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技術 ポリ乳酸系配向フィルム

出願人 東レ株式会社
発明者 石田洋一末岡雅則山内英幸
出願日 2012年1月20日 (8年10ヶ月経過) 出願番号 2012-009604
公開日 2013年8月1日 (7年3ヶ月経過) 公開番号 2013-147580
状態 未査定
技術分野 被包材 高分子成形体の製造 積層体(2) ポリエステル、ポリカーボネート
主要キーワード 区間目 金網メッシュ 分析点数 高減圧状態 剥離開始後 分析周波数 熱処理方式 焼結圧縮
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重要な関連分野

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課題

ガスバリア性静音性に優れたポリ乳酸系配向フィルムを提供すること。

解決手段

ポリ乳酸系樹脂主体とし、明細書にて定義される方法により測定される騒音レベルの値が85dB以下であり、水蒸気透過度が2.0g/m2/day以下であることを特徴とするポリ乳酸系配向フィルム。

概要

背景

近年、環境問題に対する意識の高まりから、プラスチック製品廃棄による土壌汚染問題、また、焼却による二酸化炭素増大に起因する地球温暖化問題が注目されている。前者への対策として、種々の生分解樹脂、後者への対策として、焼却しても大気中に新たな二酸化炭素の負荷を与えないバイオマス植物由来原料)からなる樹脂がさかんに研究、開発されている。

上記に記した両者の特性を満たす樹脂の1つとして、ポリ乳酸が挙げられる。ポリ乳酸は、高い融点を持ち、また溶融成形可能で実用上優れた生分解性ポリマーとして期待されている。例えば、ポリ乳酸フィルムは各種生分解性フィルムの中でも最も引っ張り強度弾性率が高く、光沢、透明性にも優れているとされている。

現在では、ポリ乳酸フィルムを使用する用途が広がっているが、その中でも特に包装材料に好適に使用されるようになってきている。包装材料のフィルムの一部として使用される場合は、商業的に売れる費用効果の高い包装製品を製造可能とするために、単体のフィルムとして、より高い機能性が要求されている。例えば、成形体への加工に必要なヒートシール性であったり、蒸着層を付与した際のガスバリア性であったりする。特に、ガスバリア性に関しては、近年では非常に高いレベルを要求されるようになってきている。また、包装材料の中でも、スナック包装用などの手で触れたり、折り曲げたりする機会が多々ある用途に使用される場合は、フィルムの静音性というのが要求されるようになってきている。しかしながら、ポリ乳酸フィルムはポリオレフィンに代表されるその他の包装用熱可塑性樹脂フィルムと比較して、硬くて脆いという性質があるなどの理由で、揉み、折り曲げなどの外部応力が加えられた際に、特有障りな音を放つという問題がある。そこで実用的なフィルム物性を有し、かつガスバリア性、静音性に優れたポリ乳酸系フィルムが望まれている。

上記の要求を解決するべく、種々の試みがなされてきた。例えば、特許文献1、2、3では、ポリ乳酸フィルムの硬くて脆いという性質を改良し、静音性を付与するためにポリ乳酸系樹脂可塑剤を添加したフィルムが開示されている。しかしながら、いずれもOPPや軟質塩化ビニル代替用途(例えば食品包装用ストレッチフィルム食品包装用ラップフィルム農業用フィルム工業用保護フィルム等)に使用することを目的としたものであって、フィルムに静音性を付与する技術検討はなされていても、高いレベルのガスバリア性を付与するといった技術思想については開示されておらず、その解決手段についての示唆もない。一方、ガスバリア性改良に関する解決手段については特許文献4において、非晶性ポリ乳酸系樹脂結晶性ポリ乳酸系樹脂とを配合してなる二軸延伸ポリ乳酸系フィルムが開示されている。これはガスバリア性については改良されているものの、ポリ乳酸フィルム特有の耳障りな音がするというフィルム静音性問題に関する解決手段については記載されておらず、更に、静音性と高いガスバリア性を両立する方法については開示されていない。

概要

ガスバリア性、静音性に優れたポリ乳酸系配向フィルムを提供すること。ポリ乳酸系樹脂を主体とし、明細書にて定義される方法により測定される騒音レベルの値が85dB以下であり、水蒸気透過度が2.0g/m2/day以下であることを特徴とするポリ乳酸系配向フィルム。なし

目的

そこで実用的なフィルム物性を有し、かつガスバリア性、静音性に優れたポリ乳酸系フィルムが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリ乳酸系樹脂主体とし、騒音レベルの値が85dB以下であり、水蒸気透過度が2.0g/m2/day以下であることを特徴とするポリ乳酸系配向フィルム

請求項2

蒸着層、非晶性のポリ乳酸系樹脂を主体とするA1層、ポリ乳酸系樹脂を主体とするB層がこの順に積層されたことを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸系配向フィルム。

請求項3

B層の全成分100質量%中に、ポリエーテル系セグメントポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体ポリエステル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体、脂肪族ポリエステル系樹脂(ポリ乳酸系樹脂を除く)、及び脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂(以下、柔軟樹脂という)を、4〜40質量%含有することを特徴とする請求項2に記載のポリ乳酸系配向フィルム。

請求項4

蒸着層、非晶性のポリ乳酸系樹脂を主体とするA1層、ポリ乳酸系樹脂を主体とするB層、非晶性のポリ乳酸系樹脂を主体とするA2層が、この順に積層されており、A1層の厚みが2μm以下であり、A2層の厚みが2μm以上であり、(A1層及びA2層の厚さの合計)/(B層の厚さの合計)≦0.5であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリ乳酸系配向フィルム。

技術分野

0001

本発明は、ガスバリア性静音性に優れたポリ乳酸系配向フィルムに関するものである。

背景技術

0002

近年、環境問題に対する意識の高まりから、プラスチック製品廃棄による土壌汚染問題、また、焼却による二酸化炭素増大に起因する地球温暖化問題が注目されている。前者への対策として、種々の生分解樹脂、後者への対策として、焼却しても大気中に新たな二酸化炭素の負荷を与えないバイオマス植物由来原料)からなる樹脂がさかんに研究、開発されている。

0003

上記に記した両者の特性を満たす樹脂の1つとして、ポリ乳酸が挙げられる。ポリ乳酸は、高い融点を持ち、また溶融成形可能で実用上優れた生分解性ポリマーとして期待されている。例えば、ポリ乳酸フィルムは各種生分解性フィルムの中でも最も引っ張り強度弾性率が高く、光沢、透明性にも優れているとされている。

0004

現在では、ポリ乳酸フィルムを使用する用途が広がっているが、その中でも特に包装材料に好適に使用されるようになってきている。包装材料のフィルムの一部として使用される場合は、商業的に売れる費用効果の高い包装製品を製造可能とするために、単体のフィルムとして、より高い機能性が要求されている。例えば、成形体への加工に必要なヒートシール性であったり、蒸着層を付与した際のガスバリア性であったりする。特に、ガスバリア性に関しては、近年では非常に高いレベルを要求されるようになってきている。また、包装材料の中でも、スナック包装用などの手で触れたり、折り曲げたりする機会が多々ある用途に使用される場合は、フィルムの静音性というのが要求されるようになってきている。しかしながら、ポリ乳酸フィルムはポリオレフィンに代表されるその他の包装用熱可塑性樹脂フィルムと比較して、硬くて脆いという性質があるなどの理由で、揉み、折り曲げなどの外部応力が加えられた際に、特有障りな音を放つという問題がある。そこで実用的なフィルム物性を有し、かつガスバリア性、静音性に優れたポリ乳酸系フィルムが望まれている。

