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技術 降伏強度の面内異方性の小さい高強度冷延鋼板およびその製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 奥田金晴河村健二高木周作
出願日 2012年2月29日 (8年9ヶ月経過) 出願番号 2012-044048
公開日 2013年9月12日 (7年3ヶ月経過) 公開番号 2013-181183
状態 未査定
技術分野 薄鋼板の熱処理
主要キーワード 直角座標軸 優先方位 RD方向 部品素材 誘起マルテンサイト変態 塑性挙動 ラメラー 低降伏強度
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

降伏強度の面内異方性が小さく、優れたプレス成形性を有する高強度冷延鋼板を提供する。

解決手段

質量%で、C:0.06〜0.12%、Si:0.7%以下、Mn:1.2〜2.6%、P:0.020%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01〜0.5%およびN:0.005%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物組成とし、鋼板組織全体に対する体積分率で、フェライト相を主相として60%以上含み、かつマルテンサイト相を5%以上20%以下の組織とし、さらに{φ1,Φ,φ2}={0°,35°,45°}における3次元結晶方位分布関数を2.5以下とする。

概要

背景

近年、地球環境保全の観点から、CO2の排出量を抑制するため、自動車燃費改善が要求されている。加えて、衝突時における乗員の安全を確保するため、自動車車体衝突特性を中心とした安全性向上も要求されている。このため、自動車車体の軽量化および強化が積極的に進められている。
自動車車体の軽量化と強化を同時に満たすには、部品素材高強度化することにより、剛性に問題とならない範囲で板厚薄肉化することが効果的であり、最近では高強度鋼板自動車用部品に積極的に使用されている。

軽量化効果は、鋼板が高強度であるほど大きく、自動車業界では、例えば衝撃吸収用骨格構造用材料として、引張強度(TS)が500MPa以上、あるいはさらに590MPa以上の鋼板を使用する動向にある。
一方で、鋼板を素材とする自動車部品の多くは、プレス加工によって成形されるため、自動車用鋼板は優れたプレス成形性を有していることが必要とされる。しかしながら、高強度鋼板は、通常の軟鋼板に比べてプレス成形性、延性深絞り性が大きく劣化するため、その改善が求められている。

高強度鋼板としては、例えば440MPa級までは、成形性に優れる極低炭素鋼板にTi、Nbを固溶C、固溶Nを固定する量添加し、IF化(Interstitial free)した鋼をベースとして、これにSi、Mn、Pなどの固溶強化元素を添加した鋼板がある。
また、500MPa以上、あるいはさらに590MPa以上では、複合組織鋼板が実用化されており、フェライトマルテンサイト2相組織を有するDP鋼板や、残留γを活用したTRIP鋼板がある。前者は、マルテンサイトの周囲における残留歪により、低降伏強度かつ加工硬化能が高いという特長をもつ。後者は、塑性誘起マルテンサイト変態により、均一伸びが高くなるという特長をもつ。

一般に、高強度鋼板の機械的特性圧延直角方向等の特定方向における引張特性により、面内異方性ランクフォード値r値)の面内異方性Δrにより評価されることがある。ここで、Δrは、圧延方向に対して0°(L方向)、45°(D方向)および90°方向(C方向)のランクフォード値rL、rD、rCにより、次式によって求められる。
Δr=(rL+rC−2rD)/2

しかしながら、実際のプレス成形解析したところ、部品成形後の形状凍結性面歪降伏強度の面内異方性に大きく影響されることも判明してきた。従って、降伏強度の面内異方性を低減することにより、プレス成形性の改善が期待できる。

面内異方性が小さい鋼板については、例えば特許文献1には、焼付硬化性に優れ、かつ面内異方性が小さい自動車外板パネル部品用冷延鋼板およびその製造方法が開示されている。この技術は、C量および冷間圧延時における圧下率によりΔrを規定し、面内異方性と耐デント性とを両立することができるとしている。また、熱間圧延後2秒以内に冷却を開始し、100℃以上の温度域にわたり70℃/s以上の冷却速度で冷却する必要がある。しかしながら、ここでいう面内異方性はΔrであり、降伏強度の面内異方性とは必ずしも一致しない。

