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技術 電池システム

出願人 株式会社日立製作所日立オートモティブシステムズ株式会社
発明者 工藤彰彦芝原剛介菊地睦重田哲
出願日 2013年7月1日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2013-138093
公開日 2013年10月31日 (6年1ヶ月経過) 公開番号 2013-226042
状態 特許登録済
技術分野 電池等の充放電回路 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 補正用抵抗 ノイズ侵入 入力ライン間 バイパス端子 ESD対策用 静電気印加 上位制御回路 IC制御回路
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (16)

課題

信頼性のより高い電池ステムを提供することができる電池システムの提供。

解決手段

電池システムは、バッテリ部と、バッテリ部の各電池セル電圧を検出するための複数のセンシング線と、セルグループ毎に設けられ、セルグループの各電池セルの電圧を検出するセンシング線が接続される集積回路と、入力端子と集積回路に設けられたバイパス端子との間を接続し、バイパス抵抗が設けられたバイパスラインと、集積回路内においてバイパス端子と接続端子との間に設けられ、バイパスラインを介して放電電流を流して電池セル間充電量ばらつきを調整するバランシングスイッチと、入力端子と接続端子との間の入力ラインに設けられた抵抗とを備え、入力ラインの抵抗よりも入力端子側ラインとバイパスラインとの間に、ノイズ除去用キャパシタを接続したものである。

概要

背景

従来の電池ステムでは、複数の電池セル直列接続した電池グループを複数接続して1つの電池モジュールを構成し、電池グループ毎に電池セルの状態を監視する下位制御装置を設けている。そのような電池システムにおいて、電池セルの過充電過放電診断を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、電池セル間充電量の違いを少なくするために設けられたバランス回路に関して、その動作状態を診断する機能も備えている。

概要

信頼性のより高い電池システムを提供することができる電池システムの提供。電池システムは、バッテリ部と、バッテリ部の各電池セル電圧を検出するための複数のセンシング線と、セルグループ毎に設けられ、セルグループの各電池セルの電圧を検出するセンシング線が接続される集積回路と、入力端子と集積回路に設けられたバイパス端子との間を接続し、バイパス抵抗が設けられたバイパスラインと、集積回路内においてバイパス端子と接続端子との間に設けられ、バイパスラインを介して放電電流を流して電池セル間の充電量ばらつきを調整するバランシングスイッチと、入力端子と接続端子との間の入力ラインに設けられた抵抗とを備え、入力ラインの抵抗よりも入力端子側ラインとバイパスラインとの間に、ノイズ除去用キャパシタを接続したものである。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

複数の電池セル電気的に直列に接続されたセルグループを複数、電気的に直列に接続してなるバッテリ部と、前記バッテリ部の各電池セル電圧を検出するための複数のセンシング線と、前記セルグループ毎に設けられ、前記セルグループの各電池セルの電圧を検出する前記センシング線が接続される集積回路と、前記入端子と前記集積回路に設けられたバイパス端子との間を接続し、バイパス抵抗が設けられたバイパスラインと、前記集積回路内において前記バイパス端子と前記接続端子との間に設けられ、前記バイパスラインを介して放電電流を流して前記電池セル間充電量ばらつきを調整するバランシングスイッチと、前記入力端子と前記接続端子との間の入力ラインに設けられた抵抗とを備え、前記入力ラインの前記抵抗よりも入力端子側のラインと前記バイパスラインとの間に、ノイズ除去用キャパシタを接続したことを特徴とする電池ステム

請求項2

請求項1に記載の電池システムにおいて、バイパス抵抗を2つの抵抗に2分割し、2分割された一方の抵抗を、前記バイパスラインにおける前記ノイズ除去用キャパシタの接続点の前記入力端子側に設け、2分割された他方の抵抗を前記接続点の前記バイパス端子側のバイパスラインに設けたことを特徴とする電池システム。

技術分野

0001

本発明は、二次電池用電池ステムに関する。

背景技術

0002

従来の電池システムでは、複数の電池セル直列接続した電池グループを複数接続して1つの電池モジュールを構成し、電池グループ毎に電池セルの状態を監視する下位制御装置を設けている。そのような電池システムにおいて、電池セルの過充電過放電診断を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、電池セル間充電量の違いを少なくするために設けられたバランス回路に関して、その動作状態を診断する機能も備えている。

先行技術

0003

特開2005−318751号公報

発明が解決しようとする課題

0004

このように、電池システムにおいては、バランス回路による充電量の調整や、過充電や過放電の診断を行って電池セルの状態を監視する必要があるが、さらに、電池セルの状態だけでなく、計測系信頼性を高めるなどして電池システム全体の信頼性を向上させる必要がある。本発明の課題は、信頼性のより高い電池システムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

本発明に係る電池システムは、複数の電池セルが電気的に直列に接続されたセルグループを複数、電気的に直列に接続してなるバッテリ部と、バッテリ部の各電池セル電圧を検出するための複数のセンシング線と、セルグループ毎に設けられ、セルグループの各電池セルの電圧を検出するセンシング線が接続される集積回路と、入力端子と集積回路に設けられたバイパス端子との間を接続し、バイパス抵抗が設けられたバイパスラインと、集積回路内においてバイパス端子と接続端子との間に設けられ、バイパスラインを介して放電電流を流して電池セル間の充電量ばらつきを調整するバランシングスイッチと、入力端子と接続端子との間の入力ラインに設けられた抵抗とを備え、入力ラインの抵抗よりも入力端子側ラインとバイパスラインとの間に、ノイズ除去用キャパシタを接続したことを特徴とする。
また、バイパス抵抗を2つの抵抗に2分割し、2分割された一方の抵抗を、バイパスラインにおけるノイズ除去用キャパシタの接続点の入力端子側に設け、2分割された他方の抵抗を接続点のバイパス端子側のバイパスラインに設けるようにしても良い。

