図面 (/)

技術 通信システム、移動無線通信端末、通信プログラム、記憶媒体及び通信方法

出願人 田中秀樹
発明者 田中秀樹
出願日 2012年2月12日 (8年9ヶ月経過) 出願番号 2012-027883
公開日 2013年8月22日 (7年2ヶ月経過) 公開番号 2013-165410
状態 特許登録済
技術分野 広域データ交換 移動無線通信システム
主要キーワード 無線通信端末機 フロー番号 最低保証 デキュー処理 移動通信回線 上り側 下り側 キューイングシステム
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年8月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

通信速度や通信信頼性を向上することができる通信システム移動無線通信端末通信プログラム記憶媒体及び通信方法を提供する。

解決手段

本発明の通信システム1は、ファイルを複数の分割ファイルに分割する分割手段201と、キュー生成手段202と、エンキュー手段203と、通信回線帯域幅を前記キューの帯域幅で除して得た商を並列デキュー数として、エンキューされた複数の前記分割ファイルを帯域幅に応じた並列デキュー数だけ並列にデキューするデキュー手段205と、デキューされた前記複数の分割ファイルから前記ファイルを復元する復元手段306と、を備える。

概要

背景

従来の無線通信システムは、QoS(Quality of Service)制御に基づき、クライアントコンピュータ(以下、「クライアント」という。)及びサーバ・コンピュータ(以下、「サーバ」という。)の間で、主として、以下の(1)識別処理、(2)エンキュー処理、(3)スケジュール処理、(4)デキュー処理及び(5)受信処理を行う。

(1)識別処理では、例えばクライアントが、IPアドレスやMAC(Media Access Control)アドレス及びToS(Type of Service)フィールドを参照し、送信(例えばアップロード)対象のファイルに関するパケットを各フロー分類識別)する。

(2)エンキュー処理では、例えばクライアントが、識別されたフロー番号に応じ、好適にキューを生成しエンキューする。

(3)スケジュール処理では、例えばクライアントが、各キューの優先度帯域幅パケット長さ、キューイング時刻等に応じて、各キューの先頭パケットデキューする順序やタイミングを計算(スケジューリング)する。

(4)デキュー処理では、例えばクライアントが、スケジュール処理に応じて、各キューの先頭パケットをデキューする。デキューされたパケットは、インターネットを介して、例えばクライアントからサーバに送信(アップロード)される。

(5)受信処理では、例えばサーバが、デキューされたすべてのパケットを受信し、すべてのパケットからファイルを復元する。

また、従来の無線通信システムでは、無線通信回線Tの帯域幅を有効利用するため、無線通信回線Tの使用可能な帯域幅を上限として、キューQ1の帯域幅が図8に示す固定帯域、又は、図9及び図10に示す可変帯域に設定されていた。

概要

通信速度や通信信頼性を向上することができる通信システム移動無線通信端末通信プログラム記憶媒体及び通信方法を提供する。本発明の通信システム1は、ファイルを複数の分割ファイルに分割する分割手段201と、キュー生成手段202と、エンキュー手段203と、通信回線の帯域幅を前記キューの帯域幅で除して得た商を並列デキュー数として、エンキューされた複数の前記分割ファイルを帯域幅に応じた並列デキュー数だけ並列にデキューするデキュー手段205と、デキューされた前記複数の分割ファイルから前記ファイルを復元する復元手段306と、を備える。

目的

本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、少なくとも通信速度を向上させることができる通信システム、移動無線通信端末、通信プログラム、記憶媒体及び通信方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ファイルを複数の分割ファイルに分割し、又は、前記ファイルを複数の分割ファイルに分割してから前記分割ファイルを更に複数のパケットに分割する分割手段と、通信回線帯域幅以下の帯域幅に設定された複数のキューを生成するキュー生成手段と、前記分割ファイル又は前記パケットを前記キューにエンキューするエンキュー手段と、エンキューされた複数の前記分割ファイル又は前記パケットを前記通信回線の帯域幅に応じた並列デキュー数だけ並列にデキューするデキュー手段と、デキューされた前記複数の分割ファイル又は前記パケットから前記ファイルを復元する復元手段と、を備える通信ステム

請求項2

前記ファイル又は前記パケット及び前記キューを記憶する記憶手段と、前記分割ファイル毎の送受信結果をフラグ管理により確認する確認手段と、前記確認手段から得られた前記分割ファイルの受信失敗情報に基づいて前記デキュー手段に当該受信失敗の分割ファイル又は当該分割ファイルに係るパケットを再デキューさせると共に、前記確認手段から得られた前記分割ファイルの受信成功情報に基づいて前記記憶手段から当該受信成功の分割ファイル又は当該分割ファイルに係るパケットを消去する再送手段と、を更に備える請求項1に記載の通信システム。

請求項3

前記デキュー手段に対し、複数の前記ファイルの中から前記並列デキュー数分だけ選択された1又は複数のファイルに係る各1の分割ファイル又は当該分割ファイルに係るパケットをデキューさせるスケジュール手段と、を更に備える請求項1又は請求項2に記載の通信システム。

請求項4

前記デキュー手段に対し、1の前記ファイルに係る複数の分割ファイルの中から前記並列デキュー数分だけ選択された1又は複数の分割ファイル又は当該分割ファイルに係るパケットをデキューさせるスケジュール手段と、を更に備える請求項1又は請求項2に記載の通信システム。

請求項5

前記分割ファイルのデータ量は、前記通信回線が1秒間に転送可能なデータ転送量の100%以下の固定値である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通信システム。

請求項6

前記キュー生成手段は、前記通信回線の帯域幅を前記キューの帯域幅で除して得た商を前記並行デキュー数とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の通信システム。

請求項7

前記キュー生成手段は、前記キューの帯域幅が所定の帯域幅以上になるように前記キューの帯域幅を決定する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の通信システム。

