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技術 呈味改善剤及びそれを含有する食品

出願人 塩野香料株式会社
発明者 太田芳和松本一郎中本英喜清良井陽子藤村太一郎
出願日 2012年1月30日 (8年11ヶ月経過) 出願番号 2012-031081
公開日 2013年8月15日 (7年4ヶ月経過) 公開番号 2013-153738
状態 特許登録済
技術分野 食用油脂 ベイカリー製品及びその製造方法 調味料
主要キーワード リフトアップ効果 被加熱物質 油脂感 基準品 脂肪感 メイプルシロップ バター類 チーズ様
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年8月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

本発明は、食品、特に植物性油脂を含有する食品、更になおかつ焼成等を必要とする焼き菓子類に配合することで、バターに代表される動物性油脂特有脂肪感の著しい発現と、適度な旨味こく味、ボリューム感を付与し、しかも飲食したときに優れた切れ味を付与できる呈味改善剤を提供することを目的とするものである。

解決手段

比較的短鎖脂肪酸からなるジグリセライドと、比較的長鎖の脂肪酸からなるジグリセライドを特定の比率で配合した混合ジグリセライドからなる呈味改善剤、また該呈味改善剤を含有する香料組成物、更には該呈味改善剤または香料組成物を含有する食品。

概要

背景

近年、食品多様化に伴い特徴的な香気香味の要求が高まり、様々な呈味改善剤が要求されている。この要求に応える目的で各種のフレーバーが提案されている。その一つの提案として、動物性または植物性脂肪加水分解物ジグリセライド画分は、脂質に伴う感覚刺激性を良くし、これを含有した香料組成物を食品に加えることで、リッチで、クリーミーコクのある風味強化できることが知られていた。(特許文献1)

特許文献1に記載のジグリセライド画分は、動物性または植物性脂肪の加水分解物のジグリセライド画分との記載があるのみであり、グリセリンにどのような脂肪酸が結合したジグリセライドであるのかの記載は一切ない。動物性または植物性脂肪の加水分解物のジグリセライド画分との記載からして、種々の脂肪酸が結合した種々のジグリセライドの混合物と思われるが、特定の脂肪酸からなる特定のジグリセライドが特に、植物性油脂や、植物性油脂を含有する焼き菓子などの呈味改善に顕著な効果を有するとの記載も示唆もされていない。

概要

本発明は、食品、特に植物性油脂を含有する食品、更になおかつ焼成等を必要とする焼き菓子類に配合することで、バターに代表される動物性油脂特有脂肪感の著しい発現と、適度な旨味こく味、ボリューム感を付与し、しかも飲食したときに優れた切れ味を付与できる呈味改善剤を提供することを目的とするものである。比較的短鎖の脂肪酸からなるジグリセライドと、比較的長鎖の脂肪酸からなるジグリセライドを特定の比率で配合した混合ジグリセライドからなる呈味改善剤、また該呈味改善剤を含有する香料組成物、更には該呈味改善剤または香料組成物を含有する食品。なし

目的

本発明は、油脂、特に植物性油脂を含有する食品に配合することで、又はさらに加熱することで、該食品に対してこれまでなし得なかった、バターに代表される動物性油脂特有の脂肪感を著しく付与でき、しかも同時に、旨味、コク味、ボリューム感もバランス良く付与できる呈味改善剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(1)又は(2)で表される短鎖脂肪酸ジグリセライド(A)と、下記一般式(3)又は(4)で表される長鎖脂肪酸ジグリセライド(B)とを、(A)/(B)=40/60〜20/80の割合で混合した混合物からなる植物性油脂に対する呈味改善剤。(式中、R1は炭素数2〜8の飽和または不飽和脂肪酸由来アシル基)(式中R2は炭素数12〜18の飽和または不飽和脂肪酸由来のアシル基)

