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技術 塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法

出願人 株式会社クラレ
発明者 熊木洋介
出願日 2012年3月7日 (8年9ヶ月経過) 出願番号 2012-050399
公開日 2013年9月19日 (7年3ヶ月経過) 公開番号 2013-185041
状態 拒絶査定
技術分野 高分子組成物 重合方法(一般)
主要キーワード 反応縮合物 含塩素樹脂 有機酸亜鉛 立体成形品 塩素含有重合体 無機カルシウム塩 粉体成形 ポリ塩化ビニル組成物
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課題

成形時の熱安定性に優れ、着色が少ない成形体を得ることができる塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法を提供すること。

解決手段

塩化ビニル重合工程により得られる塩化ビニル系樹脂分散液に含まれる溶媒の一部を脱液する脱液工程、および該脱液工程以降に乾燥工程を有する、塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法であって、該脱液工程と該乾燥工程との間に、けん化度が75〜99.9モル%であり、粘度平均重合度が100〜450であるポリビニルアルコールを1〜25質量%の濃度で含有するポリビニルアルコール水溶液を、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して該ポリビニルアルコールが0.01〜5質量部となるように添加する添加工程をさらに有する製造方法。

概要

背景

ポリ塩化ビニルに代表される塩化ビニル系樹脂高温になると塩化水素を発生し、分解が進行することが知られている。塩化ビニル系樹脂の成形は、通常加熱下で行われることから、加工時の分解を抑えるため、安定剤が添加される。

上記安定剤としては、鉛化合物等の有害金属を含む安定剤が従来多く使用されてきた。しかしながら、昨今の環境問題等を考慮し、鉛等の有害金属を含まない無毒系安定剤へと代替されつつある。

これら無毒系安定剤は、通常、ポリオール有機酸亜鉛アルカリ土類金属水酸化物等を主体にした混合物である。ポリオールや有機酸亜鉛化合物は、塩化ビニル系樹脂組成物の変色を防止するのに使用されている。しかしながら、これらの安定剤は、塩化ビニル系樹脂の熱劣化を抑制する能力が不十分であるため、成形直後成形品が着色したり、成形時の熱安定性が十分でないという欠点があった。このため、これらの欠点を改良する手段として、酸化防止剤を添加したり、ヒドロキシル基を持つ化合物を添加した塩化ビニル系樹脂組成物が提案されている。

特許文献1(特開昭50−92947号公報)には、塩素含有樹脂に、カルシウムセッケンと、亜鉛セッケンと、多価アルコールまたはその誘導体と、中性無機カルシウム塩とを添加する方法が開示されている。

特許文献2(特開昭54−81359号公報)には、塩素含有重合体水溶性重合体を添加する方法が開示されている。

特許文献3(特開昭57−147552号公報)には、含塩素樹脂ジペンタエリスリトールジカルボン酸との反応縮合物亜鉛化合物、およびハイドロタルサイトを添加する方法が開示されている。

特許文献4(特開昭60−238345号公報)には、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂に、エチレン単位含有量20〜50%、酢酸ビニル単位けん化度96%以上のエチレン酢酸ビニル共重合体鹸化物およびハイドロタルサイト系化合物等を添加する方法が開示されている。

特許文献5(特開平1−178543号公報)には、含ハロゲン熱可塑性樹脂に、金属石鹸、および、エチレン含有量20〜75モル%、酢酸ビニル部分のケン化度50モル%以上の共重合組成物を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を添加する方法が開示されている。

特許文献6(特開平6−287387号公報)には、塩化ビニル系樹脂に、有機酸金属塩ポリビニルアルコールアセタール化物を添加する方法が開示されている。

特許文献7(特開平9−3286号公報)には、塩化ビニル系樹脂に、けん化度70〜95モル%、平均重合度300〜2,000で、かつ分子鎖末端メルカプト基を有する部分けん化ポリビニルアルコールを添加する方法が開示されている。

特許文献8(特開平9−31281号公報)には、塩化ビニル系樹脂に、亜鉛化合物、ハイドロタルサイト類、ポリビニルアルコール、および、ポリメチルメタクリレートを添加する方法が開示されている。

非特許文献1(高分子論文集、Vol.47、No.3、p.197(1990))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜鉛ステアリン酸カルシウム複合石けん重合度が600以上の完全けん化ポリビニルアルコールを水溶液の形態で添加後、そのまま混練してシートにする方法が開示されている。

非特許文献2(高分子論文集、Vol.47、No.6、p.509(1990))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜鉛−ステアリン酸カルシウム複合石けん、重合度が500、けん化度が73.6モル%、48.0モル%または38.0モル%の部分けん化ポリビニルアルコールを水溶液の形態で添加後、そのまま混練してシートにする方法が開示されている。

