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技術 蛍光体塗布ノズル板、蛍光体塗布ノズル、および蛍光体塗布ノズル板の製造方法

出願人 パナソニック株式会社
発明者 中奥洋赤松謙一和田智
出願日 2012年3月19日 (8年0ヶ月経過) 出願番号 2012-062124
公開日 2013年9月30日 (6年5ヶ月経過) 公開番号 2013-193022
状態 未査定
技術分野 塗布装置2(吐出、流下) 陰極線管及びランプの各種被膜の形成 ガス放電表示管
主要キーワード 硬化範囲 各圧力値 高硬度領域 ガルバノスキャンミラー 入口側開口 レーザ発振源 出口側開口 析出硬化系ステンレス鋼
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

蛍光体を塗布する塗布装置において、蛍光体の含有成分である酸化アルミニウムによる吐出口の摩耗を抑制し、塗布不良の発生しにくい蛍光体塗布ノズル板および蛍光体塗布ノズルを提供する。

解決手段

板本体1と、板本体を貫通し、一列に配列された複数の吐出口2とを備え、吐出口の内壁のうち入口側開口部2aに位置する入口内壁部分には、内壁のうち出口側開口部2bに位置する出口内壁部分よりも、相対的に硬度が高い高硬度領域Bが形成されている。

概要

背景

プラズマディスプレイパネルは、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体励起して発光させることによりカラー表示を行っている。

従来の、ノズル板を使用してプラズマディスプレイパネルのパネル板に蛍光体を塗布する製造工程を説明する図を、図9(a)および図9(b)に示す。

図9(a)は、青色の蛍光体粉末を含んだペーストを塗布する開始時の拡大斜視図を示し、図9(b)は、そのペーストを塗布している途中の拡大斜視図を示している。

特許文献1および特許文献2などに見られるように、この製造工程では、図9(a)および図9(b)に示すように、絶縁性基板15の上にストライプ状の隔壁16を形成し、隔壁16の間の蛍光体セルCに蛍光体粉末を含むペーストAを塗布することが行われている。

この蛍光体の塗布工程は、複数のノズル孔2が480μmの間隔で形成されたノズル板1を使用した塗布装置によって、RGBの各色の蛍光体粉末を含むペーストが、単色ごとに塗布されている。

具体的には、図9(a)および図9(b)に示すように、ストライプ状の隔壁16と交差する方向にノズル板1を配置し、ノズル板1のノズル孔2を介して青色用の蛍光体粉末を含むペーストAを隔壁16の間に吐出しながら、絶縁性の基板15に対してノズル板1を隔壁16の方向(Y軸方向)に相対移動させてペーストAを塗布する。

つぎに、同じく480μmの間隔で形成された別のノズル板(図示せず)を使用して赤色用の蛍光体粉末を含むペーストを塗布する。さらに、同じく480μmの間隔で形成された別のノズル板(図示せず)を使用して緑色用の蛍光体粉末を含むペーストを塗布する。

このようにRGBの各色用のノズル板を使用することによって、隔壁16の間に160μmの間隔でRGBの色用の蛍光体粉末を含むペーストが塗布された部品ができあがる。

概要

蛍光体を塗布する塗布装置において、蛍光体の含有成分である酸化アルミニウムによる吐出口の摩耗を抑制し、塗布不良の発生しにくい蛍光体塗布ノズル板および蛍光体塗布ノズルを提供する。板本体1と、板本体を貫通し、一列に配列された複数の吐出口2とを備え、吐出口の内壁のうち入口側開口部2aに位置する入口内壁部分には、内壁のうち出口側開口部2bに位置する出口内壁部分よりも、相対的に硬度が高い高硬度領域Bが形成されている。

目的

本発明は、上記従来の課題を考慮して、蛍光体のペースト塗布時のノズル母材の摩耗の進行を抑制した、従来よりも長寿命の蛍光体塗布ノズル板、蛍光体塗布ノズルおよび蛍光体塗布ノズル板の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

