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技術 冷間タンデム圧延機の圧延方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 木島秀夫大西哲雄鈴木啓之
出願日 2011年12月2日 (9年0ヶ月経過) 出願番号 2011-264262
公開日 2013年6月13日 (7年6ヶ月経過) 公開番号 2013-116476
状態 特許登録済
技術分野 金属圧延一般 圧延の制御
主要キーワード 基準張力 荷重変動量 設定板厚 低炭素熱延鋼板 張力比 切断予定 油膜厚 実測板厚
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年6月13日)のものです。
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図面 (7)

課題

冷間タンデム圧延機圧延を行うに際して、被圧延材の切断に伴って圧延速度減速された場合でも、板厚変動を抑えつつ、安定した圧延を行うことができる冷間タンデム圧延機の圧延方法を提供する。

解決手段

被圧延材1の切断のために圧延速度の減速が開始され、予め定めた圧延速度になった時点で、その時にロードセル7が計測した最終スタンド(第5スタンド)の圧延荷重P0を板厚制御装置11に記録し、さらに圧延速度が減速されるに伴って、時々刻々の最終スタンド圧延荷重Pと前記記録された圧延荷重(記録圧延荷重)P0との偏差(変動量)ΔPに応じて、最終スタンド以外の全スタンド(第1スタンド〜第4スタンド)のロール速度vi(i=1〜4)を修正する。

概要

背景

冷間タンデム圧延機(以下、単に「圧延機」ともいう)では、圧延機入側において巻き戻しリールから払い出されたコイル鋼板被圧延材)が、圧延機の前に設置された溶接機により、先行コイル後端と当該コイルの先端、および、当該コイルの後端と後行コイルの先端が溶接されて、連続的な圧延が行われる。圧延後の鋼板は、圧延機出側に設置されたシャーカット装置により、所定の個所で切断されて、一つないし二つの巻き取りリールに巻き取られる。シャーカット装置の切断速度には限界があるため、切断部(切断予定部)がシャーカット装置を通板する際には定常圧延部に比べて圧延速度減速する。

また、冷間タンデム圧延機においては、1〜3%程度の潤滑油を直径10μm程度の油滴にして水中に分散させてロールバイトに供給することにより、ロールと材料(被圧延材)間の摩擦係数を低減させて圧延負荷を軽減させると共に、焼き付きを防止して圧延を安定させている。

その際に、ロールと材料間の摩擦係数は引き込まれる圧延油油膜厚によって変化する。油膜厚は圧延速度によって変動し、圧延速度が減速されると、油膜厚は薄くなり、摩擦係数が大きくなって、圧延荷重は増加する。このことから、被圧延材切断のため圧延速度が減速されると、圧延荷重の増加により、圧延機出側の被圧延材の厚みが増加する。

そこで、このような板厚変動は好ましくないため、板厚制御が行われる。板厚制御方式として最も一般的なのは、圧延機出側に板厚計を設置し、実測板厚設定板厚偏差をゼロとするように何らかの操作を行うモニターGCである。しかし、上記のように、被圧延材の切断に伴う圧延速度の減速は短時間のみである上、圧延速度が遅くなることによって圧延機から板厚計まで被圧延材が移動する間の時間も長くなることから、実測板厚を用いた板厚制御は効果が小さい。

そこで、特許文献1に従来技術として記載の通り、圧延荷重の変動により板厚変動を予測し、これをもとに板厚制御を行うことで制御の効果を大きくする方法がとられている。

ただし、冷間タンデム圧延機の最終スタンドスタンドとは圧延スタンドを意味する)では被圧延材が加工硬化しているため、特許文献1に記載の通り、板厚制御の操作としてロールギャップを変更することは板形状が悪化するので好ましくない。

そこで、特許文献1では、最終スタンドの一つ前スタンド(最終直前スタンド)のロール速度を変更し、最終スタンド入側張力を変化させる張力AGCが用いられている。

概要

冷間タンデム圧延機で圧延を行うに際して、被圧延材の切断に伴って圧延速度が減速された場合でも、板厚変動を抑えつつ、安定した圧延を行うことができる冷間タンデム圧延機の圧延方法を提供する。被圧延材1の切断のために圧延速度の減速が開始され、予め定めた圧延速度になった時点で、その時にロードセル7が計測した最終スタンド(第5スタンド)の圧延荷重P0を板厚制御装置11に記録し、さらに圧延速度が減速されるに伴って、時々刻々の最終スタンド圧延荷重Pと前記記録された圧延荷重(記録圧延荷重)P0との偏差(変動量)ΔPに応じて、最終スタンド以外の全スタンド(第1スタンド〜第4スタンド)のロール速度vi(i=1〜4)を修正する。

