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技術 テンション装置及びテンション付与方法

出願人 日特エンジニアリング株式会社
発明者 日下田裕司
出願日 2012年1月20日 (8年5ヶ月経過) 出願番号 2012-009528
公開日 2013年8月1日 (6年11ヶ月経過) 公開番号 2013-147326
状態 特許登録済
技術分野 線条材料の張力調整
主要キーワード 回動角度検出 リニアポテンショメータ 繰出し速度 繰出しモータ 線材ガイド 線材巻 転向プーリ 巻取り量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年8月1日)のものです。
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図面 (9)

課題

線材の速度が著しく変動する場合でも、その線材の速度の変動を吸収して、巻線機に送られる線材のテンションを一定に保つ。

解決手段

テンション装置20は、線材供給源12から繰出された線材11が掛け回される繰出しプーリ24と、繰出しプーリの回転を制御して線材供給源12から引出されて巻線機10に向かう線材の速度を制御する繰出し速度制御手段26と、繰出しプーリから繰出された線材を転向させる移動可能な第1テンションプーリ27と、第1テンションプーリ27により転向した線材を更に転向させて巻線機10に向かわせる移動可能な第2テンションプーリ28と、第1テンションプーリ27と第2テンションプーリ28間の間隔を拡大するように付勢する付勢手段33,34とを備える。一対のテンションアーム31,32が基端を中心に回転可能に設けられ、そのテンションアームの先端にテンションプーリが枢支されることが好ましい。

概要

背景

従来、コイルを形成する巻線機に備えられるテンション装置として、図8に示すように、線材供給源から繰出された線材2が掛け回される繰出しプーリ3と、基端における回動支点4aの回りで回動可能なテンションアーム4と、このテンションアーム4の先端に取付けられ繰出しプーリ3から繰出される線材2を通過させた後に転向させて巻線機に導く線材ガイド5と、テンションアーム4の回動支点4aと線材ガイド5との間の所定位置においてテンションアーム4にその回動角度に応じた弾性力を及ぼす弾性部材6と、テンションアーム4の回動角度を検出するポテンショメータ7と、このポテンショメータ7により検出された回動角度が所定の角度となるように繰出しプーリ3の回転を制御して、その繰出しプーリ3から線ガイド5を介して図示しない巻線機に向かう線材2の速度を制御する繰出しモータ8と、を備えた装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。

ここで、線材2は線材ガイド5を介して巻線機に導かれ、その巻芯巻回されるけれども、この従来のテンション装置から繰出される線材2の繰出し速度は、テンションアーム4の回動角度が所定の角度となるように繰出しプーリ3の回転が制御され、その線材2の繰出し速度は巻芯への巻取り速度均衡を保ち、線材2には弾性部材6により弾性力が及ぼされたテンションアーム4により所定のテンションがかかった状態となっている。この状態から、巻芯への線材巻取り速度に変動が生じると、線材2のテンションが変動するが、この変動分は、テンションアーム4が回動角度を変えることにより吸収される。そして、このテンションアーム4の回動角度の変化はポテンショメータ7を介して繰出しプーリ3の回転にフィードバックされるので、直ちにテンションアーム4の回動角度が所定角度となるように、繰出しモータ8により繰出しプーリ3の回転速度が調整され、線材2にかかるテンションは所定値に戻されるとしている。

概要

線材の速度が著しく変動する場合でも、その線材の速度の変動を吸収して、巻線機に送られる線材のテンションを一定に保つ。テンション装置20は、線材供給源12から繰出された線材11が掛け回される繰出しプーリ24と、繰出しプーリの回転を制御して線材供給源12から引出されて巻線機10に向かう線材の速度を制御する繰出し速度制御手段26と、繰出しプーリから繰出された線材を転向させる移動可能な第1テンションプーリ27と、第1テンションプーリ27により転向した線材を更に転向させて巻線機10に向かわせる移動可能な第2テンションプーリ28と、第1テンションプーリ27と第2テンションプーリ28間の間隔を拡大するように付勢する付勢手段33,34とを備える。一対のテンションアーム31,32が基端を中心に回転可能に設けられ、そのテンションアームの先端にテンションプーリが枢支されることが好ましい。

目的

本発明の目的は、線材の速度が著しく変動する場合でも、その線材の速度の変動を吸収して、巻線機に送られる線材のテンションを一定に保つことができるテンション装置及びテンション付与方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

線材供給源(12)から繰出された線材(11)が掛け回される繰出しプーリ(24)と、前記繰出しプーリ(24)の回転を制御して前記線材供給源(12)から引出されて巻線機(10)に向かう前記線材(11)の速度を制御する繰出し速度制御手段(26)と、前記繰出しプーリ(24)から繰出された前記線材(11)を転向させる移動可能な第1テンションプーリ(27)と、前記第1テンションプーリ(27)により転向した前記線材(11)を更に転向させて前記巻線機(10)に向かわせる移動可能な第2テンションプーリ(28)と、前記第1テンションプーリ(27)と前記第2テンションプーリ(28)間の間隔を拡大するように付勢する付勢手段(33,34)とを備えたテンション装置

請求項2

線対称を成す一対のテンションアーム(31,32)が基端を中心に回転可能に設けられ、一方のテンションアーム(31)の先端に第1テンションプーリ(27)が枢支され、他方のテンションアーム(32)の先端に第2テンションプーリ(28)が枢支され、付勢手段が前記一対のテンションアーム(31,32)の回動角度に応じた弾性力を前記一対のテンションアーム(31,32)に及ぼす弾性部材(33,34)から成り、前記一対のテンションアーム(31,32)のいずれか一方又は双方の回動角度を検出する回動角度検出手段(13)が設けられ、繰出し速度制御手段(26)は、前記回動角度検出手段(13)により検出された回動角度が所定の角度となるように繰出しプーリ(24)の回転を制御するように構成された、請求項1記載のテンション装置。