請求項8

ファイルを複数の分割ファイルに分割し、又は、前記ファイルを複数の分割ファイルに分割してから前記分割ファイルを更に複数のパケットに分割する分割手段と、移動無線通信回線の帯域幅以下の帯域幅に設定された複数のキューを生成するキュー生成手段と、前記分割ファイル又は前記パケットを前記キューにエンキューするエンキュー手段と、エンキューされた複数の前記分割ファイル又は前記パケットを前記移動無線通信回線の帯域幅に応じた並列デキュー数だけ並列にデキューするデキュー手段と、を備える移動無線通信端末

請求項9

ファイルを複数の分割ファイルに分割し、又は、前記ファイルを複数の分割ファイルに分割してから前記分割ファイルを更に複数のパケットに分割する分割手段と、通信回線の帯域幅以下の帯域幅に設定された複数のキューを生成するキュー生成手段と、前記分割ファイル又は前記パケットを前記キューにエンキューするエンキュー手段と、エンキューされた複数の前記分割ファイル又は前記パケットを前記通信回線の帯域幅に応じた並列デキュー数だけ並列にデキューするデキュー手段と、としてコンピュータを機能させる通信プログラム

請求項10

請求項9に記載の通信プログラムを記憶する記憶媒体

請求項11

ファイルを複数の分割ファイルに分割し、又は、前記ファイルを複数の分割ファイルに分割してから前記分割ファイルを更に複数のパケットに分割する分割ステップと、通信回線の帯域幅以下の帯域幅に設定された複数のキューを生成するキュー生成ステップと、前記分割ファイル又は前記パケットを前記キューにエンキューするエンキューステップと、エンキューされた複数の前記分割ファイル又は前記パケットを前記通信回線の帯域幅に応じた並列デキュー数だけ並列にデキューするデキューステップと、を備える通信方法

技術分野

0001

本発明は、通信ステム移動無線通信端末通信プログラム記憶媒体及び通信方法係り、特に、キューイングシステムを利用する通信システム、移動無線通信端末、通信プログラム、記憶媒体及び通信方法に関する。

背景技術

0002

従来の無線通信システムは、QoS(Quality of Service)制御に基づき、クライアントコンピュータ(以下、「クライアント」という。)及びサーバ・コンピュータ(以下、「サーバ」という。)の間で、主として、以下の(1)識別処理、(2)エンキュー処理、(3)スケジュール処理、(4)デキュー処理及び(5)受信処理を行う。

0003

(1)識別処理では、例えばクライアントが、IPアドレスやMAC(Media Access Control)アドレス及びToS(Type of Service)フィールドを参照し、送信(例えばアップロード)対象のファイルに関するパケットを各フロー分類識別)する。

0004

(2)エンキュー処理では、例えばクライアントが、識別されたフロー番号に応じ、好適にキューを生成しエンキューする。

0005

(3)スケジュール処理では、例えばクライアントが、各キューの優先度帯域幅パケット長さ、キューイング時刻等に応じて、各キューの先頭パケットデキューする順序やタイミングを計算(スケジューリング)する。

0006

(4)デキュー処理では、例えばクライアントが、スケジュール処理に応じて、各キューの先頭パケットをデキューする。デキューされたパケットは、インターネットを介して、例えばクライアントからサーバに送信(アップロード)される。

0007

(5)受信処理では、例えばサーバが、デキューされたすべてのパケットを受信し、すべてのパケットからファイルを復元する。

0008

また、従来の無線通信システムでは、無線通信回線Tの帯域幅を有効利用するため、無線通信回線Tの使用可能な帯域幅を上限として、キューQ1の帯域幅が図8に示す固定帯域、又は、図9及び図10に示す可変帯域に設定されていた。

先行技術

0009

特開2003−324471号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、従来の無線通信システムにおいて、図8に示すように、キューQ1の帯域幅が固定の場合、無線通信回線Tの帯域幅が拡大してもキューQ1の帯域幅が固定であるため、転送速度の増大が見込めないという問題があった。また、図9及び図10に示すように、無線通信回線Tの帯域幅の増減に応じてキューQ1の帯域幅を可変させる場合、キューQ1の帯域幅を可変させるための処理時間が余計に必要になるため、可変遅延が生じるという問題があった。つまり、キューQ1の帯域幅が固定帯域又は可変帯域のいずれであったとしても、増減しやすい無線通信回線Tの帯域幅を有効利用することができないという問題があった。

0011

特に、移動無線通信端末(クライアント)及びサーバで構成された移動通信システムにおいては、移動通信回線接続状態が常に不安定であり、その帯域幅の変動幅も大きい。このことから、デキューされるパケットのキューQ1の数を複数ではなく1つに制限し、かつ、キューQ1の帯域幅が可変帯域の場合、キューQ1の可変帯域を移動通信回線の帯域幅の半分程度に制限することが、移動無線通信端末の通信信頼性を維持するためにも必要となる。その結果、移動無線通信端末でない無線通信端末機をクライアントとする無線通信システムと比較して、移動無線通信端末においては大幅な送信遅延が生じる問題があった。

0012

また、無線通信システムでは、通信回線接続状況が不安定な場合、無線通信回線Tの接続及び非接続を繰り返すことがある。図8又は図9に示すパケットa1,a2,・・・の送信中に無線通信回線Tが非接続状態になると、パケットa1,a2,・・・の送信が途中まで終わっていたとしても、先頭パケットa1からすべてのパケットa1,a2,・・・,an1を再送信しなければならないため、上記と同様、従来のパケット通信のみの方式では送信遅延が生じていた。

0013

また、無線通信システムでは、パケットa1,a2,・・・の受信確認を行うことができないので、パケットa1,a2,・・・を一方的に送信していた。そのため、すべてのパケットa1,a2,・・・が正しく受信されているかを確認することができず、従来のパケット通信のみの方式では通信信頼性が不足していた。

0014

そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、少なくとも通信速度を向上させることができる通信システム、移動無線通信端末、通信プログラム、記憶媒体及び通信方法を提供することを本発明の目的としている。

課題を解決するための手段

0015

(1)本発明は、ファイルを複数の分割ファイルに分割し、又は、ファイルを複数の分割ファイルに分割してから分割ファイルを更に複数のパケットに分割する分割手段と、通信回線の帯域幅以下の帯域幅に設定された複数のキューを生成するキュー生成手段と、分割ファイル又はパケットをキューにエンキューするエンキュー手段と、エンキューされた複数の分割ファイル又はパケットを通信回線の帯域幅に応じた並列デキュー数だけ並列にデキューするデキュー手段と、デキューされた複数の分割ファイル又はパケットからファイルを復元する復元手段と、を備える通信システムである。

