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課題

本発明は、ヒト化抗体(例えば、ICAM−1に結合する抗体)、使用方法および抗体を生成する方法を提供すること。

解決手段

本発明の抗体としては、例えば、HumA、HumB、HumC、HumD、HumE、HumF、HumG、HumH、HumI、Hum40およびHum50から選択されるVHドメインおよびVLドメインを有する配列を含む。ICAM−Iを結合する抗体の部分配列(例えば、単鎖フラグメントFabフラグメントFab'フラグメント、および(Fab)2フラグメント)が、提供される。

概要

背景

背景
モノクローナル抗体は、治療タンパク質の重要なクラスになった。しかし、ヒトにおいて使用される外来免疫グロブリンは、抗グロブリン応答を誘発し、この応答は、治療を妨害し得るか、あるいはアレルギー高感受性または免疫複合体高感受性を起こし得る。この問題を回避するために、モノクローナル抗体は、「ヒト化」され得、そしてヒト化は、代表的には、CDR移植(CDR grafting)によって実施される。

CDR(超可変領域とも呼ばれる)は、免疫グロブリン軽鎖および免疫グロブリン重鎖中に存在し、そして「フレームワーク」領域によって隣接される。CDR移植は、Jonesら、((1986)Nature 321:522−525)によって最初に記載された。この刊行物および後の刊行物において、3つのマウス抗体のCDRが、ヒト免疫グロブリンNEW(VH)およびREI(VL)の可変ドメインフレームワークに移植された。生じたヒト化抗体は、親マウスモノクローナル抗体(mAb)と同じ抗原特異性および同様の親和性を有した(Jonesら、前出;Verhoeyenら、(1988)Science 239:1534−1536;Riechmannら、(1988)Nature 332:323−327;米国特許第5,225,539号)。

CDR移植は、Queenおよび共同研究者によって記載され、彼等は、4つのマウスモノクローナル抗体のヒト化を報告した(Queenら、(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:10029−10033;Coら、(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:2869−2873;Coら、(1992)J.Immunol.148:1149−1154;ならびに米国特許第5,585,089号;同第5,693,761号;および同第5,693,762号)。親和性を維持するために、ヒトフレームワーク中にマウス残基が挿入され、そして各場合で、最初の抗原特異性が維持された。ヒト化抗体の親和性は、親非改変マウス抗体の3分の1から3倍に及んだ。

概要

本発明は、ヒト化抗体(例えば、ICAM−1に結合する抗体)、使用方法および抗体を生成する方法を提供すること。本発明の抗体としては、例えば、HumA、HumB、HumC、HumD、HumE、HumF、HumG、HumH、HumI、Hum40およびHum50から選択されるVHドメインおよびVLドメインを有する配列を含む。ICAM−Iを結合する抗体の部分配列(例えば、単鎖フラグメントFabフラグメントFab'フラグメント、および(Fab)2フラグメント)が、提供される。なし

目的

本発明は、ICAM−Iを結合するヒト化抗体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ICAM−1に結合するヒト化抗体であって、該抗体は、以下:配列番号1および3(HumA);配列番号4および5(HumB);配列番号6および7(HumC);配列番号8および9(HumD);配列番号10および11(HumE);配列番号12および13(HumF);配列番号14および15(HumG);配列番号16および17(HumH);ならびに配列番号18および19(HumI);ならびに配列番号5および20(Hum40);ならびに配列番号5および21(Hum50)から選択されるVHドメインおよびVLドメイン有する、ヒト化抗体。

請求項2

前記抗体の部分配列が、ICAM−1エピトープに結合し得る、請求項1に記載の抗体の部分配列。

請求項3

前記抗体の部分配列が、一本鎖Fab、Fab'または(Fab)2フラグメントを含む、請求項2に記載のヒト化抗体。

請求項4

前記抗体が、ICAM−1エピトープに結合し得る条件下で、1つ以上のアミノ酸置換基を有する、請求項1に記載のヒト化抗体。

請求項5

ICAM−1に結合し、そしてICAM−1を発現する細胞病原体感染阻害する、ヒト化抗体。

請求項6

前記抗体が、非ヒト化抗体よりも少なくとも2倍以上の保護効力を有する、請求項5に記載のヒト化抗体。

請求項7

前記抗体が、非ヒト化抗体よりも少なくとも5倍以上の保護効力を有する、請求項5に記載のヒト化抗体。

請求項8

前記抗体が、非ヒト化抗体よりも少なくとも10倍以上の保護効力を有する、請求項5に記載のヒト化抗体。

請求項9

前記抗体が、非ヒト化抗体よりも少なくとも20倍以上の保護効力を有する、請求項5に記載のヒト化抗体。

請求項10

前記抗体が、非ヒト化抗体よりも少なくとも30倍以上の保護効力を有する、請求項5に記載のヒト化抗体。

請求項11

前記病原体が、ヒトライノウイルス(HRV)である、請求項5に記載のヒト化抗体。

請求項12

前記病原体が、A型コクサッキーウイルスRSウイルス、またはマラリアである、請求項5に記載のヒト化抗体。

請求項13

前記抗体が、2つの全長重鎖および2つの全長軽鎖を含むインタクト免疫グロブリン分子である、請求項5に記載のヒト化抗体。

請求項14

前記抗体が、ICAM−1に結合する抗体の部分配列である、請求項5に記載のヒト化抗体。

請求項15

前記抗体の部分配列が、一本鎖、Fab、Fab'または(Fab)2フラグメントを含む、請求項14に記載のヒト化抗体。

請求項16

前記抗体が、多特異性または複数機能性である、請求項5に記載のヒト化抗体。

請求項17

前記抗体が、多量体を形成するために、1つ以上の同一な抗体または異なる抗体に連結される、請求項5に記載のヒト化抗体。

請求項18

前記多量体が、ホモダイマーもしくはヘテロダイマーホモトリマーもしくはヘテロトリマー、またはホモテトラマーもしくはヘテロテトラマーあるいはホモペンタマーまたはヘテロペンタマーを含む、請求項17に記載のヒト化抗体。

請求項19

前記多量体が、多量体化ドメインを介して形成される、請求項17に記載のヒト化抗体。

請求項20

前記多量体化ドメインが、ヒトアミノ酸配列を含む、請求項19に記載のヒト化抗体。

請求項21

前記多量体化ドメインと前記抗体との間に位置付けられたリンカーをさらに含む、請求項19に記載のヒト化抗体。

請求項22

配列番号1および3(HumA);配列番号4および5(HumB);配列番号6および7(HumC);配列番号8および9(HumD);配列番号10および11(HumE);配列番号12および13(HumF);配列番号14および15(HumG);配列番号16および17(HumH);ならびに配列番号18および19(HumI);ならびに配列番号5および20(Hum40);ならびに配列番号5および21(Hum50);またはそれらの部分配列から選択されるVHドメインおよびVLドメインを含む細胞のヒトライノウイルス(HRV)感染を阻害する、ヒト化抗体。

請求項23

前記抗体が、2つの全長重鎖ポリペプチドおよび2つの全長軽鎖ポリペプチドを含む免疫グロブリン分子である、請求項22に記載のヒト化抗体。

請求項24

前記部分配列が、一本鎖、Fab、Fab'または(Fab)2フラグメントを含む、請求項22に記載のヒト化抗体。

請求項25

前記抗体が、他の同一または異なる抗体に連結される、請求項22に記載のヒト化抗体。

請求項26

前記多量体が、ホモダイマーもしくはヘテロダイマー、ホモトリマーもしくはヘテロトリマー、またはホモテトラマーもしくはヘテロテトラマーあるいはホモペンタマーまたはヘテロペンタマーを含む、請求項25に記載のヒト化抗体。

請求項27

前記種々の抗体が、ヒト抗体、ヒト化抗体または非ヒト抗体である、請求項25に記載のヒト化抗体。

請求項28

請求項1〜22に記載のヒト化抗体またはその部分配列をコードする、核酸配列

請求項29

発現制御エレメント作動可能に連結される請求項28に記載の核酸を含む発現カセット

請求項30

請求項29に記載の核酸配列を含む、ベクター

請求項31

前記核酸配列が、発現制御エレメントに作動可能に連結される、請求項29に記載のベクター。

請求項32

請求項28に記載の核酸配列を含む、細胞。

請求項33

前記細胞が、原核生物細胞または真核生物細胞である、請求項31に記載の細胞。

請求項34

請求項1または5に記載のヒト化抗体、および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物

請求項35

前記キャリアが、被験体吸入または送達適合可能である、請求項34に記載の薬学的組成物。

請求項36

細胞の病原体感染を阻害する方法であって、病原体または細胞と、該細胞の病原体感染を阻害するに十分な量の請求項1に記載のヒト化抗体とを接触させる工程を包含する、方法。

請求項37

前記細胞が、被験体内に存在する、請求項36に記載の方法。

請求項38

前記細胞が、上皮細胞である、請求項37に記載の方法。

請求項39

前記細胞が、ICAM−1を発現する、請求項37に記載の方法。

請求項40

細胞のHRV感染を阻害する方法であって、HRVまたはHRVに感染しやすい細胞と、該細胞のHRV感染を阻害するに有効な量の請求項21に記載のヒト化抗体とを接触させる工程を包含する、方法。

請求項41

前記細胞が、被験体内に存在する、請求項40に記載の方法。

請求項42

前記被験体が、喘息を有するか、または喘息を有する危険のある、請求項41に記載の方法。

請求項43

前記抗体が、前記細胞の表面に存在する抗原に結合する、請求項40に記載の方法。

請求項44

前記細胞が、ICAM−1を発現する、請求項40に記載の方法。.

請求項45

前記細胞が、上皮細胞である、請求項40に記載の方法。

請求項46

前記ヒト化抗体が、局所投与される、請求項40に記載の方法。

請求項47

前記ヒト化抗体が、吸入または鼻腔を介して投与される、請求項40に記載の方法。

請求項48

被験体のHRV感染を阻害するか、HRVの進行を阻害するか、またはHRV感染を処置する方法であって、該方法は、HRV感染を有するか、またはHRV感染の危険のある被験体に、請求項22に記載のヒト化抗体の、該被験体のHRV感染を阻害するか、HRVの進行を阻害するか、またはHRV感染を処置するに有効な量を投与する工程を包含する、方法。

請求項49

前記ヒト化抗体が、局所投与される、請求項48に記載の方法。

請求項50

前記ヒト化抗体が、吸入または鼻腔を介して投与される、請求項48に記載の方法。

請求項51

前記被験体が、喘息を有するか、または喘息を有する危険のある、請求項48に記載の方法。

請求項52

前記被験体が、新生児であるか、あるいは1〜5、5〜10歳、または10〜18歳である、請求項48に記載の方法。

請求項53

被験体における感冒の1つ以上の症状を減少または阻害する方法であって、該方法は、感冒を有する被験体に、請求項22に記載のヒト化抗体の、該被験体における感冒の1つ以上の症状を減少または阻害するに有効な量を投与する工程を包含する、方法。

請求項54

前記ヒト化抗体が、局所投与される、請求項53に記載の方法。

請求項55

前記ヒト化抗体が、吸入または鼻腔を介して投与される、請求項53に記載の方法。

請求項56

前記被験体が、喘息を有するか、または喘息を有する危険のある、請求項53に記載の方法。

請求項57

前記被験体が、新生児であるか、あるいは1〜5歳、5〜10歳、または10〜18歳である、請求項53に記載の方法。

請求項58

ヒト化抗体を生成する方法であって、該方法は、以下:a)アクセプターとしてヒトフレームワーク配列を選択する工程であって、該配列が、非ヒトドナー抗体フレームワーク領域に50%以上の同一性を有する、工程;b)該ヒトフレームワーク上にドナー非ヒト抗体由来CDR移植する工程;c)該ヒトアクセプターのバーニアゾーン残基と該非ヒトドナーフレームワーク領域のバーニアゾーンとを比較する工程;およびd)該ドナー非ヒトおよびアクセプターヒト残基が構造的または化学的に類似する場合、該バーニアゾーンにおいて該ヒトアクセプター残基の1つ以上を維持するか、あるいは該ドナー非ヒトバーニアゾーンの残基が該ヒト残基に構造的または化学的に類似する場合、該バーニアゾーンの残基の1つ以上が、該ドナー非ヒトバーニアゾーンの残基およびアクセプターヒトバーニアゾーンの残基の両方が異なる残基と置換する工程、を包含し、ここで、該異なる残基が、該ドナー非ヒトバーニアゾーン残基と構造的または化学的に類似する、方法。

