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技術 α−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法

出願人 東ソ-・エフテック株式会社
発明者 ブルーノ、アメデュリヨゲシ、パチル
出願日 2012年3月27日 (8年8ヶ月経過) 出願番号 2012-070563
公開日 2013年10月7日 (7年1ヶ月経過) 公開番号 2013-203744
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 重合方法(一般) 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード 有機チオール 機能性高分子材料 アクリル酸ホモポリマー 成長ポリマー 電解膜 ペルオキソ二硫酸塩 工業スケール アルカリ添加
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課題

工業スケールで安全、容易、かつ高い収率で効率よくα−(トリフルオロメチルアクリル酸ホモポリマーを製造する方法を提供する。

解決手段

水中でα−(トリフルオロメチル)アクリル酸またはα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩原料として用いて、アルカリ条件下において連鎖移動剤およびラジカル開始剤を加えて乳化重合させることにより、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸のホモポリマーを得る。

概要

背景

α−(トリフルオロメチルアクリル酸は、3,3,3−トリフルオロプロペンから工業的に製造され、不飽和結合炭素に強電子吸引性置換基であるトリフルオロメチル基を有するアクリル系モノマーである(非特許文献1、2)。α−(トリフルオロメチル)アクリル酸は、医農薬および電子材料分野において重要な原料となる化合物であり、さらにα−(トリフルオロメチル)アクリル酸を直鎖中に含有するポリマーは、フッ素の持つ撥水・撥油性耐熱性耐腐食性耐酸化性、透明性、低屈折率性低誘電率などの特徴を活かして、偏光フィルム輝度向上フィルム反射防止フィルム視野角拡大フィルム等の光学用フィルム、透明性を応用した光デバイスレジスト材料、または化学的および電気化学的安定性を活かしたリチウムイオン電池燃料電池電解膜もしくはイオン交換膜等の機能性高分子材料として有用であり利用価値は高い。

非フッ素系のアクリル酸およびそのエステル類と比較して、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸はビニル位に強電子吸引性のトリフルオロメチル基を有する点に特徴がある。

近年、アセトニトリル溶媒中、過酸化物ラジカル開始剤存在下で、55℃においてラジカル重合して、フッ化ビニリデンおよびα−(トリフルオロメチル)アクリル酸のコポリマーを共重合により合成した例、並びにフッ素系溶媒として1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン中、過酸化物のラジカル開始剤存在下で、134℃(10時間)においてラジカル重合して、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペンおよびα−(トリフルオロメチル)アクリル酸のターポリマーを共重合により合成した例が報告されている(非特許文献3)。

また、水中でラジカル開始剤としてペルオキソ二硫酸ナトリウムおよび連鎖移動剤として1−ヨードパーフルオロヘキサン存在下、80℃においてフッ化ビニリデンおよびα−(トリフルオロメチル)アクリル酸のコポリマーを乳化重合により合成した報告がある。(非特許文献4、特許文献1)。

しかしながら、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸はトリフルオロメチル基によってビニル基電子密度は大きく低下するために通常のオレフィンとは顕著に性質が異なり、さらに強酸性を示すことから、従来、フッ化ビニリデン等との共重合によるコポリマーの製法は公知であるが、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸を直接ホモ重合してα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを得ることは困難であった。

α−(トリフルオロメチル)アクリル酸以外の例において、トリフルオロメチル基を含有するアクリル酸類モノマーからホモポリマーを合成する方法として、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸エステルアニオン開始剤を用いたアニオン重合が知られている(非特許文献5)。当該モノマーはアニオン重合が進行することは公知であるが、ラジカル開始剤を用いたホモポリマーの合成は困難であった。さらに、イタコン酸(Itaconic acid)等のカルボン酸を有するビニルモノマーアルカリ存在下でアニオン開始剤またはラジカル開始剤を用いてホモポリマーを製造する方法が報告されている(特許文献2〜4)。

しかしながら、当該製造方法においても強電子吸引性のトリフルオロメチル基を有するα−(トリフルオロメチル)アクリル酸をモノマーとするホモポリマーの例は示されておらず、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸のホモポリマーの合成は依然として困難であった。

こうした中で、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸からα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを合成した例として、テトラヒドロフラン溶媒中、過酸化物のラジカル開始剤存在下で、ラジカル重合してα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを収率41〜70%で得た例が報告されている(非特許文献6)。しかしながら、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの収率が低い点が問題であった。また、有機溶媒であるテトラヒドロフランを用いる必要があることから、安全かつ容易に、工業規模で製造するうえで課題があった。