0005

上記の要求を解決するべく、種々の試みがなされてきた。例えば、特許文献1、2、3では、ポリ乳酸フィルムの硬くて脆いという性質を改良し、静音性を付与するためにポリ乳酸系樹脂可塑剤を添加したフィルムが開示されている。しかしながら、いずれもOPPや軟質塩化ビニル代替用途(例えば食品包装用ストレッチフィルム食品包装用ラップフィルム農業用フィルム工業用保護フィルム等)に使用することを目的としたものであって、フィルムに静音性を付与する技術検討はなされていても、高いレベルのガスバリア性を付与するといった技術思想については開示されておらず、その解決手段についての示唆もない。一方、ガスバリア性改良に関する解決手段については特許文献4において、非晶性ポリ乳酸系樹脂結晶性ポリ乳酸系樹脂とを配合してなる二軸延伸ポリ乳酸系フィルムが開示されている。これはガスバリア性については改良されているものの、ポリ乳酸フィルム特有の耳障りな音がするというフィルム静音性問題に関する解決手段については記載されておらず、更に、静音性と高いガスバリア性を両立する方法については開示されていない。

先行技術

0006

特許第4452014号公報
特開2008−138102
特開2004−143432
国際公開第2010/111501号パンフレット

発明が解決しようとする課題

0007

そこで本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり優れた静音性を有し、かつガスバリア性を兼ね備えたポリ乳酸系配向フィルムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、上記課題を解決するため、次の構成を有する。すなわち、
(1)ポリ乳酸系樹脂を主体とし、騒音レベルの値が85dB以下であり、水蒸気透過度が2.0g/m2/day以下であることを特徴とするポリ乳酸系配向フィルム。
(2)蒸着層、非晶性のポリ乳酸系樹脂を主体とするA1層、ポリ乳酸系樹脂を主体とするB層がこの順に積層されたことを特徴とする(1)に記載のポリ乳酸系配向フィルム。
(3)B層の全成分100質量%中に、ポリエーテル系セグメントポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体ポリエステル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体、脂肪族ポリエステル系樹脂(ポリ乳酸系樹脂を除く)、及び脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂(以下、柔軟樹脂という)を、4〜40質量%含有することを特徴とする(2)に記載のポリ乳酸系配向フィルム。
(4)蒸着層、非晶性のポリ乳酸系樹脂を主体とするA1層、ポリ乳酸系樹脂を主体とするB層、非晶性のポリ乳酸系樹脂を主体とするA2層が、この順に積層されており、A1層の厚みが2μm以下であり、A2層の厚みが2μm以上であり、(A1層及びA2層の厚さの合計)/(B層の厚さの合計)≦0.5であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載のポリ乳酸系配向フィルム。

発明の効果

0009

本発明によれば、従来技術では成し得なかった、優れた静音性を有し、かつガスバリア性を兼ね備えたポリ乳酸系配向フィルムを提供することが可能となる。また本発明のフィルムは、非常に高いレベルのガスバリア性が要求されるスナック包装用途として好適に用いることができる。

0010

以下に、望ましい実施の形態とともに、本発明について詳細に説明する。

0011

本発明のフィルムは、ポリ乳酸系樹脂を主体とする。ここで、ポリ乳酸系樹脂を主体とするとは、フィルムを構成する全成分において、ポリ乳酸系樹脂が質量的に最も多いことを意味する。生分解性、バイオマス性の観点から、好ましいポリ乳酸系樹脂の含有量は、B層の全成分100質量%において、50質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは55質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは60質量%以上100質量%以下である。

0012

本発明におけるポリ乳酸系樹脂とは、D−乳酸及び/またはL−乳酸を主たる構成成分とする重合体を意味する。また、ポリ乳酸系樹脂は、乳酸以外のほかのコモノマー成分を含有していてもよい。当該コモノマー成分としては、例えば、エチレングリコールブロピレングリコールブタンジオールヘプタンジオールヘキサンジオールオクタンジオールノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコールグリセリンペンタエリスリトールビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコール等のグリコール化合物シュウ酸アジピン酸セバシン酸アゼライン酸ドデカンジオン酸マロン酸グルタル酸シクロヘキサンジカルボン酸テレフタル酸イソフタル酸フタル酸ナフタレンジカルボン酸ビス(p−カルボキシフェニルメタンアントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸等のジカルボン酸、グリコール酸ヒドロキシプロピオン酸ヒドロキシ酪酸ヒドロキシ吉草酸ヒドロキシカプロン酸ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸カプロラクトンバレロラクトンプロピオラクトンウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オン等のラクトン類等を挙げることができる。

0013

本発明のポリ乳酸系配向フィルムは、ポリ乳酸フィルムの硬くて脆いという性質を改良し、静音性を付与するために、柔軟樹脂を含むことが好ましい。ここでの柔軟樹脂とは、ポリエーテル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体、ポリエステル系セグメントとポリ乳酸系セグメントとを有するブロック共重合体、脂肪族ポリエステル系樹脂(ポリ乳酸系樹脂を除く)、及び脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂をさす。また、ブリードアウト抑制の観点より、柔軟樹脂はポリマータイプのものを用いることが重要であり、蒸着層を付与した際のガスバリア性、蒸着膜密着力を考慮するとこの柔軟樹脂はB層に含有することが好ましい。

0014

まず、ポリエーテル系セグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体、ポリエステル系セグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体について以下に説明する。(以下、これらを「ブロック共重合体可塑剤」と記す)
ブロック共重合体可塑剤の有するポリ乳酸セグメントの質量割合は、ブロック共重合体可塑剤全体の50質量%以下であることが、より少量の添加で所望の静音性を付与できるため好ましく、5質量%以上であることが、ブリードアウト抑制の点から好ましい。また、ブロック共重合体可塑剤1分子中のポリ乳酸セグメントの数平均分子量は1,200〜10,000であることが好ましい。ブロック共重合体可塑剤の有するポリ乳酸セグメントが、1,200以上であると、ブロック共重合体可塑剤とポリ乳酸系樹脂との間に十分な親和性が生じ、また、該セグメントの一部はポリ乳酸系樹脂から形成される結晶中に取り込まれ、いわゆる共晶を形成することで、ブロック共重合体可塑剤をポリ乳酸系樹脂につなぎ止める作用を生じ、ブロック共重合体可塑剤のブリードアウト抑制に大きな効果を発揮する。ブロック共重合体可塑剤のポリ乳酸セグメントの数平均分子量は、1,500〜6,000であることがより好ましく、2,000〜5,000であることがさらに好ましい。なお、ブロック共重合体可塑剤の有するポリ乳酸セグメントは、L−乳酸が95〜100質量%であるか、あるいはD−乳酸が95〜100質量%であることが、特にブリードアウトが抑制されるため好ましい。

0015

また、ブロック共重合体可塑剤はポリエーテル系および/またはポリエステル系セグメントを有するが、ポリエーテル系セグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体である方が、少量の添加で所望の静音性を付与できる観点から好ましい。さらにポリエーテル系セグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体においては、より少量の添加で所望の静音性を付与できる観点から、ポリエーテル系セグメントとしてポリアルキレンエーテルからなるセグメントを有することがより好ましい。具体的には、ポリエーテル系セグメントとして、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体などからなるセグメントが挙げられるが、特にポリエチレングリコールからなるセグメントは、ポリ乳酸系樹脂との親和性が高いために改質効率に優れ、特に少量のブロック共重合体可塑剤の添加で所望の静音性を付与できるため好ましい。

0016

ブロック共重合体可塑剤がポリエステル系セグメントを有する場合は、ポリグリコール酸ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトン、あるいはエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオールなどの脂肪族ジオールコハク酸、セバシン酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸よりなるポリエステルなどが、ポリエステル系セグメントとして好適に用いられる。