請求項59

前記ヒトフレームワークアクセプター配列が、VHドメインサブグループIまたはVHドメインサブグループIIのコンセンサス配列から選択される、請求項58に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、ヒト化抗体組成物ならびにヒト化抗体を作製および使用する方法に関する。

背景技術

0002

背景
モノクローナル抗体は、治療タンパク質の重要なクラスになった。しかし、ヒトにおいて使用される外来免疫グロブリンは、抗グロブリン応答を誘発し、この応答は、治療を妨害し得るか、あるいはアレルギー高感受性または免疫複合体高感受性を起こし得る。この問題を回避するために、モノクローナル抗体は、「ヒト化」され得、そしてヒト化は、代表的には、CDR移植(CDR grafting)によって実施される。

0003

CDR(超可変領域とも呼ばれる)は、免疫グロブリン軽鎖および免疫グロブリン重鎖中に存在し、そして「フレームワーク」領域によって隣接される。CDR移植は、Jonesら、((1986)Nature 321:522−525)によって最初に記載された。この刊行物および後の刊行物において、3つのマウス抗体のCDRが、ヒト免疫グロブリンNEW(VH)およびREI(VL)の可変ドメインフレームワークに移植された。生じたヒト化抗体は、親マウスモノクローナル抗体(mAb)と同じ抗原特異性および同様の親和性を有した(Jonesら、前出;Verhoeyenら、(1988)Science 239:1534−1536;Riechmannら、(1988)Nature 332:323−327;米国特許第5,225,539号)。

0004

CDR移植は、Queenおよび共同研究者によって記載され、彼等は、4つのマウスモノクローナル抗体のヒト化を報告した(Queenら、(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:10029−10033;Coら、(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:2869−2873;Coら、(1992)J.Immunol.148:1149−1154;ならびに米国特許第5,585,089号;同第5,693,761号;および同第5,693,762号)。親和性を維持するために、ヒトフレームワーク中にマウス残基が挿入され、そして各場合で、最初の抗原特異性が維持された。ヒト化抗体の親和性は、親非改変マウス抗体の3分の1から3倍に及んだ。

課題を解決するための手段

0005

(要旨)
本発明は、ICAM−Iを結合するヒト化抗体を提供する。1つの実施形態において、抗体は、以下から選択されるVHドメインおよびVLドメインを有する:配列番号1および3(HumA);配列番号4および配列番号5(HumB);配列番号6および配列番号7(HumC);配列番号8および配列番号9(HumD);配列番号10および配列番号11(HumE);配列番号12および配列番号13(HumF);配列番号14および配列番号15(HumG);配列番号16および配列番号17(HumH);ならびに配列番号18および配列番号19(HumI);ならびに配列番号5および配列番号20(Hum40);ならびに配列番号5および配列番号21(Hum50)。ICAM−Iを結合する抗体の部分配列(例えば、単鎖フラグメントFabフラグメントFab'フラグメント、および(Fab)2フラグメント)が、提供される。特定の局面において、ヒト化抗体は、ICAM−1に対して、親(非ヒト)抗体より高い親和性を有する。ICAM−1を結合する抗体の変異形態(variant form)および改変形態(modified form)がまた提供され、例えば、これらの抗体は、以下から選択されるVHドメインおよびVLドメインを有する:配列番号1および配列番号3(HumA);配列番号4および配列番号5(HumB);配列番号6および配列番号7(HumC);配列番号8および配列番号9(HumD);配列番号10および配列番号11(HumE);配列番号12および配列番号13(HumF);配列番号14および配列番号15(HumG);配列番号16および配列番号17(HumH);ならびに配列番号18および配列番号19(HumI);ならびに配列番号5および配列番号20(Hum40);ならびに配列番号5および配列番号21(Hum50)(1つ以上のアミノ酸置換アミノ酸挿入またはアミノ酸欠失を有する)。

0006

本発明はまた、ICAM−1を結合し、そしてICAM−1を発現する細胞病原体感染を抑制するヒト化抗体を提供する。このような本発明の抗体としては、親(非ヒト)抗体と同等か、またはそれより高い病原体感染からの防御を提供する抗体が挙げられる。特定の局面では、ヒト化抗体は、非ヒト化抗体と同等か、または少なくとも2倍高い、5倍高い、10倍高い、20倍高い、30倍高い防御効率を有する。他の局面では、この病原体は、ヒトライノウイルス(HRV)、A型コクサッキー(coxackie)ウイルスRSウイルス(RSV)、またはマラリアである。

0007

本発明のヒト化抗体としては、病原体感染を抑制するインタクト免疫グロブリン分子(2つの全長重鎖および2つの全長軽鎖を含む)(例えば、IgGIgAIgMIgE、およびIgD)ならびに部分配列が挙げられる。特定の部分配列としては、例えば、単鎖フラグメント、Fabフラグメント、Fab'フラグメント、または(Fab)2フラグメントが挙げられる。

0008

本発明のヒト化抗体としては、多重特異性抗体または複数機能性抗体が挙げられる。1つの局面では、このような抗体は、ヒト化抗体を1つ以上の同一の抗体または異なる抗体に連結させて(例えば、リンカーを使用して)、マルチマーを形成させることによって形成される。抗体マルチマーとしては、ホモ二量体またはヘテロ二量体ホモ三量体またはヘテロ三量体ホモ四量体またはヘテロ四量体あるいはホモまたはヘテロの他のより高次の任意のオリゴマーが挙げられる。異なる抗体を含む抗体マルチマーは、ヒト、ヒト化または非ヒトである。マルチマー形態としては、マルチマー化ドメイン(例えば、ヒトアミノ酸配列)または共有結合を介して形成する抗体オリゴマーが挙げられる。マルチマー化ドメインを含む抗体マルチマーとしては、マルチマー化ドメインとその抗体との間に配置されたリンカーを有する形態がさらに挙げられる。

0009

本発明はさらに、ヒト化抗体を生成するための方法を提供する。1つの実施形態において、1方法は、以下の工程を包含する:アクセプターとしてのヒトフレームワーク配列を選択する工程、ここで、この配列は非ヒトドナー抗体フレームワーク領域に対して50%を超える同一性(例えば、50〜55%、55〜60%、60〜65%、65〜70%、70〜75%、75〜80%、80〜85%、85〜90%、90〜95%、またはより高い同一性)を有する;ドナー非ヒト抗体(例えば、マウス)由来のCDRをヒトフレームワークに移植する工程;ヒトアクセプターのバーニアゾーン残基および非ヒトドナーフレームワーク領域を比較する工程;ならびにドナー非ヒト残基およびヒト残基が構造的または化学的に類似している場合、バーニアゾーン中の1つ以上のヒトアクセプター残基を維持するか、またはドナー非ヒトバーニアゾーン残基が、ヒト残基と構造的または化学的に異なる場合、1つ以上のバーニアゾーン残基を、ドナー非ヒトバーニアゾーン残基およびアクセプターヒトバーニアゾーン残基の両方と異なる残基(ここで、この異なる残基は、ドナー非ヒトバーニアゾーン残基と構造的または化学的に類似する)で置換する工程。さらなる実施形態において、ヒトフレームワークアクセプター配列は、コンセンサス配列から(例えば、VHドメインのサブグループIコンセンサス配列およびサブグループIIコンセンサス配列から)選択される。

0010

ヒト化抗体、それらの部分配列および改変形態(例えば、アミノ酸付加、アミノ酸欠失またはアミノ酸置換)をコードする核酸配列もまた提供される。核酸配列はさらに、発現カセットを含み、この発現カセットにおいて、ヒト化抗体をコードする核酸は、発現制御エレメント作動可能に連結される。これらの核酸を含むベクターおよび細胞(原核生物細胞および真核生物細胞)もまた、提供される。

0011

本発明はさらに、ヒト化抗体、部分配列、マルチマー、変異形態および改変形態、ならびにそれらをコードする核酸、ならびに薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を提供する。特定の局面において、この薬学的に受容可能なキャリアは、被験体への吸入または経鼻送達適合性である。

0012

本発明はさらに、細胞の病原体感染を抑制する方法を提供する。1つの実施形態において、1方法は、病原体または細胞を、細胞の病原体感染を抑制するに十分な量のヒト化抗体、部分配列、マルチマー、変異形態および改変形態と接触させる工程を包含する。1つの局面において、この細胞は、ICAM−1を発現する。別の局面において、この細胞(例えば、上皮細胞)は、被験体中に存在する。

0013

本発明はまた、細胞のHRV感染を抑制する方法を提供する。1つの実施形態において、1方法は、HRVまたはHRVに感受性の細胞を、細胞(例えば、上皮細胞)のHRV感染を抑制するに有効な量のヒト化抗体、部分配列、マルチマー、変異形態および改変形態と接触させる工程を包含する。1つの局面において、この細胞は、被験体中に存在する。別の局面において、この細胞は、喘息を有するか、または喘息を有する危険性がある被験体中に存在する。なお別の局面において、この被験体は、新生児あるいは1から5歳の間、5歳から10歳の間、または10歳から18歳の間である。さらに別の局面において、この抗体、部分配列、マルチマー、変異形態および改変形態は、細胞表面上に存在する抗原(例えば、ICAM−1)に結合する。種々のさらなる局面において、このヒト化抗体は、局所的に、吸入を介して、または経鼻的に投与される。

0014

本発明はまた、被験体のHRV感染を抑制する方法、HRV進行を抑制する方法またはHRV感染を処置する方法を提供する。1つの実施形態において、1方法は、HRV感染を有するか、またはHRV感染を有する危険性がある被験体に、被験体のHRV感染を抑制するか、HRVの進行を抑制するか、またはHRV感染を処置するに有効な量のヒト化抗体、部分配列、マルチマー、変異形態および改変形態を投与する工程を包含する。1つの局面において、この被験体は、喘息を有するか、または喘息を有する危険性がある。別の局面において、この被験体は、新生児あるいは1歳から5歳の間、5歳から10歳の間、または10歳から18歳の間である。種々のさらなる局面において、このヒト化抗体は、局所的に、吸入を介して、または経鼻的に投与される。