請求項3

一対のテンションアーム(31,32)の基端に互いに歯合して前記一対のテンションアーム(31,32)の回動角度を同一にする円板ギヤ(31b,32b)がそれぞれ取付けられた請求項2記載のテンション装置。

請求項4

第1テンションプーリ(27)が枢支された第1基台(51)が長手方向に移動可能な第1レール(52)と、前記第1レール(52)と同軸に又は平行に設けられ第2テンションプーリ(28)が枢支された第2基台(53)が長手方向に移動可能な第2レール(54)とを備え、付勢手段が前記第1及び第2レール(52,54)に対する前記第1及び第2基台(51,53)の位置に応じた弾性力を前記第1及び第2テンションプーリ(27,28)に及ぼす弾性部材(33,34)から成り、前記第1及び第2基台(512,53)のいずれか一方又は双方の位置を検出する位置検出手段(13)が設けられ、繰出し速度制御手段(26)は、前記位置検出手段(13)により検出された前記第1及び第2基台(51,53)のいずれか一方又は双方の位置が所定の位置となるように繰出しプーリ(24)の回転を制御するように構成された、請求項1記載のテンション装置。

請求項5

繰出しプーリ(24)から第1テンションプーリ(27)に向かう線材(11)を転向させて前記第1テンションプーリ(27)において前記線材(11)を折り返させる第1転向プーリ(46)と、第2テンションプーリ(28)から巻線機(10)に向かう前記線材(11)を転向させて前記第2テンションプーリ(28)において前記線材(11)を折り返させる第2転向プーリ(47)とを更に備えた請求項1記載のテンション装置。

請求項6

線材供給源(12)から繰出された線材(11)が掛け回された繰出しプーリ(24)の回転を制御し、前記繰出しプーリ(24)から繰出されて巻線機(10)に向かう速度が制御された前記線材(11)に所定のテンションを付与する方法において、前記繰出しプーリ(24)から繰出された前記線材(11)を掛け回して転向させる移動可能な第1テンションプーリ(27)と、前記第1テンションプーリ(27)により転向した前記線材(11)を掛け回して更に転向させて前記巻線機(10)に向かわせる移動可能な第2テンションプーリ(28)とを備え、前記第1及び第2テンションプーリ(27,28)間の間隔を拡大するように付勢して前記線材(11)に所定のテンションを付与することを特徴とする巻線用線材テンション付与方法

技術分野

0001

本発明は、線材供給源から繰出されて巻線機に案内される線材に所定のテンションを付与するテンション装置及びテンション付与方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、コイルを形成する巻線機に備えられるテンション装置として、図8に示すように、線材供給源から繰出された線材2が掛け回される繰出しプーリ3と、基端における回動支点4aの回りで回動可能なテンションアーム4と、このテンションアーム4の先端に取付けられ繰出しプーリ3から繰出される線材2を通過させた後に転向させて巻線機に導く線材ガイド5と、テンションアーム4の回動支点4aと線材ガイド5との間の所定位置においてテンションアーム4にその回動角度に応じた弾性力を及ぼす弾性部材6と、テンションアーム4の回動角度を検出するポテンショメータ7と、このポテンショメータ7により検出された回動角度が所定の角度となるように繰出しプーリ3の回転を制御して、その繰出しプーリ3から線ガイド5を介して図示しない巻線機に向かう線材2の速度を制御する繰出しモータ8と、を備えた装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。

0003

ここで、線材2は線材ガイド5を介して巻線機に導かれ、その巻芯巻回されるけれども、この従来のテンション装置から繰出される線材2の繰出し速度は、テンションアーム4の回動角度が所定の角度となるように繰出しプーリ3の回転が制御され、その線材2の繰出し速度は巻芯への巻取り速度均衡を保ち、線材2には弾性部材6により弾性力が及ぼされたテンションアーム4により所定のテンションがかかった状態となっている。この状態から、巻芯への線材巻取り速度に変動が生じると、線材2のテンションが変動するが、この変動分は、テンションアーム4が回動角度を変えることにより吸収される。そして、このテンションアーム4の回動角度の変化はポテンショメータ7を介して繰出しプーリ3の回転にフィードバックされるので、直ちにテンションアーム4の回動角度が所定角度となるように、繰出しモータ8により繰出しプーリ3の回転速度が調整され、線材2にかかるテンションは所定値に戻されるとしている。

先行技術

0004

特開2000−128433号公報)

発明が解決しようとする課題

0005

上述したように、図8に示す従来のテンション装置では、線材2のテンションの変動をテンションアーム4が回動角度を変えることにより吸収する。しかし、断面の外径が異なる異径の巻芯、例えば断面形状が長方形であって、その短辺と長辺が著しく異なるような巻芯に対してその線材2を巻線する場合には、巻芯が1回転する間にその巻芯に巻回される線材2の速度は周期的に著しく変動する。すると、その速度の変動を吸収するテンションアーム4の回動角度は著しく増大し又は減少することになる。

