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技術 粉塵の拡散抑制方法および拡散抑制装置

出願人 鹿島建設株式会社株式会社野城
発明者 姫野賢一郎野城藤雄
出願日 2012年3月19日 (8年9ヶ月経過) 出願番号 2012-062630
公開日 2013年9月30日 (7年3ヶ月経過) 公開番号 2013-194429
状態 特許登録済
技術分野 既存建築物への作業
主要キーワード ミスト噴射装置 拡散防止装置 ミスト発生機 気圧調整装置 建物改修 シート取付部材 清浄部材 ダストシュート
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年9月30日)のものです。
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図面 (9)

課題

粉塵発生領域で発生する粉塵拡散を効果的に抑制するとともに、粉塵の拡散抑制のために必要とする動力を低く済ませることができる粉塵の拡散防止方法および拡散防止装置を提供する。

解決手段

第1負圧除塵装置によって解体対象室R内を室外よりも負圧とする。解体対象室Rでは、第2負圧空間形成装置2およびビニールシート3によって解体対象室R内を仕切り、局所的に密閉空間を形成し、建物内に発生するドラフトの影響を抑制する。第2負圧除塵装置20によって密閉空間S内の気圧を解体対象室R内の気圧よりも負圧とし、局所負圧空間を形成する。この局所負圧空間内でアスベスト除去作業を行う。

概要

背景

近年、建築物における建築資材などに使われていた有害廃棄物、たとえばアスベスト石綿)などの除去が行われている。このような建築物におけるアスベストを除去する際には、アスベストの除去に伴って発生するアスベスト粉塵石綿粉塵)などの浮遊有害廃棄物が外部に漏洩しないように作業を行うことが求められる。このため、アスベストの除去作業を行う際には、室内などの作業領域を負圧状態とし、外部に対する空気の流出を防止することにより、合わせてアスベスト粉塵などの拡散を防止している。

アスベストの除去を伴う建物改修解体を行う技術として、従来、カーテンウォールが取り外された建物の外側に外郭体を配置する建物改修解体装置がある(たとえば特許文献1参照)。この建物改修/解体装置においては、開口部が形成された内郭体を外郭体の内側に配設し、内郭体における開口部と、カーテンウォールが取り外された建物の外周部との間における隙間をシート状部材で塞ぎ、内郭体の内部空気負圧除塵装置吸引している。負圧除塵装置によって内郭体の内側を負圧として、カーテンウォールの改修等に伴って除去するカーテンウォールの周囲におけるアスベスト粉塵の拡散を防止しながら、カーテンウォールの改修等を行うというものである。

また、室内に負圧のアスベスト洗浄室を設けた負圧施工区画がある(たとえば、特許文献2参照)。負圧施工区画は、換気集塵装置によって外部に対して負圧状態とされている。負圧施工区画には、隔壁板を組み立てた負圧洗浄室が設けられており、負圧洗浄室には、アスベストの除去に用いられ、アスベスト粉塵にまみれた機器建材などの廃材が移動させられる。そして、アスベスト洗浄室においてこれらの廃材を洗浄して清浄部材として回収するようにしている。廃材を洗浄する際に、アスベスト洗浄室は負圧状態が維持されることにより、アスベストの二次的な外部飛散が防止されている。

さらに、室内におけるアスベストの除去を行うものとして、アスベストの除去作業に用いられる作業ユニットがある(たとえば特許文献3参照)。この作業ユニットは、仕切り部材によって周囲から隔離されてなる作業ゾーンを有する作業架台と、作業架台に隣接されたセキュリティ架台とを備えている。また、作業ゾーンは減圧手段によって減圧されており、作業ゾーンから外部へのアスベストの拡散が防止されている。

概要

粉塵発生領域で発生する粉塵の拡散を効果的に抑制するとともに、粉塵の拡散抑制のために必要とする動力を低く済ませることができる粉塵の拡散防止方法および拡散防止装置を提供する。 第1負圧除塵装置によって解体対象室R内を室外よりも負圧とする。解体対象室Rでは、第2負圧空間形成装置2およびビニールシート3によって解体対象室R内を仕切り、局所的に密閉空間を形成し、建物内に発生するドラフトの影響を抑制する。第2負圧除塵装置20によって密閉空間S内の気圧を解体対象室R内の気圧よりも負圧とし、局所負圧空間を形成する。この局所負圧空間内でアスベストの除去作業を行う。

目的

本発明の課題は、粉塵発生領域で発生する粉塵の拡散を効果的に抑制するとともに、粉塵の拡散抑制のために必要とする動力を低く済ませることができる粉塵の拡散防止方法および拡散防止装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

建築物の室内における粉塵発生領域から発生する粉塵拡散を抑制するにあたり、前記室内を仕切り部材によって仕切ることによって、前記粉塵発生領域を前記室内に対して局所的に形成し、前記室内の空気を室外排気して、前記室内の気圧を室外の気圧よりも負圧として、前記室内を負圧空間として形成するとともに、前記粉塵発生領域の空気を前記室内に排気して、前記粉塵発生領域の気圧を前記室内の気圧よりも負圧として、前記粉塵発生領域を局所負圧空間として形成し、前記粉塵発生領域内で発生する粉塵の拡散を抑制することを特徴とする粉塵の拡散抑制方法

請求項2

前記室内は、前記建築物に発生するドラフトが流出入する領域である請求項1に記載の粉塵の拡散抑制方法。

請求項3

前記粉塵発生領域は、前記室内における高さ方向の途中位置に配置された仕切り板よりも上方の前記室内の高所または前記室内における高さ方向の途中位置に配置された仕切り板よりも下方の前記室内の低所に形成されている請求項2に記載の粉塵の拡散抑制方法。

