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技術 温度測定装置、温度測定方法及び温度測定システム

出願人 理化工業株式会社
発明者 万木則和
出願日 2011年12月2日 (8年2ヶ月経過) 出願番号 2011-264484
公開日 2013年6月13日 (6年8ヶ月経過) 公開番号 2013-117416
状態 特許登録済
技術分野 温度及び熱量の測定
主要キーワード 温度補償値 比例係数α 修正移動 加重移動平均 温度測定対象 入力温度 周囲環境温度 温度記録
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図面 (14)

課題

冷接点温度と冷接点センサ温度との誤差を解消して、温度の測定精度を高めることができるようにする。

解決手段

熱電対3における入力温度Tcを算出する入力温度算出部11と、冷接点4の近傍に設置されている冷接点センサ5による冷接点センサ温度Trを算出する冷接点センサ温度算出部12と、冷接点センサ温度算出部12により算出された冷接点センサ温度Trの修正移動平均Traを算出し、その修正移動平均Traに基づいて入力温度算出部11により算出された入力温度Tcの温度補償に用いる補償温度Tfを算出する補償温度算出部13とを設け、補償温度加算部14が補償温度算出部13により算出された補償温度Tfを用いて、入力温度算出部11により算出された入力温度Tcを補償する。

概要

背景

熱電対には測温接点冷接点があり、測温接点は温度測定対象に接触する点であり、冷接点は熱電対を温度センサとする温度測定器に接続する点のことである。
熱電対を温度センサとする温度測定装置に入力される温度信号(以後、「入力温度Tc」と称する)は、図13に示すように、測温接点の温度Txから冷接点の温度(以後、「冷接点温度Tj」と称する)を減算した値となる。
熱電対を用いて温度を測定する場合、温度測定対象に触れている熱電対からの入力温度Tcを補償するため、図13に示すように、温度測定装置が、熱電対からの入力温度Tcと冷接点の近傍に設置されている冷接点センサ(例えば、測温抵抗体ダイオード等の温度センサ)により測定された冷接点の温度(以後、「冷接点センサ温度Tr」と称する)を加算し、その加算結果を温度測定対象の測定温度Tyとする方法が一般的である。
通常、室温が安定している環境下(例えば、室温が25℃で安定している環境下)で、冷接点センサ温度Trが、冷接点温度Tjと同じになるように調整されている。

しかしながら、実際に温度を測定する際、温度測定装置が設置される環境が安定している室温であるとは限らず、周囲温度が大きく変化する場合がある。
周囲温度が変化すると、冷接点温度Tjと冷接点センサ温度Trの双方が変化するが、それぞれの温度の応答特性が異なるため、温度測定装置の測定温度に過渡的な誤差が含まれる。
周囲温度の変化に伴う測定温度の過渡的な誤差を解消するには、冷接点温度Tjと冷接点センサ温度Trが一致すればよいが、物理的に温度を一致させることはできない。

以下の特許文献1には、周囲温度の変化に伴う測定温度の過渡的な誤差を低減するために、冷接点温度Tjと冷接点センサ温度Trとの誤差を、冷接点の一次遅れモデルと冷接点センサの一次遅れモデルとの誤差モデルで表し、その誤差モデルを用いて誤差を予測することで、冷接点温度Tjと冷接点センサ温度Trとの誤差を補償している温度測定装置が開示されている(段落番号[0011]、図2)。

概要

冷接点温度と冷接点センサ温度との誤差を解消して、温度の測定精度を高めることができるようにする。熱電対3における入力温度Tcを算出する入力温度算出部11と、冷接点4の近傍に設置されている冷接点センサ5による冷接点センサ温度Trを算出する冷接点センサ温度算出部12と、冷接点センサ温度算出部12により算出された冷接点センサ温度Trの修正移動平均Traを算出し、その修正移動平均Traに基づいて入力温度算出部11により算出された入力温度Tcの温度補償に用いる補償温度Tfを算出する補償温度算出部13とを設け、補償温度加算部14が補償温度算出部13により算出された補償温度Tfを用いて、入力温度算出部11により算出された入力温度Tcを補償する。

目的

この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、冷接点温度と冷接点センサ温度との誤差を解消して、温度の測定精度を高めることができる温度測定装置、温度測定方法及び温度測定システムを得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

熱電対からの入力温度を算出する入力温度算出手段と、冷接点の近傍に設置されている温度センサによる冷接点センサ温度を算出する冷接点センサ温度算出手段と、前記冷接点センサ温度算出手段により算出された冷接点センサ温度の移動平均を算出し、その移動平均に基づいて前記入温度算出手段により算出された入力温度の温度補償に用いる補償温度を算出する補償温度算出手段と、前記補償温度算出手段により算出された補償温度を用いて、前記入力温度算出手段により算出された熱電対からの入力温度を補償する補償温度加算手段とを備えた温度測定装置

請求項2

前記補償温度算出手段は、前記冷接点センサ温度算出手段により冷接点センサ温度が算出される毎に、その冷接点センサ温度の修正移動平均を算出して、今回算出の修正移動平均と前回算出の修正移動平均との差分を求め、その差分に比例する値を補正温度として算出し、さらに前記冷接点センサ温度から前記補正温度を差し引いた値を補償温度として算出することを特徴とする請求項1記載の温度測定装置。

請求項3

冷接点温度の温度補償に用いる冷接点センサ温度のサンプル数及び比例係数を設定する設定手段を設け、前記補償温度算出手段は、前記冷接点センサ温度算出手段により既に算出されている1つ以上の冷接点センサ温度のうち、前記設定手段により設定されたサンプル数分の冷接点センサ温度を用いて、その冷接点センサ温度の修正移動平均を算出するとともに、前記設定手段により設定された比例係数を今回算出の修正移動平均と前回算出の修正移動平均との差分に乗算して、その乗算結果を補正温度とし、前記冷接点センサ温度算出手段により今回算出された冷接点センサ温度から前記補正温度を差し引いた値を補償温度として算出することを特徴とする請求項2記載の温度測定装置。

