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技術 金属材料のめっき方法および固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極

出願人 三菱電機株式会社
発明者 竹本洋平川下竜太増田暁雄
出願日 2012年4月9日 (8年8ヶ月経過) 出願番号 2012-088127
公開日 2013年10月24日 (7年2ヶ月経過) 公開番号 2013-216940
状態 特許登録済
技術分野 化合物または非金属の製造のための電極 電気メッキ方法,物品 化学的被覆
主要キーワード 有機異物 白金めっき液 通電電圧 給電子 チタン材料 活性化効率 酸洗浄液 析出効率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年10月24日)のものです。
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図面 (5)

課題

金属材料のめっき不良を抑制し、めっき膜の被覆率を向上する。

解決手段

金属材料の表面を脱脂洗浄する脱脂・洗浄工程と、金属材料の表面にアンカを形成するエッチング工程と、活性化液により金属材料の表面を活性化させる第1の活性化工程と、第1の活性化工程後に金属材料の表面にめっき膜を形成する第1のめっき工程と、第1のめっき工程後に活性化液により金属材料の表面を再度活性化する第2の活性化工程と、第2の活性化工程により再活性化した金属材料の表面にめっき膜を形成する第2のめっき工程とを備える。

概要

背景

水の電気分解装置燃料電池湿度調整素子等の分野で用いられる固体高分子電解質膜触媒金属複合電極は、例えば、固体高分子電解質膜と、その両面に形成された触媒層と、各触媒層に配置された外部電極とから構成され、外部電極には、チタン等の金属材料白金被覆した白金電極を使用することが多い。
このような金属材料をめっきする方法として、チタン材料フッ化物イオン及び遷移金属イオン等を含む酸溶液に接触させてチタン材料の表面を活性化させ、洗浄工程を経た後、めっきを施すめっき方法がある(例えば、特許文献1参照)。

概要

金属材料のめっき不良を抑制し、めっき膜の被覆率を向上する。金属材料の表面を脱脂、洗浄する脱脂・洗浄工程と、金属材料の表面にアンカを形成するエッチング工程と、活性化液により金属材料の表面を活性化させる第1の活性化工程と、第1の活性化工程後に金属材料の表面にめっき膜を形成する第1のめっき工程と、第1のめっき工程後に活性化液により金属材料の表面を再度活性化する第2の活性化工程と、第2の活性化工程により再活性化した金属材料の表面にめっき膜を形成する第2のめっき工程とを備える。

目的

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、金属材料のめっき不良を抑制し、めっき膜の被覆率を向上しためっき方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

活性化液により金属材料の表面を活性化させる第1の活性化工程と、上記第1の活性化工程後に上記金属材料の表面にめっき膜を形成する第1のめっき工程と、上記第1のめっき工程後に活性化液により上記金属材料の表面を再度活性化する第2の活性化工程と、上記第2の活性化工程により再活性化した上記金属材料の表面にめっき膜を形成する第2のめっき工程とを備えたことを特徴とする金属材料のめっき方法。

請求項2

上記めっき膜は白金めっき膜であることを特徴とする請求項1に記載の金属材料のめっき方法。

請求項3

上記金属材料は純チタンまたはチタン合金からなるチタン材料であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属材料のめっき方法。

請求項4

上記第2の活性化工程は、上記第1の活性化工程より、活性化のレベルが低くなるよう活性化の処理条件を設定していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の金属材料のめっき方法。

請求項5

上記第1、第2の活性化工程における活性化の処理条件は、上記活性化液の濃度又は上記活性化液の液温又は処理時間であることを特徴とする請求項4に記載の金属材料のめっき方法。

請求項6

上記第1のめっき工程で得られるめっき膜の厚みは、上記第2のめっき工程で得られるめっき膜の厚みより薄いことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の金属材料のめっき方法。

請求項7

上記第1のめっき工程におけるめっき膜の形成はストライクめっきにより行うことを特徴とする請求項6に記載の金属材料のめっき方法。

請求項8

上記第1または第2の活性化工程における活性化液は、無機酸、フッ化物のいずれかを含む活性化液であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の金属材料のめっき方法。

請求項9

上記無機酸は、硫酸または塩酸であることを特徴とする請求項8に記載の金属材料のめっき方法。

請求項10

上記フッ化物は、フッ化水素酸または酸性フッ化アンモニウムであることを特徴とする請求項8に記載の金属材料のめっき方法。

請求項11

固体高分子電解質膜と上記固体高分子電解質膜の両面に形成された触媒層と上記各触媒層に配置された外部電極とを備えた固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極において、上記外部電極は、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の金属材料のめっき方法によりめっきされた金属材料にて形成されたものであることを特徴とする固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極。

技術分野

0001

この発明は、チタン等の金属材料の表面にめっきを施す金属材料のめっき方法、およびこのめっき方法により形成された外部電極を備えた固体高分子電解質膜触媒金属複合電極に関する。

