図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2013年9月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素(11β—HSD1)の高発現または高活性に関する、眼疾患治療及び/または予防のための方法及び組成物を提供する。

解決手段

本発明は、siNA組成物及び眼の疾患の治療のための方法に関連し、そのsiNA化合物は11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素(11β—HSD1)の発現を阻害することができるものである。

概要

背景

緑内障失明の主な原因の一つである。世界中の失明患者の約15%は、緑内障の結果として生じる。最も一般的なタイプである、原発性開放隅角緑内障は、40以上の年齢での一般的な集団において、200人に1人の有病率を有する。緑内障は、眼組織破壊過程として単に定義されており、正常な生理学的な限界を超えた、持続的な眼内圧(IOP)の上昇によって引き起こされる。いくつかの病因が緑内障における複合体に関与している可能性があるにも関わらず、治療選択における完全な決定因子は、虹彩角膜角内の圧力における、本来の及び/または誘導された変化の量である。

現在の治療には、この圧力を減少させることを目的とした、薬物治療または外科手術が含まれるが、どの上昇したIOPによる病態生理学的メカニズムが、緑内障での神経損傷へと到るのかはわかっていない。上昇したIOPの医学的な抑制を、4タイプの薬を用いて、試みることが可能である:(1)房水産生抑制剤(例えば、炭酸脱水酵素阻害剤、βアドレナリン遮断薬、及びα2アドレナリン受容体作動薬);(2)縮瞳薬(例えば、コリン作動薬及び抗コリンエステラーゼ阻害剤を含む、副交感神経興奮剤);(3)ブドウ膜強膜流出能改善剤(uveoscleral outflow enhancers);及び(4)高浸透圧剤(であって、毛様体上皮内血液房水関門に対する浸透圧勾配を生み出す)。5番目カテゴリーの薬としては、神経保護剤が、薬物療法に対する重要な追加選択として登場しており、例えばそれには、NOS阻害剤、興奮性アミノ酸拮抗薬グルタミン酸受容体拮抗薬、アポトーシス阻害剤、及びカルシウムチャンネル阻害剤が含まれる。

さまざまな眼疾患及びそれらの治療の概説は、非特許文献1から7に見出すことができる。

RNA干渉(RNA interference)は、短い干渉RNA(short interfering RNA)(siRNA)によって媒介される、配列特異的転写後の遺伝子抑制のプロセスを意味する。1990年代初頭に、植物でのこの現象発見後、Andy FireとCraig Melloは、二本鎖RNAdsRNA)が、非常に効率的な態様で、線虫での遺伝子発現を、特異的かつ選択的に阻害することを示した(非特許文献8)。第一鎖(first strand)(センスRNA)の配列は、標的となるメッセンジャーRNAmRNA)の対応する領域の配列に合致した。第二鎖(second strand)(アンチセンスRNA)はmRNAに相補的であった。結果として生じるdsRNAは、対応する一本鎖RNA分子(特に、アンチセンスRNA)よりも、数桁分(several orders of magnitude)以上、効率的であることが判明した。

RNAiのプロセスは、酵素であるDICERがdsRNAと接触し、小さい干渉RNA(small interfering RNA)(siRNA)と呼ばれる断片に切り刻む所から始まる。このタンパク質は、RNaseヌクレアーゼファミリーに属する。タンパク質の複合体は、これらの残存するRNAを集め、それらのコードを、ガイドとして用いて、マッチする配列、例えば標的mRNAを有する、細胞内のいずれのRNAも探し出して破壊する(非特許文献9及び10)。

遺伝子ノックダウンのためにRNAiを利用する試みにおいて、哺乳類細胞は、この手法の使用を妨害することが可能なウイルス感染対抗して、さまざまな防御機構発達させていることがわかった。実際に、非常に低い濃度でのウイルスのdsRNAの存在により、インターフェロン反応が引き起こされ、結果として、広範囲の非特異的な翻訳の抑制が生じ、それにより次々アポトーシスが引き起こされる(非特許文献11及び12)。

2000年に、dsRNAが、マウス卵母細胞及び初期胚において、3つの遺伝子を特異的に阻害することが報告された。翻訳阻止、及びPK応答(PKR response)は、が連続して発達する際には観察されなかった(非特許文献13)。RibopharmaAG社(Kulmbach、ドイツ)の研究により、哺乳類細胞でのRNAiの機能性は、短い(20から24塩基対の)dsRNAを用いることにより、急性期の反応を開始させることなく、ヒトの細胞において遺伝子のスイッチをオフにすることが示された。同様な実験が他の研究グループによっても行われ、これらの結果が確認された(非特許文献14及び15)。ヒト及びマウスの、さまざまな正常細胞株及びがん細胞株においてテストすることにより、短いヘアピンRNA(shRNA)は、それらのsiRNAに相当するものと同じくらい効率よく遺伝子を抑制可能であることが判明した(非特許文献16)。最近、小さいRNA(21−25塩基対)の別のグループでも、遺伝子発現の下方制御を媒介することが示された。これらのRNA、すなわち、小さな、一時的に制御されるRNA(small temporally regulated RNA)(stRNA)は、線虫の成長の間、遺伝子発現の時間的調節を制御する(参照として、非特許文献17及び18)。

科学者たちはさまざまな系においてRNAiを用いているが、それには線虫、ショウジョウバエトリパノソーマ、及び他の無脊椎動物が含まれる。最近、いくつかのグループは、RNAiが、in vitroでの遺伝子抑制のために幅広く適用可能な方法であることを示し、さまざまな哺乳類細胞株(特にHeLa細胞)におけるタンパク質の生合成の特異的な抑制を、提示している。これらの結果に基づき、RNAiは、遺伝子機能を確認する(同定し割り当てる)ための、急速に、非常に受け入れられたツールになっている。短いdsRNAオリゴヌクレオチドを使用するRNAiは、部分的にしか配列が決定していない遺伝子の機能理解をもたらすだろう。

既に述べたように、IOPは、(毛様体上皮二重層(bi‐layer)を介するナトリウム輸送に依存する)房水(AH)産生と(主に小柱網を介する)排水(drainage)の間のバランスによって維持される。AHは、虹彩水晶体の間の、毛様体上皮から流れ出る、眼の後眼房中に分泌され、瞳孔の開口部を介して、前眼房入り、終いには周辺部にすばやく流れるが、そこでは、小柱網のシュレム管を介して主に出て行くのであって、ブドウ膜強膜流出経路を介して出て行く分はより少ない(非特許文献19及び20)。

周辺の上皮組織では、ナトリウムと水の輸送は、コルチコステロイド及び11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素(11β—HSD)アイソザイムコルチゾンからコルチソル活性化する、11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素1(11β—HSD1)、並びにコルチソルを不活性化してコルソンにする、11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素2(11β—HSD2))によって制御される。11β—HSD1は広く発現しており、とりわけ、多くのグルココルチコイド標的組織で発現しているが、それには、肝臓脂肪組織、骨のほかに、、血管系、卵巣中枢神経系が含まれる。

11β—HSDの発現は、ヒトの眼においても記載されている。11β—HSD2は、角膜内皮で発現される一方で、11β—HSD1は小柱網、水晶体上皮及び角膜上皮においてより広範に発現している(非特許文献21)。

11β—HSD2にはないが、11β—HSD1は、ヒトの無色素感覚上皮細胞(non−pigmented neuroepithelial cell)またはNPEにおいて局在している(非特許文献22から25)。in situハイブリダイゼーションにより、毛様体上皮における11β—HSD1の発現が明らかとなる一方で、毛様体の組織RTPCRにより、11β—HSD1の発現が確かめられ、グルココルチコイド受容体及びミネラルコルチコイド受容体の発現を伴った(非特許文献26)。酵素11β—HSD1は、細胞内のグルココルチコイド濃度を決定するのに非常に重要な役割を果たしており、それは、可逆的な反応で、不活性のコルチゾン及び11−デヒドロコルチコステロンから、活性のあるグルココルチコイド(ヒトにおけるコルチソル、ラット及びマウスにおけるコルチコステロン)を再生することによるものである。14:1の、コルチソル/コルチゾンの高い比率は、房水において実証されており、この局所的なコルチソルの産生系と一致している(非特許文献22)。

対象群を設定しないトライアル試験における、志願者への11β—HSD1の阻害剤である、カルベノキソロン(CBX)の経口投与により、IOPが17.5%減少の結果となったことは、11β—HSD1の活性が、NPE−色素性二重層(pigmented bi−layer)を介するナトリウム輸送、及び結果的に房水の分泌を部分的に制御する可能性を示唆している(非特許文献22)。さらに、健常者の志願者及び高眼圧症を有する患者(IOPは上昇しているが、視神経症ではない)における、無作為抽出した、プラセボ対照試験により、IOPに関するCBXの効果を評価した(非特許文献26)。前述は、RNAiに関する関連技術の議論である。この議論は、この後に続く本発明の理解のためにのみ提供され、記載される本研究のいずれもが、主張される本発明に対する先行技術であることを承認するものではない。

