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技術 電解室構造、電解セルユニット、電解セルスタック及び水素発生装置

出願人 株式会社バンテック
発明者 鈴木友也染谷耕司堀江淳史鈴木大介
出願日 2012年2月27日 (8年9ヶ月経過) 出願番号 2012-039951
公開日 2013年9月5日 (7年2ヶ月経過) 公開番号 2013-173995
状態 特許登録済
技術分野 非金属・化合物の電解製造;そのための装置
主要キーワード 形成枠体 取出し経路 位置決め用切り ブラスト材料 ドレン経路 陽極面側 対角部分 給電プレート
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

電極板の表面で発生した電解ガスをその表面から容易に離脱させることにより、電流効率及び水素発生効率に優れた電解室構造、電解セルユニット電解セルスタック及び水素発生装置を提供する。

解決手段

電解液電気分解するための縦長の電解部1eと、電解部1eに電解液を流入させるための電解液流入部1aと、電解部1eから電解液を流出させるとともに電解部1eで発生した電解ガスを流出させるための電解液流出部1bと、電解液流入部1aから流入した電解液を電解部1e内全体に流すための液流分配部1cと、を有し、電解液流入部1aと電解液流出部1bとが、電解部1eの中心に対して対称となる電解部1eの周縁位置に設けられていることを特徴とする電解室構造1。

概要

背景

水素は、産業用ガスとして年間300億m3消費されている。そして、地球温暖化問題を背景に、近い将来水素エネルギー社会の実現が想定されているため、さらに大量の水素需要が見込まれている。そうした水素需要が増加するとともに、水素の単価低減は必須の課題となっている。低コストで水素を製造できる手段として、アルカリ水電解が期待されている。

アルカリ水電解による水素発生方式は、カソード電極アノード電極とを電解セル内に配置し、その電解セル内で水を電気分解して水素と酸素とを発生させる方式である。しかしながら、こうした水素発生方式では、電極の表面で発生した電解ガス気泡の抜けが悪い場合、電解ガスには導電性がないので、電極の表面に発生した電解ガスの気泡が水の導電性を阻害して通電抵抗が大きくなり、電流効率及び水素発生効率を低下させるという問題がある。

こうした問題に対し、特許文献1には、固体電解質膜と、多孔質給電体と、複極式の電極板とから構成される固体電解質膜ユニットを積層した構造とし、各固体電解質膜ユニット長手方向に貫通するマニホールド式の純水供給経路と、水素ガス取出し経路と、酸素ガス取出し経路と、水抜き用ドレン経路とをそれぞれ形成し、各電極板陽極面側に、純水供給経路から陽極室まで溝形状の純水供給凹部を設けると共に、酸素ガス取出し経路まで溝形状の酸素ガス捕集凹部を設け、各電極板の陰極面側に、水素ガス取出し経路まで溝形状の水素ガス捕集凹部を設けると共に、水抜き用ドレン経路まで水抜き捕集凹部を設けたことを特徴とする水素・酸素発生装置が記載されている。この技術によれば、効率良く純水を供給し、発生した水素ガス及び酸素ガスを取り出すことが可能で、電気分解に必要な電気エルギーを極力抑えることができる構造簡単な水素・酸素発生装置が提供できるとしている。

概要

電極板の表面で発生した電解ガスをその表面から容易に離脱させることにより、電流効率及び水素発生効率に優れた電解室構造、電解セルユニット電解セルスタック及び水素発生装置を提供する。電解液を電気分解するための縦長の電解部1eと、電解部1eに電解液を流入させるための電解液流入部1aと、電解部1eから電解液を流出させるとともに電解部1eで発生した電解ガスを流出させるための電解液流出部1bと、電解液流入部1aから流入した電解液を電解部1e内全体に流すための液流分配部1cと、を有し、電解液流入部1aと電解液流出部1bとが、電解部1eの中心に対して対称となる電解部1eの周縁位置に設けられていることを特徴とする電解室構造1。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させることにより、電流効率及び水素発生効率に優れる電解セルの電解室構造、その電解室構造を有する電解セルユニット及びその電解セルユニットを複数重ねて構成した電解セルスタックを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

電解液電気分解するための縦長の電解部と、該電解部に前記電解液を流入させるための電解液流入部と、前記電解部から前記電解液を流出させるとともに前記電解部で発生した電解ガスを流出させるための電解液流出部と、前記電解液流入部から流入した前記電解液を前記電解部内全体に流すための液流分配部と、を有し、前記電解液流入部と前記電解液流出部とが、前記電解部の中心に対して対称となる該電解部の周縁位置に設けられていることを特徴とする電解室構造。

請求項2

前記電解部の長手方向の長さ(L)と短手方向の長さ(W)の比(L:W)が、3:2〜6:1である、請求項1に記載の電解室構造。

請求項3

前記液流分配部が、前記電解部の隣り合う2辺に沿って設けられる2つの流路と、該2つの流路の間に設けられる1つの流路とを有する、請求項1又は2に記載の電解室構造。

請求項4

前記電解部の周縁内壁面が、平坦形状、又は、均等若しくは不均等な波形状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解室構造。

請求項5

電解液を酸化又は還元するための縦長の第1電解室と、電解液を還元又は酸化するための縦長の第2電解室とが、第1電極板、第1電解室を形成するための第1電解室形成枠体隔膜、第2電解室を形成するための第2電解室形成枠体及び第2電極板をその順で重ね合わせて形成され、前記第1電解室及び前記第2電解室が、前記電解液を電気分解するための縦長の電解部と、該電解部に前記電解液を流入させるための電解液流入部と、前記電解部から前記電解液を流出させるとともに前記電解部で発生した電解ガスを流出させるための電解液流出部と、前記電解液流入部から流入した前記電解液を前記電解部内全体に流すための液流分配部と、を有し、前記電解液流入部と前記電解液流出部とが、前記電解部の中心に対して対称となる該電解部の周縁位置に設けられていることを特徴とする電解セルユニット

請求項6

前記第1電極板、前記第1電解室形成枠体及び前記第2電解室形成枠体のそれぞれの周縁部には、位置決め用切り欠き部又は位置決め用突出部が設けられている、請求項5に記載の電解セルユニット。

請求項7

請求項5又は6に記載の電解セルユニットを備え、前記電解セルユニットを、前記第2電極板と前記第1電極板とが接するように複数重ねて構成し、又は、前記第2電極板及び前記第1電極板が同じ電極板からなる複極式電極板として複数重ねて構成したことを特徴とする電解セルスタック

請求項8

前記電解液流入部が、前記電解部の周縁部を貫通する電解液供給路に接続され、前記電解液流出部が、前記電解部の周縁部を貫通する電解液排出路に接続されている、請求項7に記載の電解セルスタック。

請求項9

前記電解セルユニットの周縁部のさらに外側には、前記複数の電解セルユニットを重ね合わせた方向に締めるための締結部が設けられている、請求項7又は8に記載の電解セルスタック。

請求項10

前記締結部が、前記複数の電解セルユニットを重ね合わせたときの位置決め用凸部を有する、請求項9に記載の電解セルスタック。

請求項11

前記締結部は、前記電解セルユニットを収容する空間厚さを有し、該空間厚さは、前記締結部を密接させて締結できる厚さである、請求項9又は10に記載の電解セルスタック。

請求項12

前記締結部が、凸凹部を有する、請求項9〜11のいずれか1項に記載の電解セルスタック。

請求項13

請求項8〜12のいずれか1項に記載の電解セルスタックを備え、該電解セルスタックを構成する第1電解室又は第2電極室から水素を発生させることを特徴とする水素発生装置

技術分野

0001

本発明は、電解室構造、電解セルユニット電解セルスタック及び水素発生装置に関する。更に詳しくは、電流効率及び水素発生効率に優れる電解セルの電解室構造、その電解室構造を有する電解セルユニット、その電解セルユニットを複数重ねて構成した電解セルスタック及びその電解セルスタックを備える水素発生装置に関する。

背景技術

0002

水素は、産業用ガスとして年間300億m3消費されている。そして、地球温暖化問題を背景に、近い将来水素エネルギー社会の実現が想定されているため、さらに大量の水素需要が見込まれている。そうした水素需要が増加するとともに、水素の単価低減は必須の課題となっている。低コストで水素を製造できる手段として、アルカリ水電解が期待されている。

0003

アルカリ水電解による水素発生方式は、カソード電極アノード電極とを電解セル内に配置し、その電解セル内で水を電気分解して水素と酸素とを発生させる方式である。しかしながら、こうした水素発生方式では、電極の表面で発生した電解ガス気泡の抜けが悪い場合、電解ガスには導電性がないので、電極の表面に発生した電解ガスの気泡が水の導電性を阻害して通電抵抗が大きくなり、電流効率及び水素発生効率を低下させるという問題がある。