背景技術

0002

水の電気分解装置燃料電池湿度調整素子等の分野で用いられる固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極は、例えば、固体高分子電解質膜と、その両面に形成された触媒層と、各触媒層に配置された外部電極とから構成され、外部電極には、チタン等の金属材料を白金被覆した白金電極を使用することが多い。
このような金属材料をめっきする方法として、チタン材料フッ化物イオン及び遷移金属イオン等を含む酸溶液に接触させてチタン材料の表面を活性化させ、洗浄工程を経た後、めっきを施すめっき方法がある(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特許第3247517号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記従来の金属材料のめっき方法は、チタン材料をフッ化物イオン及び遷移金属イオン等を含む酸溶液に接触させてチタン材料の表面を活性化させることで、その後の洗浄工程でチタン材料が再酸化されることを多少抑制する。しかし、酸化しやすい金属材料の残存酸化膜不動態膜を十分に除去することはできず、めっき工程においてめっき不良が生じる懸念があった。
ところで、上述のような固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極は、固体高分子電解質膜に外部電極から電圧印加することで素子として機能する。そして、水が存在する状態で両電極間直流電圧を印加して連続運転を行うと、固体高分子電解質膜の内部に蓄えられたプロトン膜内部を移動し、触媒作用により外部電極および触媒層のアノード側では酸素が生成され、外部電極および触媒層のカソード側では水が生成される。外部電極および触媒層は生成した酸素により酸化されやすい。
このような固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の外部電極において、仮にめっき不良があると、チタン等の金属材料や白金等のめっき金属が酸化され、固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の素子能力を著しく低下させるという問題が生じる。

0005

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、金属材料のめっき不良を抑制し、めっき膜の被覆率を向上しためっき方法を提供すること、および素子能力の向上した固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

この発明に係る金属材料のめっき方法は、活性化液により金属材料の表面を活性化させる第1の活性化工程と、上記第1の活性化工程後に上記金属材料の表面にめっき膜を形成する第1のめっき工程と、上記第1のめっき工程後に活性化液により上記金属材料の表面を再度活性化する第2の活性化工程と、上記第2の活性化工程により再活性化した上記金属材料の表面にめっき膜を形成する第2のめっき工程とを備える。

0007

この発明に係る固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極は、固体高分子電解質膜と上記固体高分子電解質膜の両面に形成された触媒層と上記各触媒層に配置された外部電極とを備え、上記外部電極は、活性化液により金属材料の表面を活性化させる第1の活性化工程と、上記第1の活性化工程後に上記金属材料の表面にめっき膜を形成する第1のめっき工程と、上記第1のめっき工程後に活性化液により上記金属材料の表面を再度活性化する第2の活性化工程と、上記第2の活性化工程により再活性化した上記金属材料の表面にめっき膜を形成する第2のめっき工程とを備えた金属材料のめっき方法によりめっきされた金属材料にて形成されたものである。

発明の効果

0008

この発明に係る金属材料のめっき方法は、活性化液により金属材料の表面を活性化させる第1の活性化工程と、上記第1の活性化工程後に上記金属材料の表面にめっき膜を形成する第1のめっき工程と、上記第1のめっき工程後に活性化液により上記金属材料の表面を再度活性化する第2の活性化工程と、上記第2の活性化工程により再活性化した上記金属材料の表面にめっき膜を形成する第2のめっき工程とを備える。
このため、金属材料のめっき不良を抑制し、めっき膜の被覆率を向上することができる。

0009

この発明に係る固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極は、固体高分子電解質膜と上記固体高分子電解質膜の両面に形成された触媒層と上記各触媒層に配置された外部電極とを備え、上記外部電極は、活性化液により金属材料の表面を活性化させる第1の活性化工程と、上記第1の活性化工程後に上記金属材料の表面にめっき膜を形成する第1のめっき工程と、上記第1のめっき工程後に活性化液により上記金属材料の表面を再度活性化する第2の活性化工程と、上記第2の活性化工程により再活性化した上記金属材料の表面にめっき膜を形成する第2のめっき工程とを備えた金属材料のめっき方法によりめっきされた金属材料にて形成されたものである。
このため、外部電極のめっき不良を抑制し、めっき膜の被覆率を向上することができ、固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の素子能力を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0010

この発明の実施の形態1における固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の構成を模式的に示す平面図である。
図1の平面図におけるA−A断面図である。
この発明の実施の形態1における金属材料のめっき方法のフローチャートである。
この発明の実施の形態2における金属材料のめっき方法のフローチャートである。

実施例

0011

実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1における金属材料のめっき方法により、水の電気分解装置、燃料電池、湿度調整素子等に用いられる固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の外部電極を製造した場合について説明する。

