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技術 透明導電性フィルム

出願人 日東電工株式会社
発明者 梶原大輔石橋邦昭野口知功拝師基希梨木智剛
出願日 2013年4月8日 (7年7ヶ月経過) 出願番号 2013-080111
公開日 2013年10月31日 (7年1ヶ月経過) 公開番号 2013-225507
状態 特許登録済
技術分野 位置入力装置 積層体(2) 重金属無機化合物(I) 非絶縁導体 表示による位置入力
主要キーワード 低圧気体 ターゲット表 インジウムスズ酸化物層 低温加熱処理 トータル厚 結晶質層 酸化スズ含有量 スパッタリング後
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重要な関連分野

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図面 (2)

課題

二酸化ケイ素などのコーティング層を片面に有するフィルム基材と、フィルム基材のコーティング層上に形成された透明導体パターンと、透明導体パターンを埋設する充填材料を有する視認されにくい透明導電性フィルムを提供する。

解決手段

透明導電性フィルム10は、フィルム基材11と、フィルム基材11上に形成された透明導体パターン12と、透明導体パターン12を埋設する粘着剤層13を備える。透明導体パターン12は、フィルム基材11側から、第1のインジウムスズ酸化物層14と、第2のインジウムスズ酸化物層15が積層された2層構造を有する。第1のインジウムスズ酸化物層14の酸化スズ含有量は、第2のインジウムスズ酸化物層15の酸化スズ含有量より多い。

概要

背景

二酸化ケイ素などのコーティング層を有するフィルム基材と、フィルム基材のコーティング層上に形成された透明導体パターンと、透明導体パターンを埋設するようにフィルム基材上に形成された充填材料を有する透明導電性フィルムが知られている(特許文献1:特表2007−508639)。透明導体パターンは、代表的には、インジウムスズ酸化物(ITO: Indium Tin Oxide)膜からなる。このような透明導電性フィルムは、例えば、静電容量方式タッチパネルに用いられ、透明導体パターンが視認されにくいという特徴を有する。しかし、従来の透明導電性フィルムは、依然として透明導体パターンが視認されることがある。

概要

二酸化ケイ素などのコーティング層を片面に有するフィルム基材と、フィルム基材のコーティング層上に形成された透明導体パターンと、透明導体パターンを埋設する充填材料を有する視認されにくい透明導電性フィルムを提供する。透明導電性フィルム10は、フィルム基材11と、フィルム基材11上に形成された透明導体パターン12と、透明導体パターン12を埋設する粘着剤層13を備える。透明導体パターン12は、フィルム基材11側から、第1のインジウムスズ酸化物層14と、第2のインジウムスズ酸化物層15が積層された2層構造を有する。第1のインジウムスズ酸化物層14の酸化スズ含有量は、第2のインジウムスズ酸化物層15の酸化スズ含有量より多い。

目的

本発明の目的は、従来品よりも透明導体パターンがさらに視認されにくい透明導電性フィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

フィルム基材と、前記フィルム基材上に形成された透明導体パターンと、前記透明導体パターンを埋設するように前記フィルム基材上に形成された粘着剤層を備えた透明導電性フィルムであって、前記透明導体パターンは、前記フィルム基材側から、第1のインジウムスズ酸化物結晶質層と、第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層が、この順に積層された2層構造を有し、前記第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズ含有量は、前記第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズ含有量より多く、前記第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さは前記第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さより薄く、前記第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さと前記第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さの差は2nm〜10nmであることを特徴とする透明導電性フィルム。

請求項2

前記第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層と前記第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層は、それぞれ、インジウムスズ酸化物の非晶質層加熱処理により結晶化させた結晶質層であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性フィルム。

請求項3

前記フィルム基材の材料が、ポリエチレンテレフタレートポリシクロオレフィン、またはポリカーボネートであることを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電性フィルム。

請求項4

前記透明導体パターンの厚さ(前記第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さ+前記第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さ)は、10nm〜45nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルム。

請求項5

前記第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズ含有量は6重量%〜15重量%であり、前記第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズの含有量は1重量%〜5重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性フィルム。

請求項6

前記第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズの含有量と前記第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズの含有量の差は3重量%〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電性フィルム。