0004

こうした問題に対し、特許文献1には、固体電解質膜と、多孔質給電体と、複極式の電極板とから構成される固体電解質膜ユニットを積層した構造とし、各固体電解質膜ユニット長手方向に貫通するマニホールド式の純水供給経路と、水素ガス取出し経路と、酸素ガス取出し経路と、水抜き用ドレン経路とをそれぞれ形成し、各電極板陽極面側に、純水供給経路から陽極室まで溝形状の純水供給凹部を設けると共に、酸素ガス取出し経路まで溝形状の酸素ガス捕集凹部を設け、各電極板の陰極面側に、水素ガス取出し経路まで溝形状の水素ガス捕集凹部を設けると共に、水抜き用ドレン経路まで水抜き捕集凹部を設けたことを特徴とする水素・酸素発生装置が記載されている。この技術によれば、効率良く純水を供給し、発生した水素ガス及び酸素ガスを取り出すことが可能で、電気分解に必要な電気エルギーを極力抑えることができる構造簡単な水素・酸素発生装置が提供できるとしている。

先行技術

0005

特開平8−239788号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1で提案された技術は、純水を陽極室に供給するための純水供給用孔部に、略逆L字形状の純水供給凹部を設けている。この技術によれば、この略逆L字形状の純水供給凹部は漏斗のような形状を有しているので、この純水供給凹部から陽極室に流入する純水を陽極室全体に均一に供給できるとしている。

0007

しかしながら、この技術では、陽極室である電解室の内部形状が、図14(C),(D)に示すような正面視で円形に形成されているので、純水供給用孔部から電解室に流入した純水は、円形の電解室内に広がる。そのため、電解室内を流れる純水の流速が低下してしまう。また、この技術では、略逆L字形状の純水供給凹部を設けているが、このような略逆L字形状の純水供給凹部では、電解室内に流入した純水が流れる方向が定まっていないので、純水が電解室内全体を均一に通り難いものになる。その結果、電解室内を流れる純水が、固体電解質膜や多孔質給電体の表面から離脱させ難いという問題がある。

0008

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させることにより、電流効率及び水素発生効率に優れる電解セルの電解室構造、その電解室構造を有する電解セルユニット及びその電解セルユニットを複数重ねて構成した電解セルスタックを提供することにある。また、本発明の他の目的は、その電解セルスタックを備える水素発生装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、アルカリ水電解による水素発生方式に用いられる電解セルの電解室構造に関する研究開発を行っている過程で、アルカリ水水電解に限らず、純水や海水等の水電解にも適用でき、電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させることができる電解室構造を見いだし、本発明を完成させた。

0010

上記課題を解決するための本発明に係る電解室構造は、電解液を電気分解するための縦長の電解部と、該電解部に前記電解液を流入させるための電解液流入部と、前記電解部から前記電解液を流出させるとともに前記電解部で発生した電解ガスを流出させるための電解液流出部と、前記電解液流入部から流入した前記電解液を前記電解部内全体に流すための液流分配部と、を有し、前記電解液流入部と前記電解液流出部とが、前記電解部の中心に対して対称となる該電解部の周縁位置に設けられていることを特徴とする。

0011

この発明によれば、電解液を電気分解するための縦長の電解部を有するので、この電解部は幅が細いものになる。そのため、電解液流入部から電解部に流入した電解液が電解部内に広がっても流速が低下せず、電解液が電解部内を速やかに移動するので、その電解液が電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させる。また、この電解室構造は、電解部に流入した電解液が電解部内全体に流すための液流分配部を有し、電解液流入部と電解液流出部とが、電解部の中心に対して対称となる電解部の周縁位置に設けられているので、電解部に流入した電解液は、電解部内全体を流れる。その結果、電解部で発生した電解ガスを効率的に排出できるので、電極板の表面に電解ガスの気泡が存在することによる通電抵抗の増大を防止できる。よって、この電解室構造は、電流効率及び水素発生効率に優れるものになる。

0012

本発明に係る電解室構造において、前記電解部の長手方向の長さ(L)と短手方向の長さ(W)の比(L:W)が、3:2〜6:1であるように構成する。

0013

この発明によれば、電解部の長手方向の長さ(L)と短手方向の長さ(W)の比(L:W)が、3:2〜6:1であるので、電解部は幅が細いものになる。そのため、電解部に流入した電解液が電解部内に広がっても流速が低下せず、電解液が電解部内を速やかに移動し、その電解液が電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させる。

0014

本発明に係る電解室構造において、前記液流分配部が、前記電解部の隣り合う2辺に沿って設けられる2つの流路と、該2つの流路の間に設けられる1つの流路とを有する。

0015

この発明によれば、液流分配部が、電解部の隣り合う2辺に沿って設けられる2つの流路と、その2つの流路の間に設けられる1つの流路とを有するので、液流分配部から電解部に流入した電解液が電解部内全体に流れる。そのため、この電解室構造は、電解部で発生した電解ガスを効率的に排出できる。

0016

本発明に係る電解室構造において、前記電解部の周縁内壁面が、平坦形状、又は、均等若しくは不均等な波形状である。

0017

この発明よれば、電解部の周縁の内壁面が、平坦形状、又は、均等若しくは不均等な波形状であるので、電解部に流入した電解液は、こうした内壁面に衝突して乱流を発生させる。そのため、この電解室構造は、電解液の乱流により電極板の表面に存在する電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させる。

0018

上記課題を解決するための本発明に係る電解セルユニットは、電解液を酸化又は還元するための縦長の第1電解室と、電解液を還元又は酸化するための縦長の第2電解室とが、第1電極板、第1電解室を形成するための第1電解室形成枠体隔膜、第2電解室を形成するための第2電解室形成枠体及び第2電極板をその順で重ね合わせて形成され、前記第1電解室及び前記第2電解室が、前記電解液を電気分解するための縦長の電解部と、該電解部に前記電解液を流入させるための電解液流入部と、前記電解部から前記電解液を流出させるとともに前記電解部で発生した電解ガスを流出させるための電解液流出部と、前記電解液流入部から流入した前記電解液を前記電解部内全体に流すための液流分配部と、を有し、前記電解液流入部と前記電解液流出部とが、前記電解部の中心に対して対称となる該電解部の周縁位置に設けられていることを特徴とする。

0019

この発明によれば、第1電解室及び第2電解室が、電解液を電気分解するための縦長の電解部を有するので、電解部は幅が細いものになる。そのため、電解液流入部から電解部に流入した電解液が電解部内に広がっても流速が低下せず、電解液が電解部内を速やかに移動し、その電解液が電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させる。また、この電解セルユニットは、電解部に流入した電解液が電解部内全体に流すための液流分配部を有し、電解液流入部と電解液流出部とが、電解部の中心に対して対称となる電解部の周縁位置に設けられているので、電解部に流入した電解液は、電解部内全体を流れる。その結果、電解部で発生した電解ガスを効率的に排出できるので、電極板の表面に電解ガスの気泡が存在することによる通電抵抗の増大を防止できる。よって、この電解セルユニットは、電流効率及び水素発生効率に優れるものになる。

0020

本発明に係る電解セルユニットにおいて、前記第1電極板、前記第1電解室形成枠体及び前記第2電解室形成枠体のそれぞれの周縁部には、位置決め用切り欠き部又は位置決め用突出部が設けられている。

0021

この発明によれば、第1電極板、第1電解室形成枠体及び第2電解室形成枠体のそれぞれの周縁部には、位置決め用切り欠き部又は位置決め用突出部が設けられているので、第1電極板、第1電解室形成枠体及び第2電解室形成枠体を重ね合わせるときの位置ずれを抑えることができる。そのため、上記した各構成部材が重ね合わさって形成する第1電解室、第2電解室、後述する電解液供給路及び後述する電解液排出路からの電解液の漏洩を防止できるので、電解部を流れる電解液の流速が安定する。その結果、この電解セルユニットは、電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させることができる。

0022

上記課題を解決するための本発明に係る電解セルスタックは、前記電解セルユニットを備え、前記電解セルユニットを、前記第2電極板と前記第1電極板とが接するように複数重ねて構成し、又は、前記第2電極板及び前記第1電極板が同じ電極板からなる複極式電極板として複数重ねて構成したことを特徴とする。

0023

この発明によれば、電解セルユニットを複数重ねて構成しているので、電解ガスの発生量を必要に応じて増加減することができる。また、前記した電解セルユニットを備えているので、電極板の表面に電解ガスの気泡が存在することによる通電抵抗の増大を防止できる。その結果、この電解セルスタックは、電流効率及び水素発生効率に優れるものになる。

0024

本発明に係る電解セルスタックにおいて、前記電解液流入部が、前記電解部の周縁部を貫通する電解液供給路に接続され、前記電解液流出部が、前記電解部の周縁部を貫通する電解液排出路に接続されている。

