図面 (/)

技術 シリコンウェーハの製造方法

出願人 株式会社SUMCO
発明者 倉垣俊二川添真一梅野繁
出願日 2012年4月13日 (8年7ヶ月経過) 出願番号 2012-092325
公開日 2013年10月28日 (7年1ヶ月経過) 公開番号 2013-220962
状態 特許登録済
技術分野 結晶、結晶のための後処理
主要キーワード 支持回転軸 顕在化処理 化評価法 未検出領域 光学写真 径方向幅寸法 トモグラフィー法 サンプル取得
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年10月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

RIE欠陥分布生成状態に関する制御のフィードバック手法の確立を図る。

解決手段

欠陥顕在化評価法によりPv領域を顕在化させて欠陥分布を検出する欠陥顕在化評価工程S04と、欠陥顕在化評価工程の結果に基づき、RIE欠陥の状態を推定するRIE欠陥分布推定工程S05と、その結果から、RIE欠陥分布を制御するように引き上げ条件にフィードバックするかどうか判定する判定工程S06と、を有してなる。

概要

背景

チョクラルスキー法によってシリコン単結晶育成する場合、その結晶に含まれる欠陥の種類や分布は、結晶の引上げ速度Vとシリコン単結晶内の成長方向の温度勾配Gの比V/Gに依存する。このV/Gが大きい場合は空孔が過剰となり、空孔の凝集体である微小ボイドCOPと呼ばれる欠陥)が発生する。一方、V/Gが小さい場合は格子間シリコン原子が過剰となり、格子間シリコンの凝集体である転位クラスタが発生する。したがって、COPも転位クラスタも含まない結晶を製造するには、V/Gが適切な範囲に入るように制御しなければならない。温度勾配GがCZ炉内の高温部分ホットゾーン)の構造に依存するので、結晶成長方向には、Vを変化させて調節することになる。現在では、直径300mmのシリコン単結晶でも、V/Gを制御してCOPも転位クラスタも含まない結晶の量産がおこなわれている。
上記のように、V/Gを制御して引き上げたCOPと転位クラスタを含まないシリコンウェーハが量産され、電子デバイスの製造に使われている。

COPが発生する領域と転位クラスタが発生する領域の間には、V/Gが大きい方から順に、OSF領域Pv領域Pi領域の三つの領域が存在する。OSF領域とは、as-grown状態(結晶成長後に何の熱処理も行っていない状態)で板状酸素析出物OSF核)を含んでおり、高温(一般的には1000℃から1200℃)で熱酸化した場合にOSF(Oxidation Induced Stacking Fault)が発生する領域である。Pv領域とは、as-grown状態で酸素析出核を含んでおり、低温及び高温(例えば、800℃と1000℃)の2段階の熱処理を施した場合に酸素析出物が発生し易い領域である。Pi領域とは、as-grown状態で殆ど酸素析出核を含んでおらず、熱処理を施されても酸素析出物が発生し難い領域である。COPが発生し始めるV/Gと転位クラスタが発生し始めるV/Gの差は極めて小さいので、COPも転位クラスタも含まない結晶を製造するには、Vの厳密な管理が必要である。また、このCOPも転位クラスタも含まない領域であっても、さらに微細RIE欠陥は存在していた。

RIE欠陥とは、as-grownの状態で反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)を利用した方法で検出される欠陥であり、赤外トモグラフィー法などでは検出できない程度の微細な結晶起因の(grown-in)欠陥である。

シリコン単結晶中の結晶欠陥を検出する方法として様々な原理に基づく評価方法が提案されているが、特許文献1には、熱処理によりBMDなどの酸素析出物を顕在化させた後、Si/SiO2の選択比が高い条件でサンプルに対してRIEを行う方法が記載されている。これにより、酸素析出物(SiO2)がエッチングされずに、突起として顕在化する。Si/SiO2の選択比が高い条件を選べば、赤外トモグラフィー法よりも高感度欠陥評価が可能だと報告されている。

また特許文献2には熱処理後ではなく、RIE法によるas-grown状態での欠陥の検出に関することが記載されている。

概要

RIE欠陥の分布・生成状態に関する制御のフィードバック手法の確立をる。欠陥顕在化評価法によりPv領域を顕在化させて欠陥分布を検出する欠陥顕在化評価工程S04と、欠陥顕在化評価工程の結果に基づき、RIE欠陥の状態を推定するRIE欠陥分布推定工程S05と、その結果から、RIE欠陥分布を制御するように引き上げ条件にフィードバックするかどうか判定する判定工程S06と、を有してなる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

RIE欠陥分布及び密度を制御可能なシリコンウェーハの製造方法であって、CZ法によりシリコン単結晶引き上げる引き上げ工程と、引き上げた単結晶引き上げ軸方向所定長さのインゴットに切断するとともに、その端部からウェーハ状スラグサンプルをスライスする工程と、前記スラグサンプルにおいて欠陥顕在化評価法により欠陥領域を顕在化させて欠陥分布を検出する欠陥顕在化評価工程と、前記欠陥顕在化評価工程の結果に基づき、RIE欠陥の状態を推定するRIE欠陥分布推定工程と、前記RIE欠陥分布推定工程の結果から、RIE欠陥分布を制御するように引き上げ条件へのフィードバック要否を判定する判定工程と、を有してなることを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。