概要

11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素(11β—HSD1)の高発現または高活性に関する、眼疾患の治療及び/または予防のための方法及び組成物を提供する。本発明は、siNA組成物及び眼の疾患の治療のための方法に関連し、そのsiNA化合物は11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素(11β—HSD1)の発現を阻害することができるものである。なし

目的

本発明において、眼疾患の治療のためにsiRNAを使用することによって、11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素1(11β—HSD1)の発現及び/または活性を調節するための方法及び組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

眼疾患治療のための医薬の製造におけるsiNAの使用であって、前記siNAが11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素1(11β—HSD1)の発現阻害することができる使用。

請求項2

前記眼疾患が、患者においての眼内圧(IOP)の変化を特徴とする、請求項1に記載の使用。

請求項3

前記眼疾患が、緑内障、感染、炎症、ブドウ膜炎、及び全身性疾患の発現を含む群から選択される、請求項1または2に記載の使用。

請求項4

前記眼疾患が緑内障である、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。

請求項5

前記眼疾患が糖尿病性網膜症である、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。

請求項6

標的遺伝子の発現が、前記患者の眼において阻害される、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。

請求項7

前記siNAがsiRNAである、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。

請求項8

前記siRNAがdsRNAである、請求項7に記載の使用。

請求項9

前記siRNAがshRNAである、請求項7に記載の使用。

請求項10

前記siNAが1つまたはそれより多い修飾オリゴヌクレオチドを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。

請求項11

前記siNAを患者の眼に局所的に投与する、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用。

請求項12

前記siNAを患者の角膜に投与する、請求項11に記載の使用。

請求項13

複数の種類のsiNAを使用する、請求項1から12のいずれか一項に記載の使用。

請求項14

前記複数の種類が同一種類mRNAを標的とする、請求項13に記載の使用。

請求項15

前記siNAが、配列番号1から61から選択される配列、または配列番号1から61を含む配列を標的とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の使用。

請求項16

前記標的遺伝子が11β−HSD1であり、前記siNAが、配列番号1から61から選択される配列、または配列番号1から61を含む配列を標的とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の使用。

請求項17

本発明のsiNA分子が配列番号62から122の群から選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の使用。

請求項18

前記siNA分子が3’オーバーハングを含む、請求項17に記載の使用。

請求項19

siNAを投与することを含む眼疾患の治療方法であって、前記siNAが11β−HSD1の発現を阻害することができる方法。

請求項20

配列番号1から61から選択されるヌクレオチド配列に相補的な配列を含む、11β—HSD1を標的とする単離されたsiNA化合物

請求項21

配列番号62から122の群から選択されるヌクレオチド配列を含む、11β—HSD1を標的とする単離されたsiNA化合物。

請求項22

前記siNAがsiRNAである、請求項20または21に記載の単離されたsiNA化合物。

請求項23

前記siRNAがdsRNAである、請求項22に記載の単離されたsiNA化合物。

請求項24

前記siRNAがshRNAである、請求項22に記載の単離されたsiNA化合物。

請求項25

修飾オリゴヌクレオチドを含む、請求項20から24のいずれか一項に記載の単離されたsiNA化合物。

請求項26

3’オーバーハングをさらに含む、請求項20から25のいずれか一項に記載の単離されたsiNA化合物。

技術分野

0001

本発明は、11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素(11β—HSD1)の高発現または高活性に関する、眼疾患治療及び/または予防のための方法及び組成物に関する。特に、しかしそれだけには限られないが、緑内障の治療に関する。好ましい実施形態では、11βHSD1の発現を下方制御するためのRNAiテクノロジーの使用に関する。

背景技術

0002

緑内障は失明の主な原因の一つである。世界中の失明患者の約15%は、緑内障の結果として生じる。最も一般的なタイプである、原発性開放隅角緑内障は、40以上の年齢での一般的な集団において、200人に1人の有病率を有する。緑内障は、眼組織破壊過程として単に定義されており、正常な生理学的な限界を超えた、持続的な眼内圧(IOP)の上昇によって引き起こされる。いくつかの病因が緑内障における複合体に関与している可能性があるにも関わらず、治療選択における完全な決定因子は、虹彩角膜角内の圧力における、本来の及び/または誘導された変化の量である。

0003

現在の治療には、この圧力を減少させることを目的とした、薬物治療または外科手術が含まれるが、どの上昇したIOPによる病態生理学的メカニズムが、緑内障での神経損傷へと到るのかはわかっていない。上昇したIOPの医学的な抑制を、4タイプの薬を用いて、試みることが可能である:(1)房水産生抑制剤(例えば、炭酸脱水酵素阻害剤、βアドレナリン遮断薬、及びα2アドレナリン受容体作動薬);(2)縮瞳薬(例えば、コリン作動薬及び抗コリンエステラーゼ阻害剤を含む、副交感神経興奮剤);(3)ブドウ膜強膜流出能改善剤(uveoscleral outflow enhancers);及び(4)高浸透圧剤(であって、毛様体上皮内血液房水関門に対する浸透圧勾配を生み出す)。5番目カテゴリーの薬としては、神経保護剤が、薬物療法に対する重要な追加選択として登場しており、例えばそれには、NOS阻害剤、興奮性アミノ酸拮抗薬グルタミン酸受容体拮抗薬、アポトーシス阻害剤、及びカルシウムチャンネル阻害剤が含まれる。

0004

さまざまな眼疾患及びそれらの治療の概説は、非特許文献1から7に見出すことができる。

0005

RNA干渉(RNA interference)は、短い干渉RNA(short interfering RNA)(siRNA)によって媒介される、配列特異的転写後の遺伝子抑制のプロセスを意味する。1990年代初頭に、植物でのこの現象発見後、Andy FireとCraig Melloは、二本鎖RNAdsRNA)が、非常に効率的な態様で、線虫での遺伝子発現を、特異的かつ選択的に阻害することを示した(非特許文献8)。第一鎖(first strand)(センスRNA)の配列は、標的となるメッセンジャーRNAmRNA)の対応する領域の配列に合致した。第二鎖(second strand)(アンチセンスRNA)はmRNAに相補的であった。結果として生じるdsRNAは、対応する一本鎖RNA分子(特に、アンチセンスRNA)よりも、数桁分(several orders of magnitude)以上、効率的であることが判明した。

0006

RNAiのプロセスは、酵素であるDICERがdsRNAと接触し、小さい干渉RNA(small interfering RNA)(siRNA)と呼ばれる断片に切り刻む所から始まる。このタンパク質は、RNaseヌクレアーゼファミリーに属する。タンパク質の複合体は、これらの残存するRNAを集め、それらのコードを、ガイドとして用いて、マッチする配列、例えば標的mRNAを有する、細胞内のいずれのRNAも探し出して破壊する(非特許文献9及び10)。

0007

遺伝子ノックダウンのためにRNAiを利用する試みにおいて、哺乳類細胞は、この手法の使用を妨害することが可能なウイルス感染対抗して、さまざまな防御機構発達させていることがわかった。実際に、非常に低い濃度でのウイルスのdsRNAの存在により、インターフェロン反応が引き起こされ、結果として、広範囲の非特異的な翻訳の抑制が生じ、それにより次々アポトーシスが引き起こされる(非特許文献11及び12)。

0008

2000年に、dsRNAが、マウス卵母細胞及び初期胚において、3つの遺伝子を特異的に阻害することが報告された。翻訳阻止、及びPK応答(PKR response)は、が連続して発達する際には観察されなかった(非特許文献13)。RibopharmaAG社(Kulmbach、ドイツ)の研究により、哺乳類細胞でのRNAiの機能性は、短い(20から24塩基対の)dsRNAを用いることにより、急性期の反応を開始させることなく、ヒトの細胞において遺伝子のスイッチをオフにすることが示された。同様な実験が他の研究グループによっても行われ、これらの結果が確認された(非特許文献14及び15)。ヒト及びマウスの、さまざまな正常細胞株及びがん細胞株においてテストすることにより、短いヘアピンRNA(shRNA)は、それらのsiRNAに相当するものと同じくらい効率よく遺伝子を抑制可能であることが判明した(非特許文献16)。最近、小さいRNA(21−25塩基対)の別のグループでも、遺伝子発現の下方制御を媒介することが示された。これらのRNA、すなわち、小さな、一時的に制御されるRNA(small temporally regulated RNA)(stRNA)は、線虫の成長の間、遺伝子発現の時間的調節を制御する(参照として、非特許文献17及び18)。

0009

科学者たちはさまざまな系においてRNAiを用いているが、それには線虫、ショウジョウバエトリパノソーマ、及び他の無脊椎動物が含まれる。最近、いくつかのグループは、RNAiが、in vitroでの遺伝子抑制のために幅広く適用可能な方法であることを示し、さまざまな哺乳類細胞株(特にHeLa細胞)におけるタンパク質の生合成の特異的な抑制を、提示している。これらの結果に基づき、RNAiは、遺伝子機能を確認する(同定し割り当てる)ための、急速に、非常に受け入れられたツールになっている。短いdsRNAオリゴヌクレオチドを使用するRNAiは、部分的にしか配列が決定していない遺伝子の機能理解をもたらすだろう。

