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技術 束線装置及び束線方法

出願人 日特エンジニアリング株式会社
発明者 佐藤隆広酒井勉
出願日 2012年1月16日 (8年5ヶ月経過) 出願番号 2012-005755
公開日 2013年7月25日 (6年11ヶ月経過) 公開番号 2013-144595
状態 特許登録済
技術分野 線材の移送,貯留 線条材料の張力調整
主要キーワード 通過板 湾曲棒 揺動棒 軸方向アクチュエータ 静滑車 制御用線 雌ネジ部材 モータ移動
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年7月25日)のものです。
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図面 (15)

課題

比較的長い同径の線材複数本まとめて束ね束線を得ると共に、そのような束線を連続して行う。

解決手段

本発明の束線装置は、回転手段30により回転して一端が係止された線材11を巻回する複数のリール12と、単一のスプール13から繰出されて複数のリールに別々に巻回された所定の長さの複数本の線材のそれぞれの他端を集めて押さえる線材他端押さえ手段70と、複数のリールと線材他端押さえ手段の間に設けられ複数のリールから複数本の線材を他端側から集められた状態で引出す引出手段50とを備える。線材他端押さえ手段が、第一押さえ手段71と第二押さえ手段72とを備え、回転手段は、リールの外周に接触して回転する接触ローラ31が回転軸に設けられた電動モータ32と、電動モータ32を移動させて接触ローラ31を複数のリールの外周に選択的に接触させるモータ移動手段33とを備える。

概要

背景

従来、電動機のマグネットコイル等の複数の線材束ね束線を形成し、この束線を巻線機へ供給する束線装置として、所定間隔をおいて配置された一対の静滑車と、一対の静滑車の間を移動可能に配置された複数の一対の動滑車と、単一のボビンから供給された一本の線材と、一対の動滑車の一方と一対の静滑車の一方とに交互に掛け渡された線材の先端部を固定する線材固定部と、一対の動滑車の他方と一対の静滑車の他方とに交互に掛け渡される制御用線材と、制御用線材の一方の端部を固定する制御用線材固定部と、制御用線材を供給すると共に制御用線材の他方の端部を巻取り可能な制御用線材供給部とを備えたことを特徴とする束線装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

この束線装置によれば、単一のボビンから供給された一本の線材は、一対の動滑車の一方と一対の静滑車の一方とに交互に掛け渡されることで、これらの動滑車と静滑車との間で複数本とされる。ここで、制御用線材供給部によって、一対の動滑車の他方と一対の静滑車の他方とに交互に掛け渡された制御用線材を巻取ることによって、一対の動滑車の一方と一対の静滑車の一方との間の間隔を大きくすることができる。これに伴い、動滑車と静滑車との間で複数本とされた線材の長さが所望の長さになるまで、単一のボビンから一本の線材を引出すことができる。この場合には、例えば制御用線材の張力を調整するための張力調整器を、一つだけ備えることによって、複数本とされた線材の各張力を同等の値に設定することができ、装置構成が複雑化することを防止しつつ、複数本の線材の張力調整を容易に行うことができるとしている。

概要

比較的長い同径の線材を複数本まとめて束ねて束線を得ると共に、そのような束線を連続して行う。本発明の束線装置は、回転手段30により回転して一端が係止された線材11を巻回する複数のリール12と、単一のスプール13から繰出されて複数のリールに別々に巻回された所定の長さの複数本の線材のそれぞれの他端を集めて押さえる線材他端押さえ手段70と、複数のリールと線材他端押さえ手段の間に設けられ複数のリールから複数本の線材を他端側から集められた状態で引出す引出手段50とを備える。線材他端押さえ手段が、第一押さえ手段71と第二押さえ手段72とを備え、回転手段は、リールの外周に接触して回転する接触ローラ31が回転軸に設けられた電動モータ32と、電動モータ32を移動させて接触ローラ31を複数のリールの外周に選択的に接触させるモータ移動手段33とを備える。

目的

本発明の目的は、設置場所の広さを越えるような比較的長い同径の線材を複数本まとめた束を連続して得る束線装置及び束線方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

回転手段(30)により回転して一端が係止された線材(11)を巻回する複数のリール(12)と、単一のスプール(13)から繰出されて前記複数のリール(12)に別々に巻回された所定の長さの複数本の線材(11)のそれぞれの他端を集めて押さえる線材他端押さえ手段(70)と、前記線材他端押さえ手段(70)に他端側が押さえられた前記複数本の線材(11)を前記複数のリール(12)から集められた状態で引出す引出手段(50)とを備える束線装置

請求項2

線材他端押さえ手段(70)が、線材(11)を解放可能に押さえる第一押さえ手段(71)と、前記第一押さえ手段(71)に隣接して設けられ少なくとも前記第一押さえ手段(71)による線材(11)の解放時に前記線材(11)を押さえる第二押さえ手段(72)とを備える請求項1記載の束線装置。

請求項3

回転手段(30)は、リール(12)の外周に接触して回転する接触ローラ(31)が回転軸に設けられた電動モータ(32)と、前記電動モータ(32)を移動させて前記接触ローラ(31)を複数のリール(12)の外周に選択的に接触させるモータ移動手段(33)とを備える請求項1記載の束線装置。

請求項4

一のリール(12)に所定の長さ巻回された後の線材(11)を切断して,切断により形成される前記線材(11)の一方の端部を前記スプール(13)から繰出される線材(11)の一端として把持するとともに,切断された前記線材(11)の他方の端部を前記一のリール(12)に所定の長さ巻回された線材(11)の他端とする切断把持装置(40)と、前記一のリール(12)に所定の長さ巻回された線材(11)の他端を線材他端押さえ手段(70)に案内する線材他端搬送手段(50)と、前記切断把持装置(40)に把持された線材(11)の一端を前記切断把持装置(40)から移動させて他のリール(12)に係止させる線材一端搬送手段(50)とを更に備える請求項1記載の束線装置。

請求項5

単一のスプール(13)から繰出された所定の長さの線材(11)をリール(12)に巻回させた後に前記線材(11)を切断することを繰り返して複数のリール(12)に所定の長さの線材(11)をそれぞれ巻回させる線材貯線工程と、前記複数のリール(12)に別々に巻回された所定の長さの複数本の線材(11)を束ねて前記複数のリール(12)から引出す引出工程とを有する束線方法

