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技術 射出成形機の給脂方法

出願人 株式会社日本製鋼所
発明者 田中研吾
出願日 2011年12月12日 (8年6ヶ月経過) 出願番号 2011-271383
公開日 2013年6月20日 (7年0ヶ月経過) 公開番号 2013-121707
状態 特許登録済
技術分野 潤滑 プラスチック等の射出成形
主要キーワード グリス圧 グリス室 グリスポンプ グリスタンク 相対遠心加速度 グリス量 供給側シリンダ 短リンク
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年6月20日)のものです。
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図面 (6)

課題

成形サイクルカウントして見かけ給脂時期と判断して給脂する場合に比較して、実際に近く、グリスに無駄がなく、より適切に給脂できる、射出成形機給脂方法を提供する。

解決手段

グリスポンプから圧送されるグリスを射出成形機のボールネジ機構に給脂するとき、前記ボールネジ機構のボールネジの表面に作用する遠心力が設定時間にわたって設定値以上になる回数をカウントし、その合計回数給脂設定回数に達すると、前記グリスポンプを起動して定量バルブから所定量のグリスを給脂する。

概要

背景

ボールねじボールナットとからなるボールねじ機構は、例えばモータ回転出力を低摩擦軸線方向出力として変換できる機構であり、電動式アクチュエータに用いられることが多いが、電動式射出成形機のような樹脂成形機にも多用されている。例えば、特開2004−33066号公報、特許第3128507号明細書、特開2002−52585号公報等に示されているように、射出成形機におけるスクリュの回転方向および軸方向の駆動装置射出ノズル固定側金型に当接あるいは離間させるノズルタッチ装置トグル式型締装置クロスヘッドの駆動装置等には、ボールねじ機構が採用されている。ボールねじ機構はボールとボールナットとの間の摩擦力は小さいが、これらの間に相対運動があることには変わりなく、その接触面には摩擦力が働き、接触面は摩耗発熱もする。そこで、摩耗・発熱を小さくするために接触面に油膜を作る潤滑が行われている。

潤滑の実施に使用される分配弁あるいは定量バルブは、例えば特開平7−174251号公報、特開2002−263531号公報等に示されているように従来周知であるので詳しい説明はしないが、一方がグリス圧ポンプに他方が被給脂箇所に連なったシリンダ、このシリンダ内に設けられている筒状部材、この筒状部材の流入端部に当接及び離間する逆止弁、前記筒状部材の外周部に設けられているピストン、このピストンを逆止弁の方へ付勢しているコイルスプリング等からなっている。このように構成されている定量バルブの、ピストンと逆止弁との間が供給側シリンダ室、ピストンとシリンダの吐出孔側が吐出シリンダ室になっている。したがって、グリス圧送ポンプを起動してグリスを定量バルブに供給すると、逆止弁は筒状部材の流入端部に当接して供給されるグリスが筒状部材へ流入するのが阻止され、供給側シリンダ室に貯留される。貯留されるグリスの圧力によりピストンは、スプリング圧縮して駆動される。この駆動により吐出側シリンダ室に溜められている所定量のグリスがシリンダから被給脂箇所に圧送される。ピストンが駆動され、シリンダの吐出孔が塞がれると、グリスの圧送すなわち所定量の給脂が終わる。

上記のような定量バルブは、容量あるいは吐出量の異なるバルブが1台のグリス圧送ポンプに対してジャンクションを介して複数個並列的に設けられ、そして複数箇所に略同時に給脂されるようになっているので、容量の大きい定量バルブからの給脂が終わるまで、換言するとすべての定量バルブからの給脂が終わるまでグリス圧送ポンプは稼働するようになっている。この間、圧送に寄与しない余分のグリスはリリーフ弁からグリスタンクに戻される。グリス圧送ポンプが所定時間稼働すると、すべての定量バルブからの給脂は終わったと判断され、グリス圧送ポンプは停止する。