延性の面内異方性に関する鋼板については、例えば特許文献2には、形状凍結性に優れた鋼板およびその製造方法が開示されている。かかる鋼板は、フェライトまたはベイナイト体積分率を最大とし、体積分率で1%以上25%以下のマルテンサイトを含む複合組織鋼であり、少なくとも1/2板厚から1/4板厚における板面の、
(1){100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比平均値(A)が4.0以上、
(2){554}<225>、{111}<112>および{111}<110>の 3つの結晶方位のX線ランダム強度比の平均値(B)が5.5以下、
(3)(A)/(B)≧1.5
(4){100}<011>X線反射ランダム強度比が、{211}<011>X線 ランダム強度比以上、
の全てを満足し、かつ、圧延方向のr値および圧延方向と直角方向のr値のうち少なくとも1つが0.7以下であり、さらに、均一伸びの異方性ΔuElが4%以下、局部伸びの異方性△LElが2%以上で、かつ、ΔuElがΔLEl以下であることを特徴としている。
ただし、
△uEl={|uEl(L)−uEl(45°)|+|uEl(C)
−uEl(45°)|}/2
△LEl={|LEl(L)−LEl(45°)|+|LEl(C)
−LEl(45°)|}/2
であり、圧延方向と平行(L方向)、垂直(C方向)および45°方向の均一伸びを、それぞれuEl(L)、uEl(C)およびuEl(45°)とし、圧延方向と平行(L方向)、垂直(C方向)および45°方向の局部伸びを、それぞれLEl(L)、LEl(C)およびLEl(45°)とする。また、熱延仕上条件の最適化とMn当量に応じた臨界温度以下での巻き取りが必要である。

しかしながら、{100}<011>の集合組織発達絞り性を低下させるという点で問題があり、さらに降伏強度の面内異方性との関係は明確ではない。

概要

降伏強度の面内異方性が小さく、優れたプレス成形性を有する高強度冷延鋼板を提供する。質量%で、C:0.06〜0.12%、Si:0.7%以下、Mn:1.2〜2.6%、P:0.020%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01〜0.5%およびN:0.005%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物組成とし、鋼板組織全体に対する体積分率で、フェライト相を主相として60%以上含み、かつマルテンサイト相を5%以上20%以下の組織とし、さらに{φ1,Φ,φ2}={0°,35°,45°}における3次元結晶方位分布関数を2.5以下とする。なし

目的

本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、特に降伏強度に着目し、その面内異方性を低減することによってプレス成形性を改善し、引張強さ(TS)が500MPa以上、あるいはさらに590MPa以上という高強度であっても降伏強度の面内異方性が極めて小さい高強度冷延鋼板を、その製造方法とともに提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

質量%で、C:0.06〜0.12%、Si:0.7%以下、Mn:1.2〜2.6%、P:0.020%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01〜0.5%およびN:0.005%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、鋼板組織全体に対する体積分率で、フェライト相を主相として60%以上含み、かつマルテンサイト相を5%以上20%以下含み、さらに{φ1,Φ,φ2}={0°,35°,45°}における3次元結晶方位分布関数が2.5以下であることを特徴とする降伏強度の面内異方性が小さい高強度冷延鋼板

請求項2

前記鋼板が、さらに質量%で、Cr:0.5%以下およびMo:0.5%以下のうちから選んだ少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の降伏強度の面内異方性の小さい高強度冷延鋼板。

請求項3

請求項1乃至2のいずれかに記載の成分組成を有する鋼スラブを、仕上温度:840℃以上950℃以下で熱間圧延し、ついで30%以上70%以下の圧下率冷間圧延した後、800℃以上A3点以下の温度で焼鈍し、焼鈍温度から400℃までの温度域を下記式で表される臨界冷却速度CR(℃/s)以上の速度で冷却することを特徴とする降伏強度の面内異方性が小さい高強度冷延鋼板の製造方法。記logCR=−3.50[%Mo]−1.20[%Mn]−2.0[%Cr]−0.32[%P]+3.50 ただし、[%M]はM元素の鋼中含有量(質量%)である。

技術分野

0001

本発明は、自動車用鋼板等の使途に有用な、降伏強度の面内異方性が小さい高強度冷延鋼板およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、地球環境保全の観点から、CO2の排出量を抑制するため、自動車燃費改善が要求されている。加えて、衝突時における乗員の安全を確保するため、自動車車体衝突特性を中心とした安全性向上も要求されている。このため、自動車車体の軽量化および強化が積極的に進められている。
自動車車体の軽量化と強化を同時に満たすには、部品素材高強度化することにより、剛性に問題とならない範囲で板厚薄肉化することが効果的であり、最近では高強度鋼板自動車用部品に積極的に使用されている。

