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技術 水素生成装置およびこの水素生成装置を備えている燃料電池システム

出願人 パナソニック株式会社
発明者 前西晃成田悟向井裕二田口清鵜飼邦弘
出願日 2012年3月29日 (7年11ヶ月経過) 出願番号 2012-075749
公開日 2013年10月7日 (6年5ヶ月経過) 公開番号 2013-203616
状態 未査定
技術分野 水素、水、水素化物 燃料電池(システム)
主要キーワード 単一仕様 累積供給量 想定寿命 使用上限 モニター値 DR値 温度上限値 使用上限温度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

水添脱硫仕様水素生成装置において、使用寿命がきた場合にでも水添脱硫部の温度を上昇させることで、継続して使用可能な水素生成装置を提供する。

解決手段

供給された原料ガス中硫黄化合物水素と反応させて除去する脱硫部1と、脱硫部1から送られる原料ガスと水とを水素を含む改質ガスを生成する改質部2と、改質ガス中一酸化炭素を低減して生成ガスを生成するCO除去部3と、脱硫部1を加熱する加熱器と、改質ガス若しくは生成ガスの一部を脱硫部1より上流側で原料ガスに混合するためのリサイクルライン4と、制御器8とを備え、制御器8は、原料ガスを供給している累積供給時間、原料ガスの累積供給量、水素生成装置の累積運転時間のうちのいずれかのファクターが予め定められる閾値以上になった場合、ファクターが閾値未満の場合より、脱硫部1の温度が高くなるように加熱器を制御する水素生成装置。

概要

背景

水素生成装置は、都市ガスLPG等の炭化水素系燃料原料ガスとし、原料ガスと水蒸気とを改質触媒を用いて水蒸気改質反応させることによって、水素メタン一酸化炭素二酸化炭素や水蒸気を成分とする改質ガスを生成する改質部と、改質ガス中の一酸化炭素を変成触媒選択酸化触媒を用いて低減する一酸化炭素低減部とにより構成されている。

ここで、原料ガスである都市ガスやLPG中には、ガス採掘由来硫黄化合物や使用時にガスが漏れた場合に気づくように加えられた付臭剤として硫黄化合物が含まれている。この硫黄化合物は、DMS(サルファイド類)やTBM(メルカプタン類)、THTチオフェン類)などの物質であり、改質触媒や変成触媒、選択酸化触媒に供給されると触媒活性点を覆い、触媒が性能を発揮できない状態としてしまう。したがって、触媒を用いた水素生成装置に供給する原料ガスは、あらかじめ硫黄化合物を除去し、硫黄化合物がほとんど含まれない状態のガスとする必要がある。硫黄化合物を除去する主な方法としては、硫黄化合物をそのままの状態で脱硫剤中に物理吸着させる吸着脱硫方式と、硫黄化合物を水素と反応させることで硫化水素に変えて脱硫剤と化学反応させる化学吸着させる水添脱硫方式とがある。脱硫できる硫黄化合物量は脱硫剤の量でほぼ決まるため、水素生成装置には水素生成装置の使用寿命に応じた脱硫剤の量、あるいは数年毎のメンテナンス時に脱硫剤を交換することを想定した脱硫剤量を搭載している。ここで、吸着脱硫方式は常温での脱硫が可能であるため機器の構成上容易に交換できる仕様とすることが可能であるが、水添脱硫方式は温度を高くする必要がある(例えば、200℃〜300℃)ため、水素生成装置内で高温となる改質部の近くに設置して改質部からの伝熱昇温させたり、脱硫部にヒータバーナなどの昇温機能を設置することで昇温させたりしている。そのため、メンテナンス期間を設けて途中で脱硫部を容易に交換できる構成とすることは難しくなるため、水素生成装置の使用寿命の期間に必要な脱硫剤の量を初めから搭載する必要があった(例えば、特許文献1)。