0017

なお、ブロック共重合体可塑剤は、その1分子中に、ポリエーテル系セグメントとポリエステル系セグメントの両方の成分を含有してもよいし、いずれか一方の成分でもよい。可塑剤の生産性コスト等の理由から、いずれか一方の成分とする場合は、より少量の可塑剤の添加で所望の静音性を付与できる観点から、ポリエーテル系セグメントを用いる方が好ましい。つまりブロック共重合体可塑剤として好ましい態様は、ポリエーテル系セグメントとポリ乳酸セグメントとのブロック共重合体である。

0018

さらにまた、ブロック共重合体可塑剤の1分子中のポリエーテル系セグメントやポリエステル系セグメントの数平均分子量は、7,000〜20,000であることが好ましい。上記範囲とすることで、十分な静音性を持たせることができる。

0019

前記ポリエーテル系および/またはポリエステル系セグメントと、ポリ乳酸セグメントの各セグメントブロック順序構成に特に制限は無いが、より効果的にブリードアウトを抑制する観点から、少なくとも1ブロックのポリ乳酸セグメントがブロック共重合体可塑剤分子の端にあることが好ましい。

0020

次に、ポリエーテル系セグメントとして、両末端水酸基末端を有するポリエチレングリコール(以下ポリエチレングリコールをPEGとする)を採用した場合について具体的に説明する。

0021

両末端に水酸基末端を有するPEGの数平均分子量(以下PEGの数平均分子量をMPEGとする)は、通常、市販品などの場合、中和法などにより求めた水酸基価から計算される。両末端に水酸基末端を有するPEGのwE質量部に対し、ラクチドwL質量部を添加した系において、PEGの両水酸基末端にラクチドを開環付加重合させ十分に反応させると、実質的にPLA−PEG−PLA型のブロック共重合体を得ることができる(ここでPLAはポリ乳酸を示す)。この反応は、必要に応じてオクチル酸錫などの触媒併存下でおこなわれる。このブロック共重合体可塑剤の一つのポリ乳酸セグメントの数平均分子量は、実質的に(1/2)×(wL/wE)×MPEGと求めることができる。また、ポリ乳酸セグメント成分のブロック共重合体可塑剤全体に対する質量割合は、実質的に100×wL/(wL+wE)%と求めることができる。さらに、ポリ乳酸セグメント成分を除いた可塑剤成分のブロック共重合体可塑剤全体に対する質量割合は、実質的に100×wE/(wL+wE)%と求めることができる。

0022

また、ポリ乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルとしては、例えば、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトン、あるいはエチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族ジオールと、コハク酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸よりなる脂肪族ポリエステルが好ましく用いられる。

0023

さらに脂肪族芳香族ポリエステルとしては、例えば、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、及びポリブチレンアジペートテレフタレートなどが好ましく用いられる。

0024

脂肪族ポリエステル、脂肪族芳香族ポリエステルのなかでも、添加した際に延伸性が良好で、かつ静音性向上効果が大きいという点から、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、及びポリブチレンサクシネート、及びポリブチレンサクシネート・アジペート、及びポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)からなる群より選ばれる少なくとも一つがより好ましく用いられる。

0025

本発明のポリ乳酸系配向フィルムに含まれる、柔軟樹脂は、B層の全成分100質量%中において4質量%以上40質量%以下であることが好ましく、本発明の効果を損なわない範囲で上記した柔軟樹脂のうち複数種以上を併せて用いることも可能である。柔軟樹脂の含有量の合計は4質量%未満であると、フィルム静音性向上効果が得られにくいため好ましくなく、40質量%より多いとフィルムの静音性向上の観点からは好ましいが、延伸性、製膜定性、フィルムの平面性、また蒸着などの後加工プロセスでの取扱い性を考慮すると好ましくない。

0026

本発明のポリ乳酸系配向フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で任意の層構成としても構わないが、層構成例として、例えばA1層/B層、A1層/B層/A2層等が挙げられる。なお、A1層とは、非晶性のポリ乳酸系樹脂を主体とする層を意味し、B層とは、ポリ乳酸系樹脂を主体とする層を意味し、A2層とは、非晶性のポリ乳酸系樹脂を主体とする層を意味する。そしてA1層、A2層はそれぞれ蒸着受容層ヒートシール層であることが好ましい。またここでいう主体とは、特定の層の全成分100質量%において、特定の樹脂が50質量%以上100質量%以下であることを意味する。

0027

B層におけるポリ乳酸系樹脂としては、結晶性ポリ乳酸系樹脂と非晶性ポリ乳酸系樹脂の混合物であることが好ましいが、本発明のフィルムの目的とする用途・特性、添加する柔軟樹脂の種類に応じて、これらの割合を調整することが重要である。例えば、前述の柔軟樹脂としてブロック共重合体可塑剤をB層に含有する場合、耐ブリードアウト性の向上、柔軟樹脂が分散できる非晶部分を提供するためには非晶性ポリ乳酸系樹脂が多く含まれることが好ましい。B層を構成する組成物中の樹脂の量を100質量%としたとき(結晶性ポリ乳酸系樹脂と非晶性ポリ乳酸系樹脂の合計を100質量%としたとき)、非晶性ポリ乳酸系樹脂の割合は50質量%以上80質量%以下であることが好ましく、55質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましい。

また、例えば前述の柔軟樹脂としてブロック共重合体可塑剤以外の樹脂をB層に含有する場合は本発明の効果を損なわない限り、結晶性ポリ乳酸系樹脂と非晶性ポリ乳酸系樹脂の含有量の割合に関しては特に限定されないが、二軸延伸プロセスにおいて、また積層やバッグ成形などの下流側加工プロセスにおいて、機械特性および熱処理に対する剛性、平面性および耐久性重視する場合は、結晶性ポリ乳酸系樹脂が多く含まれることが好ましい。B層中の結晶性ポリ乳酸系樹脂の含有量は、より具体的には、B層中のポリ乳酸系樹脂100質量%(結晶性ポリ乳酸系樹脂と非晶性ポリ乳酸系樹脂の合計を100質量%としたとき)において、結晶性ポリ乳酸系樹脂の割合は30質量%以上80質量%以下であることが好ましく、40質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましい。

0028

ポリ乳酸系樹脂を結晶性とするためには、ポリ乳酸系樹脂中のD−乳酸とL−乳酸の質量比率が0:100〜10:90であることが好ましい。ポリ乳酸系樹脂が本質的にL−乳酸のみを含むものであっても深刻な問題とはならないであろうが、結晶性ポリ乳酸系樹脂の量が多すぎるとフィルム製作プロセスが不良になることがあるため、D−乳酸とL−乳酸のより好ましい質量比率は1:99〜5:95であり、さらに好ましい質量比率は2:98〜4:96である。

0029

本発明でいう結晶性ポリ乳酸系樹脂とは、該ポリ乳酸系樹脂を加熱下で十分に結晶化させた後に、25℃から250℃の温度範囲示差走査熱量計DSC)にて測定を行った場合、ポリ乳酸成分由来する結晶融解熱観測されるポリ乳酸系樹脂のことをいう。一方、本発明でいう非晶性ポリ乳酸系樹脂とは、同様に測定を行った場合、明確な融点を示さないポリ乳酸系樹脂のことをいう。

0030

B層に用いられる結晶性ポリ乳酸系樹脂の好ましい例としては、たとえば、NatureWorks(登録商標)社のIngeo(商標)4032D(D−乳酸=1.4mol%)、4042D(D−乳酸=4.2mol%)などが挙げられる。D−L比率を所定レベルに調整するには、それら各成分の混合、あるいはIngeo(商標)4060D(D−乳酸=12mol%)などのD成分比の高い銘柄との混合によって行うことができる。