0003

軽量化効果は、鋼板が高強度であるほど大きく、自動車業界では、例えば衝撃吸収用骨格構造用材料として、引張強度(TS)が500MPa以上、あるいはさらに590MPa以上の鋼板を使用する動向にある。
一方で、鋼板を素材とする自動車部品の多くは、プレス加工によって成形されるため、自動車用鋼板は優れたプレス成形性を有していることが必要とされる。しかしながら、高強度鋼板は、通常の軟鋼板に比べてプレス成形性、延性深絞り性が大きく劣化するため、その改善が求められている。

0004

高強度鋼板としては、例えば440MPa級までは、成形性に優れる極低炭素鋼板にTi、Nbを固溶C、固溶Nを固定する量添加し、IF化(Interstitial free)した鋼をベースとして、これにSi、Mn、Pなどの固溶強化元素を添加した鋼板がある。
また、500MPa以上、あるいはさらに590MPa以上では、複合組織鋼板が実用化されており、フェライトマルテンサイト2相組織を有するDP鋼板や、残留γを活用したTRIP鋼板がある。前者は、マルテンサイトの周囲における残留歪により、低降伏強度かつ加工硬化能が高いという特長をもつ。後者は、塑性誘起マルテンサイト変態により、均一伸びが高くなるという特長をもつ。

0005

一般に、高強度鋼板の機械的特性圧延直角方向等の特定方向における引張特性により、面内異方性はランクフォード値r値)の面内異方性Δrにより評価されることがある。ここで、Δrは、圧延方向に対して0°(L方向)、45°(D方向)および90°方向(C方向)のランクフォード値rL、rD、rCにより、次式によって求められる。
Δr=(rL+rC−2rD)/2

0006

しかしながら、実際のプレス成形解析したところ、部品成形後の形状凍結性面歪が降伏強度の面内異方性に大きく影響されることも判明してきた。従って、降伏強度の面内異方性を低減することにより、プレス成形性の改善が期待できる。

0007

面内異方性が小さい鋼板については、例えば特許文献1には、焼付硬化性に優れ、かつ面内異方性が小さい自動車外板パネル部品用冷延鋼板およびその製造方法が開示されている。この技術は、C量および冷間圧延時における圧下率によりΔrを規定し、面内異方性と耐デント性とを両立することができるとしている。また、熱間圧延後2秒以内に冷却を開始し、100℃以上の温度域にわたり70℃/s以上の冷却速度で冷却する必要がある。しかしながら、ここでいう面内異方性はΔrであり、降伏強度の面内異方性とは必ずしも一致しない。

0008

延性の面内異方性に関する鋼板については、例えば特許文献2には、形状凍結性に優れた鋼板およびその製造方法が開示されている。かかる鋼板は、フェライトまたはベイナイト体積分率を最大とし、体積分率で1%以上25%以下のマルテンサイトを含む複合組織鋼であり、少なくとも1/2板厚から1/4板厚における板面の、
(1){100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比平均値(A)が4.0以上、
(2){554}<225>、{111}<112>および{111}<110>の 3つの結晶方位のX線ランダム強度比の平均値(B)が5.5以下、
(3)(A)/(B)≧1.5
(4){100}<011>X線反射ランダム強度比が、{211}<011>X線 ランダム強度比以上、
の全てを満足し、かつ、圧延方向のr値および圧延方向と直角方向のr値のうち少なくとも1つが0.7以下であり、さらに、均一伸びの異方性ΔuElが4%以下、局部伸びの異方性△LElが2%以上で、かつ、ΔuElがΔLEl以下であることを特徴としている。
ただし、
△uEl={|uEl(L)−uEl(45°)|+|uEl(C)
−uEl(45°)|}/2
△LEl={|LEl(L)−LEl(45°)|+|LEl(C)
−LEl(45°)|}/2
であり、圧延方向と平行(L方向)、垂直(C方向)および45°方向の均一伸びを、それぞれuEl(L)、uEl(C)およびuEl(45°)とし、圧延方向と平行(L方向)、垂直(C方向)および45°方向の局部伸びを、それぞれLEl(L)、LEl(C)およびLEl(45°)とする。また、熱延仕上条件の最適化とMn当量に応じた臨界温度以下での巻き取りが必要である。