0010

既に述べたように、IOPは、(毛様体上皮二重層(bi‐layer)を介するナトリウム輸送に依存する)房水(AH)産生と(主に小柱網を介する)排水(drainage)の間のバランスによって維持される。AHは、虹彩水晶体の間の、毛様体上皮から流れ出る、眼の後眼房中に分泌され、瞳孔の開口部を介して、前眼房入り、終いには周辺部にすばやく流れるが、そこでは、小柱網のシュレム管を介して主に出て行くのであって、ブドウ膜強膜流出経路を介して出て行く分はより少ない(非特許文献19及び20)。

0011

周辺の上皮組織では、ナトリウムと水の輸送は、コルチコステロイド及び11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素(11β—HSD)アイソザイムコルチゾンからコルチソルを活性化する、11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素1(11β—HSD1)、並びにコルチソルを不活性化してコルソンにする、11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素2(11β—HSD2))によって制御される。11β—HSD1は広く発現しており、とりわけ、多くのグルココルチコイド標的組織で発現しているが、それには、肝臓脂肪組織、骨のほかに、、血管系、卵巣中枢神経系が含まれる。

0012

11β—HSDの発現は、ヒトの眼においても記載されている。11β—HSD2は、角膜内皮で発現される一方で、11β—HSD1は小柱網、水晶体上皮及び角膜上皮においてより広範に発現している(非特許文献21)。

0013

11β—HSD2にはないが、11β—HSD1は、ヒトの無色素感覚上皮細胞(non−pigmented neuroepithelial cell)またはNPEにおいて局在している(非特許文献22から25)。in situハイブリダイゼーションにより、毛様体上皮における11β—HSD1の発現が明らかとなる一方で、毛様体の組織RTPCRにより、11β—HSD1の発現が確かめられ、グルココルチコイド受容体及びミネラルコルチコイド受容体の発現を伴った(非特許文献26)。酵素11β—HSD1は、細胞内のグルココルチコイド濃度を決定するのに非常に重要な役割を果たしており、それは、可逆的な反応で、不活性のコルチゾン及び11−デヒドロコルチコステロンから、活性のあるグルココルチコイド(ヒトにおけるコルチソル、ラット及びマウスにおけるコルチコステロン)を再生することによるものである。14:1の、コルチソル/コルチゾンの高い比率は、房水において実証されており、この局所的なコルチソルの産生系と一致している(非特許文献22)。

0014

対象群を設定しないトライアル試験における、志願者への11β—HSD1の阻害剤である、カルベノキソロン(CBX)の経口投与により、IOPが17.5%減少の結果となったことは、11β—HSD1の活性が、NPE−色素性二重層(pigmented bi−layer)を介するナトリウム輸送、及び結果的に房水の分泌を部分的に制御する可能性を示唆している(非特許文献22)。さらに、健常者の志願者及び高眼圧症を有する患者(IOPは上昇しているが、視神経症ではない)における、無作為抽出した、プラセボ対照試験により、IOPに関するCBXの効果を評価した(非特許文献26)。前述は、RNAiに関する関連技術の議論である。この議論は、この後に続く本発明の理解のためにのみ提供され、記載される本研究のいずれもが、主張される本発明に対する先行技術であることを承認するものではない。

先行技術

0015

Bunce et al., 2005, Associations between the deletion polymorphism of the angiotensin 1-converting enzyme gene and ocular signs of primary open-angle glaucoma. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol.; 243(4); 294
Costagliola et al., 2000, Effect of oral losartan potassium administration on intraocular pressure in normotensive and glaucomatous human subjects. Exp Eye Res 71 (2): 167
Costagliola et al., 1995, . Effect of oral captopril (SQ 14225) on intraocular pressure in man. Eur J Ophthalmol., 5(1):19
Cullinane et al., 2002, Renin-angiotensin system expression and secretory function in cultured human ciliary body non-pigmented epithelium. Br J Ophthalmol., 86(6):676
Sakaguchi et al., 2002, Chymase and angiotensin converting enzyme activities in a hamster model of glaucoma filtering surgery. Curr Eye Res. 24(5):325
Shah et al., 2000, Oculohypotensive effect of angiotensin- converting enzyme inhibitors in acute and chronic models of glaucoma. J Cardiovasc Pharmacol., 36(2):169
Wang et al., 2005, Effect of CS-088, an angiotensin AT1 receptor antagonist, on intraocular pressure in glaucomatous monkey eyes. Exp Eye Res., 80(5):629.
Fire et al., 1998, Potent and specific genetic interference by double stranded RNA in Caenorhabditis elegans. Nature, 391:806
Bosher & Labouesse, 2000, RNA interference: genetic wand and genetic watchdog. Nat Cell Biol, 2000, 2(2):E31
Akashi et al., 2001 , Suppression of gene expression by RNA interference in cultured plant ceils. Antisense Nucleic Acid Drug Dev, 11 (6):359
Williams, 1997, Role of the double-stranded RNA-activated protein kinase (PKR) in cell regulation. Biochem Soc Trans, 25(2):509
Gil & Esteban, 2000, Induction of apoptosis by thedsRNA-dependent protein kinase (PKR): mechanism of action. Apoptosis, 5(2):107-14
Wianny & Zernicka-Goetz, 2000, Specific interference with gene function by double-stranded RNA in early mouse development. Nat Cell Biol, 2(2):70
Eibashir et al., 2001 , RNA interference is mediated by 21- and 22-nucleotide RNAs. Genes Dev, 15(2):188
Caplen et al., 2001 , Specific inhibition of gene expression by small double stranded RNAs in invertebrate and vertebrate systems. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 98: 9742
Paddison et al, 2002, Short hairpin RNAs (shRNAs) induce sequence-specific silencing in mammalian ceils. Genes Dev, 16(8):948
Banerjee & Slack, Control of developmentai timing by small temporal RNAs: a paradigm for RNA-mediated regulation of gene expression. Bioessays, 2002, 24(2):119-29
Grosshans & Slack, 2002, Micro-RNAs: small is plentiful. J Cell Biol, 156(1):17
Davson H. The aqueous humour and intraocular pressure. In: Davson's Physiology of the Eye, 5th edn London, Macmillan Press, 1990:3-95
Hart WM. Intraocular pressure In: Hart WM, ed. Adler's Physiology of the Eye. St Louis, Mosby-Year Book Inc, 1992:248-267
Tomlinson JW. 11 Beta-hydroxysteroid dehydrogenase type 1 in human disease: a novel therapeutic target. Minerva Endocrinol. 2005 Mar;30(1):37-46
Rauz S, Walker EA, Shackleton CHL, Hewison M, Murray Pl, Stewart PM. Expression and putative role of 11β-hydroxysteroid dehydrogenase isozymes within the human eye. Invest Ophthalmol Vis Sci 2001 ; 42:2037-42
Suzuki T, Sasano H, Kaneko C, Ogawa S, Darnel AD, Krozowski ZS. lmmunohistochemical distribution of 11 β- hydroxysteroid dehydrogenase in human eye. MoI Cell Endocrinol 2001 ; 173:121-5
Mirshahi M, Nicolas C, Mirshahi A, Hecquet C, d'Hermies F, Faure JP, et al.The mineralocorticoid hormone receptor and action in the eye. Biochem Biophys Res Commun 1996; 219:150-6
Stokes J, Noble J, Brett L, Philips C, Seckl JR, O'Brien C, et al. Distribution of glucocorticoid and mineralocorticoid receptors and 11 β-hydroxysteroid dehydrogenases in human and rat ocular tissues. Invest Ophthalmol Vis Sci 2000; 41:1629-38
Rauz S, Cheung CM, Wood PJ, Coca-Prados M, Walker EA, Murray Pl, Stewart PM. Inhibition of 11 beta-hydroxysteroid dehydrogenase type 1 lowers intraocular pressure in patients with ocular hypertension. QJM, 2003 Jul;96(7):481-90

課題を解決するための手段

0016

本発明において、眼疾患の治療のためにsiRNAを使用することによって、11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素1(11β—HSD1)の発現及び/または活性を調節するための方法及び組成物を提供する。好ましい実施態様において、この眼疾患は、ヒトを含む動物において、IOPの変化を特徴とする。特には、この眼疾患は緑内障である。

0017

本発明の別の態様は、配列番号(SEQID番号)1から61から選択されるヌクレオチド配列に相補的な配列を含む、あるいは配列番号62から122の群から選択されるヌクレオチド配列を含む単離されたsiNA化合物に関する。

0018

本発明のさらなる別の態様は、11β—HSD1を標的とするsiNA化合物を含む、医薬組成物に関する。

0019

緑内障の治療に加えて、本方法は、眼の前眼房の他の疾患の治療にもまた適している。特に、この方法は、眼においての房水産生の変化及び流出によって特徴付けられる疾患の治療にも適用してもよい。本発明により治療される可能性のある疾患の例としては、感染または炎症のような局在的な疾患、並びに、ブドウ膜炎または全身性の疾患の発現のような全身疾患が含まれる。さらに、本発明の特定の実施態様は、糖尿病性網膜症のための治療を提供する。

