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技術 アルカリ性無機塩類の呈味改善方法、ならびに食品添加剤の製造方法および食品添加剤

出願人 奥野製薬工業株式会社
発明者 黒瀧秀樹稲吉亮人市岡法隆田中克幸
出願日 2012年12月12日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2012-271394
公開日 2013年7月25日 (6年0ヶ月経過) 公開番号 2013-143935
状態 特許登録済
技術分野 調味料
主要キーワード 歩留まり向上効果 アルカリ臭 冷凍原料 燻製処理 燻煙成分 カラム入口圧 回転式ドラム 魚介類加工品
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年7月25日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

肉質改良剤歩留まり向上剤などの食品用添加素材として有用なアルカリ性無機塩類固有に有する機能を保持または向上しつつ、かつ当該アルカリ性無機塩類が苦味のようなアルカリ味および/またはアルカリ臭を解消または低減し得る、アルカリ性無機塩類の呈味改善方法、ならびに食品添加剤の製造方法および食品添加剤を提供すること。

解決手段

本発明のアルカリ性無機塩類呈味改善方法は、アルカリ性無機塩類を燻煙で処理する工程を含む。甘味料などの甘味成分アミノ酸核酸グルタミン酸ナトリウムなど旨味成分などを用いないことから、余計な味を付け加えることなく、アルカリ性無機塩類の呈味を改善できるため、どんな食材にも利用しやすく、アルカリ性無機塩類の添加量を多くしても、食材の風味を損なうことがない。また、既存技術ではむずかしかったアルカリ臭の抑制にも十分な効果を発する。さらに、呈味が改善されたアルカリ性無機塩類を食品に添加することによって、食品の不快味および不快臭も抑制することができる。

概要

背景

炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム炭酸カリウムなどの炭酸塩類リン酸三ナトリウムピロリン酸四カリウムなどのリン酸塩類貝殻焼成カルシウム水酸化カルシウムなどのアルカリ性無機塩類は、食肉魚肉などの肉質改良剤歩留まり向上剤などとして利用されている。また、中華麺などに添加するかん水としても利用されている。これは、アルカリ性無機塩類が、中華麺などに含有されるグルテン収斂作用変性作用を及ぼして麺に弾力を付与するとともに、麺の黄色発色に寄与し、独特風味を形成するからである。

しかし、一方で、このような食品添加剤として用いられるアルカリ性無機酸類は、苦味のようなアルカリ味アルカリ臭を有するため、添加を控えられ、添加量を制限されることがある。かん水においても、アルカリ臭が敬遠されることがある。

アルカリ性無機塩類などの苦味の改善には、従来より甘味料などの甘味成分グルタミン酸ナトリウムなど旨味成分を利用する技術が検討されている。特許文献1は、グリセリドポリカルボン酸とのエステル金属塩アミノ酸塩を含有する味覚改質剤を開示している。特許文献2は、酸性リン脂質を含有する苦味低減化剤を開示している。しかしながら、これらの技術は、他の味が加わるなど効果が不十分である。

概要

肉質改良剤、歩留まり向上剤などの食品用添加素材として有用なアルカリ性無機塩類が固有に有する機能を保持または向上しつつ、かつ当該アルカリ性無機塩類が苦味のようなアルカリ味および/またはアルカリ臭を解消または低減し得る、アルカリ性無機塩類の呈味改善方法、ならびに食品添加剤の製造方法および食品添加剤を提供すること。本発明のアルカリ性無機塩類呈味改善方法は、アルカリ性無機塩類を燻煙で処理する工程を含む。甘味料などの甘味成分やアミノ酸核酸、グルタミン酸ナトリウムなど旨味成分などを用いないことから、余計な味を付け加えることなく、アルカリ性無機塩類の呈味を改善できるため、どんな食材にも利用しやすく、アルカリ性無機塩類の添加量を多くしても、食材の風味を損なうことがない。また、既存技術ではむずかしかったアルカリ臭の抑制にも十分な効果を発する。さらに、呈味が改善されたアルカリ性無機塩類を食品に添加することによって、食品の不快味および不快臭も抑制することができる。なし

