形態において、培養ステップは候補発癌化合物と細胞との接触からなり、そして、頻度は候補発癌化合物の発癌性の指標となる。

0014

第二の態様において、本発明は候補化合物を含むが、それに限定されない外的イベントの発癌性を評価するための方法に関するもので:
外的イベント存在下での細胞集団の培養と、
前記細胞集団中での弁別的細胞イベントの発生の検出のための、そして、所定の時間にわたる弁別的細胞イベントの出現または非出現の頻度計算のための、前記細胞集団中の個々の細胞の追跡と、
候補化合物の発癌性の評価とを含んで構成される。

0015

一実施形態において、発癌性を評価するためのステップは、 計算された頻度と、候補化合物または、それに限定されない外部イベント非存在下で培養した細胞集団から得られた対照頻度との比較からなる。好ましくは、発癌性の評価は、細胞集団の計算された頻度と、同時に得られた外部のイベント(例えば、候補化合物)の非存在下で培養した対照細胞集団から得られた対照頻度との比較からなる。また好ましくは、細胞集団は外部イベント候補化合物の非細胞毒性用量または準毒性用量下で培養される。

0016

別の関連態様において、本発明は潜在的な抗癌化合物抗癌活性を評価するための方法に関するもので、
抗癌化合物候補存在下における細胞集団の顕微鏡観察下での培養と、
細胞系統追跡と撮像装置による前記集団内の個々の細胞追跡により、前記集団内での弁別的細胞イベントの発生の検出と、
一定期間にわたる前記イベントの出現または非出現の頻度の計算と、
候補化合物の抗癌活性の評価とを含んで構成され、
計算された頻度は候補化合物の抗癌活性の指標である。

0017

別の関連態様において、本発明は治療用細胞集団の品質を評価するための方法であって、
患者移植されるところの複数細胞の取得と
前記複数の細胞の顕微鏡観察下での培養と、
細胞系統追跡・撮像装置による前記集団内の個々の細胞を追跡することによる弁別的細胞イベントの前記複数細胞内での発生の検出と、
前記弁別的細胞イベントの頻度に基づいて許容できない品質の細胞を含有している細胞集団の特徴付けとを含んで構成される。

0018

この方法は許容できない品質の細胞を排除する工程をさらに含んで構成され得る。

0019

本発明のさらなる態様では、細胞集団の状態を評価するための方法に関連し、
顕微鏡観察下での哺乳類細胞集団の培養と、
十分な期間にわたる前記培養細胞集団の前記顕微鏡観察下での連続的した画像の取得と、
個々の細胞を一定期間にわたり追跡するための連続した画像内の複数の細胞のインデックスの作成と、
前記細胞集団内での一つまたはそれ以上の弁別的細胞イベントの発生測定のため、および、前記弁別的細胞イベントの頻度計算のためのインデックス化された細胞を含む取得された連続画像分析と、
前記頻度と前記細胞集団状態の相関付けとを含んで構成され、
前記頻度は前記細胞集団中における表現形質的及び遺伝系質的の変化を有する細胞の存在又は非存在の指標である。

0020

いくつかの実施形態では、細胞系統追跡および撮像装置は非蛍光細胞系統追跡と撮像装置であり、好ましくは、自動で、そして、コンピュータで制御される。

0021

本発明のさらなる態様、利点及び特徴は、本明細書における詳細な説明から、そして、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないが、添付の図面からより十分に理解されるであろう。

図面の簡単な説明

0022

図1は、本発明の実施の形態に係る弁別的細胞イベントを分析するための装置の一例を示すブロック図である。
図2は、図2A、2B、2Cを含み、図2Aは図1の装置を図式的に表現したもの、図2Bはチャンバーカバーガラスウェルを図式的に表現したもの、図2Cは、チャンバー・カバーガラスのウェルの視覚フィールドを図式的に表現したものである。
図3は、図3A、3B、3C、3D、3E、3Fを含み、典型的なパノラマビューを示す写真で細胞系統と細胞の番号を示す図である。図3Aではパノラマ・ビュー(T = 1)の例が示されている。図3Bでは、それぞれの前駆細胞に番号が付けられている。視覚ビューから外に移動した細胞は番号の割り振りから除外されている。パノラマ・ビュー(T = 1)の拡大画像は図3Cに示されている。細胞系統41は図3Cに示されている。パノラマビュー(T =852)の例を図3Dに示す。図3 Eでは全ての子細胞が同定され、番号が付けられている。 図3Fに示された拡大図中には、細胞系統41(41-4、41-8、41-10、41-12および41-14)の5個の生き残った子細胞を見つけることができる。
図4は、図3で得られたデータに基づいて、細胞系統図を図式的に表現したものであり、このマップは図3Cに示されている細胞系統41に対応する。 長期間のライブセルイメージングの間、子細胞は細胞死(CD)、二極分裂(DD)、三極分裂(TD)と細胞融合(CF)を起こした。
図5は、細胞系統のデータに基づいて決定された細胞成長曲線グラフであり、その中の図5Aおよび図5Bでは非処理細胞(図5A)と1μメチルニトロソグアニジン(MNNG)(図5B)処理された細胞が個々の細胞追跡のために使用され、データベースにデータを入力後、10分毎の細胞数が計算された。平均と標準偏差が示されている。
図6は、細胞系統のデータに基づいて決定された倍加時間のグラフであり、その中の図6Aおよび図6Bでは、非処理細胞(図6A)および1μMのMNNG(図6B)曝露細胞の倍加時間がデータベースを用いて決定され、標準偏差も表示されている。
図7は、図7Aおよび7Bを含み、細胞品質指標(CQI)計算に用いられる式1(定数、A = 1、B = 0.8、C = 0.8、D = -0.1、E = -0.1、F = 0、G = 0、H = 0、I = 0、J = 0、K = 0、M = 0、N = 0、O = 0そしてP = 0)の データについて図式的に示した例である。図7Aで示された細胞系統の子細胞はDDに12回入ったのに対しTD、QD、CD、そしてIPに0回入った。 従って、CQIは、1×(定数A)×12 DD = 12として計算された。図7Bに示す細胞系統の幾つかの子孫は、DDに10回、TDに2回とCDに6回入った。 CQIは、1×(定数A)×10 DD + 0.8(定数B)×2TD- 0.1(定数E)×6CD = 10.9として計算された。
図8は、HeLa細胞の DD、TD、四極分裂(QD)と不完全または部分的な分裂(IP)の分類を示す写真を含む。
図9は、HeLa細胞のCFの分類を示す写真が含まれており、T= 1のHeLa細胞をF0、最初のレベルの子細胞とおよび第2レベルの子細胞をそれぞれF1とF2と定義し、F1Mは有糸分裂期に入った子細胞を現している。
図10にはHeLa細胞の CDの分類を示す写真が含まれており、これらは細胞のタイプに依存的に観察されるパターンに係らないすべてのタイプのCDを含む。

0023

現在、極めて低い用量そして環境用量の発癌剤物質が起こす哺乳類細胞への効果または細胞の応答を評価するための正確な方法はほとんどない。また、細胞集団の質を定量的に決定し、そして、そのような細胞集団が潜在的に有害な細胞(例えば癌細胞)を含まないことを保証するための非侵襲的な手段はほとんどない。

0024

本発明者らは細胞内の表現形質的および/または遺伝子形質的変化のいずれかに関連した細胞生物学マーカーを同定した。それらの生物学的マーカーの評価は、定量的に細胞集団の質を決定することを可能にし、そして(i)細胞の品質を含む一般的な細胞の状態を評価 (ii)化合物の発癌性の評価、そして(iii)抗癌化合物のスクリーニング、を含むがこれらに限定されない、様々な方法への利用を見出した。これらのマーカーは、弁別的細胞イベントであり、これらは顕微鏡装置と長期的な生細胞追跡を含むがこれに限定されない、単一細胞レベルを基にした分析によって検出することができる。

0025

(弁別的細胞イベントおよび細胞状態
本明細書に記載のように、本発明者らは細胞集団中のその頻度が哺乳類細胞の状態と相関する、弁別的細胞イベントを同定した。

0026

したがって、本発明の第一の態様では、細胞集団の状態を評価するための方法に関するもので:細胞の集団の培養、細胞集団内の一つまたはそれ以上の弁別的細胞イベントの発生の測定と前記弁別的細胞イベントの頻度の計算、及び細胞集団の状態と計算された頻度との相関、からなる。本明細書で用いられる用語 "弁別的細胞イベント"は、細胞の状態の指標となる細胞の生物学的マーカーを指す。弁別的細胞イベントの例は、これらに限定されるものではないが、二極分裂(DD)、三極分裂(TD)、四極分裂(QD)、五極分裂(HD)、細胞融合(CF)、細胞死(CD)、不完全または部分的な分裂(IP)、細胞形状の変化(CSA)、核形状の変化(NSA)、細胞内物質の蓄積(IA)、細胞肥大(CE)、取り込み(EG)、過移動性(HEM)、低移動性(HPM)、分裂時間遅延(PD)と分裂時間短縮(SD)、を含む。