請求項7

前記第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さは3nm〜15nmであり、前記第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さは7nm〜25nmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の透明導電性フィルム。

請求項8

前記粘着剤層の屈折率は1.45〜1.50であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の透明導電性フィルム。

請求項9

前記透明導体パターンの存在する部分の波長450nm〜650nmの平均反射率をR1(%)とし、前記透明導体パターンの存在しない部分の波長450nm〜650nmの平均反射率をR2(%)とし、ΔR(%)を前記平均反射率R1と前記平均反射率R2の差の絶対値とするとき(ΔR=|R1−R2|)、前記平均反射率の差の絶対値ΔRが0.7%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の透明導電性フィルム。

請求項10

前記透明導体パターンの表面抵抗値が150Ω/□(単位:ohms per square)未満であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の透明導電性フィルム。

技術分野

0001

本発明はインジウムスズ酸化物(ITO: Indium Tin Oxide)膜を用いた透明導電性フィルムに関する。

背景技術

0002

二酸化ケイ素などのコーティング層を有するフィルム基材と、フィルム基材のコーティング層上に形成された透明導体パターンと、透明導体パターンを埋設するようにフィルム基材上に形成された充填材料を有する透明導電性フィルムが知られている(特許文献1:特表2007−508639)。透明導体パターンは、代表的には、インジウムスズ酸化物(ITO: Indium Tin Oxide)膜からなる。このような透明導電性フィルムは、例えば、静電容量方式タッチパネルに用いられ、透明導体パターンが視認されにくいという特徴を有する。しかし、従来の透明導電性フィルムは、依然として透明導体パターンが視認されることがある。

先行技術

0003

特表2007−508639号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明の目的は、従来品よりも透明導体パターンがさらに視認されにくい透明導電性フィルムを提供することである。

課題を解決するための手段

0005

(1)本発明の透明導電性フィルムは、フィルム基材と、フィルム基材上に形成された透明導体パターンと、透明導体パターンを埋設するようにフィルム基材上に形成された粘着剤層を備える。透明導体パターンはフィルム基材側から、第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層と、第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層が、この順に積層された2層構造を有する。第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズ含有量は、第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズ含有量より多い。第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さは第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さより薄い。第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さと第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さの差は2nm〜10nmである。「インジウムスズ酸化物」とは、いわゆるITO (Indium Tin Oxide)である。
(2)本発明の透明導電性フィルムにおいて、第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層と第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層は、それぞれ、インジウムスズ酸化物の非晶質層加熱処理により結晶化させた結晶質層である。
(3)本発明の透明導電性フィルムにおいて、フィルム基材の材料は、ポリエチレンテレフタレートポリシクロオレフィン、またはポリカーボネートである。
(4)本発明の透明導電性フィルムにおいて、透明導体パターンの厚さ(第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さ+第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さ)は、10nm〜45nmである。
(5)本発明の透明導電性フィルムにおいて、第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズ含有量は6重量%〜15重量%であり、第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズの含有量は1重量%〜5重量%である。
(6)本発明の透明導電性フィルムにおいて、第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズの含有量と、第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズの含有量の差は3重量%〜10重量%である。
(7)本発明の透明導電性フィルムにおいて、第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さは3nm〜15nmであり、第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層の厚さは7nm〜25nmである。
(8)本発明の透明導電性フィルムにおいて、粘着剤層の屈折率は1.45〜1.50である。
(9)本発明の透明導電性フィルムにおいて、透明導体パターンの存在する部分の波長450nm〜650nmの平均反射率をR1(%)とし、透明導体パターンの存在しない部分の波長450nm〜650nmの平均反射率をR2(%)とし、ΔR(%)を平均反射率R1と平均反射率R2の差の絶対値とするとき(すなわちΔR=|R1−R2|)、平均反射率の差の絶対値ΔRが0.7%以下である。
(10)本発明の透明導電性フィルムにおいて、透明導体パターンの表面抵抗値は150Ω/□(単位:ohms per square)未満である。

発明の効果

0006

本発明により、透明導体パターンの存在する部分の反射率と、透明導体パターンの存在しない部分の反射率の差を、従来よりも大幅に低減することができる。その結果、従来品よりも透明導体パターンが視認されにくい透明導電性フィルムを得ることができる。