発明の効果

0006

本発明によれば、信頼性のより高い電池システムを提供することができる。

図面の簡単な説明

0007

第1の実施の形態を説明する図である。
車両用回転電機の駆動システムを示す図である。
第2の実施の形態を説明する図である。
第2の実施の形態を対策する前の問題点を説明する図である。
第2の実施の形態における対策を説明する図である。
第3の実施の形態を説明する回路図である。
断線していない正常動作時の各部の電圧と、断線時の各部の電圧とに関するシミュレーション結果を示す図である。
図6に示した対策回路の変形例を示す図である。
セル暗電流のシミュレーション結果を示す図である。
第4の実施の形態を説明する回路図である。
フューズパターンPの溶断時における電流値と溶断までの経過時間との関係の、一例を示す図である。
第5の実施の形態を説明する図であり、(b)は本実施の形態の対策を施した場合の構成を示し、(a)は対策前の構成を示す。
第5の実施の形態の効果を説明する図であり、(a)は比較対象の回路を示す図であり、(b)はバランシングスイッチをオンからオフとしたときの端子CV電圧波形を示す図である。
第6の実施の形態の対策をする前の、不具合を説明する図である。
第6の実施の形態における回路を説明する図である。

実施例

0008

以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、本実施の形態の電池システムの要部を示す図である。図2は、本実施の形態の電池システムを車両に搭載した場合の、車両用回転電機の駆動システムを示す図である。ここで車両としては自動車が最適であるが、電車に適用しても良好な結果が得られる。産業用機械にも適用可能であるが、車両への適用例を代表例として用い、以下説明する。

0009

第1の実施の形態では、電池システムの信頼性向上対策の一つとして、ESD(electro-static discharge:静電放電)対策について説明する。まず、図2に示す車両用回転電機の駆動システムについて説明する。図2に示す駆動システムは、電池システムを含む電池ユニット900、電池ユニット900からの直流電力3相交流電力に変換するインバータ装置220、車両駆動用モータ230、電池ユニット900およびインバータ装置220を制御する上位コントローラ110を備えている。モータ230は、インバータ装置220からの3相交流電力により駆動される。

0010

電池ユニット900は、2つ電池モジュール9A,9Bとセルコントローラ80とバッテリコントローラ20とを有している。電池モジュール9Aと電池モジュール9Bとは、スイッチとヒューズとが直列接続された保守点検用のサービスディスコネクトとして機能する開閉器6を介して直列接続される。この開閉器6が開くことで電気回路の直接回路が遮断され、仮に電池モジュール9A,9Bのどこかで車両との間に1箇所接続回路ができたとしても電流が流れない。このような構成により高い安全性を維持できる。

0011

電池モジュール9Aは、複数の電池セルが直列に接続されたバッテリセルグループを複数接続して構成されている。電池モジュール9Bも同様に構成される。電池モジュール9Aの正極は、正極強電ケーブル81およびリレーLPを介してインバータ装置220の正極に接続されている。電池モジュール9Bの負極は、負極強電ケーブル82およびリレーRLNを介してインバータ装置220の負極に接続されている。また、抵抗RPREとプリチャージリレーRLPREとの直列回路が、リレーRLPと並列に接続されている。リレーRLPとインバータ装置220との間には、ホール素子等の電流センサSiが挿入されている。電流センサSiはジャンクションボックス内に内蔵され、その出力線はバッ
リコントローラ20に導かれている。

0012

例えば、リレーRLPやリレーRLNには定格電流が80A程度のものが使用され、プリチャージリレーRLPREには定格電流が10A程度のものを用いることができる。また、抵抗RPREには、例えば、定格容量が60W、抵抗値が50Ω程度のものを、電流センサSiには、例えば、定格電流が±200A程度のものを用いることができる。上述した負極強電ケーブル82および正極強電ケーブル81は、リレーRLPやリレーRLNおよび出力端子810,820を介して、モータ230を駆動するインバータ装置220に接続される。このような構成とすることで高い安全性が維持できる。

0013

インバータ装置220は、パワーモジュール226と、MCU222と、パワーモジュール226を駆動するためのドライバ回路224と、約700μF〜約2000μF程度の大容量の平滑キャパシタ228とを有している。パワーモジュール226は、電池モジュール9A,9Bから供給される直流電力を、モータ230を駆動するための3相交流電力に変換する。

0014

平滑キャパシタ228は、電解キャパシタよりフィルムキャパシタの方が望ましい特性を得ることができる。車両に搭載される平滑キャパシタ228は車両の置かれている環境の影響を受け、摂氏マイナス数十度の低温から摂氏100度程度の広い温度範囲で使用される。温度が零度以下に低下すると電解キャパシタは急激に特性が低下し電圧ノイズを除去する能力が低下する。このため、セルコントローラ80に設けられた集積回路に大きなノイズが加わるおそれがある。フィルムキャパシタは温度低下に対する特性低下が少なく、集積回路に加わる電圧ノイズを低減できる。

0015

MCU222は、上位コントローラ110からの命令に従い、モータ230の駆動開始時に、負極側のリレーRLNを開状態から閉状態とした後に、プリチャージリレーRLPREを開状態から閉状態とし、平滑キャパシタ228を充電し、その後に正極側のリレーRLPを開状態から閉状態として、電池ユニット900の電池モジュール9A,9Bからインバータ装置220への電力の供給を開始する。

0016

なお、インバータ装置220は、モータ230の回転子に対するパワーモジュール226により発生する交流電力の位相を制御して、ハイブリッド車制動時にはモータ230をジェネレータとして動作させ、すなわち回生制動制御を行い、ジェネレータ運転により発電された電力を電池モジュール9A,9Bに回生して電池モジュール9A,9Bを充電する。電池モジュール9A,9Bの充電状態基準状態より低下した場合には、インバータ装置220はモータ230を発電機として運転する。モータ230で発電された3相交流電力は、パワーモジュール226により直流電力に変換されて電池モジュール9A,9Bに供給される。その結果、電池モジュール9A,9Bは充電される。