請求項4

入力温度算出手段が、熱電対からの入力温度を算出する入力温度算出処理テップと、冷接点センサ温度算出手段が、冷接点の近傍に設置されている温度センサによる冷接点センサ温度を算出する冷接点センサ温度算出処理ステップと、補償温度算出手段が、前記冷接点センサ温度算出処理ステップで算出された冷接点センサ温度の移動平均を算出し、その移動平均に基づいて前記入力温度算出処理ステップで算出された入力温度の温度補償に用いる補償温度を算出する補償温度算出処理ステップと、補償温度加算手段が、前記補償温度算出処理ステップで算出された補償温度を用いて、前記入力温度算出処理ステップで算出された入力温度を補償する補償温度加算処理ステップとを備えた温度測定方法

請求項5

熱電対からの入力温度の温度補償に用いる冷接点センサ温度のサンプル数及び比例係数を設定する設定装置と、前記熱電対からの入力温度を算出し、前記設定装置により設定されたサンプル数及び比例係数を用いて、冷接点の温度を補償する温度測定装置とを備えた温度測定システムにおいて、前記温度測定装置は、前記熱電対からの入力温度を算出する入力温度算出手段と、前記冷接点の近傍に設置されている温度センサによる冷接点センサ温度を算出する冷接点センサ温度算出手段と、前記冷接点センサ温度算出手段により算出された冷接点センサ温度の移動平均を算出し、その移動平均に基づいて前記入力温度算出手段により算出された入力温度の温度補償に用いる補償温度を算出する補償温度算出手段と、前記補償温度算出手段により算出された補償温度を用いて、前記入力温度算出手段により算出された熱電対からの入力温度を補償する補償温度加算手段とを備えていることを特徴とする温度測定システム。

請求項6

前記補償温度算出手段は、前記冷接点センサ温度の移動平均として、前記冷接点センサ温度の修正移動平均を算出することを特徴とする請求項5記載の温度測定システム。

請求項7

前記設定装置は、前記温度測定装置の周囲温度が第1の温度で安定している状態から、周囲温度が変化して、周囲温度が第2の温度で安定するまでの間、前記温度測定装置の入力温度算出手段により算出された入力温度及び前記温度測定装置の冷接点センサ温度算出手段により算出された冷接点センサ温度を記録する温度記録手段と、前記周囲温度が第1の温度から第2の温度に到達するまでの第1の期間では、第1の温度から第2の温度に至る直線上の温度を第1の基準温度に設定し、前記周囲温度が第2の温度に到達してから第2の温度で安定するまでの第2の期間では、第2の温度を第2の基準温度に設定する基準温度設定手段と、取り得る1以上のサンプル数と比例係数の組み合わせの中から、任意のサンプル数と比例係数の組み合わせを順次選択する組み合わせ選択手段と、前記組み合わせ選択手段により選択されたサンプル数と比例係数の組み合わせを用いて、前記温度記録手段により記録されている入力温度及び冷接点センサ温度から、前記温度測定装置の補償温度算出手段及び補償温度加算手段と同じアルゴリズムで、補正後の測定温度を算出する補正後測定温度算出手段と、第1の期間では、前記補正後測定温度算出手段により算出された第1の期間中の補正後の測定温度と前記基準温度設定手段により設定された第1の基準温度の誤差を算出し、第2の期間では、前記補正後測定温度算出手段により算出された第2の期間中の補正後の測定温度と前記基準温度設定手段により設定された第2の基準温度の誤差を算出して、第1の期間及び第2の期間での誤差の総和を算出する誤差総和算出手段と、前記組み合わせ選択手段により全てのサンプル数と比例係数の組み合わせが選択された後、全てのサンプル数と比例係数の組み合わせの中で、前記誤差総和算出手段により算出された誤差の総和が最小となるサンプル数と比例係数の組み合わせを特定し、そのサンプル数及び比例係数を温度補償に用いる冷接点センサ温度のサンプル数及び比例係数として設定するサンプル数及び比例係数設定手段とを備えていることを特徴とする請求項5または請求項6記載の温度測定システム。

請求項8

取り得る1以上のサンプル数は所定範囲における1以上の整数であり、取り得る1以上の比例係数は所定範囲内で所定の分解能を有する数値であることを特徴とする請求項7記載の温度測定システム。

技術分野

0001

この発明は、熱電対を用いて、温度を測定する温度測定装置温度測定方法及び温度測定システムに関するものである。

背景技術

0002

熱電対には測温接点冷接点があり、測温接点は温度測定対象に接触する点であり、冷接点は熱電対を温度センサとする温度測定器に接続する点のことである。
熱電対を温度センサとする温度測定装置に入力される温度信号(以後、「入力温度Tc」と称する)は、図13に示すように、測温接点の温度Txから冷接点の温度(以後、「冷接点温度Tj」と称する)を減算した値となる。
熱電対を用いて温度を測定する場合、温度測定対象に触れている熱電対からの入力温度Tcを補償するため、図13に示すように、温度測定装置が、熱電対からの入力温度Tcと冷接点の近傍に設置されている冷接点センサ(例えば、測温抵抗体ダイオード等の温度センサ)により測定された冷接点の温度(以後、「冷接点センサ温度Tr」と称する)を加算し、その加算結果を温度測定対象の測定温度Tyとする方法が一般的である。
通常、室温が安定している環境下(例えば、室温が25℃で安定している環境下)で、冷接点センサ温度Trが、冷接点温度Tjと同じになるように調整されている。