0027

用語 "弁別的細胞イベント"は“稀な細胞イベント"、すなわち、巨視的なレベルでの細胞集団では明らかではない低頻度で生じるような特定の弁別的細胞イベントを包含する。特に、特定の実施形態では、本発明は160時間の観察期間中16000細胞に一回、または、約1%-0.1%またはそれ以下の頻度、または、約0.1-0.01%または以下の頻度、または、約0.01-0.001%またはそれ以下の頻度、で起こる観察または検出を可能にし、そのパーセンテージは稀な細胞イベント数/全細胞分裂数x 100である。好ましい実施形態では、弁別的細胞イベントは、非常に低い頻度で発生するか、または、大多数の細胞中の少数の細胞で発生する。

0028

弁別的細胞イベントには次のものがある:細胞の形状の変化は観察中に細胞の全体的な形状が変化したもの。核形状の変化は観察中に細胞の核の形状が変化したもの。細胞内物質蓄積は細胞が少なくとも一つの他の細胞を含む場合、または、微生物粒子などの異物飲み込むか、タンパク質核酸や脂質によって構成された構造を形成したもの。細胞肥大は、細胞の大きさが観察中に子細胞を生成することなく、成長したもの。過移動性は、例えば細胞が平均移動速度よりも200%以上で移動するような、細胞の移動度が大多数の細胞の平均移動範囲よりも大きいもの。低移動性は、例えば細胞が平均移動速度よりも30%以下で移動するような、細胞の移動度が大多数の細胞の平均移動範囲よりも小さいもの。別のケースでは、もしその/それらの移動率が十分に低い場合、細胞は接触または"抱きしめる"可能性がある。これは低移動性であり得る。分裂時間遅延はある細胞の分裂と次の分裂との間の時間が、大多数の細胞のその平均時間よりも例えば50%長くなった場合。分裂時間短縮はある細胞の分裂と次の分裂との間の時間が大多数の細胞のその平均時間よりも例えば50%短くなった場合。

0029

本発明によれば、細胞集団中の弁別的細胞イベントの頻度は、細胞の状態と相関している。本明細書で使用する用語、“状態”が 細胞または細胞の集団に関連して使用される場合、細胞の一般的な状態、すなわち細胞の"正常性"、品質、完全性病原性の変化が無い、を指す。正常の細胞イベントは、それらのイベントが許容頻度で発生するところの、有糸分裂期(M)と二極分裂(DD)を含む。本発明の実施形態によれば、状態や細胞の一般的な状態は定量的に一つまたはそれ以上の弁別的細胞イベントを検出することによって評価される。特定の実施形態では、用語 "状態"は、哺乳動物細胞における表現形質的および/または遺伝子形質的の変化に由来する変化の有無をより具体的に指す。

0030

別の特定の実施形態では、用語、状態、は"治療品質"の細胞、すなわちその細胞とは病気または病的状態(例えば、腫瘍、望ましくない免疫応答、感染等)を起こすリスクが評価し得る最も低い状態で哺乳動物被験体に安全に移植され得る細胞を、より具体的に指す。例えば、本発明の方法は、細胞集団が再生医療を利用した将来の治療に使用できる細胞集団であるかを決定するための用途、従って、癌的細胞を含んだ細胞集団は一般的には質の良く無い細胞集団であると、言ったような決定するための用途を見つけることができる。細胞死を起こす傾向のある、または、遅すぎるか早すぎる成長率を示す細胞集団も良い細胞集団とは言えない。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の方法は、細胞が癌的またはウイルスによって感染(例えば、HIV)されていないことを確実にする事を含むがこれに限定されない、細胞の治療品質の評価のために用いられる。本発明の関連する実施形態は、細胞感染のタイミング、細胞による物質の取り込みのタイミング、細胞−細胞(病原体)の接触のタイミングを観察するための手段を提供することができる。

0031

本明細書で用いられる用語 "頻度"、"計算された頻度"または"頻度の相関"が、用語"弁別的細胞イベント"と関連して用いられる時、そのようなイベント(すなわち一定期間内の発生数、発生数に基づいて決定された細胞品質インデックス(CQI)値)の発生の定量的評価を意味する。本明細書で用いられる用語 "発生の測定"、 "発生の検出"または "発生の評価"が、用語"弁別的細胞イベント"と関連して用いられる時、そのようなイベントの存在および/または非存在の検出および/または定量を指す。本発明の実施形態によれば、発生の測定は、通常、確定または限られた期間にわたってそのようなイベント(またはその欠如)の出現頻度の計算、または、CQI値の決定からなる。以下に示されるように、弁別的細胞イベントの出現の頻度は細胞状態と相関し、特定の実施形態では、計算された頻度は細胞集団における表現形質的および遺伝子形質的に変化した細胞と関連した変化の有無を指す。例えば、特定の実施形態では、三極分裂の発生(TD)(すなわち、より高い頻度、または、より高いCQI値)は異常な特性を持った細胞の存在(または数の増加)する危険性を表す。

0032

業者は、検出される弁別的細胞イベントの選択は、細胞集団(例えば皮膚細胞、脳細胞、肝細胞等)、または、あるいは所望のテスト、または、標的分析(例えば生存能力、発癌性、または細胞傷性等)に応じて変化するであろうことを理解するであろう。例えば、特定の一実施形態では、三極分裂(TD)、四極分裂(QD)、五極分裂(HD)、細胞融合(CF)が細胞品質を決定するために使用される。

0033

好ましい実施形態では、弁別的細胞イベントの発生や頻度の測定のため、一定期間観察される。通常、細胞は十分な時間、観察下におかれるべきであり、例えば、少なくとも一つの前駆細胞が子細胞に分裂するための十分な長さの期間である。例えば、期間は7分、100分、160時間、330時間、1ヶ月、等であり得る。

0034

様々な方法、技法および計算が、細胞集団の状態を評価するために、そして、より具体的には、本発明に従って、弁別的細胞イベントの発生や頻度の定量的評価のために用いることができる。後に本明細書に記載したように、好ましい実施形態では、弁別的細胞イベントの発生や頻度の定量的評価は、多くの細胞の非蛍光顕微鏡観察、追跡およびイメージングからなる。より好ましくは、コンピュータに実装された方法と装置が使用される。

0035

好ましい実施形態では、一つ以上の弁別的細胞イベントは、正常イベントに混ざって、および/または、対照またはコントロールとして正常な細胞を用いて評価される。例えば、弁別的細胞イベントの "正常な"頻度は、対照またはコントロール細胞での弁別的イベント頻度の決定によって得ることが出来る。

0036

弁別的細胞イベントの発生および/または頻度の評価は "細胞品質インデックス"(CQI)を得ることを含むことが出来る。用語、細胞品質インデックスまたはCQI、は細胞のモニタリングの間に起こった弁別的細胞イベントそして正常イベントの数を考慮に入れた指標として定義することができまる。特定の定数を採用することにより、CQIは細胞の全体の成長能力を反映させ、そしてCQIによりある細胞系統が何らかの異常を持つ傾向を示唆できる。細胞系統全部、または系統を構成する細胞の一部のCQIを決定することができる。さらには、平均CQIを決定することにより、細胞集団の全体的な特性を決めることができる。

0037

好ましい実施形態では、CQIは細胞系統毎の弁別的細胞イベントの進行中の頻度を考慮し、そしてそれは二つ式を使って計算することができる。
CQI(式1)= [A x二極分裂の数(DD)] + [B x三極分裂の数(TD)] + [C x四極分裂の数(QD)] + [D x五極分裂の数(HD)] + [E x細胞融合の数(CF)] + [F x細胞死の数(CD)] + [G x不完全または部分的な細胞分裂の数(IP)] + [H x細胞形状の変化示す細胞の数(CSA)] + [I x核形状の変化示す細胞の数(NSA)] + [J x細胞内物質蓄積を示す細胞の数(IA)] + [K x細胞肥大を示す細胞の数(CE)] + [L x取り込みを示す細胞の数(EG)] + [M x過移動性を示す細胞の数(HEM)] + [N x低移動性を示す細胞の数 (HPM)] + [O x分裂時間遅延を示す細胞の数(PD)] + [P x分裂時間短縮を示す細胞の数(SD)]であり、ここで、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、Pは-1.000と1.000の間の実数であり,CQI(式2)=([B x三極分裂の数(TD)] + [C x四極分裂の数(QD)] + [D x五極分裂の数(HD)] + [E x細胞融合の数(CF)] + [F x細胞死の数(CD)] + [G x不完全または部分的な細胞分裂の数(IP)] + [H x細胞形状の変化示す細胞の数(CSA)] + [I x核形状の変化示す細胞の数(NSA)] + [J x細胞内物質蓄積を示す細胞の数(IA)] + [K x細胞肥大を示す細胞の数(CE)] + [L x取り込みを示す細胞の数(EG)] + [M x過移動性を示す細胞の数(HEM)] + [N x低移動性を示す細胞の数 (HPM)] + [O x分裂時間遅延を示す細胞の数(PD)] + [P x分裂時間短縮を示す細胞の数(SD)])/ ([A x 二極分裂の数(DD)] + [B x三極分裂の数(TD)] + [C x四極分裂の数(QD)] + [D x五極分裂の数(HD)] )であり、式中、A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、Pは-1.000と1.000の間の実数である。

