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技術 高分子電解質組成物、高分子電解質膜、触媒組成物、膜電極接合体、固体高分子形燃料電池および含硫黄複素環芳香族化合物

出願人 住友化学株式会社
発明者 石山武栗田寛之
出願日 2012年3月30日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2012-079085
公開日 2013年9月5日 (6年5ヶ月経過) 公開番号 2013-173905
状態 未査定
技術分野 6員以上のNS含有複素環式化合物 高分子組成物 ポリオキシメチレン、炭素-炭素結合重合体 導電材料 無消耗性電極 燃料電池(本体)
主要キーワード イオン溶出速度 巻取り体 微小貫通孔 温風処理 ゲル状固体 芳香族環含有基 負荷変動試験 高分子電解質濃度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年9月5日)のものです。
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図面 (5)

課題

解決手段

下記式(1)で示される含硫黄複素環芳香族化合物と、高分子電解質とを含有する高分子電解質組成物。[化1](式(1)中、A1およびA2は、硫黄原子窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基である。A3は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基である。pは1以上4以下の整数を表す。)

概要

背景

固体高分子形燃料電池(以下、「燃料電池」と略記することがある。)は、水素酸素電気化学的反応を利用した発電装置であり、燃料電池に使用される高分子電解質膜として、フッ素系高分子電解質膜炭化水素系高分子電解質膜が注目されている。

ところで、フッ素系高分子電解質膜や炭化水素系高分子電解質膜を用いた燃料電池は、長期運転を行った場合の運転定性(以下、「長期安定性」と呼ぶことがある)が必ずしも十分でないことが指摘されている。この長期安定性を妨げる要因の1つとして、電池稼動時に発生する過酸化物(例えば、過酸化水素等)、またはこの過酸化物から発生するラジカルによる膜の劣化が知られている。それゆえ、高分子電解質膜の過酸化物やラジカルに対する耐久性(以下、「ラジカル耐性」と呼ぶことがある)を向上させることが、固体高分子型燃料電池の長期安定性の向上に繋がるとされている。

このようなラジカル耐性を向上させた高分子電解質膜として、特許文献1には、スルホン化ポリマーと、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルベンゼンおよびビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニルペンタエリスリトールジホスファイトからなる酸化防止剤とを含む高分子電解質組成物からなる高分子電解質膜が記載されている。

概要

発電性能と長期安定性の良好な燃料電池を実現する高分子電解質組成物、高分子電解質膜、触媒組成物触媒層膜電極接合体、固体高分子形燃料電池および含硫黄複素環芳香族化合物を提供する。下記式(1)で示される含硫黄複素環芳香族化合物と、高分子電解質とを含有する高分子電解質組成物。[化1](式(1)中、A1およびA2は、硫黄原子窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基である。A3は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基である。pは1以上4以下の整数を表す。)なし

目的

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、発電性能と長期安定性の良好な燃料電池を実現する高分子電解質組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記式(1)で示される含硫黄複素環芳香族化合物と、高分子電解質とを含有する高分子電解質組成物。(式(1)中、A1およびA2は、硫黄原子窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基である。A3は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基である。pは1以上4以下の整数を表す。)

請求項2

前記含硫黄複素環芳香族化合物が、下記式(2)で示される化合物である請求項1に記載の高分子電解質組成物。(式(2)中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表す。R001〜R006はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、水酸基ハロゲノ基アミノ基、ニトロ基シアノ基カルボキシ基ホスホノ基スルホ基ホルミル基メルカプト基置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基を表す。Z01は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基を表す。B2およびB3は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基である。B4およびB5は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基である。qおよびsは0以上3以下の整数を表し、rは1以上4以下の整数を表し、q、rおよびsの総和は1以上4以下である。)

請求項3

前記含硫黄複素環芳香族化合物が、下記式(3)で示される化合物である請求項2に記載の高分子電解質組成物。(式(3)中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表す。R007〜R026はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、水酸基、ハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ホスホノ基、スルホ基、ホルミル基、メルカプト基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基を表す。Z02〜Z04はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基を表す。tは1以上4以下の整数を表す。)

請求項4

前記含硫黄複素環芳香族化合物が、前記高分子電解質100質量部に対して0.01質量部以上30質量部以下含有される請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子電解質組成物。

請求項5

前記高分子電解質が、炭化水素系高分子電解質である特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子電解質組成物。

請求項6

前記高分子電解質が、フッ素系高分子電解質である請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子電解質組成物。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の高分子電解質組成物を含有する高分子電解質膜

請求項8

前記高分子電解質組成物と、少なくとも前記高分子電解質組成物に含まれる高分子電解質を溶解しうる有機溶媒と、を有する液状組成物支持基材上に塗工し、前記有機溶媒を除去して得られる請求項7に記載の高分子電解質膜。

請求項9

請求項1〜6のいずれか1項に記載の高分子電解質組成物と、触媒成分と、を含む触媒組成物

請求項10

請求項7または8記載の高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜を挟持する触媒層と、を有する膜電極接合体

請求項11

前記触媒層が、請求項9に記載の触媒組成物を形成材料とする請求項10に記載の膜電極接合体。

請求項12

高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜を挟持する触媒層と、を有し、前記触媒層が、請求項9に記載の触媒組成物を形成材料とする膜電極接合体。

請求項13

請求項10から12のいずれか1項に記載の膜電極接合体を有する固体高分子形燃料電池

請求項14

下記式(3)で示される含硫黄複素環芳香族化合物。(式(3)中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表す。R007〜R026はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、水酸基、ハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ホスホノ基、スルホ基、ホルミル基、メルカプト基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基を表す。Z02〜Z04はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基を示す。tは1以上4以下の整数を表す。)

技術分野

背景技術

0002

固体高分子形燃料電池(以下、「燃料電池」と略記することがある。)は、水素酸素電気化学的反応を利用した発電装置であり、燃料電池に使用される高分子電解質膜として、フッ素系高分子電解質膜炭化水素系高分子電解質膜が注目されている。

0003

ところで、フッ素系高分子電解質膜や炭化水素系高分子電解質膜を用いた燃料電池は、長期運転を行った場合の運転定性(以下、「長期安定性」と呼ぶことがある)が必ずしも十分でないことが指摘されている。この長期安定性を妨げる要因の1つとして、電池稼動時に発生する過酸化物(例えば、過酸化水素等)、またはこの過酸化物から発生するラジカルによる膜の劣化が知られている。それゆえ、高分子電解質膜の過酸化物やラジカルに対する耐久性(以下、「ラジカル耐性」と呼ぶことがある)を向上させることが、固体高分子型燃料電池の長期安定性の向上に繋がるとされている。

0004

このようなラジカル耐性を向上させた高分子電解質膜として、特許文献1には、スルホン化ポリマーと、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルベンゼンおよびビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニルペンタエリスリトールジホスファイトからなる酸化防止剤とを含む高分子電解質組成物からなる高分子電解質膜が記載されている。

先行技術

0005

特開2003−201403号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記の高分子電解質膜を用いた燃料電池であっても、電池の起動・停止を繰り返すような長期運転を行なうと、ラジカルによる高分子電解質膜の劣化によって、イオン伝導性が低下し易く、結果として燃料電池自体の発電性能が低下し易い。

0007

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、発電性能と長期安定性の良好な燃料電池を実現する高分子電解質組成物を提供することを目的とする。また、前記高分子電解質組成物を用いた高分子電解質膜、前記高分子電解質組成物を有する触媒組成物、これらの高分子電解質膜や触媒組成物を有する膜電極接合体、長期安定性に優れた固体高分子型燃料電池を提供することをあわせて目的とする。さらに、前記高分子電解質組成物に有用な安定化剤となり得る含硫黄複素環芳香族化合物を提供することをあわせて目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記の課題を解決するため、本発明の一形態は、下記式(1)で示される含硫黄複素環芳香族化合物と、高分子電解質とを含有する高分子電解質組成物を提供する。



(式(1)中、A1およびA2は、硫黄原子窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基である。A3は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基である。pは1以上4以下の整数を表す。)

0009

なお、本明細書において「芳香族基」とは、基の母体化合物である芳香族化合物が有する水素原子のうち、芳香族化合物に含まれる芳香族性を示す基に結合する水素原子を取り去って得られる基を指す。
また、本明細書において「芳香族環含有基」とは、上記芳香族基を構造内に含む基を指す。

0010

本発明の一形態においては、前記含硫黄複素環芳香族化合物が、下記式(2)で示される化合物であることが望ましい。



(式(2)中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表す。
R001〜R006はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、水酸基ハロゲノ基アミノ基、ニトロ基シアノ基カルボキシ基ホスホノ基スルホ基ホルミル基メルカプト基置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基を表す。
Z01は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基を表す。
B2およびB3は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基である。
B4およびB5は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基である。
qおよびsは0以上3以下の整数を表し、rは1以上4以下の整数を表し、q、rおよびsの総和は1以上4以下である。)

0011

本発明の一形態においては、前記含硫黄複素環芳香族化合物が、下記式(3)で示される化合物であることが望ましい。



(式(3)中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表す。
R007〜R026はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、水酸基、ハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ホスホノ基、スルホ基、ホルミル基、メルカプト基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基を表す。
Z02〜Z04はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基を表す。
tは1以上4以下の整数を表す。)

0012

本発明の一形態においては、前記含硫黄複素環芳香族化合物が、前記高分子電解質100質量部に対して0.01質量部以上30質量部以下含有されることが望ましい。

0013

本発明の一形態においては、前記高分子電解質が、炭化水素系高分子電解質であることができる。

0014

本発明の一形態においては、前記高分子電解質が、フッ素系高分子電解質であることができる。

0015

本発明の一形態は、上述の高分子電解質組成物を含有する高分子電解質膜を提供する。

0016

本発明の一形態においては、前記高分子電解質組成物と、少なくとも前記高分子電解質組成物に含まれる高分子電解質を溶解しうる有機溶媒と、を有する液状組成物支持基材上に塗工し、前記有機溶媒を除去して得られることが望ましい。

0017

本発明の一形態は、上述の高分子電解質組成物と、触媒成分と、を含む触媒組成物を提供する。

0018

本発明の一形態は、上述の高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜を挟持する触媒層と、を有する膜電極接合体を提供する。

0019

本発明の一形態は、前記触媒層が、上述の触媒組成物を形成材料とすることが望ましい。

0020

本発明の一形態は、高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜を挟持する触媒層と、を有し、前記触媒層が、上述の触媒組成物を形成材料とする膜電極接合体を提供する。

0021

本発明の一形態は、上述の膜電極接合体を有する固体高分子形燃料電池を提供する。

0022

本発明の一形態は、下記式(3)で示される含硫黄複素環芳香族化合物を提供する。



(式(3)中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表す。
R007〜R026はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、水酸基、ハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ホスホノ基、スルホ基、ホルミル基、メルカプト基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基を表す。
Z02〜Z04はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基を示す。
tは1以上4以下の整数を表す。)

発明の効果

0023

本発明によれば、発電性能と長期安定性の良好な燃料電池を実現する高分子電解質組成物を提供することができる。また、前記高分子電解質組成物を用いた高分子電解質膜、前記高分子電解質組成物を有する触媒組成物、これらの高分子電解質膜や触媒組成物を有する膜電極接合体、長期安定性に優れた固体高分子型燃料電池を提供することができる。さらに、前記高分子電解質組成物に有用な安定化剤である含硫黄複素環芳香族化合物を提供することができる。

図面の簡単な説明

0024

本実施形態の高分子電解質膜の製造工程を示す工程図の一部である。
本実施形態の膜電極接合体についての縦断面図である。
本実施形態の触媒組成物を形成材料とする触媒層を備えた積層体についての縦断面図である。
本実施形態の触媒組成物を形成材料とする触媒層を備えた膜電極ガス拡散層接合体の縦断面図である。
本実施形態の膜電極接合体についての縦断面図である。

0025

以下、本発明の好適な実施態様について具体的に説明する。

0026

[高分子電解質組成物]
本実施形態の高分子電解質組成物は、下記式(1)で示される含硫黄複素環芳香族化合物と、高分子電解質とを含有するものである。

0027

(式(1)中、A1およびA2は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基である。A3は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基である。pは1以上4以下の整数を表す。)

0028

(含硫黄複素環芳香族化合物)
上記式(1)で示される含硫黄複素環芳香族化合物は、後述の液状組成物を調製する際、用いる有機溶媒への溶解性もしくは分散性が高いものが好ましい。この観点から、含硫黄複素環芳香族化合物の好ましい分子量としては分子量1300以下であり、より好ましくは550以上1300以下であり、よりさらに好ましくは570以上1200以下であり、ことさらに好ましくは570以上1000以下であり、特に好ましくは590以上800以下である。