グリス圧送ポンプが停止すると、供給側シリンダ室の圧力がなくなるので、ピストンはスプリングの復元力により供給側シリンダ室を狭める方向に駆動される。この狭める方向へのピストンの駆動により、供給側シリンダ室の圧力は高まり逆止弁は開き、供給側シリンダ室のグリスは、筒状部材から前回給脂され空になっている吐出側シリンダ室に供給され、次回の給脂に備えられる。以下同様にして給脂される。

概要

成形サイクルカウントして見かけ上給脂時期と判断して給脂する場合に比較して、実際に近く、グリスに無駄がなく、より適切に給脂できる、射出成形機の給脂方法を提供する。グリスポンプから圧送されるグリスを射出成形機のボールネジ機構に給脂するとき、前記ボールネジ機構のボールネジの表面に作用する遠心力が設定時間にわたって設定値以上になる回数をカウントし、その合計回数給脂設定回数に達すると、前記グリスポンプを起動して定量バルブから所定量のグリスを給脂する。

目的

本発明は、上記したような問題を解消した射出成形機の給脂方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

グリスポンプから圧送されるグリス射出成形機ボールねじ機構給脂するとき、前記ボールねじ機構の回転するボールねじの表面に作用する遠心力が設定時間にわたって設定値以上になる回数カウントし、その合計回数給脂設定回数に達すると、前記グリスポンプを起動して所定量のグリスを給脂する、射出成形機の給脂方法

請求項2

グリスポンプから圧送されるグリスを射出成形機の複数個のボールねじ機構に給脂するとき、前記複数個のボールねじ機構のそれぞれの回転するボールねじの表面に作用する遠心力が設定時間にわたって設定値以上になる回数をそれぞれカウントし、それぞれその合計回数が最初に給脂設定回数に達した信号により、前記グリスポンプを起動して複数個のボールねじ機構に実質的に同時に所定量宛のグリスを給脂する、射出成形機の給脂方法。

請求項3

請求項1または2に記載の給脂方法において、前記合計回数に前記ボールねじの温度の係数を乗じた回数が前記給脂設定回数に達すると給脂する、射出成形機の給脂方法。

請求項4

請求項2に記載の給脂方法において、前記複数個のボールねじ機構には、容量がそれぞれ異なる定量バルブを使用して所定量宛給脂する、射出成形機の給脂方法。

請求項5

請求項1〜4のいずれかの項に記載の給脂方法において、前記給脂設定回数を前記遠心力に反比例して増、減する、射出成形機の給脂方法。

請求項6

請求項1〜5のいずれかの項に記載の給脂方法において、前記ボールねじの表面に作用する遠心力を、該ボールねじを駆動するサーボモータ回転数に基づいて演算する、射出成形機の給脂方法。

技術分野

0001

本発明は、グリスポンプから圧送されるグリス射出成形機ボールねじ機構給脂する射出成形機の給脂方法に関するもので、さらに詳しくはボールねじの回転速度あるいはボールねじの表面に作用する遠心力を考慮した射出成形機の給脂方法に関するものである。

背景技術

0002

ボールねじとボールナットとからなるボールねじ機構は、例えばモータ回転出力を低摩擦軸線方向出力として変換できる機構であり、電動式アクチュエータに用いられることが多いが、電動式射出成形機のような樹脂成形機にも多用されている。例えば、特開2004−33066号公報、特許第3128507号明細書、特開2002−52585号公報等に示されているように、射出成形機におけるスクリュの回転方向および軸方向の駆動装置射出ノズル固定側金型に当接あるいは離間させるノズルタッチ装置トグル式型締装置クロスヘッドの駆動装置等には、ボールねじ機構が採用されている。ボールねじ機構はボールとボールナットとの間の摩擦力は小さいが、これらの間に相対運動があることには変わりなく、その接触面には摩擦力が働き、接触面は摩耗発熱もする。そこで、摩耗・発熱を小さくするために接触面に油膜を作る潤滑が行われている。

