図面 (/)

技術 無塩素の共形SiN膜を蒸着させるための方法

出願人 ノベラス・システムズ・インコーポレーテッド
発明者 デニス・ハウスマンジョン・ヘンリーバート・バンシュラベンジックイースウォー・スリニバサン
出願日 2013年1月18日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2013-007612
公開日 2013年8月8日 (7年3ヶ月経過) 公開番号 2013-153164
状態 特許登録済
技術分野 絶縁膜の形成 CVD
主要キーワード 空気圧技術 感知管 V曲線 回転メカニズム 隆起特徴 プランジャ弁 ハロゲン化物種 ヒータ制御プログラム
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年8月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

基板上にシリコン窒化物(SiN)を作成する方法を提供する。

解決手段

無塩素(Cl)の共形SiN膜蒸着させるSiN膜は、無Clで、なおかつ無炭素(C)である。もう1つの態様は、共形SiN膜の応力および/またはウェットエッチング速度を調整する方法に関する。もう1つの態様は、高品質の共形SiN膜を蒸着させる低温方法に関する。一部の実施形態では、方法は、シリコン含有前駆体としてトリシルアミンTSA)を使用することを伴う。

概要

背景

概要

基板上にシリコン窒化物(SiN)を作成する方法を提供する。無塩素(Cl)の共形SiN膜蒸着させるSiN膜は、無Clで、なおかつ無炭素(C)である。もう1つの態様は、共形SiN膜の応力および/またはウェットエッチング速度を調整する方法に関する。もう1つの態様は、高品質の共形SiN膜を蒸着させる低温方法に関する。一部の実施形態では、方法は、シリコン含有前駆体としてトリシルアミンTSA)を使用することを伴う。

目的

本発明の1つの態様は、基板上にシリコン窒化物材料を形成する方法であって、反応チャンバの中に基板を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
6件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

反応チャンバの中で基板の上にシリコン窒化物材料を形成する方法であって、前記基板を無ハロゲンシリコン含有反応物気相流に一定時間ごとに暴露することであって、前記無ハロゲンのシリコン含有物は、前記基板の表面上に吸着される、ことと、前記基板を第1の窒素含有反応物の気相流に暴露することであって、前記窒素含有反応物は、前記基板の表面上に吸着される、ことと、前記反応チャンバの中に気相の窒素含有反応物が存在しているとともに前記無ハロゲンのシリコン含有反応物の気相流が停止されているときに、前記反応チャンバの中で一定時間ごとにプラズマ点火することと、を備える方法。

請求項2

請求項1に記載の方法であって、前記無ハロゲンのシリコン含有反応物は、トリシリルアミンTSA)である、方法。

請求項3

請求項1に記載の方法であって、前記第1の窒素含有反応物は、炭素を含まない、方法。

請求項4

請求項1または2に記載の方法であって前記第1の窒素含有反応物は、アミンである、方法。

請求項5

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記第1の窒素含有反応物は、炭素を含まず、前記方法は、さらに、炭素を含む第2の窒素含有反応物の気相流を流すことを備える方法。

請求項6

請求項5に記載の方法であって、前記第2の窒素含有反応物は、C1-10アルキルアミンである、方法。

請求項7

請求項5または6に記載の方法であって、前記第1の窒素含有反応物対前記第2の窒素含有反応物の体積流量比は、約1:1〜10:1である、方法。

請求項8

請求項5または6に記載の方法であって、前記第1の窒素含有反応物対前記第2の窒素含有反応物の体積流量比は、約1:1〜4:1である、方法。

請求項9

請求項5または6に記載の方法であって、前記第1の窒素含有反応物対前記第2の窒素含有反応物の体積流量比は、約1:10〜1:1である、方法。

請求項10

請求項5または6に記載の方法であって、前記第1の窒素含有反応物対前記第2の窒素含有反応物の体積流量比は、約1:4〜1:1である、方法。

請求項11

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記基板は、ゲルマニウムテルルアンチモン合金、シリコン窒化物材料が上に形成される金属表面、およびシリコン窒化物材料が上に形成される酸化物表面のうちの、1つを含む、方法。

請求項12

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記プラズマまたは活性化エネルギ源は、約0.15〜0.5W/cm2の出力を有するRFプラズマである、方法。

請求項13

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記プラズマまたは活性化エネルギ源は、約1〜3W/cm2の出力を有するRFプラズマである、方法。

請求項14

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記プラズマまたは活性化エネルギ源は、HFのみのRFプラズマである、方法。

請求項15

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記基板の温度は、約400℃以下に維持される、方法。

請求項16

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記基板の温度は、約375℃以下に維持される、方法。

請求項17

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記基板の温度は、約350℃以下に維持される、方法。

請求項18

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記基板の温度は、約325℃以下に維持される、方法。

請求項19

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記シリコン窒化物材料の応力は、約−4〜−2GPaである、方法。

請求項20

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記シリコン窒化物材料の応力は、約−2〜1GPaである、方法。

請求項21

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記シリコン窒化物材料は、ハロゲンを含まない、方法。

請求項22

請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法であって、前記基板の表面は、1つ以上の隆起したまたはへこんだ特徴を含み、前記シリコン窒化物材料は、前記1つ以上の隆起したまたはへこんだ特徴に対して共形である、方法。

請求項23

半導体基板の上にシリコン窒化物膜蒸着させるための装置であって、(a)反応チャンバと、(b)前記シリコン窒化物膜を形成するための活性化エネルギ源と、(c)反応物入口と、(d)コントローラであって、蒸着サイクル中に第1および第2の窒素含有反応物を前記反応チャンバに流し入れるための命令と、前記蒸着サイクル中に無ハロゲンのシリコン含有反応物を前記反応チャンバに一定時間ごとに流し入れるための命令と、前記シリコン含有反応物の流れが停止されているときで、なおかつ前記反応チャンバの中の気相内に前記第1および第2の窒素含有反応物が存在している間に、前記反応チャンバの中で一定時間ごとにプラズマを点火するための命令と、を含むコントローラと、を備える装置。

請求項24

請求項23に記載の装置であって、前記活性化エネルギ源は、プラズマ発生器誘導コイル、およびマイクロ波源のうちの、1つ以上である、装置。

技術分野

0001

優先権の主張:
本出願は、2012年1月20日に出願された米国仮特許出願第61/588,964号および2012年3月7日に出願された米国出願第13/414,619号の優先権を主張する。これらの出願は、いずれも、参照によって本明細書に組み込まれる。

0002

導入:
[分野]
本開示は、総じて、基板上にSiN材料を形成することに関する。特に、本開示は、半導体基板上にSiN膜を形成することに関する。

0003

背景
シリコン窒化物(SiN)薄膜は、固有物理的、化学的、および機械的特性を有し、したがって、たとえば拡散バリアゲート絶縁物側壁スペーサ封入層トランジスタ内の緊張膜のように、具体的には半導体デバイスなどの様々な用途に使用される。SiN膜の問題は、1つには、膜の形成のために比較的高い温度が使用されることである。たとえば、フロントエンド(FEOL:Front End of Line)用途では、SiN膜は、750℃を超えるリアクタの中で、ジクロロシランおよびアンモニアを使用して化学蒸着CVD)によって蒸着されるのが通例である。しかしながら、SiN膜は、後期半導体製造プロセスに使用されるので、デバイス寸法縮小に伴って、SiN膜をたとえば600℃未満などの低温で形成することの需要が高まっている。

0004

説明されるのは、基板上にシリコン窒化物(SiN)材料を作成する方法である。これらの方法によって作成される改良SiN膜もまた、含まれる。1つの態様は、無塩素(Cl)の共形SiN膜を蒸着させることに関する。一部の実施形態では、SiN膜は、無Clで、なおかつ無炭素(C)である。もう1つの態様は、共形SiN膜の応力および/またはウェットエッチング速度を調整する方法に関する。もう1つの態様は、高品質の共形SiN膜を蒸着させる低温方法に関する。一部の実施形態では、方法は、シリコン含有前駆体としてトリシルアミンTSA)を使用することを伴う。

0005

1つの態様は、方法であって、基板を無ハロゲンシリコン含有反応物気相流に一定時間ごとに暴露することであって、該無ハロゲンのシリコン含有物は、基板の表面上に吸着される、ことと、基板を第1の窒素含有反応物の気相流に暴露することであって、該窒素含有反応物は、基板の表面上に吸着される、ことと、反応チャンバの中に気相の窒素含有反応物が存在しているとともに無ハロゲンのシリコン含有反応物の気相流が停止されているときに、反応チャンバの中で一定時間ごとにプラズマ点火することと、を含む方法である。一部の実施形態では、無ハロゲンのシリコン含有反応物は、TSAである。ある種の実施形態では、第1の窒素含有反応物は、無炭素である(炭素を含まない)。無炭素の窒素含有反応物の例には、アンモニアまたはヒドラジンがある。ある種の実施形態では、第1の窒素含有反応物は、アミンであり、たとえば、C1-10アルキルアミンである。ある種の実施形態では、第1の窒素含有反応物は、t−ブチルアミンである。

0006

一部の実施形態では、基板は、上記第1の窒素含有反応物と異なる第2の窒素含有反応物の気相流に暴露される。第1の窒素含有反応物は、炭素を含まず、第2の窒素含有反応物は、炭素を含有している。ある種の実施形態では、第1の窒素含有反応物対第2の窒素含有反応物の体積流量比は、約1:1〜10:1であり、たとえば、約1:1〜4:1である。ある種の実施形態では、第1の窒素含有反応物対第2の窒素含有反応物の体積流量比は、約1:10〜1:1であり、たとえば、約1:4〜1:1である。

0007

ある種の実施形態では、反応チャンバの中の圧力は、シリコン含有反応物の気相流中に高くなるように周期をなす。たとえば、反応チャンバの中の圧力は、約5〜50Torrである第1の圧力と、約1〜5Torrである第2の圧力との間で周期をなすことができる。

0008

ある種の実施形態では、基板は、方法中ずっと、第1の窒素含有反応物の気相流に暴露され続ける。ある種の実施形態では、基板は、一定時間ごとに第1の窒素含有反応物の気相流に暴露される。

0009

ある種の実施形態では、温度がたとえば375℃以下、350℃以下、または325℃以下のように、約400℃以下またはそれ未満に維持される、低温プロセスが提供される。ある種の実施形態では、シリコン窒化物材料の応力を調整することができる。たとえば、約−4〜−2GPaの応力を有するシリコン窒化物材料を蒸着させることができる。もう1つの例では、約−2〜1GPaの応力を有するシリコン窒化物を蒸着させることができる。シリコン窒化物材料は、無ハロゲン(ハロゲンを含まない態様)であってよい。ある種の実施形態では、シリコン窒化物材料は、ハロゲンを含まず、なおかつ炭素を含まない。