0038

上記式において、A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、Pは式の開発のため、そして、与えられたタイプの細胞集団の特定の特性(例えば、皮膚細胞、脳細胞、例えば、HeLa細胞などの確立された培養細胞株等)や特定の試験または標的の分析(例えば生存能力、発癌性、または、細胞傷性等)を表わすCQIを取得するための定数である。これらの定数は、弁別的イベントの頻度を考慮して、同定または計算することができる。当業者は、所望の使用またはその結果に応じて、これらの定数を設定し、そして必要に応じて新しいCQIの式を開発することができる。例えば、式1でのDD値はCQIが一般的な細胞状態を提供するためのものであり、一方、式2で、DDはDD以外の、特定のイベントに重点を置くための基準として使用される。

0039

したがって、 "頻度"は、特定の弁別的イベントに焦点を当てて決定することができる。例えば: "頻度=(TD + QD + HD)/(DD+ TD + QD + HD)"は化合物の発癌性を決定するために使用できる。この計算された頻度は、A = 1、B = 1、C = 1、D = 1そして他定数が0のCQI(式2)の簡易版として考えることができる。一実施形態では、定数A = 1、B = 1、C = 1、D = 1、そしてその他の定数は0で計算された平均CQIは、細胞集団の発癌潜在性を決定するために使用される。別の実施形態では、TD、HD、QDは、CFに関連付けられている定数は、TD、HD、QD、CFが細胞の品質を決定するために使用されているので、ゼロではない。

0040

表1はCQIを得るため、必要に応じて、検出(本発明の方法によって、その頻度を計算するため)そして使用することができる弁別的細胞イベントのいくつかの例を示す。

0041

弁別的細胞イベントの発生および/または頻度の評価は、"対照"頻度と計算された頻度の比較、または計算されたCQI値を対照細胞集団から得られたCQI値との比較を含むことができる。

0042

本発明に従って使用することができる様々なタイプの細胞は、一般的には真核細胞等である。好ましくは、細胞は哺乳動物細胞である。本明細書において用いられる場合、 "哺乳動物"または "哺乳類"は動物(例えば、ネコイヌウマブタウシヤギ、齧歯類、例えば、マウスやラット、ウサギリスクマ霊長類(例えば、チンパンジーサルゴリラ、ヒト)) 、およびそれらのトランスジェニック種を含む。さらに好ましくは、細胞はヒト細胞である。適した細胞は初代培養哺乳動物細胞、樹立された哺乳動物細胞、付着細胞不死化細胞株幹細胞由来分化細胞幹細胞または組織から新たに単離した細胞を含む。

0043

いくつかの態様によれば、本発明は細胞品質を評価するための方法に関するものである。特定の実施形態において本発明は、細胞集団の質を定量的に決定するため、そして/または、与えられた細胞集団が潜在的に有害な細胞(例えば癌細胞)を含まないことを保証するために、非侵襲的な方法および手段を含む。例えば、本発明によれば、細胞の集団は、被験体哺乳動物被験に移植される治療用哺乳動物細胞(例えば神経細胞網膜、皮膚など)であってもよい(例えば、胚性幹細胞由来人工多能性幹細胞(iPS 細胞)から分化した細胞)。

0044

特定の実施形態よれば、治療細胞集団の質を評価する方法は:患者に移植する複数の細胞の取得、顕微鏡観察下でその複数の細胞の培養、細胞系統追跡および撮像装置で前記細胞集団中の個々の細胞の追跡により、複数の細胞中での弁別的細胞イベントの発生の検出、弁別的細胞イベントの存在および/または頻度を基にした許容できない品質の細胞を含有する細胞集団としての特徴付け、からなる

0045

この方法はさらに、不適切な細胞および/または許容出来ない質の細胞を、例えば、 全細胞ロット廃棄、適切な方法、例えばレーザーマイクロ波、または、マイクロキャピラリー装置による除去のステップを含むことがある。 いくつかの実施形態では、好ましくは自動化されたコンピュータで制御された細胞系統追跡および撮像装置からなり得る。

0046

外部イベントや化合物の弁別的細胞イベントの発生および/または頻度に対する効果のテストを行ための比較研究が可能である。例えば、弁別的細胞イベントの発生および/または頻度は以下の処理または未処理の細胞から計算できる可能性があり、幾つかの例を挙げると、無機物質生物材料、タンパク質/酵素因子、核酸、糖鎖、ウイルス、細菌、寄生虫金属イオンおよび/または粒子、電離放射線、光、磁場である。細胞はまた、処理前に試薬または因子で前処理でき、または、試薬または因子、または薬物代謝酵素を含む画分と同時に処理できる。いくつかのケースでは、異なる種類の細胞を使用することができる。

0047

本発明に係る弁別的細胞イベントの発生および/または頻度の評価は、追加のスクリーニング技術や生物学的マーカーと組み合わせることができる。例えば、細胞はさらに、癌遺伝子腫瘍抑制因子修復酵素や因子、DNA複製調節因子細胞周期調節因子、転写制御因子細胞質分裂関与するタンパク質、細胞の構造因子、等があげられ、これらを含むが限定されない、正常細胞では通常存在しない他の細胞マーカーまたは遺伝子の存在および/または発現レベルでテストされる。

0048

(発癌性を評価するための方法)
別の態様によれば、本発明は、候補化合物を含むがそれに限定されない、外部イベントの発癌性を評価する方法に関連する。本明細書において、用語 "外部イベント"が用いられる場合、細胞を変えることが出来るいかなるイベントを指す。本発明によれば、外部イベントは、 候補化合物、ウイルス、細菌、寄生虫、微生物、電離放射線、光、磁場、が挙げられ、これらを含むがそれに限定されない、例を含む。好ましい実施形態では、候補化合物は外部のイベントである。本明細書において、用語 "候補化合物"が用いられた場合、本発明の方法のいずれかに従って試験されるいかなる種類の化合物を指す。候補化合物は、潜在的な発癌物質、ペプチド医薬品(単離された分子または化学的合成物)、天然物化学的に合成された化合物、金属イオン、粒子等、これらを含むがそれに限定されない、例を含む。

0049

一実施形態によれば、発癌性を評価するための方法は:候補化合物の存在下での細胞集団の培養、弁別的細胞イベントの細胞集団内での発生の検出、一定時間にわたっての、そのようなイベントの発生頻度または非発生頻度の計算、候補化合物の発癌性の評価、からなる。

0050

本発明の特定の態様によれば、計算された頻度は、候補化合物の発癌潜在性の指標である。実際、いくつかの弁別的細胞イベントに対し、頻度の増加がより高い発癌性を反映し、低頻度はより低い発癌性(または非存在)を反映している。いくつかの弁別的細胞イベントでは、その逆である。

0051

表2は発癌性のあり得る物質への細胞の曝露によって変化なし(+/-)、増加(+)、減少(-)した弁別的細胞イベントの計算された頻度の例を示す。

0052

0053

特定の実施形態では、候補化合物は、いかなる既存のまたは発癌性の疑いおよび/または細胞毒性の評価するためにテストされる。他の特定の実施形態では、候補化合物は発癌物質または発癌物質である可能性があり、そして、それは潜在的または既知の発癌性を評価および/または定量化するためにテストされる。

0054

様々な方法、技法および計算が、候補化合物の発癌性を評価するため、そしてより具体的には、候補化合物に応答する、弁別的細胞イベントの発生や頻度を評価するために使用することができる。後述するように、好ましい実施形態では、このような定量的な評価は、非蛍光顕微鏡観察、複数の細胞のイメージングおよび追跡より構成される。より好ましくは、コンピュータに実装する方法および装置の使用である。

0055

好ましい実施形態は、発癌性の評価は、対照細胞集団、すなわち、候補化合物の非存在下で培養した細胞から得られる対照頻度と候補化合物の存在下での計算された頻度を比較することからなる。いくつかの実施形態では、対照頻度は未処理および/または対照細胞から得られた平均値である。

0056

関連する態様において、本発明は化合物の最小発癌用量を確立するための方法及び手段に係る。例えば、特定の実施形態によれば、本発明は、(i)準毒性用量(すなわち、低用量またはさらに低用量)および/また(ii)非毒性用量での、慢性または長期曝露条件下、潜在的発癌剤として作用する化合物の同定を助ける可能性がある。したがって、特定の弁別的細胞イベントが起きる最小の用量、および/または、与えられた化合物の最小限の発癌用量を、確立することが可能である。例えば、最小用量は、用量反応実験を実施することによって計算することができる。従って、本発明のいくつかの側面は、候補化合物の準毒性用量および/または非毒性用量を鑑別するための方法に関連する。

