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技術 電気化学デバイス

出願人 株式会社トーキン
発明者 前田光司大家昌子吉田勝洋
出願日 2012年4月10日 (9年4ヶ月経過) 出願番号 2012-089163
公開日 2013年10月24日 (7年10ヶ月経過) 公開番号 2013-218910
状態 特許登録済
技術分野 電池の電極及び活物質 電気二重層コンデンサ等 二次電池(その他の蓄電池)
主要キーワード X線回折法 フロート試験 アルミエッチング箔 ハイブリッドタイプ 電気化学的手法 含フッ素系樹脂 SBR プレーン箔
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題

SEI皮膜成長を抑制し、低抵抗化を図った電気化学デバイスを提供する。

解決手段

本発明の電解液は、少なくともプロピレンカーボネートエチレンカーボネートとを含有し、さらに鎖状カーボネートを含有する混合液溶媒リチウム塩を溶解させた溶液からなり、前記溶媒は、前記エチレンカーボネートの含有率が、0.01vol%以上5.00vol%未満であり、前記プロピレンカーボネートの含有率が、60.00vol%超え99.90vol%以下であり、前記鎖状カーボネートの含有率が、0以上35vol%以下である。

概要

背景

充放電可能な電池機能を有する電気化学デバイスには、電気二重層キャパシタリチウムイオン二次電池などがある。また、電気二重層キャパシタの正極電極とリチウムイオン二次電池の負極電極とで構成されたリチウムイオンキャパシタ等のハイブリッドタイプキャパシタも知られている。

このような電気化学デバイスは、エネルギー源エネルギー回生用途への適用において、更なる高エネルギー密度化低抵抗化低コスト化が求められている。

これらの電気化学デバイスの負極電極には、易黒鉛化炭素難黒鉛化炭素が用途に応じて使用され、難黒鉛化炭素は、高出力特性サイクル特性に優れるという特徴がある。

従来、難黒鉛化炭素を負極電極に用いた電気化学デバイスにおいて、エチレンカーボネートを含有した電解液を使用することによって、初期の充放電で負極電極の表面にSEI(Solid electrolyte interface:固体電解質界面)皮膜が形成される。このSEI皮膜は、主にLi含有無機物やLi含有有機物からなる。SEI皮膜が形成されることにより、電解液の分解が抑制や負極電極へのリチウムイオンの挿入(以下、ドープという)および脱離の円滑化が図られ、サイクル特性が良好となる。

特許文献1には、電解液として、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートジメチルカーボネート混合液にLiPF6を溶解させた溶液を用い、負極電極の表面に皮膜が形成されることが開示されている。

概要

SEI皮膜の成長を抑制し、低抵抗化をった電気化学デバイスを提供する。 本発明の電解液は、少なくともプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとを含有し、さらに鎖状カーボネートを含有する混合液の溶媒リチウム塩を溶解させた溶液からなり、前記溶媒は、前記エチレンカーボネートの含有率が、0.01vol%以上5.00vol%未満であり、前記プロピレンカーボネートの含有率が、60.00vol%超え99.90vol%以下であり、前記鎖状カーボネートの含有率が、0以上35vol%以下である。なし

目的

本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、その目的は、SEI皮膜の成長を抑制し、低抵抗化を図った電気化学デバイスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

活性炭又はリチウムを含有する酸化物からなる正極活物質を有する正極電極と、前記リチウムをドープまたは脱ドープ可能な難黒鉛化炭素材料からなる負極活物質を有する負極電極と、少なくともプロピレンカーボネートエチレンカーボネートとを含有し、さらに鎖状カーボネートを含有する混合液溶媒リチウム塩を溶解させた溶液からなる電解液と、前記負極電極に前記リチウムをドープするリチウムイオン供給源を備え、前記溶媒は、前記エチレンカーボネートの含有率が、0.01vol%以上5.00vol%未満であり、前記プロピレンカーボネートの含有率が、60.00vol%超え99.99vol%以下であり、前記鎖状カーボネートの含有率が、0以上35.00vol%以下であることを特徴とする電気化学デバイス

請求項2

前記鎖状カーボネートは、ジエチルカーボネートエチルメチルカーボネートジメチルカーボネートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学デバイス。

請求項3

前記リチウム塩は、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiSbF5、LiN(C2F5SO2)2及びLiClO4から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気化学デバイス。

