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技術 骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法および、この方法を実施するための画像処理装置並びに記録媒体

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 山田雅彦川村隆浩
出願日 2012年2月9日 (8年10ヶ月経過) 出願番号 2012-026122
公開日 2013年8月22日 (7年4ヶ月経過) 公開番号 2013-162822
状態 特許登録済
技術分野 放射線診断機器
主要キーワード 変形移動 撮影記録媒体 放射線吸収特性 所定座標 指先方向 骨塩定量 シフトベクトル 分析誤差
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重要な関連分野

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図面 (11)

課題

骨塩定量分析に用いられる放射線画像から、左手あるいは右手の第2中手骨の中の所定領域を、安定して再現性良く特定する。

解決手段

骨部を撮影した放射線画像PRから該骨部の骨塩定量を求める骨塩定量分析方法において、該放射線画像PRから、画像処理によって分析対象となる骨(例えば左手LHの第2中手骨B2L)の中の所定領域を分析対象部位として特定する。より詳しくは、左手LHが撮影された放射線画像PRにおいて左手LHの第2中手骨B2Lの部分を特定し、この特定された部分から第2中手骨B2Lの両端を特定し、特定されたこの両端に基づいて第2中手骨B2Lの中の特徴点を特定し、特定されたこの特徴点に基づいて所定領域を特定する。

概要

背景

従来、骨粗鬆症診断等のために、分析対象の骨部の放射線画像を利用して、その骨部の骨塩定量を求める分析方法が知られている。そのような骨塩定量分析方法の中で、比較的簡便に実施可能な方法の一つとして、MD(Microdensitometry)法と呼ばれる方法が知られている。このMD法は基本的に、放射線管球から発生させた放射線を、分析対象の骨部と、放射線透過特性が互いに異なる複数の部分を有する標準物質とに同時に照射し、骨部および標準物質を透過した放射線をX線フィルム等の放射線検出体で検出して該骨部および標準物質を示す放射線画像を得、この放射線画像において、分析対象の骨部と同じ濃度を示す標準物質の部分の放射線透過特性に基づいて該骨部の骨塩定量を求めるものである。

なお上記の標準物質としては一般に、厚さが連続的に変化するアルミスロープが用いられ、その場合は上記放射線透過特性に対応するアルミスロープの厚さを、骨塩定量を示す指標として定義することが多い。

また上述のMD法の中でも、放射線検出体として特に、放射線画像を示すデジタル画像信号を得ることができるものを用い、そのデジタル画像信号を処理して骨塩定量を求めるようにしたDIP(Digital Image Processing)法が広く知られている(例えば特許文献1、2および3参照)。このDIP法による骨塩定量分析は、操作が簡単で短時間に実行できることから近時広く普及しつつある。

上記DIP法のように放射線画像を用いる骨塩定量分析においては、分析結果に一般性を持たせて、他の分析結果と比較したり、骨粗鬆症等の診断のために蓄積されている診断データと比較することができるように、一定の骨の一定の部位を分析対象として定めることが多い。一般にこの部位は、左手の第2中手骨つまり人差し指の中手骨の所定範囲(例えば該第2中手骨の長さ方向中央位置に有る、骨全長の1/10の長さに亘る範囲)とされる場合が多い。また、左手に限らず、右手の第2中手骨の所定範囲とすることも考えられている。

概要

骨塩定量分析に用いられる放射線画像から、左手あるいは右手の第2中手骨の中の所定領域を、安定して再現性良く特定する。骨部を撮影した放射線画像PRから該骨部の骨塩定量を求める骨塩定量分析方法において、該放射線画像PRから、画像処理によって分析対象となる骨(例えば左手LHの第2中手骨B2L)の中の所定領域を分析対象部位として特定する。より詳しくは、左手LHが撮影された放射線画像PRにおいて左手LHの第2中手骨B2Lの部分を特定し、この特定された部分から第2中手骨B2Lの両端を特定し、特定されたこの両端に基づいて第2中手骨B2Lの中の特徴点を特定し、特定されたこの特徴点に基づいて所定領域を特定する。

目的

本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、骨塩定量分析に用いられる放射線画像から、分析対象となる骨(左手あるいは右手の第2中手骨等)の中の所定領域を、安定して再現性良く特定できる方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

骨部を撮影した放射線画像から該骨部の骨塩定量を求める骨塩定量分析方法において、該放射線画像から、画像処理によって分析対象となる骨の中の所定領域を分析対象部位として特定する方法であって、手が撮影された放射線画像において分析対象となる骨の部分を特定し、特定された分析対象となる骨の中の特徴点を特定し、特定されたこの特徴点に基づいて前記所定領域を特定することを特徴とする、骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法

請求項2

前記分析対象となる骨の部分を特定するために、放射線画像において一つの手の第1中手骨、第2中手骨および分析対象となる骨が存在する領域をテンプレートにし、該テンプレートと前記手が撮影された放射線画像とに基づいて分析対象となる骨の部分を特定することを特徴とする請求項1記載の骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法。

請求項3

前記分析対象となる骨の中の特徴点を特定するために、放射線画像において一つの手の第1中手骨、第2中手骨および分析対象となる骨が存在する領域をテンプレートにし、該テンプレートと前記手が撮影された放射線画像とに基づいて前記特徴点を特定することを特徴とする請求項1または2記載の骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法。

請求項4

前記一つの手の第1中手骨、第2中手骨および分析対象となる骨が存在する領域をテンプレートとし、前記手が撮影された放射線画像の前記テンプレートと対応する部分を探索する際、第1および第2の中手骨どうしが所定角度以上の角度をなしていることに基づいて、分析対象となる骨を認識することを特徴とする請求項2または3記載の骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法。

請求項5

前記分析対象となる骨の両端を特定し、これらの両端に基づいて前記特徴点を特定することを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法。

請求項6

前記分析対象となる骨の両端を、該分析対象となる骨の関節面を認識することによって特定することを特徴とする請求項5記載の骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法。

請求項7

手が撮影された放射線画像において、手と共に撮影された骨塩定量分析用標準物質を認識し、認識されたこの標準物質の位置および/または形状に基づいて、撮影された手が左右どちらの手であるか特定することを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法。

請求項8

前記特徴点として、前記分析対象となる骨の長さ方向の中央点を特定することを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法。

請求項9

前記所定領域として、前記分析対象となる骨の長さ方向の中央部分に有る、該分析対象となる骨の長さの1/10に相当する領域を特定することを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法。

