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図面 (14)

課題

レーザ光を効率的に増幅する。

解決手段

パルスレーザ光を出力するマスターオシレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの増幅器と、前記パルスレーザ光の光路上に配置されるGaAs結晶電気光学結晶として用いた少なくとも1つの第1の光アイソレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置されるCdTe結晶を電気光学結晶として用いた少なくとも1つの第2の光アイソレータと、前記マスターオシレータ及び前記第1および第2の光アイソレータに接続されたコントローラと、を備えてもよい。

概要

背景

集積回路の製造等に用いるリソグラフィ装置は、所望のパターン基板上に転写する装置である。基板上に回路パターンを生成するために、マスク又はレチクルと呼ばれるパターニングデバイスを用いる。基板上へのそのパターンの転写は、基板(例えば、シリコンウェーハ基板)上に設けられた放射感応性材料レジスト)層上への結像によって行われる。

パターン転写の理論推定限界値CD(critical dimension)は、以下の式(1)によって与えられる。

CD=k1・λ/NA (1)
ここで、λは、パターン転写に用いられる露光用光波長であり、NAは、パターン転写に用いられる投影システム開口数であり、k1は、レイリー定数と呼ばれる、プロセス依存係数である。CDは、プリントされたクリティカルディメンションである。式(1)から分かる通り、転写可能サイズを縮小するためには、露光用光の波長λを短くすること、開口数NAを大きくすること、又はk1の値を小さくすることの3つのいずれかによって達成することができる。

転写可能サイズを縮小するために、露光用光の波長を短くする提案がなされている。例えば、露光用光の波長が10nmから20nmの範囲内、望ましくは13nmから14nmの範囲内のEUV光を生成する装置を用いることが提案されている。代表的なEUV光生成装置は、レーザ生成プラズマ式EUV光生成装置、放電プラズマ式EUV光生成装置、及び電子蓄積リングからのシンクロトロン放射式EUV光生成装置などが挙げられる。

レーザ生成プラズマ式EUV光生成装置では、ターゲット物質レーザ光照射を受けてプラズマ化され、EUV波長範囲における光を生成する。このレーザ光は、例えばCO2レーザ装置によって供給してもよい。ターゲット物質は例えばスズ(Sn)であってもよい。

概要

レーザ光を効率的に増幅する。パルスレーザ光を出力するマスターオシレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの増幅器と、前記パルスレーザ光の光路上に配置されるGaAs結晶電気光学結晶として用いた少なくとも1つの第1の光アイソレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置されるCdTe結晶を電気光学結晶として用いた少なくとも1つの第2の光アイソレータと、前記マスターオシレータ及び前記第1および第2の光アイソレータに接続されたコントローラと、を備えてもよい。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

パルスレーザ光を出力するマスターオシレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの増幅器と、前記パルスレーザ光の光路上に配置されるGaAs結晶電気光学結晶として用いた少なくとも1つの第1の光アイソレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置されるCdTe結晶を電気光学結晶として用いた少なくとも1つの第2の光アイソレータと、前記マスターオシレータ及び前記第1および第2の光アイソレータに接続されたコントローラと、を備えるレーザ装置

請求項2

前記第1の光アイソレータは、前記第2の光アイソレータよりも、前記マスターオシレータに光路上において近い側に配置されている請求項1に記載のレーザ装置。

請求項3

前記第1の光アイソレータ及び前記第2の光アイソレータは、前記パルスレーザ光の光路上に設けられた第1の偏光素子及び第2の偏光素子と、前記パルスレーザ光の光路上であって、第1の偏光素子と第2の偏光素子との間に設けられた前記電気光学結晶を含むEOポッケルスセルと、前記EOポッケルスセルに電圧印加する少なくとも1つの電源と、を備えた請求項1に記載のレーザ装置。

請求項4

前記電気光学結晶における光が入射する面は、一方の方向における幅よりも、前記一方の方向に直交する他方の方向における幅が狭く形成されている請求項1に記載のレーザ装置。

請求項5

前記EOポッケルスセルには、前記電気光学結晶に電圧を印加するため、前記電気光学結晶を介して対向する第1の電極及び第2の電極が設けられており、前記第1の電極の側及び前記第2の電極の側の一方または双方には冷却部が設けられている請求項1に記載のレーザ装置。

請求項6

前記EOポッケルスセルは、前記第1の電極の側に冷却部が設けられている場合には、前記第1の電極と前記第1の電極の側に設けられた冷却部との間には、電気絶縁部材が設けられており、前記第2の電極の側に冷却部が設けられている場合には、前記第2の電極と前記第2の電極の側に設けられた冷却部との間には、電気絶縁部材が設けられている請求項5に記載のレーザ装置。

請求項7

前記電気絶縁部材は、ダイヤモンド窒化アルミニウム酸化アルミニウムのうちの1又は2以上の材料を含むものである請求項6に記載のレーザ装置。

請求項8

前記増幅器はスラブ型増幅器である請求項1に記載のレーザ装置。

請求項9

パルスレーザ光を出力するマスターオシレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの増幅器と、前記パルスレーザ光の光路上に配置されるGaAs結晶を電気光学結晶として用いた少なくとも1つの第1の光アイソレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置されるCdTe結晶を電気光学結晶として用いた少なくとも1つの第2の光アイソレータと前記マスターオシレータ及び前記第1および第2の光アイソレータに接続されたコントローラと、チャンバと、前記チャンバ内の所定の領域にターゲット物質を供給するためのターゲット供給部と、前記レーザ装置から出射されたレーザ光を前記所定の領域に集光するための集光光学系と、を備える極端紫外光生成装置

技術分野

0001

本開示は、レーザ装置及び極端紫外(EUV:Extreme Ultra‐Violet)光生成装置に関するものである。

背景技術

0002

集積回路の製造等に用いるリソグラフィ装置は、所望のパターン基板上に転写する装置である。基板上に回路パターンを生成するために、マスク又はレチクルと呼ばれるパターニングデバイスを用いる。基板上へのそのパターンの転写は、基板(例えば、シリコンウェーハ基板)上に設けられた放射感応性材料レジスト)層上への結像によって行われる。

0003

パターン転写の理論推定限界値CD(critical dimension)は、以下の式(1)によって与えられる。

0004

CD=k1・λ/NA (1)
ここで、λは、パターン転写に用いられる露光用光波長であり、NAは、パターン転写に用いられる投影システム開口数であり、k1は、レイリー定数と呼ばれる、プロセス依存係数である。CDは、プリントされたクリティカルディメンションである。式(1)から分かる通り、転写可能サイズを縮小するためには、露光用光の波長λを短くすること、開口数NAを大きくすること、又はk1の値を小さくすることの3つのいずれかによって達成することができる。

0005

転写可能サイズを縮小するために、露光用光の波長を短くする提案がなされている。例えば、露光用光の波長が10nmから20nmの範囲内、望ましくは13nmから14nmの範囲内のEUV光を生成する装置を用いることが提案されている。代表的なEUV光生成装置は、レーザ生成プラズマ式EUV光生成装置、放電プラズマ式EUV光生成装置、及び電子蓄積リングからのシンクロトロン放射式EUV光生成装置などが挙げられる。

0006

レーザ生成プラズマ式EUV光生成装置では、ターゲット物質レーザ光照射を受けてプラズマ化され、EUV波長範囲における光を生成する。このレーザ光は、例えばCO2レーザ装置によって供給してもよい。ターゲット物質は例えばスズ(Sn)であってもよい。