請求項2

短鎖脂肪酸ジグリセライド(A)のR1が酪酸由来のアシル基、長鎖脂肪酸ジグリセライド(B)のR2がパルミチン酸由来のアシル基である請求項1記載の植物性油脂に対する呈味改善剤。

請求項3

請求項1または請求項2記載の植物性油脂に対する呈味改善剤を含有する香料組成物

請求項4

請求項1または請求項2記載の植物性油脂に対する呈味改善剤または請求項3記載の香料組成物を含有する食品

請求項5

請求項4記載の食品が、植物性油脂を含有し焼成を必要とする食品

技術分野

0001

本発明は食品における呈味改善剤に関する。

背景技術

0002

近年、食品の多様化に伴い特徴的な香気香味の要求が高まり、様々な呈味改善剤が要求されている。この要求に応える目的で各種のフレーバーが提案されている。その一つの提案として、動物性または植物性脂肪加水分解物ジグリセライド画分は、脂質に伴う感覚刺激性を良くし、これを含有した香料組成物を食品に加えることで、リッチで、クリーミーコクのある風味強化できることが知られていた。(特許文献1)

0003

特許文献1に記載のジグリセライド画分は、動物性または植物性脂肪の加水分解物のジグリセライド画分との記載があるのみであり、グリセリンにどのような脂肪酸が結合したジグリセライドであるのかの記載は一切ない。動物性または植物性脂肪の加水分解物のジグリセライド画分との記載からして、種々の脂肪酸が結合した種々のジグリセライドの混合物と思われるが、特定の脂肪酸からなる特定のジグリセライドが特に、植物性油脂や、植物性油脂を含有する焼き菓子などの呈味改善に顕著な効果を有するとの記載も示唆もされていない。

先行技術

0004

特表平9−502103号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、油脂、特に植物性油脂を含有する食品に配合することで、又はさらに加熱することで、該食品に対してこれまでなし得なかった、バターに代表される動物性油脂特有脂肪感を著しく付与でき、しかも同時に、旨味コク味ボリューム感バランス良く付与できる呈味改善剤を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、上記課題を解決すべく呈味改善剤としてのジグリセライドについて鋭意研究を行った結果、比較的短鎖の脂肪酸からなる特定のジグリセライドと、比較的長鎖の脂肪酸からなる特定のジグリセライドを特定の比率で配合した混合ジグリセライドを、植物性油脂を含有する食品、特に焼成を含む加熱工程を必要とする特定の食品に配合して加熱すると、バターに代表される動物性油脂特有の脂肪感が発現され、また、旨味、コク味、ボリューム感も適度に付与される効果があるという知見に基づいて本発明を完成するに至った。

0007

本発明は、下記一般式(1)又は(2)で表される短鎖脂肪酸ジグリセライド(A)と、下記一般式(3)又は(4)で表される長鎖脂肪酸ジグリセライド(B)との特定比率のジグリセライド混合物からなる植物性油脂に対する呈味改善剤である。

0008

(式中、R1は炭素数2〜8の飽和または不飽和脂肪酸由来アシル基

0009

(式中R2は炭素数12〜18の飽和または不飽和脂肪酸由来のアシル基)

0010

また、本発明は、短鎖脂肪酸ジグリセライド(A)のR1が酪酸由来のアシル基、長鎖脂肪酸ジグリセライド(B)のR2がパルミチン酸由来のアシル基である前記記載の植物性油脂に対する呈味改善剤である。

0011

また、本発明は前記呈味改善剤を含有する香料組成物であり、更には前記呈味改善剤、前記香料組成物を含有する食品であり、また前記食品が植物性油脂を含有し、焼成を必要とする食品である。

発明の効果

0012

本発明の呈味改善剤は、植物性油脂を含有する食品にごく少量配合することで、該食品に含有される植物性油脂単独では発現されないバターに代表される動物性油脂特有の脂肪感が付与され、しかも同時に、旨味、こく味、ボリューム感もバランス良く付与し、切れ味にも優れ、また香気香味の香り立ちを強める効果(以後、リフトアップ効果ともいう)にも極めて優れたものである。
前記の効果は特に焼き菓子のような加熱を必要とする食品において顕著である。

