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技術 化学結合性セラミック放射線遮蔽材料および製造方法

出願人 コー−オペレーションズ,インコーポレイテッド
発明者 ジャドディー.ハミルトンバーノンディー.ハミルトン
出願日 2013年5月31日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2013-116194
公開日 2013年8月29日 (5年9ヶ月経過) 公開番号 2013-167648
状態 特許登録済
技術分野 放射線の遮蔽 酸化物セラミックスの組成1 酸化物セラミックスの組成2
主要キーワード 放射線汚染物質 セメント付け 輸送カート 摂氏数百度 複合材料混合物 低レベル放射線 医療室 橄欖石
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課題

独特放射線遮蔽特性を有する化学結合性酸化物リン酸塩セラミックを提供すること。

解決手段

周囲温度放射線遮蔽部材を形成する組成物および方法であって、前記組成物が「低温焼成」化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックセメントマトリクスを含み、1種以上の放射線遮蔽材料が好適に調製され、前記「低温焼成」化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックセメント材料中に分散されている、組成物および方法。この放射線遮蔽材料は、バライト酸化バリウム硫酸バリウム酸化セリウム酸化タングステン酸化ガドリニウム劣化ウラン酸化物焼きなました40%〜75%の有鉛ガラス粉末および繊維、ゼオライトクリノプチロライト、ならびにセレスタイトからなる群から選択される。

概要

背景

(関連技術の説明)
電磁波遮蔽およびマイクロ波遮蔽を含む放射線の格納、封止および遮蔽は、技術的に進歩した社会において、さらにその重要性増している。原子力発電化石燃料によるエネルギー源に対する代替手段となるものであるが、その廃棄物を格納する費用は増加するばかりであり、そのため、エネルギーを作り出す経済的な実現可能性全体が低下している。また、他の低レベル放射性物質(例えば、医療廃棄物産業廃棄物劣化ウラン兵器の廃棄物など)についても、その保管、遮蔽、および格納が問題となっている。さらに、電子デバイスの普及により、効果的な電磁遮蔽を提供する必要性が増加している。電子デバイス(例えば、携帯電話電子レンジなど)は、デバイスから使用者放射されるエネルギーを遮断する電磁エネルギー遮蔽を必要とする場合がある。

医療診断の分野でも、ヒトの疾病を検出する目的において、放射性物質が広く使用されている。これらの疾患を検出するために、医師は、放射性物質をX線および他の形態で利用して、患者病状に関する貴重な見識を得ている。これらの診断方法の欠点としては、望ましくない放射線および他の形態の電磁エネルギーへの曝露から患者および医療関係者を保護するための遮蔽を必要とすることが含まれる。現在、放射性医療診断は、遮蔽材料として鉛を大量に使用している。例えば、患者は、X線撮影中の曝露を最小限にするために、鉛ライニングが施された胴衣を着用する場合がある。また、医療用X線では、一次X線、および一次X線の散乱に起因する一次および二次X線放射を遮蔽するために、鉛ライニング乾式壁板が広く使用されている。X線装置自体が、放射性物質に対する人体過度の被爆を防ぐために鉛板によって提供されるような十分な遮蔽を必要とする場合がある。

金属鉛による遮蔽は、過度に空間を使用することなく効率的に遮蔽できるため、広く利用されている。例えば、X線装置の遮蔽のために、1インチ未満の厚さの鉛板が実装される場合がある。

鉛による遮蔽の欠点としては、多量の鉛の使用、適所に鉛板を配置する構造形成の困難さ、美しく心地よい構造に対する要求、ならびにかねてより指摘されている鉛曝露、および鉛の取り扱いによる人の発がん性健康被害などが含まれる。既存の鉛ライニングが施された石膏壁板を、医療用および歯科用のX線室や施設において二次および一次X線の障壁として適切に配置するのは、非常に労働負荷の高い作業である。

他の放射線遮蔽ニーズとして、医療用および歯科用のX線室および同様の施設において世界中で使用されている既存の産業標準鉛ライニング石膏壁板と効率的に置き換えることが可能な非鉛壁板が求められている。例えば、アルミニウムの箔および薄板、鉛依存性材料、および他の提案された放射線遮蔽方法などの利用可能な放射線遮蔽材料の形態は、最小の効果であったり、重量が問題になる相当な厚さを必要としたり、時に自然に対して有毒であったり、しばしば宇宙環境において唯一信頼できる保護的遮蔽を提供する、多能で、強く、長持ちで、修理が比較的簡単な複合放射線遮蔽材料の開発の邪魔になったりすることが知られているため、宇宙ステーション、衛星、および宇宙船は、本発明が使用され得る他の領域である。

開示内容全体が参考として本明細書で援用される、特許文献1(発明の名称:「Cementitious Shotcrete Composition」)に記載されている放射性物質の格納および遮蔽のためのセメント系材料の利用は、ポルトランドセメントコンクリートベースとする系が(イオン結合および共有結合と比較して)弱い水素結合を実装するために問題が多い。また、これらのポルトランドセメントをベースとする系は、(ポリマーをベースとする材料および化学結合性酸化物リン酸塩セラミックなどの他の材料と比較して)多孔度が高く、腐食性割れ発生の問題といった欠点がある。

また、ポルトランドセメント材料は、適切なマトリクスを確実に形成するために、長い硬化(21日間)を必要とする。ポリマーをベースとするマトリクスなど別の代替手段は、低い多孔度を提供し得るが、有機溶媒や高pH材料または低pH材料に晒された場合に、品質が低下する可能性がある。また、ポルトランドセメント材料は、放射性廃棄物中に通常存在する種々の材料からの腐食影響されやすい

開示内容全体が参考として本明細書で援用される、特許文献2(発明の名称:「Method of Waste Stabilization via Chemically Bonded Phosphate ceramics」)、特許文献3(発明の名称:「Pumpable/injectable phosphate−bonded ceramics」)、特許文献4(発明の名称:「Chemically bonded phospho−silicate ceramics」)、および特許文献5(発明の名称:「Multi−purpose Refractory Material」)に記載されているような低温焼成セラミックセメント材料は、放射線不透過性複合混合物の組み込みについて開示も提案もしていないため、放射線遮蔽特性も提供しない。特許文献2の例示的な実施形態では、代表例としてマグネシウム酸化物リン酸反応