請求項6

線材貯線工程と引出工程の間に複数のリール(12)から引出されたそれぞれの線材(11)を張設する張設工程が含まれる請求項5記載の束線方法。

請求項7

線材貯線工程においてリール(12)に線材(11)が巻回される毎に複数のリール(12)にそれぞれ巻回された線材(11)の他端を集めて押さえ、引出工程において複数本の線材(11)を他端側から集められた状態で前記複数のリール(12)から引出す請求項5記載の束線方法。

請求項8

線材(11)の他端の押さえが、前記線材(11)を解放可能に押さえる第一押さえ手段(71)と、前記第一押さえ手段(71)に隣接して設けられ少なくとも前記第一押さえ手段(71)による前記線材(11)の解放時に前記線材(11)を押さえる第二押さえ手段(72)により行われる請求項7記載の束線装置。

技術分野

0001

本発明は、比較的長い同径の線材複数本まとめて束ね束線装置及び束線方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、電動機のマグネットコイル等の複数の線材を束ねて束線を形成し、この束線を巻線機へ供給する束線装置として、所定間隔をおいて配置された一対の静滑車と、一対の静滑車の間を移動可能に配置された複数の一対の動滑車と、単一のボビンから供給された一本の線材と、一対の動滑車の一方と一対の静滑車の一方とに交互に掛け渡された線材の先端部を固定する線材固定部と、一対の動滑車の他方と一対の静滑車の他方とに交互に掛け渡される制御用線材と、制御用線材の一方の端部を固定する制御用線材固定部と、制御用線材を供給すると共に制御用線材の他方の端部を巻取り可能な制御用線材供給部とを備えたことを特徴とする束線装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

0003

この束線装置によれば、単一のボビンから供給された一本の線材は、一対の動滑車の一方と一対の静滑車の一方とに交互に掛け渡されることで、これらの動滑車と静滑車との間で複数本とされる。ここで、制御用線材供給部によって、一対の動滑車の他方と一対の静滑車の他方とに交互に掛け渡された制御用線材を巻取ることによって、一対の動滑車の一方と一対の静滑車の一方との間の間隔を大きくすることができる。これに伴い、動滑車と静滑車との間で複数本とされた線材の長さが所望の長さになるまで、単一のボビンから一本の線材を引出すことができる。この場合には、例えば制御用線材の張力を調整するための張力調整器を、一つだけ備えることによって、複数本とされた線材の各張力を同等の値に設定することができ、装置構成が複雑化することを防止しつつ、複数本の線材の張力調整を容易に行うことができるとしている。

先行技術

0004

特開2003−12230号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、この束線装置は、一対の動滑車の一方と一対の静滑車の一方との間の間隔を大きくすることにより、複数本とされた線材の長さを所望の長さとする。けれども、その束線装置の設置場所との関係で、一対の動滑車の一方と一対の静滑車の一方との間の広げられる間隔には必然的に限界が生じる。このため、その限界の間隔を越えて一対の動滑車の一方と一対の静滑車の一方との間の間隔を大きくすることはできずに、その限界の間隔を越えた長さの束線を得ることはできない不具合があった。よって、比較的長い線材から成る束線を得るような場合には、比較的大きな束線装置が必要となり、その装置を設置するための比較的広い設置場所を必要とする不具合がある。

0006

また、従来の束線装置では、ボビンから繰出される一本の線材を一対の動滑車の一方と一対の静滑車の一方とに交互に掛け渡すことで、これらの動滑車と静滑車との間で複数本とする。このため、そのボビンから繰出される線材の長さが複数本の線材と成り得る長さに満たない場合には、新たなボビンを準備してこの新たなボビンから複数本の線材と成り得る長さの線材を新たに繰出すことが行われる。すると、複数本の線材と成り得る長さに満たない線材は不要となり、廃棄されることになるけれども、その廃棄される線材の長さが比較的長く成り、無駄が多くなるという問題もあった。

0007

更に、従来の束線装置では、複数の線材を束ねて束線を形成し、この束線をそのまま巻線機へ供給して巻線に供するので、その巻線機における巻線が終了しなければ、次の束線をすることができず、次の束線ができなければ、次の巻線もできないことになる。このため、巻線機にあっては、連続的な巻線が困難になり、束線装置にあっては、連続的な束線が困難になる不具合がある。このため、束線を複数準備して連続的な巻線を可能とすべく、束線のみを連続して行うような束線装置が熱望されていた。

0008

本発明の目的は、設置場所の広さを越えるような比較的長い同径の線材を複数本まとめた束を連続して得る束線装置及び束線方法を提供することにある。

0009

本発明の別の目的は、複数の線材からなる束を、用いられる線材の無駄を比較的少なくした状態で得る束線装置及び束線方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明の束線装置は、回転手段により回転して一端が係止された線材を巻回する複数のリールと、単一のスプールから繰出されて複数のリールに別々に巻回された所定の長さの複数本の線材のそれぞれの他端を集めて押さえる線材他端押さえ手段と、線材他端押さえ手段に他端側が押さえられた複数本の線材を複数のリールから集められた状態で引出す引出手段とを備える。

0011

この場合、線材他端押さえ手段は、線材を解放可能に押さえる第一押さえ手段と、第一押さえ手段に隣接して設けられ少なくとも第一押さえ手段による線材の解放時に線材を押さえる第二押さえ手段とを備えることが好ましく、回転手段は、リールの外周に接触して回転する接触ローラ回転軸に設けられた電動モータと、電動モータを移動させて接触ローラを複数のリールの外周に選択的に接触させるモータ移動手段とを備えることが好ましい。

0012

また、一のリールに所定の長さ巻回された後の線材を切断して,切断により形成される線材の一方の端部をスプールから繰出される線材の一端として把持するとともに,切断された線材の他方の端部を一のリールに所定の長さ巻回された線材の他端とする切断把持装置と、一のリールに所定の長さ巻回された線材の他端を線材他端押さえ手段に案内する線材他端搬送手段と、切断把持装置に把持された線材の一端を切断把持装置から移動させて他のリールに係止させる線材一端搬送手段とを更に備えることもできる。

0013

一方、本発明の束線方法は、単一のスプールから繰出された所定の長さの線材をリールに巻回させた後に線材を切断することを繰り返して複数のリールに所定の長さの線材をそれぞれ巻回させる線材貯線工程と、複数のリールに別々に巻回された所定の長さの複数本の線材を束ねて複数のリールから引出す引出工程とを有する。