0003

潤滑の実施に使用される分配弁あるいは定量バルブは、例えば特開平7−174251号公報、特開2002−263531号公報等に示されているように従来周知であるので詳しい説明はしないが、一方がグリス圧ポンプに他方が被給脂箇所に連なったシリンダ、このシリンダ内に設けられている筒状部材、この筒状部材の流入端部に当接及び離間する逆止弁、前記筒状部材の外周部に設けられているピストン、このピストンを逆止弁の方へ付勢しているコイルスプリング等からなっている。このように構成されている定量バルブの、ピストンと逆止弁との間が供給側シリンダ室、ピストンとシリンダの吐出孔側が吐出シリンダ室になっている。したがって、グリス圧送ポンプを起動してグリスを定量バルブに供給すると、逆止弁は筒状部材の流入端部に当接して供給されるグリスが筒状部材へ流入するのが阻止され、供給側シリンダ室に貯留される。貯留されるグリスの圧力によりピストンは、スプリング圧縮して駆動される。この駆動により吐出側シリンダ室に溜められている所定量のグリスがシリンダから被給脂箇所に圧送される。ピストンが駆動され、シリンダの吐出孔が塞がれると、グリスの圧送すなわち所定量の給脂が終わる。

0004

上記のような定量バルブは、容量あるいは吐出量の異なるバルブが1台のグリス圧送ポンプに対してジャンクションを介して複数個並列的に設けられ、そして複数箇所に略同時に給脂されるようになっているので、容量の大きい定量バルブからの給脂が終わるまで、換言するとすべての定量バルブからの給脂が終わるまでグリス圧送ポンプは稼働するようになっている。この間、圧送に寄与しない余分のグリスはリリーフ弁からグリスタンクに戻される。グリス圧送ポンプが所定時間稼働すると、すべての定量バルブからの給脂は終わったと判断され、グリス圧送ポンプは停止する。

0005

グリス圧送ポンプが停止すると、供給側シリンダ室の圧力がなくなるので、ピストンはスプリングの復元力により供給側シリンダ室を狭める方向に駆動される。この狭める方向へのピストンの駆動により、供給側シリンダ室の圧力は高まり逆止弁は開き、供給側シリンダ室のグリスは、筒状部材から前回給脂され空になっている吐出側シリンダ室に供給され、次回の給脂に備えられる。以下同様にして給脂される。

0006

特開2004−1576号公報
特開平11−268093号公報

0007

特許文献1には、上記したような分配弁あるいは定量バルブを使用した射出成形機の給脂方法が記載されている。すなわち、設定時間に達したら給脂する給脂方法、運転ショット数カウントし設定ショット数に達したら給脂指令を出力する給脂方法、成形サイクルが非常に長い場合あるいは成形機を長期間停止した場合に成形機の電源オンすると給脂ポンプが起動し給脂する方法等が示されている。

先行技術

0008

また、特許文献2には、給脂用ポンプ、該ポンプから射出成形機まで延びている主配管、この主配管の末端に設けられているジャンクション、ジャンクションに設けられている複数個分配器等から構成された自動給脂装置が示されている。一方、射出成形機の複数の被潤滑箇所には給脂ユニットが設けられ、これらの給脂ユニットには分配器から潤滑油が供給されるようになっている。この給脂装置は、分配器を手動的に操作して、複数個の給脂ユニットに対する潤滑油の分配率を調節することができるようになっているが、特に射出成形機の成形サイクルタイム長短に合わせて給脂間隔を調節するようになっている。また、ボールねじの温度に応じて給脂間隔を調節するようにも、さらには周囲温度に応じて給脂用ポンプの稼働時間を調節するようにもなっている。

発明が解決しようとする課題

0009

特許文献1に示されている給脂方法によると、設定時間毎に、あるいは設定ショット数毎に給脂するようになっているので、ある程度のグリスの過不足は免れると思われる。また、電源をオンすると給脂ポンプが起動するようになっているので、グリスが重力の作用により下方へ落ちた状態、いわゆる「油切れ」の状態で運転を再開する事態は避けられる。しかしながら、ボールねじの回転速度とボールねじの表面に付着して残るグリスの量は、図5の(イ)に示されているように重要な関係にあるが、それが考慮されていないので、設定時間毎あるいは設定ショット数毎に給脂してもグリスの過不足は生じる可能性が高い。すなわち、図5の(ア)は、当出願人、第三者等が使用している、あるいは開発中のグリス名A〜Fと、ちょう度を示す表であるが、この表に示されているいずれのグリスもボールねじの回転速度が大きくなると、図5の(イ)に示されているように、ちょう度に関係なく付着量が減少しているが、この遠心力が考量されていないので、適切な時期に給脂されるとは認め難い。