0017

モータ230を力行運転する場合、MCU222は上位コントローラ110の命令に従い、モータ230の回転子の回転に対して進み方向の回転磁界を発生するようにドライバ回路224を制御し、パワーモジュール226のスイッチング動作を制御する。この場合は、電池モジュール9A,9Bから直流電力がパワーモジュール226に供給される。一方、回生制動制御により電池モジュール9A,9Bを充電する場合には、MCU222は、モータ230の回転子の回転に対して遅れ方向の回転磁界を発生するようにドライバ回路224を制御し、パワーモジュール226のスイッチング動作を制御する。この場合はモータ230から電力がパワーモジュール226に供給され、パワーモジュール226の直流電力が電池モジュール9A,9Bへ供給される。結果的にモータ230は発電機として作用することとなる。

0018

インバータ装置220のパワーモジュール226は、導通および遮断動作高速で行い直流電力と交流電力間の電力変換を行う。このとき、大電流を高速で遮断するので、直流回路の有するインダクタンスにより大きな電圧変動が発生する。この電圧変動を抑制するため、大容量の平滑キャパシタ228が直流回路に設けられている。車載用のインバータ装置220ではパワーモジュール226の発熱が大きな問題であり、この発熱を抑えるにはパワーモジュール226の導通および遮断の動作速度を上げる必要がある。この動作速度を上げると、上述したようにインダクタンスによる電圧の跳ね上がりが増大し、より大きなノイズが発生する。このため平滑キャパシタ228の容量はより大きくなる傾向にある。

0019

インバータ装置220の動作開始状態では平滑キャパシタ228の電荷は略ゼロであり、リレーRLPを閉じると大きな初期電流が平滑キャパシタ228へ流れ込む。そして、この大電流のために負極側メインリレーRLNおよび正極側メインリレーRLPが融着して破損するおそれがある。この問題を解決するため、MCU222は、負極側のリレーRLNを開状態から閉状態とした後に、正極側のリレーRLPを開状態に維持したまま、プリチャージリレーRLPREを開状態から閉状態として抵抗RPREを介して最大電流を制限しながら上述した平滑キャパシタ228を充電する。

0020

この平滑キャパシタ228が所定の電圧まで充電された後は、初期状態解除される。すなわち、プリチャージリレーRLPREおよび抵抗RPREを介する平滑キャパシタ228への初期充電中止され、上述したように、負極側のリレーRLNと正極側のリレーRLPを閉状態として電池ユニット900からパワーモジュール226へ直流電力を供給する。このような制御を行うことで、リレー回路を保護すると共に、リチウム電池セルやインバータ装置220を流れる最大電流を所定値以下に低減でき、高い安全性を維持できる。

0021

インバータ装置220の直流側回路のインダクタンスを低減することがノイズ電圧の抑制に繋がるので、平滑キャパシタ228はパワーモジュール226の直流側端子に接近して配置される。また、平滑キャパシタ228自身もインダクタンスを低減できるように構成されている。このような構成で平滑キャパシタ228の初期充電電流が供給されると、瞬間的に大きな電流が流れ込み、高熱を発生して損傷するおそれがある。しかし、上記プリチャージリレーRLPREと抵抗RPREとにより充電電流を制限することにより、上記損傷を低減できる。インバータ装置220の制御はMCU222により行われるが、上述のとおり、平滑キャパシタ228を初期充電する制御もMCU222により行われる。

0022

電池ユニット900の電池モジュール9Bの負極と負極側のリレーRLNとの接続線、および電池モジュール9Aの正極と正極側のリレーRLPとの接続線には、ケースグランド(車両のシャーシと同電位)との間にそれぞれキャパシタCN、CPが挿入されている。これらのキャパシタCN、CPは、インバータ装置220が発生させるノイズを除去して、弱電系回路の誤作動や、セルコントローラ80を構成する集積回路のサージ電圧による破壊を防止するものである。インバータ装置220はノイズ除去フィルタを有しているが、これらのキャパシタCN、CPは、バッテリコントローラ20やセルコントローラ80の誤作動を防止する効果をさらに高め、電池ユニット900の耐ノイズの信頼性をさらに高めるために挿入されている。

0023

なお、図2において、電池ユニット900の強電系回路太線で示している。これらの線には断面積の大きい平角の銅線が使用される。また、ブロアファン17は、電池モジュール9A,9Bを冷却するためのファンで、バッテリコントローラ20からの指令によってONするリレー16を介して動作するようになっている。

0024

次に、図1に戻って、本実施の形態におけるESD対策について説明する。図1は、電池モジュール9Aと、セルコントローラ80の電池モジュール9Aに関係する部分とを示したものである。なお、電池モジュール9Bに関しても同様の構成となっており、以下では電池モジュール9Aを例に説明する。電池モジュール9Aは、直列接続された複数の電池セルグループで構成されている。図1に示す例では、電池モジュール9Aは3つの電池セルグループで構成され、上位の電池セルグループは4つの電池セルBC1〜BC6が直列接続され、中位および下位の電池セルグループはそれぞれ6つの電池セルBC1〜BC6が直列接続されている。セルコントローラ80には、各電池セルグループに対応して電池セルコントローラCC3A,CC3BおよびCC3Cが設けられている。各電池セルコントローラCC3A〜CC3Cは集積回路で構成されており、それらの集積回路が搭載された回路基板は、シールド機能を有するケース(不図示)内に収納されている。

0025

電池セルコントローラCC3A〜CC3Cと、上位制御回路として動作するバッテリコントローラ20との間には、信号の受信および送信を行うための伝送路60が設けられている。各電池セルコントローラCC3A〜CC3Cは、伝送路602,604により直列接続されている。伝送路60には、図2のバッテリコントローラ20からコマンド信号が送信される伝送路と、各電池セルコントローラCC3A〜CC3Cの異常信号を伝送する伝送路とが設けられている。

0026

バッテリコントローラ20からのコマンド信号は、フォトカプラPH1を介して伝送路60に入力され、伝送路60を介して電池セルコントローラCC3Aの受信端子LIN1で受信される。電池セルコントローラCC3Aの送信端子LIN2からは、コマンド信号に応じたデータやコマンドが送信される。電池セルコントローラCC3Bの受信端子LIN1で受信されたコマンド信号は、送信端子LIN2から送信される。このように順に受信および送信を行い、伝送信号は、電池セルコントローラCC3Cの送信端子LIN2から送信され、フォトカプラPH3を介してバッテリコントローラ20の受信端子で受信される。このようなループ状通信路を介してシリアル通信が行われる。各電池セルコントローラCC3A〜CC3Cは、受信したコマンド信号に応じて、対応する電池セルグループを構成する電池セルBC1〜BC6の端子電圧の検出および診断等を開始し、コマンド信号に基づき各電池セルコントローラが収集あるいは検知したデータを、上記のようにシリアル通信によりバッテリコントローラ20に送信する。

