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図面 (2)

課題

タンパク質分離において高い分解能を提供し、かつ緩衝剤としてTrisまたはTris-Bisに依存している従来のポリアクリルアミドゲルよりも加水分解に対して高い安定性を有するポリアクリルアミドゲルを、提供する。

解決手段

ほとんどまたは全てのTrisまたはTris-Bisの代わりにトリエタノールアミンを組み込むことによって作製する。

概要

背景

発明の背景
一般に、研究、診断調査、および生化学実験室におけるポリアクリルアミドゲル電気泳動(「PAGE」)の広範な用途は、大部分において、ポリアクリルアミドゲル光学的な透明性と電気的な中立性、および、該ゲルで分離されるべき種の多種多様分子量に対するポリアクリルアミドゲルの柔軟性と適合性によるものである。この柔軟性は、アクリルアミドモノマーの濃度および該モノマーに対する架橋剤、一般にはビス-アクリルアミドの割合を変動させることによって製造業者が該ゲルの多孔性を制御できることに起因する。PAGEは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が適切な緩衝液と共にゲルに組み込まれている場合に、タンパク質分離のために特に有用である。一般に使用される緩衝液は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(「Tris」)およびビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタン(「Bis-Tris」)である。タンパク質分離用のポリアクリルアミドゲルの中でも優れているのは、元々はLaemmli, U.K., Nature 227: 680 (1970)(非特許文献1)によって記載されたものであり、これはpH8.8で緩衝液としてTris-HClを含む。残念なことに、たとえゲルを冷凍したとしても、pHが高いためにこれらのゲルは時間とともに加水分解する。加水分解によって、個々のタンパク質移動距離が減少し、タンパク質バンド分解能が低下する。加水分解を避けるためにpHを低下させると、ゲルによるタンパク質の分離が不明確になり、タンパク質混合物の有用な解析はもはや得ることができない。

概要

タンパク質分離において高い分解能を提供し、かつ緩衝剤としてTrisまたはTris-Bisに依存している従来のポリアクリルアミドゲルよりも加水分解に対して高い安定性を有するポリアクリルアミドゲルを、提供する。ほとんどまたは全てのTrisまたはTris-Bisの代わりにトリエタノールアミンを組み込むことによって作製する。なし

目的

効果

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請求項1

トリエタノールアミンを含む緩衝液中の架橋ポリアクリルアミドを含む、ポリアクリルアミドゲルであって、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを有さないかまたは約0.3mM以下で有し、かつ、g/Lビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタンを有さないかまたは約0.3mM以下で有する、ゲル

請求項2

前記トリエタノールアミンが前記ゲルの約10mM〜約250mMを構成する、請求項1記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項3

前記トリエタノールアミンが前記ゲルの約75mM〜約150mMを構成する、請求項1記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項4

トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを欠き、かつビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタンを欠く、請求項1記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項5

前記トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが、前記ゲルの約0.03mM〜約0.3mMを構成し、かつ該ゲルが、ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタンを欠く、請求項1記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項6

前記ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタンが、前記ゲルの約0.03mM〜約0.3mMを構成し、かつ該ゲルが、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを欠く、請求項1記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項7

前記トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが、前記ゲルの約0.03mM〜約0.3mMを構成し、かつ前記ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタンが、前記ゲルの約0.03mM〜約0.3mMを構成する、請求項1記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項8

両性電解質をさらに含む、請求項1記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項9

前記両性電解質が、濃度約50mM〜約500mMのグリシンである、請求項8記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項10

前記グリシンに対して約0.1 mol%〜約65 mol%の割合の共存両性電解質をさらに含む、請求項9記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項11

前記共存両性電解質が、前記グリシンに対して約20 mol%〜約60 mol%の割合である、請求項10記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項12

前記共存両性電解質が、アスパラギンタウリンスレオニンセリン、およびヒスチジンからなる群より選択される要素である、請求項10記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項13

前記共存両性電解質が、タウリンであり、かつ前記グリシンに対して約20 mol%〜約60 mol%の割合である、請求項10記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項14