0013

以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のジグリセライドは、グリセリンに結合する脂肪酸として炭素数が2〜8の比較的短鎖の脂肪酸が結合したジグリセライド(A)と、炭素数が12〜18の比較的長鎖の脂肪酸が結合したジグリセライド(B)との特定比率の混合物である。ジグリセライド(A)自身は植物性油脂を含有する食品の香気香味の切れ味、香り立ちを強める効果を有し、一方のジグリセライド(B)自身は植物性油脂を含有する食品の旨味、こく味を強める効果を有するが、驚くべきことにジグリセライド(A)と、ジグリセライド(B)との混合比率が40/60〜20/80の割合においてのみ、植物性油脂を含有する食品に対して、植物性とは異質の動物性油脂様の脂肪感が著しく発現される。
混合比率が40/60〜20/80の割合を外れた場合は、ジグリセライド(A)と、ジグリセライド(B)のそれぞれの前記特徴的な香味の多少の変化はあっても、動物性油脂様の脂肪感の発現は全く認められない。

0014

なお、本発明のジグリセライド(A)において、グリセリンに結合する脂肪酸として脂肪酸の炭素数が2に満たない場合や8より多い場合は動物性油脂様の脂肪感はもとより、切れ味や香り立ちを十分に付与できず、本発明の目的は達成できない。一方、ジグリセライド(B)においては、脂肪酸の炭素数が12に満たない場合や、18より多い場合は、動物性油脂様の脂肪感はもとより、十分なこく味や旨味を付与することができず、本発明の目的は達成できない。

0015

本発明のジグリセライド(A)、ジグリセライド(B)としては、1,2−ジアシルグリセライド(以後、1,2−DAGともいう)と、1,3−ジアシルグリセライド(以後、1,3−DAGともいう)とがあり、両者とも使用できる。敢えて両者の特徴に言及すれば、1,2−ジアシルグリセライドは、1,3−ジアシルグリセライドに比べて水−アルコール系溶剤に対する溶解性が高く飲料への適用性に優れている。一方、1,3−ジアシルグリセライドは、熱安定性および経時安定性に優れている。
前記1,2−ジアシルグリセライド及び1,3−ジアシルグリセライドは、目的に応じて個別に用いても良く、両者任意の割合の混合物を用いても良い。

0016

本発明の呈味改善剤である、特定の構造を有するジグリセライドは、天然物からの抽出または酵素法または有機合成により得られる。

0017

有機合成法による場合は、以下に示す化学合成により得ることができる。
即ち、グリセリンと脂肪族カルボン酸出発原料とし、常法である酸触媒による共沸脱水反応を挙げることができる。ここで用いられる酸触媒としては、硫酸リン酸などの鉱酸パラトルエンスルホン酸などの有機酸が適宜利用されうる。反応溶媒としては、トルエンヘプタンなど水と共沸組成を形成する溶媒が、単独または任意の割合で適宜混合して用いられる。反応は、一般的に加熱によって反応溶媒を反応中に生成する水との共沸で留出させ、留出した水を反応系外に除去して化学平衡生成物系シフトさせる方法が採られる。

0018

全工程における、それぞれの反応時間、反応温度などについて特に制限はないが、反応の進行状態などを把握する目的で、薄層クロマトグラフィーによる反応追跡などが一般的に行われる。例えば、反応が充分に進行していないと判断される場合等は、各反応条件は適宜変更されうるものである。

0019

全工程において、単離精製の方法としては、例えば常圧または減圧蒸留順相または逆相クロマトグラフィーGC、またはHPLCによる分取クロマトグラフィーなどが挙げられ、目的に応じてそれぞれの操作を単独、もしくは組み合わせて適宜使い分けることができる。