0006

即ち、繰出しプーリ3から繰出された線材2が、線材ガイド5において、図8に示すように、テンションアームに対して略直角を成して折曲がるように転向して巻線機に導かれる場合で説明すると、その巻線機における線材2の巻取り速度が高まって単位時間に所定の長さL1だけ余計に巻取られる場合には、線材ガイド5もその余計に巻取られる所定の長さL1だけ実線矢印で示すように巻線機側に引っ張られて移動することになる。そして、その線材ガイド5が先端に設けられたテンションアーム4は、弾性部材6の弾性力に抗して回動し、その先端における線材ガイド5が所定の長さL1だけ移動することを許容することになる。

0007

けれども、巻線機における巻芯に巻取られる線材2の速度の変動が著しく、その速度が一時に著しく上昇した場合には、その線材2に線材ガイド5が勢いよく引っ張られることになり、その線材ガイド5が先端に設けられてその変動を吸収するテンションアーム4の回動がその引っ張られる線材ガイド5の勢いに追従できず、そのテンションアーム4の先端に設けられた線材ガイド5と巻芯との間の線材2に弾性部材6が及ぼす弾性力を越えたテンションが一時的に付与されることになる。

0008

逆に、その巻線機における線材2の巻取り速度が低下して単位時間に所定の長さL2だけ巻取られる量が減少する場合には、弾性部材6の弾性力により線材ガイド5はその減少した所定の長さL2だけ巻線機から離間する方向に移動することになり、その線材ガイド5が先端に設けられたテンションアーム4は、弾性部材6の弾性力によって回動し、その先端における線材ガイド5が破線矢印で示すように、所定の長さL2だけ移動することを許容することになる。

0009

けれども、巻線機における巻芯に巻取られる線材2の速度の変動が著しく、巻線機における巻芯に巻取られる線材2の速度が一時に著しく低下した場合には、その線材2が線材ガイド5を引っ張る力が一時に著しく減少し、その線材ガイド5が先端に設けられてその変動を吸収するテンションアーム4はその慣性力によりその回動が弾性部材6の弾性力によっても追従できず、そのテンションアーム4の先端に設けられた線材ガイド5と巻芯との間の線材2が一時的に緩むようなことが生じる。このため、従来のテンション装置では、巻線機における異径の巻芯に巻回される線材2の速度が著しく変動する場合には、その巻線機に送られる線材2のテンションを一定に保つことが難しいという問題点があった。

0010

本発明の目的は、線材の速度が著しく変動する場合でも、その線材の速度の変動を吸収して、巻線機に送られる線材のテンションを一定に保つことができるテンション装置及びテンション付与方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、線材供給源から繰出された線材が掛け回される繰出しプーリと、繰出しプーリの回転を制御して供給源から引出されて巻線機に向かう線材の速度を制御する繰出し速度制御手段と、繰出しプーリから繰出された線材を転向させる移動可能な第1テンションプーリと、第1テンションプーリにより転向した線材を更に転向させて巻線機に向かわせる移動可能な第2テンションプーリと、第1テンションプーリと第2テンションプーリ間の間隔を拡大するように付勢する付勢手段とを備えたテンション装置である。

0012

この場合、線対称を成す一対のテンションアームが基端を中心に回転可能に設けられ、一方のテンションアームの先端に第1テンションプーリが枢支され、他方のテンションアームの先端に第2テンションプーリが枢支され、付勢手段が一対のテンションアームの回動角度に応じた弾性力を一対のテンションアームに及ぼす弾性部材から成り、一対のテンションアームのいずれか一方又は双方の回動角度を検出する回動角度検出手段が設けられ、繰出し速度制御手段は、回動角度検出手段により検出された回動角度が所定の角度となるように繰出しプーリの回転を制御するように構成されることが好ましい。そして、一対のテンションアームの基端に互いに歯合して一対のテンションアームの回動角度を同一にする円板ギヤがそれぞれ取付けられることが更に好ましい。

0013

一方、第1テンションプーリが枢支された第1基台長手方向に移動可能な第1レールと、第1レールと同軸に又は平行に設けられ第2テンションプーリが枢支された第2基台が長手方向に移動可能な第2レールとを備え、付勢手段が第1及び第2レールに対する第1及び第2基台の位置に応じた弾性力を第1及び第2テンションプーリに及ぼす弾性部材から成り、第1及び第2基台のいずれか一方又は双方の位置を検出する位置検出手段が設けられ、繰出し速度制御手段は、位置検出手段により検出された第1及び第2基台のいずれか一方又は双方の位置が所定の位置となるように繰出しプーリの回転を制御するように構成することもできる。

0014

そして、繰出しプーリから第1テンションプーリに向かう線材を転向させて第1テンションプーリにおいて線材を折り返させる第1転向プーリと、第2テンションプーリから巻線機に向かう線材を転向させて第2テンションプーリにおいて線材を折り返させる第2転向プーリとを更に備えることが好ましい。

0015

また、別の本発明は、線材供給源から繰出された線材が掛け回された繰出しプーリの回転を制御し、繰出しプーリから繰出されて巻線機に向かう速度が制御された線材に所定のテンションを付与する方法の改良である。

0016

その特徴ある点は、繰出しプーリから繰出された線材を掛け回して転向させる移動可能な第1テンションプーリと、第1テンションプーリにより転向した線材を掛け回して更に転向させて巻線機に向かわせる移動可能な第2テンションプーリとを備え、第1及び第2テンションプーリ間の間隔を拡大するように付勢して線材に所定のテンションを付与するところにある。