0016

(2)通信システムは、ファイル又はパケット及びキューを記憶する記憶手段と、分割ファイル毎の送受信結果をフラグ管理により確認する確認手段と、確認手段から得られた分割ファイルの受信失敗情報に基づいてデキュー手段に当該受信失敗の分割ファイル又は当該分割ファイルに係るパケットを再デキューさせると共に、確認手段から得られた分割ファイルの受信成功情報に基づいて記憶手段から当該受信成功の分割ファイル又は当該分割ファイルに係るパケットを消去する再送手段と、を更に備える、ことが好ましい。

0017

(3)通信システムは、デキュー手段に対し、複数のファイルの中から並列デキュー数分だけ選択された1又は複数のファイルに係る各1の分割ファイル又は当該分割ファイルに係るパケットをデキューさせるスケジュール手段と、を更に備える、ことが好ましい。

0018

(4)通信システムは、デキュー手段に対し、1のファイルに係る複数の分割ファイルの中から並列デキュー数分だけ選択された1又は複数の分割ファイル又は当該分割ファイルに係るパケットをデキューさせるスケジュール手段と、を更に備える、ことが好ましい。

0019

(5)分割ファイルのデータ量は、通信回線が1秒間に転送可能なデータ転送量の100%以下の固定値である、ことが好ましい。

0020

(6)キュー生成手段は、通信回線の帯域幅をキューの帯域幅で除して得た商を並行デキュー数とする、ことが好ましい。

0021

(7)キュー生成手段は、キューの帯域幅が所定の帯域幅以上になるようにキューの帯域幅を決定する、ことが好ましい。

0022

(8)また、本発明は、ファイルを複数の分割ファイルに分割し、又は、ファイルを複数の分割ファイルに分割してから分割ファイルを更に複数のパケットに分割する分割手段と、移動無線通信回線の帯域幅以下の帯域幅に設定された複数のキューを生成するキュー生成手段と、分割ファイル又はパケットをキューにエンキューするエンキュー手段と、エンキューされた複数の分割ファイル又はパケットを移動無線通信回線の帯域幅に応じた並列デキュー数だけ並列にデキューするデキュー手段と、を備える移動無線通信端末である。

0023

(9)また、本発明は、ファイルを複数の分割ファイルに分割し、又は、ファイルを複数の分割ファイルに分割してから分割ファイルを更に複数のパケットに分割する分割手段と、通信回線の帯域幅以下の帯域幅に設定された複数のキューを生成するキュー生成手段と、分割ファイル又はパケットをキューにエンキューするエンキュー手段と、エンキューされた複数の分割ファイル又はパケットを通信回線の帯域幅に応じた並列デキュー数だけ並列にデキューするデキュー手段と、としてコンピュータを機能させる通信プログラムである。

0024

(10)また、本発明は、上記の通信プログラムを記憶する記憶媒体である。

0025

(11)また、本発明は、ファイルを複数の分割ファイルに分割し、又は、ファイルを複数の分割ファイルに分割してから分割ファイルを更に複数のパケットに分割する分割ステップと、通信回線の帯域幅以下の帯域幅に設定された複数のキューを生成するキュー生成ステップと、分割ファイル又はパケットをキューにエンキューするエンキューステップと、エンキューされた複数の分割ファイル又はパケットを通信回線の帯域幅に応じた並列デキュー数だけ並列にデキューするデキューステップと、を備える通信方法である。

発明の効果

0026

本発明の通信システム、移動無線通信端末、通信プログラム、記憶媒体及び通信方法によれば、少なくとも通信速度を向上させることができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0027

図1は、本発明の一実施形態である通信システムにおけるクライアントを示すブロック図である。
図2は、本実施形態の通信システムにおけるサーバを示すブロック図である。
図3は、本実施形態のエンキュー処理及びデキュー処理の一例を示す概念図である。
図4は、本実施形態のエンキュー処理及びデキュー処理の他の一例を示す概念図である。
図5は、クライアントにおける処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6は、サーバにおける処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7は、本実施形態の通信システムにおいて通信回線の帯域幅が急激に減少した状態を示す概念図である。
図8は、従来の無線通信システムにおいてキューの帯域幅が固定帯域である場合の一例を示す概念図である。
図9は、従来の無線通信システムにおいてキューの帯域幅が可変帯域である場合の一例を示す概念図である。
図10は、図9の通信回線の帯域幅が減少した場合の一例を示す概念図である。

実施例

0028

以下、本発明の一実施形態を説明する。

0029

[通信システム1の構成]
はじめに、本実施形態の通信システム1を説明する。図1は、本実施形態の通信システム1におけるクライアント2を示すブロック図である。また、図2は、本実施形態の通信システム1におけるサーバ3を示すブロック図である。

0030

本実施形態の通信システム1は、図1及び図2に示すように、コンピュータ・ネットワークCNを介して相互に接続されたクライアント2及びサーバ3により構成されている。

0031

クライアント2及びサーバ3は、コンピュータの機能を個々に発揮するため、図示しない中央処理装置記憶装置入出力装置及び通信装置など、コンピュータとしての一般的な構成要素をそれぞれ有している。

0032

本実施形態の移動無線通信端末としてのクライアント2は、サーバ3又はUSB型メモリなどの記憶媒体5から取得可能な本実施形態の通信プログラムのインストールにより、複数の分割ファイルを帯域幅に応じて並列にデキューする機能を発揮する。また、本実施形態のサーバ3は、例えばWeb・APIを利用したプログラムのインストールにより、分割ファイルを復元する機能を発揮する。これにより、本実施形態の通信システム1は、少なくとも無線通信回線Tの上り側(サーバ3に対するクライアント2の送信側)において、ファイルを分割ファイルに分割してから通信を行う本実施形態の通信方法を実現する。言い換えると、本実施形態の通信システム1は、少なくとも無線通信回線Tの上り側ではパケット通信を必須の通信方法としない。

