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技術 放電灯点灯装置、この放電灯点灯装置を搭載した車両の前照灯及び車両

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 菅沼和俊中村俊朗西川政広
出願日 2012年4月13日 (8年8ヶ月経過) 出願番号 2012-091589
公開日 2013年10月28日 (7年1ヶ月経過) 公開番号 2013-222513
状態 特許登録済
技術分野 車両の外部照明装置、信号 放電ランプ高周波または変換器直流点灯回路
主要キーワード 定常電圧値 無負荷期間 減衰期間 定常電力 電力カーブ 演算処理システム 点灯直前 定数テーブル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

放電灯点灯装置において、回路熱暴走させずに放電灯を安定的に点灯させる。

解決手段

放電灯点灯装置(1)は、電源から電力の供給を受け、電力を放電灯が必要とする電力に変換して放電灯に供給する電力変換回路(7)と、電力変換回路を制御して放電灯の点灯を制御する制御部(8)と、を備え、制御部(8)は、放電灯への供給電力を所定の最大電力値から所定の定常電力値まで点灯時間に応じて指数関数的に減衰させる所定の電力カーブに沿うように制御し、かつ、直流電源電圧又は周囲温度若しくは装置温度又は放電灯電圧検出値に応じて、電力カーブを変化させるように制御し、少なくとも放電灯の温度が基準温度以下の状態で点灯を行うコールドスタート時における電力カーブの最大電力値の維持期間を所定の一定時間にする。放電灯点灯装置(1)は、維持期間を一定時間にすることで、回路の熱暴走を抑制し、放電灯を安定的に点灯させることができる。

概要

背景

IDランプは、その輝度の高さから車載用途に用いられている。車載用途では特に視認性の早期確保を実現するため、放電灯は、始動時に光束を急速に立ち上げることが求められる。従来の放電灯の点灯装置は、例えば、点灯直後に放電灯の定格電力より過大な電力(以下、最大電力という)を放電灯に供給し、その後、電力を定常電力まで指数関数的な電力カーブで減少させることで光束の急速な立ち上りを実現している(特許文献1、2参照)。ここで、定常電力は、放電灯を安全に使用できる最大値である定格電力以下の電力であって、放電灯が安定して点灯する電力を言う。

概要

放電灯点灯装置において、回路熱暴走させずに放電灯を安定的に点灯させる。放電灯点灯装置(1)は、電源から電力の供給を受け、電力を放電灯が必要とする電力に変換して放電灯に供給する電力変換回路(7)と、電力変換回路を制御して放電灯の点灯を制御する制御部(8)と、を備え、制御部(8)は、放電灯への供給電力を所定の最大電力値から所定の定常電力値まで点灯時間に応じて指数関数的に減衰させる所定の電力カーブに沿うように制御し、かつ、直流電源電圧又は周囲温度若しくは装置温度又は放電灯電圧検出値に応じて、電力カーブを変化させるように制御し、少なくとも放電灯の温度が基準温度以下の状態で点灯を行うコールドスタート時における電力カーブの最大電力値の維持期間を所定の一定時間にする。放電灯点灯装置(1)は、維持期間を一定時間にすることで、回路の熱暴走を抑制し、放電灯を安定的に点灯させることができる。

目的

本発明は、上記課題を解決するものであり、電源電圧の低下、周囲温度又は装置温度の上昇があった場合でも、回路を熱暴走させずに放電灯を安定的に点灯させることができる放電灯点灯装置、該装置を用いた車両の前照灯及び車両を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

電源から電力の供給を受け、前記電力を放電灯が必要とする電圧に変換して前記放電灯に供給する電力変換回路と、前記電力変換回路を制御して前記放電灯の点灯を制御する制御部と、を備えた放電灯点灯装置において、前記制御部は、放電灯への供給電力を、所定の最大電力値から所定の定常電力値まで点灯時間に応じて指数関数的に減衰させる所定の電力カーブに沿うように制御し、かつ、前記電源の電源電圧又は周囲温度若しくは装置温度又は放電灯電圧に応じて、前記電力カーブを変化させるように制御し、少なくとも放電灯の温度が基準温度以下の状態で点灯を行うコールドスタート時における前記電力カーブの最大電力値の維持期間を所定の一定時間にすることを特徴とする放電灯点灯装置。

請求項2

前記最大電力値の維持期間は、100msec以上であることを特徴とする請求項1に記載の放電灯点灯装置。

請求項3

前記最大電力値の維持期間は、10sec以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放電灯点灯装置。

請求項4

前記制御部は、前記電源電圧の低下に応じて前記電力カーブの最大電力値を所定値に制限することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の放電灯点灯装置。

請求項5

前記制御部は、前記電源電圧が所定の第1電圧値以下である場合に前記電力カーブの最大電力値を所定値に制限することを特徴とする請求項4に記載の放電灯点灯装置。

請求項6

前記制御部は、周囲温度又は装置温度の上昇に応じて前記電力カーブの最大電力値を所定値に制限することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の放電灯点灯装置。

請求項7

前記制御部は、周囲温度又は装置温度が所定の第1温度以上である場合に前記電力カーブの最大電力値を所定値に制限することを特徴とする請求項6に記載の放電灯点灯装置。

請求項8

前記制御部は、前記最大電力値の所定値が所定の第1電力値以下である場合、前記最大電力の所定値を前記第1電力値とし、かつ、前記最大電力値の維持期間を前記所定の一定時間から減少させることを特徴とする請求項4乃至請求項7の何れか一項に記載の放電灯点灯装置。

請求項9

前記第1電力値は、放電灯が安定点灯時の定格電力の1.2倍以上であることを特徴とする請求項8に記載の放電灯点灯装置。

請求項10

前記制御部は、前記最大電力の所定値と前記第1電力値との差分に応じて、前記最大電力値の維持期間の減少量を変化させることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の放電灯点灯装置。

請求項11

前記電源電圧が放電灯を点灯するのに必要な所定の第2電圧値以下である場合、前記電力カーブの最大電力値を前記第1電力値以下とすることを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れか一項に記載の放電灯点灯装置。

請求項12

周囲温度が所定の第2温度以上である場合、前記電力カーブの最大電力値を前記第1電力値以下とすることを特徴とする請求項8乃至請求項11の何れか一項に記載の放電灯点灯装置。