0015

本発明はさらに、被験体における感冒の1つ以上の症状を低減または抑制する方法を提供する。1つの実施形態において、1方法は、感冒を有する被験体に、被験体における感冒の1つ以上の症状を低減または抑制するに有効な量のヒト化抗体、部分配列、マルチマー、変異形態および改変形態を投与する工程を包含する。1つの局面において、この被験体は、喘息を有するか、または喘息を有する危険性がある。別の局面において、この被験体は、新生児あるいは1歳から5歳の間、5歳から10歳の間、または10歳から18歳の間である。種々のさらなる局面において、このヒト化抗体は、局所的に、吸入を介して、または経鼻的に投与される。したがって、本発明は、以下をも提供する。
(1)ICAM−1に結合するヒト化抗体であって、該抗体は、以下:配列番号1および3(HumA);配列番号4および5(HumB);配列番号6および7(HumC);配列番号8および9(HumD);配列番号10および11(HumE);配列番号12および13(HumF);配列番号14および15(HumG);配列番号16および17(HumH);ならびに配列番号18および19(HumI);ならびに配列番号5および20(Hum40);ならびに配列番号5および21(Hum50)から選択されるVHドメインおよびVLドメイン有する、ヒト化抗体。
(2)前記抗体の部分配列が、ICAM−1エピトープに結合し得る、項目1に記載の抗体の部分配列。
(3)前記抗体の部分配列が、一本鎖、Fab、Fab'または(Fab)2フラグメントを含む、項目2に記載のヒト化抗体。
(4)前記抗体が、ICAM−1エピトープに結合し得る条件下で、1つ以上のアミノ酸置換基を有する、項目1に記載のヒト化抗体。
(5)ICAM−1に結合し、そしてICAM−1を発現する細胞の病原体感染を阻害する、ヒト化抗体。
(6)前記抗体が、非ヒト化抗体よりも少なくとも2倍以上の保護効力を有する、項目5に記載のヒト化抗体。
(7)前記抗体が、非ヒト化抗体よりも少なくとも5倍以上の保護効力を有する、項目5に記載のヒト化抗体。
(8)前記抗体が、非ヒト化抗体よりも少なくとも10倍以上の保護効力を有する、項目5に記載のヒト化抗体。
(9)前記抗体が、非ヒト化抗体よりも少なくとも20倍以上の保護効力を有する、項目5に記載のヒト化抗体。
(10)前記抗体が、非ヒト化抗体よりも少なくとも30倍以上の保護効力を有する、項目5に記載のヒト化抗体。
(11)前記病原体が、ヒトライノウイルス(HRV)である、項目5に記載のヒト化抗体。
(12)前記病原体が、A型コクサッキーウイルス、RSウイルス、またはマラリアである、請求項5に記載のヒト化抗体。
(13)前記抗体が、2つの全長重鎖および2つの全長軽鎖を含むインタクトな免疫グロブリン分子である、項目5に記載のヒト化抗体。
(14)前記抗体が、ICAM−1に結合する抗体の部分配列である、項目5に記載のヒト化抗体。
(15)前記抗体の部分配列が、一本鎖、Fab、Fab'または(Fab)2フラグメントを含む、項目14に記載のヒト化抗体。
(16)前記抗体が、多特異性または複数機能性である、項目5に記載のヒト化抗体。
(17)前記抗体が、多量体を形成するために、1つ以上の同一な抗体または異なる抗体に連結される、項目5に記載のヒト化抗体。
(18)前記多量体が、ホモダイマーもしくはヘテロダイマーホモトリマーもしくはヘテロトリマー、またはホモテトラマーもしくはヘテロテトラマーあるいはホモペンタマーまたはヘテロペンタマーを含む、項目17に記載のヒト化抗体。
(19)前記多量体が、多量体化ドメインを介して形成される、項目17に記載のヒト化抗体。
(20)前記多量体化ドメインが、ヒトアミノ酸配列を含む、項目19に記載のヒト化抗体。
(21)前記多量体化ドメインと前記抗体との間に位置付けられたリンカーをさらに含む、項目19に記載のヒト化抗体。
(22)配列番号1および3(HumA);配列番号4および5(HumB);配列番号6および7(HumC);配列番号8および9(HumD);配列番号10および11(HumE);配列番号12および13(HumF);配列番号14および15(HumG);配列番号16および17(HumH);ならびに配列番号18および19(HumI);ならびに配列番号5および20(Hum40);ならびに配列番号5および21(Hum50);またはそれらの部分配列から選択されるVHドメインおよびVLドメインを含む細胞のヒトライノウイルス(HRV)感染を阻害する、ヒト化抗体。
(23)前記抗体が、2つの全長重鎖ポリペプチドおよび2つの全長軽鎖ポリペプチドを含む免疫グロブリン分子である、項目22に記載のヒト化抗体。
(24)前記部分配列が、一本鎖、Fab、Fab'または(Fab)2フラグメントを含む、請求項22に記載のヒト化抗体。
(25)前記抗体が、他の同一または異なる抗体に連結される、項目22に記載のヒト化抗体。
(26)前記多量体が、ホモダイマーもしくはヘテロダイマー、ホモトリマーもしくはヘテロトリマー、またはホモテトラマーもしくはヘテロテトラマーあるいはホモペンタマーまたはヘテロペンタマーを含む、項目25に記載のヒト化抗体。
(27)前記種々の抗体が、ヒト抗体、ヒト化抗体または非ヒト抗体である、項目25に記載のヒト化抗体。
(28)項目1〜22に記載のヒト化抗体またはその部分配列をコードする、核酸配列。(29)発現制御エレメントに作動可能に連結される項目28に記載の核酸を含む発現カセット。
(30)項目29に記載の核酸配列を含む、ベクター。
(31)前記核酸配列が、発現制御エレメントに作動可能に連結される、項目29に記載のベクター。
(32)項目28に記載の核酸配列を含む、細胞。
(33)前記細胞が、原核生物細胞または真核生物細胞である、項目31に記載の細胞。(34)項目1または5に記載のヒト化抗体、および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
(35)前記キャリアが、被験体に吸入または送達に適合可能である、項目34に記載の薬学的組成物。
(36)細胞の病原体感染を阻害する方法であって、病原体または細胞と、該細胞の病原体感染を阻害するに十分な量の項目1に記載のヒト化抗体とを接触させる工程を包含する、方法。
(37)前記細胞が、被験体内に存在する、項目36に記載の方法。
(38)前記細胞が、上皮細胞である、項目37に記載の方法。
(39)前記細胞が、ICAM−1を発現する、項目37に記載の方法。
(40)細胞のHRV感染を阻害する方法であって、HRVまたはHRVに感染しやすい細胞と、該細胞のHRV感染を阻害するに有効な量の項目21に記載のヒト化抗体とを接触させる工程を包含する、方法。
(41)前記細胞が、被験体内に存在する、項目40に記載の方法。
(42)前記被験体が、喘息を有するか、または喘息を有する危険のある、項目41に記載の方法。
(43)前記抗体が、前記細胞の表面に存在する抗原に結合する、項目40に記載の方法。
(44)前記細胞が、ICAM−1を発現する、項目40に記載の方法。
(45)前記細胞が、上皮細胞である、項目40に記載の方法。
(46)前記ヒト化抗体が、局所投与される、項目40に記載の方法。
(47)前記ヒト化抗体が、吸入または鼻腔を介して投与される、項目40に記載の方法。
(48)被験体のHRV感染を阻害するか、HRVの進行を阻害するか、またはHRV感染を処置する方法であって、該方法は、HRV感染を有するか、またはHRV感染の危険のある被験体に、項目22に記載のヒト化抗体の、該被験体のHRV感染を阻害するか、HRVの進行を阻害するか、またはHRV感染を処置するに有効な量を投与する工程を包含する、方法。
(49)前記ヒト化抗体が、局所投与される、項目48に記載の方法。
(50)前記ヒト化抗体が、吸入または鼻腔を介して投与される、項目48に記載の方法。
(51)前記被験体が、喘息を有するか、または喘息を有する危険のある、項目48に記載の方法。
(52)前記被験体が、新生児であるか、あるいは1〜5歳、5〜10歳、または10〜18歳である、項目48に記載の方法。
(53)被験体における感冒の1つ以上の症状を減少または阻害する方法であって、該方法は、感冒を有する被験体に、項目22に記載のヒト化抗体の、該被験体における感冒の1つ以上の症状を減少または阻害するに有効な量を投与する工程を包含する、方法。
(54)前記ヒト化抗体が、局所投与される、項目53に記載の方法。
(55)前記ヒト化抗体が、吸入または鼻腔を介して投与される、項目53に記載の方法。
(56)前記被験体が、喘息を有するか、または喘息を有する危険のある、項目53に記載の方法。
(57)前記被験体が、新生児であるか、あるいは1〜5歳、5〜10歳、または10〜18歳である、項目53に記載の方法。
(58)ヒト化抗体を生成する方法であって、該方法は、以下:a)アクセプターとしてヒトフレームワーク配列を選択する工程であって、該配列が、非ヒトドナー抗体フレームワーク領域に50%以上の同一性を有する、工程;b)該ヒトフレームワーク上にドナー非ヒト抗体由来のCDRを移植する工程;c)該ヒトアクセプターのバーニアゾーン残基と該非ヒトドナーフレームワーク領域のバーニアゾーンとを比較する工程;およびd)該ドナー非ヒトおよびアクセプターヒト残基が構造的または化学的に類似する場合、該バーニアゾーンにおいて該ヒトアクセプター残基の1つ以上を維持するか、あるいは該ドナー非ヒトバーニアゾーンの残基が該ヒト残基に構造的または化学的に類似する場合、該バーニアゾーンの残基の1つ以上が、該ドナー非ヒトバーニアゾーンの残基およびアクセプターヒトバーニアゾーンの残基の両方が異なる残基と置換する工程、を包含し、ここで、該異なる残基が、該ドナー非ヒトバーニアゾーン残基と構造的または化学的に類似する、方法。
(59)前記ヒトフレームワークアクセプター配列が、VHドメインサブグループIまたはVHドメインサブグループIIのコンセンサス配列から選択される、項目58に記載の方法。

図面の簡単な説明

0016

図1は、マウス1A6抗体重鎖および軽鎖のアミノ酸配列(配列番号77および配列番号79)ならびに重鎖サブグループIIIのヒトコンセンサス配列(Hum3;配列番号78)および軽鎖κサブグループIのヒトコンセンサス配列(HumκI;配列番号80)を示す。アスタリスクは、ヒト配列とマウス配列とのアミノ酸の相違を示す。KabatおよびChothiaによって規定されたCDRアミノ酸を太字で示す。
図2は、マウス1A6抗体のアミノ酸配列(配列番号77)、ヒト化1A6のアミノ酸配列(HumB;配列番号4)ならびに重鎖サブグループIIIのヒトコンセンサス配列(Hum3;(配列番号78)および軽鎖κサブグループIのヒトコンセンサス配列(HumκI;(配列番号80)を示す。アスタリスクおよび太字のアミノ酸は、前記のとおりである。
図3は、ヒト化scFVA(HumA)抗体のcDNA配列(配列番号2)を示す。制限部位は、下線により示される;CCATGG Nco I部位;GGATCCBamH I部位;GTTAAC Hpa I部位。太字のアミノ酸は、前記のとおりである。
図4は、マウス1A6scFv抗体(Ms1)およびヒト化1A6scFv抗体HumA、HumB、HumC、HumD、HumF、HumHおよびHumIを用いたHRV15感染からの防御を示す。
図5は、マウス1A6VHドメインのアミノ酸配列(配列番号77)ならびにVHドメインサブグループIのヒトコンセンサス配列(Huml;(配列番号82)およびおよびVHドメインサブグループIIのヒトコンセンサス配列(Hum2;配列番号81)を示す。太字のアミノ酸は、前記のとおりである。
図6は、マウス1A6抗体のVHドメインアミノ酸配列(配列番号77)、ヒト化1A6抗体のVHドメインアミノ酸配列(Hum40;配列番号20)および重鎖サブグループIIのヒトコンセンサス配列(Hum2;配列番号81)を示す。アスタリスクおよび太字のアミノ酸は、前記のとおりである。
図7は、マウス1A6抗体のVHドメインアミノ酸配列(配列番号77)、ヒト化1A6抗体のVHドメインアミノ酸配列(Hum50;配列番号21)および重鎖サブグループIのヒトコンセンサス配列(Hum1;配列番号82)を示す。アスタリスクおよび太字のアミノ酸は、前記のとおりである。

0017

(詳細な説明)
本発明は、少なくとも部分的に、ヒト化抗体を産生することに基づく。より詳細には、非ヒト抗体由来の相補性決定領域(CDR)が、ヒトフレームワーク領域中に移植される。移植の後、この抗体の1つ以上のアミノ酸が、ヒトアミノ酸に変異されるか、または非ヒトアミノ酸(この非ヒトアミノ酸が置換するアミノ酸に対する構造的類似性を有する)に変異される。例えば、移植抗体(grafted antibody)のフレームワーク領域またはCDRにおいて、マウスアミノ酸をヒトアミノ酸に変異させる工程は、非ヒト抗体または移植抗体に対して、増大した抗原結合親和性を有するヒト化抗体を産生し得る。ヒト化抗体は、ヒト被験体に投与される場合、免疫原性でないか、または非ヒト抗体より免疫原性が低い。従って、ヒト化抗体は、種々の治療用途および診断用途に有用である。例えば、本明細書中に例示するように、本発明のヒト化抗体は、細胞をHRV(感冒を引き起こし得るウイルス)感染、および他の関連疾患(例えば、中耳炎気管支炎副鼻腔炎など)から防御する。