目的

本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、冷間タンデム圧延機で圧延を行うに際して、被圧延材の切断に伴って圧延速度が減速された場合でも、板厚変動を抑えつつ、安定した圧延を行うことができる冷間タンデム圧延機の圧延方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

冷間タンデム圧延機圧延を行うに際して、被圧延材の切断のために圧延速度減速する際に、最終圧延スタンドにおいて、圧延速度が予め定めた圧延速度になった時の圧延荷重を記録し、それ以降、その記録圧延荷重からの変動量に応じて、最終圧延スタンド以外の全圧スタンドロール速度修正することを特徴とする冷間タンデム圧延機の圧延方法

請求項2

最終圧延スタンド入側張力に上限を設け、最終圧延スタンド入側張力が上限となった場合は、前記記録圧延荷重からの変動量にかかわらず、前記ロール速度の修正量を一定とすることを特徴とする請求項1に記載の冷間タンデム圧延機の圧延方法。

請求項3

最終圧延スタンド入側と出側の張力差に上限を設け、最終圧延スタンド入側と出側の張力差が上限となった場合は、前記記録圧延荷重からの変動量にかかわらず、前記ロール速度の修正量を一定とすることを特徴とする請求項1に記載の冷間タンデム圧延機の圧延方法。

請求項4

前記ロール速度の修正量に応じて、最終圧延スタンド出側張力を変更させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷間タンデム圧延機の圧延方法。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載の冷間タンデム圧延機の圧延方法を用いて鋼板を製造することを特徴とする鋼板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、冷間タンデム圧延機圧延方法に関するものである。

背景技術

0002

冷間タンデム圧延機(以下、単に「圧延機」ともいう)では、圧延機入側において巻き戻しリールから払い出されたコイル鋼板被圧延材)が、圧延機の前に設置された溶接機により、先行コイル後端と当該コイルの先端、および、当該コイルの後端と後行コイルの先端が溶接されて、連続的な圧延が行われる。圧延後の鋼板は、圧延機出側に設置されたシャーカット装置により、所定の個所で切断されて、一つないし二つの巻き取りリールに巻き取られる。シャーカット装置の切断速度には限界があるため、切断部(切断予定部)がシャーカット装置を通板する際には定常圧延部に比べて圧延速度減速する。

0003

また、冷間タンデム圧延機においては、1〜3%程度の潤滑油を直径10μm程度の油滴にして水中に分散させてロールバイトに供給することにより、ロールと材料(被圧延材)間の摩擦係数を低減させて圧延負荷を軽減させると共に、焼き付きを防止して圧延を安定させている。

0004

その際に、ロールと材料間の摩擦係数は引き込まれる圧延油油膜厚によって変化する。油膜厚は圧延速度によって変動し、圧延速度が減速されると、油膜厚は薄くなり、摩擦係数が大きくなって、圧延荷重は増加する。このことから、被圧延材切断のため圧延速度が減速されると、圧延荷重の増加により、圧延機出側の被圧延材の厚みが増加する。

0005

そこで、このような板厚変動は好ましくないため、板厚制御が行われる。板厚制御方式として最も一般的なのは、圧延機出側に板厚計を設置し、実測板厚設定板厚偏差をゼロとするように何らかの操作を行うモニターGCである。しかし、上記のように、被圧延材の切断に伴う圧延速度の減速は短時間のみである上、圧延速度が遅くなることによって圧延機から板厚計まで被圧延材が移動する間の時間も長くなることから、実測板厚を用いた板厚制御は効果が小さい。

0006

そこで、特許文献1に従来技術として記載の通り、圧延荷重の変動により板厚変動を予測し、これをもとに板厚制御を行うことで制御の効果を大きくする方法がとられている。

0007

ただし、冷間タンデム圧延機の最終スタンドスタンドとは圧延スタンドを意味する)では被圧延材が加工硬化しているため、特許文献1に記載の通り、板厚制御の操作としてロールギャップを変更することは板形状が悪化するので好ましくない。

0008

そこで、特許文献1では、最終スタンドの一つ前スタンド(最終直前スタンド)のロール速度を変更し、最終スタンド入側張力を変化させる張力AGCが用いられている。

先行技術

0009

特開2004−209498号公報

発明が解決しようとする課題

0010

上記の通り、冷間タンデム圧延機では、被圧延材の切断に伴う圧延速度の減速の際に、圧延機出側の板厚は必ず増加する方向に変動する。そのため、特許文献1に記載されている張力AGCでは、最終スタンドの一つ前スタンド(最終直前スタンド)のロール速度を減速し、最終スタンド入側張力を増加させるように制御が行われる。