先行技術

0007

米国特許第7928416号明細書
米国特許第8093571号明細書
米国特許出願公開第2010/0195196号明細書

概要

0008

レーザ装置は、パルスレーザ光を出力するマスターオシレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの増幅器と、前記パルスレーザ光の光路上に配置されるGaAs結晶電気光学結晶として用いた少なくとも1つの第1の光アイソレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置されるCdTe結晶を電気光学結晶として用いた少なくとも1つの第2の光アイソレータと、前記マスターオシレータ及び前記第1および第2の光アイソレータに接続されたコントローラと、を備えてもよい。

0009

また、極端紫外光生成装置は、パルスレーザ光を出力するマスターオシレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの増幅器と、前記パルスレーザ光の光路上に配置されるGaAs結晶を電気光学結晶として用いた少なくとも1つの第1の光アイソレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置されるCdTe結晶を電気光学結晶として用いた少なくとも1つの第2の光アイソレータと、前記マスターオシレータ及び前記第1および第2の光アイソレータに接続されたコントローラと、チャンバと、前記チャンバ内の所定の領域にターゲット物質を供給するためのターゲット供給部と、前記レーザ装置から出力されたレーザ光を前記所定の領域に集光するための集光光学系と、を備えてもよい。

図面の簡単な説明

0010

本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、EUV光生成装置の構造図を示す。
図2は、本開示のレーザ装置の構造図を示す。
図3は、本開示のレーザ装置に用いられる光アイソレータの構造図を示す。
図4は、本開示のレーザ装置に用いられるEOポッケルスセルの構造図を示す。
図5は、図4に示されるEOポッケルスセルの制御の説明図を示す。
図6は、本開示のレーザ装置に用いられるEOポッケルスセル光アイソレータの構造図を示す。
図7は、本開示のレーザ装置に用いられるスラブ型EOポッケルスセルの構造図を示す。
図8は、スラブ型EOポッケルスセルにおけるシミュレーションモデル図を示す。
図9は、他の実施形態1におけるスラブ型EOポッケルスセルの構造図を示す。
図10は、他の実施形態2におけるスラブ型EOポッケルスセルの構造図を示す。
図11は、他の実施形態3におけるスラブ型EOポッケルスセルの構造図を示す。
図12は、EOポッケルスセルを用いた光アイソレータ及び増幅器の説明図(1)を示す。
図13は、EOポッケルスセルを用いた光アイソレータ及び増幅器の説明図(2)を示す。

実施形態

0011

以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示の一例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。

0012

目次
1.用語の説明
2.EUV光生成装置の全体説明
2.1 構成
2.2 動作
3.光アイソレータを含むレーザ装置
3.1 構成
3.2 動作
3.3 作用
4.EOポッケルスセルを用いた光アイソレータ
4.1 EOポッケルスセルを用いた光アイソレータの原理
4.2CO2レーザ用EOポッケルスセル光アイソレータ
5.スラブ型EOポッケルスセル
5.1 スラブ型EOポッケルスセルの構造とシステム
5.2電気光学(EO)結晶物性値
5.3 スラブ型EOポッケルスセルの性能
5.4 スラブ型EOポッケルスセルの他の実施形態
6.スラブ型EOポッケルスセル光アイソレータとスラブ型増幅器

0013

1.用語の説明
最初に、本開示において使用される用語について、以下のように定義する。

0014

ドロップレット」とは、溶融したターゲット物質の液滴であってもよい。その形状は、表面張力によって略球形となり得る。「プラズマ生成領域」とは、プラズマが生成される空間として予め設定された3次元空間であってもよい。レーザ光の光軸または光路における「上流」とは、レーザ光の起源となるマスターオシレータに近い側を指す。一方、光軸または光路における「下流」とは、プラズマ生成領域に近い側を指す。

0015

本開示では、レーザ光の進行方向がZ方向と定義される。また、このZ方向と垂直な一方向がX方向と定義され、X方向およびZ方向と垂直な方向がY方向と定義される。レーザ光の進行方向がZ方向であるが、説明において、X方向とY方向は言及するレーザ光の位置によって変化する場合がある。例えば、レーザ光の進行方向(Z方向)がX−Z平面内で変化した場合、進行方向変化後のX方向は進行方向の変化に応じて向きを変えるが、Y方向は変化しない。一方、レーザ光の進行方向(Z方向)がY−Z平面内で変化した場合、進行方向変化後のY方向は進行方向の変化に応じて向きを変えるが、X方向は変化しない。なお、理解のために各図では、図示されている光学素子のうち、最上流に位置する光学素子に入射するレーザ光と、最下流に位置する光学素子から出射するレーザ光とのそれぞれに対して、座標系が適宜図示される。また、その他の光学素子に対して入射するレーザ光の座標系は、必要に応じて適宜図示される。

0016

反射型の光学素子に関し、光学素子に入射するレーザ光の光軸と該光学素子によって反射されたレーザ光の光軸との双方を含む面を入射面とすると、「S偏光」とは、入射面に対して垂直な方向の偏光状態であるとする。一方、「P偏光」とは、入射面に対して平行な方向の偏光状態であるとする。

0017

また、「X方向の偏光の光」とは、X方向の直線偏光の光、または、X方向における偏光成分の光であり、「Y方向の偏光の光」とは、Y方向の直線偏光の光、または、Y方向における偏光成分の光であるものとする。

0018

また、マスターオシレータ(master oscillator)については、MOと記載する場合があり、増幅器(power amplifier)については、PAと記載する場合がある。「M2」とは、エムスクエアを意味するものであり、レーザ光のビーム品位を示す品質評価尺度である。

0019

2.EUV光生成装置の全体説明
2.1 構成
図1に本開示の一態様による例示的なレーザ生成プラズマ式EUV光生成装置1の概略構成を示す。レーザ生成プラズマ式EUV光生成装置を、以下、LPP式EUV光生成装置と称する。LPP式EUV光生成装置1は、少なくとも1つのレーザ装置3と共に用いることができる。LPP式EUV光生成装置1及びレーザ装置3を含むシステムを、以下、EUV光生成システムと称する。図1に示し、かつ以下に詳細に説明するように、LPP式EUV光生成装置1は、チャンバ2を含むことができる。チャンバ2内は好ましくは真空である。あるいは、チャンバ2の内部にEUV光の透過率が高いガスが存在していてもよい。また、LPP式EUV光生成装置1は、ターゲット供給システム(例えばドロップレット発生器26)を更に含むことができる。ターゲット供給システムは、例えばチャンバ2の壁に取り付けられていてもよい。ターゲット供給システムは、例えば、ドロップレットを出力してもよく。ドロップレットである、ターゲットの材料となるスズ、リチウムキセノン、又はそのいずれかの組合せを含むことができるが、ターゲットの材料はこれらに限定されない。

0020

チャンバ2には、その壁を貫通する少なくとも1つの孔が設けられている。その貫通孔ウィンドウ21によって塞がれていてもよい。チャンバ2の内部には例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV光集光ミラー23が配置されてもよい。回転楕円面形状のミラーは、第1の焦点、及び第2の焦点を有する。EUV光集光ミラー23の表面には例えば、モリブデンシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されていてもよい。EUV集光ミラー23は、例えば、その第1の焦点がプラズマ発生位置プラズマ生成サイト25)又はその近傍に位置し、その第2の焦点が露光装置6によって規定されるEUV光の集光位置(中間焦点(IF)292)に位置するよう配置されるのが好ましい。従って、プラズマ生成領域25において生成されたプラズマから放射された放射光251のうち、EUV光集光ミラー23によって反射されたEUV光252を所定の集光位置に集光することができる。また、EUV光集光ミラー23の中央部には貫通孔24が設けられていてもよく、その貫通孔24をパルスレーザ光33が通過することができる。

0021

再び図1を参照すると、LPP式EUV光生成装置1は、EUV光生成制御システム5を含むことができる。また、LPP式EUV光生成装置1は、ターゲット撮像装置4を含むことができる。

