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図面 (3)

課題

損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す組織において血管新生を増大させるための組成物および方法を提供する

解決手段

組織における損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す哺乳動物に、ニューブラスチンポリペプチド投与することによって、組織における血管新生を増大させるための方法が開示される。上記方法は、損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害処置もしくは予防するために、または被験体移植された臓器における血管新生を増大させるために、使用され得る。

概要

背景

背景
ニューブラスチンアルテミンおよびエノビンとしても公知)は、24kDaのホモダイマー分泌タンパク質であり、末梢神経系および中枢神経系のニューロン成長および生存を促進する(Baudetら,2000,Development,127:4335;Masureら,1999,Eur.J.Biochem.,266:892;Rosenbladら,2000,Mol.Cell Neurosci.,15(2):199)。ニューブラスチンmRNAは、胚性およびにおいて主に発現され、そして成体においては、下垂体気管、および胎盤において最も高く発現される(Baudetら,2000,Development,127:4335)。

ニューブラスチンは、グリア細胞由来神経栄養因子GDNF)リガンドファミリーメンバーである。GDNFリガンドは、膜結合c−RETレセプターチロシンキナーゼと結合することによって、Rasおよびホスファチジルイノシトール−3−キナーゼシグナル伝達経路の両方を活性化する。このc−RET媒介性シグナル伝達は、さらなるコレセプター(co−receptor)、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)結合(anchored)GDNFファミリーレセプターα(GFRα)タンパク質を要し、これは、c−RETに対するリガンド特異性を付与する。4つのGFRαコレセプタータンパク質が同定された(GFRα1〜4)。ニューブラスチンは、インビトロでGFRα3に対して最も高い親和性を示すが、ヒト線維芽細胞を使用する研究では、ニューブラスチンは、GFRα3もしくはGFRα1のいずれかを介して、c−RET依存性シグナル伝達を刺激子得る(非特許文献1;非特許文献2:非特許文献3)。

ニューブラスチンおよび他のGDNFファミリーメンバーは、トランスホーミング増殖因子β(TGFβ)スーパーファミリーのメンバーであり、従って、システインノットの構造を形成する、同様の間隔を有する7個の保存されたシステイン残基の存在によって、特徴づけられる(非特許文献4)。各モノマーは、密なノット構造を形成するために第3のジスルフィド豊富閉じたループ構造を形成する2つのジスルフィド結合を含む。各モノマー内に含まれるこの第7のシステインは、分子間ジスルフィド結合を形成し、上記モノマーを共有結合して、最終的なダイマー生成物の形成する(非特許文献5)。

概要

損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す組織において血管新生を増大させるための組成物および方法を提供する組織における損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す哺乳動物に、ニューブラスチンポリペプチド投与することによって、組織における血管新生を増大させるための方法が開示される。上記方法は、損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害処置もしくは予防するために、または被験体移植された臓器における血管新生を増大させるために、使用され得る。なし

目的

本発明は、損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す組織において血管新生を増大させるための組成物および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

本明細書の一部に記載の発明。

技術分野

0001

(技術分野)
本発明は、タンパク質化学分子生物学、および血管生物学に関する。

背景技術

0002

背景
ニューブラスチンアルテミンおよびエノビンとしても公知)は、24kDaのホモダイマー分泌タンパク質であり、末梢神経系および中枢神経系のニューロン成長および生存を促進する(Baudetら,2000,Development,127:4335;Masureら,1999,Eur.J.Biochem.,266:892;Rosenbladら,2000,Mol.Cell Neurosci.,15(2):199)。ニューブラスチンmRNAは、胚性およびにおいて主に発現され、そして成体においては、下垂体気管、および胎盤において最も高く発現される(Baudetら,2000,Development,127:4335)。

0003

ニューブラスチンは、グリア細胞由来神経栄養因子GDNF)リガンドファミリーメンバーである。GDNFリガンドは、膜結合c−RETレセプターチロシンキナーゼと結合することによって、Rasおよびホスファチジルイノシトール−3−キナーゼシグナル伝達経路の両方を活性化する。このc−RET媒介性シグナル伝達は、さらなるコレセプター(co−receptor)、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)結合(anchored)GDNFファミリーレセプターα(GFRα)タンパク質を要し、これは、c−RETに対するリガンド特異性を付与する。4つのGFRαコレセプタータンパク質が同定された(GFRα1〜4)。ニューブラスチンは、インビトロでGFRα3に対して最も高い親和性を示すが、ヒト線維芽細胞を使用する研究では、ニューブラスチンは、GFRα3もしくはGFRα1のいずれかを介して、c−RET依存性シグナル伝達を刺激子得る(非特許文献1;非特許文献2:非特許文献3)。

0004

ニューブラスチンおよび他のGDNFファミリーメンバーは、トランスホーミング増殖因子β(TGFβ)スーパーファミリーのメンバーであり、従って、システインノットの構造を形成する、同様の間隔を有する7個の保存されたシステイン残基の存在によって、特徴づけられる(非特許文献4)。各モノマーは、密なノット構造を形成するために第3のジスルフィド豊富閉じたループ構造を形成する2つのジスルフィド結合を含む。各モノマー内に含まれるこの第7のシステインは、分子間ジスルフィド結合を形成し、上記モノマーを共有結合して、最終的なダイマー生成物の形成する(非特許文献5)。

先行技術

0005

Baudetら,2000,Development,127:4335
Masureら,1999,Eur.J.Biochem.266:892
Rosenbladら,2000,Mol.Cell Neurosci.,15(2):199
Saarma,1999,Microsc.Res.Tech.,45:292
Rattenhollら,2000,J.Mol.Biol.,305:523

発明が解決しようとする課題

0006

(要旨)
本発明は、少なくとも一部、哺乳動物へのニューブラスチンの投与が、新血管新生および動脈閉塞後の虚血筋組織への血流の増大を促進するという発見に基づく。

0007

一局面において、本発明は、組織における血管新生を増大するための方法を特徴とし、この方法は、以下の工程を包含する:組織において損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す哺乳動物を選択する工程(例えば、虚血筋組織のような虚血組織);および上記組織における血管新生を増大するに有効な量のポリペプチドを上記哺乳動物に投与する工程であって、ここで上記ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸15〜113に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含み、そして上記ポリペプチドは、ダイマー化される場合、GFRα3とRETとを含む複合体に結合する。損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す哺乳動物の組織における血管新生を増大させるための薬学的組成物の調製のための、配列番号1のアミノ酸15〜113に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドの使用もまた開示され、ここで上記ポリペプチドは、ダイマー化される場合、GFRα3とRETとを含む複合体に結合する。

0008

本明細書において記載される方法および使用のポリペプチドに含まれるアミノ酸配列は、必要に応じて、配列番号1のアミノ酸15〜113に対して少なくとも90%同一(例えば、少なくとも95%もしくは98%同一)であり得る。いくつかの実施形態において、上記ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸10〜113、配列番号1のアミノ酸15〜113、配列番号2のアミノ酸15〜113、配列番号3のアミノ酸15〜113、配列番号4のアミノ酸15〜113、配列番号5のアミノ酸15〜113、配列番号8のアミノ酸15〜113、もしくは配列番号9のアミノ酸15〜113を含み得るか、またはこれらからなり得る。例えば、上記ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列、配列番号2のアミノ酸配列、配列番号3のアミノ酸配列、配列番号4のアミノ酸配列、配列番号5のアミノ酸配列、配列番号8のアミノ酸配列、もしくは配列番号9のアミノ酸配列を含み得るか、またはこれらからなり得る。

0009

上記ポリペプチドは、上記哺乳動物に、例えば、全身投与(例えば、皮下投与もしくは静脈内投与)または局所投与を介して投与され得る。

0010

上記損なわれた血流もしくは不適切な血流を有する組織は、必要に応じて、上記哺乳動物の四肢(例えば、手もしくは足)に位置し得る。いくつかの実施形態において、上記損なわれた血流もしくは不適切な血流を有する組織は、皮膚病変(例えば、糖尿病性潰瘍(例えば、糖尿病性下肢潰瘍)と関連する皮膚病変)を含む。