0010

なお、図5の(イ)は、ボールねじの代わりに、ボールねじの溝幅あるいはピッチと略同じ幅の厚さ15mm、直径113.4mmの円盤を使用し、その外周面に2gのグリスを塗布し、規定の回転数で10分間回転させた後、外周面に付着しているグリスをヘラ削り取り計量し、付着量をグラフ化したものである。図5の(イ)における相対遠心加速度Gとは、遠心力が重力の何倍働いているかを示す値で、G=111.8×r×N2×10−8で求められる値である。ただし、rは円盤の半径、Nは回転数(rpm)を示している。

0011

また、特許文献2に示されている給脂方法によると、射出成形機の動作環境に応じて給脂作業が行われるようになっているので、成形サイクルタイムの長短、ボールねじの温度、機械の周囲温度、給脂用ポンプの稼働時間等が変化した場合でも、過不足のない適正な自動給脂作業を行うことができるという特徴は認められる。しかしながら、ボールねじ機構の動作環境以外の、ボールねじの回転速度あるいはボールねじの表面に作用する遠心力が、特許文献1に記載の発明と同様に考慮されていないので、同様に給脂に過不足が生じる、ボールねじ機構が早期に摩耗する、グリスの飛散により環境を汚染する、等の問題を起こすこともあり得る。
本発明は、上記したような問題を解消した射出成形機の給脂方法を提供することを目的とし、具体的には適切な時期に給脂し、それによってグリスの過不足の問題、ボールねじ機構の摩耗の問題、グリスの飛散による環境汚染の問題等が解決される、射出成形機の給脂方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、上記目的を達成するために、回転するボールねじの表面に作用する遠心力により給脂時期を判断するように構成される。すなわち、請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、グリスポンプから圧送されるグリスを射出成形機のボールねじ機構に給脂するとき、前記ボールねじ機構の回転するボールねじの表面に作用する遠心力が設定時間にわたって設定値以上になる回数をカウントし、その合計回数給脂設定回数に達すると、前記グリスポンプを起動して所定量のグリスを給脂するように構成される。

0013

請求項2に記載の発明は、グリスポンプから圧送されるグリスを射出成形機の複数個のボールねじ機構に給脂するとき、前記複数個のボールねじ機構のそれぞれの回転するボールねじの表面に作用する遠心力が設定時間にわたって設定値以上になる回数をそれぞれカウントし、それぞれその合計回数が最初に給脂設定回数に達した信号により、前記グリスポンプを起動して複数個のボールねじ機構に実質的に同時に所定量宛のグリスを給脂するように構成され、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の給脂方法において、前記合計回数に前記ボールねじの温度の係数を乗じた回数が前記給脂設定回数に達すると給脂するように、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の給脂方法において、前記複数個のボールねじ機構には、容量がそれぞれ異なる定量バルブを使用して所定量宛給脂するように、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの項に記載の給脂方法において、前記給脂設定回数を前記遠心力に反比例して増、減するように、そして請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかの項に記載の給脂方法において、前記ボールねじの表面に作用する遠心力を、該ボールねじを駆動するサーボモータの回転数に基づいて演算するように構成される。

