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技術 太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物および太陽熱集熱用反射板の製造方法

出願人 AGC株式会社
発明者 齋藤俊相川将崇増田祥
出願日 2010年7月14日 (10年4ヶ月経過) 出願番号 2010-159858
公開日 2013年10月3日 (7年1ヶ月経過) 公開番号 2013-199507
状態 未査定
技術分野 ソーラーシステム 塗料、除去剤 太陽熱集熱器
主要キーワード 鏡面仕上げ加工 ガラス鏡 ジビニルチオエーテル フッ素付加 非フッ素系樹脂 太陽熱集熱システム 紫外線照射源 フェロセン類
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図面 (3)

課題

耐熱性耐水性等の耐久性に優れ、かつ密着性耐候性耐酸性耐擦傷性および耐衝撃性に優れた塗膜を表面に形成できる太陽熱集熱用反射板表面塗布用塗料組成物、および該塗料組成物を使用した太陽熱集熱用反射板の製造方法の提供を目的とする。

解決手段

フルオロオレフィンに基づく重合単位(α1)と、オキセタニル基または置換基を有するオキセタニル基を有する単量体に基づく重合単位(α2)とを有する含フッ素重合体(A)、光反応開始剤(B)を含有する塗料組成物。また、該塗料組成物を、反射基板の表面に塗布して塗布層を形成した後、光照射により硬化させて塗膜を形成させる太陽熱集熱用反射板の製造方法。

概要

背景

近年、地球環境問題の観点から、化石燃料の使用量を抑える試みが多くなされており、その一つとして太陽熱を利用する太陽熱集熱システムが知られている。太陽熱集熱システムとしては、例えば、水、無機塩等の熱媒を備えた集熱管と、太陽光反射して前記集熱管に集める反射板とを有する太陽熱集熱システムが挙げられる。該太陽熱集熱システムでは、反射板で太陽光を反射して集熱管に集め、その太陽光の熱で集熱管の熱媒を加熱することで熱エネルギーを得る。

太陽熱集熱システムに使用される反射板としては、ガラス基板と、該ガラス基板上に形成された金属反射層とからなる反射基板の金属反射層上に、塗膜裏止め塗膜)が形成された鏡が広く用いられている。該鏡では、裏止め塗膜によって、金属反射層の腐食および変質が抑制される。具体的には、透明なガラス基板に、金属反射層として銀膜を形成する。しかし、銀膜は、非常に酸化されやすい。そのため、銀膜上に、防錆塗料を塗布し、乾燥、硬化させて裏止め塗膜を形成する。また、銀膜上に該銀膜の保護のための銅膜を形成した後、該銅膜上にさらに前記防錆塗料による塗膜を形成する場合もある。
前記防錆塗料としては、アルキッド樹脂系塗料エポキシ樹脂系塗料アクリル樹脂系塗料ポリエステル樹脂系塗料等が使用される。しかし、前記防錆塗料を使用した場合、塗料の乾燥、硬化に時間を要するため、鏡の生産性が低い。また、塗料の乾燥、硬化に大量の熱エネルギーを必要とするため、生産コストが高騰する。そこで、以下に示す鏡の製造方法が示されている。
(i)紫外線硬化型塗料を利用して裏止め塗膜を形成する鏡の製造方法(特許文献1)。
(ii)電子線硬化型塗料を利用して裏止め塗膜を形成する鏡の製造方法(特許文献2)。
製造方法(i)および(ii)ではいずれも、塗料の主成分として、アクリル系モノマーおよびアクリル系オリゴマーを使用しており、硬化速度が速く生産性の面で有利である。

しかし、製造方法(i)および(ii)で使用されるアクリル系モノマーおよびアクリル系オリゴマーは、硬化の際に、空気中の酸素による硬化阻害を受けやすい。そのため、窒素雰囲気中で硬化させる等の対応が必要であり、製造工程の管理が難しい。また、製造方法(i)および(ii)により製造する鏡は、屋内で使用することを想定している。そのため、形成される塗膜は、太陽熱集熱用反射板のように、砂漠等の屋外に長期間曝される苛酷使用環境は考慮されていない。太陽熱集熱用反射板では、長期間、砂漠等の屋外で使用されることにより、以下の問題が生じる。
(1)塗膜の熱による膨張収縮によって、塗膜が反射基板から剥離する。
(2)塗膜の吸湿、吸水によって金属反射層や反射基板が酸化され、反射板の反射率が低下する。
(3)太陽熱集熱用反射板の塗膜は露出している場合が多いため、砂等の衝突や太陽光、酸性雨によって塗膜が劣化する。
以上のように、太陽熱集熱用反射板には、生産性に優れ、製造工程の管理が容易であることに加え、形成される塗膜が、前記問題(1)、(2)を解決するために耐熱性防湿性耐水性等の耐久性が優れていること、および問題(3)を解決するために耐候性耐酸性耐擦傷性耐衝撃性が優れていることが求められる。

一方、太陽熱集熱システムには、太陽光を反射させる反射板として、アルミニウムアルミニウム合金ステンレス等の金属からなる反射基板の表面に、鏡面仕上げ面(反射面)を形成した太陽熱集熱用反射板も広く用いられている。該太陽熱集熱用反射板は、屋外で使用されるため、高い反射率を長期間維持する目的で反射面を保護する試みがなされている。例えば、以下の太陽熱集熱用反射板が示されている。
(iii)アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる反射基板上に、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体樹脂被覆して保護層を形成した太陽熱集熱用反射板(特許文献3)。
(iv)アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる反射基板上に、ポリシロキサンゾルゲルラッカーからなる保護層を形成した太陽熱集熱用反射板(特許文献4)。

しかし、太陽熱集熱用反射板(iii)および(iv)は、耐候性が充分とは言えず、また塗膜の機能と生産性の両立の面でも充分とは言えない。

概要

耐熱性、耐水性等の耐久性に優れ、かつ密着性、耐候性、耐酸性、耐擦傷性および耐衝撃性に優れた塗膜を表面に形成できる太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物、および該塗料組成物を使用した太陽熱集熱用反射板の製造方法の提供を目的とする。フルオロオレフィンに基づく重合単位(α1)と、オキセタニル基または置換基を有するオキセタニル基を有する単量体に基づく重合単位(α2)とを有する含フッ素重合体(A)、光反応開始剤(B)を含有する塗料組成物。また、該塗料組成物を、反射基板の表面に塗布して塗布層を形成した後、光照射により硬化させて塗膜を形成させる太陽熱集熱用反射板の製造方法。なし

目的

本発明は、耐熱性、耐水性等の耐久性に優れ、かつ密着性、耐候性、耐酸性、耐擦傷性および耐衝撃性に優れた塗膜を、表面に有する太陽熱集熱用反射板を高い生産性で製造できる、太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物、および該塗料組成物を使用した太陽熱集熱用反射板の製造方法の提供を目的とする

効果

実績

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請求項1

フルオロオレフィンに基づく重合単位(α1)と、オキセタニル基、または置換基を有するオキセタニル基を有する単量体に基づく重合単位(α2)とを有する含フッ素重合体(A)、光反応開始剤(B)を含有する太陽熱集熱用反射板表面塗布用塗料組成物

請求項2

前記含フッ素重合体(A)中の全重合単位における重合単位(α1)および重合単位(α2)を合計した含有割合が30モル%以上であり、重合単位(α1)と重合単位(α2)のモル比(α1/α2)が20/80〜80/20である請求項1に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。

請求項3

前記含フッ素重合体(A)が、アルキルビニルエーテル類、アルキルビニルエステル類アルキルアリルエーテル類、α−不飽和環状エーテル類および(メタアクリル酸エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体に基づく重合単位(α3)を有する重合体である請求項1または2に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。

請求項4

前記含フッ素重合体(A)中の全重合単位における重合単位(α3)の含有割合が5〜50モル%である請求項3に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。

請求項5

前記含フッ素重合体(A)が、架橋性基(オキセタニル基、および置換基を有するオキセタニル基を除く。)を有する単量体に基づく重合単位(α4)を有する含フッ素重合体である請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。

請求項6

前記含フッ素重合体(A)中の全重合単位における重合単位(α4)の含有割合が1〜20モル%である請求項5に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。

請求項7

前記含フッ素重合体(A)が、アルキルビニルエーテル類、アルキルビニルエステル類、アルキルアリルエーテル類、α−不飽和環状エーテル類、および(メタ)アクリル酸エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体に基づく重合単位(α3)、ならびに架橋性基(オキセタニル基、および置換基を有するオキセタニル基を除く。)を有する単量体に基づく重合単位(α4)を含有し、かつ重合単位(α3)と重合単位(α4)のモル比(α3/α4)が、5/20〜50/1である請求項1〜6のいずれか一項に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。

請求項8

前記含フッ素重合体(A)中のオキセタニル基、または置換基を有するオキセタニル基との反応により化学結合を形成する反応性官能基を1分子中に2個以上有する化合物(C)を含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。

請求項9

顔料成分(D)を含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。

請求項10

反射基板の表面に、請求項1〜9のいずれか一項に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物を塗布して塗布層を形成した後、光照射により硬化させて塗膜を形成させる太陽熱集熱用反射板の製造方法。

請求項11

反射基板が、一方の面に金属および金属酸化物の少なくとも一方からなる反射層を有するガラス基板からなる反射基板(I)である請求項10に記載の太陽熱集熱用反射板の製造方法。

請求項12

反射基板が、金属からなる基板反射面側鏡面仕上げになっている反射基板(II)である請求項10に記載の太陽熱集熱用反射板の製造方法。

請求項13

反射基板が、金属からなる基板の反射面側に金属および金属酸化物の少なくとも一方からなる反射層が形成された反射基板(III)である請求項10に記載の太陽熱集熱用反射板の製造方法。

請求項14

金属からなる基板が、アルミニウムアルミニウム合金およびステンレスからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる基板である請求項12または13に記載の太陽熱集熱用反射板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、太陽熱集熱用反射板表面塗布用塗料組成物および太陽熱集熱用反射板の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、地球環境問題の観点から、化石燃料の使用量を抑える試みが多くなされており、その一つとして太陽熱を利用する太陽熱集熱システムが知られている。太陽熱集熱システムとしては、例えば、水、無機塩等の熱媒を備えた集熱管と、太陽光反射して前記集熱管に集める反射板とを有する太陽熱集熱システムが挙げられる。該太陽熱集熱システムでは、反射板で太陽光を反射して集熱管に集め、その太陽光の熱で集熱管の熱媒を加熱することで熱エネルギーを得る。

0003

太陽熱集熱システムに使用される反射板としては、ガラス基板と、該ガラス基板上に形成された金属反射層とからなる反射基板の金属反射層上に、塗膜裏止め塗膜)が形成された鏡が広く用いられている。該鏡では、裏止め塗膜によって、金属反射層の腐食および変質が抑制される。具体的には、透明なガラス基板に、金属反射層として銀膜を形成する。しかし、銀膜は、非常に酸化されやすい。そのため、銀膜上に、防錆塗料を塗布し、乾燥、硬化させて裏止め塗膜を形成する。また、銀膜上に該銀膜の保護のための銅膜を形成した後、該銅膜上にさらに前記防錆塗料による塗膜を形成する場合もある。
前記防錆塗料としては、アルキッド樹脂系塗料エポキシ樹脂系塗料アクリル樹脂系塗料ポリエステル樹脂系塗料等が使用される。しかし、前記防錆塗料を使用した場合、塗料の乾燥、硬化に時間を要するため、鏡の生産性が低い。また、塗料の乾燥、硬化に大量の熱エネルギーを必要とするため、生産コストが高騰する。そこで、以下に示す鏡の製造方法が示されている。
(i)紫外線硬化型塗料を利用して裏止め塗膜を形成する鏡の製造方法(特許文献1)。
(ii)電子線硬化型塗料を利用して裏止め塗膜を形成する鏡の製造方法(特許文献2)。
製造方法(i)および(ii)ではいずれも、塗料の主成分として、アクリル系モノマーおよびアクリル系オリゴマーを使用しており、硬化速度が速く生産性の面で有利である。