非特許文献3(高分子論文集、Vol.50、No.2、p.65(1993))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜鉛−ステアリン酸カルシウム複合石けん、エチレン含有量が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体を添加する方法が開示されている。

非特許文献4(Polymers&Polymer Composites、Vol.11、p.649(2003))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜鉛−ステアリン酸カルシウム複合石けんと、重合度が500、けん化度が98.5モル%のポリビニルアルコールまたはエチレン含有量が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体を添加する方法が開示されている。

非特許文献5(日本接着学会誌、Vol.43、No.2、p.43(2007))には、ポリ塩化ビニルに、重合度が500でありけん化度が88モル%であるポリビニルアルコールまたは重合度が1700でありけん化度が78モル%以上であるポリビニルアルコールおよびポリメタクリル酸メチルを添加する方法が開示されている。

しかしながら、特許文献1〜8および非特許文献1〜5に記載された塩化ビニル系樹脂組成物には、長期の熱安定性が十分でなかったり、着色したりするという問題を有していた。

概要

成形時の熱安定性に優れ、着色が少ない成形体を得ることができる塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法を提供すること。塩化ビニル重合工程により得られる塩化ビニル系樹脂分散液に含まれる溶媒の一部を脱液する脱液工程、および該脱液工程以降に乾燥工程を有する、塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法であって、該脱液工程と該乾燥工程との間に、けん化度が75〜99.9モル%であり、粘度平均重合度が100〜450であるポリビニルアルコールを1〜25質量%の濃度で含有するポリビニルアルコール水溶液を、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して該ポリビニルアルコールが0.01〜5質量部となるように添加する添加工程をさらに有する製造方法。なし

目的

本発明は、成形時の熱安定性に優れ、着色が少ない成形品を得ることができる塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

塩化ビニル重合工程により得られる塩化ビニル系樹脂分散液に含まれる溶媒の一部を脱液する脱液工程、および該脱液工程以降に乾燥工程を有する、塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法であって、該脱液工程と該乾燥工程との間に、けん化度が75〜99.9モル%であり、粘度平均重合度が100〜450であるポリビニルアルコールを1〜25質量%の濃度で含有するポリビニルアルコール水溶液を、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して該ポリビニルアルコールが0.01〜5質量部となるように添加する添加工程をさらに有する製造方法。

請求項2

前記重合工程が懸濁重合である、請求項1に記載の製造方法。

請求項3

前記乾燥工程における乾燥温度が40〜130℃である、請求項1または2に記載の製造方法。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法から得られる塩化ビニル系樹脂組成物。

請求項5

塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、けん化度が75〜99.9モル%であり、粘度平均重合度が100〜450であるポリビニルアルコール0.01〜5質量部を含有する塩化ビニル系樹脂組成物であって、該塩化ビニル系樹脂の粒子表面の少なくとも一部が該ポリビニルアルコールに覆われている、塩化ビニル系樹脂組成物。

請求項6

請求項4または5に記載の塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる成形品

技術分野

0001

本発明は、食品用途、医療用途、あるいは日用品等一般用途などの分野で好適に使用される塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法に関する。

背景技術

0002

ポリ塩化ビニルに代表される塩化ビニル系樹脂高温になると塩化水素を発生し、分解が進行することが知られている。塩化ビニル系樹脂の成形は、通常加熱下で行われることから、加工時の分解を抑えるため、安定剤が添加される。

0003

上記安定剤としては、鉛化合物等の有害金属を含む安定剤が従来多く使用されてきた。しかしながら、昨今の環境問題等を考慮し、鉛等の有害金属を含まない無毒系安定剤へと代替されつつある。

0004

これら無毒系安定剤は、通常、ポリオール有機酸亜鉛アルカリ土類金属水酸化物等を主体にした混合物である。ポリオールや有機酸亜鉛化合物は、塩化ビニル系樹脂組成物の変色を防止するのに使用されている。しかしながら、これらの安定剤は、塩化ビニル系樹脂の熱劣化を抑制する能力が不十分であるため、成形直後成形品が着色したり、成形時の熱安定性が十分でないという欠点があった。このため、これらの欠点を改良する手段として、酸化防止剤を添加したり、ヒドロキシル基を持つ化合物を添加した塩化ビニル系樹脂組成物が提案されている。

0005

特許文献1(特開昭50−92947号公報)には、塩素含有樹脂に、カルシウムセッケンと、亜鉛セッケンと、多価アルコールまたはその誘導体と、中性無機カルシウム塩とを添加する方法が開示されている。