0018

故に、本発明に従い、ヒト化抗体が提供される。1つの実施形態において、ヒト化抗体は、ICAM−1に結合する。1つの局面において、ICAM−1を結合するヒト化抗体は、ICAM−1を発現する細胞の病原体感染を防御する。他の局面において、ヒト化抗体は、以下から選択されるVHドメインおよびVLドメインを有する:配列番号1および3(HumA);配列番号4および配列番号5(HumB);配列番号6および配列番号7(HumC);配列番号8および配列番号9(HumD);配列番号10および配列番号11(HumE);配列番号12および配列番号13(HumF);配列番号14および配列番号15(HumG);配列番号16および配列番号17(HumH);ならびに配列番号18および配列番号19(HumI);ならびに配列番号5および配列番号20(Hum40);ならびに配列番号5および配列番号21(Hum50)。別の実施形態において、ヒト化抗体は、抗原に対して、ドナー非ヒト抗体より高い親和性または低い親和性を有する。種々の局面において、親和性は、抗原に対して、ドナー抗体または組換え抗体のいずれかより高い親和性から、より低い親和性に及ぶ。特定の局面において、ヒト化抗体は、親抗体の2倍〜4倍、5倍、5倍〜8倍、5倍〜10倍、8倍〜15倍、10倍〜20倍、20倍〜40倍、20倍〜60倍、20倍〜100倍またはそれより高い抗原結合親和性を有する。

0019

ヒト抗体配列領域は、本発明のヒト化抗体を産生するために使用され得る。例えば、「コンセンサス配列」(抗体または抗体領域中の特定の位置に最も頻繁に存在するアミノ酸残基を有する抗体配列)が、使用され得る。例えば、ヒト可変領域ドメイン配列が、Kabat(Sequences of Proteins of Immunological Interest.第4版、US Department of Health and Human Services.Public Health Service(1987))中に記載されている。フレームワーク領域中で完全に決定される配列(軽鎖中の1〜23、35〜49、および57〜88ならびに重鎖中の1〜30、36〜49、および66〜94)が、この調査に含まれる。公知のJミニ遺伝子セグメントに由来し得る第4のフレームワーク領域(軽鎖中の98〜107および重鎖中の103〜113)残基が、調査されている。

0020

この調査の終わりに、所定の位置に最も頻繁に存在する残基が、コンセンサス配列中の残基として選択される。従って、コンセンサス配列は、複数の抗体の各位置において、アミノ酸残基を調査することによって同定され得る;目的の領域中の所定の位置に最も頻繁に存在する残基は、コンセンサスの一部である。多くの場合では、1つより多い残基が、所定の位置で高頻度に見出される。このような場合、最も頻繁に存在する残基の少なくとも4分の1程度の頻度で存在すれば、コンセンサス配列の一部と見なされる。

0021

ヒトVHサブグループIIIの公開されたコンセンサス配列は、22個の公知のヒトVHIII配列に基づき、ヒトVHサブグループIのコンセンサス配列は、6個の公知のヒトVHI配列の調査に基づき、そしてヒトVHサブグループIIのコンセンサス配列は、同グループの10個の公知の配列に基づく。ヒトVLκ鎖サブグループIの公開されたコンセンサス配列は、30個の公知のヒトκI配列の調査に基づく(Padlan(1994)Mol.Immunol.31:169−217;Padlan(1991)Mol.Immunol.28:489−498)。ヒトコンセンサス配列は、2つの抗体をヒト化するために以前に使用された(Carterら、(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4285−4289;Prestaら、(1993)J.Immunol.151:2623−2632)。これらのヒトVHサブグループI配列、VHサブグループII配列、およびVHサブグループIII配列ならびにVL−κサブグループIコンセンサス配列は、実施例1および実施例8に記載されるように、mAb1A6をヒト化するために、個々にフレームワークとして選択される。従って、当該分野で公知のコンセンサス配列は、ヒトVHサブグループI、VHサブグループII、およびVHサブグループIIIまたはVL−κサブグループIについて例示されるように、本発明に従うヒト化抗体を産生するためのアクセプターフレームワークとして選択される。

0022

任意のマウス抗体、ラット抗体モルモット抗体、ヤギ抗体、非ヒト霊長類(例えば、サルチンパンジーマカクザルオランウータンなど)抗体または他の非ヒト哺乳動物抗体は、ヒト化抗体を産生するためのCDRドナーとして使用され得る。ハイブリドーマ細胞株によって分泌されるマウス抗体もまた、使用され得る。ドナーCDRは、その抗体が結合する抗原に基づいて選択される。従って、ドナーCDRは、病原体(例えば、細菌、ウイルス、原生動物および他の微生物)に結合する抗体由来の配列を含む。ドナーCDRはまた、病原体が結合する分子(例えば、細胞表面タンパク質(例えば、接着タンパク質レセプタータンパク質、免疫認識/調節タンパク質(例えば、HLA)、腫瘍関連抗原など))に結合する抗体を含む。1つの特定の実施形態において、ドナー抗体は、ICAM−1に特異的に結合するマウスモノクローナル抗体1A6(mAb1A6)である。

0023

「相補性決定領域」または「CDR」は、フレームワーク配列中に移植され得る配列中に存在する。CDRは、抗体に特異性および親和性を与える配列領域をいう。CDRはまた、超可変領域または超可変ループとして一般的に公知である。抗体のCDR領域は、マッピングされており、そしてKabat(Sequences of Proteinsof Immunological Interest.第4版、US Department of Health and Human Services.PublicHealth Service (1987))ならびにChothiaおよびLesk((1987)J.Mol.Biol.186:651−663))中に規定されている。特に、重鎖に関して、CDR1は、H26−H35として規定され、CDR2は、H50−65であり、そしてCDR3は、H95−H102である;軽鎖に関して、CDR1は、L24−L34であり、CDR2は、L50−L56であり、そしてCDR3は、L89−L97である。これらのアミノ酸は、Kabat(Sequences of Proteins of Immunological Interest.第4版、US Department of Health and Human Services.Public Health Service (1987))に記載されるスキームに基づいて番号付けられる。可変領域ドメインは、代表的には、天然に存在する免疫グロブリン鎖アミノ末端の約105〜115アミノ酸(例えば、アミノ酸1〜110)を含む。これらの例示的な配列の長さより短いかまたは長い可変ドメインもまた、使用され得る。

0024

従って、本発明は、ヒト化抗体、これらの抗体を作製する方法およびこれらの抗体を使用する方法(治療方法および診断方法を含む)を提供する。1つの実施形態において、ヒト化抗体は、非ヒト化抗体と比較して、抗原に対する増大した親和性を有する(例えば、ICAM−1に対し、1.18×10-6M(KD)未満、1×10-7M(KD)未満、5×10-7M(KD)未満、1×10-8M(KD)未満、5×10-8M(KD)未満、または1×10-9M(KD)未満)。種々の局面において、ヒト化抗体は、以下から選択されるVHドメインおよびVLドメインを含む:配列番号1および3(HumA);配列番号4および配列番号5(HumB);配列番号6および配列番号7(HumC);配列番号8および配列番号9(HumD);配列番号10および配列番号11(HumE);配列番号12および配列番号13(HumF);配列番号14および配列番号15(HumG);配列番号16および配列番号17(HumH);ならびに配列番号18および配列番号19(HumI);ならびに配列番号5および配列番号20(Hum40);ならびに配列番号5および配列番号21(Hum50);ならびにそれらの抗原結合部分配列。種々のさらなる局面において、抗体部分配列としては、Fab、Fab'、および(Fab')2、FV、および単鎖抗体SCA)(例えば、scFVフラグメント)が挙げられる。

0025

本発明のヒト化抗体はまた、抗体マルチマーを含む。種々の局面において、マルチマーとしては、二量体三量体四量体または他のより高次のオリゴマーが挙げられる。他の局面において、マルチマーとしては、同じ抗体の組合せ(ホモ−オリゴマー)および異なる抗体の組合せ(ヘテロ−オリゴマー)が挙げられる(異なる抗体は、ヒト、ヒト化、または非ヒトである)。

0026

用語「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」は、本明細書中で交換可能に使用され、アミド結合またはその等価物を介して2つ以上共有結合したアミノ酸(「残基とも呼ばれる」)をいう。ポリペプチドは、長さに制限がなく、そしてL−アミノ酸またはD—アミノ酸およびそれらの混合物から構成され得る。アミノ酸は、非天然結合および非アミド化学結合(例えば、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミド(hydoxysuccinimide)エステル二官能性マレイミド、またはN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)で形成される結合)により連結され得る。非アミド結合としては、例えば、ケトメチレンアミノメチレンオレフィンエーテルチオエーテルなど(例えば、Spatola(1983)Chemistry andBiochemistry of Amino Acids,Peptides and Proteins、第7巻、267−357頁、「Peptide and Backbone Modifications」Marcel Decker,NYを参照のこと)が挙げられる。ポリペプチドは、1つ以上の環状構造(例えば、その分子のアミノ末端とカルボキシ末端との間の末端末端アミド結合あるいは分子内ジスルフィド結合または分子間ジスルフィド結合)を有し得る。ポリペプチドは、インビボまたはインビトロで改変され得る(例として、例えば、糖残基リン酸基ユビキチン脂肪酸または脂質を含むように翻訳後修飾される)。ポリペプチドは、アミノ酸構造アナログおよびアミノ酸機能アナログをさらに含む(例えば、合成アミノ酸または非天然アミノ酸あるいはアミノ酸アナログを有するペプチド模倣物)。

0027

用語「抗体」とは、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメイン(それぞれ、VHおよびVL)を介して他の分子(抗原)に結合するタンパク質をいう。抗体としては、IgG、IgD、IgA、IgMおよびIgEが挙げられる。抗体は、インタクトな免疫グロブリン分子、2つの全長軽鎖にジスルフィド結合によって結合された2つの全長重鎖、ならびに定常領域を有するか有さない、抗原のエピトープに結合する免疫グロブリン分子の部分配列(すなわち、フラグメント)または定常領域を有するか有さない、抗原のエピトープに結合する免疫グロブリン分子のその部分配列(すなわち、フラグメント)であり得る。抗体は、個々かまたは任意の組み合わせでの全長の重鎖可変領域および軽鎖可変領域(VHおよびVL)を含み得る。例えば、以下から選択されるVHおよびVLドメインの各々が、個々かまたは任意の組み合わせで含まれる:配列番号1および配列番号3(HumA);配列番号4および配列番号5(HumB);配列番号6および配列番号7(HumC);配列番号8および配列番号9(HumD);配列番号10および配列番号11(HumE);配列番号12および配列番号13(HumF);配列番号14および配列番号15(HumG);配列番号16および配列番号17(HumH);ならびに配列番号18および配列番号19(HumI);ならびに配列番号5および配列番号20(Hum40);ならびに配列番号5および配列番号21(Hum50)。

0028

ポリペプチド配列は、細胞発現またはインビトロ翻訳によって核酸をコードするポリペプチドの組換えDNA技術を使用してか、または当該分野で公知の方法を使用するポリペプチド鎖化学合成を使用して作製され得る。本発明に従う抗体(ヒト化配列および部分配列を含む)は、組換え的に産生された抗体コード核酸から発現され得る(例えば、HarlowおよびLane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1989;HarlowおよびLane,Using Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1999;Fitzgeraldら、J.A.C.S.117:11075(1995);Gramら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:3576−80(1992)を参照のこと)。例えば、実施例3に記載されるように、ヒト化抗体配列をコードするcDNAは、本発明の抗体を産生するために細菌中に発現され得る。抗体はまた、哺乳動物細胞昆虫細胞および植物細胞中で、コード核酸を発現することによって産生され得る。抗体を含むポリペプチド配列はまた、化学合成機によって産生され得る(例えば、Applied Biosystems,FosterCity,CAを参照のこと)。

