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図面 (4)

課題

車両走行中のクラッチ開放によるショックを抑制できる車両制御装置を提供する。

解決手段

車両1のエンジン10と駆動輪90との動力伝達経路に配置されたロックアップクラッチ24と、動力伝達経路を断接するクラッチ36と、を備え、車両1の走行時に、クラッチ36を開放して惰性走行を行う惰行制御を実施可能である車両制御装置2であって、惰行制御におけるクラッチ36の開放完了時期が、ロックアップクラッチ24の開放制御中に惰行制御が実行される状況において、ロックアップクラッチ24の開放完了後にクラッチ36の下流側にてプライマリ回転数Ninの振動所定回数発生した後となるよう設定される。

概要

背景

従来、エンジン駆動輪との動力伝達経路を断接するクラッチを備える車両に関して、例えば特許文献1には、エンジンの運転停止の指示がなされたときに、まずは動力伝達経路上に配置されたロックアップクラッチ開放し、次いでクラッチを開放し、その後にエンジンを停止させることで、クラッチ開放時のショックの発生を抑制する技術が開示されている。

概要

車両走行中のクラッチ開放によるショックを抑制できる車両制御装置を提供する。車両1のエンジン10と駆動輪90との動力伝達経路に配置されたロックアップクラッチ24と、動力伝達経路を断接するクラッチ36と、を備え、車両1の走行時に、クラッチ36を開放して惰性走行を行う惰行制御を実施可能である車両制御装置2であって、惰行制御におけるクラッチ36の開放完了時期が、ロックアップクラッチ24の開放制御中に惰行制御が実行される状況において、ロックアップクラッチ24の開放完了後にクラッチ36の下流側にてプライマリ回転数Ninの振動所定回数発生した後となるよう設定される。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされてものであって、車両走行中のクラッチ開放によるショックを抑制できる車両制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

車両のエンジン駆動輪との動力伝達経路に配置されたロックアップクラッチと、前記動力伝達経路を断接するクラッチと、を備え、前記車両の走行時に、前記クラッチを開放して惰性走行を行う惰行制御を実施可能である車両制御装置であって、前記惰行制御における前記クラッチの開放完了時期が、前記ロックアップクラッチの開放制御中に前記惰行制御が実行される状況において、前記ロックアップクラッチの開放完了後に前記クラッチの上流側または下流側にて回転数振動所定回数発生した後となるよう設定されることを特徴とする車両制御装置。

請求項2

前記惰行制御における前記クラッチの開放完了時期は、前記ロックアップクラッチの開放完了後から前記クラッチの開放完了時期までの動作所要時間を、前記ロックアップクラッチの開放完了後から前記クラッチの上流側または下流側にて回転数の振動が所定回数発生した後までの収束所要時間に収束させるよう、前記クラッチの開放制御の制御量を調整する学習制御を実施することで設定されることを特徴とする、請求項1に記載の車両制御装置。

請求項3

前記エンジンへの燃料供給を停止するフューエルカット制御を実施可能であり、前記ロックアップクラッチの開放制御は前記フューエルカット制御からの復帰時に実施されることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両制御装置に関する。

背景技術

0002

従来、エンジン駆動輪との動力伝達経路を断接するクラッチを備える車両に関して、例えば特許文献1には、エンジンの運転停止の指示がなされたときに、まずは動力伝達経路上に配置されたロックアップクラッチ開放し、次いでクラッチを開放し、その後にエンジンを停止させることで、クラッチ開放時のショックの発生を抑制する技術が開示されている。

先行技術

0003

特開2006−182148号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、クラッチ開放時のショックを低減できるのはエンジンの運転停止時に限られており、エンジン停止指示と関係なく車両走行中にクラッチを断接する場合にはショックが発生する状況が考えられる。例えば、エンジンへの燃料供給を停止するフューエルカット制御から復帰した直後には、動力伝達経路上でトルク変動が発生することがあるが、このタイミングと重なってクラッチが開放された場合には、振動などのショックを発生する虞がある。

0005

本発明は、上記に鑑みてなされてものであって、車両走行中のクラッチ開放によるショックを抑制できる車両制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明に係る車両制御装置は、車両のエンジンと駆動輪との動力伝達経路に配置されたロックアップクラッチと、前記動力伝達経路を断接するクラッチと、を備え、前記車両の走行時に、前記クラッチを開放して惰性走行を行う惰行制御を実施可能である車両制御装置であって、前記惰行制御における前記クラッチの開放完了時期が、前記ロックアップクラッチの開放制御中に前記惰行制御が実行される状況において、前記ロックアップクラッチの開放完了後に前記クラッチの上流側または下流側にて回転数の振動が所定回数発生した後となるよう設定されることを特徴とする。

0007

また、上記の車両制御装置において、前記惰行制御における前記クラッチの開放完了時期は、前記ロックアップクラッチの開放完了後から前記クラッチの開放完了時期までの動作所要時間を、前記ロックアップクラッチの開放完了後から前記クラッチの上流側または下流側にて回転数の振動が所定回数発生した後までの収束所要時間に収束させるよう、前記クラッチの開放制御の制御量を調整する学習制御を実施することで設定されることが好ましい。