図面の簡単な説明

0007

本発明の透明導電性フィルムの平面図および断面模式図

0008

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、透明導体パターンを特定の二層構造とすることにより、透明導体パターンの存在する部分の反射率と透明導体パターンの存在しない部分の反射率の差を、従来品よりも大幅に低減することができることを見出した。

0009

[透明導電性フィルム]
本発明の透明導電性フィルム10は、図1に示すように、フィルム基材11と、フィルム基材11上に形成された透明導体パターン12と、透明導体パターン12を埋設するようにフィルム基材11上に形成された粘着剤層13を備える。透明導体パターン12は、第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層14と、第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層15が積層された二層構造を有する。以後、「第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層14」を単に「第1のインジウムスズ酸化物層14」といい、「第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層15」を単に「第2のインジウムスズ酸化物層15」という。

0010

[フィルム基材]
本発明に用いられるフィルム基材11は、透明性と耐熱性に優れたものが好ましい。フィルム基材11の材料は、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、またはポリカーボネートである。フィルム基材11は、その表面に易接着層アンダーコート層、あるいはハードコート層を備えていてもよい。易接着層は透明導体パターン12とフィルム基材11の密着性を高める機能を有する。アンダーコート層はフィルム基材11の反射率を調整する機能を有する。ハードコート層はフィルム基材11の表面に傷がつくのを防ぐ機能を有する。フィルム基材11の厚さは、例えば、10μm〜200μmである。揮発成分を少なくして、インジウムスズ酸化物層の成膜性を高くするため、フィルム基材11の厚さは20μm〜50μmが好ましい。

0011

[透明導体パターン]
本発明に用いられる透明導体パターン12は、第1のインジウムスズ酸化物層14と、第2のインジウムスズ酸化物層15が積層された二層構造を有する。第1のインジウムスズ酸化物層14はフィルム基材11に近い側に配置され、第2のインジウムスズ酸化物層15はフィルム基材11から遠い側に配置される。

0012

透明導体パターン12の形状には特に制限はなく、図1に示すようなストライプ)状でもよいし、図示しない菱形状でもよい。透明導体パターン12の厚さ(第1のインジウムスズ酸化物層14の厚さ+第2のインジウムスズ酸化物層15の厚さ)は、好ましくは10nm〜45nmであり、さらに好ましくは15nm〜30nmである。

0013

本発明に用いられる第1のインジウムスズ酸化物層14および第2のインジウムスズ酸化物層15は、それぞれ、酸化インジウム(In2O3)に酸化スズ(SnO2)がドープされた化合物層である。本発明に用いられる第1のインジウムスズ酸化物層14および第2のインジウムスズ酸化物層15は、それぞれ代表的には、インジウムスズ酸化物の非晶質層を加熱処理により結晶化させた結晶質層である。

0014

第1のインジウムスズ酸化物層14の酸化スズ含有量は、第2のインジウムスズ酸化物層15の酸化スズ含有量より多い。第1のインジウムスズ酸化物層14の酸化スズ含有量は、好ましくは6重量%〜15重量%であり、さらに好ましくは8重量%〜12重量%である。第2のインジウムスズ酸化物層15の酸化スズ含有量は、好ましくは1重量%〜5重量%であり、さらに好ましくは2重量%〜4重量%である。第1のインジウムスズ酸化物層14の酸化スズ含有量と、第2のインジウムスズ酸化物層15の酸化スズ含有量の差は、好ましくは3重量%〜10重量%であり、さらに好ましくは5重量%〜8重量%である。ここで、酸化スズの含有量(重量%)は、{酸化スズの重量/(酸化インジウムの重量+酸化スズの重量)}×100(%)で表わす。

0015

一般に、インジウムスズ酸化物層は、酸化スズの含有量が多いほど表面抵抗値が低くなるが、反面、結晶化時間が長くなる傾向がある。ところが、本発明の透明導電性フィルム10においては、酸化スズの含有量が少ない第2のインジウムスズ酸化物層15が、酸化スズの含有量の多い第1のインジウムスズ酸化物層14の結晶成長を促進させることができる。これにより、本発明の透明導電性フィルム10においては、透明導体パターン12の結晶化時間を短縮しながら、表面抵抗値を小さくすることができる。