0022

更に、LPP式EUV光生成装置1は、チャンバ2内部と露光装置6内部とを連通する連通管29を含むことができる。連通管29内部にはアパーチャを備えた壁291を含むことができ、そのアパーチャが第2の焦点位置にあるように壁291を設置することができる。

0023

更に、LPP式EUV光生成装置1は、レーザ光進行方向制御アクチュエータ34、レーザ光集光ミラー22、ターゲット27のターゲット回収器28なども含むことができる。

0024

2.2 動作
図1を参照すると、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御アクチュエータ34を経てパルスレーザ光32としてウィンドウ21を透過してチャンバ2内に入射してもよい。パルスレーザ光32は、レーザ装置3から少なくとも1つのレーザビーム経路に沿ってチャンバ2内に進み、レーザ光集光ミラー22で反射されて少なくとも1つのターゲット27に照射されてもよい。

0025

ドロップレット生成器26は、ターゲット27をチャンバ2内部のプラズマ生成サイト25に向けて出力してもよい。ターゲット27には、少なくとも1つのパルスレーザ光33が照射される。レーザ光が照射されたターゲットはプラズマ化し、そのプラズマからEUV光が放射される。なお、1つのターゲットに、複数のパルスレーザ光が照射されてもよい。

0026

EUV光生成制御システム5は、EUV光生成システム全体の制御を統括することができる。EUV光生成制御システム5はターゲット撮像装置4によって撮像されたターゲット27のイメージ情報等を処理することができる。EUV光生成制御システム5はまた、例えばターゲット27を出力するタイミングの制御、及びターゲット27の出力方向の制御の少なくとも1つを行うことができる。EUV光生成制御システム5は更に、例えばレーザ装置3のレーザ発振タイミングの制御、パルスレーザ光31の進行方向の制御、及び集光位置変更の制御の少なくとも1つを行うことができる。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御を追加することもできる。

0027

本開示は、LPP式EUV光生成装置用の高出力レーザ装置及びそのレーザ装置を使用した極端紫外光生成装置に関するものである。高出力のEUV光を得るために、レーザ装置3であるLPP式EUV光生成装置用のドライバ(CO2)レーザ装置は、高いパルスエネルギのパルスレーザ光を高い繰り返し周波数で出力することが求められている。

0028

例えば、高繰り返し周波数でパルスレーザ光を出力するマスターオシレータ(MO)と、そのパルスレーザ光を増幅する複数の増幅器(PA)を備えることによって、高い出力を得ることができる。このような、MOPA(master oscillator power amplifier)システムでは、ターゲットからの戻り光自励発振を抑制するために光アイソレータを設置する場合がある。

0029

高出力のレーザ光の透過に耐え、自励発振や戻り光を抑制するアイソレータを用いたLPP式EUV光生成装置用の高出力レーザ装置及びそのレーザ装置を搭載した極端紫外光生成装置が求められている。

0030

3.光アイソレータを含むレーザ装置
3.1 構成
次に、本開示のレーザ装置について、図面を参照に詳細に説明する。図2に、本開示のレーザ装置の構成を概略的に示す。レーザ装置3は、マスターオシレータ(MO)110と、1つまたは複数の光アイソレータ1201〜120nと、1つまたは複数の増幅器(PA)1301〜130nと、コントローラ140と、遅延回路150とを備えてもよい。尚、光アイソレータ120k−1、120kは、光アイソレータ1201と120nとの間に設置されてもよく、増幅器130k−1、130kは増幅器(PA)1301と130nとの間に設置されてもよい。

0031

尚、以下の説明において、増幅器(PA)1301〜130nを区別しない場合、符号130により一括して参照する場合がある。同様に、光アイソレータ1201〜120nを区別しない場合、符号120により一括して参照する場合がある。また、図2においては、便宜上、レーザ光集光光学系160を記載しているが、このレーザ光集光光学系160は、図1におけるレーザ光集光ミラー22における機能を備えてもよい。また、図2においては、図1に記載されているレーザ光進行方向制御アクチュエータ34等は説明を簡単にするために図示を省略する。

0032

増幅器130はマスターオシレータ110から出力されるパルスレーザ光の光路上に配置してもよい。また、光アイソレータ120は、マスターオシレータ110から出力されるパルスレーザ光の光路上において、マスターオシレータ110と増幅器1301との間または、隣接する増幅器130の間に配置してもよい。例えば、光アイソレータ120kは、増幅器130k−1と増幅器130kとの間に配置してもよい。

0033

増幅器130は、CO2ガスを含むガスを媒質とするレーザ光増幅器であってもよい。増幅器130は、CO2ガスを高周波放電により励起するための、電極高周波電源を含んでもよい。光アイソレータ120は、後述するEOポッケルスセルと偏光素子とを含み、光シャッタとして機能してもよい。

0034

マスターオシレータ110は、レーザコントローラ140からのトリガ信号に応じて、CO2レーザ光発振波長域(9μm〜10.6μm)の波長をもつパルスレーザ光を出力してもよい。レーザコントローラ140は、マスターオシレータ110、各光アイソレータ1201〜120n、各増幅器1301〜130n、遅延回路150等と信号ラインを介して接続されていてもよい。また、この信号ラインにより伝送される信号は、マスターオシレータ110及び増幅器1301〜130nの励起強度を設定するための信号を含んでもよい。

0035

また、遅延回路150は、レーザコントローラ140からマスターオシレータ110へ送信されるトリガ信号を分岐させた信号に遅延を与えて、各光アイソレータ1201〜120nに信号を送信してもよい。即ち、遅延回路150は、マスターオシレータ110から出力されたパルスレーザ光が、光アイソレータ120を通過するタイミングに合わせて光シャッタが開くように、マスターオシレータ110へのトリガ信号を分岐させた信号に対し遅延させて光アイソレータ120に信号を送信してもよい。尚、遅延回路150はレーザコントローラ140内部に設けられてもよい。

0036

3.2 動作
レーザコントローラ140は、マスターオシレータ110と増幅器1301〜130nを所定の励起強度で動作させるための信号を送信してもよい。レーザコントローラ140は、トリガ信号をマスターオシレータ110と遅延回路150に送信してもよい。

0037

マスターオシレータ110はトリガ信号が入力されると、レーザ発振し、パルスレーザ光を出力してもよい。遅延回路150は、トリガ信号に対して遅延されたタイミングで光アイソレータ1201に信号を送信してもよい。この信号によって、マスターオシレータ110から出力されたパルスレーザ光が、光アイソレータ1201に達するタイミングで、光アイソレータ1201における光シャッタが開き、パルスレーザ光が透過した後は閉じるようにしてもよい。

0038

また、光アイソレータ1201を透過したパルスレーザ光は、増幅器1301に入射し、増幅器1301を通過することによって増幅されてもよい。同様にして、増幅器1301から出力された増幅されたパルスレーザ光が、光アイソレータ1202に達するタイミングで、光アイソレータ1202の光シャッタが開き、パルスレーザ光が透過した後は閉じてもよい。そして、このパルスレーザ光は増幅器1302に入射し、増幅器1302を通過することによって、さらに増幅されてもよい。同様に、増幅器130k−1から出力されたパルスレーザ光は、光アイソレータ120kを透過し、増幅器130kに入射し、増幅器130kを通過することによってさらに増幅されてもよい。

0039

3.3 作用
前述したように、光アイソレータ120は、マスターオシレータ110から出力されたパルスレーザ光を通過させるときのみパルスレーザ光を透過させ、このパルスレーザ光が透過しないときは光の透過が抑制されてもよい。これにより、例えば増幅器130のいずれかにおいて生成したASE(amlified spontaneous emission:自然放出)光が、その前後の増幅器1301〜増幅器130nのいずれかまたは複数の増幅器によって増幅されることを抑制することができてもよい。