概要

水添脱硫仕様の水素生成装置において、使用寿命がきた場合にでも水添脱硫部の温度を上昇させることで、継続して使用可能な水素生成装置を提供する。供給された原料ガス中の硫黄化合物を水素と反応させて除去する脱硫部1と、脱硫部1から送られる原料ガスと水とを水素を含む改質ガスを生成する改質部2と、改質ガス中の一酸化炭素を低減して生成ガスを生成するCO除去部3と、脱硫部1を加熱する加熱器と、改質ガス若しくは生成ガスの一部を脱硫部1より上流側で原料ガスに混合するためのリサイクルライン4と、制御器8とを備え、制御器8は、原料ガスを供給している累積供給時間、原料ガスの累積供給量、水素生成装置の累積運転時間のうちのいずれかのファクターが予め定められる閾値以上になった場合、ファクターが閾値未満の場合より、脱硫部1の温度が高くなるように加熱器を制御する水素生成装置。

目的

本発明は、脱硫剤の交換構成が取り難い水添脱硫方式の水素生成装置において、水素生
成装置の想定使用期間である脱硫部の使用寿命となった場合にでも、脱硫剤をそのままの状態で脱硫剤の性能を継続させ、水素生成量を低下させずに運転を継続させる水素生成装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

供給された原料ガス中硫黄化合物水素と反応させて除去する脱硫部と、前記脱硫部から送られる原料ガスと水から水素を含む改質ガスを生成する改質部と、前記改質ガス中一酸化炭素を低減して生成ガスを生成するCO除去部と、前記脱硫部を加熱する加熱器と、制御器と、を備えている水素生成装置であって、前記制御器は、前記原料ガスを供給している累積供給時間、前記原料ガスの累積供給量、前記水素生成装置の累積運転時間のうちのいずれかのファクターが予め定められる閾値以上になった場合、前記ファクターが前記閾値未満の場合より、前記脱硫部の温度が高くなるように前記加熱器を制御する、水素生成装置。

請求項2

前記改質ガス若しくは前記生成ガスの一部を前記脱硫部より上流側で前記原料ガスに混合するためのリサイクルラインを備える、請求項1記載の水素生成装置。

請求項3

前記脱硫部の温度を測定する温度検知部をさらに備え、前記制御器は、前記温度検知部からの情報に基づいて前記加熱器を制御する、請求項1又は2に記載の水素生成装置。

請求項4

前記制御器は、前記ファクターが前記閾値以上になった場合、前記ファクターに基づいて前記脱硫部の温度が高くなるように前記加熱器を制御する、請求項1〜3に記載の水素生成装置。

請求項5

前記制御器は、前記ファクターが前記閾値以上になった場合、前記ファクターが前記閾値未満の場合より高い予め定められる所定温度に前記脱硫部の温度がなるように前記加熱器を制御する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素生成装置。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の水素生成装置と、前記水素生成装置が生成した生成ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池と、を備え、前記制御器は、前記ファクターが前記閾値以上になった場合は、前記ファクターが前記閾値未満の場合より、前記燃料電池が発電する発電量の下限量を上げる、燃料電池システム

技術分野

0001

本発明は、都市ガスLPG等の炭化水素系燃料原料ガスとして、高濃度水素が含まれた生成ガスをつくる水素生成装置に関するものある。また、この水素生成装置でつくられた水素を利用して発電する燃料電池を備えた燃料電池システムにも関わる技術である。

背景技術

0002

水素生成装置は、都市ガスやLPG等の炭化水素系燃料を原料ガスとし、原料ガスと水蒸気とを改質触媒を用いて水蒸気改質反応させることによって、水素やメタン一酸化炭素二酸化炭素や水蒸気を成分とする改質ガスを生成する改質部と、改質ガス中の一酸化炭素を変成触媒選択酸化触媒を用いて低減する一酸化炭素低減部とにより構成されている。