0009

しかしながら、{100}<011>の集合組織発達絞り性を低下させるという点で問題があり、さらに降伏強度の面内異方性との関係は明確ではない。

先行技術

0010

特開2004−197155号公報
特開2005−256020号公報

発明が解決しようとする課題

0011

上述したとおり、従来の自動車用鋼板では、r値や伸びを向上させて成形性を良好にすることに主眼が置かれてきた。しかしながら、特許文献1のように、r値の面内異方性の小さい鋼板とするため、熱延後に急速冷却を行いベイナイト組織とする手法では、強度レベルが限られるという問題があった。また、特許文献2では、製造条件の変動に伴って組織の相比率が変化し易く、組織が変化すると必ずしも面内異方性、特に降伏強度の面内異方性を小さくできないという問題があった。

0012

本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、特に降伏強度に着目し、その面内異方性を低減することによってプレス成形性を改善し、引張強さ(TS)が500MPa以上、あるいはさらに590MPa以上という高強度であっても降伏強度の面内異方性が極めて小さい高強度冷延鋼板を、その製造方法とともに提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

一般に、冷延鋼板の集合組織では、<100>方向がRD方向に平行になるαファイバーおよび<111>方向がND方向に平行になるγファイバーが発達するといわれており、特に後者が発達するとr値が高くなる。
ここで、冷延鋼板の集合組織で現れるαファイバーの方位群は{001}<110>〜{111}<110>であり、オイラー角の3変数直角座標軸にとった3次元方位空間で表すとφ1=0°、φ2=45°、Φ=0〜55°となる。

0014

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、機械的特性、特に降伏強度の面内異方性は、αファイバーのある特定方位({φ1,Φ,φ2}={0°,35°,45°})における3次元結晶方位分布関数と強い相関があり、他の方位、例えば、深絞り性の指標であるr値に関係するγファイバーの集積には関係しないことを見出した。
さらに研究を進めたところ、降伏強度の面内異方性は、ミクロ組織の影響も受け、{φ1,Φ,φ2}={0°,35°,45°}における3次元結晶方位分布関数と鋼板組織全体に対するマルテンサイト相の体積分率を制御することにより、安定して降伏強度の面内異方性を小さくできることを見出した。

0015

本発明は、上記の知見に基づき開発されたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)質量%で、
C:0.06〜0.12%、
Si:0.7%以下、
Mn:1.2〜2.6%、
P:0.020%以下、
S:0.03%以下、
sol.Al:0.01〜0.5%および
N:0.005%以下
を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、鋼板組織全体に対する体積分率で、フェライト相を主相として60%以上含み、かつマルテンサイト相を5%以上20%以下含み、さらに{φ1,Φ,φ2}={0°,35°,45°}における3次元結晶方位分布関数が2.5以下であることを特徴とする降伏強度の面内異方性が小さい高強度冷延鋼板。

0016

(2)前記鋼板が、さらに質量%で、Cr:0.5%以下およびMo:0.5%以下のうちから選んだ少なくとも1種を含有することを特徴とする前記(1)に記載の降伏強度の面内異方性の小さい高強度冷延鋼板。

0017

(3)前記(1)乃至(2)のいずれかに記載の成分組成を有する鋼スラブを、仕上温度:840℃以上950℃以下で熱間圧延し、ついで30%以上70%以下の圧下率で冷間圧延した後、800℃以上A3点以下の温度で焼鈍し、焼鈍温度から400℃までの温度域を下記式で表される臨界冷却速度CR(℃/s)以上の速度で冷却することを特徴とする降伏強度の面内異方性が小さい高強度冷延鋼板の製造方法。

logCR=−3.50[%Mo]−1.20[%Mn]−2.0[%Cr]−0.32[%P]+3.50
ただし、[%M]はM元素の鋼中含有量(質量%)である。

発明の効果

0018

本発明によれば、降伏強度の面内異方性が小さく、プレス成形性に優れた高強度冷延鋼板を得ることができる。従って、本発明の高強度冷延鋼板は、自動車用部品に適用して極めて有用である。

0019

以下、本発明を具体的に説明する。
まず、成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。なお、各元素の含有量の単位は、特に断りがない限り質量%とする。
C:0.06〜0.12%
Cは、所定量の第2相分率を確保して高強度化および降伏強度の面内異方性を制御するために必要な元素である。C量が0.06%未満では、マルテンサイト相5%以上を確保するのが難しくなるので好ましくない。一方、C量が0.12%を超えると、フェライト相以外の組織である第2相の割合が大きくなり、フェライト相の体積分率を60%以上とすることができなくなり、延性が低下する。また、マルテンサイト相などの第2相がネットワークを組み、フェライトを囲むようになるため、フェライト相の集合組織の影響が発現しにくくなり、降伏強度の面内異方性の制御が困難となる。従って、C量は0.06〜0.12%の範囲とする。好ましくは0.06〜0.10%の範囲である。