発明の効果

0017

本発明のテンション装置及びテンション付与方法では、繰出しプーリから繰出された線材を転向させる移動可能な第1テンションプーリと、その第1テンションプーリにより転向した線材を更に転向させて巻線機に向かわせる移動可能な第2テンションプーリとを備える。このため、その第1テンションプーリと第2テンションプーリ間の間隔を拡大するように付勢し、その第1及び第2テンションプーリの双方に線材供給源から繰出される線材を掛け回して滑車のように用いることにより、線材のテンションの変動を吸収する第1及び第2テンションプーリの移動量を従来の1/2や1/4にすることができる。また、第1及び第2テンションプーリの双方に線材を複数回掛け回すようにすれば、その移動量を更に少なくすることもできる。

0018

また、線材のテンションを一定と考えると、滑車の原理により、その線材のテンションに抗して第1テンションプーリと第2テンションプーリ間の間隔を拡大するように付勢する力は2倍や4倍のように必要になり、そのように第1テンションプーリと第2テンションプーリ間の間隔を拡大するように付勢する弾性部材は従来のものより2倍や4倍やそれを越えた弾性力を有するものを用いことになる。けれども、弾性部材の弾性力を増加させると、第1及び第2テンションプーリが移動する加速度を大きくすることになり、巻線機に巻取られる線材の速度変動に伴って移動する第1及び第2テンションプーリの追従を早めることができる。

0019

このように、線材の速度の変動を吸収する第1及び第2テンションプーリの移動量を従来より半減等にさせるとともに、それを移動させる弾性部材の弾性力をも倍増等にさせているので、異径の巻芯を比較的高速で回転させて巻線しても、その巻線速度に第1及び第2テンションプーリの移動を確実に追従させることができる。よって、巻線機に送られる線材のテンションを一定に保つことができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の実施形態におけるテンション装置を示す斜視図である。
そのテンション装置の正面図である。
そのテンション装置の断面図である。
そのテンションローラ動きを示す要部拡大図である。
その転向プーリが無い場合のテンションローラの動きを示す図4に対応する図である。
そのテンションローラに線材が二重に掛け回された図4に対応する図である。
本発明の別のテンション装置を示す図2に対応する正面図である。
従来のテンション装置を示す図2に対応する正面図である。

実施例

0021

次に、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳しく説明する。

0022

図1図3に、本発明におけるテンション装置20を示す。このテンション装置20は巻線機10と共に用いられ、線材供給源12から導かれた線材11に所定のテンションを付与し、この線材11を巻線機10におけるコイルボビン等の巻芯10aに導くものである。この実施の形態における線材11は電機部品に使用されるコイルを形成するための断面が円形又は方形を成す被覆銅線であって、巻線機10にあっては、その被覆銅線から成る線材11を巻回することによりコイルを形成するものである。

0023

テンション装置20のケーシング21の正面には、線材供給源であるリール12(図2)から導かれた線材11が挿通される線材ガイド22と、その線材ガイド22を通過した線材11を引き回す複数のガイドプーリ23a〜23eと、比較的大径の繰出しプーリ24が設けられる。そして、複数のガイドプーリ23a〜23eは、線材ガイド22を通過した線材11を引き回して、その線材11を繰出しプーリ24に掛け回すようにケーシング21の正面に配設される。

0024

線材11が巻付けられた繰出しプーリ24の回転軸24aは、ケーシング21内に収容された繰出し制御手段である繰出し制御モータ26に直結される。この繰出し制御モータ26は、図示されないコントローラによりその回転速度が制御される。これにより、繰出し速度制御手段である繰出し制御モータ26は、繰出しプーリ24の回転を制御して線材供給源であるリール12から引出されて巻線機10に向かう線材11の速度を制御するように構成される。

0025

また、本発明のテンション装置20は、繰出しプーリ24から繰出された線材11を転向させる移動可能な第1テンションプーリ27と、その第1テンションプーリ27により転向した線材11を更に転向させて巻線機10に向かわせる移動可能な第2テンションプーリ28とを備える。この実施の形態では、第1及び第2テンションプーリ27,28は、一対のテンションアーム31,32を介して移動可能に設けられる場合を示す。

0026

即ち、ケーシング21の正面には、繰出しプーリ24の回転中心を通過して巻線機10に向かう軸を対称軸Tとして一対のテンションアーム31,32が設けられる。この一対のテンションアーム31,32は、繰出しプーリ24より巻線機10側にあって、その対称軸Tに対して対称に設けられ、繰出しプーリ24側における基端は回動軸31a,32aを支点としてそれぞれが回動可能に構成される。そして、一方のテンションアーム31の先端に第1テンションプーリ27が枢支され、他方のテンションアーム32の先端に第2テンションプーリ28が枢支される。これにより、一対のテンションアーム31,32が回動軸31a,32aを支点としてそれぞれ回動すると、それらの先端に枢支された第1及び第2テンションプーリ27,28は円弧状に移動することになり、このように第1及び第2テンションプーリ27,28は、一対のテンションアーム31,32を介して移動可能に設けられる。

0027

また、ケーシング21の内部であって、一対のテンションアーム31,32の基端を支持する回動軸31a,32aには、互いに歯合する同形同大の円板ギヤ31b,32bがそれぞれ取付けられる。この円板ギヤ31b,32bは、その外周において互いに歯合することにより一対のテンションアーム31,32の回動角度を同一にするように構成される。そして、このケーシング21内には、一対のテンションアーム31,32の基端を支持する回動軸31a,32aの回動角度を検出するポテンショメータ13が収容される。このポテンショメータ13は、一対のテンションアーム31,32のいずれか一方に取付けられ、そのテンションアーム31,32の回動角度をこのポテンショメータ13により検出するように構成される。

