図面 (/)

技術 走査型観察装置

出願人 オリンパス株式会社
発明者 藤井信太朗
出願日 2012年1月31日 (8年10ヶ月経過) 出願番号 2012-017604
公開日 2013年8月15日 (7年3ヶ月経過) 公開番号 2013-156467
状態 特許登録済
技術分野 蛍光または発光による材料の調査,分析 顕微鏡、コンデンサー
主要キーワード 窓レンズ 音響光学偏向素子 ケラレ量 冷却式 パラメータθ 瞳共役位置 瞳共役面 光線入射角度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年8月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

検出素子収納するハウジングによる軸外光のケラレを抑制する技術を提供する。

解決手段

2光子励起顕微鏡1は、レーザ2から射出された照明光標本Sを走査するスキャナ3を備えた走査型観察装置である。照明光が照射された標本Sで発生する観察光は、対物レンズ6により集光され、対物レンズ6の瞳PPを検出素子8aの受光面8b近と略共役にする瞳リレー光学系7を介して、検出素子8aに入射して検出される。2光子励起顕微鏡1では、検出素子8aは、瞳リレー光学系7から射出された観察光の最軸外の主光線と瞳リレー光学系7の光軸とが受光面8bと瞳リレー光学系7との間で交差するように配置される。

概要

背景

観察装置の分野においては、標本上の一定の領域から生じた観察光を効率良く検出するための構成として、検出素子受光面を観察光が入射する対物レンズ集光レンズ(以降、対物レンズと集光レンズのいずれについても集光レンズと記す)の瞳共役面に配置する構成が知られている。このような構成は、例えば、特許文献1で開示されている。

特許文献1に開示される走査型顕微鏡は、集光レンズの瞳が光検出器の受光面に投影されるように構成されている。標本から集光レンズに入射する観察光の主光線は、その観察光が生じた標本上の位置に関わらず、集光レンズの瞳位置を通過する。このため、受光面が瞳共役面に配置された特許文献1に開示される走査型顕微鏡によれば、走査位置に関わらず標本からの観察光を効率的に検出することが可能である。

概要

検出素子を収納するハウジングによる軸外光のケラレを抑制する技術を提供する。2光子励起顕微鏡1は、レーザ2から射出された照明光で標本Sを走査するスキャナ3を備えた走査型観察装置である。照明光が照射された標本Sで発生する観察光は、対物レンズ6により集光され、対物レンズ6の瞳PPを検出素子8aの受光面8b近と略共役にする瞳リレー光学系7を介して、検出素子8aに入射して検出される。2光子励起顕微鏡1では、検出素子8aは、瞳リレー光学系7から射出された観察光の最軸外の主光線と瞳リレー光学系7の光軸とが受光面8bと瞳リレー光学系7との間で交差するように配置される。

目的

本発明では、検出素子を収納するハウジングによる軸外光のケラレを抑制する技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

光源から射出された照明光標本走査する走査手段と、前記照明光が照射された前記標本で発生する観察光集光する集光レンズと、前記観察光を検出する検出素子と、前記集光レンズの瞳を前記検出素子の前記受光面と略共役にする瞳リレー光学系と、を含み、前記検出素子は、前記瞳リレー光学系から射出された前記観察光の最軸外主光線と前記瞳リレー光学系の光軸とが前記受光面と前記瞳リレー光学系との間で交差するように、配置されることを特徴とする走査型観察装置

請求項2

請求項1に記載の走査型観察装置において、前記検出素子は、前記集光レンズの瞳共役位置が前記受光面と前記瞳リレー光学系との間に位置するように、配置されることを特徴とする走査型観察装置。

請求項3

請求項1に記載の走査型観察装置において、前記瞳リレー光学系は、前記最軸外の主光線と前記瞳リレー光学系の光軸とが前記受光面と前記瞳リレー光学系との間で交差するような瞳収差を有することを特徴とする走査型観察装置。

請求項4

請求項1に記載の走査型観察装置において、前記検出素子は、前記集光レンズの瞳共役位置が前記受光面と前記瞳リレー光学系との間に位置するように、配置されて、前記瞳リレー光学系は、前記最軸外の主光線と前記瞳リレー光学系の光軸とが前記受光面と前記瞳リレー光学系との間で交差するような瞳収差を有することを特徴とする走査型観察装置。