0010

本発明の1つの態様は、基板上にシリコン窒化物材料を形成する方法であって、反応チャンバの中に基板を提供することと、基板の表面上にTSA反応物が吸着されるように気相のTSA反応物に基板を暴露することと、基板の表面上に窒素含有反応物が吸着されるように気相の窒素含有反応物に基板を暴露することと、気相内に窒素含有反応物が存在している間にプラズマを点火することと、を含む方法に関する。基板表面は、隆起したまたはへこんだ特徴を含むことができる。基板は、たとえば、銅などの金属、シリコン酸化物などの誘電性材料、またはゲルマニウムアンチモンテルル(GST)合金のうちの、1つ以上を含むことができる。一部の実施形態では、窒素含有反応物は、アンモニアまたはヒドラジンなどの、無炭素の窒素含有反応物である。一部の実施形態では、窒素含有反応物は、炭素含有反応物である。一部の実施形態では、窒素含有反応物は、炭素含有反応物と、無炭素の窒素含有反応物との混合である。基板温度は、たとえば、約300℃から約450℃、または約300℃から約400℃であってよい。一部の実施形態では、温度は、400℃未満である。RF電力は、一部の実施形態では、約0.15〜0.5W/cm2であってよい。

0011

もう1つの態様は、シリコン窒化物膜を蒸着させるための装置に関する。装置は、反応チャンバと、シリコン窒化物膜を形成するための活性化エネルギ源と、反応物入口と、コントローラとを含むことができる。コントローラは、蒸着サイクル中に第1および第2の窒素含有反応物を反応チャンバに流し入れるための命令と、蒸着サイクル中に無ハロゲンのシリコン含有反応物を一定時間ごとに反応チャンバに流し入れるための命令と、シリコン含有反応物の流れが停止されているときで、なおかつ反応チャンバの中の気相内に第1および第2の窒素含有反応物が存在している間に反応チャンバの中で一定時間ごとにプラズマを点火するための命令と、を含むことができる。

0012

関連の図面を参照にして、以下で、本発明のこれらのおよびその他の特徴および利点がより詳細に説明される。

図面の簡単な説明

0013

FDプロセスにおける代表的な段階の時間的進行を示した図である。

0014

SiN膜を作成するための代表的なプロセスフローを示した図である。
SiN膜を作成するための代表的なプロセスフローを示した図である。
SiN膜を作成するための代表的なプロセスフローを示した図である。

0015

CFD処理ステーションの一例を示した図である。

0016

複数ステーション式の処理ツールを示した概略図の一例である。

0017

TSA/アンモニア系を使用して蒸着されたSiN膜のI−V曲線を示した図である。

0018

TSA/アンモニア系を使用して蒸着されたSiN膜のボトムステップカバレージおよびサイドステップカバレージを様々な特徴アスペクト比について示した図である。

実施例

0019

詳細な説明:
[概説]
本開示は、特に半導体基板上に、SiN膜を形成することに関する。本明細書で説明される方法は、具体的には低炭素含量のSiN膜を形成するなどSiN膜の炭素含量を制御するやり方と、SiN膜を形成するための共形膜蒸着(CFD:conformal film deposition)方法とを含む。

0020

[定義]
本明細書で使用される以下の定義は、別途記されない限り適用されるとする。

0021

「シリコン含有反応物」は、SiN材料を作成するために使用される単独のまたは混合の試薬であり、少なくとも1つのシリコン化合物を含有している。シリコン化合物は、たとえば、シランハロシラン、またはアミノシランであってよい。シランは、水素および/または炭素基を含有しているが、ハロゲンは含有していない。シランの例は、シラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、ならびにメチルシランエチルシランイソプロピルシラン、t−ブチルシランジメチルシランジエチルシラン、ジ−t−ブチルシラン、アリルシラン、s−ブチルシラン、テキシルシラン、イソアミルシラン、t−ブチルジシラン、ジ−t−ブチルジシランなどの有機シランである。ハロシランは、少なくとも1つのハロゲン基を含有しており、水素および/または炭素基を含有していても、あるいは含有していなくてもよい。ハロシランの例は、ヨードシラン、ブロモシラン、クロロシラン、およびフルオロシランである。具体的にはフルオロシランなどのハロシランは、シリコン材料エッチングすることができる反応性ハロゲン化物種を形成すると考えられるが、本明細書で説明されるある種の実施形態では、シリコン含有反応物は、プラズマがストライクされるときには存在していない。具体的なクロロシランは、テトラクロロシラン(SiCl4)、トリクロロシラン(HSiCl3)、ジクロロシラン(H2SiCl2)、モノクロロシラン(ClSiH3)、クロロアリルシラン、クロロメチルシラン、ジクロロメチルシランクロロジメチルシランクロロエチルシラン、t−ブチルクロロシラン、ジ−t−ブチルクロロシラン、クロロイソプロピルシラン、クロロ−s−ブチルシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、テキシルジメチルクロロシランなどである。アミノシランは、シリコン原子に結合された少なくとも1つの窒素原子を含んでおり、ただし、水素、酸素、ハロゲン、および炭素も含有していてよい。アミノシランの例は、モノ−、ジ−、トリ−、およびテトラ−アミノシラン(それぞれH3Si(NH2)4、H2Si(NH2)2、HSi(NH2)3、およびSi(NH2)4である)、ならびにたとえばt−ブチルアミノシラン、メチルアミノシラン、t−ブチルシランアミン、ビス(第3級ブチルアミノ)シラン(SiH2(NHC(CH3)3)2(BTBAS)、t−ブチルカルバミン酸シリル、SiH(CH3)−(N(CH3)2)2、SiHCl−(N(CH3)2)2、(Si(CH3)2NH)3などの、置換されたモノ−、ジ−、トリ−、およびテトラ−アミノシランである。アミノシランの更なる一例は、トリシリルアミン(N(SiH3))である。

0022

「窒素含有反応物」は、少なくとも1つの窒素を含有しており、たとえば、アンモニア、ヒドラジン、ならびにメチルアミンジメチルアミンエチルアミンイソプロピルアミン、t−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、シクロプロピルアミンs−ブチルアミンシクロブチルアミン、イソアミルアミン、2−メチルブタン−2−アミン、トリメチルアミンジイソプロピルアミンジエチルイソプロピルアミン、ジ−t−ブチルヒドラジン、およびアニリンピリジンベンジルアミンなどの芳香族含有アミンなどの、アミン(炭素を持つアミン)である。アミンは、第1級、第2級、第3級、または第4級(たとえば、テトラアルキルアンモニウム化合物)であってよい。窒素含有反応物は、窒素以外のヘテロ原子を含有していてよく、たとえば、ヒドロキシルアミン、t−ブチルオキシカルボニルアミン、およびN−t−ブチルヒドロキシルアミンは、窒素含有反応物である。

0023

「プラズマ」は、反応チャンバの中で点火されるプラズマ、または離れたところで点火されて反応チャンバに持ち込まれるプラズマである。プラズマは、本明細書で説明される反応物を含むことができ、たとえば、キャリアガス、または水素ガスなどの反応種などの、その他の化学物質を含んでいてもよい。反応物およびその他の反応剤は、プラズマがストライクされるときに反応チャンバの中に存在しているか、または離れたところにあるプラズマが反応物が存在しているところに流し込まれる、および/またはは離れたところで反応物および/またはキャリアガスが点火されてプラズマにされて反応チャンバに持ち込まれるか、であってよい。「プラズマ」は、誘導結合プラズマおよびマイクロ波表面波プラズマなどの、技術的に実現可能であることを知られたあらゆるプラズマを含むことを意味している。当業者ならば、技術の進歩が生じることがわかり、したがって、まだ未開発のプラズマ生成技術も本発明の範囲内であると考えられる。

0024

「熱的除去可能な基」は、窒素含有反応物およびシリコン含有反応物のいずれかまたは両方にあって、約200℃から約550℃の温度で揮発性成分に分かれる部分を言う。本明細書で説明されるのは、第2級および第3級炭素基などの、この温度範囲内で脱離反応を経る非限定的な例である。当業者ならば、その他の基も、説明されたようにその他のメカニズムによって熱的分解することがわかるだろう。たとえば、t−ブチルオキシカルボニル(t−BOCまたは「BOC」)基は、基のt−ブチル部分がイソブチレンを形成するが分解によって二酸化炭素も形成される両方の脱離メカニズムを通じて熱的に分解する。したがって、熱的除去可能な基は、ある特定のメカニズム、または複数メカニズムのある特定の組み合わせに限定されない。指定の温度範囲下で基が分かれて少なくとも1つの揮発性成分を生成する限り、それは、熱的分解可能な基と見なすことができる。たとえば、所定の条件群下において、t−ブチルエチルアミンは、エチル基を残しつつt−ブチル基の熱的分解を経てイソブチレンを形成し、したがって、この熱的分解の生成物は、イソブチレンおよびエチルアミンである。当業者ならば、成分の揮発性が、一部には、成分が生成される反応条件に依存することがわかるだろう。たとえば、イソブチレンは、吸着された反応物と反応しないゆえに、揮発性で、なおかつ加熱および低圧の条件下において反応チャンバから除去されるだろう一方で、たとえばアンモニアは、一般的に揮発性化合物であるにもかかわらず、基板の表面上に吸着されたシリコン含有反応物との反応を経る。

0025

[方法]
本明細書で説明されるのは、SiN膜を作成する方法である。ある特定の実施形態では、SiN膜は、プラズマ活性化共形膜蒸着(CFD)を使用して作成される。一部の実施形態では、SiN膜は、アミノシランシリコン含有反応物を使用して蒸着される。一部の実施形態では、SiN膜は、非ハロゲンのアミノシランを使用して蒸着される。一部の実施形態では、SiN膜は、トリシリルアミンを使用して蒸着される。

0026

一部の実施形態では、SiN膜は、無炭素の窒素含有反応物を使用して蒸着される。一部の実施形態では、SiN膜は、アンモニアを使用して蒸着される。一部の実施形態では、SiN膜は、無炭素化合物である窒素含有反応物と、炭素を含有する窒素含有反応物との混合を使用して蒸着される。

0027

一部の実施形態では、無ハロゲンの共形SiN膜が蒸着される。一部の実施形態では、ハロゲンを含まず、なおかつ無炭素の共形SiN膜が蒸着される。一部の実施形態では、応力を調整された無ハロゲンのSiN膜が蒸着される。一部の実施形態では、約400℃未満の温度で共形SiN膜が蒸着される。これらの各態様については、後ほどさらに詳しく説明される。

0028

ある種の実施形態では、SiN膜を蒸着させるためにCFDが使用されるが、本明細書で説明される方法は、CFDに限定されない。その他の適切な方法として、ALD、PEALD、CVD、PECVD、およびプラズマ強化式の周期性化学蒸着(PECCVD)が挙げられる。CFDを使用して膜を形成する方法は、2011年4月11日に出願されてあらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/084,399号に記載されている。文脈上、CFDの簡単な説明がなされる。