目的

本発明は、上記問題の解決を課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

アルカリ性無機塩類燻煙で処理する工程を含む、アルカリ性無機塩類の呈味改善方法

請求項2

前記アルカリ性無機塩類が、炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム炭酸カリウムリン酸三ナトリウムピロリン酸四カリウム貝殻焼成カルシウム卵殻焼成カルシウム、および水酸化カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の無機塩類である、請求項1に記載の方法。

請求項3

アルカリ性無機塩類を燻煙で処理する工程を含む、食品添加剤の製造方法。

請求項4

前記アルカリ性無機塩類が、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、貝殻焼成カルシウム、卵殻焼成カルシウム、および水酸化カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の無機塩類である、請求項3に記載の方法。

請求項5

請求項3または4に記載の方法で得られた食品添加剤を含有する、食品

技術分野

0001

本発明は、アルカリ性無機塩類呈味改善方法、ならびに食品添加剤の製造方法および食品添加剤に関し、より詳細にはアルカリ性無機塩類を含有する食品添加剤の呈味を改善させた、アルカリ性無機塩類の呈味改善方法、ならびに食品添加剤の製造方法および食品添加剤に関する。

背景技術

0002

炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム炭酸カリウムなどの炭酸塩類リン酸三ナトリウムピロリン酸四カリウムなどのリン酸塩類貝殻焼成カルシウム水酸化カルシウムなどのアルカリ性無機塩類は、食肉魚肉などの肉質改良剤歩留まり向上剤などとして利用されている。また、中華麺などに添加するかん水としても利用されている。これは、アルカリ性無機塩類が、中華麺などに含有されるグルテン収斂作用変性作用を及ぼして麺に弾力を付与するとともに、麺の黄色発色に寄与し、独特風味を形成するからである。

0003

しかし、一方で、このような食品添加剤として用いられるアルカリ性無機酸類は、苦味のようなアルカリ味アルカリ臭を有するため、添加を控えられ、添加量を制限されることがある。かん水においても、アルカリ臭が敬遠されることがある。

0004

アルカリ性無機塩類などの苦味の改善には、従来より甘味料などの甘味成分グルタミン酸ナトリウムなど旨味成分を利用する技術が検討されている。特許文献1は、グリセリドポリカルボン酸とのエステル金属塩アミノ酸塩を含有する味覚改質剤を開示している。特許文献2は、酸性リン脂質を含有する苦味低減化剤を開示している。しかしながら、これらの技術は、他の味が加わるなど効果が不十分である。

先行技術

0005

特開平8−332051号公報
特開平8−9896号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、肉質改良剤、歩留まり向上剤などの食品用添加素材として有用なアルカリ性無機塩類が固有に有する機能を保持または向上しつつ、かつ当該アルカリ性無機塩類が苦味のようなアルカリ味および/またはアルカリ臭を解消または低減し得る、アルカリ性無機塩類の呈味改善方法、ならびに食品添加剤の製造方法および食品添加剤を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、アルカリ性無機塩類を燻煙処理することによって、アルカリ性無機塩類の食品添加物としての機能を保ちつつ不快味および不快臭を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。

0008

本発明は、アルカリ性無機塩類を燻煙で処理する工程を含む、アルカリ性無機塩類の呈味改善方法である。

0009

1つの実施態様では、上記アルカリ性無機塩類は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、貝殻焼成カルシウム、卵殻焼成カルシウム、および水酸化カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の無機塩類である。

0010

本発明はまた、アルカリ性無機塩類を燻煙で処理する工程を含む、食品添加剤の製造方法である。

0011

1つの実施態様では、上記アルカリ性無機塩類は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、貝殻焼成カルシウム、卵殻焼成カルシウム、および水酸化カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の無機塩類である。