0057

本明細書で用いられる用語 "準毒性量"とは、一部の細胞で細胞死の誘導および/また細胞増殖を抑制するが、少なくとも細胞集団の一部では、細胞の成長が許容される用量を意味する。したがって、いくらかの細胞死および/または細胞増殖阻害が起こるにもかかわらず、細胞集団の維持または成長が巨視的なレベル(すなわち、観察開始時に対して100%またはそれ以上の細胞数が見られる)でみられるため、それらの障害は、巨視的なレベルでは一般的には観察され得ない。様々な実施形態において化合物が存在する濃度において、CQIによって決定された細胞の生存能力が 非曝露された細胞に比べて低下した場合、例えば減少が約0%-約50%、または約10%-40% の場合、それは準毒性量であるとされる。

0058

本明細書で用いられる用語 "非細胞毒性用量"は非曝露の細胞に比べて、CQIによって決定された細胞の生存能力の低下させない用量を意味する。したがって、特定の実施形態では、化合物がCQIによって決定された生存能力が無処理の細胞で決定されたCQIと統計的に有意な差を示さない範囲の内ある場合、それは、非細胞毒性用量であるとされる。

0059

特定の実施形態では、候補化合物(例えば弁別的細胞イベントを引き起こす化合物)の準毒性用量および/または非毒性用量は、異なる用量の化合物を試験することにより決定される(例えば、用量反応実験)。候補化合物の準毒性用量および/または非毒性用量を知ることによって、種々の有用なアプリケーションを見つけることができる。例えば、非発癌性化合物と発癌性化合物との区別、そして、被験物質の発癌性の評価における 精度の向上を可能にし得る。さらに、それは、変異原性細胞障害性のあり得る、または、二次的な癌を誘導する抗癌剤から、ヒト患者に安全に投与できる抗癌剤との区別することを可能にし得る。

0060

発明に従って発癌性を評価するための方法は既存の方法、例えばエームズ試験、in vivo毒性試験姉妹染色分体交換試験、マウスリンパ腫tk遺伝子突然変異試験、および当該分野で公知の他の適切な試験と組み合わせることができる。

0061

(抗癌化合物をスクリーニングするための方法)
別の態様によれば、本発明は潜在的な抗がん化合物の抗癌活性を評価するための方法に関連する。本明細書において用いられる、用語 "潜在的な抗癌化合物"とは、有益な抗癌活性を有すると思われるあらゆる分子を指す。潜在的な抗癌化合物は、天然および合成分子、ペプチド、医薬品、天然物および抽出物等で、これらを含むが限定されるものではない、例を含む。特定の実施形態では、潜在的な抗癌化合物は、潜在的な抗癌剤であり、それは、その治療活性を評価するためにテストされる。

0062

一実施形態によれば、抗癌活性を評価するための方法は:制癌剤候補化合物の存在下、細胞集団の顕微鏡観察下で培養、細胞系統追跡および撮像装置で弁別的細胞イベントの細胞集団中での発生の検出、特定の期間の非蛍光細胞追跡および撮像装置による弁別的細胞イベント頻度の計算、そして、候補化合物の抗癌活性の評価からなる。

0063

本発明の特定の態様によれば、計算された頻度は潜在的な抗癌化合物の抗癌活性を示すものである。実際、いくつかの弁別的細胞イベント(例えば、細胞分裂)に対し、低頻度では、より高い抗癌性を反映する。いくつかの弁別的細胞イベントでは、その逆である。

0064

表3は抗癌活性のあり得る物質への細胞の曝露によって変化なし(+/-)、増加(+)、減少(-)した弁別的細胞イベントの計算された頻度の例を示す。

0065

0066

様々な方法、技法および計算が、有望な抗癌化合物の抗癌活性を評価するために、そして、より具体的には弁別的細胞イベントの発生または頻度の定量的評価のために、使用できる。後述するように、好ましい実施形態では、このような定量的な評価は、多くの細胞の非蛍光顕微鏡観察、追跡、およびイメージングを含む。より好ましくは、コンピュータで実装した方法および装置が使用される。

0067

好ましい実施形態では、抗癌活性の評価は、対照細胞集団、すなわち、制癌化合物の非存在下で培養した細胞、から得られる対照頻度と有望な制癌化合物の存在下での計算された頻度を比較することからなる。

0068

関連する態様において、本発明は化合物の最小制癌用量を確立するための方法及び手段に係る。例えば、特定の実施形態によれば、本発明は、 異なる用量の慢性または長期曝露条件下で制癌剤として作用する化合物の同定を助ける可能性がある。したがって、特定の癌の除去に係る弁別的細胞イベントが起きる最小の用量、および/または、治療活性を維持しつつ、利用できる最小限の制癌剤用量を、確立することが可能である。いくつかの実施形態では、最小限の用量の確立は、用量反応実験によってなされる。

0069

治療活性を維持しながらも、抗癌剤の最低活性用量を知ることから、種々の有用な応用を見つけることがでる。例えば、それは望ましくない副作用(例えば、毒性、悪心、免疫応答等)を最小限に抑えながら、患者に有益な治療効果を確保できる可能性がある。また、再発腫瘍形成リスクの可能性を評価するために、有用かもしれない。

0070

本発明による抗癌活性を評価するための方法は、例えばエームズ試験、in vivo毒性試験、姉妹染色分体交換試験、マウスリンパ腫tk遺伝子突然変異試験、および当該分野で公知の他の適切な試験と組み合わせることができる。

0071

単一細胞の系統的な観察と追跡

0072

好ましい実施形態では、本明細書で記述した様々な方法による弁別的細胞イベントの発生や頻度の定量的評価は、非蛍光顕微鏡観察、 多くの細胞のイメージング及び追跡からなる。

0073

本発明は、特定のシステムに限定されない。別のマニュアル半自動または自動装置顕微鏡ソフトウェア画像解析装置等を用いることができる。適切な技術及び装置は、特許文献1に記載されている。

0074

いずれにせよ、特許文献1に記載されている内容は、本発明に係る好ましいものである。簡単に説明すると、図1は、弁別的細胞イベントを分析するための装置の実施形態を示すブロック図である。このようなイベントは、細胞培養中のどの瞬間でも発生する可能性があるため、この装置は処理および非処理の細胞イメージング動画を作成し、記録された細胞を個々に分析する。

0075

画像取得ユニット(100)は、顕微鏡、CCDカメラ光源光学フィルターや要素、画像の拡大のためのカップラーエンバイロメントチャンバー、マルチウエル培養チャンバーを保持するためのアダプタ、XYステージ、およびZドライブから構成される。光源はハロゲンライトまたは白色光または近赤外などのある可視波長領域の光を放つLEDであり得る。エンバイロメントチャンバーは、例えば少なくとも160時間、所定の温度、酸素二酸化炭素窒素ガス濃度そして湿度で長期間顕微鏡ステージ上での細胞培養を行うことができる。細胞は、細胞の構造を可視化ができる方法によって照らされる。照明方法微分干渉コントラストDIC)であり得る。

0076

ノマルスキー干渉コントラスト(NIC)またはノマルスキー顕微鏡として知られているDIC顕微鏡は、染色されていない、透明試料のコントラストを高めるために使用される光学顕微鏡照明技術である。 DICは、さもなければ目に見えない特徴を視覚化のため、サンプルの光路長に関する情報を得る干渉計原理で動作する。比較的複雑な照明法グレー背景に白から黒にかかるイメージを生成する。図2AはDIC顕微鏡を図式的に表現したものである。

0077

画像取得ユニット(100)は、光源、シャッターフィルター、CCDカメラ、XYステージとZドライブまたは細胞の画像を得るために必要なドライバを含むソフトウェアで制御される。ソフトウェアは、10分毎にまたはそれ以下の時間で、複数のz-スタック、例えば20z-スタック、で少なくとも100の視野フィールド原画像を生成する機能を持っている。顕微鏡システムを駆動することができるいかなるソフトウェア、例えばMetamorphまたはVolocityを使用することができる。

0078

画像取得ステップ(100)は連続した一連のサブステップ、細胞播種(200)、撮影エリアの選択(202)、画像取得の頻度の設定(204)、細胞処理(206)、細胞照明(208)、細胞画像取得(210)とイメージ画像生成(212)、を実行することによって行われる。ステップ202、204および206の順序は変更することができる。このプロセスは、細胞播種(200)によって開始される。マルチウエルチャンバーの各々に、特定数の細胞、例えば5000細胞を8ウェルチャンバーの各ウエルに播種する。撮影エリアの選択(202)が一定平方ミクロンメートル内に必要な数の細胞を含む領域を見つけるために行われる。細胞数はウエルに収まる任意の細胞数であり得る(例えば 100細胞または以上、1000細胞またはそれ以上、10000細胞またはそれ以上)。もし平方ミクロンメートルの画像を一回の画像取得で得られない場合、複数の視覚ビュー領域がその領域を覆うように配置される。図2Bは、チャンバー・カバーガラスのウエルを図式的に表現したものである。図2Cは、チャンバー・カバーガラスのウエルの視覚フィールドを図式的に表現したものである。画像取得は、あらかじめ決められた時間に、各々のウエルの各視覚フィールドのイメージを取得できるよう制御する事ができる。図2の例示的な実施形態では、ウエル当たり15の視覚フィールド、チャンバー・カバーガラスには8ウエルあり、合計120の視覚フィールドがある。 そのため、ステージは最初のウエル(W1)の最初の視覚フィールド(FOV1)からW1の最後の視覚フィールド(FOV15)、次に第2ウェル(W2)の最初の視覚フィールド(FOV1)、最後のウェル(W8)の最後のフィールドオブ・ビューのFOV15に至たり、そして再びW1のFOV1へ移動する事ができる。画像取得は、各視覚フィールドにおいて10分毎に行える。