0027

各電池セルコントローラCC3A〜CC3Cはさらに異常診断を行い、異常がある場合に伝送路604を介して1ビット信号を伝送する。各電池セルコントローラCC3A〜CC3Cは自分自身が異常と判断した場合、あるいは前の電池セルコントローラから異常を表す信号(異常信号)を受信端子FFIで受信した場合に、送信端子FFOから異常信号を送信する。一方、既に受信端子FFIに送られてきていた異常信号が来なくなったり、あるいは自分自身の異常判断が正常判断に変わったりした場合に、送信端子FFOから伝送されている異常信号は正常信号に変わる。

0028

バッテリコントローラ20は、通常は異常信号を電池セルコントローラCC3A〜CC3Cに送信しないが、異常信号の伝送路が正しく動作することを診断するために、擬似異常信号であるテスト信号を電池セルコントローラCC3A〜CC3Cへ送信する。擬似異常信号であるテスト信号は、フォトカプラPH2を介して伝送路60に入力され、電池セルコントローラCC3Aの受信端子FFIに送信される。このテスト信号を受け、電池セルコントローラCC3Aの送信端子FFOからテスト信号が次の電池セルコントローラCC3Bの受信端子FFIに送信される。このテスト信号はさらに次の電池セルコントローラCC3Cに送信され、電池セルコントローラCC3Cの送信端子FFOから伝送路60およびフォトカプラPH4を介してバッテリコントローラ20の受信端子に送信される。

0029

図2のバッテリコントローラ20は車のシャーシ電位をグランド(GND)とし、14V系の電源から作られる5ボルトなどの低電圧で動作するようになっている。一方、リチウム電池セルで構成される電源系は上記14V系の電源から電気的に絶縁された電源系であり、さらにまた各電池セルコントローラCC3A〜CC3Cは、この実施の形態では、対応する電池セルグループの最高位電位と最低位電位との間の電位差すなわち電圧を受けて動作する。このようにバッテリコントローラ20の電源系統と電池セルコントローラCC3A〜CC3Cの電源系統とは電位関係が異なっており、また電圧の値も大きく異なる。そのため、バッテリコントローラ20と電池セルコントローラCC3A〜CC3Cとを接続する伝送路60に、電気的に両コントローラを絶縁するための絶縁回路(フォトカプラPH1〜PH4)を設けることで、信頼性の向上を図る。

0030

図1において、破線Aで囲んだ部分がESD対策部である。電池セルコントローラCC3A〜CC3Cは、各電池セルBC1〜BC6の端子電圧が入力される端子CV1〜CV6,GNDSを備えている。各端子CV1〜CV6,GNDSは、センシング線SLを介して各電池セルBC1〜BC6の正極および負極にそれぞれ接続されている。センシング線SLは、各電池セルBC1〜BC6の正極および負極と回路基板側の入力端子100との間に設けられている。また、端子CV1〜CV6の入力ラインには、短絡電流を制限するための抵抗RCVがそれぞれ設けられている。入力ライン間には、コンデンサCv,Cinは、ノイズ対策として設けられている。

0031

ところで、コネクタ接続等の際に入力端子100に静電気が印加されると、電池セルコントローラCC3A〜CC3Cが破損してしまうおそれがある。そこで、入力端子100と回路基板が収納されるケースとの間に、ESD対策素子としてのコンデンサECを設けた。図1に示す電池モジュール9Aでは、16セルの電池セルが直列接続されていて、各電池セルの正極および負極にセンシング線SLが接続されているが、ESD対策用のコンデンサECは、最上位のセンシング線SLが接続される入力端子100と、最下位のセンシング線SLが接続される入力端子100とに設けられている。

0032

また、各入力端子100間には、各電池セルと並列にノイズ対策用端子コンデンサCvが設けられている。本実施の形態では、静電気が端子コンデンサCvをより流れ易くなるように、端子コンデンサCvの静電容量を、ノイズ対策用として用いられる通常のコンデンサCvの100倍に設定した。例えば、端子コンデンサCvの通常の静電容量が0.001μFであった場合には、0.1μFに容量を増加させる。

0033

一方、コンデンサECは、例えば、1000pF2kVのものを用いる。ここでは、回路とケースとの間の浮遊容量の10倍程度に設定した。このように設定することで、印加された静電気がコンデンサCEを通って逃げるようになり、印加された静電気が浮遊容量を通じてケースに流れるのを防止することができる。

0034

最上位のセンシング線SLに印加された静電気は、上側のコンデンサCEを介してケースグランドに逃がし、最下位のセンシング線SLに印加された静電気は下側のコンデンサCEを介してケースグランドに逃がす。最上位および最下位を除くその他のセンシング線SLに静電気が印加された場合には、入力端子間に静電容量が通常の100倍程度という端子コンデンサCvが設けられているので、端子コンデンサCvを通して最上位または最下位のコンデンサCEに静電気を逃がすことができる。

0035

上述した例のように端子コンデンサCvおよびコンデンサCEの静電容量を設定することで、16セルの各センシング線SLのいずれに静電気が印加された場合でも、静電気の回路素子への影響を防止することができる。また、ノイズ対策用として設けられている端子コンデンサCvの静電容量を100倍程度まで大きくすることで、ESD対策用のコンデンサCEの数を減らすことができ、実装スペースの増加およびコストアップを抑えることができる。