板本体と、前記板本体を貫通し、一列に配列された複数の吐出口とを備え、前記吐出口の内壁のうち入口側開口部に位置する入口内壁部分には、前記内壁のうち出口側開口部に位置する出口内壁部分よりも、相対的に硬度が高い高硬度領域が形成されていることを特徴とする、蛍光体塗布ノズル板。

請求項2

前記吐出口の横断面は、長孔形状であり、隣接する前記吐出口の前記長孔形状の長手方向は、互いに平行であることを特徴とする、請求項1に記載の蛍光体塗布ノズル板。

請求項3

前記高硬度領域は、前記板本体の面方向に所定の幅広がっており、前記所定の幅は、前記長孔形状の長手方向における幅よりも前記長手方向に直交する方向における幅の方が大きいことを特徴とする、請求項2に記載の蛍光体塗布ノズル板。

請求項4

前記複数の吐出口は、塗布対象物に対する相対的進行方向に直交する方向に一列に配列されており、前記高硬度領域の前記入口側の前記板本体の面からの深さは、前記一列に配列された複数の吐出口のうち中央に位置する前記吐出口に形成された前記高硬度領域における深さの方が、前記一列に配列された複数の吐出口のうち両端に位置する前記吐出口に形成された前記高硬度領域における深さよりも大きいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光体塗布ノズル板。

請求項5

前記高硬度領域は、前記板本体がレーザ焼入れによって加工された部分であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光体塗布ノズル板。

請求項6

前記吐出口は、前記レーザ焼入れに用いたレーザによって形成されたものであることを特徴とする、請求項5に記載の蛍光体塗布ノズル板。

請求項7

前記入口内壁部分および前記出口内壁部分は、隣接する前記吐出口の中間部の前記板本体の硬度よりも高いことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の蛍光体塗布ノズル板。

請求項8

請求項1〜7のいずれかに記載の蛍光体塗布ノズル板と、前記蛍光体塗布ノズル板の前記複数の吐出口に、蛍光体ペーストを供給するマニホールド部とを備えたことを特徴とする、蛍光体塗布ノズル。

請求項9

板本体と、前記板本体を貫通し、一列に配列された複数の吐出口とを有し、前記吐出口の内壁のうち入口側開口部に位置する入口内壁部分には、前記内壁のうち出口側開口部に位置する出口内壁部分よりも、相対的に硬度が高い高硬度領域が形成されている蛍光体塗布ノズル板の製造方法であって、前記吐出口の出口側となる前記板本体の面に焦点を合わせたレーザ光を、前記吐出口の入口側となる前記板本体の面から照射しながら、前記板本体の面方向に移動することにより、前記吐出口を形成することを特徴とする、蛍光体塗布ノズル板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、プラズマディスプレイパネルELディスプレイパネル蛍光体を使用した照明などの製造に用いる、蛍光体ノズル板、蛍光体塗布ノズルおよび蛍光体塗布ノズル板の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

プラズマディスプレイパネルは、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起して発光させることによりカラー表示を行っている。

0003

従来の、ノズル板を使用してプラズマディスプレイパネルのパネル板に蛍光体を塗布する製造工程を説明する図を、図9(a)および図9(b)に示す。

0004

図9(a)は、青色の蛍光体粉末を含んだペーストを塗布する開始時の拡大斜視図を示し、図9(b)は、そのペーストを塗布している途中の拡大斜視図を示している。

0005

特許文献1および特許文献2などに見られるように、この製造工程では、図9(a)および図9(b)に示すように、絶縁性基板15の上にストライプ状の隔壁16を形成し、隔壁16の間の蛍光体セルCに蛍光体粉末を含むペーストAを塗布することが行われている。

0006

この蛍光体の塗布工程は、複数のノズル孔2が480μmの間隔で形成されたノズル板1を使用した塗布装置によって、RGBの各色の蛍光体粉末を含むペーストが、単色ごとに塗布されている。

0007

具体的には、図9(a)および図9(b)に示すように、ストライプ状の隔壁16と交差する方向にノズル板1を配置し、ノズル板1のノズル孔2を介して青色用の蛍光体粉末を含むペーストAを隔壁16の間に吐出しながら、絶縁性の基板15に対してノズル板1を隔壁16の方向(Y軸方向)に相対移動させてペーストAを塗布する。

