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技術 高分子電解質、高分子電解質膜、固体高分子形燃料電池およびポリマー化可能な基を有するイオン性材料

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 太田雅史阿部正宏
出願日 2012年3月2日 (8年8ヶ月経過) 出願番号 2012-046975
公開日 2013年9月12日 (7年2ヶ月経過) 公開番号 2013-181129
状態 特許登録済
技術分野 燃料電池(本体) 有機低分子化合物及びその製造 導電材料 無消耗性電極 高分子成形体の製造 ポリオキシメチレン、炭素-炭素結合重合体
主要キーワード 化学一般式 液晶ポリマー材料 高分子単位 イオン性材料 炭化水素系材料 発電源 アクリル骨格 コジェネレーション
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課題

薄膜化可能な主鎖を有し、加水分解ラジカル耐性に優れた高分子電解質、この高分子電解質からなる高分子電解質膜、この高分子電解質からなる固体高分子形燃料電池およびポリマー化可能な基を有するイオン性材料を提供する。

解決手段

高分子電解質が、化学一般式(1)で表わされる高分子単位を有する。

概要

背景

固体高分子形燃料電池(以下、「PEFC」ということがある。)は、環境負荷ガスの放出を削減できる動力源として、燃料電池自動車定置コジェネレーション携帯電話電源として研究開発が進められている。PEFCでは、電池内でプロトン伝導が起こることによって発電反応が進行する。PEFCにおけるプロトン伝導には、水の存在は必須であり、それゆえ、PEFCの発電反応を進行させるためには、加湿器が必要となる。車両などに燃料電池を適用する場合、車載性の観点から、加湿器は小さいことが望まれるため、低加湿下でもプロトン伝導が良好に行われる電解質膜が求められている。ナフィオン登録商標デュポン社製)、アシプレクス(登録商標、旭化成社製)に代表されるフッ素系樹脂電解質は、低加湿下におけるプロトン伝導性に優れており、PEFCにおいて汎用されている材料である。

しかしながら、フッ素系電解質膜は、フッ素からなる高分子材料であるため、リサイクル性という面で問題を有する。燃料電池自動車の普及を考えた場合、リサイクルできるかどうかという問題は重要であり、リサイクルができない材料の環境への負荷は無視することができない。さらに、フッ素系樹脂電解質を単独で電解質膜として適用した場合、耐久性の点で問題がある。したがって、フッ素系樹脂電解質の代替材料の必要性が高まってきている。

代替材料として炭化水素系電解質の開発が近年行われてきている。炭化水素系材料は、一般的にフッ素系樹脂電解質よりも耐久性に優れ、フッ素系樹脂電解質の代替として期待される。
炭化水素系電解質を用いて、低加湿で高いプロトン伝導性を有するためには、例えば、特許文献1では、液晶骨格を有する材料を用いて、スルホン酸基ネットワークを形成させ、低加湿で高いプロトン伝導性を発現させることが報告されている。

概要

薄膜化可能な主鎖を有し、加水分解ラジカル耐性に優れた高分子電解質、この高分子電解質からなる高分子電解質膜、この高分子電解質からなる固体高分子形燃料電池およびポリマー化可能な基を有するイオン性材料を提供する。高分子電解質が、化学一般式(1)で表わされる高分子単位を有する。なし

目的

本発明の目的は、上記問題を解決するものであって、薄膜化可能な主鎖を有し、加水分解やラジカル耐性に優れた高分子電解質膜材料(例えば、高分子電解質、この高分子電解質からなる高分子電解質膜、この高分子電解質からなる固体高分子形燃料電池およびポリマー化可能な基を有するイオン性材料)を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

下記化学一般式(1)で表される高分子単位を有することを特徴とする高分子電解質。(式中の、A1およびA2はアルキル基、B1は電子求引性基、B2は電子供与性基、Yはスルホン酸基ホスホン酸基ヒドロキシル基カルボキシル基から選択されるプロトン酸基をそれぞれ示す。nは10〜10000の整数である。)