0028

また、本発明のテンション装置20は、第1テンションプーリ27と第2テンションプーリ28間の間隔を拡大するように付勢する付勢手段が設けられる。一対のテンションアーム31,32を介して第1及び第2テンションプーリ27,28が移動可能に設けられる、この実施の形態では、付勢手段は一対のテンションアーム31,32の回動角度に応じた弾性力を一対のテンションアーム31,32に及ぼす弾性部材33,34から成る場合を示す。具体的に、一対のテンションアーム31,32の基端と先端の間の所定位置に取付けブラケット31c,32cがそれぞれ取付けられ、そのブラケット31c,32cに弾性部材であるコイルスプリング33,34の一端がワイヤ33a,34aを介して取付けられる。この一対のコイルスプリング33,34は、繰出しプーリ24を挟み、かつ一対のテンションアーム31,32の対称軸Tに平行に設けられる。また、コイルスプリング33,34の一端に設けられたワイヤ33a,34aを転向させる転向プーリ36,37が取付けブラケット31c,32cより外側のケーシング21の表面の対称位置にそれぞれ設けられる。

0029

この弾性部材であるコイルスプリング33,34は取付けブラケット31c,32cより外側に設けられた転向プーリ36,37により転向するワイヤ33a,34aを介して一対のテンションアーム31,32をそれぞれ外側に引っ張る。このため、この弾性部材33,34は、一対のテンションアーム31,32先端における第1及び第2テンションプーリ27,28間の間隔を拡大させる方向の弾性力を一対のテンションアーム31,32の双方にそれぞれ与えることになる。そして、同形同大であって弾性係数が同一のコイルスプリング33,34を用いることによりその一対のテンションアーム31,32の双方に与えられる弾性力を同一とするものである。即ち、このコイルスプリング33,34は、一対のテンションアーム31,32の先端に枢支された第1及び第2テンションプーリ27,28間の間隔を拡大させる方向であって、かつ同一の弾性力を一対のテンションアーム31,32の双方に与えるものとなる。

0030

一方、この弾性部材であるコイルスプリング33,34の他端は、移動部材38,39に固定される。この移動部材38,39はコイルスプリング33,34に平行に設けられた雄ねじ41,42に螺合しており、この雄ねじ41,42の回転にしたがって、ガイド軸43,44に沿って移動するように構成される。雄ねじ41,42には、操作リング41a,42aが端部に形成される。この操作リング41a、42aを把持して回転させることにより、雄ねじ41,42を回転可能に構成され、雄ねじ41,42の回転により移動部材38,39に固定されたコイルスプリング33,34の他端の位置は調節可能になっている。そして、その他端を移動調整することにより、このコイルスプリング33,34が一対のテンションアーム31,32に与える弾性力を調整可能に構成される。

0031

一対のテンションアーム31,32の回動角度を検出する回動角度検出手段であるポテンショメータ13の検出出力は図示しないコントローラの制御入力に接続され、コントローラは、回動角度検出手段により検出された回動角度が所定の角度となるように繰出し速度制御手段である繰出し制御モータ26を制御して、繰出しプーリ24の回転を調整するように構成される。

0032

更に、テンション装置20のケーシング21の正面には、繰出しプーリ24から第1テンションプーリ27に向かう線材11を転向させて第1テンションプーリ27において線材11を折り返させる第1転向プーリ46と、第2テンションプーリ28から巻線機10に向かう線材11を転向させて第2テンションプーリ28において線材11を折り返させる第2転向プーリ47が設けられる。この第1及び第2転向プーリ46,47は、一対のテンションアーム31,32の先端に設けられた第1及び第2テンションプーリ27,28間を結ぶ線を境に、第1転向プーリ46がそのケーシング21の表面の繰出しプーリ24側に設けられ、第2転向プーリ47がそのケーシング21の表面の巻線機10側に設けられる。

0033

そして、線材供給源12から繰出されて繰出しプーリ24に掛け回された線材11は、第1転向プーリ46により一方のテンションアーム31先端の第1テンションプーリ27に案内されて掛け回され、その後に他方のテンションアーム32の先端に設けられた第2テンションプーリ28に更に掛け回される。このようにして、線材11は一対のテンションアーム31,32に設けられた第1及び第2テンションプーリ27,28の双方に掛け回し可能に構成される。そして、他方のテンションアーム32先端の第2テンションプーリ28から繰出される線材11は第2転向プーリ47により転向して巻線機10に案内され、巻線機におけるガイドローラ10b,10cを通過した後に、その巻芯10aの外周に巻付けられることになる。

0034

次に、上記テンション装置を用いた本発明の巻線用線材へのテンション付与方法について説明する。

0035

上記テンション装置20を用いると、線材供給源12からの線材11は、このテンション装置20を経て巻線機10に導かれ、その回転する巻芯10aの外周に巻付けられることになる。そのような線材11に所定のテンションを付与する本発明の方法は、線材供給源12から繰出された線材11が掛け回された繰出しプーリ24の回転を制御し、その繰出しプーリ24から繰出されて巻線機10に向かう速度が制御された線材11に所定のテンションを付与する方法である。そして、その特徴ある点は、繰出しプーリ24から繰出された線材11を掛け回して転向させる移動可能な第1テンションプーリ27と、第1テンションプーリ27により転向した線材11を掛け回して更に転向させて巻線機10に向かわせる移動可能な第2テンションプーリ28との間隔を拡大するように付勢することにより、その線材11に所定のテンションを付与するところにある。