0029

半導体デバイスの製造は、通常、統合生産プロセスの中で非平面基板上に1枚以上の薄膜を蒸着させることを伴う。統合プロセスの一部の態様では、共形薄膜を蒸着させることが有用だと考えられる。たとえば、低濃度にドープされたソース領域およびドレイン領域を、後続イオン注入プロセスから保護するためのスペーサ層として機能させるために、隆起したゲートスタックの上に、シリコン窒化物の膜を蒸着させることができる。

0030

スペーサ層蒸着プロセスでは、非平面基板上にシリコン窒化物膜を形成するために化学蒸着(CVD)プロセスが使用されてよく、シリコン窒化物膜は、次いで、スペーサ構造を形成するために異方性エッチングされる。しかしながら、ゲートスタック間の距離の縮小に伴って、CVD気相反応の大量輸送限界は、「ブレッド・ローフィング(パン型)」蒸着効果を引き起こす恐れがある。このような効果は、ゲートスタックの上面の蒸着を厚くするとともに、ゲートスタックの下方隅の蒸着を薄くするのが一般的である。さらに、ダイによっては、デバイス密度の異なる複数の領域を有することがあるので、ウエハ表面における大量輸送の効果は、ダイ内およびウエハ内膜厚のばらつきを生じさせると恐れがある。これら厚さのばらつきは、一部の領域ではオーバエッチングを、一部の領域ではアンダエッチングをもたらす恐れがある。これは、デバイスの性能および/またはダイの歩留りを低下させる恐れがある。

0031

これらの問題に対処するアプローチには、原子層蒸着(ALD:atomic layer depositionx)を伴うものがある。熱的に活性化された気相反応を使用して膜を蒸着させるCVDプロセスとは対照的に、ALDプロセスは、表面を媒介とした蒸着反応を使用して層ごとに膜を蒸着させる。ALDプロセスの一例では、表面活性部位集団を含む基板表面が、第1の反応物(A)の気相分布に暴露される。反応物Aの一部の分子は、反応物Aの化学吸着種および物理吸着分子を含む凝縮相を、基板表面の上に形成することができる。リアクタは、次いで、気相のおよび物理吸着された反応物Aを除去して化学吸着種のみを残留させるために排気される。次いで、反応物Bの一部の分子が基板表面に吸着するように、第2の膜反応物(B)がリアクタに導入される。基板に提供される熱エネルギは、反応物Aの吸着分子と反応物Bの吸着分子との間の表面反応を活性化し、膜層を形成する。最後に、リアクタは、反応の副生成物および未反応の反応物Bを除去するために排気され、ALDサイクルを終了させる。膜の厚みを築くために、更なるALDサイクルを含めることもできる。反応物Aと反応物Bとの間の反応を促進するために、基板の加熱と併せてまたは基板の加熱に代わって、プラズマまたはその他のエネルギ手段を使用することも可能である。

0032

反応物を投与する工程の暴露時間、および反応物の付着係数に応じて、各ALDサイクルは、一例として厚さが0.5〜3オングストロームの膜層を蒸着させることができる。したがって、ALDプロセスは、厚さが数ナノメートルを超える膜を蒸着させるときに、長時間を要すると考えられる。さらに、反応物によっては、共形膜を蒸着させるために、長い暴露時間を有するかもしれず、これもやはり、ウエハの生産時間を短くすると考えられる。

0033

共形膜は、平面基板上にも蒸着させることができる。たとえば、膜のタイプを交互させる平面スタックから、リソグラフィパターニング用途のための反射防止層を形成することができる。このような反射防止層は、厚さがおよそ100〜1000オングストロームであると考えられ、これは、ALDプロセスを、CVDプロセスよりも魅力的でなくする。しかしながら、このような反射防止層は、多くのCVDプロセスによって提供可能なばらつきに対する耐性よりも、ウエハ内の厚さのばらつきに対する耐性も低いと考えられる。たとえば、厚さが600オングストロームの反射防止層が耐えられる厚さ範囲は、3オングストローム未満だと考えられる。

0034

本明細書で説明される様々な実施形態は、SiN膜を蒸着させるために、CFDを含んでいる。総じて、CFDでは、SiNを形成する反応前に、1つ以上の反応物が完全にパージされる必要がない。たとえば、プラズマ(またはその他の活性化エネルギ)がストライクされるときに、気相内に、1つ以上の反応物が存在していてよい。したがって、代表的なCFDプロセスでは、ALDプロセスで説明された1つ以上のプロセス工程を短縮または排除することができる。さらに、一部の実施形態では、プラズマによる蒸着反応の活性化が、熱によって反応が活性化される場合よりも蒸着温度を低下させ、これは、統合プロセスの熱収支を減少させる可能性がある。

0035

図1は、たとえば不活性ガス流、反応物A、反応物B、およびプラズマがいつストライクされるかなどの様々なプロセスパラメータの、CFDプロセス100における代表的な段階の時間的進行を示している。図1には、2つの蒸着サイクル110Aおよび110Bが示されている。当業者ならば、所望の膜厚を蒸着させるのに適した任意の回数の蒸着サイクルがCFDプロセスに含められてよいことがわかるだろう。代表的なCFDプロセスパラメータとして、不活性種および反応種流量プラズマ出力および周波数、基板温度、ならびにプロセスステーション圧力などが挙げられるが、これらに限定はされない。

0036

CFD「サイクル」という概念は、本明細書における様々な実施形態の議論に関わっている。総じて、サイクルは、表面蒸着反応を一回実施するために必要とされる最小の動作集合である。1回のサイクルの結果、少なくとも1枚の部分膜層が基板表面上に作成される。通常、CFDサイクルは、各反応物を基板表面に供給して吸着させるために、および次いでそれらの吸着された反応物を反応させて部分膜層を形成するために、必要とされる工程のみを含んでいる。サイクルは、反応物もしくは副生成物のいずれかを一掃スイープ)する、および/または蒸着された部分膜を処理する、などの、ある種の補助工程を含むことができる。総じて、サイクルは、固有な一連の動作の一事例のみを内包している。一例として、サイクルは、(i)反応物Aを供給する/吸着させる動作、(ii)反応物Bを供給する/吸着させる動作、(iii)Bを反応チャンバから一掃する動作、および(iv)プラズマを印加しAとBとの表面反応を促して表面上に部分膜層を形成する動作、を含むことができる。

0037

図1を参照すると、プロセス100の全ての段階中ずっと、不活性ガスが流されている。暴露段階120Aでは、基板の暴露表面を飽和させるために、反応物Aが、制御された流量でプロセスステーションに供給される。反応物Aは、たとえば窒素含有反応物などの、任意の適切な蒸着反応物であってよい。図1に示された実施形態では、反応物Aは、蒸着サイクル110Aおよび110B中ずっと、流れ続ける。気相反応を阻止するために膜前駆体(反応物)の暴露が分離される代表的なALDプロセスと異なり、CFDプロセスの一部の実施形態の気相では、反応物Aと反応物Bとが入り混じっていることが許容される。プロセスステーションへの反応物Aの継続的供給は、反応物Aが先ずオン切り替えられ、次いで安定化されて基板に暴露され、次いでオフに切り替えられ、最後にリアクタから除去されるALDプロセスと比べて、反応物Aの流量がオンに切り替えられて安定化されるための時間を短縮または排除することができる。図1に示された実施形態は、反応物A暴露段階120Aを、一定の流量を有するものとして示しているが、本開示の範囲内で、変流量を含む任意の適切な反応物A流が用いられてよいことがわかる。一部の実施形態では、反応物A暴露段階120Aは、反応物Aのための基板表面飽和時間を超える継続時間を有することができる。たとえば、図1の実施形態は、反応物A暴露段階120Aの中に、反応物A飽和後暴露時間130を含んでいる。必須ではないが、反応物A暴露段階120Aは、不活性ガスの制御流量を含んでいてもよい。不活性ガスの例としては、窒素、アルゴン、およびヘリウムなどが挙げられるが、これらに限定はされない。不活性ガスは、プロセスステーションの圧力および/もしくは温度の制御を補助するために、液体反応物の排出を補助するために、より迅速な反応物供給を補助するために、ならびに/またはプロセスステーションおよび/もしくはプロセスステーション配管からプロセスガスを除去するためのスイープガスとして、提供することができる。

0038

図1に示された実施形態の反応物B暴露段階140Aでは、暴露基板表面を飽和させるために、反応物Bが、制御された流量でプロセスステーションに供給される。この例では、反応物Bは、たとえば窒素含有反応物であってよい。図1の実施形態は、反応物B暴露段階140Aを、一定の流量を有するものとして示しているが、本開示の範囲内で、変流量を含む任意の適切な反応物B流が用いられてよいことがわかる。さらに、反応物B暴露段階140Aは、任意の適切な持続時間を有してよいことがわかる。一部の実施形態では、反応物B暴露段階140Aは、反応物Bのための基板表面飽和時間を超える継続時間を有することができる。たとえば、図1に示された実施形態は、反応物B暴露段階140Aに含まれた反応物B飽和後暴露時間150を示している。

0039

一部の実施形態では、表面吸着された反応物B種が、基板表面上に不連続な島状に存在することがあり、これは、反応物Bの表面飽和の達成を困難にする。様々な表面条件が、基板表面上における反応物Bの核形成および飽和を遅延されると考えられる。たとえば、反応物Aおよび/または反応物Bの吸着に際して放出される配位子が、一部の表面活性部位を塞いで反応物Bの更なる吸着を阻むだろう。したがって、一部の実施形態では、プロセスステーションに入る反応物Bの流れを調節するおよび/またはプロセスステーションに反応物Bを断続的に送り込むことによって、反応物B暴露段階140A中に、切れ目の無い反応物Bの接着層を提供することができる。これは、流量が一定であるシナリオと比べて反応物Bを節約しつつ、表面吸着および表面脱着のプロセスのための追加の時間を提供することができる。さらにまたはあるいは、一部の実施形態では、連続する反応物B暴露と反応物B暴露との間に1つ以上の一掃段階を含めることができる。

0040

プラズマによる活性化に先立って、一部の実施形態では、一掃段階160Aにおいて、プロセスステーションから気相反応物Bを除去することができる。プロセスステーションの一掃は、反応物Bがプラズマによる活性化に対して不安定である場合の、または不必要な種が形成されるかもしれない場合の、気相反応を回避することができる。さらに、プロセスステーションの一掃は、一掃されなければ留まって膜を汚染するだろう表面吸着配位子を除去することができる。代表的なスイープガスとして、アルゴン、ヘリウム、および窒素が挙げられるが、これらに限定はされない。図1に示された実施形態では、一掃段階160Aのためのスイープガスは、継続的な不活性ガス流によって供給される。一部の実施形態では、一掃段階160Aは、プロセスステーションを排気するための1つ以上の排気小段階を含むことができる。あるいは、一部の実施形態では、一掃段階160Aが省略されてもよいことがわかる。