0031

また、ポリ乳酸系樹脂を非晶性とするためにはポリ乳酸系樹脂中のD−乳酸とL−乳酸の含有量比率が10:90〜15:85、好ましくは11:89〜13:87であることが好ましい。B層に用いる非晶性ポリ乳酸系樹脂の好ましい例としては、たとえば、NatureWorks(登録商標)社のIngeo(商標)4060D(D−乳酸=12mol%)が挙げられる。

0032

一方、フィルムに延伸性、成形性、蒸着層を付与した際の蒸着層との接着性、ガスバリア性を付与するために、A層は非晶性ポリ乳酸樹脂を主体とする。A層中の非晶性ポリ乳酸系樹脂の含有量は、より具体的には、A層中のポリ乳酸系樹脂100質量%において、非晶性ポリ乳酸系樹脂が50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、より好ましくは55質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは60質量%以上100質量%以下である。

0033

また、A層、及びB層には本発明の効果を損なわない範囲でその他の熱可塑性樹脂を所望の割合で混合させてもよい。その他の熱可塑性樹脂としては、例えば、超低密度ポリエチレン線状低密度ポリエチレン低密度ポリエチレン中密度ポリエチレン高密度ポリエチレンポリプロピレンエチレンプロピレンゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体アイオノマー等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリスチレン耐衝撃性ポリスチレンスチレンブチレン・スチレン・ブロック共重合体、水素添加等のポリスチレン系樹脂硬質ポリ塩化ビニル軟質ポリ塩化ビニル等のポリ塩化ビニル系樹脂ポリカーボネートポリアミドポリウレタン、エチレン・ビニルアルコール共重合体ポリ塩化ビニリデン系樹脂アクリル系樹脂等が好ましい。上記その他の熱可塑性樹脂の中でも、本発明のフィルムに耐熱性、延伸性、成形性を付与するためには、アクリル系樹脂が好ましく、ポリ乳酸系樹脂との相溶性を考慮するとポリメチルメタクリレートを用いることがさらに好ましい。

0034

本発明のポリ乳酸系配向フィルムの厚みは、特に制限はないが、包装材料に加工した際のハンドリング性の観点より、10μm以上30μm以下であることが好ましく、より好ましくは11〜27μm、さらに好ましくは12〜25μmである。

0035

蒸着受容層A1の厚さは、好ましくは2.0μm以下、より好ましくは1.8μm以下、さらに好ましくは1.5μm以下である。厚さが2.0μmを超えると、蒸着などの後加工プロセスにおいて加えられる熱によって、平面性が不良になり、水蒸気バリア性酸素バリア性蒸着膜接着強度が低下することがある。

0036

これとは対照的に、ヒートシール層A2の厚さは、たとえば特定のシーリング温度におけるヒートシール強度など、優れたヒートシール性を付与するために、2.0μm以上が好ましいが、1μm超あるいは1〜1.5μmなど、より薄い層を使用することも可能である。許容可能なヒートシール強度の好適な値は、120℃のシール温度で200g/25mm以上であるが、これはA2層の厚さが2.0μm以上であれば容易に得ることができる。層の厚さが、たとえば4μm以上などと大き過ぎる場合には、上述したようなフィルムプロファイルの平面性劣化熱安定性の低下などのプロセス不良が発生することがある。

0037

本発明におけるA層およびB層の各厚さの間の関係は調整することが好ましい。A1層及びA2層の厚さの合計が大き過ぎる場合、またはB層が薄すぎる場合には、フィルムのプロファイルの平面性が劣化し、熱安定性が低下する。そのため、特に本発明のポリ乳酸系配向フィルムが、蒸着層、非晶性のポリ乳酸系樹脂を主体とするA1層、ポリ乳酸系樹脂を主体とするB層、非晶性のポリ乳酸系樹脂を主体とするA2層が、この順に積層された構成の場合には、(A1層及びA2層の厚さの合計/ B層の厚さの合計)の好ましい範囲は、0.5以下、より好ましくは0.3以下、さらに好ましくは0.25以下である。この比が0.5を超えると、蒸着などの後加工プロセスにおいて加えられる熱によって、フィルムプロファイルの平面性が不良になり、熱安定性が低下する。(A1層及びA2層の厚さの合計/ B層の厚さの合計)を低い範囲に抑えるためには、A1層およびA2層の構造を非対称にする(A1層およびA2層の厚さを異なる値にする)ことも好ましい。

0038

フィルムに好ましい取扱い性、機能的な摩擦係数性状を付与するため、A層には、無機または有機充填剤を含ませてもよい。

0039

A層の充填剤は、平均粒径が好ましくは0.1μm〜3μm、より好ましくは0.5μm〜2μmである。またA層中の充填剤の含有量は、好ましくはA層の全成分100質量%において0.01質量%〜0.3質量%、より好ましくは0.01質量%〜0.1質量%である。A層中の充填剤が、平均粒径について3μmより大きい場合や含有量について0.3質量%より大きい場合には、例えば、A1層上に蒸着層を形成した際に、あまりにも多数の大きい突起によって蒸着層上に転写欠陥(たとえば掻き傷やピンホール)が発生することにより、ガスバリア性が損なわれることがある。A層中の充填剤は、本発明の効果を損なわない限り特に限定はされないが、なお、ポリ乳酸系樹脂と良好な相溶性を示すことから、A層中の充填剤としてはケイ酸アルミニウムが好ましい。A層中の充填剤としてケイ酸アルミニウムを用いると、A層の主体であるポリ乳酸系樹脂とケイ酸アルミニウムとの相溶性が優れるために、A層中の充填剤周辺に空隙が出来にくい利点がある。

0040

本発明のポリ乳酸系配向フィルムは、本発明の効果を損なわない限り、添加剤を加えることも可能である。使用可能な添加剤としては、難燃剤熱安定剤光安定剤酸化防止剤疎水性物、質剥離剤カップリング剤連鎖延長剤末端基キャッピング剤酸素吸収剤吸湿剤、耐着色剤紫外線吸収剤静電防止剤、可塑剤、成核剤滑剤接着向上剤顔料などがある。

0041

本発明のポリ乳酸系配向フィルムにガスバリア性を付与するために、A1層の表層に、金属または無機酸化物からなる蒸着層を形成することが重要である。蒸着層を有する本発明のポリ乳酸系フィルムは、蒸着層、A1層、B層が、この順に積層された態様であることが好ましい。当該蒸着層に用いる金属、または無機酸化物としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム酸化アルミニウム酸化珪素酸化窒化珪素酸化セリウム酸化カルシウムダイアモンド状炭素膜、あるいはそれらの混合物等が挙げられる。生産性を保持あるいは向上させながら、ガスバリア性をも向上させるために、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素がより好ましく用いられる。アルミニウムを用いた蒸着層は、経済性ガスバリア性能に優れていることから好ましく、酸化アルミニウム、または酸化珪素を用いた蒸着層は、透明性に優れ、コストの点からも好ましい。

0042

真空プロセスでは、ガスバリア性の一層の向上のためには、蒸着層の表面をプラズマ処理コロナ処理することが好ましい。コロナ処理を施す際の処理強度は5〜50W・分/m2が好ましく、より好ましくは10〜45W・分/m2である。また、金属、または無機酸化物からなる蒸着層を設ける前に、プラズマ放電下において核付金属蒸着層を設けることは、蒸着層の接着性向上ひいてはそれに伴うガスバリア性向上の観点から好ましい。この場合、プラズマ放電を酸素及び/または窒素ガス雰囲気で行うことが好ましく、核付金属として銅を用いることが好ましい。