0040

さらに、プラズマ生成サイト25においてターゲット27にパルスレーザ光を照射する際に、ターゲット27においてパルスレーザ光の一部が反射され戻り光となってレーザ装置3に入射する場合がある。戻り光がレーザ装置に入射するタイミングは、マスターオシレータ110から出力されたパルスレーザ光が全ての光アイソレータ120を透過したタイミングよりも後であってもよい。このタイミングにおいて全ての光アイソレータ120が閉じられるようにしてもよい。このようにして、光アイソレータ120によって、戻り光が増幅器1301〜増幅器130nによって増幅されることを抑制されるようにしてもよい。

0041

4.EOポッケルスセルを用いた光アイソレータ
4.1 EOポッケルスセルを用いた光アイソレータの原理
次に、図3及び図4に基づき、本開示のレーザ装置3に用いられる光アイソレータ120の一例としてEO(Electro Optic)ポッケルスセルを用いた光アイソレータの原理について説明する。

0042

EOポッケルスセルを用いた光アイソレータ120は、パルスレーザ光の光路上に設けられた第1の偏光素子122及び第2の偏光素子123と、パルスレーザ光の光路上であって、第1の偏光素子122と第2の偏光素子123との間に設けられたEOポッケルスセル121を備えてもよい。また、光アイソレータ120は、EOポッケルスセル121に接続される高電圧電源324を備えてもよい。更には、第1の偏光素子122は第2の偏光素子123よりもマスターオシレータ110から出力されるパルスレーザ光の光路の上流側にあってもよい。

0043

EOポッケルスセル121は、電気光学(EO)結晶321と、略直方体形状の電気光学結晶321において対向する2面に各々設けられた第1の電極322及び第2の電極323とを備えていてもよい。第1の電極322は高電圧電源324に接続されていてもよい。尚、第2の電極323は、接地されていてもよい。高電圧電源324は、図4に示されるように、高電圧電源324の制御を行なうよう構成された別途設けられた制御部325等を介して遅延回路150に接続されていてもよい。また、高電圧電源324が、信号によって電圧印加を制御する機能を有する場合は、図2に示されるように、遅延回路150に直接接続されていてもよい。

0044

尚、図3において、実線の矢印は、EOポッケルスセル121に高電圧が印加されている場合に、第1の偏光素子122を介してEOポッケルスセル121に入射するパルスレーザ光を示す。破線の矢印は、EOポッケルスセル121に高電圧が印加されていない場合に、第1の偏光素子122を介してEOポッケルスセル121に入射する増幅器130からの自然放出光を示す。一点鎖線の矢印は、EOポッケルスセル121に高電圧が印加されていない場合に、第2の偏光素子を介してEOポッケルスセル121に入射する増幅器130からの自然放出光又はターゲット等からの戻り光を示す。

0045

EOポッケルスセル121は、第1の電極322と第2の電極323との間に電圧が印加されている状態では、電気光学結晶321内を透過する光の偏光状態を変化させてもよい。即ち、第1の電極322と第2の電極323との間に電圧が印加されない状態では、電気光学結晶321内を透過する光の偏光状態は変化することはないが、電圧が印加された状態では、電気光学結晶321内を透過する光の偏光状態が変化してもよい。

0046

例えば、EOポッケルスセル121は、Y方向の偏光の光を電気光学結晶321に入射させた際に、電気光学結晶321に電圧が印加されていなければY方向の偏光の光のまま出射し、電圧が印加されていればX方向の偏光の光として出射してもよい。同様に、X方向の偏光の光を電気光学結晶321に入射させた際に、電気光学結晶321に電圧が印加されていなければX方向の偏光の光のまま出射し、電圧が印加されていればY方向の偏光の光として出射してもよい。

0047

第1の偏光素子122は、入射光を、入射光に含まれる互いに垂直な2つの偏光成分の光に分離することができるものであればよい。例えば、図3に示すように、第1の偏光素子122は、第1の偏光素子122に入射した光のうち、Y方向の偏光の光を透過し、X方向の偏光の光を反射するように構成および配置された偏光ビームスプリッタでもよい。

0048

また、第2の偏光素子123は、入射光を、入射光に含まれる互いに垂直な2つの偏光成分の光に分離することができるものであればよい。例えば、図3に示すように、第2の偏光素子123は、第2の偏光素子123に入射した光のうち、X方向の偏光の光を透過し、Y方向の偏光の光を反射するように構成および配置された偏光ビームスプリッタでもよい。

0049

次に、EOポッケルスセルを用いた光アイソレータ120の機能について説明する。一例として、光アイソレータ120に、第1の偏光素子122が設けられている側から光を入射させる場合について説明する。

0050

最初に、第1の電極322と第2の電極323との間に電圧が印加されていない場合について説明する。この場合、第1の偏光素子122に入射する光は、Y方向の偏光成分と、X方向の偏光成分とから成っていてよい。第1の偏光素子122に入射光のうち、X方向の偏光成分の光は第1の偏光素子122により反射され、Y方向の偏光成分の光は第1の偏光素子122を透過してもよい。この際、第1の偏光素子122により反射された光の光路上に、反射された光を吸収するために図示しないダンパ等を配置してもよい。

0051

第1の偏光素子122を透過したY方向の偏光の光が、EOポッケルスセル121に入射した場合、第1の電極322と第2の電極323との間に電圧が印加されていないEOポッケルスセル121は、入射した光をY方向の偏光の光のまま出射してもよい。その後、EOポッケルスセル121より出射されたY方向の偏光の光は、第2の偏光素子123に入射してもよい。入射したY方向の偏光の光は、第2の偏光素子123において反射されてもよい。よって、この場合、光アイソレータ120に入射した光は、EOポッケルスセルを用いた光アイソレータを透過しなくてもよい。

0052

次に、第1の電極322と第2の電極323との間に電圧が印加されている場合について説明する。この場合、第1の偏光素子122に入射する光は、Y方向の偏光成分と、X方向の偏光成分から成っていてよい。第1の偏光素子122に入射した光のうち、X方向の偏光成分の光は第1の偏光素子122により反射され、Y方向の偏光成分の光は第1の偏光素子122を透過してもよい。第1の偏光素子122を透過したY方向の偏光の光は、EOポッケルスセル121に入射した場合、第1の電極322と第2の電極323との間に電圧が印加されているEOポッケルスセル121において、X方向の偏光の光に変換されて出射されてもよい。EOポッケルスセル121より出射されたX方向の偏光の光は、第2の偏光素子123に入射し、入射したX方向の偏光の光は、第2の偏光素子123を透過してもよい。第2の偏光素子123を透過したX方向の偏光の光は、次の増幅器130に入射してもよく、また、プラズマ生成サイト25においてターゲット等に照射されてもよい。

0053

また、次の増幅器130に入射、またはプラズマ生成サイト25においてターゲット等に照射された光は、プラズマ生成サイト25におけるターゲット等において反射され戻り光となる場合がある。戻り光は、増幅器130の構成部材にレーザ光が反射して発生してもよい。このように発生した戻り光は、第2の偏光素子123に入射し、第2の偏光素子123において、戻り光のうち、Y方向の偏光成分の光は反射され、X方向の偏光成分の光は透過してもよい。この後、第2の偏光素子123を透過したX方向の偏光の光は、EOポッケルスセル121に入射してもよい。この際、第2の偏光素子123により反射された光の光路上に、反射された光を吸収するために図示しないダンパ等を配置してもよい。

0054

EOポッケルスセル121において、第1の電極322と第2の電極323との間に電圧が印加されていない場合には、入射したX方向の偏光の光は、X方向の偏光を維持したまま出射され、第1の偏光素子122に入射してもよい。第1の偏光素子122に入射したX方向の偏光の光は、第1の偏光素子122において反射されてもよい。このため、戻り光は、光アイソレータ120をマスターオシレータ側に透過することが抑制されてもよい。例えば、光アイソレータ120kを増幅器130k−1と増幅器130kの間に設置することにより、増幅器130kを含む下流の光路で発生した戻り光が増幅器130k−1に入射して増幅されることが抑制されてもよい。

