図面 (/)

技術 加工方法および加工装置

出願人 株式会社ジェイテクト
発明者 大谷尚中野浩之
出願日 2011年12月20日 (9年2ヶ月経過) 出願番号 2011-278454
公開日 2013年7月4日 (7年7ヶ月経過) 公開番号 2013-129000
状態 特許登録済
技術分野 歯車加工
主要キーワード 位相ずれ角度 位相ずれ角 軸ガイド溝 直進軸 チルトテーブル 加工基準点 軸旋回 ワンチャック
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年7月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

前加工と後加工との位置合わせを正確に且つ簡易に行うことが可能な加工方法および簡易な構成により小型化が可能な加工装置を提供すること。

解決手段

工作物取付部に取付けたままで前加工および後加工を行うので、前加工の位置情報に基づいて、後加工の位置情報を算出することができる。また、前加工後の工作物の所定位置を測定することにより、前加工に対する後加工の位相ずれを算出することができる。これにより、前加工と後加工との位置合わせおよび位相割出しを正確に且つ簡易に行うことが可能となる。よって、前加工と後加工との位置ずれが発生しないため、加工精度を向上させることができる。さらに、前加工と後加工との間で工作物を脱着する必要がないため、後加工のための段取り時間を短縮させることができる。

概要

背景

例えば、特許文献1には、前加工としてホブにより工作物歯切り加工し、その後に後加工としてエンドミルにより歯面の面取り加工するときの歯面の位置合わせおよび位相割出し方法が開示されている。この方法は、近接スイッチが歯車歯先または歯溝を検出したときに、タッチセンサが歯溝上に位置されるように、近接スイッチとタッチセンサとの位置関係を予め設定する。そして、近接スイッチが歯先または歯溝を検出するまで歯車を回転させ、タッチセンサを歯溝に進入させ、タッチセンサが歯面を検出するまで歯車を回転させる。これにより、歯溝の位置調整を工作物を目視することなく容易かつ確実に行うことができる。

概要

前加工と後加工との位置合わせを正確に且つ簡易に行うことが可能な加工方法および簡易な構成により小型化が可能な加工装置を提供すること。工作物を取付部に取付けたままで前加工および後加工を行うので、前加工の位置情報に基づいて、後加工の位置情報を算出することができる。また、前加工後の工作物の所定位置を測定することにより、前加工に対する後加工の位相ずれを算出することができる。これにより、前加工と後加工との位置合わせおよび位相割出しを正確に且つ簡易に行うことが可能となる。よって、前加工と後加工との位置ずれが発生しないため、加工精度を向上させることができる。さらに、前加工と後加工との間で工作物を脱着する必要がないため、後加工のための段取り時間を短縮させることができる。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、前加工と後加工との位置合わせおよび位相割出しを正確に且つ簡易に行うことが可能な加工方法および簡易な構成により低コスト化が可能な加工装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

工作物に対し前加工用工具相対移動および相対回転させることにより前加工を行う前加工工程と、前記前加工用工具を後加工用工具交換する工具交換工程と、前記前加工における前記工作物と前記前加工用工具との相対位置に基づいて、前記後加工における前記工作物と前記後加工用工具との相対位置を算出する位置演算工程と、前記後加工における前記工作物の基準位置と前記工作物の回転軸における基準位置との前記回転軸における位相ずれを算出するための前記工作物の所定位置を測定する位置測定工程と、測定した前記工作物の所定位置に基づいて、前記位相ずれを算出する位相演算工程と、算出した前記位相ずれに基づいて、前記工作物の前記後加工用工具に対する位相割出しを行う位相割出し工程と、算出した前記工作物と前記後加工用工具との相対位置に基づいて、前記工作物の取付部に前記工作物を取付けたままで前記工作物に対し前記後加工用工具を相対移動および相対回転させることにより後加工を行う後加工工程と、を備える加工方法

請求項2

請求項1において、前記前加工工程は、平歯歯切りを行い、前記位置測定工程は、前記平歯の歯厚方向の所定位置を測定し、前記位相演算工程は、測定した前記平歯の歯厚方向の所定位置に基づいて、前記平歯の歯面の基準位置と前記工作物の回転軸における基準位置との前記回転軸における位相ずれ角を算出し、前記位相割出し工程は、算出した前記位相ずれ角で前記工作物を回転し、前記後加工工程は、前記平歯の歯面に対する加工を行う加工方法。

