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技術 熱電変換デバイス及びその製造方法

出願人 富士通株式会社
発明者 西野琢也鈴木貴志
出願日 2012年4月20日 (7年8ヶ月経過) 出願番号 2012-096318
公開日 2013年10月31日 (6年1ヶ月経過) 公開番号 2013-225550
状態 特許登録済
技術分野 熱電素子 特殊な電動機、発電機
主要キーワード 基板要素 熱電変換部材 多層化構造 貫通ビアホール 熱電変換デバイス マスクスパッタ 透視平面図 材料パターン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (16)

課題

熱電変換デバイス及びその製造方法に関し、微細化による熱電変換材料集積化を可能にし、且つ、使用する薄膜の制限を少なくする。

解決手段

基板要素に設けた複数の導電性貫通ビアの両側に電気的に接続された単一の種類或いは二種類の熱電変換部材を備えた複数の熱電変換要素を、前記熱電変換部材が同じ種類同士で当接し且つ電気的に接続するように積層する。

概要

背景

熱電変換モジュールとは、熱電変換材料と呼ばれる材料の両端に温度差をつけることで起電力を生じさせ、その起電力から電気を取り出す機構を持ったモジュールである。市販されている熱電変換材料は材料に大きな温度差を設けるために材料自体が厚い必要があるため、通常バルク体を用いることが一般的である。

図12は、従来の熱電変換デバイス概念的斜視図であり、この構造は現在までに熱電変換デバイスとして市販されている唯一の形態であり、π型構造と呼ばれている。これはP型バルク半導体51とN型バルク半導体52の熱電変換材料をCu電極53,54で電気的に接続し片端高温、もう一端を低温にすることで熱電変換材料内部に温度分布を設け、温度分布に応じた起電力を得ることで発電するものである。なお、図における符号55,56はセラミック基板であり、57,58は起電力を取り出すリード線である。

しかし、この構造体ではバルク体を用いることから切削切断等がそのサイズに応じて困難になるため微細化に限界があること、及び、使用されている熱電変換材料がBiTe系化合物であることから材料が高価な上、加工性が悪く脆い等の問題点があった。

それに対して、近年、薄層化することで材料特性を大きく向上させることが可能であるとの報告が多数なされている。例えば、柔軟性を持った基板上にバルク熱電変換材料を配置し、基板自体を折り曲げ積層していくことで、容易に製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)ので、図13及び図14を参照して説明する。

図13及び図14は従来の薄層化したバルク体を用いた熱電変換デバイスの製造工程の説明図である。まず、図13(a)に示すように、可撓性の絶縁フィルム61上の両側に導電体62を貼り付け、フレキシブル基板60を形成する。次いで、図13(b)に示すように、P型熱電変換材料63及びN型熱電変換材料64を交互に配置する。

次いで、図13(c)に示すように、P型熱電変換材料63とN型熱電変換材料64との間に交互に逆方向からの切り込み65を設けることにより、P型熱電変換材料63及びN型熱電変換材料64を交互に直列接続する。

次いで、図14(d)及び図14(e)に示すように、所定の箇所の切り込み65において折り曲げるとともに、断熱シート66を挿入して積層構造を形成する。なお、図14(f)は熱電変換要素の電流方向と温度差の説明図である。

この提案の場合には、基板自体が柔軟性を持つことで硬質基板を用いる従来のモジュール構造に比べ破損に強く、多層化構造を取ることで多数の熱電変換材料を集積できるという利点がある。

また、それらとは別個に近年薄膜熱電変換材料を用いた熱電変換デバイス構造も提案されている(例えば、特許文献2参照)。図15は、薄膜熱電変換材料を用いた熱電変換デバイスの概念的斜視図であり、フィルム基板71上に、P型熱電変換材料薄膜72とN型熱電変換材料薄膜73と交互に互いに接続するように成膜し、フィルム基板71の可撓性を利用して巻回したものである。

この場合には、トランジスタ等で実用化されている薄膜の成膜プロセスを利用することで大面積にわたって材料パターン一括で形成でき、組み立て工程が必要なくなるため、製造コストを低減することができるという利点がある。