0055

また、第2の偏光素子123を透過したX方向の偏光の光となる戻り光が、EOポッケルスセル121に入射した際、第1の電極322と第2の電極323との間に電圧が印加されている場合には、戻り光はY方向の偏光の光として出射されてもよい。このように、EOポッケルスセル121から出射されたY方向の偏光の光が、第1の偏光素子122に入射した場合、Y方向の偏光の光は第1の偏光素子122を透過し、マスターオシレータ側に戻ってしまう場合がある。従って、第2の偏光素子123を透過してX方向の偏光をもつ戻り光が、EOポッケルスセル121に入射する際には、第1の電極322と第2の電極323との間に電圧が印加されていないことが好ましい。

0056

即ち、マスターオシレータから出力されたパルスレーザ光が第1の偏光素子122を介して入射する際には、EOポッケルスセル121には電圧が印加され、第2の偏光素子123を介して戻り光が入射する際には、EOポッケルスセル121に電圧が印加されなくてよい。図5(a)は、EOポッケルスセル121における第1の電極322と第2の電極323との間に印加される電位差を示す。例えば、図5(a)に示すように、高電圧電源324は、パルス状の電圧を第1の電極322と第2の電極323との間に印加してもよい。図5に示されるように、約30nsのパルス状の電圧を第1の電極322と第2の電極323との間に印加している時間、光アイソレータ120は、光シャッタとして開いている状態であってもよい。図5(b)は、EOポッケルスセル121を透過するパルスレーザ光の強度の時間変化を、図5(a)と同一の時間軸にて示す。このように、パルスレーザ光がEOポッケルスセル121を透過している時間のみパルス状の電圧を印加して光シャッタを開いてもよい。このようなタイミングでパルス状の電圧を印加することで、パルスレーザ光は透過させ、戻り光が光アイソレータ120を透過するのを抑制してもよい。この動作は、戻り光と同様に自然放出光が光アイソレータ120を透過するのを抑制してもよい。

0057

4.2CO2レーザ用EOポッケルスセル光アイソレータ
次に、図6に基づき、本開示のレーザ装置に用いられる光アイソレータ120となるEOポッケルスセル光アイソレータの構成について説明する。図3に示される構成の光アイソレータ120となるEOポッケルスセル光アイソレータは、第1の偏光素子122及び第2の偏光素子123として、透過型の偏光ビームスプリッタを用いた構成であるため、高出力の光が入射した場合に透過型の偏光ビームスプリッタが破壊されてしまう場合がある。従って、図6に示すように、第1の偏光素子122及び第2の偏光素子123として、S偏光の光を反射しP偏光の光を吸収するミラーを用いてもよい。このミラーは、レーザ光の波長を吸収する基板に、S偏光の光を反射しP偏光の光を透過する光学薄膜コーティングされたものでもよい。また、図6では、一例として、増幅器130k−1と増幅器130kとの間に設置される光アイソレータ120kとしてEOポッケルスセル光アイソレータを示すが、光アイソレータ1201〜120k−1、120k+1〜120nについても同様でよい。

0058

図6に示される光アイソレータ120kは、図3に示すものと同様のEOポッケルスセル121及び高電圧電源324と、第1の偏光素子122と、第2の偏光素子123を含んでもよい。EOポッケルスセル121の第1の電極は高電圧電源324に接続されてもよく、第2の電極は接地されてもよいがその図示を省略する。図6に示される第1の偏光素子122は、S偏光の光を反射しP偏光の光を吸収する第1のミラー331及び第2のミラー332を含んでもよい。また、第1のミラー331及び第2のミラー332は、Y方向の偏光の光がS偏光の光として入射するように設置されていてもよい。Y方向の偏光の光は、第1のミラー331及び第2のミラー332においてS偏光の光であるため反射され、X方向の偏光の光は、P偏光の光であるため吸収されてもよい。これにより、第1の偏光素子122からは、Y方向の偏光の光のみが出射されてもよい。尚、第1のミラー331及び第2のミラー332においては、X方向の偏光の光はP偏光の光として吸収されるため発熱する場合がある。従って、第1のミラー331には冷却装置341が接続され、第2のミラー332には冷却装置342が接続されてもよい。これにより、第1のミラー331及び第2のミラー332が過熱しないようにしてもよい。

0059

同様に、図6に示される第2の偏光素子123は、S偏光の光を反射しP偏光の光を吸収する第3のミラー333と第4のミラー334とを含んでもよい。また、第3のミラー333及び第4のミラー334は、X方向の偏光の光がS偏光の光として入射するように設置されていてもよい。これにより、第3のミラー333及び第4のミラー334において、X方向の偏光の光はS偏光の光であるため反射され、Y方向の偏光の光はP偏光の光であるため吸収され、第2の偏光素子123からは、X方向の偏光の光のみが出射されてもよい。尚、第3のミラー333及び第4のミラー334においては、Y方向の偏光の光はP偏光の光として吸収されるため発熱する場合がある。従って、第3のミラー333には冷却装置343が接続され、第4のミラー334には冷却装置344が接続されてもよい。これにより、第3のミラー333及び第4のミラー334が過熱しないようしてもよい。

0060

このように、図6に示される光アイソレータ120kとしてのEOポッケルスセル光アイソレータも図3に示されるものと同様に、増幅器130k等からの戻り光を増幅器130k−1等に入射することを防ぐことができてもよい。

0061

5.スラブ型EOポッケルスセル
5.1 スラブ型EOポッケルスセルの構造とシステム
次に、本開示のレーザ装置に用いられるEOポッケルスセル121の構造について説明する。図7に示されるように、EOポッケルスセル121は、前述したように電気光学結晶321と、電気光学結晶321の対向する2面に各々設けられた第1の電極322及び第2の電極323とを備えていてもよい。第1の電極322は高電圧電源324に接続されていてもよい。尚、第2の電極323は、接地されていてもよい。

0062

また、電気光学結晶321は、レーザ光が入射する面321aが長方形となる板状(スラブ型)の結晶であってもよい。即ち、電気光学結晶321は、レーザ光が入射する面321aがX方向における幅よりもY方向における幅の方が狭くてもよい。
電気光学結晶321は、例えば、GaAs結晶、CdTe結晶であってもよい。板状の電気光学結晶321の両面には、金属材料等により形成された第1の電極322及び第2の電極323を各々設置してもよい。また、第1の電極322及び第2の電極323は、内部において冷却水等が流れる通路が形成されたヒートシンクを兼ねてもよい。

0063

第1の電極322は高電圧電源324の高電圧の出力端子と接続してもよく、第2の電極323は高電圧電源324のグランド端子と接続してもよい。また、高電圧電源324と制御部325等とは信号線を介して接続してもよい。

0064

また、第1の電極322には第1の温度センサ351が設けられていてもよく、第2の電極323には第2の温度センサ352が設けられていてもよい。この際、第1の電極322と第1の温度センサ351との間には、不図示の電気絶縁部材が設けられていてもよく、第2の電極323と第2の温度センサ352との間には、不図示の電気絶縁部材が設けられていてもよい。

0065

第1の温度センサ351は第1の温度コントローラ353と配線等を介して接続されていてもよく、第2の温度センサ352は第2の温度コントローラ354と配線等を介して接続されていてもよい。

0066

また、第1の電極322には、第1の冷却水用チラー355が冷却水配管により接続されていてもよく、第2の電極323には、第2の冷却水用チラー356が冷却水配管により接続されていてもよい。