請求項3

請求項1において、前記前加工工程は、はす歯の歯切りを行い、前記位置測定工程は、前記はす歯の歯幅方向の所定位置を測定すると共に、前記はす歯の歯厚方向の所定位置を測定し、前記位相演算工程は、測定した前記はす歯の歯幅方向の所定位置と前記工作物の回転軸における基準位置との前記回転軸における第1の位相ずれ角を算出すると共に、測定した前記はす歯の歯厚方向の所定位置に基づいて、前記はす歯の歯面の基準位置と前記工作物の回転軸における基準位置との前記回転軸における第2の位相ずれ角を算出し、前記位相割出し工程は、算出した前記第1および第2の位相ずれ角で前記工作物を回転し、前記後加工工程は、前記はす歯の歯面に対する加工を行う加工方法。

請求項4

請求項3において、前記位相演算工程および前記位相割出し工程を繰り返すことにより、前記第1の位相ずれ角を0にする加工方法。

請求項5

前加工用工具と後加工用工具との交換が可能であり、工作物の取付部に取付けた前記工作物に対し前記前加工用工具を相対移動および相対回転させることにより前加工を行い、前記工作物を前記取付部に取付けたままで前記工作物に対し前記後加工用工具を相対移動および相対回転させることにより後加工を行う加工装置であって、前記工作物に接触して信号を出力するタッチセンサ手段と、前記前加工および前記後加工に必要な情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読出した前記前加工における前記工作物と前記前加工用工具との相対位置に基づいて、前記後加工における前記工作物と前記後加工用工具との相対位置を算出して前記記憶手段に記憶する位置演算手段と、前記後加工における前記工作物の基準位置と前記工作物の回転軸における基準位置との前記回転軸における位相ずれを算出するための前記工作物の所定位置を、前記タッチセンサ手段から入力する前記信号に基づいて測定して前記記憶手段に記憶する位置測定手段と、前記記憶手段から読出した前記工作物の所定位置に基づいて、前記位相ずれを算出して前記記憶手段に記憶する位相演算手段と、前記前加工を行い、前記記憶手段から読出した前記位相ずれに基づいて、前記工作物の前記後加工用工具に対する位相割出しを行い、前記記憶手段から読出した前記工作物と前記後加工用工具との相対位置に基づいて前記後加工を行う加工制御手段と、を備える加工装置。

技術分野

0001

本発明は、前加工用工具後加工用工具との交換が可能であり、工作物取付部に取付けた工作物に対し前加工用工具を相対移動および相対回転させることにより前加工を行い、工作物を取付部に取付けたままで工作物に対し後加工用工具を相対移動および相対回転させることにより後加工を行う加工方法および加工装置に関する。

背景技術

0002

例えば、特許文献1には、前加工としてホブにより工作物を歯切り加工し、その後に後加工としてエンドミルにより歯面の面取り加工するときの歯面の位置合わせおよび位相割出し方法が開示されている。この方法は、近接スイッチが歯車歯先または歯溝を検出したときに、タッチセンサが歯溝上に位置されるように、近接スイッチとタッチセンサとの位置関係を予め設定する。そして、近接スイッチが歯先または歯溝を検出するまで歯車を回転させ、タッチセンサを歯溝に進入させ、タッチセンサが歯面を検出するまで歯車を回転させる。これにより、歯溝の位置調整を工作物を目視することなく容易かつ確実に行うことができる。

先行技術

0003

特開平3−228519号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上述の特許文献1に記載の方法では、近接スイッチが歯先または歯溝を検出するまで歯車を回転させ、タッチセンサを歯溝に進入させ、タッチセンサが歯面を検出するまで歯車を回転させる必要があるため、前加工と後加工との位置合わせおよび位相割出しに手間が掛かっている。また、近接スイッチ、タッチセンサおよびそれらを保持するホルダ等を備える必要があり、その設置スペースが必要になると共に装置コストが嵩む傾向にある。