0043

本発明のポリ乳酸系フィルムは、機械特性、耐熱性、寸法安定性を付与するという観点から、少なくとも一軸方向に延伸されたフィルムである。延伸方向は、フィルムの長手方向、幅方向のどちらでも構わないが、上記特性のさらなる向上という観点からフィルムの長手方向、幅方向の両方向に二軸延伸することがより好ましい。かかる延伸の方法としては、特に限定されないが、逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法等の公知の二軸延伸法、あるいはそれらを組み合わせた方法を用いることができる。

0044

以下に、A1層、B層、A2層の2種3層構成でこの順に直接積層された本発明のポリ乳酸系フィルムの製造方法について述べる。(A1、A2層は同様の樹脂を使用)
各々の押出機にA層、B層に用いる樹脂組成物溶融押出し、それぞれ金網メッシュによる異物除去ギアポンプによる流量適性化を行った後、マルチマニホールド口金、または口金上部に設置したフィードブロックに供給する。なお、上記マルチマニホールド口金、またはフィードブロックには、必要なフィルム層構成に応じて、所望の数、所望の形状の流路が設けられている必要がある。各押出機から押し出された溶融樹脂は、上記の通りマルチマニホールド口金、またはフィードブロックにて合流せしめ、口金よりシート状に共押出される。当該シートは、エアナイフ、または静電印加等の方式により、キャスティングドラム密着させ、冷却固化せしめて未延伸シートとする。

0045

ここで、ゲル熱劣化物等の異物による表面荒れを防ぐため、製膜時のフィルターとして平均目開き5〜90μmのステンレス鋼繊維焼結圧縮したフィルターを使用することが好ましい。また、上記ステンレス繊維を焼結圧縮したフィルターの後に、平均目開き10〜70μmのステンレス鋼粉体を焼結したフィルターをこの順で連続濾過する、あるいは一つのカプセル中に上記2種類のフィルターを併せ持つ複合フィルターを使用することは、ゲルや熱劣化物を効率良く取り除くことができるため好ましく、製膜エッジ巻き芯部分の再利用が可能となるコストメリットがあり望ましい。

0046

次いで、このようにして得られた未延伸シートを逐次二軸延伸させるために、該未延伸シートをロールに通して予熱し、引き続き周速差を設けたロール間に通し、縦方向に延伸し、ただちに室温に冷却、引き続き該縦一軸延伸フィルムテンターに導いて横延伸し、次いで横方向に弛緩を与えつつ、熱固定して巻取る。このようにして本発明のフィルムを作製する。

0047

本発明のフィルムの縦・横の延伸温度は、延伸性、平面性の向上、機械特性の向上したフィルムが得られるという観点から、60〜100℃以下が好ましい。延伸温度が60℃未満であるとフィルム破れが発生し、100℃を超えると延伸性が著しく低下し、平面性良好なフィルムを得ることが困難である。より好ましくは65〜90℃であり、さらに好ましくは70〜85℃である。延伸倍率は縦・横延伸それぞれ、2.0〜10.0倍が好ましく、より好ましくは2.2〜8.0倍であり、さらに好ましくは2.5〜5.0倍である。また、延伸方式は特に限定されものではなく、一段で行ってもよく、温度、延伸倍率、延伸速度等を変えて、多段方式で行ってもよい。

0048

また、延伸後は、フィルムに所望の機械特性、寸法安定性を付与するために弛緩熱処理し、冷却することが好ましい。熱処理温度は、70〜180℃以下が好ましい。より好ましくは75〜170℃であり、さらに好ましくは80〜160℃である。熱処理方式は限定されものではないが、ポリエステルフィルムの中でもポリ乳酸系フィルムはガラス転移点以上の温度での熱収縮応力が大きく、延伸温度と熱処理温度との温度差により、テンター内フィルム走行方向に向かって凹形曲線を呈するボーイング現象がよく問題になるということから、熱処理ゾーンの温度を段階的に変化させる段階熱処理を行うことが好ましい。(例えば熱処理ゾーンが3ゾーンに分かれている場合、ゾーン1:100℃、ゾーン2:120℃、ゾーン3:160℃)適正な延伸後、このような条件下で弛緩熱処理することにより、ボーイングの小さい、平面性の良好なフィルムを得ることができる。

0049

また、上記方法にて作製せしめた本発明のフィルムのA1層に、金属または無機酸化物からなる蒸着層を付与し、蒸着加工された蒸着フィルムとした際には、水蒸気透過度は、2.0g/m2/day以下であることが好ましい。水蒸気透過度が2.0g/m2/dayを越えると、水蒸気バリア性に劣り、当該フィルムを包装材料として用いて包装体に加工した際、内容物の鮮度保持性に劣る場合がある。蒸着フィルムの水蒸気透過度は、より優れた水蒸気バリア性が求められる用途には、より好ましくは1.0g/m2/day以下であり、さらに好ましくは0.5g/m2/day以下、最も好ましくは0.1g/m2/day以下である。なお、水蒸気バリア性は良好であるほど好ましく、特に下限は設けられないが、0.01g/m2/day程度が実現可能な下限と推察される。なお、水蒸気透過度は、蒸着層が形成される層の中心線平均表面粗さ、蒸着層の金属、または無機酸化物の種類、蒸着層の厚さ、蒸着層の欠陥(ピンホール、スクラッチ等)量、蒸着層とフィルムの蒸着膜接着力等により制御できる。

0050

また、酸素透過度は、2.0cc/m2/day/atm以下であることが好ましい。蒸着フィルムの酸素透過度が2.0cc/m2/day/atmを越えると、酸素バリア性に劣り、当該蒸着フィルムを包装材料として用いて包装体に加工した際、内容物の鮮度保持性に劣る場合がある。蒸着フィルムの酸素透過度は、より優れた酸素バリア性が求められる用途には、より好ましくは1.0cc/m2/day/atm以下であり、さらに好ましくは0.5cc/m2/day/atm以下、最も好ましくは0.1cc/m2/day/atm以下である。なお、酸素バリア性は良好であるほど好ましく、特に下限は設けられないが、0.01cc/m2/day/atm程度が実現可能な下限と推察される。蒸着フィルムの酸素透過度は、蒸着層が形成される層の平均表面粗さ、ガスバリア性樹脂層積層厚み、蒸着層の金属、または無機酸化物の種類、蒸着層の厚さ、蒸着層の欠陥(ピンホール、スクラッチ等)量等により制御できる。

0051

なお、本発明のフィルムが蒸着層を有する場合には、蒸着層、A1層、B層がこの順に積層された態様、または、蒸着層、A1層、B層、A2層がこの順に積層された態様であることが好ましい。

0052

本発明のポリ乳酸系配向フィルムは、後述する方法により測定される騒音レベルの値が85dB以下であることが重要である。ポリ乳酸系配向フィルムの騒音レベルの値を85dB以下とすることで、優れた静音性を有することとなるので、スナック包装用途として好適に用いることが可能となる。

0053

以上の方法を用いて本発明のポリ乳酸系配向フィルムを作製することができる。

0054

[物性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における物性の測定方法および効果の評価方法は下記の通りである。

0055

1.各層の厚み
フィルムのTD方向のセンター部からサンプルを切り出した。エポキシ樹脂を用いた樹脂包埋法により、ウルトラミクロトームを用い、サンプル片のMD方向−厚み方向断面を観察面とするように−100℃で超薄切片採取した。このフィルム断面薄膜切片を、走査型電子顕微鏡を用いて倍率1000倍(倍率は適宜調整可能)でフィルム断面写真撮影し、各層の厚みを測定した。観察箇所を変えて、10箇所で測定を行い、得られた値の平均値を各層の厚み(μm)とした。