請求項4

前記仕切り板の上方に前記仕切り部材を設けて前記室内の高所に前記粉塵発生領域を形成し、または、前記仕切り板の下方に前記仕切り部材を設けて前記室内の低所に前記粉塵発生領域を形成する請求項3に記載の粉塵の拡散抑制方法。

請求項5

前記粉塵発生領域が、前記室内を平面視した一部に形成されている請求項2〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の粉塵の拡散抑制方法。

請求項6

前記仕切り部材は、室内を走行可能なキャスタを備えた台車に取り付けられており、前記台車を前記室内で移動させてから、前記粉塵発生領域を形成する請求項5に記載の粉塵の拡散抑制方法。

請求項7

前記仕切り部材が、可とうシートである請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の粉塵の拡散抑制方法。

請求項8

前記室内の気圧および前記粉塵発生領域の気圧が、前記可とう性シートにより前記粉塵発生領域が前記室内に対して仕切られた状態を維持する気圧に調整されている請求項7に記載の粉塵の拡散抑制方法。

請求項9

建築物の室内における粉塵発生領域から発生する粉塵の拡散を抑制する粉塵の拡散抑制装置であって、前記室内における所定の領域を仕切り、粉塵発生領域を局所的に形成する仕切り部材と、前記室内の空気を室外に排気して、前記室内の気圧を前記室外の気圧よりも負圧として、前記室内を負圧空間として形成する第1負圧空間形成装置と、前記粉塵発生領域の空気を前記室内から排気して、前記粉塵発生領域の気圧を前記室内の気圧よりも負圧として、前記粉塵発生領域内を局所負圧空間として形成する第2負圧空間形成装置と、を備え、前記粉塵発生領域内で発生する粉塵の拡散を抑制することを特徴とする粉塵の拡散抑制装置。

技術分野

0001

本発明は、粉塵発生領域で発生する粉塵拡散を抑制する粉塵の拡散抑制方法および拡散抑制装置に関する。

背景技術

0002

近年、建築物における建築資材などに使われていた有害廃棄物、たとえばアスベスト石綿)などの除去が行われている。このような建築物におけるアスベストを除去する際には、アスベストの除去に伴って発生するアスベスト粉塵石綿粉塵)などの浮遊有害廃棄物が外部に漏洩しないように作業を行うことが求められる。このため、アスベストの除去作業を行う際には、室内などの作業領域を負圧状態とし、外部に対する空気の流出を防止することにより、合わせてアスベスト粉塵などの拡散を防止している。

0003

アスベストの除去を伴う建物改修解体を行う技術として、従来、カーテンウォールが取り外された建物の外側に外郭体を配置する建物改修解体装置がある(たとえば特許文献1参照)。この建物改修/解体装置においては、開口部が形成された内郭体を外郭体の内側に配設し、内郭体における開口部と、カーテンウォールが取り外された建物の外周部との間における隙間をシート状部材で塞ぎ、内郭体の内部空気負圧除塵装置吸引している。負圧除塵装置によって内郭体の内側を負圧として、カーテンウォールの改修等に伴って除去するカーテンウォールの周囲におけるアスベスト粉塵の拡散を防止しながら、カーテンウォールの改修等を行うというものである。

0004

また、室内に負圧のアスベスト洗浄室を設けた負圧施工区画がある(たとえば、特許文献2参照)。負圧施工区画は、換気集塵装置によって外部に対して負圧状態とされている。負圧施工区画には、隔壁板を組み立てた負圧洗浄室が設けられており、負圧洗浄室には、アスベストの除去に用いられ、アスベスト粉塵にまみれた機器建材などの廃材が移動させられる。そして、アスベスト洗浄室においてこれらの廃材を洗浄して清浄部材として回収するようにしている。廃材を洗浄する際に、アスベスト洗浄室は負圧状態が維持されることにより、アスベストの二次的な外部飛散が防止されている。

0005

さらに、室内におけるアスベストの除去を行うものとして、アスベストの除去作業に用いられる作業ユニットがある(たとえば特許文献3参照)。この作業ユニットは、仕切り部材によって周囲から隔離されてなる作業ゾーンを有する作業架台と、作業架台に隣接されたセキュリティ架台とを備えている。また、作業ゾーンは減圧手段によって減圧されており、作業ゾーンから外部へのアスベストの拡散が防止されている。

先行技術

0006

特開2010−203054号公報
特開2009−19345号公報
特開2008−308914号公報

発明が解決しようとする課題

0007

上記特許文献1における内郭体や、上記特許文献3における作業ゾーンなどの粉塵が発生する粉塵発生領域においては、粉塵発生領域からの粉塵の拡散を防止することが重要な課題となる。しかし、上記各特許文献に開示された技術では、粉塵発生領域を負圧としているのみであるため、粉塵の拡散を十分に抑制しているとは言い難いという問題があった。特に、粉塵発生領域にドラフトなどの外乱が生じる場合に、粉塵の拡散抑制の効果が特に低くなるという問題があった。

0008

さらに、上記特許文献2に開示された技術では、負圧施工区画と負圧洗浄室とを換気集塵装置によって負圧としている。しかし、負圧施工区画と負圧洗浄室とをそれぞれの換気集塵装置によって独立して負圧としていることから、負圧空間を形成するために多く動力を要するという問題があった。

0009

そこで、本発明の課題は、粉塵発生領域で発生する粉塵の拡散を効果的に抑制するとともに、粉塵の拡散抑制のために必要とする動力を低く済ませることができる粉塵の拡散防止方法および拡散防止装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決した本発明に係る粉塵の拡散抑制方法は、建築物の室内における粉塵発生領域から発生する粉塵の拡散を抑制するにあたり、室内を仕切り部材によって仕切ることによって、粉塵発生領域を室内に対して局所的に形成し、室内の空気を室外排気して、室内の気圧を室外の気圧よりも負圧として、室内を負圧空間として形成するとともに、粉塵発生領域の空気を室内に排気して、粉塵発生領域の気圧を室内の気圧よりも負圧として、粉塵発生領域を局所負圧空間として形成し、粉塵発生領域内で発生する粉塵の拡散を抑制することを特徴とする。