0005

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、前加工と後加工との位置合わせおよび位相割出しを正確に且つ簡易に行うことが可能な加工方法および簡易な構成により低コスト化が可能な加工装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

(加工方法)
(請求項1)本発明の加工方法は、工作物に対し前加工用工具を相対移動および相対回転させることにより前加工を行う前加工工程と、前記前加工用工具を後加工用工具に交換する工具交換工程と、前記前加工における前記工作物と前記前加工用工具との相対位置に基づいて、前記後加工における前記工作物と前記後加工用工具との相対位置を算出する位置演算工程と、前記後加工における前記工作物の基準位置と前記工作物の回転軸における基準位置との前記回転軸における位相ずれを算出するための前記工作物の所定位置を測定する位置測定工程と、測定した前記工作物の所定位置に基づいて、前記位相ずれを算出する位相演算工程と、算出した前記位相ずれに基づいて、前記工作物の前記後加工用工具に対する位相割出しを行う位相割出し工程と、算出した前記工作物と前記後加工用工具との相対位置に基づいて、前記工作物の取付部に前記工作物を取付けたままで前記工作物に対し前記後加工用工具を相対移動および相対回転させることにより後加工を行う後加工工程と、を備える。

0007

(請求項2)また、前記前加工工程は、平歯歯切りを行い、前記位置測定工程は、前記平歯の歯厚方向の所定位置を測定し、前記位相演算工程は、測定した前記平歯の歯厚方向の所定位置に基づいて、前記平歯の歯面の基準位置と前記工作物の回転軸における基準位置との前記回転軸における位相ずれ角を算出し、前記位相割出し工程は、算出した前記位相ずれ角で前記工作物を回転し、前記後加工工程は、前記平歯の歯面に対する加工を行うとよい。

0008

(請求項3)また、前記前加工工程は、はす歯の歯切りを行い、前記位置測定工程は、前記はす歯の歯幅方向の所定位置を測定すると共に、前記はす歯の歯厚方向の所定位置を測定し、前記位相演算工程は、測定した前記はす歯の歯幅方向の所定位置と前記工作物の回転軸における基準位置との前記回転軸における第1の位相ずれ角を算出すると共に、測定した前記はす歯の歯厚方向の所定位置に基づいて、前記はす歯の歯面の基準位置と前記工作物の回転軸における基準位置との前記回転軸における第2の位相ずれ角を算出し、前記位相割出し工程は、算出した前記第1および第2の位相ずれ角で前記工作物を回転し、前記後加工工程は、前記はす歯の歯面に対する加工を行うとよい。

0009

(請求項4)また、前記位相演算工程および前記位相割出し工程を繰り返すことにより、前記第1の位相ずれ角を0にするとよい。

0010

(加工装置)
(請求項5)本発明の加工装置は、前加工用工具と後加工用工具との交換が可能であり、工作物の取付部に取付けた前記工作物に対し前記前加工用工具を相対移動および相対回転させることにより前加工を行い、前記工作物を前記取付部に取付けたままで前記工作物に対し前記後加工用工具を相対移動および相対回転させることにより後加工を行う加工装置であって、前記工作物に接触して信号を出力するタッチセンサ手段と、前記前加工および前記後加工に必要な情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読出した前記前加工における前記工作物と前記前加工用工具との相対位置に基づいて、前記後加工における前記工作物と前記後加工用工具との相対位置を算出して前記記憶手段に記憶する位置演算手段と、前記後加工における前記工作物の基準位置と前記工作物の回転軸における基準位置との前記回転軸における位相ずれを算出するための前記工作物の所定位置を、前記タッチセンサ手段から入力する前記信号に基づいて測定して前記記憶手段に記憶する位置測定手段と、前記記憶手段から読出した前記工作物の所定位置に基づいて、前記位相ずれを算出して前記記憶手段に記憶する位相演算手段と、前記前加工を行い、前記記憶手段から読出した前記位相ずれに基づいて、前記工作物の前記後加工用工具に対する位相割出しを行い、前記記憶手段から読出した前記工作物と前記後加工用工具との相対位置に基づいて前記後加工を行う加工制御手段と、を備える。