技術分野

背景技術

0002

充放電可能な電池機能を有する電気化学デバイスには、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池などがある。また、電気二重層キャパシタの正極電極とリチウムイオン二次電池の負極電極とで構成されたリチウムイオンキャパシタ等のハイブリッドタイプキャパシタも知られている。

0003

このような電気化学デバイスは、エネルギー源エネルギー回生用途への適用において、更なる高エネルギー密度化低抵抗化低コスト化が求められている。

0004

これらの電気化学デバイスの負極電極には、易黒鉛化炭素難黒鉛化炭素が用途に応じて使用され、難黒鉛化炭素は、高出力特性サイクル特性に優れるという特徴がある。

0005

従来、難黒鉛化炭素を負極電極に用いた電気化学デバイスにおいて、エチレンカーボネートを含有した電解液を使用することによって、初期の充放電で負極電極の表面にSEI(Solid electrolyte interface:固体電解質界面)皮膜が形成される。このSEI皮膜は、主にLi含有無機物やLi含有有機物からなる。SEI皮膜が形成されることにより、電解液の分解が抑制や負極電極へのリチウムイオンの挿入(以下、ドープという)および脱離の円滑化が図られ、サイクル特性が良好となる。

0006

特許文献1には、電解液として、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートジメチルカーボネート混合液にLiPF6を溶解させた溶液を用い、負極電極の表面に皮膜が形成されることが開示されている。

先行技術

0007

特開2001−126760号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、特許文献1に開示されているような電解液を用いた電気化学デバイスは、充放電を繰り返すことにより、SEI皮膜が成長して皮膜が厚く形成される傾向が見られる。負極電極の表面に形成されたSEI皮膜の厚みが大きくなると、リチウムイオンの拡散阻害し、内部抵抗が上昇するという課題がある。

0009

本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、その目的は、SEI皮膜の成長を抑制し、低抵抗化を図った電気化学デバイスを提供することである。

課題を解決するための手段

0010

活性炭又はリチウムを含有する酸化物からなる正極活物質を有する正極電極と、前記リチウムをドープまたは脱ドープ可能な難黒鉛化炭素材料からなる負極活物質を有する負極電極と、少なくともプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとを含有し、さらに鎖状カーボネートを含有する混合液の溶媒リチウム塩を溶解させた溶液からなる電解液と、前記負極電極に前記リチウムをドープするリチウムイオン供給源を備え、前記溶媒は、前記エチレンカーボネートの含有率が、0.01vol%以上5.00vol%未満であり、前記プロピレンカーボネートの含有率が、60.00vol%超え99.90vol%以下であり、前記鎖状カーボネートの含有率が、0以上35.00vol%以下であることを特徴とする電気化学デバイスである。

0011

また、前記鎖状カーボネートは、ジエチルカーボネートエチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートから選択される少なくとも1種であるのが好ましい。

0012

また、前記リチウム塩は、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiSbF5、LiN(C2F5SO2)2及びLiClO4から選択される少なくとも一種であることが好ましい。

発明の効果

0013

本発明によれば、SEI皮膜の成長を抑制し、低抵抗化を図った電気化学デバイスを提供することが可能となる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の電気化学デバイスを示す断面図。

0015

以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。

0016

本実施の形態の電気化学デバイスは、正極電極と負極電極と電解液とリチウムイオン供給源を備えている。正極電極は、活性炭又はリチウムを含有する酸化物からなる正極活物質を有し、負極電極は、リチウムをドープまたは脱ドープ可能な難黒鉛化炭素材料からなる負極活物質を有している。また、本実施の形態の電解液は、少なくともプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとを含有し、さらに鎖状カーボネートを含有する混合液の溶媒にリチウム塩を溶解させた溶液からなる。この溶媒において、エチレンカーボネートの含有率が、0.01vol%以上5.00vol%未満であり、プロピレンカーボネートの含有率が、60.00vol%超え99.90vol%以下であり、鎖状カーボネートの含有率が、0以上35.00vol%以下であることを特徴としている。