0011

本明細書に記載される方法および使用に従って処置される哺乳動物は、例えば、ヒト、マウスラットウシブタイヌネコ、もしくはサルであり得る。

0012

本明細書に記載される方法および使用のいくつかの実施形態において、上記哺乳動物の心臓は、損なわれた血流を示し、上記ポリペプチドの投与は、上記心臓の血管新生を増大し、上記哺乳動物は、脳卒中を経験したことがあり、そして上記脳卒中の結果として、上記組織において損なわれた血流もしくは不適切な血流を示し、上記哺乳動物は、心筋梗塞を経験したことがあり、そして上記心筋梗塞の結果として、上記組織において損なわれた血流もしくは不適切な血流を示し、上記哺乳動物は、冠状動脈疾患を有し、そして上記冠状動脈疾患の結果として、上記組織において損なわれた血流もしくは不適切な血流を示し、ならびに/または上記哺乳動物は、移植臓器(例えば、心臓もしくは真皮)を受け入れており、上記ポリペプチドの投与は、上記移植臓器において血管新生を増大させる。

0013

本明細書に記載される方法および使用に従って処置される哺乳動物は、疾患もしくは障害(例えば、虚血疾患心血管疾患、および/もしくは糖尿病)を有し得る。

0014

本明細書に記載される方法および使用は、抗血栓剤、血管新生を増大させるニューブラスチン以外の因子コレステロール低下剤β遮断剤抗高血圧剤、もしくは免疫抑制剤のうちの1種以上を、上記哺乳動物に投与する工程をさらに包含し得る。

0015

本明細書に記載される方法および使用は、血管新生の増大が、上記ポリペプチドの投与後に生じたか否かを決定する工程をさらに包含し得る。

0016

本明細書に記載される方法および使用のいくつかの実施形態において、上記哺乳動物は、神経学的障害診断されておらず、そして/または眼の障害と診断されていない。

0017

別段規定されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものに類似もしくは等価な方法および材料が、本発明の実施もしくは試験において使用され得るものの、上記例示的方法および材料は、以下に記載される。本明細書中で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、これらの全体が本明細書に参考として援用される。矛盾する場合は、本願(定義を含む)が優先する。上記材料、方法、および例は、例示に過ぎず、限定であることを意図しない。

0018

本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、および特許請求の範囲から明らかである。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)
組織における血管新生を増大させるための方法であって、該方法は、
組織において損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す哺乳動物を選択する工程;および
該哺乳動物に、該組織における血管新生を増大するに有効な量のポリペプチドを投与する工程であって、ここで該ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸15〜113に対して少なくとも80%であるアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドは、二量体化された場合、GFRα3およびRETを含む複合体に結合する、工程
を包含する、方法。
(項目2)
上記組織は虚血組織である、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記虚血組織は、虚血筋組織である、項目2に記載の方法。
(項目4)
上記哺乳動物の心臓は、損なわれた血流を示し、上記ポリペプチドの投与は、該心臓の血管新生を増大させる、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記哺乳動物は、脳卒中を経験したことがあり、該脳卒中の結果として、上記組織において損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す、項目1に記載の方法。
(項目6)
上記哺乳動物は、心筋梗塞を経験したことがあり、該心筋梗塞の結果として、上記組織において損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す、項目1に記載の方法。
(項目7)
上記哺乳動物は、冠状動脈疾患を有しており、該冠状動脈疾患の結果として、上記組織において損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す、項目1に記載の方法。
(項目8)
上記哺乳動物は、移植臓器を受け入れており、上記ポリペプチドの投与は、該移植臓器における血管新生を増大させる、項目1に記載の方法。
(項目9)
上記移植臓器は心臓である、項目8に記載の方法。
(項目10)
上記移植臓器は真皮である、項目8に記載の方法。
(項目11)
上記哺乳動物は、虚血疾患を有する、項目1に記載の方法。
(項目12)
上記哺乳動物は心血管疾患を有する、項目1に記載の方法。
(項目13)
上記組織は、上記哺乳動物の四肢に位置する、項目1に記載の方法。
(項目14)
上記哺乳動物は糖尿病を有する、項目12または13に記載の方法。
(項目15)
上記組織は、皮膚病変を含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
上記皮膚病変は、糖尿病性潰瘍と関連している、項目15に記載の方法。
(項目17)
上記糖尿病性潰瘍は、糖尿病性下肢潰瘍である、項目16に記載の方法。
(項目18)
上記哺乳動物に、抗血栓剤、血管新生を増大させるニューブラスチン以外の因子、コレステロール低下剤、β遮断剤、抗高血圧剤、もしくは免疫抑制剤のうちの1種以上を投与する工程をさらに包含する、項目1〜17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
血管新生の増大が、上記ポリペプチドの投与後に生じたか否かを決定する工程をさらに包含する、項目1〜18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
上記ポリペプチドは、全身投与を介して上記哺乳動物に投与される、項目1〜19のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
上記ポリペプチドは、皮下投与を介して上記哺乳動物に投与される、項目1〜19のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
上記ポリペプチドは、局所投与を介して上記哺乳動物に投与される、項目1〜19のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
上記アミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸15〜113に対して少なくとも90%同一である、項目1〜22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
上記アミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸15〜113に対して少なくとも95%同一である、項目1〜22のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
上記アミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸15〜113に対して少なくとも98%同一である、項目1〜22のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
上記ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸15〜113、配列番号2のアミノ酸15〜113、配列番号3のアミノ酸15〜113、配列番号4のアミノ酸15〜113、配列番号5のアミノ酸15〜113、配列番号8のアミノ酸15〜113、もしくは配列番号9のアミノ酸15〜113を含む、項目1〜22のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
上記ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列、配列番号2のアミノ酸配列、配列番号3のアミノ酸配列、配列番号4のアミノ酸配列、配列番号5のアミノ酸配列、配列番号8のアミノ酸配列、もしくは配列番号9のアミノ酸配列を含む、項目1〜22のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
上記ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸10〜113を含む、項目1〜22のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
上記哺乳動物は、神経学的障害と診断されていない、項目1〜28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
上記哺乳動物は、眼の障害と診断されていない、項目1〜29のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
上記哺乳動物はヒトである、項目1〜30のいずれか1項に記載の方法。

図面の簡単な説明

0019

図1は、野生型のヒト(配列番号10)、マウス(配列番号11)、およびラット(配列番号12)のプレプロニューブラスチンポリペプチドアラインメントである。左側および右側の垂線は、それぞれ、成熟113アミノ酸形態および成熟104アミノ酸形態の始まりを示す。そのRRXRヘパリン結合モチーフは、四角で囲まれている。
図2は、マウス後肢における虚血後血管新生に対するニューブラスチン投与の効果を示す棒グラフである。そのY軸は、毛細管密度に対応し、この毛細管密度は、正常な非虚血脚と比較した、上記虚血脚における毛細管数の比として測定される。「SEM」とは、標準誤差平均をいう。(ビヒクルコントロールと比較した場合の)0.05未満のP値は、「*」によって示される。
図3は、虚血後皮膚血流に対するニューブラスチン投与の効果を示す棒グラフである。そのY軸は、正常な非虚血脚と比較した、上記虚血脚における灌流の比によって測定される場合の血流を示す。「SEM」とは、標準誤差平均をいう。0.01未満のP値は、「**」によって示され、0.001未満のP値は、「***」によって示される。

0020

(詳細な説明)
本発明は、損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す組織において血管新生を増大させるための組成物および方法を提供する。添付の実施例に開示されるように、ニューブラスチンの投与は、哺乳動物における新血管新生を促進し、そして虚血筋組織への血流を増大させることが分かった。