0003

しかしながら、実際に温度を測定する際、温度測定装置が設置される環境が安定している室温であるとは限らず、周囲温度が大きく変化する場合がある。
周囲温度が変化すると、冷接点温度Tjと冷接点センサ温度Trの双方が変化するが、それぞれの温度の応答特性が異なるため、温度測定装置の測定温度に過渡的な誤差が含まれる。
周囲温度の変化に伴う測定温度の過渡的な誤差を解消するには、冷接点温度Tjと冷接点センサ温度Trが一致すればよいが、物理的に温度を一致させることはできない。

0004

以下の特許文献1には、周囲温度の変化に伴う測定温度の過渡的な誤差を低減するために、冷接点温度Tjと冷接点センサ温度Trとの誤差を、冷接点の一次遅れモデルと冷接点センサの一次遅れモデルとの誤差モデルで表し、その誤差モデルを用いて誤差を予測することで、冷接点温度Tjと冷接点センサ温度Trとの誤差を補償している温度測定装置が開示されている(段落番号[0011]、図2)。

先行技術

0005

特許第4161626号

発明が解決しようとする課題

0006

従来の温度測定装置は以上のように構成されているので、誤差モデルを用いて誤差を予測することで、冷接点温度Tjと冷接点センサ温度Trとの誤差を補正している。このように誤差を補正する方法では、「周囲温度と冷接点温度」及び「周囲温度と冷接点センサ温度」の関係は、周囲温度を入力とするモデルとし、それらのモデルから導き出される誤差モデルの入力も周囲温度となっている。しかし、温度測定装置が検知できる温度は入力温度Tcと冷接点センサ温度Trであり、周囲温度を検知することは出来ない。そこで、上記方法では周囲温度の代用として冷接点センサ温度Trを誤差モデルの入力として温度補償値を計算しているが、この方法では正しい温度補償が出来ないため、実施例では近似式に変換して温度補償値を算出している。このため、誤差を正確に予測することができず、冷接点温度Tjと冷接点センサ温度Trとの誤差を十分に低減することができない課題があった。

0007

この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、冷接点温度と冷接点センサ温度との誤差を解消して、温度の測定精度を高めることができる温度測定装置、温度測定方法及び温度測定システムを得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

この発明に係る温度測定装置は、熱電対からの入力温度を算出する入力温度算出手段と、冷接点の近傍に設置されている温度センサによる冷接点センサ温度を算出する冷接点センサ温度算出手段と、冷接点センサ温度算出手段により算出された冷接点センサ温度の移動平均を算出し、その移動平均に基づいて入力温度算出手段により算出された入力温度の温度補償に用いる補償温度を算出する補償温度算出手段とを設け、補償温度加算手段が補償温度算出手段により算出された補償温度を用いて、入力温度算出手段により算出された熱電対からの入力温度を補償するようにしたものである。

0009

この発明に係る温度測定装置は、補償温度算出手段が、冷接点センサ温度算出手段により冷接点センサ温度が算出される毎に、その冷接点センサ温度の修正移動平均を算出して、今回算出の修正移動平均と前回算出の修正移動平均との差分を求め、その差分に比例する値を補正温度として算出し、さらに前記冷接点センサ温度から前記補正温度を差し引いた値を補償温度として算出するようにしたものである。

0010

この発明に係る温度測定装置は、冷接点温度の温度補償に用いる冷接点センサ温度のサンプル数及び比例係数を設定する設定手段を設け、補償温度算出手段が、冷接点センサ温度算出手段により既に算出されている1つ以上の冷接点センサ温度のうち、設定手段により設定されたサンプル数分の冷接点センサ温度を用いて、その冷接点センサ温度の修正移動平均を算出するとともに、設定手段により設定された比例係数を今回算出の修正移動平均と前回算出の修正移動平均との差分に乗算して、その乗算結果を補正温度とし、冷接点センサ温度算出手段により今回算出された冷接点センサ温度から前記補正温度を差し引いた値を補償温度として算出するようにしたものである。

0011

この発明に係る温度測定方法は、入力温度算出手段が、熱電対からの入力温度を算出する入力温度算出処理テップと、冷接点センサ温度算出手段が、冷接点の近傍に設置されている温度センサによる冷接点センサ温度を算出する冷接点センサ温度算出処理ステップと、補償温度算出手段が、冷接点センサ温度算出処理ステップで算出された冷接点センサ温度の移動平均を算出し、その移動平均に基づいて入力温度算出処理ステップで算出された入力温度の温度補償に用いる補償温度を算出する補償温度算出処理ステップと、補償温度加算手段が、補償温度算出処理ステップで算出された補償温度を用いて、入力温度算出処理ステップで算出された入力温度を補償する補償温度加算処理ステップとを備えるようにしたものである。

0012

この発明に係る温度測定システムは、熱電対からの入力温度の温度補償に用いる冷接点センサ温度のサンプル数及び比例係数を設定する設定装置と、熱電対からの入力温度を算出し、設定装置により設定されたサンプル数及び比例係数を用いて、冷接点の温度を補償する温度測定装置とを備え、その温度測定装置が、熱電対からの入力温度を算出する入力温度算出手段と、冷接点の近傍に設置されている温度センサによる冷接点センサ温度を算出する冷接点センサ温度算出手段と、冷接点センサ温度算出手段により冷接点センサ温度が算出される毎に、既に算出されている1つ以上の冷接点センサ温度のうち、設定装置により設定されたサンプル数分の冷接点センサ温度を用いて、その冷接点センサ温度の移動平均を算出するとともに、設定装置により設定された比例係数を今回算出の移動平均と前回算出の移動平均との差分に乗算して、その乗算結果を補正温度とし、冷接点センサ温度算出手段により今回算出された冷接点センサ温度から前記補正温度を差し引いた値を補償温度として算出する補償温度算出手段と、補償温度算出手段により算出された補償温度を用いて、入力温度算出手段により算出された入力温度を補償する補償温度加算手段とを備えるようにしたものである。