0025

この発明によれば、電解液流入部が、電解部の周縁部を貫通する電解液供給路に接続され、電解液流出部が、電解部の周縁部を貫通する電解液排出路に接続されているので、電解液の流路が密封される。そのため、電解液供給路及び電解液排出路から電解液が漏洩するのを防止できるので、第1電解室及び第2電解室を流れる電解液の流速が安定する。その結果、この電解セルスタックは、電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させることができる。

0026

本発明に係る電解セルスタックにおいて、前記電解セルユニットの周縁部のさらに外側には、前記複数の電解セルユニットを重ねた方向に締めるための締結部が設けられている。

0027

この発明によれば、電解セルユニットの周縁部のさらに外側には、複数の電解セルユニットを重ねた方向に締めるための締結部が設けられているので、電解セルユニット同士の密着性を高めることができる。そのため、第1電解室及び第2電解室からの電解液の漏洩を防止できるので、第1電解室及び第2電解室を流れる電解液の流速が安定する。その結果、この電解セルスタックは、電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させることができる。

0028

本発明に係る電解セルスタックにおいて、前記締結部が、前記複数の電解セルユニットを重ねたときの位置決め用凸部を有する。

0029

この発明によれば、前記した締結部が、複数の電解セルユニットを重ねたときの位置決め用凸部を有するので、電解セルユニットを重ねるときの位置ずれを抑えることができる。そのため電解セルユニット2の各構成部材が重ね合わさって形成する第1電解室2A、第2電解室2B、電解液供給路70,71及び電解液排出路72,73からの電解液の漏洩を防止できるので、第1電解室及び第2電解室を流れる電解液の流速が安定する。その結果、この電解セルスタックは、電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させることができる。

0030

本発明に係る電解セルスタックにおいて、前記締結部は、前記電解セルユニットを収容する空間厚さを有し、該空間厚さは、前記締結部を密接させて締結できる厚さであるように構成する。

0031

この発明によれば、前記した締結部は、電解セルユニットを収容する空間厚さを有し、その空間厚さは、締結部を密接させて締結できる厚さであるので、その締結部を密接させて電解セルユニット同士の密着性を高めることができる。そのため、第1電解室及び第2電解室からの電解液の漏洩を防止できるので、第1電解室及び第2電解室を流れる電解液の流速が安定する。その結果、この電解セルスタックは、電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させることができる。

0032

本発明に係る電解セルスタックにおいて、前記締結部が凹凸部を有する。

0033

この発明によれば、前記した締結部が凹凸部を有するので、この締結部の厚さが薄くなっている。そのため、この締結部がプラスチック材料で形成されている場合、締結部の厚い部分に、射出成形後熱収縮時ヒケが発生するのを防止できると共に、凸部で締結部を密接させて締結できるので、電解セルユニット同士の密着性を維持できる。さらに、締結部の長手方向及び短手方向の収縮を抑えることができる。そのため、電解セルユニット同士の締め付けが安定するので、第1電解室及び第2電解室からの電解液の漏洩が防止できる。その結果、第1電解室及び第2電解室を流れる電解液の流速が安定したものになるので、この電解セルスタックは、電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させることができる。

0034

上記課題を解決するための本発明に係る水素発生装置は、前記した電解セルスタックを備え、該電解セルスタックを構成する第1電解室又は第2電極室から水素を発生させることを特徴とする。

0035

この発明によれば、前記した電解セルスタックを備えているので、電解ガスの発生量を必要に応じて増加減することができる。また、電極板の表面に電解ガスの気泡が存在することによる通電抵抗の増大を防止できる。その結果、この水素発生装置は、電流効率及び水素発生効率に優れるものになる。

発明の効果

0036

本発明に係る電解室構造及び電解セルユニットによれば、電解部は幅が細いものになるので、電解液流入部から電解部に流入した電解液が電解部内に広がっても流速が低下せず、電解液が電解部内を速やかに移動する。そのため、その電解液が電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させる。また、電解部に流入した電解液は、電解部内全体を流れる。その結果、電解部で発生した電解ガスを効率的に排出できるので、電極板の表面に電解ガスの気泡が存在することによる通電抵抗の増大を防止できる。よって、この電解室構造及び電解セルユニットは、電流効率及び水素発生効率に優れるものになる。

0037

また、本発明に係る電解セルスタック及び水素発生装置によれば、電解ガスの発生量を必要に応じて増加減することができる。また、電極板の表面に電解ガスの気泡が存在することによる通電抵抗の増大を防止できる。その結果、この電解セルスタック及び水素発生装置は、電流効率及び水素発生効率に優れるものになる。

図面の簡単な説明

0038

本発明に係る電解室構造の構成を示す模式的な正面図である。
本発明に係る電解セルユニットの構成を示す模式的な分解構成図である。
本発明に係る電解セルスタックの一例を示す模式的な斜視図である。
本発明に係る電解セルユニットの構成を示す模式的な断面構成図である。
電極板の一例を示す模式的な正面図である。
第1電解室形成枠体の一例を示す模式的な正面図である。
第2電解室形成枠体の一例を示す模式的な正面図である。
第2電解室形成枠体の他の面の一例を示す模式的な正面図である。
シール部材の一例を示す模式的な正面図である。
(A)は液流分配部の一例を示す模式的な正面図である。(B)は、スリットの一例を示す模式的な正面図である。
(A)は図6のI−I’線の断面図である。(B)は図7のII−II’線断面図である。(C)は図7のIII−III’線の断面図である。
(A)は、本発明に係る電解室構造の一例を示す模式的な正面図である。(B)は、本発明に係る電解室構造の他の一例を示す模式的な正面図である。
本発明に係る水素ガス発生装置の一例を示す模式的な構成図である。
(A)は、本発明に係る電解室構造の実施例を示す模式的な正面図である。(B)〜(D)は、本発明に係る電解室構造の比較例を示す模式的な正面図である。

0039

以下、本発明に係る電解室構造、電解セルユニット、電解セルスタック及び水素発生装置について図面を参照しつつ説明する。本発明の技術的範囲は、下記の記載や図面に限定されるものではない。

0040

[電解室構造]
本発明に係る電解室構造1は、アルカリ水等の電解液を電気分解する水素発生方式の電解セルに用いられる電解室の構造であり、図1に示すように、電解液を電気分解するための縦長の電解部1eと、電解部1eに電解液を流入させるための電解液流入部1aと、電解部1eから電解液を流出させるとともに電解部1eで発生した電解ガスを流出させるための電解液流出部1bと、電解液流入部1aから流入した電解液を電解部1e内全体に流すための液流分配部1cと、を有し、電解液流入部1aと電解液流出部1bとが、電解部1eの中心に対して対称となる電解部1eの周縁位置に設けられていることに特徴がある。

0041

電解室構造1は、アルカリ水等の電解液を電気分解して、水素ガス及び酸素ガス等の電解ガスを発生させる電解部1eを有する。電解部1eは、電解室形成枠体39(以下、単に「枠体39」という。)の縦長の開口部で形成される。こうした開口部は、一方が電極板(図示しない)で密閉され、他方が封止部材(図示しない)で封止されて電解室構造1を形成する。電解部1eは、電解液の流れ60が示すように、電解液流入部1aから電解部1eの内部に電解液を流入させ、電解液流出部1bから電解部1eの外部に電解液を流出させる。電解液は、電極板の表面で電気分解され、その表面で電解ガスを発生させる。電極板の表面で発生した電解ガスは、電解液とともに電解液流出部1bから電解部1eの外部に流出する。

0042

電解液は、電気分解により分解される被分解液のことであり、水酸化ナトリウム水溶液や、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液が挙げられる。また、こうしたアルカリ水溶液の他にも、純水、海水、食塩水等を適用できる。

0043

電解部1eは、縦長形状であり、こうした縦長形状としては、例えば、矩形又は略矩形(以下、単に「矩形」ともいう。)、楕円形又は略楕円形(以下、単に「楕円形」ともいう。)、縦長の円形、レーストラック形状等が挙げられる。また、こうした矩形には、例えば、図1に示すような角に丸みがある矩形が挙げられる。なお、レーストラック形状とは、同じ長さで平行な2直線の端部同士を円弧で結んだ形状である。

0044

電解部1eの中心とは、電解部1eを正面視したときの中心又は略中心(以下、単に「中心」ともいう。)である。電解部1eの中心は、例えば、電解部1eが矩形、楕円形又はレーストラック形状の場合、こうした矩形、楕円形又はレーストラック形状の中心のことである。

0045

電解液流入部1aは、電解部1eに電解液を流入させるためのものである。電解液流入部1aの構造は特に限定されない。例えば、図1では、電解液流入部1aが円形の貫通孔で形成されている場合を示している。

0046

電解液流出部1bは、電解部1eから電解液を流出させるとともに電解部1eで発生した電解ガスを流出させるためのものである。電解液流出部1bの構造は特に限定されない。例えば、図1では、電解液流出部1bが直角三角形又は略直角三角形の貫通孔で形成されている場合を示している。また、電解液流出部1bと電解部1eとの間には、電解液及び電解ガスを電解液流出部1bに導くための流路である電解液流出路1dが設けられていてもよい。さらに、こうした電解液流出路1dには、スリットが設けられていてもよいし、スリットが設けられていなくてもよい。