0036

なお、図1に示した、4セル、6セルおよび6セルの3つの電池セルグループを3つ直列にして16セルの電池モジュール9Aの場合には、最上位と最下位のセンシング線SLが接続される入力端子100にコンデンサCEを設けることで、静電気印加の影響を防止することができたが、これは一例であり、直列接続されるセル数に応じて、コンデンサCEの数や、コンデンサCEが設けられる入力端子100が異なる。例えば、6セルの電池セルグループを2つ直列接続するような場合には、上位電池セルグループの最下位センシング線SLまたは下位電池セルグループの最上位センシング線SLが接続される入力端子100に、コンデンサCEを設ければ良い。また、各電池セルグループの最下位のセンシング線SLが接続される入力端子100に、それぞれコンデンサCEを設けても良い。この場合、電池セルコントローラの数をNとすれば、コンデンサCEの数はN−1となる。このように、コンデンサCEの個数や、それらの接続位置に関しては、全ての入力端子100に関して静電気印加の影響が防止できるように決定される。

0037

もちろん、全ての入力端子100にESD対策用素子(コンデンサEC)を設けるようにしても良く、その場合には、端子コンデンサCvの静電容量を通常の100倍程度に変更する必要が無い。また、複数の入力端子100の一部に複数のコンデンサCEを分散して配置する場合でも、その配置は電池セルグループ間とは限らない。例えば、電池セルグループの電池セル数が多い場合には、静電気がケースに逃げやすいように、電池セルグループの途中に接続されるセンシング線の入力端子100にも、コンデンサCEを設けるようにしても良い。

0038

なお、ESD対策用素子としては、コンデンサCEの他に、ツェナーダイオードバリスタ等も用いることができる。ただし、本実施の形態のように、センシング線SLが接続される入力端子100に設ける場合には、回路素子のリーク電流が問題となる。数μアンペアのリーク電流であっても、放置している間に電池セルの電圧が下がってしまうので、そのような心配のないという点で、コンデンサがESD対策用素子とし最も適している。

0039

—第2の実施の形態—
第2の実施の形態では、図3に示すように、信頼性向上対策として符号Bで示す構成を追加した。第2の実施の形態における信頼性向上対策は、電池モジュールの最下位のセンシング線SLが断線した場合の対策である。

0040

図4は、最下位のセンシング線SLが断線した場合を説明する図であり、最下位の電池セルグループと、その電池セルグループに対応して設けられた電池セルコントローラCC3Cの内部構成とを示したものである。図4に示す電池セルコントローラCC3Cの内部構造は、本実施形態に関係する要部のみを示したものであり、電池セルコントローラCC3Cには、マルチプレクサ120,アナログデジタル変換器122A,IC制御回路123,診断回路130,伝送入力回路138,142,伝送出力回路140,143,起動入力回路147,タイマ回路150,制御信号検出回路160,差動増幅器262およびOR回路288が設けられている。

0041

電池セルBC1〜BC6の端子電圧は、端子CV1〜CV6および端子GNDを介してマルチプレクサ120に入力される。なお、端子GNDは、図1において端子GNDSと示したものと同じものである。マルチプレクサ120は端子CV1〜CV6のいずれかを選択して、端子間電圧を差動増幅器262に入力する。差動増幅器262の出力は、アナログデジタル変換器122Aによりデジタル値に変換される。デジタル値に変換された端子間電圧はIC制御回路123に送られ、内部のデータ保持回路125に保持される。これらの電圧は診断などに利用されたり、図1に示すバッテリコントローラ20に送信されたりする。端子CV1〜CV6に入力される各電池セルBC1〜BC6の端子電圧は、集積回路である電池セルコントローラCC3Cのグランド電位に対して直列接続された電池セルの端子電圧に基づく電位でバイアスされている。上記差動増幅器262により上記バイアス電位の影響が除去され、各電池セルBC1〜BC6の端子電圧に基づくアナログ値がアナログデジタル変換器122Aに入力される。

0042

IC制御回路123は、演算機能を有すると共に、データ保持回路125と、各種電圧の検知や状態診断周期的に行うタイミング制御回路126と、診断回路130からの診断フラグがセットされる診断フラグ保持回路128とを有している。診断回路130は、IC制御回路123からの計測値に基づいて、各種診断、例えば過充電診断や過放電診断を行う。データ保持回路125は、例えばレジスタ回路で構成されており、検出した各電池セルBC1〜BC6の各端子間電圧を各電池セルBC1〜BC6に対応づけて記憶し、また、その他の検出値を、予め定められたアドレス読出し可能に保持する。

0043

電池セルコントローラCC3Cの内部回路には、少なくとも2種類の電源電圧VCC,VDD(3V)が使用される。図4に示す例では、電圧VCCは直列接続された電池セルBC1〜BC6で構成される電池セルグループの総電圧であり、電圧VDDは定電圧電源134によって生成される。マルチプレクサ120および信号伝送のための伝送入力回路138,142は高電圧VCCで動作する。また、アナログデジタル変換器122A、IC制御回路123、診断回路130、信号伝送のための伝送出力回路140,143は低電圧VDD(3V)で動作する。

0044

電池セルコントローラCC3Cの受信端子LIN1で受信した信号は伝送入力回路138に入力され、受信端子FFIで受信した信号は伝送入力回路142に入力される。伝送入力回路142は、伝送入力回路138と同様の回路構成となっている。伝送入力回路138は、隣接する他の電池セルコントローラからの信号を受信する回路231とフォトカプラPH1からの信号を受信する回路234とを備えている。

0045

図1に示すように、最上位の電池セルコントローラCC3Aの場合には、フォトカプラPH1からの信号が受信端子LIN1に入力され、他の電池セルコントローラCC3B,CC3Cの場合には、隣接電池セルコントローラからの信号が受信端子LIN1に入力される。そのため、回路231および234のどちらを使用するかは、図4制御端子CTに印加される制御信号に基づき、切換器233により選択される。制御端子CTに印加された制御信号は、制御信号検出回路160に入力され、切換器233は制御信号検出回路160からの指令により切り替え動作を行う。

0046

受信端子LIN1で受信されたコマンド信号は、伝送入力回路142を通ってIC制御回路123に入力される。IC制御回路123は、受信したコマンド信号に応じたデータやコマンド信号を伝送出力回路140へ出力する。それらのデータやコマンド信号は、伝送出力回路140を介して送信端子LIN2から送信される。なお、伝送出力回路143も、送出力回路140と同様の構成である。

