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技術 静電荷像現像用カラートナーの製造方法

出願人 日本ゼオン株式会社
発明者 神勲充
出願日 2012年3月28日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2012-073985
公開日 2013年10月7日 (5年10ヶ月経過) 公開番号 2013-205593
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における現像剤 電子写真における現像剤
主要キーワード 塩基性高分子化合物 グリセリンエステル化合物 小粒径微粒子 コアシェル型構造 スチレン単量体単位 カルボン酸基含有共重合体 ジクロロキナクリドン顔料 架橋性重合性単量体
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課題

トナー粒子凝集を抑え且つ粒径分布を狭くし、更にカラートナー印字濃度及び画像の彩度を従来よりも向上させることができる静電荷像現像用カラートナーの製造方法を提供する。

解決手段

少なくとも重合性単量体、及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、水系分散液中に懸濁させて、重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液を得る懸濁工程、及び当該懸濁液について重合開始剤の存在下で懸濁重合を行って着色樹脂粒子を得る工程を含む静電荷像現像用カラートナーの製造方法であって、前記懸濁工程において、着色剤としてキナクリドン顔料及びベンズイミダゾロン顔料の少なくともいずれか1つを用い、当該着色剤を重合性単量体組成物中に分散させる分散剤として、ビニルピリジン単量体単位ブロックを有するブロック共重合体を用いることを特徴とする静電荷像現像用カラートナーの製造方法。

概要

背景

一般に、トナーの製造方法は、粉砕法及び重合法に大別される。
粉砕法においては、結着樹脂及び着色剤溶融混練する方法により得た着色樹脂固形物粉砕し、分級することにより、着色樹脂粒子が製造される。
重合法としては、例えば、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の液滴を形成し、当該液滴を重合させて着色樹脂粒子を製造する懸濁重合法や、乳化させた重合性単量体を重合し、樹脂微粒子の分散液を得て、別途調製した着色剤の分散液等と凝集させ、着色樹脂粒子を製造する乳化重合凝集法等が挙げられる。粉砕法により得られる着色樹脂粒子が不定形であるのに対して、重合法により得られる着色樹脂粒子は形状が球形に近く、小粒径且つシャープな粒径分布を有する。特に、画像再現性精細性等の画質特性を向上させる観点から、重合法により得られるトナー(いわゆる重合法トナー)のように、形状及び粒径分布が高度に制御されたトナーが用いられるようになってきた。

近年、電子写真方式において、急速にカラー化が進んでおり、カラー画像形成装置に対応できる高品質カラートナーが求められている。カラー画像形成装置は、一般に、複数の画像形成部を備えており、各画像形成部により、それぞれ色の異なるトナー像が形成される。具体的には、各画像形成部により、例えば、イエローマゼンタシアンブラック等のカラートナー像を同一の記録媒体上に順次重ねて転写し、次いで、定着させることにより、カラー画像が形成される。

このように、カラー画像形成装置においては、各色のカラートナーを重ねてカラー画像が形成されるため、カラートナーには、優れた透明性が求められている。また、カラートナーには、色の再現性を高めるため、優れた分光反射特性が求められている。この他、カラートナーには、低温定着が可能であること、正または負の帯電を精密に制御できること、製造方法が簡単であること等が求められている。

上記特性を満足させるためには、何よりも先ず着色剤をできる限り均一に結着樹脂中に分散させる必要がある。そのために、重合トナーの場合には、重合性単量体組成物中に着色剤を十分に均一に分散させてから重合を行う必要がある。着色剤としては、一般に、液状の重合性単量体に対して実質的に不溶性顔料が用いられている。そのような着色剤としては、一般に、粒状のものが使用されているが、通常は十分に微細化されていないことに加えて、重合性単量体組成物中に均一に分散させることが困難である。

重合性単量体組成物中における着色剤の分散が不十分であると、水系媒体中において重合性単量体組成物の均一な液滴を形成することが困難となり、重合トナーの粒径分布がブロードになったり、得られた重合トナーの画像濃度が低下し易くなったりする。

重合性単量体組成物中に着色剤を分散させる方法として、各種のメディア式分散機を用いる方法が提案されている。例えば、特許文献1には、重合性単量体を少なくとも含有する単量体系中に着色剤を分散させる分散工程において、メディア式分散機を用いる静電荷像現像用重合トナーの製造方法が提案されている(請求項1)。しかしながら、メディア式分散機を使用した場合であっても、重合性単量体組成物中に着色剤を分散させる際には特に不具合は生じないものの、分散安定化剤を含有する水系媒体中において、着色剤が分散した重合性単量体組成物を用いて液滴を形成させる際に、分散させた着色剤が再凝集するという問題があった。

また、特許文献2には、特許文献1に記載されたものとは異なるメディア式分散機を使用し、且つ着色剤(顔料)分散剤として塩基性高分子化合物を使用する重合トナーの製造方法が開示されている(請求項1及び請求項5)。しかしながら、メディア式分散機及び塩基性高分子化合物分散剤を組み合わせた場合であっても、併用する着色剤の種類によっては、分散させた着色剤が再凝集してしまうという問題があった。

特許文献3には、中心金属が5座又は6座配位構造を取り得る金属フタロシアニン類、及び当該金属フタロシアニン類の中心金属に配位可能なn−電子供与性化合物を用いたトナー及びトナーの製造方法が開示されており、当該n−電子供与性化合物としてスチレン−(4−ビニルピリジンランダム共重合体が開示されている(請求項1、請求項9、請求項17、及び明細書の段落[0075]−[0078])。また、特許文献4には、トナーを構成する材料を含有するトナー材料液を、当該トナー材料液の体積最頻粒径が0.05〜2μmとなるように水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経て得られた静電荷像現像用トナーが開示され、前記トナー材料液中に高分子分散剤として変性ポリウレタン系分散剤を含むことも開示されている(請求項1及び請求項10)。しかしながら、本発明者が検討した結果、スチレン−(4−ビニルピリジン)ランダム共重合体や変性ポリウレタン系分散剤を使用しても、併用する着色剤の種類によっては、分散させた着色剤が再凝集する問題を解決することは困難であった。

概要

トナー粒子の凝集を抑え且つ粒径分布を狭くし、更にカラートナーの印字濃度及び画像の彩度を従来よりも向上させることができる静電荷像現像用カラートナーの製造方法を提供する。少なくとも重合性単量体、及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、水系分散液中に懸濁させて、重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液を得る懸濁工程、及び当該懸濁液について重合開始剤の存在下で懸濁重合を行って着色樹脂粒子を得る工程を含む静電荷像現像用カラートナーの製造方法であって、前記懸濁工程において、着色剤としてキナクリドン顔料及びベンズイミダゾロン顔料の少なくともいずれか1つを用い、当該着色剤を重合性単量体組成物中に分散させる分散剤として、ビニルピリジン単量体単位ブロックを有するブロック共重合体を用いることを特徴とする静電荷像現像用カラートナーの製造方法。なし

目的

本発明の目的は、特定構造の着色剤(顔料)を用いた場合に、着色剤(顔料)が重合性単量体中で凝集することがなく、着色剤が分散した重合性単量体組成物を水性分散媒体中で液滴とした後に懸濁重合を行っても、得られる着色樹脂粒子の粒径肥大が起こり難く、得られたトナーを用いて印字を行った場合に印字濃度が高く、且つ画像の彩度が高いトナーの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