0029

本明細書中で使用される場合、用語「部分配列(subsequence)」または「フラグメント」とは、全長分子の一部を意味する。例えば、抗体の部分配列は、全長ポリペプチド未満の長さの1つ以上のアミノ酸である(例えば、1つ以上の内部アミノ酸または末端アミノ酸は、アミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかから欠失する)。従って、その部分配列は、全長分子までの任意の長さであり得る。

0030

抗体の部分配列の特定の例は、例えば、Fab、Fab'、(Fab')2、Fvまたは一本鎖抗体(SCA)フラグメント(例えばscFv)を含む。部分配列は、全長配列の機能または活性の少なくとも一部を維持したままのタンパク質を含む。例えば、部分配列の結合親和性は全長抗体の結合親和性よりも大きいか、少なくあり得るにもかかわらず、抗体の部分配列は、抗原に選択的に結合する能力を維持する。部分配列は、本発明のヒト化配列の任意の部分(例えば、以下から選択されるVHドメインおよびVLドメインの一部)を含み得る:配列番号1および配列番号3(HumA); 配列番号4および配列番号5(HumB);配列番号6および配列番号7(HumC);配列番号8および配列番号9(HumD);配列番号10および配列番号11(HumE);配列番号12および配列番号13(HumF);配列番号14および配列番号15(HumG);配列番号16および配列番号17(HumH);ならびに配列番号18および配列番号19(HumI);ならびに配列番号5および配列番号20(Hum40);ならびに配列番号5および配列番号21(Hum50)。

0031

抗体全体ペプシン消化およびパパイン消化を使用して、抗体フラグメントを生成し得る。特に、Fabフラグメントは、抗体分子一価抗原結合フラグメントからなり、そして酵素パパインを用いて抗体分子全体の消化によって産生され得、インタクトな軽鎖および重鎖の一部からなるフラグメントを得る。抗体の(Fab')2フラグメントは、酵素ペプシンを用いて、引き続く還元を用いることなく、抗体分子全体を処理することによって得られ得る。抗体分子のFab'フラグメントは、チオール還元剤を用いる還元によって(Fab')2から得られ得、これは、インタクトな軽鎖および重鎖の一部からなる分子を得る。2つのFab'フラグメントが、この様式で処理された1つの抗体分子あたりから得られる。

0032

Fvフラグメントは、2つの鎖として発現される軽鎖VLの可変領域および重鎖VHの可変領域を含むフラグメントである。この会合は、非共有結合でもよく、または共有結合(例えば、化学架橋剤または分子間ジスルフィド結合)でもよい(Inbarら(1972)Proc.Natl.Acad Sci.USA 69:2659;Sandhu(1992)Crit.Rev.Biotech.12:437)。

0033

一本鎖抗体(「SCA」)は、一般に、軽鎖VLの可変領域および重鎖の可変領域を含む操作された抗体または酵素学的に消化された抗体であり、必要に応じて可撓性のリンカー(例えば、ポリペプチド配列)によってVL−リンカー−VHの方向またはVH−リンカー−VLの方向のいずれかで結合される。あるいは、一本鎖Fvフラグメントは、2つのシステイン残基間のジスルフィド結合によって2つの可変ドメインを結合することによって産生され得る。scFv抗体を産生する方法は、例えば、Whitlowら(1991):Methods:A Companion to Methods in Enzymology 2:97;米国特許第4,946,778号;およびPackら(1993)Bio/Technology 11:1271によって記載される。

0034

抗体の部分配列を産生する他の方法(例えば、一価の軽鎖−重鎖フラグメントを形成する重鎖の分離、さらに、フラグメントの切断もしくは他の酵素学的技術、化学的技術または遺伝子技術)をまた使用して、部分配列がインタクトな抗体が結合する抗原に結合することを提供する。

0035

本明細書中で使用される場合、用語「結合(bind)」または「結合(binding)」とは、互いに対する親和性を有するといわれる組成物を意味する。「特異的な結合」は、2つの分子間での選択的な結合である。特異的な結合の特定の例は、抗体と抗原との間に生じる結合である。代表的に、解離定数(KD)が約1×10-5M未満または約1×10-6M未満または1×10-7M未満である場合、特異的な結合は、非特異的な結合から区別され得る。特異的な結合は、例えば、ELISA免疫沈降共沈化学架橋を有するかまたは有さない)、ツーハイブリッドアッセイなどによって検出される。適切なコントロールを使用して、「特異的」結合および「非特異的」結合との間を区別し得る。

0036

本発明の抗体(全長抗体、部分配列(例えば、一本鎖形態)を含む)は、モノマー抗原結合活性の少なくとも一部を維持する二量体、三量体、四量体、五量体六量体または任意の他の高いオーダーのオリゴマーとして存在し得る。多量体は、本明細書中に示されるような、および当該分野で公知の未改変または改変の、全長抗体、部分配列のヘテロマーまたはホモマーの組み合せを含み得る。多量体が複数の抗原結合部位を有することに起因して、抗体の多量体は、モノマーと比較して抗原活性を増加するのに有用である。抗体の多量体はまた、異なる抗体のオリゴマー(例えば二量体、三量体、四量体など)の組み合せを生成するのに有用であり、それによって、複数機能性(例えば、二機能性三機能性(trifunctional)、四機能性(tetrafunctional)など)である抗体の組成物を生成する。

0037

用語「複数機能性」とは、組成物が2つ以上の活性または機能(例えば、抗原結合、酵素活性リガンド結合またはレセプター結合、毒素など)を有するといわれる組成物を意味する。例えば、酵素活性(例えば、ルシフェラーゼアセチルトランスフェラーゼガラクトシダーゼペルオキシダーゼなど)を有する結合化ポリペプチドもまた有する特定の抗原に結合する抗体は、複数機能抗体の1つの特定の例である。

0038

複数機能抗体は、さらに複数特異的な(例えば、二特異的(bispecific)、三特異的(trispecific)、四特異的(tetraspecific)など)形態をさらに含む。用語「複数特異的」とは、2つ以上の異なる抗原エピトープに結合する抗体を意味する。用語「複数特異的」とは、抗体が、異なるエピトープに結合する2つ以上の可変領域配列を含むことを意味する。異なるエピトープは、同じ抗原または異なる抗原に存在され得る。例えば、複数特異的抗体のオリゴマーは、異なるエピトープ結合特異性を各々有する2つ以上の抗体の混合物を含み、これは多量体を形成する。複数特異的抗体は、識別可能な可変ドメインを有するポリペプチドの各々を結合する個々の抗原を含み得る。例えば、抗体の1つは、異なるエピトープを認識する2つの可変ドメインの各々を有し得る。

0039

酵素活性に加えて、抗原結合以外の複数機能性抗体についての候補機能性としては、例えば、以下が挙げられる:検出可能な部分(例えば、放射性同位元素およびアミノ酸配列(例えば、35S、131I、T7、免疫グロブリンまたはポリヒスチジンタグ)、毒素(例えば、リシンコレラ百日咳)、細胞表面タンパク質(例えば、レセプター)、リガンド(基質アゴニストおよびアンタゴニスト)、接着タンパク質(例えば、ストレプトアビジンアビジンレクチン)、増殖因子、異なる因子および化学向性の因子)。

0040

複数機能性ヒト化抗体は、選択された分子(これは、合成手段によってか、またはポリペプチドをコードする核酸の発現によって産生される)の化学架橋によってか、またはインビトロ、またはポリペプチドの細胞発現と、部分配列のオリゴマー化とを組合わせた組換えDNA技術によって産生され得る。複数特異的抗体は、組換え技術および発現、異なるエピトープ特異性を有する抗体を産生するハイブリドーマの融合、または単細胞中の異なるエピトープ特異性を有する抗体可変鎖をコードする複数の核酸の発現によって簡単に産生され得る。

0041

抗体は、直接的にかまたは共有結合または非共有結合(例えば、多量体化ドメイン)によって間接的にかのいずれかで連結され得、多量体を生成する。「多量体化ドメイン」は、非共有結合のタンパク質−タンパク質相互作用を媒介する。特定の例としては、コイルドコイル(coiled−coil)(例えば、ロイシンジッパー構造)およびα−ヘリックスタンパク質配列が挙げられる。ファンデルワールス力水素結合または荷電−荷電結合によるタンパク質−タンパク質結合を媒介する配列はまた、多量体化ドメインとして考えられる。さらなる例としては、基本のヘリックスループヘリックスドメインおよび核酸結合タンパク質(例えば、DNA結合翻訳因子(例えば、TAFs))の間にヘテロマーまたはホモマーのタンパク質−タンパク質相互作用を媒介する他のタンパク質配列が挙げられる。多量体化ドメインの1つの特定の例は、四量体形成を媒介する残基319〜360のp53である。別の例は、四量体へと自己アセンブリするヒト血小板因子4である。なお別の例は、細胞外タンパク質TSP4(五量体を形成し得るトロンボスポンジンファミリーメンバー)である。さらなる特定の例は、jun、fosおよび酵素タンパク質GCN4のロイシンジッパーである。

0042

ヒト化抗体は、化学架橋剤によって互いに直接的に結合され得るか、またはリンカー配列(例えば、ペプチド配列)によって結合され得、多量体を形成する。本明細書中に記載される場合、「リンカー」または「スペーサー」とは、互いに2つ以上の分子を結合する分子または分子グループをいう。可撓性のリンカーは、分子が互いの機能をブロックしない程度に互いに結合された2つの分子の回転を可能にする。例えば、リンカー(例えば、多量体化ドメインにそれ自体を付着されたヒト化抗体に付着されるアミノ酸配列)は、抗体がオリゴマーの多量体からの有意な立体障害なしで抗原に結合することを可能にする。非ペプチドリンカーは、化学架橋剤およびポリエチレングリコールを含む。

0043

ペプチドリンカーの1つの特定の例は、免疫グロブリンヒンジ配列である。さらなる特定の例は、ポリリジンポリグルタミン酸およびランダム化アミノ酸配列の混合である。リンカーアミノ酸配列は、本明細書中に示されるように未改変または改変された完全なヒトアミノ酸配列、ヒト化アミノ酸配列または非ヒトアミノ酸配列であり得る。従って、本発明は、リンカー配列を含むヒト化抗体をさらに提供する。リンカー配列は、例えば、約2〜10アミノ酸長、10〜20アミノ酸長、10〜30アミノ酸長、25〜50アミノ酸長、30〜60アミノ酸長および50〜75アミノ酸長の配列を含む。

0044

抗体はまた、改変された形態(例えば、1つ以上のアミン酸置換、アミン酸付加またはアミノ酸欠失を有する配列、但し、改変は機能を破壊しない(例えば、抗原結合活性を破壊しない;抗体は、抗原結合活性の少なくとも一部を保持する))を含む。例えば、改変されたヒト化抗体は、未改変の抗体が結合する抗原に対して少なくとも一部の親和性を維持する。従って、用語「改変」は、改変された分子の活性を破壊しない分子の変更を示す。

0045

従って、改変は、例えば、アミノ酸の付加、挿入、欠失および置換を含む。付加の例としては、1つ以上のアミノ酸がヒト化抗体のN末端またはC末端に付加されることである。挿入の例としては、アミノ酸が配列に挿入されることである。欠失の例としては、1つ以上のアミノ酸がN末端またはC末端あるいは配列内の内部から欠失されることである。