概要

熱電変換デバイス及びその製造方法に関し、微細化による熱電変換材料の集積化を可能にし、且つ、使用する薄膜の制限を少なくする。基板要素に設けた複数の導電性貫通ビアの両側に電気的に接続された単一の種類或いは二種類の熱電変換部材を備えた複数の熱電変換要素を、前記熱電変換部材が同じ種類同士で当接し且つ電気的に接続するように積層する。

目的

したがって、熱電変換デバイスにおいて、微細化による熱電変換材料の集積化を可能にし、且つ、使用する薄膜の制限を少なくすることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
0件

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請求項1

複数の導電性貫通ビアを備えた基板要素と、前記導電性貫通ビアの両側に電気的に接続された単一の種類或いは二種類の熱電変換部材と、を備えた熱電変換要素を有し、前記熱電変換部材が同じ種類同士で当接し且つ電気的に接続するように複数の前記熱電変換要素を積層したことを特徴とする熱電変換デバイス

請求項2

互いに当接する前記熱電変換部材同士が、金属、異方性導電膜或いは導電性接着剤のいずれかで電気的に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換デバイス。

請求項3

前記基板要素が柔軟性を有し、前記各熱電変換要素にまたがって共通の1本の連続した基板を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱電変換デバイス。

請求項4

前記各熱電変換要素に設けた複数の前記熱電変換部材の間隙が、絶縁性補強部材充填されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の熱電変換デバイス。

請求項5

柔軟性を有する絶縁性のベース部材表裏導電性部材を形成した基板に、前記表裏の一方から他方の導電性部材に到達するビアホールを形成する工程と、前記ビアホールを導電性貫通ビアで埋め込む工程と、前記表裏に形成した導電性部材を選択的に除去して前記基板の長軸方向の両端部を除く領域に前記導電性貫通ビアに接続するランドを形成すると同時に、前記基板の長軸方向の両端部に表裏の一方で前記導電性貫通ビアを露出させるとともに表裏の他方に前記導電性貫通ビアに接続する配線を形成する工程と、前記ランドに接続するように単一の種類或いは二種類の熱電変換部材を成膜する工程と、前記基板を複数個熱電変換材料を含む熱電変換要素単位屈曲させて、前記熱電変換部材が同じ種類同士で当接し且つ電気的に接続する積層体を形成する工程とを有することを特徴とする熱電変換デバイスの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ゼーベック(Seebeck)効果を利用し、材料内の温度差を用いて熱を電気に変換する熱電変換デバイス及びその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

熱電変換モジュールとは、熱電変換材料と呼ばれる材料の両端に温度差をつけることで起電力を生じさせ、その起電力から電気を取り出す機構を持ったモジュールである。市販されている熱電変換材料は材料に大きな温度差を設けるために材料自体が厚い必要があるため、通常バルク体を用いることが一般的である。

0003

図12は、従来の熱電変換デバイスの概念的斜視図であり、この構造は現在までに熱電変換デバイスとして市販されている唯一の形態であり、π型構造と呼ばれている。これはP型バルク半導体51とN型バルク半導体52の熱電変換材料をCu電極53,54で電気的に接続し片端高温、もう一端を低温にすることで熱電変換材料内部に温度分布を設け、温度分布に応じた起電力を得ることで発電するものである。なお、図における符号55,56はセラミック基板であり、57,58は起電力を取り出すリード線である。

0004

しかし、この構造体ではバルク体を用いることから切削切断等がそのサイズに応じて困難になるため微細化に限界があること、及び、使用されている熱電変換材料がBiTe系化合物であることから材料が高価な上、加工性が悪く脆い等の問題点があった。

0005

それに対して、近年、薄層化することで材料特性を大きく向上させることが可能であるとの報告が多数なされている。例えば、柔軟性を持った基板上にバルク熱電変換材料を配置し、基板自体を折り曲げ積層していくことで、容易に製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)ので、図13及び図14を参照して説明する。