0021

(ニューブラスチンポリペプチド)
成熟野生型ヒトニューブラスチンは、113アミノ酸長であり、以下のアミノ酸配列を有する:AGGPGSRARAAGARGCRLRSQLPVALGGHRSDELVRFRFCSSCRRARSPHDLSLASLLGAGALRPPPGSRPVSQPCCRPTRYEAVSFMDVNSTWRTVDRLSATACGCLG(配列番号1)。配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドもしくはその生物学的に活性な改変体が、本明細書に記載される方法において使用され得る。改変ニューブラスチンポリペプチドは、以下の節において詳述されるように、1または数個の付加、置換、および/または欠失を含み得る。野生型ニューブラスチンポリペプチドおよびその生物学的に活性な改変体は、本明細書においてまとめて「ニューブラスチンポリペプチド」といわれる。

0022

改変ニューブラスチンポリペプチドは、その対応する野生型ポリペプチドから、長さにおいて変動し得る。上記成熟ヒトニューブラスチンポリペプチド(配列番号1)は、プレプロニューブラスチンのカルボキシ末端の113アミノ酸(配列番号10)からなるが、113アミノ酸の全てが、有用なニューブラスチンの生物学的活性を達成するのに必要とされるわけではない。アミノ末端短縮が許容され得る。従って、改変ニューブラスチンポリペプチドは、例えば、配列番号1のカルボキシ末端の99アミノ酸、100アミノ酸、101アミノ酸、102アミノ酸、103アミノ酸、104アミノ酸、105アミノ酸、106アミノ酸、107アミノ酸、108アミノ酸、109アミノ酸、110アミノ酸、111アミノ酸、112アミノ酸、もしくは113アミノ酸アミノ酸(すなわち、その長さが、99アミノ酸、100アミノ酸、101アミノ酸、102アミノ酸、103アミノ酸、104アミノ酸、105アミノ酸、106アミノ酸、107アミノ酸、108アミノ酸、109アミノ酸、110アミノ酸、111アミノ酸、112アミノ酸、もしくは113アミノ酸であり得る)を含み得る。

0023

改変ニューブラスチンポリペプチドはまた、その対応する野生型ポリペプチドから、配列において変動し得る。特に、特定のアミノ酸置換は、ニューブラスチンの生物学的活性の認め得るほどの喪失なく、上記ニューブラスチン配列に導入され得る。例示的実施形態において、改変ニューブラスチンポリペプチドは、(i)1または数個のアミノ酸置換を含み、そして(ii)配列番号1に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%もしくは99%同一(または配列番号1のアミノ酸15〜113に対して70%、80%、85%、90%、95%、98%もしくは99%同一)である。配列番号1とは配列が異なる(または配列番号1のアミノ酸15〜113とは配列が異なる)改変ニューブラスチンポリペプチドは、1もしくは数個のアミノ酸置換(保存的もしくは非保存的な置換)、1もしくは数個の欠失、および/または1もしくは数個の挿入を含み得る。

0024

図1は、野生型のヒト、マウス、およびラットのプレプロニューブラスチンポリペプチドのアラインメントである。図1の垂線は、ニューブラスチンの成熟113アミノ酸形態の開始(左側垂線)および104アミノ酸形態の開始(右側垂線)を示す。そのRRXRヘパリン結合モチーフは四角で囲まれている。天然に存在する、生体活性形態のニューブラスチンのこのアラインメントは、生体活性を除去することなく置換され得る具体的な例示的残基(すなわち、ヒト、マウス、およびラットの形態の間で保存されていないもの)を示す。

0025

アミノ酸配列の間の%同一性は、BLAST2.0プログラムを使用して決定され得る。配列比較は、ギャップを入れないアラインメントを使用して、およびデフォルトパラメーター(Blossom 62マトリクス、11のギャップ存在値(gap existence cost)、1の残基あたりのギャップ値(per residue gap cost)、および0.85のラムダ比)を使用して、行い得る。BLASTプログ
ラムにおいて使用される数学アルゴリズムは、Altschulら,1997,Nucleic AcidsResearch 25:3389−3402に記載されている。

0026

保存的置換は、あるアミノ酸の代わりに、類似の特徴を有する別のアミノ酸で置換することである。保存的置換としては、以下の群内の置換が挙げられる:バリンアラニンおよびグリシンロイシン、バリン、およびイソロイシンアスパラギン酸およびグルタミン酸アスパラギンおよびグルタミンセリン、システイン、およびスレオニンリジンおよびアルギニン;ならびにフェニルアラニンおよびチロシン非極性疎水性アミノ酸としては、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンが挙げられる。極性中性アミノ酸としては、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギンおよびグリシンが挙げられる。正に荷電した(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、リジンおよびヒスチジンが挙げられる。負に荷電した(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる。上記の極性の塩基性のもしくは酸性の基のうちの1つのメンバーの、同じ群の別のメンバーでの任意の置換は、保存的置換とみなされ得る。

0027

非保存的置換は、(i)電気的に陽性の側鎖を有する残基(例えば、Arg、HisもしくはLys)が、電気的に陰性の残基(例えば、GluもしくはAsp)で置換される、(ii)親水性残基(例えば、SerもしくはThr)が、疎水性残基(例えば、Ala、Leu、Ile、PheもしくはVal)で置換される、(iii)システインもしくはプロリンが、任意の他の残基で置換される、または(iv)嵩高い疎水性側鎖もしくは芳香族側鎖を有する残基(例えば、Val、Ile、PheもしくはTrp)が、より小さい側鎖(例えば、Ala、Ser)を有する残基もしくは側鎖がない残基(例えば、Gly)で置換するものを含む。

0028

生物学的に活性な改変ニューブラスチンポリペプチドは、ダイマー化される場合、GFRα3とRETとを含む3成分の複合体(ternary complex)に結合する。この複合体への結合を検出するための任意の方法が、改変ニューブラスチンポリペプチドの生物学的活性を評価するために使用され得る。改変ニューブラスチンポリペプチドの上記3成分の複合体に結合する能力を検出するための例示的アッセイは、WO00/01815(その内容は、本明細書に参考として援用される)に記載されている。

0029

改変ニューブラスチンポリペプチドはまた、その上記ニューブラスチンシグナル伝達カスケードを引き起こす能力を評価するために査定され得る。例えば、Kinase Receptor Activation(KIRA)アッセイは、改変ニューブラスチンポリペプチドがRET自己リン酸化誘導する能力を評価するために使用され得る(Sadickら,1996,Anal.Biochem.,235(2):207もまた参照のこと)。

0030

以下のアミノ酸残基のうちの1もしくは数個の置換は、野生型ニューブラスチンと比較して、ヘパリン結合能力を低下もしくは欠いている改変ニューブラスチンポリペプチドを生じると予測される:Arg 48、Arg 49、Arg 51、Ser 46、Ser 73、Gly 72、Arg 39、Gln 21、Ser 20、Arg 68、Arg 33、His 32、Val 94、Arg 7、Arg 9、またはArg 14。位置番号によるニューブラスチンアミノ酸残基への参照は、配列番号1に対して残基を番号付けすることに言及する。置換について示されたニューブラスチンアミノ酸残基(例えば、48位、49位、および/もしくは51位のアルギニン残基)は、非保存的アミノ酸残基(例えば、グルタミン酸)もしくは保存的アミノ酸残基で置換され得る。本明細書において同定される残基(例えば、48位、49位、および/もしくは51位)で置
換され得る例示的アミノ酸は、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびアルギニンを含む。

0031

低下したもしくは欠いているヘパリン結合を示す改変ニューブラスチンポリペプチドの例は、表1およびWO 2006/023781に開示されている(その内容は、本明細書に参考として援用される)。対応する野生型の位置と比較して変異している改変ニューブラスチンポリペプチドのアミノ酸残基は、表1において太字および下線を付している。さらに、置換のための骨格として使用されるニューブラスチンポリペプチド(例えば、長さが113アミノ酸、99アミノ酸、もしくは104アミノ酸)は、表1に示される。