0046

従って、本発明はまた、ヒト化抗体の改変された形態(1つ以上のアミノ酸の付加、挿入、欠失および置換を含む)を提供する。1つの実施形態において、ヒト化抗体は、以下に示される配列の1つ以上のアミノ酸置換を有する:配列番号1および配列番号3(HumA);配列番号4および配列番号5(HumB);配列番号6および配列番号7(HumC);配列番号8および配列番号9(HumD);配列番号10および配列番号11(HumE);配列番号12および配列番号13(HumF);配列番号14および配列番号15(HumG);配列番号16および配列番号17(HumH);ならびに配列番号18および配列番号19(HumI);ならびに配列番号5および配列番号20(Hum40);ならびに配列番号5および配列番号21(Hum50)、但し、置換された抗体は、抗原に結合し得る。特定の局面において、1つ以上のアミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換である。別の局面において、置換は1〜3アミノ酸、3〜5アミノ酸または5〜10アミノ酸を含む。なお別の局面において、置換は、ヒトアミノ酸での置換である。なお別の局面において、置換は、非ヒト残基に構造的に類似する非ヒトアミノ酸での置換であり、例えば、ここで、フレームワークアクセプター(例えば、マウスアクセプター)の非ヒトバーニアゾーン(vernier zone)アミノ酸は、ヒトカウンターパートバーニアゾーンアミノ酸に対して構造的に異なる。

0047

例示的なアミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換を含む。用語「保存的置換」とは、生物学的または化学的あるいは構造的に類似の残基による1つのアミノ酸の置き換えを意味する。生物学的な類似とは、置換が、生物学的活性(例えば、ヒト化抗体について抗原結合)と適合することを意味する。構造的な類似とは、アミノ酸が類似の長さの側鎖(例えば、アラニングリシンおよびセリン)を有するか、または類似の大きさを有する側鎖を有することを意味する。化学的な類似とは、残基が同じ荷電を有するか、または親水性または疎水性の両方であることを意味する。保存的置換の特定の例は、ある疎水性残基を別の残基(例えば、イソロイシンバリンロイシンまたはメチオニン)との互いの置換あるいは、ある極性残基の別の残基への置換(例えば、ロイシンのかわりにアルギニンアスパラギン酸のかわりにグルタミン、またはアスパラギンのかわりにグルタミン、スレオニンのかわりにセリンなど)を含む。

0048

改変はまた、以下の誘導体化配列が挙げられる:例えば、遊離アミノ基がアミン塩酸塩、p−トルエンスルホニル基カルボベンゾキシ(cabrobenzoxy)基を形成するアミノ酸;塩、メチルおよびエチルエステル由来の遊離カルボキシ基;O−アシル誘導体またはO−アルキル誘導体を形成する遊離ヒドロキシル基、ならびに天然に存在するアミノ酸誘導体(例えば、プロリンに対して4−ヒドロキシプロリンリジンに対して5−ヒドロキシリジン、セリンに対してホモセリン、リジンに対してオルニチンなど)。共有結合(例えば、2つのシステイン残基間のジスルフィド結合)を与える改変もまた含み、それによって環状ポリペプチドを生成する。改変は、当該分野で周知の任意の種々の方法(例えば、PCRベースの部位特異的(sited−directed)欠失変異誘発およびPCRベースの部位特異的挿入変異誘発、化学改変および変異、架橋など)を使用して生成され得る。

0049

改変はまた、ヒト化抗体または部分配列または多量体に共有結合または非共有結合した機能実体(例えば、タグ(例えば、ポリヒスチジン、T7、免疫グロブリンなど)、金粒子)の付加を含む。従って、本発明は、未改変の親抗体の1つ以上の活性を有する(例えば、抗原結合活性の少なくとも一部を維持する)改変されたヒト化抗体を提供する。改変は、放射活性、または分子に結合されるかまたは分子に取り込まれる代替の非放射活性検出可能な標識を含む。

0050

用語「同一」または「同一性」とは、2つ以上の参照された実体が同じであることを意味する。従って、2つの核酸配列が同一である場合、これらは同じ配列である。「同一性の領域」とは、2つ以上の参照された実体の一部が同じであることを意味する。従って、2つの核酸配列がこれらの配列の1つ以上の部分にわたって同一である場合、これらはこれらの領域中で同一性を共有する。用語「実質的な同一性」とは、同一性が構造的有意であるかまたは機能的に有意であることを意味する。すなわち、同一性は、分子が異なっていてもなお、分子が構造的に同一か、または同じ機能(例えば、生物学的機能)を行うようなことである。構造的関連タンパク質と機能的関連タンパク質との間の配列保存の量におけるバリエーションに起因して、実質的な同一性に対する配列同一性の量が、領域/ドメインの型およびその機能に依存する。核酸配列について、50%配列相同性およびそれより上は、実質的な相同性を構成し得る。タンパク質についての実質的な相同性は、例えば、30%配列相同性と同じぐらい実質的に少なくあり得るが、代表的に、例えば、50%、60%、75%、85%またはそれ以上である。

0051

2つの配列間の同一性の程度は、種々のコンピュータープログラムおよび当該分野で公知の数学アルゴリズムを使用して、確認され得る。配列同一性(相同性)パーセントを計算するこのようなアルゴリズムは、一般的に、比較領域にわたって配列のギャップおよびミスマッチについて説明する。例えば、BLAST(例えば、BLAST 2.0)検索アルゴリズム(例えば、Altschulら(1990)J.Mol.Biol.215:403−10、http:/www.ncbi.nlm.nih.govのNCBIによって公然で利用可能)は、以下のような例示的な検索パラメーターを有する:ミスマッチ−2:ギャップオープン5;ギャップ伸長2。ポリペプチド配列比較について、BLASTPアルゴリズムは、代表的に、スコアリングマトリクス(例えば、PAM100、PAM 250、BLOSUM62など)と組み合せ使用される。

0052

本明細書中で使用される場合、用語「単離された」とは、本発明の調節因子として使用される場合、組成物(例えば、抗体、部分配列、改変形態、多量体、同じものをコードする核酸、細胞、ベクターなど)は、組成物が人間の手によって作製され、そしてインビボ環境で、天然に存在するそれらから分離されることを意味する。一般的に、そのようにして分離された組成物は、それらが本質的に正常に関連する1つ以上の物質(例えば、1つ以上のタンパク質、核酸、脂質、炭水化物細胞膜)を実質的に含まない。これらが本質的に通常関連し得る、ほとんどまたは全ての物質を含まない場合、「単離された」抗体はまた、「実質的に純粋」であり得る。従って、また、実質的に純粋な単離された分子は、100万の他の配列(例えば、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリー中の抗体ライブラリーの抗体または核酸のような)のうちに存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含まない。純度は、少なくとも60質量%またはそれ以上であり得る。純度はまた、約70%または80%またはそれ以上であり得、そしてそれ以上(例えば90%またはそれ以上)であり得る。純度は、任意の適切な方法(例えば、UV分光法クロマトグラフィー(例えば、HPLCガス相)、ゲル電気泳動(例えば、銀染色またはクマシー染色)および配列分析(核酸およびペプチド)を含む)によって決定され得る。

0053

本発明は、ヒト化抗体を産生するための方法をさらに提供する。1つの実施形態において、方法は以下を包含する:アクセプターとしてのヒトフレームワーク配列を選択する工程、ここで、前記配列は、非ヒトドナー抗体のフレームワーク領域に対して50%またはそれ以上の同一性(例えば、50〜55%、55〜60%、60〜65%、65〜70%、70〜75%、75〜80%、80〜85%、85〜90%、90〜95%、またはそれ以上の同一性)を有する;ドナーの非ヒト抗体(例えば、マウス)からヒトフレームワーク上へCDRを移植する工程;ヒトアクセプターのバーニアゾーン残基と非ヒトドナーのフレームワーク領域のバーニアゾーン残基とを比較する工程;およびドナーの非ヒト残基およびヒト残基が構造的に類似するか、または化学的に類似する場合、バーニアゾーン中の1つ以上のヒトアクセプター残基を維持する工程、またはドナーの非ヒトバーニアゾーン残基がヒト残基に対して構造的に類似しないか、または化学的に類似しない場合、ドナーの非ヒトバーニアゾーン残基およびアクセプターのヒトバーニアゾーン残基の両方と異なる残基を用いて1つ以上のバーニアゾーン残基を置換する工程、ここで、異なる残基は、ドナーの非ヒドバーニアゾーン残基に構造的に類似するか、または化学的に類似する。言いかえると、ドナーの非ヒトバーニアゾーン残基が、アクセプターのヒトバーニアゾーン残基に構造的に類似しないか、または化学的に類似しない場合、次いで、このバーニアゾーン残基は、ドナーの非ヒトバーニアゾーン残基およびアクセプターのヒトバーニアゾーン残基の両方と異なり、ドナーの非ヒトバーニアゾーン残基に構造的になお類似するか、または化学的になお類似する、残基に改変される。さらなる実施形態において、ヒトフレームワークアクセプター配列は、コンセンサス配列(例えば、VHドメインのサブグループIおよびサブグループIIのコンセンサス配列)から選択される。

0054

本発明はまた、本発明のヒト化抗体をコードする核酸(高親和性ヒト化抗体、部分配列、改変形態およびその多量体を含む)を提供する。種々の実施形態において、核酸は以下に示されるポリペプチドをコードする:配列番号1および配列番号3 (HumA);配列番号4および配列番号5(HumB);配列番号6および配列番号7(HumC);配列番号8および配列番号9(HumD);配列番号10および配列番号11(HumE);配列番号12および配列番号13(HumF);配列番号14および配列番号15(HumG);配列番号16および配列番号17(HumH);ならびに配列番号18および配列番号19(HumI);ならびに配列番号5および配列番号20(Hum40);ならびに配列番号5および配列番号21(Hum50)。

0055

本明細書中で使用される場合、「核酸」とは、リン酸エステル結合または等価物によって連結される少なくとも2つ以上のリボ核酸塩基対またはデオキシリボ核酸塩基対をいう。核酸は、ポリヌクレオチドおよびポリヌクレオシドを含む。核酸は、一本鎖分子、二本鎖分子三重鎖分子、環状分子または線状分子を含む。核酸分子は、排他的に属し得るか、限定されないが、核酸分子の以下のグループによって例示されるように、ヌクレオチド含有分子の任意のグループに対する混合物に属し得る:RNA、DNA、cDNA、ゲノム核酸、非ゲノム核酸、天然に存在する核酸および天然に存在しない核酸ならびに合成核酸。これは、例としては、任意の細胞小器官(例えば、ミトコンドリア)に関連する核酸、リボソームのRNAおよびキメラの天然に存在する成分と共に天然に存在しない1つ以上の成分を含む核酸分子が挙げられる。

0056

さらに、「核酸分子」とは、限定されないが、アミノ酸および糖によって例証されるような、1つ以上の非核酸ベースの成分の一部に含まれ得る。従って、例として、限定されないが、ヌクレオチドベースの一部およびタンパク質ベースの一部であるリボザイムは、「核酸分子」とみなされる。

0057

核酸は、任意の長さであり得る。核酸の長さは、代表的には、約20Kb長〜10Kb長、10Kb長〜5Kb長、1Kb長〜5Kb長またはそれ以下、1000塩基対長〜500塩基対長以下の範囲である。核酸はまた、より短くあり得、例えば、100〜500塩基対よりも短く、あるいは約12塩基対長〜約25塩基対長、約25塩基対長〜約50塩基対長、約50塩基対長〜約100塩基対長、約100塩基対長〜約250塩基対長、または、約250塩基対長〜約500塩基対長である。

0058

遺伝コード縮重の結果として、核酸としては、以下をコードする核酸に関して縮重した配列および部分配列を含む:配列番号1および3(HumA);配列番号4および5(HumB);配列番号6および7(HumC);配列番号8および9(HumD);配列番号10および11(HumE);配列番号12および13(HumF);配列番号14および15(HumG);配列番号16および17(HumH);ならびに配列番号18および19(HumI);ならびに配列番号5および20(Hum40);ならびに配列番号5および21(Hum50)、ならびにそれらの部分配列。核酸はまた、以下をコードする配列に相補的な配列を含む:配列番号1および3(HumA);配列番号4および5(HumB);配列番号6および7(HumC);配列番号8および9(HumD);配列番号10および11(HumE);配列番号12および13(HumF);配列番号14および15(HumG);配列番号16および17(HumH);ならびに配列番号18および19(HumI);ならびに配列番号5および20(Hum40);ならびに配列番号5および21(Hum50)、ならびにそれらの部分配列。核酸部分配列は、約15ヌクレオチド〜約25ヌクレオチド、25ヌクレオチド〜50ヌクレオチドまたは50ヌクレオチド〜100ヌクレオチドを有する。このような核酸は、サンプル(インビトロ、細胞、培養培地、被験体などにおける、組織または器官血清)中のヒト化抗体の存在または量を検出するためのハイブリダイゼーションに有用である。