少なくとも重合性単量体、及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、水系分散液中に懸濁させて、重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液を得る懸濁工程、及び当該懸濁液について重合開始剤の存在下で懸濁重合を行って着色樹脂粒子を得る工程を含む静電荷像現像用カラートナーの製造方法であって、前記懸濁工程において、着色剤としてキナクリドン顔料及びベンズイミダゾロン顔料の少なくともいずれか1つを用い、当該着色剤を重合性単量体組成物中に分散させる分散剤として、ビニルピリジン単量体単位ブロックを有するブロック共重合体を用いることを特徴とする静電荷像現像用カラートナーの製造方法。

請求項2

前記ブロック共重合体中のビニルピリジン単量体単位ブロックの含有量が0.5〜20mol%であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用カラートナーの製造方法。

請求項3

前記ブロック共重合体が更に(メタアクリル酸エステル単量体単位ブロックを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用カラートナーの製造方法。

請求項4

前記ブロック共重合体が更にアルキレンオキサイド単量体単位ブロックを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静電荷像現像用カラートナーの製造方法。

請求項5

前記懸濁工程において、重合性単量体100質量部に対して前記ブロック共重合体を0.2〜4質量部添加することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の静電荷像現像用カラートナーの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、電子写真法静電記録法、静電印刷法等において静電潜像現像するために用いられる静電荷像現像用カラートナー(以下、単に「カラートナー」と称することがある。)の製造方法に関する。

背景技術

0002

一般に、トナーの製造方法は、粉砕法及び重合法に大別される。
粉砕法においては、結着樹脂及び着色剤溶融混練する方法により得た着色樹脂固形物粉砕し、分級することにより、着色樹脂粒子が製造される。
重合法としては、例えば、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の液滴を形成し、当該液滴を重合させて着色樹脂粒子を製造する懸濁重合法や、乳化させた重合性単量体を重合し、樹脂微粒子の分散液を得て、別途調製した着色剤の分散液等と凝集させ、着色樹脂粒子を製造する乳化重合凝集法等が挙げられる。粉砕法により得られる着色樹脂粒子が不定形であるのに対して、重合法により得られる着色樹脂粒子は形状が球形に近く、小粒径且つシャープな粒径分布を有する。特に、画像再現性精細性等の画質特性を向上させる観点から、重合法により得られるトナー(いわゆる重合法トナー)のように、形状及び粒径分布が高度に制御されたトナーが用いられるようになってきた。

0003

近年、電子写真方式において、急速にカラー化が進んでおり、カラー画像形成装置に対応できる高品質のカラートナーが求められている。カラー画像形成装置は、一般に、複数の画像形成部を備えており、各画像形成部により、それぞれ色の異なるトナー像が形成される。具体的には、各画像形成部により、例えば、イエローマゼンタシアンブラック等のカラートナー像を同一の記録媒体上に順次重ねて転写し、次いで、定着させることにより、カラー画像が形成される。

0004

このように、カラー画像形成装置においては、各色のカラートナーを重ねてカラー画像が形成されるため、カラートナーには、優れた透明性が求められている。また、カラートナーには、色の再現性を高めるため、優れた分光反射特性が求められている。この他、カラートナーには、低温定着が可能であること、正または負の帯電を精密に制御できること、製造方法が簡単であること等が求められている。

0005

上記特性を満足させるためには、何よりも先ず着色剤をできる限り均一に結着樹脂中に分散させる必要がある。そのために、重合トナーの場合には、重合性単量体組成物中に着色剤を十分に均一に分散させてから重合を行う必要がある。着色剤としては、一般に、液状の重合性単量体に対して実質的に不溶性顔料が用いられている。そのような着色剤としては、一般に、粒状のものが使用されているが、通常は十分に微細化されていないことに加えて、重合性単量体組成物中に均一に分散させることが困難である。

0006

重合性単量体組成物中における着色剤の分散が不十分であると、水系媒体中において重合性単量体組成物の均一な液滴を形成することが困難となり、重合トナーの粒径分布がブロードになったり、得られた重合トナーの画像濃度が低下し易くなったりする。

0007

重合性単量体組成物中に着色剤を分散させる方法として、各種のメディア式分散機を用いる方法が提案されている。例えば、特許文献1には、重合性単量体を少なくとも含有する単量体系中に着色剤を分散させる分散工程において、メディア式分散機を用いる静電荷像現像用重合トナーの製造方法が提案されている(請求項1)。しかしながら、メディア式分散機を使用した場合であっても、重合性単量体組成物中に着色剤を分散させる際には特に不具合は生じないものの、分散安定化剤を含有する水系媒体中において、着色剤が分散した重合性単量体組成物を用いて液滴を形成させる際に、分散させた着色剤が再凝集するという問題があった。

0008

また、特許文献2には、特許文献1に記載されたものとは異なるメディア式分散機を使用し、且つ着色剤(顔料)分散剤として塩基性高分子化合物を使用する重合トナーの製造方法が開示されている(請求項1及び請求項5)。しかしながら、メディア式分散機及び塩基性高分子化合物分散剤を組み合わせた場合であっても、併用する着色剤の種類によっては、分散させた着色剤が再凝集してしまうという問題があった。

0009

特許文献3には、中心金属が5座又は6座配位構造を取り得る金属フタロシアニン類、及び当該金属フタロシアニン類の中心金属に配位可能なn−電子供与性化合物を用いたトナー及びトナーの製造方法が開示されており、当該n−電子供与性化合物としてスチレン−(4−ビニルピリジンランダム共重合体が開示されている(請求項1、請求項9、請求項17、及び明細書の段落[0075]−[0078])。また、特許文献4には、トナーを構成する材料を含有するトナー材料液を、当該トナー材料液の体積最頻粒径が0.05〜2μmとなるように水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経て得られた静電荷像現像用トナーが開示され、前記トナー材料液中に高分子分散剤として変性ポリウレタン系分散剤を含むことも開示されている(請求項1及び請求項10)。しかしながら、本発明者が検討した結果、スチレン−(4−ビニルピリジン)ランダム共重合体や変性ポリウレタン系分散剤を使用しても、併用する着色剤の種類によっては、分散させた着色剤が再凝集する問題を解決することは困難であった。

先行技術

0010

特開平6−75429号公報
特開2005−77729号公報
特開2003−277643号公報
特開2006−293309号公報

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の目的は、特定構造の着色剤(顔料)を用いた場合に、着色剤(顔料)が重合性単量体中で凝集することがなく、着色剤が分散した重合性単量体組成物を水性分散媒体中で液滴とした後に懸濁重合を行っても、得られる着色樹脂粒子の粒径肥大が起こり難く、得られたトナーを用いて印字を行った場合に印字濃度が高く、且つ画像の彩度が高いトナーの製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0012