0013

この発明に係る温度測定システムは、補償温度算出手段が冷接点センサ温度の移動平均として、冷接点センサ温度の修正移動平均を算出するようにしたものである。

0014

この発明に係る温度測定システムは、設定装置が、温度測定装置の周囲温度が第1の温度で安定している状態から、周囲温度が変化して、周囲温度が第2の温度で安定するまでの間、温度測定装置の入力温度算出手段により算出された入力温度及び温度測定装置の冷接点センサ温度算出手段により算出された冷接点センサ温度を記録する温度記録手段と、周囲温度が第1の温度から第2の温度に到達するまでの第1の期間では、第1の温度から第2の温度に至る直線上の温度を第1の基準温度に設定し、周囲温度が第2の温度に到達してから第2の温度で安定するまでの第2の期間では、第2の温度を第2の基準温度に設定する基準温度設定手段と、取り得る1以上のサンプル数と比例係数の組み合わせの中から、任意のサンプル数と比例係数の組み合わせを順次選択する組み合わせ選択手段と、組み合わせ選択手段により選択されたサンプル数と比例係数の組み合わせを用いて、温度記録手段により記録されている入力温度及び冷接点センサ温度から、温度測定装置の補償温度算出手段及び補償温度加算手段と同じアルゴリズムで、補正後の測定温度を算出する補正後測定温度算出手段と、第1の期間では、補正後測定温度算出手段により算出された第1の期間中の補正後の測定温度と基準温度設定手段により設定された第1の基準温度の誤差を算出し、第2の期間では、補正後測定温度算出手段により算出された第2の期間中の補正後の測定温度と基準温度設定手段により設定された第2の基準温度の誤差を算出して、第1の期間及び第2の期間での誤差の総和を算出する誤差総和算出手段と、組み合わせ選択手段により全てのサンプル数と比例係数の組み合わせが選択された後、全てのサンプル数と比例係数の組み合わせの中で、誤差総和算出手段により算出された誤差の総和が最小となるサンプル数と比例係数の組み合わせを特定し、そのサンプル数及び比例係数を温度補償に用いる冷接点センサ温度のサンプル数及び比例係数として設定するサンプル数及び比例係数設定手段とを備えるようにしたものである。

0015

この発明に係る温度測定システムは、取り得る1以上のサンプル数が所定範囲における1以上の整数であり、取り得る1以上の比例係数が所定範囲内で所定の分解能を有する数値であるようにしたものである。

発明の効果

0016

この発明によれば、熱電対からの入力温度を算出する入力温度算出手段と、冷接点の近傍に設置されている温度センサによる冷接点センサ温度を算出する冷接点センサ温度算出手段と、冷接点センサ温度算出手段により算出された冷接点センサ温度の移動平均を算出し、その移動平均に基づいて入力温度算出手段により算出された入力温度の温度補償に用いる補償温度を算出する補償温度算出手段とを設け、補償温度加算手段が補償温度算出手段により算出された補償温度を用いて、入力温度算出手段により算出された入力温度を補償するように構成したので、冷接点温度と温度センサによる冷接点センサ温度との誤差を解消して、温度の測定精度を高めることができる効果がある。

図面の簡単な説明

0017

この発明の実施の形態1による温度測定装置と温度測定対象の接続関係を示す構成図である。
この発明の実施の形態1による温度測定装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態1による温度測定装置の処理内容(温度測定方法)を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1による温度測定装置による温度補償を示す説明図である。
この発明の実施の形態2による温度測定装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態3による温度測定システムを示す構成図である。
設定装置23がサンプル数N及び比例係数αを設定する際の恒温槽20内の温度変化を示す説明図である。
設定装置23によるサンプル数N及び比例係数αの算出処理を示す説明図である。
この発明の実施の形態3による温度測定システムの設定装置23を示す構成図である。
設定装置23の処理内容を示すフローチャートである。
温度測定装置2により入力温度Tcnが補正されない場合の温度変化を示す説明図である。
温度測定装置2により入力温度Tcnが補正された場合の温度変化を示す説明図である。
従来の温度測定装置による温度補償を示す説明図である。

実施例

0018

実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による温度測定装置と温度測定対象の接続関係を示す構成図である。
図1において、温度測定対象1は温度測定装置2により温度が測定される対象物であり、温度測定対象1には熱電対3の測温接点が接続され、熱電対3の冷接点4が温度測定装置2に接続されている。
冷接点センサ5は冷接点4の近傍に設置されている温度センサであり、冷接点4の温度を測定する。

0019

図2はこの発明の実施の形態1による温度測定装置を示す構成図である。
図2において、入力温度算出部11は熱電対3における2つの冷接点4の電位差を検出し、その電位差から熱電対3からの入力温度Tcを算出する処理を実施する。なお、入力温度算出部11は入力温度算出手段を構成している。
冷接点センサ温度算出部12は冷接点センサ5により検出された信号を入力して、冷接点4の冷接点センサ温度Trを算出する処理を実施する。なお、冷接点センサ温度算出部12は冷接点センサ温度算出手段を構成している。

0020

補償温度算出部13は冷接点センサ温度算出部12により算出された冷接点センサ温度Trの修正移動平均Traを算出し、その修正移動平均Traに基づいて入力温度算出部11により算出された入力温度Tcの温度補償に用いる補償温度Tfを算出する処理を実施する。
即ち、補償温度算出部13は冷接点センサ温度算出部12により冷接点センサ温度Trが算出される毎に、その冷接点センサ温度Trの修正移動平均Traを算出して、今回算出の修正移動平均Traと前回算出の修正移動平均Traとの差分ΔTraを求め、その差分ΔTraに比例する値を補正温度Taとして、冷接点センサ温度Trから補正温度Taを差し引いた値を補償温度Tfとして算出する処理を実施する。
なお、補償温度算出部13は補償温度算出手段を構成している。