0008

つぎに、同じく480μmの間隔で形成された別のノズル板(図示せず)を使用して赤色用の蛍光体粉末を含むペーストを塗布する。さらに、同じく480μmの間隔で形成された別のノズル板(図示せず)を使用して緑色用の蛍光体粉末を含むペーストを塗布する。

0009

このようにRGBの各色用のノズル板を使用することによって、隔壁16の間に160μmの間隔でRGBの色用の蛍光体粉末を含むペーストが塗布された部品ができあがる。

先行技術

0010

特開2004−14479号公報
特開平11−309402号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、上記従来の構成のノズル板は、繰り返し使用して上記の部品の製造を続けると、蛍光体の塗布量が多くなるため、ノズル板を頻繁に交換しなければならなかった。

0012

すなわち、上記従来のノズル板1の使用後のノズル孔2を、ノズル孔2の出口側から観察すると、ノズル孔2に摩耗が発生していることが分かる。このように摩耗したノズル板1の使用を続けて上記の部品の製造を続けると、ノズル孔2の大きさが大きくなってしまって蛍光体の塗布量が多くなって、遂には、塗布された蛍光体が隔壁16を乗り越える塗布不良が発生する。

0013

上記従来の構成のノズル板1では、吐出時に、蛍光体を含むペーストAをノズル孔2の出口方向に加圧することでノズル孔2内部をペーストAが通過し、ガラス基板の蛍光体セルC内に塗布されるが、このとき、高い硬度(Hv1800〜2400)を持つ酸化アルミニウムを含む蛍光体のペーストAが、ステンレス鋼などのノズル母材直接接触することにより、ノズル孔形状の摩耗が進行してしまう。

0014

本発明は、上記従来の課題を考慮して、蛍光体のペースト塗布時のノズル母材の摩耗の進行を抑制した、従来よりも長寿命の蛍光体塗布ノズル板、蛍光体塗布ノズルおよび蛍光体塗布ノズル板の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

上述した課題を解決するために、第1の本発明は、
板本体と、前記板本体を貫通し、一列に配列された複数の吐出口とを備え、
前記吐出口の内壁のうち入口側開口部に位置する入口内壁部分には、前記内壁のうち出口側開口部に位置する出口内壁部分よりも、相対的に硬度が高い高硬度領域が形成されていることを特徴とする、蛍光体塗布ノズル板である。

0016

また、第2の本発明は、
前記吐出口の横断面は、長孔形状であり、隣接する前記吐出口の前記長孔形状の長手方向は、互いに平行であることを特徴とする、第1の本発明の蛍光体塗布ノズル板である。

0017

また、第3の本発明は、
前記高硬度領域は、前記板本体の面方向に所定の幅広がっており、
前記所定の幅は、前記長孔形状の長手方向における幅よりも前記長手方向に直交する方向における幅の方が大きいことを特徴とする、第2の本発明の蛍光体塗布ノズル板である。

0018

また、第4の本発明は、
前記複数の吐出口は、塗布対象物に対する相対的進行方向に直交する方向に一列に配列されており、
前記高硬度領域の前記入口側の前記板本体の面からの深さは、前記一列に配列された複数の吐出口のうち中央に位置する前記吐出口に形成された前記高硬度領域における深さの方が、前記一列に配列された複数の吐出口のうち両端に位置する前記吐出口に形成された前記高硬度領域における深さよりも大きいことを特徴とする、第1〜第3のいずれかの本発明の蛍光体塗布ノズル板である。

0019

また、第5の本発明は、
前記高硬度領域は、前記板本体がレーザ焼入れによって加工された部分であることを特徴とする、第1〜第4のいずれかの本発明の蛍光体塗布ノズル板である。

0020

また、第6の本発明は、
前記吐出口は、前記レーザ焼入れに用いたレーザによって形成されたものであることを特徴とする、第5の本発明の蛍光体塗布ノズル板である。

0021

また、第7の本発明は、
前記入口内壁部分および前記出口内壁部分は、隣接する前記吐出口の中間部の前記板本体の硬度よりも高いことを特徴とする、第1〜第6のいずれかの本発明の蛍光体塗布ノズル板である。