本発明者は、懸濁重合によりトナーを製造する場合において、重合性単量体組成物中に分散した着色樹脂粒子の凝集を抑止できないかについて鋭意検討した。着色樹脂粒子の凝集は、重合性単量体組成物の液滴における分散安定性の低下により生じる。重合性単量体組成物の液滴における分散安定性の低下は、例えば、着色剤の再凝集や、水酸化マグネシウムコロイド等の分散安定化剤等に悪影響を及ぼす分散剤を使用することや、水系分散液露出した際に溶出するような極性の高い着色剤を使用すること等により引き起こされる。鋭意検討の結果、本発明者は、重合性単量体中に着色剤(顔料)を分散させる際、特定構造の分散剤を重合性単量体中に含有させることにより、上記の課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明によれば、少なくとも重合性単量体、及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、水系分散液中に懸濁させて、重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液を得る懸濁工程、及び当該懸濁液について重合開始剤の存在下で懸濁重合を行って着色樹脂粒子を得る工程を含む静電荷像現像用カラートナーの製造方法であって、前記懸濁工程において、着色剤としてキナクリドン顔料及びベンズイミダゾロン顔料の少なくともいずれか1つを用い、当該着色剤を重合性単量体組成物中に分散させる分散剤として、ビニルピリジン単量体単位ブロックを有するブロック共重合体を用いることを特徴とする静電荷像現像用カラートナーの製造方法が提供される。

0013

本発明においては、前記ブロック共重合体中のビニルピリジン単量体単位ブロックの含有量が0.5〜20mol%であることが好ましい。

0014

本発明においては、前記ブロック共重合体が更に(メタアクリル酸エステル単量体単位ブロックを有することが好ましい。

0015

本発明においては、前記ブロック共重合体が更にアルキレンオキサイド単量体単位ブロックを有することが好ましい。

0016

本発明においては、前記懸濁工程において、重合性単量体100質量部に対して前記ブロック共重合体を0.2〜4質量部添加することが好ましい。

発明の効果

0017

上記の如き本発明の静電荷像現像用カラートナーの製造方法によれば、特定の着色剤に対し、ビニルピリジン単量体単位ブロックを有するブロック共重合体を分散剤として用いることにより、着色樹脂粒子の凝集が抑えられ、粒径分布が狭く、且つ従来よりも優れた印字濃度及び画像の彩度を有するカラートナーが提供される。

0018

本発明の静電荷像現像用カラートナーの製造方法は、少なくとも重合性単量体、及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、水系分散液中に懸濁させて、重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液を得る懸濁工程、及び当該懸濁液について重合開始剤の存在下で懸濁重合を行って着色樹脂粒子を得る工程を含む静電荷像現像用カラートナーの製造方法であって、前記懸濁工程において、着色剤としてキナクリドン顔料及びベンズイミダゾロン顔料の少なくともいずれか1つを用い、当該着色剤を重合性単量体組成物中に分散させる分散剤として、ビニルピリジン単量体単位ブロックを有するブロック共重合体を用いることを特徴とする。

0019

以下、本発明の製造方法により製造される静電荷像現像用カラートナー(以下、単に「カラートナー」と称することがある。)について説明する。
本発明により得られるカラートナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤、及び特定のブロック共重合体を含有する。
以下、本発明に用いられる着色樹脂粒子の製造方法、当該製造方法により得られる着色樹脂粒子、当該着色樹脂粒子を用いた本発明のカラートナーの製造方法及び当該製造方法により得られるカラートナーについて、順に説明する。

0020

1.着色樹脂粒子の製造方法
本発明に用いられる着色樹脂粒子は、懸濁重合法を採用して、以下のようなプロセスにより製造される。

0021

1−1.重合性単量体組成物の調製工程
まず、重合性単量体、着色剤、及び特定のブロック共重合体、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物の調製を行う。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えば、メディア式分散機やインライン型乳化分散機等を用いることができ、好ましくはインライン型乳化分散機を用いる。

0022

本発明において重合性単量体とは、重合可能官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体アクリル酸、及びメタクリル酸アクリル酸メチルアクリル酸エチル、アクリル酸プロピルアクリル酸ブチルアクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステルメタクリル酸メチルメタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステルアクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等の二トリル化合物アクリルアミド、及びメタクリルアミド等のアミド化合物エチレンプロピレン、及びブチレン等のオレフィン;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステルが、好適に用いられる。

0023

ホットオフセット改善及び保存性改善のために、モノビニル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼンジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の2個以上の水酸基を持つアルコール炭素炭素二重結合を有するカルボン酸が2つ以上エステル結合したエステル化合物;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等の、その他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜2質量部の割合で用いることが望ましい。

0024

また、さらに、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、得られるトナーの保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000の反応性の、オリゴマー又はポリマーである。マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体ガラス転移温度(以下、「Tg」と称することがある。)よりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。マクロモノマーは、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.03〜5質量部、さらに好ましくは0.05〜1質量部用いることが望ましい。

0025

本発明では、着色剤として、キナクリドン顔料及びベンズイミダゾロン顔料の少なくともいずれか1つを使用する。
本発明で使用されるキナクリドン顔料は、特に限定されるものではなく、具体的には、C.I.ピグメントレッド122等のジメチルキナクリドン顔料;C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209等のジクロロキナクリドン顔料;C.I.ピグメントバイオレット19等の無置換キナクリドン顔料;等が例示できる。これらの顔料の中でも、特に、C.I.ピグメントレッド122が好ましい。
本発明で使用されるベンズイミダゾロン顔料は、特に限定されるものではなく、具体的には、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー194、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ60、C.I.ピグメントオレンジ62、C.I.ピグメントオレンジ72、及びC.I.ピグメントレッド185等が例示できる。これらの顔料の中でも、特に、C.I.ピグメントイエロー180が好ましい。

0026

本発明においては、各着色剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用できる。着色剤の量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部である。

0027

本発明に用いられるブロック共重合体は、少なくともビニルピリジン単量体単位ブロックを有する。本発明における「ビニルピリジン単量体単位」には、4−ビニルピリジン単量体単位、2−ビニルピリジン単量体単位、及び3−ビニルピリジン単量体単位が含まれる。また、本発明における「ビニルピリジン単量体単位ブロック」は、4−ビニルピリジン単量体単位、2−ビニルピリジン単量体単位、及び3−ビニルピリジン単量体単位の内いずれか1種類からなるものであってもよいし、いずれか2種類からなるものであってもよいし、これら単量体単位がいずれも含まれるものであってもよい。
ビニルピリジン単量体単位ブロックを構成する単量体としては、4−ビニルピリジン、4−ビニルピリジニウムイオン、2−ビニルピリジン、2−ビニルピリジニウムイオン、3−ビニルピリジン、3−ビニルピリジニウムイオン等が挙げられるが、中でも4−ビニルピリジンが好ましい。
ビニルピリジン単量体中のピリジン骨格は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜10の炭化水素基等が挙げられる。

0028

ブロック共重合体中のビニルピリジン単量体単位ブロックの含有量は0.5〜20mol%であることが好ましい。当該含有量が0.5mol%未満である場合には、本発明の効果である着色樹脂粒子の凝集抑制の効果、並びに、印字濃度及び彩度の向上の効果が十分に得られないおそれがある。一方、当該含有量が20mol%を超える場合には、重合性単量体に対するブロック共重合体の溶解性が低下するおそれがある。
ブロック共重合体中のビニルピリジン単量体単位ブロックの含有量は、1〜7mol%であることがより好ましく、2〜4mol%であることがさらに好ましい。
なお、上記含有量は、ブロック共重合体の数平均分子量を100mol%としたときの値である。
ビニルピリジン単量体単位ブロックは、数平均分子量が500〜2,000であるのが好ましく、800〜1,500であるのがより好ましい。