0047

電解液流入部1aと電解液流出部1bとは、電解部1eの中心に対して対称となる電解部1eの周縁位置に設けられている。電解部1eの中心に対して対称となる位置とは、電解部1eの中心に対して対称となる位置であり、又は、その周辺位置である。電解部1eの周縁位置とは、電解部1eの周囲の縁部分のことであり、例えば、図1においては、電解部1eと枠体39の境界の部分のことである。こうした電解部1eの中心に対して対称となる電解部1eの周縁位置とは、例えば、電解部1eが矩形の場合、その矩形の対角部分や、その対角部分の周辺部分である。また、電解部1eが楕円形の場合、その楕円形の長軸の両端部分や、その長軸の両端部分の周辺部分である。また、電解部1eがレーストラック形状の場合、そのレーストラック形状の円弧の一部及びその円弧の一部分とレーストラック形状の中心に対して対称位置にある円弧の一部分である。例えば、図1では、電解液流入部1aは、矩形の電解部1eの角部分に設けられ、電解液流出部1bは、電解液流入部1aに対向する電解部1eの短辺のうち、電解液流入部1aの対角部の周辺部分に設けられている。電解液流入部1a及び電解液流出部1bが、こうした電解部1eの中心に対して対称となる電解部1eの周縁位置に設けられていることにより、電解液が電解部1eの全体を通るものになる。

0048

液流分配部1cは、電解液流入部1aから流入した電解液を電解部1e内全体に流すためのものであり、通常、電解液流入部1aと電解部1eの間に設けられる。液流分配部1cの形状は、例えば、電解部1eの隣り合う2辺に沿って設けられる2つの流路と、その2つの流路の間に設けられる1つの流路とを有するように形成される。こうした形状の液流分配部1cは、電解液の流れ60が示すように、電解液を電解部1eの隣り合う2辺に沿うよう流入させ、また、電解液を電解部1eの中心に向かって流入させる。そのため、電解液は、電解部1eの全体を通る。こうした液流分配部1cの2つの流路の間に設けられる1つの流路の幅は、電解部1eの隣り合う2辺に沿って設けられる2つの流路と同一の幅で設けられていてもよいし、半分以下の幅で設けられていてもよい。なお、液流分配部1cは、上記した目的を達成できれば、こうした形状に限定されない。例えば、液流分配部1cを形成する流路は2つでもよいし、4つでもよいし、5つ以上でもよい。

0049

電解室構造1の枠体39は、電解室構造1の外形を形成するものであり、また、その開口部が電解部1eを形成するものである。枠体39の正面視したときの外形は、例えば、1つの短辺が円弧で形成された矩形である。電解室構造1の枠体39の形状は、こうした矩形に限定されず、例えば、正面視したときの外形が楕円形でもよいし、縦長の円形でもよいし、レーストラック形状でもよい。

0050

電解部1eを正面視したときの長手方向の長さL(L1)と、この長手方向と直角に交わる短手方向の長さW(W1)の比(L1:W1)は、好ましくは、3:2〜6:1であり、より好ましくは3:1〜4:1である。こうした電解部1eの長手方向の長さと短手方向の長さの比により、電解部1eは幅が細いものになり、且つ、実用に適した形状になる。そのため、電解液流入部1aから電解部1eに流入した電解液は、電解部1e内に広がっても流速が低下するのを防止できる。こうした電解部1eの寸法は、上記した長手方向の長さL1と短手方向の長さW1の比(L1:W1)を満たせば、得ようとする電解ガスの量に応じて、小型のものから大型のものまで任意に設計できる。

0051

電解部1eの周縁の内壁面は、通常、図1に示すように、平滑面で形成されているが、例えば、図12(A)に示すように、電解液流入部1aに対向する長辺の内壁面38が、均等な波形状で形成されていてもよいし、また、図12(B)に示すように、電解液流入部1aに対向する長辺の内壁面38が、不均等な波形状で形成されていてもよい。こうした波形状で形成された電解液流入部1aに対向する長辺の内壁面38は、平坦面で形成された場合よりも、電解部1eに流入した電解液がこの内壁面38に衝突して乱流をより発生させる。そのため、この乱流により、電極板の表面に存在する電解ガスをその表面から容易に離脱させる。なお、図12(A)及び図12(B)では、電解液流入部1aに対向する長辺の内壁面38のみが波形状で形成されているが、他の辺の内壁をこうした波形状で形成してもよいし、全ての内壁をこうした波形状で形成してもよい。

0052

電解室構造1の形成材料は、電気分解を行う温度での耐熱性を有し、アルカリ水溶液に対する耐食性を有する材料ならば特に限定されない。こうした形成材料としては、例えば、耐アルカリ性を有するプラスチック材料が挙げられる。耐アルカリ性を有するプラスチック材料としては、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂ポリプロピレン樹脂ポリテトラフルオロエチレン樹脂ポリフェニレンサルファイド樹脂ポリエチレン樹脂ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。こうした電解室構造1は、例えば、射出成形により成形できる。

0053

以上、本発明に係る電解室構造1によれば、電解部1eは幅が細いものになるので、電解液流入部1aから電解部1eに流入した電解液が電解部1e内に広がっても流速が低下せず、電解液が電解部1e内を速やかに移動する。そのため、その電解液が電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させる。また、電解部1eに流入した電解液は、電解部1e内全体を流れる。その結果、電解部1eで発生した電解ガスを効率的に排出できるので、電極板の表面に電解ガスの気泡が存在することによる通電抵抗の増大を防止できる。よって、この電解室構造1は、電流効率及び水素発生効率に優れるものになる。

0054

[電解セルユニット]
本発明に係る電解セルユニット2は、電解液を酸化又は還元するための縦長の第1電解室2Aと、電解液を還元又は酸化するための縦長の第2電解室2Bとが、第1電極板11、第1電解室形成枠体13、隔膜12、第2電解室形成枠体14及び第2電極板17とをその順で重ね合わせて形成され、第1電解室2A及び第2電解室2Bが、それぞれ、電解液を電気分解するための縦長の電解部13e,14eと、電解部13e,14eに電解液を流入させるための電解液流入部13a,14aと、電解部13e,14eから電解液を流出させるとともに電解部13e,14eで発生した電解ガスを流出させるための電解液流出部13b,14bと、電解液流入部13a,14aから流入した電解液を電解部13e,14e内全体に流すための液流分配部13c,14cと、を有し、電解液流入部13a,14aと電解液流出部13b,14bとが、電解部13e,14eの中心に対して対称となる電解部13e,14eの周縁位置に設けられていることに特徴がある。以下、電解セルユニット2の基本構成について説明する。

0055

第1電解室2Aは、図2に示すように、第1電極板11、シール部材15、第1電解室形成枠体13(以下、単に「第1枠体13」ともいう。)及び隔膜12が重ね合わさって形成される。また、第2電解室2Bは、隔膜12、第2電解室形成枠体14(以下、単に「第2枠体」14ともいう。)、シール部材15及び第2電極板17が重ね合わさって形成される。こうした第1電解室2A及び第2電解室2Bを形成する構成部材のうち、シール部材15は必須の構成部材ではないが、後述するように第1電解室2A及び第2電解室2Bの気密性を高めるために好ましく用いられる。また、図2のOリングオーリング)16も必須の構成部材ではないが、後述するように電解セルユニット2を重ねて電解セルスタック3を形成する場合に、電解セルスタック3の気密性を高めるために好ましく用いられる。

0056

第1電解室2A及び第2電解室2Bは、より具体的には、図4に示すように、第1枠体13の縦長の開口部である電解部13eの一方が第1電極板11で密封され、第2枠体14の縦長の開口部である電解部14eの一方が第2電極板17で密封される。そして、電解部13eと電解部14eとが、隔膜12で隔てられ、第1電解室2A及び第2電解室2Bが形成される。

0057

第1電解室2Aは、電解液を酸化又は還元するためのものである。例えば、第1電解室2Aで電解液を還元する場合、第1電極板11はカソード電極として機能し、第1電解室2Aで水素ガスを発生させる。また、第1電解室2Aが電解液を酸化する場合、第1電極板11はアノード電極として機能し、第1電解室2Aで酸素ガスを発生させる。

0058

第2電解室2Bは、電解液を酸化又は還元するためのものであり、第1電解室とは逆の電気分解を行うものである。例えば、第1電解室2Aで電解液を還元させる場合、第2電解室2Bでは電解液が酸化されて酸素ガスを発生させる。この場合、第2電極板17はアノード電極として機能する。また、第1電解室2Aで電解液を酸化させる場合、第2電解室2Bでは電解液が還元されて水素ガスを発生させる。この場合、第2電極板17はカソード電極として機能する。