0029

分析により含硫黄複素環芳香族化合物の分子量を求める場合、上記式(1)においてpが1〜3の場合は、質量分析法を用いる。

0030

また、上記式(1)においてpが4の場合は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される数平均分子量を、含硫黄複素環芳香族化合物の分子量として用いる。
以下にGPC測定条件を示す。
(測定条件)
カラム:東ソー社製 TSKgelGMHHR−M
カラム温度:40℃
移動相溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド(LiBrを10mmol/dm3になるように添加)
溶媒流量:0.5mL/分
・検出:示差屈折率
標準物質:東ソー社製標準ポリスチレンA300、A1000、A2500、A5000、F1、F2、F10、F40、F128、F288

0031

式(1)中、A1およびA2は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基である。
このような芳香族環含有基としては、A1およびA2の母体となる芳香族化合物が、複素環のほかに芳香族性を有する環を有し、複素環に含まれる硫黄原子と、芳香族性を有する環と、が直接結合しているものであり、このような芳香族化合物から、水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基であることが好ましい。
また、A1およびA2の母体となる芳香族化合物が、複素環と芳香族性を有する環とが縮環した多環式芳香族化合物であり、このような多環式芳香族化合物から、水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基であることがより好ましい。
また、A1およびA2の母体となる芳香族化合物が、複素環に2以上の芳香族性を有する環が縮環した三環式以上の多環式芳香族化合物であり、このような多環式芳香族化合物から、水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基がさらに好ましい。

0032

なお、上述した芳香族環含有基において、芳香族化合物から取り去る水素原子は、芳香族性を有する環に結合するものが好ましい。この場合、A1およびA2は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物を母体とする1価の芳香族基となる。

0033

式(1)中のA1およびA2としては、例えば、フェノチアジン系化合物チアゾール系化合物などから選ばれる化合物から、芳香環に結合する水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族基を例示することができる。

0034

上記フェノチアジン系化合物とは、フェノチアジン、以下の式(A)で示される骨格を有する化合物、(B−1)または式(B−2)で示される共鳴構造を有する骨格を有する化合物、または式(C)で示される骨格を有する化合物のことを指す。なお、以下の式(A)で示される骨格を有する化合物のことを、「フェノチアジン誘導体」と称することがある。

0035

(式中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表す。)

0036

0037

0038

(式中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表す。Dは酸素原子または硫黄原子を表す。)

0039

式(1)中のA1およびA2の母体となるフェノチアジン系化合物として、具体的には、フェノチアジン、10−フェニルフェノチアジン、10−(3−フルオロフェニル)フェノチアジン、N−ベンゾイルフェノチアジン、2−メトキシフェノチアジン、2−メチルチオフェノチアジン、2-エチルチオフェノチアジン、2−(トリフルオロメチル)フェノチアジン、10−メチルフェノチアジン、フェノチアジン−5−オキサイド、ベンゾイルロイコメチレンブルーエトプロパジン、(以上、上記式(A)の骨格を有する化合物)、アズールBアズールII、メチレンブルーベーシックグリーン5、チオニンクロライド、チオニンアセテートベーシックブルー17(以上、上記式(B−1)または式(B−2)の骨格を有する化合物)、3−フェノチアゾン(以上、上記式(C)の骨格を有する化合物)などをあげることができる。これらの化合物は、それぞれ置換基を有していてもよい。

0040

このようなフェノチアジン系化合物として、好ましくは、フェノチアジン、10−フェニルフェノチアジン、10−(3−フルオロフェニル)フェノチアジン、N−ベンゾイルフェノチアジン、2−メトキシフェノチアジン、2−メチルチオフェノチアジン、2-エチルチオフェノチアジン、2−(トリフルオロメチル)フェノチアジン、10−メチルフェノチアジン、フェノチアジン−5−オキサイド、エトプロパジン、チオニンクロライド、チオニンアセテート、3−フェノチアゾンである。
より好ましくは、フェノチアジン、2−メトキシフェノチアジン、2−メチルチオフェノチアジン、2-エチルチオフェノチアジン、2−(トリフルオロメチル)フェノチアジン、10−メチルフェノチアジン、フェノチアジン−5−オキサイド、3−フェノチアゾンである。
特に好ましくは、フェノチアジン、10−メチルフェノチアジン、フェノチアジン−5−オキサイド、3−フェノチアゾンである。
これらの化合物は、それぞれ置換基を有していてもよい。

0041

上記チアゾール系化合物とは、チアゾール環を有する化合物であり、具体的には、チアゾールイソチアゾールベンゾチアゾール、3−エチルベンゾチアゾリウムブロミド、3−エチル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウムブロミド、2−フェニルベンゾチアゾール、2−(メチルチオ)ナフト[1,2−d]チアゾール、2−アミノ−6−メチルベンゾチアゾールなどをあげることができる。これらの化合物は、それぞれ置換基を有していてもよい。

0042

上記式(1)中のA1およびA2は、置換基を有していてもよい。
A1およびA2が有してもよい置換基としては、水酸基、ハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ホスホノ基、スルホ基、ホルミル基、メルカプト基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基があげられる。

0043

好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基である。
より好ましい置換基としては、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ホルミル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基である。
特に好ましい置換基としては、シアノ基、カルボキシ基、ホルミル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基である。

0044

前記ハロゲノ基としては、フルオロ基クロロ基ブロモ基ヨード基があげられ、好ましくはフルオロ基があげられる。

0045

上記の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基として、直鎖状または分岐鎖状アルキル基があげられ、具体的には、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、ヘプチル基オクチル基、ノニル基、デシル基ウンデシル基、ドデシル基などの直鎖状アルキル基イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基などの分岐鎖状アルキル基;トリフルオロメチル基などの前述の直鎖状アルキル基や分岐鎖状アルキル基上の水素原子を1以上のハロゲン原子置換した基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの環状アルキル基があげられる。

0046

なお、直鎖状アルキル基の例示として炭素数12のもの(ドデシル基)まで示し、炭素数13〜20までのアルキル基については省略している。また、分岐鎖状アルキル基の例示として、炭素数4のもの(ブチル基)について示し、他の炭素数のアルキル基については省略している。

0047

上記の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基の例示の群より選ばれるアルキル基で水酸基の水素原子を置換した基などがあげられる。

0048

上記の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基の例示の群より選ばれるアルキル基でメルカプト基の水素原子を置換した基があげられる。

0049

上記の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基の例示の群より選ばれるアルキル基でアミノ基の1つの水素原子を置換した基があげられる。

0050

上記の置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基の例示の群より選ばれる2つのアルキル基でアミノ基の2つの水素原子を置換した基があげられる。

0051

上記の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基として、フェニル基メチルフェニル基メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、クロロフェニル基、ニトロフェニル基アミノフェニル基ビフェニル基などの単環性アリール基;1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラシル基、2−アントラシル基、4−アントラシル基などの縮環系アリール基;3−ピリジル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、3−チエニル基、2−チエニル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基などのヘテロアリール基などがあげられる。なお、例示した単環性アリール基においては、フェニル基上の置換基の結合位置が、オルト位(o−)、メタ位(m−)、パラ位(p−)のいずれのものも採用することができる。
好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、ニトロフェニル基、アミノフェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラシル基、2−アントラシル基、4−アントラシル基、3−チエニル基、2−チエニル基があげられる。

0052

上記の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基の例示の群より選ばれるアリール基で水酸基の水素原子を置換した基があげられる。

0053

上記の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基の例示の群より選ばれるアリール基でアミノ基の1つの水素原子を置換した基があげられる。

0054

上記の置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基の例示の群より選ばれる2つのアリール基でアミノ基の2つの水素原子を置換した基があげられる。

0055

上記の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基の例示の群より選ばれるアリール基でメルカプト基の水素原子を置換した基があげられる。

0056

上記の置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基の例示の群より選ばれるアルキル基でホルミル基の水素原子を置換した基があげられる。

0057

上記の置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基の例示の群より選ばれるアリール基でホルミル基の水素原子を置換した基があげられる。

0058

上記の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基の例示の群より選ばれるアルキル基が、スルホニル基に1つ結合した1価の基が挙げられる。具体的には、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、デシルスルホニル基などがあげられる。

0059

上記の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基の例示の群より選ばれるアリール基が、スルホニル基に1つ結合した1価の基が挙げられる。
具体的には、フェニルスルホニル基メチルフェニルスルホニル基、メトキシフェニルスルホニル基、エトキシフェニルスルホニル基、フェノキシフェニルスルホニル基、クロロフェニルスルホニル基、ニトロフェニルスルホニル基、アミノフェニルスルホニル基、ビフェニルスルホニル基などの単環性アリールスルホニル基;1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、1−アントラシルスルホニル基、2−アントラシルスルホニル基、4−アントラシルスルホニル基などの縮環系アリールスルホニル基;3−ピリジルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基、4−ピリジルスルホニル基、1−ピロリルスルホニル基、2−ピロリルスルホニル基、3−ピロリルスルホニル基、3−チエニルスルホニル基、2−チエニルスルホニル基、1−イミダゾリルスルホニル基、2−イミダゾリルスルホニル基、4−イミダゾリルスルホニル基、2−チアゾリルスルホニル基、4−チアゾリルスルホニル基、5−チアゾリルスルホニル基、1−ピラゾリルスルホニル基、3−ピラゾリルスルホニル基、4−ピラゾリルスルホニル基などのヘテロアリールスルホニル基などがあげられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基として、好ましくは、フェニルスルホニル基、メチルフェニルスルホニル基、メトキシフェニルスルホニル基、エトキシフェニルスルホニル基、フェノキシフェニルスルホニル基、ニトロフェニルスルホニル基、アミノフェニルスルホニル基などの単環性アリールスルホニル基;1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、1−アントラシルスルホニル基、2−アントラシルスルホニル基、4−アントラシルスルホニル基などの縮環系アリールスルホニル基;3−チエニルスルホニル基、2−チエニルスルホニル基などがあげられる。

0060

置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基の例示の群より選ばれるアルキル基でカルボキシ基の水素原子を置換した基があげられる。

0061

置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基の例示の群より選ばれるアリール基でカルボキシ基の水素原子を置換した基があげられる。

0062

置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基の例示の群より選ばれるアルキル基でジヒドロキシボリル基の水素原子を置換した基、および4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル基があげられる。

0063

置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基として、前述の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基の例示の群より選ばれるアリール基でジヒドロキシボリル基の水素原子を置換した基、およびカテコラトボリル基があげられる。

0064

式(1)中、A3は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基である。
このような芳香族環含有基としては、A3の母体となる芳香族化合物が、複素環のほかに芳香族性を有する環を有し、複素環に含まれる硫黄原子と、芳香族性を有する環と、が直接結合しているものであり、このような芳香族化合物から、水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基であることが好ましい。
また、A3の母体となる芳香族化合物が、複素環と芳香族性を有する環とが縮環した多環式芳香族化合物であり、このような多環式芳香族化合物から、水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基であることがより好ましい。
また、A3の母体となる芳香族化合物が、複素環に2以上の芳香族性を有する環が縮環した三環式以上の多環式芳香族化合物であり、このような多環式芳香族化合物から、水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基がさらに好ましい。

0065

なお、上述した芳香族環含有基において、芳香族化合物から取り去る水素原子は、芳香族性を有する環に結合するものが好ましく、上述の三環式以上の多環式芳香族化合物においては、複素環に縮環した芳香族性を有する環のうち異なる環から、水素原子を1つずつ取り去って得られる2価の芳香族環含有基がさらに好ましい。この場合、A3は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物を母体とする2価の芳香族基となる。

0066

式(1)中のA3としては、例えば、チアゾール系化合物やフェノチアジン系化合物から、芳香環に結合する水素原子を少なくとも1つ取り去り、且つ合計で2つ取り去って得られる2価の芳香族基を例示することができる。ここでのチアゾール系化合物およびフェノチアジン系化合物とは、上記のA1およびA2におけるチアゾール系化合物およびフェノチアジン系化合物と同様なものを例示することができ、その好ましい例も同様である。

0067

A3は置換基を有していてもよい。A3が有してもよい置換基としては、上記のA1およびA2における置換基と同様なものを例示することができ、その好ましい例も同様である。

0068

式(1)中、pは1以上4以下の整数を表す。好ましいpの範囲としては1以上3以下であり、より好ましくは1または2である。

0069

上記含硫黄複素環芳香族化合物は、下記式(2)で表されるものが好ましい。

0070

(式(2)中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表す。
R001〜R006はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、水酸基、ハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ホスホノ基、スルホ基、ホルミル基、メルカプト基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基を表す。
Z01は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基を示す。
B2およびB3は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基である。
B4およびB5は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基である。
qおよびsは0以上3以下の整数を表し、rは1以上4以下の整数を表し、q、rおよびsの総和は1以上4以下である。)

0071

式(2)中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表し、好ましくは−S−で示される基である。

0072

式(2)中、R001〜R006はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、水酸基、ハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ホスホノ基、スルホ基、ホルミル基、メルカプト基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基を表す。

0073

Z001は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基を示す。

0074

R001〜R006におけるハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基としては、A1およびA2が有してもよい置換基の例示であげたものと同様なものをあげることができ、その好ましい例も同様である。