請求項10

前記特徴点を、前記分析対象となる骨の放射線画像と共に表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法。

請求項11

前記所定領域を、前記分析対象となる骨の放射線画像と共に表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から10いずれか1項記載の骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法。

請求項12

骨部を撮影した放射線画像から該骨部の骨塩定量を求める骨塩定量分析方法のために、該放射線画像から、分析対象となる骨の中の所定領域を分析対象部位として特定する画像処理装置であって、手が撮影された放射線画像において分析対象となる骨の部分を特定する手段と、特定された分析対象となる骨の中の特徴点を特定する手段と、特定されたこの特徴点に基づいて前記所定領域を特定する手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。

請求項13

骨部を撮影した放射線画像から該骨部の骨塩定量を求める骨塩定量分析方法のために、該放射線画像から、分析対象となる骨の中の所定領域を分析対象部位として特定する画像処理方法コンピュータに実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、前記プログラムが、手が撮影された放射線画像において分析対象となる骨の部分を特定する手順と、特定された分析対象となる骨の中の特徴点を特定する手順と、特定されたこの特徴点に基づいて前記所定領域を特定する手順とを有することを特徴とするコンピュータ読取り可能な記録媒体。

技術分野

0001

本発明は骨塩定量分析方法、特に分析対象の骨部を撮影した放射線画像を利用して骨塩量定量分析を行う方法において、分析対象部位を特定する方法に関するものである。

0002

また本発明は、そのような方法を実施するための画像処理装置並びに、そのような方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。

背景技術

0003

従来、骨粗鬆症診断等のために、分析対象の骨部の放射線画像を利用して、その骨部の骨塩定量を求める分析方法が知られている。そのような骨塩定量分析方法の中で、比較的簡便に実施可能な方法の一つとして、MD(Microdensitometry)法と呼ばれる方法が知られている。このMD法は基本的に、放射線管球から発生させた放射線を、分析対象の骨部と、放射線透過特性が互いに異なる複数の部分を有する標準物質とに同時に照射し、骨部および標準物質を透過した放射線をX線フィルム等の放射線検出体で検出して該骨部および標準物質を示す放射線画像を得、この放射線画像において、分析対象の骨部と同じ濃度を示す標準物質の部分の放射線透過特性に基づいて該骨部の骨塩定量を求めるものである。

0004

なお上記の標準物質としては一般に、厚さが連続的に変化するアルミスロープが用いられ、その場合は上記放射線透過特性に対応するアルミスロープの厚さを、骨塩定量を示す指標として定義することが多い。

0005

また上述のMD法の中でも、放射線検出体として特に、放射線画像を示すデジタル画像信号を得ることができるものを用い、そのデジタル画像信号を処理して骨塩定量を求めるようにしたDIP(Digital Image Processing)法が広く知られている(例えば特許文献1、2および3参照)。このDIP法による骨塩定量分析は、操作が簡単で短時間に実行できることから近時広く普及しつつある。

0006

上記DIP法のように放射線画像を用いる骨塩定量分析においては、分析結果に一般性を持たせて、他の分析結果と比較したり、骨粗鬆症等の診断のために蓄積されている診断データと比較することができるように、一定の骨の一定の部位を分析対象として定めることが多い。一般にこの部位は、左手の第2中手骨つまり人差し指の中手骨の所定範囲(例えば該第2中手骨の長さ方向中央位置に有る、骨全長の1/10の長さに亘る範囲)とされる場合が多い。また、左手に限らず、右手の第2中手骨の所定範囲とすることも考えられている。

先行技術

0007

特開2006−334046号公報
再表2008−044439号
特開2010−200824号公報

発明が解決しようとする課題

0008

上述したように、左手あるいは右手の第2中手骨の所定範囲を分析対象部位として骨塩定量分析を行うには、まず、放射線画像においてその分析対象部位を特定する必要がある。そのために従来は、分析装置使用者が例えば表示手段に表示されている放射線画像上で分析対象部位の端部等をマウスの操作等によって指定し、その指定入力に基づいて分析対象部位を特定することが多くなされている。

0009

しかし、このように装置使用者マニュアル操作によって分析対象部位を特定する場合は、その操作が、装置使用者が気付かないまま多少不正確になされたり、ばらつきを持って行われることもある。そうであると、本来分析対象部位とすべき部位とは多少異なる部位について骨塩定量分析がなされてしまうこともあり、そのときに得られた分析結果を、蓄積されている診断データと比較して診断するような場合は、誤った診断が下される可能性もある。

0010

また、分析対象部位を特定するマニュアル操作が不安定であると、同じ放射線画像を使用していても骨塩定量分析結果にばらつきが生じるので、分析の再現性、信頼性が低いものになってしまう。

0011

本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、骨塩定量分析に用いられる放射線画像から、分析対象となる骨(左手あるいは右手の第2中手骨等)の中の所定領域を、安定して再現性良く特定できる方法を提供することを目的とする。

0012

また本発明は、そのような方法を実施するための画像処理装置並びに記録媒体を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0013

本発明による骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法は、前述したDIP法のように、骨部を撮影した放射線画像から該骨部の骨塩定量を求める骨塩定量分析方法において、放射線画像から、画像処理によって分析対象となる骨の中の所定領域を分析対象部位として特定する方法であって、
手が撮影された放射線画像において分析対象となる骨の部分を特定し、
特定された分析対象となる骨の中の特徴点を特定し、
特定されたこの特徴点に基づいて前記所定領域を特定することを特徴とするものである。

0014

なお本発明による分析対象部位の特定方法においては、分析対象となる骨の部分を特定するために、放射線画像において一つの手の第1中手骨、第2中手骨および分析対象となる骨が存在する領域をテンプレートにし、該テンプレートと上記手が撮影された放射線画像とに基づいて分析対象となる骨の部分を特定することが望ましい。

0015

ここで、上記の「第1中手骨、第2中手骨および分析対象となる骨が存在する領域」とは、第1中手骨と第2中手骨の一方が分析対象となる骨である場合は、その骨と他方の骨が存在する領域となる。つまり、例えば第2中手骨が分析対象となる骨である場合は、該第2中手骨と第1中手骨が存在する領域が「第1中手骨、第2中手骨および分析対象となる骨が存在する領域」となる。それに対して、分析対象となる骨が第1中手骨と第2中手骨のいずれでもない場合は、当然、それら3つの骨を含む領域が「第1中手骨、第2中手骨および分析対象となる骨が存在する領域」となる。例えば、分析対象となる骨が第3基節骨中指指骨)であれば、第1中手骨、第2中手骨および第3基節骨が存在する領域が「第1中手骨、第2中手骨および分析対象となる骨が存在する領域」となる。これは、以下においても同様である。