0014

この場合、線材貯線工程においてリールに線材が巻回される毎に複数のリールにそれぞれ巻回された線材の他端を集めて押さえ、引出工程において複数本の線材を他端側から集められた状態で複数のリールから引出すことが好ましい。また、線材貯線工程と引出工程の間に複数のリールから引出されたそれぞれの線材を張設する張設工程を含ませることが好ましく、線材の他端の押さえが、線材を解放可能に押さえる第一押さえ手段と、第一押さえ手段に隣接して設けられ少なくとも第一押さえ手段による線材の解放時に線材を押さえる第二押さえ手段により行われることが好ましい。

発明の効果

0015

本発明の束線装置及び束線方法では、線材をリールに巻回させ、そのリールに巻回された線材の長さに相当する長さの線材の束を得るので、その束線装置のために比較的広い設置場所は必要としない。そして、線材がそのリールに巻回可能の長さである限り、束線装置の設置場所の広さを越えた比較的長い線材の束を得ることができる。

0016

また、本発明の束線装置及び束線方法では、単一のスプールから線材を繰出すけれども、その線材はリールに所定の長さ巻回させた後に切断されるので、スプールから繰出される線材の長さが、その所定の長さに満たない場合にだけ、その線材は使用不能となる。よって、複数本の線材と成り得る長さに満たない線材を使用不能とする従来に比較して、本発明では、用いられる線材の無駄をその従来のものと比較して少なくすることができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明実施形態における束線装置の搬送手段を除く斜視図である。
その束線装置により線材を最初のリールに巻回する上面図である。
その束線装置により線材を最後のリールに巻回する図2に対応する上面図である。
その束線装置の複数のリールから線材を引出して線材の束を得る図2に対応する上面図である。
図2のA−A線拡大図である。
その回転手段を示す拡大図である。
図3のB−B線拡大図である。
図4のC−C線拡大図である。
図8のD−D線拡大図である。
その線材他端押さえ手段を示す斜視図である。
図8のG−G線拡大図である。
その線材他端押さえ手段に線材の他端が案内された状態を示す斜視図である。
その線材他端押さえ手段の第一押さえ手段によりその線材の他端が押さえられた状態を示す図12に対応する斜視図である。
その線材他端押さえ手段の第二押さえ手段によりその線材の他端が更に押さえられた状態を示す図12に対応する斜視図である。

実施例

0018

次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。

0019

図1図14に、本発明の束線装置10を示す。この束線装置10は、比較的長い同径の線材11を複数本まとめて束ねる装置10であって、線材11を巻回する複数のリール12を備える(図1図6)。なお、各図にあっては、互いに直交するX、Y及びZの3軸を設定し、Y軸が複数のリール12の軸方向である略水平前後方向を示し、X軸がそれら複数のリール12に巻取られ又は引出される線材11が延びる方向である略水平横方向、Z軸が鉛直方向に延びるものとし、この束線装置10の構成について説明する。

0020

図1図5に示すように、この束線装置10には、複数の脚部10a(図5)を有する基台10bを備え、この基台10bのX軸方向の一端であって、Y軸方向の中央部分に線材11が巻回されたスプール13が載置され、このスプール13が線材11の供給源となる。この実施の形態における線材11は電動機等の巻線に使用される被覆銅線であって、断面が円形を成すいわゆる丸線が用いられる。けれども、この線材11は断面が方形を成すいわゆる角線であっても良い。そして、スプール13の近傍の基台10bには支持棒14が立設され、そのスプール13の上方であってその支持棒14の上部に、スプール13から解きほぐされて繰出される線材11に所定の張力を加えるテンション装置16が取付けられる。

0021

図5に示すように、このテンション装置16は、支持棒14に取付けられた支持板17と、その支持板17に設けられてスプール13から繰出された線材11を通過させる通過板17aと、その通過板17aを通過した線材11を転向させる転向プーリ18aと、その転向プーリ18aにより転向した線材11を繰り回す一対の繰り回しプーリ18b,18cと、その一対の繰り回しプーリ18b,18cを通過した線材11を旋回させる可動プーリ18dとを備える。支持板17には湾曲棒19の基端が固定され、その湾曲棒19の先端に可動プーリ18dが取付けられる。この可動プーリ18dを旋回した線材11はX軸方向の他端側に向かうように構成され、可動プーリ18dは湾曲棒19によりX軸方向の一端側に向かうように付勢される。湾曲棒19は、その可動プーリ18dを付勢することにより線材11が弛むようなことを防止するように構成される。

0022

図1図5に示すように、基台10bのX軸方向の他端側には第一テーブル21が設けられ、その第一テーブル21の天板21aにはY軸方向に延びる一対のレール22,22がX軸方向に離間して設けられる。その一対のレール22,22には、可動台23が移動可能に搭載される。図5に詳しく示すように、可動台23は、一対のレール22,22上を移動可能に構成された直線運動ブロック23aと、レール22,22を跨いでそのそのブロック23aにネジ止めされた台座23bとを有する。この直線運動ブロック23aはレール22,22と対に販売される市販のものであって、この直線運動ブロック23aを用いることにより、可動台23がレール22,22上を移動する抵抗を軽減するものである。

0023

図1図5に戻って、一対のレール22,22の間には搬送ネジ軸24が設けられる。一対のレール22,22に長手方向に移動可能に設けられた可動台23には搬送ネジ軸24に螺合する搬送雌ネジ部材25(図5)が固定される。搬送ネジ軸24は、サーボモータ26により回転可能に構成される。そして、そのモータ26が駆動して搬送ネジ軸24が回転すると、それに螺合する搬送雌ネジ部材25が可動台23と共に一対のレール22,22に沿ってその長手方向であるY軸方向に移動するように構成される。

0024

可動台23には、そのY軸方向の両端部に支持壁27,27がそれぞれ立設され、この一対の支持壁27,27にY軸方向に延びて架設された支持軸28(図5)に複数のリール12が互いに密着してその同軸となる回転軸をY軸方向にして回転可能に支持される。この実施の形態では一対の支持壁27,27にZ軸方向に所定の間隔を空けて二本の支持軸28,28が架設され、これら二本の支持軸28,28に複数のリール12がそれぞれ枢支される。このように枢支されたリール12を回転させる回転手段30が、これらのリール12に隣接して設けられる。