0075

式(2)中、Z01は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基を表す。

0076

Z01における、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基としては、A1およびA2が有してもよい置換基の例示であげたものと同様なものをあげることができる。

0077

Z01における、置換基を有していてもよいアルキル基は、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、より好ましくは炭素数2〜5のアルキル基である。

0078

Z01における、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基としては、前述の置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基の例示の群より選ばれるアルコキシ基で、ホルミル基の水素原子を置換した基があげられる。

0079

Z01における、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基としては、前述の置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基の例示の群より選ばれるアリールオキシ基で、ホルミル基の水素原子を置換した基があげられる。

0080

Z01としては、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数2〜5のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基である。
より好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基である。

0081

式(2)中、B2およびB3は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を1つ取り去って得られる1価の芳香族環含有基である。B2およびB3としては、上記のA1およびA2と同様なものを例示することができ、その好ましい例も同様である。

0082

上記B2およびB3は、置換基を有していてもよい。B2およびB3が有してもよい置換基としては、上記のA1およびA2における置換基と同様なものを例示することができ、その好ましい例も同様である。

0083

式(2)中、B4およびB5は、硫黄原子と窒素原子とを含む複素環を有する芳香族化合物から水素原子を2つ取り去って得られる2価の芳香族環含有基である。B4およびB5としては、上記のA3と同様なものを例示することができ、その好ましい例も同様である。

0084

上記B4およびB5は、置換基を有していてもよい。B2およびB3が有してもよい置換基としては、上記のA3における置換基と同様なものを例示することができ、その好ましい例も同様である。

0085

式(2)中、qおよびsは0以上3以下の整数を表し、上記rは1以上4以下の整数を表し、q、rおよびsの総和は1以上4以下であり、好ましくは1以上3以下であり、より好ましくは1以上2以下であり、特に好ましくは1である。qおよびsは、好ましくは0以上2以下であり、より好ましくは0以上1以下である。rは、好ましくは1以上3以下であり、より好ましくは1以上2以下である。

0086

上記式(2)で示される含硫黄複素環芳香族化合物として、下記式(2−1)〜(2−16)で表される化合物を例示することができる。

0087

0088

0089

なお、上記式(2−1)〜(2−16)中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表す。

0090

さらに、上記含硫黄複素環芳香族化合物は、下記式(3)で示されるものが好ましい。

0091

(式(3)中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表す。
R007〜R026はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、水酸基、ハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ホスホノ基、スルホ基、ホルミル基、メルカプト基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基を表す。
Z02〜Z04はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基を示す。
tは1以上4以下の整数を表す。)

0092

式(3)中、Eは−S−で示される基または−SO−で示される基を表し、好ましくは−S−で示される基である。

0093

式(3)中、R007〜R026はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、水酸基、ハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ホスホノ基、スルホ基、ホルミル基、メルカプト基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基を表す。

0094

式(3)中、R007〜R026における、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のモノアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基としては、A1およびA2が有してもよい置換基の例示であげたものと同様なものをあげることができる。

0095

R007〜R026として、好ましくは水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基があげられる。
より好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のアリール基があげられる。
特に好ましくは、合成が容易であるため水素原子である。

0096

式(3)中、Z02〜Z04はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基を表す。

0097

Z02〜Z04における、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基としては、Z01の例示であげたものと同様なものをあげることができる。

0098

Z02〜Z04として、好ましくは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数2〜5のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアリールオキシカルボニル基である。
より好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数2〜5のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基である。
特に好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基である。

0099

式(3)中、R007〜R026およびZ02〜Z04の好ましい組み合わせにおいては、R007〜R026が、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリールチオ基、ジヒドロキシボリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜40のジアルコキシボリル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜40のジアリールオキシボリル基からなる群より選ばれる基であり、Z02〜Z04が、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数2〜5のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基からなる群より選ばれる基である。

0100

また、より好ましい組み合わせにおいては、R007〜R026が水素原子であり、Z02〜Z04が、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数2〜5のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜21のアロイル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基からなる群より選ばれる基である。

0101

また、さらに好ましい組み合わせにおいては、R007〜R026が水素原子であり、Z02〜Z04が、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基からなる群より選ばれる基である。

0102

式(3)中、tは1以上4以下の整数を表す。好ましくは1以上3以下であり、より好ましくは1または2である。

0103

上記式(3)で示される含硫黄複素環芳香族化合物として、上記式(2−3)〜(2−12)で表される化合物を例示することができる。

0104

さらに、上記式(3)で示される含硫黄複素環芳香族化合物は、下記式(4)で示される含硫黄複素環芳香族化合物であると好ましい。

0105

(式(4)中、E、R007〜R026、Z02〜Z04、tは、それぞれ式(3)で示したものと同様であり、その好ましい例も同様である。)

0106

上記式(4)で示される含硫黄複素環芳香族化合物として、具体的には下記式(4−1)〜(4−32)で表される化合物を例示することができる。

0107

0108

0109

0110

0111

0112

0113

0114

0115

さらに、上記式(4)で示される含硫黄複素環芳香族化合物は、下記式(5)で示される含硫黄複素環芳香族化合物であるとより好ましい。

0116

(式(5)中、E、R007〜R026、Z02〜Z04、tはそれぞれ式(3)で示したものと同様であり、その好ましい例も同様である。)

0117

上記式(5)で示される含硫黄複素環芳香族化合物として、具体的には上記式(4−5)〜(4−8)、(4−13)〜(4−16)、(4−21)〜(4−24)、(4−29)〜(4−32)で表される化合物を例示することができる。

0118

次に、上記式(1)で表される含硫黄複素環芳香族化合物を製造するための方法について説明する。例えば、上記式(3)で表される含硫黄複素環芳香族化合物の製造方法としては、下記の製造方法があげられる。

0119

第1に、(a)芳香環上にハロゲノ基を有するフェノチアジン誘導体、(b)芳香環上にハロゲノ基を有するフェノチアジン−5−オキサイド誘導体、(c)芳香環上にアルキルスルホニルオキシ基を有するフェノチアジン誘導体、(d)芳香環上にアルキルスルホニルオキシ基を有するフェノチアジン−5−オキサイド誘導体、(e)芳香環上にアリールスルホニルオキシ基を有するフェノチアジン誘導体、および(f)芳香環上にアリールスルホニルオキシ基を有するフェノチアジン−5−オキサイド誘導体、からなる群より選ばれる2種の化合物のクロスカップリング反応を用いた製造方法が挙げられる。

0120

第2に、上記(a)〜(f)の化合物からなる群から選ばれる1種の化合物と、(g)フェノチアジン構造を有し、フェノチアジンが有する芳香環にホウ素が結合したボロン酸およびボロン酸エステル、(h)フェノチアジン−5−オキサイド構造を有し、フェノチアジン−5−オキサイドが有する芳香環にホウ素が結合したボロン酸およびボロン酸エステル、からなる群より選ばれる1種の化合物とのクロスカップリング反応(鈴木カップリング)を用いた製造方法が挙げられる。

0121

ここで、上述した(a),(b)の化合物が有するハロゲノ基の例としては、クロロ基、ブロモ基、ヨード基をあげることができる。

0122

また、「フェノチアジン−5−オキサイド誘導体」とは、フェノチアジン−5−オキサイドの骨格を有する化合物(フェノチアジン−5−オキサイドの置換体)を指す。

0123

このような製造方法に用いる反応として、具体的には下記式(4−100)〜(4−700)で表される反応をあげることができる。

0124

0125

0126

上記反応では溶媒を用いることができ、使用可能な溶媒としては、例えば、ヘキサンヘプタントルエン、ベンゼンなどの炭化水素溶媒ジエチルエーテルテトラヒドロフラン(THF)のようなエーテル溶媒アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミドDMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシドDMSO)、γ-ブチロラクトン(GBL)などの非プロトン性極性溶媒ジクロロメタンクロロホルム、1,2−ジクロロエタンクロロベンゼンジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒メタノールエタノールプロパノールなどのアルコール類エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル;2H,3H-デカフルオロペンタンエイコサフルオロノナンヘプタコサフルオロトリブチルアミンヘキサフルオロベンゼンオクタデカフルオロオクタンパーフルオロヘプタンパーフルオロトリエチルアミン、1H,1H,10H,10H-ヘキサデカフロオロ-1,10-デカンジオール、1H,1H-ノナフルオロ-1-ペンタノール、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-プロパノール、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブタノール、ヘプタフルオロ酪酸メチルなどのフッ素系溶媒;水などがあげられる。

0127

また、上記第2のクロスカップリング反応においては、反応を促進させる為、反応系内に塩基共存させることもできる。塩基としては種々の塩基を用いることができ、例えば、水酸化リチウム水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化セシウム炭酸リチウム炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸セシウムアンモニア、などの無機塩基、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基などがあげられる。

0128

なお、上記の含硫黄複素環芳香族化合物の中でも、分子構造内に塩素原子臭素原子ヨウ素原子を含まないものであると、燃料電池を腐食させる原因となりうる塩化物イオン臭化物イオンヨウ化物イオン発生源とならないため、好適に用いることができる。

0129

本実施形態の高分子電解質組成物において、含硫黄複素環芳香族化合物の配合量は、後述する高分子電解質が有しているイオン伝導性等の特性を著しく損なうことない範囲で選択される。含硫黄複素環芳香族化合物の配合量は、好適には、高分子電解質100質量部に対して、0.01質量部以上30質量部以下であり、0.1質量部以上20質量部以下であるとより好ましく、0.5質量部以上10質量部以下であるとさらに好ましく、1質量部以上6質量部以下であると特に好ましい。含硫黄複素環芳香族化合物の配合量がこの範囲であると、燃料電池の長期安定性を達成できるだけでなく、高分子電解質の特性を十分に発揮でき、高分子電解質膜の発電性能等が十分に発揮される。

0130

(高分子電解質)
次に、本実施形態の高分子電解質組成物に用いられる高分子電解質について説明する。高分子電解質としては、以下に示すように、炭化水素系高分子電解質と、フッ素系高分子電解質とを挙げることができる。

0131

高分子電解質は、フッ素系高分子電解質と炭化水素系高分子電解質を組み合わせて含有してもよいが、この場合、高分子電解質の全量(100質量%)に対して、炭化水素系高分子電解質が、51質量%以上であると好ましく、70質量%以上であるとより好ましく、85質量%以上であるとさらに好ましく、90質量%以上であると特に好ましく、最も好ましくは100質量%である。

0132

(炭化水素系高分子電解質)
まず、本発明の一実施態様における高分子電解質組成物に用いることができる炭化水素系高分子電解質について説明する。

0133

ここで、炭化水素系高分子電解質とは、この高分子電解質を構成する元素質量含有比で表してハロゲン原子が15質量%以下である高分子電解質を意味する。かかる炭化水素系高分子電解質は、前記のフッ素系高分子電解質と比較して安価であるという利点を有するため、より好ましい。特に好適な炭化水素系高分子電解質とは実質的にハロゲン原子を含有していない炭化水素系高分子電解質であり、このような炭化水素系高分子電解質は燃料電池の作動時に、ハロゲン化水素を発生して、他の部材を腐食させたりする恐れがない。
なお、ここでいう「炭化水素系高分子電解質」とは複素原子を含んでもよい。

0134

また、炭化水素系高分子電解質は、イオン交換基を有する高分子であることが好ましい。その理由は、高分子電解質組成物にイオン交換基を有する高分子電解質が含まれると、高分子電解質組成物を用いて形成する後述の高分子電解質膜や触媒層のイオン伝導性が良好になるためである。

0135

上述のイオン交換基として、酸性のイオン交換基(すなわち、カチオン交換基)または塩基性のイオン交換基(すなわち、アニオン交換基)が挙げられる。高いプロトン伝導性を得る観点から、イオン交換基はカチオン交換基であることが好ましい。カチオン交換基を有する高分子電解質を用いることにより、一層発電性能に優れた燃料電池が得られる。カチオン交換基としては、例えば、スルホ基(−SO3H)、カルボキシ基(−COOH)、ホスホノ基(−PO3H2)、スルホニルイミド基(−SO2NHSO2−)、フェノール性水酸基等が挙げられる。これらの中でも、カチオン交換基としては、スルホ基またはホスホノ基がより好ましく、スルホ基が特に好ましい。なお、これらのイオン交換基は、部分的に、あるいは全てが、金属イオンや4級アンモニウムイオン等で交換されて塩を形成していてもよいが、燃料電池用部材として使用する際には、実質的に全てが遊離酸の形態であることが好ましい。前記イオン交換基が遊離酸の形態であると、後述する積層フィルムの製造において、高分子電解質溶液の調製がより容易になるという利点もある。