概要

工業スケールで安全、容易、かつ高い収率で効率よくα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを製造する方法を提供する。 水中でα−(トリフルオロメチル)アクリル酸またはα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩を原料として用いて、アルカリ条件下において連鎖移動剤およびラジカル開始剤を加えて乳化重合させることにより、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸のホモポリマーを得る。なし

目的

本発明では、従来の技術が抱える上記問題を解決するために、工業的に安全かつ効率よくα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを製造する方法を提供する

効果

実績

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請求項1

α−(トリフルオロメチルアクリル酸からα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを製造する方法であって、下記一般式(1)で示されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩アルカリ性水溶液に、連鎖移動剤およびラジカル開始剤を加えて乳化重合させる工程を含むことを特徴とする下記一般式(2)で示される反復単位を有するα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法。(式中、A1はアルカリ金属を表す)(式中、A2はアルカリ金属を表し、反復単位においてA2は互いに独立して異なってもよい。)

請求項2

α−(トリフルオロメチル)アクリル酸およびアルカリ金属の水酸化物を水中にて反応させて前記一般式(1)で示されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩のアルカリ性水溶液を製造する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法。

請求項3

下記一般式(1)で示されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩、連鎖移動剤、およびラジカル開始剤をアルカリ性条件下で水中にて乳化重合させることを特徴とする下記一般式(2)で示される反復単位を有するα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法。(式中、A1はアルカリ金属を表す)(式中、A2はアルカリ金属を表し、反復単位においてA2は互いに独立して異なってもよい。)

請求項4

前記一般式(1)中のA1で表されるアルカリ金属がLi、Na、KまたはCsであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法。

請求項5

連鎖移動剤が1−ヨードパーフルオロアルカンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法。

請求項6

ラジカル開始剤がペルオキソ二硫酸塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法。

技術分野

0001

本発明はα-(トリフルオロメチルアクリル酸ホモポリマーの製造方法に関する。

背景技術

0002

α−(トリフルオロメチル)アクリル酸は、3,3,3−トリフルオロプロペンから工業的に製造され、不飽和結合炭素に強電子吸引性置換基であるトリフルオロメチル基を有するアクリル系モノマーである(非特許文献1、2)。α−(トリフルオロメチル)アクリル酸は、医農薬および電子材料分野において重要な原料となる化合物であり、さらにα−(トリフルオロメチル)アクリル酸を直鎖中に含有するポリマーは、フッ素の持つ撥水・撥油性耐熱性耐腐食性耐酸化性、透明性、低屈折率性低誘電率などの特徴を活かして、偏光フィルム輝度向上フィルム反射防止フィルム視野角拡大フィルム等の光学用フィルム、透明性を応用した光デバイスレジスト材料、または化学的および電気化学的安定性を活かしたリチウムイオン電池燃料電池電解膜もしくはイオン交換膜等の機能性高分子材料として有用であり利用価値は高い。

0003

非フッ素系のアクリル酸およびそのエステル類と比較して、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸はビニル位に強電子吸引性のトリフルオロメチル基を有する点に特徴がある。

0004

近年、アセトニトリル溶媒中、過酸化物ラジカル開始剤存在下で、55℃においてラジカル重合して、フッ化ビニリデンおよびα−(トリフルオロメチル)アクリル酸のコポリマーを共重合により合成した例、並びにフッ素系溶媒として1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン中、過酸化物のラジカル開始剤存在下で、134℃(10時間)においてラジカル重合して、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペンおよびα−(トリフルオロメチル)アクリル酸のターポリマーを共重合により合成した例が報告されている(非特許文献3)。

0005

また、水中でラジカル開始剤としてペルオキソ二硫酸ナトリウムおよび連鎖移動剤として1−ヨードパーフルオロヘキサン存在下、80℃においてフッ化ビニリデンおよびα−(トリフルオロメチル)アクリル酸のコポリマーを乳化重合により合成した報告がある。(非特許文献4、特許文献1)。

0006

しかしながら、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸はトリフルオロメチル基によってビニル基電子密度は大きく低下するために通常のオレフィンとは顕著に性質が異なり、さらに強酸性を示すことから、従来、フッ化ビニリデン等との共重合によるコポリマーの製法は公知であるが、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸を直接ホモ重合してα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを得ることは困難であった。