請求項5

請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の走査型観察装置において、前記走査手段は、照明光路上で、且つ、前記集光レンズの瞳共役位置に配置されることを特徴とする走査型観察装置。

請求項6

請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の走査型観察装置において、前記走査型観察装置は、非線形光学顕微鏡であることを特徴とする走査型観察装置。

技術分野

0001

本発明は、標本走査する走査手段を備えた走査型観察装置に関する。

背景技術

0002

観察装置の分野においては、標本上の一定の領域から生じた観察光を効率良く検出するための構成として、検出素子受光面を観察光が入射する対物レンズ集光レンズ(以降、対物レンズと集光レンズのいずれについても集光レンズと記す)の瞳共役面に配置する構成が知られている。このような構成は、例えば、特許文献1で開示されている。

0003

特許文献1に開示される走査型顕微鏡は、集光レンズの瞳が光検出器の受光面に投影されるように構成されている。標本から集光レンズに入射する観察光の主光線は、その観察光が生じた標本上の位置に関わらず、集光レンズの瞳位置を通過する。このため、受光面が瞳共役面に配置された特許文献1に開示される走査型顕微鏡によれば、走査位置に関わらず標本からの観察光を効率的に検出することが可能である。

先行技術

0004

特開2008−275763号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、検出素子は、外部からの電場や磁場の遮蔽や検出素子の冷却など様々な役割を担うハウジング収納されていて、通常はハウジングに形成された、光軸と平行な開口の底に配置されている。

0006

集光レンズの光軸からずれた位置から生じた観察光の主光線、即ち、軸外光の主光線は、光軸に対して傾斜した状態で瞳位置に入射することから、軸外光では、ハウジングが障害物となり、ケラレが生じてしまうことがある。

0007

このようなハウジングによるケラレを抑制するためには、瞳投影倍率を高くして入射角を浅くする方法が考えられる。しかしながら、瞳投影倍率が高くなると検出素子の受光面に入射する光束が太くなる。このため、投影倍率を高くしすぎると、観察光が受光面からはみ出してしまう事象や、太くなった光束の周辺部分がハウジングに遮られる事象が生じてしまい、かえって効率が低下してしまう。
以上のような実情を踏まえ、本発明では、検出素子を収納するハウジングによる軸外光のケラレを抑制する技術を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の第1の態様は、光源から射出された照明光で標本を走査する走査手段と、前記照明光が照射された前記標本で発生する観察光を集光する集光レンズと、前記観察光を検出する検出素子と、前記集光レンズの瞳を前記検出素子の前記受光面と略共役にする瞳リレー光学系と、を含み、前記検出素子は、前記瞳リレー光学系から射出された前記観察光の最軸外の主光線と前記瞳リレー光学系の光軸とが前記受光面と前記瞳リレー光学系との間で交差するように、配置される走査型観察装置を提供する。

0009

本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の走査型観察装置において、前記検出素子は、前記集光レンズの瞳共役位置が前記受光面と前記瞳リレー光学系との間に位置するように、配置される走査型観察装置を提供する。

0010

本発明の第3の態様は、第1の態様に記載の走査型観察装置において、前記瞳リレー光学系は、前記最軸外の主光線と前記瞳リレー光学系の光軸とが前記受光面と前記瞳リレー光学系との間で交差するような瞳収差を有する走査型観察装置を提供する。

0011

本発明の第4の態様は、第1の態様に記載の走査型観察装置において、前記検出素子は、前記集光レンズの瞳共役位置が前記受光面と前記瞳リレー光学系との間に位置するように、配置されて、前記瞳リレー光学系は、前記最軸外の主光線と前記瞳リレー光学系の光軸とが前記受光面と前記瞳リレー光学系との間で交差するような瞳収差を有する走査型観察装置を提供する。

0012

本発明の第5の態様は、第2の態様乃至第4の態様のいずれか1つに記載の走査型観察装置において、前記走査手段は、照明光路上で、且つ、前記集光レンズの瞳共役位置に配置される走査型観察装置を提供する。