請求項13

前記制御部は、放電灯の温度が前記基準温度より高い温度状態で点灯を行うホットリスタート時に、点灯直前の放電灯温度又は消灯時間に応じて、前記電力カーブの最大電力値を変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の放電灯点灯装置。

請求項14

前記制御部は、放電灯の温度が前記基準温度より高い温度状態で点灯を行うホットリスタート時に、点灯直前の放電灯温度又は消灯時間に応じて、前記電力カーブの最大電力値の維持期間を変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載の放電灯点灯装置。

請求項15

請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載の放電灯点灯装置を搭載した車両の前照灯

請求項16

請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載の放電灯点灯装置を搭載した車両。

技術分野

0001

本発明は、メタルハライドランプ等の高輝度放電灯(HIDランプ)を含む放電灯点灯させる放電灯点灯装置、該装置を用いた車両の前照灯及び車両に関する。

背景技術

0002

HIDランプは、その輝度の高さから車載用途に用いられている。車載用途では特に視認性の早期確保を実現するため、放電灯は、始動時に光束を急速に立ち上げることが求められる。従来の放電灯の点灯装置は、例えば、点灯直後に放電灯の定格電力より過大な電力(以下、最大電力という)を放電灯に供給し、その後、電力を定常電力まで指数関数的な電力カーブで減少させることで光束の急速な立ち上りを実現している(特許文献1、2参照)。ここで、定常電力は、放電灯を安全に使用できる最大値である定格電力以下の電力であって、放電灯が安定して点灯する電力を言う。

先行技術

0003

特許第2946384号公報
特許第3280563号公報

発明が解決しようとする課題

0004

従来の放電灯の点灯装置では、定電力制御の下、電源電圧が低下した場合、回路に流れる電流量を増加することによって最大電力値を得ようとする。この場合、回路内の発熱量が増加し、回路が熱暴走する虞がある。また、電源電圧の低下に応じて最大電力値を低下させ、最大電力値の印加を長時間行う場合にも同様の問題が生じ得る。そして、最大電力値の印加を長時間行う場合に熱暴走を防ぐには、最大電力値を大幅に低減する必要があるが、この場合、放電灯の点灯が不安定になる虞がある。

0005

本発明は、上記課題を解決するものであり、電源電圧の低下、周囲温度又は装置温度の上昇があった場合でも、回路を熱暴走させずに放電灯を安定的に点灯させることができる放電灯点灯装置、該装置を用いた車両の前照灯及び車両を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために本発明は、前記放電灯点灯装置において、電源から電力の供給を受け、前記電力を放電灯が必要とする電圧に変換して前記放電灯に供給する電力変換回路と、前記電力変換回路を制御して前記放電灯の点灯を制御する制御部と、を備えた放電灯点灯装置において、前記制御部は、放電灯への供給電力を、所定の最大電力値から所定の定常電力値まで点灯時間に応じて指数関数的に減衰させる所定の電力カーブに沿うように制御し、かつ、前記電源の電源電圧又は周囲温度若しくは装置温度又は放電灯電圧に応じて、前記電力カーブを変化させるように制御し、少なくとも放電灯の温度が基準温度以下の状態で点灯を行うコールドスタート時における前記電力カーブの最大電力値の維持期間を所定の一定時間にするであることが好ましい。

0007

前記放電灯点灯装置において、前記最大電力値の維持期間は、100msec以上であることが好ましい。

0008

前記放電灯点灯装置において、前記最大電力値の維持期間は、10sec以下であることが好ましい。

0009

前記放電灯点灯装置において、前記制御部は、前記電源電圧の低下に応じて前記電力カーブの最大電力値を所定値に制限することが好ましい。

0010

前記放電灯点灯装置において、前記制御部は、前記電源電圧が所定の第1電圧値以下である場合に前記電力カーブの最大電力値を所定値に制限することが好ましい。

0011

前記放電灯点灯装置において、前記制御部は、周囲温度又は装置温度の上昇に応じて前記電力カーブの最大電力値を所定値に制限することが好ましい。

0012

前記放電灯点灯装置において、前記制御部は、周囲温度又は装置温度が所定の第1温度以上である場合に前記電力カーブの最大電力値を所定値に制限することが好ましい。

0013

前記放電灯点灯装置において、前記制御部は、前記最大電力値の所定値が所定の第1電力値以下である場合、前記最大電力の所定値を前記第1電力値とし、かつ、前記最大電力値の維持期間を前記所定の一定時間から減少させることが好ましい。

0014

前記放電灯点灯装置において、前記第1電力値は、放電灯が安定点灯時の定格電力の1.2倍以上であることが好ましい。

0015

前記放電灯点灯装置において、前記制御部は、前記最大電力の所定値と前記第1電力値との差分に応じて、前記最大電力値の維持期間の減少量を変化させることが好ましい。

0016

前記放電灯点灯装置において、前記電源電圧が放電灯を点灯するのに必要な所定の第2電圧値以下である場合、前記電力カーブの最大電力値を前記第1電力値以下とすることが好ましい。

0017

前記放電灯点灯装置において、周囲温度が所定の第2温度以上である場合、前記電力カーブの最大電力値を前記第1電力値以下とすることが好ましい。

0018

前記放電灯点灯装置において、前記制御部は、放電灯の温度が前記基準温度より高い温度状態で点灯を行うホットリスタート時に、点灯直前の放電灯温度又は消灯時間に応じて、前記電力カーブの最大電力値を変化させることが好ましい。

0019

前記放電灯点灯装置において、前記制御部は、放電灯の温度が前記基準温度より高い温度状態で点灯を行うホットリスタート時に、点灯直前の放電灯温度又は消灯時間に応じて、前記電力カーブの最大電力値の維持期間を変化させることが好ましい。