0022

また、第8の本発明は、
第1〜第7のいずれかの本発明の蛍光体塗布ノズル板と、
前記蛍光体塗布ノズル板の前記複数の吐出口に、蛍光体ペーストを供給するマニホールド部とを備えたことを特徴とする、蛍光体塗布ノズルである。

0023

また、第9の本発明は、
板本体と、前記板本体を貫通し、一列に配列された複数の吐出口とを有し、前記吐出口の内壁のうち入口側開口部に位置する入口内壁部分には、前記内壁のうち出口側開口部に位置する出口内壁部分よりも、相対的に硬度が高い高硬度領域が形成されている蛍光体塗布ノズル板の製造方法であって、
前記吐出口の出口側となる前記板本体の面に焦点を合わせたレーザ光を、前記吐出口の入口側となる前記板本体の面から照射しながら、前記板本体の面方向に移動することにより、前記吐出口を形成することを特徴とする、蛍光体塗布ノズル板の製造方法である。

発明の効果

0024

本発明により、蛍光体のペースト塗布時のノズル母材の摩耗の進行を抑制した、従来よりも長寿命の蛍光体塗布ノズル板、蛍光体塗布ノズルおよび蛍光体塗布ノズル板の製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0025

(a)本発明の実施の形態1および実施の形態2における蛍光体塗布ノズルのG−G断面図、(b)本発明の実施の形態1および実施の形態2における蛍光体塗布ノズルの模式底面図
本発明の実施の形態1における蛍光体塗布ノズル板のノズル孔およびPDPパネルガラス板上の絶縁性の基板部分の断面図
本発明の実施の形態1における蛍光体ペーストのノズル孔付近圧力分布を示す図
本発明の実施の形態1における蛍光体塗布ノズルのノズル孔部分の横断面図
本発明の実施の形態2における蛍光体塗布ノズルのノズル孔の模式平面図および模式縦断面図
(a)本発明の実施の形態2における蛍光体塗布ノズル内の蛍光体ペーストAの流れを説明する、正面から見た蛍光体塗布ノズルの模式断面図、(b)本発明の実施の形態2における蛍光体塗布ノズルの模式底面図、(c)本発明の実施の形態2における蛍光体塗布ノズルの左右方向の、各吐出口における圧力分布を示した図
本発明の実施の形態3における、レーザ加工システムの構成例を示す図
(a)本発明の実施の形態3における、レーザによるノズル孔の加工方法を説明するための、ノズル孔入口付近を加工する際の模式図、(b)本発明の実施の形態3における、レーザによるノズル孔の加工方法を説明するための、ノズル孔出口付近を加工する際の模式図
(a)従来の、ノズル板を使用して青色の蛍光体粉末を含んだペーストを塗布する製造工程の塗布開始時を説明する拡大斜視図、(b)従来の、ノズル板を使用して青色の蛍光体粉末を含んだペーストを塗布する製造工程の塗布途中を説明する拡大斜視図

実施例

0026

以下、本発明の実施の形態について、代表的な実施例であるプラズマディスプレイパネル(PDP)の蛍光体塗布ノズルの図面を参照しながら説明する。

0027

(実施の形態1)
図1(b)に、本発明の実施の形態1における蛍光体塗布ノズルの模式底面図を示し、図1(a)に、図1(b)のG−G断面図を示す。

0028

複数のノズル孔2が、ノズル板1に貫通して設けられている。また、ペースト供給板7に、蛍光体を含むペーストAが供給されるペースト供給口6が設けられている。

0029

ノズル板1とペースト供給板7間の空間により、マニホールド9とマニホールドゲート部8が形成され、マニホールド9、マニホールドゲート部8およびノズル孔2によってペーストAの流路が形成されている。

0030

ノズル孔2は、塗布対象物により異なるが、高精細PDPの蛍光体塗布では1922個が、塗布対象物に対してノズル板1が進行する方向に直交する方向に一列に配列されている。