0016

また、本発明による分析対象部位の特定方法においては、分析対象となる骨の中の特徴点を特定するために、放射線画像において一つの手の第1中手骨、第2中手骨および分析対象となる骨が存在する領域をテンプレートにし、該テンプレートと上記手が撮影された放射線画像とに基づいて前記特徴点を特定することが望ましい。

0017

そして、そのように一つの手の第1中手骨、第2中手骨および分析対象となる骨が存在する領域をテンプレートとし、上記手が撮影された放射線画像のテンプレートと対応する部分を探索する際には、第1および第2の中手骨どうしが所定角度(例えば20°)以上の角度をなしていることに基づいて、分析対象となる骨を認識することが望ましい。

0018

また、本発明による分析対象部位の特定方法においては、分析対象となる骨の両端を特定し、これらの両端に基づいて前記特徴点を特定することが望ましい。そして、そのようにして特徴点を特定する場合は、分析対象となる骨の両端を、該分析対象となる骨の関節面を認識することによって特定することが望ましい。

0019

また、本発明による分析対象部位の特定方法においては、手が撮影された放射線画像において、手と共に撮影された骨塩定量分析用の標準物質を認識し、認識されたこの標準物質の位置および/または形状に基づいて、撮影された手が左右どちらの手であるか特定することが望ましい。

0020

他方、本発明による分析対象部位の特定方法においては、前記特徴点として、分析対象となる骨の長さ方向の中央点を特定することが望ましい。

0021

また、本発明による分析対象部位の特定方法においては、前記所定領域として、分析対象となる骨の長さ方向の中央部分に有る、該分析対象となる骨の長さの1/10に相当する領域を特定することが望ましい。

0022

さらに本発明による分析対象部位の特定方法においては、上に挙げたような特徴点や所定領域を、分析対象となる骨の放射線画像と共に表示手段に表示させることが好ましい。

発明の効果

0023

本発明による骨塩定量分析における分析対象部位の特定方法は、上述した通り画像処理により、手が撮影された放射線画像において分析対象となる骨の部分を特定し、特定された分析対象となる骨の中の特徴点を特定し、特定されたこの特徴点に基づいて所定領域を特定するようにしたので、この方法によれば左手あるいは右手の第2中手骨等の分析対象となる骨の中の所定領域を、安定して再現性良く特定することが可能になる。

0024

なお、人間の一つの手の5本の中手骨のうち隣り合う2本の中手骨どうしがなす角度に着目すると、骨塩定量分析のために普通に手を放射線検出体の上に置いた状態では、第1中手骨と第2中手骨とがなす角度が、その他の中手骨の組合せにおける角度と比べて顕著に大きくなっている。そこで、本発明の方法において特に、一つの手の第1中手骨、第2中手骨および分析対象となる骨が存在する領域をテンプレートとし、上記手が撮影された放射線画像のテンプレートと対応する部分を探索する際に、第1および第2の中手骨どうしが所定角度(例えば20°)以上の角度をなしていることに基づいて、分析対象となる骨を認識すれば、この認識が極めて高い確率で正しく行われるようになる。

0025

他方、本発明による画像処理装置は、
骨部を撮影した放射線画像から該骨部の骨塩定量を求める骨塩定量分析方法のために、該放射線画像から、分析対象となる骨の中の所定領域を分析対象部位として特定する画像処理装置であって、
手が撮影された放射線画像において分析対象となる骨の部分を特定する手段と、
特定された分析対象となる骨の中の特徴点を特定する手段と、
特定されたこの特徴点に基づいて前記所定領域を特定する手段とを備えたことを特徴とするものである。

0026

また、本発明による記録媒体は、
骨部を撮影した放射線画像から該骨部の骨塩定量を求める骨塩定量分析方法のために、該放射線画像から、分析対象となる骨の中の所定領域を分析対象部位として特定する画像処理方法をコンピュータに実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
前記プログラムが、手が撮影された放射線画像において分析対象となる骨の部分を特定する手順と、
特定された分析対象となる骨の中の特徴点を特定する手順と、
特定されたこの特徴点に基づいて前記所定領域を特定する手順とを有することを特徴とするものである。

図面の簡単な説明

0027

本発明の一実施形態の方法を実施する骨塩定量分析システムを示す概略構成
骨塩定量分析用に撮影された放射線画像の例を示す概略図
骨塩定量分析のために画像信号が抽出される所定領域を説明する図
上記所定領域における放射線画像の濃度プロファイル例を示す図
ある撮影装置で撮影された放射線画像におけるアルミスロープの厚さ(座標)と、そこを透過した放射線による像濃度との関係を、放射線管球の管電圧の値毎に示すグラフ
放射線管球の管電圧の違いによる画像濃度の違いを補正する処理を説明する図
管電圧とΣGS/D値との関係を撮影装置の種類毎に示すグラフ
別の撮影装置で撮影された放射線画像におけるアルミスロープの厚さ(座標)と、そこを透過した放射線による像濃度との関係を、放射線管球の管電圧の値毎に示すグラフ
さらに別の撮影装置で撮影された放射線画像におけるアルミスロープの厚さ(座標)と、そこを透過した放射線による像濃度との関係を、放射線管球の管電圧の値毎に示すグラフ
本発明の一実施形態による分析対象部位の特定方法の流れを示すフローチャート

実施例

0028

以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態の方法により分析対象部位を特定する骨塩定量分析システムの概略構成を示すものである。本システムは前述したDIP法により骨塩定量分析を行うものであり、図示のように、骨塩定量分析対象の骨部を含む被写体の放射線画像を撮影する第1撮影装置10と、この第1撮影装置10で放射線画像が撮影された記録媒体から放射線画像を読み取って、その放射線画像を示すデジタル画像信号Pcrを出力する読取装置20と、骨塩定量分析対象の骨部を含む被写体の放射線画像を撮影し、直接、その放射線画像を示すデジタル画像信号Pdrを出力する第2撮影装置30と、上記デジタル画像信号PcrあるいはPdrに基づいて分析対象の骨部の骨塩量を求める信号処理装置40と、上記信号処理手段40に各種指示を与えるための入力部50と、骨塩定量分析結果を表示する表示部60とから構成されている。