0011

本発明に係る粉塵の拡散抑制方法においては、室内を仕切り部材によって仕切ることによって、粉塵発生領域を室内に対して局所的に形成している。また、室内の気圧を室外の気圧よりも負圧として、室内を負圧空間として形成するとともに、粉塵発生領域の気圧を室内の気圧よりも負圧として、粉塵発生領域内を局所負圧空間として形成している。ここで、負圧空間と局所負圧空間とを段階的に形成しているので、局所負圧空間内からの粉塵の拡散を負圧空間で抑制することができる。また、室内に外乱が生じた場合でも、室内の外乱の影響が粉塵発生領域に及ぶことを防止できる。したがって、粉塵発生領域からの粉塵の拡散を効果的に抑制することができる。なお、本発明における「粉塵発生領域」とは、アスベストの除去作業が行われる領域などの大量の粉塵の発生が想定される領域はもちろん、たとえば通常の清掃作業による粉塵の発生が想定される領域や清掃以外の作業、たとえば物の移動や生物運動などによる粉塵の発生が想定される領域をいう。

0012

さらに、室内の空気を室外に排気して、室内の気圧を室外の気圧よりも負圧として、室内を負圧空間として形成するとともに、粉塵発生領域の空気を室内に排気して、粉塵発生領域の気圧を室内の気圧よりも負圧として、粉塵発生領域内を局所負圧空間として形成している。このため、負圧空間をいわば直列的に形成しているので、室内および粉塵発生領域の空気を吸引する際の動力を小さく済ませることができる。よって、粉塵発生領域で発生する粉塵の拡散を効果的に抑制するとともに、粉塵の拡散抑制のために必要とする動力を低く済ませることができる。

0013

ここで、室内は、建築物に発生するドラフトが流出入する領域であるようにすることができる。

0014

このように、ドラフトが流出入する領域では、ドラフトの影響によって粉塵の拡散が促進されることが懸念される。この点、本発明では、室内に粉塵発生領域を形成し、粉塵発生領域から室内に対する粉塵の拡散を抑制している。このため、室内におけるドラフトの影響が粉塵発生領域に及ぶことを防止することができるので、より好適に粉塵の拡散を抑制することができる。

0015

また、粉塵発生領域は、室内における高さ方向の途中位置に配置された仕切り板よりも上方の室内の高所または室内における高さ方向の途中位置に配置された仕切り板よりも下方の室内の低所に形成されているようにすることができる。

0016

この場合、室内の高さ方向の全域にわたることなく粉塵発生領域が形成される。したがって、室内にドラフトが流入する場合でも、より効果的に粉塵の拡散を抑制することができる。

0017

さらに、仕切り板の上方に仕切り部材を設けて室内の高所に粉塵発生領域を形成し、または、仕切り板の下方に仕切り部材を設けて室内の低所に粉塵発生領域を形成するようにすることができる。

0018

このように、仕切り部材を設けて粉塵発生領域を形成することにより、容易に粉塵発生領域を形成することができる。

0019

また、粉塵発生領域が、室内を平面視した一部に形成されているようにすることができる。

0020

このように、粉塵発生領域が、室内を平面視した一部に形成されていることにより、ドラフトの影響をより効果的に抑制することができる。

0021

さらに、仕切り板は、室内を走行可能なキャスタを備えた台車に取り付けられており、台車を室内で移動させてから、粉塵発生領域を形成するようにすることができる。

0022

このように、仕切り板が室内を走行可能なキャスタを備えた台車に取り付けられていることにより、室内において粉塵発生領域を容易に移動させることができる。

0023

また、仕切り部材が、可とうシートであるようにすることができる。

0024

このように、仕切り部材が、可とう性シートであることにより、容易に仕切り部材を形成することができる。

0025

さらに、室内の気圧および粉塵発生領域の気圧が、可とう性シートにより粉塵発生領域が室内に対して仕切られた状態を維持する気圧に調整されているようにすることができる。

0026

仕切り部材が可とう性シートであると、仕切り部材の目繰り上がりが懸念される。この点、室内の気圧および粉塵発生領域の気圧が、可とう性シートにより粉塵発生領域が室内に対して仕切られた状態を維持する気圧に調整されていることにより、仕切り部材の目繰り上がりが生じない程度の気圧を維持することができる。

0027

他方、上記課題を解決した本発明に係る粉塵の拡散抑制装置は、建築物の室内における粉塵発生領域から発生する粉塵の拡散を抑制する粉塵の拡散抑制装置であって、室内における所定の領域を仕切り、粉塵発生領域を局所的に形成する仕切り部材と、室内の空気を室外に排気して、室内の気圧を室外の気圧よりも負圧として、室内を負圧空間として形成する第1負圧空間形成装置と、粉塵発生領域の空気を室内から排気して、粉塵発生領域の気圧を室内の気圧よりも負圧として、粉塵発生領域内を局所負圧空間として形成する第2負圧空間形成装置と、を備え、粉塵発生領域内で発生する粉塵の拡散を抑制することを特徴とする。

発明の効果

0028

本発明に係る粉塵の拡散抑制方法および拡散抑制装置によれば、粉塵発生領域で発生する粉塵の拡散を効果的に抑制するとともに、粉塵の拡散抑制のために必要とする動力を低く済ませることができる。