発明の効果

0011

(請求項1)本発明によると、工作物を取付部に取付けたままで前加工および後加工を行うので、前加工の位置情報に基づいて、後加工の位置情報を算出することができる。また、前加工後の工作物の所定位置を測定することにより、前加工に対する後加工の位相ずれを算出することができる。これにより、前加工と後加工との位置合わせおよび位相割出しを正確に且つ簡易に行うことが可能となる。よって、前加工と後加工との位置ずれが発生しないため、加工精度を向上させることができる。さらに、前加工と後加工との間で工作物を脱着する必要がないため、後加工のための段取り時間を短縮させることができる。

0012

(請求項2)前加工工程において平歯の歯切りを行う場合には、平歯の歯厚方向の所定位置を測定し、該所定位置に基づいて平歯の歯面の基準位置と工作物の回転軸における基準位置との回転軸における位相ずれ角を算出するようにしている。これにより、前加工と後加工との位置合わせおよび位相割出しを正確に且つ簡易に行うことが可能となり、後加工工程において平歯の歯面に対する加工を行う場合には、平歯の歯面を後加工用工具により高精度に加工することが可能となる。

0013

(請求項3)前加工工程においてはす歯の歯切りを行う場合には、はす歯の歯幅方向の所定位置およびはす歯の歯厚方向の所定位置を測定し、歯幅方向の所定位置と工作物の回転軸における基準位置との回転軸における第1の位相ずれ角を算出すると共に、歯厚方向の所定位置に基づいてはす歯の歯面の基準位置と工作物の回転軸における基準位置との回転軸における第2の位相ずれ角を算出するようにしている。これにより、前加工と後加工との位置合わせおよび位相割出しを正確に且つ簡易に行うことが可能となり、後加工工程においてはす歯の歯面に対する加工を行う場合には、はす歯の歯面を後加工用工具により高精度に加工することが可能となる。

0014

(請求項4)はす歯の歯幅方向の所定位置を測定し、歯幅方向の所定位置に基づいてはす歯の歯面と後加工用工具による加工基準点との第1の位相ずれ角を算出する工程を繰り返して第1の位相ずれ角を0にしている。これにより、歯面が例えばインボリュート曲線曲面に形成されている場合であっても、前加工と後加工との位置合わせおよび位相割出しを正確に且つ簡易に行うことが可能となる。

0015

(請求項5)本発明の加工装置によれば、上述した加工方法における効果と同様の効果を奏する。特に、従来のような近接スイッチが不要となり、簡易な構成により低コスト化が可能となる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施の形態に係る加工装置の全体構成を示す斜視図である。
図1の加工装置の概略構成および制御装置を示す図である。
図2の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
(A)は、本発明の実施の形態に係る前加工における工作物と前加工用工具との相対位置関係を示す図、(B)は、本発明の実施の形態に係る後加工における工作物と後加工用工具との相対位置関係を示す図である。
(A)は、本発明の実施の形態に係る工作物としてはす歯歯車の位相ずれを求めるための第1および第2の測定点を示す図、(B)は、本発明の実施の形態に係る第1の測定点の測定方法を示す図、(C)は、第2の測定点の測定方法を示す図である。
(A)は、図5の第1の測定点の位相ずれを示す図、(B)は、図5の第2の測定点の位相ずれを示す図である。

実施例

0017

(1.加工装置の機械構成
加工装置1の一例として、5軸マシニングセンタを例に挙げ、図1および図2を参照して説明する。つまり、当該加工装置1は駆動軸として、相互に直交する3つの直進軸(X,Y,Z軸)および2つの回転軸(A軸、C軸)を有する加工装置である。

0018

図1および図2に示すように、加工装置1は、ベッド10と、コラム20と、サドル30と、回転主軸40と、テーブル50と、チルトテーブル60と、ターンテーブル70と、タッチセンサ80と、制御装置90とから構成される。なお、図示省略するが、ベッド10と並んで既知自動工具交換装置が設けられている。この自動工具交換装置は、例えば、加工装置1において前加工および後加工が行われる場合、前加工後に前加工用工具を後加工用の工具に自動的に交換する装置である。