請求項2

前記欠陥顕在化評価工程によって、前記スラグサンプルにおいて環状となる欠陥未検出領域外周径S1と内周径S2を検出し、これらの差(S1−S2)の値により前記RIE欠陥密度を推定することを特徴とする請求項1記載のシリコンウェーハの製造方法。

請求項3

前記RIE欠陥分布推定工程において、前記欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とにより、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1と、内周径R2と、を推定することを特徴とする請求項2記載のシリコンウェーハの製造方法。

請求項4

前記RIE欠陥分布推定工程において、前記欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とにより、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域より外周側の外側RIE欠陥最大密度RM1と、前記無RIE欠陥領域より中心側の内側RIE欠陥最大密度RM2と、を推定することを特徴とする請求項2記載のシリコンウェーハの製造方法。

請求項5

前記判定工程でフィードバックするとの判定をした際に、前記引き上げ条件における引き上げ速度Vと温度勾配Gの比V/Gの値を変化させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のシリコンウェーハの製造方法。

請求項6

請求項1から5のいずれか記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするシリコンウェーハ。

技術分野

0001

本発明はシリコンウェーハの製造方法に関し、特に、チョクラルスキー法CZ法)によって育成されたシリコン単結晶からスライスされ、半導体デバイス基板用に用いられるシリコンウェーハの製造方法に用いて好適な技術に関する。

背景技術

0002

チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を育成する場合、その結晶に含まれる欠陥の種類や分布は、結晶の引上げ速度Vとシリコン単結晶内の成長方向の温度勾配Gの比V/Gに依存する。このV/Gが大きい場合は空孔が過剰となり、空孔の凝集体である微小ボイドCOPと呼ばれる欠陥)が発生する。一方、V/Gが小さい場合は格子間シリコン原子が過剰となり、格子間シリコンの凝集体である転位クラスタが発生する。したがって、COPも転位クラスタも含まない結晶を製造するには、V/Gが適切な範囲に入るように制御しなければならない。温度勾配GがCZ炉内の高温部分ホットゾーン)の構造に依存するので、結晶成長方向には、Vを変化させて調節することになる。現在では、直径300mmのシリコン単結晶でも、V/Gを制御してCOPも転位クラスタも含まない結晶の量産がおこなわれている。
上記のように、V/Gを制御して引き上げたCOPと転位クラスタを含まないシリコンウェーハが量産され、電子デバイスの製造に使われている。

0003

COPが発生する領域と転位クラスタが発生する領域の間には、V/Gが大きい方から順に、OSF領域Pv領域Pi領域の三つの領域が存在する。OSF領域とは、as-grown状態(結晶成長後に何の熱処理も行っていない状態)で板状酸素析出物OSF核)を含んでおり、高温(一般的には1000℃から1200℃)で熱酸化した場合にOSF(Oxidation Induced Stacking Fault)が発生する領域である。Pv領域とは、as-grown状態で酸素析出核を含んでおり、低温及び高温(例えば、800℃と1000℃)の2段階の熱処理を施した場合に酸素析出物が発生し易い領域である。Pi領域とは、as-grown状態で殆ど酸素析出核を含んでおらず、熱処理を施されても酸素析出物が発生し難い領域である。COPが発生し始めるV/Gと転位クラスタが発生し始めるV/Gの差は極めて小さいので、COPも転位クラスタも含まない結晶を製造するには、Vの厳密な管理が必要である。また、このCOPも転位クラスタも含まない領域であっても、さらに微細RIE欠陥は存在していた。

0004

RIE欠陥とは、as-grownの状態で反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)を利用した方法で検出される欠陥であり、赤外トモグラフィー法などでは検出できない程度の微細な結晶起因の(grown-in)欠陥である。

0005

シリコン単結晶中の結晶欠陥を検出する方法として様々な原理に基づく評価方法が提案されているが、特許文献1には、熱処理によりBMDなどの酸素析出物を顕在化させた後、Si/SiO2の選択比が高い条件でサンプルに対してRIEを行う方法が記載されている。これにより、酸素析出物(SiO2)がエッチングされずに、突起として顕在化する。Si/SiO2の選択比が高い条件を選べば、赤外トモグラフィー法よりも高感度欠陥評価が可能だと報告されている。

0006

また特許文献2には熱処理後ではなく、RIE法によるas-grown状態での欠陥の検出に関することが記載されている。

先行技術

0007

特開2000−58509号公報
特開2010−100507号公報

発明が解決しようとする課題

0008

特許文献に記載されているようにRIE法ではas-grown状態の微細な欠陥を検出できるが、RIE欠陥を検出するためには、単結晶から切断されたサンプルを研磨(Polish)することが必要となる。これは検出への加工ダメージによる影響を少なくするためである。したがって、RIE欠陥が検出された段階で、RIE欠陥として検出されるほどの微細な欠陥の制御条件である引き上げ速度Vを変更しようとしても、既に次の引き上げが開始されていて、引上げ速度Vや温度勾配Gにフィードバックをおこなうことができない。あるいは、RIE欠陥に関するフィードバックをおこなおうとすると、RIE欠陥検出結果が得られるまで次の引き上げを開始できないことになる。
このため、このような生産性の低下を招かないようにRIE法を用いることなく、RIE欠陥の分布・生成状態に関する制御のフィードバック手法を確立したいという要求があった。