0025

図2図6に示すように、この実施の形態では、複数のリール12にX軸方向の他端側から並ぶ支持台29,29が、支持脚29aを介してZ軸方向の上下に並んで可動台23に設けられ、これらの支持台29,29にリール12を回転させる回転手段30がそれぞれ設けられる。この実施の形態における回転手段30は、リール12の外周に接触して回転する接触ローラ31が回転軸に設けられた電動モータ32(図2図4)と、その電動モータ32を移動させて接触ローラ31を複数のリール12の外周に選択的に対向させるモータ移動手段33とを備える。

0026

モータ移動手段33は、電動モータ32(図2図4)が取付けられた取付台34をY軸方向に移動させるY軸方向アクチュエータ35と、その取付台34をX軸方向に移動させるシリンダ36とを備える。Y軸方向アクチュエータ35は、支持台29,29にY軸方向に伸びて固定されたハウジング35aと、サーボモータ35bよって回転駆動されるボールネジ35cと、このボールネジ35cに螺合して平行移動する従動子35dによって構成され、その従動子35dに取付台34がシリンダ36(図6)を介して取付けられる。そして、図6に詳しく示すように、従動子35dと取付台34の間に介装されたシリンダ36は、圧縮エアの供給又は排出により取付台34を従動子35dに対してX軸方向に往復移動させるものであって、従動子35dに取付けられた本体36aと、その本体36aに対してX軸方向に移動するスライダ36bとを有し、そのスライダ36bに取付台34が固定される。このようなシリンダ36とY軸方向アクチュエータ35を有するモータ移動手段33は、このY軸方向アクチュエータ35が取付台34を介して電動モータ32をY軸方向に移動させて、その電動モータ32の回転軸に設けられた接触ローラ31を一のリール12の外周に対向させ、その状態でシリンダ36が取付台34をその一のリール12に向けて一点鎖線矢印で示すように移動させることにより、その接触ローラ31をその一のリール12の外周に選択的に接触可能に構成される。

0027

一方、リール12は、線材11がその外周に巻回される巻胴部12aと、その巻胴部12aを厚さ方向の両側から挟む一対の円板12bとを有し、巻胴部12aには線材11の一端が進入することにより、その一端を係止する係止溝12cが形成される。この係止溝12cは巻胴部12aの外周から中央に向かって形成されるものが例示され、この実施の形態では、4つの係止溝12cがその巻胴部12aに回転中心において90度毎に形成されるものを例示する。そして、図6破線矢印で示すように、後述する搬送手段50(図2図4)の把持片53により把持された線材11の一端がこの係止溝12cに挿入されて、拡大図に示すように、略90度折曲げられることにより、この係止溝12cに線材11の一端を係止するように構成される。なお、この係止溝12cの数は4つに限られず、線材11の一端を係止可能である限り、1個であっても、2個であっても、3個であっても良い。そして、電動モータ32が取付けられた取付台34には、この係止溝12cの位置を検出する位置センサ37が取付けられ、そのセンサ37は電動モータ32とともに移動して、リール12に離接可能に構成される。

0028

支持台29には、リール12の自由な回転を防止する惰性回転防止装置38が設けられる。この惰性回転防止装置38は、支持台29に一端が枢支された揺動棒38bと、揺動棒38bの先端に設けられてリール12における円板12bの外周に接触してリール12の自由な回転の抵抗となる接触子38aと、揺動棒38bの先端と支持台29の間に介装されて接触子38aを円板12bの外周に押し付けるように付勢するスプリング38cとを備える。そして、回転手段30にあっては、リール12における円板12bの外周に接触ローラ31を接触させた状態で電動モータ32が駆動すると、その回転軸とともに接触ローラ31が回転して、慣性回転防止装置38によるリール12の回転抵抗に抗して、回転する接触ローラ31が接触するリール12を回転させるように構成される。

0029

図1図5に示すように、複数のリール12が設けられた第一テーブル21とスプール13の間、即ち、基台10bの中央部分には、スプール13からテンション装置16を介して繰出されてリール12に巻回される線材11を切断して、その切断箇所からスプール13側の線材11を把持する切断把持装置40が設けられる。この切断把持装置40は、テンション装置16から繰出される線材11をS字状に引回す一対の引回しプーリ41a,41bと、その引回しプーリ41a,41bから複数のリール12側に所定の間隔を空けて離れ、その引回しプーリ41a,41bを通過した線材11を水平にした後にリール12に案内するリール側プーリ42と、その線材11の水平にされた箇所を切断するニッパ装置43と、そのニッパ装置43により切断され、その切断箇所から引回しプーリ41a,41b側の線材11を把持するクランプ装置44とを備える。

0030

一対の引回しプーリ41a,41bとリール側プーリ42は、基台10bに立設された脚部材41c,42aの上部にそれぞれ取付けられ、X軸方向に所定の間隔を空けて並ぶこの脚部材41c,42aには取付板46が架設される。そして、ニッパ装置43とクランプ装置44はその取付板46にシリンダ47を介してZ軸方向に昇降可能に取付けられる。具体的に、ニッパ装置43とクランプ装置44はX軸方向に所定の間隔を空けて補助板48に取付けられ、その補助板48が取付板46にシリンダ47を介して取付けられる。シリンダ47は、圧縮エアの供給の有無によりその補助板48を昇降可能に構成され、その補助板48が上昇した状態で、一対の引回しプーリ41a,41bとリール側プーリ42との間でX軸方向に水平に延びる線材11を、ニッパ装置43が切断しかつクランプ装置44が把持可能に構成される。一方、その補助板48が図5の一点鎖線矢印で示すように下降すると、一対の引回しプーリ41a,41bとリール側プーリ42との間でX軸方向に水平に延びる線材11からニッパ装置43とクランプ装置44が離間するように構成される。

0031

図2図4に示すように、本発明の束線装置10は、切断把持装置40に把持された線材11の一端を切断把持装置40から移動させてリール12に係止させる線材一端搬送手段50を備える。この実施の形態における搬送手段50は、基台10bに固定された本体部51と、その本体部51にX軸方向の両側から設けられて予め設定された軌跡で移動する二本の自在アーム52とを有するいわゆる工業用ロボットであって、切断把持装置40からY軸方向にずれた基台10b中央のY軸方向における一端に本体部51が設けられる。その搬送手段50における自在アーム52の先端には線材11を把持可能な一対の把持片53,53が設けられる。そして、その一対の把持片53,53がニッパ装置43とクランプ装置44との間の水平な線材11を把持した後、自在アーム52が予め設定された軌跡で移動し、その線材11の一端を複数のリール12の内の一つのリール12に案内し、図6の破線矢印で示すように、そのリール12に設けられた係止溝12cにその線材11の一端を挿入することにより、この搬送手段50はその線材11の一端をそのリール12に係止させるように構成される。