0020

前記何れかに記載の放電灯点灯装置を搭載した車両又は車両の前照灯が好ましい。

発明の効果

0021

本発明によれば、放電灯の点灯時、電源電圧又は周囲温度若しくは装置温度又は放電灯電圧に応じて、放電灯へ供給する電力カーブを変化させる場合に、電力カーブの最大電力値の維持期間を所定の一定時間にするので回路の熱暴走を抑制し、放電灯を安定的に点灯させることができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の第1実施形態に係る放電灯点灯装置を自動車に搭載した照明ステムを示す図。
同放電灯点灯装置の回路図。
同放電灯点灯装置が放電灯に供給する電力カーブを示すグラフ
(a)は電源電圧に対する最大電力値を示すグラフ、(b)は周囲温度に対する最大電力値を示すグラフ。
放電灯への電力供給時の放電灯の電圧及び電流を示すタイムチャート
電力カーブと相対照度カーブとの関係を示すグラフ。
第1実施形態の変形例に係る放電灯装置が放電灯に供給する電力カーブを示すグラフ。
(a)〜(c)は電源電圧の値に応じて設定する最大電圧値の関係の変形例を示すグラフ。
(a)〜(c)は周囲温度の値に応じて設定する最大電圧値の関係の変形例を示すグラフ。
第2実施形態に係る放電灯点灯装置の回路図。
(a)は同実施形態に係る放電灯点灯装置の制御部の備えるタイマ回路の実施例を示す回路図、(b)はタイマの備えるコンデンサ蓄電量と消灯時間との関係を示すグラフ。
(a)は同放電灯点灯装置が放電灯に供給する電力カーブ、(b)は消灯時間に対する最大電力値を示すグラフ、(c)は消灯時間に対する放電灯の温度を示すグラフ。
(a)は放電灯点灯装置の同実施形態の変形例1に係る電力カーブ、(b)は消灯時間に対する最大電力値の維持期間を示すグラフ。
(a)は放電等点灯装置の同実施形態の変形例2に係る電力カーブ、(b)は消灯時間に対する最大電力値を示すグラフ、(c)は消灯時間に対する最大電力値の維持期間を示すグラフ。
(a)は第3実施形態に係る放電灯点灯装置の電力カーブを示すグラフ、(b)は最大電力値として設定しようとする設定値と下限値との差に基づいて設定する維持期間Aを示すグラフ。
(a)(b)は、最大電力値の下限値と設定値との差に対して設定する維持期間の変形例を示すグラフ。
第4実施形態に係る放電点灯装置で用いる電力カーブを示すグラフ。
(a)は点灯開始後の経過時間に対して電源電圧が急激に低下した場合のグラフ、(b)はその時の入力電流を示すグラフ、(c)はその時の出力電圧を示すグラフ。
(a)は電源電圧(V)の値に対して設定する最大電力値(W)のWp0からの低減量を示すグラフ、(b)は周囲温度に対して設定する最大電力値(W)のWp0からの低減量を示すグラフ。
その他の変形例に係る放電灯点灯装置の回路図。
その他の変形例に係る放電灯点灯装置の回路図。

実施例

0023

本発明の放電灯点灯装置は、例えばHIDランプを用いる自動車の前照灯に実装される。前記放電灯点灯装置は、放電灯に出力する電力を、所定の最大電力値から所定の定常電力値まで点灯時間に応じて指数関数的に減衰させる所定の電力カーブに沿うように制御する。前記電力カーブは、電源電圧又は周囲温度若しくは装置温度又は放電灯電圧の検出値に応じて変化される。放電灯点灯装置は、少なくとも放電灯の温度が基準温度以下の状態で点灯を行うコールドスタート時、電力カーブの最大電力値の維持期間を該最大電力値の変化によらず所定の一定時間とすることを特徴とする。該構成を採用することで、定電力制御の下で、電源の出力電圧が低下し、回路に流れる電流が増加する時であっても、回路を加熱する時間を一定にすることで回路の熱暴走を抑制する。また、維持期間を一定時間にするので、維持期間を延ばす場合に比べて最大電圧値を高く設定でき、回路の熱暴走を抑制し、放電灯を安定的に点灯させることができる。更に、一度消灯した後、基準温度よりも高い状態のときに再点灯するホットリスタート時、又は、高温低電源電圧時に、放電灯が点灯できない値にまで最大電力値を軽減する必要がある例外的な場合に、上記最大電力値の維持期間を短くして、装置の回路の熱暴走を防ぎつつ、放電灯の点灯始動性能を確保する。

0024

(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る放電灯点灯装置1を前照灯に搭載した車両3の照明システム4の構成を示す。この照明システム4は、前照灯を成す放電灯2と、放電灯2を点灯駆動する放電灯点灯装置1と、放電灯点灯装置1にスイッチ5を介して接続されている12V直流電源6と、で構成される。

0025

図2は、照明システム4の回路図である。放電灯点灯装置1は、直流電源6の電源電圧(V)を放電灯2が必要とする電圧に電力変換する電力変換回路7と、電力変換回路7を制御して放電灯2の点灯を制御する制御部8と、制御部8に必要な検出値を出力する検出部9と、を備える。

0026

電力変換回路7は、DC/DCコンバータ7aと、DC/DCコンバータ7aの出力する直流電圧矩形波低周波交流電圧に変換するフルブリッジ型インバータ7bと、交流電圧高電圧パルスに変換して放電灯2に出力するイグナイタ7cと、を備える。DC/DCコンバータ7aは、スイッチングトランジスタ(以下、トランジスタという)Q1のON時間や駆動周波数を変更することにより直流電源6からの電圧を放電灯2が必要とする電圧に昇降圧するフライバック型のものである。

0027

検出部9は、直流電源6の出力する電源電圧を検出して制御部8に出力する電源電圧検出部9aと、周囲温度、装置温度又は放電灯温度を検出して制御部8に出力する温度検出部9bと、を備える。

0028

制御部8は、DC/DCコンバータ7aの出力電流検出値に基づいて、DC/DCコンバータ7aの出力電力を最大電力値から定常電力値まで、放電灯2への供給電力を、点灯時間に応じて指数関数的に減衰させる所定の電力カーブに沿うように制御する。制御部8は、検出部9による検出値に応じて、電力カーブを変化させるように制御し、少なくとも放電灯の温度が基準温度以下の状態で点灯を行うコールドスタート時における電力カーブの最大電力値の維持期間を所定の一定時間とする。

0029

制御部8は、所定の最大電力値、定常電圧値及び所定の電力カーブを記憶している電力目標記憶部8aと、電力目標記憶部8aの出力を検出部9の出力に基づいて補正する最大電力制限部8bとを備える。