0004

しかし、製造方法(i)および(ii)で使用されるアクリル系モノマーおよびアクリル系オリゴマーは、硬化の際に、空気中の酸素による硬化阻害を受けやすい。そのため、窒素雰囲気中で硬化させる等の対応が必要であり、製造工程の管理が難しい。また、製造方法(i)および(ii)により製造する鏡は、屋内で使用することを想定している。そのため、形成される塗膜は、太陽熱集熱用反射板のように、砂漠等の屋外に長期間曝される苛酷使用環境は考慮されていない。太陽熱集熱用反射板では、長期間、砂漠等の屋外で使用されることにより、以下の問題が生じる。
(1)塗膜の熱による膨張収縮によって、塗膜が反射基板から剥離する。
(2)塗膜の吸湿、吸水によって金属反射層や反射基板が酸化され、反射板の反射率が低下する。
(3)太陽熱集熱用反射板の塗膜は露出している場合が多いため、砂等の衝突や太陽光、酸性雨によって塗膜が劣化する。
以上のように、太陽熱集熱用反射板には、生産性に優れ、製造工程の管理が容易であることに加え、形成される塗膜が、前記問題(1)、(2)を解決するために耐熱性防湿性耐水性等の耐久性が優れていること、および問題(3)を解決するために耐候性耐酸性耐擦傷性耐衝撃性が優れていることが求められる。

0005

一方、太陽熱集熱システムには、太陽光を反射させる反射板として、アルミニウムアルミニウム合金ステンレス等の金属からなる反射基板の表面に、鏡面仕上げ面(反射面)を形成した太陽熱集熱用反射板も広く用いられている。該太陽熱集熱用反射板は、屋外で使用されるため、高い反射率を長期間維持する目的で反射面を保護する試みがなされている。例えば、以下の太陽熱集熱用反射板が示されている。
(iii)アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる反射基板上に、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体樹脂被覆して保護層を形成した太陽熱集熱用反射板(特許文献3)。
(iv)アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる反射基板上に、ポリシロキサンゾルゲルラッカーからなる保護層を形成した太陽熱集熱用反射板(特許文献4)。

0006

しかし、太陽熱集熱用反射板(iii)および(iv)は、耐候性が充分とは言えず、また塗膜の機能と生産性の両立の面でも充分とは言えない。

先行技術

0007

特開昭54−100414号公報
特開昭59−174546号公報
特開昭58−64452号公報
特表2003−532925号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、耐熱性、耐水性等の耐久性に優れ、かつ密着性、耐候性、耐酸性、耐擦傷性および耐衝撃性に優れた塗膜を、表面に有する太陽熱集熱用反射板を高い生産性で製造できる、太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物、および該塗料組成物を使用した太陽熱集熱用反射板の製造方法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]フルオロオレフィンに基づく重合単位(α1)と、オキセタニル基、または置換基を有するオキセタニル基を有する単量体に基づく重合単位(α2)とを有する含フッ素重合体(A)、光反応開始剤(B)を含有する太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。
[2]前記含フッ素重合体(A)中の全重合単位における重合単位(α1)および重合単位(α2)を合計した含有割合が30モル%以上であり、重合単位(α1)と重合単位(α2)のモル比(α1/α2)が20/80〜80/20である[1]に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。
[3]前記含フッ素重合体(A)が、アルキルビニルエーテル類、アルキルビニルエステル類アルキルアリルエーテル類、α−不飽和環状エーテル類および(メタアクリル酸エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体に基づく重合単位(α3)を有する重合体である[1]または[2]に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。
[4]前記含フッ素重合体(A)中の全重合単位における重合単位(α3)の含有割合が5〜50モル%である[3]に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。
[5]前記含フッ素重合体(A)が、架橋性基(オキセタニル基、および置換基を有するオキセタニル基を除く。)を有する単量体に基づく重合単位(α4)を有する含フッ素重合体である[1]〜[4]のいずれかに記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。
[6]前記含フッ素重合体(A)中の全重合単位における重合単位(α4)の含有割合が1〜20モル%である[5]に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。
[7]前記含フッ素重合体(A)が、アルキルビニルエーテル類、アルキルビニルエステル類、アルキルアリルエーテル類、α−不飽和環状エーテル類、および(メタ)アクリル酸エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体に基づく重合単位(α3)、ならびに架橋性基(オキセタニル基、および置換基を有するオキセタニル基を除く。)を有する単量体に基づく重合単位(α4)を含有し、かつ重合単位(α3)と重合単位(α4)のモル比(α3/α4)が、5/20〜50/1である[1]〜[6]のいずれか一項に記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。
[8]前記含フッ素重合体(A)中のオキセタニル基、または置換基を有するオキセタニル基との反応により化学結合を形成する反応性官能基を1分子中に2個以上有する化合物(C)を含有する[1]〜[7]のいずれかに記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。
[9]顔料成分(D)を含有する[1]〜[8]のいずれかに記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物。
[10]反射基板の表面に、[1]〜[9]のいずれかに記載の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物を塗布して塗布層を形成した後、光照射により硬化させて塗膜を形成させる太陽熱集熱用反射板の製造方法。
[11]反射基板が、一方の面に金属および金属酸化物の少なくとも一方からなる反射層を有するガラス基板からなる反射基板(I)である[10]に記載の太陽熱集熱用反射板の製造方法。
[12]反射基板が、金属からなる基板反射面側鏡面仕上げになっている反射基板(II)である[10]に記載の太陽熱集熱用反射板の製造方法。
[13]反射基板が、金属からなる基板の反射面側に金属および金属酸化物の少なくとも一方からなる反射層が形成された反射基板(III)である[10]に記載の太陽熱集熱用反射板の製造方法。
[14]金属からなる基板が、アルミニウム、アルミニウム合金およびステンレスからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる基板である[12]または[13]に記載の太陽熱集熱用反射板の製造方法。

発明の効果

0010

本発明の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物を使用すれば、耐熱性、耐水性等の耐久性に優れ、かつ密着性、耐候性、耐酸性、耐擦傷性および耐衝撃性に優れた塗膜を表面に有する太陽熱集熱用反射板を高い生産性で簡便に製造できる。
また、本発明の製造方法によれば、耐熱性、耐水性等の耐久性に優れ、かつ密着性、耐候性、耐酸性、耐擦傷性および耐衝撃性に優れた塗膜を表面に有する太陽熱集熱用反射板を高い生産性で簡便に製造できる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の太陽熱集熱用反射板の製造工程を示した断面図である。
本発明の太陽熱集熱用反射板の製造工程を示した断面図である。
本発明の太陽熱集熱用反射板の製造工程を示した断面図である。

0012

本発明においては、単量体が重合することで形成される重合単位を「単位」という。また、本明細書においては、(メタ)アクリル酸との記載は、アクリル酸とメタクリル酸の少なくとも一方を示す。

0013

<太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物>
本発明の太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物(以下、単に「塗料組成物」ともいう。)は、フルオロオレフィンに基づく重合単位(α1)と、オキセタニル基または置換基を有するオキセタニル基を有する単量体に基づく重合単位(α2)とを有する含フッ素重合体(A)、光反応開始剤(B)を必須成分として含む組成物である。

0014

[含フッ素重合体(A)]
本発明における含フッ素重合体(A)は、後述する光反応開始剤(B)の存在下、硬化して塗膜を形成できる含フッ素重合体である。含フッ素重合体(A)は、フルオロオレフィンに基づく単位(α1)と、オキセタニル基または置換基を有するオキセタニル基を有する単量体に基づく単位(α2)とを有する。

0015

(単位(α1))
単位(α1)は、フルオロオレフィンに基づく単位である。
フルオロオレフィンは、オレフィン炭化水素一般式CnH2n)の水素原子の1個以上がフッ素原子置換された化合物である。
フルオロオレフィンの炭素数は、2〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。
フルオロオレフィンにおけるフッ素原子の数(以下、「フッ素付加数」という。)は、2以上が好ましく、3〜4がより好ましい。フッ素付加数が2以上であれば、塗膜の耐候性が向上する。フルオロオレフィンにおいては、フッ素原子で置換されていない水素原子の1個以上が塩素原子で置換されていてもよい。

0016

フルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレンクロロトリフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンおよびフッ化ビニルからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンがより好ましい。
含フッ素重合体(A)に含まれる単位(α1)は、1種のみであってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
単位(α1)としては、フルオロオレフィンを重合することで直接形成される繰り返し単位が好ましい。

0017

(単位(α2))
単位(α2)は、オキセタニル基を有する単量体(以下、「単量体(a21)」という。)または置換基を有するオキセタニル基を有する単量体(以下、「単量体(a22)」という。)に基づく単位である。
単量体(a21)としては、オキセタニル基を有するビニルエーテル、オキセタニル基を有するアリルエーテル、オキセタニル基を有するイソプロペニルエーテル、オキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。具体的には、3−エチル−3−ビニロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(4−ビニロキシシクロキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−アリロキシメチルオキセタン、3−メタクリロキシメチル−3−エチルオキセタン、3−アクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン等が挙げられる。なかでも、オキセタニル基を有するビニルエーテルが好ましく、3−エチル−3−ビニロキシメチルオキセタンがより好ましい。

0018

単量体(a22)は、オキセタニル基のオキセタン環に含まれる炭素原子のいずれか1個以上の炭素原子に置換基を有する単量体である。置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基炭素炭素原子間エーテル性酸素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
単量体(a22)としては、前記したオキセタニル基を有する単量体におけるオキセタン環の3位に置換基を有する単量体が好ましい。

0019

単位(α2)を形成する単量体としては、入手性およびフルオロオレフィンとの交互共重合性の点から、単量体(a21)が好ましく、3−エチル−3−ビニロキシメチルオキセタンが特に好ましい。
含フッ素重合体(A)に含まれる単位(α2)は、1種のみであってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
オキセタニル基および置換基を有するオキセタニル基(以下、オキセタニル基と置換基を有するオキセタニル基を合せて、「(置換)オキセタニル基」ということがある。)は反応性が高く、硬化速度が速い。また、塗布、硬化の際に作業環境(特に、酸素)の影響を受けない。そのため、塗布から硬化完了までの時間を短縮し、生産性を向上させることができる。

0020

(単位(α3))
本発明における含フッ素重合体(A)は、太陽熱集熱用反射板における塗膜と、該塗膜が形成される基材との密着性をより一層向上させる点から、単位(α1)と単位(α2)に加えて、アルキルビニルエーテル類、アルキルビニルエステル類、アルキルアリルエーテル類、α−不飽和環状エーテル類、(メタ)アクリル酸エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体(以下、「単量体(a3)」という。)に基づく単位(α3)を有することが好ましい。

0021

アルキルビニルエーテル類としては、エチルビニルエーテルブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル等が挙げられる。
アルキルビニルエステル類としては、酢酸ビニルピバリン酸ビニル安息香酸ビニル等が挙げられる。
アルキルアリルエーテル類としては、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等が挙げられる。
α−不飽和環状エーテル類としては、2,3−ジヒドロフラン、4−メチル−2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル等が挙げられる。

0022

単量体(a3)のなかでも、塗膜の耐擦傷性、耐チッピング性、柔軟性の点から、炭素数1〜10のアルキル基を有する単量体が好ましく、エチル基シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基を有する単量体が好ましく、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルがさらに好ましく、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルが特に好ましい。
含フッ素重合体(A)に含まれる他の単位(α3)は、1種のみであってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。