0012

図1は一例として湿度調整素子として用いられる固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の構成を模式的に示す平面図、図2図1の平面図におけるA−A断面図である。図に示すように、固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極は、固体高分子電解質膜1と、固体高分子電解質膜1の両面に形成された白金触媒層2と、各白金触媒層2の表面に配置される外部電極としての給電体3とから構成され、固体高分子電解質膜1に給電体3から電圧を印加することで固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極は素子として機能する。給電体3は白金触媒層2の枠部分に位置し固体高分子電解質膜1の周囲から通電する給電子3Aと、給電子3Aの内側に配置され固体高分子電解質膜1全体に均一に通電するメッシュ状の給電メッシュ3Bとから構成される。この給電体3は、金属材料としての給電金属の表面にめっき膜を施して形成されており、ここでは、給電金属として純チタンまたはチタン合金等のチタン材料を採用し、めっき膜として白金めっき膜を採用している。なお、給電体3の形状は素子形状にあわせて適宜設計することができる。

0013

以下、このような給電体3の製造方法について図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、この製造方法を構成する主な工程は、(1)給電金属表面の有機異物無機異物を除去する脱脂・洗浄工程と、(2)給電金属表面のチタン酸化膜を除去し、給電金属表面にアンカを形成するエッチング工程と、(3)給電金属表面を活性化する第1の活性化工程と、(4)第1の活性化工程後の給電金属に薄い白金めっき膜を形成する第1のめっき工程と、(5)第1のめっき工程後の給電金属表面を再度活性化する第2の活性化工程と、(6)再活性化後の給電金属に白金めっき膜を形成する第2のめっき工程である。

0014

次に各工程を詳しく説明する。
<脱脂・洗浄工程>
脱脂・洗浄工程は、給電金属表面の有機異物、無機異物を洗浄除去する工程である。この工程に用いる脱脂・洗浄液として、例えば、6wt%の水酸化ナトリウム珪酸ナトリウム炭酸ナトリウム等を含んだ脱脂液、20wt%の硫酸等を含んだ酸洗浄液が使用できる。なお、本実施の形態1において特に断らない限りwt%は、調整した混液全体に対する値をいう。
脱脂・洗浄条件について、給電金属の脱脂・洗浄液への温度、浸漬時間は、適正な清浄度を得るために適宜設定することができる。例えば、液温50℃、電流密度を5A/dm2、処理時間1分とした電解脱脂、また、液温50℃、浸漬時間3分とした酸洗浄を行うことで後のめっき工程で適正な白金めっき膜が得られる。

0015

<エッチング工程>
エッチング工程は、給電金属の表面のチタン酸化膜を除去し、給電金属表面にアンカを形成する工程である。ここでのアンカとはめっき膜の密着力を向上させるための微細凹凸をいう。この工程に用いるチタンエッチング液として、例えば、30wt%の硫酸と10wt%の有機酸等を含んだ混合液が使用できる。
エッチング条件について、給電金属のチタンエッチング液への浸漬時間と温度は、所望のエッチング量とアンカを得ることができるように適宜設定することができる。例えば、液温85℃、エッチング時間を15分とすることで後のめっき工程で適正な密着力を有する白金めっき膜が得られる。

0016

<第1の活性化工程>
第1の活性化工程は、エッチング工程と第1のめっき工程との間に行われるもので、エッチング工程にて残存したチタン酸化膜、不動態膜等を除去する工程である。第1の活性化工程に使用する活性化液としては、無機酸、フッ化物およびその混合液のいずれかの液を用いることが好ましい。また、例えば、無機酸としては塩酸または硫酸を用いることが好ましく、フッ化物としては、フッ化水素酸または酸性フッ化アンモニウムを用いることが好ましい。より好ましくは60〜90wt%に調整した硫酸または20〜35wt%に調整した塩酸、0.1〜0.5wt%に調整したフッ化水素酸または1.0〜5.0wt%に調整した酸性フッ化アンモニウム水溶液のいずれかを用いることが好ましい。このような特定の濃度に調整した活性化液を使用し活性化処理することで残存チタン酸化膜の除去率を向上させ、次工程の第1のめっき工程における白金めっき膜の析出効率を高めることができる。活性化液の浸漬時間については、活性化液の液温等にも影響されるため特に限定されないが、通常、10秒〜1分間とすることで、チタン酸化膜の除去率を大きく向上させることができる。
無機酸を含む活性化液を用いる場合は、その液性強酸性であるため、80℃以上で使用することにより、効率よくチタン酸化膜を溶解することができる。液温は活性化が可能であれば特に限定されないが、活性化効率および給電金属の過剰エッチングを抑制する点から、80℃〜100℃に調整しておくことがより好ましい。
活性化処理の液温と時間の組み合わせとしては、例えば90wt%の硫酸を活性化液として使用する場合、液温90℃〜100℃、処理時間30秒〜1分であることが好ましい。
またフッ化物を含む活性化液を用いる場合は室温で処理することができるが、適宜液温を調整してもよい。