0030

最大電力制限部8bは、検出部9の出力に基づいて最大電力値の低減量等を求める定数テーブルの情報を備えており、この情報に基づいて電力目標記憶部8aの出力する電力カーブを補正して出力する。

0031

更に、制御部8は、出力電流目標値を得る電流目標演算部8cと、電力カーブの制御誤差アンプ8dとを備える。電流目標演算部8cは、最大電力制御部8bの出力する電力目標値を、DC/DCコンバータ7aの出力電圧検出値で割ることによって、出力電流目標値を得る。誤差アンプ8dは、出力電流目標値とDC/DCコンバータ7aの出力電流検出値との入力に基づいて、前記出力電流目標値及び出力電流検出値の差が無くなるようにDC/DCコンバータ7aのトランジスタQ1へ制御信号を出力する。上記構成によって制御部8は、電力変換回路7が放電灯2に出力する電力カーブの制御を行う。

0032

以下に、回路動作を説明する。DC/DCコンバータ7aは、平滑コンデンサC1後段に、出力制御用のトランジスタQ1を備えたトランスT1と平滑コンデンサC2とダイオードD1を備える。インバータ7bは、フルブリッジ接続されたトランジスタQ2〜Q5を備える。イグナイタ7cは、蓄電用のコンデンサCsとスパークギャップSG1の接続されたトランスT2とを備える。

0033

スイッチ5がオンの状態で、トランジスタQ1がオンになると、トランスT1の1次側コイルP1とトランジスタQ1とを電流が流れる。しかし、トランスT1の2次側コイルS1にはダイオードD1により電流が流れないため、そのエネルギーはトランスT1に蓄えられる。次にトランジスタQ1をオフすると、トランスT1の2次側コイルS1→C2→D1のルートで電流が流れ、トランスT1に蓄えられていたエネルギーが平滑コンデンサC2へと移される。点灯前、放電灯2は開放状態であるため、コンデンサC2の電圧は上昇し、フルブリッジ型インバータを構成するトランジスタQ2、Q5をオンにし、トランジスタQ3、Q4をオフに固定する。これにより、コンデンサCsの電圧は上昇する。コンデンサCsに印加される電圧が所定値以上になるとスパークギャップSG1がブレークダウンし、トランスT2の1次側コイルP2に瞬時に電圧がかかり、トランスT2の2次側コイルS2には上記電圧を巻数比倍した高電圧(数10kV程度)が印加される。この高電圧の印加により放電灯2がブレークダウンする。その瞬間にDC/DCコンバータ7aから放電灯2に電流が流れ、放電灯2はアーク放電を始め点灯する。

0034

放電灯2の点灯後は、フルブリッジ型インバータ7bの出力を所定時間間隔交番させながら、誤差アンプ8dで出力電流検出値と出力電流目標値とを比較し、その誤差量に応じた制御信号をDC/DCコンバータ7aのトランジスタQ1に出力してDC/DCコンバータ7aの出力する電圧を制御する。以上の回路動作によって放電灯点灯装置1は、放電灯2を安定的に点灯させることができる。

0035

(電力カーブの制御)
図3は、電力目標記憶部8aに記憶されている電力カーブを実線で示すグラフである。グラフの縦軸出力電力目標値(W)で、横軸点灯開始時刻からの経過時間(s)を示す。電力カーブは、放電灯2として35W定格電圧無水銀ランプを用いる場合のものであり、放電灯への供給電力を、所定の最大電力値Wp0(70〜90W)から所定の定常電力値(例えば定格電力35W)まで点灯時間に応じて指数関数的に減衰するものである。定常電力値とは、放電灯を安全に使用できる最大値である定格電力以下の値であって、放電灯が安定点灯する値を言う。最大電力値Wp0は、放電灯2の定格電力の2倍ほどの値に設定する。一般的な常用自動車が搭載する直流電源では、使用初期定常電圧は12Vで、定格電圧は14Vである。

0036

放電灯2を点灯する場合、放電灯の温度が基準温度(例えば25℃)以下の状態で点灯を行うコールドスタート時と、一度消灯した後、基準温度よりも高い状態のときに再点灯するホットリスタート時とがある。図3に示す電力カーブは、コールドスタート時のものであり、最大電力値Wp0を所定の一定時間A1(約4秒)だけ維持する維持期間A(s)が経過した後に、減衰期間B(約40〜50秒)の時間をかけて定常電力値へと減衰を行うように設定されている。定常電力値設定後の安定期間Cでは、出力電力を一定にして定常的に安定した点灯を行う。なお、図4を参照しつつ説明するが、図3には、最大電力値Wp0を環境温度及び電源電圧の値に基づいて定まる所定値Wp1、Wp2に制限した場合の電力カーブが示されている。

0037

図4(a)は、検出部9から出力される直流電源6の電源電圧(V)の低下に応じて設定される最大電力値(W)を示すグラフである。図4(b)は、検出部9から出力される周囲温度、装置温度又は放電灯2の温度(以下、環境温度という)(℃)として、周囲温度を用いる場合に、周囲温度の上昇に応じて設定される最大電力値(W)を示すグラフである。最大電力制限部8bは、図4(a)(b)の定数テーブルの情報として備えている。

0038

検出部9からの出力が初期値Va0の場合、最大電力値をWp0に設定する。検出部9からの出力がVa0から低下したVa1の場合、グラフに基づいてWp0からの低減量Wva1を特定する。また、環境温度が室温Ta0の場合、最大電力値をWp0に設定する。環境温度がTa0より高いTa1の場合、グラフに基づいてWp0からの低減量Wta1を特定する。この場合、最大電力値の低減量はWva1とWta1との総和で求まり、結果、最大電力値Wp1(図3)は、Wp0−Wva1−Wta1の演算によって求められる。最大電力制限部8bは、求めた制限後の最大電力値Wp1を電流目標演算部8cに出力する。最大電力制限部8bは、図3点線で示す最大電力値Wp1(<Wp0)の電力カーブを設定する。電力カーブでは、維持期間Aは一定時間A1に設定される。減衰期間Bの電力カーブは、最大電力制限部8bが前記手法によって特定される最大電力値に応じて演算によって求められる。各最大電力値に対応する電力カーブの情報を電力目標記憶部8aの記憶部(不図示)に記憶しておき、最大電力制限部8bが、対応する電力カーブの情報を電力目標記憶部8aから読みだす構成を採用してもよい。例えば、最大電力値が更に低減されWp2(<Wp1)(図3)となった場合、最大電力制限部8bは、維持期間Aを一定時間A1に設定し、かつ、点線で示す最大電力値Wp2の電力カーブを設定する。