0136

これらのイオン交換基は、高分子電解質の主鎖もしくは側鎖の何れか一方に、または両方に導入されていてもよいが、主鎖へ導入されているのが好ましい。

0137

前記高分子電解質がイオン交換基を有する場合、前記イオン交換基の導入量は、高分子電解質単位質量当たりのイオン交換基数であるイオン交換基容量で表すことができる。

0138

ここで「イオン交換基容量」とは、高分子電解質膜や触媒層を構成する高分子電解質の、乾燥樹脂1g当たりに含有するイオン交換基の当量数で定義される値[ミリ当量/g乾燥樹脂](以下、meq/g)である。

0139

また、「乾燥樹脂」とは高分子電解質を、水の沸点以上の温度に保持し、質量減少がほとんどなくなり質量の経時変化がほぼ一定値収束した樹脂をいう。

0140

本実施形態で用いる高分子電解質は、イオン交換基の導入量が、イオン交換容量で表して0.5meq/g以上6.0meq/g以下であると好ましく;1.0meq/g以上6.0meq/g以下であるとより好ましく;2.0meq/g以上5.5meq/g以下であると、更に好ましく;2.7meq/g以上5.0meq/g以下であると最も好ましい。イオン交換容量がこの範囲であると、得られる高分子電解質膜や触媒層のプロトン伝導性や耐水性がより良好となり、いずれも燃料電池の使用される高分子電解質膜や触媒層としての機能が優れるので好ましい。

0141

以下、好適なイオン交換基を有する高分子電解質に関し詳述する。このような高分子電解質の具体例としては、例えば、下記の(A)〜(F)で表される高分子電解質が挙げられる。
(A)主鎖が脂肪族炭化水素からなる高分子に、イオン交換基が導入された高分子電解質;
(B)主鎖が脂肪族炭化水素からなり、主鎖の一部の水素原子がフッ素原子で置換された高分子に、イオン交換基が導入された高分子電解質;
(C)主鎖が芳香環を有する高分子に、イオン交換基が導入された高分子電解質;
(D)主鎖が、シロキサン基フォスファゼン基等の無機単位構造を有する高分子にイオン交換基が導入された高分子電解質;
(E)高分子電解質(A)〜(D)の調製に使用する高分子の主鎖を構成する構造単位から選ばれる2種以上の構造単位を組み合わせた共重合体に、イオン交換基が導入された高分子電解質;
(F)主鎖や側鎖に窒素原子を含む炭化水素系高分子に、硫酸リン酸等の酸性化合物イオン結合により導入した高分子電解質

0142

なお、以下の例示においては、イオン交換基がスルホ基である高分子電解質を主として例示するが、このスルホ基を別のイオン交換基に置き換えた高分子電解質でもよい。

0143

前記(A)の高分子電解質としては、例えば、ポリビニルスルホン酸ポリスチレンスルホン酸ポリα−メチルスチレンスルホン酸等が挙げられる。

0144

前記(B)の高分子電解質としては、特開平9−102322号公報に記載された炭化フッ素系ビニルモノマー炭化水素系ビニルモノマーとの共重合によって製造された高分子を主鎖とし、スルホ基を有する炭化水素鎖を側鎖とし、共重合様式グラフト重合であるスルホン酸型ポリスチレン−グラフトエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)が挙げられる。また、米国特許第4,012,303号公報または米国特許第4,605,685号公報に記載された方法により得られる炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化水素系ビニルモノマーとの共重合体に、α,β,β−トリフルオロスチレンをグラフト重合させ、これにスルホ基を導入して固体高分子電解質としたスルホン酸型ポリ(トリフルオロスチレン)−グラフト−ETFEも挙げることができる。

0145

前記(C)の高分子電解質は、主鎖に酸素原子等のヘテロ原子を含む高分子電解質であってもよい。このような高分子電解質としては、例えば、ポリエーテルケトンポリエーテルエーテルケトンポリスルホンポリエーテルスルホンポリエーテルエーテルスルホン、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリイミド、ポリ((4−フェノキシベンゾイル)−1,4−フェニレン)、ポリフェニルキノサレン等の単独重合体のそれぞれに、スルホ基が導入された高分子電解質が挙げられる。具体的には、スルホアリール化ポリベンズイミダゾールスルホアルキル化ポリベンズイミダゾール(例えば、特開平9−110982号公報参照)等が挙げられる。前記(C)の高分子電解質は、主鎖が酸素原子等のヘテロ原子で中断されている化合物であってもよく、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリイミド、ポリ((4−フェノキシベンゾイル)−1,4−フェニレン)、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニルキノキサレン、スルホアリール化ポリベンズイミダゾール、スルホアルキル化ポリベンズイミダゾール、ホスホアルキル化ポリベンズイミダゾール、ホスホン化ポリ(フェニレンエーテル)が挙げられる。このような高分子電解質は、特開平9−110982号公報、およびJ.Appl.Polym.Sci.,18,1969(1974)にも記載されている。

0146

前記(D)の高分子電解質としては、例えば、ポリフォスファゼンにスルホ基が導入された高分子電解質等が挙げられる。これらは、Polymer Prep.,41,No.1,70(2000)に記載された方法に準じて容易に製造することができる。

0147

前記(E)の高分子電解質は、スルホ基が導入されたランダム共重合体、スルホ基が導入された交互共重合体、またはスルホ基が導入されたブロック共重合体のいずれであってもよい。

0148

前記(F)の高分子電解質としては、例えば、特表平11−503262号公報に記載されたようなリン酸を導入させたポリベンズイミダゾール等が挙げられる。

0149

さらに、本発明の一実施態様における高分子電解質組成物に使用する高分子電解質としては、イオン交換基を有する構造単位とイオン交換基を有しない構造単位とからなる共重合体が、好ましい。このような共重合体であると、得られる高分子電解質を用い、後述の方法にて作成される高分子電解質膜や触媒層が良好なプロトン伝導性と耐水性を発現し、燃料電池用として有利であるという利点がある。なお、かかる共重合体に関し、2種の構造単位の共重合様式は、ランダム共重合ブロック共重合グラフト共重合または交互共重合のいずれであってもよく、これらの共重合様式を組合わせてもよい。

0150

燃料電池用として良好な耐熱性を有する高分子電解質膜や触媒層を得るためには、前記炭化水素系高分子電解質であって、中でも、主鎖に芳香環を有する炭化水素系高分子電解質(すなわち、上記(C)で表される炭化水素系高分子電解質)が好ましく;さらには主鎖を構成する芳香環を有し、且つ前記芳香環に直接結合または他の原子もしくは原子団を介して間接的に結合したイオン交換基を有する炭化水素系高分子電解質が好ましい。特に、主鎖を構成する芳香族を有し、さらに芳香環を有する側鎖を有してもよく、主鎖を構成する芳香環か側鎖の芳香環の、どちらかの芳香環に直接結合したイオン交換基を有する芳香族系高分子電解質が好ましい。

0151

特に好ましい芳香族系高分子電解質としては、分子構造内にイオン交換基を有する構造単位と、イオン交換基を有しない構造単位と、を有する高分子電解質が例示される。

0152

上述のイオン交換基を有する構造単位としては、下記式(11a)〜(14a)で示される構造を例示することができる。

0153

(式中、Ar1〜Ar9は、それぞれ同一または相異なり、主鎖に芳香環を有し、さらに芳香環を有する側鎖を有してもよい2価の芳香族基を表し;イオン交換基が、前記主鎖の芳香環か側鎖の芳香環の少なくとも1つに直接結合しており;ZおよびZ’はそれぞれ同一または相異なり−CO−で示される基、または−SO2−で示される基のいずれかを表し;X、X’およびX”はそれぞれ同一または相異なり−O−で示される基、−S−で示される基のいずれかを表し;Yは直接結合もしくは下記式(15)で表される基を表し;pは0、1または2を表し;q、rはそれぞれ同一または相異なり1、2または3を表す。)

0154

また、上述のイオン交換基を有しない構造単位としては、下記式(11b)〜(14b)で示される構造を例示することができる。

0155

(式中、Ar11〜Ar19は、それぞれ同一または相異なり側鎖としての置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表し;ZおよびZ’はそれぞれ同一または相異なり−CO−で示される基、または−SO2−で示される基のいずれかを表し;X、X’およびX”はそれぞれ同一または相異なり−O−で示される基、または−S−で示される基のいずれかを表し;Yは直接結合もしくは下記式(15)で表される基を表し;p’は0、1または2を表し、q’、およびr’はそれぞれ同一または相異なり1、2または3を表す。)

0156

(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基または置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基を表し;R1とR2とが連結して環を形成していてもよく;R1とR2とが連結して形成される環を有する式(15)の基としては、シクロヘキシリデン基などの炭素数5〜20の2価の環状炭化水素基が挙げられる。)

0157

イオン交換基を有する構造単位を示す式(11a)〜(14a)において、Ar1〜Ar9は、2価の芳香族基を表す。2価の芳香族基としては、例えば、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基等の2価の単環性芳香族炭化水素基;1,3−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、1,6−ナフタレンジイル基、1,7−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基等の2価の縮合環系芳香族炭化水素基;ピロールイミダゾールピラゾールイソオキサゾール、ピリジン、ピラジンピリミジンピリダジンインドリジンイソインドール、3H−インドール、インドール、1H−インダゾールプリン、4H−キノリジンキノリンイソキノリンフタラジンナフチリジンキノキサリンキナゾリンシンノリンプテリジンカルバゾールカルボリンフェナントリジンアクリジンペリジンフェナントロリンフェナジンフラザンフェノキサジンインドリンイソインドリンオキサゾールベンゾオキサゾール、1,3,5−トリアジンテトラゾールテトラジントリアゾール、フェナルサジン、ベンゾイミダゾール、およびベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる1種の化合物から芳香環上の水素原子を2個取り去って得られる2価のヘテロ芳香族基;および下記式(N−01)〜(N−07)で表される構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む2価のヘテロ芳香族基等が挙げられる。

0158

0159

式(11a)〜(14a)におけるAr1〜Ar9としては、好ましくは、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基等の2価の単環性芳香族炭化水素基;1,3−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、1,6−ナフタレンジイル基、1,7−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基等の2価の縮合環系芳香族炭化水素基であり;より好ましくは2価の単環性芳香族炭化水素基である。

0160

また、式(11a)〜(14a)におけるAr1〜Ar9で表される芳香族基の芳香環上の水素原子は、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基または置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基で置換されていてもよい。

0161

式(11a)〜(13a)におけるZおよびZ’は、それぞれ同一または相異なり−CO−で示される基、または−SO2−で示される基を表し、耐久性が高い高分子電解質となることから−SO2−で示される基が好ましい。

0162

式(11a)〜(13a)におけるX、X’およびX”は、それぞれ同一または相異なり−O−で示される基または−S−で示される基を表し、耐久性の観点から−O−で示される基が好ましい。

0163

式(12a)におけるYは、直接結合または上記式(15)で表される基を表し、好ましくは直接結合である。

0164

式(12a)におけるpは、0、1または2を表し、好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。

0165

式(13a)におけるq、rはそれぞれ同一または相異なり1、2または3を表し、好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。

0166

式(11a)〜(14a)におけるAr1〜Ar9で表される芳香族基は、芳香環に少なくとも一つのイオン交換基を有する。前記イオン交換基の具体例および好ましい例は前述のものと同様なものを挙げることができる。これらのイオン交換基は、高分子電解質の主鎖、側鎖の何れか一方、または両方に導入されていてもよいが、主鎖の芳香環へ導入されているのが好ましい。前記イオン交換基として、上述のように酸性のイオン交換基が好ましく、酸性のイオン交換基の中でも、スルホ基またはホスホノ基がより好ましく、スルホ基が特に好ましい。

0167

また、式(14a)で表されるイオン交換基を有する構造単位の例の一つとして、下記式(14a−1)で表される構造単位を挙げることができる。

0168

(上記式(14a−1)中、Ar110、Ar120、Ar130は、それぞれ独立に、2価の芳香族基を示し、その芳香環上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく;Y000は、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)u000−(u000は1〜10の整数である)、−C(CF3)2−または直接結合を示し;Z000は、−O−、−S−、直接結合、−CO−、−SO2−、−SO−、−(CH2)k000−(k000は1〜10の整数である)または−C(CH3)2−を示し;R110は、直接結合、−O(CH2)p000−、−O(CF2)p000−、−(CH2)p000−または−(CF2)p000−を示し(p000は、1〜12の整数を示す);R120、R130は、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属原子または炭化水素基を示し;ただし、上記式中に含まれる全てのR120およびR130のうち少なくとも1個は水素原子であり;x100は、0〜4の整数であり;x200は、1〜5の整数であり;a000は、0〜1の整数であり、b000は、0〜3の整数を示す。)

0169

式(14a−1)におけるAr110、Ar120およびAr130は、2価の芳香族基を表す。このような2価の芳香族基としては、式(11a)〜(14a)におけるAr1〜Ar9と同様の2価の芳香族基が挙げられる。

0170

R120、R130は、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属原子または炭化水素基を示す。アルカリ金属原子としては、例えば、リチウムナトリウムカリウムルビジウム、またはセシウム、が挙げられる。
炭化水素基としては、複素環基を有していてもよく、このような炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基等の直鎖状炭化水素基分岐状炭化水素基脂環式炭化水素基、複素環基を有する炭化水素基等が挙げられる。これらのうちn−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基が好ましい。なお、R120、R130は、水素原子であることが好ましい。