0009

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.RIE欠陥の分布・生成状態に関する制御のフィードバック手法の確立を図ること。
2.生産性を落とさずに、RIE欠陥のフィードバックを可能とすること。
3.製造コストの増大を防ぎながら、RIE欠陥密度分布のフィードバックを可能とすること。
4.シリコンウェーハの特性を向上すること。

課題を解決するための手段

0010

本発明のシリコンウェーハの製造方法は、RIE欠陥の分布及び密度を制御可能なシリコンウェーハの製造方法であって、
CZ法によりシリコン単結晶を引き上げる引き上げ工程と、
引き上げた単結晶を引き上げ軸方向所定長さのインゴットに切断するとともに、その端部からウェーハ状スラグサンプルをスライスする工程と、
前記スラグサンプルにおいて欠陥顕在化評価法により欠陥領域を顕在化させて欠陥分布を検出する欠陥顕在化評価工程と、
前記欠陥顕在化評価工程の結果に基づき、RIE欠陥の状態を推定するRIE欠陥分布推定工程と、
前記RIE欠陥分布推定工程の結果から、RIE欠陥分布を制御するように引き上げ条件へのフィードバック要否を判定する判定工程と、
を有してなることにより上記課題を解決した。
本発明において、前記欠陥顕在化評価工程によって、前記スラグサンプルにおいて環状となる欠陥未検出領域外周径S1と内周径S2を検出し、これらの差(S1−S2)の値により前記RIE欠陥密度を推定することがより好ましい。
本発明は、前記RIE欠陥分布推定工程において、前記欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とにより、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1と、内周径R2と、を推定することが可能である。
また、前記RIE欠陥分布推定工程において、前記欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とにより、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域より外周側でRIE欠陥最大密度RM1と、前記無RIE欠陥領域より中心側でRIE欠陥最大密度RM2と、を推定することができる。
また、本発明では、前記RIE欠陥分布推定工程において、前記欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とにより、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1と、内周径R2と、を推定して、この無RIE欠陥領域の外周径R1と内周径R2とに基づいて引上げ条件へのフィードバック要否の判定をおこなうとともに、前記RIE欠陥分布推定工程において、前記欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とにより、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域より外周側でRIE欠陥最大密度RM1と、前記無RIE欠陥領域より中心側でRIE欠陥最大密度RM2と、を推定して、この無RIE欠陥領域の内外側のRIE欠陥最大密度RM1とRIE欠陥最大密度RM2とに基づいて引上げ条件へのフィードバック要否の判定をおこなう手段を採用することもできる。
本発明においては、前記判定工程でフィードバックするとの判定をした際に、前記推定されたR1、R2、RM1およびRM2に基づいて、前記引き上げ条件における引き上げ速度Vと温度勾配Gの比V/Gの値を変化させることが望ましい。
本発明のシリコンウェーハにおいては、上記のいずれか記載の製造方法によって製造されたことが好ましい。

0011

本発明において、RIE欠陥とは、as-grown状態のサンプルに対して反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)を施すことによってエッチング面上の突起として顕在化させ、光学顕微鏡で観察することにより検出される、酸化シリコンを含む結晶起因の欠陥(grown-in欠陥)を意味し、as-grown状態においては、赤外トモグラフィー法などのRIE評価法以外の手段では検出できない程度に微細な欠陥をも含むものである。

0012

本発明において、インゴットとは引き上げたシリコン単結晶に円筒研削を実施し、結晶成長軸方向の所定長さに切断した円柱形状のシリコン単結晶塊を意味する。

0013

本発明において、スラグサンプルとは、前記インゴットの結晶成長軸端部から所定の厚さにスライスされたサンプルを意味する。また、このスラグサンプルは、あくまでインゴット端部からサンプル採取目的でスライスするもので、インゴットを全てウェーハに加工して研磨し、そこから選択したウェーハとは異なるものである。

0014

本発明において、欠陥顕在化評価法とは、一例としては、スラグサンプルをHF/HNO3エッチングし、HF/H2Oで洗浄し、不活性ガス又は酸素雰囲気中で評価熱処理(400〜800℃/(3hr〜5hr)+900〜1100℃/(10hr〜14hr))を施し、HF/H2O洗浄をおこない、硝酸銅水溶液含浸漬後に700〜900℃の温度でCuデコレーションし、HF/HNO3エッチングにより表面に付着したCuを除去した後、選択エッチングにより析出物をより顕在化させて表面の欠陥分布を目視観察し、その分布に基づき結晶の欠陥発生状況を評価するものである。

0015

RIE欠陥の状態を推定するとは、本来、as-grownの状態ではRIE法でのみ検出できる程度の微細な欠陥の分布や密度を、短時間で処理可能であって鏡面研磨処理が必要とされない、安価な欠陥顕在化処理の結果から推定することを意味する。

0016

本発明において、欠陥未検出領域とは、欠陥顕在化評価の結果により欠陥が検出されなかった領域である。

0017

本発明において、環状となる、とは、欠陥未検出領域や無RIE欠陥領域の外周または内周が形成されていれば良く、円状、または、外周がスラブサンプル外周と一致した環状などの状態も含むものである。また、この際、円状となった場合には、内径S2等がゼロ、外周がスラブサンプル外縁と一致した場合には、外径S1等はスラグサンプル径寸法と見なされる。