0039

なお、図4(a)又は図4(b)の一方のグラフのみを用いて電源電圧又は周囲温度による最大電力値の制御を行ってもよい。

0040

放電灯点灯装置1は、定電力制御の下で、直流電源の出力電圧が低下し、回路に流れる電流が増加する時であっても、最大電力値の維持期間Aを一定時間A1に設定し、回路の熱暴走を防ぐことができる。例えば、放電灯点灯装置1は、自動車のエンジンルーム内に設けられ、高温度環境下で使用される場合でも、熱ストレスから回路を保護し、かつ、放電灯2の光束を速やかに立ち上げることができる。また、放電灯点灯装置1は、電力カーブの減衰期間Bを短くして時間当たりの減衰量を増加することが無いので、放電灯2をちらつかさずに安定的に点灯させることができる。

0041

最大電力値の維持期間Aの設定基準について説明する。図5(a)〜(d)は、放電灯の点灯開始から定常電力での安定した点灯に至るまでの時間経過に対する放電灯の電圧及び電流を示す。図5(a)は直流電源電圧を示し、図5(b)は放電灯電圧を示し、図5(c)は放電灯電流を示し、図5(d)は、各状態の期間名と、前記電力カーブの期間A〜Cを示す。放電灯2は、点灯前の無負荷期間の経過後、前記イグナイタ7cから出力される高電圧(始動)パルスによって放電を開始する。この放電開始直後には、安定点灯時の点灯周波数よりも長い周期を有する電極加熱期間が設けられる。電極加熱期間中、放電灯2の端子電圧は安定点灯期間に比べて低く、放電灯2への供給電力は高い。このため、放電灯2に流れる電流は最大となり、放電灯2での発熱量が高くなり、結果、電極温度短期間で上昇し、放電は早期に安定する。

0042

電極加熱期間に放電灯2への供給電力を変化させると、放電灯2が立ち消える虞がある。このため、電極加熱期間中、放電灯2への供給電力は一定であることが望ましい。電極加熱期間の長さは、放電灯2の状態(温度等)によって変わるが、一般的には、最大値は100ms前後に設定される。例えば、放電灯2の寿命(電極劣化黒化ランプ白濁)の観点から、一般に電極加熱期間の電流時間積は60〜70mAsec程度以下に設定される。放電灯2の再始動時も含めると、放電灯電流は1A以下になる場合があり、例えば0.8A程度を考えると、電極加熱期間は70mAsec/0.8A=87.5msecとなる。従って、多少の製造誤差等を考慮して、最大電力値を維持する一定時間A1は、少なくとも100msec以上に設定することが好ましい。

0043

図6は、放電灯2へ印加される電力カーブと、この電力印加に応じて生じる光束立ち上げカーブとの例を示す。グラフ中、放電灯2へ電力カーブCA1で電力を印加した場合の相対照度を相対照度カーブCA2、電力カーブCB1で電力を印加した場合の相対照度を相対照度カーブCB2と表す。電力カーブCA1のように、10secより長く最大電力値を出力し続けると、光束が急峻に立ち上がり、ランプ安定点灯時の照度を100%とするときに130%以上の照度の閃光となる。このため、車載前照灯の場合、歩行者への眩惑が発生するという虞がある。また、放電灯2への供給電力が過剰となり電極の早期摩耗を引き起こす結果、放電灯の寿命が短くなる。また、点灯装置内の回路に大電流が流れる結果、熱ストレスが大きく熱暴走の危険性も高まる等の虞がある。従って、これらの問題を防止するために、最大電力値の維持期間は、本図に基づいて10sec以下に抑えるのが望ましい。以上より、最大電力値を維持する一定時間A1は100msec以上、10sec以下に設定することが好ましい。

0044

(第1実施形態の変形例1)
図7は、第1実施形態の変形例1に係る放電灯点灯装置が用いる電力カーブを示す。図示するように、直流電源6の電源電圧又は環境温度に基づいて最大電力値をWp0よりも低い値Wp1、Wp2に変えた場合、定常電力の値をWb1(<35W)、Wb2(<Wb1)と順に低い値に変える。この場合においても、最大電力値の維持期間Aは、一定時間A1に設定する。電力カーブの設定方法は、第1実施形態の放電灯点灯装置1と同様であり、ここでの重複した説明は省く。上記構成を採用することによって、放電灯点灯装置1は、回路の熱暴走を抑制し、放電灯2を安定的に点灯させることができる。

0045

(第1実施形態の変形例2)
図8(a)〜(c)は、それぞれ図2に示した最大電力制限部8bが定数テーブルとして記憶している、電源電圧(V)に対する最大電力値(W)の関係を示すグラフ(図4(a))の変形例である。

0046

図8(a)に示すグラフにおいて、電源電圧が初期値Va0からVa2(第1電圧値)までの範囲にあるとき、最大電力値は初期値Wp0に設定される。電源電圧がVa2からVa3へと低下する間、最大電力値は、低下した量に比例して初期値Wp0からWpv2へと低下される。これにより、広い電源電圧範囲で放電灯2の光束を速やかに立ち上げることが可能となる。Va2の値は、装置の回路の出力性能によって決定されるが、車載前照灯に用いる定格電圧14Vの蓄電池の場合、回路での電圧降下分を考慮して10〜13V程度に設定する。

0047

図8(b)に示すグラフにおいて、電源電圧が初期値Va0からVa4の範囲にあるとき、最大電力値は初期値Wp0に設定される。電源電圧がVa4からVa5の間にあるとき、最大電力値は比較的傾きの緩やかな低い減少率でWpv3へと減少される。電源電圧がVa5以下のとき、最大電力値は装置の回路の熱暴走をより確実に防ぐため、比較的傾きの急な高い減少率で減少される。