0056

2.フィルム厚
ダイヤルゲージ厚み計(JIS B7503(1997)、PEACOCK製UPRIGHDIALGAUGE(0.001×2mm)、No.25、測定子5mmφ平型)を用いて、MD方向およびTD方向に10cm間隔で10点ずつ測定し、その平均値を当該フィルムのフィルム厚み(μm)とした。

0057

3.水蒸気透過度
温度38℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過率測定装置機種名、“パ−マトラン”(登録商標)W3/31)を使用してJIS K7129(2008)に記載のB法(赤外センサー法)に基づいて測定した。また、測定はフィルムに水蒸気流を当て、反対側で検出する測定方式で、4回測定を行い、その平均値を当該フィルムの水蒸気透過率(g/m2/day)とした。

0058

4.酸素透過度
温度23℃、湿度0%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(機種名、“オキシトラン”(登録商標)(“OXTRAN ”2/20))を使用して、JIS K7126−2(2006)に記載の電解センサ法に基づいて測定した。また、測定はフィルムに酸素気流を当て、反対側で検出する測定方式で、4回測定を行い、その平均値を当該フィルムの酸素透過度(cc/m2/day/atm)とした。

0059

5.ヒートシール強度測定
フィルムのヒートシール強度の測定は、ヒートシール機(TP−701SHEAT SEAL TESER、TESTER SANGYO CO,LTD )を用いて、2.1kgf/cm2、1秒の滞留時間において、テフロン(登録商標)被覆した加熱式平面型部シール固定具およびゴム製でガラスクロス被覆した非加熱式の下部シール固定具とともに行った。フィルムは、所定のシール温度範囲(たとえば90〜160℃の範囲で10℃ずつの増分)において、A2層側同士でヒートシールし、それぞれのシール強度を大英科学精機製作所製引張り試験機で測定した。ヒートシールしたサンプルを25mm幅短冊に切り出し、シールされていない二つの端部をインストロン試験機の上部と下部のクランプに取り付け、シールした端部をシールされていない二つの端部に対して90°の角度で支持し、90°のT式剥離試験を行う。100g/25mm以上のシール強度を達成できる最低温度ヒートシール開始温度とし、ヒートシール性を以下の基準にて判断した。○以上が実用的に使用できる範囲である。
◎:ヒートシール開始温度が95℃以上115℃未満
○:ヒートシール開始温度が115℃以上155℃未満
△:いかなるシール温度においても100g/25mm以上のシール強度を達成できない。

0060

6.蒸着膜接着強度測定
フィルムに蒸着層を形成して得られた蒸着フィルムと未延伸ポリプロピレンフィルムCPP)の縦方向を揃えて、下記条件でドライラミネートした。
・CPP: 東レフィルム加工(株)製“トレファン”NO #60 ZK93KM
接着剤: 東洋モートン(株)製AD503/cat10
・配合量: AD503/cat10/酢酸エチル=20/1/20質量%
・塗布:メタバー#12を使用し、CPPのコロナ処理面側に接着剤を塗布した。
・乾燥: 80℃、45秒
ラミネート: 乾燥後、CPP上の塗布面をフィルムの蒸着層上にラミネートした。
硬化: 40℃、48時間
得られたサンプルから幅15mmの試験片を取り出し、下記条件で剥離試験を行った。剥離力曲線において、剥離開始後の上限値と下限値を読み取り、フィルムの蒸着膜接着強度とした。
剥離試験機: 大英科学精機製作所製引張り試験機
剥離角度: 180°
剥離速度: 200mm/分
チャート速度:20mm/分
剥離方向: MD方向
・サンプル幅: 15mm
同じサンプルについて3本の試験片を採取し、同様の測定を3回行った。得られた値の平均値を蒸着膜接着強度(g/15mm)とした。

0061

7.引張伸度引張弾性率測定
引張伸度(%)
恒温槽を備えたオリエンテック社製TENSILON UCT−100を用いて、23℃における応力歪み測定を行い、23℃におけるMD方向とTD方向の伸度を測定した。

0062

具体的には、MD方向およびTD方向に長さ150mm、幅10mmの短冊状にサンプルを切り出し、23℃に調整された恒温槽の中で、初期引張チャック間距離50mm、引張速度200mm/分で、JIS K−7127(1999)に規定された方法にしたがって測定を行い、10回の測定の平均伸度(%)を、MD方向とTD方向について求めた。

0063

引張弾性率(GPa)
上記に記載した方法で、23℃における応力−歪み測定を行い、応力−歪み曲線の最初の直線部分を用いて、直線上の2点間の応力の差を同じ2点間の歪みの差で除し、引張弾性率を計算した。測定は計10回行い、その平均値を採用した。これをMD方向、TD方向、それぞれについて算出した。

0064

8.熱収縮率
本発明フィルムをMD方向およびTD方向に長さ200mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。サンプルに150mmの間隔で標線を描き、3gのを吊して120℃に加熱した熱風オーブン内に15分間設置し、加熱処理を行った。熱処理後に標線間の距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から熱収縮率を算出し、寸法安定性の指標とした。同じ測定を各サンプルの各方向について5回ずつ行い、得られた値の平均値を算出し、当該サンプルのMD方向およびTD方向の熱収縮率(%)とした。

0065

9.融解熱量ΔH(J/g)
JIS K7121(1999)に基づいて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッションSSC/5200”を用いた。サンプルパンに所望の樹脂組成物を5mg封入して当該装置にセットし、窒素雰囲気下で20℃/分の速度で25℃から250℃まで昇温した際に得られる熱量曲線において、ベースラインを直線として結晶の融解に伴う発熱ピーク面積を求め、ΔH(J/g)とした。

0066

10.フィルム静音性評価(騒音レベルの測定)
フィルムの静音性はリオン株式会社製の無指向性マイク一式(1/2インチエレクトリックマイクロホン( UC−53A)、プリアンプ(NH−22))、FFT分析器(SA−78)、及びキャテック株式会社製波形分析ソフト(CAT−WAVE)、ゲルボテスターASTMF−392に規定)を用いて、下記の方法にて測定し、評価した。

0067

MD方向がフィルム長辺方向になるようにA4サンプルを切り出し、そのA4カットサンプルの短辺の両端をゲルボテスターのサンプルセット部分に両面テープにて貼り付け、室温雰囲気下で30秒間の繰り返し疲労試験を行った。その際に発せられる音を、フィルム中心部分より5cm離れた位置にセットした無指向性マイク(UC−53A及びNH−22)とSA−78にて拾音し、波形データを得た。当該波形データをCAT−WAVEにてFFT変換を行い、騒音レベル(dB)を採取した。同様の測定を3回行い、得られた値の平均値をフィルムの騒音レベル(dB)とし、静音性を評価する指標とした。なお、当該測定は外部からの音をシャットダウンするために、防音室内にて行い、かつ、ゲルボテスター内での音の反響を抑制するためにゲルボテスター内の壁面に吸音材発泡PE)を貼り付けた状態で実施した。また、SA−78の測定条件、及びCAT−WAVEの分析条件は、以下とした。
FFT分析器(SA−78)
校正設定
Calibration mode LIN
Transfer value(Ach 1 EU = 4.31×10-2、Bch 1 EU = 1.11×10-3)
Reference valueAch 0dB EU = 2.0×10-5
波形分析ソフト(CAT−WAVE)
分析モードFFTOCT
トリガ設定フリー
分析周波数→20000 Hz
分析点数→4096
時間窓関数→レクタンギュラ
・平均方法→周波数〔自動〕 12.5Hz刻み1600ポイント
測定範囲→14サイクル20.2秒(1サイクル約1.44秒計算)
・A特性
なお、静音性を以下の基準にて判断した。○以上が実用的に使用できる範囲である。
◎:騒音レベルが85dB未満であり、非常に静音性に優れる。
○:騒音レベルが85dB以上90dB未満であり、静音性に優れる。
△:騒音レベルが90dB以上95dB未満であり、静音性に劣る。
×:騒音レベルが95dB以上であり、静音性に非常に劣る。