0017

図1は、本発明の電気化学デバイスを示す図である。本実施の形態では、電気化学デバイスとしてリチウムイオンキャパシタを例にとって説明する。

0018

図1に示すように、本実施の形態の電気化学デバイスは、正極電極11と負極電極12と電解液13を有している。正極電極11は、正極集電体14と、正極集電体14の片面または両面に正極活物質が形成された正極活物質層15を備えている。負極電極12は、負極集電体16と、負極集電体16の片面または両面に負極活物質が形成された負極活物質層17を備えている。また、正極電極11と負極電極12には、セパレータ18が対向するように配置されている。

0019

正極電極11と負極電極12は、セパレータ18を介して交互に積層され、電極体101が構成される。このとき、電極体101の最外層が負極電極12となるように、積層するのが好ましい。電極体101の外側の少なくとも一部には、電極体101に対向するように、リチウムイオン供給源19が配置されている。

0020

電極体101は、リチウムイオン供給源19とともに外装材20へ収納され、電解液13に含侵している。この状態で、リチウムイオン供給源19から負極活物質層17に、リチウムイオンがドープされる。本実施の形態において、負極活物質層17にリチウムイオンをドープさせる手段は特に限定されず、例えば、リチウムイオンを負極活物質層17に電気化学的にドープさせる方法や、負極活物質層17とリチウムイオン供給源19を物理的に短絡してドープさせる方法で行うことができる。

0021

電極体101を構成する正極電極11および負極電極12の枚数は、所望の容量および抵抗に応じて、適宜設定できる。また、リチウムイオン供給源19の数量も、リチウムイオンのドープ量やドープ時間を考慮して適宜設定できる。さらに、リチウムイオン供給源19の位置も、電極体101の外側である電極体101の上下面や側面だけでなく、電極体101の中央部に積層することも可能である。

0022

本実施の形態の電解液13には、少なくともプロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)とを含有する混合液の溶媒にリチウム塩を溶解させた溶液が用いられる。この溶媒には、さらに鎖状カーボネートを含有していてもよい。

0023

上記溶媒において、エチレンカーボネートの含有率が、0.01vol%以上5.00vol%未満であり、プロピレンカーボネートの含有率が、60.00vol%超え99.90vol%以下であり、鎖状カーボネートの含有率が、0以上35.00vol%以下である。本実施の形態では、溶媒の含有率を上記の範囲とすることにより、負極電極の表面にSEI皮膜を形成し、かつ充放電を繰り返してもSEI皮膜の成長を抑制することが可能となり、電気化学デバイスの低抵抗化が図れる。

0024

上記溶媒において、鎖状カーボネートは必ずしも含有させる必要は無いが、エチレンカーボネートを含有する電解液は、一般に粘度が高いため、鎖状カーボネートを含有させることで電解液の粘度を低くする効果が得られる。鎖状カーボネートとして、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)等が好ましく使用できる。

0025

また、上記の溶媒の範囲内において、さらにビニレンカーボネートVC)、エチレンサルファイトES)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等の添加剤を加えることも可能である。これらの添加剤を加えることで、SEI皮膜の形成をさらに円滑に行うことが可能となり、サイクル特性の向上が期待できる。

0026

また、上記溶媒に溶解させるリチウム塩は、電離してリチウムイオンを生成するものであれば良く、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiSbF5、LiN(C2F5SO2)2及びLiClO4から選択される少なくとも一種であることが好ましい。

0027

負極集電体16の材質としては、一般にリチウムイオン二次電池などに使用されている種々の材質、すなわち、ステンレス、銅、ニッケル等をそれぞれ用いることができる。また、リチウムイオン供給源19の集電体にも、同様の材質を用いることができる。これらの集電体には、圧延箔電解箔表裏面を貫通する孔を備えた貫通箔エキスパンドメタルなど網状の多孔ラス箔等を用いることができる。

0028

負極活物質層17の主成分である負極活物質は、リチウムイオンを可逆的にドープできる物質から形成され、難黒鉛化炭素材料からなる。難黒鉛化炭素材料の中でも、特に、X線回折法により得られるC軸方向の面間隔d002値が、0.341nm以上0.339nm以下で、C軸方向の結晶の大きさ(Lc)が0.5〜18nmである無定形炭素材料が、エネルギー密度等の特性を考慮すると好ましい。また、負極活物質層17の比表面積は1〜40m2/g程度とすることで、エネルギー密度等の出力特性を向上させることが期待できるため好ましい。