発明の効果

0014

以上のように、本発明によると、ボールねじ機構の回転するボールねじの表面に作用する遠心力が設定時間にわたって設定値以上になる回数をカウントし、その合計回数が給脂設定回数に達すると、グリスポンプを起動して所定量のグリスを給脂するので、すなわちグリスの飛散状態が続いたかどうか判断して給脂するので、換言すると負荷に応じて給脂するので、従来の設定時間に達したら給脂する方法、成形サイクルをカウントして見かけ上給脂時期と判断して給脂する方法、等に比較して、実働に近く、グリスに無駄がなく、より適切に給脂できるという、本発明に特有の効果が得られる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の実施の形態に係る電動射出成形機を、一部を断面にして示す正面図である。
本発明の実施の形態を示す図で、その(ア)は電動射出成形機の給脂ユニットを一部断面にして示す拡大正面図、その(イ)は定量バルブの実施の形態を示す断面図である。
本発明の実施の形態を示す図で、その(ア)は第1の実施の形態を示すフローチャート、その(イ)はグリスの温度(ボールねじの温度)とグリスのちょう度(粘度)との関係を示すグラフである。
本発明の第2の実施の形態を示すフローチャートである。
グリスの性質を示す図で、その(ア)はグリスとそのちょう度を示す表、その(イ)はボールねじの回転数とボールねじの表面に付着するグリス量との関係を示すグラフである。

実施例

0016

以下、本発明の実施の形態を電動式射出成形機を例にとって説明する。本実施の形態に係わる電動式射出成形機は、概略的には図1において右方に寄った位置に示されている射出機1、同様に左方に寄った位置に示されている型締装置50、下方に示されているコントローラ68等からなっている。射出機1は、加熱シリンダ等からなる射出ユニットIU、該射出ユニットのスクリュを駆動するスクリュ駆動ユニットSDU、ノズルタッチ装置NT等から構成され、型締装置50は固定金型等からなる型装置MM、該型装置MMの金型開閉するトグル機構TM等からなっている。

0017

上記した各装置あるいはユニット自体は、従来周知であるので、以下簡略的に説明する。射出ユニットIUは、加熱シリンダ2と、この加熱シリンダ2の内部に可塑化方向と射出方向とに駆動可能に設けられているスクリュ3とから構成されている。加熱シリンダ2の外周部には個々に発熱温度が制御される複数個の加熱ヒータ4、4、…が設けられ、該加熱シリンダ2の、図1において左方の先端部に射出ノズル5が取り付けられている。加熱シリンダ2の後方寄りには、樹脂材料が一時的に貯えられるホッパ6が設けられている。スクリュ軸は、加熱シリンダ2の後端部から外部へ出てスクリュ駆動ユニットSDUに連なっている。

0018

スクリュ駆動ユニットSDUは、可塑化用の電動サーボモータ11と射出用の電動サーボモータ29とを備えている。そして、可塑化用の電動サーボモータ11の出力軸には駆動プーリ12が固定されている。一方、スクリュ3の、加熱シリンダ2の後端部から外部へ出ている部分はスプライン軸7となり、その後端部は中間プレート10のスラスト軸受17に回転自在に軸受されている。したがって、中間プレート10が図1において左右方向すなわち軸方向に駆動されると、スクリュ3が軸方向に駆動されることになる。このスプライン軸7には、従動プーリ13が回転方向に拘束され、軸方向に移動自在に設けられている。そして、駆動プーリ12と従動プーリ13との間に、タイミングベルト14が掛け回されている。したがって、可塑化用の電動サーボモータ11が起動すると、スクリュ3は所定方向回転駆動される。

0019

前述した中間プレート10は、複数本ガイド棒18、18、…により回転が規制された状態で、軸方向に案内されるようになっている。そして、スプライン軸7の後端部が、前述したように、中間プレート10にラジアル方向とスラスト方向の荷重を受ける軸受17により軸受されている。射出用の電動サーボモータ29の出力軸には駆動プーリ22が、射出用のボールねじ30の端部には従動プーリ23がそれぞれ取り付けられている。そして、これらのプーリ22、23の間にタイミングベルト24が掛け回されている。

0020

上記の射出用のボールねじ30には、ボールナット31が螺合している。そして、このボールナット31は、穴付き部材32を介して中間プレート10に取り付けられている。中間プレート10は、ガイド部材18、18により回転が規制されているので、ボールナット31も回転が規制されている。したがって、ボールねじ30が回転駆動されると、ボールナット31、換言すると中間プレート10、したがってスクリュ3が軸方向に駆動されることになる。