0020

Si:0.7%以下
Siは、微量で、熱間圧延でのスケール生成遅延させて表面品質を改善する効果の他、めっき浴中あるいは合金化処理中の地鉄亜鉛合金化反応を適度に遅延させる効果、フェライト相の加工硬化能を上げる効果等がある。この観点からは、0.01%程度以上含有させることが好ましい。しかしながら、Si量が0.7%を超えると、外観品質が劣化する。従って、Si量は0.7%以下とする。好ましくは0.3%以下とする。

0021

Mn:1.2〜2.6%
Mnは、焼入性を高め、第2相におけるマルテンサイトの比率を増加させるため、添加される。このような複合組織化の観点から、Mn量の下限は1.2%とする。一方、Mn量が多くなりすぎると、焼鈍過程におけるα→γ変態温度が低くなり、再結晶直後の微細フェライト粒界あるいは再結晶途中の回復粒の界面にγ粒が生成する。このため、第2相が微細化し、延性の低下を招くだけではなく、降伏強度の面内異方性が制御できなくなる。このような観点から、Mn量の上限は2.6%とする。好ましくは1.2〜2.1%の範囲である。
なお、焼鈍後の冷却速度によってマルテンサイトの生成量が変化するため、後述するようにMn、Cr、Moの量に応じて冷却速度を制御する必要がある。

0022

P:0.020%以下
P量が0.020%を超えると、溶接性の劣化や偏析による表面欠陥が発生する。従って、P量は0.020%以下とする。

0023

S:0.03%以下
Sは、鋼板の1次スケール剥離性を向上させ、めっき外観品質を向上させる作用がある。しかしながら、S量が多くなると、鋼中に析出するMnSが多くなりすぎ、鋼板の伸びや伸びフランジ性といった延性を低下させ、プレス成形性を低下させる。また、スラブを熱間圧延する際の熱間延性を低下させ、表面欠陥を発生させやすくする。さらには、耐食性をわずかに低下させる。このような観点から、S量は0.03%以下とする。好ましくは0.01%以下、より好ましくは0.005%以下、さらに好ましくは0.002%以下である。

0024

sol.Al:0.01〜0.5%
sol.Alは、鋼の脱酸元素として有用であるほか、不純物として存在する固溶Nを固定して耐常温時効性を向上させる作用があるため、sol.Al量を0.01%以上とする。一方、sol.Al量が0.5%を超えると、コストアップつながり、さらには表面欠陥を誘発する。従って、sol.Al量は0.01〜0.5%とする。

0025

N:0.005%以下
Nは多すぎると耐常温時効性を劣化させ、また、固溶Nを固定するために多量のAlや Tiの添加が必要となるため、できるだけ低減することが好ましい。このような観点から、N量は0.005%以下とする。

0026

以上、基本成分については説明したが、本発明ではその他にも必要に応じて、次の元素を適宜添加することができる。
Cr:0.5%以下
Crは、Mnと同様、複合組織化により高強度化に寄与する元素である。この効果を得るためには、Cr量は0.1%以上であることが好ましい。しかしながら、過剰のCr添加は、この効果が飽和するだけでなく、コストアップにつながる。従って、Cr量は0.5%以下とする。

0027

Mo:0.5%以下
Moは、焼入性を向上させてパーライトの生成を抑制し、高強度化に寄与する元素である。この効果を得るためには、Mo量は0.1%以上であることが好ましい。しかしながら、Moは極めて高価な元素であり、その添加量が多いと著しいコストアップにつながる。このような観点から、Mo量は0.5%以下とする。
なお、焼鈍後の冷却速度によってマルテンサイトの生成量が変化するため、後述するようにMn、Cr、Moの量に応じて冷却速度を制御する必要がある。

0028

本発明の鋼板において、上記以外の成分はFeおよび不可避的不純物である。ただし、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記以外の成分の含有を拒むものではない。

0029

次に、本発明の鋼板において、鋼組織の比率を前記の範囲に限定した理由を説明する。
フェライト相:体積分率で60%以上
本発明では、フェライトの集合組織を制御しており、フェライト相が少なくなりすぎる、すなわち、フェライト以外の相である第2相が増加すると、集合組織制御による降伏強度の面内異方性の制御が困難になる。さらには、マルテンサイト相などの第2相がフェライトの周囲をネットワーク上に取り囲むようになり、鋼板のマクロ塑性挙動がフェライトの結晶方位に依存しなくなる。このような観点から、フェライト相は鋼板の組織全体に対する体積分率で60%以上含ませるものとする。好ましくは75%以上である。

