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技術 ヨウ素吸着剤

出願人 株式会社東芝
発明者 関口裕実子山田有紗辻秀之
出願日 2012年3月27日 (8年0ヶ月経過) 出願番号 2012-072536
公開日 2013年10月7日 (6年5ヶ月経過) 公開番号 2013-205121
状態 特許登録済
技術分野 汚染除去及び汚染物処理 固体収着剤及びろ過助剤
主要キーワード 排水貯留タンク 試験用粒子 吸着割合 グラフト修飾 多孔性セルロース粒子 二口ナス型フラスコ 磁気攪拌装置 多孔性セルロース
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

特にヨウ素イオン(I−)の吸着性に優れた新規な構成の吸着剤を提供する。

解決手段

実施形態のヨウ素吸着剤は、担体と、前記担体に結合したトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体と、前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体に内包された塩素及び前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体の表面に結合した塩素の少なくとも一方と、を具える。

概要

背景

工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、廃水の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには水の浄化、すなわち水中から他の物質を分離することが必要である。液体からほかの物質を分離する方法としては各種の方法が知られており、例えば膜分離遠心分離活性炭吸着オゾン処理凝集による浮遊物質の除去などが挙げられる。このような方法によって、水に含まれるヨウ素や窒素などの環境に影響の大きい化学物質を除去したり、水中に分散した油類クレイなどを除去したりすることができる。

一方、近年は、ヨウ素の回収、除去技術が注目を集めている。ヨウ素の利用範囲は広く、消毒薬などの医薬分野の他に、化学繊維耐熱安定剤の化学分野など幅広い分野で利用されている。ヨウ素は数多くの同位体を有するが、ヨウ素131Iは放射性同位体であって、ウラン235Uが核分裂する際の娘核種として生成される。

したがって、原子力発電所事故が起きた際に多量に放出される放射性物質中にも上記放射性ヨウ素が含まれる場合があり、このような放射性ヨウ素が大気中や排水中に混入することにより、人体に悪影響を及ぼす場合がある。したがって、大気中や排水中に放射性ヨウ素が混入した場合に、当該放射性ヨウ素を除去することが課題となっている。

ヨウ素を除去する方法としては、例えば担体シクロデキストリンが結合した構造を有する材料がヨウ素を吸着することが報告されている。これは、殺菌性の高いヨウ素分子、すなわちI2の化学形態のヨウ素をシクロデキストリン内部に包摂させることで安定化させ、その殺菌性を長期で使用できることを目的とした研究であり、ポリヨウ化物アニオン(I3‐)を生成させ、これをシクロデキストリン内部に取り込ませている。

シクロデキストリンは、原料は主にとうもろこし由来でんぷんであり、これに含まれるアミロースを、酵素などを利用して加水分解して製造されており、安全性は非常に高い。

しかしながら、ヨウ素は、水中ではヨウ化物アニオン(I3‐)あるいはヨウ素酸イオン(IO3−)の状態で安定に存在し、特に海水中では、ヨウ素イオン(I−)の状態で安定に存在することが知られている。上述したヨウ素吸着剤は、ヨウ化物アニオン(I3‐)の吸着は可能であるが、ヨウ素イオン(I−)の吸着性については未だ報告例がない。

概要

特にヨウ素イオン(I−)の吸着性に優れた新規な構成の吸着剤を提供する。実施形態のヨウ素吸着剤は、担体と、前記担体に結合したトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体と、前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体に内包された塩素及び前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体の表面に結合した塩素の少なくとも一方と、を具える。なし

目的

これは、殺菌性の高いヨウ素分子、すなわちI2の化学形態のヨウ素をシクロデキストリン内部に包摂させることで安定化させ、その殺菌性を長期で使用できることを目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

担体と、前記担体に結合したトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体と、前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体に内包された塩素及び前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体の表面に結合した塩素の少なくとも一方と、を具えることを特徴とする、ヨウ素吸着剤