0003

ここで、原料ガスである都市ガスやLPG中には、ガス採掘由来硫黄化合物や使用時にガスが漏れた場合に気づくように加えられた付臭剤として硫黄化合物が含まれている。この硫黄化合物は、DMS(サルファイド類)やTBM(メルカプタン類)、THTチオフェン類)などの物質であり、改質触媒や変成触媒、選択酸化触媒に供給されると触媒活性点を覆い、触媒が性能を発揮できない状態としてしまう。したがって、触媒を用いた水素生成装置に供給する原料ガスは、あらかじめ硫黄化合物を除去し、硫黄化合物がほとんど含まれない状態のガスとする必要がある。硫黄化合物を除去する主な方法としては、硫黄化合物をそのままの状態で脱硫剤中に物理吸着させる吸着脱硫方式と、硫黄化合物を水素と反応させることで硫化水素に変えて脱硫剤と化学反応させる化学吸着させる水添脱硫方式とがある。脱硫できる硫黄化合物量は脱硫剤の量でほぼ決まるため、水素生成装置には水素生成装置の使用寿命に応じた脱硫剤の量、あるいは数年毎のメンテナンス時に脱硫剤を交換することを想定した脱硫剤量を搭載している。ここで、吸着脱硫方式は常温での脱硫が可能であるため機器の構成上容易に交換できる仕様とすることが可能であるが、水添脱硫方式は温度を高くする必要がある(例えば、200℃〜300℃)ため、水素生成装置内で高温となる改質部の近くに設置して改質部からの伝熱昇温させたり、脱硫部にヒータバーナなどの昇温機能を設置することで昇温させたりしている。そのため、メンテナンス期間を設けて途中で脱硫部を容易に交換できる構成とすることは難しくなるため、水素生成装置の使用寿命の期間に必要な脱硫剤の量を初めから搭載する必要があった(例えば、特許文献1)。

先行技術

0004

特開2012−20898号公報

発明が解決しようとする課題

0005

水素生成装置の運転を行うことで使用寿命となり脱硫剤の性能が出なくなった時、吸着脱硫方式では脱硫剤を交換して継続して水素生成措置を使用することが構成上容易であるが、水添脱硫方式では脱硫剤の交換がし難い構成となってしまう。そのため、継続して使用した場合、脱硫剤から硫黄化合物を含んだ原料ガスが送出され、下流の改質触媒が硫黄被毒により劣化し、水素の生成量が低下して水素生成装置として使用できなくなってしまう場合があった。

0006

本発明は、脱硫剤の交換構成が取り難い水添脱硫方式の水素生成装置において、水素生
成装置の想定使用期間である脱硫部の使用寿命となった場合にでも、脱硫剤をそのままの状態で脱硫剤の性能を継続させ、水素生成量を低下させずに運転を継続させる水素生成装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0007

前記従来の課題を解決するために、本発明の水素生成装置は、供給された原料ガス中の硫黄化合物を水素と反応させて除去する脱硫部と、脱硫部から送られる原料ガスと水とを水素を含む改質ガスを生成する改質部と、改質ガス中の一酸化炭素を低減して生成ガスを生成するCO除去部と、脱硫部を加熱する加熱器と、改質ガス若しくは前記生成ガスの一部を脱硫部より上流側で前記原料ガスに混合するためのリサイクルラインと、制御器とを備えている水素生成装置であって、制御器は、前記原料ガスを供給している累積供給時間、原料ガスの累積供給量、水素生成装置の累積運転時間のうちのいずれかのファクターが予め定められる閾値以上になった場合、そのファクターが閾値未満の場合より、脱硫部の温度が高くなるように加熱器を制御するものである。

0008

これによって、水素生成装置が想定の使用寿命である閾値を越えた場合に脱硫部の温度を高くすることで脱硫部での脱硫可能量を拡大させて脱硫機能を維持させ、使用寿命以降も水素生成装置を継続して使用することが可能となる。

0009

また、本発明の水素生成装置は、水素生成装置が生成した生成ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池とを備え、制御器は、ファクターが閾値以上になった場合は、ファクターが閾値未満の場合より、燃料電池が発電する発電量の下限量を上げる燃料電池システムとするものである。

0010

これにより、脱硫部の温度が高くなる低発電量での使用を制限することで脱硫部の温度が低めの運転条件である中発電量から高発電量で使用することとし、その運転条件において加熱器で脱硫部を加熱することで脱硫剤の過昇温を抑えて適正な温度での使用を実現し、使用寿命を越えても水素生成装置を安定して使用することが可能となる。