0047

前述したように、端子FFIから受信した信号は、異常状態を伝送するために使用される。端子FFIから異常を表す信号を受信すると、その信号は伝送入力回路142およびOR回路288を介して伝送出力回路143に入力され、伝送出力回路143から端子FFOを介して出力される。また診断回路130で異常を検知すると、端子FFIの受信内容に関係なく、診断フラグ保持回路128からOR回路288を介して伝送出力回路143に異常を表す信号が入力され、伝送出力回路143から端子FFOを介して出力される。

0048

隣接電池セルコントローラまたはフォトカプラPH1から伝送されてきた信号を起動入力回路147により受信すると、タイマ回路150が動作し、定電圧電源134に電圧VCCを供給する。この動作により定電圧電源134は動作状態となり、定電圧VDDを出力する。定電圧電源134から定電圧VDD(3V)が出力されると電池セルコントローラCC3Cはスリープ状態から立ち上がり動作状態となる。

0049

定電圧電源134には端子CV6と繋がるラインが設けられており、端子CV6の電圧は定電圧電源134のバイアス電圧として用いられている。また、電池セルコントローラCC3Cは、全ての端子に関して、端子VCCとの間および端子GNDとの間にESD保護用ダイオードD1,D2がそれぞれ内蔵されている。これらのダイオードD1,D2は、通常は電流が流れないような向きに設けられている。

0050

しかしながら、最下位のセンシング線SLが断線すると、定電圧電源134の動作が停止するという問題が発生した。これは、最下位のセンシング線SLが断線すると、図4の破線矢印のように、集積回路の消費電流グランド端子からからダイオードD2および端子CV6を通って電池セルBC6の正極側に流れる。その結果、ESD保護用ダイオードD2の電圧降下分(0.6V〜0.7V)だけ端子CV6は負電圧にバイアスされることになり、定電圧電源134が動作しなくなることが分かった。定電圧電源134の動作が停止すると、電池セルコントローラCC3Cの動作が停止して通信も停止してしまうので、上位コントローラであるバッテリコントローラ20は、どこが異常なのか特定できなくなってしまう。

0051

そこで、第2の実施の形態では、図5に示すように、端子CV6と端子GNDとの間に、電圧降下がESD保護用ダイオードD2よりも小さいショットキーダイオードDbを設けた。ショットキーダイオードDbは電圧降下が0.3V程度と低いため、最下位のセンシング線SLが断線したときの端子CV6の負電圧を、従来よりも小さくすることができる。その結果、最下位のセンシング線SLに断線が発生しても、定電圧電源134の動作を継続させることが可能となった。最下位のセンシング線SLが断線すると、端子CV6の電圧が異常であることが検出され、それにより異常箇所を特定することが可能となる。

0052

なお、上述した例では、電圧降下の小さなショットキーダイオードDbを使用することで、断線時に定電圧電源134の動作を継続させることができたが、必ずしもショットキーダイオードに限るものではない。例えば、シリコンダイオードの場合でも、電流容量の大きなものを用いれば、同一値の電流を流したときの電圧降下はESD保護用ダイオードD2よりも小さいので、ショットキーダイオードDbの代わりに用いることができる。すなわち、断線対策用のダイオードDbとしては、電圧降下がESD保護用ダイオードD2より小さいものが用いられるが、どの程度小さな電圧降下とするかは、定電圧電源134が動作継続可能なバイアス電圧に応じて決定される。

0053

—第3の実施形態—
第3の実施の形態は、上述した第2の実施の形態に対して、さらに以下のような対策を施したものである。第2の実施の形態では、ショットキーダイオードDbを追加することによって、最下位のセンシング線SLが断線した場合でも定電圧電源134の動作を継続させることができるようになった。ところが、ショットキーダイオードDbを追加した構成であっても、電池セルコントローラCC3Cの起動時に、既に最下位のセンシング線SLが断線していた場合には、電池セルコントローラCC3Cを起動することができなかった。

0054

図6は、第3の実施の形態を説明する回路図であり、第2の実施の形態の回路に対して
破線Fで囲んだ部分の構成を追加した。なお、図6では、電池モジュールが6セル構成の場合を示したが、4セル構成である場合も全く同様である。断線していない正常動作時には、トランジスタQ1,Q2およびFETQ3はオン状態になっていて、端子CV6と端子GND間の電圧は電池セルBC6のセル電圧となっている。正常動作状態で起動した後に最下位のセンシング線SLが断線した場合には、ショットキーダイオードDbに電流が流れるとともに、トランジスタQ1はオフとなり、トランジスタQ2およびFETQ3もオフとなる。

0055

一方、最下位の電池セルBC6のセル電圧が低下して、電圧値がトランジスタQ1のベースエミッタ間電圧Vbeよりも小さくなった場合には、トランジスタQ1はオフになり、トランジスタQ2およびFETQ3も順にオフとなる。すなわち、最下位のセンシング線SLが断線している場合には、トランジスタQ1,Q2およびFETQ3は全てオフとなり、端子CV6は、端子CV5との間に接続された抵抗R2によりプルアップされる。その結果、定電圧電源134には正のバイアス電圧が印加され、定電圧電源134は正常に起動することができる。起動後は、ショットキーダイオードDbを通じて動作電流が流れるので、第2の実施の形態で示したように動作を継続することができる。トランジスタQ1,Q2およびFETQ3は、起動後も全てオフになったままである。

0056

図7は、断線していない正常動作時の各部の電圧と、断線時の各部の電圧とに関するシミュレーション結果である。図7では、セル電圧が2Vの場合と、3,6Vの場合と、4.5Vの場合について示した。正常動作時には、ショットキーダイオードDbには電流は流れず、端子CV6−GND間、端子CV5−CV6間、端子CV4−CV5間の電圧値は、セル電圧を示している。断線時には、トランジスタQ2がオフとなってFETQ3のゲートソース間電圧Vgsは0ボルトとなり、FETQ3もオフとなる。その結果、端子CV6−GND間の電圧は、「(セル電圧)−(ダイオードD2の電圧降下分)」となる。第3の実施の形態の場合、図7に示すように端子CV5−CV6間の電圧が非常に小さくなるので、この電圧値から異常が生じていることを特定することができる。