0023

(単位(α4))
また、本発明における含フッ素重合体(A)は、単位(α1)と単位(α2)に加えて、架橋性基(オキセタニル基、および置換基を有するオキセタニル基を除く。)を有する単量体(以下、「単量体(a4)」という。)に基づく単位(α4)を有することが好ましい。前記架橋性基とは、互いに、もしくは硬化剤と反応し、または(置換)オキセタニル基と反応し、化学結合(架橋)を形成する官能基であって、(置換)オキセタニル基以外の官能基である。架橋性基は、重合体間等において化学結合を形成することにより、塗膜の強靭性耐溶剤性を高める役割を果たす。

0024

一方、太陽熱集熱用反射板は、太陽光を集めるという目的から、太陽光照射面が凹状となるように湾曲している場合が多い。本発明の太陽熱集熱用反射板の製造方法においては、塗料組成物からなる塗膜層に光照射することによって塗膜層を硬化させるが、光照射の際に反射板の形状のために場所によっては光の照射強度にばらつきが生じ、局所的に硬化不良等の問題が生じる場合がある。その場合には、光照射以外の方法で単位(α4)中の架橋性基を、互いに、もしくは別途添加する硬化剤と反応させることにより、化学結合(架橋)を形成することにより塗膜層を硬化させて、硬化不良を改善することが好ましい。化学結合(架橋)の形成は、光照射と同時または光照射後に行うことが好ましい。
前記架橋性基としては、水酸基アルコキシシリル基エポキシ基カルボキシル基イソシアネート基アミノ基が好ましく、光照射以外で最も簡便な熱、湿気による架橋反応を採用できることから、水酸基、アルコシキシリル基がより好ましい。
水酸基、アルコキシシリル基は、架橋性基として作用するだけでなく、基材(反射層、もしくは、本発明の塗料組成物により形成する塗膜と反射層の間に形成された塗膜層)との密着性を向上する効果をももたらす。

0025

架橋性基が水酸基の場合、水酸基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類ジエチレングリコールモノビニルエーテルトリエチレングリコールモノビニルエーテルテトラエチレングリコールモノビニルエーテル等のエチレングリコールモノビニルエーテル類;ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル類;ヒドロキシエチルビニルエステル、ヒドロキシブチルビニルエステル等のヒドロキシアルキルビニルエステル類;ヒドロキシエチルアリルエステル、ヒドロキシブチルアリルエステル等のヒドロキシアルキルアリルエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類等が挙げられる。
なかでも、水酸基を有する単量体としては、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類が好ましく、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルがより好ましく、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルがさらに好ましい。

0026

架橋性基がカルボキシル基の場合、カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、10−ウンデセン酸、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸クロトン酸桂皮酸等の不飽和カルボン酸類ビニルオキシ吉草酸、3−ビニルオキシプロピオン酸、3−(2−ビニルオキシブトキシカルボニル)プロピオン酸、3−(2−ビニルオキシエトキシカルボニル)プロピオン酸等の飽和カルボン酸ビニルエーテル類;アリルオキシ吉草酸、3−アリルオキシプロピオン酸、3−(2−アリロキシブトキシカルボニル)プロピオン酸、3−(2−アリロキシエトキシカルボニル)プロピオン酸等の飽和カルボン酸アリルエーテル類;3−(2−ビニロキシエトキシカルボニル)プロピオン酸、3−(2−ビニロキシブトキシカルボニル)プロピオン酸等のカルボン酸ビニルエーテル類;アジピン酸モノビニル、こはく酸モノビニル、フタル酸ビニル、ピロメリット酸ビニル等の飽和多価カルボン酸モノビニルエステル類;イタコン酸マレイン酸フマル酸マレイン酸無水物、イタコン酸無水物等の不飽和ジカルボン酸類またはその分子内酸無水物イタコン酸モノエステルマレイン酸モノエステル、フマル酸モノエステル等の不飽和カルボン酸モノエステル類等が挙げられる。また、酸無水物基を有する化合物と、水酸基を有する単量体とを反応させることで得られる単量体も挙げられる。
なかでも、カルボキシル基を有する単量体としては、不飽和カルボン酸、酸無水物基を有する化合物と水酸基を有する単量体とを反応させることで得られる単量体が好ましく、酸無水物基を有する化合物と水酸基を有する単量体とを反応させることで得られる単量体がより好ましい。

0027

架橋性基がアルコキシシリル基の場合、アルコキシシリル基を有する単量体としては、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラントリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル、ビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。また、イソシアネート基と、アルコキシシリル基を有する化合物を、前記水酸基を有する単量体と反応させることで得られる単量体も挙げられる。
なかでも、アルコキシシリル基を有する単量体としては、ビニルトリエトキシシラン、トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル、イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物を、前記水酸基を有する単量体と反応させることで得られる単量体が好ましく、イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物を、前記水酸基を有する単量体と反応させることで得られる単量体がより好ましい。

0028

架橋性基がアミノ基の場合、アミノ基を有する単量体としては、アリルアミン類アミノメチルスチレンビニルアミンアクリルアミドビニルアセトアミドビニルホルムアミドアミノプロピルビニルエーテルジエチルアミノエチルビニルエーテル、1−ビニルイミダゾール、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。
なかでも、アミノ基を有する単量体としては、アミノプロピルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテルが好ましく、ジエチルアミノエチルビニルエーテルがより好ましい。

0029

架橋性基がイソシアネート基の場合、イソシアネート基を有する単量体としては、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、2−イソシアネートエチルエトキシメタクリレート、2−イソシアネートエチルビニルエーテル等が挙げられる。
なかでも、イソシアネート基を有する単量体としては、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレートが好ましく、2−イソシアネートエチルアクリレートがより好ましい。

0030

架橋性基がエポキシ基の場合、エポキシ基を有する単量体としては、グリシジルビニルエーテル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルメチルビニルエーテル、4−ビニロキシメチルシクロへキシルグリシジルエーテル等が挙げられる。
なかでも、エポキシ基を有する単量体としては、3,4−エポキシシクロへキシルメチルビニルエーテル、4−ビニロキシメチルシクロへキシルグリシジルエーテルが好ましく、4−ビニロキシメチルシクロへキシルグリシジルエーテルがより好ましい。

0031

単量体(a4)としては、フルオロオレフィンとの交互共重合性に優れ、一般的な架橋反応が採用でき、形成される塗膜の耐久性、耐候性、耐擦傷性および耐衝撃性が向上する点から、水酸基を有する単量体がより好ましく、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルがさらに好ましく、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルが特に好ましい。
含フッ素重合体(A)に含まれる他の単位(α4)は、1種のみであってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。

0032

さらに、含フッ素重合体(A)は、単位(α1)〜単位(α4)以外の単位を有してもよい。例えば、形成される塗膜の柔軟性を向上させる目的で、エチレン、イソブチレン等のオレフィン類に基づく単位を有してもよい。また、塗膜の難燃性を付与する目的で、ビニルリン酸、ビニルリン酸ジメチルエステル等のリン原子を有する単量体に基づく単位を有してもよい。

0033

含フッ素重合体(A)は、単位(α1)および単位(α2)を必須の単位として有する重合体であり、単位(α1)および単位(α2)に加えて、単位(α3)および単位(α4)の少なくとも一方を有する重合体が好ましく、単位(α1)〜単位(α4)を有する重合体がより好ましい。

0034

好ましい含フッ素重合体(A)は、以下の組み合わせを有する含フッ素重合体(A1)である。
(A1)単位(α1)として、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンおよびフッ化ビニルからなる群から選ばれる1種以上に基づく単位を有し、
単位(α2)として、単量体(a21)であるオキセタニル基を有するビニルエーテルの1種以上に基づく単位を有し、
単位(α3)として、アルキルビニルエーテル類に基づく単位を有し、
単位(α4)として、水酸基を有する単量体に基づく単位を有する重合体。

0035

より好ましい含フッ素重合体(A)は、以下の組み合わせを有する含フッ素重合体(A11)である。
(A11)単位(α1)として、テトラフルオロエチレンおよびクロロトリフルオロエチレンの少なくとも一方に基づく単位を有し、
単位(α2)として、単量体(a21)である3−エチル−3−ビニロキシメチルオキセタンに基づく単位を有し、
単位(α3)として、エチルビニルエーテルおよびシクロヘキシルビニルエーテルの少なくとも一方に基づく単位を有し、
単位(α4)として、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルおよび4−ヒドロキシブチルビニルエーテルの少なくとも一方に基づく単位を有する重合体。

0036

含フッ素重合体(A)において、単位(α1)と単位(α2)のモル比(α1/α2)は、20/80〜80/20が好ましく、30/70〜70/30モル%がより好ましく、40/60〜60/40モル%がより好ましい。モル比(α1/α2)の前記含有量が下限値以上であれば、形成される塗膜の耐候性が向上する。また、含フッ素重合体(A)の安定性が向上し、塗料組成物のポットライフが向上する。モル比(α1/α2)の前記含有量が上限値以下であれば、光硬化性がより良好となり、未反応物が塗膜に残存して塗膜の耐久性が低下することを抑制しやすい。
含フッ素重合体(A)において、単位(α1)と単位(α2)を合計した含有割合は、含フッ素重合体(A)における全単位の合計に対して、30モル%以上が好ましく、40〜90モル%がより好ましく、50〜80モル%がさらに好ましい。前記単位(α1)と単位(α2)を合計した含有割合が前記範囲内であれば、耐候性が向上し、かつ架橋密度を高くなることで、塗膜の耐熱性、耐湿性、耐擦傷性、耐衝撃性が向上する。なお、前記単位(α1)と単位(α2)を合計した含有割合が100モル%とは、含フッ素重合体(A)が単位(α1)と単位(α2)からなる重合体であることを意味する。

0037

含フッ素重合体(A)中の単位(α3)の含有量は、含フッ素重合体(A)における全単位の合計に対して、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましい。単位(α3)の含有量が下限値以上であれば、形成した塗膜と基材との密着性が向上する。単位(α3)の含有量が上限値以下であれば、塗膜の耐候性の低下を抑制しつつ、基材との密着性が向上する等の効果が得られる。

0038

含フッ素重合体(A)中の単位(α4)の含有量は、含フッ素重合体(A)における全単位の合計に対して、1〜20モル%が好ましく、3〜15モル%がより好ましい。単位(α4)の含有量が下限値以上であれば、塗膜の強靭性、耐溶剤性が向上する。単位(α4)の含有量が上限値以下であれば、塗膜の耐候性の低下を抑制しつつ、塗膜の強靭性、耐溶剤性が向上する等の効果が得られる。

0039

また、含フッ素重合体(A)が単位(α3)および単位(α4)を有する場合、単位(α3)と単位(α4)のモル比(α3/α4)は、5/20〜50/1が好ましい。モル比(α3/α4)が下限値以上であれば、ゲル化等による貯蔵安定性の低下を抑制しやすい。モル比(α3/α4)が上限値以下であれば、後述する化合物(C)との相溶性に優れ、均一な硬化膜が得られやすい。また、顔料成分の分散性にも優れる。
含フッ素重合体(A)における各単位の含有量は、含フッ素重合体(A)を得るための重合反応における、各単量体の仕込み量および反応条件により制御できる。

0040

含フッ素重合体(A)としては、単位(α1)を30〜70モル%有し、単位(α2)を3〜30モル%有し、単位(α3)を5〜50モル%有し、単位(α4)を1〜20モル%有し(ただし、単位(α1)〜(α4)の合計が100モル%である。)、モル比(α1/α2)が20/80〜80/20であり、モル比(α3/α4)が5/20〜50/1の重合体が好ましい。