請求項2

前記化学一般式(1)中、A1およびA2が−(CH2)m−であることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質。(mは1以上の整数である。)

請求項3

前記化学一般式(1)中、B1がカルボキシル基であり、B2がエーテル基であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高分子電解質。

請求項4

前記化学一般式(1)中、A1のmが3または4であることを特徴とする請求項2に記載の高分子電解質。

請求項5

前記化学一般式(1)中、A1のmが3または4であり、B1がカルボキシル基であり、B2がエーテル基であることを特徴とする請求項2に記載の高分子電解質。

請求項6

前記化学一般式(1)中、Yがスルホン酸基またはホスホン酸基であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の高分子電解質。

請求項7

高分子電解質のイオン交換容量が2.0meq/g以上2.3meq/g以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の高分子電解質。

請求項8

請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の高分子電解質からなることを特徴とする高分子電解質膜

請求項9

請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の高分子電解質を用いることを特徴とする固体高分子形燃料電池

請求項10

下記化学一般式(2)で表されることを特徴とするポリマー化可能な基を有するイオン性材料。(式中の、A1およびA2はアルキル基、B1は電子求引性基、B2は電子供与性基、Yはスルホン酸基、ホスホン酸基、ヒドロキシル基、カルボキシル基から選択されるプロトン酸基をそれぞれ示す。X1、X2はそれぞれ独立して塩素原子臭素原子、またはヨウ素原子のいずれかを示す。)

技術分野

0001

本発明は、高分子電解質高分子電解質膜固体高分子形燃料電池およびポリマー化可能な基を有するイオン性材料に関する。具体的には、燃料電池、特に、固体高分子形燃料電池に用いられる高分子電解質に関する。

背景技術

0002

固体高分子形燃料電池(以下、「PEFC」ということがある。)は、環境負荷ガスの放出を削減できる動力源として、燃料電池自動車定置コジェネレーション携帯電話電源として研究開発が進められている。PEFCでは、電池内でプロトン伝導が起こることによって発電反応が進行する。PEFCにおけるプロトン伝導には、水の存在は必須であり、それゆえ、PEFCの発電反応を進行させるためには、加湿器が必要となる。車両などに燃料電池を適用する場合、車載性の観点から、加湿器は小さいことが望まれるため、低加湿下でもプロトン伝導が良好に行われる電解質膜が求められている。ナフィオン登録商標デュポン社製)、アシプレクス(登録商標、旭化成社製)に代表されるフッ素系樹脂電解質は、低加湿下におけるプロトン伝導性に優れており、PEFCにおいて汎用されている材料である。

0003

しかしながら、フッ素系電解質膜は、フッ素からなる高分子材料であるため、リサイクル性という面で問題を有する。燃料電池自動車の普及を考えた場合、リサイクルできるかどうかという問題は重要であり、リサイクルができない材料の環境への負荷は無視することができない。さらに、フッ素系樹脂電解質を単独で電解質膜として適用した場合、耐久性の点で問題がある。したがって、フッ素系樹脂電解質の代替材料の必要性が高まってきている。

0004

代替材料として炭化水素系電解質の開発が近年行われてきている。炭化水素系材料は、一般的にフッ素系樹脂電解質よりも耐久性に優れ、フッ素系樹脂電解質の代替として期待される。
炭化水素系電解質を用いて、低加湿で高いプロトン伝導性を有するためには、例えば、特許文献1では、液晶骨格を有する材料を用いて、スルホン酸基ネットワークを形成させ、低加湿で高いプロトン伝導性を発現させることが報告されている。