0006

図13及び図14は従来の薄層化したバルク体を用いた熱電変換デバイスの製造工程の説明図である。まず、図13(a)に示すように、可撓性の絶縁フィルム61上の両側に導電体62を貼り付け、フレキシブル基板60を形成する。次いで、図13(b)に示すように、P型熱電変換材料63及びN型熱電変換材料64を交互に配置する。

0007

次いで、図13(c)に示すように、P型熱電変換材料63とN型熱電変換材料64との間に交互に逆方向からの切り込み65を設けることにより、P型熱電変換材料63及びN型熱電変換材料64を交互に直列接続する。

0008

次いで、図14(d)及び図14(e)に示すように、所定の箇所の切り込み65において折り曲げるとともに、断熱シート66を挿入して積層構造を形成する。なお、図14(f)は熱電変換要素の電流方向と温度差の説明図である。

0009

この提案の場合には、基板自体が柔軟性を持つことで硬質基板を用いる従来のモジュール構造に比べ破損に強く、多層化構造を取ることで多数の熱電変換材料を集積できるという利点がある。

0010

また、それらとは別個に近年薄膜熱電変換材料を用いた熱電変換デバイス構造も提案されている(例えば、特許文献2参照)。図15は、薄膜熱電変換材料を用いた熱電変換デバイスの概念的斜視図であり、フィルム基板71上に、P型熱電変換材料薄膜72とN型熱電変換材料薄膜73と交互に互いに接続するように成膜し、フィルム基板71の可撓性を利用して巻回したものである。

0011

この場合には、トランジスタ等で実用化されている薄膜の成膜プロセスを利用することで大面積にわたって材料パターン一括で形成でき、組み立て工程が必要なくなるため、製造コストを低減することができるという利点がある。

先行技術

0012

特開2006−269721号公報
特開2004−241657号公報

発明が解決しようとする課題

0013

しかし、特許文献1の場合には、薄層化して用いているので、材料自体の厚みや加工幅に限界があるため、面積当たりの熱電変換素子個数が減少してしまい、小規模デバイスでは高電圧が取りにくいという問題がある。そのうえ、P型、N型の熱電変換材料を交互に一つ一つ並べる必要があるため組み立て工程が必要となり、時間やコストが大きくなる課題があった。

0014

また、特許文献2の場合にも、一括形成可能な薄膜材料バルク材料と比べて厚みが薄いため、電気抵抗が大きくなり、発電量が小さくなるという問題がある。この問題を解決するために高アスペクト比を持ち、厚い熱電変換材料膜を用いる方法も考えられるが、通常形成される薄膜では難しく、時間がかかるなどの問題点があった。薄膜の特性を維持したまま厚膜化することは難しく、現在のところバルク体を上回る特性を得た例はない。

0015

したがって、熱電変換デバイスにおいて、微細化による熱電変換材料の集積化を可能にし、且つ、使用する薄膜の制限を少なくすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

開示する一観点からは、複数の導電性貫通ビアを備えた基板要素と、前記導電性貫通ビアの両側に電気的に接続された単一の種類或いは二種類の熱電変換部材と、を備えた熱電変換要素を有し、前記熱電変換部材が同じ種類同士で当接し且つ電気的に接続するように複数の前記熱電変換要素を積層したことを特徴とする熱電変換デバイスが提供される。

0017

また、開示する別の観点からは、柔軟性を有する絶縁性ベース部材表裏導電性部材を形成した基板に、前記表裏の一方から他方の導電性部材に到達するビアホールを形成する工程と、前記ビアホールを導電性貫通ビアで埋め込む工程と、前記表裏に形成した導電性部材を選択的に除去して前記基板の長軸方向の両端部を除く領域に前記導電性貫通ビアに接続するランドを形成すると同時に、前記基板の長軸方向の両端部に表裏の一方で前記導電性貫通ビアを露出させるとともに、表裏の他方に前記導電性貫通ビアに接続する配線を形成する工程と、前記ランドに接続するように単一の種類或いは二種類の熱電変換部材を成膜する工程と、前記基板を複数個の熱電変換材料を含む熱電変換要素単位屈曲させて、前記熱電変換部材が同じ種類同士で当接し且つ電気的に接続する積層体を形成する工程とを有することを特徴とする熱電変換デバイスの製造方法が提供される。