濃度約10mM〜約500mMの弱酸をさらに含む、請求項9記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項15

約4重量%〜約25重量%のポリアクリルアミド濃度を有し、架橋剤の割合が約2重量%〜約10重量%である、請求項1記載のポリアクリルアミドゲル。

請求項16

電気泳動によってタンパク質の混合物を分離するための方法であって、以下の工程を含む方法:(i)ゲルに該混合物の試料をロードする工程であって、該ゲルが、トリエタノールアミンを含む緩衝液中の架橋ポリアクリルアミドを含み、該ゲルが、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを有さないかまたは約0.3mM以下で有し、かつ、g/Lビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタンを有さないかまたは約0.3mM以下で有する、工程;および(ii) 該ゲル全体に電圧をかけて、該タンパク質を、該ゲル内で分離してバンドとなるまで、該ゲルを通じて異なる速度で移動させる工程。

請求項17

前記トリエタノールアミンが前記ゲルの約10mM〜約250mMを構成する、請求項16記載の方法。

請求項18

前記ゲルが、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを欠き、かつビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタンを欠く、請求項16記載の方法。

請求項19

前記トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが、前記ゲルの約0.03mM〜約0.3mMを構成し、かつ前記ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタンが、前記ゲルの約0.03mM〜約0.3mMを構成する、請求項16記載の方法。

請求項20

前記ゲルが、濃度約50mM〜約500mMのグリシンをさらに含む、請求項16記載の方法。

請求項21

前記ゲルが、濃度約50mM〜約500mMのグリシン、および該グリシンに対して約20 mol%〜約60 mol%の割合である共存両性電解質をさらに含む、請求項16記載の方法。

請求項22

前記トリエタノールアミンが前記ゲルの約10mM〜約250mMを構成し、該ゲルが、濃度約50mM〜約500mMのグリシン、該グリシンに対して約20 mol%〜約60 mol%の割合である共存両性電解質、および濃度約10mM〜約500mMの弱酸をさらに含む、請求項16記載の方法。

請求項23

前記電圧が少なくとも約350ボルトである、請求項16記載の方法。

請求項24

前記電圧が約400ボルト〜約600ボルトである、請求項16記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2008年9月2日出願の米国特許仮出願第61/093,622号の恩典を主張し、その全文は参照により本明細書に組み入れられる。

背景技術

0002

発明の背景
一般に、研究、診断調査、および生化学実験室におけるポリアクリルアミドゲル電気泳動(「PAGE」)の広範な用途は、大部分において、ポリアクリルアミドゲル光学的な透明性と電気的な中立性、および、該ゲルで分離されるべき種の多種多様分子量に対するポリアクリルアミドゲルの柔軟性と適合性によるものである。この柔軟性は、アクリルアミドモノマーの濃度および該モノマーに対する架橋剤、一般にはビス-アクリルアミドの割合を変動させることによって製造業者が該ゲルの多孔性を制御できることに起因する。PAGEは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が適切な緩衝液と共にゲルに組み込まれている場合に、タンパク質分離のために特に有用である。一般に使用される緩衝液は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(「Tris」)およびビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタン(「Bis-Tris」)である。タンパク質分離用のポリアクリルアミドゲルの中でも優れているのは、元々はLaemmli, U.K., Nature 227: 680 (1970)(非特許文献1)によって記載されたものであり、これはpH8.8で緩衝液としてTris-HClを含む。残念なことに、たとえゲルを冷凍したとしても、pHが高いためにこれらのゲルは時間とともに加水分解する。加水分解によって、個々のタンパク質移動距離が減少し、タンパク質バンド分解能が低下する。加水分解を避けるためにpHを低下させると、ゲルによるタンパク質の分離が不明確になり、タンパク質混合物の有用な解析はもはや得ることができない。

先行技術

0003

Laemmli, U.K., Nature 227: 680 (1970)