が示されている。

特許文献2は、酸化アルミニウム酸化鉄、および酸化カルシウム酸化バリウム酸化ビスマス酸化ガドリニウム酸化ジルコニウム、および酸化タングステンなどの他の金属酸化物を想定している。リン酸と比較して(すなわち、より塩基性の反応)、反応のpHを最小にすることは、金属酸化物または金属水酸化物と反応する前にリン酸と反応する一価金属炭酸塩重炭酸塩、または水酸化物の利用を通じて達成される。他に、金属(M’)としては、カリウムナトリウムタングステン、およびリチウムが想定されている。特許文献2に記載された例示的な部分反応は、

の通りである。

さらに、より高いpH(リン酸の利用と比較して)において、セラミックを形成するためのリン酸二水素の利用も、以下の反応式

において示された。

特許文献6(発明の名称:「Low Temperature Process For Making Radiopac Materials Utilizing Industrial/Agricultural Waste As Raw Materials」)に記載されているような焼成、または低温もしくは高温(例えば、摂氏数百度以上)で硬化するセラミック材料は、低温焼成酸化物−リン酸塩焼結セラミック構造に対する種々の代替物を提供しない。高温(摂氏数百度以上)で焼成するには、所望の場所に移動し、組み立てる前に、離れた位置で成分を形成し焼成しなければならないため、硬化温度が高いと物質が廃棄物の格納および遮蔽用途で利用できなくなる場合がある。高温で硬化させたセラミックが、焼成要件が理由で、大きな構成材を形成するのに実用的でない場合もある。廃棄物格納に対する焼成セラミックのin−situ形成は、含有される廃棄物と最終貯蔵場所の関係から問題となる場合がある。また、焼成プロセス中に、アンモニアが放出される場合がある。セラミックマトリクス中にアンモニアが含有されることは、得られる形成物にとって有害であり得る。

開示内容全体が参考として本明細書で援用される、特許文献7(発明の名称:「Radiation Shielding Phosphate Bonded Ceramics Using Enriched Isotopic Boron Compounds」)は、リン酸塩結合セラミックが放射線遮蔽を提供するように、溶液中でボロン高濃度に含有する化合物添加剤を使用することについて記載する。この文献は、「低温焼成」化学結合性酸化物−リン酸塩セメント性材料放射線不透過性フィラーおよび混合物(例えば、硫酸バリウム、酸化バリウム、およびバリウム化合物、酸化ガドリニウムおよびその化合物、ならびに酸化セリウムおよびセリウム化合物、酸化タングステンおよびその化合物、ならびに劣化ウラン酸化物およびその化合物)と併用することによる放射線の遮蔽および封止を提案していない。

開示内容全体が参考として本明細書で援用される、特許文献8(発明の名称:「Composite Materials and Technologies for Neutron and Gamma Radiation Shielding」)は、同じ用途において、様々に変性させたポルトランドセメント、グラウト材料エポキシ、およびオキシ塩マグネシウム/リン酸塩セメントによって結合された、種々の放射線不透過性複合材料混合物の使用について記載する。オキシ塩化マグネシウム/リン酸塩については、同じセメント性結合技術の説明が記載されているようであるが、実際には、明確に異なるセメント性結合技術であり、酸化マグネシウム一カリウムリン酸塩セメント性接合品質に関して、本明細書の下記において開示された実施例に対し、より多孔性でより有利でない結果を生み出すことが知られていることに留意することが重要である。この公開特許出願は、有用な複合材料放射線遮蔽の生成のための化学的結合性酸化物−リン酸塩セメント性技術の、潜在的な優れた品質および恩恵を含んでいないし認識もしていない。

概要

独特の放射線遮蔽特性を有する化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックを提供すること。周囲温度放射線遮蔽部材を形成する組成物および方法であって、前記組成物が「低温焼成」化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックセメントマトリクスを含み、1種以上の放射線遮蔽材料が好適に調製され、前記「低温焼成」化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックセメント材料中に分散されている、組成物および方法。この放射線遮蔽材料は、バライト、酸化バリウム、硫酸バリウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化ガドリニウム、劣化ウラン酸化物、焼きなました40%〜75%の有鉛ガラス粉末および繊維、ゼオライトクリノプチロライト、ならびにセレスタイトからなる群から選択される。なし

目的

例えば、アルミニウムの箔および薄板、鉛依存性材料、および他の提案された放射線遮蔽方法などの利用可能な放射線遮蔽材料の形態は、最小の効果であったり、重量が問題になる相当な厚さを必要としたり、時に自然に対して有毒であったり、しばしば宇宙環境において唯一の信頼できる保護的遮蔽を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

明細書中に記載の発明。

技術分野

0001

(発明の分野)
本発明は、化学結合性酸化物リン酸塩セラミックの分野、より具体的には独特放射線遮蔽特性を有する化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックに関する。

背景技術

0002

(関連技術の説明)
電磁波遮蔽およびマイクロ波遮蔽を含む放射線の格納、封止および遮蔽は、技術的に進歩した社会において、さらにその重要性増している。原子力発電化石燃料によるエネルギー源に対する代替手段となるものであるが、その廃棄物を格納する費用は増加するばかりであり、そのため、エネルギーを作り出す経済的な実現可能性全体が低下している。また、他の低レベル放射性物質(例えば、医療廃棄物産業廃棄物劣化ウラン兵器の廃棄物など)についても、その保管、遮蔽、および格納が問題となっている。さらに、電子デバイスの普及により、効果的な電磁遮蔽を提供する必要性が増加している。電子デバイス(例えば、携帯電話電子レンジなど)は、デバイスから使用者放射されるエネルギーを遮断する電磁エネルギー遮蔽を必要とする場合がある。

0003

医療診断の分野でも、ヒトの疾病を検出する目的において、放射性物質が広く使用されている。これらの疾患を検出するために、医師は、放射性物質をX線および他の形態で利用して、患者病状に関する貴重な見識を得ている。これらの診断方法の欠点としては、望ましくない放射線および他の形態の電磁エネルギーへの曝露から患者および医療関係者を保護するための遮蔽を必要とすることが含まれる。現在、放射性医療診断は、遮蔽材料として鉛を大量に使用している。例えば、患者は、X線撮影中の曝露を最小限にするために、鉛ライニングが施された胴衣を着用する場合がある。また、医療用X線では、一次X線、および一次X線の散乱に起因する一次および二次X線放射を遮蔽するために、鉛ライニング乾式壁板が広く使用されている。X線装置自体が、放射性物質に対する人体過度の被爆を防ぐために鉛板によって提供されるような十分な遮蔽を必要とする場合がある。