0033

[クライアント(移動無線通信端末)2の構成]
本実施形態のクライアント2は、3G(第3世代)回線を利用するスマートフォンなどの移動無線通信端末である。他のクライアント2としては、例えば、デスクトップ型コンピュータラップトップ型コンピュータタブレット型コンピュータインターネット対応TV受信機などが挙げられる。

0034

本実施形態のクライアント2は、図1に示すように、分割手段201と、キュー生成手段202と、エンキュー手段203と、記憶手段204と、デキュー手段205と、復元手段206と、確認手段207と、再送手段208と、スケジュール手段209と、を備える。

0035

ただし、無線通信回線Tの下り側(サーバ3に対するクライアント2の受信側)において、本実施形態の通信方法ではない方法で従来のパケット通信を行う場合、本実施形態のクライアント2は、復元手段206を備える必要はない。

0036

(分割手段201)
分割手段201は、ファイル生成手段210から取得したファイルを複数の分割ファイルに分割する。

0037

ここで、分割ファイルのデータ量は、無線通信回線Tが1秒間に転送可能なデータ転送量の100%以下の固定値であることが好ましく、当該データ転送量の10%〜50%の固定値であることがより好ましい。本実施形態の分割ファイルのデータ量は、原則、50kbに固定されている。ただし、最後の分割データ量は、50kb又はそれ以下になる。

0038

また、分割手段201は、分割処理の前後いずれかにおいて、サーバ3に対して送信宣言通知する。送信宣言は、主として、分割ファイルの分割数及びデータ量の報告並びに送信IDの要求により構成される。

0039

クライアント2がサーバ3から送信IDを受信すると、分割手段201は、サーバ3のアドレス、送信ID、分割識別番号及び分割ファイルのデータ量を含むヘッダ情報を各々の分割ファイルに付与する。

0040

なお、他の実施形態においては、本実施形態の「分割ファイル」を「分割ファイルを更に分割して得た複数のパケット」に変更して実施することも可能である。詳細は、本実施形態の説明の後に説明する。

0041

(キュー生成手段202)
キュー生成手段202は、複数のキューを生成する。キューの帯域幅は、無線通信回線Tの帯域幅以下である。

0042

ここで、キュー生成手段202は、無線通信回線Tの帯域幅をキューの帯域幅で除して得た商(いわゆる割り算答え)が2以上となるようにキューの帯域幅を決定する。当該商の値は、後述する並列デキュー数となる。また、当該商に係る剰余(割り算の余り)が0に近づくほど、無線通信回線Tの帯域幅とすべてのキューの帯域幅を加算した合計帯域幅とが等しくなる。

0043

また、キュー生成手段202は、キューの最低保証帯域幅を確保するため、キューの帯域幅が所定の帯域幅以上になるようにキューの帯域幅を決定することが好ましい。分割ファイルのデータ量を考慮すると、当該所定の帯域幅は、無線通信回線Tの帯域幅の10%〜20%が好ましい。

0044

(エンキュー手段203)
エンキュー手段203は、分割ファイルをキューにエンキューする。エンキュー処理を行う際、キューの優先度、各キューにおける分割ファイルの送信比率、最大送信遅延時間などの情報を付加してもよい。

0045

以下、エンキュー処理の一例を説明する。図3及び図4は、エンキュー処理及びデキュー処理の一例を示す概念図である。

0046

エンキュー手段203は、図3に示すように、同一のキュー(例えばキューQ1)に対して、同一のファイル(例えばファイルA)に関する分割ファイル(例えば分割ファイルA1,A2,A3,・・・,An1(n1〜n4は任意の整数))のみをエンキューすることができる。

0047

また、エンキュー手段203は、図4に示すように、優先度の高いファイル(例えばファイルA)に関する複数の分割ファイル(例えば分割ファイルA1〜A5)が各キュー(例えばキューQ1〜Q3)の先頭側優先的に配置されるように当該複数の分割ファイルをエンキューすることもできる。

0048

(記憶手段204)
記憶手段204は、図1に示すように、例えばフレームメモリであり、ファイル及びキューを記憶する。ファイルには、ファイル及び分割ファイルを含む各種データが含まれる。また、キューには、アクティブ化されたキュー(エンキューされたキュー)及びアクティブ化されていないキューが含まれる。

0049

また、記憶手段204は、分割ファイルのデータ量、キューの帯域幅、送信アドレス、送信ID、キューの優先度、処理方法などの各種情報も記憶する。

0050

(デキュー手段205)
デキュー手段205は、記憶手段204に記憶されたファイル及びキューの中からエンキューされた複数の分割ファイルを無線通信回線Tの帯域幅に応じた並列デキュー数だけ並列にデキューする。並列デキュー数は、前述のとおり、無線通信回線Tの帯域幅をキューの帯域幅で除して得た商である。

0051

ここで、並列デキュー数は2〜5が好ましい。これは、前述のとおり、分割ファイルのデータ量は、無線通信回線Tが1秒間に転送可能なデータ転送量の10%〜50%の固定値であることが好ましいことに起因する。

0052

なお、デキューされた分割ファイルは、無線通信手段211により、クライアント2からコンピュータ・ネットワークCNを経由してサーバ3に送信される。

0053

(復元手段206)
復元手段206は、それぞれの分割ファイルに付与されたヘッダ情報に基づき、サーバ3からクライアント2にデキューされた複数の分割ファイルからファイルを復元する。一方、クライアント2からサーバ3にデキューされた複数の分割ファイルは、サーバ3においてファイルに復元される。

0054

(確認手段207)
確認手段207は、分割ファイル毎の送受信結果をフラグ管理により確認する。

0055

(再送手段208)
再送手段208は、分割ファイルの受信失敗情報に基づき、デキュー手段205に対して、受信失敗の分割ファイルを再デキューさせる。分割ファイルの受信失敗情報は、確認手段207でのフラグ管理から取得する。

0056

また、再送手段208は、分割ファイルの受信成功情報に基づき、記憶手段204に複製された当該受信成功の分割ファイルを記憶手段204から消去する。分割ファイルの受信成功情報は、上記と同様、確認手段207でのフラグ管理から取得する。