0019

ベッド10は、ほぼ矩形状からなり、床上に配置される。ただし、ベッド10の形状は矩形状に限定されるものではない。このベッド10の上面には、コラム20が摺動可能な一対のX軸ガイドレール11a,11bが、X軸方向(水平方向)に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。さらに、ベッド10には、一対のX軸ガイドレール11a,11bの間に、コラム20をX軸方向に駆動するための、図略のX軸ボールねじが配置され、このX軸ボールねじを回転駆動するX軸モータ11cが配置されている。

0020

コラム20の底面には、一対のX軸ガイド溝21a,21bがX軸方向に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。コラム20は、ベッド10に対してX軸方向に移動可能なように、一対のX軸ガイド溝21a,21bが一対のX軸ガイドレール11a,11b上にボールガイド22a,22bを介して嵌め込まれ、コラム20の底面がベッド10の上面に密接されている。

0021

さらに、コラム20のX軸に平行な側面(摺動面)20aには、サドル30が摺動可能な一対のY軸ガイドレール23a,23bがY軸方向(鉛直方向)に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。さらに、コラム20には、一対のY軸ガイドレール23a,23bの間に、サドル30をY軸方向に駆動するための、図略のY軸ボールねじが配置され、このY軸ボールねじを回転駆動するY軸モータ23cが配置されている。

0022

コラム20の摺動面20aに対向するサドル30の側面30aには、一対のY軸ガイド溝31a,31bがY軸方向に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。サドル30は、コラム20に対してY軸方向に移動可能なように、一対のY軸ガイド溝31a,31bが一対のY軸ガイドレール23a,23bに嵌め込まれ、サドル30の側面30aがコラム20の摺動面20aに密接されている。

0023

回転主軸40は、サドル30内に収容された主軸モータ41により回転可能に設けられ、工具42を支持している。工具42は、回転主軸40の先端に固定され、回転主軸40の回転に伴って回転する。また、工具42は、コラム20およびサドル30の移動に伴ってベッド10に対してX軸方向およびY軸方向に移動する。なお、工具42としては、例えば、ホブ、エンドミル、ドリルタップ等である。

0024

さらに、ベッド10の上面には、テーブル50が摺動可能な一対のZ軸ガイドレール12a,12bがX軸方向と直交するZ軸方向(水平方向)に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。さらに、ベッド10には、一対のZ軸ガイドレール12a,12bの間に、テーブル50をZ軸方向に駆動するための、図略のZ軸ボールねじが配置され、このZ軸ボールねじを回転駆動するZ軸モータ12cが配置されている。

0025

テーブル50は、ベッド10に対してZ軸方向に移動可能なように、一対のZ軸ガイドレール12a,12b上に設けられている。テーブル50の上面には、チルトテーブル60を支持するチルトテーブル支持部63が設けられている。そして、チルトテーブル支持部63には、チルトテーブル60が水平方向のA軸回りで回転(揺動)可能に設けられている。チルトテーブル60は、テーブル50内に収容されたA軸モータ61により回転(揺動)される。

0026

チルトテーブル60には、ターンテーブル70がA軸に直角なC軸回りで回転可能に設けられている。ターンテーブル70には、工作物Wがチャッキングされる。ターンテーブル70は、工作物WとともにC軸モータ62により回転される。

0027

タッチセンサ80は、サドル30の前面に設けられ、サドル30の移動に伴って移動可能となっている。タッチセンサ80には、下方向(Y軸方向)に延びるプローブ81が設けられている。プローブ81が工作物W等に接触することにより、接触信号を制御装置90に出力するようになっている。

0028

制御装置90は、主軸モータ41を制御して、工具42を回転させ、X軸モータ11c、Z軸モータ12c、Y軸モータ23c、A軸モータ61およびC軸モータ62を制御して、工作物Wと工具42とをX軸方向、Z軸方向、Y軸方向、A軸回りおよびC軸回りに相対移動することにより、工作物Wの前加工および後加工を行う。例えば、前加工として前加工用の工具42であるホブにより工作物Wの歯切り加工を行い、その後に後加工として後加工用の工具42であるエンドミルにより歯面の面取り加工を行う。この制御装置90は、前加工と後加工との間において後述する方法により歯面の位置合わせおよび位相割出しを正確に且つ簡易行うことができる。よって、前加工と後加工との位置ずれが発生しないため、加工精度を向上させることができる。さらに、前加工と後加工との間で工作物Wを脱着する必要がなく、後加工のための段取り時間を短縮させることができる。

