図面 (/)
概要
背景
カメラリンクは、デジタルカメラと画像入力ボードを接続する規格仕様であり、このカメラリンク規格(Base Configuration)では、最大で24bit(8bit×3Tap),85MHzの伝送帯域幅でデジタルカメラの画像出力データを伝送できる。
一方、デジタルカメラの伝送帯域幅は、一般的には、例えば8bit,40MHz程度と、カメラリンク規格の伝送帯域幅より狭い。このため、従来の画像出力データの伝送においては、デジタルカメラの伝送帯域幅により伝送帯域幅が決定され、カメラリンクケーブルの広い伝送帯域幅を有効に活用できていなかった。
また、複数のカメラの画像出力を伝送する際、カメラ毎にケーブルを用いて伝送することがある。しかし、この場合、多くのケーブルの引き回しが必要となり、コストやメンテナンス性が問題となる。この問題を解消するには、複数のカメラの画像出力を1本のケーブルで伝送する技術が必要である。
複数のカメラの画像出力を1本のケーブルで伝送する技術として、特許文献1には、複数のカメラのそれぞれからの映像信号をそれぞれ異なる周波数の信号に変換し、更に合成した上で単一の同軸ケーブルに出力し、映像受信システムは、同軸ケーブルを伝送された合成信号から複数の周波数の信号のそれぞれを抽出して、更に映像信号に変換し、モニタへ出力し、映像を表示させる技術が開示されている。しかし、この特許文献1の技術は、同軸ケーブルを使用したアナログ画像出力データの伝送に関する技術であり、デジタル画像出力データをカメラリンクケーブルで伝送する際には利用できない。
また、特許文献2には、複数のカメラからの映像信号の各フィールドを、マルチ映像合成装置により順次ずらして分離してから合成し、マルチ映像分離装置により、伝送ケーブルを介して入力される合成映像信号を再度分離してフレームとして取り出し、各モニタ装置にそれぞれカメラの映像を表示する技術が開示されている。しかし、特許文献2の技術では、映像信号の合成及び分離の処理により画質が劣化するという問題がある(特許文献2の段落0017〜段落0018参照)。また、特許文献2の技術も、デジタル画像出力データをカメラリンクケーブルで伝送する際には利用できない。
概要
画質の劣化を招くことなく、複数のデジタルカメラの画像出力データを1本のカメラリンクケーブルで伝送できるカメラ画像伝送システムを提供すること複数のデジタルカメラCam1〜4の画像出力データをカメラリンク規格に準じて広帯域化する広帯域化回路と、1本のカメラリンクケーブルで伝送されてきた前記広帯域化された画像出力データをデジタルカメラ毎の画像出力データに振り分ける復元回路とを有するカメラ画像伝送システム。
目的
本発明が解決しようとする課題は、画質の劣化を招くことなく、複数のデジタルカメラの画像出力データを1本のカメラリンクケーブルで伝送できるカメラ画像伝送システムを提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
0001
本発明は、複数のデジタルカメラの画像出力データをカメラリンク規格で伝送するカメラ画像伝送システムに関する。
背景技術
0002
カメラリンクは、デジタルカメラと画像入力ボードを接続する規格仕様であり、このカメラリンク規格(Base Configuration)では、最大で24bit(8bit×3Tap),85MHzの伝送帯域幅でデジタルカメラの画像出力データを伝送できる。
0003
一方、デジタルカメラの伝送帯域幅は、一般的には、例えば8bit,40MHz程度と、カメラリンク規格の伝送帯域幅より狭い。このため、従来の画像出力データの伝送においては、デジタルカメラの伝送帯域幅により伝送帯域幅が決定され、カメラリンクケーブルの広い伝送帯域幅を有効に活用できていなかった。
0004
また、複数のカメラの画像出力を伝送する際、カメラ毎にケーブルを用いて伝送することがある。しかし、この場合、多くのケーブルの引き回しが必要となり、コストやメンテナンス性が問題となる。この問題を解消するには、複数のカメラの画像出力を1本のケーブルで伝送する技術が必要である。
0005
複数のカメラの画像出力を1本のケーブルで伝送する技術として、特許文献1には、複数のカメラのそれぞれからの映像信号をそれぞれ異なる周波数の信号に変換し、更に合成した上で単一の同軸ケーブルに出力し、映像受信システムは、同軸ケーブルを伝送された合成信号から複数の周波数の信号のそれぞれを抽出して、更に映像信号に変換し、モニタへ出力し、映像を表示させる技術が開示されている。しかし、この特許文献1の技術は、同軸ケーブルを使用したアナログ画像出力データの伝送に関する技術であり、デジタル画像出力データをカメラリンクケーブルで伝送する際には利用できない。
0006
また、特許文献2には、複数のカメラからの映像信号の各フィールドを、マルチ映像合成装置により順次ずらして分離してから合成し、マルチ映像分離装置により、伝送ケーブルを介して入力される合成映像信号を再度分離してフレームとして取り出し、各モニタ装置にそれぞれカメラの映像を表示する技術が開示されている。しかし、特許文献2の技術では、映像信号の合成及び分離の処理により画質が劣化するという問題がある(特許文献2の段落0017〜段落0018参照)。また、特許文献2の技術も、デジタル画像出力データをカメラリンクケーブルで伝送する際には利用できない。