0017

<第1のめっき工程>
第1のめっき工程は第1の活性化工程においてチタン酸化膜、不動態膜が除去された清浄な給電金属表面に白金めっき薄膜を形成する工程である。第1のめっき工程に用いる白金めっき液として、例えば、10wt%の硫酸に白金として2%のヘキサヒドロキシ白金酸を含んだめっき液等が使用できる。
めっき条件については、白金めっき膜の所望の被覆率を達成するため厳密に調整することが好ましい。例えば、液温30℃、めっき時間1分、電流密度1.5A/dm2とすることで0.1μm程度の白金めっき薄膜を得ることができる。なお、被覆率(%)とは、(給電金属表面のめっきを要する部分の全面積)/(白金めっき膜で被覆された面積)×100、により求められる。

0018

<第2の活性化工程>
第1の活性化工程において、給電金属の表面に形成されていたチタン酸化膜、不動態膜の多くは除去される。しかし、第1の活性化工程で除去しきれなかったチタン酸化膜、不動態膜や、第1の活性化工程後に新たに生じたチタン酸化膜、不動態膜が、第1のめっき工程を行う時点で給電金属の表面の一部に残存していることが考えられる。従って、第1のめっき工程において、給電金属の表面に白金めっき膜を施すが、チタン酸化膜、不動態膜の残存している部分では白金めっき膜の形成が阻害されることがある。

0019

第2の活性化工程は、第1のめっき工程の後に行われるもので、第1のめっき工程において白金めっき膜の形成を阻害していたチタン酸化膜を、既に一部形成されている白金めっき膜に損傷を与えずに溶解、除去する工程である。
第2の活性化工程に使用する活性化液としては、無機酸、フッ化物およびその混合液のいずれかの液を用いることが好ましい。また、例えば、無機酸としては塩酸または硫酸を用いることが好ましく、フッ化物としては、フッ化水素酸または酸性フッ化アンモニウムを用いることが好ましい。より好ましくは60〜90wt%に調整した硫酸または20〜35wt%に調整した塩酸、0.05〜0.25wt%に調整したフッ化水素酸または0.5〜2.5wt%に調整した酸性フッ化アンモニウム水溶液のいずれかを用いることが好ましい。このような特定の濃度に調整した活性化液を使用し活性化処理することで第2の活性化工程前に形成されたチタン酸化膜、不動態膜の除去率を向上させ、次工程の第2のめっき工程における白金めっき膜の析出効率を高めることができる。活性化液の浸漬時間については、後述の活性化液の液温等にも影響されるため特に限定されないが、通常、10秒〜1分間とすることで、チタン酸化膜等の除去率を大きく向上させることができる。
無機酸を含む活性化液を用いる場合は、その液性が強酸性であるため、80℃以上で使用することにより、効率よくチタン酸化膜を溶解することができる。液温は活性化が可能であれば特に限定されないが、活性化効率および給電金属の過剰エッチングを抑制する点から、80℃〜100℃に調整しておくことがより好ましい。
活性化処理の液温と時間の組合せとしては、例えば90wt%の硫酸を活性化液として使用する場合、液温90℃〜100℃、処理時間10秒〜30秒であることが好ましい。
またフッ化物を含む活性化液を用いる場合は室温で処理することができるが、適宜液温を調整してもよい。

0020

<第2のめっき工程>
第2のめっき工程は第2の活性化工程においてチタン酸化膜、不動態膜が除去された清浄な給電金属表面に白金めっき薄膜を形成する工程である。
第2のめっき工程に用いる白金めっき液として、例えば、10wt%の硫酸に白金として2%のヘキサヒドロキシ白金酸を含んだめっき液等が使用できる。
めっき条件については、白金めっき膜の所望の被覆率を達成するため厳密に調整することが好ましい。例えば、液温30℃、めっき時間2.5分とし、最初の30秒間を電流密度5.0A/dm2、30〜60秒を10.0A/dm2、60秒〜2.5分を5.0A/dm2と変化させることで被覆率が良好な0.5μm程度の白金めっき薄膜を得ることができる。

0021

なお、本実施の形態1では、上記の各工程の間に純水処理工程を挟み、給電体3を純水に浸漬している。しかし、必ずしも各工程の間に純水処理工程を挟む必要はなく、例えば、給電体3の給電金属となるチタン合金の素材等の諸条件により、第1の活性化工程と第1のめっき工程の間の純水処理工程や、第2の活性化工程と第2のめっき工程との間の純水処理工程を省略することができる。

0022

次に、給電体3の被覆率等を向上することのできるメカニズムについて詳細に説明する。まず、本実施の形態1のめっき方法は、第1の活性化工程と第2の活性化工程との2回の活性化工程を備えている。また、第1の活性化工程後に行う第1のめっき工程と、第2の活性化工程後に行う第2のめっき工程との2回のめっき工程を備えている。第1の活性化工程と第2の活性化工程との違い、第1のめっき工程と第2のめっき工程との違いについて、詳しく説明する。なお、以下給電体3の給電金属を下地チタンと記す。