0029

(2.制御装置の構成)
図2に示すように、制御装置90は、X軸駆動制御部91と、Y軸駆動制御部92と、Z軸駆動制御部93と、A軸駆動制御部94と、C軸駆動制御部95と、主軸駆動制御部96と、位置演算部97と、位置測定部98と、位相演算部99と、記憶部100と、加工制御部101とを備えて構成される。ここで、各部91〜101は、それぞれ個別のハードウエアによる構成することもできるし、ソフトウエアによりそれぞれ実現する構成とすることもできる。

0030

X軸駆動制御部91は、X軸モータ11cと接続され、コラム20をサドル30と共にX軸方向に駆動制御する。Y軸駆動制御部92は、Y軸モータ23cと接続され、サドル30を回転主軸40およびタッチセンサ80と共にY軸方向に駆動制御する。Z軸駆動制御部93は、Z軸モータ12cと接続され、テーブル50をZ軸方向に駆動制御する。A軸駆動制御部94は、A軸モータ61と接続され、チルトテーブル60をA軸回りで回転(揺動)させる。C軸駆動制御部95は、C軸モータ62と接続され、ターンテーブル70をC軸回りで回転させる。主軸駆動制御部96は、主軸モータ41と接続され、回転主軸40を回転させる。

0031

位置演算部97は、前加工における工作物Wと前加工用の工具42との相対位置に基づいて、後加工における工作物Wと後加工用の工具42との相対位置を算出する。位置測定部98は、詳細は後述するが、図6(B)に示すように、後加工における工作物Wの基準位置M2と工作物Wの回転軸(C軸)における基準位置BaとのC軸における位相ずれ(第1位相ずれ角α+第2位相ずれ角β)を算出するため、工作物Wの所定位置を測定する。位相演算部99は、測定した工作物Wの所定位置に基づいて、上記C軸における位相ずれを算出する。記憶部100には、例えば、前加工における工作物Wと前加工用の工具42との相対位置等の前加工および後加工に必要な情報が記憶されている。加工制御部101は、工作物Wに対し前加工用の工具42を相対移動および相対回転させることにより前加工を行い、また上記C軸における位相ずれに基づいて、工作物Wの後加工用の工具42に対する位相割出しを行い、また算出した工作物Wと後加工用の工具42との相対位置に基づいて、工作物Wに対し後加工用の工具42を相対移動および相対回転させることにより後加工を行うよう、X軸駆動制御部91、Y軸駆動制御部92、Z軸駆動制御部93、A軸駆動制御部94、およびC軸駆動制御部95を制御する。

0032

(3.制御装置による加工制御動作
次に、前加工として前加工用の工具42であるホブにより工作物Wに対しはす歯の歯切り加工を行い、その後に後加工として後加工用の工具42であるエンドミルによりはす歯の歯面の面取り加工を行う場合の制御装置90による加工制御動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。図4(A)に示すように、前加工としてC軸を鉛直状態からA軸回りではす歯のヘリカル角度で設定される所定角度θ傾けた状態に回転し、C軸を割出しつつ、X,Y,Z軸を同時制御することによってホブ42aにより工作物Wに対しはす歯の歯切り加工を行う(ステップS1)。歯切り加工が完了したら、図4(B)に示すように、C軸を所定角度θ傾けた状態からA軸回りで所定角度−θ戻して鉛直に向ける。そして、後加工としてはす歯の歯面の面取り加工を行うためのエンドミル42bに工具交換する(ステップS2)。