0031

なお、ノズル板1が塗布対象物に対して相対的に移動しながら、塗布対象物にペーストAを塗布していくが、塗布対象物に対してノズル板1が相対的に移動すればよい。すなわち、塗布対象物が移動してもよく、ノズル板1が移動してもよく、また両者が移動する構成であってもよい。本明細書では、ノズル板1が塗布対象物に対して相対的に進行する方向を、単に「ノズル板1の進行方向」として説明する。

0032

なお、ノズル板1の母材部分が、本発明の板本体の一例にあたり、ノズル孔2が、本発明の吐出口の一例にあたる。また、マニホールド9、マニホールドゲート部8およびノズル孔2によって形成されるペーストAの流路が、本発明のマニホールド部の一例にあたる。

0033

図2は、本発明の実施の形態1における、酸化アルミニウムを含む蛍光体ペーストを塗布する際の、蛍光体塗布ノズル板1のノズル孔2およびPDPパネルガラス板上の絶縁性の基板15部分の断面図である。

0034

図2において、ペーストAには種々の薬品が用いられるため、ノズル板1は腐食の恐れがあるので、ノズル板1として、フェライト系ステンレス鋼マルテンサイト系ステンレス鋼析出硬化形ステンレス鋼を使用するのが良い。具体的にはSUS430、SUS420、SUS440C、SUS630などを使用するのが良い。また、後述する硬化範囲熱処理で生成させる場合は、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼であるSUS420、SUS440C、SUS630等を使用するのが良い。

0035

ペーストAは、図1(a)に示すペースト供給口6から供給され、マニホールド9およびマニホールドゲート部8を通過し、図2に示すノズル孔入口2aよりノズル孔2に入り、ノズル孔出口2bより吐出される。そして、ペーストAは、図2に示すように絶縁性の基板15上の隔壁16間の蛍光体セルC内へ塗布される。

0036

また、図2に示す範囲Bは、ノズル板1が他の部分と比較して硬化された高硬度領域の部分である。ここで、ノズル板1の厚さは300μm〜700μm程度であり、ノズル孔2の径は、ノズル孔出口2bで約100μmであり、高硬度領域Bのノズル孔入口2a面からの深さは、ノズル板1の厚さに対して1/4〜1/2程度である。

0037

なお、ノズル孔入口2aが、本発明の入口側開口部の一例にあたり、ノズル孔出口2bが、本発明の出口側開口部の一例にあたる。また、ノズル孔2の内壁のうちノズル孔入口2aの近傍部分が、本発明の入口内壁部分の一例にあたり、ノズル孔2の内壁のうちノズル孔出口2bの近傍部分が、本発明の出口内壁部分の一例にあたる。

0038

図3は、本実施の形態1において蛍光体の塗布を行う際、ペーストAのノズル孔2近傍での圧力分布を示す図であり、シミュレーションによって明らかにしたものである。

0039

図3には、よりペーストAが滑らかにノズル板1上のノズル孔2へ流れ込むよう、テーパ部2cが設けられている。また、シミュレーションはAutodesk Moldflowによって行い、前提条件は、マニホールド9に加える相対圧力を1.5MPa、ノズル孔出口2bの相対圧力を0Paとしている。図3では、ペーストAによる圧力の大きさを濃淡で表しており、圧力の高い部分を濃く表している。各圧力値に対応する部分を破線矢印で表している。

0040

図3より、ノズル孔入口2a付近のペーストの圧力がノズル孔出口2bより高く、ノズル孔入口2a付近が磨耗し易いということがわかる。したがって、図2に示すように、ノズル孔入口2a部分に硬度の高い高硬度領域Bを設けることで、ノズル孔2内壁の磨耗を抑制することができ、ノズル板1の長寿命化を実現することができる。

0041

図4は、本実施の形態1における蛍光体塗布ノズルのノズル孔2部分の、吐出方向と垂直な断面の断面図である。説明の簡略化のため、図3に描かれているノズル孔入口のテーパ部2cの記載は省略している。図4において、図1図3と対応する構成部分には、同じ符号を用いている。

0042

ノズル孔2の吐出方向と垂直な断面は、図4に示すように蛍光体塗布ノズルの進行方向に長い長孔形状となっており、図1に示すように、隣接するノズル孔2の長孔形状の長手方向が互いに平行となるように配置されている。