0004

TrisおよびBis-Trisの代わりにトリエタノールアミンを用いることによって、たとえ長期保存の間でも加水分解に対する耐性を有し、かつさらに電気泳動条件の下でタンパク質を分離および分解できるポリアクリルアミドゲルが得られることが、目下発見された。したがって、本発明の特定の態様においては、先行技術のゲルと比較してTris、Bis-Tris、またはその両方のレベルが大幅に低下し、残りの態様においては、TrisもBis-Trisも全く存在しない。後述のように、両性電解質共存両性電解質安定化剤pH調整剤バンド鮮明化(band-sharpening)剤、およびさらなる緩衝液などの追加の種もまた、本発明の特定の態様における任意の成分として含まれる。トリエタノールアミンの使用によって、調製当日のおよび長期保存の間のゲルの使用に対する全体的なバンド分解能の向上をもたらすことができる。また、トリエタノールアミンを含めることによって、先行技術のゲルでは通常起こるバンド分解能の低下を伴うことなく、高電圧でゲルに泳動することも可能になる。トリエタノールアミンの使用のさらなる利点とは、ゲル溶液緩衝して中性にする際にこれが有効に機能できることである。分解能を有意に低下させることなく、ゲル内のカチオンとは異なるカチオンを有するランニング緩衝液を含む多種多様なランニング緩衝液と共に本発明のトリエタノールアミン含有ゲルを使用できることは、さらなる追加の利点である。したがって本ゲルは、Tris-グリシンランニング緩衝液と共に使用することができる。

0005

本明細書で使用される「長期保存の間の加水分解に耐性を有する」なる表現は、プレキャスト電気泳動ゲルの使用にとって一般的である保存条件下での、1日を超えて、好ましくは3日を超えて、より好ましくは7日以上、さらにより好ましくは1ヶ月以上、さらにより好ましくは6ヶ月以上の期間にわたる保存後に、本ゲルが、タンパク質の分析上有用な電気泳動分離をもたらすことが可能であり続けることを意味する。本発明は、チューブゲルおよびスラブゲル、ならびに濃縮ゲルと分解ゲルとの組み合わせを含む、任意のサイズまたは形状のゲルにも適用可能である。本発明はまた、マイクロ流体装置中のゲルにも適用可能である。

図面の簡単な説明

0006

異なるレベルのアスパラギンを含む本発明の範囲内の2種類のゲルと、10 mol% Tris-HClを含むゲルとの電気泳動性能を比較した、Laemmliプロットである。
様々な弱酸緩衝液を含む本発明の範囲内の4種類のゲルと、10 mol% Tris-HClを含むゲルとの電気泳動性能を比較した、Laemmliプロットである。

0007

発明の詳細な説明および好ましい態様
ポリアクリルアミドゲルは、当技術分野で周知の方法により、重合触媒の存在下でアクリルアミドモノマーと架橋剤としてのビス-アクリルアミドとを重合させることによって形成され、本発明は、多種多様な多孔性を持つポリアクリルアミドゲルに対して適用可能である。同じく当技術分野で公知のように、全アクリルアミド濃度および全アクリルアミドに対するビス-アクリルアミドの割合を変動させることによって、該多孔性を調節することができる。当技術分野における一般的な慣例に従い、全アクリルアミド(すなわち、架橋剤を含む全モノマー)濃度は重量パーセントで表現し、記号Tで言及する一方、全モノマーに対する架橋剤の割合は同様に重量パーセントで表現し、記号Cで言及する。Tの値もCの値も本発明にとっては重要でないが、大多数の適用において、Tは約4%〜約25%の範囲、好ましくは約8%〜約15%の範囲であり、Cは約2%〜約10%の範囲、好ましくは約2.5%〜約5%の範囲である。重合を促進するための、当技術分野で公知の触媒の例は、過硫酸アンモニウム、N,N’-テトラメチレンジアミンTEMED)、リボフラビン、およびβ-ジメチルアミノプロピオニトリルであり、その全てが、当業者には容易に明らかとなる触媒量で使用される。