0059

第1電解室2A内及び第2電解室2B内で発生した水素ガス及び酸素ガスの電解ガスの気泡は、電解液と共にそれぞれ第1電解室2A及び第2電解室2Bの外部に排出される。具体的には、第1電解室2Aで発生した電解ガスの気泡は、電解液とともに第1枠体13の電解液流出部13bを通って第1電解室2Aの外部に排出される。また、第2電解室2Bで発生した電解ガスの気泡は、第2枠体14の電解液流出部14bを通って第2電解室2Bの外部に排出される。

0060

電解液流入部13aと電解液流出部13bとは、電解部13eの中心に対して対称となる電解部13eの周縁位置に設けられている。また、電解液流入部14aと電解液流出部14bとは、電解部14eの中心に対して対称となる電解部14eの周縁位置に設けられている。こうした電解液流入部13a,14a及び電解液流出部13b,14bが設けられる位置については、「電解室構造」欄で説明した内容と同じであるので、ここでの説明は省略する。

0061

第1枠体13の液流分配部13c及び第2枠体14の液流分配部14cは、「電解室構造」欄で説明した液流分配部1cと同様のものである。すなわち、液流分配部13c,14cは、それぞれ電解液流入部13a,14aから流入した電解液を電解部13e,14e内全体を通るように作用する。

0062

こうした本発明に係る電解セルユニット2によれば、電解部13e,14eは幅が細いものになるので、電解液流入部13a,14aから電解部13e,14eに流入した電解液が電解部13e,14e内に広がっても流速が低下せず、電解液が電解部13e,14e内を速やかに移動する。そのため、その電解液が電極板の表面で発生した電解ガスの気泡をその表面から容易に離脱させる。また、電解部13e,14eに流入した電解液は、電解部13e,14e内全体を流れる。その結果、電解部13e,14eで発生した電解ガスを効率的に排出できるので、第1電極板11及び第2電極板17の表面に電解ガスの気泡が存在することによる通電抵抗の増大を防止できる。よって、電解セルユニット2は、電流効率及び水素発生効率に優れるものになる。

0063

[電解セルスタック]
本発明に係る電解セルスタック3は、電解セルユニット2を、第2電極板17と第1電極板11とが接するように複数重ねて構成し、又は、第2電極板17及び第1電極板11が同じ電極板からなる複極式電極板として複数重ねて構成したことに特徴がある。以下、電解セルスタック3の基本構成について説明する。

0064

電解セルスタック3は、電解セルユニット2を第2電極板17と第1電極板11とが接するように複数重ねて構成することができる。この場合、電解セルスタック3は、図2及び図4に示すように、シール部材15、第1電極板11、シール部材15、第1枠体13、隔膜12、第2枠体14、シール部材15及び第2電極板17がその順で重ね合わせて構成された電解セルユニット2が複数重ねられて構成される。なお、上記したように、シール部材15は必須の構成部材ではなく、第1電解室2A及び第2電解室2Bの気密性を高めるために好ましく用いられる。また、第2電極板17及び第1電極板11が同じ電極板からなる複極式電極板として複数重ねて電解セルユニット2を構成することもできる。この場合、第1電極11及び第2電極17は同じ複極式電極板となり、実質的に両者を区別することはできないが、以下では形式的に両者を区別して説明する。

0065

電解セルスタック3は、電解セルユニット2が複数重ねられた後、図3に示すように、両側に給電プレート18,19が重ねられて構成される。一方の給電プレート18には、電解セルスタック3の内部の第1電解室2A及び第2電解室2Bに電解液を供給するための電解液供給口21,22が設けられ、また、第1電解室2A及び第2電解室2Bから電解液及び電解ガスを排出するための電解液排出口23,24が設けられている。なお、図3の矢印61〜64は、電解液が流れる向きを示している。

0066

電解液流入口21から電解セルスタック3の内部に流入した電解液は、図2に示す電解液供給路70を通って、第1電解室2Aに供給される。電解液供給路70は、電解液供給孔11a,15a,14g及び隔膜12に設けられる電解液供給孔が重ね合わさって形成される。また、電解液流入口22から電解セルスタック3の内部に流入した電解液は、図2に示す電解液供給路71を通って、第2電解室2Bに供給される。電解液供給路71は、電解液供給孔11g,15g,13g及び隔膜12に設けられる電解液供給孔が重ね合わさって形成される。こうした電解液供給路70,71は、それぞれ電解液流入部13a,14aに接続されている。

0067

第1電解室2Aで発生した電解ガスは、電解液とともに、電解液排出路73を通って、電解液排出口24から電解セルスタック3の外部に排出される。電解液排出路73は、電解液排出孔11b,15b,14hが重ね合わさって形成される。また、第2電解室2Bで発生した電解ガスは、電解液とともに、電解液排出路72を通って、電解液排出口23から電解セルスタック3の外部に排出される。電解液排出路72は、電解液排出孔11h,15h,13hが重ね合わさって形成される。こうした電解液排出路72,73は、それぞれ電解液流出部13b,14bに接続されている。

0068

こうした本発明に係る電解セルスタック3によれば、電解ガスの発生量を必要に応じて増加減することができる。また、電極板の表面に電解ガスの気泡が存在することによる通電抵抗の増大を防止できる。その結果、この電解セルスタック3は、電流効率と水素発生効率に優れるものになる。

0069

以下、電解セルユニット2及び電解セルスタック3を構成する各構成部材について具体的に説明する。

0070

(電極板)
第1電極板11及び第2電極板17は、いずれも電解液を電気分解するための電極板であり、同じ構造及び機能を有する。こうした第1電極板11及び第2電極板17は、単極式電極板でもよいし、複極式電極板でもよい。第2電極板17は、第1電極板11と同様のものであるので、ここでは第1電極板のみを説明する。

0071

第1電極板の形状は、上記したような第1電解室2Aを形成できれば特に限定されず、例えば、図2及び図5に示すように、一方の短辺が円弧で形成された縦長の矩形とすることができる。矩形の短辺の両端部のそれぞれには、電解液を第1電解部13eに供給するための貫通孔である電解液供給孔11a、及び、電解液を第2電解部14eに供給するための貫通孔である電解液供給孔11gが設けられている。また、もう一方の短辺の両角部のそれぞれには、電解液及び電解ガスを第1電解部13eから外部に排出するための貫通孔である電解液排出孔11b、及び、電解液及び電解ガスを第2電解部14eから外部に排出するための貫通孔である電解液排出孔11hが設けられている。

0072

第1電極板11の厚さは、特に限定されないが、例えば0.1mm〜5mmである。第1電極板11の厚さをこのように設計することにより、第1電極板11の外周部の反りが抑えられると共に、電解セルユニット2及び電解セルスタック3の重量が重くなりすぎるのを防ぐことができる。

0073

図4における第1電極板11と第2電極板17との距離D3は、特に限定されないが、好ましくは0.1mm以上30mm以下であり、より好ましくは、5mm以上10mm以下である。第1電極板11と第2電極板17との距離をこのように設計することにより、第1電極板11と第2電極板17との間に流れる電流の値(電解電流値)を大きくすることができるので、電気分解をより効率的に行うことができる。また、第1電極板11と隔膜12との距離D1と、第2電極板17と隔膜12との距離D2は、特に限定されず、第1電解室2A及び第2電解室2Bそれぞれで得られる電解ガスの量に応じて任意に設計できる。

0074

電解液供給孔11aは、電解セルユニット2が組み立てられたときに、後述する隔膜12に設けられる電解液供給孔と、第1枠体13に設けられる電解液流入部13aと重ね合わさるように設けられ、電解液供給路70を形成する。また、電解液供給孔11gは、電解セルユニット2が組み立てられたときに、後述する隔膜12に設けられる電解液供給孔と、第2枠体14に設けられる電解液流入部14aと重ね合わさるように設けられ、電解液供給路71を形成する。

0075

電解液排出孔11bは、電解セルユニット2が組み立てられたときに、第1枠体13に設けられる電解液流出部13bと重ね合わさるように設けられ、電解液排出路73を形成する。また、電解液排出孔11hは、電解セルユニット2が組み立てられたときに、第1枠体14に設けられる電解液流出部14bと重ね合わさるように設けられ、電解液排出路72を形成する。

0076

このように、電解液供給路70,71及び電解液排出路72,73が、各構成部材の貫通孔で形成されていることにより、電解液の流路が密封された構造になる。そのため、電解液供給路及び電解液排出路から電解液が漏洩するのを防止できる。

0077

こうした電解液供給孔11a,11gは、「電解室構造」欄で説明した電解液流入部1aと同様の形状で形成することができる。また、電解液排出孔11b,11hは、「電解室構造」欄で説明した電解液流出部1bと同様の形状で形成することができる。