0021

上記のように構成されている射出機1の射出ノズル5を、後述する固定金型54のロケートリングタッチする方向と離間する方向とに駆動するために、ノズルタッチ装置NTが設けられている。ノズルタッチ装置NTは、本実施の形態によると、射出ベッドに所定の間隔をおいて固定的に設けられている一対の支持部材42、42、これらの支持部材42、42にスラストおよびラジアル方向の荷重を受ける軸受により軸受けされているノズルタッチ用のボールねじ40、このボールねじ40に螺合しているボールナット41、このボールねじ40を正逆方向に駆動するノズルタッチ用の電動サーボモータ39等から構成されている。ボールナット41は、図1には示されていないが、射出機1の枠体に剛的に接続されている。また、一対の支持部材42、42は射出ベッドに固定的に設けられているので、ノズルタッチ用の電動サーボモータ39が正逆方向に回転すると、伝導機構44を介してボールねじ40は正逆方向に回転駆動され、ボールナット41したがって射出機1は、そのノズル5が固定金型54にタッチする方向と離間する方向とに駆動される。

0022

型締装置50も、従来周知の構造をしているので、詳しい説明はしないが、固定金型54が着脱自在に取り付けられる固定盤51と、同様に可動金型55が着脱自在に取り付けられる可動盤52とからなる型装置MMと、可動盤52と型締ハウジング53との間に設けられているトグル機構TMと、このトグル機構を駆動するトグル駆動装置TMDとからなっている。

0023

型締ハウジング53は、固定盤51に対して所定の間隔をおいて型厚調整自在に設けられ、可動盤52は固定盤51と型締ハウジング53との間に軸方向に移動自在に設けられている。固定盤51の4角部には、透孔が明けられ、これらの透孔にタイバー56、56、…の端部が挿入固定されている。型締ハウジング53の4角部にも、固定盤51の透孔に対応して透孔が明けられ、これらの透孔にタイバー56、56、…の他方の端部分が緩く挿通されている。タイバー56、56、…の端部にはタイバーナット57、57、…が螺合されている。これらのタイバーナット57、57、…を所定方向に回転駆動することにより、従来周知のように型締ハウジング53は軸方向に駆動され、型厚調整あるいは型締力調整がなされる。

0024

トグル機構TMは、一対の長リンク62、62、一対の短リンク63、63、1個のクロスヘッド64等から構成されている。一対の長リンク62、62の一方の端部は、可動盤52のブラケットに、他方の端部は一対の短リンク63、63の端部寄りにそれぞれ連結されている。一対の短リンク63、63の一方の端部は、型締ハウジング53のブラケットに、そして他方の端部は一対のクロスリンクにそれぞれ連結されている。一対のクロスリンクの他方の端部は、クロスヘッド64に結合されている。そして、クロスヘッド64には、後述するトグル用のボールねじ60の端部が固定されている。

0025

トグル駆動装置TMDは、型締ハウジング53に取り付けられているトグル駆動用の電動サーボモータ59、型締ハウジング53の略中心部を貫通して設けられているボールねじ60、このボールねじ60に螺合しているボールナット61、トグル駆動用の電動サーボモータ59の回転トルクをボールナット61に伝達するタイミングベルト66等から構成されている。ボールナット61は、型締ハウジング53の外側に固定されているベアリングケース内に回転はできるが、軸方向には拘束された状態で設けられている。したがって、ボールナット61が回転駆動されると、ボールナット61は軸方向には移動できないので、ボールねじ60が軸方向に移動し、トグル機構TMのクロスヘッド64が型開閉方向に駆動されることになる。