0008

また、上記の車両制御装置は、前記エンジンへの燃料供給を停止するフューエルカット制御を実施可能であり、前記ロックアップクラッチの開放制御は前記フューエルカット制御からの復帰時に実施されることが好ましい。

発明の効果

0009

本発明に係る車両制御装置は、惰行制御の開始時には、クラッチの回転数変動が所定回数発生して収束した後にクラッチを開放することができるので、惰行制御におけるクラッチの開放完了時期を最適に設定することが可能となる。これにより、動力伝達経路のトルク変動に伴う振動などのショックが車両に発生するのを抑制することが可能となり、この結果、車両走行中のクラッチ開放によるショックを抑制できるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本実施形態に係る車両制御装置の概略構成を示す図である。
図2は、本実施形態に係る車両制御装置によるフューエルカット制御からの復帰処理と、減速S&S制御の開始処理を示すタイムチャートである。
図3は、本実施形態に係る車両制御装置によるクラッチの開放完了時期の学習制御処理を示すフローチャートである。

実施例

0011

以下に、本発明に係る車両制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。

0012

まず図1を参照して、本発明の一実施形態に係る車両制御装置2の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る車両制御装置の概略構成を示す図である。

0013

図1に示すように、車両制御装置2は車両1に搭載される。車両1のパワートレーンは、動力源としてのエンジン10、トルクコンバータ20および無段変速機30を備える。内燃機関であるエンジン10には、トルクコンバータ20を介して自動変速機である無段変速機(CVT)30が連結されている。エンジン10のエンジン出力トルク動力)は、エンジン出力軸60からトルクコンバータ20を介して無段変速機30に入力され、デファレンシャルギヤ18及びドライブシャフト19を介して駆動輪90に伝達される。このようにエンジン10と駆動輪90との間に動力伝達経路が構成されている。

0014

トルクコンバータ20は、エンジン出力軸60に接続されたポンプインペラ21と、無段変速機30のインプットシャフト70に接続されたタービンランナ22とを有する。ポンプインペラ21は、トルクコンバータ20においてエンジン10からの動力が入力される入力部材である。タービンランナ22は、トルクコンバータ20においてエンジン10から入力された動力を出力する出力部材である。

0015

トルクコンバータ20は、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で作動流体を介して動力を伝達することができる。トルクコンバータ20は、ロックアップクラッチ24を有している。ロックアップクラッチ24は、エンジン10と駆動輪90との間の動力伝達経路に配置された摩擦係合式のクラッチ装置である。ロックアップクラッチ24は、エンジン出力軸60とインプットシャフト70とを作動流体を介さずに接続することができる。トルクコンバータ20は、ロックアップクラッチ24が開放している場合、作動流体を介してエンジン出力軸60とインプットシャフト70とで動力を伝達することができ、ロックアップクラッチ24が係合している場合、ポンプインペラ21とタービンランナ22とが直結され、作動流体を介さずにエンジン出力軸60とインプットシャフト70とで直接動力を伝達することができる。

0016

無段変速機30は、例えば、公知のベルト式無段変速機である。無段変速機30は、エンジン10側に設けられたプライマリプーリ31と、駆動輪90側に設けられたセカンダリプーリ32と、ベルト33と、クラッチ36とを有する。プライマリプーリ31は、インプットシャフト70に連結されている。セカンダリプーリ32は、デファレンシャルギヤ18に接続されるアウトプットシャフト80に連結されている。ベルト33は、プライマリプーリ31とセカンダリプーリ32との間に掛け渡されている。

0017

クラッチ36は、インプットシャフト70に設けられており、動力伝達経路においてロックアップクラッチ24と直列に配置されている。クラッチ36は、エンジン10と駆動輪90との動力伝達経路を断接する機能を有する。クラッチ36は、インプットシャフト70におけるエンジン10側に連結されたエンジン側係合要素と、駆動輪90側に連結された駆動輪側係合要素とを有している。クラッチ36は、エンジン側係合要素と駆動輪側係合要素とが係合することでエンジン10と駆動輪90との動力伝達経路を接続することができる。一方、クラッチ36は、開放することでエンジン10と駆動輪90との動力伝達経路を遮断することができる。言い換えると、クラッチ36は、エンジン10と駆動輪90との動力の伝達経路において動力の伝達が可能な状態と動力の伝達が不能な状態とを切替える切替え装置として機能する。本明細書において、クラッチ36を「C1クラッチ」とも記載する。

0018

油圧制御装置40は、トルクコンバータ20、クラッチ36、プライマリプーリ31およびセカンダリプーリ32に対して油圧を供給する機能を有する。油圧制御装置40は、ECU50から入力される変速比変更指令に応じて、無段変速機30の変速比を変更する。油圧制御装置40は、プライマリプーリ側アクチュエータへの油圧の流入・流出制御によって変速比および変速速度を制御することができる。プライマリプーリ側アクチュエータの油圧を調整することにより、プーリ比を変化させて、変速比を無段階に変化させることができる。また、油圧制御装置40は、セカンダリプーリ側アクチュエータの油圧を制御することによってベルト挟圧力を制御することができる。