0041

また、含フッ素重合体(A)としては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンおよびフッ化ビニルからなる群から選ばれる1種以上に基づく単位(α1)を30〜70モル%有し、単量体(a21)であるオキセタニル基を有するビニルエーテルの1種以上に基づく単位(α2)を3〜30モル%有し、単量体(a3)であるアルキルビニルエーテル類に基づく単位(α3)を5〜50モル%有し、単量体(a4)である水酸基を有する単量体に基づく単位(α4)を1〜20モル%有し、モル比(α1/α2)が20/80〜80/20であり、モル比(α3/α4)が5/20〜50/1の重合体がより好ましい。

0042

また、含フッ素重合体(A)としては、テトラフルオロエチレンおよびクロロトリフルオロエチレンの少なくとも一方に基づく単位(α1)を30〜70モル%有し、単量体(a21)である3−エチル−3−ビニロキシメチルオキセタンに基づく単位(α2)を3〜30モル%有し、単量体(a3)であるエチルビニルエーテルおよびシクロヘキシルビニルエーテルの少なくとも一方に基づく単位(α3)を5〜50モル%有し、単量体(a4)である2−ヒドロキシエチルビニルエーテルおよび4−ヒドロキシブチルビニルエーテルの少なくとも一方に基づく単位(α4)を1〜20モル%有し、モル比(α1/α2)が20/80〜80/20であり、モル比(α3/α4)が5/20〜50/1の重合体が特に好ましい。

0043

含フッ素重合体(A)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の塗料組成物における含フッ素重合体(A)の含有量は、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。含フッ素重合体(A)の含有量が前記下限値以上であれば、塗膜の耐熱性、耐水性、耐酸性、耐候性、耐衝撃性、耐擦傷性が向上する。含フッ素重合体(A)の含有量が前記上限値以下であれば、塗料組成物の粘度がより低くなり、塗布作業が容易になる。

0044

(含フッ素重合体(A)の製造方法)
含フッ素重合体(A)の製造方法としては、公知のラジカル重合法が採用できる。重合形態としては、溶液重合懸濁重合乳化重合等が採用できる。
重合時の反応温度は、使用するラジカル重合開始剤によっても異なるが、0〜130℃が好ましい。反応時間は1〜50時間が好ましい。
重合に使用する溶媒としては、例えば、イオン交換水エタノールブタノールプロパノール等のアルコール系溶剤;n−へキサン、n−ヘプタン等の飽和炭化水素系溶剤トルエンキシレン等の芳香族炭化水素系溶剤メチルエチルケトンシクロヘキサノン等のケトン系溶剤酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル系溶剤等が使用できる。

0045

ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類;シクロヘキサノンパーオキサイドメチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロへキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロへキサン等のパーオキシケタール類;t−ヘキシルパーオキシ−n−ブチルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−n−プロピルカーボネート等のパーオキシカーボネートエステル類イソブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類等が使用できる。

0046

[光反応開始剤(B)]
光反応開始剤(B)としては、光照射により硬化反応を開始できるものであればよく、紫外線によりカチオンを発生させることにより硬化反応を開始する光反応開始剤が好ましい。光反応開始剤(B)としては、スルホニウム塩系、ヨードニウム塩系、ホスホニウム塩系、ジアゾニウム塩系、アンモニウム塩系およびフェロセン類系の光反応開始剤がより好ましい。

0047

スルホニウム塩系の光反応開始剤としては、例えば、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、等が挙げられる。

0048

ヨードニウム塩系の光反応開始剤としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。

0049

ホスホニウム塩系の光反応開始剤としては、エチルトリフェニルホスホニウムテトラフルオロボレート、エチルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、エチルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネートが好ましい。

0050

ジアゾニウム塩系の光反応開始剤としては、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。

0051

アンモニウム塩系の光反応開始剤としては、1−ベンジル−2−シアピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。

0052

フェロセン系の光反応開始剤としては、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラフルオロボレート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。

0053

光反応開始剤(B)の市販品としては、製品名「SP−150」、「SP−152」、「SP−170」、「SP−172」、「CP−66」、「CP−77」(以上、旭電化工業社製);製品名「CYRACURE−UVI−6990」、[CYRACURE−UVI−6974]、「CYRACURE−UVI−6992」(以上、ユニオンカーバイド社製);製品名「CI−2855」、「CI−2639」、「CI−2758」(以上、日本曹達社製);製品名「サンエイドSI−60」、「サンエイドSI−80」、「サンエイドSI−100」(以上、三新化学工業社製);製品名「イルガキュア261」、「イルガキュア250」(以上、チバ・スペシャルティケミカルズ社製);製品名「ロードシル(RHODORSIL)2074」(ローディアジパン社製);製品名「ビス(4−t−ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート」(みどり化学社製);製品名「CPI−100P」、「CPI−101A」、「CPI−200K」(以上、サンアプロ社製);製品名「エサキュアESACURE)−1064」、「エサキュア(ESACURE)−1187」(以上、Lamberti社製);製品名「カヤキュアーPCI−220」(日本化薬社製)等が挙げられる。

0054

光反応開始剤(B)としては、硬化速度、安定性、経済性の点から、スルホニウム塩系またはヨードニウム塩系の開始剤が好ましい。
光反応開始剤(B)の市販品としては、製品名「イルガキュア250」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製);製品名「CPI−100P」、「CPI−101A」、「CPI−200K」(以上、サンアプロ社製)が好ましい。
光反応開始剤(B)は、1種を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。

0055

光反応開始剤(B)の含有量は、含フッ素重合体(A)と後述の化合物(C)の合計量100質量部に対して0.05〜25質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましい。前記合計量は、化合物(C)を使用しない場合は、含フッ素重合体(A)のみの量である。
光反応開始剤(B)の前記含有量が下限値以上であれば、光反応開始剤(B)の感度を確保しやすく、塗布層の硬化を少ない光照射エネルギーかつ短時間で充分に進行させることが容易になる。また、光反応開始剤(B)の前記含有量が上限値以下であれば、塗膜中に未反応の光反応開始剤(B)が残存し、塗膜の物性低下や、塗膜の着色を抑制しやすい。また、光反応開始剤(B)の使用量が少なくて済むので、経済的にも好ましい。

0056

[化合物(C)]
本発明の塗料組成物は、前記含フッ素重合体(A)、光反応開始剤(B)に加えて、塗膜の耐薬品性、耐衝撃性、防湿性、破断強度および伸び率等を調整する目的で化合物(C)を含有することが好ましい。特に、防湿性については、化合物(C)を含有することで、塗膜の架橋密度が増し、水分の浸入をより一層低減することができる。化合物(C)は、前記含フッ素重合体(A)以外の、含フッ素重合体(A)中のオキセタニル基、または置換基を有するオキセタニル基との反応により化学結合を形成する反応性官能基を1分子中に2個以上有する化合物である。化合物(C)は、フッ素原子を有していてもよい(ただし、含フッ素重合体(A)は除く。)が、入手の容易性からフッ素原子を有さない非フッ素系の化合物であることが好ましい。
化合物(C)の反応性官能基としては、含フッ素重合体(A)中の(置換)オキセタニル基と反応して化学結合を形成する性質を有するものであればよく、エポキシ基、(置換)オキセタニル基、ビニルエーテル基ビニルチオエーテル基が好ましく、エポキシ基、オキセタニル基がより好ましい。化合物(C)が有する前記反応性官能基は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
化合物(C)としては、例えば、下記化合物(C−1)〜化合物(C−4)が挙げられる。
化合物(C−1):1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物。
化合物(C−2):1分子中に(置換)オキセタニル基を2個以上有する化合物。
化合物(C−3):1分子中にビニルエーテル基またはビニルチオエーテル基を2個以上有する化合物。

0057

化合物(C−1)としては、硬化時の樹脂強度、塗膜の密着性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂水素添加ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂ナフタレン型エポキシ樹脂脂環式エポキシ樹脂トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂テルペン型エポキシ樹脂ビスアリールフルオレン型エポキシ樹脂、エポキシ基を有するオルガノポリシロキサンエチレン性不飽和結合とエポキシ基を有する単量体(以下、「エポキシ基を有する単量体(c1)」という。)に基づく単位を有するエポキシ基を有する重合体が好ましい。

0058

ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、商品名「エピコート828」、「エピコート1001」、「エピコート1002」、「エピコート1004」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、商品名「エピコートYX−8000」、「エピコートYX−8034」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、商品名「エピコート806」、「エピコート807」、「エピコート4004P」、「エピコート4007P」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。水素添加ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、商品名「エピコートYL−6834」(ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。ノボラック型エポキシ樹脂としては、商品名「エポトートYDCN−701」、「エポトートYDPN−638」(以上、東都化成社製);商品名「エピコート154」(ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。ビフェニル型エポキシ樹脂としては、商品名「エピコートYX−4000」、「エピコートYX−4000H」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。ナフタレン型エポキシ樹脂としては、商品名「EPICRON HP−4032」、「エピクロンEXA−4700」(以上、大日本インキ化学工業社製);商品名「ESN−165」、「ESN−175」、「ESN−185」、「ESN−195」、「ESN−355」、「ESN−375」(以上、新日鐵化学社製)等が挙げられる。脂環式エポキシ樹脂としては、商品名「セロサイド2021P」(ダイセル化学工業製)等が挙げられる。ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、商品名「EPICRON HP−7200L」、「EPICRON HP−7200」、「EPICRON HP−7200H」、「EPICRON HP−7200HH」(以上、大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。トリフェノールメタン型エポキシ樹脂としては、商品名「EPPN−501H」、「EPPN−502H」(以上、日本化薬社製)等が挙げられる。ビスアリールフルオレン型エポキシ樹脂としては、商品名「オグソールPG」、「オグソールPG−100」、「オグソールEG」、「オグソールEG−210」(以上、大阪ガスケミカル社製)等が挙げられる。エポキシ基を有するオルガノポリシロキサンとしては、商品名「KF−101」、「KF−102」、「KF−105」、「X−22−169AS」、「X−22−9002」(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。

0059

エポキシ基を有する重合体は、エポキシ基を有する単量体(c1)を単独で重合することにより、またはエポキシ基を有する単量体(c1)と他の単量体とを共重合させることにより得られる。エポキシ基を有する重合体の分子構造は、直鎖状であっても分岐構造を有していてもよい。また、エポキシ基を有する重合体は、ランダム共重合体ブロック共重合体、またはグラフト共重合体いずれの重合体であってもよい。
エポキシ基を有する重合体の重合方法は、公知の方法により実施できる。重合方法は特に限定されず、ラジカル重合、イオン重合等の重合法を採用できる。具体的には、重合開始剤を使用した、塊状重合法溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の重合法を採用できる。重合方法によっては単量体が多量に残存する場合があるが、この残存する単量体が塗料組成部の塗布、硬化後の塗膜の物性に影響を与える場合には、減圧留去法、再沈殿形成法等によって該単量体を除去することが好ましい。

0060

エポキシ基を有する単量体(c1)としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロへキシルメチルメタクリレートが好ましい。
エポキシ基を有する単量体(c1)と共重合する他の単量体としては、特に限定されず、例えば、メチルメタクリレートやスチレン等が挙げられる。

0061

エポキシ基を有する重合体の重量平均分子量(Mw)は、3,000〜100,000が好ましく、5,000〜20,000がより好ましい。エポキシ基含有を有する重合体のMwが下限値以上であれば、塗膜の硬度が向上する。また、エポキシ基を有する重合体のMwが上限値以下であれば、塗膜の平坦性がより良好となる。なお、前記エポキシ基を有する重合体のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の重量平均分子量である。

0062

化合物(C−2)としては、下記化合物(C−21)〜(C−25)が好ましい。
化合物(C−21):ヒドロキシル基を有する化合物と、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン類とのエーテル化反応により得られる化合物。
化合物(C−22):カルボキシル基を有する化合物と、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン類とのエステル化反応により得られる化合物。
化合物(C−23):カルボキシル基を有する化合物と、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン類とのヘミアセタールエステル化反応により得られる化合物。
化合物(C−24):(置換)オキセタニル基を有する単量体に基づく単位を有する重合体。
化合物(C−25):ビス(3−アルキル−3−オキセタニルメチル)エーテル。
3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン類としては、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタンが好ましい。