0006

特許文献2(特開昭54−81359号公報)には、塩素含有重合体水溶性重合体を添加する方法が開示されている。

0007

特許文献3(特開昭57−147552号公報)には、含塩素樹脂ジペンタエリスリトールジカルボン酸との反応縮合物亜鉛化合物、およびハイドロタルサイトを添加する方法が開示されている。

0008

特許文献4(特開昭60−238345号公報)には、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂に、エチレン単位含有量20〜50%、酢酸ビニル単位けん化度96%以上のエチレン酢酸ビニル共重合体鹸化物およびハイドロタルサイト系化合物等を添加する方法が開示されている。

0009

特許文献5(特開平1−178543号公報)には、含ハロゲン熱可塑性樹脂に、金属石鹸、および、エチレン含有量20〜75モル%、酢酸ビニル部分のケン化度50モル%以上の共重合組成物を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を添加する方法が開示されている。

0010

特許文献6(特開平6−287387号公報)には、塩化ビニル系樹脂に、有機酸金属塩ポリビニルアルコールアセタール化物を添加する方法が開示されている。

0011

特許文献7(特開平9−3286号公報)には、塩化ビニル系樹脂に、けん化度70〜95モル%、平均重合度300〜2,000で、かつ分子鎖末端メルカプト基を有する部分けん化ポリビニルアルコールを添加する方法が開示されている。

0012

特許文献8(特開平9−31281号公報)には、塩化ビニル系樹脂に、亜鉛化合物、ハイドロタルサイト類、ポリビニルアルコール、および、ポリメチルメタクリレートを添加する方法が開示されている。

0013

非特許文献1(高分子論文集、Vol.47、No.3、p.197(1990))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜鉛ステアリン酸カルシウム複合石けん重合度が600以上の完全けん化ポリビニルアルコールを水溶液の形態で添加後、そのまま混練してシートにする方法が開示されている。

0014

非特許文献2(高分子論文集、Vol.47、No.6、p.509(1990))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜鉛−ステアリン酸カルシウム複合石けん、重合度が500、けん化度が73.6モル%、48.0モル%または38.0モル%の部分けん化ポリビニルアルコールを水溶液の形態で添加後、そのまま混練してシートにする方法が開示されている。

0015

非特許文献3(高分子論文集、Vol.50、No.2、p.65(1993))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜鉛−ステアリン酸カルシウム複合石けん、エチレン含有量が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体を添加する方法が開示されている。

0016

非特許文献4(Polymers&Polymer Composites、Vol.11、p.649(2003))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜鉛−ステアリン酸カルシウム複合石けんと、重合度が500、けん化度が98.5モル%のポリビニルアルコールまたはエチレン含有量が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体を添加する方法が開示されている。

0017

非特許文献5(日本接着学会誌、Vol.43、No.2、p.43(2007))には、ポリ塩化ビニルに、重合度が500でありけん化度が88モル%であるポリビニルアルコールまたは重合度が1700でありけん化度が78モル%以上であるポリビニルアルコールおよびポリメタクリル酸メチルを添加する方法が開示されている。

0018

しかしながら、特許文献1〜8および非特許文献1〜5に記載された塩化ビニル系樹脂組成物には、長期の熱安定性が十分でなかったり、着色したりするという問題を有していた。

0019

特開昭50−92947号公報
特開昭54−81359号公報
特開昭57−147552号公報
特開昭60−238345号公報
特開平1−178543号公報
特開平6−287387号公報
特開平9−3286号公報
特開平9−31281号公報

先行技術

0020

高分子論文集、Vol.47、No.3、p.197(1990)
高分子論文集、Vol.47、No.6、p.509(1990)
高分子論文集、Vol.50、No.2、p.65(1993)
Polymers&Polymer Composites、Vol.11、p.649(2003)
日本接着学会誌、Vol.43、No.2、p.43(2007)

発明が解決しようとする課題

0021

本発明は、成形時の熱安定性に優れ、着色が少ない成形品を得ることができる塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0022

本発明者は鋭意検討を重ねた結果、塩化ビニル重合して得られる塩化ビニル系樹脂分散液に含まれる溶媒の一部を脱液する脱液工程と、該脱液工程以降に行われる乾燥工程との間に、特定のけん化度および粘度平均重合度を有するポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略記する場合がある。)の水溶液を特定量添加する添加工程をさらに有する製造方法を採用する事により、成形時の熱安定性に優れ、着色が少ない成形品を得ることが出来る事を見出した。さらに本発明者は、当該知見に基づいてさらに検討を重ね、本発明を完成させるに至った。