0019

油圧制御装置40は、トルクコンバータ20のロックアップクラッチ24の開放/係合を制御することができるだけでなく、ロックアップクラッチ24の係合度合いを制御することもできる。油圧制御装置40は、ロックアップクラッチ24に対する供給油圧を調整することによって、ロックアップクラッチ24のトルク容量を制御することができる。ECU50は、ロックアップクラッチ24の係合時あるいは開放時に油圧制御装置40によってロックアップクラッチ24のスリップ制御を実行することができる。スリップ制御により、ECU50は、開放状態のロックアップクラッチ24を係合する際に、ロックアップクラッチ24を所定のスリップ状態で係合させてから完全係合させることができる。また、ECU50は、完全係合状態のロックアップクラッチ24を開放する際に、ロックアップクラッチ24を所定のスリップ状態としてから開放させることができる(本実施形態では「L/Uスムース開放制御」ともいう)。スリップ制御では、例えば、エンジン回転数Neとタービンランナ22の回転数(タービン回転数Nt)との回転数差目標値とするようにロックアップクラッチ24に対する供給油圧が制御される。

0020

また、油圧制御装置40は、クラッチ36の開放/係合を制御することができる。油圧制御装置40は、クラッチ36に対する供給油圧を制御することにより、クラッチ36の開放状態と係合状態とを切り替えることができる。油圧制御装置40は、クラッチ36の係合度合いを制御する機能を有する。ECU50は、ロックアップクラッチ24と同様に、油圧制御装置40によってクラッチ36のスリップ制御を実行することができる。スリップ制御により、ECU50は、完全係合状態のクラッチ36を開放する際に、クラッチ36を所定のスリップ状態としてから開放させることができる(本実施形態では「C1スムース開放制御」ともいう)。このスリップ制御では、例えば、トルクコンバータ20のタービンランナ22の回転数(タービン回転数Nt)と、無段変速機30のプライマリプーリ31の回転数(プライマリ回転数Nin)との回転数差を目標値とするようにクラッチ36に対する供給油圧が制御される。

0021

車両1には、エンジン10、無段変速機30等を制御するECU50(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が設けられている。ECU50は、エンジン10、トルクコンバータ20および無段変速機30(油圧制御装置40)の総合的な制御を行う機能を有する。本実施形態の車両制御装置2は、エンジン10、ロックアップクラッチ24、クラッチ36、油圧制御装置40およびECU50を備える。

0022

車両1には、アクセルペダル操作量アクセル開度)を検出するアクセルポジションセンサ11が設けられており、検出したアクセル開度はECU50に出力される。エンジン10の吸気管12には電子スロットルバルブ13が設けられており、この電子スロットルバルブ13はスロットルアクチュエータ14により開閉可能となっている。ECU50はこのスロットルアクチュエータ14により電子スロットルバルブ13を駆動し、アクセル開度にかかわらずスロットル開度を任意の開度に制御することができる。車両1には、電子スロットルバルブ13の全閉状態及びスロットル開度を検出するスロットルポジションセンサ15が設けられており、検出したスロットル開度はECU50に出力される。符号23は、エンジン10の排気管を示す。

0023

エンジン10には、エンジン回転数(エンジン回転速度)Neを検出するエンジン回転数センサ17が設けられており、検出したエンジン回転数NeはECU50に出力される。また、車両1には、車両の走行速度を検出する車速センサ51が設けられていると共に、運転者が操作するシフトレバーの位置を検出するシフトポジションセンサ52が設けられており、検出した車速シフトポジションはECU50に出力される。

0024

無段変速機30には、プライマリプーリ31の回転数(プライマリ回転数Nin)を検出するプライマリプーリ回転センサ34と、セカンダリプーリ32の回転数(セカンダリ回転数Nout)を検出するセカンダリプーリ回転センサ35が設けられており、検出されたプライマリ回転数Ninおよびセカンダリ回転数Noutは、ECU50に出力される。

0025

トルクコンバータ20には、タービンランナ22の回転数(タービン回転数Nt)を検出するタービンランナ回転数センサ25が設けられており、検出されたタービン回転数Ntは、ECU50に出力される。

0026

ECU50は、上記のものを含む車両内の各種センサ類の情報に基づいて、エンジン10、ロックアップクラッチ24、クラッチ36、油圧制御装置40など車両の各部の制御を行う。ECU50は、エンジン回転数、吸入空気量、スロットル開度などのエンジン10の運転状態に基づいて燃料噴射量、噴射時期点火時期などを決定し、インジェクタ点火プラグなどを制御する。また、ECU50は、変速マップを有しており、スロットル開度、車速などに基づいて、無段変速機30の変速比を決定し、この決定された変速比を成立させるように油圧制御装置40を制御する。

0027

ECU50は、車両1の減速時等の走行中にクラッチ36を開放することでエンジン10と駆動輪90との動力伝達経路を遮断して車両1を惰性走行させる惰行制御を実行することができる。惰行制御は、例えば、アクセル開度が0の全閉時やアクセル開度が予め定められた所定開度以下のときに実行される。本実施形態における惰行制御とは、フリーラン制御、減速S&S制御、N惰行制御の少なくとも1つを含むものである。

0028

減速S&S制御は、クラッチ36を開放し、かつエンジン10を停止したままで車両1を走行させる制御である。減速S&S制制御では、エンジン10における燃料消費が停止することで、燃費の向上を図ることができる。減速S&S制御は、主として運転者のブレーキ操作制動操作)に伴った車両1の減速走行時にエンジン10の作動を停止してアイドリングストップを実行する。