0032

表1:改変ニューブラスチンポリペプチド



ニューブラスチンポリペプチドは、必要に応じて、ポリマーに連結され得る(例えば、ポリエチレングリコール部分のようなポリアルキレングリコール部分)。いくつかの実施形態において、上記ポリマーは、N末端である上記ニューブラスチンポリペプチド上の部位にあるポリペプチドに連結される。いくつかの実施形態において、改変ニューブラスチンポリペプチドは、配列番号1に関して(もしくは配列番号1のアミノ酸15〜113に関して)少なくとも1個のアミノ酸置換を含み、このアミノ酸置換は、ポリマーが結合体化され得る、内部ポリマー結合体化部位を提供する。いくつかの実施形態において、上記ポリマーは、14位、39位、68位、および95位からなる群より選択される、(配列番号1の配列に従って番号付けされる)残基において改変ニューブラスチンポリペプチドに連結される。内部ポリマー結合体化部位を提供する例示的ニューブラスチン改変体は、WO 02/060929およびWO 04/069176(これらの内容は、本明細書において参考として援用される)に記載されている。

0033

ポリペプチドは、必要に応じて、ニューブラスチンポリペプチドに加えて、異種アミノ酸配列を含み得る。「異種」とは、アミノ酸配列に言及する場合に使用されると、特定の宿主細胞に対して外来の源から起こるか、または同じ宿主細胞に由来する場合、その元の形態から改変されている配列をいう。例示的な異種配列としては、異種シグナル配列(例えば、ネイティブラットアルブミンシグナル配列、改変ラットシグナル配列、もしくはヒト成長ホルモンシグナル配列)またはニューブラスチンポリペプチドの精製のために使用される配列(例えば、ヒスチジンタグ)が挙げられる。

0034

ニューブラスチンポリペプチドは、当該分野で公知の方法を使用して単離され得る。天然に存在するか、または組換え生成されたニューブラスチンポリペプチドは、標準的タンパク質精製技術を使用して、細胞もしくは組織供給源から単離され得る。あるいは、変異型ニューブラスチンポリペプチドは、標準的ペプチド合成技術を使用して化学的に合成され得る。短いアミノ酸配列の合成は、ペプチドの分野で十分に確立されている。例えば、Stewartら,Solid Phase Peptide Synthesis(第2版,1984)を参照のこと。

0035

いくつかの実施形態において、ニューブラスチンポリペプチドは、組換えDNA技術によって生成される。例えば、ニューブラスチンポリペプチドをコードする核酸分子は、ベクター(例えば、発現ベクター)に挿入され得、そして上記核酸は、細胞へと導入され得る。適切な細胞としては、例えば、哺乳動物細胞(例えば、ヒト細胞もしくはCHO細胞)、真菌細胞酵母細胞昆虫細胞、および細菌細胞(例えば、E.coli)が挙げられる。組換え細胞において発現される場合、上記細胞は、好ましくは、ニューブラスチンポリペプチドの発現を可能にする条件下で培養される。上記ニューブラスチンポリペプチドは、所望される場合、細胞懸濁物から回収され得る。本明細書において使用される場合、「回収される」とは、上記変異したポリペプチドが、その回収プロセスの前に存在する細胞もしくは培養培地の成分から取り出されていることを意味する。上記回収プロセスは、1つ以上の再折りたたみもしくは精製工程を包含し得る。変性したニューブラスチンポリペプチドの再折りたたみを誘導するための緩衝液および方法は、例えば、WO 2006/023782に記載されている。

0036

改変ニューブラスチンポリペプチドは、当該分野で公知のいくつかの方法のうちのいずれかを使用して構築され得る。1つのこのような方法は、上記コードされる改変ニューブラスチンポリペプチドにおける単一のアミノ酸(もしくは所望される場合、少数の所定のアミノ酸残基)を変化させるために、特定のヌクレオチド(もしくは、所望される場合、少数の特定のヌクレオチド)が変化させられる、部位指向性変異誘発である。多くの部位指向性変異誘発キットが、市販されている。1つのこのようなキットは、Clontech Laboratories(Palo Alto,CA)によって販売されている「Transformer Site Directed Mutagenesis Kit」である。

0037

(薬学的組成物)
ニューブラスチンポリペプチドは、治療上有効量の上記ポリペプチド、ならびに1種以上のアジュバント賦形剤キャリア、および/もしくは希釈剤を含む薬学的組成物へと組み込まれ得る。受容可能な希釈剤、キャリアおよび賦形剤は、代表的には、レシピエントホメオスタシス(例えば、電解バランス)に悪影響を及ぼさない。受容可能なキャリアとしては、生体適合性の、不活性の、もしくは生体吸収性の塩、緩衝化剤オリゴ糖もしくはポリサッカリド、ポリマー、粘性改良剤保存剤などが挙げられる。1つの例示的キャリアは、生理食塩水(0.15M NaCl,pH7.0〜7.4)である。別の例示的キャリアは、50mMリン酸ナトリウム、100mM塩化ナトリウムである。薬学的組成物の処方および投与のための技術に関するさらなる詳細は、例えば、REMINGTON’SPHARMACEUTICAL SCIENCES(Maack Publishing Co.,Easton,Pa.)に見いだされ得る。

0038

ニューブラスチンポリペプチドを含む薬学的組成物の投与は、全身的もしくは局所的であり得る。薬学的組成物は、非経口的投与および/もしくは非経口的でない投与(non−parenteral administration)に適しているように処方され得る。特定の投与モダリティーとしては、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与腹腔内投与経皮的投与鞘内投与、経口投与直腸投与、口内(buccal)投与、局所投与、経鼻投与、眼への投与、関節内投与、動脈内投与、クモ膜下投与、気管支投与、リンパ性投与、投与、および子宮内投与が挙げられる。

0039

投与は、上記薬学的組成物のボーラス周期的注射によるものであってもよいし、レザバ(これは、外部(例えば、IVバッグ)もしくは内部(例えば、生体分解性インプラント人工器官(bioartificial organ)、もしくは移植ニューブラスチン生成細胞のコロニー)である)からの静脈内投与もしくは腹腔内投与によって連続的に行われ得る。例えば、米国特許第4,407,957号、同第5,798,113号、および同第5,800,828号(各々、本明細書に参考として援用される)を参照のこと。薬学的組成物の投与は、適切な送達手段(例えば、ポンプ(例えば、Annals of Pharmacotherapy,27:912(1993);Cancer,41:1270(1993);Cancer Research,44:1698(1984)(本明細書に参考として援用される)を参照のこと);マイクロカプセル化(例えば、米国特許第4,352,883号;同第4,353,888号;および同第5,084,350号(本明細書に参考として援用される)を参照のこと);連続放出ポリマーインプラント(例えば、Sabel,米国特許第4,883,666号(本明細書に参考として援用される)を参照のこと);マクロカプセル化(macroencapsulation)(例えば、米国特許第5,284,761号、同第5,158,881号、同第4,976,859号および同第4,968,733号、ならびに公開PCT特許出願WO92/19195、WO 95/05452(各々、本明細書に参考として援用される)を参照のこと);皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、もしくは他の適切な部位への注射;またはカプセル剤液体錠剤丸剤、もしくは長期放出処方物における経口投与を使用して達成され得る。

0040

非経口送達系の例としては、エチレンビニルアセテートコポリマー粒子浸透圧ポンプ移植可能注入系、ポンプ送達、カプセル化細胞送達、リポソーム送達、針送達注射、針なし注射、ネブライザエアロゾル生成器(aeorosolizer)、エレクトロポレーション、および経皮的パッチが挙げられる。

0041

非経口投与に適した処方物は、都合のよいことには、上記ニューブラスチンポリペプチドの滅菌水性調製物を含み、これは、好ましくは、上記レシピエントの血液と等張性である(例えば、生理食塩水溶液)。処方物は、単位用量もしくは複数用量形態において示され得る。

0042

例示的処方物は、本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドおよび以下の緩衝液成分を含む:コハク酸ナトリウム(例えば、10mM);NaCl(例えば、75mM);およびL−アルギニン(例えば、100mM)。