0007

α−(トリフルオロメチル)アクリル酸以外の例において、トリフルオロメチル基を含有するアクリル酸類モノマーからホモポリマーを合成する方法として、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸エステルアニオン開始剤を用いたアニオン重合が知られている(非特許文献5)。当該モノマーはアニオン重合が進行することは公知であるが、ラジカル開始剤を用いたホモポリマーの合成は困難であった。さらに、イタコン酸(Itaconic acid)等のカルボン酸を有するビニルモノマーアルカリ存在下でアニオン開始剤またはラジカル開始剤を用いてホモポリマーを製造する方法が報告されている(特許文献2〜4)。

0008

しかしながら、当該製造方法においても強電子吸引性のトリフルオロメチル基を有するα−(トリフルオロメチル)アクリル酸をモノマーとするホモポリマーの例は示されておらず、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸のホモポリマーの合成は依然として困難であった。

0009

こうした中で、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸からα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを合成した例として、テトラヒドロフラン溶媒中、過酸化物のラジカル開始剤存在下で、ラジカル重合してα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを収率41〜70%で得た例が報告されている(非特許文献6)。しかしながら、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの収率が低い点が問題であった。また、有機溶媒であるテトラヒドロフランを用いる必要があることから、安全かつ容易に、工業規模で製造するうえで課題があった。

0010

特開2008-214420号公報
米国特許2009-0286947号公報
米国特許2010-0016153号公報
国際公開2011-113069号公報

先行技術

0011

J. Am. Chem. Soc., 73, 1042 (1951)
J. Chem. Soc., 366 (1954)
Macromol. Chem. Phys., 205, 476 (2004)
J. Polym. Sci. Part A: Polymer Chemistry, 47, 4710 (2009)
Prog. Polym. Sci, 24, 1095 (1999)
Macromol. Chem. Phys., 196, 2843 (1995)

発明が解決しようとする課題

0012

従来、フッ化ビニリデン等とα−(トリフルオロメチル)アクリル酸の共重合は公知であるが、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸を直接ホモ重合してα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを得ることは困難であった。

0013

フッ化ビニリデンとα−(トリフルオロメチル)アクリル酸を共重合した例として、水中でラジカル開始剤としてペルオキソ二硫酸ナトリウムおよび連鎖移動剤として1−ヨードパーフルオロヘキサン存在下、80℃においてフッ化ビニリデンおよびα−(トリフルオロメチル)アクリル酸のコポリマーを乳化重合により合成した報告がある(非特許文献4、特許文献1)。

0014

しかしながら、非特許文献4の4713頁の左段2〜5行目において、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸同士の重合は起きておらず個々のα−(トリフルオロメチル)アクリル酸分子はフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン鎖またはオリゴフッ化ビニリデンブロックによって遮られた形で重合する旨が記載されている。同様に4713頁のScheme 1.中の式においても、生成物であるフッ化ビニリデンおよびα−(トリフルオロメチル)アクリル酸のコポリマーはα−(トリフルオロメチル)アクリル酸同士は結合しないことが明記されている。従って、当該製法ではα−(トリフルオロメチル)アクリル酸のホモポリマーを得ることは困難であった。

0015

一方、非特許文献6ではα−(トリフルオロメチル)アクリル酸を直接ホモ重合してα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを得た例として、有機溶媒であるテトラヒドロフラン中、過酸化物のラジカル開始剤存在下で、ラジカル重合して下記一般式(2)とは異なるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを収率41〜70%で得たことを報告している。

0016

しかしながら、当該文献の2848頁の17〜19行目における記載にもある通り、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの収率が低く、効率が悪い点が問題であった。また、溶媒として、揮発性が高いうえに引火しやすく、空気中で爆発性混合ガスを形成することがあるテトラヒドロフランを用いる必要があり、また多量の有機溶媒廃棄物が発生するために工業規模で製造するうえで課題があり、工業的に安全かつ効率よくα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを得ることは依然として困難であった。

0017

本発明では、従来の技術が抱える上記問題を解決するために、工業的に安全かつ効率よくα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを製造する方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0018

本発明者らは鋭意検討を行った結果、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩アルカリ性水溶液を用いた乳化重合によって、工業的に安全かつ効率よくα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを製造する方法を見出し、本発明の完成に至った。