0013

本発明の第6の態様は、第1の態様乃至第5の態様のいずれか1つに記載の走査型観察装置において、前記走査型観察装置は、非線形光学顕微鏡である走査型観察装置を提供する。

発明の効果

0014

本発明によれば、検出素子を収納するハウジングによる軸外光のケラレを抑制する技術を提供することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の実施例1に係る走査型観察装置の構成を例示した図である。
従来技術に係る走査型観察装置と実施例1に係る走査型観察装置の相違点について説明するための図である。
検出素子の配置と開口効率の関係について例示した図である。
図1に例示される典型的な開口形状を備えた検出器の拡大図である。
従来技術に係る走査型観察装置と本発明の実施例2に係る走査型観察装置の相違点について説明するための図である。
異なる瞳収差を有する瞳リレー光学系の各々から射出される蛍光の様子を例示した図である。
図6に例示される瞳リレー光学系の各々の球面収差図である。
図6に例示される瞳リレー光学系の各々を用いた場合における、検出素子の配置と開口効率の関係について例示した図である。
本発明の実施例3に係る走査型観察装置の構成を例示した図である。

0016

図1は、本実施例に係る2光子励起顕微鏡の構成を例示した図である。図1に例示される2光子励起顕微鏡1は、標本Sから生じる観察光である蛍光を検出することにより標本Sを観察する、スキャナ3を備えた走査観察装置である。

0017

2光子励起顕微鏡1は、標本Sを励起するためのレーザ光を射出するレーザ2と、レーザ2から射出されたレーザ光で標本Sを走査する走査手段であるスキャナ3と、瞳リレー光学系4と、レーザ光を反射させて標本Sから生じた蛍光を透過させるダイクロイックミラー5と、対物レンズ6と、瞳リレー光学系7と、蛍光を検出する検出素子8aを備えた検出器8と、を含んでいる。

0018

スキャナ3は、例えば、ガルバノミラーポリゴンミラー音響光学偏向素子などであり、ダイクロイックミラー5とレーザ2との間の照明光路上で、且つ、対物レンズ6の瞳共役位置に配置されている。瞳リレー光学系4は、レンズ4aとレンズ4bからなり、対物レンズ6の瞳PPがスキャナ3と略共役になるように構成されている。

0019

ダイクロイックミラー5は、照明光路と検出光路分岐させる光路分岐手段である。対物レンズ6は、レーザ光を標本Sに照射するとともに、レーザ光が照射された標本Sで生じる蛍光を集光する集光レンズである。瞳リレー光学系7は、レンズ7aとレンズ7bからなり、対物レンズ6の瞳PPが検出素子8aの受光面8bと略共役になるように構成されている。

0020

検出器8は、検出素子8aに加えて、検出素子8aを収納するハウジング8cを含んでいる。外部からの電場や磁場の遮蔽、検出素子8aの冷却などの為に設けられるハウジング8cには、検出素子8aへ入射する蛍光が通る光軸と平行な開口が形成されている。
なお、検出器8は、例えば冷却式光電子増倍管フォトマル)であり、検出素子8aの材質としては、GaAsPなどが採用される。

0021

検出素子8aは、検出素子8aの受光面8bの法線と瞳リレー光学系7の光軸とが一致するように、その開口の底に配置されている。また、検出素子8aは、瞳リレー光学系7から射出された蛍光の最軸外の主光線と瞳リレー光学系7の光軸とが、瞳リレー光学系7と受光面8bとの間で交差するように、配置されている。

0022

図2は、従来技術に係る走査型観察装置と本実施例に係る走査型観察装置の相違点について説明するための図である。図3は、検出素子の配置と開口効率の関係について例示した図である。なお、図3縦軸は、瞳リレー光学系から射出された蛍光の瞳位置での軸上の光束の面積に対する軸外の光束の面積の割合である開口効率を示し、図3横軸は、対物レンズの瞳共役位置P0からの受光面8bのずらし量を示す。なお、ずらし量は、受光面8bが瞳共役位置P0よりも瞳リレー光学系から離れた状態でプラスとなるように定義する。