請求項2

前記担体はアミノ基を有しており、前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体は、前記アミノ基を介して前記担体に結合していることを特徴とする、請求項1に記載のヨウ素吸着剤。

請求項3

前記ヨウ素吸着剤は、平均粒径が150μm以上500μm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のヨウ素吸着剤。

請求項4

担体と、モノクロロトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体とを反応させ、前記担体に前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体を結合させて得たことを特徴とする、ヨウ素吸着剤。

請求項5

前記ヨウ素吸着剤前記モノクロロトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体は、前記担体にグラフト修飾させたアミノ基を介して反応させたことを特徴とする、請求項4に記載のヨウ素吸着剤。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、ヨウ素吸着剤に関する。

背景技術

0002

工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、廃水の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには水の浄化、すなわち水中から他の物質を分離することが必要である。液体からほかの物質を分離する方法としては各種の方法が知られており、例えば膜分離遠心分離活性炭吸着オゾン処理凝集による浮遊物質の除去などが挙げられる。このような方法によって、水に含まれるヨウ素や窒素などの環境に影響の大きい化学物質を除去したり、水中に分散した油類クレイなどを除去したりすることができる。

0003

一方、近年は、ヨウ素の回収、除去技術が注目を集めている。ヨウ素の利用範囲は広く、消毒薬などの医薬分野の他に、化学繊維耐熱安定剤の化学分野など幅広い分野で利用されている。ヨウ素は数多くの同位体を有するが、ヨウ素131Iは放射性同位体であって、ウラン235Uが核分裂する際の娘核種として生成される。

0004

したがって、原子力発電所事故が起きた際に多量に放出される放射性物質中にも上記放射性ヨウ素が含まれる場合があり、このような放射性ヨウ素が大気中や排水中に混入することにより、人体に悪影響を及ぼす場合がある。したがって、大気中や排水中に放射性ヨウ素が混入した場合に、当該放射性ヨウ素を除去することが課題となっている。

0005

ヨウ素を除去する方法としては、例えば担体シクロデキストリンが結合した構造を有する材料がヨウ素を吸着することが報告されている。これは、殺菌性の高いヨウ素分子、すなわちI2の化学形態のヨウ素をシクロデキストリン内部に包摂させることで安定化させ、その殺菌性を長期で使用できることを目的とした研究であり、ポリヨウ化物アニオン(I3‐)を生成させ、これをシクロデキストリン内部に取り込ませている。

0006

シクロデキストリンは、原料は主にとうもろこし由来でんぷんであり、これに含まれるアミロースを、酵素などを利用して加水分解して製造されており、安全性は非常に高い。

0007

しかしながら、ヨウ素は、水中ではヨウ化物アニオン(I3‐)あるいはヨウ素酸イオン(IO3−)の状態で安定に存在し、特に海水中では、ヨウ素イオン(I−)の状態で安定に存在することが知られている。上述したヨウ素吸着剤は、ヨウ化物アニオン(I3‐)の吸着は可能であるが、ヨウ素イオン(I−)の吸着性については未だ報告例がない。

先行技術

0008

J. Appl. Polym. Sci. 2001, 82, 2414-2421.

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、特にヨウ素イオン(I−)の吸着性に優れた新規な構成の吸着剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

実施形態のヨウ素吸着剤は、担体と、前記担体に結合したトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体と、前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体に内包された塩素及び前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体の表面に結合した塩素の少なくとも一方と、を具える。

0011

また、他の実施形態のヨウ素吸着剤は、担体と、モノクロロトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体とを反応させ、前記担体に前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体を結合させて得たものである。

図面の簡単な説明

0012

実施形態におけるヨウ素吸着剤から溶出した塩素イオン(Cl−)の量と、ヨウ素吸着剤によるヨウ素イオン(I−)の吸着能との関係を示すグラフである。
実施形態におけるヨウ素吸着システム概念図である。
実施例における赤外分光スペクトル図である。
実施例における赤外分光スペクトル図である。
実施例における赤外分光スペクトル図である。