0029

ブロック共重合体は、更に(メタ)アクリル酸エステル単量体単位ブロックを有することが好ましい。なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの両方を含む概念である。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位ブロックを構成する単量体としては、例えば、下記式(I)で表される化合物等が挙げられる。
CH2=C(Ra)−(C=O)−O−Rb 式(I)
(上記式(I)中、−Raは、水素又はメチル基である。上記式(I)中、−Rbは、置換基を有さず且つ炭素数1〜18のアルキル基、及び、置換基を有し且つ炭素数1〜18のアルキル基からなる群より選ばれる1つの基である。)

0030

(メタ)アクリル酸エステル単量体単位ブロックとして、例えば、アクリル酸ブチル単量体単位ブロックを含む場合には、ブロック共重合体中のアクリル酸ブチル単量体単位ブロックの含有量は、5〜49.5mol%であるのが好ましく、8〜30mol%であるのがより好ましく、10〜23mol%であるのがさらに好ましい。また、アクリル酸ブチル単量体単位ブロックは、数平均分子量が6,000〜12,000であるのが好ましく、8,000〜10,000であるのがより好ましい。

0031

ブロック共重合体は、更にアルキレンオキサイド単量体単位ブロックを有することが好ましい。アルキレンオキサイド単量体単位ブロックは、ブロック共重合体の主鎖を構成するものであってもよいし、ブロック共重合体の側鎖(グラフト鎖)を構成するものであってもよいが、ブロック共重合体の側鎖を構成するものが好ましい。ブロック共重合体の側鎖となる分子構造の例としては、上述した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位ブロック中のエステル部位にアルキレンオキサイド単量体単位ブロックがエステル交換された構造が挙げられる。
アルキレンオキサイド単量体単位ブロックは、酸化エチレン及び酸化プロピレンの少なくともいずれか1つを開環重合して得られるポリマーであり、顔料への親和性に優れていることから酸化エチレンを開環重合して得られるポリマーが好ましい。酸化エチレン又は酸化プロピレンを開環重合して得られるポリマーは、2つのポリマー末端である水素の片方が炭素数1〜6のアルキル基で置換されていることが好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
アルキレンオキサイド単量体単位ブロックとして、例えば、メトキシポリエチレンオキサイドブロックを含む場合には、ブロック共重合体中のメトキシポリエチレンオキサイドブロックの含有量は、50〜94.5mol%であるのが好ましく、70〜94mol%であるのがより好ましく、75〜88mol%であるのがさらに好ましい。また、メトキシポリエチレンオキサイドブロックは、数平均分子量が100〜1,000であるのが好ましく、300〜800であるのがより好ましい。

0032

ブロック共重合体を構成する単量体の他の例としては、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、i−ブチレン、スチレン、置換スチレン共役ジエンアクロレイン酢酸ビニルビニルピロリドンビニルイミダゾール無水マレイン酸、(アルキルアクリル酸無水物、(アルキル)アクリル酸塩、前記(メタ)アクリル酸エステル以外の(アルキル)アクリル酸エステル、(アルキル)アクリロニトリル、(アルキル)アクリルアミド、ハロゲン化ビニル、及びビニリデンハロゲン化物等が挙げられる。

0033

ブロック共重合体の数平均分子量は、10,000〜30,000であるのが好ましく、15,000〜25,000であるのがより好ましく、18,000〜23,000であるのがさらに好ましい。

0034

懸濁重合において、重合性単量体100質量部に対してブロック共重合体を0.2〜4質量部添加することが好ましい。当該添加量が0.2質量部未満である場合には、本発明の効果であるトナー粒子の凝集抑制の効果、並びに、印字濃度及び彩度の向上の効果が十分に得られないおそれがある。当該添加量が4質量部を超える場合には、トナー粒子の粒径分布が従来と比較して広くなる(ブロードになる)おそれがある。
重合性単量体100質量部に対するブロック共重合体の添加量は、0.5〜3質量部であることがより好ましい。

0035

以下、ブロック共重合体の製造方法の典型例について説明する。なお、以下の典型例は、あくまでもブロック共重合体の製造方法の一例であって、本発明に用いられるブロック共重合体は、必ずしも本典型例により製造されたもののみとは限らない。
まず、ポリビニルピリジン(ビニルピリジン単量体単位ブロックの原料)、又は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸エステル単量体単位ブロックの原料)等の共重合の相手方となる重合体のいずれか一方を合成する。必要となる単量体の量は、上述した各単量体単位ブロックの含有量から予め計算するものとする。なお、ブロック共重合体を合成する観点から、本合成段階における重合転化率は50%以下とすることが好ましい。
重合には、原料として上述した単量体の他、重合開始剤や、1−メトキシ−2−プロピルアセテート等の溶媒等を用いる。
ブロック共重合体を合成する観点から、重合法としては、反応点が重合体の末端に存在するリビング重合法等を用いる。

0036

重合開始剤としては、効率よくリビング重合が進行するという観点から、特にニトロキシルエーテル又はニトロキシルラジカルを用いることが好ましい。
ニトロキシルエーテルとしては、例えば、下記式(a−1)〜(a−7)で表される化合物が使用できる。

0037

0038

ニトロキシルラジカルとしては、例えば、下記式(b−1)〜(b−7)で表されるラジカルが使用できる。

0039

0040

上述した重合開始剤の中でも、上記式(a−1)で表されるニトロキシルエーテル、及び上記式(b−1)で表されるニトロキシルラジカルのうち少なくともいずれか1つを用いることが好ましい。
重合開始剤の添加量は、上述した単量体等の原料混合物を100mol%としたとき、0.01〜30mol%であるのが好ましく、0.1〜20mol%であるのがより好ましく、0.1〜10mol%であるのがさらに好ましい。

0041

次に、ブロック共重合体を合成する。先にポリビニルピリジンを合成した場合には、ポリビニルピリジン、及び(メタ)アクリル酸エステル等の単量体を混合し、重合させる。先にポリ(メタ)アクリル酸エステル等の他の重合体を合成した場合には、当該他の重合体、及びビニルピリジンを混合し、重合させる。

0042

ブロック共重合体は、上記2種類の単量体単位ブロックからなるものであってもよいが、3種類以上の単量体単位ブロックを含むものであってもよい。例えば、ビニルピリジン単量体単位ブロック及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位ブロックを含む共重合体について、さらにエステル交換により、アルキレンオキサイド単量体単位ブロックを導入してもよい。エステル交換は公知の方法により行うことができる。

0043

定着時におけるトナーの定着ロールからの離型性を改善する観点から、重合性単量体組成物には、離型剤を添加することが好ましい。離型剤としては、一般にトナーの離型剤として用いられるものであれば、特に制限無く用いることができる。