0018

本発明において、引き上げ速度が遅くとは、Pi領域のうち、格子間シリコン起因の欠陥が発生する側の引き上げ速度Vに近いという意味である。
本発明において、引き上げ速度が速くとは、Pi領域のうち、空孔起因の欠陥が発生する側の引き上げ速度Vに近いという意味である。

0019

本発明のシリコンウェーハの製造方法は、RIE欠陥の密度分布を制御可能なシリコンウェーハの製造方法であって、
CZ法によりシリコン単結晶を引き上げる引き上げ工程と、
引き上げた単結晶を引き上げ軸方向に所定長さのインゴットに切断するとともに、その端部からウェーハ状のスラグサンプルをスライスする工程と、
前記スラグサンプルにおいて欠陥顕在化評価法により欠陥領域を顕在化させて欠陥分布を検出する欠陥顕在化評価工程と、
前記欠陥顕在化評価工程の結果に基づき、RIE欠陥の状態を推定するRIE欠陥分布推定工程と、
前記RIE欠陥分布推定工程の結果から、RIE欠陥分布を制御するように引き上げ条件にフィードバックするか否かを判定する判定工程と、
を有してなることにより、従来確立されていなかった、RIE法を用いることなくREI欠陥を制御する方法を確立することができた。しかも、製造工程の上流の工程であるインゴット切断工程で同時に取得したスラグサンプルを用いてRIE欠陥密度分布を推定することでウェーハの合否判定をおこなうことができるので、フィードバックを迅速におこなうことができる。

0020

本発明において、前記欠陥顕在化評価工程によって、前記スラグサンプルにおいて環状となる欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2を検出し、これらの差(S1−S2)の値により前記RIE欠陥密度を推定することにより、RIE装置を必要とし、また測定前処理に時間が必要なRIE評価法は用いることなく、短時間で結果の出る欠陥顕在化法によりフィードバックを迅速におこなうことができる。

0021

本発明は、前記RIE欠陥分布推定工程において、前記欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とにより、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1と、内周径R2と、を推定することができ、これにより、RIE評価法によってしか評価できなかったRIE欠陥のない領域の径方向における寸法(環状となる場合の幅寸法)を容易に推定することが可能となる。

0022

また、前記RIE欠陥分布推定工程において、前記欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とにより、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域より外周側でRIE欠陥最大密度RM1と、前記無RIE欠陥領域より中心側でRIE欠陥最大密度RM2と、を推定することができ、これにより、RIE法によってしか評価できなかったRIE欠陥の密度分布を、欠陥顕在化評価による欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2として容易に推定することが可能となる。

0023

また、本発明では、前記RIE欠陥分布推定工程において、前記欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とにより、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1と、内周径R2と、を推定して、この無RIE欠陥領域の外周径R1と内周径R2とに基づいて引上げ条件へのフィードバック要否の判定をおこなうとともに、前記RIE欠陥分布推定工程において、前記欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とにより、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域より外周側でRIE欠陥最大密度RM1と、前記無RIE欠陥領域より中心側でRIE欠陥最大密度RM2と、を推定して、この無RIE欠陥領域の内外側のRIE欠陥最大密度RM1とRIE欠陥最大密度RM2とに基づいて引上げ条件へのフィードバック要否の判定をおこなう手段を採用することによって、次の結晶を引上げる際に引上げ条件への迅速なフィードバックが可能となる。

0024

本発明においては、前記判定工程でフィードバックするとの判定をした際に、前記推定されたR1、R2、RM1およびRM2に基づいて、前記引き上げ条件における引き上げ速度Vと温度勾配Gの比V/Gの値を変化させることにより、引き上げる結晶特性を変化させて、所望のRIE欠陥分布状態を有するシリコン単結晶を引き上げることができ、これにより、所望のRIE欠陥分布状態を有するシリコンウェーハを製造することができる。

0025

本発明において、推定された(R1−R2)が必要な値より小さい場合には、引き上げ条件におけるV/Gを小さくする、というフィードバックをおこなうことで、(R1−R2)の値を大きくし、無RIE欠陥領域を拡げることができる。
本発明において、(R1−R2)が必要な値より大きい場合には、引き上げ条件におけるV/Gを大きくする、というフィードバックをおこなうことで、(R1−R2)の値を小さくし、無RIE欠陥領域を狭めることができる。
これにより、RIE欠陥密度分布を制御する手法を確立することができた。

0026

本発明において、推定されたRM1またはRM2が必要な値より大きい場合には、引き上げ条件におけるV/Gを小さくする、というフィードバックをおこなうことで、RIE欠陥をウェーハ全面にわたって低密度に維持することができる。
これにより、RIE欠陥密度分布を制御する手法を確立することができた。

0027

前記推定されたR1−R2、RM1またはRM2の結果を使用して引上げ条件にフィードバックする場合、それぞれの結果を単独で判断してフィードバックすることもできるし、組み合わせて判断してフィードバックすることもできる。

0028

本発明のシリコンウェーハにおいては、上記のいずれか記載の製造方法によって製造されたことが好ましい。
本発明のシリコンウェーハは、Pi領域が確保されていることが好ましく、特に、RIE欠陥が全面にわたって低密度のウェーハを製造することができる。