0023

すなわち、本発明は、
[1]塩化ビニルの重合工程により得られる塩化ビニル系樹脂分散液に含まれる溶媒の一部を脱液する脱液工程、および該脱液工程以降に乾燥工程を有する、塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法であって、該脱液工程と該乾燥工程との間に、けん化度が75〜99.9モル%であり、粘度平均重合度が100〜450であるポリビニルアルコールを1〜25質量%の濃度で含有するポリビニルアルコール水溶液を、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して該ポリビニルアルコールが0.01〜5質量部となるように添加する添加工程をさらに有する製造方法;
[2]前記重合工程が懸濁重合である、上記[1]の製造方法;
[3]前記乾燥工程における乾燥温度が40〜130℃である、上記[1]または[2]の製造方法;
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法から得られる塩化ビニル系樹脂組成物;
[5]塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、けん化度が75〜99.9モル%であり、粘度平均重合度が100〜450であるPVA0.01〜5質量部を含有する塩化ビニル系樹脂組成物であって、該塩化ビニル系樹脂の粒子表面の少なくとも一部が該PVAに覆われている、塩化ビニル系樹脂組成物;
[6]上記[4]または[5]の塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる成形品;
に関する。

発明の効果

0024

本発明の製造方法により得られる塩化ビニル系樹脂組成物を用いた場合には、成形加工した場合でも十分な熱安定性を有し、さらに得られる成形品は着色が少ない。

0025

以下、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法について詳説する。

0026

[塩化ビニル系樹脂]
本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルを重合して得られ、具体的には、ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の、塩化ビニルと、これと共重合可能単量体との共重合体などが挙げられ、成形品の用途などに応じ、これらのうちの1種または2種以上を用いることができるが、入手のし易さや物性などの観点から、ポリ塩化ビニルが好ましい。

0027

上記塩化ビニル系樹脂を製造する原料の単量体としては、塩化ビニルを単独で使用してもよいし、50質量%以上の塩化ビニルと、これと共重合可能な他の単量体との混合物を使用してもよい。なお、塩化ビニルと共重合可能な他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステルアクリル酸メチルアクリル酸エチル等の(メタアクリル酸エステル;エチレン、プロピレン等のオレフィン無水マレイン酸アクリロニトリルスチレン塩化ビニリデンなどが挙げられる。

0028

これらの単量体を分散媒(好ましくは水などの水性溶媒)中に分散させ、重合開始剤の存在下で重合することにより塩化ビニル系樹脂が溶媒中に分散した塩化ビニル系樹脂分散液が得られるが、重合方法としては懸濁重合が好ましい。その際には分散安定剤として、例えば、メチルセルロースヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性セルロースエーテル;ポリビニルアルコール、ゼラチン等の水溶性ポリマーソルビタンモノラウレートソルビタントリオレート、グリセリントリステアレートエチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロックコポリマー等の油溶性乳化剤ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレートラウリン酸ナトリウム等の水溶性乳化剤などが好適に用いられる。その中でも、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。

0029

使用される重合開始剤としては、従来から塩化ビニル等の重合に使用されている、油溶性または水溶性の重合開始剤を用いることができる。具体的には、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、α−クミルパーオキシネオデカネート等のパーエステル化合物アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。

0030

重合に際しては、必要に応じて、重合反応系にその他の各種添加剤を加えることができる。添加剤としては、例えば、アルデヒドハロゲン化炭化水素メルカプタン等の重合調節剤フェノール化合物イオウ化合物、N−オキサイド化合物等の重合禁止剤pH調整剤架橋剤;防腐剤防黴剤ブロッキング防止剤消泡剤スケール防止剤帯電防止剤などが挙げられる。

0031

重合に際し、重合温度に特に制限はなく、20℃程度の低い温度はもとより、90℃を超える高い温度に調整することもできる。また、重合反応系の除熱効率を高めるために、還流コンデンサー付の重合器を用いることも好ましい実施態様の一つである。

0032

重合反応は、通常、塩化ビニルが100%転化するまで実施されることはなく、製造効率の良い段階、すなわち重合転化率80〜95%の段階で停止される。重合反応終了後重合器内残留モノマーは塩化ビニル系樹脂分散液(主として塩化ビニル系樹脂粒子と溶媒の混合分散液)と分離され、回収される。