0067

第1の温度コントローラ353は、第1の冷却水用チラー355と配線等を介して接続されていてもよく、第2の温度コントローラ354は、第2の冷却水用チラー356と配線等を介して接続されていてもよい。

0068

電気光学結晶321は、レーザ光が入射及び出射する面に、レーザ光の反射を防止するため、レーザ光の波長に対応した反射防止(AR:Anti Reflection)膜を形成してもよい。

0069

次に、図7に示されるEOポッケルスセル121の動作について説明する。一例として、図7に示されるEOポッケルスセル121の電気光学結晶321のレーザ光が入射する面321aにX方向の偏光(直線偏光)を主成分とするシート状のパルスレーザ光360が入射する場合について説明する。

0070

パルスレーザ光360が、電気光学結晶321内を透過するタイミングと同期して、第1の電極322と第2の電極323との間に所定の電圧を印加してもよい。これにより、パルスレーザ光360は、電気光学結晶321からY方向の偏光の光として出射されてもよい。また、高電圧電源324は、制御部325等からの信号による制御に基づき、第1の電極322と第2の電極323との間に所定の電圧を印加してもよい。尚、パルスレーザ光360が、電気光学結晶321内を透過した後は、制御部325等からの信号に基づき、高電圧電源324を介し、第1の電極322と第2の電極323との間における電位差が0となるように制御してもよい。

0071

また、第1の温度コントローラ353により第1の温度センサ351において検出される温度と、第2の温度コントローラ354により第2の温度センサ352において検出される温度が、ともに略同一の所定の温度となるように制御してもよい。このように、図7に示されるEOポッケルスセル121においては、第1の電極322及び第2の電極323を略一定温度に制御することによって、板状(スラブ型)の電気光学結晶321内において発生した熱を排熱することができてもよい。これにより、電気光学結晶321内の各部における温度差を低下させることができ、電気光学結晶321より出射されるシート状のレーザ光において、温度差に起因して生じる波面の歪を抑制することができてもよい。

0072

5.2電気光学(EO)結晶の物性値
次に、本開示のレーザ装置に用いられるEOポッケルスセル121における電気光学結晶321につて説明する。CO2レーザ光用の電気光学結晶としては、たとえば、GaAs結晶やCdTe結晶等の結晶を使用してもよい。表1には、GaAs結晶とCdTe結晶の各種物性値を示す。尚、GaAs結晶は、比較的大きな結晶を製作することが可能である。

0073

表1に基づくならば、GaAs結晶の熱伝導率は48W/(mK)であり、CdTe結晶の熱伝導率の6.2W/(mK)に比べて、約8倍高い。よって、電気光学結晶321として、CdTe結晶よりもGaAs結晶を用いた場合の方が、電気光学結晶321内の各部における温度差を低下させることができ、これにより、レーザ光が透過した際に受ける波面の歪みを小さくすることができる。また、GaAs結晶の破壊係数は137.9Mpaであり、CdTe結晶の破壊係数の22Mpaに比べて、約6倍大きい。よって、電気光学結晶321として、CdTe結晶よりもGaAs結晶を用いた場合の方が、入射するレーザ光のパワーが高い場合において、光照射による破壊を抑制することができる。

0074

一方、CdTe結晶の吸収係数は0.2(1/m)であり、GaAs結晶の吸収係数の1(1/m)に比べて、約1/5である。よって、電気光学結晶321としてGaAs結晶よりもCdTe結晶を用いた場合の方が、電気光学結晶321内を通過するレーザ光の光損失を少なくすることができる。また、CdTe結晶においてλ/2位相をずらす電圧は53(kVm/m)であり、GaAs結晶においてλ/2位相をずらす電圧の100(kVm/m)に比べて、約1/2である。よって、電気光学結晶321としてGaAs結晶よりもCdTe結晶を用いた場合の方が、電気光学結晶321内を通過するレーザ光の偏光方向を低電圧で変えることができ、消費電力を低くすることができる。

0075

上より、電気光学結晶321としては、入射するレーザ光のパワーが高い場合には、破壊係数が高く、熱伝導率が高い、GaAs結晶が好ましく、これ以外の場合には、吸収係数が低くλ/2位相ずらす電圧が低い、CdTe結晶が好ましい。

0076

本開示のレーザ装置では、図2に示されるように、複数の光アイソレータ1201〜120nのうちの一部は、GaAs結晶により形成されているものであってもよく、残りはCdTe結晶により形成されているものであってもよい。例えば、光アイソレータ1201〜120m−1は、電気光学結晶321がCdTe結晶により形成されているものであってもよく、光アイソレータ120m〜120nは、電気光学結晶321がGaAs結晶により形成されているものであってもよい。尚、mは自然数であって、1<m<nであるものとする。

0077

また、光アイソレータ1201〜120nのうち、マスターオシレータ110から出射されたパルスレーザ光が最初に入射する光アイソレータ1201は、電気光学結晶321がCdTe結晶により形成されているものであってもよい。また、プラズマ生成サイト25に照射されるパルスレーザ光が最後に出射される光アイソレータ120nは、電気光学結晶321がGaAs結晶により形成されているものであってもよい。即ち、マスターオシレータ110から出射されるパルスレーザ光の進行方向の最上流側の光アイソレータ1201は、電気光学結晶321がCdTe結晶により形成されていてもよい。また、マスターオシレータ110から出射されるパルスレーザ光の進行方向の最下流側の光アイソレータ120nは、電気光学結晶321がGaAs結晶により形成されていてもよい。尚、本願においては、GaAs結晶を電気光学結晶として用いた光アイソレータを第1の光アイソレータと、CdTe結晶を電気光学結晶として用いた光アイソレータを第2の光アイソレータと記載する場合がある。

0078

5.3スラブ型EOポッケルスセルの性能
次に、スラブ型EOポッケルスセルの性能について説明する。発明者らはGaAs結晶とCdTe結晶の場合において、熱シミュレーションを行い、各結晶を透過したレーザ光の波面の歪みを算出した。この熱シミュレーションにおける電気光学(EO)結晶サイズ、レーザ光の入力エネルギ、レーザ光のビーム幅(1/e2)の条件を表2に示す。

0079

この熱シミュレーションにおけるモデルは、図8に示されるように、結晶サイズが100mm×2mm×50mmの電気光学結晶321である。また、入射するシート状のレーザ光360の入力エネルギは2kWであり、シート状のレーザ光360のビーム幅(1/e2)はX方向が60mm、Y方向が1mmである。尚、GaAs結晶及びCdTe結晶における光が入射する面には反射防止膜361が、光が出射する面には反射防止膜362が形成されているものとする。

0080

熱シミュレーションの結果を表3に示す。

0081

表3に示されるように、透過率は、GaAs結晶が94.8%であり、CdTe結晶が98.7%であり、GaAs結晶よりもCdTe結晶の方が高い。しかしながら、GaAs結晶もEOポッケルスセル121において十分使用することのできるレベルにある。

0082

また、λ/2位相ずらすのに必要な電圧は、GaAs結晶が4kVであり、CdTe結晶が2.1kVであり、GaAs結晶はCdTe結晶の約2倍高い値である。しかしながら、GaAs結晶についても、印加する電圧がこの程度であれば、問題なく使用することができる。

0083

また、出力レーザ光のM2の値は、GaAs結晶は、X方向が1.40、Y方向が1.03であるのに対し、CdTe結晶は、X方向が1.52、Y方向が1.04である。従って、GaAs結晶における出力レーザ光のM2の値は、CdTe結晶における出力レーザ光のM2の値と略同等か小さい。よって、GaAs結晶の方が、CdTe結晶に比べて、透過するレーザ光のビーム品位の劣化が少ないが、CdTe結晶も十分使用することができるレベルにある。尚、この結果は、入射するレーザ光のM2=1としてシミュレーションを行なったものである。