0044

上記離型剤は、エステルワックス及び炭化水素系ワックスの少なくともいずれか1つを含有することが好ましい。これらのワックスを離型剤として使用することにより、低温定着性と保存性とのバランスを好適にすることができる。
本発明において離型剤として好適に用いられるエステルワックスは、多官能エステルワックスがより好適であり、例えば、ペンタエリスリトールテトラパルミネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネートペンタエリスリトールテトラステアレート等のペンタエリスリトールエステル化合物;ヘキサグリセリンテトラベヘネートテトラパルミネート、ヘキサグリセリンオクタベヘネート、ペンタグリセリンヘプタベヘネート、テトラグリセリンヘキサベヘネート、トリグリセリンペンタベヘネート、ジグリセリンテトラベヘネート、グリセリントリベヘネート等のグリセリンエステル化合物ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミネート等のジペンタエリスリトールエステル化合物;等が挙げられ、中でもグリセリンエステル化合物が好ましく、また、ヘキサグリセリンテトラベヘネートテトラパルミネート、ヘキサグリセリンオクタベヘネート、テトラグリセリンヘキサベヘネート、トリグリセリンペンタベヘネートがより好ましく、ヘキサグリセリンオクタベヘネートが特に好ましい。

0045

本発明において離型剤として好適に用いられる炭化水素系ワックスは、ポリエチレンワックスポリプロピレンワックスフィッシャートロプシュワックス石油系ワックス等が挙げられ、中でも、フィッシャートロプシュワックス、石油系ワックスが好ましく、石油系ワックスがより好ましい。
炭化水素系ワックスの数平均分子量は、300〜800であることが好ましく、400〜600であることがより好ましい。また、JIS K2235 5.4で測定される炭化水素系ワックスの針入度は、1〜10であることが好ましく、2〜7であることがより好ましい。

0046

上記離型剤の他にも、例えば、ホホバ等の天然ワックスオゾケライト等の鉱物系ワックス;等を用いることができる。
離型剤は、上述した1種又は2種以上のワックスを組み合わせて用いてもよい。
上記離型剤は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部用いられ、更に好ましくは1〜20質量部用いられる。

0047

その他の添加物として、トナーの帯電性を向上させるために、正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いることができる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく、さらに、正帯電性トナーを得る観点からは、正帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。
正帯電性の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩トリアミノトリフェニルメタン化合物及びイミダゾール化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのポリアミン樹脂、並びに4級アンモニウム基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料サリチル酸金属化合物及びアルキルサリチル酸金属化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのスルホン酸基含有共重合体スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体及びカルボン酸塩基含有共重合体等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜8質量部の割合で用いることが望ましい。帯電制御剤の添加量が、0.01質量部未満の場合にはカブリが発生することがある。一方、帯電制御剤の添加量が10質量部を超える場合には印字汚れが発生することがある。

0048

また、その他の添加物として、重合して結着樹脂となる重合性単量体を重合する際に、分子量調整剤を用いることが好ましい。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタンn−ドデシルメルカプタンn−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類テトラメチルチウラムジスルフィドテトラエチルチウラムジスルフィドテトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いることが望ましい。

0049

1−2.懸濁液を得る懸濁工程(液滴形成工程)
本発明においては、少なくとも重合性単量体、着色剤、及び上述したブロック共重合体を含む重合性単量体組成物を、好ましくは分散安定化剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行う。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(株式会社荏原製作所製、商品名「マイルダー」)、高速乳化分散機(特殊機化工業製、商品名「T.K.ホモミクサーMARKII型」)等の強攪拌が可能な装置を用いて行う。

0050

重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩:4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパンジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物ジ−t−ブチルパーオキシドベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルブタノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができ、印字耐久性も優れることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。

0051

有機過酸化物の中でも、開始剤効率がよく、残留する重合性単量体も少なくすることができることから、パーオキシエステルが好ましく、非芳香族パーオキシエステルすなわち芳香環を有しないパーオキシエステルがより好ましい。

0052

重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系媒体中へ分散された後、液滴形成前に添加されても良いが、水系媒体中へ分散される前の重合性単量体組成物へ添加されても良い。

0053

重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、さらに好ましくは0.3〜15質量部であり、特に好ましくは1〜10質量部である。

0054

本発明において、水系媒体とは、水を主成分とする媒体のことを言う。

0055

本発明において、水系媒体には、分散安定化剤を含有させることが好ましい。分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩リン酸カルシウム等のリン酸塩酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物水酸化アルミニウム水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等の無機化合物や、ポリビニルアルコールメチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子アニオン性界面活性剤ノニオン性界面活性剤両性界面活性剤;等の有機化合物が挙げられる。上記分散安定化剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0056

上記分散安定化剤の中でも、無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドが好ましい。無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いることにより、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、また、洗浄後の分散安定化剤残存量を少なくできるため、得られるトナーが画像を鮮明に再現することができ、且つ環境安定性に優れたものとなる。

0057

1−3.重合工程
上記1−2のようにして、液滴形成を行い、得られた水系分散液を加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液を形成する。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。

0058

着色樹脂粒子は、そのまま外添剤を添加して重合トナーとして用いてもよいが、この着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型(又は、「カプセル型」ともいう)の着色樹脂粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点を有する物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。

0059

上述した、上記着色樹脂粒子を用いて、コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法によって製造することができる。insitu重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。

0060

insitu重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系分散液中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
このとき、小粒径微粒子抑制剤を添加してもよい。

0061

ここで、「小粒径微粒子抑制剤」とは、重合性単量体組成物の液滴を形成する過程で、水系分散媒体中水相中)に存在(溶出)してしまう重合性単量体由来のラジカル、及び重合開始剤由来のラジカルの少なくともいずれか一方を捕捉して、重合時に副生する小粒径微粒子の発生を抑制する効果を奏する化合物のことをいう。

0062

小粒径微粒子抑制剤としては、例えば、ヒドロキノンヒドロキシヒドロキノン、ヒドロキノンスルホン酸ヒドロキノンカルボン酸、及びこれらの金属塩カフェー酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、及びこれらの金属塩;ピロガロール、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,3−ジヒドロキシ桂皮酸、及びこれらの金属塩;等が挙げられる。

0063

シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様なものが使用できる。その中でも、スチレン、アクリロニトリル、及びメチルメタクリレート等の、Tgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。

0064

シェル用重合性単量体の重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の、過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビスヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の、アゾ系開始剤;等の水溶性重合開始剤を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100質量部に対して、好ましくは、0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。

0065

シェル層の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。

0066

1−4.洗浄、ろ過、脱水、及び乾燥工程
重合により得られた着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、公知の方法に従い、ろ過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。

0067

上記の洗浄の方法としては、分散安定化剤として無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液への酸、又はアルカリの添加により、分散安定化剤を水に溶解し除去することが好ましい。分散安定化剤として、難水溶性の無機水酸化物のコロイドを使用した場合、酸を添加して、着色樹脂粒子水分散液のpHを6.5以下に調整することが好ましい。添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸、並びに蟻酸、及び酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率の大きいことや製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。

0068

脱水、ろ過の方法は、種々の公知の方法等を用いることができ、特に限定されない。例えば、遠心ろ過法、真空ろ過法加圧ろ過法等を挙げることができる。また、乾燥の方法も、特に限定されず、種々の方法が使用できる。

0069

2.着色樹脂粒子
上述した懸濁重合法により、着色樹脂粒子が得られる。
以下、トナーを構成する着色樹脂粒子について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。