0033

[塩化ビニル系樹脂組成物]
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法は、塩化ビニルの重合工程により得られる塩化ビニル系樹脂分散液に含まれる溶媒の一部を脱液する脱液工程、および該脱液工程以降に乾燥工程を有する、塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法であって、該脱液工程と該乾燥工程との間に、けん化度が75〜99.9モル%であり、粘度平均重合度が100〜450であるPVAを1〜25質量%の濃度で含有するPVA水溶液を、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して該PVAが0.01〜5質量部となるように添加する添加工程をさらに有する。本発明の製造方法においては、塩化ビニル系樹脂分散液に含まれる溶媒の一部を脱液した後であって、乾燥工程前に、PVA水溶液を添加する事が重要である。

0034

上記脱液工程における脱液の方法は特に限定されないが、例えば、遠心分離法ろ過法等を採用することができる。脱液工程後の溶媒の含有率は特に制限されないが、脱液工程後の溶媒を含有する塩化ビニル系樹脂全体に対して3〜50質量%であり、好ましくは5〜45質量%であり、より好ましくは10〜35質量%である。

0035

上記乾燥工程により、脱液工程で除くことができなかった溶媒や、添加したPVA水溶液の水を除去することができる。上記乾燥工程における乾燥温度は特に限定されないが、好ましくは40〜130℃であり、より好ましく45〜120℃であり、さらに好ましくは50〜110℃である。乾燥温度が上記範囲にあることにより、得られる塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性がより一層向上し、さらに得られる成形品の着色もより一層抑制できる。

0036

上記PVA水溶液の添加方法は特に限定されないが、圧縮した空気や高圧ガスを用いて液体を霧、泡などの状態で噴霧する方法が好適に採用される。PVAを水溶液で添加する事により、PVAを塩化ビニル系樹脂組成物中でより均一に分散させる事が可能となり、熱成形した際の熱安定性が向上し、また得られる成形品の着色をより一層抑制できる。

0037

添加するPVA水溶液の濃度は1〜25質量%であり、好ましくは3〜23質量%であり、より好ましくは5〜20質量%である。PVA水溶液の濃度が1質量%未満の場合は、PVAの必要量を添加するために多量のPVA水溶液が必要となり、その後の乾燥工程での負荷が大きくなるため好ましくない。また、PVA水溶液の濃度が25質量%を超える場合は、PVA水溶液の粘度が高くなり取扱いが困難となる。PVA水溶液の調製方法は特に限定されないが、例えば、水にPVAを添加し90℃程度で加熱して溶解することにより得られる。

0038

上記PVA水溶液の添加量は、塩化ビニル系樹脂(固形分)とPVA(固形分)との割合で決まり、塩化ビニル系樹脂100質量部に対してPVAが0.01〜5質量部であり、好ましくはPVAが0.05〜2.5質量部である。塩化ビニル系樹脂100質量部に対するPVAの含有量が0.01質量部未満では、長期の熱安定性が十分でなく、一方、5質量部を超えると、得られる塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品が着色しやすくなる。

0039

なお、上記PVA水溶液を塩化ビニルの重合中、または重合前に添加した場合、例えば、脱液工程後に塩化ビニル系樹脂を洗浄した際に添加したPVAのほとんどが除去されてしまうため、その含有量は0.01重量部未満となり、本発明の効果が奏されない。

0040

このような製造方法によって得られる本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、けん化度が75〜99.9モル%であり、粘度平均重合度が100〜450であるPVA0.01〜5質量部を含有する塩化ビニル系樹脂組成物であって、重合工程により得られる懸濁重合ビーズなどの該塩化ビニル系樹脂の粒子表面の少なくとも一部が該PVAによって、典型的には層状に覆われている。

0041

塩化ビニル系樹脂組成物中のPVAの含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部であり、より好ましくは0.05〜2.5質量部である。PVAの含有量が0.01質量部未満では長期の熱安定性が不十分となるおそれがあり、2.5質量部を超えると、得られる塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品が着色しやすくなるおそれがある。

0042

[PVA]
本発明に使用されるPVAのけん化度は75〜99.9モル%であり、好ましくは78〜99モル%であり、より好ましくは80〜96モル%である。PVAのけん化度が75モル%未満の場合、または99.9モル%を超える場合は長期の熱安定性が低下する。なお、PVAのけん化度はJIS K6726に従って測定した値である。

0043

上記PVAの粘度平均重合度(以下、単に「重合度」と略記することがある。)は100〜450であり、好ましくは150〜420であり、より好ましくは200〜400である。PVAの重合度が450を超えると、熱安定性が低下する。また、重合度が100未満のPVAを得ることは製造上困難である。なお、PVAの重合度はJIS K6726に従って測定した値である。すなわち、PVAをけん化度99.5モル%以上に再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から次式により求めることができる。

重合度=([η]×1000/8.29)(1/0.62)