0023

第1の活性化工程と第2の活性化工程との異なる点は、第1の活性化工程に比べ第2の活性化工程の方が活性化のレベルが低くなるように活性化の処理条件を弱めに設定している点である。具体的には活性化液濃度を低くする、活性化液の液温を低くする、活性化液に浸漬する処理時間を短くする等して第2の活性化工程の処理条件を弱めている。第1の活性化工程前の下地チタンの表面に存在するチタン酸化膜の量に比べ、第2の活性化工程前の下地チタンの表面に存在するチタン酸化膜の量が少ないため、第2の活性化工程における処理条件を弱めに設定しても、チタン酸化膜を除去できる。そして、処理条件を弱めに設定することで、第1の白金めっきにより既に形成された白金めっき膜の損傷を抑制することができる。

0024

次に、第1のめっき工程と第2のめっき工程との異なる点について説明する。第1のめっき工程と第2のめっき工程とは、同じ条件のめっき液を使用しており、液温も30℃と同じである。しかし、めっき時間および電流密度が異なっており、第1のめっき工程ではめっき時間を1分としているのに対し、第2のめっき工程ではめっき時間を2.5分としている。また、第1のめっき工程では電流密度を1.5A/dm2としているのに対し、第2のめっき工程では電流密度を最初の30秒間は5.0A/dm2、次の30〜60秒は10.0A/dm2、最後の60秒〜2.5分を5.0A/dm2と変化させている。これにより、第1のめっき工程では0.1μm程度の厚さのめっき膜を得、第2のめっき工程では全体として0.5μm程度(第1のめっき工程で形成されためっき膜の厚みも含む)の白金めっき膜を得る。

0025

第1のめっき工程と第2のめっき工程のめっき条件が異なることにより以下の効果が得られる。
まず、チタンに白金めっき膜が形成される際の白金めっき膜の成長過程について一般的な説明をする。通常、白金めっきを開始すると、白金めっき開始直後に白金めっき核が生成され、白金めっき核が成長して白金めっき膜を形成する。
白金めっき膜を形成する白金めっき核の生成速度は、下地チタン表面のチタン酸化膜の有無により左右され、チタン酸化膜が無い場合の方がチタン酸化膜が有る場合より早い。そして、めっき時に供給される電流の大半は、先に生成し成長する白金めっき核の成長に使われてしまい、新たなめっき核の形成には使用され難い。
チタンは非常に酸化しやすい金属であり、仮にチタン表面の一部にチタン酸化膜が有ると、チタン酸化膜の無い部分に先に白金めっき膜が生成されて成長し、チタン酸化膜が有る部分ではほとんど白金めっき核が形成されないということが起きる。白金めっき膜は白金めっき核が成長して形成されるため、白金めっき核の形成が不均一となれば、白金めっき膜の被覆率の低下や、白金めっき膜の膜厚分布の悪化が懸念される。

0026

本実施の形態1のめっき方法では、第1のめっき工程で得られるめっき膜厚さが0.1μm程度と薄いのに対し、第2のめっき工程では第1のめっき工程におけるめっき膜の数倍の厚さのめっき膜を得られるようにめっきを行い、第2のめっき工程後のめっき膜厚さの合計が0.5μmとなるようにしている。このようにめっき膜厚さを設定したのは、第1の活性化工程後の給電体の下地チタンには、第2の活性化工程後の給電体の下地チタンに比べてチタン酸化膜が残存している可能性が高いという点を考慮したことによる。仮に、第1のめっき工程でのめっき膜厚さを厚くすると、チタン酸化膜が残存していた場合に膜厚分布の悪化による影響が大きくなる。従って、第1のめっき工程ではめっき膜厚さを薄くし、チタン酸化膜が存在していた場合でも白金めっき膜の膜厚分布の悪化による影響を低減できるようにしている。

0027

また、第2のめっき工程では、電流密度を最初の30秒間は5.0A/dm2、次の30〜60秒は10.0A/dm2、最後の60秒〜2.5分を5.0A/dm2と変化させている。このように変化させたのは、電流密度を高くすることで白金めっき核が形成されやすくなる点、しかし電流密度を高くしすぎると下地チタンの表面から水素が多く発生して逆に白金めっき核の析出および形成が阻害される点、を考慮したことによる。
最初の30秒間は、白金めっき核の析出および形成が阻害されない程度でありながら、第1のめっき工程より白金めっき核が形成されやすいようにするため、電流密度を5.0A/dm2としている。これにより、第1のめっき工程で白金めっき核が形成されなかった部分に白金めっき核が形成され、それ以外の部分はめっき膜が成長する。
次の30〜60秒は、最初の30秒間で形成されためっき核を成長させるため、電流密度を10.0A/dm2としている。電流密度が低いと、第1のめっき工程で既に形成されためっき膜の成長に通電電流の大半が使用されてしまうため、電流密度を上げている。ただし、長時間電流密度を上げたままでは、めっき膜の焼けや水素の発生が起き、めっき膜が多孔質海綿状となりやすいため、最初の30秒間で形成されためっき核が極薄のめっき膜に成長するまでの短時間(30秒)のみ、電流密度を10.0A/dm2まで上げている。
最後の60秒〜2.5分は、形成されためっき膜を成長させるため、電流密度を5.0A/dm2としている。形成効率重視し、めっき膜の品質を損なわない電流密度でめっき膜を成長させることで、最終的に被覆率の高いめっき膜を得ることができる。