0078

位置決め用切り欠き部11fは、必須の構成ではないが、第1電極板11及び第1枠体13を重ね合わせる際に両者の位置決めを容易にするために好ましく設けられる。こうした位置決め用切り欠き部11fは、第1電極板11の周縁部に設けられ、また、後述する位置決め用突出部14fとはめ合わさるように設けられる。また、位置決め用切り欠き部11fは、図5では1つの第1電極板11に対して2つ設けられているが、例えば、3つ設けられていてもよいし、4つ設けられていてもよいし、5つ以上の複数設けられていてもよい。また、1つだけ設けられていてもよい。

0079

第1電極板11の形成材料は、電極の導電性とアルカリ水溶液に対する耐食性を有するものであれば特に限定されない。こうした形成材料としては、例えば、炭素電極や導電性と耐食性に優れた金属材料等が挙げられる。こうした金属材料は特に限定されないが、例えば、白金、金等の貴金属や、低価格で耐食性のよいステンレス鋼チタン又はチタン合金ニッケル又はニッケル合金等が挙げられる。また、こうした金属材料には、ニッケル合金等でめっき処理がなされていてもよい。

0080

電解液流入部11a,11g及び電解液流出部11b,11hは、ドリルエンドミル等で貫通を設けて形成してもよいし、プレス加工放電加工等の種々の加工法で貫通孔を設けて形成してもよい。

0081

第1電極板11の表面は、平坦面で形成されていてもよいが、凹凸面で形成されている方がより好ましい。第1電極板11を凹凸面で形成することにより、電解ガスが第1電極板11の表面から容易させることができる。こうした凹凸面の表面粗さRaは、例えば、0.3μm〜10μmである。なお、表面粗さRaは、JIS B 0601(1994)で規定されている算術平均粗さであり、例えば、原子間力顕微鏡で表面粗さを測定して算出される。

0082

第1電極板11を平坦面にする平坦化処理としては、真空焼鈍バフ研磨バレル研磨及び電解研磨等が挙げられる。また、第1電極板11を凹凸面とする粗面化処理としては、任意の粒度研磨紙研磨することによる粗面化処理、ブラスト材料での粗面化処理、ケミカルエッチングでの粗面化処理等が挙げられる。

0083

(隔膜)
隔膜12は、電解セルユニット2の第1電解室2Aと第2電解室2Bとを隔てるためのものであり、図2及び図4に示すように、第1電極板11と第2電極板17の間に設けられる。隔膜12の形状は、こうした目的を達成できれば特に限定されないが、例えば図2に示すように、正面視で縦長の矩形である。

0084

隔膜12は、空隙を有する材料で形成されており、液体は自由に通すが、液体中の気泡は自由に通さないように機能する。そのため、隔膜12は、第1電解室2A及び第2電解室2Bを満たしている電解液は自由に通すが、第1電解室2A及び第2電解室2Bで発生した電解ガスの気泡は自由に通さない。そのため、第1電解室2Aで発生した電解ガスと第2電解室2Bで発生した電解ガスは、互いに混ざらずに、それぞれ分離されて第1電解室2A及び第2電解室2Bの外部へ排出される。

0085

隔膜12の形成材料は、上記した目的を達成するための空隙を有し、アルカリ水溶液に対する耐食性を有するものであれば特に限定されない。こうした形成材料としては、例えば、合成樹脂繊維ガラス繊維フェルト又は紙状の不織布に形成したものや、ポリウレタン等の合成樹脂発泡成形したものをシート状に加工したもの等を挙げることができる。

0086

(第1電解室形成枠体)
第1枠体13は、第1電解室2Aの電解部13eを形成するためのものである。第1枠体13は、例えば図2及び図6に示すように、縦長の開口部で形成される電解部13eを有する矩形であり、第1枠体13を正面視した外形は、電極板の外形と同じになるように形成されている。電解部13eの周縁位置には、電解液が電解部13eに流入するための電解液流入部13a、電解部13eから電解液を流出させるとともに電解部13eで発生した電解ガスを流出させるための電解液流出部13b、電解液を第2電解部14eに供給するための貫通孔である電解液供給孔13g及び電解液及び電解ガスを第2電解部14eから外部に排出するための貫通孔である電解液排出孔13hが設けられる。これらのうち、電解液流入部13a及び電解液流出部13bは、電解部13eの中心に対して対称となる電解部13eの周縁位置に設けられている。また、電解液流入部13a、電解液流出部13b、電解液供給孔13g及び電解液排出孔13hは、第1電極板11に設けられる電解液供給孔11a、電解液排出孔11b、電解液供給孔11g及び電解液排出孔11hと、電解セルユニット2が組み立てられたときに重ね合わさるように設けられている。

0087

電解液流入部13a、電解液流出部13b、電解液供給孔13g及び電解液排出孔13hは、それぞれ上述した第1電極板11に設けられる第1電極板11に設けられる電解液供給孔11a、電解液排出孔11b、電解液供給孔11g及び電解液排出孔11hと同様のものであるので、ここではその説明を省略する。

0088

液流分配部13cは、例えば図10(A)に示すように、上述した「電解室構造」欄の液流分配部1cと同様の形状である。流路の形成されていない凸部25は、第1枠体13と第1電極板11との間にシール部材15が設けられる場合に、シール部材15と接するので、液流分配部13cとシール部材15との密着性が高まり、液流分配部13cから第1電解室2Aの外部に電解液が漏洩するのを防止できる。こうした液流分配部13cは、上記した目的を達成できれば、図10(A)に示した形状に限定されない。例えば、流路が2つ設けられていてもよいし、流路が3つ設けられていてもよいし、流路が4つ以上設けられていてもよい。

0089

電解液流出部13bと電解部13eの間には、電解液及び電解ガスを電解液流出部13bに導くための流路である電解液流出路13dが設けられていてもよい。こうした電解液流出路13dには、スリットが設けられていてもよいし、スリットが設けられていなくてもよい。電解液流出路13dに設けられるスリットは、例えば図10(B)に示すように、凸部26で形成され、電解液流出部13bと電解部13eとを幅の等しい複数の流路で結ぶように設けることができる。電解液は、矢印64が示すように、この流路を通って電解液流出部13bまで流れる。電解液流出路13dにこうしたスリットを設けることにより、流路の形成されていない凸部26は、第1枠体13と第1電極板11との間にシール部材15が設けられた場合に、シール部材15と接するので、第1枠体13とシール部材15との密着性が高まり、第1電解室2Aの外部に電解液が漏洩するのを防止できる。

0090

電解部13eは、「電解室構造」欄で説明した電解部1eと同様の構成である。例えば、電解部13eの形状は、縦長の形状であり、第1枠体13を正面視したときの長手方向の長さL(L2)と、この長手方向と直角に交わる短手方向の長さW(W2)との比(L2:W2)は、好ましくは、3:2〜6:1であり、より好ましくは3:1〜4:1である。また、電解部13eの周縁の内壁面は、通常平滑面で形成されているが、例えば、「電解室構造」欄で図12を用いて説明したように、電解液流入部13aに対向する長辺の内壁面が、均等な波形状で形成されてもよいし、不均等な波形状で形成されてもよい。

0091

第1枠体13の第1電極板11と向かい合う面の縁部には、凸状リブ27が設けられていてもよい。凸状リブ27は、図11(A)に示すように、凸形状の突出部であり、第1枠体13と第1電極板11との間にシール部材15が設けられる場合に、第1枠体とシール部材15との密着性を高めるためのものである。凸状リブ27は、第1枠体13の第1電極板11と向かい合う面の縁部に設けられる。こうした縁部は、具体的には、第1枠体13の周縁部、電解部1eの周縁部、電解液供給孔13gの周縁部及び電解液排出孔13hの周縁部(いずれも、図6点線で示す部分である)である。こうした凸状リブ27を設けることにより、第1枠体13が、電解セルユニット2を組み立てたときにシール部材15と面接触し、且つ、凸状リブ27で線接触するので、両者の密着性が高まり、第1電解室2Aから電解液が漏洩するのを防止できる。

0092

第1枠体13の周縁部には、さらに、位置決め用切り欠き部13fが設けられていてもよい。位置決め用切り欠き部13fは、上記した位置決め用切り欠き部11fと同じ構成であるので、ここではその説明を省略する。

0093

第1枠体13の形成材料は、電気分解を行う温度での耐熱性を有し、アルカリ水溶液に対する耐食性を有する材料ならば特に限定されない。こうした形成材料としては、例えば、耐アルカリ性を有するプラスチック材料が挙げられる。耐アルカリ性を有するプラスチック材料としては、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。こうした第1枠体13は、例えば、射出成形加工により成形できる。

0094

(第2電解室形成枠体)
第2枠体14は、第2電解室2Bを形成するためのものである。第2枠体14の第2電極板17と接する面は、例えば図2及び図7に示すように、図6に示した第1枠体13と同様のものである。また、第2枠体14の他方の面には、図8に示すように、任意に隔膜収容部29、電解室収容部30、Oリング収容部31及び位置決め用突出部14fが設けられていてもよく、また、第2枠体14の周縁部のさらに外側には、任意に締結部34が設けられていてもよい。