0063

化合物(C−21)のヒドロキシル基を有する化合物としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基を有する脂肪族モノアルコール、炭素数2〜8のアルキレン基を有する脂肪族グリコール、炭素数2〜18の芳香族アルコールフェノールノボラック樹脂、重合単位が第4級構造で重合度2〜8のポリシロキサン等が挙げられる。
化合物(C−21)としては、例えば、1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル)ベンゼン、1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン、4,4’−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ビフェニル、3,3’,5,5’−メチル−4,4’−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ビフェニル、1,4−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)ビフェニル、3,3’,5,5’−メチル−4,4’−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)ビフェニル等が挙げられる。

0064

化合物(C−22)のカルボキシル基を有する化合物としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸シクロヘキサンジカルボン酸トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
化合物(C−22)としては、例えば、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)カーボネート、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)アジペート、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)ベンゼン−1,4−ジカルボキシレート、ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート等が挙げられる。

0065

化合物(C−23)は、化合物(C−22)で挙げたカルボキシル基を有する化合物と同じ化合物を使用し、特開平10−25406号公報に記載の方法を利用して製造したもの等が挙げられる。

0066

化合物(C−24)は、(置換)オキセタニル基を有する単量体に基づく単位を有する重合体である。(置換)オキセタニル基を有する単量体としては、含フッ素重合体(A)との相溶性の点から、3−エチル−3−メタクリロイルメチル−オキセタンが好ましい。
このような単量体の市販品としては、商品名「ETERNACOLLOXMA」(宇部興産社製)等が挙げられる。

0067

化合物(C−24)は、(置換)オキセタニル基を有する単量体を単独で重合するか、または(置換)オキセタニル基を有する単量体と他の単量体とを共重合することにより得られる。化合物(C−24)の分子構造は、直鎖状であってもよく分岐構造を有していてもよい。また、化合物(C−24)が他の単量体を共重合している場合、ランダム共重合体、ブロック共重合体、またはグラフト共重合体のいずれの重合体であってもよい。
化合物(C−24)の重合方法は、公知の方法を採用でき、ラジカル重合、イオン重合等の重合法が挙げられる。具体的には、重合開始剤を使用した、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の重合法を採用できる。重合方法によっては単量体が多量に残存する場合があるが、この残存する単量体が塗料組成部の塗布、硬化後の塗膜の物性に影響を与える場合には、減圧留去法、再沈殿形成法等によって該単量体を除去することが好ましい。

0068

化合物(C−24)の重量平均分子量(Mw)は、3,000〜100,000が好ましく、5,000〜20,000がより好ましい。化合物(C−24)のMwが下限値以上であれば塗膜の硬度が向上する。化合物(C−24)のMwが100,000以下であれば塗膜の平坦性がより良好となる。なお、前記化合物(C−24)のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の重量平均分子量である。

0069

化合物(C−25)としては、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルが好ましい。市販品としては、商品名「アロンオキセタンOXT−221」(東亜合成社製)が挙げられる。

0070

化合物(C−3)としては、例えば、ジビニルチオ)エーテル類、トリビニル(チオ)エーテル類、テトラビニル(チオ)エーテル類、ヘキサビニル(チオ)エーテル類等が挙げられる。(チオ)エーテル類とは、エーテル類またはチオエーテル類を意味する。
具体的には、トリメチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ビスビニルオキシメチルシクロヘキサン、エチレングリコールジビニルエーテルジエチレングリコールジビニルエーテルトリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル、1,6−へキサンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等の脂肪族ジビニルエーテル類;1,4−ベンゼンジビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル等の芳香族ジビニルエーテル類トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、グリセロールトリビニルエーテル等の脂肪族トリビニルエーテル類;ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等の脂肪族テトラビニルエーテル類;ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の脂肪族ヘキサビニルエーテル類;さらに、これらに対応する脂肪族ジビニルチオエーテル類;芳香族ジビニルチオエーテル類;脂肪族トリビニルチオエーテル類;脂肪族テトラビニルチオエーテル類;脂肪族ヘキサビニルチオエーテル類が挙げられる。なかでも、入手性および経済性の点から、脂肪族ジビニルエーテル類が好ましい。

0071

化合物(C)としては、化合物(C−1)、化合物(C−2)が好ましく、化合物(C−1)、化合物(C−25)がより好ましく、脂環式エポキシ樹脂、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルがさらに好ましい。

0072

化合物(C)の含有量は、塗料組成物の総量に対して、1.0〜60.0質量%が好ましく、5.0〜50.0質量%がより好ましい。化合物(C)の含有量が前記下限値以上であれば、化合物(C)による効果が得られやすい。化合物(C)の含有量が前記上限値以下であれば、塗膜の耐候性が低下し難い。

0073

[顔料成分(D)]
本発明の塗料組成物は、太陽熱集熱用反射板における反射基板の太陽光が照射される面(以下、「太陽光照射面」という。)以外の面に塗布する場合、防錆、着色、補強等を目的として、顔料成分(D)を含有することが好ましい。
顔料成分(D)としては、防錆顔料着色顔料および体質顔料からなる群から選ばれる1種以上の顔料が好ましい。
防錆顔料は、反射板の腐食や変質を防止するための顔料である。環境への負荷が少ない点から無鉛防錆顔料が好ましい。無鉛防錆顔料としては、シアナミド亜鉛酸化亜鉛リン酸亜鉛リン酸カルシウムマグネシウムモリブデン酸亜鉛ホウ酸バリウム、シアナミド亜鉛カルシウム等が挙げられる。
着色顔料は、塗膜を着色するための顔料である。着色顔料としては、酸化チタンカーボンブラック酸化鉄等が挙げられる。酸化チタン顔料を使用する場合には、塗膜の耐候性をさらに向上させる目的で、セリウムコート等の顔料表面に光触媒作用を抑制するための表面処理が施されたものが好ましい。D918(商品名、堺化学社製)、PFC105(商品名、石原産業社製)が特に推奨できる。
体質顔料は、塗膜の硬度を向上させ、かつ、厚みを増すための顔料である。体質顔料としては、タルク硫酸バリウムマイカ炭酸カルシウム等が挙げられる。
顔料成分(D)としては、耐候性に優れる点から、酸化チタンが特に好ましい。

0074

反射基板の太陽光照射面以外の面に塗布する場合の塗料組成物中の顔料成分(D)の含有量は、塗料組成物における顔料以外の固形分100質量部に対して、10〜500質量部が好ましく、30〜400質量部がより好ましい。顔料成分(D)の含有量が前記下限値以上であれば、顔料成分(D)の機能が得られやすい。顔料成分(D)の含有量が前記上限値以下であれば、砂等が衝突しても塗膜が傷付き難くなり、また塗膜の耐候性が向上する。
反射基板の太陽光照射面側に塗布する場合の本発明の塗料組成物は、該太陽光照射面における反射率の低下を防ぐため、顔料成分(D)を含有しないことが好ましい。この場合の塗料組成物中の顔料成分(D)の含有量は、塗料組成物における顔料以外の固形分100質量部に対して、3質量部以下が好ましく、ゼロが特に好ましい。

0075

[他の成分]
本発明の塗料組成物は、前述した各成分以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、光増感剤有機溶剤反応性希釈剤、硬化剤、酸化防止剤熱硬化触媒レオロジーコントロール剤防錆剤レベリング剤消泡剤界面活性剤防汚剤シランカップリング剤つや消し剤帯電防止剤、含フッ素重合体(A)以外のその他樹脂等が挙げられる。

0076

本発明の塗料組成物が光増感剤を含有すれば、低エネルギー照射下において、より短時間で光硬化できる。また、光増感剤は、本発明の塗料組成物中が顔料成分(D)等を含有することで、該顔料成分(D)等の光の遮蔽によって塗布層内部に効果的に光が透過しにくい場合でも、その少ない光量で充分な硬化速度を維持しやすい点でも効果的である。

0077

光増感剤としては、例えば、アントラセン化合物ピレン化合物カルボニル化合物有機硫黄化合物、過硫化物レドックス系化合物、アゾ化合物ジアゾ化合物ベンジル化合物フルオレノン化合物、キサントン化合物ウラニル化合物、ハロゲン化合物光還元性色素等が挙げられる。
具体的には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロロアトラキノン2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノン等が挙げられる。光増感剤は、1種を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。

0078

例えば、本発明の塗料組成物が顔料成分(D)として酸化チタンを含有する場合、酸化チタンが紫外線光(380nm以下)が吸収するので、380nmより長い光に対する増感能を有する、アントラセン化合物等の光増感剤を使用することが好ましい。具体的には、商品名「ANTHRACURE(アントラキュア)UVS−1331」、「ANTHRACURE(アントラキュア)UVS−1101」(以上、川崎化成工業社製)等が挙げられる。
光増感剤を使用する場合、その使用量は、本発明の塗料組成物100質量部に対して、0.005〜5.0質量部が好ましい。

0079

本発明の塗料組成物が有機溶剤を含有すれば、組成物の粘度をより低下し、塗布性能および作業性がさらに向上する。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトンエチルブチルケトンジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル酢酸イソプロピル酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル等のエステル類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族石油ナフサテトラリンテレピン油、ソルベッソ♯100(登録商標エクソン化学社製)、ソルベッソ♯150(登録商標、エクソン化学社製)等の芳香族炭化水素類ジオキキサン、テトラヒドロフランシクロペンチルメチルエーテル等エーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート酢酸メトキシブチル等のエーテルエステル類;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等、公知の有機溶剤を使用できる。

0080

有機溶剤としては、環境負荷低減の点から、PRTR法、HAPs規制に対応した溶剤、すなわち、芳香族化合物を含有しない有機溶剤が好ましい。また、労働安全衛生法による有機溶剤の分類において、第三種有機溶剤に分類されている有機溶剤も好ましい。具体的には、PRTR法、HAPs規制に該当しないエステル系溶剤、ケトン系溶剤;第三種有機溶剤に分類されているパラフィン系溶剤ナフテン系溶剤が好ましい。
有機溶剤としては、含フッ素重合体(A)の製造時の溶剤をそのまま使用してもよい。有機溶剤として、含フッ素重合体(A)の重合溶剤と異なる溶剤を使用する場合、含フッ素重合体(A)を重合した後にその重合溶剤または分散媒の一部または全部を目的とする有機溶剤に置換することが好ましい。

0081

有機溶剤を使用する場合、その使用量は、本発明の塗料組成物100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。有機溶剤の含有量が前記下限値以上であれば、塗布作業が容易になる。有機溶剤の含有量が前記上限値以下であれば、有機溶剤を揮発させる際に、塗膜に発泡跡が生じ難い。

0082

本発明の塗料組成物が反応性希釈剤を含有すれば、組成物の粘度をより低下し、塗布性能および作業性がさらに向上する。また、硬化の際に、塗膜に発泡跡が生じ難い。反応性希釈剤としては、1分子中にカチオン重合可能な官能基を1個以上有する化合物であって、かつ、その粘度が100mPa・s以下の化合物が好ましい。
反応性希釈剤としては、3−エチル−ヒドロキシメチルオキセタン(22.4mPa・s)、2−エチルへキシルオキセタン(5.0mPa・s)、2−エチル−3{[(3−エチルオキセタン-3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(12.8mPa・s)等のオキセタン化合物ブチルグリシジルエーテル(1.0mPa・s)、フェニルグリシジルエーテル(6.0mPa・s)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(17.0mPa・s)、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル(25.0mPa・s)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(12.0mPa・s)、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(30.0mPa・s)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(53.0mPa・s)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(22.0mPa・s)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(60.0mPa・s)等のエポキシ化合物;シクロへキシルビニルエーテル(0.7mPa・s)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(3.3mPa・s)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル(4.2mPa・s)、ヒドロキシエチルビニルエーテル(2.6mPa・s)、ヒドロキシブチルビニルエーテル(5.4mPa・s)、ジエチレングリコールモノビニルエーテル(4.7mPa・s)、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(3.7mPa・s)、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(3.2mPa・s)等のビニルエーテル化合物がより好ましい。