0032

図1図4図7及び図8に示すように、本発明の束線装置10は、複数のリール12に一端側からそれぞれ巻回された複数本の線材11をそれらの他端側から集められた状態で引出す引出手段を備える。ここで、切断把持装置40からY軸方向にずれた基台10bのY軸方向における他端に第二テーブル61が設けられ、この第二テーブル61の複数のリール12側の端部に二本の支柱62b,62cがY軸方向に所定の間隔をあけて立設される。なお、引出し手段にあっては後述する。

0033

第一支柱62b及び切断把持装置40より遠い側における第二支柱62cには台板63が取付部材64を介して取付けられる。台板63は第二テーブル61の天面と平行に設けられ(図8)、その台板63の複数のリール12側に一対の取付部材64がY軸方向に所定の間隔を空けて立設される。取付部材64の上部にはY軸方向に延びる取付管64aが架設され、第一支柱62b及び第二支柱62cにはその取付管64aの両端に挿入される挿入部材65がそれぞれ設けられる。また、複数のリール12から離れた台板63の端部は、その台板63を水平に維持させる取付片77に取付けられ、この取付片77が第二テーブル61に立設された支持片78に設けられる(図8)。

0034

図7に示すように、台板63には、単一のスプール13から繰出された複数本の線材11のそれぞれの他端を集めて押さえる線材他端押さえ手段70が設けられる。この線材他端押さえ手段70は、X軸方向に所定の間隔をあけて台板63に一対設けられる。これらは同一構造であるので、スプール13から離れた下流側の線材他端押さえ手段70を代表して説明すると、図10及び図11に詳しく示すように、この線材他端押さえ手段70は、線材11を解放可能に押さえる第一押さえ手段71と、その第一押さえ手段71に隣接して設けられ少なくとも第一押さえ手段71による線材11の解放時に線材11を押さえる第二押さえ手段72とを備える。両者は同一構造であって、スプール13に近い上流側の線材他端押さえ手段70を通過した線材11が載置される載置台71a,72aと、その線材11をY軸方向の両側から挟むようにその載置台71a,72aに立設されてその線材11のY軸方向の移動を制限する複数対のピン71b,72bと、そのピン71b,72bの間に挿通された線材11を上方から押さえる押さえ部材71c,72cと、その押さえ部材71c,72cをY軸方向に移動させるY軸方向シリンダ71d,72dとそのY軸方向シリンダ71d,72dと共に押さえ部材71c,72cをZ軸方向に昇降させる昇降用シリンダ71e,72eとを備える。

0035

Y軸方向シリンダ71d,72dは圧縮エアの供給の有無によりロッド71f,72fをY軸方向に向けて出没させるエアシリンダであって、そのロッド71f,72fの先端に押さえ部材71c,72cが取付板71h,72hを介して取付けられる。一方、昇降用シリンダ71e,72eは圧縮エアの供給の有無によりロッド71g,72gをZ軸方向上方に向けて出没させるエアシリンダであって、そのロッド71g,72gの上端にY軸方向シリンダ71d,72dが取付部材71j,72jを介して取付けられる。

0036

このような構成の第一及び第二押さえ手段71,72は、Y軸方向シリンダ71d,72dにより押さえ部材71c,72cをY軸方向に移動してピン71b,72bの間からずらし、その状態で昇降用シリンダ71e,72eによりそのY軸方向シリンダ71d,72dと共に押さえ部材71c,72cを上昇させた後、Y軸方向シリンダ71d,72dにより押さえ部材71c,72cを再びピン71b,72bの間になるように戻し、その後昇降用シリンダ71e,72eによりその押さえ部材71c,72cを再び下降させることにより、図11実線矢印で示すように、押さえ部材71c,72cを略方形状に移動させることが可能に構成される。このように押さえ部材71c,72cが移動することにより複数対のピン71b,72bの間に案内されて載置台71a,72aに載置された線材11を押さえ部材71c,72cにより押さえることが可能になる。このため、図12図14に示すように、この線材11の押さえ動作を第一及び第二押さえ手段71,72において交互にすれば、一方の押さえ手段の線材11解放時に他方の押さえ手段において、その線材11を確実に押さえることが可能になる。

0037

下流側の線材他端押さえ手段70における第一及び第二押さえ手段71,72は、移動台73の上にX軸方向に並んで設けられ、この第一及び第二押さえ手段71,72を移動台73とともにY軸方向に移動させるシリンダ74が台板63に設けられる。このシリンダ74は圧縮エアの供給の有無により移動台73をY軸方向に移動させるエアシリンダであって、図3に示すように、上流側の線材他端押さえ手段70を通過した線材11が載置台71a,72aに載置される第一位置と、図4に示すように、その載置台71a,72aが上流側の線材他端押さえ手段70のX軸方向に一致せずにY軸方向に離間する第二位置との間に、その移動台73を下流側の線材他端押さえ手段70とともに往復移動可能に構成される。

0038

また、上流側の線材他端押さえ手段70と下流側の線材他端押さえ手段70の間の台板63には、既存のテーピング装置66がシリンダ67を介して設けられる。シリンダ67は圧縮エアの供給の有無によりそのテーピング装置66をY軸方向に移動させるエアシリンダであって、図4及び図8に示すように、挿入溝66aに複数の線材11が挿通する第一位置と、図2図3及び図7に示すように、複数の線材11が挿入溝66aから離脱する第二位置との間にそのテーピング装置66を往復移動可能に構成される。

0039

また、この束線装置10は、切断把持装置40により一のリール12に所定の長さ巻回された後の線材11を切断したとき、切断された線材11の端部であって、一のリール12に所定の長さ巻回された線材11の他端を線材他端押さえ手段70にまで案内する線材他端搬送手段を備える。この線材他端搬送手段は前述した線材一端搬送手段50であるいわゆる工業用ロボットが兼用し、その搬送手段50における自在アーム52の先端における一対の把持片53,53が、ニッパ装置43とリール12の間の線材11であってそのニッパ装置43側における端部を把持し、自在アーム52が予め定められた軌跡に従って移動して、そのニッパ装置43が切断したリール12側線材11の他端を線材他端搬送手段を介して線材他端押さえ手段70にまで案内するように構成される。