0021

補償温度加算部14は補償温度算出部13により算出された補償温度Tfを用いて、入力温度算出部11により算出された入力温度Tcを補償し、補正後測定温度Ty(=Tc+Tf)を出力する処理を実施する。なお、補償温度加算部14は補償温度加算手段を構成している。
この実施の形態1では、補償温度加算部14が、補償温度Tfを入力温度Tcに加算することで、入力温度Tcを補償するものを想定しているが、加算する入力温度Tcの値は必ずしも正の値ではなく、状況によっては(例えば周囲環境温度が低下する場合)、加算する入力温度Tcの値が負の値となることもあり得る。

0022

図1の例では、温度測定装置2の構成要素である入力温度算出部11、冷接点センサ温度算出部12、補償温度算出部13及び補償温度加算部14のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、温度測定装置2がコンピュータで構成されていてもよい。
温度測定装置2がコンピュータで構成されている場合、入力温度算出部11、冷接点センサ温度算出部12、補償温度算出部13及び補償温度加算部14の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図3はこの発明の実施の形態1による温度測定装置の処理内容(温度測定方法)を示すフローチャートである。
また、図4はこの発明の実施の形態1による温度測定装置による温度補償を示す説明図である。

0023

次に動作について説明する。
温度測定対象1には熱電対3の測温接点が接続されており、熱電対3における2つの冷接点4が温度測定装置2に接続されている。
熱電対3の2つの冷接点4の間には、ゼーベック効果によって、温度測定対象1の温度に比例する電位差Eが発生する。
入力温度算出部11は、熱電対3における2つの冷接点4の電位差Eを検出して、その電位差Eから入力温度算Tcを算出する(図3のステップST1)。

0024

電位差Eと入力温度Tcの間には所定の対応関係があるので、入力温度算出部11では、例えば、電位差Eと入力温度Tcの対応関係を示すテーブルを参照することで入力温度Tcを特定するようにしてもよいし、所定の演算式に冷接点4の電位差Eを代入することで入力温度Tcを算出するようにしてもよい。
なお、入力温度算出部11では、入力温度Tcを所定の周期(例えば、1秒周期)で繰り返し算出するので、各周期での入力温度Tcを区別するために、以下、算出回数がn回目の入力温度をTcnで表記する。ただし、n=1,2,3,・・・,M(Mは算出回数)である。

0025

冷接点センサ5は、冷接点4の近傍に設置されており、冷接点4の温度Trに相当する信号を出力する。
冷接点センサ温度算出部12は、冷接点センサ5からの信号を入力して、冷接点4の冷接点センサ温度Trを算出する(ステップST2)。
なお、冷接点センサ温度算出部12では、入力温度算出部11と同じ周期で、冷接点4の冷接点センサ温度Trを繰り返し算出するので、各周期での冷接点センサ温度Trを区別するために、以下、算出回数がn回目の冷接点センサ温度をTrnで表記する。ただし、n=1,2,3,・・・,Mである。

0026

補償温度算出部13は、冷接点センサ温度算出部12により冷接点センサ温度Trが算出される毎に、冷接点センサ温度算出部12により既に算出されている1つ以上の冷接点センサ温度Trのうち、予め設定されているサンプル数N分の冷接点センサ温度Trを用いて、その冷接点センサ温度Trの修正移動平均Traを算出する(ステップST3)。
即ち、補償温度算出部13は、冷接点センサ温度算出部12により今回算出された冷接点センサ温度Trがn回目の冷接点センサ温度Trnである場合、下記の式(1)に示す演算式に冷接点センサ温度Trnを代入することで、n回目の算出時における冷接点センサ温度Trの修正移動平均Tranを算出する。

0027

式(1)において、Tran−1は、n−1回目の算出時における冷接点センサ温度Trの修正移動平均である。

0028

補償温度算出部13は、n回目の算出時における冷接点センサ温度Trの修正移動平均Tranを算出すると、下記の式(2)に示すように、n回目の算出時における冷接点センサ温度Trの修正移動平均Tranと、n−1回目の算出時における冷接点センサ温度Trの修正移動平均Tran−1との差分ΔTranを算出する(ステップST4)。
ΔTran=Tran−Tran−1 (2)

0029

補償温度算出部13は、差分ΔTranを算出すると、下記の式(3)に示すように、予め設定されている比例係数αを差分ΔTranに乗算して補正温度Tanを算出する(ステップST5)。
Tan=α×ΔTran (3)

0030

さらに、補償温度算出部13は、下記の式(4)に示すように、その補正温度Tanをn回目の冷接点センサ温度Trnから差し引いた値を補償温度Tfnとして算出する(ステップST6)。
Tfn=Trn−Tan (4)

0031

補償温度加算部14は、補償温度算出部13が補償温度Tfnを算出すると、下記の式(5)に示すように、その補償温度Tfnを用いて、入力温度算出部11によるn回目の算出時における入力温度Tcnを補償し、補正後の測定温度Tynを出力する(ステップST7)。
Tyn=Tcn+Tfn (5)

0032

以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、熱電対3における入力温度Tcを算出する入力温度算出部11と、冷接点4の近傍に設置されている冷接点センサ5による冷接点センサ温度Trを算出する冷接点センサ温度算出部12と、冷接点センサ温度算出部12により算出された冷接点センサ温度Trの修正移動平均Traを算出し、その修正移動平均Traに基づいて入力温度算出部11により算出された入力温度Tcの温度補償に用いる補償温度Tfを算出する補償温度算出部13とを設け、補償温度加算部14が補償温度算出部13により算出された補償温度Tfを用いて、入力温度算出部11により算出された入力温度Tcを補償するように構成したので、熱電対3における入力温度Tcと冷接点センサ5による冷接点センサ温度Trとの誤差を解消して、温度の測定精度を高めることができる効果を奏する。