発明の効果

0029

本発明によれば、RIE法を使用せずにRIE欠陥の分布・生成状態に関する制御のフィードバック手法の確立を図ることができ、生産性を落とさずに、RIE欠陥のフィードバックが可能となる。また、製造コストの増大を防ぎながら、RIE欠陥密度分布のフィードバックを可能とし、シリコンウェーハの特性を向上するという効果を奏することができる。

図面の簡単な説明

0030

本発明に係るシリコンウェーハの製造方法の第1実施形態における工程を示すフローチャートである。
本発明に係るシリコンウェーハの製造方法の第1実施形態に適用可能なシリコン単結晶引き上げ装置を示す模式図である。
シリコン単結晶の引き上げ速度Vと欠陥の種類及び分布との関係の一例を示す図である。
本発明に係るシリコンウェーハの製造方法の第1実施形態におけるRIE欠陥分布状態を示すグラフ(a)と、欠陥顕在化評価の結果とを示すグラフ(b)である。
本発明に係るシリコンウェーハの製造方法の第1実施形態におけるRIE評価法によるRIE欠陥分布状態を示す画像(a)と、対応する欠陥顕在化評価の結果とを示すグラフ(b)である。
本発明に係るシリコンウェーハの製造方法の第1実施形態における欠陥未検出領域の内周径S2と無RIE欠陥領域の内周径R2との関係を示すグラフである。
本発明に係るシリコンウェーハの製造方法の第1実施形態における欠陥未検出領域の外周径S1と無RIE欠陥領域の外周径R1との関係を示すグラフである。
本発明に係るシリコンウェーハの製造方法の第2実施形態におけるRIE欠陥分布状態を示すグラフ(a)と、欠陥顕在化評価の結果とを示すグラフ(b)である。
本発明に係るシリコンウェーハの製造方法の第2実施形態におけるRIE評価法によるRIE欠陥分布状態を示す画像(a)と、対応する欠陥顕在化評価の結果とを示すグラフ(b)である。
本発明に係るシリコンウェーハの製造方法の第2実施形態における欠陥未検出領域の内周径S2と内側RIE欠陥最大密度RM2との関係を示すグラフである。
本発明に係るシリコンウェーハの製造方法の第2実施形態における欠陥未検出領域の外周径S1と外側RIE欠陥最大密度RM1との関係を示すグラフである。

実施例

0031

以下、本発明に係るシリコンウェーハの製造方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるシリコンウェーハの製造方法を示すフローチャートである。

0032

本実施形態のシリコンウェーハの製造方法は、図1に示すように、引き上げ条件設定工程S01、引き上げ工程S02、インゴット切断・スラグサンプル取得工程S03、欠陥顕在化評価工程S04、RIE欠陥分布推定工程S05、判定工程S06、ウェーハスライス工程S07、ウェーハ研磨工程S08を有する。

0033

本実施形態のシリコンウェーハの製造方法において製造されるシリコンウェーハは、少なくともPi領域を有するものとされ、RIE欠陥が全面にわたって低密度であるものとされる。
本実施形態のシリコンウェーハの製造方法は、図1に示す引き上げ条件設定工程S01として、製造するウェーハの規格に基づき、引き上げ速度V、温度勾配G、印加磁場状態、結晶及びルツボ回転数、引き上げ雰囲気ドーパント濃度等の設定をおこなう。この条件設定としては、特に、RIE欠陥分布状態がどのようなものかを設定することを含み、この特性を実現するために、他の引き上げ条件も設定するものである。

0034

次いで、図1に示す引き上げ工程S02として、引き上げ条件設定工程S01で設定した条件によりシリコン単結晶を引き上げる。

0035

図2は、本実施形態におけるシリコンウェーハの製造方法に適用可能なシリコン単結晶引き上げ装置を示す模式図である。
シリコン単結晶引き上げ装置10は、チャンバー11と、チャンバー11の底部中央を貫通して鉛直方向に設けられた支持回転軸12と、支持回転軸12の上端部に固定されたグラファイトサセプタ13と、グラファイトサセプタ13内に収容された石英ルツボ14と、グラファイトサセプタ13の周囲に設けられたヒーター15と、支持回転軸12を昇降及び回転させるための支持軸回転駆動機構16と、種結晶を保持するシードチャック17と、シードチャック17を吊設する引き上げワイヤー18と、ワイヤー18を巻き取るためのワイヤー巻き取り機構19と、ヒーター15及び石英ルツボ14からの輻射熱によるシリコン単結晶20の加熱を防止すると共にシリコン融液21の温度変動を抑制するための熱遮蔽部材22と、各部を制御する制御装置23とを備えている。

0036

チャンバー11の上部には、Arガスをチャンバー11内に導入するためのガス導入口24が設けられている。Arガスはガス管25を介してガス導入口24からチャンバー11内に導入され、その導入量コンダクタンスバルブ26により制御される。

0037

チャンバー11の底部には、チャンバー11内のArガスを排気するためのガス排出口27が設けられている。密閉したチャンバー11内のArガスはガス排出口27から排ガス管28を経由して外へと排出される。排ガス管28の途中にはコンダクタンスバルブ29及び真空ポンプ30が設置されており、真空ポンプ30でチャンバー11内のArガスを吸引しながらコンダクタンスバルブ29で圧力を制御することでチャンバー11内の減圧状態が保たれている。