0040

次に、上記束線装置10を用いた本発明の束線方法について説明する。この束線装置10における動作は、束線装置10に搭載された図示しないコントローラによって自動制御されるものとする。本発明の束線方法は、単一のスプール13から繰出された所定の長さの線材11をリール12に巻回させた後にその線材11を切断することを繰り返して複数のリール12に所定の長さの線材11をそれぞれ巻回させる線材貯線工程と、複数のリール12に別々に巻回された所定の長さの複数本の線材11を束ねて複数のリール12から引出す引出工程とを有する。そして、この実施の形態では、線材貯線工程と引出工程の間に複数のリール12から引出されたそれぞれの線材11を張設する張設工程が含まれるものとする。以下に各工程を詳説する。

0041

線材貯線工程にあっては、単一のスプール13から繰出された所定の長さの線材11をリール12に巻回させた後にその線材11を切断することを繰り返す。このため、図5に示すように、この貯線工程を始める前の準備として、線材11が巻回されたスプール13を用意し、そのスプール13を基台10bに載置する。そして、そこから解きほぐされた線材11をテンション装置16を介して切断把持装置40におけるクランプ装置44にその端部を把持させる。そして、モータ26を駆動して搬送ネジ軸24を回転させ、複数のリール12が設けられた可動台23をY軸方向に移動して、図2に示すように、そのY軸方向の端部に位置するリール12、即ち、搬送手段50から最も遠い一のリール12をクランプ装置44のX軸方向に位置させる。それとともに、回転手段30におけるモータ移動手段33により、取付台34を介して電動モータ32をY軸方向に移動させて、その電動モータ32の回転軸に設けられた接触ローラ31をその一のリール12の外周に対向させる。

0042

その後、回転手段30の図6に示すシリンダ36が取付台34をその一のリール12に向けて一点鎖線矢印で示すように移動させ、これにより、その接触ローラ31をその一のリール12の外周に接触させる。そして、電動モータ32を駆動して接触ローラ31が接触するリール12を回転させ、リール12に形成された係止溝12cを所定の位置、この実施の形態では、図6に示すように、その係止溝12cがロボット側に向いて斜め上方に位置した状態でその回転を停止させる。この係止溝12cの位置は、センサ37により検出する。この状態から線材貯線工程が開始される。

0043

この線材貯線工程では、先ず、線材一端搬送手段50の一対の把持片53,53によりニッパ装置43とクランプ装置44との間の水平な線材11を把持する。その後、クランプ装置44による線材の把持を解消して、図5の一点鎖線矢印で示すように補助板48を下降させ、その線材11からニッパ装置43とクランプ装置44を離間させる。そして、自在アーム52を移動して、一対の把持片53,53により把持された線材の一端を引回してその線材11をリール側プーリ42に掛け回し、その後その線材11の一端をクランプ装置44のX軸方向に位置する一つのリール12に案内する。この実施の形態では、上側のリール12に最初に案内されるものとする。そして、図6の破線矢印で示すように、そのリール12に設けられた係止溝12cにその線材11の一端を挿入して、その線材11の一端をそのリール12に係止させる。

0044

その後、搬送手段50の一対の把持片53,53による線材の一端における把持を解消して、電動モータ32を駆動して接触ローラ31が接触するリール12を回転させ、単一のスプール13から繰出された所定の長さの線材11をリール12に巻回させる。線材11の所定の長さはリール12の回転数により測定する。そして、所定の回数リール12を回転させて、所定の長さの線材11がリール12に巻回されたならば、そのリール12の回転を停止する。

0045

その後、図5に示すように、下降していた補助板48を実線矢印で示すように上昇させ、一対の引回しプーリ41a,41bとリール側プーリ42との間でX軸方向に水平に延びる線材11をクランプ装置44により再び把持すると共に、リール側プーリ42とリール12との間にある線材11であって、そのリール側プーリ42近傍の線材11を搬送手段50の一対の把持片53,53により把持させる。この状態で、クランプ装置44とリール側プーリ42との間にある線材11をニッパ装置43により切断する。この切断によりその切断箇所において線材11の端部が形成されるけれども、クランプ装置44は,その切断により形成される線材11の一方の端部をスプール13から繰出される線材11の一端として把持するとともに,切断された線材11の他方の端部であって搬送手段50の一対の把持片53,53により把持された端部を一のリール12に所定の長さ巻回された線材11の他端とする。

0046

その後、線材他端搬送手段50は、その一のリール12に所定の長さ巻回されて一対の把持片53,53により把持された線材11の他端を上流側の線材他端押さえ手段70を介して下流側の線材他端押さえ手段70にまで案内する。このとき、テーピング装置66を支持するシリンダ67は、そのテーピング装置66を第二位置とし、線材他端搬送手段を兼ねる搬送手段50が案内する線材11からテーピング装置66を離間させておく(図3)。

0047

先ず、線材他端搬送手段50は、上述したように上流側の線材他端押さえ手段70に案内し、その上流側の線材他端押さえ手段70を通過した線材11の他端を更に下流側の線材他端押さえ手段70にまで案内する。ここで、図3に示すように、下流側の線材他端押さえ手段70は、シリンダ74により、上流側の線材他端押さえ手段70を通過した線材11が載置台71a,72aに載置される第一位置とされる。そして、上流側の線材他端押さえ手段70と下流側の線材他端押さえ手段70により線材11の他端を押さえることになるけれども、この上流側及び下流側の線材他端押さえ手段70における線材押さえ動作は同一であるので、下流側の線材他端押さえ手段70における線材押さえ動作を代表して以下に説明する。

0048

すると、図12に示すように、搬送手段50は、一対の把持片53,53により把持して案内した線材11を、複数対のピン71b,72bの間の載置台71a,72aの上に載置する。そして、リール12に近い線材他端押さえ手段70における第一押さえ手段71が最初に駆動して、図13の実線矢印で示すように、押さえ部材71cを略方形状に移動させ、これにより複数対のピン71b,71bの間に案内されて載置台71aに載置された線材11をその押さえ部材71cにより押さえる。その後、線材他端押さえ手段70における第二押さえ手段72が次に駆動して、図14の実線矢印で示すように、押さえ部材72cを略方形状に移動させ、これにより複数対のピン72b,72bの間に案内されて載置台72aに載置された線材11をその押さえ部材72cにより押さえる。