0041

一掃段階160Aは、任意の適切な持続時間を有することができる。一部の実施形態では、1つ以上のスイープガスの流量の増大によって、一掃段階160Aの持続時間を短縮することができる。たとえば、スイープガスの流量は、一掃段階160Aの持続時間を変更するために、様々な反応物熱力学的特性、ならびに/またはプロセスステーションおよび/もしくはプロセスステーション配管の幾何学的特性にしたがって、調整することができる。非限定的な一例では、スイープガスの流量の調整によって、一掃段階の持続時間を最適化することができる。これは、蒸着サイクルの時間を短縮可能であり、ひいては、基板のスループットを向上させることができる。

0042

図1に示された実施形態のプラズマ活性化段階180Aでは、表面吸着された反応物Aと反応物Bとの間の表面反応を活性化するために、プラズマエネルギが提供される。たとえば、プラズマは、反応物Aラジカルを形成するために、反応物Aの気相分子を直接的にまたは間接的に活性化させることができる。これらのラジカルは、次いで、表面吸着された反応物Bと相互に作用し、その結果として膜形成表面反応を生じることができる。プラズマ活性化段階180Aは、蒸着サイクル110Aを完結させ、該サイクル後は、図1の実施形態では、反応物A暴露段階120Bから始まって反応物B暴露段階140B、一掃段階160B、およびプラズマ活性化段階180Bに続く蒸着サイクル110Bが続く。

0043

一部の実施形態では、プラズマ活性化段階180Aにおいて点火されるプラズマは、基板表面の真上で形成されるだろう。これは、プラズマ密度を増加させて、反応物Aと反応物Bとの間の表面反応速度を向上させることができる。たとえば、2枚の容量結合板を使用し、低圧ガス高周波数(RF)電界を印加することによって、CFDプロセスのためのプラズマを生成することができる。プラズマの形成には、任意の適切なガスを使用することができる。この例では、プラズマを形成するために、アルゴンまたはヘリウムなどの不活性ガスが、窒素含有反応物である反応物Aとともに使用される。RF電界による板間におけるガスのイオン化は、プラズマを点火し、プラズマ放電領域の中で自由電子を発生させる。これらの電子は、RF電界によって加速されて、気相反応物分子と衝突するだろう。これらの電子と反応物分子との衝突は、蒸着プロセスに参与するラジカル種を発生させるだろう。RF電界は、任意の適切な電極によって結合可能であることがわかっている。電極の非限定的な例として、プロセスガス分配シャワーヘッドおよび基板サポート台座が挙げられる。CFDプロセスのためのプラズマは、RF電界をガスに容量結合する以外の1つ以上の適切な方法によっても形成可能であることがわかる。

0044

プラズマ活性化段階180Aは、任意の適切な持続時間を有することができる。一部の実施形態では、プラズマ活性化段階180Aは、プラズマによって活性化されたラジカルが全ての暴露基板表面および吸着質と相互に作用して基板表面の上に切れ目の無い膜を形成する時間を超える持続時間を有することができる。たとえば、図1に示された実施形態は、プラズマ活性化段階180Aの中に、プラズマ飽和後暴露時間190を含んでいる。

0045

一部の実施形態では、プラズマ暴露時間の延長および/または複数のプラズマ暴露段階の提供によって、蒸着膜の大半の部分および/または表面近くの部分の反応後処理を提供することができる。一実施形態では、表面汚染の削減によって、反応物Aの吸着に備えて表面を整えることができる。たとえば、シリコン含有反応物と窒素含有反応物との反応から形成されるシリコン窒化物膜は、続く反応物の吸着に抵抗する表面を有することができる。プラズマによるシリコン窒化物表面の処理は、続く吸着および反応を促進するための水素結合を形成することができる。本明細書で説明されるSiN膜は、プラズマ以外による処理を経ることも可能である。

0046

一部の実施形態では、蒸着膜の性質を変更するために、プラズマ処理以外の処理が用いられる。このような処理には、電磁放射処理や熱処理(たとえばアニールまたは高温パルス)などがある。これらのいずれの処理も、単独で、またはプラズマ処理を含む別の処理と組み合わせて実施することができる。このようないずれの処理も、上述された任意のプラズマ処理の代わりとして用いることができる。具体的な一実施形態では、処理は、膜を紫外線放射に暴露することを伴う。後ほど説明されるように、具体的な一実施形態では、方法は、その場(in−situ)で(すなわち膜の形成中に)または膜の蒸着後にUV放射照射することを伴う。このような処理は、欠陥構造を削減または排除して電気的性能を向上させる働きをする。

0047

ある種の具体的な実施形態では、プラズマ処理にUV処理を結合することができる。これら2つの動作は、同時にまたは順次に実施することができる。順次の選択肢では、必須ではないが、UV動作が最初に実施される。同時の選択肢では、2つの処理は、別々の源(たとえばプラズマのためのRF電源およびUVのためのランプ)から提供されるか、または副生成物としてUV放射を生じるヘリウムプラズマなどの単独の源から提供されるかであってよい。

0048

一部の実施形態では、プラズマパラメータを変動させることによって、膜応力誘電率、屈折率、エッチング速度などの膜の性質を調整することができる。

0049

本明細書で議論される実施例の多くは、2つの反応物(AおよびB)を含んでいるが、本開示の範囲内で、任意の適切な数の反応物が用いられてよいことがわかる。一部の実施形態では、1つの反応物と、表面反応のためのプラズマエネルギを供給するために使用される1つの不活性ガスとを使用することができる。あるいは、一部の実施形態は、膜を蒸着させるために、複数の反応物を使用することができる。たとえば、一部の実施形態では、1つのシリコン含有反応物と1つ以上の窒素含有反応物との反応、または2つ以上のシリコン含有反応物と1つの窒素含有反応物との反応、またはともに1つ以上のシリコン含有反応物と窒素含有反応物との反応によって、シリコン窒化物膜を形成することができる。

0050

ある種の実施形態では、無ハロゲンのSiN膜を蒸着させるために、無ハロゲンのシリコン含有反応物が用いられる。図1は、無ハロゲンのSiN膜を蒸着させるために使用可能なプロセスの一例を示しており、図1のこの例では、反応物Bとして、トリシリルアミン(TSA)が用いられる。図1は、SiN膜を蒸着させるためのプロセスの一例を示しているが、様々な変更形態が可能である。たとえば、一部の実施形態では、反応物Aの流れと反応物Bの流れとが、それらの流れの間に随意パージガスを挟んで交互に生じることができる。別の例では、反応物Aがシリコン含有反応物であって、反応物Bが窒素含有反応物であってよい。一部の実施形態では、シリコン含有反応物の流れが停止されたときにのみ、プラズマをストライクすることができる。

0051

ある種の実施形態では、無ハロゲンのシリコン含有反応物が用いられる。具体的な一例では、シリコン含有反応物として、トリシリルアミン(TSA)が用いられる。TSAは、分離可能で、なおかつ安定したアミノシランである。

0052

図2および図3は、TSAを使用するプロセスフロー200および300の例を示している。先ず、図2を見ると、反応チャンバに基板が提供される(205を参照せよ)。基板は、上にSiN膜を所望される任意の適切な基板であってよい。たとえば、基板は、部分的に作成された集積回路フラッシュメモリ、または相変化メモリ基板であってよい。基板は、たとえば剥き出しのシリコン基板などの剥き出しの基板として、または上に1枚以上の層を蒸着された状態で提供することができる。上にSiN膜を蒸着される表面は、たとえばシリコンポリシリコン、銅、チタンタングステンシリコン二酸化物、もしくはゲルマニウム・アンチモン・テルル(GST)合金であるか、またはそれらを含んでいるかであってよい。一部の実施形態では、表面は、1つ以上の隆起したまたはへこんだ特徴を含む。1つ以上の隆起特徴は、たとえば、2:1〜10:1のアスペクト比を有することができる。基板は、TSAに暴露される(210を参照せよ)。一部の実施形態では、動作210は、非プラズマ動作である。一部の実施形態では、リアクタは、たとえば約5〜50Torrなどの第1の圧力に加圧することができる。ある特定の一実施形態では、動作21中、圧力は約20Torrである。実施形態によっては、この範囲外の圧力を使用することもできる。TSAは、基板表面上に吸着される。所望の量のTSAが表面上に吸着された後、TSAの流れは停止される(不図示)。基板は、次いで、1つ以上の窒素含有反応物に暴露される(215を参照せよ)。気相として窒素含有反応物が存在している間に、プラズマがストライクされ(220を参照せよ)、そうして、基板上に無ハロゲンのSiN膜が形成される。一部の実施形態では、リアクタの中の圧力は、動作210中よりも動作215中および/または220中の方が低いように周期をなす。たとえば、これらの動作中の圧力は、たとえば2Torrのように、約1〜5Torrであってよい。一部の実施形態では、動作220後に、(1つ以上の)窒素含有反応物の流れを停止させることができる(不図示)。

0053

一実施形態では、プラズマがストライクされる前に、不活性ガスおよび/または(1つ以上の)窒素含有反応物の流れによって、基板の表面に吸着されなかったTSAが反応チャンバから一掃される。別の一実施形態では、気相シリコン含有反応物を除去するために、パージを使用することができる。一部の実施形態では、動作220後にもパージを使用することができる。

0054

SiN層構築するために、210〜220を1回以上反復させることができる。一実施形態では、これらの動作は、厚さが約1nmから約100nmの共形層を基板上に形成するために繰り返される。別の一実施形態では、厚さは、約5nmから約50nmである。別の一実施形態では、厚さは、約5nmから約30nmである。

0055

一実施形態では、本明細書で説明される任意の方法を使用して、基板が約50℃から約550℃に、またはより具体的には約300℃から約450℃に、または例として約350℃または約400℃に加熱される。一実施形態では、ウエハは、蒸着中ずっと加熱され、その他の実施形態では、ウエハは、蒸着中に、または蒸着工程後にアニールとして、一定時間ごとに加熱される。

0056

図3は、方法の一実施形態の態様を概説したプロセスフロー300を示している。反応チャンバに、基板が提供される(305を参照せよ)。300中ずっと、1つ以上の窒素含有反応物の流れが確立および継続される(310を参照せよ)。基板は、一定時間ごとにTSAに暴露される(315を参照せよ)。また、一定時間ごとにプラズマがストライクされ(320を参照せよ)、ただし、これは、TSA反応物の流れが停止されたときに限られる。一実施形態では、基板の表面に吸着されなかったTSAは、不活性ガスおよび/または(1つ以上の)窒素含有反応物の流れによって、反応チャンバから一掃される。別の一実施形態では、パージを使用することができる。プラズマ処理後、サイクルは完了する。所望の厚さの層を構築するために、動作310〜320は、幾回かにわたって繰り返すことができる。