0059

本発明はさらに、以下をコードする核酸に高度にストリンジェントハイブリダイズする核酸を含む:配列番号1および3(HumA);配列番号4および5(HumB);配列番号6および7(HumC);配列番号8および9(HumD);配列番号10および11(HumE);配列番号12および13(HumF);配列番号14および15(HumG);配列番号16および17(HumH);ならびに配列番号18および19(HumI);ならびに配列番号5および20(Hum40);ならびに列番号5および21(Hum50)、それらの部分配列およびそれらに相補的な核酸配列。核酸にハイブリダイズすることはまた、サンプル中のヒト化抗体の存在または量を検出するのに有用である。

0060

用語「ハイブリダイズ(する)」とは、相補的な核酸の間の結合をいう。配列は、一般的に、以下をコードする核酸に対して約50%を超えるホモロジー(相同性)を有している:配列番号1および3(HumA);配列番号4および5(HumB);配列番号6および7(HumC);配列番号8および9(HumD);配列番号10および11(HumE);配列番号12および13(HumF);配列番号14および15(HumG);配列番号16および17(HumH);ならびに配列番号18および19(HumI);ならびに配列番号5および20(Hum40);ならびに配列番号5および21(Hum50)。関連する配列の間の領域は、少なくとも30塩基対、または約50塩基対、または約100〜約200以上の残基を超えて伸長し得る。

0061

業者によって理解されるように、TM(融解温度)は、相補的配列の間の結合がもはや安定ではない温度をいう。2つの配列が結合するために、ハイブリダイゼーション反応の温度は、その配列について計算されたTM未満でなければならない。そのTMは、配列の相補性の量、長さ、組成(GC%)、核酸の型(RNA対DNA)ならびに塩、界面活性剤、および反応物中の他の成分(例えば、ホルムアミド)の量によって影響される。これらの因子の全ては、適切なハイブリダイゼーション条件確立するときに考慮される(例えば、Sambrookら(1989)前出に記載の、ハイブリダイゼーション技術およびTMを計算するための式を参照のこと)。

0062

代表的には、洗浄条件は、ハイブリダイゼーションストリンジェンシーの所望の程度を得るために調整される。従って、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、特定の条件下(例えば、低ストリンジェンシー条件または高ストリンジェンシー条件)で洗浄することによって、経験的に、決定され得る。選択ハイブリダイゼーションのための最適な条件は、関連する特定のハイブリダイゼーション反応に依存して変化する。高度にストリージェントなハイブリダイゼーションの条件の例は、以下である:約37℃または約42℃にて2×SSC/0.1% SDS(ハイブリダイゼーション条件);おおよそ室温で0.5×SSC/0.1%SDS(低ストリンジェンシー洗浄);約42℃にて0.5×SSC/0.1%SDS(中程度のストリンジェンシー洗浄);および約65℃にて0.1×SSC/0.1% SDS(高いストリンジェンシー洗浄)。

0063

本発明の核酸は、種々の標準的なクローニング技術および化学合成技術を使用して産生され得る。このような技術としては、以下が挙げられるがこれらに限定されることはない:1)抗体配列にアニーリングし得るプライマー(例えば、縮重したプライマー混合物)を使用してゲノムDNA標的またはcDNA標的における核酸増幅(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR));2)核酸配列を化学合成して、その後、プラスミドにクローニングされ得、増殖され、増幅され、そして、精製され得ること、および;3)関連配列に対するデータベースコンピュータサーチ。核酸の純度は、配列決定、ゲル電気泳動などを介して決定され得る。

0064

本発明は、発現制御エレメントに作動可能に連結するヒト化抗体をコードする核酸を含む発現カセットをさらに提供する。本明細書で使用される場合、用語「作動可能に連結する」とは、意図したエレメントの様式で、言及したエレメントが作動することを可能にするエレメント間物理的または機能的関係をいう。従って、核酸に対して「作動可能に連結する」発現制御エレメントは、転写および適切な場合、その転写物の適切な翻訳を調節する制御エレメントを意味する。

0065

発現を制御するために核酸に物理的に連結する必要はない。従って、物理的連結は、そのエレメントが作動可能に連結することを必要としてない。例えば、最小のエレメントは、ヒト化抗体をコードする核酸に連結し得る。「トランス」で機能してその最小エレメントに結合するタンパク質をコードする作動可能に連結する核酸の発現を制御する第2のエレメントは、ヒト化抗体の発現に影響し得る。この第2のエレメントは、ヒト化抗体の発現を調節するので、この第2のエレメントは、ヒト化抗体をコードする核酸に作動可能に機能する。

0066

用語「発現制御エレメント」は、作動可能に連結する核酸の発現に影響を与える核酸をいう。プロモーターおよびエンハンサーは、発現制御エレメントの具体的で非限定的な例である。「プロモーター配列」は、下流(3'方向)のコード配列の転写を開始することができるDNA調節領域である。プロモーター配列は、転写を開始するために必要な最小数塩基を含む。エンハンサーはまた、遺伝子発現を調節するが、それが作動可能に連結する遺伝子の転写開始部位からの距離が作用し得る。エンハンサーはまた、その遺伝子の5'末端または3'末端のいずれか、ならびにその遺伝子の中(イントロン配列の中、またはコード配列の中)で作用する。

0067

発現制御エレメントは、「構成的」である様式で発現を与え、その結果、この作動可能に連結した核酸の転写は、シグナルまたは刺激を得ることなしに、生じ得る。発現制御エレメントは、「調節的」な様式で発現を与え得、すなわち、シグナルまたは刺激によって、作動可能に連結した核酸の発現が増大されるかまたは減少される。シグナルまたは刺激に応答して作動可能に連結した核酸の発現を増大させる調節可能エレメントはまた、「誘導性エレメント」と称される。シグナルまたは刺激に応答して作動可能に連結した核酸の発現を減少させる調節可能エレメントは、「応答性エレメント」と称される(すなわち、そのシグナルが、発現を減少させて、その結果、シグナルが取り除かれるかまたは存在しない場合に、発現が増大される)。

0068

発現制御エレメントは、特定の組織または細胞型において、活性なエレメントを含み、これは、本明細書中で、「組織特異的発現制御エレメント」と称される。「組織特異的発現制御エレメント」は、代表的には、特定の細胞または組織において活性であり、これは、これらのエレメントが、特定の細胞または組織型独特の、転写活性因子タンパク質または転写の他の調節因子によって認識されることに起因する。

0069

発現制御エレメントは、さらに、細胞周期また細胞分化の特定の段階において発現を与えるエレメントを含む。従って、本発明は、構成的発現、調節可能発現、組織特異的発現、細胞周期特異的発現、および分化段階特異的な発現を与える発現制御エレメントをさらに含む。

0070

発現制御エレメントは、全長核酸配列(例えば、ネイティブプロモーターエレメントおよびエンハンサーエレメント、ならびに全長または非改変体の制御エレメントの機能の全てまたは一部分を保持する(調節を与える、例えば、シグナルまた刺激に応答する誘導性のうちのいくらを保持する)、それらの部分配列またはヌクレオチド改変体(例えば、置換/変異された形態またはネイティブ配列と相違する他の形態)を含む。

0071

細菌系について、構成的プロモーター(例えば、T7など)ならびに、誘導性プロモーター(例えば、バクテリオファージλのpL、plac、ptrp,ptac(ptrp−lacハイブリッドプロモーター))が使用され得る。昆虫系において、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーター(例えば、エクジソン)が使用され得る。酵母において、構成的プロモーターまたは誘導的プロモーターが使用され得る(例えば、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology,Vol.2,Ch.13,ed.,Greene Publish.Assoc.&Wiley Interscience(1988);Grantら(1987)Methodsin Enzymologv,153:516−544,eds.Wu &Grossman,31987,Acad.Press,N.Y.;Glover,DNA Cloning,Vol.II,Ch.3,IRL Press,Wash.,D.C.,1986;Bitter(1987)Methods in Enzymology,152:673−684,eds.Berger & Kimmel,Acad.Press,N.Y.;and,Strathemら、The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces(1982)eds.Cold Spring Harbor Press,Vols.I and II)を参照のこと)。構成的酵母プロモーター(例えば、ADHまたはLEU2)または誘導性プロモーター(例えば、GAL)は、使用され得る(R.Rothstein DNA Cloning,A Practical Approach,Vol.11,Ch.3,ed.D.M.Glover,IRL Press,Wash.,D.C.,1986)。

0072

哺乳動物細胞について、ウイルス起源または他の起源の構成的プロモーターが使用され得る。例えば、SV40、またはウイルス性末端反復配列LTRs)など、あるいは哺乳動物細胞のゲノムに由来する誘導性プロモーター(例えば、メタロチオネインIIAプロモーター;熱ショックプロモーター、ステロイド甲状腺ホルモンレチン酸応答エレメント)または哺乳動物ウイルスに由来する誘導性プロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;誘導性マウス乳腺癌ウイルスLTR)が発現のために使用され得る。

0073

本発明はまた、ヒト化抗体をコードする核酸分子がインビトロ、エキソビボまたはインビボでの組み換えDNA技術によって導入される形質転換した細胞およびそれらの子孫を提供する。この形質転換した細胞は、増殖され得、そしてこの導入された核酸が転写されるかまたはコードされたタンパク質が発現され得る。複製の間に変異が存在し得ることに起因して、子孫細胞親細胞に同一であり得ないと理解される。形質転換された細胞としては、細菌細胞真菌細胞植物細胞、昆虫細胞および動物細胞(例えば、ヒトを含む哺乳動物)のような、原核生物および真核生物の細胞が挙げられるが、これらに限定されない。これらの細胞は、培地中、エキソビボまたは被験体内に存在する、細胞中、組織中または器官の中に存在し得る。

0074

用語「形質転換(された)」とは、その細胞に対して外部にある核酸(例えば、導入遺伝子)の組み込み後の細胞における遺伝的変化を意味する。従って、「形質転換(された)細胞」は、組み換えDNA技術によって核酸分子が導入された細胞またはその細胞の子孫である。宿主細胞の産生するための細胞形質転換は、本明細書に記載のように、または当該分野で公知の技術を使用して実施され得る。従って、その核酸を含む細胞および本発明のヒト化抗体を発現する細胞を産生する方法がまた、提供される。

0075

代表的には、細胞形質転換においては、ベクターが使用される。用語「ベクター」とは、遺伝子操作のための、プラスミド、ウイルス(例えばウイルスベクター)または核酸の挿入または組み込みによって操作され得る当該分野で公知の他のビヒクルをいい(すなわち、「クローニングベクター」)、また、これらは、挿入されたポリヌクレオチドを転写または翻訳するために使用され得る(すなわち、「発現ベクター」である)。このようなベクターは、核酸(発現制御エレメントに作動可能に連結するヒト化抗体をコードして、そしてこのコードされたタンパク質をインビトロ(例えば、溶液または固相の中)、細胞中またはインビボで発現する核酸を含む)を導入するのに有用である。

0076

ベクターは、一般的に、細胞中での増殖のための複製起点を少なくとも含む。制御エレメント(本明細書中に示されるような発現コントロールエレメントを含む)が、ベクターの中に存在し、これは、転写および翻訳を促進するために含まれる。用語「発現制御エレメント」は、少なくとも、発現を与え得る1以上の成分を)を含み、そしてプロモーターまたはエンハンサーの他の成分またはそれらの加えた成分(例えば、複数遺伝子またはポリシストロニックメッセージの生成、イントロンのためのスプライシングシグナル、mRNAインフレームの翻訳を可能にするための正しいリーディングフレームの維持ための、リーダー配列および融合パートナー配列、内部リボソーム結合部位(IRES)エレメント、目的の遺伝子の転写物の適切なポリアデニル化を提供するためのポリアデニル化シグナル終止コドンなど)を含み得ることを意図される。