0033

なお、この実施の形態1では、補償温度算出部13が冷接点センサ温度Trの修正移動平均Traを算出するものを示したが、移動平均であれば、修正移動平均Traに限るものではなく、例えば、冷接点センサ温度Trの単純移動平均、加重移動平均指数移動平均、三角移動平均、正弦移動平均、累積移動平均などを算出するようにしてもよい。

0034

実施の形態2.
上記実施の形態1では、予め、冷接点センサ温度Trのサンプル数Nと比例係数αが補償温度算出部13に設定されているものを示したが、図5に示すように、冷接点センサ温度Trのサンプル数Nと比例係数αを設定するサンプル数及び比例係数設定部(設定手段)15を設け、補償温度算出部13が、サンプル数及び比例係数設定部15により設定されたサンプル数N分の冷接点センサ温度Trを用いて、その冷接点センサ温度Trの修正移動平均Traを算出するとともに、サンプル数及び比例係数設定部15により設定された比例係数αを、n回目の算出時における冷接点センサ温度Trの修正移動平均Tranとn−1回目の算出時における冷接点センサ温度Trの修正移動平均Tran−1との差分ΔTranに乗算することで、差分ΔTranに比例する値α×ΔTranを算出するようにしてもよい。
なお、サンプル数及び比例係数設定部15によるサンプル数Nと比例係数αの設定方法は、特に限定するものではないが、後述する実施の形態3で説明する設定装置23と同様の方法で設定することができる。

0035

実施の形態3.
上記実施の形態2では、冷接点センサ温度Trのサンプル数Nと比例係数αを設定するサンプル数及び比例係数設定部15が温度測定装置2に実装されているものを示したが、冷接点センサ温度Trのサンプル数Nと比例係数αを設定する設定装置を温度測定装置2の外部に設け、温度測定装置2が温度の測定処理を開始する前に、その設定装置が冷接点センサ温度Trのサンプル数Nと比例係数αを設定して、そのサンプル数Nと比例係数αを温度測定装置2の補償温度算出部13に与えるようにしてもよい。

0036

図6はこの発明の実施の形態3による温度測定システムを示す構成図であり、図において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図6の例では、温度測定装置2は恒温槽20内に設置されており、熱電対3が0℃基準温度装置21に配置されている。
周囲温度用温度測定装置22は温度測定装置2の周囲温度として、恒温槽20内の温度を測定する装置である。
設定装置23は周囲温度用温度測定装置22により測定された周囲温度を考慮して、入力温度Tcの温度補償に用いる冷接点センサ温度Trのサンプル数N及び比例係数αを設定し、そのサンプル数N及び比例係数αを温度測定装置2の補償温度算出部13に与える装置である。

0037

図7は設定装置23がサンプル数N及び比例係数αを設定する際の恒温槽20内の温度変化を示す説明図である。
また、図8は設定装置23によるサンプル数N及び比例係数αの算出処理を示す説明図である。

0038

図9はこの発明の実施の形態3による温度測定システムの設定装置23を示す構成図である。
図9において、温度記録部31は周囲温度用温度測定装置22により測定された周囲温度を示す情報を入力して、温度測定装置2の周囲温度を把握し、温度測定装置2の周囲温度が第1の温度で安定している状態から、その周囲温度をステップ状又はランプ状に変化させる(例えば、設定装置23又は図示せぬ制御装置が恒温槽20内の温度を制御することで、温度測定装置2の周囲温度を変化させる)場合、その周囲温度が第2の温度で安定するまでの間、温度測定装置2の入力温度算出部11により算出された入力温度Tc及び温度測定装置2の冷接点センサ温度算出部12により算出された冷接点センサ温度Trを記録する処理を実施する。なお、温度記録部31は温度記録手段を構成している。

0039

基準温度設定部32は温度測定装置2の周囲温度が第1の温度から第2の温度に到達するまでの第1の期間では、第1の温度から第2の温度に至る直線上の温度を第1の基準温度に設定し、その周囲温度が第2の温度に到達してから第2の温度で安定するまでの第2の期間では、第2の温度を第2の基準温度に設定する処理を実施する。なお、基準温度設定部32は基準温度設定手段を構成している。
組み合わせ選択部33は取り得る1以上のサンプル数N(サンプル数Nは、1〜K(例えば、K=65535)の範囲内の整数である)と、取り得る1以上の比例係数α(比例係数αは、所定範囲(例えば、−65535〜+65535)内で所定の分解能(例えば、0.01)を有する数値である)の組み合わせの中から、任意のサンプル数Nと比例係数αの組み合わせを順次選択する処理を実施する。なお、組み合わせ選択部33は組み合わせ選択手段を構成している。

0040

補正後測定温度算出部34は組み合わせ選択部33により選択されたサンプル数Nと比例係数αの組み合わせを用いて、温度記録部31により記録されている入力温度Tc及び冷接点センサ温度Trから、温度測定装置2の補償温度算出部13及び補償温度加算部14と同じアルゴリズムで、補正後の測定温度Tyを算出する処理を実施する。なお、補正後測定温度算出部34は補正後測定温度算出手段を構成している。
誤差総和算出部35は、第1の期間では、補正後測定温度算出部34により算出された第1の期間中の補正後の測定温度Tyと基準温度設定部32により設定された第1の基準温度の誤差Tdを算出し、第2の期間では、補正後測定温度算出部34により算出された第2の期間中の補正後の測定温度Tyと基準温度設定部32により設定された第2の基準温度の誤差Tdを算出して、第1の期間及び第2の期間での誤差Tdの総和Σ|Td|を算出する処理を実施する。なお、誤差総和算出部35は誤差総和算出手段を構成している。