0029

第1撮影装置10は一例として、特開平8−266529号公報、特開平9−24039号公報等に示される放射線検出体としての蓄積性蛍光体シートに被写体の放射線画像情報蓄積記録するものであり、ここでは特に、蓄積性蛍光体シートを収容したカセッテ11が用いられる。すなわち本装置10は、カセッテ11が略水平状態に載置される撮影台14と、このカセッテ11に向けて上方から放射線R(一例としてX線)を照射する放射線管球12と、この放射線管球12の駆動を制御する撮影制御部13とを有している。

0030

この第1撮影装置10において、カセッテ11の上に被写体Hが載置された状態下で放射線管球12が駆動され、そこから放射線Rがカセッテ11に向けて照射されると、被写体Hを透過した放射線Rのエネルギーがカセッテ内の蓄積性蛍光体シートに蓄積される。つまり該蓄積性蛍光体シートには、被写体Hの透過放射線画像情報が記録される。

0031

読取装置20は、蓄積性蛍光体シートから上記被写体Hの放射線画像情報を読み取るものである。この種の読取装置については、例えば特開平5−297489号公報等に詳しい記載がなされているが、以下、基本的なことを簡単に説明する。この読取装置20においては、カセッテ11から取り出された蓄積性蛍光体シートがレーザ光等の読取光で2次元走査され、その読取光の照射を受けた蓄積性蛍光体シートの部分から発せられた輝尽発光光光電変換手段により読み取られて、該シートに記録されていた放射線画像情報を示す画像信号が得られる。この画像信号は、後の信号処理のためにA/D変換処理されて、上記のデジタル画像信号Pcrとされる。

0032

第2撮影装置30は、上記第1撮影装置10における放射線管球12、撮影制御部13および撮影台14とそれぞれ同様の放射線管球32、撮影制御部33および撮影台34を有するものであるが、前述のカセッテ11に代えて放射線検出器31に放射線Rが照射されるように構成されている点において第1撮影装置10と基本的に異なっている。上記放射線検出器31は、マトリクス状に配置された画素毎に照射放射線エネルギーレベルに対応した放射線検出信号を出力するものであり、この検出信号はA/D変換処理され、被写体の透過放射線画像を示すデジタル画像信号Pdrとして出力される。

0033

なお、以上のような放射線検出器31としては、例えば特開平7−72253号公報に記載がなされているように、放射線の照射を受けて可視光を発するシンチレータと、その可視光を検出する固体光検出素子とが積層されてなるものや、あるいは例えば特開2010−206067号公報に記載がなされているように、放射線の照射を受けてそのエネルギーに対応した電気信号を出力する放射線光導電層を有してなるものを適用することができる。

0034

信号処理装置40は、上述のデジタル画像信号PcrやPdrが入力される前処理部41と、その後段に順次接続された部位抽出部42、濃度分析部43、管電圧補正部44、撮影装置特性補正部45、骨塩定量分析部46および表示制御部47とを有している。さらにこの信号処理装置40は、上記管電圧補正部44および撮影装置特性補正部45に接続された記憶部48を有している。

0035

入力部50は、例えばキーボード51やマウス52等の入力手段を備えてなるものであり、それらの入力手段により、信号処理装置40が行う処理の指示を与える。

0036

表示部60は、例えば液晶表示装置CRT表示装置等の表示手段61からなるものであり、後述のようにして入力される情報に基づいて、骨塩定量分析の結果や、撮影された被写体の放射線画像を必要に応じて表示する。

0037

以上述べた信号処理装置40、入力部50および表示部60は、例えば一般的なパーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムから構成することができる。

0038

次に図2を参照して、骨塩定量分析のための放射線画像の撮影について説明する。ここではまず、第1撮影装置10における撮影について説明する。この撮影に際しては、蓄積性蛍光体シートを収容したカセッテ11が第1撮影装置10の撮影台14の上に載置され、その上に被検者の左手および右手が置かれ、またそれら両手の間に基準物質としてのアルミスロープが置かれる。このアルミスロープは厚さが連続的に変化するアルミニウム製の板状部材である。なおこの種のアルミスロープに代えて、厚さが段階的に変化するアルミニウム製の板状部材が用いられてもよい。

0039

この状態で撮影制御部13が操作されることにより放射線管球12が駆動され、そこから発せられた放射線Rが上記左手および右手、並びにアルミスロープを透過してカセッテ11内の蓄積性蛍光体シートに照射される。なおDIP法においては通常、放射線管球12は管電圧を50kVとして撮影を行うようにしており、本実施形態においても撮影制御部13により、管電圧は50kVに設定される。ただし、実効管電圧は経時により低下する傾向があるので、上述のように設定しても実効管電圧が50kVにならないこともある。本実施形態では、そのために分析誤差が生じることを防止するようにしているが、その点に関しては後述する。

0040

撮影が終了すると、カセッテ11が第1撮影装置10から取り出されて、読取装置20にセットされる。読取装置20では前述の通りにして、カセッテ11内の蓄積性蛍光体シートからそこに蓄積記録された放射線画像情報が読み取られ、その放射線画像情報を示すデジタル画像信号Pcrが得られる。このデジタル画像信号Pcrが担持する放射線画像は、該信号Pcrを前記表示部60に入力する等により再生表示可能であり、もし表示した場合その放射線画像は図2に示すようなものとなる。すなわちこの放射線画像PRには、被検者の左手LH、右手RHおよびアルミスロープASが記録されている。なおアルミスロープASは、前述のカセッテ11上において、左手LHおよび右手RHの指先方向図2中で上方)に行くに従って次第に薄くなる状態にしてセットされる。

0041

上記デジタル画像信号Pcrは、それを得たカセッテ11を示す識別情報と共に信号処理装置40の前処理部41に入力される。また第1撮影装置10において前述の撮影がなされたとき、撮影制御部13からは第1撮影装置10を示す識別情報、カセッテ11を示す識別情報、撮影順番を示す情報等の撮影情報Scrが、信号処理装置40の撮影装置特性補正部45に入力される。

0042

次に、信号処理装置40における処理について説明する。この信号処理装置40に入力されたデジタル画像信号Pcrは、まず前処理部41において、放射線の照射ムラや、読取装置20の読取特性のムラ等に起因する信号値の変動を補正する処理や、必要に応じて適宜なされるその他の処理を受け、次に部位抽出部42に入力される。