0011

これに対して、近年、冷間タンデム圧延機では、被圧延材(鋼板)の成分や、デスケーリング・冷却も含めた熱延条件酸洗条件の違いにより、硬度表面性状が様々に異なる材料(鋼板)を圧延するため、上記圧延速度の減速に伴う板厚変動量も材料によって変化する。そのため、特許文献1に記載のような方法で板厚制御を行うと、最終スタンドおよび最終直前スタンドにおいて、チャタリング、被圧延材の破断絞り、被圧延材とロールの焼き付き、モータ焼き付きなどのトラブル(不安定現象)が発生することがあった。

0012

本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、冷間タンデム圧延機で圧延を行うに際して、被圧延材の切断に伴って圧延速度が減速された場合でも、板厚変動を抑えつつ、安定した圧延を行うことができる冷間タンデム圧延機の圧延方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0013

上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。

0014

[1]冷間タンデム圧延機で圧延を行うに際して、被圧延材の切断のために圧延速度を減速する際に、最終圧延スタンドにおいて、圧延速度が予め定めた圧延速度になった時の圧延荷重を記録し、それ以降、その記録圧延荷重からの変動量に応じて、最終圧延スタンド以外の全圧延スタンドのロール速度を修正することを特徴とする冷間タンデム圧延機の圧延方法。

0015

[2]最終圧延スタンド入側張力に上限を設け、最終圧延スタンド入側張力が上限となった場合は、前記記録圧延荷重からの変動量にかかわらず、前記ロール速度の修正量を一定とすることを特徴とする前記[1]に記載の冷間タンデム圧延機の圧延方法。

0016

[3]最終圧延スタンド入側と出側の張力差に上限を設け、最終圧延スタンド入側と出側の張力差が上限となった場合は、前記記録圧延荷重からの変動量にかかわらず、前記ロール速度の修正量を一定とすることを特徴とする前記[1]に記載の冷間タンデム圧延機の圧延方法。

0017

[4]前記ロール速度の修正量に応じて、最終圧延スタンド出側張力を変更させることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の冷間タンデム圧延機の圧延方法。

0018

[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の冷間タンデム圧延機の圧延方法を用いて鋼板を製造することを特徴とする鋼板の製造方法。

発明の効果

0019

本発明においては、冷間タンデム圧延機で圧延を行うに際して、被圧延材の切断に伴って圧延速度が減速された場合でも、板厚変動を抑えつつ、安定した圧延を行うことができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の実施形態1を示す模式図である。
本発明の実施形態2を示す模式図である。
本発明の実施形態3を示す模式図である。
本発明の実施形態4を示す模式図である。
本発明の実施形態4を示す模式図である。
本発明の実施形態4を示す模式図である。

0021

本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

0022

[実施形態1]
図1は本発明の実施形態1を示す模式図である。

0023

この実施形態1におけるタンデム冷間圧延機は5スタンドからなっており、図1中、1は被圧延材(鋼板)、2はワークロール、3はバックアップロール、4は中間ロール、5は圧延油供給ノズル、6は張力計、7は最終スタンド(第5スタンド)のロードセル、8は巻き取りリール、11は板厚制御装置である。

0024

その上で、この実施形態1においては、被圧延材1の切断(切断機は不図示)のために圧延速度の減速が開始され、予め定めた圧延速度になった時点で、その時にロードセル7が計測した最終スタンド(第5スタンド)の圧延荷重P0を板厚制御装置11に記録する。そして、その時点からこの実施形態1における板厚制御が開始され、その後、さらに圧延速度が減速されるに伴って、時々刻々の最終スタンド圧延荷重Pと前記記録された圧延荷重(記録圧延荷重)P0との偏差(変動量)ΔPに応じて、最終スタンド以外の全スタンド(第1スタンド〜第4スタンド)のロール速度vi(i=1〜4)を修正するようにしている。

0025

すなわち、時々刻々の最終スタンド圧延荷重Pと記録圧延荷重P0との偏差ΔPに応じて、推定出側板厚変動量Δhが下記(1)式、(2)式のように計算される。

0026

ΔP=P−P0 ・・・(1)
Δh=ΔP/K ・・・(2)

0027

ここで、比例係数Kは荷重変動量に対する板厚変動量を表すパラメータであり、予め予備圧延などにより求めておくと良い。推定出側板厚変動量Δhは目標出側板厚hoにより比率Δeに換算され、下記(3)式のようになる。