0029

フリーラン制御は、減速S&S制御と同様に、クラッチ36を開放し、かつエンジン10を停止したままで車両1を走行させる制御である。フリーラン制御は、運転者のブレーキ操作(制動操作)に伴った車両1の減速走行時や停車時に限らず、定速走行時などにも積極的にエンジン10の作動を停止してアイドリングストップを実行する。

0030

N惰行制御は、エンジン10をアイドル状態運転したままでクラッチ36を開放して車両1を走行させるものである。N惰行制御では、無段変速機30をニュートラルとして車両1を走行させることに相当する。N惰行制御では、エンジンブレーキが作用しなくなることから、走行負荷を低減して燃費の向上を図ることができる。また、エンジン10が回転したままであることから、N惰行制御からの復帰時における加速応答性に優れる。

0031

なお、惰行制御は、減速時に限らず、クラッチ36が係合した状態で車両1が定速走行できるときに実行されてもよい。言い換えると、惰行制御は、車両1が加速しないときに実行されるようにしてもよい。本実施形態の惰行制御は、エンジン10が駆動輪90によって駆動される被駆動状態となるアクセル開度や、エンジン10が駆動輪90を駆動する駆動状態とならないアクセル開度において惰性走行を実行することができる。

0032

ECU50は、惰行制御の惰性走行中にアクセルが踏み込まれると、クラッチ36を係合して車両1を惰行走行状態から復帰させる。これにより、エンジン10の動力による加速が可能な状態となる。

0033

また、ECU50は、車両1の走行中にエンジン10への燃料噴射を一時的に停止させる、所謂アイドルオンフューエルカット制御(以降、単に「フューエルカット制御」と記載する)を実行することができる。フューエルカット制御は、例えばアクセル開度が全閉であり(アイドルスイッチオン状態となり)、かつ、エンジン回転数Neが所定値以上である場合に実行することができる。フューエルカット制御の実行中は、ロックアップクラッチ24及びクラッチ36が係合状態となり、エンストを回避するよう構成される。

0034

フューエルカット制御は、エンスト発生を回避するため、車速が所定値以下では実施不可である。ECU50は、フューエルカット制御の実行中に、車速がこの所定値まで減速した場合には、エンジン10への燃料噴射を再開して車両1をフューエルカット制御から復帰させる。本実施形態では、このようにフューエルカット制御から復帰する車速の所定値のことを「F/C復帰車速」という。

0035

また、ECU50は、フューエルカット制御が特に減速中に実施される場合には、併せてロックアップクラッチ24を係合し、フューエルカット制御からの復帰時にはロックアップクラッチ24を開放する。より詳細には、ECU50は、フューエルカット制御の実施中に車速がF/C復帰車速に近づいてくると、ロックアップクラッチ24の開放動作を開始し、F/C復帰車速にて、エンジン回転数Neとタービンランナ22の回転数(タービン回転数Nt)との間に回転数差が発生している開放状態またはスリップ係合状態となるようロックアップクラッチ24を制御する。

0036

ここで、車両1が、減速時にフューエルカット制御が実施されており、車速がF/C復帰車速まで減速してフューエルカット制御から復帰した後に、惰行制御のうち減速S&S制御が実施される状況を考える。

0037

減速S&S制御では、エンジン停止時のショック抑制のため、エンジン10を停止する前にクラッチ36を開放する。フューエルカット制御からの復帰時には、ロックアップクラッチ24が開放されエンジン10への燃料噴射が再開されるため、動力伝達経路上にトルク変動が発生する場合がある。このようなトルク変動が発生している最中に減速S&S制御が実施されクラッチ36が開放されると、動力伝達経路上の振動が助長され車両1にショックが発生する虞がある。

0038

そこで本実施形態では、減速S&S制御開始時に車両1にショックが発生するのを防止するため、減速S&S制御によるクラッチ36の開放動作が完了する時期が、フューエルカット制御からの復帰に伴い発生するトルク変動が収束した後となるよう設定可能に構成されている。クラッチ36の開放動作が完了する時期(開放完了時期)とは、クラッチ36が完全係合状態からスムース開放動作を開始し、完全に開放した状態となるタイミングである。この開放完了時期は、例えばクラッチ36への供給油圧の指令値であるC1指示圧に関して、開放動作の開始時の初期圧P0や、その後の減少勾配などの制御量を調整することで設定することができる。

0039

フューエルカット制御からの復帰時(ロックアップクラッチ24の開放時)からトルク変動が収束するまでの収束所要時間は、例えば車両の動力伝達経路の構成や配置などに依存して決まるものである。本実施形態では、ECU50は、無段変速機30のプライマリプーリ31の回転数(プライマリ回転数Nin)に着目して、この収束所要時間を取得するよう構成されている。プライマリ回転数Ninは、クラッチ36の下流側の回転数である。

0040

具体的には、ECU50は、フューエルカット復帰後(ロックアップクラッチ24の開放後)のトルク変動に伴うプライマリ回転数Ninの振動を観測し、この振動によるピーク値を所定回数検出するまでの時間Taを計測する。そして、この時間Taに所定時間α加算したものを、ロックアップクラッチ24の開放完了後からクラッチ36の下流側にて回転数の振動が所定回数発生した後までの収束所要時間(以降「Ta+α」と表す)とする。つまり、本実施形態では、プライマリ回転数Ninが所定回数振動した後にさらに所定時間αが経過した後に、プライマリ回転数Ninの振動が収束し、トルク変動も収束したものと判定する。

