図面 (/)
課題
解決手段
作動子と同軸の所定の巾で所定の離間距離の第1,第2の軟磁性体円柱を外筺内で往復できるように保持する装置と、外筐内側に固定された円環状の軟磁性体で作られた第1,第2の磁極とそれ等の外側に設けた磁路と、第1,第2の磁極間の円環状の空隙に装着された励磁コイルと、第1の軟磁性体円柱の1端の外周端部と第1の磁極の内周端部を空隙を介して対向し、第2の軟磁性体円柱の外周を第2の磁極の内周全巾に空隙を介して対向して保持する装置と、励磁コイルの通電により、第1の軟磁性体円柱が第1の磁極に吸引駆動され、その区間の初期には第2の軟磁性体円柱と第2の磁極による駆動力が得られるとともに磁路となる装置とにより構成されたものである。
概要
背景
概要
駆動力が著しく大きく、無音で作動する電磁プランジャ装置を得ることである。作動子と同軸の所定の巾で所定の離間距離の第1,第2の軟磁性体円柱を外筺内で往復できるように保持する装置と、外筐内側に固定された円環状の軟磁性体で作られた第1,第2の磁極とそれ等の外側に設けた磁路と、第1,第2の磁極間の円環状の空隙に装着された励磁コイルと、第1の軟磁性体円柱の1端の外周端部と第1の磁極の内周端部を空隙を介して対向し、第2の軟磁性体円柱の外周を第2の磁極の内周全巾に空隙を介して対向して保持する装置と、励磁コイルの通電により、第1の軟磁性体円柱が第1の磁極に吸引駆動され、その区間の初期には第2の軟磁性体円柱と第2の磁極による駆動力が得られるとともに磁路となる装置とにより構成されたものである。
目的
効果
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請求項1
作動子と同軸で固着された所定の長さで、所定の軸間距離だけ離間した第1,第2の軟磁性体円柱を外筐内で軸方向に左右に移動できるように支持する装置と、外筺内側に固着され、所定の軸間距離で保持された円環状の軟磁性体で作られた第1,第2の磁極及びそれらの外側の磁路とよりなる固定子と、第1,第2の磁極間の円環状の空隙に装着された励磁コイルと、作動子に連設した装置により後退せしめられて、第1,第2の磁極と第1,第2の軟磁性体円柱を後述する相対位置を抑止部材により停止して保持し、該停止点において、第1の磁極端部に第1の軟磁性体円柱の端部が僅かな空隙を介して僅かな距離だけ侵入し、第2の磁極の内周面と第2の軟磁性体円柱の外周面のほぼ全幅を僅かな空隙を介して対向するとともに、第2の磁性体円柱の外側端部を第2の磁極内周端部より僅かな距離だけ進行方向より後退して保持する装置と、励磁コイルに通電することにより、第1の軟磁性体円柱が第1の磁極に吸引されて移動される初期より移動の終了する末期の区間において、第2の磁極の全巾が第2の軟磁性体円柱の外側に対向して保持される装置と、作動子の軸方向の移動により駆動される負荷とにより構成されたことを特徴とする電磁プランジャ装置。
技術分野
背景技術
発明が解決しようとする課題
0003
従来の周知の電磁プランジャには次に述べる3つの解決すべきか題がある。第1の課題 作動時に大きい衝撃音を発生する。第2の課題 最も出力を必要とする作動の初期に最も駆動力が小さく、出力を必要としない作動の終了時に最も駆動力が大きくなる。第3の課題 同じ大きさで従来の電磁プランジャより6〜10倍の出力のものが期待されているがこの手段がない。
課題を解決するための手段
0004