0028

Δe=Δh/ho ・・・(3)

0029

この比率ΔeがPID制御器の入力となり、ゲインに応じて制御量Δvが出力される。そして、この制御量Δvは推定出側板厚変動量Δhをゼロに近づけるためのロール速度の修正量であり、最終スタンド(第5スタンド)以外の全てのスタンド(第1スタンド〜第4スタンド)のロール速度viについて、圧延速度(最終スタンドのロール速度)v05に応じた第iスタンド設定ロール速度v0iに対し、下記(4)式のように修正される。

0030

vi=v0i(1−Δv) ・・・(4)

0031

このようにして、この実施形態1においては、被圧延材の切断に伴って圧延速度が減速された場合に、最終スタンド以外の全てのスタンドのロール速度vi(i=1〜4)を修正することにより、板厚変動を抑えつつ、トラブルの発生を従来技術に比べて抑えられるようになる。

0032

[実施形態2]
図2は本発明の実施形態2を示す模式図である。

0033

通常、冷間タンデム圧延機ではスタンド間の張力、および、圧延機入側張力・出側張力が、張力計6により随時計測されている。

0034

本発明の実施形態2においては、上記の実施形態1(図1)に加え、図2に示すように、最終スタンド入側張力Tin5に上限値を設定しておき、最終スタンド入側張力Tin5が上限値に達した場合は、制御量Δvの出力をホールドするようにしている。

0035

すなわち、最終スタンド入側張力Tin5が上限値に達した場合は、記録圧延荷重P0からの最終スタンド圧延荷重Pの変動量ΔPに関わらず、第iスタンド設定ロール速度v0iからの修正量を一定値にしている。

0036

このようにして、この実施形態2においては、最終スタンド入側張力Tin5に上限を設けることにより、上限を設けない場合に比べて、板厚変動がやや大きくなるものの、トラブル無く圧延を行うことが出来るようになる。

0037

[実施形態3]
図3は本発明の実施形態3を示す模式図である。

0038

この実施形態3では、上記の実施形態2において、最終スタンド入側張力Tin5に上限値を設定したのに替えて、最終スタンド入側張力Tin5から最終スタンド出側張力Tout5を引いた張力差ΔT5に上限値を設定しておき、張力差ΔT5が上限値に達した場合は、制御量Δvの出力をホールドするようにしている。

0039

すなわち、最終スタンド入側張力Tin5から最終スタンド出側張力Tout5を引いた張力差ΔT5が上限値に達した場合は、記録圧延荷重P0からの最終スタンド圧延荷重Pの変動量ΔPに関わらず、第iスタンド設定ロール速度v0iからの修正量を一定値にしている。

0040

このようにして、この実施形態3においては、最終スタンド入側出側張力差ΔT5に上限を設けることにより、上限を設けない場合に比べて、板厚変動がやや大きくなるものの、トラブル無く圧延を行うことが出来るようになる。

0041

[実施形態4]
図4は本発明の実施形態4を示す模式図である。

0042

本発明の実施形態4では、上記の実施形態1〜3のように、最終スタンド(第5スタンド)以外の全てのスタンド(第1スタンド〜第4スタンド)のロール速度を修正した際に、そのロール速度の修正量に応じて、最終スタンド出側張力を変更させるようにしている。

0043

すなわち、被圧延材1の切断点が近づき、圧延速度の減速が始まって、予め定めた圧延速度になると、最終スタンドの圧延荷重P0を記録すると同時に、最終スタンド入側張力Tin5から最終スタンド出側張力Tout5を引いた張力差ΔT5を記録し、その記録張力差を基準張力差ΔT50にして、下記(5)式に示す最終スタンド出側張力Tout5_refとなるように、巻き取りリール8の回転速度を調節して、最終スタンド出側張力Tout5を変更する。

0044

Tout5_ref=Tin5−ΔT50 ・・・(5)

0045

なお、基準張力差ΔT50は予め設定しておいてもよい。

0046

また、上記の最終スタンド張力差ΔT5に替えて、最終スタンド張力比Tout5/Tin5を記録し、その記録した最終スタンド張力比を基準張力比Tout50/Tin50にして、下記(6)式に示す最終スタンド出側張力Tout5_refとなるように、巻き取りリール8の回転速度を調節して、最終スタンド出側張力Tout5を変更するようにしてもよい。

0047

Tout5_ref=Tin5×(Tout50/Tin50) ・・・(6)