0041

ECU50は、クラッチ36の下流側にて回転数(プライマリ回転数Nin)の振動が所定回数発生した後にクラッチ36の開放を完了するよう、クラッチ36の開放完了時期を学習制御により設定する。言い換えると、ECU50は、ロックアップクラッチ24の開放完了後からクラッチ36の開放完了時期までの動作所要時間(以降「Tb」と表す)を、ロックアップクラッチ24の開放完了後からプライマリ回転数Ninの振動が所定回数発生した後までの収束所要時間Ta+αに収束させるよう、C1スムース開放制御の制御量を調整する学習制御を行う。本実施形態で調整するC1スムース開放制御の制御量とは、具体的にはC1スムース開放制御の開始時の初期圧P0である。

0042

クラッチ36の開放完了時期の学習制御では、例えば、動作所要時間Tbが収束所要時間Ta+αより短い場合には、クラッチ36の開放完了時期が遅くなる方向に遷移するよう、C1スムース開放制御の初期圧P0の値を増大させる。また、動作所要時間Tbが収束所要時間Ta+αより長い場合には、クラッチ36の開放完了時期が早くなる方向に遷移するよう、C1スムース開放制御の初期圧P0の値を減少させる。このような学習制御を繰り返すことで、クラッチ36の開放完了時期がフューエルカット復帰後(ロックアップクラッチ24の開放後)にトルク変動が収束した後になるように、初期圧P0の最適値を獲得することができる。

0043

また、一般にロックアップクラッチ24には、係合時の捩じり振動の抑制等を目的としてダンパーが設けられている。N惰行制御によるクラッチ36の開放時に、ロックアップクラッチ24がスリップ係合状態など開放状態となっていない場合には、ダンパーの影響により動力伝達経路上に共振が発生する虞がある。そこで、本実施形態では、このような共振によるショック発生を防止するために、クラッチ36の開放完了時期が、ロックアップクラッチ24の開放完了時期より後となるよう設定されている。

0044

ここで、ECU50は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びインターフェースなどを含む周知のマイクロコンピュータ主体とする電子回路である。これまで説明したECU50の各機能は、ROMに保持されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することによって、CPUの制御のもとで車両1内の各種装置を動作させると共に、RAMやROMにおけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。

0045

また、ECU50は、上記の各機能に限定されず、車両1のECUとして用いるその他の各種機能を備えている。また、上記のECU50とは、エンジン10を制御するエンジンECU、駆動系を制御するT/M−ECU、惰行制御(S&S(スタートストップ)制御)を実行するためのS&S−ECUなどの複数のECUを備える構成であってもよい。

0046

次に、図2,3を参照して、本実施形態に係る車両制御装置2の動作について説明する。図2は、本実施形態に係る車両制御装置2によるフューエルカット制御からの復帰処理と、減速S&S制御の開始処理を示すタイムチャートであり、図3は、本実施形態に係る車両制御装置2によるクラッチ36の開放完了時期の学習制御処理を示すフローチャートである。

0047

まず図2を参照して、フューエルカット制御から復帰した後に、減速S&S制御を実施する場合の車両制御装置2の動作について説明する。図2のタイムチャートには、回転数、LU指示圧(ロックアップクラッチ24への供給油圧の指令値)、C1指示圧(C1クラッチ36への供給油圧の指令値)、エンジン点火時期、D/Sトルク(動力伝達経路のトルク)の時間遷移がそれぞれ示されている。

0048

図2のタイムチャートは、車両減速中にフューエルカット制御が実施されている状態から開始されており、車速は一様に減速している状態である。また、エンジン回転数Ne、トルクコンバータ20のタービンランナ22の回転数(タービン回転数Nt)、及び無段変速機30のプライマリプーリ31の回転数(プライマリ回転数Nin)は、このタイムチャートの当初には、ロックアップクラッチ24及びクラッチ36が共に係合しており、エンジン10から無段変速機30までが一体回転しているため、同一回転数となっている。

0049

時刻t1において、ECU50によりフューエルカット制御からの復帰要求図2には「F/C復帰要求」と示される)が行われる。この復帰要求は、例えば車両1の車速が、ロックアップクラッチ24のL/Uスムース開放制御を開始する下限の車速(L/U制御下限車速)まで減速した場合などを条件とする。この復帰要求に応じて、ロックアップクラッチ24のL/Uスムース開放制御が開始される。LU指示圧は、時刻t1においてL/Uスムース開放制御の初期圧までステップ状に減少され、t1以降は開放動作が完了するまで所定の減少勾配で低下する。ここで、初期圧は、車両の減速度、エンジン回転数、油温エアコン負荷等に応じて適宜設定され、減少勾配は、ロックアップクラッチ24のハードウェア構成断接動作設定に依存して決定される。