発明の効果

0011

本発明の水素生成装置は、脱硫剤の使用寿命となった時に脱硫剤使用温度を上昇させることで脱硫性能を少しでも長く維持して触媒劣化が進むことを抑制し、水素生成量を低下させずに運転を継続する水素生成装置を実現することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施の形態1の水素生成装置を示す概略構成
脱硫剤の温度特性を示す図
脱硫部の温度状態を示した図
ヒータにより脱硫部の温度を上昇させた時の脱硫部の温度状態を示した図
本発明の実施の形態2の水素生成装置を示す概略構成図
ヒータで昇温した時の運転負荷に対する脱硫部の温度状態を示した図

実施例

0013

第1の発明の水素生成装置は、供給された原料ガス中の硫黄化合物を水素と反応させて除去する脱硫部と、脱硫部から送られる原料ガスと水とを水素を含む改質ガスを生成する改質部と、改質ガス中の一酸化炭素を低減して生成ガスを生成するCO除去部と、脱硫部を加熱する加熱器と、改質ガス若しくは前記生成ガスの一部を脱硫部より上流側で前記原料ガスに混合するためのリサイクルラインと、制御器とを備えている水素生成装置であって、制御器は、前記原料ガスを供給している累積供給時間、原料ガスの累積供給量、水素生成装置の累積運転時間のうちのいずれかのファクターが予め定められる閾値以上になっ
た場合、ファクターが閾値未満の場合より、脱硫部の温度が高くなるように加熱器を制御するものである。

0014

第1の発明によれば、水素生成装置が想定の使用寿命である閾値を越えた場合でも、脱硫部の温度を高くすることで脱硫部の機能を維持することができ、水素生成装置を継続して使用することが可能となる。

0015

第2の発明の水素生成装置は、脱硫部の温度を測定する温度検知部を備え、制御器は、温度検知部からの情報に基づいて加熱器を制御するものである。

0016

第2の発明によれば、脱硫部の温度を正確に捉えて制御することで、脱硫部の温度を異常高温化することなく水素生成装置を長く使用することが可能となる。

0017

第3の発明の水素生成装置は、制御器は、ファクターが閾値以上になった場合、ファクターに基づいて脱硫部の温度が高くなるように加熱器を制御するものである。

0018

第3の発明によれば、累積供給時間、原料ガスの累積供給量、水素生成装置の累積運転時間のいずれかの値に応じて脱硫部の温度を高くなるように制御することで、脱硫部の温度上昇を必要最低限に抑えることができ、脱硫部の温度上昇にエネルギーを必要最低限とすることができる。

0019

第4の発明の水素生成装置は、制御器は、ファクターが閾値以上になった場合、ファクターが閾値未満の場合より高い予め定められる所定温度に脱硫部の温度がなるように加熱器を制御するものである。

0020

第4の発明によれば、閾値を越えた場合に予め設定した高い所定値とすることで、確実に脱硫部での脱硫性能を維持することができる。

0021

第5の発明の水素生成装置は、水素生成装置が生成した生成ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池とを備え、制御器は、ファクターが閾値以上になった場合は、ファクターが閾値未満の場合より、燃料電池が発電する発電量の下限量を上げる燃料電池システムとするものである。

0022

第5の発明によれば、脱硫部の温度が高くなる低発電量での使用を制限することで脱硫部の温度が低めの運転条件で水素生成装置を使用することとし、その運転条件において加熱器で脱硫部を加熱することで脱硫剤の高温化を抑えて適正な温度で使用することが可能となり、使用寿命を越えても水素生成装置を安定して使用することができるものである。

0023

以下、本発明の実施の形態を図面とともに説明する。

0024

(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における水素生成装置10の概略構成図を示すものである。