0048

図8(c)に示すグラフにおいて、電源電圧が初期値Va0からVa6の範囲にあるとき、最大電力値は初期値Wp0に設定される。電源電圧がVa6からVa7の範囲にあるとき、最大電力値は低下した量に比例して初期値Wp0から放電灯2を点灯するのに必要な電力の下限値Wpv4へと低下される。電源電圧がVa7以下のとき、最大電力値は下限値Wpv4に固定される。これにより、電源電圧が低いときでも、放電灯点灯装置1は、回路の熱暴走を抑制し、放電灯2を安定的に点灯させることができる。

0049

なお、電源電圧の低下に応じて最大電力値を軽減するように設定するカーブであれば、他のグラフを適用することもできる。

0050

(第1実施形態の変形例3)
図9(a)〜(c)は、それぞれ図2に示した最大電力制限部8bが使用する環境温度の一例として周囲温度を用いる場合において、周囲温度に対する最大電力値(W)の関係を示すグラフ(図4(b))の変形例である。

0051

図9(a)に示すグラフにおいて、周囲温度が初期値Ta0からTa2(第1温度)までの範囲にあるとき、最大電力値は初期値Wp0に設定される。周囲温度がTa2からTa3へと増加する間は、最大電力値は温度上昇量に比例して初期値のWp0からWpt2へと低下される。これにより、広い温度範囲で放電灯2の光束を速やかに立ち上げることが可能となる。Ta2の値は、装置の回路の出力性能によって決定されるが、車載前照灯用に用いる定格電圧14Vの蓄電池の場合、回路の構成部品の熱ストレス(例えばトランジスタQ1のジャンクション温度)が課題となる80〜100℃程度に設定される。

0052

図9(b)に示すグラフにおいて、周囲温度が初期値Ta0からTa4の範囲にあるとき、最大電力値は初期値Wp0に設定される。周囲温度がTa4からTa5の間にあるとき、最大電力値は比較的傾きの緩やかな低い減少率でWpt3へと減少される。周囲温度がTa5以上のとき、最大電力値は装置の回路の熱暴走をより確実に防ぐため、比較的傾きの急な高い減少率で減少される。

0053

図9(c)に示すグラフにおいて、周囲温度が初期値Ta0からTa6の範囲にあるとき、最大電力値は初期値Wp0に設定される。周囲温度がTa6からTa7の範囲にあるとき、最大電力値は温度上昇量に比例して初期値Wp0から放電灯2を点灯するのに必要な電力の下限値Wpt4へと低下される。周囲温度がTa7以上のとき、最大電力値は下限値Wpt4に固定される。これにより、周囲温度が高いときでも、放電灯点灯装置1は、回路の熱暴走を抑制し、放電灯2を安定的に点灯させることができる。

0054

なお、周囲温度もしくは放電灯点灯装置1の温度上昇に応じて最大電力目標値を軽減するように設定するカーブであれば、前記以外のグラフを適用することもできる。

0055

(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係る放電灯点灯装置10の回路図を示す。第1実施形態に係る放電灯点灯装置1と同じ又は同様の構成要素には同じ参照番号を付して、ここでの重複説明は省く。放電灯点灯装置10は、放電灯が消灯された後、再び点灯されるまでの期間が短く、放電灯2が基準温度(例えば25℃)よりも高い状態のホットリスタート時に最大電力値及び最大電力値の維持期間の何れか一方又は双方を制限する。具体的には、放電灯点灯装置10は、再点灯直前の放電灯温度又は消灯時間の検出値に応じて前記制限を行う。ホットリスタート時、放電灯2は、コールドスタート時よりも低い電力で点灯するからである。このような制御を採用することによって、ホットリスタート時にコールドスタート時と同等の電力を放電灯2に供給することによる光束立ち上がり時の閃光の発生、及び、電極の早期摩耗等を防ぐ。この場合においても、最大電力値の維持期間Aは一定時間A1に設定する。これによって、放電灯点灯装置10は、回路の熱暴走を抑制し、放電灯2を安定的に点灯させることができる。

0056

放電灯点灯装置10は、商用交流電源11を用いる。交流電源11は、スイッチ12を介してAC/DCコンバータ13に接続されている。AC/DCコンバータ13の直流電圧出力は、電源電圧として放電灯点灯装置10に供給される。放電灯点灯装置10は、放電灯点灯装置1と異なる構成の制御部14を有している。制御部14の構成要素の内、放電灯点灯装置1の制御部8と同じ又は同様の構成要素には同じ参照番号を付して、ここでの重複説明は省く。制御部14では、最大電力制限部8bに接続されるタイマ回路14aを備えたことを特徴とする。タイマ回路14aは、スイッチ12がオフに切り替えられ放電灯2が消灯してから、次にスイッチ12がオンに切り替えられて放電灯2が点灯するまでの期間OT(Off Time)を計時し、計時結果を最大電力制限部8bに出力する。最大電力制限部8bでは、検出部9からの検出値に加えて、タイマ回路14aからの計時結果に基づいて、最大電力値を補正して出力する。その他の回路動作は放電灯点灯装置1と同様である。また、以下に説明する第2実施形態及びその変形例については、電源が商用交流電源11の場合以外に、第1実施形態の放電灯点灯装置1で用いた直流電源6を用いる場合であっても同様に実施可能である。

0057

図11(a)は、タイマ回路14aの実施例を示す。タイマ回路14aは、一端に電源電圧(V)が印加され、他端が接地されている、直列接続された2つの抵抗R1、R2と、抵抗R2に並列接続されたコンデンサCとで構成されている。2つの抵抗R1、R2の間には、スイッチ12に連動して動くスイッチSWが設けられている。スイッチSWはスイッチ12でもよい。放電灯2の消灯に伴い、スイッチSWがオフに切り替えられる。これによって、放電灯2の点灯時に電荷蓄積されていたコンデンサCが放電を開始する。次に放電灯2が点灯されるとき、スイッチSWがオンにされたときの電位VTがコンデンサCの残留電荷量を表す信号として最大電力制限部8bに出力される。図11(b)は、消灯時間OT(s)に対するコンデンサCの残留蓄電量(VTの電位で表される)COTの関係を示すグラフである。一例として消灯時間OT1に対する前記コンデンサCの残留蓄電量COT1を示す。最大電力制限部8bは、コンデンサCの残留電荷量COTの値に基づいて、放電灯温度又は消灯時間を算出する。