0084

熱レンズによる焦点距離は、GaAs結晶は、X方向が207m、Y方向が153mであるのに対し、CdTe結晶は、X方向が173m、Y方向が129mであり、GaAs結晶の方がCdTe結晶と比べて熱レンズによる焦点距離が長い。よって、GaAs結晶の方が、CdTe結晶よりも熱レンズにおける影響を小さくすることができるが、CdTe結晶も十分使用することができるレベルにある。

0085

また、最大温度上昇は、GaAs結晶は0.46℃であるのに対し、CdTe結晶は、X方向が0.76℃であり、GaAs結晶の方がCdTe結晶と比べて最大温度上昇が低いため、熱の影響が少ないが、CdTe結晶も十分使用することができるレベルにある。

0086

5.4スラブ型EOポッケルスセルの他の実施形態
次に、スラブ型EOポッケルスセルの他の実施形態について説明する。

0087

(他の実施形態1)
最初に、図9に基づきEOポッケルスセル121であるスラブ型EOポッケルスセルの他の実施形態1の構造について説明する。図9に示されるEOポッケルスセル121は、前述したように電気光学結晶321と、電気光学結晶321の対向する2面に各々設けられた第1の電極322及び第2の電極323とを備えていてもよい。第1の電極322は高電圧電源324に接続されていてもよい。尚、第2の電極323は、接地されていてもよい。第1の電極322には、電気絶縁部材371及び冷却部となるヒートシンク372が設けられているものであってもよく、第2の電極323には、電気絶縁部材373及び冷却部となるヒートシンク374が設けられているものであってもよい。

0088

また、電気光学結晶321は、レーザ光が入射する面が長方形となる板状(スラブ型)の結晶であってもよい。電気光学結晶321は、たとえば、GaAs結晶、CdTe結晶であってもよい。また、電気光学結晶321の対向する2面に各々設けられた第1の電極322及び第2の電極323は、電気光学結晶321の対向する2面に金属材料を蒸着することにより形成してもよく、電気光学結晶321の対向する2面に板状の金属部材を貼り付けたものであってもよい。

0089

また、第1の電極322において電気光学結晶321に接しない面には、電気絶縁部材371を設置してもよく、第2の電極323において電気光学結晶321に接しない面には、電気絶縁部材373を設置してもよい。電気絶縁部材371および電気絶縁部材373は、電気光学結晶321よりも熱伝導率が高い材料で構成されていることが好ましい。例えば、電気絶縁部材371及び373は、ダイヤモンド基板であってもよく、蒸着により成膜したダイヤモンド膜等であってもよい。また、電気絶縁部材371及び373は、例えば、AlN(窒化アルミニウム)、Al2O3(酸化アルミニウム)等の電気絶縁性が高く、熱伝導率が高いセラミック材料により形成されたものであってもよい。即ち、電気絶縁部材371及び373としては、GaAs、CdTe等の電気光学結晶321の熱伝導率よりも高いダイヤモンド(熱伝導率2000W/(mK))やAlN(熱伝導率200W/(mW))等の基板を使用してもよい。また、電気絶縁部材371及び373としては、第1の電極322及び第2の電極323の表面にダイヤモンド膜等をコーティングしたものであってもよい。

0090

また、電気絶縁部材371の表面上には、ヒートシンク372が設置されていてもよく、電気絶縁部材373の表面上には、ヒートシンク374が設置されていてもよい。また、ヒートシンク372及び374は、熱伝導率の高いAlやCu等の金属材料を含むものにより形成されているものであってもよい。尚、ヒートシンク372およびヒートシンク374には、ヒートシンク372およびヒートシンク374の内部を冷却水等が流れる通路が形成されていてもよい。

0091

第1の電極322は高電圧電源324の高電圧の出力端子と接続してもよく、第2の電極323は高電圧電源324のグランド端子と接続してもよい。高電圧電源324と制御部325等とは信号線を介して接続してもよい。

0092

電気絶縁部材371には第1の温度センサ351が設けられていてもよく、電気絶縁部材373には第2の温度センサ352が設けられていてもよい。

0093

第1の温度センサ351は第1の温度コントローラ353と配線等を介して接続されていてもよく、第2の温度センサ352は第2の温度コントローラ354と配線等を介して接続されていてもよい。

0094

また、ヒートシンク372には、第1の冷却水用チラー355が冷却水配管により接続されていてもよく、ヒートシンク374には、第2の冷却水用チラー356が冷却水配管により接続されているものであってもよい。

0095

また、第1の温度コントローラ353は、第1の冷却水用チラー355と配線等を介して接続されているものであってもよく、第2の温度コントローラ354は、第2の冷却水用チラー356と配線等を介して接続されているものであってもよい。

0096

EOポッケルスセル121において、電気光学結晶321のレーザ光が入射する面及び出射する面には、レーザ光の反射を防止するため、レーザ光の波長に対応した不図示の反射防止膜を形成してもよい。

0097

次に、図9に示されるEOポッケルスセル121の動作について説明する。一例として、図9に示されるEOポッケルスセル121の電気光学結晶321にレーザ光が入射する面にX方向の偏光(直線偏光)を主成分とするシート状のパルスレーザ光360が入射する場合について説明する。

0098

パルスレーザ光360が、電気光学結晶321内を透過するタイミングと同期して、第1の電極322と第2の電極323との間に所定の電圧を印加してもよい。これにより、パルスレーザ光360は、電気光学結晶321からY方向の偏光の光として出射されてもよい。また、高電圧電源324は、制御部325等からの信号による制御に基づき、第1の電極322と第2の電極323との間に所定の電圧を印加してもよい。尚、パルスレーザ光360が、電気光学結晶321内を透過した後は、制御部325等からの信号に基づき、高電圧電源324を介し、第1の電極322と第2の電極323との間における電位差が0となるように制御してもよい。

0099

また、第1の温度コントローラ353により第1の温度センサ351において検出される温度と、第2の温度コントローラ354により第2の温度センサ352において検出される温度が、ともに略同一の所定の温度となるように制御してもよい。例えば、第1の温度センサ351において検出される温度が所定の温度となるように、第1の温度コントローラ353による制御により、第1の冷却水用チラー355によってヒートシンク372を温度調節してもよい。また、第2の温度センサ352において検出される温度が所定の温度となるように、第2の温度コントローラ354による制御により、第2の冷却水用チラー356によってヒートシンク374を温度調節してもよい。

0100

このように、図9に示されるEOポッケルスセル121においては、第1の電極322及び第2の電極323等を略一定温度に制御することによって、板状(スラブ型)の電気光学結晶321内において発生した熱を排熱することができてもよい。これにより、電気光学結晶321内の各部における温度差を低下させることができ、電気光学結晶321より出射されるシート状のレーザ光において、温度差に起因して生じる波面の歪を抑制することができてもよい。

0101

尚、図9に示されるEOポッケルスセル121のように、電気絶縁部材371及び373により、ヒートシンク372及び374、温度センサ351及び352と、電極322および電極323とがそれぞれ電気的に絶縁されてもよい。

0102

(他の実施形態2)
次に、図10に基づきEOポッケルスセル121としてスラブ型EOポッケルスセルの他の実施形態2の構造について説明する。図10に示されるEOポッケルスセル121は、電気光学結晶321と、電気光学結晶321の対向する2面に各々設けられた第1の電極322及び第2の電極323とを備えていてもよい。第1の電極322は高電圧電源324に接続されていてもよい。尚、第2の電極323は、接地されていてもよい。また、第1の電極322には、電気絶縁部材371及びヒートシンク372が設けられているが、第2の電極323の上には、絶縁部材及びヒートシンクが設けられていなくてもよい。尚、図10に示されるEOポッケルスセル121における第2の電極323は、温度を制御することが可能なように構成されたヒートシンクを備えてもよい。