0057

図4は、方法の一実施形態の態様を概説したプロセスフロー400を示している。反応チャンバに、基板が提供される(405を参照せよ)。キャリアの流れが確立される(410を参照せよ)。基板は、窒素含有反応物に暴露される(415を参照せよ)。基板は、シリコン含有反応物に暴露される(420を参照せよ)。シリコン含有反応物の流れが停止された後に、プラズマが点火される(425を参照せよ)。この反応は、SiNを形成する。所望の厚さの層を構築するために、動作410〜425が1回以上反復される。この方法では、415および420は、必ずしも提示順番でなされるとは限らない。窒素含有反応物の流れは、継続的であっても継続的でなくてもよい。

0058

様々な追加の動作を、上述された任意のプロセスに組み込むことができる。たとえば、一部の実施形態では、SiN膜の全部または一部が所望の厚さに形成された後に、SiN膜を水素プラズマに暴露することができる。これは、SiN膜から、もし炭素成分が含まれるならば取り除くことができる。一実施形態では、水素(H2)と、窒素、ヘリウム、またはアルゴンなどのキャリアガスとを使用して、水素プラズマが生成される。蒸着膜の処理には、その他の水素含有ガス、または遠隔プラズマ源によって生成される活性水素原子を使用することができる。さらに、一部の実施形態では、処理パルスの数およびそれらの持続時間、処理プラズマの強度、基板の温度、ならびに処理ガス組成のうちの、1つ以上を変動させることによって、膜の炭素成分を任意の適切な濃度に調整することができる。

0059

無ハロゲンのシリコン含有反応物
図2〜4が、TSAを使用してSiNを蒸着させる代表的なプロセスフローを提供する一方で、一部の実施形態では、TSAに代わってまたは追加で非ハロゲンアミノシランを使用してその他のSiN膜が蒸着される。TSAまたはその他のアミノシランは、置換されないか、または必須ではないが任意の非ハロゲン置換基で置換されるかであってよい。一部の実施形態では、非置換TSA(SiH3)3Nが使用される。一部の実施形態では、1つ以上の炭素含有置換基によって置換されたTSAを使用することができる。炭素含有置換基の例として、アルキル基アルケニル基アルキニル基、およびその他の有機基が挙げられる。

0060

無ハロゲンのシリコン含有反応物の使用は、蒸着プロセスのハロゲン化物副生成物によるエッチングおよび/または腐食を特に受けやすいある種の基板上における蒸着に有利である。これらは、銅、タングステン、チタン、およびGST合金などの、金属基板を含む。たとえば、タングステンおよび塩化物副生成物は、反応して揮発性のタングステン六塩化物を形成し、その下のタングステンを除去する恐れがある。別の一例では、塩化物ガスが銅を腐食する恐れがある。

0061

無ハロゲンのシリコン含有反応物の使用は、また、低温(たとえば400℃および400℃未満の)反応にも有用である。これは、ハロゲンを含有しているシリコン反応物が、低温反応では揮発性副生成物として除去することができないNH4Clなどの固体副生成物を生じる恐れがあるからである。TSAは、たとえばジクロロシラン(DCS)よりも表面における反応性が高いゆえに、低温反応に使用することができる。

0062

一部の実施形態では、任意の適切な窒素含有反応物とともに、TSAを使用することができる。一実施形態では、窒素含有反応物は、アンモニア、ヒドラジン、アミン、およびそれらの混合物からなる群より選択される。一実施形態では、窒素含有反応物は、C1-10アルキルアミン、またはC1-10アルキルアミンの混合物を含む。一実施形態では、C1-10アルキルアミンは、第1級アルキルアミンまたは第2級アルキルアミンである。一実施形態では、C1-10アルキルアミンは、第1級アルキルアミンである。一実施形態では、C1-10アルキルアミンは、化学式I:



にしたがい、ここで、R1、R2、およびR3は、それぞれが、自分以外とは独立にHもしくはC1-3アルキルである、またはR1、R2、およびR3のうちの2つが、その付加先である炭素原子とともにC3-7シクロアルキルを形成し、R1、R2、およびR3のうちの残りの1つが、HもしくはC1-3アルキルである。一実施形態では、C1-10アルキルアミンは、窒素に直接付加された第2級または第3級の炭素を有する。一実施形態では、C1-10アルキルアミンは、イソプロピルアミン、シクロプロピルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、シクロブチルアミン、イソアミルアミン、2−メチルブタン−2−アミン、およびテキシルアミン(2,3−ジメチルブタン−2−アミン)からなる群より選択される。一実施形態では、化学式IのC1-10アルキルアミンにおいて、R1、R2、およびR3は、それぞれ、C1-3アルキルである。一実施形態では、C1-10アルキルアミンは、t−ブチルアミン(TBA)である。TBAは、上述の理由ゆえに、特に有用である。

0063

一部の実施形態では、生成されたSiN膜は、不必要な炭素分を有する。この膜内炭素は、漏電を引き起こすかもしれず、一部の誘電体障壁用途では、膜を使用不能にする恐れがある。炭素分にはばらつきがあるが、一部の実施形態では、(重量にして)およそ10%の炭素は高すぎると見なされる。本明細書で説明される方法は、SiN膜内の不必要な炭素に対処している。本明細書で説明される方法は、炭素が2%未満の、一部の実施形態では炭素が1%未満の、さらに別の一実施形態では炭素が0.5%未満の、SiN膜を生成する。一部の実施形態では、炭素残留物の削減は、FTIRスペクトルで容易に観察可能であるが、当業者には、これらの範囲の炭素分を測定することができるその他の解析方法が知られている。

0064

一部の実施形態では、窒素含有反応物は、熱的除去可能な基を含有していることができる。熱的除去可能な基は、約200℃から約550℃の温度で揮発性成分に分かれる基である。たとえば、第2級の、そしてとりわけ第3級の炭素基が、この温度範囲内で脱離反応を経ることができる。ある特定の例では、t−ブチル基が、この温度範囲内で分かれてイソブチレンを形成する。たとえば、t−ブチルアミンは、加熱されたときに、脱離反応を経てイソブチレンおよびアンモニアを形成する。さらに別の一例として、t−ブトキシカルボニル基(t−BOC)もまた、たとえば約150℃で熱的に分解してイソブチレン、二酸化炭素、およびt−BOC基を付加されたラジカルを形成する。たとえば、t−ブチルカルバメートは、熱的に分解してイソブチレンアンモニアおよび二酸化炭素を与える。

0065

基板は、このような基が分解してそれらの炭素分を放出し、そうしてSiN膜の炭素成分を減少させられるように、約200℃から約550℃の温度に加熱することができる。反応物は、基板上に吸着され、これらの反応物をSiN材料に変換するために、プラズマが使用される。残りの炭素基は、基板を加熱することによって除去することができる。加熱は、熱的除去可能な基を分解するために、蒸着中ずっと、または一定時間ごとに実施することができる。基板は、一実施形態では約200℃から約550℃の温度に、別の一実施形態では約350℃から約550℃の温度に、別の一実施形態では約450℃から約550℃の温度に、別の一実施形態では約450℃から約500℃の温度に、加熱される。一実施形態において、たとえばTBAが使用される場合は、SiN膜は、約1秒から約30秒にわたり、または約1秒から約20秒にわたり、または約1秒から約10秒にわたり、約450℃から約500℃の温度に加熱することができる。どのような特定の熱的除去可能な基であれ、ある温度閾値では分かれるが、分解の速度を増加させるために、および/またはSiN膜の性質を向上させるためのアニールとして、より高い温度を使用することが可能である。

0066

上述のように、熱的除去可能な基は、第2級または第3級の炭素の官能基性を含むことができる。シリコン含有反応物および窒素含有反応物は、そのいずれか一方または両方が、1つ以上の同じまたは異なる熱的除去可能な基を含むことができる。一実施形態では、熱的除去可能な基は、化学式II:



にしたがい、ここで、R1、R2、およびR3は、それぞれが、自分以外とは独立にHもしくはC1-3アルキルである、またはR1、R2、およびR3のうちの2つが、その付加先である炭素原子とともにC3-7シクロアルキルを形成し、R1、R2、およびR3のうちの残りの1つが、HもしくはC1-3アルキルであり、上記熱的除去可能な基のそれぞれは、窒素含有反応物の一部であるときは、窒素含有反応物の窒素または酸素に付加され、シリコン含有反応物の一部であるときは、シリコン含有反応物のシリコンまたは窒素または酸素に付加される。一実施形態では、R1、R2、およびR3は、それぞれが、自分以外とは独立にC1-3アルキルである。一実施形態では、熱的除去可能な基は、t−ブチル基である。

0067

無炭素の窒素含有反応物:
一部の実施形態では、窒素含有反応物は、無炭素の窒素含有反応物である。例として、アンモニアおよびヒドラジンが挙げられる。たとえば、一部の実施形態では、SiNを蒸着させるために、シリコン含有反応物および窒素含有反応物として、それぞれTSAおよびアンモニアが使用される。

0068

一部の実施形態では、たとえば、フラッシュメモリのためのSiO2/SiN/SiO2(ONOスタックとしても知られる)のSiN膜を蒸着させるために、無炭素の窒素含有反応物が使用される。蒸着膜は、(人間などの汚染源からのもの、または蒸着ツールの中が先のプロセス後に十分に清浄でなかったことによるものを除く)僅量のハロゲンも炭素も存在しない状態で、ハロゲンを含まず、なおかつ炭素を含まないことができる。

0069

応力およびウェットエッチング速度の調整:
一部の実施形態では、蒸着SiN膜の応力および/またはウェットエッチング速度を調整するために、(1つ以上の)窒素含有反応物を選択することができる。たとえば、高いウェットエッチング速度を有する伸長性の膜を蒸着させるために、アンモニアまたはその他の無炭素窒素含有反応物を使用することができる。

0070

別の一例では、耐エッチング性で且つ圧縮性の膜を蒸着させるために、TBAまたはその他の炭素含有窒素含有反応物を使用することができる。

0071

一部の実施形態では、所望の膜の応力を調整するために、2つの窒素含有反応物を使用することができる。たとえば、所望の応力およびウェットエッチング速度を有するSiN膜を蒸着させるために、炭素含有窒素含有反応物(たとえばTBA)および無炭素窒素含有反応物(たとえばアンモニア)を使用することができる。一部の実施形態では、これらの窒素含有反応物は、所望の応力およびウェットエッチング速度を有する無塩素SiN膜を蒸着させるために、TSAとともに使用することができる。