0036

即ち、繰出しプーリ24からの線材11の繰出し速度(繰出し量)は、巻芯10aへの線材11巻取り速度(巻取り量)と均衡を保つように繰出し制御モータ26の回転速度により制御され、第1及び第2テンションプーリ27,28が先端に設けられた一対のテンションアーム31,32は、それぞれ所定の回動角度に保持される。これにより、線材11には一対のテンションアーム31,32の回動角度に従って弾性部材であるコイルスプリング33,34の弾性力が作用し、この弾性力に基づく所定のテンションが線材11に付与されることになる。このとき、一対のテンションアーム31,32の基端に互いに歯合する円板ギヤ31b,32bをそれぞれ取付けたので、一対のテンションアーム31,32の回動角度は常に同一となり、その回動角度に応じた弾性力を一対のテンションアーム31,32に及ぼすことができる。

0037

一方、巻線機10において、外径が異径の巻芯10aに巻線をする場合、例えば断面形状が長方形であって、その短辺と長辺が著しく異なるような巻芯10aに対して巻線を行う場合には、巻芯10aが1回転する間にその巻芯10aに巻取られる線材11の巻取り速度は周期的に著しく変動する。このような巻芯10aへの線材11巻取り速度(巻取り量)が変化すると、線材11にかかるテンションが変動し、このようなテンション変動があると、その線材11が掛け回された第1及び第2テンションプーリ27,28が引っ張られ又は緩められ、これに従ってそれらが先端に設けられた一対のテンションアーム31,32の回動角度が変化する。これにより、テンションの変動分は、一対のテンションアーム31,32の回動角度の変化によって吸収され、線材11のテンションが変動することを防止する。

0038

ここで、本発明では、一対のテンションアーム31,32を設け、それらの先端に第1及び第2テンションプーリ27,28を枢支する。このため、その第1及び第2テンションプーリ27,28の双方に線材供給源12から繰出される線材11を掛け回し、滑車のように用いられている。このため、線材11のテンションの変動を吸収する第1及び第2テンションプーリ27,28の移動量、即ち、一対のテンションアーム31,32の回動角度は従来の1/2や1/4のように減少させることができる。

0039

図4に詳しく示すように、この実施の形態では、繰出しプーリ24から第1テンションプーリ27に向かう線材11を第1転向プーリ46により転向させて第1テンションプーリ27においてその線材11を折り返させている。また、第2テンションプーリ28から巻線機10に向かう線材11を第2転向プーリ47により転向させて第2テンションプーリ28においてその線材11を再び折り返させている。このため、第1及び第2テンションプーリ27,28において線材11がクランク状に折曲がるように転向する場合(図5)に比較して、線材11のテンションの変動を吸収する第1及び第2テンションプーリ27,28の移動量、即ち、一対のテンションアーム31,32の回動角度を従来の約1/4とすることができる。

0040

具体的に説明すると、繰出しプーリ24から繰出された線材11が、例えば、巻線機10における線材11の巻取り速度が高まって単位時間に所定の長さL1だけ余計に巻取られる場合には、その線材11は第1及び第2テンションプーリ27,28の双方に掛け回されているので、その第1及び第2テンションプーリ27,28に掛け回された線材11をその部分において、それぞれその長さL1の約1/2ずつ余計に線材11を繰出せば良いことになる。ここで、線材11は第1及び第2テンションプーリ27,28において折返すように転向しているので、第1及び第2テンションプーリ27,28はその長さL1の約1/4だけ折り返された線材11方向に移動することにより、その第1及び第2テンションプーリ27,28に掛け回された線材11は、それぞれその長さL1の約1/2ずつ余計に繰出されることになる。即ち、第1及び第2テンションプーリ27,28がその長さL1の約1/4だけ互いに近づくと、第1及び第2テンションプーリ27,28の双方の移動量の和はL1/2となる。そして、第1及び第2転向プーリ46,47により第1及び第2テンションプーリ27,28に線材11がそれぞれ折り返されているので、繰出しプーリ24からの新たな線材11の繰出しが無いとすると、第2転向プーリ47から巻線機10に向かう線材11の量はその倍となる。このため、結果的に、その余計に巻取られる所定の長さL1だけその線材11は、第2転向プーリ47から巻線機側に向かって引っ張られて余計に繰出されるのである。

0041

よって、第1及び第2転向プーリ46,47により第1及び第2テンションプーリ27,28に線材11が折り返されている場合、第1及び第2テンションプーリ27,28の移動量の4倍の長さの線材11を第2転向プーリ47から巻線機側に向かって繰り出すことができる。そして、その第1及び第2テンションプーリ27,28が先端に設けられたテンションアーム31,32は、弾性部材33,34の弾性力に抗して回動し、その先端における第1及び第2テンションプーリ27,28がその長さLの1/4だけ互いに近づくことを許容することになる。

0042

逆に、その巻線機10における線材11の巻取り速度が低下して単位時間に所定の長さL2だけ巻取られる量が減少する場合には、弾性部材33,34の弾性力により、第1及び第2テンションプーリ27,28はその長さL2の約1/4だけ互いに離間する。第1及び第2転向プーリ46,47により第1及び第2テンションプーリ27,28に線材11が折り返されている場合、繰出しプーリ24からの新たな線材11の繰出しが無いとすると、第1及び第2テンションプーリ27,28の移動量の4倍の長さの線材11を第2転向プーリ47から繰出しプーリ24側に引き戻すことができる。このため、その単位時間に所定の長さL2だけ巻取られる量の減少を、第1及び第2テンションプーリ27,28がその長さL2の約1/4だけ互いに離間することにより、巻取りが減少した所定の長さL2を吸収することができる。