0004

金属鉛による遮蔽は、過度に空間を使用することなく効率的に遮蔽できるため、広く利用されている。例えば、X線装置の遮蔽のために、1インチ未満の厚さの鉛板が実装される場合がある。

0005

鉛による遮蔽の欠点としては、多量の鉛の使用、適所に鉛板を配置する構造形成の困難さ、美しく心地よい構造に対する要求、ならびにかねてより指摘されている鉛曝露、および鉛の取り扱いによる人の発がん性健康被害などが含まれる。既存の鉛ライニングが施された石膏壁板を、医療用および歯科用のX線室や施設において二次および一次X線の障壁として適切に配置するのは、非常に労働負荷の高い作業である。

0006

他の放射線遮蔽のニーズとして、医療用および歯科用のX線室および同様の施設において世界中で使用されている既存の産業標準鉛ライニング石膏壁板と効率的に置き換えることが可能な非鉛壁板が求められている。例えば、アルミニウムの箔および薄板、鉛依存性材料、および他の提案された放射線遮蔽方法などの利用可能な放射線遮蔽材料の形態は、最小の効果であったり、重量が問題になる相当な厚さを必要としたり、時に自然に対して有毒であったり、しばしば宇宙環境において唯一信頼できる保護的遮蔽を提供する、多能で、強く、長持ちで、修理が比較的簡単な複合放射線遮蔽材料の開発の邪魔になったりすることが知られているため、宇宙ステーション、衛星、および宇宙船は、本発明が使用され得る他の領域である。

0007

開示内容全体が参考として本明細書で援用される、特許文献1(発明の名称:「Cementitious Shotcrete Composition」)に記載されている放射性物質の格納および遮蔽のためのセメント系材料の利用は、ポルトランドセメントコンクリートベースとする系が(イオン結合および共有結合と比較して)弱い水素結合を実装するために問題が多い。また、これらのポルトランドセメントをベースとする系は、(ポリマーをベースとする材料および化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックなどの他の材料と比較して)多孔度が高く、腐食性割れ発生の問題といった欠点がある。

0008

また、ポルトランドセメント材料は、適切なマトリクスを確実に形成するために、長い硬化(21日間)を必要とする。ポリマーをベースとするマトリクスなど別の代替手段は、低い多孔度を提供し得るが、有機溶媒や高pH材料または低pH材料に晒された場合に、品質が低下する可能性がある。また、ポルトランドセメント材料は、放射性廃棄物中に通常存在する種々の材料からの腐食影響されやすい

0009

開示内容全体が参考として本明細書で援用される、特許文献2(発明の名称:「Method of Waste Stabilization via Chemically Bonded Phosphate ceramics」)、特許文献3(発明の名称:「Pumpable/injectable phosphate−bonded ceramics」)、特許文献4(発明の名称:「Chemically bonded phospho−silicate ceramics」)、および特許文献5(発明の名称:「Multi−purpose Refractory Material」)に記載されているような低温焼成セラミックセメント材料は、放射線不透過性複合混合物の組み込みについて開示も提案もしていないため、放射線遮蔽特性も提供しない。特許文献2の例示的な実施形態では、代表例としてマグネシウム酸化物リン酸反応

0010

が示されている。

0011

特許文献2は、酸化アルミニウム酸化鉄、および酸化カルシウム酸化バリウム酸化ビスマス酸化ガドリニウム酸化ジルコニウム、および酸化タングステンなどの他の金属酸化物を想定している。リン酸と比較して(すなわち、より塩基性の反応)、反応のpHを最小にすることは、金属酸化物または金属水酸化物と反応する前にリン酸と反応する一価金属炭酸塩重炭酸塩、または水酸化物の利用を通じて達成される。他に、金属(M’)としては、カリウムナトリウムタングステン、およびリチウムが想定されている。特許文献2に記載された例示的な部分反応は、

0012

の通りである。

0013

さらに、より高いpH(リン酸の利用と比較して)において、セラミックを形成するためのリン酸二水素の利用も、以下の反応式

0014

において示された。

0015

特許文献6(発明の名称:「Low Temperature Process For Making Radiopac Materials Utilizing Industrial/Agricultural Waste As Raw Materials」)に記載されているような焼成、または低温もしくは高温(例えば、摂氏数百度以上)で硬化するセラミック材料は、低温焼成酸化物−リン酸塩焼結セラミック構造に対する種々の代替物を提供しない。高温(摂氏数百度以上)で焼成するには、所望の場所に移動し、組み立てる前に、離れた位置で成分を形成し焼成しなければならないため、硬化温度が高いと物質が廃棄物の格納および遮蔽用途で利用できなくなる場合がある。高温で硬化させたセラミックが、焼成要件が理由で、大きな構成材を形成するのに実用的でない場合もある。廃棄物格納に対する焼成セラミックのin−situ形成は、含有される廃棄物と最終貯蔵場所の関係から問題となる場合がある。また、焼成プロセス中に、アンモニアが放出される場合がある。セラミックマトリクス中にアンモニアが含有されることは、得られる形成物にとって有害であり得る。

0016

開示内容全体が参考として本明細書で援用される、特許文献7(発明の名称:「Radiation Shielding Phosphate Bonded Ceramics Using Enriched Isotopic Boron Compounds」)は、リン酸塩結合セラミックが放射線遮蔽を提供するように、溶液中でボロン高濃度に含有する化合物添加剤を使用することについて記載する。この文献は、「低温焼成」化学結合性酸化物−リン酸塩セメント性材料放射線不透過性フィラーおよび混合物(例えば、硫酸バリウム、酸化バリウム、およびバリウム化合物、酸化ガドリニウムおよびその化合物、ならびに酸化セリウムおよびセリウム化合物、酸化タングステンおよびその化合物、ならびに劣化ウラン酸化物およびその化合物)と併用することによる放射線の遮蔽および封止を提案していない。

0017

開示内容全体が参考として本明細書で援用される、特許文献8(発明の名称:「Composite Materials and Technologies for Neutron and Gamma Radiation Shielding」)は、同じ用途において、様々に変性させたポルトランドセメント、グラウト材料エポキシ、およびオキシ塩マグネシウム/リン酸塩セメントによって結合された、種々の放射線不透過性複合材料混合物の使用について記載する。オキシ塩化マグネシウム/リン酸塩については、同じセメント性結合技術の説明が記載されているようであるが、実際には、明確に異なるセメント性結合技術であり、酸化マグネシウム一カリウムリン酸塩セメント性接合品質に関して、本明細書の下記において開示された実施例に対し、より多孔性でより有利でない結果を生み出すことが知られていることに留意することが重要である。この公開特許出願は、有用な複合材料放射線遮蔽の生成のための化学的結合性酸化物−リン酸塩セメント性技術の、潜在的な優れた品質および恩恵を含んでいないし認識もしていない。