0038

さらに、チャンバー11の外側には磁場供給装置31が設けられている。磁場供給装置31から供給される磁場は、水平磁場であっても構わないし、カスプ磁場であっても構わない。

0039

次いで、図1に示すインゴット切断・スラグサンプル取得工程S03として、引き上げたシリコン単結晶を10〜3000mmの任意の長さに設定される結晶成長軸方向所定長さに切断するとともに、円筒研削を実施した円柱形状のインゴットに形成する。このとき、インゴットの両端からスライスしたスラグサンプルとして、製造するウェーハと略等しい厚さのウェーハ状の板を取得する。

0040

次いで、図1に示す欠陥顕在化評価工程S04として、スラグサンプルをHF/HNO3エッチングし、HF/H2Oで洗浄し、不活性ガス又は酸素雰囲気中で評価熱処理(400〜800℃/(3hr〜5hr)+900〜1100℃/(10hr〜14hr))を施し、HF/H2O洗浄をおこない、硝酸銅水溶液含浸漬後に700〜900℃の温度でCuデコレーションし、HF/HNO3エッチングにより表面に付着したCuを除去した後、Wright液を用いた選択エッチング(エッチング量1〜8μm/片面)により析出物をより顕在化させて表面の欠陥分布を目視観察する。

0041

図4は、本実施形態におけるRIE欠陥分布状態を示すグラフ(a)と、欠陥顕在化評価の結果とを示すグラフ(b)であり、図5は、本実施形態におけるRIE評価法によるRIE欠陥分布状態を示す画像(a)と、対応する欠陥顕在化評価の結果とを示すグラフ(b)である。
この欠陥顕在化評価によって、図4図5に示すように、スラグサンプルSSにおいて環状となる欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2を検出し、これらの差(S1−S2)を求める。この際、集光灯下での観察により、外周径S1と内周径S2を検出するが、μ−PCD法を用いたライフタイム測定器によりライフタイムマップを測定することによっても検出は可能である。

0042

なお、図4において、黒丸で示したのがRIE法によるas-grown状態のRIE欠陥の分布状態である。

0043

次いで、図1に示すRIE欠陥分布推定工程S05として、欠陥顕在化評価工程S04で算出した(S1−S2)の値に基づき、RIE欠陥密度分布を推定する。
具体的には、RIE欠陥分布推定工程S05において、図4(a)に示すように、前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1と内周径R2は、図4(b)に示すように、欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とが、それぞれほぼ等しいとみなせるため、欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2との差(S1−S2)により、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1と、内周径R2との径方向寸法TPi=(R1−R2)を推定する。

0044

次いで、図1に示す判定工程S06として、RIE欠陥分布推定工程S05で推定した無RIE欠陥領域の径方向幅寸法TPi=(R1−R2)が所定の状態となっているかどうか判定し、問題ない場合には、次のウェーハスライス工程S07へと進み、所定の状態から外れている場合には、引き上げ条件設定工程S01の引き上げ条件を変更するようフィードバックする。

0045

この判定工程S08でフィードバックするとの判定をした際には、前記引き上げ条件における引き上げ速度Vと温度勾配Gの比V/Gの値を変化させることにより、引き上げる結晶特性を変化させて、所望のRIE欠陥分布状態を有するシリコン単結晶を引き上げることができ、これにより、所望のRIE欠陥分布状態を有するシリコンウェーハを製造することができる。

0046

具体的には、本実施形態において、推定された(R1−R2)が必要な値より小さい場合には、引き上げ条件におけるV/Gを小さくする、というフィードバックをおこなうことで、(R1−R2)の値を大きくし、無RIE欠陥領域を拡げることができる。
本実施形態において、(R1−R2)が必要な値より大きい場合には、引き上げ条件におけるV/Gを大きくする、というフィードバックをおこなうことで、(R1−R2)の値を小さくし、無RIE欠陥領域を狭めることができる。

0047

図1に示すウェーハスライス工程S07、ウェーハ研磨工程S08においては、通常のウェーハ製造工程におけるスライス、エッチング、洗浄、研削、研磨、ベベリング、熱処理等、必要な処理をおこなって、シリコンウェーハを製造する。

0048

図3は、シリコン単結晶の引き上げ速度Vと欠陥の種類及び分布との関係を示す図であり、図の左側はそれぞれ温度勾配Gの異なる状態で引き上げ速度を変化させたシリコン単結晶SCを示す成長軸方向の断面図であり、図3の右側はそれぞれ(a)〜(c)に示す破線の断面図であり、それぞれの状態のスラグサンプルSS表面に相当する。

0049

図3(c)の引き上げ条件は、OSF領域がディスク状に現れる引き上げ条件であり、結晶の外周部よりも中心付近のV/Gが大きい(Gが小さい)ケースである。
図3(c)の引き上げ条件下において、引き上げ速度Vを図中の破線に相当する速度に設定すると、図3(c)に示すように、切り出されたシリコンウェーハには中心にPv領域が現れ、その外側にPi領域が現れる。なお、図3(c)の引き上げ条件下において、引き上げ速度Vを図中の破線よりも大きい側(図中上側位置)に変化させると、ウェーハの中心にはOSF領域がディスク状に現れる。