0083

本発明の塗料組成物が反応性希釈剤を含有する場合、その含有量は、塗料組成物100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜40質量部がより好ましく、1.0〜30質量部が特に好ましい。反応性希釈剤の含有量が下限値以上であれば、塗料組成物の貯蔵安定性が向上する。また、反応性希釈剤の含有量が上限値を超えても、貯蔵安定性を向上させる効果は大きく変化しない。

0084

前述のとおり、太陽熱集熱用反射板は、その形状に起因する光照射強度のばらつきから、硬化不良の問題が生じることがある。このような問題を解決するために、本発明の塗料組成物は、光照射以外の方法で含フッ素重合体(A)中の単位(α4)が有する架橋性基と反応して化学結合(架橋)を形成する硬化剤を含有することが好ましい。光照射と同時または光照射後に、光照射以外の方法により単位(α4)中の架橋性基または(置換)オキセタニル基を架橋反応させることにより、光照射では硬化が充分ではなかった部分も硬化して、均一な塗膜とすることができる。
硬化剤は、単位(α4)中の架橋性基と反応する硬化剤であれば特に限定されず、単位(α4)に応じて適宜選択すればよい。硬化剤としては、イソシアネート系硬化剤オルガノシラン系硬化剤メラミン系硬化剤が好ましく、光照射以外の方法で化学結合(架橋)を形成するのが容易であることがら、イソシアネート系硬化剤、オルガノシラン系硬化剤が好ましい。

0085

前記イソシアネート系硬化剤としては、無黄変ポリイソシアネート、または無黄変ポリイソシアネートの変性体が好ましい。
無黄変ポリイソシアネートとしては、IPDIイソホロンジイソシアネート)、HMDIヘキサメチレンジイソシアネート)、HDI(ヘキサンジイソシアネート)が挙げられる。
無黄変ポリイソシアネートの変性体としては、前記無黄変ポリイソシアネートにおいて、イプシロンカプロラクタム(E−CAP)、メチルエチルケトンオキシム(MEK−OX)、メチルイソブチルケトンオキシム(MIBK−OX)、ピラリジンまたはトリアジン(TA)によってイソシアネート基をブロックしたもの、ポリイソシアネート同士をカップリングしてウレトジオン結合としたもの等が挙げられる。また、前記無黄変ポリイソシアネートにおいて、常温で固形を呈すようにアダクト体としたり、水分散しやすいよう、親水性部位乳化剤を用いて乳化状態としたものが挙げられる。
イソシアネート系硬化剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。硬化剤としてイソシアネート系硬化剤を使用する場合には、単位(α4)中の架橋性基は、水酸基またはカルボキシル基であることが好ましい。

0086

本発明の塗料組成物がイソシアネート系硬化剤を含有する場合、その含有量は、含フッ素重合体(A)100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましい。イソシアネート系硬化剤の含有量が下限値以上であれば、光照射後に塗膜に硬化不良が発生しても、養生後に強靭な硬化塗膜が得られる。また、イソシアネート系硬化剤の含有量が上限値以下であれば、塗膜の耐候性低下を抑制できる。

0087

オルガノシラン系硬剤としては、下式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」という。)が好ましい。
(R1)4−kSi(OR2)k (1)
(前記式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、kは2〜4の整数を示す。)

0088

R1の1価の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。すなわち、R1の1価の炭化水素基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていてもよい。該置換基はハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
R1は、メチル基、エチル基、ヘキシル基、デシル基フェニル基トリフルオロプロピル基が好ましい。化合物(1)中にR1が複数存在する場合、原料の供給性の点から、複数のR1が互いに同じであることが好ましい。ただし、複数のR1は互いに異なっていてもよい。
R2の1価の炭化水素基は、炭素数1〜10のアルキル基であり、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。化合物(1)中にR3が複数存在する場合、アルコキシ基の反応性が同じになって塗膜を均一に形成しやすい点から、複数のR2が互いに同じであることが好ましい。ただし、複数のR2は互いに異なっていてもよい。
化合物(1)におけるkは2〜4の整数であり、3〜4が好ましい。

0089

化合物(1)の具体例としては、テトラメトキシシランテトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等の4官能性アルコキシシランメチルトリメトキシシランメチルトリエトキシシランフェニルトリメトキシシランフェニルトリエトキシシランヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシランデシルトリメトキシシラントリフルオロプロピルトリメトキシシラン等の3官能性アルコキシシラン;ジメチルジメトキシシランジフェニルジメトキシシランジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等の2官能性アルコキシシラン等が挙げられる。なかでも、硬化速度、および得られる塗膜の物性の点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランが好ましい。
オルガノシラン系硬剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。硬化剤としてオルガノシラン系硬化剤を使用する場合には、単位(α4)中の架橋性基は、水酸基またはアルコキシシリル基であることが好ましい。

0090

化合物(1)は、部分的に加水分解されて縮合した部分加水分解縮合物として使用してもよい。該部分加水分解縮合物は、前記化合物(1)を、分子中に2以上の加水分解性基(−OR3基)が残るように、部分的に加水分解して縮合することで得られる化合物である。該部分加水分解縮合物の全体構造は明らかではないが、−Si−O−結合からなる骨格とアルコキシ基からなるポリ珪酸エステルであって、その骨格は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状構造であってもよい。
化合物(1)の部分加水分解縮合物は、縮合度が低いほど好ましい。部分加水分解縮合物の縮合度が低いほど、含フッ素重合体(A)との相溶性が向上する。また、形成される塗膜と該塗膜が形成される基材の層(反射層等。)の熱膨張係数がより近くなり、熱による膨張、収縮に起因する塗膜の基材からの剥離が起き難くなる。

0091

化合物(1)の部分加水分解縮合物を製造する方法は、特に限定されず、公知の部分加水分解縮合物の製造方法を採用できる。例えば、化合物(1)に、水、酸、および溶剤の少なくとも1種を加え、部分的に加水分解縮合させる方法が挙げられる。

0092

化合物(1)の部分加水分解縮合物としては、縮合度、構造、アルコキシ基の種類が異なるものが市販されており、例えば、商品名「KR−500」、「KR−510」、「KR−213」(以上、信越化学工業社製)、商品名「MKCシリケートMS51」、「MKCシリケートMS56」(以上、三菱化学社製)、商品名「Mシリケート51」、「エチルシリケート40」、「エチルシリケート45」(以上、多摩化学工業社製)等の有効シリカ分が28〜70質量%程度である縮合物、または、該縮合物をエタノールもしくはイソプロパノールに溶解した商品名「HAS−1」、「HAS−6」、「HAS−10」(以上、コルコート社製)等が挙げられる。前記「有効シリカ分」とは、製品中に含まれるポリアルキルシリケートを100質量%としたときの、SiO2換算としてのシリカの含有量を示す値である。
化合物(1)の部分加水分解縮合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。

0093

本発明の塗料組成物がオルガノシラン系硬剤を含有する場合、その含有量は、含フッ素重合体(A)100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましい。オルガノシラン系硬剤の含有量が下限値以上であれば、光照射後のばらつきによる硬化不良を充分に補うことができ、強靭な硬化塗膜が得られる。また、オルガノシラン系硬剤の含有量が上限値以下であれば、塗膜の柔軟性低下を抑制できる。

0094

本発明の塗料組成物が酸化防止剤を含有すれば、該組成物が化合物(C)として(置換)オキセタニル基を有する化合物またはエポキシ基を有する化合物等を含有しても、それらが室温で酸化されて熱に不安定な過酸化物を生成することを抑制しやすい。前記過酸化物は、ラジカルを生成して分解するので、例えば、光反応開始剤(B)であるヨードニウム塩系の光反応開始剤を分解し、酸を発生することで、塗布前にカチオン重合を開始させるおそれがある。よって、本発明の塗料組成物が酸化防止剤を含有すれば、特に光重合開始剤(B)としてヨードニウム塩系の光反応開始剤を使用する場合に貯蔵安定性が向上する。

0095

酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤ホスファイト系酸化防止剤チオエーテル系酸化防止剤が好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、2−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。
チオエーテル系酸化防止剤としては、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−m−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−о−クレゾール、2,2’−チオビス−(4−t−オクチルフェノール)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、前記のなかでも、入手が容易な点から、2−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールがより好ましい。

0096

酸化防止剤は、1種を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましい。特に、大きな相乗効果が得られる点から、フェノール系酸化防止剤とホスファイト系酸化防止剤の併用、またはフェノール系酸化防止剤とチオエーテル系酸化防止剤の併用がより好ましい。
本発明の塗料組成物が酸化防止剤を含有する場合、その含有量は、含フッ素重合体(A)100質量部に対して、0.005〜5.0質量部が好ましく、0.01〜3.0質量部がより好ましい。酸化防止剤の含有量が下限値以上であれば、塗料組成物の貯蔵安定性が向上する。また、酸化防止剤の含有量が上限値を超えても、貯蔵安定性を向上させる効果は大きく変化しない。

0097

本発明の塗料組成物が熱硬化触媒を含有すれば、光照射による硬化に加えて、加熱により硬化をさらに促進できる。
熱硬化触媒としては、例えば、ブレンステッド酸あるいはルイス酸ルイス塩基中和した化合物が挙げられる。該ブレンステッド酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えば、ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類硫酸モノエステル類、リン酸モノおよびジエステル類ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノおよびジエステル類等を、アンモニアモノエチルアミントリエチルアミンピリジンピペリジンアニリンモルホリンシクロヘキシルアミンn−ブチルアミンモノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミン等の各種アミン、もしくはトリアルキルホスフィントリアリールホスフィントリアルキルホスファイトトリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2500X、X−47−110、3525、5225(商品名、キングインダストリー社製)等が挙げられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えば、BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2、2−エチルヘキシル酸亜鉛、2−エチルヘキシル酸スズ等の金属石けん等のルイス酸を、前記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。

0098

本発明の塗料組成物が熱硬化触媒を含有する場合、その含有量は、本発明の塗料組成物100質量部に対して、0.005〜5.0質量部が好ましく、0.01〜3.0質量部がより好ましい。熱硬化触媒の含有量が下限値以上であれば、塗膜の硬度が高まり、塗膜の耐衝撃性、耐擦傷性が向上する。また、熱硬化触媒の含有量が上限値以下であれば、熱硬化触媒が塗膜に残存しにくくなり、塗膜の物性が低下や黄変等を抑制できる。

0099

含フッ素重合体(A)以外の他の樹脂としては、アクリル樹脂ポリエステル樹脂アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ウレタン樹脂アクリル変成シリコーン樹脂シリコーン変成アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂アミノ樹脂等の非フッ素系樹脂、含フッ素重合体(A)以外のフッ素樹脂等が挙げられる。他の樹脂は、光反応性架橋基を有する硬化性樹脂であってもよい。
本発明の塗料組成物に他の樹脂を配合する場合、他の樹脂の含有量は、含フッ素重合体(A)の100質量部に対して1〜200質量部が好ましい。

0100

本発明の塗料組成物は、含フッ素重合体(A)、光反応開始剤(B)、および化合物(C)等の任意成分を、必要に応じて反応性希釈剤や有機溶剤で適宜粘度調整しながら混合することで、製造できる。各成分の混合順序は特に限定されない。