図面の簡単な説明

0029

負圧空間を形成する室内の概要を示す平面図である。
負圧空間を形成する室内の要部の概要を示す側面図である。
台車の斜視図である。
(a)は、室内におけるドラフトの影響が無い領域のアスベストを除去する領域を示す平面図、(b)は、その領域の側面図である。
(a)は、ドラフトの影響を受ける領域の室内上側のアスベストを除去する作業状態を示す側面図、(b)は、その下側における作業状態を示す側面図である。
(a)は、上方密閉空間を形成した場合のドラフトの流れを説明する模式的斜視図、(b)は、下方密閉空間を形成した場合のドラフトの流れを説明する模式的斜視図である。
気圧調整装置の模式図である。
負圧空間を形成する室内の他の例の要部の概要を示す側面図である。

実施例

0030

以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。

0031

図1は、本発明の実施形態に係る負圧空間を形成する室内の概要を示す平面図、図2は、その要部の概要を示す側面図である。図1に示すように、本実施形態に係る負圧空間は、建築物である高層ビルBの1フロアにおける改修または解体の対象となる解体対象室Rの室内に形成される。解体対象室R内では、改修または解体などの作業が行われており、壁面に施工された有害廃棄物であるアスベスト(石綿)の除去作業が行われる。本実施形態では、アスベストの除去作業で発生するアスベスト粉塵の拡散を抑制する粉塵の拡散抑制方法および拡散抑制装置について説明する。

0032

解体対象室R内には、本発明の第1負圧空間形成装置である第1負圧除塵装置1が複数設けられている。第1負圧除塵装置1は、吸気口および吸引装置を備えている。また、吸気口と吸引装置との間にフィルタが介在されている。さらに、吸引装置は、配管を介して解体対象室Rの外側と連通している。第1負圧除塵装置1によって吸引された解体対象室R内の空気は、配管を介して解体対象室Rの外側に排出される。

0033

また、解体対象室R内には、アスベストの除去作業によって生じたアスベスト粉塵が浮遊していることがある。この場合、第1負圧除塵装置1で解体対象室R内の空気を吸引すると、アスベスト粉塵が空気とともに吸引される。ここで吸引されたアスベスト粉塵は、第1負圧除塵装置1におけるフィルタによって捕捉される。このため、第1負圧除塵装置1からは、アスベスト粉塵が除去された空気が解体対象室Rの外側に排出される。

0034

さらに、図2にも示すように、解体対象室R内には、第2負圧空間形成装置2が設けられている。解体対象室R内に仕切り部材であるビニールシート3が配設されており、ビニールシート3は可とう性を有する可とう性シートであり、ビニールシート3によって解体対象室Rの一部が仕切られて密閉空間Sが形成されている。また、第2負圧空間形成装置2によって密閉空間S内が負圧とされることにより、粉塵発生領域である局所負圧空間が形成される。

0035

第2負圧空間形成装置2は、図2に示すように、移動台車10を備えている。移動台車10は、図3に示すように、複数のフレーム11を備えており、各フレーム11の下端部には、解体対象室R内を走行可能なキャスタ12がそれぞれ取り付けられている。また、複数のフレーム11における下方位置には、下足場板13が取り付けられており、上方位置には、仕切り板となる上足場板14が取り付けられている。このため、上足場板14は、解体対象室Rの高さ方向の途中位置に配置されている。さらに、フレーム11の上方には図2に示すように、シート取付部材15が取り付けられる。シート取付部材15は、フレーム11に対して取り外し可能とされている。

0036

シート取付部材15は、移動台車10や天井パネルCに対してビニールシート3を取り付けている。ビニールシート3は、シート取付部材15の上方位置および上方のフレーム11、またはシート取付部材15の下方位置および下方のフレーム11に取り付けられている。ここで、ビニールシート3をシート取付部材15の上方位置および上方のフレーム11に取り付ける際には、ビニールシート3の上端部は解体対象室Rの天井パネルCに取り付けられ、下端部は、移動台車10における上足場板14に取り付けられる。

0037

こうして、ビニールシート3、上足場板14、および解体対象室Rの天井によって密閉空間Sが形成される。仕切り部材として可とう性シートであるビニールシートを用いていることにより、密閉空間Sを容易に形成することができる。この密閉空間Sを解体対象室R内の気圧よりも負圧とすることによって、密閉空間Sが局所負圧空間として形成される。なお、天井パネルCを取り外した後は、移動台車10とスラブXの下面との間にビニールシート3を取り付けて、密閉空間Sを形成する。

0038

また、ビニールシート3をシート取付部材15の下方位置および下方のフレーム11に取り付ける際には、ビニールシート3の上端部は移動台車10における上足場板14に取り付けられ、下端部は、移動台車10における下足場板13に取り付けられる。また、移動台車10を壁際に設置する際には、後に説明するドラフト流通空間を含んだ領域に密閉空間Sを形成するため、ビニールシート3における壁側下方端部にスカート部を設ける。こうして、ビニールシート3、下足場板13、および上足場板14によって局所負圧空間が形成される。

0039

アスベストの除去作業を解体対象室R内の高所で行う際には、ビニールシート3は、シート取付部材15の上方位置に取り付けられ、上足場板14の上方に密閉空間Sが形成される。また、アスベストの除去作業を解体対象室R内の低所で行う際には、ビニールシート3は、シート取付部材15の下方位置に取り付けられ、上足場板14の下方に密閉空間Sが形成される。

0040

また、図2に示すように、移動台車10には、作業員が上足場板14上に移動するための階段17が設けられている。天井パネルCや梁Hなどの解体対象室Rにおける上方に配置された部材に利用されているアスベストの除去作業を行う際には、図2(b)に示すように、ダストシュート18が上足場板14に設けられ、ダストシュート18の下方にはポリダクト19が配設される。こうして、解体対象室Rの上方に配置された部材から除去したアスベストを、ダストシュート18を介してそのまま下方のポリダクト19に移動させることができる。ダストシュート18には、取り外し蓋18Aが設けられ、ダストシュート18を使用しないときには、取り外し蓋18Aによってダストシュート18の上面開口を封鎖しておく。