0072

このようにして、−4GPa(圧縮性)から2GPa(伸長性)に及ぶ範囲の応力を有するSiN膜を実現することができる。たとえば、一部の実施形態では、約−4GPaから約−2GPaの応力を有する圧縮性のSiN膜を、純粋なTBA(またはその他の炭素含有窒素含有反応物)の窒素含有反応物流を使用して実現することができる。一部の実施形態では、約1GPaから約2GPaの応力を有する伸長性のSiN膜を、純粋なアンモニア(またはその他の無炭素窒素含有反応物)の窒素含有反応物流を使用して実現することができる。一部の実施形態では、約−2GPaから1GPaの応力を有するSiN膜を、TBA(またはその他の炭素含有窒素含有反応物)とアンモニア(またはその他の無炭素窒素含有反応物)との混合物を使用して実現することができる。

0073

純粋なTBA(またはその他の炭素含有窒素含有反応物)、純粋なアンモニア(またはその他の無炭素窒素含有反応物)、およびこれらの混合を使用して実現可能な応力値は、具体的な実施形態と、本明細書で説明されるプロセスのプラズマ段階におけるRF電力およびプラズマ持続時間を含むその他のプロセス条件とにしたがって、変動させることができる。プラズマ出力が長くて高いほど、SiN膜は、より圧縮性にすることができる。一部の実施形態では、RF電力を適切に調節することによって、TSAと、(1つ以上の)無炭素窒素含有反応物(たとえばアンモニアおよび/またはヒドラジン)とのみを使用して蒸着されるSiN膜を、たとえば0.5GPaのように僅かに圧縮性の応力から最大2GPaの伸長性の応力に及ぶ範囲の応力を有するように調整することができる。

0074

一部の実施形態では、たとえば、TSAおよび無炭素窒素含有反応物を、約0.15W/cm2のHFRF電力とともに使用することによって、伸長性(1〜2GPa)のSiN膜が蒸着可能であるのに対し、TSAおよび無炭素窒素含有反応物を、1W/cm2に近いHFRF電力とともに使用することによって、僅かに圧縮性のSiN膜が蒸着される。(RF電力は、基板の単位面積あたりのWで表され、たとえば300mmウエハは、おおよそ706cm2の面積を有する。)膜は、TBAまたはその他の炭素含有窒素含有反応物を追加することによって、より圧縮性にすることができる。TBA分子のt−ブチル基の分解には、比較的高いRF電力が使用されるので、TBAを使用して伸長性の膜を形成することは、場合によっては困難である。したがって、伸長性の膜を実現するためには、アンモニアまたはヒドラジンなどの無炭素窒素含有反応物を使用することが有用である。RFプラズマは、HFのみのプラズマであるが、一部のその他の実施形態では、幾らかのLF電力を追加することができる。

0075

TSA・無炭素反応物の系を使用して実現可能なウェットエッチングもやはり、従来のプロセスよりも広範囲である。たとえば、TSA/アンモニアを使用して蒸着されるSiN膜の、熱酸化物に対するウェットエッチング速度比(WERR)は、上述のようなHFRF電力において、約2.0であることができる。HFRF電力を約1W/cm2またはそれよりも高くすれば、WERRを約0.5に下げることが可能である。これは、約0.1〜1.0の範囲に及ぶDCS/TBA系の場合のWERRに匹敵する。

0076

低温における蒸着:
上記のように、TSAは、たとえばジクロロシランよりも表面における反応性が高いゆえに、低温反応に使用することができる。また、一部の実施形態では、無炭素窒素含有反応物は、TBAまたはその他の窒素含有反応物よりも低い温度で高品質のSiN膜が蒸着されることを可能にする。たとえば、DCS/TBA系は、TBA分子におけるt−ブチル基の分解動力学が乏しいゆえに、400℃またはそれ未満で側壁蒸着の劣化を見せはじめる。

0077

一部の実施形態では、無ハロゲンアミノシランおよび無炭素窒素含有反応物を使用するSiN蒸着は、DCS/TBAおよび類似の系によって実現可能であるよりも大幅に低い温度で高品質のSiN膜を提供することができる。たとえば、TSA/アンモニアは、400℃または450℃ではもちろん、350℃でも高品質の蒸着を提供する。したがって、一部の実施形態では、TSAは、50℃から450℃、または50℃から400℃、または50℃から350℃に及ぶ温度で1つ以上の無炭素窒素含有反応物とともに使用することができる。

0078

共形膜:
様々な実施形態にしたがうと、本明細書で説明されるプロセスは、蒸着先の基板表面に対して高度に共形のSiN膜を蒸着させることができる。一部の実施形態では、ステップカバレージは、少なくとも90%である。説明を目的として、「ステップカバレージ」は、蒸着膜の2つの厚さの比として定義され、ボトムステップカバレージは、特徴の底部における厚さ/特徴の頂部における厚さの比であり、サイドステップカバレージは、特徴の側壁における厚さ/特徴の頂部における厚さの比である。

0079

[装置]
本発明の別の一態様は、本明細書で説明される方法を実現するように構成された装置である。適切な装置は、本発明にしたがったプロセス動作を実現するためのハードウェアと、本発明にしたがったプロセス動作を制御するための命令を有するシステムコントローラとを含む。

0080

上述された実施形態のうちの1つ以上とともに、任意の適切なプロセスステーションが利用可能であることがわかる。たとえば、図5は、CFDプロセスステーション1300を概略的に示している。簡単のために、CFDプロセスステーション1300は、低圧環境を維持するための処理チャンバディ1302を有する独立型のプロセスステーションとして示されている。しかしながら、共通の低圧処理ツール環境の中に、複数のCFDプロセスステーション1300が含められてもよいことがわかる。図5に示された実施形態は、1つのプロセスステーションを示しているが、一部の実施形態では、処理ツールの中に、複数のプロセスステーションが含められてよいことがわかる。たとえば、図6は、複数ステーション式の処理ツール2400の一実施形態を示している。さらに、一部の実施形態では、CFDプロセスステーション1300の、後ほど詳しく論じられるものを含む1つ以上のハードウェアパラメータが、1つ以上のコンピュータコントローラによってプログラム的に調整可能であることがわかる。

0081

CFDプロセスステーション1300は、分配シャワーヘッド1306にプロセスガスを供給するための反応物供給システム1301と流体連通している。反応物供給システム1031は、シャワーヘッド1306への供給のためにプロセスガスを混ぜ合わせるおよび/または調節するための混合容器1304を含む。1つ以上の混合容器入口弁1320が、混合容器1304へのプロセスガスの導入を制御することができる。

0082

反応物の一部は、続くプロセスステーションへの供給時に気化される前に、液体の形態で貯蔵することができる。たとえば、図5の装置は、混合容器1304に供給される液体反応物を気化させるための気化ポイント1303を含む。一部の実施形態では、気化ポイント1303は、加熱された気化器であってよい。このような気化器から生成される飽和反応物蒸気は、下流の配送管の中で凝縮すると考えられる。凝縮された反応物に不適合ガスが暴露されると、小粒子が形成される恐れがある。これらの小粒子は、配管を詰まらせる、弁の動作を妨げる、基板を汚染するなどの恐れがある。これらの問題に対処するアプローチには、残留反応物を除去するために配送管を一掃および/または排気することを伴うものがある。しかしながら、配送管の一掃は、プロセスステーションサイクル時間を長引かせ、プロセスステーションスループットを低下させる恐れがある。したがって、一部の実施形態では、気化ポイント1303の下流の配送管が、ヒートトレースされる。幾つかの例では、混合容器1304もまた、ヒートトレースされる。非限定的な一例では、気化ポイント1303の下流の配管は、おおよそ100℃から混合容器1304におけるおおよそ150℃に及ぶ昇温プロフィールを有する。

0083

一部の実施形態では、反応物液体は、液体注入器において気化される。たとえば、液体注入器は、混合容器の上流キャリアガス流に液体反応物をパルス的に注入することができる。一実施形態では、液体注入器は、液体をより高圧からより低圧へ勢いよく流すことによって、反応物を気化させる。別の一実施形態では、液体注入器は、液体を原子化して分散ミクロ液滴にし、これらのミクロ液滴は、その後、加熱された配送管の中で気化される。液滴は、大きさが小さいほど速く気化し、液体注入と完全気化との間の遅延を短縮させることがわかる。より速い気化は、気化ポイント1303よりも下流の配管の長さを短くすることができる。一実施形態では、液体注入器は、混合容器1304に直接取り付けられる。別の一実施形態では、液体注入器は、シャワーヘッド1306に直接取り付けられる。

0084

気化およびプロセスステーション1300への供給のために液体の質量流を制御するために、気化ポイント1303の上流に、液体流コントローラが提供される。一例では、液体流コントローラ(LFC)は、LFCの下流に位置付けられる熱質量流量計MFM)を含む。LFCのプランジャ弁は、MFMと電気的に通信する比例・積分・微分(PID)コントローラによって提供されるフィードバック制御信号応答して調節される。しかしながら、フィードバック制御を使用して液体流を安定化するためには、1秒またはそれよりも長い時間がかかるだろう。これは、液体反応物を投入する時間を長引かせる恐れがある。したがって、一部の実施形態では、LFCは、フィードバック制御モード直接制御モードとの間で動的に切り替えられる。一部の実施形態では、LFCは、LFCの感知管およびPIDコントローラを無効にすることによって、フィードバック制御モードから直接制御モードに動的に切り替えられる。

0085

シャワーヘッド1306は、基板1312に向かってプロセスガスを分配する。図5に示された実施形態では、基板1312は、シャワーヘッド1306の下に位置付けられ、台座1308の上に載った状態で示されている。シャワーヘッド1306は、任意の適切な形状を有してよく、基板1312にプロセスガスを分配するためのポートを任意の適切な数および配置で有することができる。

0086

一部の実施形態では、シャワーヘッド1306の下に、微小体積1307が位置付けられる。プロセスステーションの全体積内ではなく微小体積内でCFDプロセスが実施されると、反応物の暴露および一掃の時間が短縮され、CFDプロセス条件(たとえば圧力や温度など)を変更するための時間が短縮され、プロセスガスに対するプロセスステーションロボットメカニズムの暴露が制限されると考えられる。微小体積のサイズの例として、0.1リットルから2リットルの体積が挙げられるが、これらに限定はされない。

0087

一部の実施形態では、基板1312を微小体積1307に暴露するためにおよび/または微小体積1307の体積を変動させるために、台座1308を上昇または下降させることができる。たとえば、基板移送段階では、台座1308は、基板1312を台座1308に載せることを可能にするために下降される。CFDプロセス段階中は、台座1308は、基板1312を微小体積1307内に位置決めするために上昇される。一部の実施形態では、微小体積1307は、CFDプロセス中に高流量インピーダンスの領域を形成するために、基板1312はもちろん台座1308の一部をも完全に取り囲む。