0043

部位抽出部42は、デジタル画像信号Pcrが示す画像の中から、画像処理により自動的に、あるいは前記入力部50による指示に基づいて、骨塩定量分析を行う部位を抽出する。DIP法においては通常、図2に示す左手第2中手骨B2Lについて骨塩定量分析を行うようにしているので、本実施形態においても左手第2中手骨B2Lが抽出される。そしてより詳細には、この左手第2中手骨B2Lの全長の中央部分に有るh/10の領域(図3ハッチングを付して示す領域)が抽出される。

0044

この領域の特定は部位抽出部42において、本発明による分析対象部位の特定方法を適用してなされるが、その点に関しては後に詳しく説明する。

0045

次に濃度分析部43は、上記抽出された領域の平均的な濃度を求める。より具体的にこの濃度分析部43は、上記領域において左手第2中手骨B2Lを横切る方向の濃度プロファイルを求める。この濃度プロファイルは、濃度に代えて輝度を用いて示すと、図4曲線Qで示すようなものとなる。なお、同図に示すDが骨幅になる。このような濃度プロファイルは、まず上記領域において骨の長さ方向に亘って分布する例えば10数箇所程度について求められ、次にそれらの平均的なプロファイル演算することによって求められる。

0046

従来は、この平均的な濃度プロファイルにおける濃度がそのままアルミスロープの厚さ(アルミ厚)に換算され、つまり放射線画像においてプロファイルの各点濃度と同じ濃度となるアルミスロープ部分の厚さが求められ、そのアルミ厚換算値積分値図4における斜線部)ΣGSを骨幅Dで除した値ΣGS/D[単位:mmAL(アルミニウム)]を、骨塩量を示すDIP値としていた。このDIP値については、例えば日本骨代謝学会から性別および年齢層毎の基準値公表されており、その基準値の100〜80%の範囲に有れば骨塩量は正常範囲にある、といった診断が下されるようになっている。

0047

ただし上記のDIP値=ΣGS/Dは、第1撮影装置10のように蓄積性蛍光体シートを撮影記録媒体とする撮影装置に代えて、蓄積性蛍光体シートとは放射線吸収特性が異なる放射線検出器31を用いる第2撮影装置30が撮影に使用されたり、あるいは実効管電圧が50kV以外になっていた場合は、同じ骨部を撮影しても、以上述べたようにして求められた場合とは異なる値を示すことがある。上に述べた基準値は、蓄積性蛍光体シートを用い、管電圧を50kVに設定して放射線画像を撮影したときのDIP値に対して定められたものであるので、この基準値を適用して骨塩量に関する診断を下すのであれば、上述のように異なる値を示すDIP値を、蓄積性蛍光体シートを用いて管電圧を50kVに設定したときのDIP値に相当するように補正する必要が有る。

0048

以下、その補正について説明する。本発明者は、第1撮影装置10のように蓄積性蛍光体シートに放射線画像を撮影記録する撮影装置においてアルミスロープを撮影したとき、その厚さと、撮影された放射線画像における濃度との関係が、放射線管球の管電圧に応じてどのように変化するか調べた。図5はその結果を示すものであり、これは骨塩定量分析するための放射線画像撮影先行して、予め求められている。

0049

なおこの図5において、横軸がアルミスロープの厚さと一義的に対応するアルミスロープの長手方向位置の座標であり、縦軸が放射線画像における濃度(相対値)である。そしてここに示す10本の特性曲線は、上から順に管電圧が47kV、48kV、49kV、50kV、51kV、52kV、53kV、54kV、55kV、56kVのときのものである。ここに挙げた管電圧の値は、単に撮影制御装置において設定しただけでなく、管電圧計で測定して設定通りの値になっていることを確認したものである。

0050

同図に示される通り上記特性曲線の傾き(濃度勾配)は、管電圧の値毎に明確に相違している。このことを利用して本実施形態では、図1の管電圧補正部44がまず、アルミスロープを示すデジタル画像信号Pcrから所定座標間の特性曲線の傾きに基づいて、第1撮影装置10における撮影時の実効管電圧が何kVであったかを求める。そのために記憶部48には、上記傾きと管電圧との対応関係が記憶されており、管電圧補正部44はデジタル画像信号Pcrから求めた傾きに対応する管電圧を読み出す。そして次に管電圧補正部44は、その読み出した管電圧と管電圧50kVとに基づいて、デジタル画像信号Pcrを補正する。なお上記傾きを知るためには、アルミスロープの少なくとも2点に関して前記座標と濃度との関係を求めればよい。

0051

上記補正は、例えば実効管電圧が48kVであった場合を例に取ると、図6に示すようになされる。すなわち、アルミ厚(もしくは骨部の放射線吸収特性)が図示のようにE1であった場合、管電圧が所定値の50kVであったなら本来画像濃度はDe1’であるところ、実効管電圧が48kVになっているため画像濃度がDe1になっているので、画像濃度De1を示しているデジタル画像信号Pcrを、画像濃度De1’を示す値に補正する。同様にして、例えば画像濃度De2を示しているデジタル画像信号Pcrを、画像濃度De2’を示す値に補正する。この補正前と補正後のデジタル画像信号Pcrの対応関係は、実効管電圧の値毎にLUTルックアップテーブル)の形で記憶部48に記憶されており、管電圧補正部44は求めた実効管電圧に関するLUTを参照して、補正後の、つまり補正値とすべきデジタル画像信号Pcrの値を求める。この補正は、前述した平均的な濃度プロファイルを示すデジタル画像信号Pcr、およびアルミスロープの部分を示すデジタル画像信号Pcrに関して全て行われ、その補正後のデジタル画像信号Pcr’が撮影装置特性補正部45に入力される。

0052

前述した通り撮影装置特性補正部45には、第1撮影装置10の撮影制御部13から、第1撮影装置10を示す識別情報、カセッテ11を示す識別情報、撮影順番を示す情報等の撮影情報Scrが入力されている。撮影装置特性補正部45はこの撮影情報Scrに基づいて、あるいはデジタル画像信号Pcrに付帯された撮影情報に基づいて、入力されたデジタル画像信号Pcr’の元のデジタル画像信号Pcrが第1撮影装置10で生成されたものであると判別した場合は、入力されたデジタル画像信号Pcr’を素通りさせて骨塩定量分析部46に入力させる。