0171

上記式(14a−1)で表される構造単位は、さらに下記式(14a−2)で表される構造単位であることが好ましい。

0172

(式(14a−2)中、Y001は−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)h−(ここでのhは1〜10の整数である)、および−C(CF3)2−からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を示し;Z001は直接結合または、−(CH2)g−(ここでのgは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−、−CO−および−SO2−からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を示し;Ar001は−SO3H、−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し;pは1〜12の整数を示し;m001は0〜10の整数を示し;n001は0〜10の整数を示し;k001は1〜4の整数を示す。)

0173

上記式(14a−2)で表されるイオン交換基を有する構造単位の具体例としては、後述の式(4a−13)〜(4a−20)で表される構造単位を挙げることができる。

0174

一方、イオン交換基を有しない構造単位を示す式(11b)〜(14b)において、Ar11〜Ar19は、互いに独立に2価の芳香族基を表す。このような2価の芳香族基としては、例えば、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基等の2価の単環性芳香族炭化水素基;1,3−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、1,6−ナフタレンジイル基、1,7−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基等の2価の縮合環系芳香族炭化水素基;ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、3H−インドール、インドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フラザン、フェノキサジン、インドリン、イソインドリン、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、1,3,5−トリアジン、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、フェナルサジン、ベンゾイミダゾール、およびベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる1種の化合物から芳香環上の水素原子を2個取り去って得られる2価のヘテロ芳香族基;および下記式(N−01)〜(N−07)で表される構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む2価のヘテロ芳香族基等が挙げられる。

0175

0176

式(11b)〜(14b)におけるAr11〜Ar19としては、好ましくは、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基等の2価の単環性芳香族炭化水素基、1,3−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、1,6−ナフタレンジイル基、1,7−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基等の2価の縮合環系芳香族炭化水素基であり、より好ましくは2価の単環性芳香族炭化水素基である。

0177

式(11b)〜(13b)におけるZおよびZ’は、それぞれ同一または相異なり−CO−で示される基、または−SO2−で示される基を表し、耐久性の観点から−SO2−で示される基が好ましい。

0178

式(11b)〜(13b)におけるX、X’およびX”は、それぞれ同一または相異なり−O−で示される基または−S−で示される基を表し、耐久性の観点から−O−で示される基が好ましい。

0179

式(12b)におけるYは、直接結合または上記式(15)で表される基を表し、好ましくは直接結合である。

0180

式(12b)におけるp’は、0、1または2を表し、好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。

0181

式(13a)におけるq’およびr’はそれぞれ同一または相異なり1、2または3を表し、好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。

0182

また、Ar11〜Ar19で表される芳香族基の芳香環上の水素原子は、フッ素原子、ホルミル基、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基または置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基で置換されていてもよい。なお、ここでいう「置換基を有していてもよい」の置換基とは前記イオン交換基を包含するものではない。

0183

ここで、前述の2価の芳香族基(式(11a)〜(14a)におけるAr1〜Ar9で表される芳香族基および式(11b)〜(14b)におけるAr11〜Ar19で表される芳香族基)の置換基を以下に例示する。

0184

置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−メチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基等の炭素数1〜20のアルキル基;およびこれらの基にフッ素原子、ヒドロキシ基ニトリル基、アミノ基、メトキシ基エトキシ基イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基ナフチルオキシ基等が置換され、その総炭素数が20以下であるアルキル基が挙げられる。

0185

置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、イコシルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基;およびこれらの基にフッ素原子、ヒドロキシ基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が置換され、その総炭素数が20以下であるアルコキシ基が挙げられる。

0186

置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基アントラセニル基等のアリール基;およびこれらの基にフッ素原子、ヒドロキシ基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が置換され、その総炭素数が20以下であるアリール基が挙げられる。

0187

置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、フェナントレニルオキシ基、アントラセニルオキシ基等のアリールオキシ基;およびこれらの基にフッ素原子、ヒドロキシ基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が置換され、その総炭素数が20以下であるアリールオキシ基が挙げられる。

0188

置換基を有していてもよい炭素数2〜21のアシル基としては、例えば、アセチル基プロピオニル基ブチリル基イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20のアシル基;およびこれらの基にフッ素原子、ヒドロキシ基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が置換され、その総炭素数が21以下であるアシル基が挙げられる。

0189

前記置換基は、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、アントラセニル基等のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基、フェナントレニルオキシ基、アントラセニルオキシ基等のアリールオキシ基;ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の芳香環を有するアシル基等の芳香環を有する置換基であると、ポリマーの耐熱性が良好となる傾向があり、より実用的な燃料電池用部材が得られるため好ましい。

0190

芳香環を有するアシル基を置換基として有する重合体を含む高分子電解質においては、前記アシル基を有する2つの構造単位が隣接し、前記2つの構造単位にあるアシル基同士が結合したり、アシル基同士が結合した後に転位反応を生じたりすることにより、構造が変化する場合がある。また、このような構造変化が生じたか否かは、例えば13C−核磁気共鳴スペクトルの測定により確認することができる。

0191

なお、本発明においての炭化水素系高分子電解質の好ましい要素の一つとして、この高分子電解質を構成する元素質量含有比で表してハロゲン原子が15質量%以下である高分子電解質であることが挙げられる。かかる炭化水素系高分子電解質は、前記のフッ素系高分子電解質と比較して安価であるという利点を有するため、より好ましい。特に好適な炭化水素系高分子電解質とは実質的にハロゲン原子を含有していない炭化水素系高分子電解質であり、このような炭化水素系高分子電解質は燃料電池の作動時に、ハロゲン化水素を発生して、他の部材を腐食させたりする恐れがない。

0192

前記炭化水素系高分子電解質は、イオン交換基を有する構造単位、および、イオン交換基を有しない構造単位を有し、イオン交換基を有する構造単位が密な相が膜厚方向連続相を形成できれば、よりプロトン伝導性に優れる高分子電解質膜や触媒層が得られるといった利点があるので好ましい。

0193

本発明において、好適な高分子電解質は、前記式(11a)〜(14a)で表される構造単位からなる、イオン交換基を有する構造単位と、前記式(11b)〜(14b)で表される構造単位からなる、イオン交換基を有しない構造単位とを有する高分子電解質である。このような高分子電解質は、イオン交換基を有する構造単位と、イオン交換基を有しない構造単位と、のそれぞれに対応するモノマーまたはオリゴマー出発物質とする共重合体として得ることができる。さらに好適なイオン交換基を有する構造単位と、イオン交換基を有しない構造単位との組み合わせとしては、下記の表1の<A>〜<M>に示す組み合わせをあげることができる。

0194

0195

本発明において好適に用いられる高分子電解質の構造としては、更に好ましくは、<B>、<C>、<D>、<G>、<H>、<I>、<J>、<L>または<M>であり;より更に好ましくは<G>、<H>、<L>または<M>であり;殊更に好ましくは<G>、<H>または<L>であり;特に好ましくは<G>または<L>である。

0196

好適な共重合体の例として、以下に示すイオン交換基を有する構造単位の群から選ばれる1種または2種以上の構造単位と、以下に示すイオン交換基を有しない構造単位の群から選ばれる1種または2種以上の構造単位と、からなる共重合体を挙げることができる。なお、イオン交換基を有する繰り返し単位におけるイオン交換基は、好適なスルホ基により例示している。もちろん、スルホ基に代えて上述のイオン交換基のいずれかを採用してもよい。

0197

また、これら構造単位同士は直接結合している形態でもよく、適当な原子または原子団で連結している形態でもよい。ここでいう構造単位同士を結合する原子または原子団の典型的な例としては、2価の芳香族基、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基またはこれらを組み合わせてなる2価の基を挙げることができる。

0198

(イオン交換基を有する構造単位)

0199

0200

(イオン交換基を有しない構造単位)

0201

0202

(式(4b−15)〜(4b−32)中、r000は0または1以上の整数を示し;r000は、好ましくは100以下であり、 より好ましくは1以上80以下である。)

0203

前記例示の中でも、イオン交換基を有する構造単位を表す式としては、式(4a−1)、(4a−2)、(4a−3)、(4a−4)、(4a−5)、(4a−6)、(4a−7)、(4a−8)、(4a−9)、(4a−10)、(4a−11)および(4a−12)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位が好ましい。同様に、式(4a−10)、(4a−11)および(4a−12)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位がより好ましく、式(4a−11)または(4a−12)が特に好ましい。

0204

このような構造単位を含むセグメントを有する高分子電解質、特に、このような構造単位を繰り返し単位として含むセグメント(イオン交換基を有するセグメント)を有する高分子電解質は、このセグメントがポリアリーレン構造となるために化学的安定性も比較的良好となる傾向がある。

0205

また、イオン交換基を有しない構造単位を表す式としては、式(4b−1)、(4b−2)、(4b−3)、(4b−4)、(4b−5)、(4b−6)、(4b−7)、(4b−8)、(4b−9)、(4b−10)、(4b−11)、(4b−12)、(4b−13)および(4b−14)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位が好ましい。同様に、式(4b−2)、(4b−3)、(4b−10)、(4b−13)および(4b−14)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位がより好ましく;式(4b−2)、(4b−3)および(4b−14)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位が特に好ましい。

0206

本発明に係る高分子電解質は、イオン交換基を有する構造単位と、イオン交換基を有しない構造単位とを有する高分子電解質であり、この2種の構造単位の共重合様式は、ランダム共重合、交互共重合、ブロック共重合、またはグラフト共重合の何れでもよく、これらの共重合様式の組み合わせでもよい。好ましくは、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合であり;より好ましくは、ランダム共重合、ブロック共重合であり;特に好ましくはブロック共重合である。

0207

ブロック共重合体としては、主としてイオン交換基を有する構造単位からなるセグメント(イオン交換基を有するセグメント)、および主としてイオン交換基を有しない構造単位からなるセグメント(すなわち、イオン交換基を実質的に有しないセグメント)とを有する共重合体が好ましい。このようなブロック共重合体では、イオン交換基を有するセグメントが密な相が膜厚方向に連続相を形成することで、よりプロトン伝導性に優れる高分子電解質膜や触媒層が得られるといった利点がある。また、好適なイオン交換基を有するセグメントを構成する構造単位とイオン交換基を実質的に有しないセグメントを構成する構造単位の組み合わせとしては、下記の表2の<A>〜<M>に示すセグメントの組み合わせを挙げることができる。

0208

0209

更に好ましくは、<B>、<C>、<D>、<G>、<H>、<I>、<J>、<L>または<M>であり;より更に好ましくは<G>、<H>、<L>または<M>であり;殊更に好ましくは<G>、<H>または<L>であり;特に好ましくは<G>または<L>である。

0210

前記例示の中でも、イオン交換基を有するセグメントを構成する繰り返し単位に用いられる構造単位を表す式としては式(4a−1)、(4a−2)、(4a−3)、(4a−4)、(4a−5)、(4a−6)、(4a−7)、(4a−8)、(4a−9)、(4a−10)、(4a−11)および(4a−12)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位が好ましく;式(4a−10)、(4a−11)および(4a−12)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位がより好ましく;式(4a−11)または(4a−12)が特に好ましい。

0211

本発明に係る上記ブロック共重合体の好ましい形態の一つとして、イオン交換基を有するセグメントの主鎖が、実質的に複数の芳香環が直接連結してなるポリアリーレン構造を有することがあげられる。そのようなセグメントの構造単位として、好ましくは前述の式(4a−10)、(4a−11)、(4a−12)、(4a−13)、(4a−14)、(4a−15)、(4a−16)、(4a−17)、(4a−18)、(4a−19)および(4a−20)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位が好ましく、式(4a−10)、(4a−11)および(4a−12)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位がより好ましく、式(4a−11)または(4a−12)が特に好ましい。

0212

このような構造単位からなる繰り返し単位を含むセグメント(すなわち、イオン交換基を有するセグメント)を有する高分子電解質、特に、このような繰り返し単位からなるセグメントを有する高分子電解質は、優れたイオン伝導性を発現できるものであり、このセグメントがポリアリーレン構造となるために化学的安定性も比較的良好となる傾向がある。

0213

ここで「ポリアリーレン構造」とは、主鎖を構成している芳香環同士が実質的に直接結合で結合されている形態であり、具体的には、前記芳香環同士の結合の総数を100%としたとき、直接結合の割合が80%以上の構造であると好ましく、90%以上の構造であるとより好ましく、95%以上の構造であると更に好ましい。なお、直接結合で結合されている形態以外の形態とは、芳香環同士が2価の原子または2価の原子団を介して結合している形態である。