作動子と同軸で固着された所定の長さで、所定の軸間距離だけ離間した第1,第2の軟磁性体円柱を外筺内で軸方向に左右に移動できるように支持する装置と、外筺内側に固着され、所定の軸間距離で保持された円環状の軟磁性体で作られた第1,第2の磁極及びそれらの外側の磁路とよりなる固定子と、第1,第2の磁極間の円環状の空隙に装着された励磁コイルと、作動子に連設した装置により後退せしめられて、第1,第2の磁極と第1,第2の軟磁性体円柱を後述する相対位置を抑止部材により停止して保持し、該停止点において、第1の磁極端部に第1の軟磁性体円柱の端部が僅かな空隙を介して僅かな距離だけ侵入し、第2の磁極の内周面と第2の軟磁性体円柱の外周面のほぼ全幅を僅かな空隙を介して対向するとともに、第2の磁性体円柱の外側端部を第2の磁極内周端部より僅かな距離だけ進行方向より後退して保持する装置と、励磁コイルに通電することにより、第1の軟磁性体円柱が第1の磁極に吸引されて移動される初期より移動の終了する末期の区間において、第2の磁極の全巾が第2の軟磁性体円柱の外側に対向して保持される装置と、作動子の軸方向の移動により駆動される負荷とにより構成されたものである。
0005
図1以降について本発明の詳細を説明する。各図面の同一記号のものは同じ作用をする部材なので、その重複した説明は省略する。図1は外観を示す図である。円柱状の外筺となる記号2の左右には側板を兼ねる部材4aと側板3bが固着され、作動子1bが左右に駆動される。記号4a,4bは図2につき後述するようにそれぞれ第1,第2の磁極となる。作動子1bと軟磁性体円柱1cは同軸で固定され、空孔3aを介して点線Bで示すように負荷3が連結される。記号3bで示す円板の中央空孔により作動子1bは矢印A又はその反対方向に滑動するように支持される。記号2aはスパイラルスプリングで、円板2bを介して作動子1bと軟磁性体円柱1cを矢印Aと反対方向に弾撥し、図示しない抑止部材により図示の位置に保持されている。
0006
図2は図1の横断面図である。図2において、円筒状の軟磁性体(以降は軟鋼と略称する)2は円環状の軟鋼磁極4a,4bの磁路となっている。円環状のコア5aには励磁コイル5が捲着され、内周面には摺動部材となる円環状のプラスチック円環5bが固着されている。磁極4a,4bの外周は外筺2に固着され、内周面を軟鋼円柱1a,1cの外周が僅かな空隙を介して左右に移動する。側板となる円板3bの中央空孔を作動子1bは摺動し、軟鋼円柱1a,1cは円環5bを摺動する。
0007
磁極4bの左端の円環状の切欠部4cは、軟鋼円柱1aが磁極4bに吸引されて移動したときに、切欠部で反対方向の吸引力を発生して側板3bと衝合して機械音を発生することを防止する為のものである。次に図4につき動作の説明をする。図4において、従来の手段によると、軟鋼円柱1aの点線9fの左側を除去して矢印9eの磁束により、矢印c方向の駆動力を得ているが、本発明装置では、磁極4a(S極)による矢印c方向の力を除去している。従って従来の手段より駆動力が減少する筈であるが、反対に6倍位の駆動力となっている。その理由を次に説明する。
0008
磁極4aの磁極面と軟鋼円柱1aの外周面は常時完全に対向しているので、両者間の磁束9dの方向は対向面に垂直となり駆動力を発生しない、磁極4aの左右端の洩れ磁束による駆動力も相殺してほぼ零となる。磁極4bと軟鋼円柱1aの左端との対向面の磁束は図示の記号9a,9b,9cのようになる。従って磁束9aによる駆動力は零となるが、洩れ磁束9b,9cにより矢印c方向の駆動力を発生する。かかる洩れ磁束は著しく大きい量の磁束9dと閉じられた関係となっているので、大きい磁束となり、前述した磁極4a,4bの両者により駆動力を得る場合の6倍位の駆動力となる有効な手段となる。
0009