先行技術

0005

特開2003−55337号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1に記載のスルホン酸型液晶モノマー材料を高分子量化したスルホン化液晶ポリマー材料は、主鎖がメタクリル骨格、もしくはアクリル骨格のため、薄膜化による性能向上が望みにくく、また、エステル結合を有するため、加水分解による分解反応が進行しやすい。
本発明の目的は、上記問題を解決するものであって、薄膜化可能な主鎖を有し、加水分解やラジカル耐性に優れた高分子電解質膜材料(例えば、高分子電解質、この高分子電解質からなる高分子電解質膜、この高分子電解質からなる固体高分子形燃料電池およびポリマー化可能な基を有するイオン性材料)を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、上記目的を達成するべく鋭意研究を行った結果、主鎖をフェニレン骨格に変更し、耐加水分解性を向上させるため、エステル部位を除去し、かつラジカル耐性を向上させるため、電子求引性基を導入した高分子電解質膜に着目した。また、ベンゼンとベンゼンから構成されるメソゲンは、高分子電解質膜が堅くなるため、ベンゼンとベンゼンの間にエーテル部位を導入し、高分子電解質膜の柔軟性を向上させている。

0008

本発明の請求項1に記載の高分子電解質は、下記化学一般式(1)で表される高分子単位を有することを特徴とするものである。

0009

0010

(式中の、A1およびA2はアルキル基、B1は電子求引性基、B2は電子供与性基、Yはスルホン酸基、ホスホン酸基ヒドロキシル基カルボキシル基から選択されるプロトン酸基をそれぞれ示す。nは10〜10000の整数である。)
本発明の請求項2に記載の高分子電解質は、請求項1に記載の高分子電解質において、前記化学一般式(1)中、A1およびA2が−(CH2)m−であることを特徴とするものである。(mは1以上の整数である。)
本発明の請求項3に記載の高分子電解質は、請求項1または請求項2に記載の高分子電解質において、前記化学一般式(1)中、B1がカルボキシル基であり、B2がエーテル基であることを特徴とするものである。

0011

本発明の請求項4に記載の高分子電解質は、請求項2に記載の高分子電解質において、前記化学一般式(1)中、A1のmが3または4であることを特徴とするものである。
本発明の請求項5に記載の高分子電解質は、請求項2に記載の高分子電解質において、前記化学一般式(1)中、A1のmが3または4であり、B1がカルボキシル基であり、B2がエーテル基であることを特徴とするものである。

0012

本発明の請求項6に記載の高分子電解質は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の高分子電解質において、前記化学一般式(1)中、Yがスルホン酸基またはホスホン酸基であることを特徴とするものである。
本発明の請求項7に記載の高分子電解質は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の高分子電解質において、高分子電解質のイオン交換容量が2.0meq/g以上2.3meq/g以下の範囲内であることを特徴とするものである。

0013

本発明の請求項8に記載の高分子電解質膜は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の高分子電解質からなることを特徴とするものである。
本発明の請求項9に記載の固体高分子形燃料電池は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の高分子電解質を用いることを特徴とするものである。
本発明の請求項10に記載のポリマー化可能な基を有するイオン性材料は、下記化学一般式(2)で表されることを特徴とするものである。

0014

0015

(式中の、A1およびA2はアルキル基、B1は電子求引性基、B2は電子供与性基、Yはスルホン酸基、ホスホン酸基、ヒドロキシル基、カルボキシル基から選択されるプロトン酸基をそれぞれ示す。X1、X2はそれぞれ独立して塩素原子臭素原子、またはヨウ素原子のいずれかを示す。)

発明の効果

0016

本発明の高分子電解質によれば、主鎖をアクリル骨格またはメタクリル骨格からフェニレン骨格に変更することで、高分子が剛直な骨格となり、高分子電解質を薄膜化させることができ、さらに、薄膜化した高分子電解質を燃料電池に用いた場合、発電性能を向上させることができる。また、本発明の高分子電解質は、電子求引性基を有するため、ラジカル定性を向上させることができる。また、メソゲンであるベンゼンとベンゼンの間にエーテル部位を導入することにより、電解質膜の柔軟性も有することができる。

実施例

0017

以下、本発明の高分子電解質について説明する。なお、本発明は、以下に記載する各実施の形態に限定されうるものではなく、当事業者の知識に基づいて設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
本発明の実施形態に係る高分子電解質は、下記化学一般式(2)で表されるポリマー化可能な基を有するイオン性材料(以下、「モノマー」ということがある。)を重合させることによって得られる。