0008

本発明によると、形成されるゲル内にトリエタノールアミンが含まれるように、トリエタノールアミンをモノマー溶液に組み込む。また、トリエタノールアミンをランニング緩衝液に含めることもできるが、これは、数日間、数週間、または数ヶ月間にわたる保存の間のゲルの安定性の維持における本発明の目的にとっては重要ではない。モノマー溶液中で、トリエタノールアミンの濃度を変動させることができるが、約0.01 mol/L(1.5重量%)〜約0.25 mol/L(37.3重量%)の範囲内の濃度を用いて、ほとんどの場合に最良の結果が得られる。好ましい範囲は約0.05 mol/L(50mM)〜約0.2 mol/L(200mM)であり、より好ましい範囲は約0.075 mol/L(75mM)〜約0.15 mol/L(150mM)である。(本明細書および添付の特許請求の範囲において、トリエタノールアミンおよびゲルのその他の成分の濃度は時としてゲルのmMで表現される。これは、該ゲルが成形されたモノマー溶液のmMと同等であると理解されたい。)

0009

本発明の好ましい態様において存在する、ゲルのさらなる成分とは、1種または複数種の両性電解質(その有名な例はグリシンである)および1種または複数種の共存両性電解質である。適切な共存両性電解質とは、8.3〜9.6の範囲のpKaを有するものであり、典型的にはアミノ酸である。例として、アスパラギン、タウリンスレオニンセリン、およびヒスチジンが挙げられる。含まれる場合、グリシンは約0.05 mol/L(50mM)〜約0.5 mol/L(500mM)の範囲内の濃度で存在することが好ましく、共存両性電解質は両性電解質(例えばグリシン)に対して約0.1 mol%〜約65 mol%、好ましくは約20 mol%〜約60 mol%の割合で存在することが好ましい。(両性電解質に対する共存両性電解質の割合を表すmol%とは、本明細書において共存両性電解質のモル数を両性電解質と共存両性電解質の合計モル数で割って、100をかけることを意味するように使用される。)特定の態様において、弱酸または2種類以上の弱酸の組み合わせも同様に含まれる。例としては、クエン酸グリコール酸マレイン酸リン酸酢酸、およびホウ酸が挙げられる。存在する場合、1種または複数種の弱酸の濃度は約0.01 mol/L(10mM)〜約0.50 mol/L(500mM)の範囲内であることが好ましく、最も好ましくは約0.03 mol/L(30mM)〜約0.10 mol/L(100mM)である。クエン酸、マレイン酸、およびグリコール酸が好ましく、グリコール酸が最も好ましい。さらなる任意の添加剤とは、特に長期保存に対する、さらなるバンド分解能のための中性塩である。適切な塩の例は塩化ナトリウム硫酸ナトリウムリン酸ナトリウム塩化カリウム、およびリン酸カリウムである。存在する場合、中性塩の濃度は約0.01 mol/L(10mM)〜約0.50 mol/L(500mM)の範囲内であることが好ましく、最も好ましくは約0.03 mol/L(30mM)〜約0.10 mol/L(100mM)である。先行技術の典型的なポリアクリルアミドゲル調製物と同様、適切な酸を用いてモノマー溶液のpHを所望の範囲に調整することができ、その例としては塩酸硫酸、酢酸、ホウ酸、およびリン酸が挙げられる。必要に応じて、pHを6.4〜9.0の範囲内の値に調整することができる。6.4〜7.0のpH範囲が好ましい。

0010

さらに上述したように、本発明のゲルはTrisまたはBis-Trisをほとんどまたは全く含まない。存在する場合、TrisまたはBis-Trisはゲルの0.3mM以下を構成し、好ましくは約0.03mM〜約0.3mMを構成する。特定の態様において、これら2種類の緩衝液の一方または両方は全く存在せず、あるいは、少なくとも実質的に存在しない。すなわち、微量以下の該緩衝液が存在し、存在するいかなる量も、ゲルの保存安定性に対して検出可能な影響を全く与えない程度に小さい。