0030

マルテンサイト相:体積分率で5%以上20%以下
マルテンサイト相は、高強度化に寄与するだけでなく、降伏比を低下させて形状凍結性を向上させる有用な組織である。このような観点から、マルテンサイト相は鋼板の組織全体に対する体積分率で5%以上含ませるものとする。一方、降伏強度の面内異方性を制御するという観点からは、マルテンサイト相が20%を超えると、マルテンサイトがフェライトの周囲をネットワーク上に取り囲むようになり、フェライトの集合組織を制御する意味がなくなり好ましくない。従って、マルテンサイト相は、鋼板組織全体に対する体積分率で5%以上20%以下の範囲とした。
なお、本発明の鋼板は、上記したフェライト相を主相とし、第2相は主にマルテンサイト相により構成することが好ましい。上記したフェライト相およびマルテンサイト相以外のその他の相は、好ましくは鋼板の組織全体に対する体積分率で5%以下、より好ましくは3%以下である。

0031

ここで、各相の体積分率は、ポイントカウント法ASTME562-83(1988)に準拠)により各相の面積率を測定し、その面積率を、体積分率とした。各相の面積率は、得られた各冷延焼鈍板から試験片採取し、圧延方向に平行な垂直断面(L断面)について、研磨後ナイタールで腐食し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、4000倍で観察して相の種類を同定するとともに、主相であるフェライト相の面積率およびマルテンサイト相の面積率を求めた。
なお、組織写真で、フェライトはやや黒いコントラストの領域であり、炭化物ラメラー状もしくは点列状に生成している領域をパーライトおよびベイナイトとし、白いコントラストの付いている粒子をマルテンサイトとした。

0032

{φ1,Φ,φ2}={0°,35°,45°}における3次元結晶方位分布関数:2.5以下
さらに、本発明の鋼板における集合組織を、3次元結晶方位分布関数により評価した。従来、集合組織の解析にはX線回折(XRD)による極点図が用いられてきた。極点図は、多数の結晶粒に関する統計的な結晶方位分布を表していることから、優先方位の決定に適した方法である。しかしながら、多結晶材料の集合組織は単一の優先方位のみならず、多数の優先方位を示すことが多い。例えば、ある結晶軸周りに回転した方位群である繊維集合組織では、極点図から個々の方位の存在割合を正確に評価することは困難である。そのため、極点図の情報に基づいて3次元結晶方位分布関数を作成し、個々の方位の存在割合を評価した。

0033

上記3次元結晶方位分布関数の評価に際し、反射法により得られた(200)、(211)、(110)の不完全極点図より、級数展開法にて求めた。
その結果、上記のようなフェライト相およびマルテンサイト相の体積分率を有する鋼組織において、αファイバーのある特定方位({φ1,Φ,φ2}={0°,35°,45°})における3次元結晶方位分布関数を2.5以下とした場合に、降伏強度の面内異方性が小さくなることが究明された。ただし、上記のようにフェライト相およびマルテンサイト相の体積分率が制御されていることが重要であり、例えばフェライト単相の場合には、降伏強度の面内異方性を小さくできる最適なフェライト集合組織は、上記と異なるものとなる。

0034

{φ1,Φ,φ2}={0°,35°,45°}における3次元結晶方位分布関数を2.5以下とした場合に、降伏強度の面内異方性が小さくなる理由は、必ずしも明らかではないが、発明者らは次のように考えている。一般に、{φ1,Φ,φ2}={0°,35°,45°}の結晶方位は、冷間圧延や加工オーステナイトからの変態したフェライトに生じやすいものであり、その3次元結晶方位分布関数が高いと、機械的特性の面内異方性を大きくしてしまいやすい。そのため面内異方性を小さくするには、その3次元結晶方位分布関数をある範囲に制御する必要がある。ただし最適値は、鋼種によって変化する。特に本願が対象とするフェライト相を主相として60%以上含み、かつ、マルテンサイト相を5〜20%含む複合組織鋼板においては、上記3次元結晶方位分布関数が2.5以下であることが最適である。

0035

次に、本発明の製造方法を説明する。
まず、使用する鋼スラブは、成分のマクロ偏析を防止すべく連続鋳造法で製造することが望ましいが、造塊法や薄スラブ鋳造法で製造してもよい。また、スラブを製造したあと、一旦室温まで冷却し、その後、再度加熱する従来法に加え、冷却せず温片のまま加熱炉装入し、熱間圧延する直送圧延や、わずかの保熱を行った後、直ちに熱間圧延する直接圧延などの省エネルギープロセスも問題なく適用できる。