0043

経口投与に適した処方物は、各々、所定量の上記ニューブラスチンポリペプチドを含む別個の単位(例えば、カプセル剤、カシェ剤、錠剤、もしくはロゼンジ);または水性液体もしくは非水性液体での懸濁物(例えば、シロップ剤エリキシル剤エマルジョン、もしくは1回分液剤(draught))として示され得る。

0044

局所投与に適したニューブラスチンポリペプチドは、例えば、クリーム剤スプレー剤泡沫物(foam)、ゲル軟膏剤膏薬、もしくは乾燥ゴムとして、哺乳動物(例えば、ヒト患者)に投与され得る。乾燥ゴムは、投与部位再水和され得る。ニューブラスチンポリペプチドはまた、(例えば、浸漬されかつ乾燥された)包帯ガーゼ、もしくはパッチへと直接注入され得、次いで、これらは局所に適用され得る。ニューブラスチンポリペプチドはまた、局所投与のための包帯、ガーゼ、もしくはパッチにおいて、半液体、ゲル化、もしくは完全に液体状態で維持され得る(例えば、米国特許第4,307,717号(その内容は、本明細書において参考として援用される)を参照のこと)。

0045

治療上有効量の薬学的組成物は、当業者によって確認可能な投与レジメンにおいて、必要な患者に投与され得る。例えば、組成物は、上記被験体に、例えば、1回の投与あたり、0.01μg/kg〜1000μg/kg被験体体重の投与量において全身に投与され得る。別の例において、上記投与量は、1回の投与あたり、1μg/kg〜100μg/kg被験体体重である。別の例において、上記投与量は、1回の投与あたり、1μg/kg〜30μg/kg被験体体重であり、例えば、1回の投与あたり、3μg/kg〜10μg/kg被験体体重である。

0046

治療的効力を最適化するために、ニューブラスチンポリペプチドは、異なる投与レジメンにおいて最初に投与され得る。上記単位用量およびレジメンは、例えば、哺乳動物の種、その免疫状態、上記哺乳動物の体重を含む要因に依存する。代表的には、組織中のタンパク質レベルは、例えば、所定の処置レジメンの効力を決定するために、臨床試験手順の一部としての適切なスクリーニングアッセイを使用してモニターされる。

0047

ニューブラスチンポリペプチドの投与頻度は、医師の技術および臨床判断の範囲内である。代表的には、上記投与レジメンは、最適な投与パラメーターを確立し得る臨床試験によって確立される。しかし、開業医は、上記被験体の年齢健康状態、体重、性別および医学的状態に従って、このような投与レジメンを変動し得る。上記投与頻度は、上記処置が予防的であるかもしくは治療てきであるかに依存して、変動し得る。

0048

処置方法
本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドは、組織において損なわれた血流もしくは不適切な血流を示す哺乳動物において血管新生を増大させるために使用され得る。例えば、ニューブラスチンポリペプチドは、虚血障害(例えば、筋虚血、虚血心臓(例えば、心筋梗塞から生じる)、褥瘡静脈瘤から生じる虚血、糖尿病の虚血合併症(例えば、脚の病変のような皮膚病変)、虚血腎、虚血脳(例えば、脳卒中から生じる)、または虚血肝を有するか、これらを有すると疑われるか、またはこれらを発症する危険性を有する哺乳動物(例えば、ヒト)を処置するために使用され得る。さらに、ニューブラスチンポリペプチドは、移植気管を受け入れており、かつ上記器官の血管新生を必要とする哺乳動物において血管新生を増大するために使用され得る。ニューブラスチンポリペプチドの投与によって処置もしくは予防され得る特定の医学的状態の例は、以下の節において総
説されている。

0049

(i)脳卒中
脳卒中(例えば、虚血性脳卒中血栓性脳卒中、塞栓性脳卒中、全身性灌流脳卒中(systemic hypoperfusion stroke)、出血性脳卒中脳内出血性脳卒中、もしくはクモ膜下出血性脳卒中)は、脳の1つ以上の領域への損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害である。上記灌流における障害は、静脈であり得るが、もっとも頻繁には、動脈である。脳への血流の喪失もしくは低下は、虚血性領域に対する損傷を生じ、このことによって、局所的の機能もしくは全体の脳機能重度に損なわれ得る。本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドは、脳の1つ以上の領域への血流を増大させて、それによって、脳卒中によって引き起こされる損傷を予防もしくは低下させるように、(例えば、静脈内送達、皮下送達、経鼻的送達、または頭蓋内局所送達によって)被験体に投与され得る。上記被験体が脳卒中を有する危険性がある(例えば、脳の動脈の部分的閉塞を有すると診断された被験体)場合、ニューブラスチンは、脳卒中の発生を予防する、もしくは重篤度を軽減するために、上記被験体に投与され得る。

0050

脳卒中を発生させる危険因子としては、例えば、脳卒中の家族歴老齢人種高血圧症、上昇したコレステロールレベル(特に、上昇したLDL)、喫煙、糖尿病、および肥満が挙げられる。

0051

脳卒中は、被験体によって示される症状の重篤度および/もしくは数によって、診断もしくは評価され得る。脳卒中の症状は、影響を及ぼされる脳の特定の領域に依存して変化し得る。脳卒中の症状としては、例えば、衰弱(片痩)、しびれ知覚もしくは振動感覚の低下、感覚の変化(例えば、嗅覚味覚聴覚もしくは視覚(全体的もしくは部分的))、眼瞼のたるみ(下垂)、反射の低下(例えば、嘔吐嚥下)、知覚の低下および顔面筋脱力感、平衡の問題、呼吸の変化、心拍数の変化、失語症(話せないかまたは言葉を理解できないこと)、失行症随意運動の変化)、眩暈、および/または不均衡が挙げられる。

0052

脳卒中はまた、種々の定量的技術(コンピューター断層(computed axial tomography)(CAT)、コンピューター断層撮影法(computed
tomography)(CT)、または磁気共鳴画像化法(MRIスキャンが挙げられる)を使用して、例えば、脳卒中の重篤度もしくは影響を受けた脳の程度が診断および評価され得る。医療専門家はまた、脳卒中を有する被験体を、例えば、被験体がほほえむ、一方もしくは両方の脚を持ち上げる、単純なおよび/もしくは複雑な文章を明確に話す能力、歩いたり平衡を維持したりする能力、または本明細書に記載される脳卒中の任意の他の症状を評価することによって、より定量的な診断を使用し得るか、あるいは診断もしくは評価し得る。

0053

本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドの投与に加えて、脳卒中はまた、上記被験体および状態の性質に依存して、種々の技術によって処置され得る。一般的な処置としては、機械血栓切除術もしくは組織プラスミノゲンアクチベーター(tPA)の投与もしくは他の血栓崩壊法が挙げられる。

0054

(ii)虚血性心疾患
虚血性心疾患は、心筋への損なわれた血流もしくは不十分な血流によって特徴づけられ、1つ以上の冠状動脈における例えば、アテローム硬化症(冠状動脈疾患)、心不整脈急性心筋梗塞心筋活動の喪失、もしくは心臓弁欠陥(defective heart
valve)によって引き起こされ得る。心臓への血流の喪失もしくは低下は、虚血性心筋組織に対する損傷を生じ、このことによって、心臓に対する永続する損傷および/もしくは影響を受けた被験体の死亡が引き起こされ得る。本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドは、心臓の1種以上の虚血領域へ血流を増大させて、それによって、上記虚血によって引き起こされる損傷を予防もしくは低下させるように、被験体へ(例えば、心筋注射もしくは心外膜注射によって静脈内に、皮下に、もしくは局所に)投与され得る。上記被験体が虚血性心疾患を発症させる危険性がある場合、ニューブラスチンは、心臓虚血の発生を予防するか、もしくはその重篤度を低下させるために投与され得る。

0055

虚血性心疾患を発症させる危険因子としては、例えば、乏しい食餌、肥満、喫煙、上昇したおよび/もしくは長期のストレス、家族歴(例えば、遺伝的素因)、座りがちな生活様式、上昇したコレステロールレベル、ならびに/または糖尿病が挙げられる。