先行技術

0018

米国特許第6,565,647号明細書
米国特許第5,830,815号明細書
米国特許第6,204,214号明細書
米国特許第6,518,212号明細書
米国特許第6,787,495号明細書
米国特許出願公開第2006/0066013号明細書
米国特許出願公開第2002/0165082号明細書
米国特許出願公開第2005/0258405号明細書

課題を解決するための手段

0019

要旨
したがって、本明細書中で開示され記載されたセラミック材料および方法の実施形態は、放射性物質、電磁エネルギー、およびマイクロ波エネルギーの格納、封止、および遮蔽のための独特な放射線遮蔽品質および特性を有する「低温焼成」化学結合性酸化物−リン酸塩のセラミックセメントまたはセラミックコンクリート複合材料を提供する。さらに、開示された実施形態は、既存の汚染されたポルトランドセメント、ならびに有害な放射性廃棄物物質および他の有害廃棄物質によって汚染されている、または汚染され得る他のセメント性およびエポキシ性の建築材料および建設材料被覆包含するセラミックセメントまたはセラミックコンクリート建築材料および建設用途のための独特な放射線遮蔽品質を含む。

0020

例えば、病院医療室および歯科室ならびにそれらの施設においてX線機器およびX線装置から発生したX線を減衰させることに関して、代表的な実施形態が記載されているが、これは、垂直壁フローリングおよび天井用の用途を含む医療室および歯科室の壁板、医療用輸送カートのための移動可能で永久的な遮蔽、2つの連接する材料間のX線の漏れ密封するためのグラウト複合化合物、ならびにX線および他の汚染の減衰および遮断が望まれるような他の用途を含むがこれらに限定されないX線を減衰するためのいくつかの製品および製品の変形に組み入れることができる。酸化物−リン酸塩セラミックセメント構造は、必ずしも従来の設計における前述のような欠点があるわけではないが、ポルトランドセメント構造と比較して非常に低い多孔度の構造を形成する。

0021

一実施形態の態様において、周囲温度放射線遮蔽部材を形成する組成物および方法であって、その組成物が「低温焼成」化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックマトリクスと、「低温焼成」化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックマトリクス中に分散された放射線遮蔽材料とを含む、放射線遮蔽部材を形成するための組成物および方法を開示する。

0022

本発明中の低レベル放射線遮蔽は、粉末状の酸化バリウム、硫酸バリウム、および他のバリウム化合物、酸化セリウムおよびセリウム化合物、ならびに粉末状の酸化ビスマスおよびビスマス化合物、酸化ガドリニウムおよびガドリニウム化合物、酸化タングステンおよびタングステン化合物、劣化ウランおよび劣化ウラン化合物などの有効な放射線不透過性フィラーの種々の組み合わせを採用し、これらを酸化マグネシウム(MgO)粉末およびリン酸二水素カリウム(KH2PO4)、ならびに水の特定の割合からなる酸−リン酸溶液中で結合させた。得られた化学結合性酸化物−リン酸塩セラミック複合材料は、0.5インチまでの材料厚においてX線放射を120kVpまで減衰させるために必要な放射線遮断を提供することにより、医療用X線を効果的に遮断することを示した。これらの化学結合性酸化物−リン酸塩セラミック複合放射線遮蔽材料は、厚さを増すだけで、より高いkVpエネルギーレベルをより効率的に減衰する。

0023

一実施形態によれば、化学結合性酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックマトリクスおよび放射線遮蔽材料を含む組成物が提供される。ここで、放射線遮蔽材料は、化学結合性酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックマトリクス中に分散され、この放射線遮蔽材料は、バライト、硫酸バリウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化ガドリニウム、粉末状および繊維状の焼きなまされた40〜75%有鉛ガラスゼオライトクリノプチロライト、セレスタイト、ならびに劣化ウランからなる群から選択される。

0024

本発明の別の態様によれば、ゼオライトは、以下の成分およびおおよそ以下の重量パーセンテージで構成される:52.4%のSiO2、13.13%のAl2O3、8.94%のFe2O3、6.81%のCaO、2.64%のNa2O、4.26%のMgO、および10%のMnO。

0025

本発明の別の態様によれば、バライトは、重量パーセンテージでおよそ89〜99重量%のBaSO4の範囲および1〜5.8重量%のケイ酸塩の範囲であり、ただし、請求項2に記載の組成物中に存在するゼオライトの重量パーセンテージ率は、0.2〜50重量%の範囲である。