0013

(ヨウ素吸着剤)
実施形態のヨウ素吸着剤は、担体と、前記担体に結合したトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体を有する。具体的には、担体とシクロデキストリンとが、トリアジン環を介して結合している。

0014

なお、ここでいう誘導体とは、トリアジノ-β-シクロデキストリンを構成する塩素置換のトリアジノ環において、トリアジノ環の塩素置換された炭素以外の炭素が他の置換基によって置換して得られた化合物を意味するものである。このような置換基としてはアルコキシ基等を挙げることができる。

0015

上記担体は、それ自体が水中で所定の形態を自己保持するに十分な強度を有し、トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体を担持して実用に供することができるような強度とされている。この担体は、以下に説明する製造方法によって、トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体を結合できるようなものであることが好ましい。さらに、担体は、表面に多くのアミノ基を有しており、トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体は、このアミノ基を介して担体に結合されていることが好ましい。具体的には、担体として、キトサンや表面をアミノ基で修飾したポリマー粒子を挙げることができる。

0016

また、上記担体はアクリル樹脂とすることもできる。アクリル樹脂もそれ自体十分な強度を有し、ヨウ素吸着剤として実用に供することができるような強度を付与することができるとともに、エステル結合部位を有しているため、エステル部位と2級あるいは1級アミンとの反応により容易にアミノ基を付与でき、このアミノ基がトリアジノ-β-シクロデキストリンと容易に反応する。

0017

本実施形態におけるヨウ素吸着剤は、平均粒径が100μm以上2mm以下であることが好ましい。担体の平均粒径を100μm以上2mm以下とすると、例えば、ヨウ素吸着を行う際に、ヨウ素吸着剤のカラムへの充填率の高さと通水のしやすさとを両立させることができる。平均粒径が100μm未満であると、ヨウ素吸着剤のカラムへの充填率が高くなり過ぎて空隙の割合が減少するため、通水がしにくくなる。一方、平均粒径が2mmを超えると、ヨウ素吸着剤のカラムへの充填率が低くなり過ぎて空隙が増大し、通水はしやすくなるが、ヨウ素吸着剤とヨウ素を含む排水との接触面積が減少するので、ヨウ素吸着剤によるヨウ素の吸着割合が減少する。

0018

このヨウ素吸着剤は、一次粒子が凝集した凝集体の状態での平均粒径あってもよい。好ましい平均粒径は150μm以上1.5mm以下であり、さらに好ましくは150μm以上500μm以下である。

0019

なお、本実施形態のヨウ素吸着剤は、担体の大きさを変化させるのみで、ヨウ素吸着剤そのものの大きさを調整することができ、ハンドリングが容易なヨウ素吸着剤を得るためには、担体の大きさを所定の大きさに設定すればよいことが分かる。すなわち、造粒等の操作を行うことなく、ハンドリングが容易なヨウ素吸着剤を得ることができる。また、造粒等を行う必要がないので、ハンドリング容易なヨウ素吸着剤を得るために必要な製造工程を簡略化することができ、コストの低減を図ることができる。

0020

平均粒径は、い分け法により測定することができる。具体的には、JISZ8901−2006「試験用粉体及び試験用粒子」に従い、目開きが150μmから500μmの間であるふるいを複数個用いて篩い分けることにより測定することができる。

0021

本実施形態のヨウ素吸着剤は、トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体に内包された塩素及び前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体の表面に結合した塩素の少なくとも一方を有する。なお、トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体における塩素の含有形態は現在明確となっていないが、塩素を内包する場合は、(1)式に示すように、シクロデキストリン中に塩素が包摂されているものと考えている。一方、塩素を表面に有する場合は、(2)式に示すように、トリアジノ環の窒素に対してイオン結合していると考えられる。