0056

虚血性心疾患は、例えば、上記被験体によって示される虚血性心疾患の症状の重篤度および/もしくは数によって、診断および/もしくは評価され得る。虚血性心疾患の症状は、重篤度が変動およびある範囲内で変化し、それら症状としては、以下のうちの1種以上が挙げられるが、これらに限定されない:胸痛左腕疼痛の疼痛、頸部疼痛、背痛胸焼けに似た感覚、息切れ、青白い皮膚、多汗、衰弱、頭がふらふらすること(light−headedness)、悪心、嘔吐、心悸高進、および/もしくは疲労。虚血性心疾患は、当該分野で公知の多くの技術(心電図(ECG)、冠血管造影胸部X線写真心エコー図、および/もしくはマルチゲート収集法(multiple gated acquisition (MUGA) scan)が挙げられる)を使用して、診断もしくは評価され得る。虚血性心疾患はまた、被験体の血液中の1種以上の心臓酵素(例えば、クレアチンキナーゼトロポニンI、および乳酸デヒドロゲナーゼアイソザイム)のレベルのような生体マーカーを使用して、診断もしくは評価され得る。虚血性心疾患を有する被験体を診断もしくは評価するためのさらなる方法は、被験体が運動している間に上記被験体の心臓がモニターされる運動ストレス試験を含む。上記被験体の心拍数、呼吸、および血圧が、モニターされ得る。ECG(上記)はまた、行われ得る。

0057

本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドの投与に加えて、虚血性心疾患を有するかまたは有すると疑われている被験体の処置は、酸素アセチルサリチル酸アスピリン)、グリセリルトリニトレート、および疼痛緩和剤の投与を包含し得る。虚血性心疾患を発症させる危険性のある患者は、コレステロール低下剤(例えば、スタチン)、β遮断剤、もしくは抗高血圧剤(例えば、利尿剤アンジオテンシン変換酵素インヒビター血管拡張薬、もしくはα遮断剤)のうちの1種以上を投与され得る。

0058

(iii)潰瘍
潰瘍は、その影響を受けた領域(例えば、脚)への損なわれた血流もしくは不適切な血流から生じる皮膚病変である。このような潰瘍は、糖尿病の血管の合併症(例えば、脚の糖尿病性潰瘍)、静脈の不十分(下腿潰瘍)、もしくは過剰圧(例えば、褥瘡もしくは床ずれ)の結果であり得る。皮膚の領域への血流の喪失もしくは低下は、皮膚および周りの組織の慮域の損傷および/もしくは死滅を生じる。本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドは、上記潰瘍もしくはその周りの組織の部位における血流を増大させ、それによって、上記潰瘍の重篤度もしくは存続を低下させるように、被験体に投与され得る(例えば、被験体の潰瘍に局所投与される)。上記被験体が、潰瘍を発症する危険性がある(例えば、長期間の伏臥位もしくは仰臥位にある麻痺した被験体または糖尿病に起因して心血管合併症を有する被験体)場合、ニューブラスチンは、潰瘍の発生を予防するか、もしくは潰瘍の重篤度を低下させるために、上記被験体に(例えば、糖尿病患者の脚および足に局所投与することによって)投与され得る。

0059

皮膚の潰瘍を発症させる危険因子としては、例えば、長期間の座った状態もしくは横になった状態(例えば、仰臥位もしくは伏臥位)、糖尿病、静脈瘤(以下を参照のこと)、感染、および/もしくは乏しい衛生が挙げられる。

0060

被験体の潰瘍を診断および/もしくは評価するための方法は、肉眼検査、例えば、潰瘍自体の外見、赤み、痛み(soreness)、もしくは疼痛が挙げられる。上記肉眼検査はまた、潰瘍の発生を示す症状をチェックするために使用され得、上記症状としては、例えば、発汗の低下、乾燥した皮膚および亀裂の形成、ならびに影響を受けた領域における感染を発症させる傾向が挙げられる。足への血流低下の症状(および脚の潰瘍を発症させる危険性、例えば、しばしば、糖尿病の合併症から生じる)としては、脆弱爪、外仮骨、および槌状足指が挙げられる。上記肉眼検査はまた、上記潰瘍の大きさおよび/もしくは上記潰瘍が感染しているか否かを評価することを包含し得る。医療専門者は、損なわれた血流もしくは不適切な血流を有すると疑われる領域への血流レベルを決定するために1つ以上の試験を施し得、これらの試験としては、経皮酸素測定(TCOM)およびナイロンモノフィラメント試験が挙げられる。上記TCOMは、皮膚の疑われる領域上へ直接電極を配置することを要する。一般に、40mmHg未満の測定酸素圧は、その領域が血流不十分であることを示す。上記ナイロンモノフィラメント試験は、影響を受けた皮膚を穏やかに刺すために10ゲージナイロンモノフィラメントの使用を伴う感覚試験である。上記試験は、上記モノフィラメントがたわむのに十分な圧力で脚に対して押しつけられたときに、上記被験体が上記モノフィラメントの接触を感知できない場合に異常である。

0061

本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドの投与に加えて、皮膚の潰瘍のための処置は、死滅組織もしくは感染組織を除去するための外科手術、および必要とされる場合、抗体の投与を伴い得る。

0062

(iv)静脈瘤
静脈瘤(静脈不全症)は、静脈(一般には脚の静脈)がヘモグロビン減少血液を心臓へ戻すことができないことによって特徴づけられる障害である。静脈不全症は、血栓(血塊)または静脈弁への損傷もしくは静脈弁の弾性の喪失から生じ得る。本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドは、脚の血流の、心臓への戻りを増大させ、それによって、静脈瘤の重篤度、もしくは静脈瘤に起因する合併症を低下させるように、被験体に(例えば、被験体の脚に局所的に、皮下に、もしくは影響を受けている静脈へ静脈内に)投与され得る。上記被験体が静脈瘤を発症させる危険性がある(例えば、静脈瘤の1つ以上の危険因子を有する被験体)場合、ニューブラスチンは、静脈瘤の発生を予防するか、もしくは静脈瘤の重篤度を低下させるために、被験体に投与され得る。

0063

静脈瘤を発症する危険因子としては、例えば、老齢、被験体の性別(男性よりも女性の方が静脈瘤を発症しやすい)、家族歴(例えば、遺伝的素因)、肥満、および/もしくは長期間座っていることを要する職業が挙げられる。

0064

静脈不全症は、例えば、上記被験体によって示される症状の重篤度および/もしくは数によって、被験体において診断および/もしくは評価され得、上記症状としては、例えば、脚、足もしくは足首の疼痛もしくはだるさ、腫脹、皮膚の潰瘍、または静脈が損傷している場合のひどい出血が挙げられる。VIは、種々の技術(血管中の血塊もしくは他の異常を可視化するために超音波を使用する、二連式もしくはドップラー超音波非侵襲性技術が挙げられる)を使用して、被験体において診断もしくは評価され得る。静脈不全症を診断/評価するための他の方法は、CTスキャン、静脈造影法血管造影法(例えば、X線もしくは磁気共鳴血管造影法(MRA)が挙げられる。

0065

本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドの投与に加えて、静脈不全症のための処置は、例えば、レーザー手術硬化療法微小硬化療法、外科手術による静脈ストリッピング(surgical vein stripping)、外来静脈切除術(ambulatory phlembectomy)、および内視鏡下静脈手術(endoscopic vein surgery)が挙げられ得る。非外科的治療としては、静脈不全症が脚で起こっている場合に、脚を挙げておくこと(leg elevation)、加圧療法(compression therapy)(加圧ソックスもしくは加圧レギンス)、運動、減量、および皮膚のケアが挙げられる。