0023

以下、図2及び図3を参照しながら、走査型観察装置である2光子励起顕微鏡の検出素子8aの配置とその影響について、さらに詳細に説明する。

0024

図2(a)には、従来技術に係る走査型観察装置である2光子励起顕微鏡100に含まれる検出素子8aの配置が示されている。図2(b)には、本実施例に係る走査型観察装置である2光子励起顕微鏡1に含まれる検出素子8aの配置が示されている。2光子励起顕微鏡100と2光子励起顕微鏡1では、レンズ7bと検出器8の間の間隔のみが異なっている。

0025

図2(a)に例示されるように、従来技術に係る2光子励起顕微鏡100では、検出素子8aは、受光面8bが瞳共役面CPと一致するように光軸上に配置される。この場合、ハウジング8cがなければすべての主光線(例えば、軸上光の主光線L0、軸外光の主光線L1、軸外光の主光線L2)が受光面8bの中心に位置する瞳共役位置P0に入射することになるため、主光線により代表される標本Sの各位置から生じた光を、その光束径が検出素子8aのサイズを超えない限りにおいて検出することが可能である。しかしながら、実際にはハウジング8cが存在するため、光軸に対して主光線が傾斜している軸外光では、ハウジング8cによるケラレが生じてしまう。
なお、ハウジング8cの開口の先端には、通常、防塵、保護のため窓レンズと呼ばれるカバーガラス(平行平板)が配置されている。ここでは線のみの記載としているが、厚みが影響するときは、空気換算長を考慮すればよい。

0026

具体的には、2光子励起顕微鏡100では、瞳共役位置P0からの受光面8bのずらし量は0であるので、図3に示されるように、主光線L0に代表される軸上光では開口効率が100%であるのに対して、主光線L1に代表される軸外光では開口効率が55%程度、主光線L2に代表されるさらに軸外から生じる軸外光では開口効率が0%となる。
なお、図3の開口効率の導出に当たり、ハウジング8cの開口形状が円筒形で、その直径bがφ6mm、開口の深さcが8.9mm、受光面8bの直径aがφ5mm、レンズ7bの焦点距離fが35.3mm、レンズ7bの入射面側での最も軸外の光束の主光線の光線高が11.8mm、レンズ7bの射出面側で軸上光束の光束径がφ3.2mmとして計算した。

0027

一方、図2(b)に例示されるように、本実施例に係る2光子励起顕微鏡1では、検出素子8aは、対物レンズ6の瞳共役位置P0が受光面8bとレンズ7b(瞳リレー光学系7)との間に位置するように、光軸上に配置される。このため、2光子励起顕微鏡1では、ハウジング8cに形成された開口の標本側の端部(以降、開口端と記す)において、軸外光の主光線(主光線L1、主光線L2)が、走査型観察装置100の場合に比べて光軸から近い位置を通過することになる。これにより、ハウジング8cでのケラレを抑制することができるため、図3に示されるように、受光面8cを瞳共役位置P0からずらすことで、軸外光の開口効率が改善される。

0028

なお、瞳共役位置P0を通過後の軸外光の主光線(主光線L1、主光線L2)は、瞳共役位置P0から離れるほど光軸から広がっていくことになるため、瞳共役位置P0を開口端に近づけすぎると、瞳共役位置P0を通過後に主光線が大きく広がってしまい、開口内でケラレが生じてしまう。図3に示されるように、2光子励起顕微鏡1の場合には、受光面8cの瞳共役位置P0からのずらし量としては、4mmから6mm程度が望ましく、ずらし量を大きくしすぎると、一旦改善された軸外光の開口効率が再び低下してしまう。このため、検出素子8aの受光面は、瞳共役位置P0は大きく離れた位置に配置されるべきでなく、瞳共役位置P0近傍に配置されることが望ましい。
特に、ハウジングの開口の直径bに対する深さcの比c/bが1.3から1.6程度のとき、瞳リレー光学系の中間像後段のレンズ系の焦点距離fに対するずらし量zの比z/fは0.1から0.18程度であることが望ましい。