0053

骨塩定量分析部46は入力されたデジタル画像信号Pcr’から前述のDIP値=ΣGS/Dを求める。すなわち骨塩定量分析部46は、デジタル画像信号Pcr’が示す平均的な濃度プロファイル(図4のQ)における濃度をアルミスロープの厚さ(アルミ厚)に換算し、そのアルミ厚換算値の積分値ΣGSを骨幅Dで除した値ΣGS/DをDIP値とする。骨塩定量分析部46は、こうして求めたDIP値=ΣGS/Dを示す情報を表示制御部47に入力する。表示制御部47はこのDIP値を表示部60の表示手段61において表示させる。

0054

以上のようにして表示手段61に表示されるDIP値は、管電圧補正部44による補正がなされた後のデジタル画像信号Pcr’に基づくものであるから、管電圧を50kVに設定して得られたときのDIP値と等しくなる。よって、前述の基準値を利用してなされる骨塩量に関する診断も、信頼性が高いものとなり得る。なお表示部60の表示手段61においては、DIP値の表示だけでなく、上記基準値との比較に基づく診断結果の表示、例えば基準値に対する比率の表示や、「骨粗鬆症の心配はありません」等の表示を併せて行うようにしてもよい。

0055

ここで、上記デジタル画像信号Pcrをデジタル画像信号Pcr’に補正する代わりに、まずデジタル画像信号Pcrに基づいてDIP値=ΣGS/Dを求め、その求められたDIP値を、デジタル画像信号Pcr’から求められるDIP値に相当するように補正してもよい。

0056

なお、先に述べた基準値は、蓄積性蛍光体シートを用い、管電圧を50kVに設定して撮影したときのDIP値に対して定められたものであるので、蓄積性蛍光体シートを用いる第1撮影装置10で放射線画像を撮影した場合は、装置間の特性の違いによるDIP値の相違については考慮する必要がない。そこでこの場合は前述した通り、デジタル画像信号Pcr’を撮影装置特性補正部45は素通りさせているものである。また、実効管電圧が50kVであると認められた場合も、管電圧の違いによるDIP値の相違を補正する処理は不要であるので、管電圧補正部44における上述の補正はなされない。

0057

次に、図1の第2撮影装置30を用いて放射線画像を撮影した場合に、信号処理装置40でなされる処理等について説明する。まず、この撮影がなされた場合、第2撮影装置30が出力するデジタル画像信号Pdrは前処理部41に入力され、そこで前述と同様の処理を受ける。またこの撮影がなされたとき、撮影制御部33からは、前述の撮影情報Scrと同様の撮影情報Sdrが撮影装置特性補正部45に入力される。

0058

そしてこの場合も、管電圧補正部44において、実効管電圧が50kVになっていなかったことが検出されると、第1撮影装置10により放射線画像を撮影した場合と同様の補正処理がなされる。この管電圧補正部44による補正処理は前述と同じものであるので、ここでは詳しい説明を省略する。なお図1においては、第2撮影装置30から出力されたデジタル画像信号Pdr’が上記補正処理を受けた場合、その処理済みのデジタル画像信号をPdr’と表している。

0059

ただし、図5に示したような座標と濃度との関係は、撮影装置毎に固有のものとなるので、第2撮影装置30によって撮影を行った場合のこの関係を図8に示す。ここで第2撮影装置30の放射線検出器31は、前述のシンチレータおよびGoS(ガドリニウムオキサイドサルファ)からなる固体光検出素子が積層されてなるものである。なお、図1には示していないが、上述のような放射線検出器として、シンチレータおよびCsI(ヨウ化セシウム)からなる固体光検出素子が積層されてなるものも適用可能であり、その種の放射線検出器が適用された撮影装置を以下、第3撮影装置と称することとする。図9には、そのような第3撮影装置で撮影を行った場合の、上記座標と濃度との関係を示してある。

0060

一方、本発明者は、ある共通の骨部(これは一定の厚さを持つアルミニウム板材に代えられてもよい)の放射線画像を第1撮影装置10および第2撮影装置30により管電圧を種々に変えて撮影し、その撮影された骨部について前述のDIP値=ΣGS/Dを求めた。図7はその結果を示すものである。この場合、DIP値は前述した通り撮影時の管電圧の値に応じて変化するが、図示されるようにその変化特性は、撮影装置毎に異なっていることが分かった。なお同図において、第1撮影装置10により撮影を行った場合の特性がA、第2撮影装置30で撮影を行った場合の特性がB、そして前記第3撮影装置で撮影を行ったときの特性がCである。

0061

本実施形態においては、撮影時の管電圧を50kVに設定した場合のΣGS/D値を求めるようにしているので、図7において、この管電圧が50kVのときの各ΣGS/D値に着目すると、共通の骨部を撮影しているのにも拘わらず、撮影装置毎にΣGS/D値が異なっている。これは、上記蓄積性蛍光体シートや、放射線検出器31等の2種の放射線検出器における放射線吸収特性が互いに異なることに起因している。

0062

ここで、図7の特性が得られた骨部とは異なる骨部を撮影した場合も、管電圧が50kVのときの3つのΣGS/D値の間の比率は、図7の特性における比率と略同じになると考えられる。また、ΣGS/D値は画像濃度と対応している。以上のことに鑑みて図1の撮影装置特性補正部45は、入力されたデジタル画像信号Pdr’の元になるデジタル画像信号Pdrが、第2撮影装置30での撮影により得られたものであると判別した場合は、デジタル画像信号Pdr’ のうちアルミスロープASの部分に関する信号を、それが示す濃度Dd’が濃度Dd”=kDd’となるように変換する。なおkは、図7において管電圧が50kVのときの特性BにおけるΣGS/D値に対する、特性AにおけるΣGS/D値の比率である。なお上記の判別は、撮影制御部33から撮影装置特性補正部45に入力される撮影情報Sdrや、あるいはデジタル画像信号Pdrに付帯される撮影情報等に基づいて行うことができる。

0063

上述した変換処理がなされた後のデジタル画像信号Pdr”は、骨塩定量分析部46に入力される。骨塩定量分析部46ではこのデジタル画像信号Pdr”に基づいて、前述と同様にしてDIP値=ΣGS/Dが求められ、表示制御部47はこのDIP値を表示部60の表示手段61において表示させる。なお上記の変換処理は、処理の都度演算を行って実行してもよいし、あるいは変換処理の前後の信号値の組合せをLUTの形で記憶手段に記憶しておき、そのLUTを参照して実行してもよい。