0088

必須ではないが、台座1308は、たとえば微少体積1307の中のプロセス圧力反応物濃度などを調節するために、CFDプロセスの途中一部で下降および/または上昇させることができる。CFDプロセス中に処理チャンバボディ1302が基底圧にとどまる一実施形態では、台座1308の下降は、微少体積1307が排気されることを可能にする。処理チャンバ体積に対する微少体積の比の例として、1:500から1:10の体積比が挙げられるが、これらに限定はされない。一部の実施形態では、台座の高さは、適切なコンピュータコントローラによってプログラム的に調整可能であることがわかる。

0089

別の一実施形態では、台座1380の高さの調整は、CFDプロセスに含まれるプラズマ活性化および/または処理のサイクル中にプラズマ密度が変動されることを可能にする。CFDプロセス段階の終了に際し、台座1308は、台座1308からの基板1312の除去を可能にするために、別の基板移送段階中に下降される。

0090

本明細書で説明される代用的な微少体積変動は、高さを調整可能な台座を言うが、一部の実施形態では、微少体積1307の体積を変動させるために、シャワーヘッド1306の位置が、台座1308に相対的に調整可能であることがわかる。さらには、台座1308および/またはシャワーヘッド1306の垂直位置が、任意の適切なメカニズムによって変動可能であることがわかる。当業者ならば、このようなメカニズムが、たとえば液圧技術、空気圧技術バネメカニズム、ソレノイドなどを含むだろうことがわかる。一部の実施形態では、台座1308は、基板1312の向きを回転させるために、たとえば基板の表面に垂直な軸に沿った回転メカニズムを含むことができる。一部の実施形態では、これらの調整例の1つ以上が、1つ以上のコンピュータプログラムによってプログラム的に実施可能であることがわかる。

0091

図5に示された実施形態に戻り、シャワーヘッド1306および台座1308は、プラズマを通電するために、RF電源1314および整合回路網1316と電気的に通信しあう。一部の実施形態では、プラズマエネルギは、プロセスステーション圧力、ガス濃度、RF電源電力、RF電源周波数、およびプラズマ出力パルスタイミングのうちの、1つ以上を制御することによって制御される。たとえば、RF電源1314および整合回路網1316は、所望の組成のラジカル種を有するプラズマを形成するために、任意の適切な電力で動作させることができる。適切な電力の例として、100Wから5000Wの電力が挙げられるが、これらに限定はされない。同様に、RF電源1314は、任意の適切な周波数のRF電力を提供することができる。一部の実施形態では、RF電源1314は、高周波数RF電源と低周波数RF電源とを互いに独立に制御するように構成することができる。低周波数RF周波数の例として、50kHzから500kHzの周波数が挙げられるが、これらに限定はされない。高周波数RF周波数の例として、1.8MHzから2.45GHzの周波数が挙げられるが、これらに限定はされない。任意の適切なパラメータが、表面反応のためのプラズマエネルギを提供するために、離散的にまたは継続的に調節可能であることがわかる。非限定的な一例では、プラズマ出力は、継続的に通電されるプラズマと比べて基板表面とのイオン衝撃を減らすために、断続的にパルス変調することができる。

0092

一部の実施形態では、プラズマは、1つ以上のプラズマモニタによってその場(in−situ)で監視される。一実施形態では、1つ以上の電圧電流センサ(たとえばVIプローブ)によって、プラズマ出力が監視される。別の一実施形態では、1つ以上の発光分光センサ(OES)によって、プラズマ密度および/またはプロセスガス濃度が測定される。一部の実施形態では、このようなその場(in−situ)プラズマモニタからの測定値に基づいて、1つ以上のプラズマパラメータがプログラム的に調整される。たとえば、OESセンサは、プラズマ出力のプログラム的制御を提供するために、フィードバックループにおいて使用することができる。一部の実施形態では、プラズマおよびその他のプラズマ特性を監視するために、その他のモニタを使用することができる。このようなモニタとしては、赤外線(IR)モニタ、音響モニタ、および圧力トランスデューサが挙げられるが、これらに限定はされない。

0093

一部の実施形態では、プラズマは、入力/出力制御IOCシークエンシング命令を通じて制御される。たとえば、あるプラズマプロセス段階のためのプラズマ条件を設定するための命令は、CFDプロセスレシピの、対応するプラズマ活性化レシピ段階に含めることができる。一部の実施形態では、プロセスレシピ段階は、あるCFDプロセス段階のための全ての命令がそのプロセス段階と同時に実行されるように、順番に並べることができる。プラズマ生成の一部の態様は、プラズマプロセス段階を長引かせる恐れがある特徴的な遷移および/または安定化時間を有するだろうことがわかる。言い換えると、このような時間遅延は、予測可能だと考えられる。このような時間遅延は、プラズマをストライクするための時間と、指示された電力設定においてプラズマを安定化させるための時間とを含むことができる。

0094

一部の実施形態では、台座1308は、ヒータ1310を通じて温度制御することができる。さらに、一部の実施形態では、CFDプロセスステーション1300のための圧力制御を、バタフライ弁1318によって提供することができる。図5に示されるように、バタフライ弁1318は、下流の真空ポンプ(不図示)によって提供される真空スロットル調整する。しかしながら、一部の実施形態では、プロセスステーション1300の圧力制御は、CFDプロセスステーション1300に導入される1つ以上のガスの流量を変動させることによっても調整することができる。

0095

上述されたように、複数ステーション式の処理ツールには、1つ以上のプロセスステーションを含めることができる。図6は、内向きロードロック2402および外向きロードロック2404を伴う複数ステーション式の処理ツール2400の概略図を示している。これらのロードロックのいずれか1つまたは2つともが、遠隔プラズマ源を含むことができる。大気圧にあるロボット2406は、ポッド2408を通して装填されたカセットから大気圧ポート2410を通じて内向きロードロック2402の中へウエハを移動させるように構成される。ウエハは、ロボット2406によって、内向きロードロック2402の中の台座2412の上に置かれ、大気圧ポート2410は閉じられ、ロードロックは排気される。内向きロードロック2402が遠隔プラズマ源を含む場合は、ウエハは、処理チャンバ2414に導入される前に、ロードロックの中で遠隔プラズマ処理に曝されるだろう。さらに、ウエハは、たとえば、湿気および吸着されたガスを除去するために、内向きロードロック2402の中で加熱もされるだろう。次に、処理チャンバ2414へのチャンバ搬送ポート2416が開かれ、別のロボット(不図示)が、処理のためにウエハをリアクタに入れ、図に示されたリアクタの中の第1のステーションの台座の上に置く。図6に示された実施形態は、ロードロックを含んでいるが、実施形態によっては、プロセスステーションにウエハを直接入れることも可能である。

0096

図に示された処理チャンバ2414は、図6に示された実施形態では1から4の番号を振られている4つのプロセスステーションを含む。各ステーションは、加熱された台座(2418においてステーション1として示される)と、ガスライン入口とを有する。一部の実施形態では、各プロセスステーションが、異なるまたは複数の目的を有してよいことがわかる。たとえば、一部の実施形態では、一プロセスステーションが、CFDプロセスモードPECVDプロセスモードとの間で切り替え可能であってよい。加えて、または代わりに、一部の実施形態では、処理チャンバ2414は、CFDプロセスステーションとPECVDプロセスステーションとからなるペアを1つ以上含むことができる。図に示された処理チャンバ2414は、4つのステーションを含んでいるが、本開示にしたがった処理チャンバは、任意の適切な数のステーションを有してよいことが理解される。たとえば、一部の実施形態では、一処理チャンバが、4つまたは5つ以上のステーションを有する一方で、その他の実施形態では、一処理チャンバが、3つまたは2つ以下のステーションを有することができる。

0097

図6は、処理チャンバ2414の中でウエハを移送するためのウエハ取り扱いシステム2490も示している。一部の実施形態では、ウエハ取り扱いシステム2490は、ウエハを、様々なプロセスステーションの間でおよび/またはプロセスステーションとロードロックとの間で移送することができる。任意の適切なウエハ取り扱いシステムが利用可能であるよいことがわかる。非限定的な例として、ウエハ回転棚およびウエハ取り扱いロボットが挙げられる。図6は、また、処理ツール2400のプロセス条件およびハードウェア状態を制御するために用いられるシステムコントローラ2450も示している。システムコントローラ2450は、1つ以上のメモリデバイス2456と、1つ以上の大容量ストーレジデバイス2454と、1つ以上のプロセッサ2452とを含むことができる。プロセッサ2452としては、CPUまたはコンピュータアナログおよび/またはデジタルの入力/出力接続ステッピングモータコントローラボードなどが挙げられる。

0098

一部の実施形態では、システムコントローラ2450は、処理ツール2400の全ての活動を制御する。システムコントローラ2450は、大容量ストレージデバイス2454に記憶されメモリデバイス2456に読み込まれプロセッサ2452上で実行されるシステム制御ソフトウェア2458を実行する。システム制御ソフトウェア2458は、タイミング、ガスの混合、チャンバおよび/またはステーション圧力、チャンバおよび/またはステーション温度、ウエハ温度目標電力レベルRF電力レベル基板台座チャックおよび/またはサセプタ位置、ならびに処理ツール2400によって実施される特定のプロセスのその他のパラメータを制御するための命令を含むことができる。システム制御ソフトウェア2458は、任意の適切な方式で構成されてよい。たとえば、様々な処理ツールプロセスを実行に移すために必要な処理ツールコンポーネントの動作を制御するために、様々な処理ツールコンポーネントサブルーチンまたは制御オブジェクトが書き込まれてよい。システム制御ソフトウェア2458は、任意の適切なコンピュータ可読プログラミング言語としてコード化されてよい。

0099

一部の実施形態では、システム制御ソフトウェア2458は、上述された様々なパラメータを制御するための入力/出力制御(IOC)シークエンシング命令を含むことができる。たとえば、CFDプロセスの各段階は、システムコントローラ2450によって実行されるための1つ以上の命令を含むことができる。CFDプロセス段階のためのプロセス条件を設定するための命令は、対応するCFDプロセスレシピに含めることができる。一部の実施形態では、CFDレシピ段階は、あるCFDプロセス段階のための全ての命令がそのプロセス段階と同時に実行されるように、順番に並べることができる。

0100

一部の実施形態では、システムコントローラ2450に関連付けて大容量ストレージデバイス2454および/またはメモリデバイス2456に記憶されるその他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムを用いることができる。これを目的としたプログラムまたはプログラムの部分の例として、基板位置決めプログラム、プロセスガス制御プログラム圧力制御プログラムヒータ制御プログラム、およびプラズマ制御プログラムが挙げられる。

0101

基板位置決めプログラムは、基板を台座2418の上に載せるためにおよび基板と処理ツール2400のその他のパーツとの間の間隔を制御するために使用される、処理ツールコンポーネントのためのプログラムコードを含むことができる。