0020

本発明の呈味改善剤には、呈味改善の効果を損なわない範囲内で、各種のモノ、ジ、トリグリセライドやその他の副産物等が含まれていても構わない。

0021

本発明のジグリセライドは、直接食品に配合して使用できる。この場合は、食品中に混合ジグリセライドを0.0001〜0.5重量%の割合で配合するのが適当である。

0022

また、本発明のジグリセライドは、単独で用いても良いが、他のフレーバー香料、例えば動物性油脂に由来しない原料を用いて調製したミルク様、ヨーグルト様、クリーム様、バター様、チーズ様などの各種フレーバー;バニラ系フレーバー;コーヒー系フレーバーなどのフレーバー香料等を添加した香料組成物を調製して、該香料組成物を食品に配合して用いることもできる。

0023

本発明のジグリセライドと香料組成物を配合して併用するときの該香料組成物中の本発明の混合ジグリセライドの含有量は、0.01〜10重量%が好ましく、特に0.1〜2.0重量%程度が適当である。
該香料組成物を食品に配合する場合は、食品中に本発明の混合ジグリセライドが0.0001〜0.5重量%含有されることで効果が見られる。

0024

本発明の呈味改善剤並びに当該呈味改善剤を含有する香料組成物は、各種の食品に使用できる。適用できる食品としては、クリーム類生クリーム、植物性油脂を含有するホイップクリームクリームソースを含む);バター類(植物性油脂を含有するデアリスプレッド等を含む);チーズ類プロセスチーズチーズフード等を含む);濃縮乳類(脱脂濃縮乳全脂濃縮乳加糖脱脂濃縮乳等を含む);各種乳類(全粉乳脱脂粉乳クリームパウダー類、調製粉乳類、牛乳発酵乳乳酸菌飲料乳飲料、及びこれらを含む乳製品等);コーヒー飲料類、ココア飲料類などの飲料類;焼き菓子・ベーカリー類などの菓子類などが挙げられる。
本発明の呈味改善剤並びに当該呈味改善剤を含有する香料組成物は、植物性油脂のみを含む食品に対して好適に用いられるが、それに限らず動物性油脂を含む食品に対しても用いることができる。後者の場合は、動物性の油脂感を増強する目的で用いられる。

0025

本発明の呈味改善剤並びに当該呈味改善剤を含有する香料組成物は、特に焼き菓子等に適用すれば効果が著しく、バターに代表される動物性油脂特有の脂肪感が著しく付与され、また、適度の旨味、コク味、ボリューム感も付与することができ、かつすっきりとした切れ味を付与することができる。

0026

一般に焼き菓子とは、小麦粉、糖(砂糖黒糖異性化糖コーンシロップデキストロース蜂蜜モルトシロップメイプルシロップ糖蜜など)、鶏卵(全卵黄卵白乾燥全卵乾燥卵黄乾燥卵白など)を主な材料とし、場合によっては油脂、乳製品、膨剤、香料、水など他の素材も加えた上で生地バッターを含む)を作り、焼成した菓子類を指すことが多い。

0027

本発明の焼き菓子もこの定義に従う。
ここで、焼成とは非酵素的褐変化反応が起こる条件で加熱することを指す。
焼成は、放射熱伝導熱対流を利用したオーブンや、熱した金属板もしくは金属の型、石などに被加熱物質を乗せて加熱する方法が一般的であるが、非酵素的褐変化反応が起こる条件での加熱であれば、特段方法は問わない。
高温液体(例えば食用の油脂)に被加熱物質を入れて加熱する方法も、非酵素的褐変化反応が起こるので本発明の焼成に含む。

0028

本発明でいう植物性油脂とは、大豆油なたね油ごま油パーム油オリーブ油サフラワー油などの、植物の種子等に由来する油脂をいう。前記植物性油脂に水素を添加した硬化油も含まれる。また、前記植物性油脂や硬化油を加工して製造されるマーガリン等も含まれる。