0016

第1のインジウムスズ酸化物層14の厚さは、第2のインジウムスズ酸化物層15の厚さより薄いことが好ましい。第1のインジウムスズ酸化物層14の厚さは、好ましくは3nm〜15nmであり、さらに好ましくは5nm〜10nmである。第2のインジウムスズ酸化物層15の厚さは、好ましくは7nm〜30nmであり、さらに好ましくは10nm〜20nmである。第1のインジウムスズ酸化物層14の厚さと第2のインジウムスズ酸化物層15の厚さの差は、好ましくは1nm〜15nmであり、さらに好ましくは2nm〜10nmである。

0017

第1のインジウムスズ酸化物層14の酸化スズの含有量と厚さ、および第2のインジウムスズ酸化物層15の酸化スズの含有量と厚さを上記の範囲とすることにより、透明導体パターン12の結晶化が促進され、低温、短時間の加熱処理により、表面抵抗値を低くすることができる。本発明の透明導電性フィルム10においては、例えば140℃というような低温加熱処理条件により、透明導体パターン12の表面抵抗値を150Ω/□(単位:ohms per square)未満の低い値にすることができる。

0018

[粘着剤層]
本発明の透明導電性フィルム10に用いられる粘着剤層13は、透明導体パターン12を埋設するように、フィルム基材11上に形成される。粘着剤層13を形成する材料としては、アクリル系粘着剤が透明性に優れるため好ましい。アクリル系粘着剤の屈折率は、本発明の効果をより高める観点から、好ましくは1.45〜1.50である。アクリル系粘着剤の厚さは、好ましくは100μm〜500μmである。なお、本発明の透明導電性フィルム10が、スマートフォンに用いられる場合、粘着剤層13の上に、例えばカバーガラスが積層される。

0019

本発明の透明導電性フィルム10は、透明導体パターン12の存在する部分の反射率と、透明導体パターン12の存在しない部分の反射率の差を、従来よりも低減することができる。この結果、本発明の透明導電性フィルム10において、透明導体パターン12は従来品よりも視認されにくい。透明導体パターン12の存在する部分の、波長450nm〜650nmの平均反射率をR1(%)とし、透明導体パターン12の存在しない部分の、波長450nm〜650nmの平均反射率をR2(%)とする。ΔR(%)を、平均反射率R1と平均反射率R2の差の絶対値とする。つまりΔR=|R1−R2|である。本発明の透明導電性フィルム10においては、平均反射率の差の絶対値ΔR(%)を、好ましくは0.7%以下とすることができる。さらに好ましくは、平均反射率の差の絶対値ΔR(%)を0.3%〜0.5%とすることができる。本発明においては、透明導体パターン12が、第1のインジウムスズ酸化物層14と第2のインジウムスズ酸化物層15の2層構造であるため、透明導体パターン12の存在する部分の平均反射率R1と、透明導体パターン12の存在しない部分の平均反射率R2の差の絶対値ΔRが小さくなる。

0020

[製造方法]
本発明の透明導電性フィルム10の製造方法の一例を説明する。まず、500m〜5,000m巻の長尺のフィルム基材11のロールスパッタリング装置内に入れ、これを一定速度で巻き戻しながら、スパッタリング法により、フィルム基材11上に、第1のインジウムスズ酸化物層、第2のインジウムスズ酸化物層を連続的に形成する。スパッタリング法においては、低圧気体(例えば低圧アルゴンガス)中で発生させたプラズマ中の陽イオンを、インジウムスズ酸化物の焼成体ターゲット負電極)に衝突させ、焼成体ターゲット表面から飛散した物質をフィルム基材11上に付着させる。この際、スパッタリング装置内に、酸化スズの含有量の異なるインジウムスズ酸化物の焼成体ターゲットを、少なくとも2個設置することにより、2層のインジウムスズ酸化物層(第1のインジウムスズ酸化物層と第2のインジウムスズ酸化物層)を連続的に形成することができる。スパッタリング後熱処理前)の第1のインジウムスズ酸化物層、第2のインジウムスズ酸化物層は、いずれも非晶質層である。