0020

下方制御は、二本鎖核酸部分の使用によって効果を発する可能性があり、11β—HSD1のmRNA発現相互作用するように指示される、siNA、すなわち短干渉核酸(small interfering NA)と名付けられている。siNAは好ましくはsiRNAであるが、修飾核酸(modified nucleic acid)または同様に化学的に合成されるものも、本発明の範囲内に含まれる。

0021

本発明の好ましい実施態様は、siNAの局所適用に関する。本発明の実施態様は、眼疾患の治療における使用のための、医薬組成物をも提供する。本発明は、緑内障の病因に関連のある標的遺伝子のうち、局所的な眼の治療の範囲内で使用をしてもよく、さらに(ヒトを含む)動物を治療するために化学的に合成されるものを使用してもよい。

図面の簡単な説明

0022

11βHSDの2つの代替となる転写産物に相当する、GenBankアクセス番号を示す図である。
本発明のsiNAの標的配列として選択される、標的遺伝子配列の短い断片を示す図である。
本発明のsiNAの標的配列として選択される、標的遺伝子配列の短い断片を示す図である。
本発明のsiNAの標的配列として選択される、標的遺伝子配列の短い断片を示す図である。
本発明のsiNA分子を示す図である。
本発明のsiNA分子を示す図である。
本発明のsiNA分子を示す図である。
本発明のsiNA分子を示す図である。
正常血圧ニュージーランドウサギにおけるIOPの減少に関する、2つのsiRNAの最大効果を示す図である。値はコントロール賦形剤のみでの反対側の眼)に対するIOPの減少の割合の平均値及びそれらの標準誤差(SD)を示す図である。用いたsiRNAは、11HSD/01:CCACAUCACCACGCUUCUdTdT(配列番号133;ヒト配列番号N○100に相同する、ウサギのホモログ配列)及び11HSD/02:CGUCAAUGUAUCAAUCACUdTdT(配列番号134;最高スコアを有し、開示されたヒト配列に相当するものを有さない、ウサギのホモログ配列)。
時間に対する正常血圧のニュージーランドウサギでのIOPの減少に関して、siRNA 11HSD/02のin vivo効果を示す図である。4回連続して265μgのsiRNAを点眼することにより、コントロールに対してIOPが20.34減少した。対照的に、スクランブルのsiRNAはIOPレベルに関してなんらの効果も持たなかった。それぞれの値は、異なる4匹の動物におけるコントロール(賦形剤のみでの反対側の眼)に対するIOP減少の割合の平均値を示す。

0023

第一の態様において、本発明は、眼疾患の治療のための医薬の製造におけるsiNAの使用であって、前記siNAは、11β—ヒドロキシステロイド脱水素酵素1(11β—HSD1)の発現を阻害することができる。

0024

本発明に照らして用いられる阻害するという用語は、11β—HSD1の下方制御を包含する。ある実施態様において、本発明にしたがっての眼疾患は、患者における眼内圧(IOP)の変化を特徴とする。別の実施態様において、眼疾患は、緑内障、感染、炎症、ブドウ膜炎、及び全身性疾患の発現を含む群から選択される。眼疾患は、緑内障または糖尿病性網膜症から選択してもよい。本発明にしたがって、標的遺伝子の発現は、患者の眼の中で阻害されてもよい。

0025

ある実施態様において、本発明にしたがうsiNAはsiRNAである。好ましくは、siRNAはdsRNAである。

0026

RNAiに関する機構は未だ知られていないにも関わらず、特異的なdsRNAオリゴヌクレオチドを産生するのに必要とされるステップは明らかである。長さにして21−26ヌクレオチドであるdsRNAの二本鎖がRNA干渉を生み出すのに最も効果的に働くことが示されている。したがって、ある実施態様において、本発明のsiNAは長さにして21−26ヌクレオチドである。しかし、本発明にしたがうsiNA化合物の長さには、制限はない。遺伝子内の、右側にある相同領域を選択することも、また重要である。開始コドンからの距離、G/C含量、及びアデノシン二量体の位置のような因子は、RNAiに関してdsRNAの産生を考慮したときに重要である。しかし、このことの結果の1つとして、最も効果的なRNAiのためにいくつもの異なる配列をテストする必要があるかもしれないし、このことにより費用がかかるかもしれない。

0027

1999年に、TuschlらはsiRNAの抑制効果解明し(TargetedmRNAdegradation by double-stranded RNA in vitro. Genes Dev., 1999; 13(24):3191-7)、siRNAの効率が、二本鎖の長さ、3’末端オーバーハングの長さ及びこれらのオーバーハングの配列の関数であることを示した。これら創始者の研究に基づいて、Eurogentecは、標的mRNA領域、及びsiRNAの二本鎖の配列は、以下のガイドラインを用いて選択されるべきであると提言する。

0028

RNAiが複雑なタンパク質の相互作用の形成に依存しているので、mRNAの標的が、関連性のない結合因子を持っているべきないことは明らかである。この文脈において、5’及び3’の非翻訳領域(UTRs)並びに開始コドンに近い領域の両方は、それらが調節タンパク質の結合領域に豊富にある可能性があるので、避けるべきである。siRNAの配列はしたがって、以下のように選択される:mRNA配列においては、AUG開始コドンの下流または終止コドン上流の50から100ntに位置する領域を選択する。

0029

この領域では、以下の配列:AA(N19)、CA(N19)に対して探索する。同定される各配列に関するG/C割合を計算する。理想的には、G/C含量は50%であるが、70%未満でなければならず、30%を超えなければならない。好ましくは、以下の反復を含む配列を避ける:AAA、CCC、GGG、TTT、AAAA、CCCC、GGGG、TTTT。mRNAの二次構造に一致する近接性予測をさらに行う。ヌクレオチド配列について、BLASTも実行し(すなわちNCBIESTsデータベース)、このヌクレオチド配列が、1遺伝子のみが不活性化されることを確かにするための最も優れた前記の基準に適合するようにする。

0030

この結果の解釈最大限生かすために、siRNAを用いるときには以下のことに注意するべきである:
●センスとアンチセンス一本鎖を常に別個の実験でテストする。
●スクランブルのsiRNA二本鎖を試す。これは、使用するsiRNAと同じヌクレオチドの組成物を持つが、(使用するsiRNAを含む)他のどの遺伝子とも、決定的な配列の相同性を欠いているべきである。
●可能であれば、2つの独立したsiRNA二本鎖を用いて同じ遺伝子をノックダウンし、抑制(silencing)プロセスの特異性を制御する。

0031

実際には、選択される各遺伝子は、予測プログラムで、ヌクレオチド配列として導入され、最適のオリゴヌクレオチドの設計のために上記で記載されたあらゆる可変(性)が考慮に入れられる。このプログラムは、siRNAによって標的にさらされる領域に関する、いずれのmRNAのヌクレオチド配列をもスキャンする。この解析により、siRNAオリゴヌクレオチドとして可能であるもののスコアが算出される。最も高いスコアは、2本鎖RNAオリゴヌクレオチドを設計するために用いられ(他の長さも可能ではあるが、通常は21bp長)、通常は化学合成によって作製される。

0032

本発明にしたがうヌクレオチドは、1つまたはそれより多い、修飾オリゴヌクレオチドを含んでもよい。1つまたはそれより多い修飾は、siNAの安定性または有効性を増加させることを目的とする。好適な修飾の例は、下記で参照される出版物に記載され、それぞれが、参照によって本発明に取り入れられる。本発明にしたがう、そのような修飾の例は、それだけには限られないが、ホスホロチオエートインターヌクレオチド結合(phosphorothioate internucleotide linkages)、2’‐O‐メチルリボヌクレオチド、2’‐デオキシフルオロリボヌクレオチド、2’‐デオキシリボヌクレオチド、「共通残基(universal base)」ヌクレオチド、5−C−メチルヌクレオチド、及び反転された脱酸素脱塩基残基の取り込み(inverted deoxyabasicresidue incorporation)、siRNAの2つの相補鎖間の化学的架橋結合、及びsiRNAの1本鎖の3’末端の化学修飾、内部修飾であって例として、糖修飾核酸塩基修飾及び/または骨格修飾、2’−フルオロ修飾リボヌクレオチド及び2’‐デオキシリボヌクレオチドが含まれる。

0033

研究により、2つのヌクレオチドの3’−オーバーハングを有する21−merのsiRNAの2本鎖における3’末端のヌクレオチドのオーバーハング部分を、デオキシオリボヌクレオチドに置換することは、RNAi活性に関して悪影響を与えないことが示されている。siRNAの各末端に関して4ヌクレオチドまでをデオキシリボヌクレオチドで置換することは、十分に許容されることが報告されている一方で、デオキシリボヌクレオチドですべてを置換してしまうと、結果的にRNAi活性がなくなってしまう(Elbashir 2001)。加えて、Elbashirらは、siRNAを2’‐O‐メチルヌクレオチドで置換すると、RNAi活性が完全になくなることもまた報告している。