対向面の磁束9a,9dを対向面に垂直とする為には対向面間の距離を0.2ミリメートル以下とすることが実測により確認されている。磁束の径方向の分力を全円周につき合成すると、本発明装置はすべて円形の磁性体なので零となる。従って軟鋼円柱1aに作用する径方向の合力は零となるので、軟鋼円柱1aの軸方向の移動が円滑となる作用効果がある。図6にその詳細を示す。図6において、磁極4aと軟鋼円柱1cとの空隙間の磁束は矢印で示され、径外側方向(矢印E方向)となり、軸対称となっているので合成磁束は消滅する。この為には次の条件が必要となる。第1に純度の高い軟鋼を使用して、磁気誘導のヒステリシスを除去することにより印加磁界が零となると、残留磁束も零となるものが必要である。第2に径方向の磁束が方向によって差がなく、合成磁束が零となることが必要となる。この為に加工終了後にアニールをして、磁気誘導常数を一定の値とする必要がある。
0010
図3は駆動力の特性を示すグラフである。図3において、よこ軸は作動子の移動ストローク、たて軸は駆動力である。従来の電磁プランジャの場合には曲線7となり、同形の本発明装置の場合には曲線8となる。本発明装置では初期の駆動力が著しく大きくなり前述したように有効な手段を得ることができる。図4に示す手段によると、次に示す問題点がある。駆動の初期において、矢印9e,9gで示す洩れ磁束があるが、磁束9gは軟鋼円柱1aと磁極4a,4bを介して閉じられ、磁束9eも同様に閉じられる。しかし磁束9gと9eでは前者の方が磁気回路の抵抗が小さいので、磁束9gは9eより大きくなり、従って矢印Cと反対方向の駆動が付加されて、矢印C方向の駆動力を減少せしめる不都合を発生する。
0011
本発明の手段によると、図5に示す手段により上述した不都合を除去することができる。次にその説明をする。図5において、軟鋼円柱1a,1cは点線1d,1hで示す間の区間(記号1fで示す)だけ離間され、軟鋼円柱1a,1cが構成される。記号1f部も軟鋼である。図5において、磁極4bと軟鋼円柱1aとの間の磁束、又これによる矢印C方向の駆動力は図4の場合と全く同様である。軟鋼円柱1cの左端は磁極4aの左端より矢印9kの巾だけ後退しているので、矢印9hで示す磁束による駆動力が付加されて駆動力を増大する作用効果がある。
発明の効果
0013
従来の手段と比較して初期の駆動力は10倍以上で平均値でも6倍以上の駆動力が得られる効果がある。又動作中の機械音の発生が著しく小さくなる効果がある。必要により、往復駆動のできる手段も、付加することができる。
図面の簡単な説明
0014
本発明装置の外観図本発明装置の横断面図本発明装置と周知の電磁プランジャの駆動力特性のグラフ本発明装置と類似した装置の駆動力発生の機構の説明図本発明装置の駆動力発生の機構の説明図径方向の磁束による吸引力の説明図
00015
図1以降について本発明の詳細を説明する。各図面の同一記号のものは同じ作用をする部材なので、その重複した説明は省略する。図1は外観を示す図である。円柱状の外筐となる記号2の左右には側板を兼ねる部材4aと側板3bが固着され、作動子1bが左右に駆動される。記号4a,4bは図2につき後述するようにそれぞれ第1,第2の磁極となる。作動子1bと軟磁性体円柱1cは同軸で固定され、空孔3aを介して点線Bで示すように負荷3が連結される。記号3bで示す円板の中央空孔により作動子1bは矢印A又はその反対方向に滑動するように支持される。記号2aはスパイラルスプリングで、円板2bを介して作動子1bと軟磁性体円柱1cを矢印Aと反対方向に弾撥し、図示しない抑止部材により図示の位置に保持されている。
0016
図2は図1の横断面図である。図2において、円筒状の軟磁性体(以降は軟鋼と略称する)2は円環状の軟鋼磁極4a,4bの磁路となっている。円環状のコア5aには励磁コイル5が捲着され、内周面には摺動部材となる円環状のプラスチック円環5bが固着されている。磁極4a,4bの外周は外筺2に固着され、内周面を軟鋼円柱1a,1cの外周が僅かな空隙を介して左右に移動する。側板となる円板3bの中央空孔を作動子1bは摺動し、軟鋼円柱1a,1cは円環5bを摺動する。
0017