0044

上記PVAは、例えば、ビニルエステルを塊状重合法溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法分散重合法等の従来公知の方法を採用して重合させ、得られたポリビニルエステルをけん化することにより製造することができる。工業的観点から好ましい重合方法は、溶液重合法、乳化重合法および分散重合法である。重合操作にあたっては、回分法、半回分法および連続法のいずれの重合方式を採用することも可能である。

0045

重合に用いることができるビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリル酸ビニル、バーサチック酸ビニル等を挙げることができ、これらの中でも酢酸ビニルが工業的観点から好ましい。

0046

ビニルエステルの重合に際して、本発明の趣旨を損なわない範囲であればビニルエステルと他の単量体とを共重合させても差し支えない。使用しうる他の単量体として、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテンイソブチレン等のα−オレフィンアクリル酸およびその塩;アクリル酸エステル;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸エステルアクリルアミドN−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体等のアクリルアミド誘導体メタクリルアミド;N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド誘導体メチルビニルエーテルエチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシル
ニルエーテルステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル;塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン酢酸アリル塩化アリル等のアリル化合物マレイン酸イタコン酸フマル酸等の不飽和ジカルボン酸およびその塩またはそのエステルビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物酢酸イソプロペニル等が挙げられる。

0047

ビニルエステルの重合に際して、得られるPVAの重合度を調節すること等を目的として、連鎖移動剤共存させても差し支えない。連鎖移動剤としては、アセトアルデヒドプロピオンアルデヒドブチルアルデヒドベンズアルデヒド等のアルデヒド;アセトンメチルエチルケトンヘキサノンシクロヘキサノン等のケトン;2−ヒドロキシエタンチオール等のメルカプタン;チオ酢酸等のチオカルボン酸トリクロロエチレンパークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられ、中でもアルデヒドおよびケトンが好適に用いられる。連鎖移動剤の添加量は、添加する連鎖移動剤の連鎖移動定数および目的とするPVAの重合度に応じて決定されるが、一般に、使用されるビニルエステルに対して0.1〜10質量%が望ましい。ここで、連鎖移動剤としてチオカルボン酸類等を用いた際には、連鎖移動剤に由来する官能基がポリビニルエステルの末端に導入され、けん化によって末端にSH基を有するPVAが得られる場合がある。しかしながら、このようなPVAを用いた場合には、得られる塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性向上の効果がそれほど大きくない。よって、連鎖移動剤としてチオカルボン酸類を用いないことが望ましい。また、PVAの末端にはSH基を有さないことが好ましい。

0048

本発明では、ビニルエステルを通常よりも高い温度条件で重合して得られる1,2−グリコール結合量の多いPVAを用いることもできる。この場合、PVAにおける1,2−グリコール結合量は、好ましくは1.9モル%以上、より好ましくは2.0モル%以上、さらに好ましくは2.1モル%以上である。また、1,2−グリコール結合量の上限としては、例えば、3.0モル%である。

0049

ポリビニルエステルのけん化反応には、従来公知の水酸化ナトリウム水酸化カリウムナトリウムメトキシド等の塩基性触媒、またはp−トルエンスルホン酸等の酸性触媒を用いた、加アルコール分解ないし加水分解反応が適用できる。けん化反応に用いられる溶媒としては、メタノールエタノール等のアルコール酢酸メチル酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;ベンゼントルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、メタノールまたはメタノールと酢酸メチルとの混合溶液を溶媒として用い、塩基性触媒である水酸化ナトリウムの存在下にけん化反応を行うのが簡便であり好ましい。

0050

使用されるPVAは、25℃におけるpKaが3.5〜5.5の酸および/またはその金属塩を含有する組成物の形態であってもよい。このような酸の種類について特に制限はなく、例えば、酢酸(pKa4.76)、プロピオン酸(pKa4.87)、酪酸(pKa4.63)、オクタン酸(pKa4.89)、アジピン酸(pKa5.03)、安息香酸(pKa4.00)、ギ酸(pKa3.55)、吉草酸(pKa4.63)、ヘプタン酸(pKa4.66)、乳酸(pKa3.66)、フェニル酢酸(pKa4.10)、イソ酪酸(pKa4.63)、シクロヘキサンカルボン酸(pKa4.70)等が挙げられる。この中でも、酢酸、プロピオン酸および乳酸が好ましい。金属塩の種類としては特に制限はないが、通常、ナトリウムカリウム等のアルカリ金属の塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩が用いられる。