0068

11.蒸着フィルム欠陥の定量的評価
微分干渉顕微鏡ライカマイクロシステムズ(株)製 ライカDMLB HC)を用いて、透過法により蒸着フィルムの蒸着膜欠陥(ピンホール、スクラッチ)を倍率50倍にて観察、撮影した。なお、データの信頼性確保のために観察箇所を変えて、12箇所で測定を行った。またその撮影したデータをアメリカ国立衛生研究所の開発した画像解析フリーソフト(ImageJ)を用いて解析を行い、蒸着膜欠陥の定量化を行った。ImageJの解析条件は下記で実施した。
カラー情報破棄→8-bit
白黒反転→有り
二値化→Threshold値:190
これらの操作を12サンプル全ての画像に適用し、欠陥個数(/mm2)の平均を算出した。欠陥個数と水蒸気バリア性、酸素バリア性は強い相関関係があることが明らかとなっており、欠陥個数が少ないほど水蒸気バリア性、酸素バリア性は良好である。なお、ガスバリア性フィルムとしての実力を以下の基準にて判断した。○以上がガスバリア性の良好なフィルムとして実用的に使用できる範囲である。
◎:蒸着膜欠陥がほとんど観察されず、欠陥個数が5未満であり、水蒸気バリア性は1.0g/m2/day未満である。
○:蒸着膜欠陥が若干観察されるものの、欠陥個数が5以上15未満であり、水蒸気バリア性は1.0以上2.0g/m2/day未満である。
△:多数の蒸着膜欠陥が観察され、欠陥個数が15以上25未満であり、それに伴い水蒸気バリア性は悪く、2.0以上4.0g/m2/day未満である。
×:大多数の蒸着膜欠陥が観察され、欠陥個数が25以上であり、それに伴い水蒸気バリア性は非常に悪く、4.0g/m2/day以上である。

0069

本発明の製造例、実施例、比較例で用いた原料は下記の通りである。なお、製造例、実施例、比較例では下記の略称表記することがある。
[cPLA]
回転式真空乾燥機にて100℃で4時間乾燥した結晶性ポリL−乳酸(Nature Works製“Ingeo”4032D;D体量=1.4mol%、融点=168℃、Tg=58℃)。
[cPLA−MB1]
上記cPLAにおいて、上記cPLAを95質量%、水澤化学工業(株)製“シルトン”JC−30を5質量%ブレンドして作製し、100℃で5時間乾燥したチップをcPLA−MB1とした。
[aPLA]
回転式真空乾燥機にて50℃で8時間乾燥した非晶性ポリL−乳酸(Nature Works製“Ingeo” 4060D;D体量=12mol%、Tg=58℃)。
[aPLA−MB2]
上記aPLAにおいて、上記aPLAを95質量%、水澤化学工業(株)製“シルトン”JC−30を5質量%ブレンドして作製し、50℃で5時間乾燥したチップをaPLA−MB2とした。
PMMA
回転式真空乾燥機にて80℃で8時間乾燥したポリメチルメタクリレート(アルケマ製 VS−100)。
[柔軟樹脂1]
数平均分子量8,000のポリエチレングリコール62質量部とL−ラクチド38質量部とオクチル酸スズ0.05質量部を混合し、撹拌装置付き反応容器中で、窒素雰囲気下160℃で3時間重合することで、数平均分子量8,000のポリエチレングリコールの両末端に数平均分子量2,500のポリ乳酸セグメントを有するPLA−PEG−PLA型のブロック共重合体、柔軟樹脂1を得た。なお、乾燥は回転式真空乾燥機にて80℃で5時間行った。
[柔軟樹脂2]
ポリブチレンアジペート・テレフタレート樹脂(BASF社製、商品名“エコフレックス”FBX7011)。なお、乾燥は回転式真空乾燥機にて65℃で5時間行った。
[柔軟樹脂3]
脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂「マタービー」(ノバモント社製、商品名“マタービー”CF51A)。なお、乾燥は回転式真空乾燥機にて65℃で5時間行った。
[柔軟樹脂4]
ポリブチレンサクシネート系樹脂(三菱化学社製、商品名“GSPla”AZ91T)。なお、乾燥は回転式真空乾燥機にて65℃で5時間行った。
[柔軟樹脂5]
ポリブチレンサクシネート・アジペート系樹脂(昭和高分子社製、商品名“ビオノーレ”#3001)。なお、乾燥は回転式真空乾燥機にて65℃で5時間行った。
[柔軟樹脂6]
ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)(カネカ社製、商品名“PHBV”)。なお、乾燥は回転式真空乾燥機にて65℃で5時間行った。
[柔軟樹脂7]
ジグリセリンテトラアセテート(略称:DGTA)(理研ビニル社製、商品名“リケマール” PL710)。低分子量タイプの可塑剤。なお、乾燥は回転式真空乾燥機にて65℃で5時間行った。

0070

本発明を、実施例に基づいて説明する。なお、所望の厚み構成を得るためには、特に断りのない限り、各押出機のポリマーの押出量を所定の値に調節した。
(実施例1)
表1−1に示す通り、単軸押出機(A)に、A層の樹脂組成物として、aPLAを97質量%、aPLA−MB2を3質量%を予め混合したブレンド原料を供給し、220℃で押出し、平均目開き65μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させ、2種3層積層タイプのマルチマニホールド口金に供給した。また、B層の樹脂組成物として、aPLAを60質量%、cPLAを20質量%、柔軟樹脂1を20質量%の混合物をシリンダー温度220℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き二軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し、均質化した後にペレット化した。このB層の樹脂組成物を単軸押出機(B)に供給し、220℃で押出し、押出機(A)とは別の流路で、平均目開き65μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させた後、マルチマニホールド口金に供給し、押出機(A)/押出機(B)/押出機(A)の順で積層されるようにマルチマニホールド口金内で合流せしめ、口金よりシート状に共押出した。この際、当該押出シートを30℃の温度の鏡面金ドラムキャストしてシート状に冷却固化した。

0071

得られた未延伸シートを、ロール延伸機にて75℃で縦方向に3倍に延伸し、直ちに室温に冷却した。次いで、得られた一軸延伸フィルムを、テンターに導入し、両エッジクリップ把持しながら、75℃で横方向に3倍延伸した。次いで、熱処理ゾーンを2区間に分け、1区間目は120℃で熱処理を行い、引き続き2区間目は横方向に5%の弛緩を与えながら160℃で熱処理をし、冷却後、巻き取った。

0072

得られた二軸延伸フィルムは20μmであり、厚み構成は、A1層/B層/A2層=1.5/16/2.5であった。また、当該二軸延伸フィルムを24時間のエージングの後、A1層表面に窒素雰囲気下で、コロナ処理を処理強度は30W・min/m2で施し、その後フィルム走行装置を具備した真空蒸着装置内にセットした。1.00×10−2Paの高減圧状態にした後に、0℃の冷却金属ドラム上に走行させた。この際、アルミニウム金属加熱蒸発し、A1層上に蒸着層を形成し、48時間エージングして、A1層上に蒸着層を得た。当該フィルムを本発明のフィルムとした。なお、光学濃度は、蒸着中にオンラインで確認し、2.5となるよう蒸着厚みを制御した。
る。