0019

すなわち、本発明は下記の(1)〜(6)に関するものである。
(1)α−(トリフルオロメチル)アクリル酸からα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを製造する方法において、下記一般式(1)で示されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩のアルカリ性水溶液に、連鎖移動剤およびラジカル開始剤を加えて乳化重合させる工程を含むことを特徴とする下記一般式(2)で示される反復単位を有するα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法。

0020

0021

(式中、A1はアルカリ金属を表す)

0022

0023

(式中、A2はアルカリ金属を表し、反復単位においてA2は互いに独立して異なってもよい。)

0024

(2)α−(トリフルオロメチル)アクリル酸およびアルカリ金属の水酸化物を水中にて反応させて前記一般式(1)で示されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩のアルカリ性水溶液を製造する工程を含むことを特徴とする(1)に記載のα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法。

0025

(3)下記一般式(1)で示されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩、連鎖移動剤、およびラジカル開始剤をアルカリ性条件下で水中にて乳化重合させることを特徴とする下記一般式(2)で示される反復単位を有するα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法。

0026

0027

(式中、A1はアルカリ金属を表す)

0028

0029

(式中、A2はアルカリ金属を表し、反復単位においてA2は互いに独立して異なってもよい。)

0030

(4)前記一般式(1)中のA1で表されるアルカリ金属がLi、Na、KまたはCsであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法。

0031

(5)連鎖移動剤が1−ヨードパーフルオロアルカンであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法。

0032

(6)ラジカル開始剤がペルオキソ二硫酸塩であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法。

発明の効果

0033

本発明者らは鋭意検討を行った結果、従来の技術が抱える上記問題を解決して、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸から一般式(2)で示される反復単位を有するα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを製造する方法を見出した。

0034

従来、フッ化ビニリデンとα−(トリフルオロメチル)アクリル酸を共重合した例として、水中でラジカル開始剤としてペルオキソ二硫酸ナトリウムおよび連鎖移動剤として1−ヨードパーフルオロヘキサン存在下、80℃においてフッ化ビニリデンおよびα−(トリフルオロメチル)アクリル酸のコポリマーを乳化重合により合成した報告がある(非特許文献4、特許文献1)。

0035

しかしながら、非特許文献4および特許文献1では、アルカリが加えられておらず、その場合はα−(トリフルオロメチル)アクリル酸自身が強酸のため、当該文献の反応条件酸性水溶液であり、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸のホモポリマーを得ることは困難であった。

0036

本発明は、水中でα−(トリフルオロメチル)アクリル酸またはα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩を原料として用いて、アルカリ条件下において連鎖移動剤およびラジカル開始剤を加えて乳化重合させることを特徴としている。酸性条件下では、本願比較例1に示す通り、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸のホモポリマーは得られず、アルカリ条件下において、連鎖移動剤およびラジカル開始剤を加えて乳化重合させた場合に前記一般式(2)で表されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸のホモポリマーが得られる顕著な効果を見出したものである。

0037

また、本発明は、反応溶媒として有機溶媒を使用せずに水中で反応することができる。さらに、通常乳化重合で使用される界面活性剤を必要としておらず、水中でα−(トリフルオロメチル)アクリル酸またはα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩を原料として用いることにより、工業スケールで安全、容易、かつ高い収率で効率よく前記一般式(2)で表されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを製造できることから、工業的に有用である。

0038

以下、本発明を詳細に説明する。

0039

本発明は、一般式(2)で示される反復単位を有するα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法に関するものであり、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸または一般式(1)で示されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩から、水中において、アルカリ性条件下で連鎖移動剤およびラジカル開始剤を加えて乳化重合させる工程を含むことを特徴とするα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーの製造方法である。

0040

一般式(1)において、A1で表されるアルカリ金属は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)が好ましい。

0041

一般式(1)で表わされるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩は、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸リチウム、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸ナトリウム、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸カリウム、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸セシウムが好ましい。

0042

一般式(2)において、A2はアルカリ金属を表し、反復単位においてA2は互いに独立して異なってもよい。A2がアルカリ金属の場合は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)が好ましい。