0026

このように構成されている電動式射出成形機のボールねじ30、40、60と、これらのボールねじのそれぞれに螺合しているボールナット31、41、61とによりボールねじ機構を構成しているが、これらのボールねじ機構にはグリスが給脂されるようになっている。すなわち、図2の(ア)は、射出用のボールナット31に給脂ユニットU1が取り付けられ、そしてボールねじ30に給脂している状態を示す図であるが、この図に示されているような給脂ユニットU2、U3がノズルタッチ用のボールねじ41にも、トグル駆動用のボールナット61にも取り付けられている。これらの給脂ユニットU1、U2、U3にグリスを供給するためにグリスポンプ70が設けられている。グリスポンプ70の吐出口からは銅製のグリス管71がジャンクション72まで延び、ジャンクション72には容量の異なる3個の定量バルブ80、80、80が並列的に設けられ、そしてこれらの定量バルブ80、80、80と、給脂ユニットU1、U2、U3は、ナイロン登録商標)製のグリスチューブ73、73、73により接続されている。

0027

なお、図1に示されている実施の形態ではトグル用のボールねじ60は、回転はしないが、ボールナット61の方をクロスヘッド64に固定し、そしてボールねじ60を回転駆動するように実施しても、クロスヘッド64を軸方向に駆動して型開閉できるので、便宜的に回転しないボールナット61に給脂する例が示されている。

0028

定量バルブ80も、従来周知であるが、図2の(イ)によりその実施の形態を説明する。定量バルブ80は、所定容量のシリンダ81を備えている。シリンダ81の、図において下端部にはジャンクション72に取り付けるための雄ネジ82が形成され、上端部にはキャップ83が着脱自在に取り付けられている。キャップ83の内周面にはグリスチューブ73を取り付けるための雌ネジ84が形成されている。このように構成されているシリンダ81の内部に、キャップ83で押さえられる形で管状部材85が設けられている。管状部材85の外周面とシリンダ81の内周面との間にはピストン90が設けられている。このピストン90は、キャップ83の下端部に設けられているコイルスプリング91により下方へ付勢されている。また、管状部材85の下方には、グリスの圧力により軸方向に移動する逆止弁93が設けられている。

0029

上記のように構成されている容量の異なる、より正確には2次のグリス室96の容積の異なる複数個の定量バルブ80、80、…が用意され、必要な給脂量に見合った3個の定量バルブ80、80、80が選択されてジャンクション72に取り付けられ、そして給脂ユニットU1、U2、U3にグリスチューブ73、73、73により接続されている。

0030

本実施の形態によると、作用の項で説明するような機能を備えたコントローラ68を備えている。そして、このコントローラ68と射出用の電動サーボモータ29のタコメータRsとは信号ラインaにより接続されている。同様に、ノズルタッチ用の電動サーボモータ39に備わっているタコメータRnとは信号ラインbにより、トグル駆動用の電動サーボモータ59のタコメータRtとは信号ラインcによりそれぞれ接続されている。これらのタコメータRs、Rn、Rtにより計測されるモータ29、39、59の回転速度したがってボールねじ30、40、60の回転速度あるいはボールねじの表面に作用する遠心力が、コントローラ68で演算される。なお、ボールねじ30、40、60には、コントローラ68に接続されている温度センサも設けられているが、図1には示されていない。

0031

上記電動式射出成形機を使用して成形品射出成形できることは当業者には明らかであるので、成形例についての説明は省略し、以下図3、4のフローチャートによりボールねじ機構に給脂する例について説明する。

0032

図3は、第1の実施の形態を示すフローチャートであるが、第1の実施の形態は、ボールねじが設定回転数例えば1,000rpm以上、設定時間例えば20秒以上継続したとき「1回」とカウントし、その合計が実験的あるいは経験的に求められる給脂設定回数例えば10,000回に達すると給脂する例である。なお、グリスの付着量はボールねじの回転数したがって表面に作用する遠心力に反比例的に減少するので、本実地の形態では計測しやすい電動モータ29、39、59の回転数を計測し、前述したようにコントローラ68でボールねじ30、40、60の回転数に換算される。そして、ボールねじの回転数とボールねじの見かけ上の半径とから遠心力が演算され、次に説明するように比較・演算される。以下、前述した3個のボールねじ機構を代表して射出用のボールねじ30に給脂する例を説明する。