0033

ここで、工作物Wに対しはす歯の歯切り加工を行い、その後に工作物Wを着脱することなくワンチャックではす歯の歯面の面取り加工を高精度に行うには、歯部位置座標を正確に求める必要がある。そこで、面取り加工の基準位置(X軸,Y軸,Z軸,A軸の各座標)および面取り加工の基準位相(面取り加工の基準位置のC軸の座標)を求める。面取り加工の基準位置(X軸,Y軸,Z軸,A軸の各座標)は、歯切り加工で用いた座標を変換することにより求めることができる。しかし、面取り加工の基準位相(面取り加工の基準位置のC軸の座標)は、歯切り加工で用いた座標からは分からないため、工作物Wをタッチセンサ80により測定することにより求める。

0034

先ず、面取り加工の基準位置(X軸,Y軸,Z軸,A軸の各座標)を求める。具体的には、図4(A)に示す予め記憶されている歯切り加工における工作物Wの回転軸(C軸)における基準位置Bg(xg,yg,zg)、角度θおよび回転中心T(xt,yt,zt)に基づいて、図4(B)に示す面取り加工における工作物Wの回転軸(C軸)における基準位置Ba(xa,ya,za)を次式(1)により算出する(ステップS3)。ここで、〔M〕は、三角関数等の回転マトリックスを表す。

0035

次に、面取り加工の基準位相(面取り加工の基準位置のC軸の座標)を求める。具体的には、図5(A)に示すように、工作物Wの歯面Gにおける歯厚方向および歯幅方向の中央の点をM1、該歯面Gと工作物Wの上端面Suとの境界線における歯幅方向の中央の点を面取り加工における工作物Wの基準位置M2としたとき、先ず、図6(A)に示すように、工作物Wの点M1と工作物Wの回転軸(C軸)における基準位置BaとのC軸における位相ずれを第1位相ずれ角度αとして求め、次に、図6(B)に示すように、面取り加工における工作物Wの基準位置M2と工作物Wの点M1とのC軸における位相ずれを第2位相ずれ角度βとして求める。そして、工作物Wを第1位相ずれ角度αおよび第2位相ずれ角度βの和の角度で回転することにより、面取り加工の基準位相(面取り加工の基準位置のC軸の座標)を求める。

0036

そこで、先ず、図5(B)に示すように、点M1を通るY軸方向の直線Vと工作物Wの上端面Suおよび下端面Sdとの交点Q1,Q2にタッチセンサ80のプローブ81を接触させ、交点Q1,Q2のY軸座標位置yq1、yq2を求める。そして、次式(2)により点M1のY軸座標位置ym1を求め、点M1と工作物Wの上端面Suとの距離Lを算出する。
ym1=yq1−L・・・(2)
(なお、L=(yq1−yq2)/2)

0037

次に、図5(C)に示すように、点M1を通るZ軸方向の直線Hと歯面Gの両側縁との交点Q3,Q4にタッチセンサ80のプローブ81を接触させ、交点Q3,Q4のZ軸座標位置zq3、zq4を求める。そして、図6(A)に示すように、工作物Wの半径をdとしたとき、次式(3)により点M1での第1位相ずれ角度αを算出する(ステップS4)。
α=sin−1(zq3+zq4)/2d・・・(3)

0038

ここで、交点Q3,Q4のX軸座標位置は、歯面Gがインボリュート曲線の曲面に形成されているため正確には等しくなく、式(3)により算出した第1位相ずれ角度αは仮の値である。そこで、C軸を第1位相ずれ角度αだけ回転させたら(ステップS5)、第1位相ずれ角度αが0になったか否かを判断し(ステップS6)、第1位相ずれ角度αが0になっていないときは、ステップS3に戻って第1位相ずれ角度αを再度算出し、C軸を第1位相ずれ角度αだけ再度回転させるという処理を繰り返すことで第1位相ずれ角度αを0に収束させる。

0039

ステップS6において、第1位相ずれ角度αが0になったときは、図6(B)に示すように、ステップS4で求めた点M1と工作物Wの上端面Suとの距離Lを用いて、第2の位相ずれ角度βを次式(4)により算出する(ステップS7)。なお、Pは、はす歯のヘリカル角度、Tは、歯数、Qは、モジュールである。
β=L・sinP/πTQ・・・(4)