0043

連鎖移動剤は成長ポリマー鎖からラジカル受け取りポリマーの伸長を止めるが、ラジカルを受け取った連鎖移動剤はモノマーまたは伸長の止まったポリマーを攻撃して再び重合を開始する連鎖移動反応を起こす効果を有するものを表わす。本発明の連鎖移動剤は、重合時に連鎖移動反応を起こすものであればよく、アルカンアルコール有機ハロゲン化物あるいは有機チオールメルカプタン)等が挙げられ、具体的にはメタンエタンプロパンブタンフェノールあるいはブロモトリクロロエタントリクロロトルエントリブロモトルエン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,2−ジヨードエタン、1,4−ジヨード−n−プロパン、1,4−ジヨードパーフルオロ−n−ブタン、パーフルオロ−n−プロピルヨージド、パーフルオロ−n−ブチルヨージド、パーフルオロ−n−ヘキシルヨージドまたはメチルチオール、エチルチオール、n−プロピルチオール、iso−プロピルチオール、n−オクチルチオールフェニルチオールを単独あるいは混合して用いることができる。中でも、高収率で目的物が得られることから、1−ヨードパーフルオロアルカンが好ましく、1−ヨードパーフルオロヘキサンがさらに好ましい。

0044

ラジカル開始剤は、高分子合成分野でラジカル重合反応において重合開始剤として用いられるものであればよい。ラジカル開始剤の具体例として、塩素臭素ヨウ素等のハロゲン-ハロゲン結合を有するハロゲン分子、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ化合物、ジ−tert−ブチルペルオキシドやtert−ブチルヒドロペルオキシドベンゾイルパーオキサイドラウリルパーオキサイドオクタノイルパーオキサイドアセチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーブチルピバレート等の有機過酸化物、およびペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウムペルオキソ二硫酸リチウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等のペルオキソ二硫酸塩が挙げられる。中でも、ペルオキソ二硫酸塩が好ましく、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウムがさらに好ましい。

0045

本発明において、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸または一般式(1)で示されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩に対する水の使用量は5〜50重量倍量の範囲で実施可能であるが、5重量倍量以下では、反応に具する基質あるいはポリマーが析出し、非常に分散性が悪くなり反応が困難となる場合があり、また、50重量倍量以上では、効率的ではなく、好ましくは5〜50重量倍量の範囲である。

0046

本発明において、使用するラジカル開始剤の使用量はα−(トリフルオロメチル)アクリル酸または一般式(1)で示されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩に対して0.01〜10モル%の範囲で実施可能であるが、0.01モル%以下では、重合反応成績が悪くなる場合があり、また、10モル%以上では、重合開始剤を多量に使用するため経済的ではなく、ポリマー組成に影響を与える可能性があり、好ましくは0.01〜10モル%の範囲である。

0047

本発明において、連鎖移動剤の使用量はα−(トリフルオロメチル)アクリル酸または一般式(1)で示されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩に対して0.01〜10モル%の範囲で実施可能であるが、0.01モル%以下では、重合反応成績が悪くなる場合があり、また、10モル%以上では、重合開始剤を多量に使用するため経済的ではないため、好ましくは0.01〜10モル%の範囲である。

0048

本発明において、一般式(1)で示されるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩は、水中でα−(トリフルオロメチル)アクリル酸をアルカリと反応させる中和反応により製造することができる。中和反応により系内でα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩の水溶液を調製することができ、その場合はα−(トリフルオロメチル)アクリル酸が強酸であるため、水層のpHをアルカリ添加により調製することでアルカリ水溶液とすることができる。あるいはα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩と水を混合してアルカリを加えてアルカリ性の水溶液として調製してもよい。α−(トリフルオロメチル)アクリル酸からα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩を得る際に使用するアルカリの量はα−(トリフルオロメチル)アクリル酸1モルに対して1〜10モルが好ましく、1〜5モルがさらに好ましい。

0049

アルカリは、水に加えた際にアルカリ性を示すものであればよいが、安価で入手容易なことからアルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化リチウム水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化セシウムがさらに好ましい。これらのアルカリ金属の水酸化物は混合しても用いることもできる。

0050

本発明において、一般式(1)で表わされるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩の乳化重合反応のpHは8〜10の範囲で実施可能であるが、pHが7未満(酸性)では重合反応は起こりにくく、また、11以上では目的のホモポリマーの純度が低下する可能性があるため、好ましくは、pHは8〜10の範囲である。

0051

本発明において、一般式(1)で表わされるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩の乳化重合反応の温度および時間は、反応に具する基質の濃度により異なるが、60℃〜100℃の温度範囲で1時間以上実施することが好ましい。α−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩の乳化重合により得られたα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーは、一般的な手法である濃縮洗浄晶析濾過、乾燥等の操作を組合わせることによって反応液から精製および単離することができる。