0079

画像取得の頻度の設定(204)は細胞の移動度によって決定される。その画像取り込みの頻度において、あるイメージの大多数の細胞の位置はその次の撮られたイメージ中の細胞の位置に重なる。各細胞の移動度は時間と共に、そして、細胞毎に変化するため、必要とされる重複%は様々である。細胞処理(206)では、各ウエル中の細胞は、処理または非処理である 。細胞は、一つのウエルは対照として使用できる。細胞照明(208)では、紫外線やある波長により励起された蛍光物質からの発光による光毒性を最小限に抑えるため、細胞に対して非毒性または低毒性の波長の光によって照明される。例えば、可視光または近赤外光が使用される。

0080

細胞画像取得(210)は、核小体、核、ミトコンドリア、細胞顆粒細胞周囲、細胞の輪郭、細胞によって生成された影および/または光反射部位を含む細胞の構造を可視化する方法で行われる。各視野フィールドにおいて、細胞の最上部から最下部までのイメージを得るため、細胞内の様々な深さの平面の画像が取られる(z -スタックへと呼ぶ)。z -スタック数は細胞の高さと長期イメージング中に発生する焦点プレーンドリフトの程度に依存する。最小のz -スタック数は1であり、例えば、HeLa細胞の場合、21のzスタックが取られる。イメージ画像生成(212)はグレースケールイメージであり、グラフィックフォーマットは例えば、TIFF、JPEG、EPS、PICTまたはBMPである。

0081

画質品質コントローラー(102)は画像取得ユニット(100)からイメージファイルを受け取る。コントラストを調整後、焦点の合ったイメージが選択され、もし各視野フィールドから得られた画像を結合することが必要な場合、これらの画像は縫合される。得られた画像ファイルは、動画生成(104)に転送される。

0082

画質品質コントローラー(102)関連のステップは、連続した一連のサブステップ、画像バックグラウンド補正(300)、焦点画像の識別(302)、画像ファイル配置(304)、画像の位置調整(306)と複数の画像縫合(308)、を実行することによって行われる。ステップ300、302および304の順序は変更することができる。ステップ300、306、および308は、これらのステップが必要とされない場合、スキップすることができる。簡単に説明すると、画像バックグラウンド補正(300)は画像取得ユニット(100)によって作成されたイメージから背景画像を差し引く事によって行われる。背景画像は細胞を含まない対応するマルチウエルチャンバーの画像取得によって得られた画像であり得る。次に、画像のコントラストはグレースケール画像の適切な平均値と上および下限の閾値を設定することによって調整される。焦点画像の識別(302)は細胞の最上から最下の部分までをカバーする複数のzスタックの中で最も焦点の合った、または、最も焦点の合ったイメージに近い画像を選択する。もし複数の視野フィールドが撮像領域(202)によってセットされた場合、画像の位置調整(306)は、画像取得ソフトウェアによって記録されたXY位置データを基に、すべての視野フィールドに対応するイメージの位置を設定する。次に、画像の位置が調整される。もしXY位置データが利用できない場合、画像の位置調整は手動で行うことができる。複数の画像縫合(308)は画像位置調整(306)から調整XY位置データを受信し、1つの画像ファイルに個々の画像を統合する。

0083

動画作成(104)は画質品質コントローラー(102)から画像ファイルを受信し、ファイル動画用にファイルのイメージ配列に配置する。

0084

動画作成(104)関連のステップは、二つの連続したサブステップ、縫合画像ファイルの配置(400)とイメージ配列作成(402)、を実行することによって行われる。簡単に説明すると、縫合画像ファイルの配置(400)は、マルチウエルチャンバーのウエル番号に基づいて、画像ファイルを整理する。イメージ配列の作成(402)は画像配列を作成するため、画像取得の順序に従って縫合されたイメージを配列する。一から始まるイメージ配列ファイル番号が各々のファイルに割り振られる。

0085

ライブセルイベント分析(106)は動画作成(104)からイメージ配列ファイルを受信する 。イメージ配列作成(402)によって生成されたイメージ画像ファイルの配列中、タイムポイント1と指定されるイメージが選択される。タイムポイント1は細胞処理(206)直後のイメージであり得る。したがって、タイムポイント1は、例えばイメージ配列10であり得る。それ以降のイメージ配列ファイルはタイムポイント2、タイムポイント3など、となる。そして、細胞系統番号がタイムポイント1の画像内にある細胞に割り当てられる。タイムポイント1の画像内の細胞は前駆細胞として定義される。各前駆細胞およびその子細胞が追跡される。細胞画像取得(210)によって記録される細胞構造が、細胞追跡のマーカーとして使用される。細胞追跡のための最後のイメージファイルであるタイムポイントエンドまで追跡を続けることができる。細胞追跡中、もし正常および弁別的細胞イベントが起こった場合、これらのイベントはインデックス化される。その後、ライブセルイベント分析(106)は、例えばインデックス化されたデータ、タイムポイント番号そして細胞のXY位置の情報を含むデータベースを作製する。

0086

ライブセルイベント分析(106)に関連するステップは、連続した一連のサブステップ、前駆細胞位置検出(500)、前駆細胞追跡(502)、前駆細胞の正常イベント検出(504)、前駆細胞の弁別的細胞イベント検出(506)、子細胞検出(508)、子細胞追跡(510)、子細胞の正常イベント検出(512)、子細胞弁別的細胞イベント検出(514)、データ確認(516)およびデータベース・エントリ(518)、を実行することによって行われる。ステップ502、504および506、およびステップ508、510および512の順序は変更することができる。ステップ502、504および506は全ての前駆細胞に適用される。ステップ508、510および512はすべての子細胞に適用される。前駆細胞位置検出(500)はタイムポイント1で見つかった全部または一部の細胞に細胞系統番号割り振る。細胞系統番号は細胞のXY位置を持つ。細胞系統番号に加え、細胞番号が割り当てられ、前駆細胞の番号は"0"となる。前駆細胞追跡(502)の過程で、以降のタイムポイントにおける各細胞のXY位置が決定される。もし細胞がイメージの外に移動した場合、細胞は"アウト・オブ・フレーム"またはOFとマークされる。もし画像内に移動する細胞がある場合、これらの細胞は未追跡とされるかまたは追跡することができる。前駆細胞の正常イベント検出(504)は、本明細書で定義した、通常のイベントを検出する。インデックス化されたデータはタイムポイント番号と細胞のXY位置を持つ。前駆細胞の弁別的細胞イベント検出(506)は、本明細書で定義した、弁別的細胞イベントを検出する。もしより正確な情報が得られた場合、それぞれの弁別的細胞イベントを細分化することができる。例えば、CDが有糸分裂破局およびG1期中に発生した細胞死にサブインデックス化できる。インデックス化されたデータはタイムポイント番号と細胞のXY位置を持つ。もしイベントが細胞分裂に繋がった場合、作成された子細胞は子細胞検出(508)によって識別される。これらの子細胞に細胞番号が割り当てられる。子細胞形成に繋がり得るイベントは、DD、TD、QDとHDである。子細胞追跡(510)、子細胞の正常イベント検出(512)と子細胞弁別的細胞イベント検出(514)は前駆細胞のステップ502、504および506に相当する。もし子細胞がその子細胞を生成した場合、ステップ508、510、512および514がその子細胞に対して行われる。これらの手順は画像がタイムインエンドに達するまで繰り返すことができる。前駆細胞およびその全ての子細胞の追跡後、XY位置、インデクス化されたデータ、そして前駆細胞とその全ての子細胞を関連付けるデータはデータ確認(516)によって検証される。もしエラー発見された場合、関連する手順、例えばステップ502、504および506および/またはステップ508、510、512および514が繰り返される。このようなエラーは、細胞の見失い、そして、別の細胞との混同であり得る。得られたデータは、データベース・エントリ(518)によってデータベースに入力される。データベースは、細胞系統番号、細胞番号、XY位置、タイムポイント番号、インデックス化されたイベントおよび、各細胞間の関係を決定する情報である。

0087

細胞系統作成とデータ処理(108)はライブセルイベント分析(106)によってデータベースに入力されたデータを受信する。タイムポイント番号、インデクス化されたデータ、および、一つの細胞と他の細胞の関連を示すデータが細胞系統マップを作成するために使われる。様々なパラメータは、例えば、細胞増殖率、細胞倍加時間、細胞死、細胞融合や異常細胞分裂の頻度が決定される。一定のバイアスを特定のインデックス化されたイベントや細胞の倍加時間に適用して数学的および統計的計算を行うことにより、細胞集団の弁別的および/または通常のイベントの特性も決定される。分析されたデータは、マスター・データベースに入力され、すでにデータベースに入力されたデータが処理に対する細胞の効果の評価に用いられる。