磁極4bの左端の円環状の切欠部4cは、軟鋼円柱1aが磁極4bに吸引されて移動したときに、切欠部で反対方向の吸引力を発生して側板3bと衝合して機械音を発生することを防止する為のものである。次に図4につき動作の説明をする。図4において、従来の手段によると、軟鋼円柱1aの点線9fの左側を除去して矢印9eの磁束により、矢印c方向の駆動力を得ているが、本発明装置では、磁極4a(S極)による矢印c方向の力を除去している。従って従来の手段より駆動力が減少する筈であるが、反対に6倍位の駆動力となっている。その理由を次に説明する。
0018
磁極4aの磁極面と軟鋼円柱1aの外周面は常時完全に対向しているので、両者間の磁束9dの方向は対向面に垂直となり駆動力を発生しない、磁極4aの左右端の洩れ磁束による駆動力も相殺してほぼ零となる。磁極4bと軟鋼円柱1aの左端との対向面の磁束は図示の記号9a,9b,9cのようになる。従って磁束9aによる駆動力は零となるが、洩れ磁束9b,9cにより矢印c方向の駆動力を発生する。かかる洩れ磁束は著しく大きい量の磁束9dと閉じられた関係となっているので、大きい磁束となり、前述した磁極4a,4bの両者により駆動力を得る場合の6倍位の駆動力となる有効な手段となる。
0019
対向面の磁束9a,9dを対向面に垂直とする為には対向面間の距離を0.2ミリメートル以下とすることが実測により確認されている。磁束の径方向の分力を全円周につき合成すると、本発明装置はすべて円形の磁性体なので零となる。従って軟鋼円柱1aに作用する径方向の合力は零となるので、軟鋼円柱1aの軸方向の移動が円滑となる作用効果がある。図6にその詳細を示す。図6において、磁極4aと軟鋼円柱1cとの空隙間の磁束は矢印で示され、径外側方向(矢印E方向)となり、軸対称となっているので合成磁束は消滅する。この為には次の条件が必要となる。第1に純度の高い軟鋼を使用して、磁気誘導のヒステリシスを除去することにより印加磁界が零となると、残留磁束も零となるものが必要である。第2に径方向の磁束が方向によって差がなく、合成磁束が零となることが必要となる。この為に加工終了後にアニールをして、磁気誘導常数を一定の値とする必要がある。
0020
図3は駆動力の特性を示すグラフである。図3において、よこ軸は作動子の移動ストローク、たて軸は駆動力である。従来の電磁プランジャの場合には曲線7となり、同形の本発明装置の場合には曲線8となる。本発明装置では初期の駆動力が著しく大きくなり前述したように有効な手段を得ることができる。図4に示す手段によると、次に示す問題点がある。駆動の初期において、矢印9e,9gで示す洩れ磁束があるが、磁束9gは軟鋼円柱1aと磁極4a,4bを介して閉じられ、磁束9eも同様に閉じられる。しかし磁束9gと9eでは前者の方が磁気回路の抵抗が小さいので、磁束9gは9eより大きくなり、従って矢印Cと反対方向の駆動が付加されて、矢印C方向の駆動力を減少せしめる不都合を発生する。
0021
本発明の手段によると、図5に示す手段により上述した不都合を除去することができる。次にその説明をする。図5において、軟鋼円柱1a,1cは点線1d,1hで示す間の区間(記号1fで示す)だけ離間され、軟鋼円柱1a,1cが構成される。記号1f部も軟鋼である。図5において、磁極4bと軟鋼円柱1aとの間の磁束、又これによる矢印C方向の駆動力は図4の場合と全く同様である。軟鋼円柱1cの左端は磁極4aの左端より矢印9kの巾だけ後退しているので、矢印9hで示す磁束による駆動力が付加されて駆動力を増大する作用効果がある。
0022
互いに反対方向の駆動力を得る本発明の技術を2個組合わせて構成すると負荷を往復動せしめる装置とすることができる。この場合には図1のスプリング2aは不要となる。
実施例
0024
1b作動子
2外筺
4a,4b磁極
2aスプリング
3負荷
3b側板
5励磁コイル
1a,1c軟鋼円柱
9a,9b,9c,...磁束を示す矢印