0029

このように、瞳共役位置P0からの受光面8cのずらし量zには、ケラレの発生を効果的に抑制することができる最適な範囲が存在する。図4は、図1に例示される典型的な開口形状を備えた検出器の拡大図である。図4に例示される検出器8の場合、ケラレの発生を効果的に抑制することができるずらし量zの最適な範囲は、以下の式(1)で表される。

0030

ここで、パラメータaは検出素子8aの受光面径(受光面8bの径)であり、パラメータbはメカ枠径(ハウジング8cの開口の径)であり、パラメータcはメカ枠長(ハウジング8cの開口の深さ)である。また、パラメータhuは最軸外光の上側光線幅(最軸外光の主光線と上側マージナル光線との間の間隔)であり、パラメータhlは、最軸外光の下側光線幅(最軸外光の主光線と下側マージナル光線との間の間隔)であり、パラメータθは、最軸外光の光線入射角度(最軸外光の主光線が瞳共役位置に入射する際の、主光線と光軸とのなす角)である。なお、パラメータaとパラメータbは、a≦bの関係にあり、パラメータcは、開口内に窓レンズが配置されている場合には、空気換算長で表される。

0031

式(1)は、下記の式(2)から式(5)で算出されるケラレ量が最小化されることを条件に算出することができる。

0032

ここで、ケラレ量uaは受光面側での上側ケラレ量(受光面と同一平面における上側マージナル光線と受光面の上端との間の間隔)であり、ケラレ量ubはメカ枠側での上側ケラレ量(開口端と同一平面における上側マージナル光線と上側開口端との間の間隔)であり、ケラレ量laは受光面側での下側ケラレ量(受光面と同一平面における下側マージナル光線と受光面の下端との間の間隔)であり、ケラレ量lbはメカ枠側での下側ケラレ量(開口端と同一平面における下側マージナル光線と下側開口端との間の間隔)である。なお、ケラレ量ua、ケラレ量ub、ケラレ量la、ケラレ量lbは、それぞれ、ケラレが生じる場合にはプラスの値として、ケラレが生じない場合にはマイナスの値として算出される。

0033

以上のように構成された本実施例に係る2光子励起顕微鏡1によれば、対物レンズ6の瞳共役位置P0が、受光面8b近傍で、且つ、受光面8bと瞳リレー光学系7との間に位置するように検出素子8aが配置されることで、ハウジング8cによる軸外光のケラレを抑制することができる。

0034

図5は、従来技術に係る走査型観察装置と本実施例に係る走査型観察装置の相違点について説明するための図である。図5(a)は、従来技術に係る走査型観察装置である2光子励起顕微鏡100の瞳リレー光学系から検出器8へ向けて射出される光の様子を示している。図5(b)は、本実施例に係る走査型観察装置である2光子励起顕微鏡10の瞳リレー光学系から検出器8へ向けて射出される光の様子を示している。

0035

本実施例に係る2光子励起顕微鏡10は、瞳リレー光学系を構成するレンズ7bの代わりにレンズ17bを含む点、及び、受光面8bが瞳共役面CPと一致するように検出素子8aが配置される点が、図1に例示される2光子励起顕微鏡1と異なっている。なお、受光面8bが瞳共役面CPと一致するように検出素子8aが配置される点については、従来技術に係る2光子励起顕微鏡100と同じである。

0036

図5(b)に例示されるレンズ17bと図示しないレンズ7aとで構成される瞳リレー光学系は、最軸外の主光線とその瞳リレー光学系の光軸とが受光面8bと瞳リレー光学系との間で交差するような瞳収差を有している。さらに、その瞳収差は、最軸外において最も大きな球面収差であり、光軸に近づくにつれて球面収差が小さくなるような収差である。

0037

このため、瞳収差を有する瞳リレー光学系を備えた2光子励起顕微鏡10では、主光線が光軸と交わる位置が主光線毎に異なることになり、光軸からより離れた軸外光の主光線ほど瞳共役位置P0から離れた位置で光軸と交わることになる。なお、瞳位置や瞳共役位置は、一般に、近軸光線によって定義される。