0021

2層のインジウムスズ酸化物層(第1のインジウムスズ酸化物層と第2のインジウムスズ酸化物層)が形成された長尺のフィルム基材11は、一旦、巻回してロールにされる。長尺のフィルム基材11のロールは、巻き戻されながら、加熱オーブン内に連続的に搬送されて、2層のインジウムスズ酸化物層(第1のインジウムスズ酸化物層と第2のインジウムスズ酸化物層)が加熱処理される。加熱温度は、好ましくは130℃〜170℃であり、加熱時間は、好ましくは30分〜60分である。加熱処理によって、第1のインジウムスズ酸化物層と第2のインジウムスズ酸化物層は、非晶質から結晶質に変化する。このようにして、フィルム基材11側から、第1のインジウムスズ酸化物層、第2のインジウムスズ酸化物層がこの順に積層された透明導体膜を有する、長尺の透明導電性フィルム10が得られる。本発明においては、第1のインジウムスズ酸化物層の酸化スズの含有量と厚さ、第2のインジウムスズ酸化物層の酸化スズの含有量と厚さを限定された範囲とすることにより、透明導体膜の結晶化が促進され、低温、短時間の加熱処理により、透明導体膜を結晶化することができる。

0022

次に透明導体膜の表面(第2のインジウムスズ酸化物層の表面)に、所望のパターン形状フォトレジスト膜を形成した後、透明導体膜を塩酸に浸漬することにより、透明導体膜の不要部分(フォトレジストに覆われていない部分)が除去され、透明導体パターン12(第1のインジウムスズ酸化物層14と第2のインジウムスズ酸化物層15の積層膜)が得られる。

0023

最後に、透明導体パターン12を有する長尺のフィルム基材11の上に、透明導体パターン12を埋設するように粘着剤層13を積層して、本発明の透明導電性フィルム10が得られる。

0024

[実施例1]
厚さ23μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、メラミン樹脂を含む熱硬化性樹脂のアンダーコート層(厚さ30nm)を形成した、長尺のフィルム基材11のロールを準備した。この長尺のフィルム基材11のロールを、アルゴンガス80体積%と酸素ガス20体積%からなる、ガス圧0.4Paの雰囲気のスパッタリング装置にセットした。長尺のフィルム基材11のロールを一定速度で巻き戻しながら、フィルム基材11の上に、第1のインジウムスズ酸化物の非晶質層(酸化スズの含有量10重量%、厚さ8nm)、第2のインジウムスズ酸化物の非晶質層(酸化スズの含有量3.3重量%、厚さ12nm)を順次形成し、トータル厚さ20nmの透明導体膜を形成した。第1のインジウムスズ酸化物の非晶質層と第2のインジウムスズ酸化物の非晶質層が形成された長尺のフィルム基材11を、一旦巻回してロールにした。

0025

次に、このロールを巻き戻しながら、140℃の加熱オーブン内に連続的に搬送して、加熱処理を行なった。加熱処理により、第1のインジウムスズ酸化物の非晶質層は結晶質層に変化し、第2のインジウムスズ酸化物の非晶質層は結晶質層に変化した。この結果、長尺のフィルム基材上に第1のインジウムスズ酸化物層14、第2のインジウムスズ酸化物層15が形成された長尺のフィルム基材11が得られた。第1のインジウムスズ酸化物層の厚さおよび酸化スズの重量%は加熱処理前と同じであった。第2のインジウムスズ酸化物層の厚さおよび酸化スズの重量%は加熱処理前と同じであった。

0026

次に、第2のインジウムスズ酸化物層15の表面に、ストライプ状パターンのフォトレジスト膜を形成した後、透明導体膜を塩酸に浸漬することにより、透明導体膜の不要部分(フォトレジストに覆われていない部分)を除去し、透明導体パターン12を得た。

0027

最後に、透明導体パターン12を有する長尺のフィルム基材11の上に、透明導体パターン12を埋設するようにアクリル系粘着剤層13(日東電工株式会社製「LUCIACS(登録商標)CS9621」)(厚さ50μm、屈折率1.47)を積層して、透明導電性フィルム10を得た。得られた透明導電性フィルム10の特性を表1に示す。

0028

[比較例1]
第1のインジウムスズ酸化物の酸化スズの含有量を3.3重量%、厚さを12nmとした。第2のインジウムスズ酸化物の酸化スズの含有量を10重量%、厚さを8nmとした。透明導体膜のトータル厚さ20nmは実施例1と同じである。上記以外は、実施例1と同様の方法により、透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムの特性を表1に示す。