0041

また、図2(a)に示すように、第2負圧空間形成装置2は、第2負圧除塵装置20を備えている。第2負圧除塵装置20は、吸引口21を備えている。また、第2負圧除塵装置20は、吸引装置22を備えており、吸引口21と吸引装置22とは、エアホース23を介して接続されている。吸引装置22を作動させることにより、吸引口21から空気が吸引される。

0042

ビニールシート3等によって仕切られて形成された密閉空間Sにおいて第2負圧空間形成装置2によって空気が吸引されると、密閉空間S内の気圧が低下して局所負圧空間が形成される。こうして形成された密閉空間S内において、天井パネルCや壁面におけるアスベストの除去作業を行う。したがって、この局所負圧空間が局所的な作業領域となる。

0043

さらに、吸引装置22には、フィルタ24が設けられている。また、吸引装置22には、吸引した空気を外部に排出する排気口25が形成されている。吸引装置22から吸引された空気は、フィルタ24を通過して、排気口25から解体対象室R内に向けて排出される。局所負圧空間内でアスベストの除去作業を行うと、アスベストの除去作業に伴い、局所負圧空間内にアスベスト粉塵が浮遊することがある。吸引口21から吸引される空気にアスベスト粉塵などが混入している場合には、このアスベスト粉塵はフィルタ24によって捕捉されて空気から除去される。したがって、解体対象室R内に漏出するアスベスト粉塵はほとんどなくなる。

0044

第2負圧除塵装置20における吸引口21は、移動台車10における上足場板14の上方または下方に形成された密閉空間Sに配置される。このときに、吸引装置22を作動させることにより、吸引口21が配置された密閉空間Sが、解体対象室R内の気圧よりも負圧である第2負圧空間として形成される。

0045

さらに、第2負圧空間形成装置2は、ミスト噴射装置30を備えている、ミスト噴射装置30は、ミスト発生機31およびミストノズル32を備えている。ミスト発生機31は、ミストノズル32に対してミスト溶液を供給している。ミストノズル32は、移動台車10における上足場板14の上方または下方に形成された密閉空間Sに配置されており、その密閉空間Sに対してミストを噴射している。

0046

次に、本実施形態に係るアスベストの除去手順について説明する。本実施形態においては、解体対象室R内の上方に配置された部材に設けられたアスベストの除去作業を行うアスベストの除去作業を行うにあたり、まず、図4(a)に示すように、解体対象室R内における壁面と隣接しない天井パネルC部分についてのアスベストの除去作業を行う。

0047

このときには、第1負圧除塵装置1によって解体対象室R内を室外に対して負圧とした負圧空間として形成する。また、図4(b)に示すように、第2負圧空間形成装置2における移動台車10を用いて高所における作業を行う。このとき、ビニールシート3をシート取付部材15の上方位置に取り付けて、ビニールシート3、解体対象室Rの天井パネルC、および上足場板14によって密閉空間を形成し、第2負圧除塵装置20の吸引口21を密閉空間に配置し、密閉空間内の空気を吸引して局所負圧空間を形成する。この局所負圧空間内でアスベストの除去作業を行う。

0048

ここでの天井パネルCにおけるアスベストの除去作業を行う際には、解体対象室R内にはドラフトが流入することがある。このとき、解体対象室R内にドラフトが流入したとしても、第1負圧除塵装置1を用いて、解体対象室R内を室外に対して負圧となる負圧空間としている。また、第1負圧除塵装置1で吸引した解体対象室R内の空気は、フィルタを通した後に解体対象室Rの外に排出される。また、アスベストの除去作業を行っている局所負圧空間内は、第2負圧除塵装置20によって解体対象室R内の気圧よりも負圧とされている。このため、解体対象室Rからの空気の漏洩および空気の漏洩に伴うアスベスト粉塵の拡散を十分に防止することができる。

0049

解体対象室Rにおける壁面と隣接しない天井パネルC部分でのアスベストの除去作業が済んだら、図5(a)に示すように、移動台車10を解体対象室Rの壁際に移動させる。移動台車10を移動させる際には、フレーム11の下端に取り付けられたキャスタ12を用いる。移動台車10を移動させる際にキャスタ12を用いることにより、移動台車10を容易に移動させることができる。続いて、解体対象室Rの壁際において、シート取付部材15における上方位置にビニールシート3を取り付ける。このとき、ビニールシート3、解体対象室Rの天井パネルCまたはスラブX、および上足場板14のほかに、解体対象室Rの壁によって上方密閉空間USを形成する。上方密閉空間USは、解体対象室RにおけるドラフトDが流通するドラフト流通空間DRを仕切って形成する。

0050

それから、第2負圧除塵装置20における吸引口21を上方密閉空間USに配置する。その後、第2負圧除塵装置20における吸引装置22を作動させることにより、上方密閉空間US内における空気を吸引し、上方密閉空間USを解体対象室R内の負圧空間における気圧よりも低い局所負圧空間として形成する。このとき、図2に示すミストノズル32から上方密閉空間USにミストを噴出し、アスベストの除去によるアスベスト粉塵の発生を防止する。こうして、上方密閉空間USにおいて、梁に吹き付けられた吹付石綿FAや、石綿パーライト板PAの撤去などのアスベスト除去作業を行う。

0051

解体対象室R内には、ドラフトDの流出入があり、ドラフトDの流出入による影響は、アスベストの除去作業時にも懸念される。ここで、解体対象室R内は、第1負圧除塵装置1によって外側よりも負圧とされている。また、第1負圧除塵装置1で吸引した空気は、第1負圧除塵装置1に設けられたフィルタを通じて外部に排出される。このため、フィルタを通すことなくドラフトDを解体対象室Rの外側に排出することを防止している。なお、上方密閉空間US内には、上層階からの空気OAが流入する。