0012

本発明はまた、上記で得られた食品添加剤を含有する、食品である。

発明の効果

0013

本発明によれば、食品用添加素材として有用なアルカリ性無機塩類が固有に有する機能を保持または向上しつつ、かつアルカリ性無機塩類の不快味および/または不快臭を解消または低減させた食品添加剤を提供することができる。その結果、各種の食品製造および調理に際し、製造される食品、料理等において当該アルカリ性無機塩類固有の機能を一層活かすことができる。本発明の食品添加剤は身体にとって安全であり、その製造においては複雑な製造設備を必要とせず、製造従事者にとって安全な環境で製造することができる。

図面の簡単な説明

0014

実施例1で得られた燻煙処理した炭酸ナトリウムについて、ガスクロマトグラフ質量分析にかけた際(実施例3)の当該燻煙処理した炭酸ナトリウムのスペクトルを示すグラフである。

0015

まず、本発明のアルカリ性無機塩類の呈味改善方法について説明する。

0016

本発明においては、アルカリ性無機塩類が燻煙で処理される。

0017

本発明に用いられるアルカリ性無機塩類は、食品製造分野における肉質改良剤、歩留まり向上剤などの食品用添加素材として使用され得る食品用あるいは食用のアルカリ性無機塩類である。

0018

アルカリ性無機塩類の例としては、特に限定されないが、例えば、水に溶解させ水溶液に調製した場合にいわゆるアルカリ性を呈する無機性の、ナトリウム塩カリウム塩カルシウム塩ならびにそれらの組合せが挙げられる。

0019

アルカリ性無機塩類の具体的な例としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩;リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四カリウムなどのリン酸塩類;貝殻焼成カルシウム、卵殻焼成カルシウム、および水酸化カルシウムならびにそれらの組合せが挙げられる。すなわち、本発明の呈味改善方法においては、上記アルカリ性無機塩類は1種またはそれ以上を組み合わせたものが使用され得る。複数のアルカリ性無機塩類を組み合わせる場合の量比は特に限定されず、当業者がその使用目的に応じて任意に設定することができる。

0020

本発明において、アルカリ性無機塩類の燻煙処理は、例えば燻煙を充満させた空間にこのようなアルカリ性無機塩類を一定時間配置することにより行われる。

0021

燻煙は、例えば、燻煙材高温下で加熱することにより発生する煙であって、燻煙材に含まれる種々の化学的成分から構成されるものである。燻煙の発生は、アルカリ性無機塩類を処理する閉鎖空間と同じ空間内で行われてもよく、あるいは燻煙を発生させる空間は燻煙を充満させる空間とは異なる空間で行われてもよい。この場合、燻煙は燻煙を発生させる空間から燻煙を充満させる空間に配管などを介して導入される。

0022

燻煙を充満させる空間の大きさは、特に限定されない。燻煙処理は、例えば、閉鎖空間で行われ得るが、燻煙の排気口を備えた空間(例えば燻製装置内)で行われてもよい。

0023

アルカリ性無機塩類の燻製処理は、例えば、回転式ドラムにアルカリ性無機塩類を仕込んだ燻製装置においてドラムを回転しながら(すなわち適度に攪拌された環境下で)行われてもよい。攪拌すると、均一に燻煙処理されたアルカリ性無機塩類を含む食品添加剤などを一度に多く得ることができる。さらに、燻煙を充満させる空間の省スペース化を図ることもできる。攪拌手段としては、必ずしも上記に限定されず、例えば、当業者に公知の機械式攪拌手段、送風式攪拌手段が用いられてもよい。