0214

イオン交換基を有しないセグメントを構成する繰り返し単位に用いられる構造単位を表す式としては、式(4b−1)、(4b−2)、(4b−3)、(4b−4)、(4b−5)、(4b−6)、(4b−7)、(4b−8)、(4b−9)、(4b−10)、(4b−11)、(4b−12)、(4b−13)および(4b−14)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位が好ましく;式(4b−2)、(4b−3)、(4b−9)、(4b−10)、(4b−13)および(4b−14)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位がより好ましく;式(4b−2)、(4b−3)、(4b−13)および(4b−14)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位がよりさらに好ましく;式(4b−2)、(4b−3)および(4b−14)からなる群から選ばれる1種以上の構造単位が特に好ましい。

0215

また、イオン交換基を有するセグメントとイオン交換基を実質的に有しないセグメントとは、直接結合している形態でもよく、適当な原子または原子団で連結している形態でもよい。ここでいうセグメント同士を結合する原子または原子団の典型的な例としては、2価の芳香族基、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基またはこれらを組み合わせてなる2価の基を挙げることができる。

0216

好適なブロック共重合体の例として、上記に示すイオン交換基を有する構造単位の群から選ばれる1種または2種以上の構造単位を含むセグメント(すなわち、イオン交換基を有するセグメント)と、主として上記に示すイオン交換基を有しない構造単位の群から選ばれる1種または2種以上の構造単位を含むセグメント(すなわち、イオン交換基を実質的に有しないセグメント)と、からなるブロック共重合体を挙げることができる。

0217

ここで、「イオン交換基を有するセグメント」とは、イオン交換基が、前記セグメントを構成する構造単位1個あたりで平均0.5個以上含まれているセグメントであることを意味し、構造単位1個あたりでイオン交換基が平均1.0個以上含まれているとより好ましい。

0218

一方、「イオン交換基を実質的に有しないセグメント」とは、イオン交換基が、前記セグメントを構成する構造単位1個あたりで平均0.5個未満であるセグメントであることを意味し、構造単位1個あたりでイオン交換基が平均0.1個以下であるとより好ましく;平均0.05個以下であるとさらに好ましい。

0219

典型的には、イオン交換基を有するセグメントとイオン交換基を実質的に有しないセグメントとが、直接結合で結合されているか、適当な原子または原子団で結合された形態のブロック共重合体である。

0220

上記式(11a)〜(14a)で表される構造単位から選ばれる1種以上の構造単位からなるセグメントの重合度は2以上であり、3以上が好ましく;5以上がより好ましく;10以上が更に好ましい。また、かかるセグメントの重合度は1000以下が好ましく;500以下が好ましい。この重合度が2以上、好ましくは5以上であれば、燃料電池用の高分子電解質として、十分なプロトン伝導度を発現し、この重合度が1000以下であれば、製造がより容易である利点がある。
即ち、かかるセグメントの重合度は、2以上、1000以下が好ましく;5以上、1000以下がよりに好ましく;5以上、500以下が更に好ましく;10以上、500以下が最も好ましい。

0221

また、式(11b)〜(14b)で表される構造単位から選ばれる1種以上の構造単位からなるセグメントの重合度は1以上であり、2以上が好ましく;3以上がより好ましい。また、かかるセグメントの重合度は100以下が好ましく;90以下がより好ましく;80以下が更に好ましい。重合度がこのような範囲内であれば、燃料電池用の高分子電解質として、十分な機械強度を有し、製造が容易であるので好ましい。
即ち、かかるセグメントの重合度は、1以上、100以下が好ましく;2以上、90以下がより好ましく;3以上、80以下が更に好ましい。

0222

また、本発明で用いられる炭化水素系高分子電解質の分子量は、ポリスチレン換算の数平均分子量で表して、5000〜1000000であることが好ましく;10000〜800000であることがより好ましく;10000〜600000であることがより更に好ましく;中でも15000〜400000であることが特に好ましい。このような範囲の分子量の高分子電解質を用いることにより、後述の方法にて作成される高分子電解質膜は、その膜の形状を安定的に維持できる傾向がある。前記数平均分子量は、GPC法により測定される。

0223

(フッ素系高分子電解質)
また、本発明の一実施形態における高分子電解質組成物に用いることができるフッ素系高分子電解質としては、通常知られたフッ素系高分子電解質を例示することができる。例えば、上述の炭化水素系高分子電解質中の水素原子がフッ素原子で置換されたフッ素系高分子電解質を用いることができる。具体的には、パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー、またはパーフルオロカルボン酸ポリマーが挙げられる。他にも、Nafion(デュポン登録商標)、旭化成製のAciplex(旭化成登録商標)、旭硝子製のFlemion(旭硝子登録商標)等のフッ素系高分子電解質や、上述した特開2003−113136号公報に記載されているフッ素系高分子電解質等も用いることが可能である。
なお、「フッ素系高分子電解質」とは、当該高分子電解質を構成する元素質量含有比で表してフッ素原子が15質量%を超える高分子電解質を意味する。

0224

(その他成分)
また、本実施形態の高分子電解質組成物には、高分子電解質組成物の効果を損なわない範囲で、通常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤保水剤等の添加剤を添加することができる。

0225

以上のような高分子電解質組成物では、含硫黄複素環芳香族化合物が安定剤として機能する。そのため、本実施形態の高分子電解質組成物を用いると、長期安定性の良好な高分子電解質膜や膜電極接合体、さらには発電性能と長期安定性の良好な燃料電池を実現することができる。

0226

また、以上のような含硫黄複素環芳香族化合物は、上述の高分子電解質組成物に有用な安定化剤である。

0227

[高分子電解質膜]
次に、上述の高分子電解質組成物を形成材料とする、本実施形態の高分子電解質膜について説明する。

0228

本実施形態の高分子電解質膜は、上記の含硫黄複素環芳香族化合物と高分子電解質とを含有する高分子電解質組成物を含むことを特徴とする。高分子電解質膜は、以下の(i)〜(iv)の工程を含む溶液キャスト法により製造される高分子電解質膜が好ましい。

0229

(i)上述のような高分子電解質組成物を、少なくとも高分子電解質組成物に含まれる高分子電解質を溶解し得る有機溶媒に溶解し、液状組成物を調製する工程;
(ii)前記(i)で得られた液状組成物を、比較的平滑な表面を有する支持基材上に流延塗工し、前記支持基材上に高分子電解質の流延膜を形成する工程;
(iii)前記(ii)で支持基材上に形成された流延膜から、前記有機溶媒を除去して、前記支持基材上に高分子電解質膜を形成する工程;
(iv)前記(iii)の工程を行った後、支持基材と高分子電解質膜とを分離する工程

0230

ここで、前記溶液キャスト法に関する各工程(i)〜(iv)に関し順次説明する。

0231

(工程(i))
まず、工程(i)では液状組成物を調製する。この液状組成物の調製に使用する有機溶媒としては、使用する1種または2種以上の高分子電解質を溶解し得るものが選ばれる。また、高分子電解質組成物に加えて、添加剤などの成分を用いる場合は、これら他の成分も共に溶解し得る有機溶媒が好ましい。

0232

使用する有機溶媒は、少なくとも使用する高分子電解質組成物に含まれる高分子電解質を溶解し得る溶媒であり、好ましくは、少なくとも使用する高分子電解質組成物に含まれる高分子電解質を、25℃で1質量%以上の濃度で溶解し得る有機溶媒である。より好適には、少なくとも使用する高分子電解質組成物に含まれる高分子電解質を5質量%以上50質量%の濃度で溶解し得る有機溶媒を用いる。

0233

また、この有機溶媒は、次の工程(ii)において支持基材上に高分子電解質組成物の流延膜を形成した後に、加熱処理により除去し得る程度の揮発性が必要である。ただし、前記有機溶媒は少なくとも1種、101.3kPa(1気圧)における沸点が150℃以上である有機溶媒を含むことが好ましい。液状組成物の調製に使用する有機溶媒として沸点が150℃未満の有機溶媒のみを用いると、後述する工程(iii)で流延膜から有機溶媒を除去して高分子電解質膜を形成しようとすると、形成した高分子電解質膜に凹凸状の外観不良が発生するおそれがある。これは、沸点が150℃未満である有機溶媒では、前記流延膜から急激に有機溶媒が揮発してしまうためである。

0234

前記高分子電解質溶液の調製に好適な有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、γ-ブチロラクトン(GBL)などの非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。

0235

これらは単独で用いることもできるが、2種以上の有機溶媒を混合して用いることもできる。中でも、非プロトン性極性溶媒を含む有機溶媒が好ましく、実質的に非プロトン性極性溶媒からなる有機溶媒が特に好ましい。ここでいう「実質的に非プロトン性極性溶媒からなる有機溶媒」とは、主として非プロトン性極性溶媒からなる有機溶媒を意味するが、企図せず含有される水分などの存在を排除するものではない。前記非プロトン性極性溶媒は、支持基材に対して親和性が比較的小さく、前記支持基材に非プロトン性極性溶媒が吸収され難いという利点もある。また、上述の好適な高分子電解質であるブロック共重合体の溶解性が高いという点では、前記非プロトン性極性溶媒の中でも、DMSO、DMF、DMAc、NMP、GBLまたはこれらから選ばれる2種以上の混合溶媒が好ましい。

0236

(工程(ii))
次に、工程(ii)の工程について説明する。図1は、工程(ii)〜(iv)を示す工程図であり、図1(a)は工程(ii)を示す図である。

0237

この工程は、前記工程(i)で得られた液状組成物12Sを支持基材P上に流延塗工し、流延膜12Aを形成する工程である。流延塗工の方法としては、ローラーコート法スプレイコート法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリーン印刷法などの各種手段を用いることができるが、好ましくは、ダイと呼ばれる一定クリアランスが設けられた金型により、所定の幅および厚みに高分子電解質溶液を賦型する手段があげられる。図1(a)では、ダイ100から液状組成物12Sを吐出して流延膜12Aを形成することとして示している。

0238

このようにして支持基材P上に形成された流延膜12Aは、塗工時に液状組成物12S中の有機溶媒の一部が揮発するために膜の形状を有するものとなる。この際の流延膜12Aの膜厚は、3μm〜50μmになるようにしておくことが好ましい。このような膜厚の流延膜12Aを得るには、使用する液状組成物12Sの高分子電解質濃度塗工装置の塗出量などを適宜調整すればよい。また、前記支持基材Pが連続的に走行する基材である場合は、その支持基材Pの走行速度等で調節することもできる。

0239

工程(ii)で使用する支持基材Pとしては、流延塗工に供する液状組成物12Sに対して十分な耐久性を有し、後述する工程(iii)での処理条件に対しても耐久性を有する材質からなるものが選択される。この場合の「耐久性」とは、液状組成物12Sによって支持基材P自身が実質的に溶け出さないことや、工程(iii)の処理条件により、支持基材P自身が膨潤収縮を起こさず寸法安定性がよいことなどを意味するものである。

0240

このような支持基材Pとしては、たとえばガラス板;SUS箔、銅箔等の金属箔ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のプラスチックフィルムをあげることができる。また、このプラスチックフィルムには、上述したような耐久性を著しく損なわない範囲で、そのフィルム表面に対し、UV処理離型処理エンボス処理などの表面処理を行ってもよい。以下においては、支持基板Pがプラスチックフィルムであることとして説明を行う。

0241

(工程(iii))
次に工程(iii)に関し説明する。図1(b)は工程(iii)を示す図である。

0242

この工程は前記工程(ii)において前記支持基材P上に形成された流延膜12Aに含有される有機溶媒Sを除去して、支持基材P上に高分子電解質膜12を形成する工程である。このような除去には、乾燥または洗浄溶媒による洗浄推奨される。図1(b)では、有機溶媒Sが蒸発することにより乾燥し、除去されることとして図示している。このような乾燥と洗浄とを組み合わせて、前記有機溶媒を除去することがより一層好ましく、乾燥と洗浄とを組み合わせる場合には、まず乾燥を行って、前記支持基材P上に形成された流延膜12Aに含有される前記有機溶媒Sのほとんど全てを除去した後、洗浄溶媒による洗浄を行うことが特に好ましい。

0243

ここでは、工程(iii)として好適な方法である乾燥と洗浄とを、この順で実施することについて詳述する。工程(ii)を経て得られた支持基材P上に形成された流延膜12Aから有機溶媒を乾燥除去するには、加熱、減圧通風などの処理を採用することができるが、生産性が良好である点と、操作が容易である点で加熱処理が好ましい。この場合、流延膜12Aが形成された支持基材P(以下、場合により「第1の積層フィルム」という)を、直接加熱温風接触等により加熱処理する。

0244

流延膜12A中の高分子電解質を著しく損なわない点で、温風処理が特に好ましい。たとえば、第1の積層フィルムが長尺状であり、かかる長尺状の第1の積層フィルムを連続的に処理する場合は、乾燥炉中に第1の積層フィルムを通過させればよい。このときの乾燥炉は、40℃〜150℃の範囲、好ましくは50℃〜140℃に温度設定された温風を送風する。その際、該第1の積層フィルムの通過方向に対し交差する方向、および対向する方向のいずれか一方または両方から送風するとよい。こうすることにより、支持基材P上にある流延膜12Aから有機溶媒S等の揮発成分が乾燥(蒸発)除去され、前記支持基材P上に高分子電解質膜12が形成された第2の積層フィルムが形成される。