0011

本明細書記載のゲル上で行う電気泳動分離は、多種多様な試料緩衝液およびランニング緩衝液および該ゲルと共に使用するその他の物質を用いて、従来の温度条件電圧条件、および時間条件の下で実施する。スラブゲル上での電気泳動が好ましく、試料は、任意の従来様式で該ゲルにロードすることができる。しかし本発明のゲルによって、通常用いるよりも高い電圧で分離を行うことが可能になり、これによって、分解能を低下させることなくより短い期間で分離を行うことが可能になる。長さ約6cm〜約30cmの範囲のゲルが一般に使用され、電圧は、約50V〜約600Vの範囲であり得る。高電圧を使用する場合、その範囲は約350ボルト以上であってよく、好ましくは約400ボルト〜約600ボルトである。ボルト/cmベースでは、約1V/cm〜約100V/cmの範囲であってよく、あるいは高電圧の場合には、好ましくは約50V/cm〜約100V/cmの範囲であってよい。

0012

後述の本実施例において報告される実験はスラブゲルで実施したが、本発明によるゲルはマイクロ流体装置内に存在してもよく、同じく本明細書に記載の恩典を実証できる。マイクロ流体装置において、本ゲルは、直径500ミクロン以下、好ましくは直径100ミクロン以下のマイクロチャネル(あるいは最も断面寸法の長いチャネル)内に存在しうる。

0013

以下の実施例において、標準タンパク質混合物を、組成を変動させた様々なゲル中で、および該ゲルの異なる保存期間後に、電気泳動によって分離した。実施例1〜8に関して、タンパク質混合物にはミオシンβ-ガラクトシダーゼウシ血清アルブミンオボアルブミン炭酸脱水酵素ダイズトリプシンインヒビターリソソーム、およびアプロチニンを含めた。各事例における試料緩衝液は、pH6.8の、62.5mM Tris-HCl、2%ドデシル硫酸ナトリウム、25%グリセロール、および0.01%ブロモフェノールブルーで構成された。各事例におけるランニング緩衝液は、pH8.3の、25mM Tris、192mMグリシン、および0.1%ドデシル硫酸ナトリウムで構成された。分離は、定電圧200Vで30〜50分間実施した。特記されない限り全てのパーセンテージは重量あたりである。

0014

実施例1
本実施例は、本発明の範囲内でトリエタノールアミンを用いて調製したポリアクリルアミドゲルと、Tris-HClを用いて調製した、したがって本発明の範囲外であるポリアクリルアミドゲルとの、電気泳動分離における性能を比較するものである。分離は、ゲルを調製した当日に実施した。

0015

一連のポリアクリルアミドゲルは、ビス-アクリルアミドがモノマー混合物の2.6%を構成している(C=2.6%)10%アクリルアミド/ビス-アクリルアミド水溶液(T=10%)を用いて、スラブゲル電気泳動カセット内で成形した。成形用溶液には、5%グリセロールおよび、pHを6.4〜6.5に調整するのに十分なHClも含めた。対照溶液には10 mol% Tris-HClをさらに含め、一方試験溶液には、75mMトリエタノールアミンおよび、82.6mMアスパラギン、82.6mMグリシルグリシン、または100mM MESと組み合わせた82.6mMグリシルグリシンのいずれかを含めた。試験溶液のいずれにも、Tris-HClは含めなかった。対照ゲルおよび2種類の試験ゲル(グリシルグリシンを含むゲルとアスパラギンを含むゲル)についてはReady Gelカセットを、さらなる2種類の試験ゲル(MESと組み合わせたグリシルグリシンを含むゲルとアスパラギンを含むゲル)についてはMini-Protean III Cellを用いて、全てのゲルに標準タンパク質混合物を泳動した。該カセットおよびセルは、Bio-Rad Laboratories, Inc., Hercules, California, USAにより販売されている標準的な製品である。

0016

得られた電気泳動図の比較によって、トリエタノールアミンを用いて調製したゲルは、Tris-HClを用いて調製したゲルと類似したバンド分解能および分離時間をもたらすことが示された。この結果により、トリエタノールアミンとアスパラギンの両方を含むゲルが、Tris-HCl含有ゲルと最も類似したバンド分解能をもたらすことも示された。

0017

実施例2
本実施例では、アスパラギンおよびグリシンをそれぞれ様々な濃度で含む、本発明の範囲内のポリアクリルアミドゲルの性能を説明する。ゲルを調製した当日に、該ゲル上での電気泳動分離を実施した。