0043

このように、本発明では、線材11のテンションの変動を吸収する第1及び第2テンションプーリ27,28の移動量を従来より軽減させることができるので、異径の巻芯10aを比較的高速で回転させて巻線しても、その巻線速度に、第1及び第2テンションプーリ27,28が先端に設けられた一対のテンションアーム31,32の回動を確実に追従させることができる。そして、一対のテンションアーム31,32の回動角度の変化はポテンショメータ13により検出され、繰出し制御手段である図示しないコントローラにフィードバックされる。このようなフィードバックを受けたコントローラは、一対のテンションアーム31,32の回動角度が所定角度に戻るように、繰出し制御モータ26の回転速度を制御し、繰出しプーリ24からの線材11繰出し速度を、巻芯10aへの巻取り速度と均衡させる。これにより、一対のテンションアーム31,32の回動角度は所定角度に復帰し、線材11にかかるテンションを所定の値に戻すことができる。

0044

また、一対のテンションアーム31,32に設けられた第1テンションプーリ27の双方に線材11を掛け回すので、線材11のテンションを一定と考えると、滑車の原理により、その線材11のテンションに抗して一対のテンションアーム31,32を引っ張る力は2倍や4倍必要になり、そのように一対のテンションアーム31,32を引っ張る弾性部材であるコイルスプリング33,34は従来のものより2倍や4倍の弾性力を有するものを用いことになる。けれども、このようなコイルスプリング33,34の弾性力を増加させると、一対のテンションアーム31,32の角加速度を大きくすることになり、テンション変動に伴う一対のテンションアーム31,32の追従を早くすることができる。よって、異径の巻芯10aを比較的高速で回転させて巻線しても、その巻線速度に一対のテンションアーム31,32の回動を確実に追従させることができ、巻線機10に送られる線材11のテンションを常に一定に保つことが可能となる。

0045

また、一対のテンションアーム31,32からの線材11に作用するテンションを変化させたい場合には、雄ねじ41,42に形成された操作リング41a,42aを把持して回転させて移動部材38,39を移動させ、弾性部材であるコイルスプリング33,34の他端における固定位置を調節する。これにより、一対のテンションアーム31,32を所定の回動角度としたときの弾性部材であるコイルスプリング33,34の長さを変化させることができ、弾性部材であるコイルスプリング33,34から一対のテンションアーム31,32に及ぼされる弾性力を調整できるので、線材11に作用するテンションを所望のものにできる。

0046

このように本発明によれば、巻線作業中における線材11の巻取り速度の変動が著しく大きな場合であっても、この速度変動は一対のテンションアーム31,32の先端に設けられた第1及び第2テンションプーリ27,28に分散させて移動させることにより過渡的に吸収されるので、異径の巻芯10aを比較的高速で回転させて巻線しても、その巻線速度に一対のテンションアーム31,32の回動を確実に追従させることができる。それとともに、この第1及び第2テンションプーリ27,28の移動に伴う一対のテンションアーム31,32の回動角度の変化は、線材11を繰出す繰出しプーリ24の回転へとフィードバックされることから、線材11の繰出し速度を巻線速度に追従させることができ、これにより線材11のテンションは所定の値に正確に復帰させられる。したがって、巻線機10に送られる線材11のテンションを常に一定に保つことができる。

0047

なお、上述した実施の形態では、第1及び第2転向プーリ46,47を用い、第1及び第2テンションプーリ27,28においてその線材11を折り返させ、線材11のテンションの変動を吸収する第1及び第2テンションプーリ27,28の移動量、即ち、一対のテンションアーム31,32の回動角度を従来の約1/4とする場合を説明した。けれども、第1及び第2テンションプーリ27,28の移動量を従来の1/2程度に減ずれば足りるようであるならば、この第1及び第2転向プーリ46,47は必ずしも必要としない。第1及び第2転向プーリ46,47を用いない場合を図5に示す。図5におけるテンション装置20では、第1及び第2テンションプーリ27,28において、繰出しプーリ24から巻線機10に向かう線材11をクランク状に折曲がるように転向させている。すると、線材11のテンションの変動を吸収する第1及び第2テンションプーリ27,28の移動量、即ち、一対のテンションアーム31,32の回動角度を従来の1/2とすることができる。

0048

具体的に説明すると、繰出しプーリ24から繰出された線材11が、例えば、巻線機10における線材11の巻取り速度が高まって単位時間に所定の長さL1だけ余計に巻取られる場合には、第1及び第2テンションプーリ27,28がその長さL1の約1/2だけ実線矢印で示すように互いに近づく。すると、第1及び第2テンションプーリ27,28の双方の移動量の和はL1となる。そして、第1及び第2テンションプーリ27,28において、繰出しプーリ24から巻線機10に向かう線材11をクランク状に折曲がるように転向させているので、繰出しプーリ24からの新たな線材11の繰出しが無いとすると、第2テンションプーリ28から直接巻線機10に向かう線材11の量は、第1及び第2テンションプーリ27,28の双方の移動量の和であるL1となる。このため、結果的に、その余計に巻取られる所定の長さL1だけその線材11は、第2テンションプーリ28から直接巻線機10に向かって余計に繰出されることになる。