0245

このようにして得られた第2の積層フィルムの高分子電解質膜12中には、まだ若干量の有機溶媒が含有されているため、この有機溶媒を洗浄溶媒で洗浄する。洗浄溶媒で洗浄することにより、外観等に優れる高分子電解質膜12が得られ易い。前記液状組成物の調製において好適な有機溶媒である、DMSO、DMF、DMAc、NMPもしくはGBL、またはこれらの組合せからなる混合溶媒を使用した場合、前記洗浄溶媒には純水、特に超純水を使用することが好ましい。

0246

上述のように、第1の積層フィルムが長尺状であって連続的に走行している場合、乾燥炉を通過して連続的に形成された第2の積層フィルムは、たとえば洗浄溶媒を充填した洗浄槽中を通過させることにより洗浄することができる。また、乾燥炉を通過して連続的に形成された第2の積層フィルムを適当な巻芯に巻き取って巻取り体として後、この巻取り体を、洗浄処理を担う洗浄装置へと移し変え、移し変えた巻取り体から第2の積層フィルムを洗浄槽へと送り出す形式で洗浄を行うこともできる。こうすることで、第2の積層フィルムにある高分子電解質膜12の有機溶媒含有量を、より一層低減させることが可能である。

0247

(工程(iv))
次に工程(iv)に関し説明する。図1(c)は工程(iv)を示す図である。工程(iv)においては、工程(iii)において形成された第2の積層フィルムから支持基材Pを剥離などによって除去することにより高分子電解質膜12を得る。

0248

得られる高分子電解質膜12は好適な溶液キャスト法により得られたものであるため、実質的に貫通孔を有さない膜となる。なお、ここでいう「実質的に貫通孔を有さない」とは、ボイドなどの微小貫通孔が高分子電解質膜12に形成されていないことを意味する。ただし、この高分子電解質膜12は、燃料電池の作動に支障のない程度の少数量のボイドまたは小さい径のボイドであれば、当該ボイドを有するような膜であってもよい。

0249

なお、工程(iii)と工程(iv)との間に、得られた第2の積層フィルムを塩酸や硫酸等の強酸に接触させる酸処理工程が含まれることとしてもよい。

0250

また、上述の溶液キャスト法による高分子電解質膜12の製造では、主として支持基材Pが連続的に走行している場合を説明したが、無論枚葉の支持基材Pを用いても、高分子電解質膜12を得ることができる。この場合、枚葉の支持基材P上に塗工された液状組成物は、適当な乾燥炉中に保管することで、有機溶媒を除去することができるし、このようにして得られた枚葉の第2の積層フィルムは、洗浄溶媒を備えた洗浄槽に浸漬等することで洗浄処理を行うことができる。

0251

また、洗浄後の第2の積層フィルムは、支持基材Pを除去した後、残存または付着している洗浄溶媒を乾燥除去させてもよいし、洗浄後の第2の積層フィルムをそのまま加熱等することで残存または付着している洗浄溶媒を乾燥除去した後、支持基材Pを除去してもよい。

0252

以上、溶液キャスト法による実質的に貫通孔を有さない高分子電解質膜12の製造方法を説明したが、この高分子電解質膜12には、高分子電解質および含硫黄複素環芳香族化合物の他の成分(その他の成分)を含有させることができる。

0253

その他の成分としては、上述した、通常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤、保水剤等の添加剤があげられる。

0254

なお、これらその他の成分は、溶液キャスト法による成膜を行う際に、用いる高分子電解質組成物にこれらの成分を添加しておき、その他の成分が含まれる高分子電解質組成物を用いて上述の液状組成物を調製することで、高分子電解質膜に含有させるとよい。

0255

[膜電極接合体]
次に、本実施形態の高分子電解質膜を有する膜電極接合体(MEA)について説明する。図2は、膜電極接合体を示す模式図である。本実施形態の膜電極接合体20は、本実施形態の高分子電解質膜12の両面に、触媒層14a,14bを接合することにより製造することができる。

0256

触媒層14a,14bは、それぞれ、水素の酸化反応活性化する触媒、および酸素の還元反応を活性化する触媒を含む。このような触媒としては、公知の触媒を用いることができるが、白金または白金系合金微粒子を触媒として用いることが好ましい。白金または白金系合金の微粒子は、活性炭黒鉛などの粒子状または繊維状のカーボン担持されて用いられることとしてもよい。

0257

触媒層14a,14bは、上述の触媒、高分子電解質および高分子電解質を溶解し得る有機溶媒を混合して得られた触媒インクを、高分子電解質膜12の表面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。

0258

[触媒組成物、触媒層]
また、図2における上記触媒層14a,14bの形成材料として、本実施形態の高分子電解質組成物と、上述の触媒(触媒成分)とを含む触媒組成物を用いることもできる。この触媒組成物を、触媒組成物に含まれる高分子電解質を溶解し得る有機溶媒と混合して触媒インクを調整し、この触媒インクを高分子電解質膜12の表面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。

0259

このようにして得られる触媒層は、本実施形態の高分子電解質組成物が含まれているため、長期安定化に優れたものとなる。

0260

また、このようにして得られる膜電極接合体は、高分子電解質膜12および触媒層14a,14bの両方に本実施形態の高分子電解質組成物が含まれることとなるため、長期安定化に優れたものとなる。

0261

(変形例)
なお、触媒組成物は、図3に示すように、ガス拡散層16の表面に触媒組成物を用いて調整した触媒インクを塗布し乾燥させることにより、ガス拡散層16と積層一体化した触媒層15を形成し、積層体30とするために用いてもよい。

0262

ガス拡散層16は、積層体30が燃料電池に組み込まれた際に、触媒層15への原料ガス拡散を促進する機能を有する層である。また、ガス拡散層16は、集電体として機能する導電性を有する多孔質材料により構成されることが好ましい。前記多孔質材料としては、多孔質性のカーボン不織布、またはカーボンペーパーが、原料ガスを触媒層15へ効率的に輸送することができるために好ましい。

0263

積層体30は、高分子電解質膜12と接合させることで、図4に示すような、燃料電池用の膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)32を得ることができる。すなわち、一対の積層体30を用いて、それぞれの積層体30(30a,30b)が有する触媒層15(15a,15b)が、高分子電解質膜12に接するように(ガス拡散層16a,16bが高分子電解質膜12に接しないように)挟持し、高分子電解質膜12に接合させることで、膜電極ガス拡散層接合体32が得られる。

0264

具体的な方法としては例えば、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。

0265

また、このようにして得られる膜電極ガス拡散層接合体32中の膜電極接合体21は、高分子電解質膜12および触媒層15a,15bの両方に本実施形態の高分子電解質組成物が含まれているため、長期安定化に優れたものとなる。

0266

なお、図4の膜電極ガス拡散層接合体32では、本実施形態の高分子電解質膜12と積層体30とを用いることとして示しているが、本実施形態の高分子電解質膜12を用いることなく、公知の高分子電解質膜と積層体30とを用いて膜電極ガス拡散層接合体としてもよい。このような膜電極ガス拡散層接合体においても、積層体30が有する触媒層14には、本実施形態の高分子電解質組成物が含まれているため、長期安定化に優れたものとなる。

0267

[燃料電池]
図5は、本発明の好適な一実施態様の膜電極接合体を有する燃料電池のセル(以下、単に燃料電池と称することがある。)についての縦断面図である。図5では、燃料電池10は、上述した図2の膜電極接合体20を備えている。

0268

燃料電池10は、膜電極接合体20の両側に、これを挟むようにガス拡散層16a,16bおよびセパレータ18a,18bを順に備えている。なお、膜電極接合体20およびガス拡散層16a,16bとからなる構造体は、上述した膜電極ガス拡散層接合体と同じものである。

0269

触媒層14a、および触媒層14bは、燃料電池10における電極層として機能する層である。触媒層14aには、水素の酸化反応を活性化する触媒が含まれ、負極として機能する。また、触媒層14bには、酸素の還元反応を活性化する触媒が含まれ、正極として機能する。

0270

セパレータ18a,18bは、電子伝導性を有する材料で形成されている。セパレータ18a,18bは、触媒層14a,14b側に、燃料ガス等の流路となる溝(図示せず)が形成されていると好ましい。前記電子伝導性を有する材料としては、例えば、カーボン、樹脂モールドカーボン、チタンステンレスが挙げられる。

0271

以上のような燃料電池10は、少なくとも高分子電解質膜12に本実施形態の高分子電解質組成物が含まれているため、長期安定化に優れたものとなる。もちろん、触媒層14a,14bに、本実施形態の高分子電解質組成物が含まれるものとすると、より長期安定化に優れた燃料電池とすることができる。

0272

このようにして製造された本実施形態の燃料電池は、燃料として、例えば、水素ガス改質水素ガス、メタノールを用いる各種の形式で使用可能である。

0273

(その他)
なお、本実施形態の高分子電解質膜を用いた膜電極接合体および燃料電池においては、高分子電解質膜中に導入した含硫黄複素環芳香族化合物が、高分子電解質膜と接する触媒層へ移行することもある。このような移行は、前記高分子電解質膜の両面に触媒およびガス拡散層を接合する工程や、燃料電池の運転時などに起こることがある。なお、ここでの運転とは、燃料電池のエージング、起動、作動、および停止の何れかをさす。

0274

このように、高分子電解質膜中に導入した含硫黄複素環芳香族化合物が、高分子電解質膜と接する触媒層へ移行した形態も、前記の高分子電解質膜および前記の触媒層と同様に、良好な長期安定性を発現できるため、好適である。

0275

以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0276

水準1>
[含硫黄複素環芳香族化合物の合成]
(前駆体2の合成)
下記式(101)に従って、前駆体2を合成した。

0277

0278

Org. Lett. 2004, 6, 3493に記載の合成法に準じて、前駆体1を合成し用意した。
アルゴン置換したフラスコに、撹拌子、前駆体1(1.00g)、乾燥テトラヒドロフラン(20ml)を加え、ドライアイス−メタノール浴(−78℃)で冷却した。ここに、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.62mol/L,2.83ml)を加え、30分間攪拌した。その後、フラスコ内に2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(1.02g)を加え、30分間攪拌した。

0279

この後、ドライアイス−メタノール浴からフラスコを外し、室温まで自然昇温させた後、水60mlを加えた。反応混合物酢酸エチル分液抽出し、得られた有機層飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを加え、濾過した。濾液濃縮し、目的物を含む固体を1.21g得た。この固体を酢酸エチルに溶解させ、再結晶させることで、目的の前駆体2(0.5g)を得た。
1H−NMR(CDCl3、δ(ppm)):1.33(s、24H)、1.48(s、9H)、7.51(d、J=8.1Hz、2H)、7.66(m、2H)7.77(m、2H)

0280

(前駆体3の合成)
下記式(102)に従って、前駆体3を合成した。

0281

0282

アルゴン置換したフラスコに、撹拌子、前駆体1(1.00g)、乾燥テトラヒドロフラン(20ml)を加え、ドライアイス−メタノール浴(−78℃)で冷却した。ここに、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.62mol/L,1.36ml)を加え、30分間攪拌した。この後、ここに水0.5mlを加え、30分間攪拌した。この後、ドライアイス—メタノール浴からフラスコを外し、室温まで昇温させ、水60mlを加えた。

0283

反応混合物を酢酸エチルで分液抽出し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを加え、濾過した。濾液を濃縮し、目的の前駆体3(0.81g)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6、δ(ppm)):1.44〜(s、9H)、7.24−7.72(m、7H)

0284

(含硫黄複素環芳香族化合物1の合成)
下記式(103)に従って、含硫黄複素環芳香族化合物1を合成した。

0285

0286

シュレンク管に、炭酸カリウム(0.32g)、1,2−ジメトキシエタン(6ml)、水(4ml)を加え、ここにアルゴンを15分間バブリングした。ここに前駆体2(0.254g)、前駆体3(0.725g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.32g)を加え、85℃で2時間攪拌した。ここに、テトラブチルアンモニウムブロマイド(200mg)、トルエン(6ml)を加え、更に85℃で10時間攪拌した。ビーカーに水(5ml)を加え、ここに得られた反応混合物を加え攪拌した。

0287

この混合物を酢酸エチルで分液抽出し、得られた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを加え、濾過した。濾液を濃縮し、目的物を含む固体を0.457gを得た。この固体をアセトニトリルで洗浄し、目的の含硫黄複素環芳香族化合物1(0.165g)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6、δ(ppm)):1.45(s、18H)、1.47(s、9H)、7.23−7.82(m、20H)