0018

ゲル溶液のモノマー組成物は、実施例1と同様にT=10%およびC=2.6%であり、該溶液の残りの成分は以下の通りであった(TEAはトリエタノールアミンを示し、ASNはアスパラギンを示し、GLYはグリシンを示す)。

0019

全てのゲルに標準タンパク質混合物を泳動し、得られた電気泳動図の比較によって、高濃度ではなく低濃度のアスパラギンを使用することによりバンドの分解能および分布は損なわれなかったこと、ならびに、グリシン濃度の上昇に伴ってバンドの分解能の多少の向上が達成されたことが実証された。

0020

図1は、ゲルAおよびBに関する、ならびに、トリエタノールアミン、アスパラギン、およびグリシンの代わりに10% Tris-HCl(HClによりpH8.8に調整した10 mol% Tris、Laemmli, U.K., Nature 227: 680 (1970)による)を用いて作製したLaemmliゲルに関する、Laemmliプロット、すなわち相対移動度Rf(先行するマーカー色素の移動距離に対する、すなわちゲルの分解長(resolving length)に対する、タンパク質の移動距離の比率)に対する該タンパク質の分子量の対数のプロットである。このプロットにおける点は以下の通りである。

0021

該プロットは、両方のトリエタノールアミン含有ゲルがTris-HClのものに匹敵する性能を付与したことを示している。

0022

実施例3
本実施例は、全てが本発明の範囲内でありかつTris-HClを使用しないアスパラギンおよびグリシンの濃度の変更と組み合わせた、トリエタノールアミンの使用の効果をさらに説明するものである。ゲルを調製した当日に、該ゲル上で試験を実施した。

0023

実施例1と同じモノマー組成物を使用し、溶液の残りの成分は以下の通りであった(上述の略語を使用する)。

0024

全てのゲルに標準タンパク質混合物を泳動し、得られた電気泳動図の比較によって、全ての場合においてバンドの分解能および分布が達成されたことが示された。

0025

実施例4
本実施例は、加速試験における本発明の範囲内のポリアクリルアミドゲルについての有効期間調査である。該ゲルは、150mMトリエタノールアミン、5mMアスパラギン、および50mMまたは75mMいずれかのグリシンを含むT=10%およびC=2.6%のアクリルアミド/ビス-アクリルアミドから形成し、加速試験は、該ゲルを37℃で保存することによって実行した(37℃での1日間は、典型的な保存温度である4℃での1ヶ月間と同等である)。

0026

6日間、10日間、および12日間保存した後の全てのゲルに標準タンパク質混合物を泳動し、電気泳動図によって、実現性のある(viable)分離が各事例において得られたことが示され、より高いグリシン濃度がゲル安定性の向上をもたらしたことが示された。

0027

実施例5
本実施例は、様々な緩衝液を用いた、再度の加速試験における本発明の範囲内のポリアクリルアミドゲルについてのさらなる有効期間調査である。該ゲルは、以下に示す組成物を含むT=10%およびC=2.6%のアクリルアミド/ビス-アクリルアミドから形成した。使用した略語は以下の通りである:TEA=トリエタノールアミン;ASN=アスパラギン;AMME=2-アミノ-2-メチル-1.3-プロパンジオール(AMMEDIOL);IMM=イミダゾール;ADA=N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸;GLY=グリシン。

0028

ゲルを37℃で保存し、当日調製したゲル、6日間保存したゲル、および12日間保存したゲルに標準タンパク質混合物を泳動した。電気泳動図により、実現性のある分離が各事例において得られたことが示され、AMMEDIOLを含むゲルは、ADAを含むゲルがもたらした分離と同じくらい明確な分離をもたらした。