0049

逆に、繰出しプーリ24から繰出された線材11が、例えば、巻線機10における線材11の巻取り速度が低下して単位時間に所定の長さL2だけ巻取られる量が減少する場合には、第1及び第2テンションプーリ27,28がその長さL2の約1/2だけ破線矢印で示すように互いに遠ざかる。すると、第1及び第2テンションプーリ27,28の双方の移動量の和はL2となる。そして、第1及び第2テンションプーリ27,28において、繰出しプーリ24から巻線機10に向かう線材11をクランク状に折曲がるように転向させているので、繰出しプーリ24からの新たな線材11の繰出しが無いとすると、第2テンションプーリ28から繰出しプーリ24に向かって引き戻される線材11の量は、第1及び第2テンションプーリ27,28の双方の移動量の和であるL2となる。このため、結果的に、巻取られる量の減少である所定の長さL2だけその線材11は、第2テンションプーリ28から繰出される量が減少することになる。即ち、第1及び第2テンションプーリ27,28において、繰出しプーリ24から巻線機10に向かう線材11をクランク状に折曲がるように転向させている場合、第1及び第2テンションプーリ27,28の移動量の2倍の長さの線材11を巻線機10に向かって繰出し又は引き戻すことができるのである。

0050

一方、一対のテンションアーム31,32の回動角度が従来の約1/4でも足りない場合には、第1及び第2テンションプーリ27,28に線材11を複数回掛け回すようにしても良い。第1及び第2テンションプーリ27,28に線材11を2回掛け回す場合を図6に示す。図6におけるテンション装置20では、第1及び第2テンションプーリ27,28において線材11が2回掛け回されているものとし、このように2回掛け回すと、滑車の原理により、線材11が1回掛け回された図4に示す場合の更に倍に減じることができる。ここで、図4では1/4に減じていたので、図6に示す場合では1/8となって、線材11のテンションの変動を吸収する第1及び第2テンションプーリ27,28の移動量、即ち、一対のテンションアーム31,32の回動角度を従来の1/8とすることができる。

0051

また、上述した実施の形態では、一対のテンションアーム31,32の先端に第1及び第2テンションプーリ27,28が枢支される場合を説明したけれども、付勢手段により第1テンションプーリ27と第2テンションプーリ28間の間隔を拡大するように付勢し得る限り、この一対のテンションアーム31,32は必ずしも必要としない。

0052

例えば、このようなテンションアーム31,32に代えて、図7に示すように、第1テンションプーリ27が枢支された第1基台51が長手方向に移動可能な第1レール52と、その第1レール52と同軸に又は平行に設けられ第2テンションプーリ28が枢支された第2基台53が長手方向に移動可能な第2レール54とを備えるようにしても良い。この場合、付勢手段は第1及び第2レール54に対する第1及び第2基台53の位置に応じた弾性力を第1及び第2テンションプーリ28に及ぼす弾性部材33,34であることが好ましく、第1及び第2基台51,53のいずれか一方又は双方の位置を検出する位置検出手段としては、その第1及び第2レール52,54に沿った直線上の位置を検出するリニアポテンショメータ13が用いられることになる。

0053

このように、テンションアーム31,32に代えて、第1及び第2レール52,54を用いたとしてても、巻線作業中における線材11の巻取り速度の変動は、その第1及び第2レール52,54に沿って移動する第1及び第2テンションプーリ27,28に分散させて移動させることにより過渡的に吸収することができる。このため、異径の巻芯10aを比較的高速で回転させて巻線しても、その巻線速度に第1及び第2テンションプーリ27,28の移動を確実に追従させることができる。それとともに、位置検出手段であるリニアポテンショメータ13により検出された第1及び第2基台51,53のいずれか一方又は双方の位置が所定の位置となるように繰出しプーリ24の回転を制御することにより、この第1及び第2テンションプーリ27,28の移動に伴う位置の変化は、線材11を繰出す繰出しプーリ24の回転へとフィードバックされることになる。すると、線材11の繰出し速度を巻線速度に追従させることができ、これにより線材11のテンションは所定の値に正確に復帰させられる。したがって、巻線機10に送られる線材11のテンションを常に一定に保つことができる。

0054

また、上述した実施の形態では、第1テンションプーリ27と第2テンションプーリ28間の間隔を拡大するように付勢する付勢手段である弾性部材がコイルスプリングである場合を例示したけれども、エア圧等の流体圧によりロッド没入又は突出させる方向に付勢するような流体圧シリンダを、その付勢手段である弾性部材として用いても良い。このような流体圧シリンダを弾性部材として用いた場合において、その弾性力を変更したい場合には、そのシリンダにおける圧縮エア等の流体圧力を変更することにより、比較的容易にその弾性力を変更することができる。

0055

また、上述した実施の形態では、繰出しプーリ24の回転を制御して線材11の速度を制御する繰出し速度制御手段が、その繰出しプーリ24を直接的に回転させる繰出し制御モータである場合を説明したけれども、この繰出し速度制御手段は、巻線機10に巻取られる線材11により回転する繰出しプーリ24の回転を制限するブレーキ装置であっても良い。

0056

更に、上述した実施の形態では、断面が円形又は方形を成す被覆銅線から成る線材11と、その被覆銅線から成る線材11を巻回することによりコイルを形成する巻線機10を用いて説明したけれども、図示しないが、線材11は、糸のように長く連続するものである限り、長尺フィルムであっても良い。この長尺のフィルムである線材11を巻取る場合の巻線機10としては、金属が蒸着されたフィルムを巻取って、コンデンサを形成するようなものが挙げられる。

0057

10巻線機
11線材
12 線材供給源
13ポテンショメータ(回動角度検出手段)
20テンション装置
24繰出しプーリ
26繰出し制御モータ(繰出し速度制御手段)
27 第1テンションプーリ
28 第2テンションプーリ
31,32テンションアーム
31b,32b円板ギヤ
33,34コイルスプリング(付勢手段)
46 第1転向プーリ
47 第2転向プーリ
51 第1基台
52 第1レール
53 第2基台
54 第2レール

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