先行技術
0007
特開2008−989956号公報
特開平8−130681号公報
発明が解決しようとする課題
0008
本発明が解決しようとする課題は、画質の劣化を招くことなく、複数のデジタルカメラの画像出力データを1本のカメラリンクケーブルで伝送できるカメラ画像伝送システムを提供することにある。
課題を解決するための手段
0009
本発明者は、デジタルカメラの画像出力データの伝送ケーブルとしてカメラリンクケーブルを使用するにあたり、上述したデジタルカメラとカメラリンク規格の伝送帯域幅の違いに着目し、複数のデジタルカメラの画像出力データをカメラリンク規格に準じて広帯域化することで、1本のカメラリンクケーブルで複数のデジタルカメラの画像出力データを同時に伝送することができるようにした。
0010
すなわち、本発明は、複数のデジタルカメラの画像出力データを1本のカメラリンクケーブルで伝送するカメラ画像伝送システムであって、複数のデジタルカメラの画像出力データをカメラリンク規格に準じて広帯域化する広帯域化回路と、1本のカメラリンクケーブルで伝送されてきた前記広帯域化された画像出力データをデジタルカメラ毎の画像出力データに振り分ける復元回路とを有することを特徴とするものである。
発明の効果
0011
本発明によれば、広帯域化回路が複数のデジタルカメラの画像出力データをカメラリンク規格に準じて広帯域化するので、1本のカメラリンクケーブルで複数のデジタルカメラの画像出力データを同時に伝送することができる。また、復元回路が1本のカメラリンクケーブルで伝送されてきた前記広帯域化された画像出力データをデジタルカメラ毎の画像出力データに振り分けるので、デジタルカメラ毎の画像出力データを個別に表示することができる。そして、広帯域化回路及び復元回路では、デジタルの画像出力データを処理するので、画質の劣化を招くこともない。
図面の簡単な説明
実施例
0013
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
0014
図1は、本発明のカメラ画像伝送システムの一実施形態を示すシステム構成図である。図1の実施形態では、カメラリンク対応の4台のデジタルカメラCam1〜4の画像出力データを1本のカメラリンクケーブルで伝送する。
0015
各デジタルカメラCam1〜4の画像出力(伝送帯域)は、(40MHz,1Tap出力,1280画素/ライン)である。なお、図中、丸数字はカメラ番号、アルファベットはライン数、アルファベットに続く数字は画素数を示す。すなわち、丸数字の1〜4はそれぞれデジタルカメラCam1〜4の画像出力を示し、アルファベットのA,B,C・・・はライン数1,2,3・・・を示し、アルファベットに続く数字はラインの画素数1〜1280を示す。
0016
各デジタルカメラCam1〜4の画像出力(ラインデータ)は、変換ボード内のDPメモリ(デュアルポートメモリ)に記憶される。そして、同じ変換ボード内に設けられた広帯域化回路が、DPメモリに記憶された各デジタルカメラCam1〜4のラインデータを処理して広帯域化する。
0017
この広帯域化回路による処理を、図2を参照して説明する。広帯域化回路は、まず、各デジタルカメラCam1〜4の出力各1ライン目のラインデータを40MHzで取得しDPメモリに記憶する。次いで、そのDPメモリに記憶されている各1ライン目のラインデータを80MHzで交互に取得し、Cam1とCam3の各1ライン目のラインデータをTap0の出力として組み合せ、Cam2とCam4の各1ライン目のラインデータをTap1の出力として組み合せる。各デジタルカメラCam1〜4の各2ライン目以降のラインデータも同様に処理される。これにより、各デジタルカメラCam1〜4の画像出力(ラインデータ)が、1本のカメラリンクケーブルで伝送できるようにカメラリンク規格に準じて広帯域化される。
0018
図1に戻って、広帯域化回路で広帯域化された画像出力データは、カメラリンク規格に準じシリアライズされ1本のカメラリンクケーブルでグラバーボードに伝送される。そしてグラバーボード内でデシリアライズされ復元回路に伝送される。
0019
復元回路は、広帯域化された画像出力データをデジタルカメラ毎の画像出力データに振り分ける。具体的には図2に示すように、復元回路は、広帯域化された画像出力データ(2Tapのラインデータ)を80MHzで1クロックおきに交互に取得し、4台のデジタルカメラに対応する4つのDPメモリに、各デジタルカメラの画像出力データを振り分ける。これにより、広帯域化された画像出力データは、4台のデジタルカメラ毎の画像出力データ(フレームデータ)に復元される。この復元された画像出力データは、図1に示すように、ホストバスインターフェイスを介してホストCPUに送られる。
0020
以上のとおり、本発明によれば、画質の劣化を招くことなく、複数のデジタルカメラの画像出力データを1本のカメラリンクケーブルで伝送できる。