0029

実施例6
本実施例は、3種類の代替的緩衝液であるN-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、マレイン酸、およびクエン酸と組み合わせたトリエタノールアミン(TEA)を用いて調製した、ポリアクリルアミドゲルの性能を説明する。該ゲルは、125mM TEA、132.5mMアスパラギン(ASN)、250mMグリシン(GLY)、および、40mM ADA、40mMクエン酸、20mMマレイン酸、または40mMマレイン酸のいずれかを含むT=10%およびC=2.6%のアクリルアミド/ビス-アクリルアミドから形成し、前述の実施例で使用したのと同じ標準タンパク質混合物を使用し、該標準タンパク質混合物の電気泳動は、該ゲルの調製当日にMiniProtean III電気泳動セル中で200Vにて実行した。

0030

図2は、4種類のゲルそれぞれおよびLaemmliゲル(10 mol% Tris-HCl、pH8.8)に関する、相対移動度Rfに対するタンパク質の分子量のLaemmliプロットである。このプロットにおける点は以下の通りである。

0031

各ゲルに関する曲線は10 mol% Tris-HClゲルに相当する曲線に密接に追従していることがプロットにより示され、これにより、全てが実現性のある電気泳動用ゲルであることが示された。

0032

実施例7
本実施例は有効期間調査であり、N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)と組み合わせたゲル緩衝系に塩化ナトリウムを含めることの効果を説明するものである。ゲルは、125mMトリエタノールアミン(TEA)、132.5mMアスパラギン(ASN)、250mMグリシン(GLY)、および40mM ADA、ならびに、NaCl無し、10mM NaCl、または50mM NaClのいずれかを含むT=10%およびC=2.6%のアクリルアミド/ビス-アクリルアミドから形成した。該ゲルは、調製当日に使用するか、または37℃で12日間保存した。電気泳動は、Mini-Protean III電気泳動セル中で実施した。

0033

4種類のゲルそれぞれおよび10 mol% Tris-HClを用いて調製したゲルに関する、相対移動度Rfに対するタンパク質の分子量のLaemmliプロットを調製した。使用したゲルおよび加速温度条件下での保存日数は、以下の通りであった。

0034

各ゲルに関する曲線は10 mol% Tris-HClの曲線に密接に追従していることがプロットにより示され、これにより、全てが実現性のある電気泳動用ゲルであること、および全てが12日間の加速試験にわたって安定であることが示された。

0035

実施例8
本実施例は有効期間調査であり、様々な濃度でトリエタノールアミン緩衝系にクエン酸を含めることの効果を説明するものである。ゲルは、125mM TEA、132.5mMASN、250mM GLY、10〜40mMクエン酸、および、NaCl無しまたは50mM NaClのいずれかを含むT=10%およびC=2.6%のアクリルアミド/ビス-アクリルアミドから形成した。該ゲルは、調製当日に使用するか、あるいは37℃で6または12日間保存した後に使用した。電気泳動のために、前述の実施例で使用したのと同じ標準タンパク質混合物を使用し、電気泳動を、MiniProtean III電気泳動セル中で200Vにて実行した。

0036

加速試験条件下で)20mMおよび40mMクエン酸のゲルは12日目に分解能の有意な低下を示したが、10mMクエン酸のゲルは12日目まで良好なバンド分解能を維持し、40mMクエン酸と50mM NaClを含むゲルも同様に12日目まで良好なバンド分解能を維持したことが、電気泳動図により示された。

0037

実施例9
本実施例はさらなる加速有効期間調査であり、本発明によるポリアクリルアミドゲルとLaemmli緩衝液中で調製したポリアクリルアミドゲルとを比較したものである。どちらのゲルもT値が10%、C値が2.6%であった。本発明のポリアクリルアミドゲルは、50mMトリエタノールアミン、100mMグリシン、100mMタウリン、01mM Tris-HCl、および49mMグリコール酸の組成を有する緩衝液中で調製した。調製30分後のモノマー溶液のpHは6.5であった。Laemmli緩衝液は60mM Tris-HCl、10%グリセロール、2% SDS、および5%β-メルカプトエタノールで構成され、pHを約8.8に調整するためのHClを含んだ。