0018

0019

[モノマーについて]
上記化学一般式(2)中、A1およびA2はアルキル基、B1は電子求引性基、B2は電子供与性基、Yはスルホン酸基、ヒドロキシル基、カルボキシル基から選択されるプロトン酸基をそれぞれ示す。X1、X2はそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子のいずれかである。X1およびX2は同一の原子であっても、異なる原子でもよいが、同一の原子であることが好ましい。

0020

ここで、ポリマー化可能な基とは、具体的には、X1またはX2を含む基のことをいう。また、イオン性材料とは、Yで表されるプロトン酸基を有する材料のことをいう。
上記化学一般式(2)中、A1およびA2で表されるアルキル基は、−(CH2)m−(mは1以上の整数である。)であることが好ましく、mが3または4であることが特に好ましい。mが3または4であることによって、その高分子電解質からなる高分子電解質膜の柔軟性を維持しつつ、酸価の高い高分子電解質膜を得ることができる。

0021

上記化学一般式(2)中、B1は電子求引性基であることが好ましい。B1が電子求引性基であることによって、ラジカル安定性を向上させることができる。電子求引性基としては、スルホ基ニトロ基シアノ基カルボニル基などが挙げられるが、特に、B1がカルボニル基である場合、上記化学一般式(2)のモノマーを容易に合成でき、よりラジカル安定性を向上させることができる。
上記化学一般式(2)中、B2は電子供与性基であることが好ましい。電子供与性としては、特に、エーテル基が好ましい。B2がエーテル基であることにより、上記化学一般式(2)のモノマーを容易に合成できる。

0022

[モノマーの製造方法について]
上記化学一般式(2)のモノマーの製造方法は特に限定されないが、例えば、A1が−(CH2)4−、B1がカルボニル基、B2がエーテル基であり、A2が−(CH2)3−、Yがスルホン酸基またはホスホン酸基である場合、以下のようにして合成することができる。なお、A1、B1、A2、Yが上記構成でない場合であっても、以下のような合成方法および公知の合成方法を組み合わせることによって、上記化学式(2)のモノマーを製造することができる。
まず、下記化学一般式(3)で表される化合物(A)を準備する。

0023

0024

ここで、X1、X2はそれぞれ塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のいずれかである。反応効率の点から、1,4−ジクロロベンゼンであることが好ましい。
次に、上記化合物(A)と、下記化学一般式(4)で表される化合物(B)とを反応させることによって、下記化学一般式(5)で表される化合物(C)を得ることができる。

0025

0026

ここで、X1は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のいずれかである。反応効率の点から、塩素原子であることが好ましい。

0027

0028

この際の反応条件は、特に限定されるものではないが、反応温度は、好ましくは25℃以上80℃以下の範囲内であり、より好ましくは40℃以上70℃以下の範囲内である。反応時間は、好ましくは8時間以上48時間以下の範囲内であり、より好ましくは16時間以上32時間以下の範囲内である。
反応の際の圧力は、特に限定されるものではないが、加圧下、常圧(大気下)、または減圧下いずれかでよく、場合により適宜設定すればよいが、アルゴンガス窒素ガス等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。

0029

上記化合物(B)は、化合物(A)100モル%に対して、50モル%以上100モル%以下の範囲内であることが好ましく、80モル%以上100モル%以下の範囲内であることがより好ましい。
また、この際用いられる触媒としては、ルイス酸触媒であれば良く、ルイス酸触媒の例としては、無水塩化アルミニウムが挙げられる。
触媒は、化合物(A)100モル%に対して、100モル%以上200モル%以下の範囲内であることが好ましく、100モル%以上150モル%以下の範囲内であることがより好ましい。