0073

得られたフィルムの特性値は表2−1に示す通りである。包装材料等のフィルムとして用いるために必要となる機械特性を十分有しており、また、ヒートシール性、静音性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度等の各種物性に関していずれも優れていた。
(実施例2)
表1−1に示す通り、B層に用いる樹脂をaPLAを70質量%、cPLAを23質量%、柔軟樹脂1を7質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを実施例2とした。得られたフィルムの特性値は表2−1に示す通りであり、柔軟樹脂の含有量が少ないためか実施例1のフィルムと比較して静音性は若干劣っているものの、静音化フィルムとしては十分使用可能なレベルであった。また、ヒートシール性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度等の各種物性に関してはいずれも優れていた
(実施例3)
表1−1に示す通り、B層に用いる樹脂をaPLAを49質量%、cPLAを16質量%、柔軟樹脂1を35質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを実施例3とした。得られたフィルムの特性値は表2−1に示す通りであり、ヒートシール性、静音性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度等の各種物性に関していずれも優れていた。

0074

(実施例4)
表1−1に示す通り、B層に用いる樹脂をaPLAを41質量%、cPLAを14質量%、柔軟樹脂1を45質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを実施例4とした。得られたフィルムの特性値は表2−1に示す通りであり、柔軟樹脂の含有量が多いためか機械特性が若干劣っているものであったが、ヒートシール性、静音性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度等の各種物性に関してはいずれも優れていた
(実施例5〜9)
表1−1に示す通り、B層に用いる樹脂をaPLAを20質量%、cPLAを60質量%、柔軟樹脂2(または3,4,5,6)を20質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを実施例5〜9とした。得られたフィルムの特性値は表2−1に示す通りであり、実施例1のフィルムと比較して静音性は若干劣っているものの、静音化フィルムとしては十分使用可能なレベルであった。ヒートシール性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度等の各種物性に関してはいずれも優れていた。

0075

(実施例10)
表1−2に示す通り、B層に用いる樹脂をaPLAを60質量%、cPLAを20質量%、柔軟樹脂1を10質量%、柔軟樹脂3を10質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを実施例10とした。得られたフィルムの特性値は表2−2に示す通りであり、ヒートシール性、静音性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度等の各種物性に関していずれも優れていた。

0076

(実施例11)
表1−2に示す通り、A層に用いる樹脂をaPLAを57質量%、aPLA−MB2を3質量%、PMMAを40質量%を予め混合したブレンド原料に変更し、横延伸温度を90℃に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを実施例11とした。得られたフィルムの特性値は表2−2に示す通りであり、ヒートシール性、静音性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度等の各種物性に関していずれも優れていた。

0077

(実施例12)
表1−2に示す通り、A層に用いる樹脂をaPLAを77.6質量%、aPLA−MB2を2.4質量%、cPLAを19.4質量%、cPLA−MB1を0.6質量%を予め混合したブレンド原料に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを実施例12とした。得られたフィルムの特性値は表2−2に示す通りであり、ヒートシール性、静音性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度等の各種物性に関していずれも優れていた。

0078

(実施例13)
表1−2に示す通り、A層に用いる樹脂をaPLAを53.4質量%、aPLA−MB2を1.6質量%、cPLAを43.7質量%、cPLA−MB1を1.3質量%を予め混合したブレンド原料に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを実施例13とした。得られたフィルムの特性値は表2−2に示す通りであり、静音性は良好であるものの、表層にcPLAの含有量が多くなったため、実施例1に比較してヒートシール性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度が若干劣っていた。

0079

(実施例14)
表1−2に示す通り、厚み構成をA1層/B層/A2層=3/12/5に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを実施例14とした。得られたフィルムの特性値は表2−2に示す通りであり、静音性は良好であるものの、平面性不良のフィルムとなった。また、実施例1に比較して水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度に関しても劣るものとなった。

0080

(比較例1)
表1−2に示す通り、A層に用いる樹脂をaPLAを43.7質量%、aPLA−MB2を1.3質量%、cPLAを53.4質量%、cPLA−MB1を1.6質量%を予め混合したブレンド原料に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを比較例1とした。得られたフィルムの特性値は表2−2に示す通りであり、静音性は良好であるものの、表層にcPLAの含有量が多くなったため、実施例1に比較してヒートシール性が劣っていた。また、微分干渉顕微鏡にて蒸着フィルムの蒸着膜欠陥を観察したところ欠陥(ピンホール、スクラッチ)が確認され、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度が悪く、実用性に劣るものであった。
(比較例2)
表1−2に示す通り、A層に用いる樹脂をcPLAを97質量%、cPLA−MB1を3質量%を予め混合したブレンド原料に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを比較例2とした。得られたフィルムの特性値は表2−2に示す通りであり、比較例1と同様にヒートシール性が劣っており、また、蒸着フィルムには多数の欠陥(ピンホール、スクラッチ)が確認され、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度が悪く、実用性に劣るものであった。
(比較例3)
表1−2に示す通り、B層に用いる樹脂をaPLAを20質量%、cPLAを80質量%を予め混合したブレンド原料に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを比較例3とした。得られたフィルムの特性値は表2−2に示す通りであり、表層にcPLAの含有量が多くなったため、実施例1に比較してヒートシール性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度等の特性は優れているものの、手に触れたり、折り曲げたりした際にポリ乳酸フィルム特有の耳障りな音が大きくして、静音性が大きく劣っていた。

0081

(比較例4)
表1−2に示す通り、A層、B層に用いる樹脂をaPLAを57.75質量%、aPLA−MB2を2.25質量%、cPLAを19.25質量%、cPLA−MB1を0.75質量%、柔軟樹脂1を20質量%に変更し、単膜構成のフィルムとした以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを比較例4とした。得られたフィルムの特性値は表2−2に示す通りであり、静音性には優れるもののヒートシール性に劣るものであった。また蒸着受容層であるA層に柔軟樹脂を含有していたためか、微分干渉顕微鏡にて蒸着フィルムの蒸着膜欠陥を観察したところ、多数の欠陥(ピンホール、スクラッチ)が確認され、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度が悪化し、実用性に劣るものであった。

0082

(比較例5)
表1−2に示す通り、A層、B層に用いる樹脂をcPLAを77質量%、cPLA−MB1を3質量%、柔軟樹脂7を20質量%に変更し、単膜構成のフィルムとした以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを比較例5とした。得られたフィルムの特性値は表2−2に示す通りであり、静音性には優れるもののヒートシール性に劣るものであった。また蒸着受容層であるA層に低分子量タイプの可塑剤を含有し、それがブリードアウトしたため、微分干渉顕微鏡にて蒸着フィルムの蒸着膜欠陥を観察したところ、多数の欠陥(ピンホール、スクラッチ)が確認され、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度が悪化し、実用性に劣るものであった。

0083

(比較例6)
表1−2に示す通り、B層に用いる樹脂をcPLAを80質量%、柔軟樹脂7を20質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして製造したフィルムを比較例6とした。得られたフィルムの特性値は表2−2に示す通りであり、B層に可塑剤が含有されているものの低分子量タイプの可塑剤であったため、ブリードアウトが確認された。また、微分干渉顕微鏡にて蒸着フィルムの蒸着膜欠陥を観察したところ、多数の欠陥(ピンホール、スクラッチ)が確認され、水蒸気バリア性、酸素バリア性、蒸着膜接着強度が悪化し、実用性に劣るものであった。

0084

0085

0086

実施例

0087

0088

本発明は、従来技術では成し得なかった、優れた静音性を有し、かつガスバリア性を兼ね備えたポリ乳酸系配向フィルムに関するものであり、非常に高いレベルのガスバリア性が要求されるスナック包装用途などに好ましく用いることができる。

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