0029

正極集電体14にはアルミニウム、ステンレス等を用いることができる。低抵抗化かつ低コスト化には、一般的にアルミ電解コンデンサや電気二重層キャパシタに用いられているアルミエッチング箔を使用することが好ましい。アルミエッチング箔は、アルミエッチング処理することで比表面積を増やしているため、正極活物質層15との接触面積が増えて抵抗が低減し、出力特性が向上する。また、汎用品であることから低コストが期待できる。アルミエッチング箔のエッチング処理は圧延箔、電解箔のいずれのものでも使用できる。またリチウムイオン二次電池などに使用されている種々の圧延箔、電解箔、多孔ラス箔を用いることもできる。

0030

正極活物質層15の主成分である正極活物質は、アニオンまたはカチオンを可逆的に担持できる物質から形成される。例えば、分極性を有するフェノール樹脂系活性炭ヤシガラ系活性炭、石油コークス系活性炭やポリアセンなどの炭素材料を用いることができる。またリチウムイオン二次電池の正極材料なども用いることができる。

0031

正極活物質層15および負極活物質層17には、必要により導電助剤バインダが添加される。導電助剤としては、黒鉛カーボンブラックケッチェンブラック気相成長カーボンカーボンナノチューブなどが挙げられ、特にカーボンブラック、黒鉛が好ましい。バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴムSBR)等のゴム系バインダポリ四フッ化エチレンポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂ポリプロピレンポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。

0032

リチウムイオン供給源19には、金属リチウムまたはリチウムーアルミニウム合金のようにリチウムイオンを供給できる物質を使用することができる。リチウムイオン供給源19の厚みはリチウムイオンのドープ量によって変更することができるが、好ましくは5μm以上、400μm以下がよい。5μm以上とすることで、作業性が良くなり、400μm以下とすることで、リチウムイオン供給源19の残存を抑制することが可能となる。リチウムイオン供給源19は、電荷の取り出しのための集電体を有していてもよい。

0033

以上、本実施の形態について、リチウムイオンキャパシタを例にとって説明したが、本発明の電気化学デバイスとして、リチウムイオン二次電池を適用することも可能である。

0034

しかしながら、一般に、リチウムイオン二次電池は正極活物質にLi遷移金属酸化物が用いられ、負極電極への初期充電(リチウムイオンのドープ)は、正極活物質から供給される。このため、リチウムイオン二次電池において、負極活物質に不可逆容量の多い難黒鉛化炭素材料を使用すると、正極活物質層の厚み(重量)を大きくする必要があり、エネルギー密度が低くなるという問題がある。したがって、一般には、リチウムイオン二次電池の負極活物質には、不可逆容量の少ない易黒鉛化炭素材料を使用することが多いが、上記の問題を許容できる使用方法であれば、負極活物質に難黒鉛化材料を使用したリチウムイオン二次電池にも本発明を適用することが可能である。また、リチウムイオン二次電池は、充放電により、一部を除きSEI皮膜の破壊および再生が繰り返されるのに対して、リチウムイオンキャパシタは、SEI皮膜が破壊されることが無いため、電気化学デバイスとしてリチウムイオンキャパシタを用いた場合に、本発明の効果をより顕著に得られる。

0035

(実施例1)
正極活物質である比表面積1500m2/gのフェノール系活性炭の粉末を92質量部と、導電剤として黒鉛を8質量部混合した粉末に対し、バインダとしてスチレンブタジエンゴム3質量部、カルボキシルメチルセルロース3質量部、溶媒として水200質量部となるように加え、混練してスラリーを得た。次いでエッチング処理により両表面が粗面化された厚さ20μmのアルミニウム箔を正極集電体として、その両面に上記スラリーを均一に塗布し、その後乾燥させて圧延プレスし、厚さが両面にそれぞれ30μmの正極活物質層を形成し正極電極を得た。この正極電極の厚さは80μmとした。また正極電極の端面の一部からは集電体をタブ状に延出した延出部を形成し、この延出部の集電体の両面には負極活物質層を形成せず、アルミニウム箔を露出させ、外部端子と接続し電荷が取り出せるようにした。なお、正極集電体は、貫通孔が設けられていないプレーン箔を使用した。