0030

次に、上記化合物(C)と塩化チオニルとを反応させることによって、下記化学一般式(6)で表される化合物(D)を得ることができる。

0031

0032

この際の反応条件は、特に限定されるものではないが、反応温度は、好ましくは25℃以上80℃以下の範囲内であり、より好ましくは40℃以上60℃以下の範囲内である。反応時間は、好ましくは1時間以上10時間以下の範囲内であり、より好ましくは2時間以上5時間以下の範囲内である。

0033

反応は、反応効率の観点から、窒素雰囲気で行うことが望ましい。
上記反応で用いられる反応溶媒としては、良溶媒であることが望ましく、例えば、テトラヒドロフランシクロヘキサノンジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンγ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルイミダゾリノンなどが挙げられる。

0034

次に、下記化学式(7)で表される化合物(E)とプロパンスルトンを反応させることにより、下記化学式(8)で表される化合物(F)を得ることができる。

0035

0036

0037

この際の反応条件は、特に限定されるものではないが、反応温度は25℃以上80℃以下の範囲内であることが好ましい。反応時間は10時間以上48時間以下の範囲内であることが好ましい。
また、反応を行う雰囲気は、大気雰囲気下でも窒素雰囲気下でも問題ない。
この際用いられる反応溶媒としては、良溶媒であることが望ましく、より好ましくは、アルコール系溶媒であることが望ましい。例えば、エタノールメタノールプロパノール、1−ブタノールが挙げられる。

0038

本願発明の実施形態に係るモノマーは、上記化合物(D)と上記化合物(F)とを反応させることにより、得ることができる。具体的には、上記化学一般式(2)において、A1が−(CH2)4−、B1がカルボニル基、B2がエーテル基であり、A2が−(CH2)3−、Yがスルホン酸基であるモノマーが得られる。
化合物(F)の溶解性が悪い場合には、カチオン交換エステル保護により、溶解性を改善することが好ましい。
また、上記化合物(D)と上記化合物(E)とを反応させ、その後、スルホン酸基を導入することによっても得られる。

0039

この際の反応条件は、特に限定されるものではないが、反応温度は、好ましくは25℃以上80℃以下の範囲内であり、より好ましくは40℃以上70℃以下の範囲内である。反応時間は、好ましくは8時間以上48時間以下の範囲内であり、より好ましくは16時間以上32時間以下の範囲内である。
反応の際の圧力は、特に限定されるものではないが、加圧下、常圧(大気圧)下、または減圧下いずれかでよく、場合により適宜設定すればよいが、常圧下であることが好ましい。
また、反応を行う雰囲気は特に限定されるものではないが、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。

0040

上記化合物(D)は、上記化合物(F)100モル%に対して、50モル%以上100モル%以下の範囲内であることが好ましく、80モル%以上100モル%以下の範囲内であることがより好ましい。
また、この際用いられる触媒としては、ルイス酸触媒であれば良く、ルイス酸触媒の例としては、無水塩化アルミニウムが挙げられる。触媒は、上記化合物(D)100モル%に対して、100モル%以上200モル%以下の範囲内であることが好ましく、100モル%以上150モル以下の範囲内であることがより好ましい。

0041

[高分子電解質の製造方法について]
本願発明の実施形態に係るモノマーの重合は、特に限定されるものではないが、特定の触媒の存在下に反応させることが好ましい。この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、配位子成分配位子配位された遷移金属錯体、および還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために塩を添加してもよい。

0042

配位子成分としては、トリフェニルホスフィン、2,2’−ビピリジン、1,5−シクロオクタジエン、または1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパンなどが挙げられる。これらのうち、トリフェニルホスフィン、2,2’−ビピリジンが好ましい。上記配位子成分である化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。配位子成分は、上記モノマー100モル%に対して、1モル%以上100モル%以下の範囲内であることが好ましく、1モル%以上20モル%以下の範囲内であることがより好ましい。

0043

配位子が配位された遷移金属錯体としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2−ビピリジン)、臭化ニッケル(2,2−ビピリジン)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、またはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。これらのうち、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2−ビピリジン)が好ましい。遷移金属錯体は、上記モノマー100モル%に対して、1モル%以上100モル%以下の範囲内であることが好ましく、1モル%以上20モル%以下の範囲内であることがより好ましい。