0050

図3(a)の引き上げ条件は、Pv領域がディスク状及びリング状に現れる引き上げ条件であり、図3(c)に比べて結晶の外周部でV/Gが大きい(Gが小さい)ケースである。
図3(a)の引き上げ条件下において、引き上げ速度Vを図中の破線に相当する速度に設定すると、切り出されたシリコンウェーハの中心にはPv領域が現れ、その外側には同心円状にPi領域、Pv領域がこの順に現れる。

0051

図3(b)の引き上げ条件は、Pv領域がディスク状及びリング状に現れる引き上げ条件であり、図3(c)に比べて結晶の外周部でV/Gが大きい(Gが小さい)ケースである。
図3(b)の引き上げ条件下において、引き上げ速度Vを図中の破線に相当する速度に設定すると、切り出されたシリコンウェーハの中心にはPi領域が現れ、その外側には同心円状にPv領域が現れる。

0052

このように異なる条件で引き上げをおこなうと、スラグサンプルSSまたはこれに対応するシリコンウェーハ面内においてPv領域、Pi領域が円状、環状に分布する。本実施形態において製造するシリコンウェーハまたは製造途中で判定するスラグサンプルSSは、これらの状態に対応して、図3(a)〜(c)に示すように、それぞれの無RIE欠陥領域の径方向幅寸法TPi=(R1−R2)をas-grown状態で有する。

0053

ここで、図3(a)に示す無RIE欠陥領域を有するもの、つまり、中心から径方向外側に向かってPv領域、Pi領域、Pv領域が分布している例について説明する。

0054

具体的には、図6に示すように、本実施形態で得たいas-grown状態の情報である環状のPi領域であるRIE欠陥のない無RIE欠陥領域の内周径R2は、欠陥顕在化評価後の欠陥未検出領域の内周径S2とほぼ等しい。
また、図7に示すように、本実施形態で得たいas-grown状態の情報である環状のPi領域であるRIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1は、欠陥顕在化評価後の欠陥未検出領域の外周径S1とほぼ等しい。
したがって、as-grown状態で環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1と、内周径R2との径方向寸法TPi=(R1−R2)を推定するために、欠陥顕在化評価後の欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2との差(S1−S2)を用いることができる。

0055

また、図3(c)に示すように、Pi領域(RIE欠陥のない無RIE欠陥領域)の外径R1がウェーハの外縁と一定している場合、あるいは、図3(b)に示すように、Pi領域(RIE欠陥のない無RIE欠陥領域)の内径R2がウェーハの中心と一定している場合であっても、図3(a)に示して例と同様に、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1と、内周径R2との径方向寸法TPi=(R1−R2)を推定するために、欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2との差(S1−S2)を用いることができる。

0056

本実施形態においては、図5(a)に示すように、実際のRIE評価では、加工起因など、RIE欠陥以外のものも検出されてしまうのに対し、RIE法を必要とせず、より安価で、処理が短時間で終了できる欠陥顕在化評価を用いて、as-grown状態で環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1と、内周径R2との径方向寸法TPi=(R1−R2)を推定することで、RIE欠陥密度分布を短時間で、安価に評価し、引上げ条件にフィードバックしてRIE欠陥密度分布を制御したシリコンウェーハを製造する手法を確立することができた。

0057

ここで、RIE評価によりPi領域の位置及び広さを観察する方法について説明する。

0058

Pi領域の位置及び広さは、RIE法によって酸化シリコンを含む結晶起因の(grown-in)欠陥をエッチング面上の突起として顕在化させることにより、観察することができる。具体的には、チョクラルスキー法によってCOP及び転位クラスタを含まないシリコン単結晶を育成し、シリコン単結晶からシリコンウェーハを加工し、as-grown状態のシリコンウェーハに対して反応性イオンエッチングを施すことにより、酸化シリコンを含むgrown-in欠陥をエッチング面上の突起として顕在化させる。これにより、Pi領域の位置及び広さを観察することができる。実際には、酸化シリコンを含む微細なgrown-in欠陥の存在する領域、つまり、Pv領域が観察され、Pi領域は、Pv領域でない部分として観察される。

0059

RIEによって酸化シリコンを突起として顕在化させるためには、SiO2よりもSiの方がエッチングされやすい条件、つまり、Si/SiO2の選択比が高い条件でRIEを行う必要がある。これにより、SiO2がほとんどエッチングされずに、突起として顕在化する。

0060

図5(a)は、上記のような顕在化したSiO2を、光学写真によって取得した実際のサンプル表面画像であり、図5(a)において、白い部分はRIE評価で検出された突起発生領域(Pv領域に相当)、黒い部分は無RIE欠陥分布の領域(Pi領域に相当)である。

0061

突起発生領域は、図3(a)〜(c)の左側に示したOSF領域とPv領域の合成領域である。つまり、as-grown状態のシリコンウェーハに対してRIEを行うと、OSF領域及びPv領域で突起が発生し、Pi領域においてはほとんど突起が発生しない。OSF領域とは、as-grown状態で板状酸素析出物を含んでいる領域であるが、この板状酸素析出物は、1000℃〜1200℃程度の高温で熱酸化すると顕在化するものである。

0062

以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。

0063

以下、本発明に係るシリコンウェーハの製造方法の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
本実施形態において、上述した第1実施形態と異なる点は、図1に示したRIE欠陥分布推定工程S05よびその関連部分に関する点であり、これ以外の対応する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。