0040

そして、C軸を第2位相ずれ角度βだけ回転させる(ステップS8)。以上により、面取り加工の基準位相(面取り加工の基準位置のC軸の座標)が求まるでの、エンドミル42bにより歯面Gの面取りを正確に加工することができる(ステップS9)。そして、面取りの後加工が終了したら(ステップS10)、全ての処理を終了する。

0041

(4.加工方法による効果)
工作物Wをターンテーブル70に取付けたままで、前加工としてはす歯の歯切り加工および後加工としてはす歯の歯面Gの面取り加工を行うので、前加工の位置情報に基づいて、後加工の位置情報を算出することができる。また、前加工後の工作物Wの所定位置を測定することにより、前加工に対する後加工の位相ずれを算出することができる。よって、歯面Gの位置合わせおよび位相割出しを正確に且つ簡易行うことができ、前加工と後加工との位置ずれが発生しないため、加工精度を向上させることができる。さらに、前加工と後加工との間で工作物Wを脱着する必要がなく、後加工のための段取り時間を短縮させることができる。

0042

(5.変形態様
なお、上述した実施形態では、前加工としてホブ42aにより工作物Wをはす歯の歯切り加工を行う場合を説明したが、前加工としてホブ42aにより工作物Wを平歯の歯切り加工を行う場合には、歯が傾斜していないため第2位相ずれ角度βの演算は不要である。よって、第1位相ずれ角度αのみにより、前加工と後加工との位置合わせを正確に且つ簡易に行うことができる。

0043

また、後加工として歯面の面取り加工を行う場合を説明したが、歯面のバリ取り加工や歯と歯の間の穴あけ加工等であっても高精度に加工を行うことができる。また、荒歯切りバリ取り仕上げ歯切りの順で工具交換しながら1チャック加工を行うことにより、2次バリのない良好な仕上げ面を得ることができる。

0044

また、5軸マシニングセンタである加工装置1は、工作物WをA軸旋回可能とするものとした。これに対して、5軸マシニングセンタは、縦形マシニングセンタとして、工具42をA軸旋回可能とする構成としてもよい。

0045

1:加工装置
10:ベッド、 11a,11b:X軸ガイドレール、 11c:X軸モータ
12a,12b:Z軸ガイドレール、 12c:Z軸モータ
20:コラム、 21a,21b:X軸ガイド溝、 22a,22b:ボールガイド
23a,23b:Y軸ガイドレール、 23c:Y軸モータ
30:サドル、 31a,31b:Y軸ガイド溝
40:回転主軸、 41:主軸モータ、 42:工具
50:テーブル
60:チルトテーブル、 61:A軸モータ、 62:C軸モータ
70:ターンテーブル
80:タッチセンサ、 81:プローブ
90:制御装置
91:X軸駆動制御部、 92:Y軸駆動制御部、 93:Z軸駆動制御部
94:A軸駆動制御部、 95:C軸駆動制御部、 96:主軸駆動制御部
97:位置演算部、 98:位置測定部、 99:位相演算部
100:記憶部、 101:加工制御部、W:工作物

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社ジェイテクトの「 歯車加工装置及び歯車加工方法」が 公開されました。( 2020/12/10)

    【課題】歯車加工装置の異常停止を防止できる歯車加工装置及び歯車加工方法を提供すること。【解決手段】歯車加工装置1の制御装置100は、工作物主軸70の回転速度を制御する工作物主軸回転速度制御部110と、... 詳細

  • 株式会社ジェイテクトの「 歯切り工具及び歯切り工具の製造方法」が 公開されました。( 2020/12/10)

    【課題】低コストで取扱いが容易な歯切り工具及び歯切り工具の製造方法を提供する。【解決手段】歯切り工具1Aは、工作物に歯車の歯を創成する歯切り工具1Aであって、円筒状又は円柱状の工具本体2Aと、工具本体... 詳細

  • 株式会社ニートレックス本社の「 歯車用研磨体、及び歯車用研磨体の製造方法」が 公開されました。( 2020/11/19)

    【課題】大きな回転トルクを歯車に作用させて研磨動作を行っても、研磨シートが過剰に撓むのを抑えることができるとともに、研磨動作時に歯車の歯の表面形状に合わせて研磨シートが適度に撓むようにすることができる... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