0028

次に、図1図2で示す固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極を大気中で利用する場合の動作について説明する。固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極を動作させると、以下のようなことが起こる。なお、図2において、上側の白金触媒層2をアノード側(正極側)とし、下側の白金触媒層2をカソード側(負極側)とする。

0029

通常、固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極において、アノードとなる白金触媒層2とカソードとなる白金触媒層2との間に給電体3を介して直流電圧を印加すると、以下の反応式で示すようにアノード側では水が水素イオンと酸素とに分解され、この水素イオンは固体高分子電解質膜1を介してアノード側からカソード側に移動する。一方、カソード側では、固体高分子電解質膜1を介してアノード側から移動してきた水素イオンと大気中の酸素とが反応し、水が生成される。
アノード反応:H2O→2H++1/2O2+2e−
カソード反応:2H++1/2O2+2e−→H2O

0030

そして、アノード側での反応が更に進むと、水が白金の表面で水素イオンと酸素ラジカルとに分解される。酸素ラジカルは酸化力が強く、酸素ラジカルが発生することにより、給電体3を構成する下地チタンおよび白金めっき膜と反応して酸化物を形成することがある。これらの反応は、以下の反応式で表される。併せて標準電極電位も記載する。
アノード反応:H2O→2H++O・+2e−
2O・+Ti→TiO2
O・+Pt→PtO
標準電極電位:Ti2++2e−→Ti −1.74(E/V)
Pt2++2e−→Pt 1.188(E/V)
PtO+2H++2e−→Pt+H2O 0.98(E/V)

0031

本実施の形態1では、良好な被覆率で白金めっき膜が形成されているが、仮に、給電体の白金めっき膜が不完全で下地チタンが露出している固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極を動作させた場合について比較例として説明する。比較例の場合、まず初めに、標準電極電位の低い下地チタンが速やかに酸化される。酸化チタン導電性がないため、給電体の下地チタンが酸化されることで、定電流で固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極を動作させている場合、アノード電圧が高くなる。アノード電圧が高くなると、非常に酸化し難い貴な金属である白金めっき膜も酸化し、酸化白金が生成される。酸化チタン同様、酸化白金も導電性がないため、更にアノード電圧が上昇し、固体高分子電解質膜、給電体間接触抵抗が増加し、湿度調整素子としての能力が著しく低下する。酸化が進むことで、最終的に給電体からの給電が不能となる。
このように、仮に比較例のように、給電体の白金めっきが不完全な状態の固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極を動作させると、特に、アノード側では、酸化力の強い酸素ラジカルによる給電体の酸化が顕著となり、素子としての能力は著しく低下し、素子寿命が短くなる。

0032

上述の通り、本実施の形態1では、給電体3の被覆率を大きく向上することができ、比較例のような給電体の酸化、通電電圧の上昇、更なる酸化、通電電圧の更なる上昇、といった悪循環を生じさせない。このため、固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の素子寿命の延伸、素子能力の向上を図ることができる。

0033

以下、本実施の形態1のめっき方法により給電体3を製造した実施例について、具体的な処理条件を表1に、その結果得られた給電体3の被覆率、密着力を表2に示す。なお、例として実施例1〜5を挙げるが、これに限定されるものではない。

0034

0035

0036

実施例1〜5では、縦幅50mm、横幅50mm、厚み0.1mmの純チタンからなるメッシュ状の下地チタンに本実施の形態1のめっき方法により白金めっき膜を施し給電体を形成した。
脱脂・洗浄工程では、脱脂・洗浄液としてELC−400((株)ワールドメタル製品)を使用し、その後、純水に給電体を浸漬し1分間放置し、その後、給電体を取り出し、次は脱脂・洗浄液としてHS−55((株)ワールドメタルの製品)を使用して処理した。その後、純水に給電体を浸漬し1分間放置する純水処理工程を行い、その後給電体を取り出した。
その後のエッチング工程では、エッチング液T−44((株)ワールドメタルの製品)に8分間浸漬し、エッチング工程の後、純水に1分間浸漬し放置する純水処理工程を行った。
その後、上述の第1の活性化工程の内容に従い、表1に示す処理条件で最初の活性化処理を行った。次に上述の第1のめっき工程の内容、条件により白金めっきを行い、その後、純水処理工程を行った。そして、上述の第2の活性化工程の内容に従い、表1に示す処理条件で、再度、活性化処理を行った。次に上述の第2のめっき工程の内容、条件により白金めっきを行い、その後、純水洗浄工程を行った。このような工程を経て下地チタンに合計厚さ0.5μmの白金めっき膜を形成した。なお、白金めっき膜の厚みは重量測定を行って算出した。