0041

サンプル数及び比例係数設定部36は組み合わせ選択部33により全てのサンプル数Nと比例係数αの組み合わせが選択された後、全てのサンプル数Nと比例係数αの組み合わせの中で、誤差総和算出部35により算出された誤差Tdの総和Σ|Td|が最小となるサンプル数Nと比例係数αの組み合わせを特定し、そのサンプル数N及び比例係数αを温度補償に用いる冷接点センサ温度のサンプル数及び比例係数として設定する処理を実施する。なお、サンプル数及び比例係数設定部36はサンプル数及び比例係数設定手段を構成している。

0042

図9の例では、設定装置23の構成要素である温度記録部31、基準温度設定部32、組み合わせ選択部33、補正後測定温度算出部34、誤差総和算出部35及びサンプル数及び比例係数設定部36のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、設定装置23がコンピュータで構成されていてもよい。
設定装置23がコンピュータで構成されている場合、温度記録部31、基準温度設定部32、組み合わせ選択部33、補正後測定温度算出部34、誤差総和算出部35及びサンプル数及び比例係数設定部36の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図10は設定装置23の処理内容を示すフローチャートである。

0043

次に動作について説明する。
この実施の形態3では、例えば、設定装置23又は図示せぬ制御装置が、温槽20内の温度をステップ状又はランプ状に制御することで、温度測定装置2の周囲温度を第1の温度から第2の温度に変化させる。
温度記録部31は、周囲温度用温度測定装置22により測定された周囲温度を示す情報を入力して、温度測定装置2の周囲温度を把握し、温度測定装置2の周囲温度が第1の温度で安定している状態から、その周囲温度が変化して、その周囲温度が第2の温度で安定するまでの間、温度測定装置2の入力温度算出部11により算出された入力温度Tc及び温度測定装置2の冷接点センサ温度算出部12により算出された冷接点センサ温度Trを記録する。
なお、温度測定装置2の測定温度Tyは、補正処理がなされておらず、周囲温度変化による過渡的な誤差を多く含んでいる測定値である(図8実線を参照)。
また、入力温度Tc及び冷接点センサ温度Trは、定周期(例えば、1秒周期)で算出された温度であり、ここでは説明の便宜上、温度測定装置2の周囲温度が第2の温度で安定するまでの間に、全部でM回の算出処理が行われて、M個の入力温度TcとM個の冷接点センサ温度Trが記録されているものとする。

0044

基準温度設定部32は、温度記録部31が入力温度Tc及び冷接点センサ温度Trの記録を完了すると、図8に示すように、温度測定装置2の周囲温度が第1の温度から第2の温度に到達するまでの期間を第1の期間に設定し、その周囲温度が第2の温度に到達してから第2の温度で安定するまでの期間を第2の期間に設定する。
基準温度設定部32は、第1の期間と第2の期間を設定すると、図8に示すように、第1の期間では、第1の温度から第2の温度に至る直線(一点破線を参照)上の温度を第1の基準温度に設定し、第2の期間では、第2の温度を第2の基準温度に設定する。
なお、温度記録部31による記録終了時の安定温度は、記録開始時初期温度よりも上昇しているが、周囲温度が上昇したことによる温度ドリフト定常的な誤差)である。この温度ドリフトは、温度測定装置によっては発生しない場合もある。

0045

組み合わせ選択部33は、取り得る1以上のサンプル数Nの中から、任意のサンプル数Nを選択する(図10のステップST11)。
例えば、取り得るサンプル数Nが1〜65535の範囲の整数であれば、1〜65535の整数値を順次選択することなり、合計で65535回の選択処理を実施することになる。
組み合わせ選択部33は、任意のサンプル数Nを選択すると、取り得る1以上の比例係数αの中から、任意の比例係数αを選択する(ステップST12)。
例えば、取り得る1以上の比例係数αが、−65535〜+65535の範囲内で所定の分解能(例えば、0.01)を有する数値であれば、その範囲から当該分解能を有する数値を順番に選択する。
なお、サンプル数Nの範囲、比例係数αの範囲及び分解能は、予め設定されているものであるが、周囲温度が第2の温度で安定するまでの間に、全部でM回の算出処理が行われるので、サンプル数Nの範囲は、算出回数Mと同じ数のサンプル数Nを含む範囲に設定されていてもよいが、算出回数Mより少ない数のサンプル数Nを含む範囲に設定されていてもよい。

0046

補正後測定温度算出部34は、組み合わせ選択部33がサンプル数Nと比例係数αを選択すると、温度記録部31により記録されているM個の入力温度Tc及び冷接点センサ温度Trの中から、算出時間が最も早い入力温度Tcn及び冷接点センサ温度Trnの読み出しを行う(ステップST13)。
なお、補正後測定温度算出部34では、入力温度Tc及び冷接点センサ温度Trの読み出しを順次行うので、各読み出し時の入力温度Tc及び冷接点センサ温度Trを区別するために、ここでは、読み出し回数がn回目の入力温度TcをTcnで表記し、読み出し回数がn回目の冷接点センサ温度TrをTrnで表記している。ただし、n=1,2,3,・・・,Mである。
補正後測定温度算出部34は、温度記録部31から入力温度Tcn及び冷接点センサ温度Trnを読み出すと、組み合わせ選択部33により選択されたサンプル数Nと比例係数αを用いて、その入力温度Tcn及び冷接点センサ温度Trnから、温度測定装置2の補償温度算出部13及び補償温度加算部14と同じアルゴリズムで、補正後の測定温度Tynを算出する(ステップST14)。

0047

即ち、補正後測定温度算出部34は、冷接点センサ温度Trnとサンプル数Nを上記の式(1)に代入することで、修正移動平均Tranを算出するとともに、その修正移動平均Tran及び修正移動平均Tran−1を上記の式(2)に代入することで、差分ΔTranを算出する。
また、補正後測定温度算出部34は、差分ΔTranと比例係数αを上記の式(3)に代入して補正温度Tanを算出し、さらに上記の式(4)を用いて、補償温度Tfnを算出するとともに、その補償温度Tfnと入力温度Tcを上記の式(5)に代入することで、補正後の測定温度Tynを算出する。