発明の効果

0018

開示の熱電変換デバイス及びその製造方法によれば、微細化による熱電変換材料の集積化を可能にし、且つ、使用する薄膜の制限を少なくすることが可能になる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の実施の形態の熱電変換デバイスの説明図である。
評価に用いた熱電変換デバイスの説明図である。
比較のために用いた従来の熱電変換デバイスの説明図である。
本発明の実施例1の熱電変換デバイスの製造工程の途中までの説明図である。
本発明の実施例1の熱電変換デバイスの製造工程の図4以降の途中までの説明図である。
本発明の実施例1の熱電変換デバイスの製造工程の図5以降の途中までの説明図である。
本発明の実施例1の熱電変換デバイスの製造工程の図6以降の説明図である。
本発明の実施例1の熱電変換デバイスの説明図である。
本発明の実施例2の熱電変換デバイスの製造工程の途中までの説明図である。
本発明の実施例2の熱電変換デバイスの製造工程の図9以降の説明図である。
本発明の実施例3の熱電変換デバイスの製造工程の説明図である。
従来の熱電変換デバイスの概念的斜視図である。
従来の薄層化したバルク体を用いた熱電変換デバイスの製造工程の途中までの説明図である。
従来の薄層化したバルク体を用いた熱電変換デバイスの製造工程の図13以降の説明図である。
薄膜熱電変換材料を用いた熱電変換デバイスの概念的斜視図である。

0020

ここで、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態の熱電変換デバイスを説明する。図1は本発明の実施の形態の熱電変換デバイスの説明図であり、図1(a)は各熱電変換要素の平面図であり、図1(b)は熱電変換デバイスの断面図である。熱電変換要素1は、複数の導電性貫通ビア3を備えた基板要素2と、導電性貫通ビア3の両側に電気的に接続された熱電変換部材4,5とを備えている。なお、使用条件によってはこのデバイス自体を折り曲げ使用する可能性があるので、熱電変換デバイスの熱電変換要素間をエポキシ樹脂等の樹脂材料で埋め込んでも良い。

0021

基板要素2は可撓性を有するフレキシブル基板であることが望ましく、また、導電性貫通ビア3は、高熱伝導率、かつ高導電性を有したCu等で形成する。なお、貫通ビアホールを無電解Cuめっきで埋め込むことが困難な場合には、導電性銀ペーストはんだペースト等の穴埋め材を用いても構わない。また、通常は導電性貫通ビア3と熱電変換部材4,5との間に導電性のランド6を設ける。

0022

熱電変換部材4,5は単一の種類の熱電変換材料でも良いし、二種類の熱電変換材料でも良い。単一の熱電変換材料の場合には、P型半導体、N型半導体或いは金属材料を用いる。また、二種類の熱電変換材料を用いる場合には、P型半導体とN型半導体を用いて互いに交互に配置する。

0023

半導体材料としては、BiTe、CoSb、SiGe、PbTe等の化合物半導体を用いて導電型決定不純物等によって導電型を決定すれば良い。例えば、Bi2Te3組成のBiTeはP型半導体であり、Sbを添加したBiSbTeはN型半導体となる。また、金属材料としては、Bi、Pt、Au、Cu、Niなどの単体金属を用いれば良い。これらの熱電変換材料は、使用される温度によって熱電変換能を示す性能指数Zが異なることが知られており、熱電変換部材の耐熱性や熱電変換に利用する温度を考慮して選ぶ必要がある。

0024

成膜方法も特に限定はなく、選択するフレキシブル基板に対して劣化しない温度条件を守れるのであれば、スパッタリング法蒸着法、CVD法イオンプレーティング法レーザーアブレーション法ゾルゲル法溶射法、スクリーン印刷法フラッシュ蒸着法等の多種類のプロセスを用いて良い

0025

基板要素2は実際には連続した一枚のフレキシブル基板であり、熱電変換要素単位で折り畳むことによって図1(b)の構造が得られる。互いに当接する熱電変換部材同士は、導電体層或いは異方性導電膜で電気的に接続する。導電体層7としては、熱電変換材料より低融点で且つ基板材料に悪影響を与えない材料であればどのようなものでも良い。例えばBi以外にインジウムはんだ等でも良い。