0034

国際公開第2005/044976号パンフレットにおいて記載されたように、親和性を修飾したヌクレオシドを用いてもよい。この出版物では、修飾ヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドについて記載されており、それにより、標的mRNAにおいてそれらに相補的なヌクレオチド及び/または相補的なsiNA鎖に対しての親和性を増加させまたは減少させることができる。

0035

GB2406568には、化学的に修飾された、代替的な修飾オリゴヌクレオチドについて記載されており、分解への抵抗性の改善または取り込みの改善を提供する。そのような修飾の例としては、ホスホロチオエート・インターヌクレオチド結合(phosphorothioate internucleotide linkages)、2’‐O‐メチルリボヌクレオチド、2’‐デオキシ‐フルオロリボヌクレオチド、2’‐デオキシリボヌクレオチド、「共通残基(universal base)」ヌクレオチド、5−C−メチルヌクレオチド及び反転された脱酸素脱塩基残基の取り込み(inverted deoxyabasicresidue incorporation)が含まれる。

0036

国際公開第2004/029212号パンフレットには、修飾オリゴヌクレオチドが、siRNAの安定性を増強させ、または標的効率を上昇させることが記載されている。修飾には、siRNAの2つの相補鎖間の化学的架橋結合、及びsiRNAの1本鎖の3’末端の化学修飾が含まれる。好ましい修飾は、内部修飾であって、例として、糖修飾、核酸塩基修飾及び/または骨格修飾である。2’−フルオロ修飾リボヌクレオチド及び2’‐デオキシリボヌクレオチドが記載されている。

0037

国際公開第2005/040537号パンフレットには、本発明で使用してもよい、修飾オリゴヌクレオチドがさらに列挙されている。

0038

dsNA及び修飾したdsNAを用いるのみならず、本発明は短いヘアピンNA(shNA)を用いてもよい;siNA分子の2本鎖を、リンカー領域で連結させてもよく、それには、ヌクレオチドリンカーまたは非ヌクレオチドリンカーでもよい。

0039

mRNAの標的領域での配列に相補的な、本発明にしたがうsiNAに加えて、縮重するsiNA配列を用いて、本発明にしたがう相同領域を標的としてもよい。縮重するsiNA配列は、当業者に周知の方法に従って設計することができる。例えば、国際公開第2005/045037号パンフレットには、siNA分子の設計によって、さらなる標的配列を提供できるように、相同配列を標的にすることが記載されており、例えばそれは、標準的でない塩基対の取り込みによって、例えばそれは、ミスマッチ及び/またはゆらぎ塩基対によってである。ミスマッチを同定している場合には、標準的でない塩基対(例として、ミスマッチ及び/またはゆらぎ塩基対)を用いて、1遺伝子以上の配列を標的にするsiNA分子を作製することが可能となる。非制限的な例としては、例えばUUやCC塩基対のような標準的でない塩基対を用いて、配列ホモロジー共有する異なる標的に対する配列を標的とすることが可能であるsiNA分子を作製できる。本発明のsiNAを用いる1つの利点は、それ自体、単一のsiNAが核酸配列を含むように設計され得ることであり、この核酸配列は、相同遺伝子間で保存されるヌクレオチド配列に相補的である。この手法により、単一のsiNAを用いて異なる遺伝子を標的とするために1つ以上のsiNA分子を用いることなしに、1つ以上の遺伝子の発現を阻害することが可能となる。

0040

本発明の好ましいsiNA分子は2本鎖である。本発明のsiNA分子は平滑断端、すなわち、いずれの突出しているヌクレオチドをも含んでいない断端を含んでもよい。ある実施態様において、本発明のsiNA分子は、1つまたはそれより多い平滑断端を含み得る。好ましい実施態様において、siNA分子は3’オーバーハングを有する。本発明のsiNA分子は、2本鎖の核酸分子を含んでもよく、n個のヌクレオチド(5≧n≧1)の3’オーバーハングを有する。Elbashir(2001年)は21ヌクレオチドのsiRNAの2本鎖が、3’末端にジヌクレオチドのオーバーハングを含んでいる時に最も活性であることを示している。

0041

対象オリゴヌクレオチドは、種間の配列保存に関してさらにフィルターかけられ(検索条件を追加され)、動物から人の臨床研究への移行の促進をできるようにする。本発明の好ましい実施態様において、保存されているオリゴヌクレオチドを用いる;これにより、単一のオリゴヌクレオチド配列動物モデルと人の臨床試験の両方において使用することが可能となる。

0042

本発明は、同時に1またはそれより多い種類のsiNA分子の投与を含んでもよい。1またはそれより多いこれらの種類は、同一または異なる種類のmRNAを標的とするために選択してもよい。好ましくは、siNAは配列番号1から61から選択される配列に対して、あるいは配列番号1から61を含む配列に対して、標的とする。

0043

11β—HSDの2つの代替となる転写産物に相当する、GenBankのアクセス番号を図1にて提示する。本発明は、各転写産物を個々的に標的とすることを可能とする。したがって、ある実施態様において、図1にて提示したように、siNAは11β—HSDのスプライシング型を標的にする。

0044

RNAiの標的として向けられているものに対する選択オリゴヌクレオチド配列を、図2a−cに示す。提示した配列は、siNAによって標的とされるDNA配列である。したがって、本発明は、表示されたDNA配列に相補的な配列を有するNAの2本鎖を用いる。

0045

図2a−cにおいて示される配列には限られない。標的DNAは必ずしもAAもしくはCAによって先行される必要はない。さらに、標的DNAは、隣接するいずれかの配列によって側面に位置される図2a−cにおいて含まれる配列によって構成されることが可能である。

0046

別の態様において、本発明は、siNAを投与することを含む、眼疾患の治療方法に関し、ここで前記siNAは11β—HSD1の発現を阻害することができる。このsiNAは本発明にしたがって定義される。

0047

さらなる態様において、本発明は、また、11β—HSD1の発現を阻害することができるsiNA化合物を投与することを含む、11β—HSD1の発現を阻害する方法に関する。このsiNAは本発明にしたがって定義される。

0048

別の態様において、本発明は、11β—HSD1を標的とする単離されたsiNA化合物に関し、ここで前記siNA化合物は、配列番号1から61から選択されるヌクレオチド配列に相補的な配列を含む。ある実施態様においては、このsiNA化合物は、配列番号62から122の群から選択されるヌクレオチド配列を含んでもよい。特に、本発明は、医薬として使用するための、配列番号1から61または配列番号62から122から選択されるヌクレオチド配列に相補的な配列を含む、単離されたsiNA分子に関する。

0049

最後の態様において、本明細書で記載されているように、本発明は、単離されたsiNA化合物を含む、医薬組成物に関する。ある実施態様において、この医薬組成物は、11β—HSD1を標的とする、単離されたsiNA化合物を含み、ここで、このsiNA化合物は、配列番号1から61から選択されるヌクレオチド配列に相補的な配列を含み、あるいは配列番号62から122の群から選択されるヌクレオチド配列を含んでいる。

0050

本発明のsiNA分子及びそれらの製剤または組成物は、当該技術分野において一般的に知られているように、眼に対して直接に、または局所的に(topically)(例えば、局所的に(locally))、投与されてもよい。例えば、siNA分子は、被験者への投与のために、リポソームを含む、送達のための賦形剤を含み得る。担体及び希釈剤及びそれらの塩は、医薬として許容できる製剤として存在することが可能である。核酸分子は、当業者に周知のさまざまな方法によって、細胞に投与することが可能であるが、それには、それだけには限られないが、リポソームカプセル化、イオン導入法によって、あるいは、例えば生分解性ポリマーヒドロゲルシクロデキストリンポリ乳酸グリコール酸共重合体PLGA)及びPLCAマイクロスフェア生分解性ナノカプセル、及び生体接着マイクロスフェアのような他の賦形剤中に取り込むことによって、あるいはタンパク質ベクターによって、が含まれる。別の実施態様において、本発明の核酸分子は、ポリエチレンイミン及びその誘導体とともに、錯体を形成し、または処方されることもまた可能であり、それには例えば、ポリエチレンイミン‐ポリエチレングリコール‐N−アセチルガラクトサミン(PEI−PEG−GAL)またはポリエチレンイミン‐ポリエチレングリコール‐tri‐N−アセチルガラクトサミン(PEI−PEG−triGAL)誘導体がある。

0051

本発明のsiNA分子は、膜破壊剤(membrane disruptive agent)及び/または陽イオン性脂質またはヘルパー脂質分子(helper lipid molecule)と錯体を形成してもよい。

0052

本発明とともに用いてもよい送達系には、例えば、水性及び非水性のゲルクリーム多重エマルジョンマイクロエマルジョン、リポソーム、軟膏水溶液及び非水溶液ローションエアロゾル炭化水素ベース及びパウダーを含み、並びに、例えば、可溶化剤浸透促進剤(例として、脂肪酸脂肪酸エステル脂肪アルコール及びアミノ酸)及び親水性ポリマー(例として、ポリカルボフィル及びポリビニルピロリドン)などの、賦形剤を含むことができる。ある実施態様において、医薬として許容できる担体は、リポソームまたは経皮促進剤(transdermal enhancer)である。