0052

ところで、第1負圧除塵装置1では、解体対象室R内の広い範囲に負圧空間を形成している。このため、解体対象室R内に強いドラフトDが流入すると、その影響により、アスベストの除去作業中にアスベスト粉塵が拡散してしまうことが懸念される。また、アスベストの除去作業に時間がかかり、たとえば日を跨ぐ場合には、作業の中断を余儀なくされる。作業の中断中に、第1負圧除塵装置1を停止させると、解体対象室R内におけるドラフトDの流入により、アスベスト粉塵の拡散の可能性がさらに懸念されることとなるので、解体対象室Rにおけるアスベストの除去作業は、なるべく中断することなく行うことが求められる。

0053

この点、本実施形態では、ビニールシート3等によって仕切られた上方密閉空間USを、解体対象室R内の負圧空間よりもさらに気圧が低い局所負圧空間として形成し、この局所負圧空間内でアスベストの除去作業を行っている。このため、上方密閉空間USからのアスベスト粉塵の拡散を防止することができるので、解体対象室Rから排出されるドラフトDによるアスベスト粉塵の拡散を防止することができる。

0054

また、上方密閉空間USは、移動台車10における上足場板14によって室内の高所に形成されている。このため、ドラフトDは、移動台車10における上足場板14の下方を通過し、解体対象室R内に流入する。したがって、上方密閉空間USに対するドラフトFの流入を阻止することができる。その結果、アスベスト粉塵の拡散をより一層防止することができる。また、上方密閉空間US内には、上方から直接ドラフトDの一部が流入している。

0055

さらに、上方密閉空間USを形成することにより、ドラフトDが移動台車10における上足場板14の下方を通過し、その風力が小さくなっている。このため、アスベストの除去作業を中断したとしても、アスベスト粉塵の拡散を防止することができる。したがって、時間的な余裕を持って作業工程計画することなどができる。

0056

しかも、上方密閉空間USは、ドラフト流通空間DRを仕切って形成している。ドラフト流通空間DRを仕切ることにより、上昇するドラフトDが縁切られるので、ドラフトDの強さを弱めることができる。さらには、上方密閉空間US内にドラフトDが直接流入することが防止される。このため、上方密閉空間US内への影響を抑制することができる。さらには、ドラフト流通空間DRを仕切ることにより、ドラフトDによる空気の流量を抑制することもできる。

0057

上方密閉空間USにおけるアスベストの除去作業が済んだら、図5(b)に示すように、シート取付部材15における下方位置にビニールシート3を取り付ける。このとき、ドラフト流通空間DRを含む領域では、ビニールシート3におけるスカート部をスラブXの高さ位置まで延在させる。こうして、ビニールシート3、解体対象室RのスラブX、上足場板14、および解体対象室Rの壁によって下方密閉空間LSを形成する。下方密閉空間LSは、解体対象室RにおけるドラフトDが流通するドラフト流通空間DRを仕切って形成する。

0058

下方密閉空間LSを形成したら、上方密閉空間USを局所負圧空間として形成した場合と同様に、下方密閉空間LSに第2負圧除塵装置20における吸引口21を下方密閉空間LSに配置する。そして、第2負圧除塵装置20における吸引装置22を作動させることにより、下方密閉空間LS内における空気を吸引し、下方密閉空間LSを解体対象室R内における負圧空間の気圧よりも低い局所負圧空間として形成する。さらに、ミストノズル32を下方密閉空間LSに配置し、ミストを噴射しながら、吹付石綿FAや下側石綿パーライト板PAの撤去などのアスベストの除去作業を行う。なお、解体対象室R内には、上層階からの空気OAが流入する。

0059

ここで、下方密閉空間LSを局所負圧空間とする場合、上方密閉空間USを局所負圧空間とする場合と同様、ビニールシート3等によって仕切られた下方密閉空間LSを、解体対象室R内の負圧空間よりもさらに気圧が低い局所負圧空間として形成し、この局所負圧空間内でアスベストの除去作業を行っている。このため、下方密閉空間LSからのアスベスト粉塵の拡散を防止することができるので、解体対象室Rから排出されるドラフトDによるアスベスト粉塵の拡散を防止することができる。

0060

さらには、解体対象室R内に負圧空間が形成されていることから、下方密閉空間LS内に流入するドラフトDが解体対象室Rの負圧にわずかながらも引っ張られるので、ドラフトの強さを弱めることができる。その結果、アスベスト粉塵の拡散をより一層防止することができる。

0061

しかも、下方密閉空間LSは、ドラフト流通空間DRを仕切って形成している。このため、上昇するドラフトDが縁切られるので、ドラフトDの強さを弱めることができる。しかも、さらには、ドラフト流通空間DRを仕切ることにより、ドラフトDによる空気の流量を抑制することもできる。下方密閉空間LS内におけるアスベスト粉塵は、第2負圧除塵装置20の吸引力によって十分に吸引し、フィルタ24によって捕捉することができる。よって、解体対象室Rから排出されるドラフトDによるアスベスト粉塵の拡散を防止することができる。

0062

さらに、上方密閉空間USまたは下方密閉空間LSを形成する場合、上方密閉空間USまたは下方密閉空間LSは、解体対象室R内における平面視した一部に形成される。このため、解体対象室R内に流入した後、解体対象室Rから流出するドラフトDが、上方密閉空間USまたは下方密閉空間LSを回り込むルートが形成される。

0063

上方密閉空間USが形成されている場合におけるドラフト流通空間DSから室内に流入するドラフトの流れについて、図6(a)に示す模式図を用いて説明する。また、下方密閉空間LSが形成されている場合におけるドラフト流通空間DSから室内に流入するドラフトの流れについて、図6(b)に示す模式図を用いて説明する。