0024

燻煙材としては、特に限定されず、例えば、オークヒッコリーサクラ、ナラ、リンゴブナ、クヌギ、クルミ、ならびにこれらの組合せのような木材が挙げられる。燻煙材の種類および/または組合せは、後述する本発明の呈味が改善された食品添加剤およびそれを配合させた食品の呈味を考慮して、適宜選択することができる。なお、燻煙材には、上記木材の樹皮を除いた木質部粉砕し、得られた粉末を棒状に固めたスモークウッド、および/または木質部を粒状に細かくしたスモークチップを用いてもよい。

0025

燻煙を充満させた空間の燻煙の濃度は特に限定されない。

0026

燻煙を充満させた空間の温度は、特に限定されず、例えば、10℃〜140℃であり、好ましくは20℃〜90℃である。10℃未満の場合、燻煙が液化して木酢液を生じ、アルカリ性無機塩類と一緒になってペースト状になることがあり、140℃を超えると、燻煙量が多くなりすぎて、所望でない風味となることがある。

0027

アルカリ性無機塩類は、必ずしも限定されないが、一定の粒度整粒されたものを用いることが望ましい。粒径は、特に限定されず、例えば、10メッシュ〜400メッシュであり、好ましくは20メッシュ〜100メッシュである。粒径が10メッシュ未満の場合、呈味の偏りが出やすく、400メッシュを超えると、アルカリ性無機塩類粉末が上記のような攪拌下での燻煙の際に飛散し易くなって現実的な作業に適さなくなるおそれがある。なお、上記メッシュサイズは、日本工業規格(JIS Z8801)による。

0028

燻煙を充満させた空間でアルカリ性無機塩類を処理する時間(燻煙時間)は、一度に処理するアルカリ性無機塩類の量、燻煙濃度、処理する空間容積等によって変動するため、必ずしも限定されないが、例えば、10分〜5時間であり、好ましくは10分〜3時間であり、より好ましくは20分〜2時間30分である。アルカリ性無機塩類を攪拌する場合、好ましくは30分〜2時間30分であり、アルカリ性無機塩類のすべての粒子が燻煙に接することができるように薄く広げて静置する場合、好ましくは20分〜40分である。燻煙時間がこのような時間内に設定されることにより、製造効率を良好に保持したまま、燻煙臭が適度に抑制され、アルカリ性無機塩類に良好な呈味を付与することができる。

0029

このようにしてアルカリ性無機塩類の呈味を改善することができる。

0030

次に、本発明の食品添加剤の製造方法について説明する。

0031

この食品添加剤の製造方法においては、アルカリ性無機塩類が燻煙で処理される。

0032

本発明の製造方法において、アルカリ性無機塩類には、上記アルカリ性無機塩類の呈味改善方法で使用するアルカリ性無機塩類を使用することができる。

0033

アルカリ性無機塩類の例としては、特に限定されないが、例えば、水溶液に調製した場合にアルカリ性を呈する無機性の、ナトリウム塩、カリウム塩、およびカルシウム塩ならびにそれらの組合せが挙げられる。

0034

さらに、アルカリ性無機塩類の具体的な例としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩;リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四カリウムなどのリン酸塩類;貝殻焼成カルシウム、卵殻焼成カルシウム、および水酸化カルシウムならびにそれらの組合せが挙げられる。

0035

すなわち、本発明の製造方法においては、上記アルカリ性無機塩類は1種またはそれ以上を組み合わせたものが使用され得る。複数のアルカリ性無機塩類を組み合わせる場合の量比は特に限定されず、当業者がその使用目的に応じて任意に設定することができる。

0036

さらに、本発明の製造方法において、燻煙処理の方法、燻煙のための温度、時間および使用する燻煙材の種類等は上記アルカリ性無機塩類の呈味改善方法で使用するものと同様である。

0037

このようにして、食品添加剤を製造することができる。

0038

本発明の製造方法により得られた食品添加剤は、主成分としてアルカリ性無機塩類を含有するが、当該アルカリ性無機塩類が有していた不快味が解消または低減され、当該アルカリ性無機塩類が固有に有する呈味が改善されたものである。本発明の製造方法により得られる呈味が改善された食品添加剤は、例えば、10ppm〜1000ppmの燻煙成分を含有する。