0070

着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は、好ましくは4〜12μmであり、更に好ましくは5〜10μmである。Dvが4μm未満である場合には、重合トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、画像濃度が低下したりする場合がある。Dvが12μmを超える場合には、画像の解像度が低下する場合がある。

0071

また、着色樹脂粒子は、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が、好ましくは1.0〜1.3であり、更に好ましくは1.0〜1.2である。Dv/Dnが1.3を超える場合には、転写性、画像濃度及び解像度の低下が起こる場合がある。着色樹脂粒子の体積平均粒径、及び個数平均粒径は、例えば、粒度分析計ベックマンコールター製、商品名「マルチサイザー」)等を用いて測定することができる。

0072

本発明の着色樹脂粒子の平均円形度は、画像再現性の観点から、0.96〜1.00であることが好ましく、0.97〜1.00であることがより好ましく、0.98〜1.00であることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が0.96未満の場合、印字の細線再現性が悪くなるおそれがある。

0073

本発明において、円形度は、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。

0074

3.本発明のカラートナーの製造方法
上述した着色樹脂粒子は、外添剤と共に混合攪拌することにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を均一かつ好適に付着添加(外添)させることができる。なお、1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分トナーとしてもよい。

0075

外添処理を行う攪拌機は、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させることができる攪拌装置であれば特に限定されず、例えば、ヘンシェルミキサー(:商品名、三井鉱山社製)、FMミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、スーパーミキサー(:商品名、川田製作所社製)、Qミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、メカノフュージョンシステム(:商品名、細川ミクロン社製)、及びメカノミル(:商品名、岡田精工社製)等の混合攪拌が可能な攪拌機を用いて外添処理を行うことができる。

0076

外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び酸化セリウム等からなる無機微粒子ポリメタクリル酸メチル樹脂シリコーン樹脂、及びメラミン樹脂等からなる有機微粒子;等が挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましく、無機微粒子の中でも、シリカ及び酸化チタンが好ましく、特にシリカからなる微粒子が好適である。
なお、これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることができる。粒径の異なる2種以上のシリカを併用してもよい。

0077

本発明では、外添剤を、着色樹脂粒子100質量部に対して、通常、0.05〜6質量部、好ましくは0.2〜5質量部の割合で用いることが望ましい。外添剤の添加量が0.05質量部未満の場合には転写残が発生することがある。外添剤の添加量が6質量部を超える場合にはカブリが発生することがある。

0078

本発明の製造方法により得られるカラートナーは、特定の着色剤に対し、ビニルピリジン単量体単位ブロックを有するブロック共重合体を分散剤として用いることにより、トナー粒子の凝集が抑えられ、粒径分布が狭く、且つ従来よりも優れた印字濃度及び高い彩度が得られるカラートナーである。

0079

以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。

0080

1.ビニルピリジン単量体単位含有ブロック共重合体の合成
[製造例1]
(1−1)ポリアクリル酸n−ブチルの合成
マグネチックスターラー冷却装置内部温度計、及び滴下漏斗を備えた丸底フラスコ中に、アクリル酸n−ブチルを150g、下記式(a−1)に示す2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−オキソ−1−(1−フェニルエトキシピペリジン8.6g、及び1−メトキシ−2−プロピルアセテート(以下、「MPA」と称する場合がある。)120gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、135℃にて重合転化率が約8%になるまで重合した。さらにアクリル酸n−ブチル330gを、滴下漏斗を用いてゆっくりと加え、重合転化率約48%に達するまで135℃にて重合した。残留モノマー及び溶媒を80℃及び1.2kPaにて除去し、ポリアクリル酸n−ブチルを得た。得られたポリアクリル酸n−ブチルの数平均分子量MnをGPC(THF、ポリスチレン換算)にて測定したところ8,600であった。

0081

0082

(1−2)(ポリアクリル酸n−ブチル)−(ポリ4−ビニルピリジン)ブロック共重合体の合成
マグネチックスターラー、冷却器、及び温度計を備えた三つ首500mL丸底フラスコ中に、上記(1−1)により得られたポリアクリル酸n−ブチル231.8g、4−ビニルピリジン27.8g及びMPA 80gを加え、窒素を用いて3回脱気し、窒素雰囲気下、125℃にて8時間重合した。残留モノマー及び溶媒を80℃及び1.2kPaにて留去して、(ポリアクリル酸n−ブチル)−(ポリ4−ビニルピリジン)ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の数平均分子量MnをGPC(THF、ポリスチレン換算)にて測定したところ9,500であった。

0083

(1−3)(メトキシポリエチレンオキサイドグラフト化ポリアクリル酸)−(ポリアクリル酸n−ブチル)−(ポリ4−ビニルピリジン)ブロック共重合体の合成
ドライアイスアセトン冷却を用いる蒸留カラム、及びマグネチックスターラーを備えた500mLフラスコ中に、キシレン100g、上記(1−2)により得られた(ポリアクリル酸n−ブチル)−(ポリ4−ビニルピリジン)ブロック共重合体102.3g、及び数平均分子量が550のメトキシポリエチレングリコール和光純薬社製)135.1gを加え、キシレンの共沸蒸留を利用して乾燥させた。オルトチタン酸テトラ(イソプロピル)0.36gを3回に分け、190〜205℃にて3時間かけて加えた。副生したn−ブタノール減圧下で留去して、(メトキシポリエチレンオキサイドグラフト化ポリアクリル酸)−(ポリアクリル酸n−ブチル)−(ポリ4−ビニルピリジン)ブロック共重合体1(以下、ブロック共重合体1と称する場合がある。)を合成した。得られたブロック共重合体1の数平均分子量MnをGPC(THF、ポリスチレン換算)にて測定したところ22,000であった。

0084

[製造例2]
(2−1)ポリアクリル酸n−ブチルの合成
マグネチックスターラー、冷却装置、内部温度計、及び滴下漏斗を備えた丸底フラスコ中に、アクリル酸n−ブチルを150g、上記式(a−1)に示した2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−オキソ−1−(1−フェニルエトキシ)ピペリジン8.6g及びMPA 120gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、135℃にて重合転化率が約8%になるまで重合した。さらにアクリル酸n−ブチル291.1gを、滴下漏斗を用いてゆっくりと加え、重合転化率約48%に達するまで135℃にて重合した。残留モノマー及び溶媒を80℃及び1.2kPaにて除去し、ポリアクリル酸n−ブチルを得た。得られたポリアクリル酸n−ブチルの数平均分子量MnをGPC(THF、ポリスチレン換算)にて測定したところ7,900であった。

0085

(2−2)(ポリアクリル酸n−ブチル)−(ポリ4−ビニルピリジン)ブロック共重合体の合成
マグネチックスターラー、冷却器、及び温度計を備えた三つ首500mL丸底フラスコ中に、上記(2−1)により得られたポリアクリル酸n−ブチル291.1g、4−ビニルピリジン40.9g及びMPA 80gを加え、窒素を用いて3回脱気し、窒素雰囲気下、125℃にて8時間重合した。残留モノマー及び溶媒を80℃及び1.2kPaにて留去して、(ポリアクリル酸n−ブチル)−(ポリ4−ビニルピリジン)ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の数平均分子量MnをGPC(THF、ポリスチレン換算)にて測定したところ9,200であった。