0057

(スケジュール手段209)
スケジュール手段209は、デキューすべき分割ファイルのデキュー順序及びタイミングを管理する。このスケジュール管理に基づき、デキュー手段205は分割ファイルを順次デキューしていく。

0058

ここで、スケジュール管理の一例を、図3及び図4に示す。スケジュール手段209は、図3に示すように、複数のファイルA,B,C、Dの中から並列デキュー数(図3においては3個)分だけ選択された3個(複数)のファイルA,B,Cに係る各1の分割ファイルA1,B1,C1を先頭分割ファイルとして、デキュー手段205に順次デキューさせる。無線通信回線Tの帯域幅は変動するので、並列デキュー数が1の場合は選択されるファイルも1個(例えばファイルAだけ)である。

0059

また、スケジュール手段209は、図4に示すように、例えば優先度が高い1のファイルAに関する複数の分割ファイルA1,A2,A3,・・・の中から並列デキュー数(図4においては3個)分だけ選択された3個(複数)の分割ファイルA1,A2,A3を先頭分割ファイルとして、デキュー手段205に順次デキューさせる。上記と同様、無線通信回線Tの帯域幅は変動するので、並列デキュー数が1の場合は選択される分割ファイルも1個(例えば分割ファイルA1だけ)である。

0060

[サーバ3の構成]
本実施形態のサーバ3は、例えばインターネットサーバである。このサーバ3は、図2に示すように、本実施形態のクライアント2と同様、分割手段301と、キュー生成手段302と、エンキュー手段303と、記憶手段304と、デキュー手段305と、復元手段306と、確認手段307と、再送手段308と、スケジュール手段309と、を備える。

0061

ただし、無線通信回線Tの下り側(サーバ3に対するクライアント2の受信側)において本実施形態の通信方法ではない方法で従来のパケット通信を行う場合、本実施形態のサーバ3は、分割手段を備える必要はない。

0062

[クライアント2およびサーバ3に関する補足説明
なお、クライアント2およびサーバ3の構成の説明で言及されていない点については、パケット通信を利用するクライアント2およびサーバ3の構成及び技術が流用されている。

0063

[通信システム1における処理の流れ]
次に、本実施形態の通信システム1における処理の流れを説明する。

0064

はじめに、本実施形態のクライアント2における処理の流れを説明する。図5は、本実施形態のクライアント2における処理の流れの一例を示すフローチャートである。

0065

(1)クライアント2のユーザがクライアント2に記憶されたファイルをサーバ3に送信する命令を入力すると、分割手段201はファイルを複数の分割ファイルに分割する(S201)。分割ファイルのデータ量は所定の固定値に設定されている。

0066

(2)分割ファイルが作成されると、分割手段201は無線通信手段211を介してサーバ3に送信宣言を送信する(S202)。

0067

(3)送信宣言を受信したサーバ3から送信IDが送られてきたら、分割手段201は無線通信手段211を介して送信IDを取得する(S203)。

0068

(4)送信IDを取得した分割手段201は、送信ID等を含むヘッダ情報をすべての分割ファイルに付与する(S204)。

0069

(5)無線通信手段211は、分割ファイルにヘッダ情報が付与されるまでに、無線通信回線Tの帯域幅を測定する(S205)。測定結果は所定時間内における無線通信回線Tの平均帯域幅であることが好ましい。

0070

(6)無線通信回線Tの帯域幅の測定が終了したあと、キュー生成手段202は複数のキューを生成する(S206)。キューの帯域幅は、無線通信回線Tの帯域幅の10%〜50%であることが好ましい。

0071

(7)キューの帯域幅が決定すると、デキュー手段205は並列デキュー数を決定する(S207)。並列デキュー数は、無線通信回線Tの帯域幅をキューの帯域幅で除して得た商の値と等しい。

0072

(8)また、キューが生成されると、エンキュー手段203が分割ファイルをキューにエンキューする(S208)。エンキュー処理の一例は、図3及び図4に示すように、ファイルの優先度などの種々の条件により異なる。

0073

(9)エンキュー処理が開始すると、未送信の分割ファイル(エンキューされた分割ファイル)が記憶手段204に記憶されていないかをデキュー手段205が確認する(S209)。

0074

(10)未送信の分割ファイルが記憶手段204に記憶されている場合、デキュー手段205はエンキューされた分割ファイルを並列デキュー数分だけ並列にデキューする(S209「Yes」→S210)。図3及び図4に示すデキュー処理のスケジュール管理は、スケジュール手段209により制御されている。例えば、図3を例にすると、並列デキュー数が3の場合、エンキューされた3個の先頭の分割ファイルA1,B1,C1を並列にデキューする。ただし、3個の分割ファイルが並列的にデキューされていれば、3個の分割ファイルが少しずれてデキューされていてもよい。

0075

(11)デキュー手段205が分割ファイルをデキューした後に無線通信手段211がその分割ファイルの送信を完了すると、確認手段207は送信された分割ファイルの送信フラグを「False」から「True」に変更する(S211)。例えば、図3を例にすると、3個の先頭の分割ファイルA1,B1,C1の送信が完了すると、確認手段207は、分割ファイルA1,B1,C1に関する各送信フラグをそれぞれ「False」から「True」に変更する。

0076

(12)無線通信手段211が分割ファイルの送信を完了した後、その分割ファイルについて、無線通信手段211はサーバ3から通知される受信通知の受信の有無を確認する(S212)。

0077

(13)無線通信手段211が受信通知を受信すると、確認手段207は送信された分割ファイルの受信フラグを「False」から「True」に変更する(S212「Yes」→S213)。例えば、図3を例にすると、無線通信手段211が3個の分割ファイルA1,B1,C1の受信通知を受信すると、確認手段207は、分割ファイルA1,B1,C1に関する各受信フラグをそれぞれ「False」から「True」に変更する。

0078

(14)受信フラグが「True」になった場合、記憶手段204に複製されていた予備の分割ファイルが不要になるので、確認手段207は記憶手段204に複製された送信済みの分割ファイルを削除する(S214)。