0057

[変形例]
図8は、図6に示した対策回路の変形例を示す図である。図6の回路に対する変更点は2つあり、1つ目は、電池セルコントローラCC3Cの内部動作電源VDDを用いて、トランジスタQ1にバイアス電圧を印加するような構成とした。このように安定した電源電圧VDDでバイアス電圧をかけることにより、正常動作時の起動後に、ノイズ等でトランジスタQ1が誤動作してオフとならないようにした。正常動作状態においてノイズ等でトランジスタQ1がオフすると、端子CV6の電位がプルアップされ、図7からもわかるように端子CV−GND間の電圧値が減少しセル電圧を誤検出してしまう。

0058

2つ目の変更点は、暗電流補正用抵抗R3を設けたことである。図6に示す対策回路Fを追加すると、図9に示すようなセル暗電流(=暗電流増加分)が生じる。図9はセル暗電流のシミュレーション結果を示したもので、暗電流は、最下位の電池セルBC6の一つ上位である電池セルBC5で最も大きくなっている。そこで、各電池セル間の暗電流バラツキ押さえるために、最も暗電流が大きくなる電池セルBC5に暗電流を合わせるように、暗電流補正用抵抗R3を端子CV1−CV2間,端子CV2−CV3間および端子CV3−CV4間に設けた。なお、電池モジュールの全ての電池セルの暗電流を揃えるために、上位の電池セルコントローラCC3A,CC3Bにも同様の暗電流補正用抵抗R3を設ける必要がある。このような暗電流補正用抵抗R3を設けたことにより、各電池セル間のセル電圧バラツキを十分小さく抑えることができる。

0059

—第4の実施形態—
図10は、第4の実施の形態を説明する図である。前述した図1に示す回路において、セル電圧が常時印加されている部品(例えば、端子コンデンサCv)や基板パターン間で短絡が発生した場合、大電流が流れてしまうという問題が生じる。第4の実施形態では、このような短絡が原因として起こる発煙発火を防止するために、図10の破線Cで示す、センシング線SLが接続される入力端子100から回路部品までの間に、短絡保護対策を施した。具体的には、破線Cの部分の回路パターンに、大電流が流れたときに溶断する細いパターン(以下では、フューズパターンと呼ぶことにする)Pを形成した。しかも、このフューズパターンPは基板表面層に形成されている。

0060

図11は、フューズパターンPの溶断時における電流値と溶断までの経過時間との関係の、一例を示す図である。図11では、2種類のフューズパターンについて関係(ラインL1,L2)を示すとともに、センシング線SLに関する電流値−溶断時間との関係(ラインL3)も示した。各ラインの上側が溶断する領域であり、ラインの下側が溶断しない領域である。例えば、電流値が10Aである場合、ラインL1のフューズパターンPは経過時間が約0.03秒よりも長くなると溶断する。ラインL2のフューズパターンPの溶断までの時間は約0.1秒であり、センシング線SLの溶断までの時間は約400秒である。また、電流値が2A以下の場合には、ラインL1〜L3のいずれの場合にも溶断が発生しない。例えば、通常の電流値が2A以下で、短絡等が発生したときの電流値が6A程度より大きくなる場合には、いずれのフューズパターンPを用いても1秒以内に溶断し、センシング線SL等に影響するのを防止することができる。

0061

このようなフューズパターンPを入力端子100と回路部品との間に設けたので、例えば、端子コンデンサCvに短絡が発生し、フューズパターンPにある程度以上の電流が流れると、フューズパターンPはジュール熱による温度上昇により焼き切れ、その他の回路部品への影響や、発煙や発火等を防止することができる。フューズパターンPは表面層に形成されているため、温度上昇時に確実に焼き切れることになる。例えば、フューズパターンPを基板の内層に形成した場合、フューズパターンPの熱が周囲の基板材に逃げやすくなるため、フューズパターンPが焼き切れる前に基板が焦げて発煙や発火が起きる場合があるが、本実施の形態ではフューズパターンPを基板表面層に形成しているので、確実に焼き切れることになる。

0062

また、フューズパターンPが基板の表面層に形成されているので、焼き切れたフューズパターンPの残痕が基板表面上に残り、断線箇所や異常個所の特定がしやすくなる。すなわち、フューズパターンPは、異常電流発生時に溶断することによるフューズとしての機能と、目視可能な焼損残痕が基板上に残ることによる異常個所表示機能とを有している。フューズパターンPは通常の回路パターンよりも細く形成され、その幅とパターンの長さを調整することで、所望の抵抗値に設定することができる。

0063

—第5の実施形態—
図12は第5の実施の形態を説明する図であり、図12(b)は本実施の形態の対策を施した場合の構成を示し、図12(a)は対策前の構成を示す。いずれの場合も、電池セルコントローラCC3Aに関する部分を示したものである。電池セルコントローラCC3A〜CC3C内には、対応する電池セルグループを構成する電池セルBC1〜BC6の充電量(充電状態とも言う)を調整するために、バランシング半導体スイッチ(以下では、バランシングスイッチと呼ぶ)BS1〜BS6が設けられている。なお、図12では、4つの電池セルBC1〜BC4が接続される、バランシングスイッチBS3〜BS6のみを示した。

0064

バランシング用半導体スイッチBS1〜BS6は、端子CV1−BR1間、端子BR2−CV3間、端子CV3−BR3間、端子BR4−CV5間、端子CV5−BR5間、端子BR6−GND間に設けられている。図1に示すように、6つの電池セルが接続される
電池セルコントローラCC3B,CC3Cでは、端子BR1〜BR6と入力端子100との間のバイパスラインにバランシング抵抗RBまたはRBBが設けられている。一方、4つの電池セルが接続される電池セルコントローラCC3Aの場合には、端子BR3〜BR6に接続されるバイパスラインにバランシング抵抗RBまたはRBBが設けられている。例えば、図12(a)の端子BR6と端子GNDとの間に設けられたバランシングスイッチBS6をオンして、バランシング抵抗RBBを介して放電電流を流すことにより、電池セルBC6の充電量調整を行う。