0029

以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。

0030

(合成例1)
R1が炭素数4のアシル基である1,2−ジブチリルグリセリンの合成。
1L反応容器に1−ベンジルグリセリン44.0g(0.24mol)、ピリジン41.8g(0.53mol)、およびTHF300mlを仕込んで攪拌し、0℃まで冷却した。その後、ブチリルクロライド56.5g(0.53mol)を、反応温度を0℃に保ちながら、30分かけて滴下し、さらに30分間攪拌した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチル200mlで2回抽出した。有機層を10%炭酸ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、ろ過、減圧濃縮して75.2gの粗生成物黄色オイルとして得た。この粗生成物と、5%パラジウムカーボン2.3g、およびメタノール75mlを500mlの反応容器に仕込み容器内を水素ガス置換し、室温で8時間攪拌した。パラジウムカーボンをろ別し、ろ液を減圧濃縮した後、酢酸エチル300mlを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、ろ過、減圧濃縮して49.7gの粗生成物を黄色オイルとして得た。これを減圧下に蒸留して130〜134℃/2mmHgの画分40.2gを無色透明オイルAを得た(収率72.2%)。当該オイルAは、GC(純度99%、面積比)および1H−NMRによる解析の結果、1,2−ジブチリルグリセリンであることを確認した。

0031

(合成例2)
R2が炭素数16のアシル基である1,3−ジパルミトイルグリセリンの合成。
200 L反応容器にパルミチン酸20.0kg(74.1mol)、グリセリン13.5kg(146.6mol)、パラトルエンスルホン酸1.4kg(7.2mol)を仕込んで、2時間撹拌加熱還流し、生成する水を除去した。反応液を50℃まで冷却した後、メタノール199.1Lを注ぎ、よく攪拌した。30分程度攪拌した後、遠心分離した。その後、結晶に再びメタノール126.4Lを注ぎ、30分攪拌した後、遠心分離し、モノグリセライドを除去した。最後に、40℃に加温したメタノール12.6Lで2回かけ洗いした。結晶物を50℃で真空乾燥して、ジグリセライドとトリグリセライドの混合物として10.6kgを得た。これにヘキサン31.8Lおよびトルエン21.2Lの混合溶剤を加え、よく撹拌しながら30℃まで加温し、30℃に達してから10分後、遠心分離した。次に、ヘキサン9.5Lおよびトルエン6.4Lの混合溶剤でかけ洗いし、トリグリセライドを除去した。さらに、30℃で真空乾燥し、5.9kgの結晶物を得た(収率27.7%)。
当該結晶物は、GC(純度97%、面積比)および1H−NMRによる解析の結果、1,3−ジパルミトイルグリセリンであることを確認した。

0032

(合成例3)
1,2−DAGおよび1,3−DAGの混合物であるジブチリルグリセリンの合成。
2L反応容器に酪酸324.0g(3.9mol)、グリセリン185.0g(2.0mol)、パラトルエンスルホン酸3.9g(0.02mol)、およびトルエン1.0Lを仕込んで6時間攪拌・加熱還流し、生成する水を除去した。反応混合物を室温まで冷却し、炭酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、ろ過、減圧濃縮して328.7gの淡黄色オイルを得た。このものに90%メタノール水溶液を加えて混合し、ヘキサン0.2Lで2回抽出した。含水メタノール層に食塩水を加えた後に酢酸エチル1.0Lで2回抽出し、合わせた有機層を常法にしたがって洗浄、乾燥、減圧濃縮して粗生成物235.9gを得た。これを減圧下に蒸留して140〜142℃/1mmHgの画分213.1gの無色透明オイルBを得た(収率44.5%)。当該オイルBは、GC(純度99%、面積比)および1H−NMRによる解析の結果、1,2−DAGおよび1,3−DAGが約4:6のジブチリルグリセリンの位置異性体混合物であることを確認した。