0102

プロセスガス制御プログラムは、ガス組成および流量を制御するためのおよび必須ではないがプロセスステーションの中の圧力を安定化させるために蒸着に先立って1つ以上のプロセスステーションにガスを流し入れるためのコードを含むことができる。圧力制御プログラムは、たとえばプロセスステーションの排気システムスロットル弁やプロセスステーションに入るガス流などを規制することによってプロセスステーションの中の圧力を制御するためのコードを含むことができる。

0103

ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために使用される加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含むことができる。あるいは、ヒータ制御プログラムは、基板への熱伝達ガス(ヘリウムなど)の供給を制御することができる。

0104

プラズマ制御プログラムは、1つ以上のプロセスステーションの中のプロセス電極に印加されるRF電力レベルを設定するためのコードを含むことができる。

0105

一部の実施形態では、システムコントローラ2450に関連付けられたユーザインターフェースがあってよい。ユーザインターフェースとしては、ディスプレイ画面、装置および/またはプロセス条件のグラフソフトウェア表示、ならびにポインティングデバイスキーボードタッチ画面マイクロフォンなどのユーザ入力装置などが挙げられる。

0106

一部の実施形態では、システムコントローラ2450によって調整されるパラメータは、プロセス条件に関するものであってよい。非限定的な例としては、プロセスガスの組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RFバイアス電力ベルなど)、圧力、温度などが挙げられる。これらのパラメータは、ユーザインターフェースを用いて入力可能なレシピの形態でユーザに提供することができる。

0107

プロセスを監視するための信号は、システムコントローラ2450のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって、様々な処理ツールセンサから提供することができる。プロセスを制御するための信号は、処理ツール2400のアナログおよびデジタル出力接続に載せて出力することができる。監視可能な処理ツールセンサの非限定的な例としては、質量流量コントローラ圧力センサマノメータなど)、熱電対などが挙げられる。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムは、プロセス条件を維持するために、これらのセンサからのデータとともに使用することができる。

0108

システムコントローラ2450は、上述された蒸着プロセスを実行するためのプログラム命令を提供することができる。プログラム命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、圧力、温度などの、多岐にわたる様々なプロセスパラメータを制御することができる。命令は、本明細書で説明される様々な実施形態にしたがって積層膜のその場(in−situ)蒸着を動作させるために、これらのパラメータを制御することができる。

0109

システムコントローラは、装置が本発明にしたがった方法を実施するように、1つ以上のメモリデバイスと、命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサとを含むのが一般的である。プロセス動作を制御するための命令を含む機械可読媒体が、システムコントローラに結合されてよい。

0110

パターニング方法/装置]
本明細書で説明される装置/プロセスは、半導体デバイス、ディスプレイ、LED、光起電力パネルなどの生産または製造のための、リソグラフィパターニングツールまたはプロセスと併せて使用することができる。必ずしもそうとは限らないが、このようなツール/プロセスは、一般的な生産施設において併せて使用または実行されるのが通例である。リソグラフィによる膜のパターニングは、通常、考えられる幾つかのツールによってそれぞれ可能にされる以下の工程:(1)スピンオンツールまたは噴き付けツールを使用して、被加工物すなわち基板にフォトレジストを塗布すること、(2)加熱板または高温炉またはUV硬化ツールを使用して、フォトレジストを硬化させること、(3)ウエハステッパなどのツールによって、可視光またはUV光またはx線にフォトレジストを暴露すること、(4)レジストを選択的に除去するためにレジストを現像し、そうしてそれをウェットベンチなどのツールを使用してパターニングすること、(5)ドライ式またはプラズマ強化式のエッチングツールを使用して、レジストパターンを下の膜または被加工物に転写すること、ならびに(6)RFまたはマイクロ波プラズマ除去ストリッパなどのツールを使用して、レジストを除去することのうちの、一部または全部を含む。一実施形態では、本明細書で説明される方法を使用して、SiN膜が形成される。SiN膜は、たとえば、本明細書で説明される目的のうちの1つのために使用される。さらに、方法は、上述された1つ以上の工程(1)〜(6)を含む。

0111

[実施例]
本発明は、純粋に例示的であることを意図された以下の実施例を参照にすることによって、さらに理解される。本発明は、その範囲を、発明の一態様の単なる例示であることを意図された例示的な実施形態によって制限されることはない。機能的に等価なあらゆる方法が、本発明の範囲内である。当業者にならば、以上の説明および添付の図面から、本明細書で説明されたものに加えて本発明の様々な実施形態が明らかになる。さらに、このような変更形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内である。

0112

[実施例1]
表1は、本明細書で説明される実施形態にしたがってSiN膜を作成するために使用することができる幾つかの反応相手、ならびに温度および圧力パラメータを含んでいる。

0113

プロセスAは、シリコン含有反応物としてのTSAを、窒素含有反応物としてのアンモニアとともに使用する。温度は、処理されている基板の要件にしたがって、50℃から約550℃に及ぶことができる。RF電力は、上述された応力を調整するために、約0.15W/cm2から約3W/cm2に及ぶことができる。

0114

プロセスBは、プロセスAの一具体例であり、伸長性のSiN膜を蒸着させるために、熱収支の関係で、TSAおよびアンモニアを約50〜450℃の低めの温度で使用している。たとえば銅膜を有する基板は、銅の粒状構造の変化を阻止するために、約400℃未満で処理することができる。たとえばGST合金は、350〜375℃の程度の温度で処理することができる。上述されたように、TSAおよびアンモニアは、これらの低めの温度で、高いステップカバレッジを有する高品質の膜を妥当な蒸着速度で提供するために使用することができる。伸長性の膜を実現するためのRF電力は、比較的低い。

0115

プロセスCは、プロセスAの別の一具体例であり、伸長性のSiN膜を蒸着させるために、熱収支の関係で、TSAおよびアンモニアを約300〜400℃の低めの温度で使用している。この範囲の温度は、高めの蒸着速度を維持しつつ、銅、GST合金、およびその他の熱感知性材料を含む基板上にSiN膜を蒸着させるのに有用だと考えられる。

0116

プロセスDは、プロセスAの別の一具体例であり、より圧縮性の膜を蒸着させるために、より高いRF電力を使用することを除き、プロセスCと同様である。

0117

プロセスE〜Hは、蒸着されるSiN膜の応力およびウェットエッチング速度を調整するために、アンモニアとTBAとの混合を窒素含有反応物として使用したプロセスの例である。一例として、プロセスEは、TBAの存在下で、プロセスDのような高いRFレベルで使用されることによって、膜をよりいっそう圧縮性にすることができる。

0118

プロセスIは、シリコン含有反応物および窒素含有反応物としてそれぞれTSAおよびTBAを使用したプロセスの一例である。プロセスIは、たとえば、圧縮性の無ハロゲンSiN膜を蒸着させるために使用することができる。

0119

上記のプロセス例では、アンモニアに代わってまたは追加で、ヒドラジンなどの無炭素の窒素含有反応物を使用することができる。TBAに代わってまたは加で、上述のようなその他の炭素含有反応物を使用することができる。

0120

[実施例2]
真空チャンバの中に、300mmウエハが置かれる。ウエハは、チャンバの中で、手順中ずっと加熱されるアルミニウム製の台座によって支えられる。たとえば、台座は、約50℃から約550℃の一定の温度に加熱される。ウエハの表面上にTSAを吸着させるために、約0.25slmから約5slm(標準リットル毎分)の気相流として、約1秒から約30秒にわたり、トリシリルアミン(TSA)がリアクタに導入される。TSA流が停止された後、リアクタの中の不活性ガス流は、残っている気相TSAおよびあらゆる副生成物をパージする。次いで、約1秒から約30秒にわたり、約1slmから約10slmのアンモニア気相流がリアクタの中に確立される。たとえば150W電力で13.56MHzのプラズマが、約1秒から約15秒にわたり、ウエハの上方で点火される。リアクタの中の不活性ガス流は、残っている気相アンモニアおよびあらゆる副生成物をパージする。TSA流、不活性ガスパージアンモニア流、プラズマ、および不活性ガスパージは、所望の厚さのSiN膜を蒸着させるために繰り返される。説明された各サイクルは、約0.5Åから約1.5ÅのSiN膜を蒸着させる。

0121

あるいは、アンモニアに追加でまたは代わって、1〜5slmのTBAを使用することができる。

0122

別の一代替例では、CFDの実行中に、アンモニア流(および/またはTBA流)が継続的に流される。これらの実行中は、アンモニア流が先ず確立されて維持されることを除き、上述されたのと同じ条件が使用される。上述されたのと同じ速度および時間でTSA流がリアクタに導入され、その後は、上述されたように不活性ガスパージが続く。上述されたようにプラズマが点火され、その後、上述されたように不活性ガスパージが続く。TSA流、不活性ガスパージ、プラズマ点火、および不活性ガスパージは、所望の厚さのSiN膜を蒸着させるために繰り返される。説明された各サイクルは、約0.5Åから約1.5ÅのSiN膜を蒸着させる。

0123

[実施例3]
450℃において、TSAおよびアンモニアを使用してSiN膜を蒸着させるために、実施例2で説明されたようなプロセスが使用された。図7は、蒸着された膜のI−V曲線を示している。SiN膜は、印加電界が約22MV/cmに到るまでは壊れないことが明白である。図8は、ボトムステップカバレッジおよびサイドステップカバレッジを様々な特徴アスペクト比について示している。

0124

以下の系:DCS/TBA、TSA/TBA、およびTSA/アンモニアによってSiN膜を蒸着させるために、プロセスが使用された。各膜の屈折率は、DCS/TBA:1.83、TSA/TBA:1.83、およびTSA/アンモニア:1.90であった。

0125

以上、理解を明瞭にする目的で、幾らか詳細な説明がなされてきたが、添付の特許請求の範囲内で、特定の変更および修正がなされてよいことが明らかである。説明されたプロセス、システム、および方法を実行に移すには、多くの代替的手法があることが留意される。したがって、説明された実施形態は、例示的であって限定的ではないと見なされる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 東京エレクトロン株式会社の「 処理装置及び処理方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】基板処理領域での水素ラジカルの量を増やすことができる技術を提供する。【解決手段】本開示の一態様による処理装置は、基板を収容する処理容器と、前記処理容器内と連通するプラズマ生成空間を有するプラズ... 詳細

  • 株式会社ダイヘンの「 インピーダンス整合装置及びインピーダンス整合方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】電源から負荷に供給される高周波電力が振幅偏移変調される場合であっても、電源と負荷との整合を図ることが可能なインピーダンス整合装置及びインピーダンス整合方法を提供する。【解決手段】第1期間及び第... 詳細

  • パナソニックIPマネジメント株式会社の「 構造体およびその製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】本開示の一態様に係る構造体は、第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層に接し、前記第1の誘電体層とは異なる屈折率を有する第2の誘電体層とを備える。前記第2の誘電体層は、水素濃度が互いに異... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