0022

なお、(1)式及び(2)式では、以下に説明するように、担体をアミノ基でグラフト修飾した後、当該アミノ基を介してトリアジノ-β-シクロデキストリンを結合させた状態を表している。

0023

なお、(1)式及び(2)式では、トリアジノ-β-シクロデキストリンのトリアジン環がβ−シクロデキストリン、及びフェノール性水酸基ナトリウム塩で置換された誘導体として記載されている。これは、当該誘導体として(株)シクロケム社のものを使用したことに起因している。

0024

本実施形態におけるヨウ素吸着剤は、上述のように、トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導に内包された塩素及び前記トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体の表面に結合した塩素の少なくとも一方が、排水等の被処理液体中のヨウ素イオン(I−)とイオン交換することにより、当該ヨウ素イオン(I−)を吸着するものと考えられる。

0025

図1は、イオン交換水中に本実施形態のヨウ素吸着剤を浸漬させた場合に、当該ヨウ素吸着剤から溶出した塩素イオン(Cl−)の量と、上記イオン交換水中にヨウ素イオン(I−)が含有される場合の、上記ヨウ素吸着剤によるヨウ素イオン(I−)の吸着能との関係を示すグラフである。図1から明らかなように、イオン交換水中に溶出した塩素イオン(Cl−)の量が増大するにつれて、イオン交換水中にヨウ素イオン(I−)が含まれる場合のヨウ素イオン(I−)吸着能が増大している。このことからも、被処理液体中のヨウ素イオン(I−)は、ヨウ素吸着剤の塩素イオン(Cl−)とのイオン交換によって吸着されることが類推される。

0026

なお、塩素イオン(Cl−)量及びヨウ素イオン(I−)量は、イオンクロマトグラフィーによって検出した。

0027

本実施形態のヨウ素吸着剤は、好ましくは担体をアミノ基でグラフト修飾した後、当該アミノ基を介して上記担体にモノクロロトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体を反応させて、トリアジノ-β-シクロデキストリンを結合させることが好ましい。

0028

以下の製造方法で説明するように、クロロトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体(のトリアジノ環)に付加して塩素が置換している炭素は、塩素の電子球引性により電子が不足した状態となっている。一方、担体を修飾しているアミノ基はいわゆる求核剤として機能するため、上記炭素に対して求核攻撃する。その結果、モノクロロトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体(のトリアジノ環)に付加している塩素は容易に離脱して塩化水素を生成し、この塩化水素中のプロトンがトリアジノ環の窒素原子供与されるので、残った塩素(イオン)はシクデキストリン内部に包摂または外側の極性部に結合する、あるいはトリアジノ環の窒素に結合すると考えられる。すなわち、トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体の内部及び表面の少なくとも一方に容易に塩素を結合することができるようになる。

0029

(ヨウ素吸着剤の製造方法)
次に、本実施形態のヨウ素吸着剤の製造方法について説明する。但し、以下に説明する製造方法は一例であって、本実施形態のヨウ素吸着剤が得られる限りにおいて特に限定されるものではない。

0030

最初に、担体とモノクロロトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体とを反応させる。担体がアミノ基でグラフト修飾されている場合、当該アミノ基がモノクロロトリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体(のトリアジノ環)に付加している塩素が置換している炭素に対して求核攻撃し、その結果、塩素は容易に離脱して塩化水素を生成し、この塩化水素中のプロトンがトリアジノ環の窒素原子に供与されるので、残った塩素(イオン)はシクデキストリン内部に包摂または外側の極性部に結合する、あるいは、トリアジノ環の窒素結合すると考えられる。すなわち、トリアジノ-β-シクロデキストリン又はその誘導体の内部及び表面の少なくとも一方に容易に塩素を有することができるようになる。