0050

また、図2の例では、時刻t1において、減速S&S制御の実施条件も成立しており、クラッチ36のC1スムース開放制御も開始される。C1指示圧は、時刻t1においてC1スムース開放制御の初期圧P0までステップ状に減少され、t1以降は開放動作が完了するまで所定の減少勾配で低下する。ここで、初期圧P0は、車両の減速度、エンジン回転数、油温、エアコン負荷等に応じて基準値が適宜設定され、図3を参照して以下で説明するクラッチ36の開放完了時期の学習制御によって適宜増減される。また、減少勾配は、クラッチ36のハードウェア構成や断接動作設定に依存して決定される。なお、クラッチ36の開放開始時期は、クラッチ36のC1指示圧の減少勾配や解放完了時期によっては、時刻t1より後に設定してもよい。

0051

時刻t2において、ロックアップクラッチ24の開放が完了すると共に、フューエルカット制御から復帰する。このとき、エンジンの点火時期が遅角側に設定されてエンジン10への燃料噴射が再開される。このエンジン再開に伴い、D/Sトルクが急激に増大し振動しはじめる。

0052

また、時刻t2においてロックアップクラッチ24が開放されたことにより、エンジン回転数Neと、タービン回転数Nt(及びプライマリ回転数Nin)との間に回転数差が生じる。そして、プライマリ回転数Nin及びタービン回転数Ntは、D/Sトルクと連動して振動しはじめる。プライマリ回転数Ninの振動は、ロックアップクラッチ24の開放が完了した時刻t2から、ピーク値を所定回数(図2では2回)計測するまでの時間Taの経過後、さらに所定時間αが経過した後の時刻t4までに収束している。

0053

C1スムース開放制御が実施されているクラッチ36は、開放完了時期の学習制御が行われる前(学習前)には、図2点線で示すように、プライマリ回転数Ninの振動が収束する時刻t4より早い時刻t3にて開放が完了されている。すなわち、ロックアップクラッチ24の開放完了後からクラッチ36の開放完了時期までの学習前の動作所要時間Tbi−1は、プライマリ回転数Ninの振動が収束するまでの収束所要時間Ta+αより短い。

0054

クラッチ36の開放完了時期の学習制御が実行されると、図2実線で示すように、初期値P0が適宜増加されて、クラッチ36の開放完了時期が、プライマリ回転数Ninの振動が収束する時刻t4まで遅くなるように変更されている。すなわち、学習後の動作所要時間Tbiは、収束所要時間Ta+αに収束させるよう増加されている。

0055

時刻t4にてクラッチ36の開放が完了した後には、図2には図示しないが減速S&S制御によりエンジン10が停止される。

0056

次に図3を参照して、クラッチ36の開放完了時期の学習制御について説明する。このフローチャートの処理は、ECU50により例えば所定周期ごとに実施される。

0057

まず、シフトレンジシフトパターンに関する減速S&S制御の実施条件が成立し、許可状態となっているか否かが確認される(S101)。減速S&S許可状態である場合にはステップS102に移行する。減速S&S許可状態でない場合には処理を終了する。

0058

次に、車速を除くS&S制御(減速S&S制御に加え、車両停止時にクラッチ36を開放する「停止S&S制御」も含む)の実施条件が成立し、許可状態となっているか否かが確認される(S102)。S&S制御の実施条件とは、エンジン、バッテリー車両状態、アクセル、ブレーキなどの各種情報について設定されている。S&S制御許可状態である場合にはステップS103に移行する。S&S制御許可状態でない場合には処理を終了する。

0059

次に、L/Uスムース開放制御を実施中であるか否かが確認される(S103)。この条件を満たすのは、図2のタイムチャートでは、ロックアップクラッチ24の解放が開始される時刻t1以降となる。ロックアップクラッチ24がL/Uスムース開放制御中である場合には、ステップS104に移行し、そうでない場合には処理を終了する。

0060

次に、L/Uスムース開放制御の開始時の車速(L/U開放車速)が所定のL/U開放最低車速Vminであったか否かが確認される(S104)。L/U開放車速がL/U開放最低車速Vminであった場合にはステップS105に移行し、そうでない場合には処理を終了する。

0061

次に、現在の車速が、被駆動領域クリープ力の無い領域)にあり(Vde<車速(Vdeは被駆動領域の最低速度))、かつL/U開放最低車速Vminより小さい(車速<Vmin)か否かが確認される(S105)。車速がVde<車速<Vminの条件を満たす場合にはステップS106に移行し、そうでない場合には処理を終了する。

0062

エンジン10がアイドル状態となってから所定時間が経過したか否かが確認される(S106)。この判定は、アクセル急閉時にも被駆動状態となってからクラッチ36の開放制御を実施できるように設定されている。所定時間が経過している場合にはステップS107に移行し、そうでない場合には処理を終了する。

0063

次に、すでに惰行制御用C1クラッチ制御が実行中であるか否かが確認される(S107)。惰行制御用C1クラッチ制御が実行中でない場合にはステップS108に移行し、実行中である場合には処理を終了する。

0064

以上の判定ステップS101〜S107の各条件を全て満たす場合に、クラッチの開放時期の学習制御が実行可能となる。図2のタイムチャートでは、時刻t1において、ステップS101〜107のすべての条件が成立し学習制御が開始されている。