0044

上記触媒系に使用することができる還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛マンガンアルミニウムマグネシウムナトリウム、またはカルシウムなどが挙げられる。これらのうち、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させることにより、より活性化して用いることができる。還元剤は、上記モノマー100モル%に対して、1モル以上100モル%以下の範囲内であることが好ましく、10モル%以上30モル%以下の範囲内であることがより好ましい。

0045

また、上記触媒系において使用することのできる塩としては、フッ化ナトリウム塩化ナトリウム臭化ナトリウムヨウ化ナトリウム硫酸ナトリウムなどのナトリウム化合物フッ化カリウム塩化カリウム臭化カリウムヨウ化カリウム硫酸カリウムなどのカリウム化合物;フッ化テトラエチルアンモニウム塩化テトラエチルアンモニウム臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物が挙げられる。これらのうち、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。塩は、上記モノマー100モル%に対して、1モル%以上100モル%以下の範囲内であることが好ましく、10モル%以上30モル%以下の範囲内であることがより好ましい。

0046

また、上記重合の際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルイミダゾリジノンが好ましい。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。

0047

重合の際の重合温度および重合時間は、特に限定されるものではなく、分子量、重合の濃度等によって適宜設定すればよい。例えば、重量平均分子量が10万以上50万以下の範囲内の重合体を得ることを目的とする場合、反応効率の点から、重合温度は好ましくは25℃以上80℃以下の範囲内であり、より好ましくは40℃以上70℃以下の範囲内である。また、重合時間は好ましくは8時間以上40時間以下の範囲内であり、より好ましくは16時間以上32時間以下の範囲内である。

0048

重合の際の重合圧力は、特に限定されず、加圧下、常圧(大気)下、減圧下のいずれかでよく、場合により適宜設定すればよいが、常圧下であることが好ましい。
本願発明のモノマーの重合度、すなわち上記化学一般式(1)におけるnは、10〜10000の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1000〜10000の範囲内である。上記範囲内であれば、高分子電解質を溶媒に容易に溶解させることができ、成膜性を良好にすることができる。

0049

ここで、上記化学一般式(1)で表される高分子単位を有する高分子電解質のイオン交換容量は、2.0meq/g以上2.3meq/g以下の範囲内であることが好ましい。高分子電解質のイオン交換容量が2.0meq/gより小さい場合、酸価が低すぎて、特に低湿度環境下においてプロトン伝導性が低くなる。一方、高分子電解質のイオン交換容量が2.3meq/gより大きい場合、高分子電解質がゲル化しやすくなり、また、水に対して膨潤または溶解しやすくなる。

0050

[高分子電解質膜の製造方法について]
このようにして得られた高分子電解質を用いて高分子電解質膜を製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、本発明のポリフェニレン系電解質を溶媒に溶解して溶液とした後、キャスティングにより、基材上に塗布し、フィルム状に形成する方法や、所定のギャップに制御されたアプリケータを用いて塗工、成膜する方法、ダイコータを用いて成膜する方法等が挙げられる。

0051

成膜にあたっては、溶液の粘度を10mPa・s以上10000mPa・s以下の範囲内とすることが好ましく、10mPa・s以上1000mPa・s以下の範囲内とすることがより好ましい。上記範囲内であれば、溶媒の残留量が少なく、また溶液を乾燥する際に多量の気泡が発生する確率が低いことと、レべリング効果により厚みむらが低減できるため、安定したプロトン伝導性が確保される。

0052

この際の高分子電解質の濃度は、分子量にもよるが、通常、2.5重量%以上50重量%以下の範囲内であり、好ましくは7重量%以上25重量%以下の範囲内である。上記範囲内であれば、成膜性に優れる。
また、この際に用いられる溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチルラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイミダゾリジノンなどの非プロトン系極性溶媒、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒およびアセトンメチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、あるいは2種以上混合させてもよい。またこれらの溶媒に水を添加したものを用いてもよい。