0043

図2および図4に示すように、高硬度領域Bは、ノズル孔2の内壁からノズル板1の面方向に所定の幅広がるように形成されている。

0044

高硬度領域Bの、ノズル板1のノズル孔入口2a側の面におけるノズル孔2内壁からの距離は、長孔長径方向における幅17aが10〜30μmであり、長孔の短径方向における幅17bが40〜70μmである。このように、ノズル板1の面方向における高硬度領域Bの範囲が、ノズル孔入口2aの長径方向よりも短径方向の方が大きく、つまり隣接するノズル孔2の方向に対して大きくなっている。

0045

このように、高硬度領域Bの範囲を、隣接するノズル孔2の方向に対して大きくすることにより、隣接するノズル孔2における磨耗の影響を受けにくくすることができる。したがって、隣接するノズル孔2間の距離をより小さくすることが可能となる。

0046

なお、長径方向における幅17aが、本発明の長孔形状の長手方向における幅の一例にあたり、短径方向における幅17bが、本発明の長孔形状の長手方向に直交する方向における幅の一例にあたる。

0047

このように、本実施の形態1の蛍光体塗布ノズルは、複数のノズル孔2を設けたノズル板1の各ノズル孔2の入口側にのみ局所的に硬度が高い高硬度領域Bをもつことを特徴としている。

0048

本実施の形態1より、各ノズル孔2の隣接ノズル孔方向の耐磨耗性を高めることができ、図2に示される蛍光体セルC内部からペーストAがはみ出すことを防ぐことができる。

0049

(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における蛍光体塗布ノズルの底面図および断面図は、実施の形態1の蛍光体塗布ノズルと同様であり、図1(b)および図1(a)に示す通りである。

0050

図5は、本発明の実施の形態2の蛍光体塗布ノズル板1の、ノズル孔入口2a側から見た平面図、および各ノズル孔2の中心線を含む平面で切断した縦断面の模式図である。

0051

図5では、蛍光体塗布ノズルの進行方向に直交する方向に一列に配列された複数のノズル孔2のうち、中央および両端に位置するノズル孔2のみを記載し、その他のノズル孔2の記載を省略している。

0052

図5は、ノズル板1のノズル孔入口2a側の面からの高硬度領域Bの深さ、およびノズル板1のノズル孔入口2a側の面における高硬度領域Bの範囲の変化を表している。

0053

ノズル板1の長手方向に一列に配列された複数のノズル孔2のうち、両端に配置されたノズル孔2のノズル孔入口2a側に形成された高硬度領域Bは、ノズル孔入口2a側の面からの深さがノズル板1の厚みの1/4程度であり、ノズル板1表面における短径方向の幅17bが約20μmである。一方、一列に配列された複数のノズル孔2のうち、中央部に配置されたノズル孔2のノズル孔入口2a側に形成された高硬度領域Bは、ノズル孔入口2a側の面からの深さがノズル板1の厚みの1/2程度であり、ノズル板1表面における短径方向の幅17bが約50μmである。

0054

このように、ノズル板1の長手方向の中央部に形成された高硬度領域Bの深さおよび面方向の幅は、ノズル板1の長手方向の端部に形成された高硬度領域Bの深さおよび面方向の幅よりも、深く、大きくなるよう構成されている。

0055

図6(a)〜図6(c)に、本実施の形態2の蛍光体塗布ノズルの全体におけるペースト吐出時の圧力分布の相関を説明する図を示す。

0056

図6(a)は、本実施の形態2の蛍光体塗布ノズル内の蛍光体ペーストAの流れを説明する、正面から見た蛍光体塗布ノズルの模式断面図を示し、図6(b)は、蛍光体塗布ノズルの模式底面図を示し、図6(c)は、図6(a)および図6(b)の吐出口2の位置に対応する、蛍光体塗布ノズルの左右方向の圧力分布を示している。

0057

図6(a)に示すように、蛍光体ペーストAは、ペースト供給口6を通り、マニホールド9で方向を変え、マニホールドゲート部8を乗り越えることにより、ある程度は各ノズル孔2に到達時のペーストAの圧力を均一化することができ、さらに吐出圧力を受けることでノズル孔2から吐出される。