0036

負極活物質である比表面積20m2/gの難黒鉛化材料粉末88質量部と、導電剤としてアセチレンブラック6質量部混合した粉末に対し、バインダとしてスチレンブタジエンゴム5質量部、カルボキシルメチルセルロース4質量部、溶媒として水200質量部となるように加え、混練してスラリーを得た。次いで厚さ10μmの銅箔を負極集電体として、その両面に上記スラリーを均一に塗布し、その後乾燥させて圧延プレスし、厚さが両面にそれぞれ20μmの負極活物質層を形成し負極電極を得た。この負極電極の厚さは50μmとした。また、負極電極の端面の一部からは集電体をタブ状に延出した延出部を形成し、この延出部の集電体の両面には負極活物質層を形成せず、銅箔を露出させ、外部端子と接続し電荷が取り出せるようにした。なお、負極集電体は、貫通孔が設けられていないプレーン箔を使用した。

0037

セパレータとして、厚さ35μmの天然セルロース材の薄板を使用した。このセパレータの寸法形状は、正極電極および負極電極よりも少しだけ大きくなるように構成した。

0038

次いで、セパレータ、負極電極、セパレータ、正極電極、セパレータの順番でこれら三者を積層し、電極体を得た。この電極体の最上部と最下部にはそれぞれセパレータが1枚ずつ配置されるようにした。本実施例では、1試料あたりの積層した正極電極は4枚、負極電極は5枚、セパレータは10枚とし、延出部を除いたその寸法は、正極電極が53mm×70mm、負極電極が55mm×72mm、セパレータが57mm×74mmとした。また、各電極に形成した延出部は、それぞれの電極の同一短辺から延出し、延出部の寸法は、それぞれ9mm×12mmとした。

0039

次に、電極体から延出している正極電極および負極電極の延出部を各々束ね一括して外部端子の端部にそれぞれ超音波溶接により固定した。また、銅箔に金属リチウムを貼り合わせてリチウムイオン供給源を作製し、銅箔の一部から延出した延出部に、リチウムイオン供給源の外部端子を超音波溶接により固定した。作製したリチウムイオン供給源を、電極体の上面に、金属リチウムが電極体と対向するように配置した。その後、2枚の外装材で電極体を包み込み、正極電極、負極電極、リチウムイオン供給源の外部端子を配置する辺を含む3辺の周縁部を熱圧着し、外装材の内面に形成した熱可塑性樹脂層接合させて袋状とした。この外装材の内面の熱可塑性樹脂層は、酸変性ポリオレフィン樹脂からなり、その厚さは40μmとした。

0040

さらに、電極体を内蔵した袋状の外装材の内部に電解液を注入した。本実施例における電解液は、エチレンカーボネートを0.01vol%、プロピレンカーボネートを99.99vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。

0041

電解液を注入した後に、2枚の外装材の残る1辺を、真空雰囲気中にて熱圧着により封止した。さらに、電気化学的手法によりリチウムイオン供給源から負極電極の負極活物質にリチウムイオンをドープした。ドープ量は、負極活物質の質量に対し400mAh/gとした。

0042

(実施例2)
実施例2の電解液は、エチレンカーボネート0.05vol%、プロピレンカーボネート99.95vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0043

(実施例3)
実施例3の電解液は、エチレンカーボネート0.10vol%、プロピレンカーボネート99.90vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0044

(実施例4)
実施例4の電解液は、エチレンカーボネート0.50vol%、プロピレンカーボネート99.50vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0045

(実施例5)
実施例5の電解液は、エチレンカーボネート1.00vol%、プロピレンカーボネート99.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0046

(実施例6)
実施例6の電解液は、エチレンカーボネート3.00vol%、プロピレンカーボネート97.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0047

(実施例7)
実施例7の電解液は、エチレンカーボネート4.50vol%、プロピレンカーボネート95.50vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0048

(実施例8)
実施例8の電解液は、エチレンカーボネート4.90vol%、プロピレンカーボネート95.10vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0049

(比較例1)
比較例1の電解液は、エチレンカーボネートを含有させず、プロピレンカーボネートのみからなる溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0050

(比較例2)
比較例2の電解液は、エチレンカーボネート6.00vol%、プロピレンカーボネート94.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0051

(比較例3)
比較例3の電解液は、エチレンカーボネート40.00vol%、プロピレンカーボネート60.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0052

(実施例9)
実施例9の電解液は、エチレンカーボネート3.00vol%、プロピレンカーボネート96.00vol%、ジエチルカーボネート1.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0053