0026

このように、基板を折り曲げ多層化し、各々の熱電変換部材同士を基板に対して垂直方向に電気、温度差両方を生じさせるようなデバイス構造となる。このように熱電変換デバイスを構成することで薄膜用の成膜プロセスの採用により基板上への一括加工を行うことが可能となる。また、薄膜の基板面と垂直方向への伝導を採用することで高アスペクト比の薄膜が必要無く、かつ基板を折り曲げ積層することで熱電変換部材のトータルの厚みを稼ぐことも可能で、簡便に作製可能になる。

0027

次に、図2及び図3を参照して、本発明の実施の形態の熱電変換デバイスの作用効果を説明する。図2(a)は、評価に用いた熱電変換要素の平面図であり、1mm×1mmのサイズの基板要素2に100μm×100μmで厚さが10μmの熱電変換部材4,5を交互に配置する。

0028

この場合の基板要素2としては、基板厚を現在最も一般的に市販されている25μm厚とし、熱電変換部材にBiTe系を用い、熱電変換部材4,5の表面には厚さが5μmのBiからなる導電体層7を設けている。図2(b)は、熱電変換デバイスの断面図であり、図2(a)に示した熱電変換要素1を12層積層してデバイス寸法を1mm×1mm×0.5mmの微小なデバイスを仮定した。

0029

図3は比較のために用いた従来の熱電変換デバイスの説明図であり、ここでは、上述の特許文献2に示したロール状の従来例を用いた。図3(a)は従来の熱電変換デバイスを構成する縦型熱電変換要素の側面図であり、図3(b)は図2(b)のサイズである1mm×1mmのサイズを実現するために15層の縦型熱電変換要素11を貼り合わせた状態を示した側面図である。なお、図における符号12,13,14は、それぞれ、P型熱電変換部材、N型熱電変換部材及びフィルム基板である。

0030

このような仮定の下で、表1に示す一般的な熱電変換材料の物性から発電量を計算した結果、本発明の実施の形態の熱電変換デバイスでは、10℃の温度差があれば、400μWとなり、従来例の場合には150μWとなった。このように、バルク材料と比して薄い材料を用いる場合には、従来例のように縦型に並べる構造に比べ、積層型の方が効果が高いことが分かった。

0031

次に、図4乃至図8を参照して、本発明の実施例1の熱電変換デバイスを説明するが、まず、図4乃至図7を参照して、本発明の実施例1の熱電変換デバイスの製造工程を説明する。まず、図4(a)に示すようにポリイミドからなる幅が1μmで厚さが12.5μmのベース層21の表裏に厚さが18μmの銅箔22,23を張り付け銅張積層板からなるフレキシブル基板20を準備する。

0032

次いで、図4(b)に示すように、一方の銅箔23に穴が開かないように時間及び強度を調整したレーザ光24を照射して直径が50μmの貫通穴25を形成する。次いで、図4(c)に示すように、無電解銅めっきを行って貫通穴25を埋め込んで導電性ビア26を形成する。

0033

次いで、図5(d)に示すように、ドライフィルムラミネートしたのち、フレキシブル基板20の長軸方向の両端部を除く領域に導電性ビア26を覆う100μm角のパターンからなるエッチングレジスト27を形成する。なお、フレキシブル基板20の長軸方向の両端部には熱電変換部材同士を直列或いは並列に接続する配線パターンを覆うパターンを形成する。

0034

次いで、図5(e)に示すように、エッチングレジスト27をマスクとして銅箔22,23の露出部をエッチングすることでランド28及び配線29を形成する。

0035

次いで、図5(f)に示すように、メタルマスク30を用いたマスクスパッタリング法によりランド28に接続するように、厚さが10μmのBiTe(組成Bi2Te3)からなるP型熱電変換部材31を一つ置きに形成する。次いで、厚さが5μmのBiからなる低融点導電層32を形成する。