0033

図3の(ア)のステップS0において、ボールねじ30の回転数を把握する。ステップS1において、タコメータRsで計測されるボールねじ30の回転数がコントローラ68に入力され、そして設定回転数1,000rpm以上かどうか判断する。設定回転数1,000rpm以上で設定時間20秒継続したとき「1回」とカウントする(ステップS1〜S3)。本実施の形態に係る給脂方法は、間欠的に作動する射出成形機に適用されるので、継続時間は長くはなく、誤カウントするようなことはない。カウントした合計回数が給脂設定回数10,000回に達したら、コントローラ68から起動信号がグリスポンプ70に加えられる。定量バルブ80から所定量のグリスが給脂ユニットU1に供給される(ステップS4、5)。給脂したら、カウントをリセットして元に戻る(ステップS6)。

0034

第1の実施の形態は変更可能である。例えば、グリスの粘度あるいはグリスのちょう度は、図3の(イ)に示されているようにグリスの温度の上昇に伴い低下する。低下すると付着量は減少する。そこで、設定回転数をグリスの温度により補正する。実施に当たっては計測しやすいボールねじの温度を測定し、温度補正値を設定回転数に乗じて、補正した設定回転数が設定時間継続したかどうかを判断するように実施することもできる。例えば、ボールねじの温度が15℃のときの設定回転数を基本とし、ボールねじの温度が5℃増減する毎に設定回転数に0.95あるいは1.05を乗じた温度補正した設定回転数が設定時間継続したとき「1回」とカウントするように実施することもできる。

0035

上記のように、温度補正をするときは、設定回転数を補正する代わりに、給脂設定回数を設定し直すように実施することもできる。このように給脂設定回数を温度補正しても同じ効果が得られることは明らかである。また、遠心力が大きいときは、グリスの飛散量も増えるので、給脂設定回数を小さく設定し直して早期に給脂するように実施することもできる。逆に、遠心力が小さいときは給脂設定回数を大きく設定し直して給脂する。

0036

また、図3の(ア)は射出用のボールねじ30に給脂する例を示しているが、ノズルタッチ用のボールねじ40およびトグル用のボールねじ60についても、同様にして計測・演算して給脂するように実施することもできる。このときは、合計回数が最初に給脂設定回数に達した信号により、他のボールねじは給脂時期すなわち給脂設定回数に達していなくても、全体のボールねじに給脂することになる。このとき全てのボールねじ30、40、60についての回数のカウントをリセットする。定量バルブ80の容量をボールねじの回転速度から決定することもできる。すなわち、早期に給脂を実行しなければならないボールねじの回転速度すなわち遠心力は大きく、所定量以上に給脂しても無駄に飛散して環境を汚染すると考えられるので、このようなボールねじには容量の小さい定量バルブ80を適用し、あるいはグリス室96の容量を小さくして給脂するように実施してもよい。

0037

図4に、電動式射出成形の成形サイクル数あるいはショット数が設定回数に達したら給脂する方法と、前記第1の実施の形態との組み合わせから給脂時期を判断する第2の実施の形態が示されている。すなわち、図1には示されていない計測器により、型装置MMあるいは射出ユニットIUが作動する回数をカウントする(ステップSS1)。ステップSS2において、カウントした数(C0)と設定回数とを比較し、設定回数に達したらステップS5に処理を移行して給脂する。設定回数に達するまでは、第1の実施の形態と同じステップS0〜S4を実施する。第2の実施の形態によると、安全に、より適切な時期に給脂できる。なお、第2の実施の形態も、第1の実施の形態と同じように変更可能である。

0038

1射出機IU射出ユニット
SDUスクリュ駆動ユニット
NTノズルタッチ装置
50型締装置MM型装置
TMトグル機構
TMDトグル駆動装置
5射出ノズル
29射出用の電動サーボモータ
30 射出用のボールねじ31ボールナット
39ノズルタッチ用の電動サーボモータ
40 ノズルタッチ用のボールねじ 41 ボールナット
59トグル駆動用の電動サーボモータ
60 トグル用のボールねじ 61 ボールナット
68コントローラ70グリスポンプ72ジャンクション80 定量バルブ

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