0025

水素生成装置10は、原料ガス供給部5より原料ガスが供給される脱硫部1と、脱硫部1からのガスが供給される改質部2と、改質部2からの改質ガスが供給されるCO除去部3が設置されている。脱硫部1は、脱硫部1を加熱するヒータ6と脱硫部1の温度を検知する温度検知部7を有している。CO除去部3からの生成ガスは、その一部が原料ガス供給部5からの原料ガスと混合して改質部2に供給できるようにリサイクルライン4が設置されている。制御器8は原料ガス供給部5、ヒータ6、温度検知部7と電気的に接続する
ことで、原料ガス供給部5からの水素生成装置10の運転情報に基づき、脱硫部1の温度を温度検知部7で検知しながらヒータ6で昇温することができる。原料ガス供給部5は、原料ガスの供給や停止、原料ガスの流量の測定、原料ガスの流量の制御などの機能の一部を有している。脱硫部1には、水素との反応により硫黄化合物を水素化して化学吸着する水添脱硫剤充填されている。水添脱硫剤としては、Cu−Zn、Co−Mo、Zn0などを主成分とした触媒を単一仕様や複数を組み合わせた仕様で構成したりすることができる。改質部2には改質触媒が設置されており、供給された原料ガスと水蒸気からCOを含んだ水素濃度が高い改質ガスを生成する。CO除去部3にはCO除去触媒が設置されており、供給された改質ガス中のCOをシフト反応酸素の供給による選択酸化反応などにより除去し、COをほとんど含まない水素が主成分の生成ガスとして水素生成装置10から送出する。改質触媒としては、Pt、Ru、Rhなどの貴金属やNiなどの卑金属、CO除去触媒としてはPtなどの貴金属やFe−CrやCu−Znなどのシフト反応させる変成触媒やPt、Ru、Rhなどの酸素との混合により選択酸化反応させる選択酸化触媒が用いられる。ヒータ6は、面形状のヒータや棒形状のシーズヒータマイクロヒータを脱硫部1の構造体の外側に巻きつけて脱硫部1全体を加熱できるように構成することができる。また、脱硫部1の内部に棒形状のシーズヒータなどを設置して脱硫剤を直接加熱する構成としても良い。ただし、この場合は設置したヒータ近傍の脱硫剤が局所的に高温化し過ぎて高温劣化しないようにヒータを制御する必要がある。温度検知部7は、熱電対サーミスタなどの温度センサーを用いることができる。原料ガスとしては、都市ガスやLPGなどの炭化水素系燃料を使用することができる。

0026

次に、上記構成において水素生成装置10の動作を説明する。

0027

原料ガス供給部5から供給された硫黄化合物を含む原料ガスは、リサイクルライン4を通って供給されたCO除去部3からの水素を含んだ生成ガスの一部と混合され脱硫部1に供給される。脱硫部1は、周囲に位置する高温の改質部2やCO除去部3などからの伝熱で適温(例えば、200℃〜300℃)に維持されており、原料ガス中に含まれる硫黄化合物は水素との反応が促進されて硫化水素となり、さらに脱硫剤との化学反応により硫化物として脱硫剤上に化学吸着する。そのため、脱硫部1を通過することで原料ガスは硫黄化合物が取り除かれ、硫化物をほとんど含まない原料ガスとして改質部2に供給される。改質部2は、外部に設置したバーナやヒータなどの加熱手段(図示せず)や原料ガス中に空気を供給して改質触媒での酸化反応により生じた熱などにより改質触媒は高温化しており、供給された原料ガスと水蒸気(図示せず)により改質反応が起こり水素とCOを含んだ改質ガスを生成する。CO除去部3では、CO除去部3は高温化した改質部2からの改質ガスや周囲からの熱により昇温しており、シフト反応や選択酸化反応する温度とすることで改質ガス中のCOを除去し、CO濃度を低減した高濃度の水素を含む生成ガスとして水素生成装置10から送出させることができる。

0028

水素生成装置10が想定の使用寿命となった場合、脱硫部1には想定の使用寿命に対応した脱硫材量しか搭載していないため、それ以上の運転を継続すると脱硫剤の性能が維持できずに脱硫部1からは硫黄化合物が送出される。脱硫部1からの原料ガスは改質部2に供給されるが、改質部2の改質触媒は硫黄化合物が供給されると触媒の上流側から触媒劣化が急速に起こりはじめ、水素生成の性能が低下していく。水素生成量が低下すると水素生成装置10としての機能をはたせなくなり水素生成装置10として使用できなくなる。