0052

本発明において、反応後に溶媒を留去した後に、適当な有機溶媒を用いることでうまく沈殿化させることができる。溶媒としては、調製したポリマーが溶解しない有機溶媒である飽和炭化水素ハロゲン化炭化水素芳香族炭化水素が好ましく、飽和炭化水素としてヘプタンヘキサンペンタンが、ハロゲン化炭化水素としてジクロロメタンクロロホルムが、芳香族炭化水素としてベンゼン、トルエン、キシレンテトラリンがさらに好ましい。沈殿させたポリマーは、濾過し、乾燥させることで得ることができる。

0053

以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。

0054

〔実施例1〕 α−(トリフルオロメチル)アクリル酸ナトリウムホモポリマー
攪拌子具備した100mlフラスコに60mlの水を入れ20分間窒素置換した後、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸(5g、0.0357mol)を溶解させ、水酸化ナトリウムを用いて水溶液のpHを8〜9に調整した。次いで、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(0.5g、0.0021mol)、1−ヨードパーフルオロヘキサン(0.75g、0.0017mol)をフラスコ内に添加し、80℃で16時間反応を実施した。反応後、フラスコを室温まで冷却した後に溶媒を留去し、冷却したn−ペンタン溶液(50ml)中にて沈殿させ、濾過物を乾燥後、淡黄黄色パウダー状のα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ナトリウムホモポリマー(5.5g)を得た。19F−NMR法(溶媒D2O)にて原料のα−(トリフルオロメチル)アクリル酸[δ−65.1ppm(s,CF3)]およびα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ナトリウムホモポリマーの面積比から算出して転化率97%であった(純度95wt.%、収率92%)。副生成物観測されなかった。
19F−NMR(D2O)δ−68.5ppm(s,CF3)

0055

〔実施例2〕 α−(トリフルオロメチル)アクリル酸カリウムホモポリマー
攪拌子を具備した100mlフラスコに60mlの水を入れ20分間窒素置換した後、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸(10.0g、0.0714mol)を溶解させ、水酸化カリウムを用いて水溶液のpHを8〜9に調整した。次いで、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(0.51g、0.0021mol)、1−ヨードパーフルオロヘキサン(1.02g、0.0024mol)をフラスコ内に添加し、80℃で16時間反応を実施した。反応後、フラスコを室温まで冷却した後に溶媒を留去し、冷却したn−ペンタン溶液(60ml)中にて沈殿させ、濾過物を乾燥後、淡黄色パウダー状のα−(トリフルオロメチル)アクリル酸カリウムホモポリマー(11.3g)を得た。実施例1と同様に算出した転化率は74%であった(純度89wt.%、収率66%)。NMR測定の結果、副生成物は観測されなかった。

0056

〔比較例1〕酸性条件下での乳化重合(pH2)
攪拌子を具備した100mlフラスコに60mlの水を入れ20分間窒素置換した後、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸(5g、0.0357mol)を溶解させた(pH=2)。次いで、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(0.5g、0.0021mol)、1−ヨードパーフルオロヘキサン(0.75g、0.0017mol)をフラスコ内に添加し、80℃で16時間反応を実施した。反応後、フラスコを室温まで冷却した後に溶媒を留去し、冷却したペンタン溶液中にて沈殿させ、濾過物を乾燥して19F−NMR法により分析したが、目的物であるα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ナトリウムホモポリマーは観測されず、取得物は原料の−(トリフルオロメチル)アクリル酸のみであった。

実施例

0057

本発明の方法では、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーが簡便かつ劇的に収率良く得られ、工業的に利用が可能であり、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸類のホモポリマーの数々の応用への可能性が広がることとなった。

0058

本発明は、水中でα−(トリフルオロメチル)アクリル酸またはα−(トリフルオロメチル)アクリル酸塩を原料として用いて、アルカリ条件下において連鎖移動剤およびラジカル開始剤を加えて乳化重合させることによってα−(トリフルオロメチル)アクリル酸のホモポリマーを得ることができる。その際、反応溶媒として有機溶媒を使用せずに水中で反応することができ、さらに通常乳化重合で使用される界面活性剤を必要とせずに水中で反応することができ、工業スケールで安全、容易、かつ高い収率で効率よくα−(トリフルオロメチル)アクリル酸ホモポリマーを製造できることから、工業的に有用である。

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