0088

細胞系統作成とデータ処理(108)に関連するステップは、連続した一連のサブステップ、細胞系統マップ作成(600)、基礎データ分析(602)、オプションデータ解析(604)、そしてマスターデータベース検索(606)を実行することによって行われる。簡単に説明すると、細胞系統マップ作成(600)はライブセルイベント分析(106)によって生成されたデータベースから細胞系統番号、細胞番号、タイムポイント番号と前駆細胞とその子細胞のインデックス化されたイベントデーターを収集する。細胞番号は各々の細胞の描画順番の決定に用いる。基礎データ分析(602)は細胞増殖速度、細胞の倍加時間と細胞死、細胞融合、正常な細胞分裂と異常な細胞分裂の頻度を分析する。他のタイプのイベントも基礎データ分析に加える事ができる。オプションデータ解析(604)は、特定のイベントおよび/または統計分析に一定のバイアスを加えることによって数学的な計算を実行する。

0089

前述のようにCQIは式1または式2によって算出することができる。結果的に得られるCQIはある前駆細胞から由来した細胞の生存能力または個性を評価するために使用することができる。 別の式と定数を計算に使用することもできる。得られた分析データは、マスター・データベースに入力される。データベース内のデータは、細胞の種類、処理および/または用量によって整理できる。マスターデータベース検索(606)は細胞に対する処理の効果を評価するために、マスター・データベースから関連するデータを収集する。

0090

レポート生成108は結果を生成し、このステップは連続した一連のサブステップ、結果書式設定(700)およびレポート作成(702)、を実行することによって行われる。簡単に説明すると、結果書式設定(700)は表と図の形に結果を整理する。レポート作成(702)はコンピュータのモニターに表示、印刷インターネット電話で送信、ワイアレス電話、コンピュータやタブレット等で送信することができるレポートを作成する。

0091

異なった顕微鏡システムや細胞可視化方法を本発明に使用するために設計することができる。以下の説明は非限定的な例としての顕微鏡システムである。好ましくは、細胞は最適な細胞生存率と細胞分裂を毀損しない条件下に保たれるべきである。顕微鏡システムは、多数の個々の細胞の追跡を容易にするものである。いくつかの実施形態では、異なるサブセットの細胞が同じ時間枠と条件で平行して映像化される。画質の品質と撮影頻度は細胞の分裂イベントと細胞生存能力自動追跡するのに必要な細胞の詳細な細胞特徴の識別が出来るのに十分な品質のものでなくては成らない。近赤外(NIR)光(700nm)による微分干渉コントラスト(DIC)は最適な予防照明条件と連続的な細胞イメージングに必要な解像度を提供する。 DICイメージングは、コンピュータ解析のための高コントラストのデータを提供しつつ、細胞の挙動を追跡するのに十分詳細を提供する。顕微鏡システムは、裏面照射型電子増倍カメラBTEMCCD)を使用している。顕微鏡システム例は、異なったサンプル集団間を自由に移動するのに十分な作動距離を与え、また局所的な温度変動による焦点変化や細胞生存率に対する懸念を排除するため、非液浸の高解像対物レンズを使用し得る。拡大システムでは、解像度の小さな損失補償する。細胞培養用の加温された収納部は、光学グレードガラスを中心に設計され、マルチチャンバーを用いた細胞のシステムのために 3種類のガスまたは一種類のガスの還流および湿度制御対処することが望ましい。

0092

異なった追跡ソフトウェアルーチンを、追跡プロセスの部分を自動化するために設計することができる。以下は、細胞追跡と細胞イベントを分類(識別)するためのルーチン例である。自動細胞追跡システムは重心の追跡と非蛍光画像処理を採用し、次のように要約することができる:1、ノイズを除去するためガウスぼかしが適用される。 2、閾値を適用し、その閾値以上の明るい領域を塗りつぶす(細胞の明るい部分が抽出される)。 3、連結分析を行う。 4、標的細胞の結合ピクセルを同定する。 5、結合ピクセルの重心を決定する。 6、次の画像をロードする。 7、ステップ1-5を繰り返す。重心は、標的細胞の位置を示す。したがって、このソフトウェアは細胞を追跡することができる。もし隣接する有糸分裂期細胞が標的細胞の近くに移動した場合、二つの結合ピクセルは融合される。このソフトウェアは、もはや二つの細胞をセグメントすることができなくなる。標的細胞の重心は融合によって移動するため、このコンピュータプログラムは移動を検出した場合、細胞追跡を終了する。細胞分裂の識別は以下のように行われる:1、連結分析までは上記と同様のアプローチが用いられる。2、結合ピクセルの周りベクトルを描画する。 3、ベクトルパターンライブラリを作成する(ライブラリは約100の反復的なパターンを含む)。 4、ライブラリ内のパターンと標的細胞のベクトルパターンを比較する。標的細胞のパターンがライブラリ内のいずれかと一致する場合、その細胞は有糸分裂期に入ったと考慮する。 5、有糸分裂期細胞の結合ピクセル画素数とその重心を決める。6、次の画像をロードする。 7、有糸分裂細胞の重心と結合ピクセル画素数を確認する。画素数が大幅に減少した場合(〜40から60%)、ソフトウェアは細胞分裂が発生したと認識する。 8、その兄弟細胞を見つけるために、最も近傍の結合ピクセルを探す。このコンピュータプログラムは、大多数の二極分裂で機能する。

0093

標的細胞に近い有糸分裂期細胞の動きを追跡するための分析ソフトウェアのステップ以下の通りである:1、接近中の細胞を認識するためには、画像内のすべての結合のピクセルの重心が決定される。 2、もし接近中の細胞が標的細胞上に移動した場合、接近中の細胞の結合ピクセルは標的細胞の結合ピクセルとの融合し、これは重心の一つが消失することを示唆する。これは、“有糸分裂期細胞の標的細胞近傍への移動”事態の処理を開始するための信号となる。 3、有糸分裂期細胞はより多くの光を反射するため、通常、標的細胞より明るい。有糸分裂期細胞の位置は、明るいピクセルの連結分析により推定する。4、ソフトウェアは明るい結合ピクセルおよび残りの結合ピクセルの両方に焦点を当てる(それぞれの重心を決定)。 5、明るい結合ピクセルが移動を開始した場合、ソフトウェアは標的細胞のセグメントを試みる。これは、画像に複数の異な閾値を適用し、連結分析を行うことによってなし得る。標的細胞をセグメントすることができる場合は、プロセスは通常の追跡に戻る。

0094

細胞分裂では、ソフトウェアは次のような画像チェックを行う。1、標的細胞細胞が有糸分裂期に入った場合、細胞の結合ピクセルの重心を決定し、もしソフトウェアが細胞分裂期の検出に失敗した場合、次の画像をロードする。 2、分裂した細胞がその有糸分裂期細胞の近傍に生成されるため、ソフトウェアはその付近の結合ピクセルを検索し、もし結合ピクセルを見つけた場合、それが非標的細胞に属しているかどうかを調べる。 3、それが非標的細胞に属していない場合、結合ピクセルは有糸分裂期細胞の子細胞の候補としてマークされる。 4、次の画像をロードし、ステップ2から3を繰り返す。 このプロセスを二つ(二極分裂)または三つ(三極分裂)の結合ピクセルが識別されるまで続ける。

0095

当業者は通常の実験、多くの同等な特定の手順、実施形態、請求、および、本明細書に記載の例以上のものを使用しないで、確認または確認することができまる。このような同等のものは、本発明の範囲内にあるとみなされ、添付の特許請求の範囲によってカバーされる。本発明はさらに、さらに限定するものとして解釈されるべきではない、以下の実施例によってさらに示される。

0096

(コントロール解析)
本研究では、しばしば用いられている発癌性/変異原性発物質の一つ、N-メチル-N'-ニトロソ-N-ニトロソグアニジン(MNNG)、抗癌化合物でトポイソメラーゼ阻害剤ある、カンプトテシン(CPT)、他の発癌剤であるホルムアルデヒドヒ酸そしてカドミウム、非発癌性物質アセトアミノフェンイブプロフェンを使用した。

0097

HeLa S3細胞とMCF10A細胞はATCCから購入した。A549-LUC-C8 Bioware細胞は、Caliper LifeSciencesから得た。

0098

Volocity V4.0によって制御された、Quorum WaveFXスピニングディスク共焦点システム(Quorum Technologies Inc.,カナダ) とライカ顕微鏡が長期ライブセルイメージングのために採用された。微分干渉コントラスト(DIC)の画像は、ハロゲンランプが光源として用いられ(ランプからのUV光はDICプリズムフィルターによりほぼ100%除去された)、HCXPLAPO40xオイル対物レンズ(NA= 1.25)を通して撮影された。Lab-Tekの8ウエルチャンバー上で培養された細胞は、顕微鏡ステージ上に設置され、37℃の7.5%加湿CO2(LiveCellTMシステム、Pathology Devices Inc, MD)下、エンバイロメントチャンバーを用いて培養した。視野フィールド(FOVs)のXY位置はVolocity v4.0を使用して登録された。DICイメージは10分毎に(34ミリ秒露光)、ピエゾフォーカス駆動を用いた1μmの増分で焦点面に対して相対して+10から-10 μmの位置まで撮影された。