0065

まず、クラッチ開放油圧制御が開始される(S108)。クラッチ開放油圧制御とは、図2のタイムチャートでは、時刻t1から時刻t3(または時刻t4)にかけてクラッチ36が完全に開放するまでC1指示圧を初期圧P0にステップ状に減少し、所定の減少勾配で徐々に減少させてゆくC1スムース開放制御をいう。図2のタイムチャートでは、時刻t1において、ステップS107のクラッチ開放油圧制御(C1スムース開放制御)を開始する処理が実施され、C1指示圧が初期圧P0までステップ状に低下されている。ここで、初期圧P0は、前回のC1スムース開放制御の実行時に学習制御により補正された初期圧P0が用いられる。なお、クラッチ開放油圧制御(C1スムース開放制御)は、ステップS107で挙げた惰行制御用C1クラッチ制御の一部に含まれる。

0066

次に、ロックアップクラッチ24の開放が完了しているか否かが確認される(S109)。この条件を満たすのは、図2のタイムチャートでは、ロックアップクラッチ24の解放が完了する時刻t2以降となる。ロックアップクラッチ24の開放が完了している場合にはステップS110に移行する。ロックアップクラッチ24の開放が完了していない場合には、惰行制御用C1クラッチ制御の終了条件が成立しているか否かが確認され(S116)、終了条件が成立している場合には処理を終了し、終了条件が成立していない場合にはステップS109に戻りロックアップクラッチ24の開放が完了するまで待機する。なお、惰行制御用C1クラッチ制御の終了条件とは、例えばアクセル操作が検出された場合などを設定することができる。

0067

ステップS109にてロックアップクラッチ24の開放が完了したと判定された場合には、プライマリ回転数Ninの振動によるピーク値を所定回数検出するまでの時間Taと、クラッチ開放完了までの動作所要時間Tbのカウントが開始される(S110)。これ以降、プライマリ回転数Ninの振動によるピーク値を検出するごとにピークカウント値Nninが、初期値0から1ずつ増やされる。

0068

次に、プライマリ回転数Ninの振動のピークカウント値Nninが所定の閾値以上となったか否かが確認される(S111)。ピークカウント値Nninが閾値以上である場合にはステップS112に移行する。ピークカウント値Nninが閾値未満である場合には、惰行制御用C1クラッチ制御の終了条件が成立しているか否かが確認され(S117)、終了条件が成立している場合には処理を終了し、終了条件が成立していない場合にはステップS111に戻りピークカウント値Nninが所定の閾値以上となるまで待機する。

0069

ステップS111にてピークカウント値Nninが閾値以上であると判定された場合には、プライマリ回転数Ninの振動が所定回数検出されたものとして、時間Taがラッチ処理される(S112)。

0070

次に、C1クラッチ(クラッチ36)の開放が完了したか否かが確認される(S113)。開放完了の判断は、例えばクラッチ36への供給油圧が所定値を下回った場合とすることができる。図2のタイムチャートでは、C1指示圧が点線の場合には時刻t3にてクラッチ36の開放が完了したものと判定され、実線の場合には時刻t4にてクラッチ36の開放が完了したものと判定される。クラッチ36の開放が完了している場合にはステップS114に移行する。クラッチ36の開放が完了していない場合には、惰行制御用C1クラッチ制御の終了条件が成立しているか否かが確認され(S118)、終了条件が成立している場合には処理を終了し、終了条件が成立していない場合にはステップS113に戻りクラッチ36の開放が完了するまで待機する。

0071

ステップS113にてC1クラッチ(クラッチ36)の開放が完了したと判定された場合には、ロックアップクラッチ24の開放完了後からクラッチ36の開放完了時期までの動作所要時間Tbがラッチ処理される(S114)。

0072

次に、Ta,Tbを用いて学習補正値が算出される(S115)。学習補正値は、以下の(1)式を用いて算出される。
学習補正値=G×{(Ta+α)−Tb} ・・・(1)
ここで、Gは学習の進度を決めるゲインであり、G<1である。また、αは、上述のように、プライマリ回転数Ninが所定回数振動後、振動が収束すると予測される所定時間を示すパラメータである。αは、例えば「秒」や「ミリ秒」など、TaやTbと同一単位数値を設定することができる。

0073

次に、ステップS115にて算出した学習補正値を用いて、C1スムース開放制御の初期圧P0が補正される(S119)。具体的には、以下の(2)式を用いて、今回のC1スムース開放制御で用いた初期圧P0の値(P0(今回値))と、(1)式で算出した学習補正値に基づき、次回のC1スムース開放制御に用いる初期圧P0の値(P0(次回値))を算出する。
P0(次回値)=P0(今回値)+学習補正値
=P0(今回値)+G×{(Ta+α)−Tb} ・・・(2)

0074

ここで、図2を参照して上記(2)式による学習制御をさらに説明する。クラッチ36の動作所要時間Tbi−1が収束所要時間Ta+αより短い場合には、(2)式では学習補正値が正の値となるので、P0(次回値)はP0(今回値)より増加する。これにより、クラッチ36の開放完了時期が、時刻t3から時刻t4の方向へ遷移して遅くなるので、動作所要時間Tbが長くなり、収束所要時間Ta+αとの偏差縮小される。