0036

次いで、図6(g)に示すように、メタルマスク30を1ピッチ分ずらして、厚さが10μmのBiSbTe(組成Bi0.3Sb1.7Te3)からなるN型熱電変換部材33を形成する。次いで、厚さが5μmのBiからなる低融点導電層34を形成する。この工程を裏面にも行うことで、図6(h)に示す構造が得られる。

0037

次いで、図6(i)に示すように、予め定めた長さの1μmの熱電変換要素35を単位にしてフレキシブル基板20を折り畳む。この時、各熱電変換要素35に設けたP型熱電変換部材31同士が当接するとともに、N型熱電変換部材33同士が当接するように位置合わせする。

0038

次いで、図7(j)に示すように、3層の熱電変換要素35を折り畳んだのち、配線29を形成した両端部を上部下部に配置し、導電性ビア26がP型熱電変換部材31及びN型熱電変換部材33に当接するように位置合わせして折り畳む。

0039

次いで、図7(k)に示すように、デバイス全体を重り加圧しながらホットプレート上にて30分間Biの融点である271.3℃を超える300℃で加熱し、冷却することで、低融点導電層32,34の溶融接合を行い導電体層36とする。この導電体層36によって、各熱電変換要素35間は電気的に接合され、全熱変換部材が電気的に直列に接合した熱電変換デバイスが得られる。

0040

図8は、本発明の実施例1の熱電変換デバイスの説明図であり、図8(a)は、熱電変換デバイスの透視平面図であり、図8(b)は断面図である。図8(b)に示すように、熱電変換部材はP型熱電変換部材31同士が積層方向に6個直列接続されており、N型熱電変換部材33同士が積層方向に6個直列接続されている。

0041

また、図8(a)に示すように、6個づつ積層されP型熱電変換部材31とN型熱電変換部材33は配線29により交互に直列接続される。図8(b)に示すように、積層方向に温度差を形成すると、電流は直列接続された6個づつ積層されP型熱電変換部材31とN型熱電変換部材33を交互に上下に蛇行するように流れる。

0042

このように、本発明の実施例1においては、薄膜用の成膜プロセスの採用により基板上への一括加工を行うことが可能となる。また、薄膜の基板面と垂直方向への伝導を採用することで高アスペクト比の薄膜が必要なく、且つ、基板を折り曲げ積層することで材料の厚みを稼ぐことも可能になるので、簡便に作製可能である。

0043

次に、図9及び図10を参照して、本発明の実施例2の熱電変換デバイスの製造工程を説明するが、この実施例2は上記の実施例1に補強部材充填工程を加えたものである。まず、図9(a)に示すように、実施例1と全く同様に熱電変換デバイス積層体40を形成する。

0044

次いで、図9(b)に示すように、上下にメタルマスク41を貼付する。次いで、図10(c)に示すように、エポキシ樹脂からなる補強部材42を注入する。次いで、図10(d)に示すように、補強部材42を熱硬化させた後、メタルマスク41を取り外す。

0045

上記の実施例1の場合には、熱電変換要素間は熱伝導率を小さくするために空隙にしているが、使用条件によってはこのデバイス自体を折り曲げ使用する可能性がある。そこで、実施例2においては補強部材で充填することによって機械的強度を高めている。

0046

次に、図11を参照して本発明の実施例3の熱電変換デバイスの製造工程を説明する。まず、図11(a)に示すように、実施例1と同様に、フレキシブル基板20の表裏にP型熱電変換部材31とN型熱電変換部材33を交互に形成する。但し、この実施例3においては、低融点導電層は形成しない。

0047

次いで、図11(b)に示すように、予め定めた長さの1μmの熱電変換要素43の単位で、交互に山折り方向及び谷折り方向に折り曲げる。

0048

次いで、図11(c)に示すように、折り曲げ工程中に厚さ100μmの異方性導電膜44を挿入しながら挟み込みを完了させ、全体を加圧し押し付けることで基板垂直方向電気伝導性を持たせることで垂直に電気的に接合した熱電変換デバイスが得られる。

0049

このように、本発明の実施例3においては、異方性導電膜を用いているので、低融点導電層の形成工程が不要になり、それに伴って溶融接合工程も不要になる。なお、この実施例3においても、上記の実施例2と同様に、補強部材を充填しても良い。