0099

Lab-Tekの8ウエルチャンバーのカバーガラス上で培養した細胞は、無血清培地中で15から30分間の様々な濃度の化合物に曝露された。

0100

全体の観察期間を通じて100個以上の細胞系統をカバーする長期的な細胞イメージングを行うために、我々は適切な数の細胞が含まれている領域を選択した。HeLaコントロール細胞の場合、約70%の面積占有されている領域を選択した。A549およびMCF10Aは移動性の高いので、我々は占有率90〜100%に近い領域から観察を開始した。

0101

Volocityイメージ・シーケンスファイル多層TIFF)は単層TIFFファイルに分割された。 各々の視野フィールドにおいての適切な焦点画像面を選択した。ムービーはQuickTime Player Proによって作成された。もし画質が細胞追跡に最適で無かった場合、TIFF画像のコントラストは、Photoshop V7.0のバッチ処理機能を使用して調整した。

0102

T = 1のパノラマビューが作成され、選択された領域内の細胞に細胞系統番号を割り当てた。番号の割当後、弁別的イベントの発生した時間を決定した。

0103

細胞追跡中に決定したイベントの時間点は、細胞系統データベース(データベース)に入力した。細胞番号は、データベースへのデータを入力時に割り当てられた。

0104

siRNAの処理はカバーガラスのLab-Tek 8ウエルチャンバーを顕微鏡ステージ上に設置した後行った。コントロールとしてのスクランブルsiRNA(2μgの、中位長、Invitrogen)またはp53のsiRNA(2μgを、New England Bio Labs)は8μlのECのバッファと0.4μlのエンハンサー試薬(Effectenキット、Qiagen)に5分間混合した。その後、1μlのeffectante(Qiagen)を加え、10分のインキューベーション後、120μlの培地を加えた。各ウエルには、118μlの混合物を加え、細胞は顕微鏡上のエンバイロメントチャンバー中で24時間培養した。混合物を完全培地と交換した後、細胞をさらに24時間培養した後、MNNGに曝露した。トランスフェクトされた細胞は脂質小胞を含んでいるため、トランスフェクション効率目視検査で評価し、効率は99%以上であることが結論された。Cy3結合siRNAのトランスフェクション効率も98%で、抗p53抗体(Calbiochem)によって検出されたp53の発現レベルは、トランスフェクションの48時間後、コントロールの10%未満に減少した。

0105

図2には方法の概略が示されている。方法はライブセルイメージング動画、個々の細胞追跡、データベース構築およびデータ分析からなる。8ウエルチャンバーのカバーガラスを採用することにより、種々の用量の試験物質で処理した細胞を同時にモニターできることから、適切なコントロールを伴ったリアルタイム細胞生物学的分析を顕微鏡のステージ上で実行できる(図2Bおよび2C)。細胞は弁別的細胞イベント(二極分裂DD、三極分裂 TD、四極胞分裂 QD、不完全または部分的な分裂 IPは図8に、細胞融合CFは図 9に、細胞死CDは図10イメージ例が示されている)の発生頻度決め得る、正確な細胞のプロファイリングデータを取得するために、100〜160時間、DICイメージング技術を用いて視覚化した。典型的な実験では、細胞のモニタリングは160時間、120のパノラマFOVを用いて行われ、2268000の画像ファイルが生成され、最終的に120の独立したイメージ動画に変換された。

0106

次に、 個々の細胞追跡によって追跡される各々の細胞にユニークな細胞系統番号を割り振るため、各ウエルのパノラマ・ビューが作製された(図3A-F)。追跡データ、例えば弁別的細胞イベントが起こった時間点はデータベースに入力される。細胞系統マップが作製され、その際に、各々の子細胞にユニークな識別子が割り振られる(図4)。

0107

分析の再現性は、100から200前駆細胞に由来する1000から2000の細胞を追跡し、三回の独立したコントロール実験を実施することにより検討した。成長率のばらつきは約10%の標準誤差の範囲内であった(図5)。倍加時間のばらつきは 図6にヒストグラムによって示され、各々のカラムの標準誤差も10%の以内であることから、この方法では約1000から2000の子細胞の追跡により、 高い再現性のある結果の得られることが示唆された。

0108

(細胞品質インデックスの決定(CQI))
エンドポイントアッセイとは異なり、リアルタイムベースでの細胞生物学的手法を用いて得られたデータの分析には、進行中の弁別的細胞イベントを考慮に入れた、細胞系統および細胞集団の特性を表すための新しい定量的なアプローチが必要となる。したがって、私たちは、細胞系統毎に計算される細胞品質インデックス(CQI)を開発し、そして、 細胞集団内の細胞系統の平均CQIを決定することにより、細胞集団の特性の発見または質を評価するために用いている。 二つの式が使用されている。

0109

最初の式は:CQI(式1)= [A x二極分裂の数(DD)] + [B x三極分裂の数(TD)] + [C x四極分裂の数(QD)] + [D x五極分裂の数(HD)] + [E x細胞融合の数(CF)] + [F x細胞死の数(CD)] + [G x不完全または部分的な細胞分裂の数(IP)] + [H x細胞形状の変化示す細胞の数(CSA)] + [I x核形状の変化示す細胞の数(NSA)] + [J x細胞内物質蓄積を示す細胞の数(IA)] + [K x細胞肥大を示す細胞の数(CE)] + [L x取り込みを示す細胞の数(EG)] + [M x過移動性を示す細胞の数(HEM)] + [N x低移動性を示す細胞の数 (HPM)] + [O x分裂時間遅延を示す細胞の数(PD)] + [P x分裂時間短縮を示す細胞の数(SD)]である。

0110

定数、AからPは実数であり、通常-1.000と1.000が用いられる。定数がA = 1、B =0、C = 0、D = 0、E = 0、F = 0、G = 0、H = 0、I = 0、J =0、K= 0、M = 0、N = 0、O =0とP= 0の単純な場合では、CQIの計算にDDの頻度だけが考慮される。例えば、図7Aに示す細胞系統のCQIは12(DDが12回発生した)で、その細胞系統の成長能力を表している。定数Aの代わりに、定数Eが1であれば、計算されたCQIは、より頻繁にCDを起こす細胞系統の識別に使用することができる。しかしながら、図7Bに示すように、多くの場合で、様々な弁別的イベントが同じ細胞系統で発生する。この場合では、CQIは10.9=1×10 DD +0.8×2 TD - 0.1×6 CDと計算される。我々は、TD(定数B)が異常な細胞分裂であるが、それでも子細胞の生成に寄与することから、0.8を用いた。CDを起こした細胞は子細胞を生成しないことから、-0.1がCD(定数E)に割り当てられた。本研究で、我々は、A = 1、B =0.8、C =0.8、D =0.8、E =-0.1、F = 0、G = 0、H = 0、I = 0、J =0、K= 0、M = 0、N = 0、O= 0、P = 0をTD、HD、QDとCDの発生/頻度を考慮し、細胞系統および細胞集団の生存能力を評価するために用いた。

0111

第二の式は:CQI(式2)=([B x三極分裂の数(TD)] + [C x四極分裂の数(QD)] + [D x五極分裂の数(HD)] + [E x細胞融合の数(CF)] + [F x細胞死の数(CD)] + [G x不完全または部分的な細胞分裂の数(IP)] + [H x細胞形状の変化示す細胞の数(CSA)] + [I x核形状の変化示す細胞の数(NSA)] + [J x細胞内物質蓄積を示す細胞の数(IA)] + [K x細胞肥大を示す細胞の数(CE)] + [L x取り込みを示す細胞の数(EG)] + [M x過移動性を示す細胞の数(HEM)] + [N x低移動性を示す細胞の数 (HPM)] + [O x分裂時間遅延を示す細胞の数(PD)] + [P x分裂時間短縮を示す細胞の数(SD)])/ ([A x二極分裂の数(DD)] + [B x三極分裂の数(TD)] + [C x四極分裂の数(QD)] + [D x五極分裂の数(HD)] )である。

0112

式1のバリエーションであるこの式は、弁別的細胞イベントの頻度を計算する(DD以外がDD + TD + QD+ HDで割られる)。もし、全ての定数が1の場合、算出されたCQI×100は総細胞分裂に対する弁別的イベントの%に相当する。我々はここでは式2に、A =1、B = 1、C = 1、D =1、E = 1、G = 1を用いているが、式1と同様に様々な組み合わせの定数を使用することができる。

0113

この概念を適用することにより、様々な組み合わせの定数でいろいろなバリエーションの式を、細胞系統および細胞集団の特性を定量的に評価するために、作成出来ることを指摘しておく。