0037

表2において、被覆率は、電子顕微鏡による反射電子像(100〜1000倍)により算出した。被覆率が観察範囲において90以上%〜100%である場合は表2に◎と記し、80以上%〜90未満%である場合は○、50以上%〜80未満%である場合は△、0%〜50未満%の場合を×と記すこととする。また、密着力については、給電体を10mm×20mmの断片に切断した後、セロハンテープをめっき面に密着させ、テープをめっき面に垂直に強く、瞬間的に引き剥がした。この操作を繰り返し行い、白金めっき膜が3回以内で剥離した場合は×、4〜10回で剥離した場合は○、剥離が生じなかった場合は◎とした。

0038

表1、表2に示す比較例1〜4は、上記実施例1〜5と同じ条件の下地チタンに実施例1〜5とは異なる方法で白金めっきを施したものである。実施例1〜5とのめっき方法の相違点は、比較例1〜4では第2の活性化工程、第2のめっき工程を省略していることである。そして、比較例1〜4の第1の活性化工程における処理条件は表1に示す通りである。比較例1〜4の第1のめっき工程に用いる白金めっき液は実施例1〜5と同じもの、液温も30℃と同様としているが、電流密度とめっき時間に関しては実施例1〜5と異なり、電流密度1.0A/dm2、めっき時間8分としている。このような工程により、下地チタンに厚さ0.5μmの白金めっき膜を形成した。上記以外の点については上記実施例1〜5と同様であり、その処理条件も同様としている。

0039

表2の結果からも明らかなように、本実施の形態1のめっき方法で製造した給電体は、実施例1〜5の場合の全てにおいて被覆率が◎と高く、比較例1〜4の場合の被覆率は×又は△であり、実施例1〜5の場合に比べて低いことがわかる。密着力については実施例1〜5と比較例1〜4との間に大きな差はないが、実施例5では密着力も◎であり高いことがわかる。
このように、本実施の形態1のめっき方法で製造した給電体は、比較例の方法で製造した給電体よりも被覆率が高く、密着力も比較例の場合と比して同等またはそれ以上のものとなることがわかる。

0040

以上のように、本実施の形態1では、第1のめっき工程後に金属材料の表面を再度活性化する第2の活性化工程や、第2の活性化工程後に行う第2のめっき工程を備えているため、金属材料へのめっき膜の被覆率を向上することができ、めっき膜の密着力も高く保つことができる。
そして、固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の外部電極の製造をこのような方法で行うことにより、めっき膜の被覆率および密着力の高い外部電極が得られる。固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極は酸化または還元されやすい状況で使用されるが、このような状況下でも外部電極が酸化することを防止でき、固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の素子寿命の延伸、素子能力の向上を図ることができる。

0041

また、本実施の形態1では、金属材料は純チタンまたはチタン合金からなるチタン材料である。チタンは酸化しやすい金属であるため、チタン材料にめっき膜を施す場合、一般的なめっき方法では、チタン表面の酸化膜により均一なめっき膜を得ることが難しい金属材料であった。このようなチタン材料であっても、本実施の形態1のめっき方法でめっきすることで、均一で被覆率の高いめっき膜を得ることができる。

0042

そして、一般的に、チタン材料に白金めっきを施す場合、密着力や被覆率が低くなるという理由で、チタン材料に直接白金めっきを施さず、チタン材料と白金めっきとの間にニッケルを挟むことが行われていたが、本実施の形態1のめっき方法により、間にニッケルを挟むことなく直接チタン材料に白金めっきを施しても、高い密着力、高い被覆率を得ることができる。

0043

また、本実施の形態1では、特に第2の活性化工程において活性化の処理条件を厳密に調整して再活性化を行っているため、再活性化時に、活性化液による既に形成されためっき膜の腐食や、活性化後の残存液による下地の金属材料の腐食や、密着力の低下等の発生がなく、信頼性の高いめっきを行うことができる。

0044

なお、本実施の形態1では、下地の金属材料としてチタン材料、めっき膜として白金めっき膜を採用した場合について説明した。上述の通り、チタン材料と白金めっき膜の組み合わせは、本実施の形態1のめっき方法により製造する場合に非常に適している。しかし、本実施の形態1のめっき方法は、下地の金属材料がチタン材料以外のもの、例えばアルミニウム黄銅等であっても適用することができ、まためっき金属が白金以外の金属、例えばイリジウムルテニウム等であっても適用することができる。

0045

また、本実施の形態1では、固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の外部電極を製造する例にて金属材料のめっき方法を説明したが、当然ながら、固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の外部電極の製造以外にも用いることができ、被覆率、密着力の高いめっき膜を得ることができる。

0046

実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2における金属材料のめっき方法のフローチャートである。上記実施の形態1における金属材料のめっき方法とは第1のめっき工程の内容が異なる。それ以外の工程については上記実施の形態1と同様であり、詳しい説明は省略する。
本実施の形態2の第1のめっき工程の内容について詳述する。第1のめっき工程では、白金ストライクめっきを行う。以下、本実施の形態2の第1のめっき工程を、ストライクめっき工程とする。ストライクめっきとは、めっき膜の密着をよくするための下地めっきであり、一般的なめっきより、高い電流密度、また低い金属イオン濃度溶液を使用して、比較的短時間で行われるものである。