0101

本発明の塗料組成物としては、各成分を以下に示す組み合わせで含有する塗料組成物(1)〜(3)が好ましい。
(1)含フッ素重合体(A)として前記含フッ素重合体(A1)および含フッ素重合体(A2)の少なくとも一方を含有し、光反応開始剤(B)としてスルホニウム塩系またはヨードニウム塩系の光反応開始剤を含有する塗料組成物。
(2)前記(1)の組み合わせに、さらに化合物(C)として化合物(C−1)および化合物(C−2)の少なくとも一方を含有する塗料組成物。
(3)前記(1)または(2)の組み合わせに、さらに顔料成分(D)として、酸化チタンを含有する塗料組成物。
前記塗料組成物(1)〜(3)では、含フッ素重合体(A)、光反応開始剤(B)、化合物(C)および顔料成分(D)の組み合わせにおいて、前記した組み合わせのそれぞれが好ましい。また、各成分の組み合わせが、それぞれの成分の項で説明したより好ましい成分同士の組み合わせであることがより好ましい。

0102

<太陽熱集熱用反射板の製造方法>
本発明の太陽熱集熱用反射板の製造方法は、太陽熱を集めて熱エネルギーとして利用する太陽熱集熱システムにおける太陽光を反射する反射板の製造方法である。
本発明の太陽熱集熱用反射板の製造方法は、反射基板の表面に、太陽熱集熱用反射板の表面塗布用塗料組成物を塗布して塗布層を形成した後、光照射により硬化させて塗膜を形成させる。
本発明における反射基板は、太陽光を反射する性能を有している基板であれば特に制限されない。反射基板の素材としては、例えばガラス、金属、樹脂およびこれらの複合物等が挙げられる。反射基板としては、これらの素材からなり、板状やフィルム状である基板の表面に、鏡面仕上げ加工、反射層の形成などにより、太陽光を反射する性能を付与された反射基板が好ましい。
反射基板としては、一方の面に金属および金属酸化物の少なくとも一方からなる反射層を有するガラス基板からなる反射基板(I)、金属からなる基板の反射面側が鏡面仕上げになっている反射基板(II)、金属からなる基板の反射面側に金属および金属酸化物の少なくとも一方からなる反射層が形成された反射基板(III)のいずれかが好ましい。

0103

本発明の太陽熱集熱用反射板の製造方法は、本発明の塗料組成物を塗布する反射基板の種類によって、例えば下記方法(α)〜(γ)が挙げられる。
(α)一方の面に金属および金属酸化物の少なくとも一方からなる反射層を有するガラス基板からなる反射基板(I)の表面に、前述した本発明の塗料組成物を塗布して塗布層を形成した後、光照射により硬化させて塗膜を形成する方法。
(β)金属からなる基板の反射面側が鏡面仕上げになっている反射基板(II)の表面に、前述した本発明の塗料組成物を塗布して塗布層を形成した後、光照射により硬化させて塗膜を形成する方法。
(γ)金属からなる基板の反射面側に金属および金属酸化物の少なくとも一方からなる反射層が形成された反射基板(III)の表面に、前述した本発明の塗料組成物を塗布して塗布層を形成した後、光照射により硬化させて塗膜を形成する方法。

0104

反射基板は、太陽熱集熱用反射板の本体をなす部分である。本発明の製造方法における塗料組成物を塗布する反射基板の表面とは、反射基板の太陽光照射面、太陽光照射面と反対側の面、および側面の少なくとも1つの面である。本発明の製造方法では、太陽熱集熱用反射板における反射基板の太陽光照射面と反対側に塗膜を形成してもよく、反射基板の側面に塗膜を形成してもよく、反射基板の太陽光照射面側に塗膜を形成してもよい。本発明の製造方法においては、反射基板の太陽光照射面と反対側の面および側面の少なくとも一方に、本発明の塗料組成物により塗膜を形成することが好ましい。

0105

方法(α):
方法(α)における反射基板(I)は、一方の面に金属および金属酸化物の少なくとも一方からなる反射層を有するガラス基板からなる反射基板である。反射基板(I)の太陽光照射面とは、ガラス基板側の面であり、太陽光照射面と反対側の面とは、反射層側の面である。
反射基板(I)のガラス基板としては、鏡用の公知のガラスが使用でき、例えば、ソーダライムガラス等が挙げられる。ガラス基板の厚みは、0.5〜10mmが好ましい。

0106

反射基板(I)における金属および金属酸化物の少なくとも一方からなる反射層(以下、「反射層(I)」という。)は、太陽光を反射する層である。反射層(I)を形成する金属、金属酸化物は、反射層とした時に高い反射率を確保できるものであれは特に限定されない。
反射層(I)が金属からなる場合、該金属としては、チタンモリブデンマンガン、アルミニウム、銀、銅、金およびニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが好ましく、特に銀を含有することが好ましい。その場合の反射層(I)における銀の含有量は、60質量%以上が好ましく、100質量%が特に好ましい。
反射層(I)が金属酸化物からなる場合、該金属酸化物は1種でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。反射層(I)を形成する金属酸化物としては、酸化チタンが好ましい。
また、反射層(I)は、金属と金属酸化物が組み合わされた層であってもよい。
反射層(I)の厚みは、300〜1500g/m2が好ましい。

0107

反射基板(I)は、ガラス基板の一方の面に、スパッタリング、または銀鏡反応等の化学反応を利用する方法等の公知の方法で反射層(I)を設けることにより製造できる。
反射層(I)は、1層でもよく、2層以上であってもよい。

0108

以下、方法(α)の一例を図1〜3に基づいて説明する。
本実施形態では、図1に例示した反射基板(I)11の表面に塗膜を形成する。反射基板(I)11は、ガラス基板11aと、該ガラス基板11aの一方の面に形成された反射層(I)11bとからなる。
本実施形態の製造方法では、図2に示すように、反射基板(I)11の反射層(I)11b側に、本発明の塗料組成物を塗布して塗布層12Aを形成する。
塗料組成物の塗布方法としては、刷毛ローラスプレーフローコータアプリケータ等を使用する方法が挙げられる。塗料組成物の塗布量は、目的とする乾燥膜厚に応じて適宜選定すればよい。

0109

次いで、光照射により硬化させて塗膜12を形成する。粘度調整をする目的で塗料組成物に有機溶剤を使用した場合は、例えば、加熱、減圧等により塗布層12Aから有機溶剤を除去した後に、光照射により硬化させて塗膜12を形成する。
有機溶剤を除去する際の温度は、使用する溶剤の沸点を考慮して適宜定めればよく、15〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。前記温度が下限値以上であれば、有機溶剤が除去されやすい。前記温度が上限値以下であれば、塗膜12に発泡跡が生じにくい。

0110

光照射の際の雰囲気は、特に制限されず、空気中もしくは不活性ガス雰囲気中が好ましい。
塗布層12Aに照射する光は、紫外線が好ましく、波長150〜450nmの紫外線がより好ましい。紫外線照射源としては、水銀ランプキセノンランプカーボンアークメタルハライドランプ、太陽が好ましい。特に光照射を空気中で行う場合には、高圧水銀ランプがより好ましい。
光の照射時間は、充分に硬化反応を進行させやすい点から、3秒以上が好ましい。また、生産性の点から、600秒以下が好ましい。
光照射による硬化に使用する装置としては、特に制限はなく、密閉式硬化炉連続硬化が可能なトンネル炉等の硬化装置を採用できる。具体的には、アイグラフィックス社製のインバーターコンベア「ECS−401GX」、ウシオ電機社製紫外線照射装置「UVC−02516S1AA01」等が挙げられる。

0111

また、本発明の製造方法では、塗料組成物が熱硬化触媒を含有する場合、光照射による硬化に加えて、加熱により硬化を促進できる。
加熱方法は特に限定されず、熱風循環赤外線加熱高周波加熱等の方法を採用できる。
熱硬化触媒を使用する際の硬化の温度および時間の条件は、熱硬化触媒の種類によっても異なるが、50〜200℃で10秒〜5時間硬化させる条件が好ましく、50〜150℃で30秒〜1時間硬化させる条件がより好ましい。
塗布層12Aからの光照射と熱硬化による硬化の順序は特に限定されない。また、有機溶剤を使用した場合は、有機溶剤を除去した後に光照射により硬化してもよく、光照射による硬化の後に有機溶剤を除去してもよく、有機溶剤の除去と光照射による硬化を同時に行ってもよい。
形成する塗膜12の膜厚は、0.5〜100μmが好ましい。

0112

次いで、図3に示すように、反射基板(I)11の側面11cに、本発明の塗料組成物を塗布して塗布層13Aを形成する。
塗料組成物の塗布方法としては、反射基板(I)11の側面11cに均一に塗布しやすい点から、刷毛、スプレー等を使用して手作業で塗布する方法が好ましい。塗料組成物の塗布量は、目的とする乾燥膜厚に応じて適宜選定すればよい。

0113

その後、塗膜12の形成と同様にして、光照射により硬化させて塗膜13を形成し、太陽熱集熱用反射板10を得る。
形成する塗膜13の膜厚は、0.5〜100μmが好ましい。
なお、方法(α)においては、前記工程に従って、反射基板(I)の側面も本発明の塗料組成物を塗布することが好ましいが、別の手段によって側面の耐水性等が確保されている場合には、側面への塗布は必要ない場合がある。

0114

方法(β):
方法(β)における反射基板(II)は、金属からなる基板の反射面側が鏡面仕上げになっている反射基板である。反射基板(II)の太陽光照射面とは、鏡面仕上げされた面である。反射基板(II)は、反射基板(I)のガラス基板に比べて、破損のおそれが少ない点、軽量化が容易で設置費用を削減できる点、曲げ等の加工が容易である点で有利である。
反射基板(II)の厚みは、0.1〜10mmが好ましく、0.5〜5mmがより好ましい。

0115

反射基板(II)における金属からなる基板としては、アルミニウム、アルミニウム合金およびステンレスからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる基板が好ましい。なかでも、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板が特に好ましい。
前記鏡面仕上げは、例えば物理的な研磨が一般的だが、化学的または電気研磨方法によって行うことができる。このとき、研磨後の反射基板(II)の鏡面仕上げ面の表面粗さRaは、0.3μm以下、さらには0.1μm以下であることが好ましい。

0116

方法(β)は、反射基板(I)の代わりに反射基板(II)を使用する以外は、方法(α)と同様に行える。つまり、反射基板(II)への塗料組成物の塗布、塗布層からの有機溶剤を除去、光照射による硬化は、方法(α)と同様にして行える。
なお、方法(β)においては、反射基板(II)の側面も本発明の塗料組成物を塗布することが好ましいが、別の手段によって側面の耐水性等が確保されている場合には、側面への塗布は必要ない場合がある。

0117

方法(γ):
方法(γ)における反射基板(III)は、反射面側に金属および金属酸化物の少なくとも一方からなる反射層(以下、「反射層(III)」という。)が形成された反射基板である。反射基板(III)の太陽光照射面とは、反射層(III)側の面である。
反射基板(III)は、反射基板(II)と同様、反射基板(I)のガラス基板に比べて、破損のおそれが少ない点、軽量化が容易で設置費用を削減できる点、曲げ等の加工が容易である点で有利である。
反射基板(III)の厚みは、0.1〜10mmが好ましく、0.5〜5mmがより好ましい。

0118

反射基板(III)における金属からなる基板としては、アルミニウム、アルミニウム合金およびステンレスからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる基板が好ましい。なかでも、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板が特に好ましい。