0064

上方密閉空間USが形成されている場合、図6(a)に示すように、ドラフト流通空間DSを上昇し、上方密閉空間USの側方近傍に流入する第1ドラフトD1および第2ドラフトD2は、上方密閉空間USの下面に到達した後に側方に逸れる。側方に逸れた第1ドラフトD1および第2ドラフトD2は、解体対象室R内の負圧によって引っ張られ、解体作業室R内に流入するルートが形成される。

0065

また、ドラフト流通空間DSにおいて、第1ドラフトD1および第2ドラフトD2よりもわずかに室内側から流入した第3ドラフトD3および第4ドラフトD4は、上方密閉空間USの下面に到達した後、解体対象室R内の負圧によって引っ張られ、室内方向に移動する。そして、上方密閉空間US内に流入することなく、そのまま解体対象室R内に案内されるルートが形成される。こうして、上方密閉空間US内に対するドラフトD1〜D4の流入を阻止することができるので、上方密閉空間USに対するドラフトD1〜D4の影響を小さくすることができる。

0066

一方、下方密閉空間LSが形成されている場合、図6(b)に示すように、ドラフト流通空間DSを上昇し、下方密閉空間LSの側から流入する第5ドラフトD5および第6ドラフトD6は、下方密閉空間LSの側面に沿って、わずかに室内側に引っ張られながら上方に移動して、解体作業室R内に流入するルートが形成される。

0067

また、ドラフト流通空間DSにおいて、第5ドラフトD5および第6ドラフトD6よりも内側から流入した第7ドラフトD7および第8ドラフトD8は、下方密閉空間LSの下面に形成された流入口から下方密閉空間LS内に流入するルートが形成される。さらに、下方密閉空間LSよりもわずかに外側位置から解体作業室R内に流入する仮想第1ドラフトD11および仮想第2ドラフト12について考える。解体作業室R内が負圧とされていない場合、下方密閉空間LSの負圧が仮想ドラフトD11,D12に作用し、下方密閉空間LSの外側位置から流入した仮想ドラフトD11,12についても、下方密閉空間LS内に流入してしまう。この点、解体作業室R内が室外よりも負圧されていることにより、下方密閉空間LSの外側から解体作業室R内に流入したドラフトの下方密閉空間LS内への流入量を少なくすることができる。

0068

その結果、下方密閉空間LS内に対する仮想ドラフトD11,D12の流入が防止されるとともに、下方密閉空間LS内に流入する際のドラフトの風力が弱められる。また、下方密閉空間US内に対する流入する風力が防止された場合、下方密閉空間LSを逸れたドラフトDは、そのまま解体対象室Rから流出する。このため、解体対象室RにおけるドラフトDの影響を小さくすることができる。

0069

以後、解体対象室Rの壁面に沿って移動台車10を移動させながら、同様の手順を繰り返して上方密閉空間USを局所負圧空間として上方密閉空間US内のアスベストの除去作業および下方密閉空間LSを局所負圧空間として下方密閉空間LS内のアスベストの除去作業を行う。そして、解体対象室Rの全域における壁面のアスベストの除去作業が済んだ時点で、作業が終了する。

0070

このように、本実施形態に係るアスベストの除去方法においては、解体対象室Rおよび局所負圧空間を形成するにあたり、解体対象室Rの空気を吸引して外部に排出する第1負圧除塵装置1および局所負圧空間の空気を吸引して解体対象室Rに排出する第2負圧除塵装置20を用いている。このため、解体対象室Rおよび局所負圧空間との間で、負圧除塵装置1,20がいわば直列的に配置されている。このため、局所負圧空間では、解体対象室Rに対して相対的に負圧となる状態を形成すればよく、局所負圧空間を形成するための第2負圧除塵装置20の動力を小さくすることができる。したがって、局所負圧空間で発生する粉塵の拡散を効果的に抑制するとともに、粉塵の拡散抑制のために必要とする動力を低く済ませることができる。

0071

また、解体対象室Rの壁面におけるアスベストの除去作業を行うにあたり、解体対象室Rの気圧を室外よりも負圧である負圧空間として形成する。さらには、ビニールシート3等で仕切られた密閉空間を解体対象室R内の気圧よりも負圧である局所負圧空間として形成し、この局所負圧でアスベストの除去作業を行っている。解体対象室Rには、ドラフト流通空間DRからドラフトDが流入することが考えられる。

0072

ここで、局所負圧空間が形成されていない場合には、アスベストを除去した際に生じたアスベスト粉塵がドラフトDに乗ってドラフト流通空間DRを通って外部に拡散することが懸念される。この点、本実施形態では、局所負圧空間を形成していることにより、解体対象室R内にドラフトDが流入して、たとえば解体対象室R内の負圧状態が崩れてしまったとしても、局所負圧空間内の気圧を負圧状態に維持することができる。この負圧状態にある局所負圧空間でアスベストの除去を行っているので、アスベストの拡散を効果的に防止することができる。

0073

特に、たとえばビニールシート3などが外れるなどして局所負圧空間が崩壊してしまうことも考えられる。この場合でも、局所負圧空間が負圧空間内に形成されていることにより、局所負圧空間内のアスベスト粉塵は、負圧空間である解体対象室R内に留めておくことができる。したがって、アスベスト粉塵の拡散を効果的に防止することができる。

0074

また、局所負圧空間を形成する際に、移動台車10における上足場板14よりも上方の解体対象室R内の高所または下方の室内の低所に局所負圧空間を形成している。この場合、解体対象室R内の高さ方向の全域にわたることなく局所負圧空間が形成される。したがって、解体対象室R内にドラフトDが流入する場合でも、より効果的にアスベストの拡散を防止することができる。また、上足場板14を利用して解体対象室R内の高所または低所の局所負圧空間を形成するので、容易に局所負圧空間を形成することができる。こうして、本実施形態では、局所負圧空間で発生する粉塵の拡散を効果的に抑制するとともに、粉塵の拡散抑制のために必要とする動力を低く済ませることができる。