0053

本発明の医薬製剤は、投与に好適な形であって、例えばそれは、全身性または局所的な投与を、細胞または被験者内に行い、例としてはヒトが含まれる。好適な形は、ある程度、使用または進入経路(例えば口、経皮、または注射によって)に依存する。他の因子も当該技術分野で周知であり、例えば組成物または製剤が効果を発揮するのを阻害する形態及び毒性のような考慮が含まれる。

0054

本発明は、また、医薬として許容できる担体または希釈剤において、望ましい化合物が医薬的に有効量で含まれる投与または保管のための、組成物を調製することが含まれる。治療の用途のための、許容できる担体または希釈剤は、当該医薬技術分野においてよく知られている。例えば、防腐剤、安定剤、染料及び香味剤が提供され得る。これらには、安息香酸ナトリウムソルビン酸及びパラオキシ安息香酸エステル類が含まれる。加えて、抗酸化剤及び懸濁化剤が使用され得る。

0055

医薬的に有効量とは、疾患の状態を治療し(症状をある程度、好ましくは症状の全てを、緩和し)、あるいは発生を予防し、阻害するのに必要とされる用量である。医薬的に有効量とは、疾患のタイプ、用いられる組成物、投与経路、治療される哺乳類のタイプ、検討中の特定の哺乳類の身体的な特徴、同時使用する医薬及び当該医療技術分野における当業者が理解するだろう他の要素に依存する。

0056

一般的には、体重/日の活性成分が0.1mg/kgから100mg/kgの間である量が投与される。

0057

本発明の製剤は、従来的な非毒性の医薬として許容できる、担体、補助剤及び/または賦形剤を含む投与量単位(dosage unit)の製剤で投与され得る。製剤は、経口用に好適な形でも可能であり、例えばそれは、錠剤トローチ薬用キャンデー、水性または油性の懸濁剤分散粉体または顆粒エマルジョン硬カプセル剤または軟カプセル剤、またはシロップ剤またはエリキシル剤、としてである。経口用を意図した組成物は、医薬組成物の製造に関して、当該技術分野で周知のいずれかの方法に従って調製することが可能であり、そのような組成物は、1またはそれより多い、例えば甘味剤、香味剤、着色剤または防腐剤を含むことが可能であるので、医薬として的確で受入れられる調製を提供することができる。錠剤は、錠剤の製造に好適な非毒性の医薬として許容できる賦形剤との混合物内に活性成分を含む。

0058

これらの賦形剤は、例として不活性希釈剤(例えば、炭酸カリウム炭酸ナトリウムラクトースリン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム)、造粒剤及び崩壊剤(例えば、コーンスターチアルギン酸)、結合剤(例えば、でんぷんゼラチン、またはアカシア)及び平滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムステアリン酸、または滑石)であることが可能である。錠剤はコーティングされていなくても可能であり、あるいは周知技術でコーティングされていることも可能である。いくつかの場合においては、そのようなコーティングは、周知技術によって調製されることが可能であるので、胃腸管での分解や吸収を遅らせることができ、それによって、より長い期間にわたり、持続作用を提供することができる。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリルのような、時間遅延物質(a time delay material)を用いることが可能である。

0059

経口用の製剤は、硬ゼラチンカプセルとして存在することもまた可能であり、ここで、その活性成分は、不活性の固体希釈剤とともに混合され、例えばそれは、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンであり、あるいは軟ゼラチンカプセルとして存在することもまた可能であり、ここで、その活性成分は、例えばピーナッツ油流動パラフィンもしくはオリーブ油のような油の媒体、または水とともに混合される。

0060

水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に好適な賦形剤を有する混合物内に、活性物質を含む。そのような賦形剤には、懸濁化剤があり、それは例えば、カルボメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム及びアカシアゴムである;分散剤または湿潤剤は、天然に存在するリン脂質でも可能であり、それは例えば、レシチンまたは酸化アルキレンの脂肪酸との縮合物(例として、ステアリン酸ポリオキシエチレン)または酸化エチレン長鎖脂肪族アルコールとの縮合物(例として、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)または酸化エチレンの脂肪酸由来部分エステルとの縮合物及びヘキシトール(例として、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレアート)または酸化エチレンの脂肪酸及びヘキシトール無水由来の部分エステルとの縮合物(例として、ポリエチレンソルビタンモノオレアート)である。水性懸濁剤は、また、1またはそれより多い防腐剤(例として、エチル‐、もしくはn‐プロピル‐のパラオキシ安息香酸)、1またはそれより多い着色剤、1またはそれより多い香味剤及び1またはそれより多い甘味剤(例として、スクロースもしくはサッカリン)を含み得る。

0061

油性懸濁剤は、植物油(例として、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナッツ油)内で、または流動パラフィンのような鉱油内で、活性成分を懸濁することによって調製され得る。油性懸濁剤は、増粘剤を含み得、それは例えば、蜜蝋固形パラフィンまたはセチルアルコールである。甘味剤及び香味剤を加えて、口当たりがいい、経口剤を提供することが可能である。これらの組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤を加えて保存することが可能である。

0062

水の付加による、水性懸濁剤の調製に好適な分散粉体及び顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤並びに1つ又はそれを超える防腐剤との混合物内に、活性成分を提供する。好適な分散剤または湿潤剤または懸濁化剤は、上記において既に言及したように例示してある。さらなる賦形剤(例として、甘味剤、香味剤、及び着色剤)もまた存在し得る。

0063

本発明の医薬組成物は、また、水中油型乳剤(エマルジョン)であることも可能である。油相は植物油または鉱油またはそれらの混合物であることが可能である。好適な乳化剤は、天然に存在するゴム(例として、アカシアゴム、またはトラガカントゴム)、天然に存在するリン脂質(例として、大豆、レシチン)、並びに脂肪酸及びヘキシトール、無水物、由来のエステルまたは部分エステル(例としてソルビタンモノオレアート)、並びに前記部分エステルの酸化エチレンとの縮合物(例としてポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)であることが可能である。エマルジョンは甘味剤及び香味剤をも含むことが可能である。

0064

シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味剤で調製することが可能であり、例えばそれは、グリセロールプロピレングリコール、ソルビトール、グルコースまたはスクロースである。そのような製剤は、また、鎮痛剤、防腐剤及び香味剤及び着色剤を含むことが可能である。医薬組成物は、無菌注射用の、水性もしくは油性の、懸濁剤の形でも可能である。

0065

この懸濁剤は、上記において既に言及しているこれらの好適な分散剤、または湿潤剤及び懸濁化剤を用いて、周知の当該技術にしたがって調製することが可能である。

0066

無菌の注射用製剤は、非毒性の、非経口的に許容できる希釈剤もしくは溶媒での(例えば、1,3−ブタンジオール溶液としての)無菌の、注射剤または懸濁剤であることも可能である。利用可能な、許容できる賦形剤及び溶媒のうちでは、水、リンガー溶液、及び等張食塩水溶液がある。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁化剤として、従来から利用されている。この目的のために、いずれの無菌性の固定油も利用することができ、それには、合成のグリセリドまたはジグリセリド(synthetic mono−or diglycerides)が含まれる。さらに、例えばオレイン酸のような脂肪酸は、注射用製剤としての使用が見出されている。

0067

本発明の核酸分子は、坐薬の形でも投与することが可能であり、例えばそれは薬剤直腸投与である。これらの組成物は、常温固形であるが、直腸の温度では液体であり、したがって直腸内で溶解して薬剤を放出するであろう、好適な無刺激性の賦形剤を、薬剤と混合させることによって調製可能である。このような物質は、ココアバター及びポリエチレングリコールを含む。

0068

本発明の核酸分子は、無菌培地において非経口的に投与され得る。賦形剤と使用濃度に依存する薬剤は、懸濁され得るか、賦形剤内に溶解され得るかどちらかである。補助剤、例えば局所性麻酔剤、防腐剤及び緩衝剤のようなものは、有利に賦形剤内に溶解され得る。

0069

どの特定の被験者に対する特定の用量レベルであっても、さまざまな因子に依存すると理解されており、それには、用いられる特定化合物の活性、年齢、体重、相対的な健康、性、食生活、投与時間、投与経路、及び排泄率、薬剤の組合せ及び治療を受けている特定疾患重篤性が含まれる。

0070

非ヒト動物に対する投与のために、組成物は、動物の食事または飲料水に加えることが可能である。動物の食事及び飲料水の組成物に処方することは都合がよく、それにより、動物が食事によって、治療に適する組成物の量を摂取することができる。食事または飲料水に事前に加えて混合しておくのも、組成物として提示するのにまた都合がよい。