0064

また、デジタル画像信号Pdr’のうちアルミスロープASの部分に関する信号を上記のように変換する代わりに、同じ効果が得られるように、反対に、デジタル画像信号Pdr’のうち左手第2中手骨B2Lに関する信号だけを変換処理するようにしてもよい。またこのような変換処理は、アルミスロープASまたは左手第2中手骨B2Lの濃度プロファイルを抽出してから、その濃度プロファイルを示すデジタル画像信号Pdr’に対して施してもよいし、あるいは、抽出前の画像内該当エリアのデジタル画像信号Pdr’に対して施してもよい。

0065

こうして表示部60に表示されるDIP値は、上記の変換処理がなされていることにより、撮影対象が同じ骨部であれば、第1撮影装置10により放射線画像の撮影がなされた場合の値と同じ値となる。そこで、前述の基準値を利用してなされる骨塩量に関する診断も、信頼性が高いものとなり得る。

0066

ここで本実施形態では、デジタル画像信号Pdr’をデジタル画像信号Pdr”に変換し、その変換後のデジタル画像信号Pdr”からDIP値=ΣGS/Dを求めるようにしているが、デジタル画像信号Pdr’からDIP値=ΣGS/Dを求め、その求められたDIP値=ΣGS/Dを図7の関係に基づいて、第1撮影装置10により撮影した場合のDIP値に相当するように変換処理しても構わない。

0067

また、管電圧補正部44による補正と撮影装置特性補正部45による補正を双方とも行う場合のために、それら双方の補正を同時に行うための変換値を規定したLUTを作成して記憶手段に記憶させておき、そのLUTを用いて上記双方の補正を一度に行うようにしてもよい。

0068

なお、前述した第3撮影装置により放射線画像の撮影がなされた場合も、そこから出力されて前処理部41に入力され、必要に応じて管電圧補正処理を受けた後のデジタル画像信号に対して、上記デジタル画像信号Pdr’をデジタル画像信号Pdr”に変換した処理と同様の変換処理を施せばよい。ただしその場合は、前記kの値として、図7において管電圧が50kVのときの特性CにおけるΣGS/D値に対する、特性AにおけるΣGS/D値の比率を適用する。

0069

なお、図1に示すデジタル画像信号PcrやPdrから、図2に示すアルミスロープASの長さ方向に亘る(すなわちその厚さに対応した)濃度プロファイルを示すデジタル画像信号を抽出するには、単純に、矩形の放射線画像PRの左右側縁と平行な方向(図2の上下方向)に並ぶ画素についての信号を抽出するのが簡単で好ましい。ただし、そのようにする場合、アルミスロープASが斜めに、つまり放射線画像PRの左右側縁に対して平行ではない状態に撮影されていると、アルミスロープASの長さ方向に亘る濃度プロファイルを正確に示していない画像信号が抽出されることになる。このような不具合を防止するには、放射線画像PRの左右側縁に対するアルミスロープASの傾き角度を検出し、その角度だけ放射線画像を回転させた画像エリアを設定し、そのエリアの左右側縁と平行な方向に並ぶ画素についての信号を抽出すればよい。

0070

次に、図3にハッチングを付して示した領域、つまり分析対象部位を特定する方法について詳しく説明する。図10は、部位抽出部42においてなされるこの方法の処理の流れを示すものである。以下、この図10を参照して説明する。

0071

部位抽出部42は、本発明の画像処理装置において、分析対象となる骨の一例である第2中手骨の部分を特定する手段と、特定された第2中手骨の中の特徴点を特定する手段と、特定されたこの特徴点に基づいて所定領域を特定する手段とを構成するものであり、まず、デジタル画像信号PCrあるいはデジタル画像信号Pdrが担持している放射線画像から、左手を特定する(ステップST1)。この左手の特定は、図2の放射線画像PRに示されているようにアルミスロープASはそのギザギザ部分CCが左手LHの方を向くように配置するという撮影時のルールに則って、画像処理により、アルミスロープASのギザギザ部分CCに対向している方の手を左手として認識することによってなされる。

0072

ここで、アルミスロープASの存在位置および向きを認識する方法について、一例を挙げて説明する。例えば、アルミスロープASの形状パターンを記憶手段に記憶しておき、公知のパターン認識処理を適用すれば、アルミスロープASの存在の有無、および存在が確認されたときの位置を認識することができる。また、アルミスロープASの向き、つまりそのギザギザ部分CCがどの方向を向いているかということは、ギザギザ部分CCのパターンを含めた位置合わせの手法を適用し、あるいは、アルミスロープASの2つの長辺を探索して、その辺縁合計長さがより長い方をギザギザ部分CCが有る方の長辺とする、という手法を適用して特定することができる。

0073

部位抽出部42は次に、認識された左手に有る複数の骨の中から、第2中手骨B2L(図2参照)の部分を特定する(ステップST2)。この特定は、Afin変換のような線形的な位置合わせでテンプレート探索する手法、あるいはモーフィングのような非線形的な位置合わせ、特に特開2011−255060号公報に記載されているような多重解像度位置合わせによるモデルフィテイングでテンプレート探索する手法等を適用して行うことができる。

0074

上記の多重解像度位置合わせは従来公知の手法であるが、概要を説明すると下に述べる(1)〜(5)の手順によって行われる。

0075

(1)まず、テンプレート画像(本実施形態での第1および第2中手骨が含まれる画像)と参照画像(本実施形態での分析対象となる左手の画像)をそれぞれ複数の解像度に分解(ラプラシアンピラミッドやWavelet分解など)する。

0076

(2)それぞれの解像度の画像に対して、画素探索しながら最大となる相互相関係数となる場所を選択することでシフトベクトルを求める。

0077

(3)シフトベクトルを求める時に、最も低解像度の(粗い)画像で相互相関などを用いてシフトベクトルを算出し、次に低い解像度画像は、最も低解像度の画像で用いたシフトベクトルの位置を初期値にして、同様に相互相関などにより、次に低い解像度の画像に対するシフトベクトルを算出する。