0053

粘度を調整した高分子電解質溶液は、例えば、基材にキャストされる。キャストする基材としては、金属材料ガラスセラミックスプラスチックなどが挙げられる。基材の形状は特に限定されるものではない。
基材上に形成された塗膜は、好ましくは25℃以上140℃以下の範囲内で、0.1時間以上24時間以下の範囲内で加熱され、本発明の実施形態に係る高分子電解質膜が形成される。

0054

[固体高分子形燃料電池について]
固体高分子形燃料電池は、一般に、高分子電解質膜と、高分子電解質膜の両面に設けた空気極側電極触媒層および燃料極側触媒層とからなる膜電極接合体と、空気極側電極触媒層および燃料極側電極触媒層と対向して配置された空気極側ガス拡散層および燃料極側ガス拡散層と、これらを挟持したセパレータとから構成される。

0055

本発明の実施形態に係る高分子電解質は、薄膜化しても十分な機械強度を有し、耐加水分解性およびラジカル安定性を向上させることができることから、上記固体高分子形燃料電池を構成する高分子電解質膜の材料として用いることができる。また、導電性物質および触媒物質とともに、空気極側電極触媒層または燃料極側電極触媒層を形成することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例]
<化合物(C−1)の合成>
1,4−ジクロロベンゼン14.6g(0.1mol)、1−クロロへキサン酸を13.6g(0.1mol)、および塩化アルミニウム14.6g(0.11mol)を加え、窒素雰囲気下、1時間撹拌を行った。この反応溶液有機成分を抽出により回収し、シクロキサンを用いて再結晶を行った。乾燥後、下記化学式(9)で表される化合物(C−1)を得た。

0056

0057

<化合物(D−1)の合成>
窒素雰囲気下において、得られた化合物(C−1)50g(0.2mol)、塩化チオニル118.9g(1mol)およびジメチルホルムアミド5mlを加え、45℃で4時間加熱撹拌することにより、下記化学式(10)で表される化合物(D−1)を得た。

0058

0059

<化合物(F)の合成>
窒素雰囲気下、4−フェノキシフェノール(上記化学式(7)で表わされる化合物(E))54g(0.29mol)、プロパンスルトンを141.7g(1.16mol)および水酸化ナトリウム20g(0.5mol)、メタノールを200ml加え、48時間撹拌した。
その後、ジエチルエーテル再沈殿させ、ろ過した。ろ過物を塩酸にて洗いこみ、上記化学式(8)で表わされる化合物(F)を得た。

0060

<モノマーの合成>
窒素雰囲気下、化合物(D−1)を10g(0.038mol)、化合物(F)を11.7g(0.038mol)、塩化アルミニウムを5.56g(0.042mol)、30mlのジメチルホルムアミドを加え、60℃で1時間撹拌させて、下記化学式(11)で表わされる実施例のモノマーを得た。

0061

0062

<高分子電解質の合成>
窒素雰囲気下、実施例のモノマーを8.04g(14.58mmol)、トリフェニルホスフィン1.493g(5.692mmol)、ヨウ化ナトリウム0.293g(1.953mmol)、亜鉛1.281g(19.59mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド0.311g(0.475mmol)を加え、溶媒として、20mlのジメチルホルムアミドを加え、60℃で24時間撹拌して、下記一般式(12)で表わされる実施例の高分子電解質を得た。

0063

0064

<9−ブロモ−1−デセンの合成>
500mlの三角フラスコにベンゼン100ml及びピリジン1.0gを加え、9−デセン−1−オール25g(0.16mol)を溶解した。次に三臭化リン43.2g(0.16mol)を溶解させたベンゼン溶液100mlを氷冷下でゆっくりと滴下した後、室温で18時間撹拌した。その後、反応液氷水中に注ぎ、ジエチルエーテル300mlで抽出した。ここで得たエーテル−ベンゼン混合液無水硫酸ナトリウムで一晩脱水した。求引ろ過により硫酸ナトリウムを除き、エーテル−ベンゼンを減圧除去し、残渣を減圧蒸留して目的物9−ブロモ−1−デセンを得た。