0031

なお、(3)式には、上記製造方法の内、塩化水素が生成されるまでの工程を概略的に示した。

0032

(ヨウ素吸着システム及びヨウ素吸着剤の使用方法
次に、上述したヨウ素吸着剤を用いた吸着システム及びその使用方法について説明する。

0033

図2は、本実施形態におけるヨウ素吸着に使用する装置の概略構成を示す図である。
図2に示すように、本装置においては、上述したヨウ素吸着剤が充填された水処理用カラムT1及びT2が並列に配置されるとともに、水処理用カラムT1及びT2の外方には接触効率促進手段X1及びX2が設けられている。接触効率促進手段X1及びX2は、機械攪拌装置又は非接触の磁気攪拌装置とすることができるが、必須の構成要素ではなく省略してもよい。

0034

また、水処理用カラムT1及びT2には、排水供給ラインL1、L2及びL4を介して、ヨウ素を含む排水が貯留された排水貯留タンクW1が接続されており、排水排出ラインL3、L5及びL6を介して外部に接続されている。

0035

なお、供給ラインL1、L2、及びL4には、それぞれバルブV1、V2、及びV4が設けられており、排出ラインL3及びL5には、それぞれバルブV3及びV5が設けられている。また、供給ラインL1にはポンプP1が設けられている。さらに、排水貯留タンクW1、供給ラインL1及び排出ラインL6には、それぞれ濃度測定手段M1、M2及びM3が設けられている。

0036

また、上述したバルブ、ポンプの制御及び測定装置における測定値モニタリングは、制御手段C1によって一括集中管理されている。

0037

次に、図1に示す装置を用いた排水からのヨウ素の吸着操作について説明する。

0038

最初に、水処理用カラムT1及びT2に対して、排水をタンクW1からポンプP1により排水供給ラインL1、L2及びL4を通じて水処理用カラムT1及びT2に供給する。このとき、排水中のヨウ素は水処理用カラムT1及びT2に吸着され、吸着後の排水は排水排出ラインL3、L5を通じて外部に排出される。

0039

この際、必要に応じて接触効率促進手段X1及びX2を駆動させ、水処理用カラムT1及びT2内に充填されたヨウ素吸着剤と排水との接触面積を増大させ、水処理用カラムT1及びT2によるヨウ素の吸着効率を向上させることができる。

0040

ここで、水処理用カラムT1及びT2の、供給側に設けた濃度測定手段M2と排出側に設けた濃度測定手段M3により水処理用カラムT1及びT2の吸着状態観測する。吸着が順調に行われている場合、濃度測定手段M3により測定されるヨウ素の濃度は、濃度測定手段M2で測定されるヨウ素の濃度よりも低い値を示す。しかしながら、水処理用カラムT1及びT2におけるヨウ素の吸着が次第に進行するにつれ、供給側及び排出側に配置された濃度測定手段M2及びM3における前記ヨウ素の濃度差が減少する。

0041

したがって、濃度測定手段M3が予め設定した所定の値に達し、水処理用カラムT1及びT2によるヨウ素の吸着能が飽和に達したと判断した場合は、濃度測定手段M2、M3からの情報に基づき、制御手段C1がポンプP1を一旦停止し、バルブV2、V3、V4及びV5を閉め、水処理用カラムT1及びT2への排水の供給を停止する。

0042

なお、図2には図示していないが、排水のpHが変動する場合、あるいはpHが強酸性あるいは強アルカリ性であって本実施形態に係るヨウ素吸着材に適したpH領域を外れている場合には、濃度測定手段M1または/およびM2により排水のpHを測定し、制御手段C1を通じて排水のpHを調整してもよい。

0043

水処理用カラムT1及びT2が飽和に達した後は、適宜新規なヨウ素吸着剤が充填された水処理用カラムと交換し、ヨウ素吸着が飽和に達した水処理用カラムT1及びT2は、適宜必要な後処理に供される。例えば、水処理用カラムT1及びT2が放射性ヨウ素を含む場合は、水処理用カラムT1及びT2を粉砕した後、セメント固化等に供する。