0086

(2−3)(メトキシポリエチレンオキサイドグラフト化ポリアクリル酸)−(ポリアクリル酸n−ブチル)−(ポリ4−ビニルピリジン)ブロック共重合体の合成
ドライアイス−アセトン冷却を用いる蒸留カラム、及びマグネチックスターラーを備えた500mLフラスコ中に、キシレン100g、上記(2−2)により得られた(ポリアクリル酸n−ブチル)−(ポリ4−ビニルピリジン)ブロック共重合体99.4g及び数平均分子量が550のメトキシポリエチレングリコール(和光純薬社製)114.7gを加え、キシレンの共沸蒸留を利用して乾燥させた。オルトチタン酸テトラ(イソプロピル)0.36gを3回に分け、190〜205℃にて3時間かけて加えた。副生したn−ブタノールを減圧下で留去して、(メトキシポリエチレンオキサイドグラフト化ポリアクリル酸)−(ポリアクリル酸n−ブチル)−(ポリ4−ビニルピリジン)ブロック共重合体2(以下、ブロック共重合体2と称する場合がある。)を合成した。得られたブロック共重合体2の数平均分子量MnをGPC(THF、ポリスチレン換算)にて測定したところ21,500であった。

0087

2.スチレン−(4−ビニルピリジン)ランダム共重合体の合成
[製造例3]
テトラヒドロフラン(THF)300mLを1L反応容器に加え、THFの温度を68℃とした。次に、スチレン95g、4−ビニルピリジン5g、2,2−アゾイソブチロニトリル6g、及びTHF80mLの混合溶液を調製し、当該混合溶液を反応容器内に2時間かけて滴下した。滴下後、68℃にて6時間還流させた。これを室温まで冷却し、メタノール1Lを加えた。析出した結晶濾過し、メタノール洗浄、水洗を行った。得られた粉体を温度30℃にて24時間減圧乾燥させ、スチレン−(4−ビニルピリジン)ランダム共重合体(以下、ランダム共重合体と称する場合がある。)を30.8g得た。得られたスチレン−(4−ビニルピリジン)ランダム共重合体について、IRスペクトル元素分析及び分子量測定を行ったところ、スチレン単量体単位と4−ビニルピリジン単量体単位の共重合質量比がスチレン:4−ビニルピリジン=96:4であり、数平均分子量(Mn)が2,850であり、重量平均分子量(Mw)が7,410であることが分かった。

0088

3.静電荷像現像用カラートナーの製造
[実施例1]
重合性単量体としてスチレン80部及びn−ブチルアクリレート20部、イエロー顔料としてベンズイミダゾロン顔料の1種であるC.I.ピグメントイエロー180(クラリアント社製、商品名「toner yellow HG」)6部、並びに分散剤として製造例1で合成したブロック共重合体1 2部を、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて分散させて、重合性単量体混合物を得た。
上記重合性単量体混合物に、帯電制御剤として帯電制御樹脂(化成社製、商品名「アクリベースFCA−207P」)1部、離型剤として脂肪酸エステルワックス8部、マクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」)0.3部、架橋性重合性単量体としてジビニルベンゼン0.3部、及び分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.2部を添加し、混合、溶解して、重合性単量体組成物を調製した。

0089

他方、室温下で、イオン交換水250部に塩化マグネシウム15.5部を溶解した水溶液に、イオン交換水80部に水酸化ナトリウム6.2部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。

0090

上記水酸化マグネシウムコロイド分散液に、室温下で、上記重合性単量体組成物を投入し、均一になるまで攪拌した。そこへ重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油社製、商品名「パーブチルO」)5部を添加した後、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて、15,000rpmの回転数で10分間高速剪断攪拌して分散を行い、重合性単量体組成物の液滴形成を行った。

0091

上記重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を、攪拌翼を装着した反応器内に投入し、次いで、ヒドロキノン0.1部とイオン交換水24部からなる水溶液を添加した後、90℃に昇温し、重合反応を開始させた。重合転化率が、ほぼ100%に達したときに、シェル用重合性単量体としてメチルメタクリレート0.7部、及びイオン交換水10部に溶解したシェル用重合開始剤である2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)(和光純薬社製、商品名「VA−086」、水溶性)0.07部を添加し、90℃にて4時間反応を継続した後、水冷して反応を停止し、コアシェル型構造を有する着色樹脂粒子の水分散液を得た。

0092

上記着色樹脂粒子の水分散液を、室温下で、攪拌しながら硫酸を滴下し、pHが6.5以下となるまで酸洗浄を行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分にイオン交換水500部を加えて再スラリー化させて、水洗浄処理(洗浄、濾過、及び脱水)を数回繰り返し行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分を乾燥機容器内に入れ、45℃にて48時間乾燥を行い、乾燥した着色樹脂粒子を得た。得られた着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は7.1μm、個数平均粒径(Dn)は6.3μm、粒径分布(Dv/Dn)は1.12であり、平均円形度は0.987であった。

0093

乾燥後の着色重合体粒子100部に、疎水化処理されている平均粒子径14nmのシリカ微粒子(日本エアロジル社製、製品名RX200)0.8部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して実施例1の静電荷像現像用カラートナーを製造した。得られたカラートナーの評価結果を表1に示す。

0094

[実施例2]
実施例1において、分散剤であるブロック共重合体1 2部を、製造例2で合成したブロック共重合体2 2部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の静電荷像現像用カラートナーを製造した。得られたカラートナーの評価結果を表1に示す。

0095

[実施例3]
実施例1において、ベンズイミダゾロン顔料の1種であるC.I.ピグメントイエロー180(クラリアント社製、商品名「toner yellow HG」)6部を、キナクリドン顔料の1種であるC.I.ピグメントレッド122(DIC社製、商品名「FASTOGEN SUPERMAGENTA RG」)6部に変更したこと、及び、分散剤であるブロック共重合体1の添加量を2部から0.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の静電荷像現像用カラートナーを製造した。得られたカラートナーの評価結果を表1に示す。

0096

[比較例1]
実施例1において、分散剤であるブロック共重合体1 2部を、製造例3で合成したランダム共重合体2部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の静電荷像現像用カラートナーを製造した。得られたカラートナーの評価結果を表1に示す。

0097

[比較例2]
実施例1において、分散剤であるブロック共重合体1 2部を、市販の高分子分散剤である変性ポリウレタン(BASF社製、商品名「EFKA4080」)2部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の静電荷像現像用カラートナーを製造した。得られたカラートナーの評価結果を表1に示す。

0098

[比較例3]
実施例1において、分散剤であるブロック共重合体1 2部を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の静電荷像現像用カラートナーを製造した。得られたカラートナーの評価結果を表1に示す。

0099

[比較例4]
実施例1において、ベンズイミダゾロン顔料の1種であるC.I.ピグメントイエロー180(クラリアント社製、商品名「toner yellow HG」)6部を、キナクリドン顔料の1種であるC.I.ピグメントレッド122(DIC社製、商品名「FASTOGEN SUPERMAGENTA RG」)6部に変更したこと、及び、分散剤であるブロック共重合体1 2部を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の静電荷像現像用カラートナーを製造した。得られたカラートナーの評価結果を表1に示す。