0051

上記酸および/またはその金属塩の含有量は、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性向上および成形品の着色低減の観点から、PVA100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部であり、より好ましくは0.1〜3質量部であり、さらに好ましくは0.15〜2質量部である。

0052

なお、該酸および/またはその金属塩をPVAに所定量含有させる方法は特に限定されず、例えば、上述したポリビニルエステルのけん化反応で用いられるアルカリ触媒の種類や量等を調整する方法;PVA製造後に該酸および/またはその金属塩を追加したり、除去したりする方法などが採用される。

0053

[成形品]
本発明の製造方法により得られる塩化ビニル系樹脂組成物は、通常、さらに熱成形が施された成形品として用いられる。当該成形品の形状に特に制限はないが、例えば、ペレットフィルム、シート、パイプチューブや、その他の各種立体成形品などが挙げられる。上記成形品を成形する方法としては、押し出し加工カレンダー加工ブロー成形プレス加工粉体成形射出成形等が挙げられる。また、成形の際には、ポリオール、有機酸亜鉛(ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛ミリスチン酸亜鉛等)、アルカリ土類金属水酸化物(ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ミリスチン酸カルシウム等)などの従来公知の安定剤を適宜配合することが好ましい。

0054

以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例において、特に断りがない場合、「部」および「%」はそれぞれ「質量部」および「質量%」を示す。

0055

[PVAの分析方法
PVAの分析は、特に断らない限りJIS K6726に記載の方法に従って行った。

0056

[実施例1]
(ポリ塩化ビニルの製造)
重合度850、けん化度72モル%のポリビニルアルコールを塩化ビニルに対して600ppmに相当する量で脱イオン水に溶解させ、分散安定剤を調製した。このようにして得られた分散安定剤を、スケール付着防止剤NOXOL WSW(CIRS社製)が固形分として0.3g/m2になるように塗布されたグラスライニング製オートクレーブ仕込んだ。次いで、グラスライニング製オートクレーブにジイソプロピルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液0.04部を仕込み、オートクレーブ内の圧力が0.0067MPaとなるまで脱気して酸素を除いた後、塩化ビニル30部を仕込み、オートクレーブ内の内容物を57℃に昇温して撹拌下に重合を開始した。重合開始時におけるオートクレーブ内の圧力は0.83MPaであった。重合を開始してから7時間経過後、オートクレーブ内の圧力が0.44MPaとなった時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニルを除去した後、重合反応物水性分散液として取り出した。得られた分散液をろ過する事により、水の除去を行った。このポリ塩化ビニルの水分率を測定したところ、25%であった。すなわち、ポリ塩化ビニルの固形分は75%であった。なお、得られたポリ塩化ビニルの平均粒径は0.15mmであった。

0057

(PVAの製造)
撹拌機窒素導入口、添加剤導入口、開始剤添加口および還流コンデンサーを備えた6L反応槽に酢酸ビニル900g、メタノール2,100gを仕込み、60℃に昇温した後30分間窒素バブリングにより系中を窒素置換した。上記の反応槽内温を60℃に調整し、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)2.3gを加えて重合を開始した。重合中は重合温度を60℃に維持し、5時間後に重合率が70%に達したところで冷却して重合を停止した。次いで、減圧下にて未反応の酢酸ビニルを除去し、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液を得た。濃度を30%に調整したPVA溶液アルカリモル比(NaOHのモル数/PVAc中のビニルエステル単位のモル数)が0.006となるようにNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加してけん化した。得られたPVAはメタノールで洗浄した。以上の操作により重合度320、けん化度80モル%のPVAを得た。

0058

ポリ塩化ビニル組成物の製造)
撹拌機および還流コンデンサーを備えた溶解槽に水を180部投入し、上記の製造方法で得られたPVA20部を撹拌しながら添加した。上記溶解槽を90℃に調整し、溶解槽内部の温度が90℃に到達してから1時間撹拌を継続した。添加したPVAが完全に溶解した事を目視で確認後、加熱を停止し溶解槽を室温まで冷却し、濃度10%のPVA水溶液を得た。次に上記の製造方法で得られた、水分率25%(ポリ塩化ビニルの固形分75%)のポリ塩化ビニル133.3部(固形分は100部)を金属製の容器上に広げ、上記濃度10%のPVA水溶液10部を霧吹きを用いて均一に添加した。これに対して、65℃にて一晩乾燥を行い、水分を取り除くことにより、ポリ塩化ビニルの粒子表面がPVAによって層状に覆われたポリ塩化ビニル組成物(水分率0.2%)を得た。