0044

なお、上記例では、水処理用カラムを用いた排水中のヨウ素の吸着システム及び操作について説明したが、上述のようなカラム中にヨウ素を含む排ガス通気することにより、排ガス中のヨウ素を吸着除去することもできる。

0045

(実施例1)
(アミノ基がグラフト修飾されたアクリル粒子の合成)
磁気攪拌子を付したナス型フラスコ(容積1L)に、ポリビニルアルコール(以降PVA)0.08g、塩化ナトリウム19.6g、及びイオン交換水500mLを加え、室温で40分攪拌して無色の溶液を得た。次いで、フラスコジムロート冷却管を付け、系内を脱気、および窒素置換した。

0046

次いで、ビーカー(容積200mL)に、メタクリル酸17.8ml、ジビニルベンゼン6ml、クロロベンゼン34mL、及びアゾビスイソブチロニトリル(以降AIBN)0.2gを入れ混合した。得られた混合物を、上記溶液にデカンテーションで加え、窒素雰囲気下、80℃で6時間加熱攪拌して、無色の懸濁液を得た。フラスコをオイルバスから外し、懸濁液を空気にさらすことでAIBNを失活させた。

0047

次いで、ドラフト中で静置することで樹脂微粒子を沈降させ、デカンテーションで上澄み液を除去した。残った樹脂微粒子に、当該樹脂微粒子と同体積精度のイオン交換水を入れ、手でフラスコを軽く振ることで洗浄し、デカンテーションで上澄み液を除去した。この洗浄操作を、3回繰り返し行った。得られた樹脂微粒子を、桐山ロートを用いて吸引濾過し、イオン交換水、アセトンの順で洗浄した。最後に、減圧下溶媒を完全に留去させることで、アクリル樹脂担体を得た。

0048

次いで、磁気攪拌子、ジムロート冷却管を付した二口ナス型フラスコ(容積100mL)に、アクリル樹脂担体5gを入れ、脱気・窒素置換を3回繰り返し行った。さらに、窒素雰囲気下エチレンジアミン20mLを加え、120℃で9時間加熱攪拌した。室温に戻した後、桐山漏斗で吸引濾過し、イオン交換水、アセトンの順で洗浄した。その後、減圧下溶媒を完全に留去することで、淡黄色のアミノ基がグラフト修飾されたアクリル樹脂担体を得た。

0049

(ヨウ素吸着剤の合成)
スクリューバイアル20mlに、アミノ基がグラフト修飾されたアクリルポリマー0.150g、モノクロロトリアジノ-β-シクロデキストリンの食塩含有粉末1.50g、及び純水15mlを入れ、横型ミックスローター回転数:60rpm)で、室温にて7時間攪拌した。その後、得られた微粒子をろ過し、純水で洗浄後、7時間かけて溶媒を留去させることにより、赤褐色の微粒子(収率0.165g)であるヨウ素吸着剤を得た。

0050

得られた赤褐色微粒子の構造の同定は、赤外分光スペクトルを用いて行った。図3には、得られた赤褐色微粒子のスペクトル、反応前の担体のスペクトル、及び赤褐色微粒子のスペクトルから担体のスペクトルを差し引いた差スペクトルを合わせて示した。また図4には、図3の差スペクトルと、MCT-β-CDのスペクトルを合わせて示した。

0051

図4から、得られた赤褐色微粒子と担体の差スペクトルは、MCT-βCDのスペクトルと良く一致することが明らかになった。また、800 cm-1にトリアジン環由来と考えられるピーク、および1100 cm-1にC-O伸縮振動由来と考えられる多糖類に特徴的なピークも明瞭に確認された。以上の結果から、得られた赤褐色微粒子は、シクロデキストリンとトリアジン環を有することが示された。