0071

本発明の核酸分子は、他の治療化合物と組合せて、被験者に投与することがまた可能であり、それにより、全体的な治療効果を上げることができる。適応症を治療するための多数の化合物の使用は、有益な効果を上げることが可能な一方で、副作用の存在を減少させ得る。

0072

また、本発明の特定のsiNA分子は、真核生物プロモーターから、細胞内で発現され得る。siNA分子を発現することが可能な組換えベクターは、標的細胞内に送達され得、及び持続され得る。また、ベクターは、核酸分子の一過性発現を提供するために用いることが可能である。このようなベクターは、必要時に反復投与することが可能である。いったん発現すると、siNA分子は、標的mRNAと相互作用し、RNAi反応を生じさせる。siNA分子を発現しているベクターの送達は、全身性であることが可能であり、例えばそれは静脈内または筋肉内投与であり、被験者から移植された標的細胞に投与し続いてその被験者内に再導入する(戻す)ことによってあるいは望ましい標的細胞内に導入することを可能にするいずれかの手段による。

0073

siRNAの2本鎖を得ること
好ましくは、RNAは化学的に合成され、それには、適切に保護されたリボヌクレオチドフォスフォアミダイト(phosphoramidite)及び従来どおりのDNA/RNA合成装置を用いる。siRNA2本鎖の、2’‐デオキシ、または2’‐O‐メチル、のオリゴリボヌクレオチドによる、片方または両方の鎖の置換は、ハエ抽出物(fly extract)(Elbashir et al. 2001)においては、抑制(silencing)を無効にする。しかし、哺乳類細胞では、センスsiRNAを、2’‐O‐メチルオリゴリボヌクレオチドによって置換することは可能であると思われる(Ge et al. RNA interference of influenza virus production by directly targetingmRNAfor degradation and indirectly inhibiting all viral RNA transcription. Proc Natl Acad Sci U S A., 2003; 100(5):2718-23)。

0074

もっとも好都合なのは、siRNAを、商業的なRNAオリゴ合成業者から手に入れることであり、彼らは、さまざまな品質と費用のRNA合成製品販売する。通常は、21‐ntのRNAは、合成するのがそれほど難しくはなく、RNAiに好適な品質で容易に提供される。

0075

RNA合成試薬供給業者には、Proligo(Hamburg,ドイツ)、Dharmacon Research(Lafayette,CO,USA)、Glen Research(Sterling,VA,USA)、ChemGenes(Ashland,MA,USA)、及びCruachem(Glasgow,UK)、Qiagen(ドイツ)、Ambion(USA)及びInvitrogen(Scotland)が含まれる。前述のカスタムRNA合成会社は、siRNAを提供する資格を有し、標的の妥当性確認(target validation)に関するライセンスを有している。特には、我々のsiRNA供給業者は、Ambion、Dharmacon、Invitrogenであり、これらの会社は、siRNAに関しての従来的なカスタム化合成サービスを提供し、HPLC精製のsiRNAを供給し、RNaseフリーの水とともに乾燥状態配送する。RNAi及びsiRNAの方法論に関する、ホームページに基づく重要な資料は、さらなるsiRNA関連製品及びサービスへのリンクとともに、前記記載の供給業者のウェブサイトで見つけることができる。

0076

1本鎖のRNA分子と作用する場合、アニーリングステップが必要である。全ての操作ステップを、滅菌かつRnaseフリーの条件化で行うことが非常に重要である。RNAをアニーリングするために、オリゴは、初めに、260ナノメートル(nm)での紫外線(UV)吸収によって定量化されなければならない。次に、Elbashirら(2001年)に基づく以下のプロトコルを、アニーリングのために用いる。
●別々に等分して、50μMの濃度に各RNAオリゴを希釈する。
●各RNAオリゴ溶液30μlと5Xアニーリングバッファー15μlを混合する。バッファーの最終濃度は:100mM酢酸カリウム、30mMHEPES−KOH pH7.4、2mM酢酸マグネシウム。最終量は75μlである。
●90℃で1分間、溶液をインキュベーションし、15秒間チューブ遠心し、37℃で1時間置いてから、室温で使用する。溶液は‐20℃で凍らせて保存が可能であり、5回までは凍結融解が可能である。siRNAの2本鎖の最終濃度は、通常20μMである。また、既にアニーリングされているdsRNAを供給業者から購入してもよい。

0077

化学的に修飾された核酸を使用してもよい。例えば、使用してもよい修飾のタイプの概説としては、国際公開第03/070044号パンフレットに与えられており、その内容は、参照によって本明細書に取り込まれる。特別な留意により、この出版物の11から21項を引用する。他の可能な修飾は前記で記載したとおりである。当業者であれば、RNA分子内に取り込んでもよい化学修飾の別のタイプに気が付くであろう。

0078

「In vitro」の系
siRNA干渉の特異性を確かめるために、標的遺伝子を発現するさまざまな細胞培養がなされ、例えばそれは、無色素の毛様体上皮細胞(non−pigmented ciliary epithelium cell)であるNPE、毛様体上皮細胞であるOMDC、または胎児腎細胞であるHEK293を用いる。また、細胞膀胱癌の細胞株であるT−24、肺癌の細胞株であるA549、またはヒトの胎児性ケラチノサイト(human embryonic keratinocyte)であるHEKを使用する。

0079

細胞を、対応するsiRNA2本鎖とともにインキュベーションし、標的遺伝子の発現の下方制御(downregulation)の解析を行う。siRNAのノックダウンを培養細胞における特定の表現型と結び付けるためには、標的タンパク質の減少の立証を行い、または少なくとも標的mRNAの減少の立証を行う必要がある。

0080

標的遺伝子のmRNAレベルは、リアルタイム定量PCR(RT−PCR)によって定量化される。さらに、タンパク質レベルは、当該技術分野で周知の、さまざまな方法で決定され得、例えばそれは、標的タンパク質の減少を直接観察することが可能な、さまざまな標的に対する特定の抗体を用いるウェスタンブロット解析である。

0081

siRNA2本鎖のトランスフェクション
当該技術分野で周知の技術のいくつかの例は以下の通りである:我々は、陽イオン性脂質を用いるsiRNA2本鎖の単一のトランスフェクション(single transfection)を行い、陽イオン性脂質には例えば、RNAiFect Transfection Reagent(Qiagen)及びLipofectamine2000 Reagent(Invitrogen)があり、トランスフェクション後24、48及び72時間での抑制(silencing)について評価する。

0082

標準的なトランスフェクションのプロトコルは以下のように行うことが可能である:6ウェルプレートのうちの1ウェルに関して、siRNAの最終濃度が100nMになるようにトランスフェクトする。RNAiFectプロトコルに従い、トランスフェクションの前日に、各ウェルあたり3mlの適当な成長培地に、2‐4X105の細胞数播種し、その培地には、DMEM、10%血清抗生物質グルタミンが含まれており、通常の成長条件下で細胞をインキュベートする(37℃及び5% CO2)。トランスフェクション当日には、細胞は30‐50%のコンフルエンス(confluence)になっていなければならない。20μMのsiRNA2本鎖15μl(これは、最終濃度で100nMに相当する)を、85μlのバッファーEC‐Rで希釈し、最終量が100μlになるようにしてから、ボルテックスによって混合する。複合体形成のために、RNAiFectトランスフェクション試薬19μlを、希釈されたsiRNAに加え、ピペッティングまたはボルテックスによって混合する。10‐15分間、室温でサンプルをインキュベーションしてトランスフェクション複合体の形成を可能にした後、抗生物質が少ない、新しい2.9mlの成長培地の細胞上に、この複合体を滴下の方法(drop‐wise)で加える。プレートをゆすってトランスフェクション複合体の均一な分配を確かにした後、通常の成長条件化で細胞のインキュベーションを行う。その日の後、複合体を取り除き、新しい完全な成長培地を加える。遺伝子抑制を観察するために、細胞をトランスフェクション後24、48及び72時間で回収する。リポフェクトアミン2000試薬のプロトコルはかなり似ている。トランスフェクションの前日に、各ウェルあたり3mlの適当な成長培地に、2‐4X105の細胞数で播種し、その培地には、DMEM、10%血清、抗生物質、グルタミンが含まれており、通常の成長条件下で細胞をインキュベートする(37℃及び5% CO2)。トランスフェクション当日には、細胞は30‐50%のコンフルエンス(confluence)になっていなければならない。20μMのsiRNA2本鎖12.5μl(これは、最終濃度で100nMに相当する)を、250μlのDMEMで希釈し、最終量が262.5μlになるようにして混合する。また、6μlのリポフェクトアミン2000を、250μlのDMEMで希釈し混合する。室温で5分インキュベーションした後、希釈したオリゴマー及び希釈したリポフェクトアミンを混合し、室温で20分間インキュベーションを行って、複合体の形成を可能にする。その後、抗生物質が少ない、新しい2mlの成長培地の細胞上に、この複合体を滴下の方法(drop‐wise)で加え、プレートを前後に揺らすことによって穏やかに混合し、トランスフェクション複合体の均一な分配を確かにする。細胞を通常の成長条件化でインキュベーションし、その日の後に複合体を取り除き、新しい完全な成長培地を加える。遺伝子抑制を観察するために、細胞を、トランスフェクション後24、48及び72時間で回収する。