0078

(4)上記(1)〜(3)の処理を所定の解像度まで繰り返すことで、対象画像の全ての画素に対するシフトベクトルを算出する。

0079

(5)さらに、各解像度で算出したシフトベクトルに基づき、変形対象となる各解像度画像(テンプレート画像か参照画像のどちらか一方)を変形して、再構成することで変形画像を得る。本実施形態においては、テンプレート画像を変形した方が、骨塩定量分析の精度を確保する上でより都合が良い。なお別の方法として、(4)で最終的に求めたシフトベクトルで画像を変形させる方法もある。そのような方法としては、例えば下記参考文献に示されるように、最終的なシフトベクトルをまとめて変形するものなどが挙げられる。

0080

《参考文献》
G. J. Gang, C. A. Varon, H. Kashani, S. Richard, N. S. Paul, R. Van Metter, J. Yorkston, J. H. Siewerdsen, "Multiscale deformable registration for dual-energy x-ray imaging," Medical Physics 36:351-363 (2009).
以上のように、第1および第2中手骨画像が含まれたテンプレート画像を、参照画像に対して探索し、テンプレートを変形して位置合わせすることにより、参照画像における第1および第2中手骨の部分を特定できる。

0081

部位抽出部42は次に、この第2中手骨B2Lにおける特徴点を特定する(ステップST3)。本実施形態においてこの特徴点は、例えば図3に示す第2中手骨B2Lの中心点、両端点重心点等である。このような特徴点の特定は、例えば左手の第2中手骨と第1中手骨が含まれる領域をテンプレートとし、そのテンプレートにランドマークを付け、変形により所定の特徴点となるランドマークを特定する手法や、テンプレートにモデル(骨の輪郭)を付け、輪郭を変形して所定の特徴点を特定する手法等を適用して行うことができる。

0082

ここで、上記ランドマークを用いる手法について概略を説明する。例えば特徴点を上記中心点とする場合は、第2中手骨のテンプレートにランドマークとして中心点を定義し、テンプレートと参照画像との間で求められたシフトベクトルに基づいて中心点(1つの特定画素位置)を移動させることで特定できる。同様に、ランドマークとして両端点(別の特定画素位置)を定義すると、算出されたシフトベクトルに基づいて2つの画素位置が移動し、参照画像での第2中手骨の両端点となる。またランドマークとして、テンプレートの第2中手骨の輪郭線を定義すると、シフトベクトルにより輪郭線が移動変形し、参照画像の第2中手骨の輪郭線になる。ここから特徴点として重心点を求める場合は、この輪郭線(閉曲線)の重心を求める。

0083

なお、上述のように左手の第2中手骨と第1中手骨が含まれる領域をテンプレートとするに当たっては、2つの中手骨どうしが所定角度(例えば20°)以上の角度をなしていることに基づいて、第1中手骨および第2中手骨を認識するのが望ましい。そうすれば、先に詳述した理由により、この認識が極めて高い確率で正しく行われるようになる。

0084

本発明の方法では、上述のようにして求めた特徴点に基づいて図10のステップST5により、分析対象部位とする所定領域(図3にハッチングを付して示す領域)を特定してもよいが、本実施形態では分析対象部位をより高精度で特定するために、適宜、図10のステップST4を加えて第2の特徴点を特定し、その第2の特徴点に基づいて所定領域を特定することも選択可能としている。以下、この処理について説明する。

0085

ステップST4において部位抽出部42は、ステップST2で特定された第2中手骨B2Lの部分において、まずその両端を特定する。この両端の特定は、例えば関節面を特定することによってなされる。より具体的には、第2中手骨B2Lの形状を考慮して、指先側を凸形状とし手首側を凹形状とした関節面のモデルを適用し、そのモデル形状拘束(維持)しながら特定対象画像の関節に合うように変形させて行くモデルフィッテイングの手法により関節面が、つまりは第2中手骨B2Lの両端が特定される。なお、このモデルフィッテイングの手法として具体的には、先に述べた多重解像度位置合わせによるモデルフィッテイング等を適用することができる。

0086

そして部位抽出部42は、上記両端の中間点である第2中手骨B2Lの中央点を、第2の特徴点として求める。この中央点は、図3に示す骨の長さ方向の中央線CLを求めるためのものである。

0087

部位抽出部42は次に、特定された中央点に基づいて、図3にハッチングを付して示す領域を特定する(ステップST5)。この特定は、例えば上記中央点から骨の長さ方向の中央線CLを求め、この中央線CLから骨の両端側にそれぞれh/20の領域を設定する、等の手法によってなされる。

0088

なお、ステップST3で求めた特徴点から上記h/20の領域を特定するには、例えば第2中手骨B2Lの両端点等から計算により中央点を求め、あるいは前記中心点をそのまま中央点として扱い、以後は上記と同様にすればよい。

0089

また、以上説明したようにして第2中手骨の部分を特定する手順と、特定された第2中手骨の中の特徴点を特定する手順と、特定されたこの特徴点に基づいて分析対象部位となる所定領域を特定する手順とを有するプログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録しておき、その記録媒体を用いて各手順をコンピュータに実行させることも可能である。

0090

また、上述のようにして特定した特徴点は、第2中手骨B2Lを含む左手の放射線画像と共に、さらには四角形等で規定したROI(関心領域)と共に、図1の表示手段61において表示するようにしてもよい。それにより、特徴点の特定が正しくなされているかどうかを確認することが可能になる。また、そうして表示された特徴点を、図1の入力部50からの指示に基づいて移動させたり、打ち直したり、骨部の輪郭やROIを変形させたりするようにしてもよい。

0091

また、以上説明した実施形態では、左手の第2中手骨の中の所定領域を特定するようにしているが、この実施形態におけるのと同様の手法によって右手の第2中手骨の中の所定領域を特定することも可能である。

0092

さらに本発明の分析対象部位の特定方法は、分析対象となる骨が第2中手骨以外である場合にも適用可能である。すなわち、例えばテンプレート上の分析対象となる骨の部分に、中心点や両端点などのランドマークを定義しておけば、前述したような第1中手骨と第2中手骨との位置関係から、それらおよび他の指を正確に認識してランドマークを変形移動する等により、第2中手骨以外の分析対象となる骨を正しく特定可能となる。

0093

10 第1撮影装置
11カセッテ
12、32放射線管球
13、33撮影制御部
14、34撮影台
20読取装置
30 第2撮影装置
40信号処理装置
41 前処理部
42 部位抽出部
43濃度分析部
44管電圧補正部
45 撮影装置特性補正部
46骨塩定量分析部
47表示制御部
48 記憶部
50 入力部
60 表示部

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