0079

(15)一方、無線通信手段211が受信通知を受信することができない場合、確認手段207は送信された分割ファイルの受信フラグの状態を「False」に維持する(S212「No」→S215)。例えば、図3を例にすると、無線通信手段211が3個の分割ファイルA1,B1,C1のうちの分割ファイルC1についてのみ受信通知が受信できないとき、確認手段207は、分割ファイルA1,B1に関する各受信フラグをそれぞれ「False」から「True」に変更すると共に(S212「Yes」→S213)、分割ファイルC1に関する受信フラグの状態を「False」に維持する(S212「No」→S215)。

0080

(16)受信フラグが「False」の状態である場合、記憶手段204に複製されていた予備の分割ファイルが再送信時に必要になるので、確認手段207は記憶手段204に対して当該複製された分割ファイルが未送信である旨の処理(未送信処理)を行う(S216)。例えば、分割ファイルC1の受信フラグが「False」の場合、分割ファイルC1は一度送信されていても、確認手段207は、記憶手段204に対して分割ファイルC1の未送信処理を行うと共に、分割ファイルC1の受信フラグが「True」になるまで記憶手段204に複製された予備の分割ファイルC1を記憶させておく。

0081

(17)送信済みの分割ファイルの削除(S214)又は分割ファイルの未送信処理(S216)が終了すると、デキュー手段205及び再送手段208により未送信の分割ファイルの送信が完了するまで、上記(9)〜(16)の処理が繰り返される(S209〜S216)。それに対し、未送信の分割ファイルの送信が完了すると、デキュー手段205は、記憶手段204に記憶された送信IDを破棄し(S217)、サーバ3による処理を終了する。

0082

次に、本実施形態のサーバ3における処理の流れを説明する。図6は、本実施形態のサーバ3における処理の流れの一例を示すフローチャートである。

0083

(1)はじめに、サーバ3の通信手段311は、クライアント2から送信された送信宣言を受信する(S301)。送信宣言は、これから送信される分割ファイルの分割数及びサイズの情報を含んでいるため、分割ファイルの分割数及びサイズだけでなく、分割ファイルを復元したときのファイルのサイズまで事前に知ることができる。例えば、分割ファイルの分割数が10、最後尾以外の分割ファイルのサイズが50kb及び最後尾の分割ファイルのサイズが45kbである場合、当該ファイルは、495kb(=50kb×9個+45kb×1個)であることが算出される。

0084

(2)サーバ3が送信宣言を受信すると、記憶手段304に記憶された未利用の送信IDをクライアント2からの送信用割り当て、当該送信IDをクライアント2に送信する(S302)。

0085

(3)送信IDの送信後、クライアント2から送信された分割ファイルの受信を開始する(S303)。

0086

(4)分割ファイルの受信が完了すると、確認手段307は受信した分割ファイルの受信フラグを「False」から「True」に変更する(S304)。例えば、3個の先頭の分割ファイルA1,B1,C1の受信が完了すると、確認手段307は、分割ファイルA1,B1,C1に関する各受信フラグをそれぞれ「False」から「True」に変更する。

0087

(5)確認手段307が分割ファイルの受信フラグを「True」に変更した後、確認手段307は、通信手段311を介して、クライアント2に受信通知を送信する(S305)。例えば、分割ファイルA1,B1,C1に関する各受信フラグを「True」に変更すると、確認手段307は、クライアント2に対し、分割ファイルA1,B1,C1を受信した旨の受信通知を送信する。

0088

(6)受信通知を送信した分割ファイルが最後尾の分割ファイルでない場合、分割ファイルの受信を継続する(S306「No」→S303)。例えば、ファイルAの分割ファイルをA1〜A10で識別した場合、分割ファイルA10が最後尾の分割ファイルとなるため、分割ファイルA1〜A9を受信した場合は分割ファイルの受信を継続する。

0089

(7)一方、受信通知を送信した分割ファイルが最後尾の分割ファイルである場合、確認手段307は、すべての分割ファイルの受信フラグのなかに「False」がないかを確認する(S306「Yes」→S307)。

0090

(8)受信フラグに「False」が存在する場合、クライアント2に対して「False」の分割ファイルの再送を要求する(S308)。

0091

(9)分割ファイルの再送要求に基づきクライアント2から未受信の分割ファイルが送信された場合、通信手段311は分割ファイルを受信する(S309)。

0092

(10)通信手段311が未受信の分割ファイルを受信すると、確認手段307が未受信の分割ファイルについて受信フラグを「True」に変更する(S310)。

0093

(11)確認手段307が分割ファイルの受信フラグを「True」に変更した後、確認手段307は、上記と同様、通信手段311を介して、クライアント2に受信通知を送信する(S311)。そして、すべての分割ファイルの受信フラグのなかに「False」がないかを確認する(S311→S307)。

0094

(12)受信フラグに「False」が存在しない場合、クライアント2からサーバ3への送信処理が終了なので、クライアント2による送信IDの破棄により、クライアント2に割り当てられた送信IDをクライアント2から戻し、他の通信に割り当てる(S312)。

0095

(13)また、すべての分割ファイルの受信フラグが「True」なった後、復元手段306は、受信したすべての分割ファイルからファイルを復元する。例えば、分割ファイルA1〜A10に付与されたヘッダ情報の分割識別番号に基づき、分割ファイルA1〜A10からファイルAを復元する。

0096

[通信システム1における処理の流れに関する補足説明]
なお、上記の処理の流れの説明で言及されていない点については、パケット通信における処理の流れ及び処理技術が流用されている。

0097

[本実施形態の効果]
次に、本実施形態の通信装置の効果を説明する。図7は、本実施形態の通信システム1において無線通信回線Tの帯域幅が急激に減少した状態を示す概念図である。

0098

(1)本実施形態は、ファイルを複数の分割ファイルに分割する分割手段201と、無線通信回線Tの帯域幅以下の帯域幅に設定された複数のキューを生成するキュー生成手段202と、分割ファイルをキューにエンキューするエンキュー手段203と、エンキューされた複数の分割ファイルを所定の並列デキュー数だけ並列にデキューするデキュー手段205と、デキューされた複数の分割ファイルからファイルを復元する復元手段306と、を備える通信システム1である。