0075

さらに、局所負圧空間が可とう性のビニールシート3で形成されていることから、たとえば、解体対象室Rの気圧と局所負圧空間内の気圧との差が大きくなりすぎるとビニールシート3が目繰り上がってしまうことが懸念される。この点、本実施形態では、解体対象室R内の気圧は第1負圧除塵装置1によって調整されており、局所負圧空間内の気圧は第2負圧除塵装置20によって調整されている。このため、解体対象室R内および局所負圧空間内の気圧をビニールシート3の目繰り上がりが生じない程度の気圧を維持することができる。

0076

以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態におけるビニールシート3に、図7に示す気圧調整装置40を設けることもできる。気圧調整装置40は、開閉蓋41を備えており、開閉蓋41の基端部は、ビニールシート3に取り付けられた固定部材42と蝶番43によって接続されている。開閉蓋41が閉じることにより、局所負圧空間における密閉状態が維持される。また、開閉蓋41における内側の先端部には、錘部材44が取り付けられている。

0077

この気圧調整装置40では、局所負圧空間内の気圧が低くなりすぎると、局所負圧空間の外側の圧力が錘部材44の重さによる圧力に勝り、開閉蓋41を押し開く。開閉蓋41が開くと、局所負圧空間内の圧力が上昇し、外側の圧力に近くなる。すると。局所負圧空間の外側の圧力よりも錘部材44の重さによる圧力が勝り、開閉蓋41が閉じる。こうして、局所負圧空間内の気圧が低くなりすぎないようにすることができる。したがって、局所負圧空間内の気圧が低くなりすぎることによるビニールシート3の崩壊を防止することができる。

0078

また、上記実施形態においては、局所負圧空間を形成するにあたり、上方密閉空間USまたは下方密閉空間LSを形成している。これに対して、たとえば図8に示すように、ドラフト流通空間DRを含む領域を上側のスラブXと下側のスラブZとの間における高さ方向の全体をビニールシート3で覆って、解体対象室Rの高さのほぼ全域にわたる局所負圧空間を形成することもできる。また、解体対象室R内に複数の局所負圧空間を形成することもできる。

0079

さらに、上記実施形態においては、仕切り部材として可とう性を有するビニールシート3を用いているが、他の仕切り部材を用いることもできる。たとえば、板状のパネルなどを用いることもできるし、箱状の部材などを用いることもできる。また、仕切り部材は、台車に設ける必要はなく、作業領域の移動に合わせてその都度構築する態様などとすることもできる。

0080

また、上記実施形態では、解体対象室Rからなる負圧空間および密閉空間Sからなる局所負圧空間のいわば2段階の負圧領域を形成しているが、室内において局所負圧空間の外側を外側仕切り部材によってさらに仕切ってもよい。このとき、さらに第3負圧除塵装置を設け、第3除塵装置の排気口および第2除塵装置の吸気口を局所負圧空間の外側であって、仕切り部材の内側に設置することができる。また、同時に、第2負圧除塵装置の排気口および第1負圧除塵装置の吸気口を仕切り部材の外側であって解体対象室R内に設置するとともに、第1負圧除塵装置の排気口を、解体対象室Rの外側に設置することができる。こうして、上記実施形態と同様に、複数の負圧空間を直列かつ多段的に形成することができる。

0081

あるいは、このような仕切り部材を設けるにあたり、負圧除塵装置に変えて排気が通過する通気開口としてもよい。この場合には、通気開口で連通する領域同士の気圧は、共通することとなる。こうした仕切り部材、負圧除塵装置等を組み合わせて用いることによりさらに多段階に区切ってもよい。

0082

さらに、上記実施形態においては、アスベスト粉塵の拡散を防止する例を示しているが、他の態様で粉塵が発生領域においても本発明を用いることができる。たとえば、アスベストの除去でない他の解体作業や清掃作業を行う領域、あるいは原子力粒子を含む粉塵の拡散の防止が求められる原子力発電所修理や清掃が行われる領域に対して用いることもできる。

0083

また、上記実施形態においては、ドラフトDが流出入する解体対象室Rを負圧空間とし、解体対象室Rに局所負圧空間を形成しているが、ドラフトDの流出入等の外乱のない室内空間などを負圧空間とし、その内側に局所負圧空間を形成することもできる。あるいは、ドラフトD以外の外乱がある領域を負圧空間とし、その内側に局所負圧空間を形成することもできる。

0084

他方、上記実施形態においては、図5(b)に示すように、下方密閉空間LSをドラフト流通空間DRに含ませるために、ビニールシート3にスカート部を形成しているが、ビニールシート3の全体をスラブXの高さ位置まで延在させるようにすることもできる。また、移動台車10におけるキャスタ12を跳ね上げ式とし、ビニールシート3で局所負圧空間を仕切って下方密閉空間LSを形成する際には、キャスタ12を跳ね上げて、ビニールシート3をスラブXにまで到達するようにすることもできる。

0085

1…第1負圧除塵装置
2…第2負圧空間形成装置
10…移動台車
11…フレーム
12…キャスタ
13…下足場板
14…上足場板
15…シート取付部材
16…ビニールシート
17…階段
18…ダストシュート
18A…取り外し蓋
19…ポリダクト
20…第2負圧除塵装置
21…吸引口
22…吸引装置
23…エアホース
24…フィルタ
25…排気口
30…ミスト噴射装置
31…ミスト発生機
32…ミストノズル
40…気圧調整装置
41…開閉蓋
42…固定部材
43…蝶番
44…錘部材
B…高層ビル
R…改修対象
S…密閉空間
LS…下方密閉空間
US…上方密閉空間

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