0029

ここで、図2は脱硫部1に搭載された脱硫剤の脱硫剤温度に対する脱硫性能である脱硫量を示した図である。脱硫剤は温度が高いほど脱硫量が多いことがわかる。

0030

図3は、水素生成装置10運転時の脱硫部1の脱硫剤の温度を示したものである。原料ガス流れの上流部は温度が高く、下流に行くほど温度が低くなっている。脱硫部1では、
原料ガス中の微量の硫黄化合物の脱硫反応であるため発熱吸熱は起こらず、脱硫部1の温度状態は脱硫部1周囲の構成により決まる。そのため、脱硫性能を発揮するために必要な温度(200℃〜300℃)を得ようとすると、高温の改質部2やCO除去部3の近傍に脱硫部1を配置し高温部からの伝熱で温度を維持する必要がある。図3に示した温度状態は、脱硫部1の上流部が高温となる改質部2の温度の高い箇所からの伝熱を受ける位置に配置され、下流に行くほど改質部2から伝熱量が小さくなる構成における温度状態である。したがって、構成に応じては、脱硫部1の上流部が低温となり、下流にいくほど高温となる温度状態となっている場合もある。いずれにしても、脱硫部1内の脱硫剤は周囲からの熱で温度状態が決まり、熱を受ける周囲の高温部には温度分布があるため脱硫剤は均一な温度とはならず、ある程度の温度幅をもった温度分布が付くことになる。図3では、215℃から290℃の75℃の温度幅をもった温度分布となっている。

0031

脱硫部1に搭載する脱硫剤量は、運転時の脱硫剤温度が図3のようになるため、図3の温度状態と図2の脱硫剤の温度特性とから、水素生成装置10の想定使用寿命で供給される硫黄化合物の総量に対して脱硫できる脱硫剤量を算出して搭載している。ここで、図2の脱硫剤の温度特性からわかるように、図3の脱硫剤の温度を全体的に高くすると脱硫量が増えるため、仮に通常運転の温度状態で脱硫性能が出なくなっても脱硫剤温度を上げてやれば脱硫可能量が増えるためさらに脱硫することができる。したがって、水素生成装置10の想定の使用寿命がきた場合に、温度検知部7で脱硫部1の温度をモニターしながらヒータ6で加熱して脱硫部1を昇温させてやれば、脱硫性能を維持することができる。この時の脱硫部1の温度分布の一例を示したものが図4である。それまでの温度より全体的に30℃上昇している。これにより、それまで250℃であった脱硫剤は280℃となり、図2より脱硫量相対値が1.03であったものが1.17と約1.4割脱硫量が上昇している。

0032

したがって、その分硫黄化合物をさらに脱硫することができ、水素生成装置10を継続使用することが可能となる。例えば、想定寿命が運転時間6万時間の水素生成装置10では、6万時間の1.4割である8400時間運転時間を延長することができる。ただし、脱硫部1の高温部の温度が上昇することになる。脱硫剤は高温化し過ぎると、シンタリング炭素析出などにより脱硫剤としての反応性が劣化したり、脱硫剤表面の炭素析出によりガスの流れの均一性乱れ偏流が生じ、脱硫性能が発揮できなくなる可能性が生じる。従って、通常使用する場合には脱硫剤を使用する温度に上限値を設け(例えば310℃)ている。しかし、このような現象はこの上限の温度を少しでも越えると直ぐに生じるものではなく、温度上限値以上で使用し続けるとどこかのタイミングで生じる可能性があるというものである。したがって、水素生成装置10の想定の使用寿命後であれば、上記リスクはあるが脱硫部1の温度を上げて脱硫性能の維持をはかることで少しでも長い時間水素生成装置10を使用し、水素生成装置10の想定より長く使用できるという商品価値を付加することが可能となる。たとえ上記リスクが実際に起こった場合を想定しても、脱硫部1からの硫黄化合物は改質部2などの触媒でトラップされ水素生成装置10から外には排出されないため水素生成装置10以外への影響は及ばない。改質部2では硫黄化合物による劣化により生成する水素生成量が低減し、水素生成装置10を搭載しているシステム(例えば、燃料電池)が水素生成装置10の異常として検知して運転を停止させることになる。これは、本来水素生成装置10の使用寿命が来た段階で行う動作と同じであるため、想定の使用寿命以降に使用できた時間分だけ水素生成装置10を有効に活用することができたことになる。ただ、水素生成装置10運転時にヒータ6を使用するために電気が必要となり、通常運転する時よりも電気使用分だけ単位量の水素を生成するために必要なエネルギーが多くなり、水素生成装置10の効率が低下することにはなる。しかし、多少効率が低下しても想定運転寿命により使用不可となった状態でも停止させることなくさらに運転を可能とさせることで、水素生成装置10をできるだけ長く使用して水素生成装置10の生涯としてのエネルギー効率を向上させることが実現できることになる。