0099

つまり、図3図4及び図7に示すように、デキューされるファイルのキューを複数に変更したので、無線通信回線Tの不安定な帯域幅に応じて並列デキュー数を増減させることができる。また、送信対象をパケットから分割ファイルに変更したので、無線通信回線Tが不安定又は非接続な状態になっても、無線通信回線Tが接続状態に復帰したときに未送信の分割ファイルのみを送信すれば、ファイルを復元することができる。

0100

これにより、不安定な無線通信回線Tの帯域幅の増減を常に有効利用できるので、従来のパケット通信のパケットに比べて、通信システム1の通信速度を従来の数倍以上に向上させることができる。

0101

例えば、図3に示すように、キューの帯域幅が20kbps、無線通信回線Tの帯域幅が63kbps、並列デキュー数が3、ファイルAのファイル分割数が10であるとする。また、先頭の3個の分割ファイルA1,B1,C1や、次の3個の分割ファイルA2,B2,C2が並列にデキューされたとする。

0102

このような条件下において、無線通信回線Tが安定して接続状態である場合、従来のようにキューの帯域幅が所定の固定帯域に設定された1つのキューのみからデキュー及び送信する従来のパケット通信システムよりも、本実施形態の通信システム1は無線通信回線Tの帯域幅を効率的に利用していることは明らかである。

0103

従来例及び図10に示すように、キューの帯域幅が可変帯域に設定された1つのキューのみからデキュー及び送信する従来のパケット通信システムにおいては、キューの帯域幅の可変自体が可変遅延を生じる原因となっている。また、移動通信端末等における無線通信回線Tの帯域幅の大幅な増減を考慮すると、キューの帯域幅を無線通信回線Tの帯域幅の上限まで可変させる従来のパケット通信システムは非効率である。これに対し、図3図4及び図7に示すように、可変遅延が全く又はほとんど生じない本実施形態の通信システム1は、無線通信回線Tの帯域幅を効率的に利用していることがわかる。

0104

また、上記と同様の条件下において、無線通信回線Tが非接続状態になった場合、分割ファイルA3,B3,C3以降の分割ファイルのデキューが一時的に中断する。もしこれが従来のパケット通信のパケットであった場合、無線通信回線Tが再度接続状態になった際に、先頭のパケットを含むすべてのパケットを再送しなければならない。それに対し、本実施形態の通信システム1の場合、送信対象をパケットではなく分割ファイルで管理しているため、無線通信回線Tの非接続状態前に送信した6個の分割ファイルA1,B1,C1,A2,B2,C2を通信回線Tが再度接続状態になってから再送する必要はない。なぜなら、ファイルAに関しては、すべての分割ファイルのうちの20%の分割ファイル(A1,A2)が送信済みであり、残りの80%の分割ファイル分(A3〜A10)を送信すればファイルAの送信が完了するからである。

0105

以上の結果、本実施形態の通信システム1によれば、従来のパケット通信に対して通信速度の大幅な向上を図ることができる。

0106

(2)通信システム1は、ファイル及びキューを記憶する記憶手段204,304と、分割ファイル毎の送受信結果をフラグ管理により確認する確認手段207,307と、確認手段207,307から得られた分割ファイルの受信失敗情報に基づいてデキュー手段205に当該受信失敗の分割ファイルを再デキューさせると共に、確認手段から得られた分割ファイルの受信成功情報に基づいて記憶手段204から当該受信成功の分割ファイルを消去する再送手段208と、を更に備えることが好ましい。

0107

これにより、送信対象のファイルに関するすべての分割ファイルが正しく送信されているかを確認し、不備があった場合に未送信の分割ファイルのみを再送信させることができる。

0108

例えば、図7に示すように、無線通信回線Tの帯域幅が63kbps、キューの帯域幅が20kbps、並列デキュー数が3の状態では、3個の分割ファイルA1,B1,C1や、次の3個の分割ファイルA2,B2,C2が並列にデキューされている。

0109

上記の条件下において、無線通信回線Tの帯域幅が63kbpsから41kbpsへ急激に減少した場合、並列デキュー数が2となるので、分割ファイルC1や、次の分割ファイルC2などがデキューされなかったり、デキューされてもサーバ3が受信できなかったりといった不都合が生じる。このような場合であっても、クライアント2およびサーバ3の確認手段207がフラグ管理を行っていることにより、サーバ3がどの分割ファイルを受信できなかったかをクライアント2及びサーバ3で相互に確認することができるため、クライアント2からサーバ3に対して未受信の分割ファイルC1,C2を迅速に再送することができる。

0110

(3)通信システム1は、デキュー手段205に対し、複数のファイルの中から並列デキュー数分だけ選択された1又は複数のファイルに係る各1の分割ファイルをデキューさせるスケジュール手段209と、を更に備えることが好ましい。

0111

これにより、図3に示すように、複数のファイルの分割ファイルを同時に送信することができるので、優先度の低いファイルの送信遅延を緩和することができる。

0112

(4)通信システム1は、デキュー手段205に対し、1のファイルに係る複数の分割ファイルの中から並列デキュー数分だけ選択された1又は複数の分割ファイルをデキューさせるスケジュール手段209と、を更に備えることが好ましい。

0113

これにより、図4に示すように、優先度の高いファイルを高速に送信することができる。

0114

(5)分割ファイルのデータ量は、無線通信回線Tが1秒間に転送可能なデータ転送量の100%以下の固定値である、ことが好ましい。

0115

これにより、1秒間の通信時間で分割ファイルを送信することができるので、無線通信回線Tの接続状況が不安定であっても、分割ファイルを着実に送信することができる。例えば、図3に示すように、無線通信回線Tの帯域幅が63kbps、キューの帯域幅が20kbps、分割ファイルのデータ量が50kbであった場合、1つの分割ファイルの転送時間は2.5秒であるため、無線通信回線Tが3秒でも確保されていれば、少なくとも1つの分割ファイルを送信することができるので、パケットから分割ファイルに変更したメリットは大きい。