0038

図6は、異なる瞳収差を有する瞳リレー光学系の各々から射出される蛍光の様子を例示した図である。図7は、図6に例示される瞳リレー光学系の各々の球面収差図である。図8は、図6に例示される瞳リレー光学系の各々を用いた場合における、検出素子の配置と開口効率の関係について例示した図である。なお、図8の縦軸は、瞳リレー光学系から射出された蛍光に対する検出素子8aで検出される蛍光の割合である開口効率を示し、図8の横軸は、対物レンズの瞳共役位置P0からの受光面8bのずらし量を示す。なお、ずらし量は、受光面8bが瞳共役位置P0よりも瞳リレー光学系から離れた状態でプラスとなるように定義する。

0039

図6(a)に例示されるレンズ18bを含む瞳リレー光学系は、図7(a)に示されるように最軸外で2.5mm程度の瞳収差(球面収差)を有する瞳リレー光学系であり、レンズ18bを含む瞳リレー光学系を用いた場合の開口効率が図8(a)に示されている。図6(b)に例示されるレンズ17bを含む瞳リレー光学系は、図7(b)に示されるように最軸外で5mm程度の瞳収差(球面収差)を有する瞳リレー光学系であり、レンズ17bを含む瞳リレー光学系を用いた場合の開口効率が図8(b)に示されている。図6(c)に例示されるレンズ19bを含む瞳リレー光学系は、図7(c)に示されるように最軸外で8mm程度の瞳収差(球面収差)を有する瞳リレー光学系であり、レンズ19bを含む瞳リレー光学系を用いた場合の開口効率が図8(c)に示されている。
ここで、図8の開口効率の導出に当たり、ハウジングの開口は図3の場合と同形状とし、図6(a)のレンズ18b、図6(b)のレンズ17b、図6(c)のレンズ19bの入射側の面の曲率半径R1と射出側の面の曲率半径R2の比(R1:R2)は、それぞれ26.9:∞、50:54.6、100:35.6として計算した。

0040

図8(b)に示されるように、レンズ17bを含む瞳リレー光学系を用いた場合には、受光面8bを瞳共役面CPと一致させた状態で、ハウジング8cによる軸外光のケラレを抑制して、軸外光に対する高い開口効率を実現している。一方で、図8(a)及び図8(c)に示されるように、レンズ18b、レンズ19bを含む瞳リレー光学系を用いた場合には、それぞれ、瞳収差が不足、過剰な状態にあるため、受光面8bを瞳共役面CPと一致させた状態では、特に主光線L2に代表される軸外光のケラレが大きい。

0041

このように、瞳リレー光学系の瞳収差を利用することによっても、瞳共役位置CPを受光面8bに対してずらす場合と同様の効果を得ることが可能である。このため、ある範囲内の瞳収差を利用することで、受光面8bを瞳共役位置CPに一致させた状態であっても、ハウジング8cでのケラレを抑制して、軸外光の開口効率を改善することができる。

0042

以上のように構成された本実施例に係る2光子励起顕微鏡10によれば、対物レンズ6の瞳共役位置P0が受光面8b近傍(受光面8bと一致した状態を含む)に配置され、且つ、最軸外の主光線と瞳リレー光学系の光軸が受光面8bと瞳リレー光学系との間で交差するような瞳収差を瞳リレー光学系が有することで、実施例1に係る2光子励起顕微鏡1と同様に、ハウジング8cによる軸外光のケラレを抑制することができる。

0043

なお、瞳リレー光学系の瞳収差1mm分の変動は、受光面8bのずらし量1mm分の変動と同様に作用する。このため、ケラレの発生を効果的に抑制することができる瞳収差の最適な範囲は、実施例1と同様に、式(1)を用いて算出することができる。

0044

また、実施例1では、瞳共役位置CPを受光面8bに対してずらすことにより、実施例2では、瞳リレー光学系が瞳収差を有することにより、ハウジング8cでのケラレを抑制する例を示したが、これらを組み合わせて用いてもよい。例えば、受光面8bを瞳共役位置CPに対して5mmずらした状態でケラレを最も効果的に抑制することができる場合には、例えば、最軸外の瞳収差が2mmの瞳リレー光学系を用いた上で、受光面8bを3mmだけずらすことで、ケラレを抑制してもよい。