0049

このようにして、単一のスプール13から繰出された所定の長さの線材11を最初の一のリール12に巻回させた後に線材11を切断し、そのリール12に巻回された線材11の他端を一対の線材他端押さえ手段70により押さえることになる。けれども、その順序は、先に上流側の線材他端押さえ手段70により押さえ、その後下流側の線材他端押さえ手段70により押さえさせる。即ち、その上流側の線材他端押さえ手段70における載置台72aに載置され押さえ部材72cにより押さえられた線材11はその長手方向に移動可能であるので、上流側の線材他端押さえ手段70により線材11を押さえた後、搬送手段50は、一対の把持片53,53により把持して上流側の線材他端押さえ手段70にまで案内した線材11を、上流側の線材他端押さえ手段70から引き出しつつ更に下流側の線材他端押さえ手段70にまで案内し、その下流側の線材他端押さえ手段70によって再び押さえることになる。

0050

次に、最初に線材11が巻回されたリール12の下側におけるリール12に所定の長さの線材11を巻回させる。具体的には、搬送手段50の一対の把持片53,53によりニッパ装置43とクランプ装置44との間の水平な線材11を把持し、その下側のリール12に設けられた係止溝12cにその線材11の一端を挿入して、その線材11の一端をそのリール12に係止させる。その後のこの下側のリール12への線材11の巻回動作は上側のリール12と同一であり、線材他端搬送手段50により、この下側リール12に所定の長さが巻回された線材11の他端を、上側のリール12に巻回された線材11と同様の手順により、一対の線材他端押さえ手段70にまで案内し、その下側のリール12に巻回された線材11の他端をその一対の線材他端押さえ手段70によって押さえる。

0051

次に、上側における最初の一のリール12に隣接する次のリール12に所定の長さの線材11を巻回させる。即ち、複数のリール12が設けられた可動台23を再びY軸方向に移動して、最初の一のリール12に隣接する次のリール12をクランプ装置44のX軸方向に位置させる。それとともに、電動モータ32の回転軸に設けられた接触ローラ31をその次のリール12の外周に対向させ、シリンダ36によりその接触ローラ31をその次のリール12の外周に接触させる。そして、その次のリール12を回転させ、その次のリール12に形成された係止溝12cを所定の位置で停止させる。

0052

次に、搬送手段50の一対の把持片53,53によりニッパ装置43とクランプ装置44との間の水平な線材11を把持し、その次のリール12に設けられた係止溝12cにその線材11の一端を挿入して、その線材11の一端をその次のリール12に係止させる。その後の、この次のリール12への線材11の巻回動作は最初の一のリール12と同一であり、線材他端搬送手段50により、この次のリール12に所定の長さが巻回された線材11の他端を、先の一のリール12に巻回された線材11と同様の手順により一対の線材他端押さえ手段70にまで案内し、その次のリール12に巻回された線材11の他端をその一対の線材他端押さえ手段70によって押さえる。

0053

このような動作を繰り返して、Z軸方向の上下に所定の間隔を空けて設けられた二本の支持軸28,28にそれぞれ枢支された複数のリール12に、交互に所定の長さの線材11を巻回させる。なお、この実施の形態では、上側にあるリール12から最初に線材11を巻回させたけれども、下側のリール12から最初に線材11を巻回させてもよい。

0054

ここで、図12に示すように、各リール12に所定の長さの線材11を巻回させる毎に、線材他端搬送手段50は、各リール12に巻回された線材11の他端を一対の線材他端押さえ手段70にまで案内する。そして、これら一対の線材他端押さえ手段70にあっては、リール12に近いそれぞれの線材他端押さえ手段70における第一押さえ手段71が最初に駆動して、図13の実線矢印で示すように、押さえ部材71cを略方形状に移動させ、これにより複数対のピン71b,71bの間に案内されて載置台71aに載置された線材11をその押さえ部材71cにより押さえる。その後、それぞれの線材他端押さえ手段70における第二押さえ手段72が次に駆動して、図14の実線矢印で示すように、押さえ部材72cを略方形状に移動させ、これにより複数対のピン72b,72bの間に案内されて載置台72aに載置された線材11をその押さえ部材72cにより押さえる。

0055

このようにして、線材貯線工程においてリール12に線材11が巻回される毎に、複数のリール12にそれぞれ巻回された線材11の他端を集めて押さえる。そして、この線材11の他端の押さえが、線材11を解放可能に押さえる第一押さえ手段71と、第一押さえ手段71に隣接して設けられ少なくとも第一押さえ手段71による線材11の解放時に線材11を押さえる第二押さえ手段72により行われることにより、この線材他端押さえ手段70による線材11の他端の押さえが一時的に解消されるようなことは防止され、複数のリール12にそれぞれ巻回された線材11の他端を確実に集めて押さえることができる。

0056

上述したように、単一のスプール13から繰出された所定の長さの線材11をリール12に巻回させた後に線材11を切断することを繰り返して、必要な数の複数のリール12に所定の長さの線材11をそれぞれ巻回し、複数のリール12にそれぞれ巻回された線材11の他端の全てが一対の線材他端押さえ手段70により集めて押さえられた段階で、この線材貯線工程は終了することになる。そして、図3に示すように、線材貯線工程の終了時に、複数のリール12が設けられた可動台23は、複数のリール12のY軸方向における中央附近がそのX軸方向に存在する一対の線材他端押さえ手段70に対向するような位置にまで移動することになる。

0057

次の張設工程では、複数のリール12から引出されて上流側の線材他端押さえ手段70を通過するそれぞれの線材11を張設する。この張設工程では、先ず、下流側の線材他端押さえ手段70におけるY軸方向シリンダ71d,72dにより、その押さえ部材71c,72cをY軸方向に移動してずらし、ピン71b,72bの間にあって押さえ部材71c,72cにより押さえられていた複数の線材11の上方を解放する(図10)。そして、図7の破線で示すように、上流側の線材他端押さえ手段70から突出する複数の線材11の端部を搬送手段50により上方に折曲げて上流側の線材他端押さえ手段70にその複数の線材11を係止させ、その複数の線材11がリール12側に移動するようなことを防止する。そして、回転手段30により、その線材11を巻取る方向に複数のリール12を順次回転させて、複数のリール12から引出されて上流側の線材他端押さえ手段70を通過するそれぞれの線材11を順次張設する。