0058

図12(a)は、放電灯点灯装置10が放電灯2に供給する電力カーブであり、図12(b)は消灯時間(s)に対する最大電力値(W)を示すグラフであり、図12(c)は消灯時間(s)に対する放電灯温度(℃)を示すグラフの例である。最大電力制限部8bは、算出した消灯時間OT0〜OT2に基づいて求まる最大電力値Wp0からの低減量を、検出部9からの検出値に基づいて低減した最大電力値からさらに差し引く。これによって、ホットリスタート時、放電灯点灯装置10は、回路の熱暴走を抑制し、放電灯2を安定的に点灯させることができる。

0059

図12(c)に示すように、消灯時間が極めて短い時間OT0の場合、放電灯2の温度は消灯時の温度と同じで、最も再点灯し易い状態であるので、最大電力値を図12(b)に示すようにWp0から大幅に低減したWpOT0とする低減量を設定する。消灯時間がOT1の時、最大電力値Wp0をWpOT1にする低減量が設定される。時間がOT1からOT2へと経過するにつれて、放電灯2の温度は低くなりコールドスタート時の温度に近づく。放電灯2の温度が基準温度(室温25℃)になった場合、最大電力値Wp0からの低減量は0に設定される。

0060

(第2実施形態の変形例1)
図13(a)は第2実施形態に係る放電灯点灯装置の変形例1に係る電力カーブを示し、図13(b)は消灯時間に対する最大電力値の維持期間Aを示すグラフを示す。変形例1では、消灯時間が短い時間OT0の場合に最大電力値の維持期間AをA1からA5に短くする。ホットリスタート時は、放電灯2の出力が安定するのに要する時間が短いため、当該制御が可能になる。消灯時間がOT1の時、最大電力値の維持期間AをA1からA4に短くする。消灯時間がOT1からOT2へと経過するにつれて、放電灯2の温度は低くなりコールドスタート時の温度に近づく。放電灯2の温度が基準温度(室温25℃)になった場合、最大電力値の維持期間Aは初期値A1に設定される。これによって、ホットリスタート時、放電灯点灯装置10は、回路の熱暴走を抑制し、放電灯2を安定的に点灯させることができる。

0061

(第2実施形態の変形例2)
図14(a)は第2実施形態に係る放電灯点灯装置の変形例2の電力カーブを示すグラフ、図14(b)は消灯時間OT(s)に対する最大電力値(W)を示すグラフ、図14(b)は消灯時間OT(s)に対する最大電力値の維持期間A(s)を示すグラフを示す。本変形例では、消灯時間に応じて、最大電力値及び維持期間の両方を低減する。即ち、消灯時間が短い程、最大電力値及び維持期間を多く低減する。本図において、消灯時間が最も短いOT0の場合は、最大電力値をWpA7、維持期間AをA7に設定する。消灯時間がOT0からOT1へと長くなるにつれて、最大電力値をWpA6、維持期間をA6に増加させ、消灯時間OT2となってコールドスタート時と同じ点灯条件になった場合には、最大電力値をWp0、維持期間をA1に戻す。

0062

最大電力値又は最大電力値の維持期間のみを変える場合に比べて、本変形例の放電灯点灯装置は、最大電力値をより高い値に設定でき、又は、維持期間をより短く設定することができる。これによって、第2実施形態に係る放電灯点灯装置の変形例2は、点灯装置の回路の熱暴走を防止してホットリスタート時に生じる光束立ち上がり時の閃光の発生、及び、電極の早期摩耗等を防止し、放電灯の迅速な再点灯を実現する。

0063

(第3実施形態)
第3実施形態に係る放電灯点灯装置は、第1実施形態の放電灯点灯装置1において、更に設定される最大電力値が放電灯2の点灯始動移行するのに必要な下限値Wmin1(第1電力値)付近で、かつ周囲温度が装置の回路動作可能な上限値付近の場合に生じる問題を解決することを目的とする。即ち、上記の場合において、放電灯2に印加される電力が下限値を下回ると、放電灯2の点灯不良又は立ち消えが発生するという問題を解決することを目的とする。放電灯点灯装置の構成は、第1実施形態の放電灯点灯装置1と同様であり、放電灯点灯装置1の各構成要素の参照番号を用いて説明する。

0064

図15(a)は第3実施形態に係る放電灯点灯装置の電力カーブを示すグラフ、図15(b)は検出部9の検出値に基づいて設定しようとする最大電力値の設定値Worと下限値Wmin1との差に基づいて設定する維持期間Aを示すグラフである。第3実施形態に係る放電灯点灯装置の最大電力制限部(図2に示す最大電力制限部8bがこれに相当する)は、第1のステップとして直流電源からの電源電圧及び環境温度の何れか一方又は双方に基づいて、最大電力値Wp0の低減量を求め、最大電力値に設定しようとする設定値Worを求める。最大電力制限部8bは、第2のステップとして、求めたWorを下限値Wmin1と比較してその差分ΔWdを求める。次に、最大電力制限部8bは、Worが下限値Wmin1よりも低い場合、最大電力値の制限値を下限値Wmin1に設定し、かつ、低い値Worと下限値Wmin1との差分ΔWdに応じて最大電力値の維持期間AをA1よりも短い期間Aorに設定する。この処理を行うことによって、放電灯2が点灯可能となり、かつ、装置の回路の熱暴走が防止される。なお、最大電力制限部8bは、第2のステップで低減後の低い値Worが下限値Wmin1以上の値の場合、最大電力値を設定値Worに設定する。

0065

図15(b)に示すグラフは、ΔWdに対する維持期間の軽減量をA1から0へと線形的に低減する場合の一例である。ΔWdが最大値Wor_minに達すると維持期間Aは0(s)に設定される。

0066

上記演算処理は、最大電力制限部8bにCPUを含む演算処理システム又はFPGAを備え、上記手順でソフトウェア処理することによって実施してもよいし、同等の処理を行うハードウェア回路で実施してもよい。第3実施形態に係る放電灯点灯装置は、特に直流電源の電源電圧の異常低下時又は周囲温度の異常上昇時に、放電灯2の点灯始動に最低限必要な電力を下回ること、及び、放電灯2の点灯不良や立ち消え等を防止することができる。