0038

ゲルが成形されたカセットを様々な期間にわたり37℃で保存し、各種類のゲル1つを成形当日に使用した。したがって保存期間は、0日間、1日間、2日間、3日間、6日間、12日間、および18日間であった。その後、異なる試料を選択して各ゲルに泳動し、異なる試料は同一ゲルの異なるレーンに泳動し、各ゲルは10レーンを含んだ。該試料は、Bio-Rad Laboratories, Inc. Hercules, California, USAから販売されている2種類の標準タンパク質混合物である「Precision Plus Protein Standard」およびブロードレンジの「Natural Protein Standard」を含んだ。タンパク質混合物の大腸菌(E. coli)溶解物およびマウス血清も同様に泳動した。

0039

Laemmliゲルでは、保存から3日後には不鮮明なバンドの形態の悪化が明白であったが、本発明のゲルでは、18日程度保存したゲル上でも鮮明なバンドが得られた。

0040

実施例10
本実施例は、ゲルを4℃で10ヶ月間保存することによるリアルタイムの有効期間調査である。本発明によるポリアクリルアミドゲルを、Tris-HClおよびタウリンを含むがトリエタノールアミンは含まない緩衝液中で調製したポリアクリルアミドゲルと比較した。両方のゲルのC値は2.6%であり、本発明のゲルのT値は12%であったが、Laemmli緩衝液中で調製したゲルは、タンパク質移動の方向にT値が4%から20%まで増大する勾配ゲルであった。本発明のポリアクリルアミドゲルは、50mMトリエタノールアミン、100mMグリシン、100mMタウリン、0.1mM Tris-HCl、および49mMグリコール酸の組成を有する緩衝液中で調製した。調製30分後のモノマー溶液のpHは6.5であった。比較緩衝液は、pH6.5の75mM Tris-HClおよび200mMタウリンで構成された。

0041

ゲルが成形されたカセットを10ヶ月にわたり4℃で保存し、各種類のゲル1つを成形当日に使用した。各ゲルに泳動した試料には、全てのゲルについて上述のBio-Rad Laboratories, Inc.製の2種類の標準タンパク質を、および、10ヶ月のゲルについて大腸菌溶解物を含めた。10ヶ月でのバンドの鮮明度および相対的移動は、両方のゲルの化学的性質とほぼ同じであったが、Laemmli緩衝液中で調製した10ヶ月のゲルにおけるシャドウバンド(shadow band)に留意されたく、かつ、ブロードレンジの標準に関してはLaemmli緩衝液中で調製したゲルのレーンにおける色素前面(dye front)の黄変および歪みが認められた。

0042

また本実施例は、高電圧下で泳動した場合の、本発明のゲルの非常に好適な分解能も説明する。上記2種類の化学的性質(トリエタノールアミン-タウリンゲルをグリコール酸ではなくHClを用いて調製したことを除く)を持つ勾配ゲルに泳動し、両方のゲルが4%〜12%の勾配を有し、各ゲルの長さは であった。これらの泳動は、試料としてブロードレンジ標準を用いて、37℃で9日間保存したゲルに対し、500ボルト(典型的な電気泳動分離で用いる100〜200ボルトと比較)で9.5分間実施した。本発明のトリエタノールアミン-タウリンゲルは、極めて良好な分解能をもたらし、緩衝液温度は正常な挙動を示した。対照的に、Tris-タウリンゲルは不明確なバンドおよび不十分な分解能をもたらし、緩衝液温度は泳動の際に上昇した。

実施例

0043

本明細書に添付の特許請求の範囲において、「ある」または「1つの」という用語は「1つまたは複数の」を意味することが意図される。「含む」という用語、ならびに「含み」および「含んで」などその変形は、工程または要素の列挙に先行する場合、さらなる工程または要素の追加が任意でありかつ除外されないことを意味すると意図される。本明細書で引用した全ての特許、特許出願、および他の刊行された参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。本明細書で引用した任意の参考文献または任意の一般的先行技術と本明細書の明確な開示との間に矛盾がある場合、本明細書の開示を支持して解消されることが意図される。これには、当技術分野で理解される用語または語句の定義と、同じ用語または語句について本明細書で明確に提供した定義との間のいかなる矛盾も含まれる。

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