0065

<4−(9−デセニルオキシフェニルフェノールの合成>
水酸化ナトリウム0.08mol(3.40g)を100mlのエタノールに溶解させた。この溶液を4,4’−ビフェノール0.08mol(14.9g)を溶解させた100mLのエタノールに少量ずつ加え、エタノールを減圧除去した。残渣を150mLのDMF窒素気流下で加温して溶解させた(A液)。上記で調整した9−ブロム−1−デセン0.072mol(15.8g)、フェノチアジン0.1gを30mLのDMFに溶解させた(B液)。窒素雰囲気下でよく撹拌しながらA液にB液を30分程度かけて加え、40℃で24時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、300mLの10%冷希塩酸洗浄した後、300mLのエーテルで抽出し、次いで100mLの冷蒸留水で洗浄した。エーテル層は、無水硫酸ナトリウムで一晩脱水する。硫酸ナトリウムをろ過により取り除き、エーテルを減圧除去する。残渣に300mLのヘキサンを加え、ろ過により沈殿物を得る。次いで200mLのベンゼンを加え、ベンゼン可溶部分をベンゼンを用いたカラムクロマトグラフィーで精製してスルホン化4−(9−デセニルオキシフェニル)フェノールを得た。

0066

<3−[6−(9−デセニルオキシビフェニルオキシ]プロピルスルホン酸の合成>
N,N−ジメチルホルムアミド30mL中に重合禁止剤であるフェノチアジン0.05gを溶解させた。そこへ、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)0.008mol(1.22g)と4−(9−デセニルオキシフェニル)フェノール0.002mol(0.65g)、3−ブロモプロパンスルホン酸ナトリウム0.008mol(1.32g)を溶解させ、窒素雰囲気下、50℃で48時間撹拌した。反応終了後、溶媒を濃縮したジエチルエーテルを加え、ろ過することにより沈殿を得た。次に、沈殿を蒸留水でよく洗浄した。次に、洗浄後の沈殿を6mol/LのHCl中で24時間撹拌後、遠心分離機により沈殿を得て、この沈殿をジエチルエーテルで洗浄後、乾燥して、比較例のモノマーである3−[6−(9−デセニルオキシ)ビフェニルオキシ]プロピルスルホン酸を得た。

0067

<3−[6−(9−デセニルオキシ)ビフェニルオキシ]プロピルスルホン酸の高分子量化>
窒素雰囲気下、3−[6−(9−デセニルオキシ)ビフェニルオキシ]プロピルスルホン酸を488mg(1mmol)、開始剤であるAIBNを6.6mg(0.04mmol)加え、ジメチルスルホキシドを4.7ml加えた。その後、60℃で60時間熱重合して高分子量化させた。その後、アセトンで再沈殿させ、比較例の高分子電解質である3−[6−(9−デセニルオキシ)ビフェニルオキシ]プロピルスルホン酸ポリマーを得た。

0068

[高分子電解質の成膜]
実施例および比較例の高分子電解質をジメチルスルホキシドに溶解させ、ガラスにキャストし、45℃で12時間、80℃で12時間、80℃で1時間真空乾燥させることで、実施例および比較例の高分子電解質膜を得た。
[評価]
<薄膜化>
実施例の高分子電解質膜は、比較例の高分子電解質膜に比較して、薄膜化しても膜電極接合体が作製できる機械強度を有していた。
フェントン試験
60℃、3%過酸化水素水溶液、4ppmFe2+中に、実施例および比較例の高分子電解質膜を浸漬させた。その結果、実施例の高分子電解質膜の方が、耐久性を有していることを確認した。

0069

本発明は、電気自動車、燃料電池自動車などの自動車ノートパソコン、携帯電話、携帯情報端末などのモバイル機器家庭用発電装置などの発電源として用いられる固体高分子形燃料電池を構成する高分子電解質膜などに利用できる。

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