0067

(第3実施形態の変形例)
図16(a)、(b)は、最大電力値の下限値Wminと設定値Worとの差に対して設定する維持期間A(s)を示すグラフの変形例である。図16(a)に示すグラフでは、維持期間Aは下限値Aminに設定される。例えば、放電灯2として定格電力35Wの車載前照灯用水銀フリーHIDランプを用いる場合、Wmin1を放電灯が定常点灯し得る定格電力の1.2倍以上、つまり42W以上に設定し、維持期間の下限値Aminを数百msec以上に設定する。設定値は、例えば点灯時間が数千時間(一般的にランプ寿命は点灯時間1000〜3000時間に設定されている)経過した放電灯でも安定して点灯始動(数百回の始動試験で100%点灯始動)する値である。

0068

ΔWdが大きくなると、放電灯2への供給電力をより多く低減しなければ回路が熱暴走しやすい。図16(b)に示すグラフでは、維持期間Aは、ΔWdの増加に対して指数関数的に低減される。これにより、第3実施形態の変形例に係る放電灯点灯装置は、低電源電圧、高温条件でも、より確実に回路の熱暴走を抑制し、放電灯2を安定的に点灯させることができる。

0069

(第4実施形態)
第4実施形態に係る放電灯点灯装置は、例えば、第1実施形態に係る放電灯点灯装置1において、更に、直流電源6の電源電圧が異常低下して、放電灯2を点灯するのに必要な下限値以下となった場合について対処するものである。詳しくは図8(c)、図9(c)に示したグラフに関し、電源電圧が下限値Va7(第2電圧値)以下の場合及び周囲温度が上限値Ta7(第2温度)以上の場合に、最大電力値を、下限値Wmin1を下回る値、即ち、放電灯2が発光しないWmin2(<Wmin1)に設定する。これにより、第4実施形態に係る放電灯点灯装置は、電源電圧が異常低下時の装置の回路の熱暴走を抑制する。

0070

図17は、第4実施形態に係る放電灯点灯装置で用いる電力カーブを示す。図18(a)は点灯開始後の経過時間に対して電源電圧(V)が急激に低下した場合を示し、図18(b)はその時の入力電流(A)を示し、図18(c)はその時の出力電圧(W)を示すグラフである。

0071

図19(a)は電源電圧(V)の値に対して設定する最大電力値(W)を示す。電源電圧がVa7に低下した後、Va8までは、最大電力値Wmin1に設定するが、Va8以下になった場合には、Wmin2にまで低減する。これにより、放電灯2は、消灯するが、図18(a)に実線で示すように電源電圧はVa8以下に下がらない。これにより、入力電流の増加も抑制され、第4実施形態に係る放電灯点灯装置は、装置の回路の熱暴走を抑制する。

0072

図19(b)は周囲温度に対して設定する最大電力値(W)のWp0からの低減量を示すグラフである。同様に、周囲温度がTa7からTa8までの期間は、最大電力値はWmin1に設定するが、周囲温度がTa8より高くなった場合には、最大電力値はWmin2にまで低減する。これにより、放電灯2は、点灯しないが、図18(a)に実線で示すように電源電圧はVa8以下には下がらず、入力電流の増加も抑制され回路の熱暴走を防止する。電源電圧の異常低下時及び周囲温度の異常上昇時の出力電力値Wmin2は、電力目標記憶部8a又は最大電力制限部8bに予め記憶されている。

0073

(その他の変形例)
図20は、その他の実施形態に係る放電灯点灯装置20の回路図を示す。第1実施形態に係る放電灯点灯装置1と同じ又は同様の構成要素には同じ参照番号を付し、ここでの重複説明は省く。放電灯点灯装置20は、検出部9内に直流電源6から供給される電流値を検出する電源電流検出部20aを更に備えたことを特徴とする。電源電流検出部20aを追加することで、最大電力制限部8bは、回路の熱暴走をより確実に防止する。

0074

最大電力制限部8bは、電源電流検出部20aにより検出された直流電源6の電流値に基づいて、回路部品の特性異常や放電灯2の特性の急変等によって入力電流が異常に増加した場合を検知する。最大電力制限部8bは、異常を検知した場合、最大電力値の維持期間Aを一定時間A1又はそれ以下の期間に設定した状態で、放電灯2への供給電力を軽減することで回路の熱暴走をより確実に抑制する。

0075

図21は、上記とは異なるその他の実施形態に係る放電灯点灯装置21の回路図を示す。第1実施形態に係る放電灯点灯装置1と同じ又は同様の構成要素には同じ参照番号を付し、ここでの重複説明は省く。放電灯点灯装置21は、図20に示した放電灯点灯装置20とは異なる構成の制御部22を備えている。制御部22は、放電灯点灯装置1の制御部8の構成に加えて、入力電力演算部22aと、出力電力演算部22bと、回路損失演算部22cとを備えたことを特徴とする。入力電力演算部22aは、電源電圧検出部9a及び電源電流検出部20aの検出値から入力電力を算出する。出力電力演算部22bは、DC/DCコンバータ7aの出力電力を算出する。回路損失演算部22cは、入力電力と出力電力との差からDC/DCコンバータ7aの回路損失を算出し、算出した回路損失値を最大電力制限部8bに出力する。最大電力制限部8bは、入力される回路損失値に基づいて、回路の異常を検知し、異常検知した場合には、最大電力値の維持期間Aを一定時間A1又はそれ以下の期間に設定した状態で、放電灯2への供給電力を軽減することで回路の熱暴走を確実に抑制する。

0076

なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。

0077

本発明の放電灯点灯装置は、車両の前照灯以外に、HID(高輝度放電)ランプ等のアーク放電を用いて発光を行う放電灯を用いる照明システムで用いることができる。

0078

1、10、20、21放電灯点灯装置
2放電灯
5 スイッチ
6直流電源
7電力変換回路
8、14、22 制御部
8a電力目標記憶部
8b最大電力制限部
9 検出部
Wp0最大電力値
A維持期間(一定時間A1)
Va2 第1電圧値
Va7 第2電圧値
Ta2 第1温度
Ta7 第2温度
Wmin1 第1電力値

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