0066

(v)移植器官
器官移植は、完全もしくは一部の器官が、ある被験体から別の被験体へ移されるプロセスである。移植される器官としては、例えば、心臓、肺、肝臓腎臓小腸膵臓、手、指(手指もしくは足指)、または皮膚(例えば、顔面移植のような皮膚移植片;以下を参照のこと)が挙げられる。器官移植が首尾良くいくためには、移植器官と宿主との間で血管新生が発生しなければならない。従って、本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドは、移植器官と宿主との間で血管新生、および移植器官への増大した血流を促進し、それによって、移植の失敗を予防するように、被験体に投与され得る。

0067

一般的器官移植は、真皮の領域が、外科手術的に、上記身体のある領域から除去されて別の領域に移植される皮膚移植である。皮膚移植片は、自己由来であり得る(同じ被験体に由来)か、または異種由来であり得る(異なる被験体に由来)。いくつかの場合において、上記皮膚組織は、レシピエント被験体とは異なる種の動物から得られ得る(例えば、異種移植)。皮膚移植片は、例えば、広範囲火傷を経験したか、または皮膚喪失の領域の皮膚感染を経験した被験体に対して行われ得る。これらの場合において、皮膚移植片は、しばしば、皮膚喪失の部位における細菌濃度を最小にし、そして/もしくは流体の喪失を予防するために使用される。皮膚移植片はまた、美容外科(例えば、選択的手術もしくは外科手術手順付随するもの(例えば、乳房切除もしくは胸壁再構築))において使用される。皮膚移植片は、完全もしくは部分的な顔面の移植のような広範囲であり得る。上記で議論されるように、皮膚移植片が首尾良くいくためには、血管新生は、移植部位移植組織との間で生じなければならない。従って、本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドは、上記移植皮膚と上記宿主との間で血管新生を促進して、上記移植皮膚への血流を増大させ、それによって、移植の失敗を予防するように、被験体へ投与され得る。

0068

皮膚移植片の成功モニタリングは、種々の方法によって行われ得、この方法としては、肉眼検査、例えば、移植皮膚の色の調査移植領域に感覚が戻ることのモニタリング、または移植皮膚の温度のモニタリングが挙げられる。移植皮膚の領域における血流は、例えば、レーザードップラー灌流モニタリング(以下を参照のこと)を使用して、直接測定され得る。

0069

損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害を有すると疑われる被験体は、本明細書において使用される場合、損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる特定の障害の1種以上の症状(例えば、本明細書に記載されるもののうちのいずれか)を有する被験体である。例えば、脳卒中を有すると疑われる被験体は、脳卒中の1種以上の症状(例えば、衰弱、しびれ、眼瞼のたるみ(下垂)、反射の低下(例えば、嘔吐、嚥下)、知覚の低下および顔面の筋脱力感、失語症、失行症、もしくは本明細書に記載される任意の他の症状が挙げられるが、これらに限定されない)を有する被験体であり得る。

0070

損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害を発症する危険性がある被験体は、本明細書において使用される場合、損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる特定の障害の1種以上の危険因子を有する被験体である。例えば、虚血性心疾患を発症させる危険性のある被験体は、虚血性心疾患を発症させる1種以上の危険因子(例えば、乏しい食餌、肥満、喫煙、高まったおよび/もしくは長期のストレス、座りがちな生活様式、上昇したコレステロールレベル、糖尿病、または本明細書に記載される任意の他の危険因子が挙げられる)を有する被験体であり得る。

0071

ニューブラスチンポリペプチドは、少なくとも一部は、処置されている障害のタイプおよび損なわれた血流もしくは不適切な血流の身体の位置に依存して、種々の方法において被験体に投与され得る。すなわち、障害が本質的に皮膚にある実施形態(例えば、皮膚病変、褥瘡、もしくは糖尿病性潰瘍(例えば、糖尿病性下肢潰瘍))において、ニューブラスチンポリペプチドは、局所的に投与され得る。例えば、ニューブラスチンポリペプチドは、クリーム剤、膏薬、もしくは軟膏剤中で上記被験体に投与され得る。本明細書に記載されるニューブラスチン組成物はまた、包帯、ガーゼ、もしくはパッチ(例えば、米国特許第4,307,717号を参照のこと)へと染みこませられ得る。被験体において損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害が内部(例えば、脳卒中、虚血性心疾患、もしくは器官移植)である実施形態において、ニューブラスチンは、上記患者に、静脈内に、皮下に、または増大した血管新生が必要とされる部位に局所的に、投与され得る。例えば、ニューブラスチンは、移植した腎臓もしくは心臓、および/または移植操作の間に周りの宿主組織に投与され得る。

0072

併用療法
本明細書に記載されるニューブラスチンポリペプチドは、単一療法として、または損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害を有する被験体に治療的利益を提供する1種以上のさらなる薬剤とともに、複数治療レジメンの一部として、被験体に投与され得る。例えば、ニューブラスチンポリペプチドは、さらなる血管新生因子(例えば、アンギオゲニンアンギオポエチン−1、Del−1、線維芽細胞増殖因子(例えば、aFGF、bFGF、もしくはFGF2)、フォリスタチン顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、肝細胞増殖因子HGF)、インターロイキン−8(IL−8)、レプチンミッドカイン胎盤増殖因子血小板由来内皮細胞増殖因子(PD−ECGF)、血小板由来増殖因子−BB(PDGF−BB)、プレイオトロフィン(PTN)、プログラニュリン、プロリフリン、トランスホーミング増殖因子−α(TGF−α)、トランスホーミング増殖因子−β(TGF−β)、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、および/もしくは血管内皮増殖因子VEGF))とともに同時投与され得る。さらに、ニューブラスチンポリペプチドは、血管新生を増大させないが、別の面で損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害を有する被験体に対して有益な1種以上の治療剤と組み合わせて投与され得る。例えば、ニューブラスチンポリペプチドは、抗血栓剤(例えば、アスピリン、ストレプトキナーゼウロキナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベーター、ヘパリン、もしくはヒルジン)、疼痛薬物、抗生物質、コレステロール低下剤(例えば、スタチン)、β遮断剤、および/もしくは抗高血圧薬(例えば、利尿剤、アンジオテンシン変換酵素インヒビター、血管拡張薬、もしくはα遮断剤)のうちのいずれか1つとともに同時投与され得る。ニューブラスチンポリペプチドが、レシピエントへ移植された器官(例えば、移植された心臓、肝臓、腎臓、肺、四肢(例えば、指)、もしくは指)の血管新生を増大させるために使用される場合、上記ニューブラスチンポリペプチドは、必要に応じて、1種以上の免疫抑制剤とともに同時投与され得る。

0073

上記ニューブラスチンポリペプチドおよび上記1種以上のさらなる薬剤は、同時に投与され得、上記ニューブラスチンポリペプチドは、一度に最初に投与され得、上記1種以上のさらなる薬剤は、一度に2番目に投与され得るか、または上記1種以上のさらなる薬剤は、一度に最初に投与され得、そして上記ニューブラスチンポリペプチドが一度に2番目に投与され得る。

0074

ニューブラスチンは、必要に応じて、以前にもしくは現在施されている治療に置き換わり得るかまたは上記治療を増強させ得る。例えば、ニューブラスチンポリペプチドでの治療に際して、上記1種以上のさらなる薬剤の投与は、停止もしくは減少させ得る(例えば、低下レベルで投与され得る)。いくつかの場合において、以前の治療は、ニューブラスチンのレベル(例えば、投与量もしくはスケジュール)が、治療的効果を上記被験体に提供するに十分なレベルに達するまで維持され得る。以前の治療が特に毒性であるか、または被験体によって不十分にした許容されない場合において、ニューブラスチンポリペプチドの投与は、以前の治療(例えば、血管新生療法)を、同じもしくは改善された治療的利益を与える(ただし毒性はない)ために十分なレベルへと相殺するおよび/またはその量を低下させるために使用され得る。