0052

ヨウ素吸着試験
スクリューバイアル30mLに、ヨウ素吸着剤20mgを入れ、ここにヨウ化カリウムKI)の650ppm水溶液20mlを加え、横型ミックスローター(回転数:60rpm)を用い、室温で2時間攪拌した。セルロース製メンブレンフィルターでろ過し、得られた無色溶液中のヨウ素イオン(I−)濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて測定した。なお、イオンクロマトグラフィーは、日本ウォーターズ製AllianceHPLCステムを用いて測定した。また、測定条件は、表1に示したものを用いた。

0053

0054

また、得られた結果を以下の表2にまとめた。

0055

(実施例2)
アミノ基がグラフト修飾されたアクリルポリマーに代えて、担体としてキトサン(和光純薬製)を用いた反応を行い、無色の固体であるヨウ素吸着剤を得た。

0056

得られた化合物の構造の同定は、赤外分光スペクトルを用いて行った。図5には、担体としてキトサンを用いた場合の生成物のスペクトルを、反応前の担体(キトサン)、およびMCT-βCDのスペクトルを合わせて示した。キトサンも多糖類であるので、1100 cm-1付近の多糖類に特徴的なピークは反応の前後で差異は確認できなかったが、800 cm-1付近のトリアジン環由来と考えられるピークが、生成物のスペクトルでは観測された。また1200 cm-1から1700cm-1にかけても、MCD-βCDと同様の一にピークが確認された。

0057

以上の結果から、担体としてキトサンを用いた場合も、生成物はβCDおよびトリアジン環を有することが示された。一方、担体として多孔性セルロース粒子を用いた場合は、生成物のIRスペクトルは反応前の担体のスペクトルとほぼ一致した。この結果から、担体として多孔性セルロース粒子を用いた場合は、モノクロロトリアジノ−β−シクロデキストリンとの反応は進行しづらいことが示唆された。

0058

また、実施例1と同様にしてヨウ素吸着試験を実施し、表2に示すような結果を得た。

0059

(比較例1)
多孔性セルロース粒子(レンゴー株式会社製ビスコパール)に対して実施例1と同様にしてモノクロロトリアジノ-β-シクロデキストリンを反応させ、無色の粒子を得た。また、実施例1と同様にしてヨウ素吸着試験を実施し、表2に示すような結果を得た。

0060

(比較例2)
実施例1で用いたモノクロロトリアジノ-β-シクロデキストリンを担体に結合させることなくそのまま用い、実施例1と同様にしてヨウ素吸着試験を実施し、表2に示すような結果を得た。

0061

(比較例3)
β-シクロデキストリンを実施例1と同様にしてヨウ素吸着試験を実施し、表2に示すような結果を得た。

0062

(比較例4)
実施例1で用いたアミノ基がグラフト修飾されたアクリルポリマーをそのまま用い、実施例1と同様にしてヨウ素吸着試験を実施し、表2に示すような結果を得た。

0063

(比較例5)
実施例2におけるキトサンにモノクロロトリアジノ-β-シクロデキストリンを反応させることなくそのまま用い、実施例1と同様にしてヨウ素吸着試験を実施し、表2に示すような結果を得た。

0064

(比較例6)
比較例1で用いた多孔性セルロースをそのまま用い、実施例1と同様にしてヨウ素吸着試験を実施し、表2に示すような結果を得た。

0065

0066

表2から明らかなように、実施例の吸着剤ではいずれも高いヨウ化物アニオン(I−)吸着能が得られたが、比較例の吸着剤を用いた場合はいずれも低かった。これは、比較例では、ヨウ化物アニオン(I−)の吸着能を支配するモノクロロトリアジノ-β-シクロデキストリンが、担体に、量的に十分に付加していないためと考えられる。

実施例

0067

以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0068

T1、T2水処理用カラム
P1ポンプ
M1、M2、M3濃度測定手段
C1 制御手段
W1排水貯留タンク
L1、L2、L4 排水供給ライン
L3、L5、L6 排水排出ライン
V1、V2、V3、V4、V5バルブ
X1、X2接触効率促進手段

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