0083

トランスフェクションの効率は、細胞のタイプに依存するが、また、継代数や細胞のコンフルエンシーにも依存する可能性がある。siRNA‐リポソーム複合体の形成の時間と態様(例えば、転倒対(versus)ボルテックス)もまた、非常に重要である。トランスフェクションの低効率は、抑制(silencing)が成功しない、最も頻発する原因である。良いトランスフェクションは、重大な議題であり、使用するそれぞれの新しい細胞株に対して注意深く調査される必要がある。トランスフェクション効率は、レポーター遺伝子をトランスフェクションして調査してもよく、例えばそれは、CMV駆動(driven)のEGFP発現プラスミド(例えば、Clontech社より)、またはB−gal発現プラスミドであり、その後に位相差顕微鏡法及び/または蛍光顕微鏡でその次の日に評価した。

0084

siRNA2本鎖の調査
標的タンパク質の、豊富さ及びライフタイム(life time)(つまり代謝回転)に依存して、ノックダウンの表現型は、1から3日後、またはそれ以降に明らかになる可能性がある。表現型がまったく観察されない場合には、タンパク質の枯渇が、免疫蛍光法及びウェスタンブロットによって観察される可能性がある。

0085

トランスフェクション後、細胞から抽出した全てのRNAフラクションを、DNaseIで前処理し、ランダムプライマーを用いて逆転写のために使用した。PCRは、少なくとも1つのエキソン‐エキソンのジャンクションカバーする特異的なプライマー対増幅され、その結果、pre‐mRNAの増幅を制御する。標的ではないmRNAのRT/PCRもコントロールとして必要である。mRNAの効果的な枯渇にも関わらず、標的タンパク質の減少が検出できないのは、細胞内に安定なタンパク質の巨大貯留分(reservoir)が存在する可能性を示唆しているかもしれない。また、リアルタイムPCRの増幅は、mRNAが減少しまたは消滅するのにより正確な方法で検出するために、使用することができる。リアルタイム逆転写酵素(RT)PCRは、テンプレート初期量をもっとも、特異的に、感知しやすく、及び再現性よく、定量化する。リアルタイムPCRは、各PCRサイクル間のアンプリコン(amplicon)の産生の指標として、反応の間に放出される蛍光観測する。このシグナルは、反応におけるPCR産物の量に直接比例して増加する。各サイクルにおける蛍光の放出量を記録することにより、対数期間のPCR反応を観測することが可能となり、対数期には、PCR産物の量の、最初の重要な増加が、標的テンプレートの初期量に相関している。

0086

細胞培養において同定される、違った形で発現している遺伝子の干渉パターンを検証するために、qRT‐PCRを製造業者のプロトコルに従って行う。定量的RT‐PCR(qRT‐PCR)に関して、全RNAで約250ngを逆転写に用い、その後、Master SYBR Green Iを含む反応混合物において、各遺伝子に対して特異的なプライマーを用いてPCR増幅を行う。基本的なPCR条件は、91℃で30分の初期段階の後、95℃で5秒、62℃で10秒及び72℃で15秒の40サイクルを含む。各標的遺伝子に対応する、特異的なプライマー配列が用いられる。βアクチンのmRNAの定量化が、データのノーマライズのためにコントロールとして用いられる。相対的な遺伝子発現の比較は、選択される、内因性内部コントロールの遺伝子発現が、全RNAの割合に対して、サンプル間において、より豊富であり、かつ定常である場合に、最良に機能する。活性の参照として、量が不変の内因性コントロールを用いることにより、mRNAの標的の定量化が、各反応での全RNAの量の違いのノーマライズによって可能になる。

0087

動物での研究
ニュージーランドウサギは、IOPを研究するためにデザインされた、実験プラットフォームにおける最高の判断水準である。扱い易く、大きな眼を有しており、人間の器官とサイズが似ている。加えて、IOPを測定するための現在の装置は、眼の小さな動物(例えばマウスやラット)においての使用には適していない。最後に、ウサギは(約23mm Hgの)IOPを有し、局所性の商業的な降圧薬を使用して、その値を40%まで引き下げることが可能となる。したがって、ウサギの緑内障モデルを作り出すことが可能であるにも関わらず(例えば、外科的に強膜上静脈(episclerotic vein)を阻害しまたは人工的に小柱網を閉塞させる)、我々は、自分たちの管理下における、正常血圧のウサギを用いており、その理由は、IOPの薬理学的な減少が簡単に可能であり、再現性良く測定が可能だからである。

0088

実験プロトコル
正常血圧のニュージーランド白ウサギ(雄、2‐3kg)を用いた。これらの動物を食事と水に、自由にありつける、別々のケージの中で飼育した。人工的に12時間の昼/夜サイクルで管理し、IOPの制御不能日周振動を避け、並びに、動物の扱いと処置は、European Communities Council Directive(86/609/EEC)、the Association for Research in Visionの声明及びOphthalmology on the Use of Animals in Ophthalmic及びVision Researchにしたがって行った。

0089

薬剤は、概して角膜の表面上に、少量(概して40μl)を注入することによって投与した。反対側の眼は、賦形剤単体で処置し、他の眼との共鳴現象がないように、各実験におけるコントロールとして用いた。同じ動物での複合的な実験は無効にされるべきである。

0090

IOP測定は、接触眼圧計(contact tonometer)(TONOPEN XL,Mentor,Norwell,Massachusetts)を用いて行った。TonoPen眼圧計は、その信頼性と小型のサイズのために、非常に便利である。この機器による測定は、角膜表面に、眼圧計のセンサー慎重に作用させることによって行った。この装置は、ウサギにおいて3から30mmHgの範囲内にある眼内圧を測定するための選択肢を有する眼圧計であることが示されている(Abrams et al. Comparison of three tonometers for measuring intraocuiar pressure in rabbits. Invest Ophthalmol Vis Sci. 1996 Apr; 37(5):940-4.)。全ての測定結果は、この値域の中に収まった:すなわち、眼内圧のベースラインの平均値は17.0±0.39mmHg(n=100)であった。夜から昼にかけてIOPは変化するので、全ての実験は同時に行ったが、その結果、より安定なIOPが可能となり、賦形剤の処置群との客観的な比較ができるようになった。動物への苦痛を避けるために、ウサギは局所的に麻酔された(0.4%/1%のオキシブプロカインテトラカイン(oxibuprocaine/tetracaine)入り食塩水(1/4v:v))。この溶液は、眼内圧の各測定を行う前に、角膜に点眼された(10μl)。siRNAまたは食塩水を、40μlの体積で角膜に局所的に作用(点眼)(apply)させた。

0091

ウサギにおけるsiRNA適用の標準プロトコルは、下記の通りである。最終量40μlである食塩水(0.9% w/v)中のsiRNAの量を、連続して4日間、毎日片方の眼に点眼した。反対側の眼はコントロールとして用い、無菌の食塩水(0.9% w/v)40μlを、同じ時点(time point)で目に注入した。IOPは、10日間、それぞれを点眼する前、点眼後2時間、4時間、及び6時間で測定した。最大の応答は2日と3日の間で観察された。他の低血圧性化合物とのsiRNAの効果を比較するために、キサラタン(Xalatan)(ラタノプロスト(Latanoprost)0.005%)及びトルソプト(Trustop)(ドルラミド(Dorzolamide)2%)を評価し、同じ条件でIOPを測定した。

0092

ウサギは、前記に記載した標準プロトコルに基づいて処置された。これらの実験により、正常血圧のニュージーランドウサギにおけるIOPの減少に関しての、2つのsiRNAの最大効果が立証された。図4における値は、コントロール(賦形剤のみでの反対側の眼)に対するIOPの減少の割合の平均値及びそれらの標準誤差(SD)を示す。用いたsiRNAは、11HSD/01:CCACAUCACCAACGCUUCUdTdT(配列番号133;ヒト配列番号N○100に相同する、ウサギのホモログ配列)及び11HSD/02:CGUCAAUGUAUCAAUCACUdTdT(配列番号134;最高のスコアを有し、開示されたヒト配列に相当するものを有さない、ウサギのホモログ配列)。

0093

この結果は、また、時間に対する、正常血圧のニュージーランドウサギでのIOPの減少に関して、siRNA 11HSD/02のin vivo効果を示す(図5)。4回連続して265μgのsiRNAを点眼することにより、コントロールに対して、IOPが20.34減少した。対照的に、スクランブルのsiRNAは、IOPレベルに関してなんらの効果も持たなかった。それぞれの値は、異なる4匹の動物におけるコントロール(賦形剤のみでの反対側の眼)に対するIOP減少の割合の平均値を示す。

0094

配列表

0095

0096

0097

0098

0099

0100

0101

0102

0103

0104

0105

0106

0107

0108

0109

0110

0111

0112

0113

0114

0115

0116

0117

0118

0119

0120

0121

実施例

0122

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