0065

電池セルコントローラCC3Aでは、図示していないが、バランシングスイッチが正常に動作しているか否かを調べるためのコンパレータを、端子BRと端子CVとの間に接続して、バランシングスイッチの異常の有無を検出するようにしている(例えば、特開2007−85847号公報参照)。しかしながら、インバータのノイズ等がこのコンパレータに入ると、その電圧が重畳されてコンパレータが誤動作してしまうという問題があった。本実施の形態では、図12(b)に示すように、端子CV−BR間の破線で囲まれた位置に、ノイズ対策用のコンデンサCbrを設けた。その結果、コンデンサCbrと抵抗RCVとのRCフィルタ効果により、コンパレータへのノイズ侵入を効果的に抑え、コンパレータの誤動作を防止することができる。

0066

本実施の形態は、コンデンサCbrを図12(b)に示す位置に配置したことに特徴がある。単にノイズを抑えるためであれば、図13(a)に示す位置にコンデンサCbrを配置しても同様の効果を奏することができるが、以下のような問題が生じる。本実施の形態の電池セルコントローラCC3Aでは、バランシング動作中に図4のアナログデジタル変換器122Aによりセル電圧を計測する際(1msec程度)には、オン状態のバランシングスイッチをオフして計測を行っている。これは、バランシング電流経路が抵抗RCVを流れるので、電圧降下により正しいセル電圧が計測できないからである。

0067

しかしながら、図13(a)で示す位置にコンデンサCbrを配置すると、セル電圧計測時にバランシングスイッチがオンからオフになった際に、端子CVの電圧は瞬時に上昇せず、図13(b)のラインL10で示すようにゆっくりと上昇することが分かった。バランシングスイッチをオフしてセル電圧計測を行う場合には、この上昇中にアナログデジタル変換器122Aにより計測が行われるため、正確なセル電圧計測ができないという問題が生じる。

0068

一方、図12(b)に示す構成でバランシングスイッチをオンからオフにした場合には、図13(b)のラインL20のように瞬時に電圧が上昇するので、上述したような問題が生じることなく正確なセル電圧を計測することができる。

0069

—第6の実施形態—
上述した第5の実施の形態では、コンデンサCbrを図12(b)のように追加することにより、コンパレータに対するノイズの影響を防止するとともに、バランシング中断時のセル電圧計測時の問題点を解決することができた。しかし、コンデンサCbrを設けたことにより、セルコントローラ80に電池モジュールを接続した際に過渡電流が流れて、電池セルコントローラが故障するという不具合が生じた。

0070

図14は、上述した不具合を説明する図である。なお、図14では、図1に示す入力端子100の符号を、最上位から順に符号CV17P,CV18P,・・・,CV32P,CV32Nで置き換えた。セルコントローラ80と電池モジュールとの間のコネクタを接続した際の入力端子のピン接触順番は、接続状況によってさまざまであるが、入力端子CV32Nと入力端子CV19Pとが最初に接続されると、過大な過渡電流が端子BR4に流れることが分かった。

0071

この2つの端子CV32N,CV19Pが接続されると、図14の矢印直線で示すように、すなわち、入力端子CV19P→コンデンサCbr→端子BR4→ESD対策用ダイオードD1→端子VCC→コンデンサCVcc1〜CVcc3→入力端子CV32Nのように過渡電流が流れることになる。このライン上には抵抗がないため、電池セルコントローラCC3A内部に設けられたESD対策用ダイオードD1に大きな過渡電流が瞬時的に流れ、ESD対策用ダイオードD1が壊れてしまう。

0072

図15は、この過渡電流への対策を施した回路を示す図であり、電池セルコントローラCC3Aの場合について示した。図15では、バランシング抵抗の構成を変更した。その他の構成は、図14に示す回路と同様である。図14ではバランシング抵抗として抵抗RBまたは抵抗RBBを設けていたが、図15の構成では、バランシング抵抗RBに代えてバランシング抵抗RB1,RB2を設け、バランシング抵抗RBBに代えてバランシング抵抗RBB1,RBB2を設けると共に、バランシング抵抗RB1,RBB1とバランシング抵抗RB2、RBB2との間にコンデンサCbrを配置した。他の電池セルコントローラCC3B,CC3Dについても同様である。

0073

各バランシング抵抗RB1,RB2,RBB1,RBB2の抵抗値は、RB=RB1+RB2、RBB=RBB1+RBB2を満たすように設定される。例えば、RB=300Ωであれば、RB1=270Ω、RB2=30Ωのように設定する。

0074

このようにバランシング抵抗を2つに分割して、一方のバランシング抵抗RB2,RBB2をコンデンサCbrと端子BR1〜BR6との間に配置することにより、各端子BR1〜BR6と入力端子との間がコンデンサ結合により直結されることがなく、必ずバランシング抵抗RB2,RBB2が介在することになる。その結果、図14に示す過渡電流の経路上にもバランシング抵抗RB2が介在し、過大な過渡電流の発生を防止することができ、ESD対策用ダイオードD1が壊れるのを防止することができる。

0075

なお、以上の説明はあくまでも一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。例えば、3つの電池セルコントローラが直列接続されている場合を例に説明したが、直列の数が3に限らず一般的にNの場合にも適用できる。また、上述した車両用の電池システムに限るものではない。さらに、上述した実施形態および変形例をどのように組み合わせることも可能である。

0076

9A,9B:電池モジュール、20:バッテリコントローラ、60,602,604:伝送路、80:セルコントローラ、CC3A〜CC3C:電池セルコントローラ、100:入力端子、122A:アナログデジタル変換器、134:定電圧電源、220:インバータ装置、900:電池ユニット、BC1〜BC6:電池セル、PH1〜PH4:フォトカプラ、BR1〜BR6,CV1〜CV6,GND,GNDS:端子、BS1〜BS6:バランシングスイッチ、Cbr,EC:コンデンサ、Cv:端子コンデンサ、Db:ショットキーダイオード、R3:暗電流補正用抵抗、RCV:抵抗、RB,RBB,RB1,RBB1,RB2,RBB2:バランシング抵抗、P:フューズパターン、Q1,Q2:トランジスタ、Q3:FET、SL:センシング線

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