0048

なお、基準張力比Tout50/Tin50は予め設定しておいてもよい。

0049

ちなみに、最終スタンド出側張力Tout5の変更のためには、図4のように巻き取りリール8の回転速度を変更しても良いし、図5のように、圧延機出側にブライドルロール9が設置されている場合や、図6のように、圧延機出側にピンチロール10が設置されている場合には、これらブライドルロール9やピンチロール10の回転速度を調節しても良い。

0050

このようにして、この実施形態4においては、最終スタンド以外の全てのスタンドのロール速度vi(i=1〜4)を修正すると同時に、最終スタンド出側張力Tout5を変更することによって、板厚制御を行う場合の圧延安定性がさらに向上する。

0051

本発明の実施例として、板厚4.5mm、板幅1100mmの低炭素熱延鋼板酸洗した後、5スタンドのタンデム冷間圧延機にて板厚0.8mmまで冷間圧延した。第1スタンドから第4スタンドのワークロール径(直径)は600mm、ロール表面粗さは円筒研磨により0.3μmRaとした。第5スタンドのワークロール径は380mm、ロール表面粗さを放電ダル加工により2.2μmRaとした。潤滑剤は、粘度50mm2/sec(40℃での粘度)の合成エステル系圧延油を2%(体積%)に希釈し、60℃に加温して供給した。

0052

そして、圧延速度(最終スタンドのロール回転速度)を、定常時の1500mpmから100mpmまで20秒で減速する際の板厚変動および張力変動を比較例と従来例と本発明例とで比較した。なお、定常時の第5スタンド圧延荷重は6860kN、第5スタンド入側張力は129kN、出側張力は43kNであった(いずれも平均値)。

0053

ここで、比較例では、従来の出側モニターAGCのみを用いて板厚制御を行った。また、従来例として、特許文献1に記載の方法で板厚制御を行った。

0054

これに対して、本発明例(本発明例1〜5)として、上記の本発明の実施形態1〜4に基づいて板厚制御を行った。その際に、PID制御器では、P(比例)制御ゲインを0.6とし、その他のゲインはゼロとした。

0055

本発明例、比較例、従来例のそれぞれの具体的な実施条件と結果(板厚変動、圧延安定性)を表1にまとめた。

0056

表1に示すように、本発明例では、記録圧延荷重((1)式のP0)を圧延速度が300mpmになったときに記録するものとした。各コイルで変動はあったが、平均は7130kNであった。これに対して、従来例では、記録圧延荷重を圧延速度が1500mpmの時の値とした。平均は上記の通り6860kNであった。なお、比較例ではこのような荷重の記録を行わなかった。

0057

また、第5スタンド出側X線板厚計(図示していない)による出側モニターAGCはいずれの例でも同じ条件で使用し、板厚変動を調査した。

0058

そして、本発明例では、第4スタンド、および第3〜1スタンドのロール速度を全て変更するのに対し、従来例では第4スタンドのみロール速度を変更し、比較例ではロール速度の変更を行なわず、圧下位置の変更を行なった。

0059

なお、本発明例による張力上限の取り扱いは5つのパターンが考えられる。本発明例1(実施形態1に対応)では張力上限が設定されない。本発明例2(実施形態2に対応)では第5スタンド入側張力に変動5%の上限を設けた。本発明例3(実施形態3に対応)では300mpmに減速したときの第5スタンド入側と出側の張力差を記録しておき、第5スタンド入側張力に対して出側との張力差変動値5%の上限値を設けた。本発明例4、5(実施形態4に対応)では、それぞれ1500mpmの定常圧延時、300mpmに減速したときの、第5スタンド入側と出側の張力を記録しておき、その差が保たれるように第5スタンド出側張力を修正した。

0060

いずれの例でも、破断、焼き付きなどの大きなトラブルは発生せずに圧延を行うことが出来た。圧延後、鋼板表面の外観目視で観察し、チャタリング模様の有無を確認した。

0061

0062

表1に示すように、比較例では、20μmの板厚変動が発生した。また、従来例では、第4、第5スタンドにおいてチャタリングが発生し、安定した圧延を行うことが出来なかった。

実施例

0063

これに対して、本発明例(本発明例1〜5)では、板厚変動を抑えつつ、安定した圧延を行うことが出来た。

0064

本発明により、冷間タンデム圧延機において、不可避である被圧延材切断に伴う減速の際に有効な板厚制御を行うことが出来る。

0065

1被圧延材(鋼板)
2ワークロール
3バックアップロール
4中間ロール
5圧延油供給ノズル
6張力計
7ロードセル
8巻き取りリール
9ブライドルロール
10ピンチロール
11 板厚制御装置

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