0033

なお、水素生成装置10の想定使用寿命がきたことを認識するファクターとしては、「原料ガスの累積供給時間」や「原料ガスの累積供給量」、「水素生成装置10の累積運転時間」などをモニターし、いずれかのファクターが予め設定された閾値を越えたとき使用寿命がきたと認識すればよい。例えば、制御器8において原料ガス供給部5からの信号により原料ガスを供給している時間を積算して原料ガスの累積供給時間としてモニターし、累積供給時間が4万時間となれば想定寿命がきたとしても良いし、原料ガスの供給量を積算して原料ガスの累積供給量が7200m3としても良い。また、制御器8において、原料ガス供給部5からの信号や他のデバイス(図示せず)などからの信号により水素生成装置10の累積運転時間をモニターして4万時間となれば想定寿命がきたとしても良い。また、上記以外にも脱硫部1の脱硫剤に対する負荷状態を認識できるファクターであればどのようなものでも良く、その閾値の設定することで想定使用寿命がきたことを認識し、脱硫部1の温度を上昇させれば良い。

0034

脱硫部1の温度の上昇方法としては、それぞれのモニター方法において閾値を越えた場合に、温度検知部7の温度をヒータ6により一定値上昇させれば良い。例えば、それまで250℃となっていた温度検知部7の温度を30℃上昇させた280℃になるようにヒータ6を制御器8で制御する。また、一定値温度上昇させるのではなく、閾値を越えた後の各モニター値に応じて温度検知部7の温度を制御しても良い。例えば、閾値を越えた後のモニター値が大きくなるにつれて温度検知部7の温度を閾値になる前の250℃から徐々に増加させる。より具体的には、原料ガスの累積供給時間が2000Hで10℃上昇させるように徐々に増加させる。徐々に増加させることで、温度上昇に必要なヒータに供給する電力量を最低限に抑え、できるだけ少ないエネルギーでの水素生成装置10の運転維持を可能とする。

0035

なお、脱硫部1の昇温手段としては、上記のようなヒータ以外でも脱硫部1を加熱できればどのような手段でも良く、例えばバーナによる直接的な加熱や、バーナからの高温の燃焼ガスによる加熱などを用いても良い。

0036

また、上記ではリサイクルライン4を設けることで原料ガスに水素を混合して脱硫させる水添脱硫方式に対して説明したが、水素を混合せずに脱硫を行う吸着脱硫方式などにおいても脱硫剤の温度を上昇させると脱硫性能が向上する脱硫仕様であればどのような脱硫仕様であってもよい。

0037

以上のような方法を用いれば、水素生成装置10が想定の使用寿命をむかえたとしても、脱硫剤の昇温により少しでも脱硫部性能を維持させ、水素生成装置10の運転継続を実現することができる。

0038

(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における水素生成装置10について説明する。図5は、水素生成装置10を備えた燃料電池システムの概略構成を示した図である。図1と同じ水素生成装置10からの生成ガスと、空気などの酸化剤ガスから発電する燃料電池スタック9を有している。燃料電池スタック9と制御器8は電気的につながり、制御器8により燃料電池スタック9は制御されるようになっている。