0039

本発明の呈味が改善された食品添加剤は、各種食品に添加して用いることができる。このような食品としては、例えば、中華麺、焼きそば畜肉加工品魚介類加工品が挙げられる。食品に添加する呈味が改善されたアルカリ性無機塩類の割合は、特に限定されず、例えば、食品100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部であり、好ましくは0.2質量部〜2質量部である。0.1質量部未満の場合、食品添加剤としての十分な効果が得られず、5質量部を超えると、食品によっては、食品の風味を損なうことがある。

0040

以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0041

(実施例1)
(アルカリ性無機塩類の燻煙処理)
自家製小型燻製装置(燻煙を発生させる空間(A):30×16×16cm(縦×横×奥行);燻煙を充満させる空間(B):29×30×28cm(縦×横×奥行);Bの背面にファンがついており、Aで発生する燻煙を、パイプを通してBに送り込み、Bで燻煙を充満させるとともに煙突から排気する)を用いて、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、貝殻焼成カルシウム、ピロリン酸四カリウム、リン酸カリウム、およびリン酸水素二ナトリウム各30g(粒径20〜100メッシュ)を燻煙処理した。燻煙材としては、サクラ、またはオークのスモークチップ各80gを用いた。40℃にて10分間燻煙処理した。

0042

(燻煙処理したアルカリ性無機塩類の官能評価1)
炭酸カリウム(炭酸K;燻煙処理または未処理)または炭酸ナトリウム(炭酸Na;燻煙処理または未処理)を配合したかん水を調製し、表1に記載の配合に従って中華麺を調製し、中華麺の官能評価を行った(試験例1〜7)。官能評価では、中華麺の生地、茹で麺、茹で湯のアルカリ臭、茹で麺のアルカリ味の各々について、以下のように評価した。結果を表2に示す。
◎:顕著に低減されている。
○:低減されている。
△:わずかに低減されている。
×:低減されていない。

0043

0044

0045

表2から明らかなように、燻煙処理した炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムを配合することによって、中華麺のアルカリ味およびアルカリ臭は低減した。また、燻煙処理した炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムの両方を配合することによって、中華麺のアルカリ味およびアルカリ臭は顕著に低減した。燻煙材としては、サクラ、オークともにアルカリ味およびアルカリ臭の低減効果を示した。

0046

(燻煙処理したアルカリ性無機塩類の官能評価2)
アルカリ性無機塩類として、貝殻焼成カルシウム(貝殻焼成Ca;燻煙処理または未処理)を用いたこと以外は、上記と同様にして、官能評価を行った(試験例8〜10)。中華麺の配合および結果を表3に示す。

0047

0048

表3から明らかなように、貝殻焼成カルシウムを燻煙処理することによって、中華麺に配合した場合にアルカリ味およびアルカリ臭がわずかに低減した。

0049

(燻煙処理したアルカリ性無機塩類の官能評価3)
表4の配合に従って、未処理のピロリン酸四カリウム、リン酸カリウムおよびリン酸水素二ナトリウムを配合した製剤Aを調製し、燻煙処理したピロリン酸四カリウム、リン酸カリウムおよびリン酸水素二ナトリウムを配合した製剤Bを調製した。表5に記載の配合に従って中華麺を調製し、蒸し工程→熱水シャワー工程→蒸し工程→水冷工程の各工程を経た後、またはさらに製剤Aまたは製剤Bへの浸漬工程を経た後、中華麺の官能評価を行った(試験例11〜14)。結果を表5に示す。

0050

0051

0052

表5から明らかなように、燻煙処理したアルカリ性無機塩類を配合した中華麺(試験例12)では、蒸し工程を経てもアルカリ味およびアルカリ臭が低減した。燻煙処理したアルカリ性無機塩類を配合した製剤Bに浸漬した中華麺(試験例14)でも、アルカリ味およびアルカリ臭が低減した。