0075

一方、図2には図示しないが、クラッチ36の動作所要時間Tbが収束所要時間Ta+αより長い場合には、クラッチ36の開放完了時期は時刻t4より後となる。この場合、(2)式では学習補正値が負の値となるので、P0(次回値)はP0(今回値)より減少する。これにより、クラッチ36の開放完了時期が、時刻t4の方向へ遷移して早まるので、動作所要時間Tbが短くなり、収束所要時間Ta+αとの偏差は縮小される。

0076

このような(2)式を用いた学習制御がC1スムース開放処理を実施する度に繰り返されることにより、最終的には、クラッチの動作所要時間が収束所要時間Ta+αと同一となるTbiに収束し、クラッチ36の開放完了時期は時刻t4に収束する。

0077

次に、本実施形態に係る車両制御装置2の効果について説明する。

0078

本実施形態の車両制御装置2は、車両1のエンジン10と駆動輪90との動力伝達経路に配置されたロックアップクラッチ24と、動力伝達経路を断接するクラッチ36と、を備え、車両1の走行時に、クラッチ36を開放して惰性走行を行う惰行制御を実施可能である。この車両制御装置2では、惰行制御におけるクラッチ36の開放完了時期が、ロックアップクラッチ24の開放制御中に惰行制御が実行される状況において、ロックアップクラッチ24の開放完了後にクラッチ36の下流側にてプライマリ回転数Ninの振動が所定回数発生した後となるよう設定される。

0079

この構成により、惰行制御の開始時には、プライマリ回転数Ninの回転数変動が所定回数発生して収束した後にクラッチ36を開放することができるので、惰行制御におけるクラッチ36の開放完了時期を最適に設定することが可能となる。このため、動力伝達経路のトルク変動に伴う振動などのショックが車両1に発生するのを抑制することが可能となり、この結果、車両走行中のクラッチ開放によるショックを抑制できる。

0080

また、本実施形態の車両制御装置2において、惰行制御におけるクラッチ36の開放完了時期は、ロックアップクラッチ24の開放完了後からクラッチ36の開放完了時期までの動作所要時間Tbを、ロックアップクラッチ24の開放完了後からクラッチ36の下流側にてプライマリ回転数Ninの振動が所定回数発生した後までの収束所要時間Ta+αに収束させるよう、クラッチ36の開放制御の制御量である初期圧P0を調整する学習制御を実施することで設定される。

0081

この構成により、学習制御を繰り返すことによって、クラッチ36の開放完了時期を、最終的には確実に動力伝達経路のトルク変動に伴う振動などが収束した後となるよう設定することができるので、クラッチ36の開放完了時期の最適な設定を簡便に行うことが可能となり、車両走行中のクラッチ開放によるショックをより一層抑制できる。

0082

また、本実施形態の車両制御装置2は、エンジン10への燃料供給を停止するフューエルカット制御を実施可能であり、ロックアップクラッチ24の開放制御はフューエルカット制御からの復帰時に実施される。

0083

この構成により、フューエルカット復帰後に速やかにクラッチ36を開放して惰行制御を実行できる。特に惰行制御のうち減速S&S制御やフリーラン制御を実行する場合には、クラッチ36を完全開放した後にエンジンを停止させる制御を実行するが、上記構成によりクラッチ36の開放完了時期を最適に設定することができ、迅速に惰行制御を実施できるので、エンジン10の停止遅れを低減することができ、燃費向上を図ることができる。

0084

以上、本発明について好適な実施形態を示して説明したが、本発明はこれらの実施形態により限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、動力伝達経路の変速装置の一例としてベルト式の無段変速機30を適用した場合について説明しているが、変速装置は、例えば手動変速機MT)、有段自動変速機(AT)、トロイダル式無段自動変速機(CVT)、マルチモードマニュアルトランスミッション(MMT)、シーケンシャルマニュアルトランスミッション(SMT)、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)、などを用いてもよい。

0085

また、上記実施形態では、クラッチ36を開放して惰性走行を行う惰行制御の一例として減速S&S制御を実施する状況を例示したが、他の惰行制御であるN惰行制御やフリーラン制御などに置き換えても良い。

0086

また、上記実施形態では、ロックアップクラッチ24を開放する制御の一例としてアイドルオンフューエルカット制御を実施する状況を例示したが、惰行制御の実施前にロックアップクラッチ24を開放する状況であれば他の制御に置き換えてもよい。

0087

上記実施形態では、クラッチ36の開放完了時期を学習制御するために、クラッチ開放制御の制御量のうちC1指示圧の初期圧P0を調整する構成を例示したが、クラッチ36の開放完了時期を制御可能であれば、例えばC1指示圧の減少勾配やスムース開放制御の開始時期など他の制御量を調整してもよい。

0088

また、上記実施形態では、ロックアップクラッチ開放後の動力伝達経路上のトルク変動の収束を判定する指標として、クラッチ36の下流側の回転数であるプライマリ回転数Ninの振動を検出する構成を例示したが、例えば無段変速機30のセカンダリ回転数Noutや、クラッチ36の上流側の回転数であるタービン回転数Ntなど、動力伝達系路上の他の回転数の振動を検出する構成としてもよい。

0089

1 車両
2車両制御装置
10エンジン
24ロックアップクラッチ
36クラッチ
40油圧制御装置
50 ECU
90駆動輪
Ninプライマリ回転数
Nninピークカウント値
P0初期圧
Ta+α収束所要時間
Tb,Tbi,Tbi−1動作所要時間

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