0119

反射層(III)を形成する金属、金属酸化物は、反射層とした時に高い反射率を確保できるものであれは特に限定されない。
反射層(III)が金属からなる場合、該金属は、チタン、モリブデン、マンガン、アルミニウム、銀、銅、金およびニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが好ましい。反射層(III)を形成する金属は、1種でもよく、2種以上の合金であってもよい。
また、反射層(III)が金属酸化物からなる場合、該金属酸化物は1種でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。反射層(III)を形成する金属酸化物としては、酸化チタンが好ましい。
反射層(III)は、リン酸塩処理陽極酸化処理真空蒸着処理等により形成でき、その厚さは、例えば5〜1500nmとすることができる。反射層(III)は、1層であってもよく、2層以上であってもよい。

0120

方法(γ)は、反射基板(I)の代わりに反射基板(III)を使用する以外は、方法(α)と同様に行える。つまり、反射基板(III)への塗料組成物の塗布、塗布層からの有機溶剤を除去、光照射による硬化は、方法(α)と同様にして行える。
なお、方法(γ)においては、反射基板(III)の側面も本発明の塗料組成物を塗布することが好ましいが、別の手段によって側面の耐水性等が確保されている場合には、側面への塗布は必要ない場合がある。

0121

以上説明した製造方法によれば、太陽熱集熱用反射板を高い生産性で簡便に製造できる。また、太陽熱集熱用反射板の表面に、耐熱性、耐水性等の耐久性に優れ、かつ密着性、耐候性、耐酸性、耐擦傷性および耐衝撃性に優れた塗膜を形成できる。さらに当該塗膜は、架橋構造エーテル結合を有することになることから、ウレタン結合エステル結合と比較し、親水性が低く、塗膜の防湿性も優れる。また、塗膜をカチオン重合により形成することで、塗膜の架橋密度がより緻密になって防湿性がさらに向上する。

0122

なお、本発明の製造方法は、前述した方法には限定されない。例えば、反射基板の太陽光照射面と反対側の面のみに本発明の塗料組成物による塗膜を形成してもよく、反射基板の側面側のみに本発明の塗料組成物による塗膜を形成してもよい。この場合、反射基板の太陽光照射面と反対側の面には公知の塗膜を形成することが好ましい。
また、反射基板の太陽光照射面側に本発明の塗料組成物による塗膜を形成してもよい。
また、反射基板(I)の反射層(I)側に本発明の塗料組成物による塗膜を形成する場合、該塗膜と反射層(I)との間に、屋内で使用される鏡の裏面に設けられる公知の塗膜(裏止め塗膜)を形成してもよい。

0123

また、本発明の塗料組成物は、金属からなる基板に鏡面仕上げを行い、さらに反射層(以下、「反射層(IV)」という。)を設けた反射基板(以下、「反射基板(IV)」という。)にも使用できる。反射基板(IV)における鏡面仕上げは、反射基板(II)における鏡面仕上げと同様である。反射層(IV)は、反射基板(III)の反射層(III)と同じものが挙げられる。

0124

以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
<含フッ素重合体(A)の製造>
[例1]
内容積300mLのステンレス製撹拌機付きオートクレーブに、単量体(a21)である3−エチル−3−ビニロキシメチルオキセタンの13.4g、単量体(a4)であるヒドロキシエチルビニルエーテルの8.2g、単量体(a3)であるエチルビニルエーテルの20.3g、キシレンの100.0g、エタノールの17.7g、および炭酸カリウムの1.0gを一括投入し、窒素により溶存酸素を除去した。
次に、フルオロオレフィンであるクロロトリフルオロエチレンの54.7gをオートクレーブ中に導入して徐々に昇温し、55℃に達した後、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレートの50%キシレン溶液の0.6gを2時間かけてオートクレーブ中に導入し、その後さらに15時間撹拌した後に反応を停止した。反応後、ろ過により炭酸カリウムを除去し、キシレンの一部とエタノールを減圧留去により除去し、含フッ素重合体(A−1)のキシレン溶液(不揮発分50質量%)を得た。

0125

[例2]
内容積300mLのステンレス製撹拌機付きオートクレーブに、単量体(a21)である3−エチル−3−ビニロキシメチルオキセタンの22.2g、単量体(a4)である4−ヒドロキシブチルビニルエーテルの9.1g、単量体(a3)であるシクロへキシルビニルエーテルの19.7g、キシレンの100.0g、エタノールの17.7g、炭酸カリウムの1.0gを一括で投入し、窒素により溶存酸素を除去した。
次に、フルオロオレフィンであるクロロトリフルオロエチレンの45.6gをオートクレーブ中に導入して徐々に昇温し、55℃に達した後、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレートの50%キシレン溶液の0.6gを2時間かけてオートクレーブ中に導入し、その後さらに15時間撹拌した後に反応を停止した。反応後、ろ過により炭酸カリウムを除去し、キシレンの一部とエタノールを減圧留去により除去し、含フッ素重合体(A−2)のキシレン溶液(不揮発分50質量%)を得た。

0126

<塗料組成物の製造>
[例3]
例1で得られた含フッ素重合体(A−1)のキシレン溶液(不揮発分50質量%)の30.0gに、光反応開始剤(B)である商品名「イルガキュア250」(ヨードニウム塩系、チバスシャリティケミカル社製)の1.0gと、化合物(C−1)である商品名「セロキサイド2021P」(脂環式エポキシ樹脂、ダイセル工業社製)の5.0gと、化合物(C−2)である商品名「アロンオキセタンOXT−221」(オキセタン化合物、東亜合成社製)の5.0g、酢酸エチルの9.0gとを加え、ペイントシェーカーで30分撹拌した。撹拌後、ろ過を行うことで、塗料組成物(i)を得た。

0127

[例4]
含フッ素重合体(A−1)の代わりに、例2で得られた含フッ素重合体(A−2)を使用した以外は、例3と同様にして塗料組成物(ii)を得た。

0128

[例5]
例1で得られた含フッ素重合体(A−1)のキシレン溶液(不揮発分50質量%)の30.0gに、光反応開始剤(B)である商品名「イルガキュア250」(ヨードニウム塩系、チバスペシャリティケミカル社製)の1.0gと、酢酸エチルの9.0gとを加え、ペイントシェーカーで30分撹拌した。撹拌後、ろ過を行うことで、塗料組成物(iii)を得た。

0129

<裏止塗膜付試験板の製造>
クロメート処理したアルミニウム板の表面に、鉛を含まない防錆塗料を、乾燥塗膜の膜厚が50μmとなるように塗布し、170℃のオーブンで5分間乾燥硬化させることにより塗膜を形成して、裏止塗膜付試験板−IIを得た。

0130

反射層として銀層が形成されたガラス鏡において、銀層の上に鉛を含まない防錆塗料を、膜厚が60μmとなるように塗布し、170℃のオーブンで5分間乾燥硬化させることにより塗膜を形成して、裏止塗膜付試験板−Iを得た。

0131

<塗料組成物により形成した塗膜(硬化塗膜)の評価>
[例6]
裏止塗膜付試験板−IIの裏止塗膜上に、例3で得られた塗料組成物(i)を、乾燥塗膜の膜厚が30μmとなるように塗布して塗布層を形成し、25℃の恒温室中で、24時間養生させた。その後、コンベアー式紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、商品名:インバーター式コンベア「ECS−401GX」)を用いて、紫外線(UV)を照射することによって前記塗布層を硬化させ、試験板を得た。塗布層の硬化は、硬化速度が速く、塗布、硬化の際に、作業環境(特に、酸素)の影響を受けなかった。
得られた試験板について、塗料組成物(i)により形成した塗膜の硬度、耐水性、耐酸性、耐熱性、耐候性、裏止塗膜との密着性を評価した。

0132

[例7]
例4で得られた塗料組成物(ii)を使用した以外は、例6と同様にして試験板を得た。塗布層の硬化は、硬化速度が速く、塗布、硬化の際に、作業環境(特に、酸素)の影響を受けなかった。
得られた試験板について、塗料組成物(ii)により形成した塗膜の硬度、耐水性、耐酸性、耐熱性、耐候性、裏止塗膜層との密着性を評価した。

0133

[例8]
例5で得られた塗料組成物(iii)を使用した以外は、例6と同様にして試験板を得た。塗布層の硬化は、硬化速度が速く、塗布、硬化の際に、作業環境(特に、酸素)の影響を受けなかった。
得られた試験板について、塗料組成物(iii)により形成した塗膜の硬度、耐水性、耐酸性、耐熱性、耐候性、裏止塗膜層との密着性を評価した。

0134

[例9]
裏止塗膜付試験板−Iの裏止塗膜上に、例3で得られた塗料組成物(i)を、乾燥塗膜の膜厚が30μmとなるように塗布して塗布層を形成し、25℃の恒温室中で、24時間養生させた。その後、コンベアー式紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、商品名:インバーター式コンベア「ECS−401GX」)を用いて、紫外線(UV)を照射することによって前記塗布層を硬化させ、試験板を得た。塗布層の硬化は、硬化速度が速く、塗布、硬化の際に、作業環境(特に、酸素)の影響を受けなかった。
得られた試験板について、裏止塗膜との密着性を評価した。

0135

評価方法
例6〜9で得られた試験板の塗料組成物(i)〜(iii)により形成した塗膜を以下の方法で評価した。
(硬度)
JIS K 5600−5−4(2009)に準拠した方法で塗膜の硬度を測定した。

0136

(耐衝撃性)
JIS K 5600−5−3(2009)に準拠した方法で塗膜の耐衝撃性試験を行い、以下の基準に従って評価した。おもり落下としては、デュポン式を採用し、重り質量500g、高さ50cmの条件で実施した。
「○」:塗膜に割れ、損傷等が確認されなかった。
「×」:塗膜に割れ、損傷等が確認された。

0137

(耐水性)
JIS K 5600−6−2(2009)に準拠した方法で塗膜の耐水性試験を行い、以下の基準に従って評価した。
「○」:塗膜に膨れ、損傷等が確認されなかった。
「×」:塗膜に膨れ、損傷等が確認された。

0138

(耐酸性)
JIS K 5600−6−1(2009)に準拠した方法で塗膜の耐酸性試験を行い、以下の基準に従って評価した。尚、試験液には、0.1規定の塩酸水溶液を使用した。
「○」:塗膜に膨れ、損傷等が確認されなかった。
「×」:塗膜に膨れ、損傷等が確認された。

0139

(裏止塗膜との密着性)
JIS K 5600−6−1(2009)に準拠した方法で裏止塗膜との密着性を測定した。評価は、JIS K 5600−6−1(2009)の「表1.試験結果の分類」に従って、評価した。

0140

(耐熱性:ガラス転移温度(Tg))
DMS6100(SII Nano Technology社製)を使用し、tanδの値が最大になる温度を塗膜のTgとした。

0141

(耐候性)
縄県那覇市の屋外に試験板を設置し、設置直前と、2年後における塗膜表面の光沢を、PG−1M(光沢計:日本電色工業社製)を用いて測定した。設置直前の光沢の値を100%としたときの、2年後の光沢の値の割合を光沢保持率(単位:%)として算出し、以下の基準に従って耐候性を評価した。
「○」:光沢保持率が80%以上であった。
「△」:光沢保持率が60%以上80%未満であった。
「×」:光沢保持率が60%未満であった。
例6〜9における塗膜の評価結果を表1に示す。

0142

実施例

0143

表1に示すように、本発明の塗料組成物を使用した例6、7、8では、得られた塗膜は、硬度が高く、耐衝撃性および耐擦傷性に優れていた。また、Tgが高く耐熱性にも優れているうえ、耐水性および耐酸性も優れていた。さらに、耐候性試験では、塗膜光沢が高度に維持されており、優れた耐候性を有していた。例9においては、裏止塗膜との密着性に優れていた。
以上のように、本発明の塗料組成物を使用した例6、7、8、9では、特別な条件管理を行わなくても速い硬化速度で塗膜を形成でき、該塗膜の性能も優れていた。

0144

10太陽熱集熱用反射板
11反射基板(I)
11aガラス基板
11b反射層(I)
12、13塗膜
12A、13A 塗布層

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