0036

スラブ加熱温度は、析出物を粗大化させることにより、{111}再結晶集合組織を発達させて深絞り性を改善するため、低いほうが望ましい。しかしながら、スラブ加熱温度が1000℃未満の場合、圧延荷重が増大し、熱間圧延時におけるトラブル発生の危険性が増す。このため、スラブ加熱温度は1000℃以上にすることが好ましい。また、酸化重量の増加に伴うスケールロスの増大などの観点から、スラブ加熱温度の上限は1300℃とすることが好適である。

0037

上記の条件で加熱された鋼スラブに、粗圧延および仕上圧延からなる熱間圧延を施す。 ここで、鋼スラブは粗圧延によりシートバーとされる。なお、粗圧延の条件は特に規定する必要はなく、常法に従って行えばよい。また、スラブ加熱温度を低くし、かつ熱間圧延時のトラブルを防止するといった観点から、シートバーを加熱するいわゆるシートバーヒータを活用することが有効である。

0038

仕上温度:840℃以上950℃以下
次いで、シートバーを仕上圧延して熱延鋼板とする。このとき、仕上温度、すなわち仕上圧延出側温度(FT)は840℃以上950℃以下とする。これは、冷間圧延および再結晶焼鈍後における降伏強度の面内異方性に好ましい集合組織を得るためである。FTが840℃未満では、熱間圧延時の負荷が高くなるだけでなく、一部の成分系ではフェライト域圧延となり、集合組織が大きく変化する。一方、FTが950℃を超えると、組織が粗大化するだけでなく、十分にオーステナイト未再結晶状態で圧延できないので、冷延焼鈍後、降伏強度の面内異方性が大きくなる。

0039

また、熱間圧延時の圧延荷重を低減するため、仕上圧延の一部または全部のパス間潤滑圧延としてもよい。潤滑圧延を行うことは、鋼板形状の均一化や材質均質化の観点から有効である。潤滑圧延の際の摩擦係数は、0.10〜0.25の範囲とするのが好ましい。さらに、相前後するシートバー同士を接合し、連続的に仕上圧延する連続圧延プロセスとすることは、熱間圧延の操業定性の観点から好ましい。

0040

コイル巻取温度(CT)は、特に規定するものではないが、400℃以上720℃以下とすることが好ましい。特に、CTが上限を超えると、結晶粒が粗大化し、強度低下を招くこととなる。

0041

冷間圧延における圧下率:30%以上70%以下
上記のようにして得られた熱延鋼板は、冷間圧延される。冷間圧延前の熱延鋼板は、スケールを除去するために冷間圧延前に酸洗を行うことが好ましい。酸洗は通常の条件で行えばよい。冷間圧延時の圧下率が30%未満では、再結晶速度が変化して降伏強度の異方性の制御が困難になる。一方、70%を超えると、熱間圧延時に析出した炭化物の周囲において、局所的に歪が導入され、焼鈍後のフェライトの集合組織が大きく変化し始めるため、所望の集合組織を得ることが困難となる。従って、冷間圧延における圧下率は30%以上70%以下とする。

0042

焼鈍温度:800℃以上A3点以下
上記のようにして得られた冷延鋼板は、800℃以上A3点以下の範囲まで加熱され、同温度範囲で焼鈍される。焼鈍温度が800℃未満では、均熱時のγ分率が確保できず、冷却後に十分なマルテンサイト相が形成されない。一方、焼鈍温度がA3点を超えると、γ分率が高くなり、逆変態後の集合組織が大きく変化し、所望の集合組織を得ることが困難となる。従って、焼鈍温度は800℃以上A3点以下とする。

0043

焼鈍温度から少なくとも400℃までの温度域における冷却速度:臨界冷却速度CR(℃/s)以上
所定の体積分率のマルテンサイト相を形成させるため、上記のように焼鈍された冷延鋼板を、焼鈍温度から少なくとも400℃までの温度域については次式で表される臨界冷却速度CR(℃/s)以上の速度で冷却する。
logCR=−3.50[%Mo]−1.20[%Mn]−2.0[%Cr]−0.32[%P]+3.50
ただし、[%M]はM元素の鋼中含有量(質量%)である。