0103

(他の実施形態3)
次に、図11に基づきEOポッケルスセル121としてスラブ型EOポッケルスセルの他の実施形態3の構造について説明する。図11に示すように、EOポッケルスセル121は、電気光学結晶321と第1の電極322との間にダイヤモンドコート部381が設けられており、電気光学結晶321と第2の電極323との間にダイヤモンドコート部382が設けられていてもよい。例えば、板状の電気光学結晶321において、第1の電極322及び第2の電極323が設けられる各面に施されたダイヤモンドコートにより、ダイヤモンドコート部381及び382を形成してもよい。また、第1の電極322とダイヤモンドコート部381とを接触させてもよく、第2の電極323とダイヤモンドコート部382とを接触させてもよい。

0104

また、第1の電極322及び第2の電極323は、ヒートシンクを含むものにより形成されており、温度調節することができてもよい。

0105

このように電気光学結晶321と第1の電極322との間にダイヤモンドコート部381を設け、電気光学結晶321と第2の電極323との間にダイヤモンドコート部382を設けることにより、電気光学結晶321内に発生する温度差を低下させてもよい。

0106

6.スラブ型EOポッケルスセル光アイソレータとスラブ型増幅器
次に、スラブ型EOポッケルスセルを用いた光アイソレータ120とスラブ型の増幅器130について、図12に基づき説明する。図12は、本開示のレーザ装置3において、増幅器130と光アイソレータ120が配置されている状態を示す斜視図である。

0107

増幅器130は、不図示のチャンバ、一対の平板電極422及び423、高周波(RF)電源424、入射ウィンドウ433、出射ウィンドウ436、折り返しミラー437及び438を備えている。

0108

増幅器130は、一対の平板電極422及び423が、増幅器130の不図示のチャンバ内に封入されたレーザ媒体を挟むように配置されていてもよい。高周波電源424により、高周波電圧が平板電極422及び423に印加されると、平板電極422及び423の間で高周波電界が生じ、レーザ媒体中において高周波放電が発生してもよい。これにより、レーザ媒体が励起されてもよい。この状態において、入射ウィンドウ433を介して増幅器130のチャンバ内に入射したレーザ光は、折り返しミラー437及び438において反射されながら励起されたレーザ媒体を通過することで増幅されてもよい。このように、増幅器130のチャンバ内で増幅されたレーザ光は、出射ウィンドウ436を介して増幅器130のチャンバの外に出射光として出射された後、光アイソレータ120に入射してもよい。

0109

尚、折り返しミラー437及び438は、増幅器130入射側の所定位置におけるレーザ光の像が増幅器130出射側の別の所定位置に転写結像されるように、共役な光学システムとして構成されていてもよい。この場合の所定位置とは、設計によって任意に決めることが出来る光路上の位置であってよい。また、入射光および出射光は、シート状のレーザ光であってもよい。

0110

また、シート状のレーザ光は、電極422及び423に平行な方向(X方向)におけるビーム幅よりも、電極422及び423に垂直な方向(Y方向)におけるビーム幅が狭くてもよい。即ち、シート状のレーザ光におけるビーム断面長手方向が、電極422及び423に平行であってもよい。

0111

また、増幅器130間には、光アイソレータ120が配置されるものであってもよい。この光アイソレータ120は、前述したように、EOポッケルスセル121、第1の偏光素子122、第2の偏光素子123を含むものであってもよい。また、シート状のレーザ光のビーム断面の長手方向と、EOポッケルスセル121にレーザ光が入射する面の断面長手方向が略一致するように、シート状のレーザ光をEOポッケルスセル121に入射させてもよい。

0112

このようにして、スラブ増幅器である増幅器130の入射側や出射側の光路上に、入射光または出射光となるシート状のレーザ光のビーム形状に対応して、光アイソレータ120を設置してよい。この結果、スラブ増幅器のビーム形状をシート状に変換する光学システム等を省くことができてもよい。これにより、光学素子の数を減らし、アライメント調節を容易に行なうことができてもよい。

0113

図13は、増幅器130kの前後に、光アイソレータ120k及び120k+1が配置されている状態を示すものであり、図13(a)は、YZ面における構造図、図13(b)はXZ面における構造図を示す。尚、図13における説明においては、増幅器130kは増幅器1301〜130nを代表するものとして、光アイソレータ120kまたは120k+1は光アイソレータ1201〜120nを代表するものとして説明する。

0114

光アイソレータ120kには、Y方向に直線偏光しているレーザ光が入射し、光アイソレータ120kにおける第1の偏光素子122を透過してもよい。また、不図示の高電圧電源によって、光アイソレータ120kのEOポッケルスセル121の電極間に、所定の電位差の電圧を印加することにより、EOポッケルスセル121に入射したレーザ光の偏光方向はY方向からX方向に変換されて出射されてもよい。

0115

X方向に直線偏光しているレーザ光は、光アイソレータ120kにおける第2の偏光素子123を透過し、増幅器130kの入射ウィンドウ433より増幅器130kに入射してもよい。入射ウィンドウ433より入射したレーザ光は、増幅器130kにおける電極422と電極423との間に形成された放電領域を、2つの折り返しミラー437及び438により反射されて複数回通過することで増幅され、出射ウィンドウ436より出射してもよい。

0116

このように出射ウィンドウ436より出射されたX方向に直線偏光しているレーザ光は、光アイソレータ120k+1に入射し、光アイソレータ120k+1における第1の偏光素子122を透過してもよい。また、不図示の高電圧電源によって、光アイソレータ120k+1のEOポッケルスセル121の電極間に、所定の電位差となる電圧を印加することにより、EOポッケルスセル121に入射したレーザ光の偏光方向はX方向からY方向に変換されて出射されてもよい。

0117

Y方向に直線偏光しているレーザ光は、光アイソレータ120k+1における第2の偏光素子123を透過して、次に設置された増幅器に入射してもよい。

0118

尚、光アイソレータ120k及び光アイソレータ120k+1における第1の偏光素子122及び第2の偏光素子123は、CO2レーザ光を透過する基板の表面に、P偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する膜が成膜されていてもよい。この際用いられる基板としては、ダイヤモンド基板が好ましい。

0119

尚、上述した本開示のレーザ装置は、図1に示される極端紫外光生成装置に用いることができる。

0120

上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。

0121

本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書、及び添付の特許請求の範囲に記載される不定詞「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。

0122

1LPP式EUV光生成装置
2チャンバ
3レーザ装置
4ターゲット撮像装置
5EUV光生成制御システム
6露光装置
21ウィンドウ
22レーザ光集光ミラー
23EUV光集光ミラー
24貫通孔
25プラズマ生成サイト
252EUV光
26ドロップレット生成器
27 ターゲット
28 ターゲット回収部
29連通管
291 壁
292中間焦点(IF)
31〜33パルスレーザ光
34 レーザ光進行方向制御アクチュエータ
110マスターオシレータ
120、1201〜120n光アイソレータ
121 EOポッケルスセル
122 第1の偏光素子
123 第2の偏光素子
130、1301〜130n増幅器
140コントローラ
150遅延回路
160レーザ集光光学系
321電気光学(EO)結晶
322 第1の電極
323 第2の電極
324高電圧電源
325 制御部
331 第1のミラー
332 第2のミラー
333 第3のミラー
334 第4のミラー
341〜344冷却装置
351 第1の温度センサ
352 第2の温度センサ
353 第1の温度コントローラ
354 第2の温度コントローラ
355 第1の冷却水用チラー
356 第2の冷却水用チラー
361、362反射防止膜
371、373電気絶縁部材
372、374ヒートシンク
381、382ダイヤモンドコート部
422、423平板電極
424高周波電源
433入射ウィンドウ
434出射ウィンドウ
437、438 折り返しミラー

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