0095

第2枠体14の第2電極板17と接する面に設けられる電解部14e、電解液流入部14a、電解液流出部14b、液流分配部14c、電解液供給孔14g及び電解液排出孔14hは、第1枠体13に設けられる電解部13e、電解液流入部13a、電解液流出部13b、液流分配部13c、電解液供給孔13g及び電解液排出孔13hと同様のものであるので、ここでの説明は省略する。また、この第2枠体14の面には、第1枠体13と同様の構成で、任意に電解液流出路14d及び凸状リブ28が設けられていてもよい。

0096

第1枠体13及び第2枠体14のそれぞれの液流分配部13c,14cは、液流分配部13c,14cを流れる電解液の種類に応じて変更することが好ましく、また、第1枠体13及び第2枠体14のそれぞれの電解液流出路13d,14dは、電解ガスの発生量にあわせた形状にするか、又は、それぞれを同様の形状にすることもできる。こうすることにより、第1電解室2Aと第2電解室2Bの圧力バランスを均一にすることができる。

0097

隔膜収容部29、電解室収容部30及びOリング収容部31は、必須の構成ではないが、電解セルユニット2の各構成部材を重ね合わせて電解セルユニット2を容易に組み立てるために好ましく設けられる。

0098

隔膜収容部29は、隔膜12を収容するための部分であり、図2に示すように、第2枠体14の隔膜12と接する面に設けられる。隔膜収容部29は、図8に示すように、隔膜12を収容できるように、隔膜12を正面視した外形と同じ形状で形成される。また、隔膜収容部29は、図11(B)に示すように、隔膜12を収容できる高さで形成される。

0099

電解室収容部30は、電極板及び第1枠体13をこの順で収容するための部分であり、隔膜収容部29の外側に設けられる。電解室収容部30は、こうした構成部材を重ねて収容できるように、電解室収容部30を正面視した外形が第1電極板11及び第1枠体13を正面視した外形と同じ形状になるように形成される。また、電解室収容部30は、第1電極板11及び第1枠体13を重ね合わせて収容できる高さで形成される。なお、図4に示すように、第1電極板11の両側の面に接するようにシール部材15が設けられる場合は、こうしたシール部材15も収容できる高さで形成される。

0100

Oリング収容部31は、Oリング16を収容するための部分であり、電解室収容部30の外側に設けられる。Oリング収容部31は、Oリング16をはめ込むように、Oリング16の太さに合わせた形状の凹部で形成される。

0101

Oリング16は、電解セルスタック3の気密性を向上させるためのものである。Oリング16は、電解セルユニット2同士が締付ボルト20で連結されるときに、Oリング収容部31に配置される。Oリング16を配置して電解セルユニット2同士を締付ボルト20で連結した場合、Oリング16の弾性により電解セルユニット2同士の密着性が向上するので、電解セルスタック3の気密性を高めることができる。

0102

こうしたOリング16の形成材料は、電解セルユニット2同士の気密性を向上させることができ、アルカリ水溶液に対する耐食性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、天然ゴムスチレンブタジエンゴムニトリルゴム、EPDM及びテフロン登録商標)等の合成ゴム等の弾性を有するゴム材料が挙げられる。

0103

電解室収容部30が設けられた第2枠体14の厚さTは、図4に示すように、
電解セルユニット2を収容する空間厚さを有する。すなわち、第2枠体14は、第2電解室2Bを形成するので第2電解室2Bの厚さを有し、また、電解室収容部30を有するので第1電解室2Aも収容する厚さを有する。そのため、第2枠体14の厚さTは、電解セルユニット2を収容できる厚さを有することになる。

0104

位置決め用突出部14fは、必須の構成ではないが、第1電極板11及び第1枠体13を重ね合わせて、第2枠体14に収容させるときの位置決めを容易にするために好ましく設けられる。位置決め用突出部14fは、第1電極板11及び第1枠体13が重ね合わされて第2枠体14の電解室収容部30に収容されるときに、位置決め用切り欠き部11f,13fとはめ合わさるように設けられる。位置決め用突出部14fは、図8では1つの第2枠体14に対して2つ設けられているが、この数は特に限定されず、例えば、位置決め用切り欠き部11f,13fが設けられている数と同じ数だけ設けることができる。

0105

こうした位置決め用切り欠き部11f,13f及び位置決め用突出部14fによれば、各構成部材を重ね合わせて電解セルユニット2を組み立てるときの位置ずれを抑えることができる。そのため、電解セルユニット2の各構成部材が重ね合わさって形成する第1電解室2A、第2電解室2B、電解液供給路70,71及び電解液排出路72,73からの電解液の漏洩を防止できるので、電解部13eを流れる電解液の流速が安定する。

0106

締付部34は、必須の構成ではないが、電解セルユニット2を重ね合わせた方向に締めて、電解セルスタック3を形成するために好ましく設けられる。締付部34は、電解セルユニット2の周縁部のさらに外側に設けられ、例えば、図7及び図8に示すように、第2枠体14の周縁部のさらに外側に第2枠体14と一体となって設けられ、また、電解セルユニット2を囲むように帯状に設けられる。締付部34には、締付ボルト20を挿入する貫通孔である締付ボルト挿入口35が電解セルユニット2を囲むように複数設けられる。電解セルユニット2同士の締め付けが、締付部34を貫通する締付ボルト挿入口35に締付ボルト20を挿入して行われることにより、電解セルユニット2同士の密着性を高めることができる。なお、こうした締結部34は、必ずしも第2枠体14に設けられている必要はなく、例えば第1枠体13に設けられていてもよい。

0107

締結部34の厚さは、図11(B)に示すように、第2枠体14と同じ厚さであることが好ましい。こうした締結部34は、電解セルユニット2を収容する空間厚さを有し、また、締結部34同士を密接させて電解セルユニット2を締結できる厚さを有する。こうした締結部34により、電解セルスタック3を形成する際に締結部34を密接させて電解セルユニット2同士の密着性を高めることができる。

0108

締付部34には、凹凸部が設けられていてもよい。こうした凹凸部は、例えば、図7図8及び図11(B)に示すように、締付ボルト挿入口35の周縁部に凸部32が設けられ、また、こうした凸部32を結ぶように十字型の凸部33が設けられて形成される。締付部34に凹凸部を設けることにより、締付部34の厚さが薄くなる。そのため、締付部34がプラスチック材料で形成されている場合、締付部34の厚い部分に、射出成形後の熱収縮時にヒケが発生するのを防止できると共に、凸部32,33で締付部34同士の密着性を維持できる。さらに、こうした締付部34の長手方向及び短手方向の収縮を抑えることができる。そのため、電解セルユニット2同士の締め付けが安定するので、第1電解室2A及び第2電解室2Bから電解液が漏洩するのを防止できる。

0109

締付部34の凹凸部は、締付部34にヒケが発生するのを防止でき、締付部34同士の密着性を維持できる形態であれば、上記した形態に限定されない。例えば、締付部34の周囲にのみ凸部32が形成されていてもよいし、締付部34の周囲に凸部32が形成され、また、締付部34の間に、締付部34の周囲の凸部32を結ぶように一直線の凸部33が形成されていてもよい。

0110

位置決め用凸部37は、必須の構成ではないが、電解セルユニット2を重ねるときに位置ずれを防止するために締結部34に好ましく設けられる。位置決め用凸部37は、図7に示すように、締結部34の2つの短辺の長手方向に対角の部分にそれぞれ設けられる。また、位置決め用凹部36は、位置決め用凸部37をはめ込むためのものであり、図8及び図11(C)に示すように、位置決め用凸部37の裏面に形成される。位置決め用凸部37は、円形の凸部であり、また、位置決め用凹部36は、円形の凹部である。位置決め用凸部37は、位置決め用凹部36とはめ合わせることができるので、電解セルユニット2同士の位置ずれを防止できる。

0111

位置決め用凸部37は、締結部34の長手方向の対角の部分に設けられ電解セルユニット2同士を離れた2点で位置決めすることが好ましい。こうすることで、電解セルユニット2の回転方向の位置ずれを最小限に抑えることができる。また、位置決め用凸部37の位置に成形の誤差があったとしても、その影響をできるだけ小さくして、電解セルユニット2を重ねるときの位置ずれを防止できる。その結果、電解セルユニット2の各構成部材が重ね合わさって形成する第1電解室2A、第2電解室2B、電解液供給路70,71及び電解液排出路72,73からの電解液が漏洩するのを防止できるので、第1電解室2A及び第2電解室2Bを流れる電解液の流速が安定したものになる。また、位置決め用凸部37が対角に位置することにより、電解セルユニット2を逆に配置することを防止できる。