0288

(含硫黄複素環芳香族化合物2の合成)
下記式(104)に従って、含硫黄複素環芳香族化合物2を合成した。

0289

0290

フラスコに、クロロホルム(15ml)、トリフルオロ酢酸(5ml)を加え、アルゴンを5分間バブリングした。このフラスコに含硫黄複素環芳香族化合物1(0.155g)を加え、室温で1.5時間攪拌した。この後、脱気水で有機層を洗浄した。有機層に8mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて水層をpH9にした後、濃縮した。得られた反応混合物を水で洗浄し、真空乾燥させた。別途フラスコに、テトラヒドロフラン(30ml)、メタンスルホン酸(8ml)を加え、アルゴンを5分間バブリングした。このフラスコに上記の真空乾燥させた反応混合物を加え、室温で2時間攪拌した。この後、脱気水50mlを加え、8mol/L水酸化ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応溶液の水層をpH7にした。中和物の有機層を分液し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、濃縮した。得られた反応混合物を水、次いでメタノールで洗浄することで目的の含硫黄複素環芳香族化合物2(0.092g)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6、δ(ppm)):6.66−7.21(m、20H)、8.63(s、2H)、8.67(s、1H)
マススペクトル:(MALDI−TOFMSm/z:593)

0291

[高分子電解質膜の製造]
分子量測定
得られた高分子電解質の分子量は、GPC法を用いて測定した。
測定に際しては、高分子電解質4mgを下記移動層溶媒8mLに溶解して、下記条件で測定を行い、ポリスチレンを標準物質として換算することによって、高分子電解質の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を算出した。
以下にGPC測定条件を示す。
(測定条件)
・カラム:東ソー社製 TSKgelGMHHR−M
・カラム温度:40℃
・移動相溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド(LiBrを10mmol/dm3になるように添加)
・溶媒流量:0.5mL/分
・検出:示差屈折率法

0292

(イオン交換容量の測定)
測定に供するポリマーをキャスト製膜法により成膜したポリマー膜を得、得られたポリマー膜を適当な質量になるように裁断した。裁断したポリマー膜の乾燥質量を加熱温度110℃に設定されたハロゲン水分率計を用いて測定した。次いで、このようにして乾燥させたポリマー膜を0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液5mLに浸漬した後、更に50mLのイオン交換水を加え、2時間放置した。その後、ポリマー膜が浸漬された溶液に、0.1mol/Lの塩酸を徐々に加えることで滴定を行い、中和点を求めた。そして、裁断したポリマー膜の乾燥質量と中和に要した塩酸の量から、ポリマーのイオン交換容量(単位:meq/g)を算出した。

0293

(ブロック共重合体Aの合成)
下記の手法に準じて、スミエクセルES5200P(住友化学株式会社製、重量平均分子量73,000)を用いて、下記式(107)で示されるスルホン酸基を有するセグメント(イオン交換基を有するセグメント)と、下記式(108)で示されるイオン性基を実質的に有しないセグメントを含む、ブロック共重合体Aを合成した。
上記方法に基づいて測定をしたところ、得られたブロック共重合体Aは、イオン交換容量=2.50meq/g、Mw=2.60×105、Mn=1.19×105であった。

0294

(ここでnは繰返し単位数を示す。)

0295

合成方法
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)5.05g、2,2’−ビピリジン2.87gおよびN−メチル−2−ピロリドン40mLを加え、70℃で30分撹拌し、ニッケル含有溶液を調製した。冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)9.09g、亜鉛粉末2.4gおよびN−メチル−2−ピロリドン40mLを加え、70℃に調整した。これに、前記ニッケル含有溶液を注ぎ込み、70℃で重合反応を行った。重合反応開始から1.5時間を経過した時点で、下記式(105)で示されるスミカエクセルPES5200P(住友化学株式会社製;Mw=73,000)3.06gをN−メチル−2−ピロリドン40mLに溶解させて得られた溶液(内温70℃)を、反応混合物に加え、さらに、70℃で6.5時間重合反応を行った。

0296

反応終了後、反応混合物をメタノール300mL中に加え、次いで、6mol/L塩酸300mLを加え、1時間撹拌した。析出した固体を濾過により分離し、乾燥し、灰白色の下記式(105)で示されるセグメントと、下記式(106)で示されるセグメントとを含むポリアリーレン8.75gを得た。収率:87%。
Mw=192,000、Mn=49,000
1H−NMR(CDCl3,δ(ppm)):0.80−1.05(br),3.80−3.89(br),7.25(d),7.97(d),7.00−8.50(c)

0297

(ここでnは繰返し単位数を示す。)

0298

上述の式(105)で示されるセグメントと、上記式(106)で示されるセグメントとを含むポリアリーレン8gを、臭化リチウム・1水和物4.8gとN−メチル−2−ピロリドン90mLとの混合溶液に加え、120℃で24時間反応させた。反応混合物を、6mol/L塩酸500mL中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体を乾燥させることで、下記式(107)で示されるスルホン酸基を有するセグメント(イオン交換基を有するセグメント)と、下記式(108)で示されるイオン性基を実質的に有しないセグメントを含む、灰白色のブロック共重合体Aを3.7g得た。

0299

(ここでnは繰返し単位数を示す。)

0300

IRスペクトルおよび1H−NMRスペクトルを測定し、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。
1H−NMR((CD3)2SO2、δ(ppm)):7.25(d),7.97(d),7.00−8.50(c)

0301

(ブロック共重合体Bの合成)
下記の手法に準じて、下記式(111)で示されるスルホン酸基を有するセグメント(イオン交換基を有するセグメント)と、下記式(112)で示されるイオン性基を実質的に有しないセグメントを含む、ブロック共重合体Bを合成した。
上述した方法で測定したところ、得られたブロック共重合体Bは、イオン交換容量=2.5meq/g、Mw=3.19×105、Mn=1.52×105であった。

0302

(ここでnは繰返し単位数を示す。)

0303

(合成方法)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で、臭化ニッケル151mg、2,2’−ビピリジン162mg、スミカエクセルPES3600P(住友化学株式会社製;Mw=40,000、Mn=24,000:上記分析条件で測定)1.09gおよびN,N−ジメチルアセトアミド50mLを室温で加え、65℃に昇温してニッケル含有溶液を調製した。これに、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)1.9gを加え、さらに亜鉛粉末450mg加え、60℃で4時間重合反応を行い、下記式(109)で示されるセグメントと下記式(110)で示されるセグメントとを含むポリアリーレンを含む反応液を得た。
Mw=164,000、Mn=65,000

0304

(ここでnは繰返し単位数を示す。)

0305

上記反応液100質量部にトルエン50質量部、テトラヒドロフラン50質量部、酢酸4質量部、15質量%塩化ナトリウム水50質量部、80℃で2時間攪拌した。その後、30分静置したところ、分液し、上層(有機層)はやや灰色懸濁液、下層(水層)は薄青色透明液となった。析出物はなく界面は良好であった。水層を分離後、上層を133質量部得た。

0306

得られた有機層を減圧下で濃縮し、トルエンとテトラヒドロフランを留去後、N,N−ジメチルアセトアミドを加えて、ポリアリーレンを含む溶液を80質量部得た。この溶液に、30質量%臭化リチウム水を11質量部加えて、120℃で8h加熱し、脱保護反応を行った。
得られた反応混合物を塩酸に注ぎ込みポリアリーレンを析出させて、液を分離後、析出した析出ポリアリーレンを塩酸洗浄、水洗浄、メタノール洗浄した。分離した固体を減圧乾燥させることで、下記式(111)で示されるスルホン酸基を有するセグメント(イオン交換基を有するセグメント)と、下記式(112)で示されるイオン性基を実質的に有しないセグメントを含む、薄黄色ゲル状固体のブロック共重合体Bを3.3質量部得た。

0307

(ここでnは繰返し単位数を示す。)

0308

1H−NMRスペクトルを測定し、ブロック共重合体Bでは、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。

0309

[参考例で用いる低分子成分の合成]
下記式(113)に従って低分子成分Xを合成した。

0310

0311

アルゴン雰囲気下、2−クロロフェノチアジン4.4g(18.8mmol)、2,2’−ビピリジル7.7g(49.5mmol)にテトラヒドロフラン72gを加え溶解させ、溶液を50℃まで昇温した。このテトラヒドロフラン溶液に、さらにビス(シクロオクタジエン)ニッケル(0)13.4g(48.9mmol)を加え、50℃に保温しながら1時間撹拌した。

0312

その後、室温まで冷却し、得られた黒色のテトラヒドロフラン溶液を酢酸エチル200mLで希釈した後、6mol/L塩酸水溶液150mLを用いて分液洗浄を行い、さらに、25%アンモニア水溶液150mLを用いて分液洗浄を行った。得られた油層にテトラヒドロフラン200mLを加えることで均一な黄色溶液を得た。

0313

次いで、得られた黄色溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、固体が析出するまで濃縮した後、n−ヘキサン500mL中に再沈殿させ、濾過、乾燥させることで、粗生成物3.0gを得た。

0314

得られた粗生成物をテトラヒドロフランとアセトンの混合溶液を用いて再結晶精製することで、目的物である低分子成分X1.8g(収率48.5%、黄色固体)を得た。なお、取扱いは遮光下で行った。
1H−NMR(DMSO−d6、δ(ppm)):6.69(d、2H)、6.76(t、2H)、6.86(s、2H)、6.92−7.03(m、8H)、8.69(s、2H)
マススペクトル(DART、m/z):397(M+H+)

0315

[実施例1]
このブロック共重合体Aをジメチルスルホキシドに約10質量%の濃度になるように溶解させ、高分子電解質溶液を調製した。次いで、この高分子電解質溶液をPET基材上に均一に塗り広げ、その後高分子電解質溶液を100℃で常圧乾燥した。得られる乾燥塗膜を2N硫酸に浸漬、洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、更に常温乾燥し、PET基材から剥離することで高分子電解質膜Aを得た。

0316

合成した含硫黄複素環芳香族化合物2を0.03g量し、テトラヒドロフラン12gに溶解した後、市販の20質量%ナフィオン(登録商標)溶液(アルドリッチ社製、溶媒:水と低級アルコールの混合物)1.26g、エタノール1.92gを加え、室温にて6時間攪拌することで、含硫黄複素環芳香族化合物2と高分子電解質であるナフィオンとを含む劣化防止剤溶液1を得た。なお、この溶液に含まれる含硫黄複素環芳香族化合物2とナフィオンとからなる組成物が、本発明における「高分子電解質組成物」に該当する。

0317

得られた劣化防止剤溶液1を高分子電解質膜Aの片面の中央部における5cm×5cm(5cm×5cmの高分子電解質膜A:50mg)の領域に、スプレー法にて塗布した。この際、吐出口から膜までの距離は6cm、ステージ温度は60℃に設定した。さらに重ね塗りを行い、溶媒を除去することで、高分子電解質組成物を含む劣化防止剤層を形成した。これにより、5cm×5cmの領域に高分子電解質組成物を含む劣化防止剤層が4.5mg配置された高分子電解質膜1を得た。高分子電解質膜1は、本発明における「高分子電解質膜」に該当する。

0318

(高分子電解質膜1の燃料電池評価
(触媒インクの作成)
市販の5質量%ナフィオン(登録商標)溶液(アルドリッチ社製、溶媒:水と低級アルコールの混合物)6.30gに、白金が担持された白金担持カーボン(SA50BK、エヌ・イー・ケムキャット製、白金含有量;50質量%)1.00g投入し、さらにエタノール43.45g、水6.43gを加えた。得られた混合物を1時間超音波処理した後、スターラーで5時間攪拌して触媒インクを得た。

0319

(MEAの作製)
一方の表面に劣化防止剤層を形成した高分子電解質膜1について、劣化防止剤層を有さない表面の中央部における5cm×5cmの領域に、スプレー法にて上記の触媒インクを塗布した。この際、吐出口から膜までの距離は6cm、ステージ温度は75℃に設定した。同様にして重ね塗りをした後、溶媒を除去して触媒層(アノード触媒層)を形成させた。アノード触媒層として白金目付けが0.1mg/cm2が塗布された。続いて、もう一方の面に同様に触媒インクを塗布して、触媒層(カソード触媒層)を形成させて、MEAを得た。カソード触媒層として白金目付けが0.2mg/cm2が塗布された。

0320

燃料電池セルの組み立て)
上述のようにして得られたMEAの両外側に、ガス拡散層としてカーボンクロスと、ガス通路用の溝を切削加工したカーボン製セパレータとを配し、さらにその外側に集電体およびエンドプレートを順に配置し、これらをボルト締め付けることによって、有効電極面積25cm2の燃料電池セルを組み立てた。

0321

(燃料電池セルの耐久性評価
作製した燃料電池セルを95℃に保ちながら、アノード触媒層側には低加湿状態の水素(70mL/分、背圧0.1MPaG)を供給し、カソード触媒層側には低加湿状態の空気(174mL/分、背圧0.05MPaG)を供給して、開回路一定電流での負荷変動試験を行った。各原料ガス加湿は水の入ったバブラーにガスを通すことで行い、水素バブラーの水温は45℃、空気用バブラーの水温は55℃とした。
この条件で燃料電池セルを200時間継続して作動させた。

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