0058

図6(c)より、このときノズル孔2にかかる圧力は、ペースト供給口6が長手方向中央に配置されている影響を受け、長手方向端部に配置されたノズル孔2よりも、長手方向中央部に配置されたノズル孔2にかかる吐出圧力が大きいことを示している。

0059

ペースト供給口6の配置位置の影響を受けて蛍光体塗布ノズルの長手方向中央部に配置されたノズル孔2近傍の圧力が高くなることにより、長手方向中央部に配置されたノズル孔2の摩耗進行が予想される。図5に示すように、ノズル板1の長手方向の端部に配置されたノズル孔2のノズル孔入口2a側に形成された高硬度領域Bの深さよりも、長手方向中央部に配置されたノズル孔2のノズル孔入口2a側に形成された高硬度領域Bの深さを大きくすることで、長手方向端部に比べて、吐出圧力が高く流速が速くなる長手方向中央部のノズル孔入口2aの侵食の低減に有効である。

0060

図6(a)で示したペースト供給口6から供給・加圧された蛍光体ペーストAは、ノズル板1の長手方向端部に比べ、長手方向中央部にかかる流速および圧力が高くなるが、本実施の形態2では、長手方向中央部に形成された高硬度領域Bの深さを長手方向端部に形成された高硬度領域Bの深さよりも大きくしたことにより、ノズル板1の長手方向中央部の蛍光体ペーストAの侵食が進み摩耗バランス崩れることを抑制でき、ノズル寿命の長寿命化が図れる。

0061

更に、本実施の形態2においては、ノズル孔入口2a近傍のみの硬度が高くなっており、ノズル孔出口2b側を含むノズル板1の他の部分の硬度をノズル孔入口2a側より低く設定したので、ノズル板1上に硬度の高い部分がスポット状に配置されている。これにより、吐出時にマニホールド9内の圧力によりノズル板1が変形しても、クラックが入ることを防止しつつ、且つノズル孔入口2a部分の磨耗を防止することが可能となる。

0062

(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、実施の形態1および実施の形態2で説明した本発明の蛍光体塗布ノズル板の、レーザによるノズル孔の加工方法について説明する。

0063

本実施の形態3においてノズル孔2を加工する際に使用するレーザは、ナノ秒ピコ秒フェムト秒等の精密加工を行えるレーザである。

0064

図7に、本実施の形態3におけるノズル孔2の加工方法を実現させるレーザ加工システムの構成例を示す。

0065

図7において、レーザ光Dは、レーザ発振源10より照射され、シャッター11、コリメータ12等の光学機器により成形され、ガルバノスキャンミラー等の遥動ミラー13により反射され、集光レンズ14により集光される。ノズル板1表面への照射位置は、遥動ミラー13により制御されている。また、集光レンズ14の焦点は被加工物であるノズル板1の、ノズル孔出口2bとなる側の面に合わせてある。本実施の形態3でのレーザの使用条件は、スポット径20μm、N/A0.04、加工点でのパワー0.5Wである。

0066

図8(a)および図8(b)に、本実施の形態3における蛍光体塗布ノズル板の、レーザによるノズル孔の加工方法を説明する図を示す。図8(a)は、ノズル孔入口2a付近を加工する際の加工状態を模式的に表した図であり、図8(b)は、ノズル孔出口2b付近を加工する際の加工状態を模式的に表した図である。

0067

本実施の形態3では、ノズル板1のノズル孔入口2aを形成する側から、ノズル孔出口2bに焦点を合わせたレーザ光Dを、ノズル孔2を形成する箇所に対してらせん状にスキャンしながら照射して、ノズル板1にノズル孔2を形成する。

0068

図8(a)のように、ノズル板1に対して加工される予定ノズル形状3の加工を開始すると、レーザ光Dはノズル孔入口2a付近では充分にフォーカスされていないため、フォーカスされたレーザで加工する場合と比較して加工レートは遅く加工精度も悪いが、ノズル孔入口2a付近のノズル板1の表面および内面熱影響を与える。熱影響を与えられたノズル孔入口2a付近のノズル板1の表面および内面はエアブローおよびノズル板1内での熱拡散によって急冷され、焼入れ効果により母材よりも硬度が高くなり、高硬度領域Bが生成される。