0026

本発明の別の態様により、リン酸塩をベースとするセラミックマトリクスは、KH2PO4(リン酸二水素カリウム)、MgHPO4(リン酸水素)、Fe3(HPO4)2(リン酸鉄(II))、Fe3(HPO4)2・8H2O(リン酸鉄(II)八水和物)、FeHPO4(リン酸鉄(III))、FeHPO4・2H2O(リン酸鉄(III)二水和物、AlPO4(リン酸アルミニウム)、AlPO4・1.5H2O(リン酸アルミニウム水和物)、CaHPO4(リン酸水素カルシウム)、CaHPO4・2H2O(リン酸水素カルシウム二水和物)、BiPO4(リン酸ビスマス)、CePO4(リン酸セリウム(III))、CePO4・2H2O(リン酸セリウム(III)二水和物)、GdPO4・1H2O(リン酸ガドリニウム)、BaHPO4(リン酸水素バリウム)、およびUPO4(劣化ウラン(U−238)リン酸塩)からなる群から選択される。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
化学結合性酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックマトリクスと、放射線遮蔽材料とを含む組成物であって、該放射線遮蔽材料が該化学結合性酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックセメントマトリクス中に分散され、該放射線遮蔽材料が、バライト、酸化バリウム、硫酸バリウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化ガドリニウム、劣化ウラン酸化物、焼きなました40%〜75%の有鉛ガラスの粉末および繊維、ゼオライト、クリノプチロライト、ならびにセレスタイトからなる群から選択される、組成物。
(項目2)
前記ゼオライトが、重量パーセンテージで52.4%のSiO2、13.13%のAl2O3、8.94%のFe2O3、6.81%のCaO、2.64%のNa2O、4.26%のMgO、および10%のMnOを含む、項目1に記載の組成物。
(項目3)
バライトが、重量でおよそ89%〜99%の範囲のBaSO4および1%〜5.8%の範囲のケイ酸塩であり、項目2に記載の組成物中に存在するゼオライトの重量パーセンテージが0.2%〜50%の範囲である、項目1に記載の組成物。
(項目4)
前記リン酸塩をベースとするセラミックマトリクスが、KH2PO4(リン酸二水素カリウム)、MgHPO4(水素リン酸塩)、Fe3(HPO4)2(リン酸鉄(II))、Fe3(HPO4)2・8H2O(リン酸鉄(II)八水和物)、FeHPO4(リン酸鉄(III))、FeHPO4・2H2O(リン酸鉄(III)二水和物)、AlPO4(リン酸アルミニウム)、AlPO4・1.5H2O(リン酸アルミニウム水和物)、CaHPO4(リン酸水素カルシウム)、CaHPO4・2H2O(リン酸水素カルシウム二水和物)、BiPO4(リン酸ビスマス)、CePO4(リン酸セリウム(III))、CePO4・2H2O(リン酸セリウム(III)二水和物)、GdPO4・1H2O(リン酸ガドリニウム)、BaHPO4(リン酸水素バリウム)、およびUPO4(劣化ウラン(U−238)リン酸塩)からなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目5)
前記酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックマトリクスが、MgHPO4・3H2O(リン酸水素マグネシウム三水和物)である、項目1に記載の組成物。
(項目6)
前記放射線遮蔽材料が、前記酸化物−リン酸塩セラミック中に分散された少なくとも1つ以上の凝集物または粉末として形成される、項目1に記載の組成物。
(項目7)
前記酸化物−リン酸塩セラミックマトリクスが、少なくとも2つの異なる金属リン酸塩を含む、項目1に記載の組成物。
(項目8)
前記少なくとも2つの異なる金属リン酸塩が、リン酸水素マグネシウム、リン酸鉄(III)、リン酸アルミニウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ビスマス、リン酸セリウム(III)、リン酸ガドリニウム、およびリン酸水素バリウムからなる群から選択される、項目7に記載の組成物。
(項目9)
前記酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックマトリクスが、式:
MHPO4・xH2O
であり、式中、Mが、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Fe(鉄(II))、およびBa(バリウム)からなる群から選択される二価カチオンであり、
xが、0、2、3、または8のうちの少なくとも1つである、
項目1に記載の組成物。
(項目10)
前記酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックマトリクスが、式:
MPO4・xH2O
であり、式中、Mが、Al(アルミニウム)、Ce(セリウム(III))、U238(劣化ウラン)、およびFe(鉄(III))からなる群から選択される三価カチオンであり、
xが0、1.5、または2のうちの少なくとも1つである、
項目1に記載の組成物。
(項目11)
前記酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックマトリクスが、式:
MM’PO4・xH2O
であり、式中、Mが、Ba(バリウム)、およびMg(マグネシウム)からなる群から選択される二価カチオンであり、M’が、Li(リチウム)、Na(ナトリウム)、およびK(カリウム)からなる群から選択される一価カチオンであり、xが、0、2、3、または6のうちの少なくとも1つである、
項目1に記載の組成物。
(項目12)
多層構造を形成するために少なくとも2つの放射線遮蔽材料を含む、項目1に記載の組成物。
(項目13)
カチオン成分を有し放射線遮蔽能力を示す化学結合性酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックマトリクスと;粉末、凝集物および繊維からなる群から選択される放射線遮蔽材料とを含み、該放射線遮蔽材料が該化学結合性酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックマトリクス中に分散されている、放射線遮蔽組成物
(項目14)
前記化学結合性酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックが、100℃未満で硬化する、項目13に記載の放射線遮蔽組成物。
(項目15)
前記カチオンが、アルミニウム、バリウム、ビスマス、セリウム、タングステン、ガドリニウム、および劣化ウランからなる群から選択される、項目13に記載の放射線遮蔽組成物。
(項目16)
前記放射線遮蔽材料が、バライト、硫酸バリウム、ビスマス金属、酸化セリウム、酸化ガドリニウム、酸化タングステン、およびゼオライトからなる群から選択される、項目13に記載の放射線遮蔽組成物。
(項目17)
カチオン成分を有し、放射線遮蔽能力を示す化学結合性酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックマトリクスと、該化学結合性酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックマトリクス中に分散されている放射線遮蔽材料から実質的に構成される組成物であって、該カチオン成分が、アルミニウム、バリウム、ビスマス、セリウム、ガドリニウム、タングステン、および劣化ウランからなる群から選択される、組成物。
(項目18)
前記放射線遮蔽材料が、バライト、硫酸バリウム、ビスマス金属酸化物およびその化合物、セリウム酸化物およびその化合物、ゼオライト、クリノプチロライト、斜長石輝石橄欖石、セレスタイト、酸化ガドリニウムおよびその化合物、酸化タングステンおよびその化合物、40%〜75%の鉛(Pb)含有量の粉末状および/または繊維状の焼きなまされた有鉛ガラスからなる群から選択される、項目17に記載の組成物。
(項目19)
放射線遮蔽部材を周囲温度で構築する方法であって、放射線遮蔽能力を有する金属酸化物をリン酸塩含有材料と混合する工程と;放射線遮蔽材料を該金属酸化物およびリン酸塩含有材料混合物中に組み込む工程と;該組み込まれた放射線遮蔽材料および金属酸化物およびリン酸塩含有材料混合物を周囲温度で硬化させる工程とを含む、方法。
(項目20)
硬化が100℃未満で生じる、項目19に記載の温度条件で放射線遮蔽部材を構築する方法。
(項目21)
前記リン酸塩含有材料がリン酸である、項目19に記載の周囲温度で放射線遮蔽部材を構築する方法。

0027

上記の一般的な説明および以下の詳細な説明は、両方とも単に例示かつ説明するものであって、特許請求される実施形態を制限するものではないことが理解される。

実施例

0028

発明の詳細な説明
参照により、本発明の好適な実施形態について詳細に述べる。本発明は、周囲条件において放射線遮蔽部材を形成するための組成物および方法に関する。本発明の組成物が、X線放射、電磁スペクトル、およびマイクロ波スペクトル、ならびに電子ビーム溶接からのエネルギー(制動放射線または二次放射線)などの種々の形態の放射線の遮蔽および減衰のために利用されることを意図していることは、当業者により理解されるであろう。