0053

(実施例2)
(アルカリ性無機塩類の燻煙処理)
回転ドラム式燻製装置(300L容量)を用いて、炭酸ナトリウム(粒径100メッシュ)20kgを燻煙処理し、歩留まり向上剤とした。燻煙材としては、サクラ、ホワイトオークのスモークチップ各1kgを用いた。40℃にて2時間燻煙処理した。

0054

(燻煙処理したアルカリ性無機塩類の官能評価)
表6の配合に従って、ホルモン冷凍原料解凍し、量後、5℃にて24時間浸漬液に処理し、ボイルし、秤量後、食感を確認した(試験例15〜21)。結果を表7に示す。

0055

0056

0057

表7から明らかなように、燻煙処理した炭酸ナトリウムなどを含む歩留まり向上剤の添加では、未処理の炭酸ナトリウムなどを含む歩留まり向上剤の添加で感じた不快味を感じることがなく、ホルモン特有獣臭も大幅に低減した。また、燻煙材の差異としては、ホワイトオークの方が、サクラより獣臭低減効果が高かった。一方、燻煙処理した炭酸ナトリウムなどを含む歩留まり向上剤を添加したホルモンは、未処理の炭酸ナトリウムなどを含む歩留まり向上剤を添加したホルモンと同様に、歩留まり向上効果を確認できた。

0058

(実施例3:燻煙処理した炭酸ナトリウムのガスクロマトグラフ質量分析)
実施例1で得られた燻煙処理した炭酸ナトリウム(試料)30gを、500ml容量のヘッドスペースボトルに入れ、このボトルにアルコール用NeedlEX(信和化工株式会社製濃縮注射針)を挿入した。次いで、このボトルを70℃で1時間インキュベートした後、NeedlEX取り出し、この注射針で濃縮採取した試料を、ガスクロマトグラフ質量分析装置GC−17A,MS−QP5050(株式会社島津製作所製))で分析した。

0059

このガスクロマトグラフ質量分析におけるその他の分析条件昇温プログラムおよびキャリアガス条件はそれぞれ以下の通りであった:
<その他の分析条件>
カラム:DB−1(60m×0.32mm,i.d. 1μmフィルム;J&W Scientific製)
スプリット分析

0060

<昇温プログラム>
イニシャル温度:50℃
イニシャル時間:1分
昇温時間:10℃/分
ファイナル温度:300℃
ファイナル時間:1分

0061

<キャリアガス>
カラム入口圧:100kPa
カラム流量:2.3mL/分
線速度:38.8cm/秒
全流量:51.3mL/分

0062

得られた結果を図1および表8に示す。

0063

実施例

0064

図1に示されるように、実施例1で得られた燻煙処理した炭酸ナトリウムには、燻煙により数多くの化合物が炭酸ナトリウムに担持されており、かつ表8に示されるような物質が燻煙処理によって特に顕著に担持された。この結果と上記実施例に示した表7等の結果とを考慮すると、燻煙処理によって上記のような歩留まりの向上とともに、不快味の解消または低減が、図1および表8に示されるような物質により達成されているということがわかる。

0065

本発明によれば、アルカリ性無機塩類の食品添加物としての機能を保ちつつ不快味および不快臭を抑制する呈味改善方法を提供することができる。甘味料などの甘味成分やアミノ酸核酸、グルタミン酸ナトリウムなど旨味成分などを用いないことから、余計な味を付け加えることなく、アルカリ性無機塩類の呈味を改善できるため、どんな食材にも利用しやすく、アルカリ性無機塩類の添加量を多くしても、食材の風味を損なうことがない。また、既存技術ではむずかしかったアルカリ臭の抑制にも十分な効果を発する。さらに、呈味が改善されたアルカリ性無機塩類を食品に添加することによって、食品の不快味および不快臭も抑制することができる。

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