0112

こうした第2枠体14の形成材料は、上記した第1枠体13と同じ形成材料を用いることができる。

0113

(シール部材)
シール部材15は、第1電解室2A及び第2電解室2Bの気密性を高めるために好ましく設けられる。シール部材15は、図2及び図9に示すように、縦長の開口部15eを有する矩形であり、電極板と第1枠体13との間、又は、及び第2枠体との間に設けられることで、それぞれの両者の密着性を向上させる。そのため、第1電解室2A及び第2電解室2Bの気密性を高めることができる。シール部材15の形状は、開口部15eが設けられていること以外は、第1電極板11と同じである。具体的には、シール部材15の正面視した外形は、第1電極板11を正面視した外形と同じあり、また、第1電極板11に設けられる電解液供給孔11a、電解液供給孔11g、電解液排出孔11b及び電解液排出孔11hと同様のものである電解液供給孔15a、電解液供給孔15g、電解液排出孔15b及び電解液排出孔15hが設けられる。

0114

シール部材15には、任意に位置決め用切り欠き部15fが設けられる。こうした位置決め用切り欠き部15fは、第1電極板11の位置決め用切り欠き部11fと同様のものであるので、ここではその説明を省略する。

0115

シール部材15は、液流分配部13c,14c及び電解液流出路13d,14dと接するように設けられ、また、第1枠体13及び第2枠体14の凸状リブ27,28と接するように設けられることが好ましい。シール部材15をこうした位置に配置することにより、シール部材15の弾性により第1電極板11と第1枠体13との密着性が向上し、また、第2電極板17と第2枠体14との密着性が向上するので、電解液及び電解ガスが第1電解室2A及び第2電解室2Bから漏洩するのを防ぐことができる。また、電極板の外周部での電解ガスの発生を抑制することができる。

0116

こうしたシール部材15の形成材料は、電極板とのシール性を保持でき、アルカリ水溶液に対する耐食性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、EPDM及びテフロン(登録商標)等の合成ゴム等の弾性を有するゴム材料が挙げられる。

0117

(給電プレート)
給電プレート18,19は、電解セルスタック3内の第1電解室2A及び第2電解室2Bに電圧印加するためのものであり、図3に示すように、電解セルスタック3の最外層に設けられる。給電プレート18,19は、例えば、給電プレート18,19の周囲が締付ボルト20により締結部34と連結されて、電解セルスタック3が組み立てられる。

0118

電解液供給口21,22及び電解液排出口23,24は、図3に示すように、2つの給電プレート18,19のうち、一方の給電プレート18に設けられることが好ましい。電解液供給口21,22と電解液排出口23,24を給電プレート18の同じ面に設け、給電プレート18に負の電圧を印加することにより、電解液に漏れ電流が発生するのを防止できる。また、絶縁性の電解ガスに電気が流れることによるスパークが発生するのを防止できる。

0119

[水素発生装置]
本発明に係る水素発生装置4は、電解セルスタック3を備え、電解セルスタック3を構成する第1電解室2A又は第2電極室2Bから水素を発生させることに特徴がある。以下、水素発生装置4の基本構成について説明する。

0120

水素発生装置4は、図13に示すように、例えば、電解セルスタック3、水素ガス分離器51、酸素ガス分離器52、フィルター53、冷却器54及び循環ポンプ55が配管ライン56で接続されて構成される循環型水素発生装置である。なお、図13に示す矢印は、電解液が配管ライン56中を移動する方向を示している。

0121

こうした水素発生装置4によれば、電解セルスタック3から排出された水素ガスを含む電解液は、水素ガス分離器51に送液され、水素ガスが分離される。また、電解セルスタック3から排出された酸素ガスを含む電解液は、酸素ガス分離器52に送液され、酸素ガスが分離される。水素ガス分離器51で分離された電解液と、酸素ガス分離器52で分離された電解液が1つの配管ライン中で混合された後、フィルター53に通される。その後、電解液は冷却器54で電気分解に適した温度まで冷却された後、循環ポンプ55の駆動力により電解セルスタック3に送液される。

0122

水素ガス分離器51、酸素ガス分離器52、フィルター53、冷却器54、循環ポンプ55及び配管ライン56については、特に限定されず、通常用いられる公知のものを適用できる。

0123

以上、本発明に係る水素ガス発生装置4によれば、電解ガスの発生量を必要に応じて増加減することができる。また、電極板の表面に電解ガスの気泡が存在することによる通電抵抗の増大を防止できる。その結果、水素ガス発生装置4は、電流効率及び水素発生効率に優れるものになる。

0124

実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。

0125

[実施例1]
電解室構造として、図14(A)に示すように、レーストラック形状の電解部40とした。電解部40の円弧部の一部には、円形の電解液流入部41及び円形の電解液流出部42を設けた。電解液流入部41と電解液流出部42とは、電解部40の中心に対して対称となる電解部40の周縁位置に設けた。電解部40は、正面視した長手方向の長さと短手方向の長さの比を3.8:1にした。

0126

電解部40を、両面を透明のガラス板(図示しない)で密閉して試験セルを組み立てた。こうした試験セルは、透明のガラス板を用いて組み立てられているので、電解液流入部41から電解部40の内部を通って電解液流出部42まで通る液体の流れが外から目視で確認できた。

0127

[比較例1]
電解室構造として、図14(B)に示すように、電解液流入部41と電解液流出部42を電解部47の一方の長辺の両端部に設けた以外は、実施例1と同様にして試験セルを組み立てた。

0128

[比較例2]
電解室構造として、図14(C)に示すように、電解部48の形状を円形にした以外は、実施例1と同様にして試験セルを組み立てた。

0129

[比較例3]
電解室構造として、図14(D)に示すように、電解液流入部41と電解液流出部42を電解部49の同一半円部分に設けた以外は、比較例2と同様にして試験セルを組み立てた。

0130

[評価]
実施例1及び比較例1〜3で得られた試験セルの内部を着色した液体で満たした。この試験セルに、電解液流入部から水を流入させて、試験セル内部に満たされている液体の色が抜ける様子を目視で観察し、試験セル内部に満たされている液体の色が抜けるまでの時間を測定した。水の流量は30L/分にした。

0131

[結果]
実施例1で得られた電解室構造を用いた場合、試験セル内部に満たされている液体の色が抜けるまでの時間は145秒であった。比較例1で得られた電解室構造を用いた場合、試験セル内部に満たされている液体の色が抜けるまでの時間は181秒であった。比較例2で得られた電解室構造を用いた場合、試験セル内部に満たされている液体の色が抜けるまでの時間は301秒であった。比較例3で得られた電解室構造を用いた場合、試験セル内部に満たされている液体の色が抜けるまでの時間は341秒であった。

実施例

0132

以上の結果から、実施例1で得られた試験セルが、液体の色が抜けるまでの時間が最も短かった。よって、電解室構造は、縦長で矩形形状で、電解液流入部と電解液流出部とが、電解部の中心に対して対称となる電解部の周縁位置に設けられている電解室構造が、液体の抜けがよいことが分かった。その結果、こうした電解室構造は、電極板の表面で発生した電解ガスの抜けがよいことが示唆された。

0133

1電解室構造
2電解セルユニット
3電解セルスタック
4水素発生装置
11 第1電極板
12隔膜
13 第1電解室形成枠体
14 第2電解室形成枠体
15シール部材
16 Oリング
17 第2電極板
18,19給電プレート
20締付ボルト
21,22電解液供給口
23,24電解液排出口
25,26,32,33 凸部
27,28凸状リブ
29 隔膜収容部
30 電解室収容部
31 Oリング収容部
34締結部
35 締付ボルト挿入口
36位置決め用凹部
37位置決め用凸部
38内壁面
39 電解室形成枠体
51水素ガス分離器
52酸素ガス分離器
53フィルター
54冷却器
55循環ポンプ
56配管ライン
60,61,62,63,64,65,66電解液の流れ
70,71電解液供給路
72,73 電解液排出路
1a,13a,14a,41電解液流入部
11a,11g,13g,14g,15a,15g電解液供給孔
1b,13b,14b,42 電解液流出部
11b,11h,13h,14h,15b,15h 電解液排出孔
1c,13c,14c液流分配部
1d,13d,14d電解液流出路
1e,13e,14e,40,47,48,49電解部
15e 開口部
11f,13f,15f位置決め用切り欠き部
14f 位置決め用突出部
D1 第1電極板と第2電極板との距離
D2 第1電極板と隔膜との距離
D3 第2電極板と隔膜との距離
L,L1,L2長手方向の長さ
T 第2電解室形成枠体14の厚さ
W,W1,W2 短手方向の長さ

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    【課題】メッシュ部材上に機能膜を均一に成膜可能な電気化学セルの製造方法を提供する。【解決手段】セル1の製造方法は、金属材料によって構成される複数の線材41を織り込むことによって形成されたメッシュ部材の... 詳細

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