0029

本組成物および方法は、電磁スペクトルの領域において放射線遮蔽能力を示す構造部材への利用に効率的な組成物を提供する。得られる材料は、短い期間(半時間〜2日間の硬化)において周囲条件で形成され得る。これにより、一般的に必要とされる高温焼成を行わないで、放射線、電磁波、およびマイクロ波の遮蔽封入材料を含有する化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックマトリクスの形成が可能になる。一般的な高温焼成は、摂氏数百度を超え、通常、約1800℃で行われる。一方、「低温焼成」(周囲温度での硬化)である本方法は、100℃未満で行われ、したがって、遮蔽構造体などの部材のin−situ形成や、他の放射線遮蔽材料と比較して、本組成物により形成されたプリフォームパネルおよび構造体の効率的な輸送および設置が可能となり得る。例えば、本発明に従って形成された構造体は、数日間という期間で形成および準備され完全に硬化した隔壁の使用を可能にする。本発明の組成物は、さらなる放射線遮蔽材料をマトリクス中に含有するようにマトリクスを形成する「低温焼成」化学結合性酸化物−リン酸塩セラミック材料を使用する。化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックマトリクスは、物質または材料を含むリン酸塩の金属酸化物を組み込むことによって形成してもよい。得られる化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックが、構成金属リン酸塩に基づく含水性の形態であり得ることは、当業者によって理解される。好適な金属酸化物は、得られる金属リン酸塩セラミックが放射線遮蔽能力を示すように、カチオン成分が放射線遮蔽に関連する金属酸化物を含有してもよい。好適なリン酸塩含有物質または材料としては、リン酸二水素カリウム、リン酸、酸性リン酸塩、リン酸一水素塩などが含まれる。好適な酸化物としては、マグネシウム、鉄(IIまたはIII)、アルミニウム、バリウム、ビスマス、セリウム(IIIまたはIV)、ガドリニウム、タングステン、および劣化ウラン(III)(実質上ウラン238)が含まれる。

0030

得られる化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックは、KH2PO4(リン酸二水素カリウム)、MgHPO4・3H2O(リン酸水素マグネシウム三水和物)、MgHPO4(リン酸水素マグネシウム)、Fe3(HPO4)2(リン酸鉄(II))、Fe3(HPO4)2・8H2O(リン酸鉄(II)八水和物)、FeHPO4(リン酸鉄(III))、FeHPO4・2H2O(リン酸鉄(III)二水和物)、AlPO4(リン酸アルミニウム)、AlPO4・1.5H2O(リン酸アルミニウム水和物)、CaHPO4(リン酸水素カルシウム)、CaHPO4・2H2O(リン酸水素カルシウム二水和物)、BiPO4(リン酸ビスマス)、CePO4(リン酸セリウム(III))、CePO4・2H2O(リン酸セリウム(III)二水和物)、BaHPO4(リン酸水素バリウム)、およびUPO4(劣化ウラン(U−238)リン酸塩)を含んでもよい。さらなる例として、種々の金属および希土類リン酸塩/リン酸水素、例えばGdPO41H2Oリン酸ガドリニウムなども使用されてよい。好適な多重金属リン酸塩としては、リン酸水素マグネシウム、リン酸鉄(III)、リン酸アルミニウム、リン酸水素カルシウム、リン酸セリウム(III)、およびリン酸水素バリウムが含まれる。一実施形態において、セラミックマトリクスは、以下の式:MHPO4・xH2O(式中、Mは、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Fe(鉄(II))、およびBa(バリウム)からなる群から選択される二価カチオンであり、xは、0、2、3、または8のうちの少なくとも1つである)で表される。

0031

さらなる実施例において、化学結合性酸化物−リン酸塩をベースとするセラミックマトリクスは、以下の式:MPO4・xH2O(式中、Mは、Al(アルミニウム)、Ce(セリウム(III))、U238(劣化ウラン)、およびFe(鉄(III))からなる群から選択される三価カチオンであり、xは、0、1.5、または2のうちの少なくとも1つである)で表される。さらなる実施形態において、種々のキロボルトピーク(kVp)の範囲に渡って効果的な減衰を提供するために、多層構造を形成する。例えば、ある範囲に渡って遮蔽および減衰を示す単一構造を形成する鋳造法またはスプレー法によって多層材料を形成する。この層は、所望の遮蔽および減衰を実現するために、セラミックおよび遮蔽材料の種々の組み合わせで形成されてもよい。例えば、第1の層をビスマス遮蔽材料で形成し、第2の層はセリウムをベースとするセラミックで形成する。また、硫酸バリウム遮蔽材料を含有するセラミックの第3の層も含まれてよい。本実施例では、120kVpのX線減衰のために、0.5インチの材料厚で酸化セリウムが含まれる。材料厚が厚くなるほど、より高いエネルギーレベルでX線放射を効果的に減衰できる。また、ある実施形態において、ビスマスは、波長周波数、または光子エネルギーにおいて電磁スペクトルからγ線までの放射線を遮蔽するように、調製または適用できる。

0032

したがって、多重層構造を達成するために、複数の放射線遮蔽材料を採用できる。化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックマトリクスは、それら自体が良好に結合するので、複数の放射線遮蔽材料を使用してセラミックマトリクス中の材料を層状化することにより、遮蔽する範囲を広げることが可能である。一実施形態において、層状化は、個々の層を別々に硬化し、次いで、例えば、先に硬化させた層の上に次の層を形成する、または先に硬化させた層を酸化物−リン酸塩結合性セラミック接着剤を使用して結合するなどの既知の方式で層を結合させることにより達成される。

0033

前述の層状化プロセスの実施形態においては、好適な放射線遮蔽材料を酸化物−リン酸塩セラミックセメント材料中に分散させてもよい。X線、マイクロ波、および同様の領域または電磁スペクトルの領域の一部分など、電磁スペクトルのある部分を減衰するために、遮蔽材料を組み合わせて単一のマトリクス中に組み込んでもよいことは、当業者により理解される。例としては、粉末、凝集体、繊維、織り繊維などが含まれる。例示的な材料としては、バライト、硫酸バリウム、ビスマス金属、タングステン金属、焼きなました有鉛ガラスの繊維および粉末、酸化セリウム、ゼオライト、クリノプチロライト、斜長石、輝石、橄欖石、セレスタイト、ガドリニウム、適当な形態の鉛、および劣化ウランが含まれる。