0039

以下に実施の形態1と異なる動作のみ説明する。

0040

実施の形態1では、使用寿命となった時に脱硫部1の温度を上昇させたが、実施の形態2では、制御器8で燃料電池スタック9の発電条件に対して制限をかけている。つまり、使用寿命後は低負荷での発電をできなくして発電条件を中負荷以上としている。

0041

図6は、発電負荷に対する脱硫部1内の脱硫剤の温度状態を示したものである。TDRは1が定格発電状態を示すものであり、TDR2/3が定格の2/3の発電状態、TDR1/3が定格の1/3の発電状態を示している。つまり、定格が750Wとすれば、TDR2/3は500W、TDR1/3は250Wとなる。図6は、ある水素発生装置の定格が750Wであるときの温度状態である。発電負荷が小さいほど脱硫剤温度が高くなっていることがわかる。これは、脱硫部1の周囲の高温部から熱を受け脱硫部1は熱バランスするが、脱硫部1を流れるガス流量によってその温度のバランス状態は変わるためである。つまり、発電負荷が小さいガス流量が小さい時は、周囲から同じ熱量を受けた場合、ガス流量が多い時に比べてガスの熱容量が小さいため、温度の上昇が大きくなる。また、水素生成装置10の高温部の構成や脱硫部1の配置にもよるが、脱硫部1の周囲の高温側の熱状態も低流量である発電負荷が小さい方が温度が高くなる場合もある。よって、図6のように脱硫部1内の脱硫剤の温度状態は、ガス流量が小さい低発電状態の方が高くなることがある。

0042

実施の形態2は、使用寿命後は脱硫剤温度が高くなる発電負荷が低発電状態での運転は行わずに、中発電状態以上の運転で使用するものである。具体的には、想定寿命を越えた時には、制御器8で燃料電池スタック9の運転条件の最低をそれまでのTDR1/3から2/3とする。例えば、使用寿命内では、750Wから250Wの間で発電が可能であったものを、750Wから500Wの間での発電とする。使用寿命後、脱硫部1はヒータ6による昇温によりTDR1/3(250W)での温度状態は、脱硫剤の使用上限温度目安である310℃を越える箇所があったが、TDR2/3(500W)では最高でも290℃となり、310℃を下回っている。さらにTDR1(750W)と発電負荷を上げると脱硫剤温度はさらに低下するため、脱硫剤の使用上限目安の310℃より温度は低い状態を保つことができる。よって、使用寿命を越えて水素生成装置10を使用しても、実施の形態1で記載した脱硫剤の高温化によるシンタリングや炭素析出のリスクを回避した状態で安定した運転を継続することができる。ただし、低発電負荷での運転ができなくなるため、発電システムとしての稼働率経済性に対して使用寿命内での使用より悪くなる可能性が生じる。しかし、当初は使用寿命により水素生成装置10が使用できなくなり、燃料電池発電システムを停止せざるをえなかったものを、本発明により使用を継続させることができるため、燃料電池システムの生涯としてのエネルギー効率などの観点でメリットを得ることが可能となる。

0043

なお、上記説明では、使用寿命後の発電負荷の最低負荷を使用寿命内のTDR1/3(250W)からTDR2/3(500W)にする内容であったが、それは一例であり、水素生成装置10の構成により脱硫部1の温度が脱硫剤の使用上限の目安温度以下となる条件であれば、TDR値がTDR3/7であっても、TDR4/5であっても、どのような値でも同様な効果を発揮することができる。

0044

本発明の水素生成装置は、水添脱硫方式の脱硫部を搭載した小型の水素生成装置において、想定運転寿命を過ぎた状態でも可能な限り長く水素生成装置を使用することで生涯としての効率化、使用コストの低減を実現するもので、例えば、家庭用の燃料電池システムへの水素含有の生成ガスを供給する装置として有用である。

0045

1脱硫部
2改質部
3 CO除去部
4リサイクルライン
5原料ガス供給部
6ヒータ
7温度検知部
8制御器
9燃料電池スタック
10 水素生成装置

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