0047

<ストライクめっき工程>
ストライクめっき工程は第1の活性化工程においてチタン酸化膜、不動態膜が除去された清浄な下地チタン表面に白金めっき薄膜を形成する工程である。ストライクめっき工程に用いる白金めっき液として、例えば、35wt%の塩酸に金属塩として0.1wt%の塩化白金酸を含んだめっき液等が使用できる。
めっき条件については、白金めっき膜の所望の被覆率を達成するため、厳密に調整することが好ましい。例えば、液温50℃、電流密度10A/dm2でめっき時間30〜60秒とすることで0.05μm程度の密着力に優れた白金めっき薄膜を得ることができる。

0048

上記実施の形態1の第1のめっき工程と、本実施の形態2のストライクめっき工程との内容を比較すると、実施の形態1の第1のめっき工程では電流密度が1.5A/dm2、めっき時間60秒であるのに対し、本実施の形態2のストライクめっき工程では、電流密度が10A/dm2と高く、めっき時間は30〜60秒と実施の形態1の第1のめっき工程のめっき時間以下とし、本実施の形態2のストライクめっき工程で得られた白金めっき膜は、上記実施の形態1の第1のめっき工程で得られた白金めっき膜の約半分の厚みの薄い白金めっき膜を得ている。

0049

以下、本実施の形態2のめっき方法により給電体3を製造した実施例について、具体的な処理条件を表3に、その結果得られた給電体3の被覆率、密着力を表4に示す。なお、例として実施例6〜10を挙げるが、これに限定されるものではない。

0050

0051

0052

実施例6〜10では、上記実施の形態1の実施例1〜5と同様、縦幅50mm、横幅50mm、厚み0.1mmの純チタンからなるメッシュ状の下地チタンに本実施の形態2のめっき方法により白金めっき膜を施し給電体を形成した。第1のめっき工程の内容が、上述のストライクめっき工程であること以外については、上記実施の形態1の実施例1〜5のめっき方法と同様であり、第1の活性化工程、第2の活性化工程における処理条件も、実施例1〜5と同様である。なお、参考のため、表3、表4にも、上記実施の形態1で説明した比較例1〜4のデータを記載している。

0053

表4の結果からも明らかなように、本実施の形態2のめっき方法で製造した給電体は、実施例6〜9の場合は被覆率○、実施例10の場合は被覆率◎と、全ての実施例6〜10において○以上の結果が得られた。これに対し、比較例1〜4の場合の被覆率は×又は△であり、実施例6〜10の場合の方が高いことがわかる。密着力については実施例6〜10の場合は全て◎であるのに対し、比較例1〜4では○であり、密着力についても実施例6〜10の場合の方が高いことがわかる。
このように、本実施の形態2のめっき方法で製造した給電体は、比較例の方法で製造した給電体よりもめっき膜の被覆率、密着力共に高く、高品質な給電体が得られることがわかる。
なお、参考までに、上記実施の形態1の実施例1〜5と、本実施の形態2の実施例6〜10を比較すると、被覆率は、実施の形態1のめっき方法の方が高めであり、密着力は、実施の形態2のめっき方法が高めであるが、いずれのめっき方法でも被覆率、密着力共に○以上の結果が得られており、比較例1〜4と比較して確実に品質が高いことがわかる。なお、実施の形態1の実施例5と実施の形態2の実施例10とは被覆率、密着力共に◎であり、より品質が高い。

0054

以上のように、本実施の形態2では、第1のめっき工程としてストライクめっき工程を採用したため、上記実施の形態1の効果に加え、より密着力を向上することができる。
そして、固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の外部電極の製造をこのような方法で行うことにより、めっき膜の被覆率および密着力の高い外部電極が得られる。固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極は酸化または還元されやすい状況で使用されるが、このような状況下でも外部電極が酸化することを防止でき、固体高分子電解質膜・触媒金属複合電極の素子寿命の延伸、素子能力の向上を図ることができる。
また、外部電極の下地金属としてのチタン材料は、その構成成分により、エッチング工程や第1、第2の活性化工程等に用いられる薬液に対する耐性が異なってくる。このため、第1、第2のめっき工程において白金めっきの析出状態も異なり、場合によっては下地チタンと白金めっき膜の密着力が低下することもありえ、信頼性が低下する懸念がある。しかし、本実施の形態2のめっき方法により、チタン材料の構成成分にかかわらず密着力が高い白金めっきが可能であり、信頼性が向上する。また、多種多様のチタン合金に対して応用することができ、これらのチタン合金を使用した素子の寿命を延伸することができる。

0055

なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
すなわち、本発明は実施の形態1、2、および実施例1〜10に限定されるものではなく、本発明が解決しようとする課題並びにそれに対する解決手段の精神に沿った種々の変型形態を包含するものである。今回開示された実施の形態1、2および実施例1〜10はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0056

1固体高分子電解質膜、2白金触媒層、3外部電極としての給電体。

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