0034

ゼオライトは、重量パーセンテージでおよそSiO2(二酸化ケイ素)52.4%、Al2O3(酸化アルミニウム)13.13%、Fe2O3(酸化二鉄)8.94%、CaO(酸化カルシウム)6.81%、Na2O(酸化ナトリウム)2.64%、MgO(酸化マグネシウム)4.26%であり得る。一方、バライトは、BaSO4(硫酸バリウム)約89%以上、ケイ酸塩5.8%、そして残りが天然比率の異なる二酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化マンガン、および酸化カリウムからなる。上述の近似値は、天然の重量パーセンテージ率の違いに依存している。一実施形態において、セラミックのゼオライト成分は、粒子径が約5〜約500ミクロンの範囲(−30メッシュ〜+325メッシュ、−25%で325メッシュを通過)の玄武岩ゼオライトまたはクリノプチロライトのいずれかである。実施された研究は、セラミックに対するゼオライトが重量パーセンテージ2〜20重量%の範囲で存在する場合に、最も良い結果が得られることを示している。バライトとゼオライトの組み合わせによって、強化された放射線防護はバライト単独で使用した場合に得られる放射線防護に勝っており、それは、ゼオライトの同位体封止能力によるものである。

0035

ゼオライトは、好ましくは、天然形態で使用されるが、合成ゼオライト使用可能である。当業者によって理解されるように、ゼオライトの主な式は、M2/nO.Al2O3.xSiO2.yH2Oであり、式中、Mは、原子価n[7]の補償カチオンと定義する。構成成分は、環構造から多面体までの基礎単位において、四面体の配列のような一般構造を有するMx/n[(AlO2)x(SiO2)y].zH2Oである。

0036

例示的実施形態において、遮蔽部材を構築する方法は、リン酸塩含有物質と、二価金属カチオンを含む金属酸化物とを混合する工程を含む。好適なリン酸塩含有材料としては、リン酸、リン酸水素物質(リン酸水素塩およびリン酸二水素塩)などが含まれる。放射線遮蔽材料は、金属酸化物およびリン酸塩含有材料の混合物に組み入れられてもよい。組み入れ方法は、凝集物、粉末、および繊維を分散する方法を含む。鋳造プロセス、層状化プロセスなどの一部分として織り繊維を組み入れてもよい。組み入れられた放射線遮蔽材料および金属酸化物−リン酸塩セラミックは、周囲温度で強固に(最大圧縮強さ)硬化され得る。例えば、部材は、キャストインプレイスされてもよく、硬化反応は周囲条件(すなわち、周囲温度)で行われてもよい。一実施形態において、放射線遮蔽部材の反応および硬化は、100℃未満で生じる。得られる部材の多孔度は、選択される試薬に基づいて変わり得ることは、当業者によって理解されるであろう。多孔度を著しく減少させ、かつ強度を増加させるような優れた混合凝集体は、15:85〜50:50の範囲の比率で添加され得るフライアッシュボトムアッシュ、および珪灰石、ならびに米国特許第6,518,212号(発明の名称:「Chemically bonded phospho−silicat ceramics」:化学結合リンケイ酸塩セラミックは、水溶液中において一価アルカリ金属リン酸塩(または、リン酸水素アンモニウム)および難溶性の酸化物と難溶性のケイ酸塩との化学反応によって形成された)に記載の他の難溶性のケイ酸塩である。一価アルカリ金属リン酸塩(または、リン酸水素アンモニウム)および難溶性の酸化物は、両方とも粉末状であり、バインダー粉末を形成するために化学量論モル比の範囲(0.5〜1.5):1において結合する。同様に、難溶性のケイ酸塩も粉末状であり、混合物を形成するためにバインダー粉末と混合される。混合物に水を加えて、スラリーを形成する。水は、前記スラリー中の粉体混合物を、重量パーセンテージで50重量%含む。スラリーは硬化することができる。得られる化学結合性リンケイ酸塩セラミックは、高い曲げ強度、高い圧縮強度、低多孔性、および水に対する浸透性を示し、定義可能で生物学的適合可能な化学組成を有しており、ほとんどの所望の色彩または色相へと非常に簡単に着色できる。これら難溶性のケイ素酸の他の例としては、ケイ酸カルシウム(CaSiO3)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO3)、ケイ酸バリウム(BaSiO3)、ケイ酸ナトリウム(NaSiO3)、ケイ酸リチウム(LiSiO3)、蛇紋岩(Mg6O10{OH}8)が含まれる。

0037

特定の実施形態において、本発明の組成物で構成された放射線遮蔽部材は、金属酸化物である一カリウムリン酸塩1lb(1ポンド)と、減衰物質の凝集物、粉末、または繊維状フィラーなどの放射線遮蔽材料1lb(1ポンド)とを混合して形成される。そして、H2O(水)約20重量%が加えられ、得られた「低温焼成」複合放射線遮蔽材料は、硬化し得る。この実施形態において、一カリウムリン酸塩に対する金属酸化物の比率は、重量パーセンテージで、金属酸化物(例えば、死焼酸化マグネシウムなど)1/3対一カリウムリン酸塩またはMLP(KH2PO4)2/3であり、さらに、フライアッシュ、ボトムアッシュ、および他の好適な難溶性のケイ酸塩の重量パーセンテージは15:85〜50:50である。「死焼」酸化マグネシウム(MgO)および一カリウムリン酸塩(MKP)、および/または任意の好適な代替酸化物と採用されたリン酸物質の間の種々のモル比に応じて、前述のMgO、MKPの重量/体積比は変わってもよく、それでもなお意図される減衰/遮蔽混合物のための効果的な結合を生じ得る。

0038

さらなる実施形態において、種々の炭酸塩、重炭酸塩(例えば、重炭酸ナトリウム炭酸水素カリウムなど)、または金属水酸化物試薬は、金属酸化物の最高反応温度および炭酸塩、重炭酸塩、水酸化物と酸性リン酸塩との反応の結果を制限するために、2段階プロセスで酸性リン酸塩と反応してもよい。

0039

さらなる実施形態において、他の酸を使用して、金属酸化物−リン酸塩セラミックをベースとする材料を形成してもよい。その酸の選択は、採用される金属酸化物に基づいて行われてもよい。好適な金属酸化物としては、二価および三価金属遷移金属ならびにランタニド系列およびアクチニド系列の金属を含む)が含まれる。他の好適な酸としては、遅延剤としてのホウ酸(総粉末の1%未満)が含まれる。ならびに、別の実施形態において、特定の酸化物リン酸塩セメント性混合物(例えば、酸化バリウム)およびビスマスリン酸塩混合物が良好な水溶性でない場合、塩酸触媒として使用される。