0033

合成例1で得られた1,2−ジブチリルグリセリン(以下、ジグリセライドAという)、と合成例2で得られた1,3−ジパルミトイルグリセリン(以下、ジグリセライドBという)とを表1に記載の種々の混合比となるように、60℃に加熱溶解したマーガリンに添加し、均一に攪拌混合した。このときの本発明の混合ジグリセライドの添加量はマーガリンに対して0.5%とした。得られたマーガリンと本発明の混合ジグリセライドを添加しないマーガリン(以下、無添加品という)について、動物性油脂様の脂肪感を5名の熟練したパネリストパネル評価した結果、本発明の混合ジグリセライドを添加したマーガリンに動物性油脂様の脂肪感が明らかに感じられた。旨味、こく味ボリューム感や、切れ、香り立ちの調和がとれた嗜好性の高いものであった。
本発明の混合ジグリセライドを添加しないマーガリンについては、もとより動物性油脂様の脂肪感は全く感じられなかった。

0034

実施例1で用いたジグリセライドAとジグリセライドBとを、表3に示すような種々の混合比で、実施例1と同様の条件で混合した混合ジグリセライドを調製し、当該混合ジグリセライドを表2の処方のバターフレーバーに混合ジグリセライド濃度が2.0重量%となるように添加した香料組成物を調製した。
当該香料組成物を柔らかくしておいたマーガリン260gに0.5重量%添加して、上白糖180gと泡立てないように擦り混ぜ、室温に戻しておいた全卵150gを少しずつ加えながら混合し、薄力粉410gを加えて混合してクッキー生地を調製し、更に当該生地を予め170℃に暖めておいたオーブンにいれて約12分間焼成してクッキーを調製した。
上記のクッキーについて、5名の熟練したパネリストがパネル評価した結果を表3に示した。
表3に見られる通り、当該香料組成物を添加しないで焼成したクッキーを基準品として評価したところ、20/80〜40/60の割合の混合ジグリセライドを添加したクッキーは動物性油脂様の脂肪感が顕著に現れ、旨味、こく味、ボリューム感や、切れ、香り立ちの調和がとれた嗜好性の高いものであった。

0035

合成例3で得られた1,2−ジブチリルグリセリンと1,3−ジブチリルグリセリンの混合物(以下、ジグリセライドCという)と合成例2で得られたジグリセライドBとを表4に示すような種々の比率で、実施例1と同様の方法で混合した混合ジグリセライドを調製した。当該混合ジグリセライドを表2の処方のバターフレーバーに混合ジグリセライドを濃度が2.0重量%になるように添加した香料組成物を調製した。当該香料組成物とマーガリン200gをすり混ぜ、混合しながら上白糖250g、果糖ブドウ糖液糖75gを加え、分離しないように全卵220gを徐々に加え、薄力粉100g、強力粉150gおよびベーキングパウダー5gを加えて粗く混ぜて生地を調製した。当該生地を50〜60g計り入れて、予め160℃に加熱しておいたオーブンで約16分焼成してパウンドケーキを調製した。
別に、前記香料組成物を賦香しないパウンドケーキを焼成し(以下、基準品という)、それを基準として、熟練した5名のパネリストがパネル評価した結果を表4に示した。

実施例

0036

上記実施例の結果より、本発明の呈味改善剤を含有する香料組成物を少量配合し、焼成して調製したパウンドケーキは、基準品と比較して、ジグリセライドA/ジグリセライドB、またはジグリセライドC/ジグリセライドBの配合比が20/80〜40/60のものが、バターに代表される動物性油脂特有の脂肪感が著しく発現され、また、旨味、こく味、ボリューム感も適度に付与され、かつ切れ味や香気香味の香り立ちにも効果が認められた。特に動物性油脂特有の脂肪感については、ジグリセライドA/ジグリセライドB、またはジグリセライドC/ジグリセライドBの配合比が20/80〜40/60のものにしか感じられなかった。

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