0114

(細胞の品質テスト
HeLa細胞は、子宮頸部組織に由来し、頻繁にDNA損傷応答や細胞分裂の研究に使用されている。この細胞は非常に不均一な細胞集団を形成することが経験的に知られているが、そのような不均一性の長期間ライブセルイメージングによる定量的分析はなされていなっかた。そこで、そのような不均一性を明らかにすることにより、この方法で細胞集団の質を決定することができるかどうかをテストするため、100から200の前駆細胞の個々の追跡がおこなわれた。 その結果、114前駆細胞(T = 1)の内44細胞は自然に細胞死を起こしたが、5個の前駆細胞は、少なくとも4回細胞分裂を起こし、21以上の子細胞まで子孫を増やことができた。残りの65個の前駆細胞は生き残ったが、上記の4前駆細胞と較べて増殖率は低かった。また、HeLa細胞は頻繁に細胞融合(CF)と多極分裂(MD)を起こした。いくつかのケースでは、良く成長する細胞系統から、CFやMDを起こし易い細胞系統が形成された。これらの結果は、良く成長する幹細胞様の細胞集団が HeLa細胞集団全体の成長率を維持するために貢献することを示した。データはまた、CF、MDなどの弁別的細胞イベントを起こした子細胞の形成が不均一な細胞集団の形成に係っていることを示唆している。加えて、この方法によって、同様の細胞系統が A549肺癌細胞、MCF10A乳房上皮非形質転換細胞や初代肺上皮細胞でも定量的に識別された。これらの結果に基づいて、我々はこの方法が正確に与えられた細胞集団の品質を判断する能力を持っていると結論づけた。

0115

(用量、発癌物質と抗癌剤)
この方法は顕微鏡上での用量反応実験を行うことができるため、 異なる用量の試験化合物に細胞を曝露し、同時に曝露と非曝露された細胞をモニターすることにより、本研究で使用される化学物質の準毒性と非細胞毒性用量の境界を定めた。カンプトテシン(CPT)の場合、古典的なエンドポイント分析であるコロニー形成分析が用いられた場合、HeLa細胞への30分間、0.25μMの曝露で、95%の細胞生存率が得られた。一方、その処理に対するHeLa細胞の生存能力が平均CQI(式1)に基づいて評価された場合、従来のコロニー形成分析では簡単に検出できない、CPTの細胞増殖の抑制のため、対照の60%と計算され(表1)。この用量は、細胞死(CD)を誘導しないが、それでも細胞の成長にマイナスの影響を与えるため、準細胞毒性用量と定義された。同様に、N-メチル-N'-ニトロソ-N-ニトロソグアニジン(MNNG)2μMは、細胞成長に対する抑制効果のあることから、準細胞毒性用量と定義された。対照的に0.1μMCPTおよび1μMMNNGの用量は、CDの誘導も細胞増殖抑制効果も示さないことから、非細胞毒性用量として定義された(図5Aおよび5B)。ホルムアルデヒド、砒素酸とカドミウムの非細胞毒性用量も、この方法によって決定され、それらはそれぞれ、0.002から0.18μM、0.009から0.7μMおよび0.004から0.3μMであった。これらの結果は、この方法で低用量の領域での用量反応試験を遂行できることを示唆している。低用量の領域で、限られた数の細胞にのみに誘導される細胞応答を他の既存の方法によって検出することは極めて困難である。

0116

MNNG曝露に対するHeLa細胞の応答をさらに調べるため、より低いそして非細胞毒性用量のMNNGが用いられた。1μMのMNNGに曝露されたHeLa細胞の平均CQIは、細胞増殖抑制およびCD誘導が起きないため、117パーセント(表1)であった。それにもかかわらず、非細胞毒性用量のMNNGに曝露された細胞の多極分裂(MD)と細胞融合(CF) はコントロールよりも約2倍高かったことから(表2)、この結果はMDとCFが非細胞毒性用量のMNNGの曝露によって予想外に増加することを示唆している。さらに、非細胞毒性用量のホルムアルデヒド、砒素酸やカドミウムに曝露された細胞集団内では、コントロール細胞よりもより頻繁に細胞がMD起こした。一方、このようなMDの増加は、 十分に確立されたヒトに対して発癌性の無い、アセトアミノフェンやイブプロフェン、では観察されなかった。これらの結果は、ヒトへの発癌性物質は、その非細胞毒性用量に曝露された細胞の総MDを測定することにより評価できることを示唆している。

0117

細胞を0.25μMの抗癌剤化合物、CPTに曝露された時、細胞死誘導と細胞増殖抑制のため、平均CQI(式1)はコントロールの60%(表1)に減少した。 CPTのこの用量(0.25μM)は、同様にMDを減少させた(表2)。 CPTは、このように発癌性物質と反対の効果を誘導した。従って、これらの結果は、その物質の準細胞毒性用量または非細胞毒性用量に曝露された細胞のMDを減少させ、CDを増加し、細胞増殖を抑制する効果のある場合、それは抗がん剤として使用できる化合物である可能性のあることが示唆された。

0118

(他のタイプの細胞)
他の細胞が用いられた:p53が機能している上皮細胞肺癌、A549細胞、および、乳房非形質転換上皮細胞、MCF10A。まず、我々はこれらの細胞に対するMNNGの非細胞毒性用量を決定した。A549細胞への2μMのMNNG曝露は平均CQIを20%減少させたが、1μMの曝露ではそのような減少はみられなかった。我々は、それぞれ2および1μMを準細胞毒性用量および非細胞毒性用量であると結論づけた。MCF10A細胞では、1.25μMのMNNGが非細胞毒性用量とであると決定した。次に、これらの細胞に対する非細胞毒性用量でのMNNGの効果を調べた。非処理のA549細胞で検出されたMDは、おそらくp53機能の存在のため、HeLa細胞のそれに比べて有意に少なかった。一方A549細胞ではMDの頻度が準細胞毒性用量および非細胞毒性用量のMNNG曝露によって増加した。さらには、このような頻度が非細胞毒性用量のMNNGに曝露したMCF10A細胞でも見られることから、非細胞毒性用量のMNNGは、p53機能している非形質変換細胞においても、MDを起こすリスクを増加させることが示唆された。

0119

p53はゲノムの完全性の維持と腫瘍抑制因子として重要な役割を果たすことが知られていることから、p53の除去似よるMDのへの効果を検討した。顕微鏡のステージ上に、A549またはMCF10A細胞を配置した後は、p53 のsiRNA処理を行った。その後、 p53の除去のMDとCFに対する効果を分析した。興味深いことに、p53の除去には細胞の成長に若干の促進作用を示した。さらに、これらの細胞はより頻繁にMDを起こすことが分かった。また、CFが頻繁にMD発生前に起こった。CFとMDが機構的に関連しているかどうかは明らかではないが、これらの結果はp53の非存在下では細胞のMDを起こすリスクの増大することが示唆された。

0120

表4は、CPTとMNNGで処理したHeLa細胞の平均CQIを示している。 HeLa細胞はCPTまたはMNNGどちらかに曝露された。細胞イメージング動画は、その後作成され、120から200前駆細胞が追跡された。各細胞系統のCQIが定数、A = 1、B = 0.8、C = 0.8、D = -0.1、E = -0.1、F = 0、G = 0、H = 0、I = 0、J = 0、K = 0、M = 0、N = 0、O = 0、P = 0、および式1で決定され、細胞集団内の細胞系統の平均CQIが算出された。

0121

0122

表5は、HeLa細胞のMDイベントの要約である。約120から200前駆細胞を追跡した。データは200前駆細胞によって標準化した。表5の凡例は次の通りである。a. 総細胞分裂(DV)は細胞分裂のイベントの合計数であり:合計DV =DDの数+ TD の数字+ QDの数+ HDの数。b.多極分裂(MD)は、MDイベントの合計数であり:TD数+ QDの数+ HDの数。CQI(式2)は定数、A = 1、B = 1、C = 1、D = 0、E = 0、F = 0、G = 0、H = 0、I = 0、J = 0、K = 0、M = 0、N = 0、O = 0、P = 0、とCQI式2を用いて計算した。p値は非処理細胞で発生するイベントとの比較によって算出した、**:P <0.1。

0123

0124

本実施例に示すように、本発明は細胞集団の質や状態を定量的に測定することを可能にする(実施例2および3)。被験物質に細胞を曝露することによって、細胞集団の質または状態の変化が、全体の細胞集団内で、または、与えられた複数の細胞中の、1つまたはそれ以上の細胞系統におけるいくつかの子細胞で発生する可能性がある。そのような変化を検出することによって、本発明はまた、潜在的な発癌性物質および/または抗癌物質(実施例4)を識別することができる。v

0125

見出しは、参照のためにおよび特定のセクションを見つけるのを助けるため、本明細書に含まれている。これらの見出しはそこに記載されている概念の範囲を限定することを意図していない、そして、これらの概念は、明細書全体を通して他のセクションで適用される可能性もある。従って、本発明は、ここに示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された原理と新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。

0126

特にそれとは反対の指示がない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、得ようとする特性に応じて変化し得る近似値である。実施形態の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であることにかかわらず、特定の実施例に記載される数値は、できるだけ正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、本質的に実験のばらつき、測定テスト統計解析などに起因する特定のエラーが含まれている。

実施例

0127

これは、実施例および実施形態は、例示の目的のみで、それに照らして、種々の改変や変更は、当業者に示唆されるであろうし、添付の特許請求の範囲の本発明と添付の特許請求の範囲に含まれると理解される。

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