0029

[比較例2]
透明導電膜を2層から1層に変更した。インジウムスズ酸化物の酸化スズの含有量を3.3重量%、厚さを23nmとした。上記以外は、実施例1と同様の方法により、透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムの特性を表1に示す。

0030

[比較例3]
透明導電膜を2層から1層に変更した。インジウムスズ酸化物の酸化スズの含有量を10重量%、厚さを23nmとした。上記以外は、実施例1と同様の方法により、透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムの特性を表1に示す。

0031

0032

[評価]
表1に示すように、本発明の透明導電性フィルム(実施例1)において、第1のインジウムスズ酸化物層の酸化スズの含有量は、第2のインジウムスズ酸化物層の酸化スズの含有量より多い。また、第1のインジウムスズ酸化物層の厚さは、第2のインジウムスズ酸化物層の厚さより薄い。これらにより、透明導体パターンの存在する部分の反射率と、透明導体パターンの存在しない部分の反射率の差ΔRを、従来品より低減することができた。その結果、従来品より透明導体パターンが視認されにくい透明導電性フィルムを得ることができた。さらに、本発明の透明導電性フィルム(実施例1)においては、透明導体パターンの結晶化時間を短縮しながら、表面抵抗値を小さくすることができた。

0033

測定方法
[反射率の差ΔR]
透明導電性フィルムから粘着剤層を取り除いた後、分光光度計日立製作所製U4100)を用いて、透明導体パターンの存在する部分の波長450nm〜650nmの平均反射率R1(%)と、透明導体パターンの存在しない部分の波長450nm〜650nmの平均反射率R2(%)とを測定し、反射率の差の絶対値ΔR(%)=|R1−R2|を算出した。なお、粘着剤層を積層すると、透明導体パターンの存在する部分の平均反射率R1(%)と、透明導体パターンの存在しない部分の平均反射率R2(%)はいずれも同程度小さくなるため、反射率の差の絶対値ΔR(%)は若干小さくなる。

0034

[表面抵抗値]
透明導電性フィルムに粘着剤層を積層する前に、4端子法を用いて、表面抵抗値を測定した。

0035

[結晶化時間]
透明導電性フィルムの表面抵抗値がほぼ一定となる時間を結晶化時間とした。

0036

[酸化スズの含有量]
スパッタリング装置に設置したインジウムスズ酸化物の焼成体ターゲットの酸化スズ含有量を、インジウムスズ酸化物の結晶質層の酸化スズ含有量とした。

実施例

0037

膜厚
透過型電子顕微鏡(日立製作所製H-7650)を用いてインジウムスズ酸化物層の断面を観察し、インジウムスズ酸化物層の膜厚を測定した。

0038

本発明の透明導電性フィルムの用途に制限は無いが、本発明の透明導電性フィルムは投影型の静電容量方式タッチパネルに特に好適に用いられる。

0039

10透明導電性フィルム
11フィルム基材
12 透明導体パターン
13粘着剤層
14 第1のインジウムスズ酸化物の結晶質層
15 第2のインジウムスズ酸化物の結晶質層

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  • 三菱ケミカル株式会社の「 エチレン-ビニルアルコール系共重合体樹脂組成物、多層構造体および包装体」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】エチレン−ビニルアルコール系共重合体以外の樹脂を配合せずとも耐衝撃性に優れ、かつ接着強度にも優れたエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂組成物として、エチレン−ビニルアルコール系共... 詳細

  • muiLab株式会社の「 操作表示パネル組込物品」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】空間に自然に調和してユーザにとって視覚的ノイズとならず、かつ、ユーザが使用したいと思ったときや必要な時には、自然素材の手触りを感じながら直感的に操作可能な、操作表示パネルが組み込まれ... 詳細

  • ナミックス株式会社の「 複合銅箔」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】新規な複合銅箔を提供することを目的とする。【課題を解決するための手段】 銅箔の少なくとも一部の表面に、銅以外の金属層が形成されている複合銅箔であって、少なくとも一部の前記複合銅箔の表面に凸部... 詳細

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