0044

上記温度域における平均冷却速度が上記臨界冷却速度未満であると、マルテンサイトが形成されにくく、フェライト単相組織となる。このため、組織強化が不足するだけでなく、降伏強度の面内異方性が制御できなくなる。一方、冷却速度が100℃/sを超えると、連続冷却中に生じるマルテンサイトの自己焼戻しが不十分となり、マルテンサイトが過度硬質化することにより、降伏強度が上昇し、延性が低下する。従って、冷却速度は100℃/s以下とすることが好ましい。なお、このような冷却速度の制御を行うため、焼鈍は連続焼鈍ラインにて行うことが好ましい。

0045

以上、本発明の製造方法の基本工程について説明したが、次の工程を加えても良い。
上記の冷延鋼板焼鈍工程の後に電気めっき処理、あるいは溶融めっき処理などの表面処理を施す工程を加えて、鋼板表面にめっき層を形成してもよい。なお、めっき層は純亜鉛めっき亜鉛系合金めっきに限らず、AlめっきやAl系合金めっきなど、従来鋼板表面に施されている各種めっき層とすることも可能である。

0046

さらに、上記のように製造した冷延焼鈍板あるいはめっき鋼板に、形状矯正表面粗度等の調整の目的で調質圧延またはレベラー加工を施してもよい。調質圧延あるいはレベラー加工の伸び率は合計で0.2〜15%の範囲内であることが好ましい。0.2%未満では、形状矯正、粗度調整の所期の目的が達成できない。一方、15%を超えると、顕著な延性低下をもたらす傾向があるため好ましくない。

0047

表1に示す種々の組成になる溶鋼を、転炉で溶製し、連続鋳造法で鋼スラブとした。これらの鋼スラブを、1250℃に加熱し、粗圧延によりシートバーとした後、表2に示す条件で仕上圧延を施して熱延鋼板とした。これらの熱延鋼板を、酸洗後、表2に示す圧下率の冷間圧延により冷延鋼板とした。次いで、これらの冷延鋼板に連続焼鈍ラインにて、表2に示す条件で連続焼鈍を施した。さらに、得られた冷延焼鈍鋼板に伸び率:0.5%の調質圧延を施した。なお、表1中のA3点は熱力学計算ソフトであるThermo-Calc(登録商標)により求めた。

0048

0049

かくして得られた冷延焼鈍板について、引張特性および鋼組織を調査した。
(1)引張特性
得られた各冷延焼鈍板の圧延方向に対して0°(L方向)、45°(D方向)および90°方向(C方向)からJIS5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠してクロスヘッド速度10mm/分で引張試験を行い、降伏強度(YS)、引張強さ(TS)、均一伸び(UEl)を求めた。ここで、引張強さ(TS)、均一伸び(UEl)の代表値は、0°方向から採取した試験片の引張強さTSL、均一伸びUElLとした。
また、降伏強度の面内異方性の指標として、ΔYPLを用いた。このΔYPLは、YPLで正規化した降伏強度の面内異方性を示すものであり、次式より算出した。
ΔYPL={(YPL/YPL)+(YPC/YPL)−2(YPD/YPL)}/2
=(YPL+YPC−2YPD)/(2YPL)
ただし、
YPL=YSL/YSL
YPD=YSD/YSL
YPC=YSC/YSL
であり、YSL、YSD、YSCは0°(L方向)、45°(D方向)および90°方向(C方向)から採取した試験片の降伏強度を示す。
なお、このΔYPLの絶対値が0.03以下であれば、降伏強度の面内異方性に優れていると言える。

0050

(2)鋼組織
(a) 3次元結晶方位分布関数
得られた各冷延焼鈍板の板厚1/4面における板面のX線回折を行い、反射法により得られた(200)、(211)、(110)の不完全極点図より、級数展開法にて3次元結晶方位分布関数を求め、{φ1,Φ,φ2}={0°,35°,45°}における3次元結晶方位分布関数を評価した。

0051

(b)相の体積分率
各相の体積分率は、前述したポイントカウント法により各相の面積率を測定し、その面積率を体積分率とした。

0052

調査結果を表2に示す。

0053

実施例

0054

表2から明らかなように、本発明の鋼板ではいずれも、{φ1,Φ,φ2}={0°,35°,45°}における3次元結晶方位分布関数が2.5以下であり、引張強さ(TS)が500MPa以上であっても、降伏強度の面内異方性が低減されていることが分かる。

0055

本発明に従い得られる降伏強度の面内異方性の小さい高強度冷延鋼板は、自動車用鋼板をはじめとして、家庭用電化製品飲料缶等の各種分野において、好適に用いられる。

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