0048

誤差総和算出部35は、補正後測定温度算出部34が補正後の測定温度Tynを算出すると、補正後の測定温度Tynと基準温度の誤差Tdnを算出する(ステップST15)。
即ち、誤差総和算出部35は、補正後測定温度算出部34により算出された補正後の測定温度Tynが第1の期間中の冷接点温度(第1の期間中の入力温度Tcn及び冷接点センサ温度Trnから算出された冷接点温度)であれば、補正後の測定温度Tynと第1の基準温度の誤差Tdnを算出する。
一方、補正後測定温度算出部34により算出された補正後の測定温度Tynが第2の期間中の冷接点温度(第2の期間中の入力温度Tcn及び冷接点センサ温度Trnから算出された冷接点温度)であれば、補正後の測定温度Tynと第2の基準温度の誤差Tdnを算出する。
なお、誤差総和算出部35では、誤差Tdの算出を順次行うので、各算出時の誤差Tdを区別するために、ここでは、算出回数がn回目の誤差TdをTdnで表記している。ただし、n=1,2,3,・・・,Mである。

0049

誤差総和算出部35は、誤差Tdnを算出すると、下記の式(6)に示すように、前回算出された誤差の総和に誤差Tdnの絶対値を加えることで、誤差Tdの総和Σ|Td|を更新する(ステップST16)。
Σ|Td|=前回までの誤差総和+|Tdn| (6)
ただし、誤差総和の更新処理を初めて行う場合には、前回までの誤差総和は“0”である。

0050

温度記録部31により記録されているM個の入力温度Tc及び冷接点センサ温度Trの中から、読み出していない入力温度Tcn及び冷接点センサ温度Trnがなくなると(ステップST17)、ステップST18の処理に移行するが、まだ読み出していない入力温度Tcn及び冷接点センサ温度Trnがあれば、ステップST13の処理に戻り、ステップST13〜ST16の処理が繰り返し実施される。

0051

誤差総和算出部35は、読み出していない入力温度Tcn及び冷接点センサ温度Trnがなくなると、初回ループである場合(ステップST18)、即ち、ステップST1の処理におけるサンプル数Nの選択回数が1回であって、初めてステップST18の処理に移行した場合、ステップST19の処理には移行せずに、組み合わせ選択部33により今回選択されたサンプル数Nと比例係数αを記録するとともに、今回更新後の誤差総和を「最小誤差総和」として記録する(ステップST20)。

0052

次に、取り得る1以上の比例係数αの中で、未だ組み合わせ選択部33により選択されていない比例係数αがあれば(ステップST21)、ステップST12の処理に戻り、ステップST12〜ST20の処理が繰り返し実施される。
取り得る1以上の比例係数αの中で、組み合わせ選択部33により選択されていない比例係数αがなくなると(ステップST21)、取り得る1以上のサンプル数Nの中で、未だ組み合わせ選択部33により選択されていないサンプル数Nがあれば(ステップST22)、ステップST11の処理に戻り、ステップST11〜ST21の処理が繰り返し実施される。

0053

上記の繰り返し処理では、ステップST18からステップST19の処理に移行して、今回更新後の誤差総和が、記録している最小誤差総和より小さいか否かが判定され、今回更新後の誤差総和が、記録している最小誤差総和より小さければ、記録しているサンプル数Nと比例係数αが、組み合わせ選択部33により今回選択されたサンプル数Nと比例係数αに更新され、記録している最小誤差総和が今回更新後の誤差総和に更新される(ステップST20)。

0054

サンプル数及び比例係数設定部36は、取り得る1以上のサンプル数Nの中で、組み合わせ選択部33により選択されていないサンプル数Nがなくなると(ステップST22)、記録しているサンプル数Nと比例係数αが最適なパラメータであるとして、そのサンプル数Nと比例係数αを温度測定装置2の補償温度算出部13に設定する(ステップST23)。

0055

このように、最適なサンプル数Nと比例係数αが温度測定装置2の補償温度算出部13に設定されると、以降、温度測定装置2は、上記実施の形態1と同様にして、入力温度Tcを補償し、補正後の測定温度Tyを出力する。
ここで、図11は温度測定装置2により測定温度Tyが誤差補正されない場合の温度変化を示す説明図である。
また、図12は温度測定装置2により測定温度Tyが誤差補正された場合の温度変化を示す説明図である。
図11及び図12から明らかなように、温度測定装置2により測定温度Tyが誤差補正されない場合、周囲温度の影響を受けて測定温度Tyの測定結果が変動してしまっているが、温度測定装置2により測定温度Tyが誤差補正された場合、周囲温度が変化しても、測定温度Tyの測定結果がほとんど変動しておらず、正確な測定温度Tyが測定されている。

0056

以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、測定温度Tynの温度補償に用いる冷接点センサ温度Trnのサンプル数N及び比例係数αの最適化を図る設定装置23を設けるように構成したので、温度測定装置2による測定温度Tynの補償精度が向上する効果が得られる。

0057

1温度測定対象、2温度測定装置、3熱電対、4冷接点、5 冷接点センサ(温度センサ)、11入力温度算出部(入力温度算出手段)、12冷接点センサ温度算出部(冷接点センサ温度算出手段)、13補償温度算出部(補償温度算出手段)、14 補償温度加算部(補償温度加算手段)、15サンプル数及び比例係数設定部(設定手段)、20恒温槽、21 0℃基準温度装置、22周囲温度用温度測定装置、23設定装置、31温度記録部(温度記録手段)、32 基準温度設定部(基準温度設定手段)、33 組み合わせ選択部(組み合わせ選択手段)、34補正後測定温度算出部(補正後測定温度算出出手段)、35誤差総和算出部(誤差総和算出手段)、36 サンプル数及び比例係数設定部(サンプル数及び比例係数設定手段)。

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