0058

このように、上流側の線材他端押さえ手段70を通過するそれぞれの線材11を張設することにより、次の引出し工程において、複数の線材11の内の一部の線材11が撓んでしまうような事態を回避することができる。なお、この張設工程において、下流側の線材他端押さえ手段70におけるシリンダ74は、図4に示すように、その下流側の線材他端押さえ手段70が複数の線材11からY軸方向に離間する第二位置に移動させるものとする。

0059

次の引出し工程では、複数のリール12に別々に巻回された所定の長さの複数本の線材11を他端側から集められて束ねられた状態でそれら複数のリール12から引出す。この複数の線材11の具体的な引出しは、引出手段50により行われ、この実施の形態における引出手段50は前述した線材一端搬送手段50及び線材他端搬送手段50であるいわゆる工業用ロボットが兼用する場合を示す。即ち、その搬送手段50及び引出し手段であるロボット50の一方の自在アーム52の先端における一対の把持片53,53が、上方に折曲げられて上流側の線材他端押さえ手段70に係止する複数の線材11の全てを同時に把持し、自在アーム52が予め定められた軌跡に従って移動して、その複数の線材11の全てを同時にリール12から遠ざかる方向に移動させることにより行われる。これにより複数のリール12に別々に巻回された所定の長さの複数本の線材11は、その上流側の線材他端押さえ手段70において集められた状態で、それら複数のリール12から引出される。

0060

一方、複数の線材11を引出した一方の自在アーム52が上流側の線材他端押さえ手段70から所定の距離離間した後には、一旦一方の自在アーム52の移動を止めて、図8の一点鎖線で示すように他方の自在アーム52の先端における一対の把持片53,53が、上流側の線材他端押さえ手段70の近傍における複数の線材11の全てを把持する。そして、一方の自在アーム52の先端における一対の把持片53,53による線材11の把持を解消して、その先端における一対の把持片53,53を、一点鎖線矢印で示すように他方の自在アーム52における一対の把持片53,53が把持する複数の線材11の近傍に近づける。そして、その複数の線材11の全てを一方の自在アーム52の先端における一対の把持片53,53により再び把持させる。そして他方の自在アーム52における一対の把持片53,53における複数の線材11の把持を実線で示すように解消し、一方の自在アーム52の先端における一対の把持片53,53を実線矢印で示すように再び上流側の線材他端押さえ手段70から離間する方向に移動させる。このような動作を繰り返すことにより、複数の線材11を間欠的に引出すことができる。

0061

この複数の線材11の引出しにあっては、上流側の線材他端押さえ手段70の昇降用シリンダ71e,72eによりそのY軸方向シリンダ71d,72dと共に押さえ部材71c,72cをピン71b,72bの間に位置させた状態で上昇させ、その押さえ部材71c,72cによる線材の押さえを解消させておくことが好ましい。すると、押さえ部材71c,72cはピン71b,72bの間に位置するので、複数の線材11はピン71b,72bの間から外れることはなく、その複数の線材11を抵抗無く引出すことができるようになる。

0062

また、この引出し工程では、線材11が複数のプーリ12から間欠的に繰出されることになるけれども、図6に示す惰性回転防止装置38における接触子38aがスプリング38cの付勢力によりリール12における円板12bの外周に接触してリール12の自由な回転の抵抗となるので、線材11の繰出しが停止しているときに、このリール12が惰性で回転してしまうような事態は回避され、惰性でリール12が回転することに起因する線材11の新たな繰出しは禁止される、このため、引出手段50による線材11の引出しが停止しているときに、そのリール12から線材11が新たに繰出されることによる線材11の弛みは防止される。

0063

そして、複数のリール12に別々に巻回された所定の長さの複数本の線材11の全てが複数のリール12から引出された段階で、この引出工程を終了する。そして、必要があれば、再び線材貯線工程から本発明の束線方法を開始する。

0064

このような、束線装置10及び束線方法では、線材11をリール12に巻回させ、そのリール12に巻回された線材11の長さに相当する長さの複数の線材11を得るので、その束線装置10のために比較的広い設置場所は必要としない。また、線材11がそのリール12に巻回可能の長さである限り、束線装置10の設置場所の広さを越えた比較的長い複数の線材11を比較的容易に得ることができる。

0065

また、このような束線装置10及び束線方法では、単一のスプール13から線材11を繰出すけれども、その線材11はリール12に所定の長さ巻回させた後に切断されるので、スプール13から繰出される線材11の長さが、その所定の長さに満たない場合にだけ、その線材11は使用不能となる。よって、複数本の線材と成り得る長さに満たない線材を使用不能とする従来に比較して、用いられる線材11の無駄をその従来のものと比較して少なくすることができる。

0066

なお、上述した実施の形態では、2本の自在アーム52を有する単一のロボット50が、一のリール12に所定の長さ巻回された線材11の他端を一対の線材他端押さえ手段70に案内する線材他端搬送手段50と、切断把持装置40に把持された線材11の一端を切断把持装置40から移動させて他のリール12に係止させる線材一端搬送手段50と、複数本の線材11を複数のリール12から引出す引出し手段とを兼用する場合を説明したが、線材11の他端又は線材11の一端を案内し、又は、複数本の線材11を複数のリール12から引出し得る限り、これら搬送手段と引出し手段は、2本の自在アーム52を有するロボット50に限られずに、それ専用の機械であっても良く、その線材他端搬送手段と、線材一端搬送手段と、引出し手段を別々に設けても良い。

0067

また、上述した実施の形態では、一対の支持壁27,27にZ軸方向に所定の間隔を空けて二本の支持軸28,28を架設し、これら二本の支持軸28,28に複数のリール12がそれぞれ枢支される場合を説明したが、複数のリール12を枢支する支持軸28は単一のものであっても良い。また、一対の線材他端押さえ手段70とを通過するようにできる限り、複数のリール12を枢支する支持軸28は三本であっても、四本であっても、五本以上であっても良い。このように複数の支持軸28を設ければ、枢支可能なリール12の数も増加するので、より多くの同一長さの線材11を得ることができる。

0068

10束線装置
11線材
12 リール
13スプール
30回転手段
31接触ローラ
32電動モータ
33モータ移動手段
40切断把持装置
50 搬送手段
50引出手段
70 線材他端押さえ手段
71 第一押さえ手段
72 第二押さえ手段

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