0064

本実施形態においては、図1に示すRIE欠陥分布推定工程S05において、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域より外周側の外側RIE欠陥最大密度RM1と、前記無RIE欠陥領域より中心側の内側RIE欠陥最大密度RM2とは、欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とそれぞれ相関を有するとみなせるため、欠陥未検出領域の外周径S1により、外側RIE欠陥最大密度RM1の値を推定するとともに、欠陥未検出領域の内周径S2により、内側RIE欠陥最大密度RM2との値を推定する。

0065

次いで、図1に示す判定工程S06として、RIE欠陥分布推定工程S05で推定した無RIE欠陥領域の内外側の外側RIE欠陥最大密度RM1と内側RIE欠陥最大密度RM2とが所定の状態となっているかどうか判定し、問題ない場合には、次のウェーハスライス工程S07へと進み、所定の状態から外れている場合には、引き上げ条件設定工程S01の引き上げ条件を変更するようフィードバックする。

0066

ここで、図4(a)に示す無RIE欠陥領域を有するもの、つまり、中心から径方向外側に向かってPv領域、Pi領域、Pv領域が分布している例について説明する。

0067

具体的には、図10に示すように、本実施形態で得たいas-grown状態の情報である環状のPi領域である無RIE欠陥領域より中心側の内側RIE欠陥最大密度RM2は、欠陥顕在化評価後の欠陥未検出領域の内周径S2と相関を有する。
また、図11に示すように、本実施形態で得たいas-grown状態の情報である環状のPi領域であるRIE欠陥のない無RIE欠陥領域より外周側の外側RIE欠陥最大密度RM1は、欠陥顕在化評価後の欠陥未検出領域の外周径S1と相関を有する。
したがって、as-grown状態で環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域より外周側の外側RIE欠陥最大密度RM1と、前記無RIE欠陥領域より中心側の内側RIE欠陥最大密度RM2とを推定するために、欠陥顕在化評価後の欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とを用いることができる。

0068

また、図3(a)に示した例と同様に、図3(c)に示すように、Pi領域(RIE欠陥のない無RIE欠陥領域)の外径R1がウェーハの外縁と一定している場合には無RIE欠陥領域より中心側の内側RIE欠陥最大密度RM2を推定し、また、図3(b)に示すように、Pi領域(RIE欠陥のない無RIE欠陥領域)の内径R2がウェーハの中心と一定している場合には無RIE欠陥領域より外周側の外側RIE欠陥最大密度RM1を推定するために、それぞれ欠陥未検出領域の外周径S1または内周径S2を用いることができる。

0069

本実施形態においては、図8,9に示すように、RIE評価法によってしか評価できなかったRIE欠陥の密度分布を、より安価で、処理が短時間で終了できる欠陥顕在化評価を用いた欠陥未検出領域の外周径S1または内周径S2によって、無RIE欠陥領域より中心側の内側RIE欠陥最大密度RM2と、無RIE欠陥領域より外周側の外側RIE欠陥最大密度RM1を推定することで、RIE欠陥密度分布を短時間で、安価に評価し、フィードバックしてRIE欠陥密度分布を制御したシリコンウェーハを製造する手法を確立することができた。

0070

本実施形態において、推定されたRM1またはRM2が必要な値より大きい場合には、引き上げ条件におけるV/Gを小さくする、というフィードバックをおこなうことで、RIE欠陥をウェーハ全面にわたって低密度に維持することができる。
これにより、RIE欠陥密度分布を制御する手法を確立することができた。

0071

本実施形態において、上述した第1実施形態のように環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1と内周径R2とを推定するとともに、同時に、無RIE欠陥領域より中心側の内側RIE欠陥最大密度RM2と、無RIE欠陥領域より外周側の外側RIE欠陥最大密度RM1を推定することもできる。これにより、欠陥顕在化評価を用いた欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2によって、より正確なRIE欠陥密度分布を推定することが可能となる。

0072

また、本実施形態においては、前記RIE欠陥分布推定工程において、前記欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とにより、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域の外周径R1と、内周径R2と、を推定して、この無RIE欠陥領域の外周径R1と内周径R2とに基づいて引上げ条件へのフィードバック要否の判定をおこなうとともに、前記RIE欠陥分布推定工程において、前記欠陥未検出領域の外周径S1と内周径S2とにより、環状となる前記RIE欠陥のない無RIE欠陥領域より外周側の外側RIE欠陥最大密度RM1と、前記無RIE欠陥領域より中心側の内側RIE欠陥最大密度RM2と、を推定して、この無RIE欠陥領域の内外側の外側RIE欠陥最大密度RM1と内側RIE欠陥最大密度RM2とに基づいて引上げ条件へのフィードバック要否の判定をおこなうこともできる。

0073

本実施形態は単独でも、また実施形態1とともにでも実施可能である。
これにより、RIE欠陥密度分布を制御する手法を確立することができた。

0074

S1…欠陥未検出領域の外周径
S2…欠陥未検出領域の内周径
R1…無RIE欠陥領域の外周径
R2…無RIE欠陥領域の内周径
RM1…無RIE欠陥領域より外周側の外側RIE欠陥最大密度
RM2…無RIE欠陥領域より中心側の内側RIE欠陥最大密度

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