0116

また、分割ファイルのデータ量を固定値にしたので、分割ファイルのデータ量を解析する処理を行う必要がなくなる。その結果、分割ファイルを高速に送信処理することができる。

0117

(6)キュー生成手段202は、無線通信回線Tの帯域幅をキューの帯域幅で除して得た商を並行デキュー数とする、ことが好ましい。

0118

これにより、無線通信回線Tの帯域幅を最大限に利用することができる。

0119

(7)キュー生成手段202は、キューの帯域幅が所定の帯域幅以上になるようにキューの帯域幅を決定する、ことが好ましい。

0120

これにより、キューの帯域幅の最低保証を行うことができる。

0121

(8)また、本実施形態は、ファイルを複数の分割ファイルに分割する分割手段201と、無線通信回線Tの帯域幅以下の帯域幅に設定された複数のキューを生成するキュー生成手段202と、分割ファイルをキューにエンキューするエンキュー手段203と、エンキューされた複数の分割ファイルを並列デキュー数だけ並列にデキューするデキュー手段205と、を備える移動無線通信端末2である。

0122

つまり、デキューされるファイルのキューを複数に変更したので、無線通信回線Tの不安定な帯域幅に応じて並列デキュー数を増減させることができる。また、送信対象をパケットから分割ファイルに変更したので、無線通信回線Tが非接続状態になっても、無線通信回線Tが接続状態に復帰したときに未送信の分割ファイルのみを送信すれば、ファイルを復元することができる。

0123

これにより、不安定な無線通信回線Tの帯域幅の増減を常に有効利用できるので、従来のパケット通信と比較して、移動無線通信端末2の通信速度を数倍以上に向上させることができる。

0124

(9)また、本実施形態は、ファイルを複数の分割ファイルに分割する分割手段201と、無線通信回線Tの帯域幅以下の帯域幅に設定された複数のキューを生成するキュー生成手段202と、分割ファイルをキューにエンキューするエンキュー手段203と、ファイル及びキューを記憶する記憶手段204と、エンキューされた複数の分割ファイルを並列デキュー数だけ帯域幅に応じて並列にデキューするデキュー手段205と、としてコンピュータを機能させる通信プログラムである。

0125

つまり、デキューされるファイルのキューを複数に変更したので、無線通信回線Tの不安定な帯域幅に応じて並列デキュー数を増減させることができる。また、送信対象をパケットから分割ファイルに変更したので、無線通信回線Tが非接続状態になっても、無線通信回線Tが接続状態に復帰したときに未送信の分割ファイルのみを送信すれば、ファイルを復元することができる。

0126

これにより、不安定な無線通信回線Tの帯域幅の増減を常に有効利用できるので、従来のパケット通信と比較して、本実施形態の通信プログラムをインストールしたコンピュータの通信速度を数倍以上に向上させることができる。

0127

(10)また、本実施形態は、上記の通信プログラムを記憶する記憶媒体である。

0128

つまり、上記と同様、通信プログラムをインストールしたコンピュータの通信速度を従来の数倍以上に向上させることができる。

0129

(11)また、本実施形態は、ファイルを複数の分割ファイルに分割するファイル分割ステップと、無線通信回線Tの帯域幅以下の帯域幅に設定された複数のキューを生成するキュー生成ステップと、分割ファイルをキューにエンキューするエンキューステップと、エンキューされた複数の分割ファイルを帯域幅に応じて並列デキュー数だけ並列にデキューするデキューステップと、デキューされた複数の分割ファイルからファイルを復元するファイル復元ステップと、を備える通信方法である。

0130

つまり、デキューされるファイルのキューを複数に変更したので、無線通信回線Tの不安定な帯域幅に応じて並列デキュー数を増減させることができる。また、送信対象をパケットから分割ファイルに変更したので、無線通信回線Tが非接続状態になっても、無線通信回線Tが接続状態に復帰したときに未送信の分割ファイルのみを送信すれば、ファイルを復元することができる。

0131

これにより、不安定な無線通信回線Tの帯域幅の増減を常に有効利用できるので、上記の通信方法を採用した通信システム1の通信速度を従来のパケット通信と比較して、数倍以上に向上させることができる。

0132

すなわち、本実施形態の通信システム、移動無線通信端末、通信プログラム、記憶媒体及び通信方法によれば、通信速度や通信信頼性を向上させることができるという効果を奏する。

0133

なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。

0134

例えば、他の実施形態においては、本実施形態の「分割ファイル」を「分割ファイルを更に分割して得た複数のパケット」に変更して実施することが可能である。

0135

すなわち、他の実施形態において、分割手段201は、ファイルを複数の分割ファイルに分割してから分割ファイルを更に複数のパケットに分割する。エンキュー手段203は、分割ファイルを分割して得た複数のパケットをエンキューする。デキュー手段205は、エンキューされた複数のパケットを所定の並列デキュー数だけ並列にデキューする。復元手段306は、デキューされた複数のパケットから分割ファイル及びファイルを復元する。これにより、他の実施形態においては、上記した本実施形態の効果と従来のパケット通信により得られる効果の両方を得ることができる。

0136

また、本実施形態の通信システムでは、無線通信回線の上り側(サーバ3に対するクライアント2の送信側)を主に説明しているが、他の実施形態の通信システムでは、無線通信回線の上り側及び下り側(クライアント2に対するサーバ3の送信側)の両方について適用が可能である。下り側の場合、本実施形態の通信システムにおいてクライアント2及びサーバ3の関係を逆にして考えればよい。

0137

また、無線通信回線以外の通信回線においても、不安定な回線状況においては、本実施形態の通信システムを用いることで、通信速度や通信信頼性を向上するこができる。

0138

1通信システム
2クライアント(移動無線通信端末)
3サーバ
5記憶媒体
201、301 分割手段
202、302キュー生成手段
203、303エンキュー手段
204、304 記憶手段
205、305デキュー手段

206、306復元手段
207、307 確認手段
208、308再送手段
209、309スケジュール手段
210ファイル生成手段
211、311 (無線)通信手段
A〜Dファイル
A1〜An1分割ファイル
Q1 キュー
T 無線通信回線

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