実施例

0050

ここで、実施例1乃至実施例3を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を付す。
(付記1)複数の導電性貫通ビアを備えた基板要素と、前記導電性貫通ビアの両側に電気的に接続された単一の種類或いは二種類の熱電変換部材と、を備えた熱電変換要素を有し、前記熱電変換部材が同じ種類同士で当接し且つ電気的に接続するように複数の前記熱電変換要素を積層したことを特徴とする熱電変換デバイス。
(付記2)互いに当接する前記熱電変換部材同士が、金属、異方性導電膜或いは導電性接着剤のいずれかで電気的に接合されていることを特徴とする付記1に記載の熱電変換デバイス。
(付記3)前記複数の熱電変換要素の内の最上部の熱電変換要素の熱電変換部材同士及び最下部の熱電変換要素の熱電変換部材同士がそれぞれ配材料により直列または並列に接合されていることを特徴とする付記1または付記2に記載の熱電変換デバイス。
(付記4)前記基板要素が柔軟性を有し、前記各熱電変換要素にまたがって共通の1本の連続した基板を形成することを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1に記載の熱電変換デバイス。
(付記5)前記各熱電変換要素に設けた複数の前記熱電変換部材の間隙が、絶縁性の補強部材で充填されていることを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1に記載の熱電変換デバイス。
(付記6)前記単一の種類の熱電変換部材が、P型半導体、N型半導体あるいは金属材料のいずれかからなることを特徴する付記1乃至付記3のいずれか1に記載の熱電変換デバイス。
(付記7)前記二種類の熱電変換部材が、P型半導体とN型半導体とからなり、前記P型半導体からなる熱電変換部材と前記N型半導体部材からなる熱電変換部材が、互いに交互に配置されていることを特徴とする熱電変換デバイス。
(付記8)柔軟性を有する絶縁性のベース部材の表裏に導電性部材を形成した基板に、前記表裏の一方から他方の導電性部材に到達するビアホールを形成する工程と、前記ビアホールを導電性貫通ビアで埋め込む工程と、前記表裏に形成した導電性部材を選択的に除去して前記基板の長軸方向の両端部を除く領域に前記導電性貫通ビアに接続するランドを形成すると同時に、前記基板の長軸方向の両端部に表裏の一方で前記導電性貫通ビアを露出させるとともに、表裏の他方に前記導電性貫通ビアに接続する配線を形成する工程と、前記ランドに接続するように単一の種類或いは二種類の熱電変換部材を成膜する工程と、前記基板を複数個の熱電変換材料を含む熱電変換要素単位で屈曲させて、前記熱電変換部材が同じ種類同士で当接し且つ電気的に接続する積層体を形成する工程とを有することを特徴とする熱電変換デバイスの製造方法。
(付記9)前記積層体の表裏にマスク基板を設け、補強部材を前記各熱電変換要素に設けた複数の前記熱電変換部材の間隙に充填する工程を有することを特徴とする付記8に記載の熱電変換デバイスの製造方法。

0051

1熱電変換要素
2基板要素
3導電性貫通ビア
4,5熱電変換部材
6ランド
7導電体層
11縦型熱電変換要素
12P型熱電変換部材
13N型熱電変換部材
14フィルム基板
20フレキシブル基板
21ベース層
22,23銅箔
24レーザ光
25貫通穴
26導電性ビア
27エッチングレジスト
28 ランド
29配線
30メタルマスク
31 P型熱電変換部材
32低融点導電層
33 N型熱電変換部材
34 低融点導電層
35 熱電変換要素
36 導電体層
40熱電変換デバイス積層体
41 メタルマスク
42補強部材
43 熱電変換要素
44 異方性導電膜
51P型バルク半導体
52 N型バルク半導体
53,54Cu電極
55,56セラミック基板
57,58リード線
60 フレキシブル基板
61絶縁フィルム
62導電体
63 P型熱電変換材料
64 N型熱電変換材料
65切り込み
66断熱シート
71 フィルム基板
72 P型熱電変換材料薄膜
73 N型熱電変換材料薄膜

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