0059

(ポリ塩化ビニル組成物を成形してなる成形品(シート)の製造)
陶磁器製ビーカーに、上記で得られたポリ塩化ビニル組成物を101部、市販のステアリン酸亜鉛を1部、および市販のステアリン酸カルシウムを0.5部、それぞれ加え混合した。得られた混合物をテストロールにより160℃で5分間混練し、厚さ0.45mmのシートを成形した。

0060

熱安定性試験
上記シートを50×70mmにカットし、得られたシート片ギヤーオーブン中に入れ、180℃の温度で完全に黒色になるまでの時間(黒化時間)を測定し、熱安定性の指標とした。評価結果を表1に示す。

0061

着色性試験
上記のシートを45×30mmに複数カットし、得られたシート片を12〜14枚重ね合わせ、185℃で5分間プレスして厚さ5mmの試験片を作製し、目視により着色性を比較し、以下の基準にしたがって判定した。評価結果を表1に示す。
A:着色がほとんどない。
B:わずかに着色が認められる。
C:黄色である。
D:黄褐色である。

0062

[実施例2〜6]
使用するPVAの種類およびPVA水溶液の濃度、並びにPVA、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムの含有量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にしてポリ塩化ビニル組成物を得て、シートを成形した。そして、実施例1と同様に熱安定性試験、および着色性試験の評価を行った。評価結果を表1に示す。

0063

[比較例1〜7]
使用するPVAの種類およびその添加方法、PVA水溶液の濃度、並びにPVA、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムの含有量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にしてポリ塩化ビニル組成物を得て、シートを成形した。そして、実施例1と同様に熱安定性試験および着色性試験を行った。評価結果を表1に示す。

0064

0065

実施例1〜3では、けん化度が80モル%、重合度が320であるPVA水溶液を、ろ過により脱液した後のポリ塩化ビニルに添加した場合のポリ塩化ビニル組成物の評価結果を示している。いずれのポリ塩化ビニル組成物も十分な熱安定性を有し、得られた各シートは着色が少なかった。

0066

実施例4では、けん化度が88モル%、重合度が320であるPVAの水溶液を添加した場合のポリ塩化ビニル組成物の評価結果を示している。得られたポリ塩化ビニル組成物は、十分な熱安定性を有し、得られたシートは着色が少なかった。

0067

実施例5および6では、けん化度が96モル%、重合度が250であるPVAの水溶液を添加した場合のポリ塩化ビニル組成物の評価結果を示している。いずれのポリ塩化ビニル組成物も十分な熱安定性を有し、得られた各シートは着色がほとんど見られなかった。

0068

比較例1では、けん化度が80モル%、重合度が320であるPVAの粉末をろ過により脱液後のポリ塩化ビニルに添加した場合のポリ塩化ビニル組成物の評価結果を示している。得られたポリ塩化ビニル組成物は、熱安定性が不十分であった。

0069

比較例2では、けん化度が80モル%、重合度が320であるPVAの30%水溶液を添加した場合のポリ塩化ビニル組成物の評価結果を示している。得られたポリ塩化ビニル組成物は、熱安定性が不十分であった。

0070

比較例3では、けん化度が80モル%、重合度が320であるPVAの水溶液を、PVAがポリ塩化ビニル100部に対して0.005部となるように添加した場合のポリ塩化ビニル組成物の評価結果を示している。得られたポリ塩化ビニル組成物は、熱安定性が不十分であった。

0071

比較例4では、けん化度が80モル%、重合度が320であるPVAの水溶液を、PVAがポリ塩化ビニル100部に対して6部となるように添加した場合のポリ塩化ビニル組成物の評価結果を示している。得られたポリ塩化ビニル組成物のシートは、激しく着色していた。

0072

比較例5では、けん化度が70モル%、重合度が320であるPVAの水溶液を添加した場合のポリ塩化ビニル組成物の評価結果を示している。得られたポリ塩化ビニル組成物は、熱安定性が不十分であり、得られたシートも黄色に着色していた。

0073

比較例6では、けん化度が80モル%、重合度が550であるPVAの水溶液を添加した場合のポリ塩化ビニル組成物の評価結果を示している。得られたポリ塩化ビニル組成物は、熱安定性が不十分であり、得られたシートも黄色に着色していた。

0074

比較例7では、けん化度が80モル%、重合度が1700であるPVAの水溶液を添加した場合のポリ塩化ビニル組成物の評価結果を示している。得られたポリ塩化ビニル組成物は、熱安定性が不十分であり、得られたシートも黄色に着色していた。

実施例

0075

上記実施例で示されているとおり、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法を採用すれば、PVAの分散性が向上し、成形した場合に十分な熱安定性を有し、また着色の少ない成形品が得られるため非常に有用である。

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