0100

4.カラートナーの評価
上記実施例1〜実施例3、及び比較例1〜比較例4の静電荷像現像用カラートナー、及びこれらのカラートナーに用いられた着色樹脂粒子について、物性を調べた。詳細は以下の通りである。なお、比較例1〜比較例3の静電荷像現像用カラートナーについては、後述するように、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、及び粒径分布(Dv/Dn)の値から明らかに着色樹脂粒子の凝集が認められた。したがって、比較例1〜比較例3の静電荷像現像用カラートナーについては「4−3.印字濃度の測定及び彩度(c*)の評価」を行わなかった。

0101

4−1.着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)の測定、並びに粒径分布(Dv/Dn)の算出
測定試料(着色樹脂粒子)を約0.1g量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フイルム社製、商品名「ドライウエル」)0.1mLを加えた。そのビーカーへ、更にアイトンIIを10〜30mL加え、20W(Watt)の超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名「マルチサイザー」)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)を測定し、粒径分布(Dv/Dn)を算出した。

0102

4−2.着色樹脂粒子の平均円形度
容器中に、予めイオン交換水10mLを入れ、その中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更に測定試料(着色樹脂粒子)0.02gを加え、超音波分散機で60W(Watt)、3分間分散処理を行った。測定時の着色樹脂粒子濃度が3,000〜10,000個/μLとなるように調整し、0.4μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置シメクス社製、商品名「FPIA−2100」)を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
円形度は下記計算式1に示され、平均円形度は、その平均をとったものである。
計算式1:(円形度)=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)

0103

4−3.印字濃度の測定及び彩度(c*)の評価
市販の非磁性一成分現像方式プリンターを用い、ベタ画像紙面上トナー量(M/A)が0.4mg/cm2となるようにプリンターの調整を行った後、当該プリンターの現像装置内トナーカートリッジに、上記静電荷像現像用カラートナーを100g充填した。次いで、定着ロールの温度(定着温度)を180℃にして、5cm四方のベタ画像を複写機用普通紙(80g/m2)に印字した。得られた5cm四方のベタ画像を、反射式画像濃度計(マクベス社製、商品名「RD914」)を用いて測定した。
また、ベタ画像を分光色差計(日本電色社製、商品名「SE−2000」)で色調をL*a*b*空間の座標として表して測定した。彩度(c*)は、前記色調から、下記式(A)により求めた。
(c*)2=(a*)2+(b*)2 式(A)

0104

実施例1〜実施例3、及び比較例1〜比較例4の静電荷像現像用カラートナーの測定及び評価結果を、分散剤の種類及び含有量等と併せて表1に示す。なお、下記表1中、「PY180」はC.I.ピグメントイエロー180を、「PR122」はC.I.ピグメントレッド122を、それぞれ示す。また、下記表1中、「アミン含有量」とは、ブロック共重合体1及び2の場合には、ブロック共重合体中の4−ビニルピリジン単量体単位ブロックの含有量を、ランダム共重合体の場合には、ランダム共重合体中の4−ビニルピリジン単量体単位の含有量を、それぞれ示す。

0105

0106

5.トナーの評価
以下、表1を参照しながら、静電荷像現像用トナーの評価結果について検討する。
表1より、比較例1のトナーは、アミン含有量が3mol%のランダム共重合体を、重合性単量体100質量部に対して2質量部用いて製造したカラートナーである。
表1より、比較例1のトナーは、体積平均粒径(Dv)が16.7μm、個数平均粒径(Dn)が9.1μmといずれも大きく、且つ、粒径分布(Dv/Dn)が1.84と広い。特に、比較例1のトナーの体積平均粒径(Dv)は、実施例1〜実施例3、及び比較例1〜比較例4のトナー中、最も大きい。したがって、ビニルピリジン単量体単位を含み且つ配列順序ランダムな共重合体を分散剤として含む着色樹脂粒子には、凝集が明らかに認められる。また、このような着色樹脂粒子を用いて製造した比較例1のカラートナーにおいては、粒径肥大が著しく生じ、且つ、トナー粒子の形状が不揃いであると考えられる。

0107

表1より、比較例2のトナーは、変性ポリウレタンを重合性単量体100質量部に対して2質量部用いて製造したカラートナーである。
表1より、比較例2のトナーは、体積平均粒径(Dv)が12.0μm、個数平均粒径(Dn)が6.7μmといずれも大きく、且つ、粒径分布(Dv/Dn)が1.79と広い。したがって、変性ポリウレタンを分散剤として含む着色樹脂粒子には、凝集が明らかに認められる。また、このような着色樹脂粒子を用いて製造した比較例2のカラートナーにおいては、粒径肥大が著しく生じ、且つ、トナー粒子の形状が不揃いであると考えられる。

0108

表1より、比較例3及び比較例4のトナーは、いずれも分散剤を用いずに製造したカラートナーである。
表1より、比較例3のトナーは、体積平均粒径(Dv)が13.2μm、個数平均粒径(Dn)が6.4μmといずれも大きく、且つ、粒径分布(Dv/Dn)が2.06と広い。特に、比較例3のトナーの粒径分布(Dv/Dn)は、実施例1〜実施例3、及び比較例1〜比較例4のトナー中、最も広い。したがって、ベンズイミダゾロン顔料を含み且つ分散剤を含まない着色樹脂粒子には、凝集が明らかに認められる。また、このような着色樹脂粒子を用いて製造した比較例3のカラートナーにおいては、粒径肥大が生じ、且つ、トナー粒子の形状が著しく不揃いであると考えられる。

0109

表1より、比較例4のトナーは、体積平均粒径(Dv)は7.2μm、個数平均粒径(Dn)は6.4μmであり、且つ、粒径分布(Dv/Dn)は1.13である。したがって、トナー粒子の形状に特に問題は見られない。
しかし、表1より、比較例4のトナーは、反射IDが1.01であり、且つ彩度c*が72.4である。これら反射ID及び彩度c*の値は、ブロック共重合体1を用いたこと以外は比較例4と同様の製造方法で製造された実施例3のトナーの反射ID及び彩度c*の値よりも低い。したがって、比較例4のトナーは、実施例3のトナーよりも印字濃度及び画像の彩度に劣ることが分かる。

実施例

0110

一方、表1より、実施例1〜実施例3のトナーは、いずれも、4−ビニルピリジン単量体単位を含むブロック共重合体を、重合性単量体100質量部に対して2質量部又は0.5質量部用いて製造したカラートナーである。
表1より、実施例1〜実施例3のトナーは、体積平均粒径(Dv)が5.8〜7.1μm、個数平均粒径(Dn)が5.2〜6.3μmといずれも小さく、且つ、粒径分布(Dv/Dn)は1.11〜1.14と狭い。また、表1より、実施例1〜実施例3のトナーは、反射IDが1.10〜1.37と高く、且つ彩度c*が73.6〜94.5と高い。
したがって、着色剤としてキナクリドン顔料又はベンズイミダゾロン顔料を含み、且つ、分散剤として4−ビニルピリジン単量体単位ブロックを有するブロック共重合体1又は2を含む実施例1〜実施例3のトナーは、トナー粒子の凝集が抑えられ、粒径分布が狭く、且つ従来よりも優れた印字濃度及び画像の彩度を有するカラートナーであることが分かる。

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