(実施例10)
実施例10の電解液は、エチレンカーボネート3.00vol%、プロピレンカーボネート77.00vol%、ジエチルカーボネート20.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0054

(実施例11)
実施例11の電解液は、エチレンカーボネート3.00vol%、プロピレンカーボネート62.00vol%、ジエチルカーボネート35.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0055

(実施例11)
実施例11の電解液は、エチレンカーボネート3.00vol%、プロピレンカーボネート62.00vol%、ジエチルカーボネート35.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0056

(比較例4)
比較例4の電解液は、エチレンカーボネート3.00vol%、プロピレンカーボネート59.00vol%、ジエチルカーボネート38.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0057

(実施例12)
実施例12では、電気化学デバイスとして、リチウムイオン二次電池を作製した。正極活物質にコバルト酸リチウムを使用し、セパレータにポリエチレン系セパレータを使用した。

0058

また、実施例12の電解液は、エチレンカーボネート3.00vol%、プロピレンカーボネート97.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。

0059

正極活物質、セパレータ、電解液の構成以外は、実施例1と同様とした。

0060

(実施例13)
実施例13の電解液は、エチレンカーボネート4.50vol%、プロピレンカーボネート85.50vol%、ジエチルカーボネート10.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例12と同様とした。

0061

(実施例14)
実施例14の電解液は、エチレンカーボネート4.50vol%、プロピレンカーボネート85.50vol%、エチルメチルカーボネート10.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例12と同様とした。

0062

(実施例15)
実施例15の電解液は、エチレンカーボネート4.50vol%、プロピレンカーボネート85.50vol%、ジメチルカーボネート10.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例12と同様とした。

0063

(比較例5)
比較例5の電解液は、エチレンカーボネート5.00vol%、プロピレンカーボネート50.00vol%、ジエチルカーボネート45.00vol%の割合で混合した混合液の溶媒に、LiPF6を溶解させ、1.0mol/lの濃度に調製したものを使用した。この電解液の構成以外は、実施例12と同様とした。

0064

以上の方法により、電気化学デバイスをそれぞれ20個作製した。この作製した電気化学デバイスについて、定電流電圧にて3.8Vにて充電を1時間行い、電圧が2.2Vになるまで80mV放電した。放電時の電圧降下により直流抵抗(DC−R)を算出し、20個の平均値を求めた。初期特性として、リチウムイオンキャパシタでは、従来技術である比較例3を基準として、比較例3の平均値の5%以下の値を合格と判定した。また、リチウムイオン二次電池では、比較例5を基準として、比較例5の平均値の5%以下の値と合格と判定した。

0065

また、耐久試験として、フロート試験およびサイクル試験を実施した。フロート試験は、リチウムイオンキャパシタでは、70℃の環境下にて電圧を3.8V印加した状態で2000時間経過後、室温にてDC−Rを測定した。リチウムイオン二次電池では、60℃の環境下にて電圧を4.2V印加した状態で2000時間経過後、室温にてDC−Rを測定した。

0066

サイクル試験は、リチウムイオンキャパシタでは、70℃の環境下にて充放電を5000サイクル繰り返し、その後室温にて容量およびDC−Rを測定した。リチウムイオン二次電池では、60℃の環境下にて充放電を1000サイクル繰り返し、その後室温にて容量およびDC−Rを測定した。

0067

フロート試験およびサイクル試験では、試験前と試験後の測定値の平均値から、DC−Rの変化率を算出した。また、フロート試験においては変化率が20%以内を合格、サイクル試験においては変化率が50%以内を合格として判定した。

0068

表1に、実施例および比較例の、初期特性および耐久試験の評価結果を示す。

0069

0070

表1に示すように、本発明の実施例において、初期特性は従来の比較例と同様のレベルを維持し、耐久試験では、DC−Rの変化率を大幅に改善し、DC−Rの上昇を抑制することが可能となった。したがって、本発明の構成により、SEI皮膜の成長を抑制し、低抵抗化を図った電気化学デバイスが得られた。

実施例

0071

以上、実施の形態および実施例を用いて、本発明について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。

0072

11正極電極
12負極電極
13電解液
14正極集電体
15正極活物質層
16負極集電体
17負極活物質層
18セパレータ
19リチウムイオン供給源
20外装材
101 電極体

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