0040

特定の実施例において、選択されるセラミックマトリクスと所望の遮蔽材料を混合して、例示的な組成物を形成した。一実施形態において、最終結合混合物は、遮蔽材料が内部結合または外部結合あるいはその両方によってセメント付けされるかまたはセメント材料と結合されている生成物を形成する。さらに、そのセラミック材料は、−200メッシュまたはそれ以下の範囲である。以下の特定の実施例は、単に例示するもので、本発明の原理を説明するために使用される。以下の手順は、周囲条件(例えば、温度、圧力)で行われた。例えば、大気圧下にて65゜F〜85゜Fの範囲の室温で実施した。均一粒子を得るために材料を完全に均質化する試みは実施しなかったが、一方、セラミックマトリクス内の遮蔽材料の実質的な均一分散は試みた。

0041

織り繊維状の遮蔽繊維材料が採用されている試料では、セラミックが加水分解され、繊維材料に接触して鋳造される。粉末状遮蔽材料が組み込まれた例において、粒径は材料に応じて異なった。理想的には、粉末粒径は、−200メッシュまたはそれ以下の範囲である。種々の粒径が利用され得ることは、当業者によって理解される。乾燥混合物を加水分解するために水が加えられる。水とセラミック酸化物、リン酸塩、および遮蔽材料の組み合わせは、十分な時間と十分な力をかけて混合され、それにより、混合物が元の温度の20〜40%の間の発熱を生じる。加水分解された混合物は、真空式振動式、または同等な方法により圧縮され、空間を除去した。圧縮は、好ましくは、容易に除去できるように低い摩擦係数を有する容器(例えば、ポリプロピレンまたはポリエチレンから形成されたポリマー性容器)内で行われた。試料は、周囲条件での接触(少なくとも24時間)で硬化可能であった。

0042

試料に対し、X線鉛換算試験を行った。テストを行った試料は、本開示に記載されたような、金属酸化物(MgO(「死焼」酸化マグネシウムなど)、好適な難溶性のケイ酸塩、および放射線不透過性添加剤を、酸−リン酸塩溶液中(例えば、一カリウムリン酸塩および水)で攪拌して形成した。金属酸化物が溶解して、リン酸アニオンと反応してリン酸塩ゲルを形成するカチオンが形成される。このゲルは、続いて結晶化し硬化して、低温焼成セラミックとなる。また、酸化物の溶解により、溶液のpHが上昇して、中性pH付近で低温焼成セラミックが形成される。

0043

酸−リン酸塩溶液中の酸化物の溶解性を制御することで、化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックが生成される。低溶解性の酸化物または酸化鉱物は、その溶解性が制御可能であるため、化学結合性リン酸塩セラミックを形成するための最も良い候補である。試料配合物中の金属酸化物は、「死焼」酸化マグネシウム(MgO)として既知であり、酸−リン酸塩溶液中での溶解性を低くするために1300度以上で焼成されている。酸と良好に反応するように、酸化物粉末は前処理できる。1200℃と1500℃の間の代表的な温度、特に代表的には1300℃まで粉末を焼成するプロセスを含む技法は、無数の方法において酸化物粒子の表面を変え、セラミック形成を容易にすることがわかっている。焼成することにより、粒子がお互いに接着し、また結晶も形成される。これにより、反応速度が遅くなり、セラミック形成が助成される。反応速度が速いと、望ましくない粉末状の沈殿物が形成される傾向にある。次いで、そのような「死焼」酸化マグネシウムは、室温で任意の酸−リン酸塩溶液(例えば、アンモニウムまたはリン酸二水素カリウム)と反応して、リン酸カリウムマグネシウムセラミックを形成し得る。酸化マグネシウム−一カリウムリン酸塩の場合、MgO(「死焼」酸化マグネシウム)、KH2PO4(一カリウムリン酸塩)、および好適な難溶性のケイ酸塩の混合物を単純に水に加え、バッチサイズに応じて5分〜25分間攪拌して得られる。一カリウムリン酸塩は、最初に水に溶解し、そしてMgOを溶解させて酸−リン酸塩溶液を形成する。得られる「低温焼成」化学結合性酸化物−リン酸塩セラミックは、本明細書に明確に記載されているように任意の所望する遅延剤(例えば、ホウ酸)を含んで、水−活性酸−リン酸塩溶液中に酸化物および放射線不透過性添加剤の粉末状混合物を攪拌することにより形成され、その溶液中には、「死焼」酸化マグネシウム(MgO)が溶解しており、一カリウムリン酸塩(MKP)およびある用途においては好適な難溶性のケイ酸塩(例えば、珪灰石など)と反応し、「低温焼成」セラミックセメント性材料中に組み込まれる。

0044

0045

0046

*この試料は高減衰であるために、60kVpの管電圧に対して鉛換算を正確に報告できない。鉛換算は、次のより高いkVp設定のもの以上である。(表中、kVp−キロボルトピーク;mmA1−)。

0047

開示したプロセスにおける各段階の特定の順序または階層は、例示的手法の一例であることが理解される。設計の優先順位に基づき、これらのプロセスにおける段階の特定の順序または階層は、本発明の適用範囲内に含まれるかぎり、並び替えられてもよいことが理解される。添付の方法は、試料の順序における種々の段階の要素を提示するものであり、提示した特定の順序または階層に制限されることを意図するものではない。

0048

本発明およびそれに付随する多くの利点は、以上の説明により理解されると考えられる。また、本発明の適用範囲および趣旨から逸脱することなく、またはその材料の利点を犠牲にすることなく、形態、構造、およびそれらの構成要素の順列における種々の変更を行ってもよいことは明らかである。前述の本明細書中の形態は、単にその例示的な実施形態を説明するに過ぎない。予想される特定の変更は、最終的に、結合に利用可能な表面要素を増加させるように、ナノ粒径構成材料の調製を包含する。本特許に記載された化学結合性酸化物−リン酸塩放射線遮蔽セラミックの全てではないにしろ、ほとんどが、セメント、コンクリート、乾式壁の材料、被膜、およびグラウト材として製造され、注入され、スプレーされ、こて塗りされ、種々の形態に成形され使用され得る。したがって、以下の特許請求の範囲は、最終的に、これらの変化と可能性の、すべてではないにしろ、大部分を網羅し含むことが意図される。

0049

さらに、本明細書中で開示された実施形態は、放射線汚染物質および構造体をその物質および構造体中に封止し格納し、それによって封止された物質および構造体の外部の物質を遮蔽し保護するため、放射線で汚染された物質および構造体に対して適用され得る。

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