0045

図9、本実施例に係る2光子励起顕微鏡の構成を例示した図である。図9に例示される2光子励起顕微鏡20は、標本Sから生じる蛍光を観察光として検出することにより標本Sを観察する、スキャナ22を備えた走査観察装置である。

0046

2光子励起顕微鏡20は、標本Sを励起するためのレーザ光を射出するレーザ21と、レーザ21から射出されたレーザ光で標本Sを走査する走査手段であるスキャナ22と、瞳リレー光学系23と、レーザ光を標本Sに照射するレンズ24と、標本Sを挟んでレンズ24と向かい合わせに配置されたレンズ25と、瞳リレー光学系26と、レーザ光を遮断し蛍光を透過させるバリアフィルタ27と、蛍光を検出する検出素子28aを備えた検出器28と、を含んでいる。

0047

スキャナ22は、例えば、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、音響光学偏向素子などであり、標本Sとレーザ21との間の照明光路上で、且つ、レンズ25の瞳共役位置に配置されている。瞳リレー光学系23は、レンズ23aとレンズ23bからなり、レンズ25の瞳PPと光学的に共役な位置に形成されるレンズ24の瞳がスキャナ22と共役になるように構成されている。

0048

レンズ25は、レーザ光が照射された標本Sで生じる蛍光を集光する集光レンズである。瞳リレー光学系26は、レンズ26aとレンズ26bからなり、レンズ25の瞳PPが検出素子28aの受光面28bと略共役になるように構成されている。

0049

検出器28は、検出素子28aに加えて、検出素子28aを収納するハウジング28cを含んでいる。外部からの電場や磁場の遮蔽、検出素子28aの冷却などの為に設けられるハウジング28cには、検出素子28aへ入射する蛍光が通る光軸と平行な開口が形成されている。

0050

検出素子28aは、検出素子28aの受光面28bの法線と瞳リレー光学系26の光軸とが一致するように、その開口の底に配置されている。また、検出素子28aは、瞳リレー光学系26から射出された蛍光の最軸外の主光線と瞳リレー光学系26の光軸とが、瞳リレー光学系26と受光面28bとの間で交差するように、配置されている。

0051

より具体的には、実施例1と同様に、検出素子28aがレンズ25の瞳共役位置が受光面28bとレンズ26bとの間に位置するように配置されてもよく、実施例2と同様に、瞳リレー光学系26が最軸外の主光線とその瞳リレー光学系の光軸とが受光面8bと瞳リレー光学系との間で交差するような瞳収差を有していてもよい。

0052

以上のように構成された本実施例に係る2光子励起顕微鏡20によっても、実施例1及び実施例2に係る2光子励起顕微鏡と同様に、ハウジング28cによる軸外光のケラレを抑制することができる。

0053

実施例1から実施例3では、走査型観察装置として2光子励起顕微鏡を例示したが、本願発明が適用される走査型観察装置は、2光子励起顕微鏡に限られない。軸外からの光を効率的に検出することが求められる走査型観察装置であればよく、例えば、第2高調波SHG)顕微鏡などの蛍光顕微鏡以外の顕微鏡であってもよい。

実施例

0054

なお、非線形光学現象を利用した非線形光学顕微鏡の場合、光は一点からのみ生じるが標本中での散乱などにより広がって標本から射出される。このため、これらの散乱した光を無駄なく取り込む必要がある非線形光学顕微鏡は、本願発明の適用対象として、特に好適である。

0055

1、10、20、100・・・2光子励起顕微鏡
2、21・・・レーザ
3、22・・・スキャナ
4、23・・・瞳リレー光学系
4a、4b、7a、7b、17b、18b、19b、23a、23b、24、25、26a、26b・・・レンズ
5・・・ダイクロイックミラー
6・・・対物レンズ
7、26・・・瞳リレー光学系
8、28・・・検出器
8a、28a・・・検出素子
8b、28b・・・受光面
8c、28c・・・ハウジング
27・・・バリアフィルタ
P0・・・瞳共役位置
PP・・・瞳面
CP・・・瞳共役面
L0、L1、L2・・・主光線
S・・・標本

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