0075

被験体が第1の治療に応答しないいくつかの場合において、被験体は、ニューブラスチンを投与され得る。例えば、被験体(例えば、ヒト患者)が、第1の処置(例えば、VEGF(もしくは本明細書に記載される別の血管新生因子))に応答しない場合、ニューブラスチンポリペプチドは、上記被験体に投与され得る。本明細書において使用される場合、「処置に応答しない被験体」とは、1種以上の血管新生療法単独(すなわち、ニューブラスチンと組み合わせない)での治療が顕著な臨床的改善を生じない、より具体的には、血管新生効果を測地呈するために使用されるパラメーター(例えば、トレッドミル試験(ETTもしくは運動ストレス試験)、アンギナ時間およびアンギナ頻度を行うことが挙げられるが、これらに限定されない)の顕著な(および好ましくは長期の)改善を生じない患者をいう(例えば、Famら(2003)Circulation 108:2613を参照のこと)。VEGF血管新生療法に応答しない被験体のこのようなグループの例は、Henryら(2003)Circulation 107:1359 1365によって記載されている。

0076

(処置の効力の評価)
ニューブラスチン処置の効力は、本明細書に記載される方法のいずれかによって(例えば、新たな血管増殖のレベルを直接モニターするか、または損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害の特定の特徴の特定の特徴もしくは症状を評価することによって)、評価され得る。例えば、被験体の脳の血管系の量もしくは密度は、MRI(例えば、Dunnら(2004)Magn Reson.Med.51(1):55−61を参照のこと)もしくは超音波技術(例えば、Fosbergら(2004)Ultrasonics 42(1):325−330によって記載されるものの適合)を使用して、(例えば、処置の前後に)測定され得る。新血管新生を促進することにおけるニューブラスチン処置の効果はまた、例えば、Frecceroら(2003)Microvasc Res.66(3):183−9;およびRendellら(1989)Diabetes 38(7):819−824に記載されるように、レーザードップラー技術を使用して、血流における増加をモニターすることによって評価され得る。レーザードップラー技術によって皮膚血流を測定するために有用な例示的デバイスは、DRT4(Moor Instruments,Devon,UK)である。さらに、移植器官(例えば、移植された腎臓、心臓、もしくは皮膚)の血管新生を促進するためのニューブラスチンの効力は、移植した器官機能の増大もしくは処置後の器官の健康状態における増大によって(例えば、生検によって)測定され得る。

0077

処置の効力は、処置前後の被験体を評価すること(例えば、処置前後で、影響を受けた領域における酸素分圧を比較すること)によって、評価され得る。1回以上のニューブラスチン処置後に障害の改善の進行が評価されるべき場合、被験体は、ニューブラスチン処置に複数の時点で評価され得る(例えば、1日目、2日目、および1週間の評価;1週間、1ヶ月、および6ヵ月の評価;1ヶ月、6ヶ月、および1年の評価)。

0078

ニューブラスチンの投与が、損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害(例えば、糖尿病の血管性の合併症に起因する脚の潰瘍のような病変)の発生を予防するために使用される場合、効力は、上記障害の1種以上の症状の提示遅延、示さないこととして評価され得る。障害の1種以上の症状の緩和における経時的な処置の効力は、例えば、処置後に複数の時点での1種以上の症状の数もしくは重篤度を評価することによって決定され得る。例えば、被験体は、彼もしくは彼の障害の重篤度の最初の評価を有し得、処置が施され得、その後、処置に続いて2回以上(例えば、1週間および1ヶ月で;1ヶ月および2ヶ月で;2週間、1ヶ月および6ヶ月で;または6週間、6ヶ月および1年で)評価され得る。1回以上のニューブラスチン処置が、制限された期間にわたって(例えば、所定の期間)または投与回数で被験体に投与される場合、損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害の1種以上の症状を緩和する差異の処置の効果は、最初の処置後に種々の時点で評価され得る。例えば、ある用量のニューブラスチンの最後の投与の後に、患者の症状の回数もしくは重篤度が、最後の処置後に、1ヶ月で(例えば、2ヶ月で、6ヶ月で、1年で、2年で、5年以上で)評価され得る。

0079

(損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害の動物モデル
以下の実施例は、虚血障害のニューブラスチン処置の効果を研究するために有用なインビボ動物モデル系を説明する。そのような処置の効力は、虚血処置の直接的分析によって、例えば免疫組織化学技術を使用する虚血筋肉における毛細管密度を測定することによって、および/または虚血筋肉における血流を測定することによって、評価され得る。損なわれた血流もしくは不適切な血流によって特徴づけられる障害の予防または発症遅延を評価するために、ニューブラスチンポリペプチドはまた、その障害を誘発する前の動物に投与され得る。血管新生を増加させるためのニューブラスチン処置の効力を評価するのに有用なさらなる動物モデル(例えば、マウスモデル)としては、例えば、Couffinhalら(1988)Am J.Pathol.152(6):1667−1679;Caoら(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95(24):14389−14394;およびSalvenら(2002)FASEB J.16:1471−1473に記載されるものが挙げられる。糖尿病における創傷治癒不全のための動物モデルは、例えば、Tsuboiら(1992)J.Dermatol.19(11):673−75に記載される。

0080

以下は、本発明の実施の例である。実施例は、本発明の範囲を限定するとはいかようにも解釈されるべきではない。

0081

(実施例1:ニューブラスチンは虚血後新血管新生を促進する)
後肢虚血のマウスモデルを使用して、ニューブラスチン投与が哺乳動物における血管新生を増大させるか否かを決定した。マウス後肢の右大腿動脈を、外科的に結紮した。ニューブラスチンを、1ミリグラムキログラム(mg/kg)もしくは0.1mg/kgの投与量で1週間に3回皮下投与した。あるいは、1セットのマウスに、ビヒクルのみ(ニューブラスチンなし)をコントロールとして投与した。10匹のマウスを、各群において評価した。21日(3週間)後に、上記マウスを屠殺し、その腓腹筋を取り出した。

0082

血管密度を、Silvestreら(2005)Nat.Med.11(5):499−506に記載されるように、処置期間終わり高解像力微小血管造影法によって評価した。簡潔に述べると、マウスを麻酔し(イソフルラン吸入)、対比培地硫酸バリウム,1g/ml)を、腹大動脈へ導入したカテーテルを通して注射した。ディジタルX線トランスデューサーによって獲得した画像(動物1匹につき2つ)を組み立て、上記下肢の完全な画像を得た。その血管密度を、定量領域において血管が占める画像あたりのピクセル%として表した。定量ゾーンを、大腿動脈上の結紮の位置、大腿骨の縁部、および下肢の外側限界によって線引きした。ニューブラスチンの投与量は両方とも、ビヒクルのみのコントロール(図2)と比較した場合、虚血四肢からの筋肉における血管造影スコアを増大した。これらの結果は、ニューブラスチン投与が虚血組織における血管新生を増大することを示す。

0083

(実施例2:ニューブラスチンは、虚血後皮膚血流を促進する)
ニューブラスチン処置が虚血組織(例えば、皮膚)において血流を増大させるか否かを決定するために、マウス大腿動脈を、上記のように結紮した。ラットニューブラスチン(タンパク質の成熟113アミノ酸形態)を、1mg/kgもしくは0.1mg/kgで1週間に3回、3週間にわたって皮下投与した。コントロールとして、1セットのマウスを、ビヒクルのみで処置した。

0084

7日目、14日目および21日目に、虚血四肢の皮膚の小さな表面から体毛を除去し、露出した組織を、例えば、Hisakaら(2004)J.Am.Coll.Cardiol.43(10):1915−22に記載されるように、レーザードップラー灌流モニタリングを使用して血流について評価した。足(paw)においてのみ測定を行った。ニューブラスチンで処置した虚血脚の皮膚血液灌流の増加を、14日目および21日目に検出した(図3)。これらの結果は、ニューブラスチン投与が、虚血組織における血流の増大を生じることを示す。

実施例

0085

(他の実施形態)
本発明は、その詳細な説明とともに記載されてきたが、以下の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される。本発明の範囲を例示し、限定しない。他の局面、利点、および改変は、以下の特許請求の範囲内である。

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