0069

そして、ノズル孔2が深く形成されていくにしたがって、レーザ光Dはノズル板1の加工される部分に対して集光されていく。図8(b)に示すように、ノズル孔出口2b付近が加工される際には、レーザ光Dは充分に集光されており、加工レートが大きいため熱影響をノズル孔出口2b内面にほとんど与えることなく、精度の高い加工を行うことができる。

0070

つまり、ノズル板1のノズル孔入口2aを形成する側から、ノズル孔出口2bに焦点を合わせたレーザ光Dをノズル孔2を形成する箇所にスキャンしながら照射すると、レーザ光Dがフォーカスされないノズル孔入口2a付近には高硬度領域Bが形成され、レーザ光Dがフォーカスされるノズル孔出口2b付近になると高硬度領域Bが形成されずに、ノズル孔2が形成される。

0071

このように、ノズル孔出口2bに焦点を合わせたレーザ光Dをスキャンしながら照射することで、ノズル板1のノズル孔2を形成するとともに、ノズル孔入口2a部分にレーザ焼入れを行なうことができる。

0072

レーザ光Dを照射する際、形成するノズル孔2の長孔形状の長径側の端部よりも短径側の端部を多くスキャンさせることにより、図4に示すように、長孔形状の長径方向における幅17aよりも短径方向における幅17bが大きい高硬度領域Bを形成させることができる。

0073

また、ノズル板1にノズル孔2を形成した後、形成されたノズル孔2の内壁に沿って引き続きレーザ光Dをスキャンさせることにより、ノズル孔2の内壁を切削することなくその内壁面から熱影響を与え、高硬度領域Bの範囲を大きくすることができる。このようにして、図5に示すように、ノズル板1の長手方向に応じて深さが異なる高硬度領域Bを形成することができる。

0074

なお、レーザ光Dの照射によりノズル孔2の内壁のノズル孔出口2bに至る部分まで熱影響が与えられ、ノズル孔2の内壁の全体に沿って硬度の高い部分が形成される場合もあるが、レーザ光Dの照射される時間が最も長いノズル孔入口2a部分が最も硬度が高くなるように硬度の高い部分が分布する。したがって、ノズル孔出口2b部分まで高い硬度に改質される場合でも、ノズル孔入口2a部分の方がノズル孔出口2b部分よりも高い硬度となる。

0075

また、隣接するノズル孔2間の中間部分のノズル板1の硬度は高くならず高硬度領域Bが形成されないので、ノズル孔2の内壁の全体に沿って硬度が高くなった場合、ノズル孔入口2a部分およびノズル孔出口2b部分の硬度は、ともに、ノズル孔2間の中間部分のノズル板1の硬度よりも高くなる。

0076

このように、本実施の形態3の加工方法により、本発明の実施の形態1および実施の形態2の構成のノズル孔2を有するノズル板1の製造を、容易且つ高精度に行うことができる。

0077

以上に説明したように、本発明により、耐摩耗性の高い蛍光体塗布ノズル板、およびそれを用いた蛍光体塗布ノズルを提供することができる。

0078

本発明に係る蛍光体塗布ノズル板、蛍光体塗布ノズルおよび蛍光体塗布ノズル板の製造方法は、蛍光体のペースト塗布時のノズル母材の摩耗の進行を抑制し従来よりも長寿命にできる効果を有し、プラズマディスプレイパネルの蛍光体や有機ELや無機ELなどの塗布用途として有用である。

0079

1ノズル板
2ノズル孔
2a ノズル孔入口
2b ノズル孔出口
2cテーパ部
3 加工される予定のノズル形状
6ペースト供給口
7ペースト供給板
8マニホールドゲート部
9 マニホールド
10レーザ発振源
11シャッター
12コリメータ
13遥動ミラー
14集光レンズ
15絶縁性の基板
16隔壁
17a長孔の長径方向における幅
17b 長孔の短径方向における幅
Aペースト
B高硬度領域
C蛍光体セル
D レーザ光

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