0077

ベクターは選択マーカーを含み得る。当該分野で知られているように、「選択マーカー」は、遺伝子を含む細胞の選択を可能にする遺伝子を意味する。「ポジティブ選択陽性選択)」は、それによって、選択マーカーを含む細胞のみがポジティブ選択物に対して曝された際に生存する過程をいう。薬物耐性は、ポジティブ選択マーカーの一例であり;このマーカーを含む細胞は、選択薬物を含む培養培地中で生存し、このマーカーを含まない細胞は死滅する。このようなマーカーとしては、とりわけ、例えば、以下の薬物耐性遺伝子が挙げられる:neo(G418に対する耐性を与える)、hygr(ハイグロマイシンに対する耐性を与える)、またはpuro(ピューロマイシンに対する耐性を与える)。他のポジティブ選択マーカー遺伝子としては、それらのマーカーを含む細胞の同定またはスクリーニングを可能にする遺伝子が挙げられる。これらの遺伝子としては、とりわけ、緑蛍光タンパク質(GFP)についての遺伝子、lacZ遺伝子、アルカリホスファターゼ遺伝子およびCD8のような表面マーカーが挙げられる。

0078

ベクターは、ネガティブ選択マーカーを含み得る。「ネガティブ選択」は、それによって、ネガティブ選択マーカーを含む細胞が、適切なネガティブ選択因子に対して曝されたときに殺傷される過程をいう。例えば、単純ヘルペスウィルスチミジンキナーゼ(HSV−tk)遺伝子を含む細胞(Wiglerら,Cell 11:223(1977))は、薬物ガンシクロビル(gancyclovir)(GANC)に対して感受性である。同様にgpt遺伝子は、6−チオキサンチンに対する感受性を細胞に与える。

0079

さらなる選択系が使用され得、これらとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子(Szybalskaら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 48:2026(1962))、およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowyら,Cell 22:817(1980))遺伝子。さらなる選択可能遺伝子、すなわち、以下が記載されている:trpB(細胞が、トリプトファンの代わりにインドールを使用することを可能にする);hisD(細胞がヒスチジンの代わりにヒスチノール(histinol)を使用することを可能にする)(Hartmanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:8047(1988));およびODC(オルニチンデカルボキシラーゼ)(オルニチンデカルボキシラーゼインヒビターに対する耐性を与える)、2−(ジフルオロメチル)−DL−オルニチン、DFMO(McConlogue(1987):Current Communications in Molecular Biology,Cold Spring Harbor Laboratory,ed.)。

0080

含まれるベクターは、ウイルスベクター(例えば、レトロウイルスゲノムアデノ随伴ウイルスゲノム、アデノウイルスゲノムレオウイルスゲノム、レンチウイルスゲノム、ロタイウルスゲノム、サル空胞ウイルス40(SV40)またはウシ乳頭腫ウイルスなど)に基づき、細胞内の核酸の導入および発現のために改変されたベクターである(Coneら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6349(1984))。(Eukaryotic Viral Vectors,Cold Spring Harbor Laboratory,Gluzman ed.,1982;Sarverら,Mol.Cell.Biol.1:486(1981))。発現のために有用なさらなるウイルスベクターとしては、パルボウイルスロタウイルス、Norwalkウイルス、コロナウイルスパラミクソ(paramyxo)およびラボドウイルス(rhabdoviruses)、トガウイルス(例えば、シンドビスウイルスおよびSemliki Forestウイルス)および水疱性口内炎ウイルスが挙げられる。

0081

哺乳動物発現系は、インビボ発現およびエキソビボ発現のための特別に設計されたベクターをさらに含む。このような系は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター(米国特許第5,604,090号)を含む。AAVベクターは、治療的利益のための十分なレベルでこれまでヒトおよびマウスにおける第IX因子の発現を提供することがこれまで示されている(Kayら,Nat.Genet.24:257(2000);Nakaiら,Blood 91:4600(1998))。アデノウイルスベクター(米国特許第5,700,470号、同第5,731,172号および同第5,928,944号)、単純ヘルペスウイルスベクター(米国特許第5,501,979号)およびレトロウイルス(例えば、レンチウイルスベクターは、分裂細胞および非分裂への感染について有用であり、泡沫状ウイルスである)ベクター(米国特許第5,624,820号、同第5,693,508号、同第5,665,577号、同第6,013,516号および同第5,674,703号ならびにWIPO公開WO92/05266およびW092/14829)ならびに乳頭腫ウイルスベクター(例えば、ヒトおよびウシ乳頭腫ウイルス)は、全て、遺伝治療において使用されている(米国特許第5,719,054号)。ベクターはまた、サイトメガロウイルス(CMV)ベースベクター(米国特許第5,561,063号)を含む。遺伝子を胃腸管の細胞に対して効率的に送達するベクターが、開発され、そして、使用され得る(例えば、米国特許第5,821,235号、同第5,786,340号および同第6,110,456号を参照のこと)。

0082

酵母において、相同組換えを介して、染色体外来核酸配列を取り込むことを促進するベクターが、当該分野で公知であって、そして使用され得る。酵母人工染色体(YAC)は、その挿入される核酸が従来のベクターにとってあまりにも大きいものである場合(例えば、約12kbを超える場合)に、使用される。

0083

ヒト化抗体をコードする核酸およびヒト化抗体を標的細胞に導入することはまた、浸透圧性ショック(例えば、リン酸カルシウム)、エレクトロポレーションマイクロインジェクション細胞融合などのような当該分野で公知の従来の方法によって実施され得る。核酸およびペプチドのインビトロ、エキソビボおよびインビボの導入はまた、他の技術を使用して達成され得る。例えば、ポリマー物質(例えば、ポリエステルポリアミン酸(polyamine acid)、ヒドロゲルポリビニルピロリドンエチレンビニルアセテートメチルセルロースカルボキシルメチルセルロースプロタミンサルフェート、またはラクチドグリコリドコポリマーポリラクチド/グリコリドコポリマー、またはエチレンビニルアセテートコポリマー)である。核酸は、コアセルベート技術または界面重合によって調製されるマイクロカプセル内、またはコロイド薬物送達系に含まれ得る(例えば、それぞれ、ヒドロキシルメチルセルロースマクロまたはゼラチンマイクロカプセル、あるいはポリ(メチルメタクロレート)(poly(methylmethacrolate)マイクロカプセル)を使用することによる)。コロイド分散系としては、高分子複合体ナノカプセルミクロスフィアビーズ、および脂質ベース系(水中油エマルジョンを含む)、ミセル混合ミセルおよびリポソームが挙げられる。

0084

種々の組成物(核酸を含む)を細胞に導入するためのリポソームの使用は、当業者にとって公知である(例えば、米国特許第4,844,904号,同第5,000,959号、同第4863,740号および同第4,975,282号を参照のこと)。天然のポリマーまたは天然のポリマーの誘導体または加水分解産物を含むキャリア(WO 94/20078および米国特許第6,096,291号に記載される)は、分子(例えば、ポリペプチドおよびポリヌクレオチド)の粘膜送達は適切である。遺伝子治療にとって有効なピペラジンベースの両親媒性(amphilic)カチオン性脂質はまた、公知である(例えば、米国特許第No.5,861,397号を参照のこと)。カチオン性脂質系はまた、公知である(例えば、米国特許第5,459,127号を参照のこと)。従って、インビトロ、インビボおよびエキソビボでの細胞または組織に対する、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターの送達手段が、包含される。

0085

本発明はまた、本発明の1以上の組成物を含むキットを提供し、この組成物は、薬学的処方物を含み、適切なパッケージ物質にパッケージされる。1実施形態において、キットは、ヒト化抗体またはその部分配列を備える。別の実施形態において、キットは、ヒト化抗体また部分配列をコードする核酸を備える。さらなる実施形態において、キットは、発現制御エレメント、発現ベクター、ウイルス発現ベクター、アデノ随伴ウイルス発現ベクター、アデノウイルス発現ベクター、およびレトロウイルス発現ベクターをさらに含む核酸を備える。さらに別の実施形態において、キットは、ヒト化抗体または部分配列を発現する細胞を備える。

0086

さらなる実施形態において、キットは、標識挿入物またはパッケージ化挿入物を備え、インビトロ、インビボ、またはエキソビボで細胞中に、ヒト化抗体またはヒト化抗体をコードする核酸を発現するための指示書を備える。なおさらなる別の実施形態において、キットは、標識挿入物またはパッケージ化挿入物を備え、インビボ、またはエキソビボでヒト化抗体またはヒト化抗体をコードする核酸を用いて被験体(例えば、喘息を有しているかまたはその危険性のある被験体)を処置するための指示書を備える。

0087

本明細書で使用される場合、用語「パッケージ化物質(packaging material)」は、キットの成分を収容するための物理的構造をいう。このパッケージ物質は、滅菌的にそれらの成分を維持し得、そして、このような目的のために共通して使用される物質からなり得る(例えば、紙、波形ファイバーガラスプラスチック薄膜アンプルなどである)。この標識挿入物またはパッケージ挿入物は、適切な文書で示された指示書を備え得、例えば、本発明の方法を実施して、例えば、感冒を処置する。従って、本発明のキットは、さらに、本発明の方法においてキットの構成要素を使用するための指示書を含み得る。

0088

指示書は、本明細書に記載のされた本発明の方法のうちのいずれかを実施するための指示を備え得る。従って、本発明の薬学的組成物は、被験体への投与のための指示書を伴って、容器パック、またはディスペンサーの中に含まれ得る。さらに、指示書は、申し分ない臨床的目的また起こり得る有害な症状、あるいは、ヒト被験体に対する使用のための米国食品医薬品局によって求められるさらなる情報を含み得る。

0089

この指示書は、「印刷物」(例えば、キット中の紙または板紙、キットに固定された標識またはパッケージ化物質)上にあり得るか、またはキットの構成要素を含むバイアルまたはチューブ貼付され得る。指示書は、音声テープまたはビデオテープを含み得、そして、さらにコンピュータ読み取り可能媒体(例えば、ディスクフレキシブルディスクまたはハードディスク)、光学CD(例えば、CD−ROM/RAM、DVD−ROM/RAM)、磁気テープ電子記憶媒体(例えば、RAMおよびROM)ならびにこれらの磁気的/光学的記憶媒体のハイブリッド)を包含し得る。

0090

本発明のキットは、さらに、緩衝剤保存料またはタンパク質/核酸安定剤を備え得る。このキットはまた、活性をアッセイするためのコントロール成分(例えば、コントロールサンプルまたは標準)を含み得る。これらのキットの構成要素は、個別の容器の中または混合物中に含まれ、そして、種々の容器の全ては、単一または複数のパッケージ中にあり得る。例えば、本発明の組成物は、ハードポンプコンテまたは被験体のまたは鼻または洞の経路へと組成物を噴霧するための圧縮(例えば、エアロゾル)容器の中にパッケージ化され得る。

0091

本発明のヒト化抗体(部分配列、改変形態、多量体およびそれらをコードする核酸を含む)は、薬学的組成物に組み込まれ得る。このような薬学的組成物は、インビボまたはエキソビボでの被験体に対する投与に有用であり、そして、ヒト化抗体を用いることで治療可能である生理学障害または生理学的状態に対する治療を提供するのに有用である。

0092

薬学的組成物は、「薬学的に受容可能な」および「生理学的に受容可能な」、キャリア、希釈剤または賦形剤を含む。本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な」および「生理学的に受容可能な」ものは、薬学的投与に適合した、溶媒水性または非水性である)、溶液、エマルジョン分散媒体コーティング等張化剤および吸収促進剤または吸収遅延剤を含む。このような処方剤は、液体、エマルジョン、懸濁液、シロップ、またはエリキシルあるいは固体形態;(コートされたかまたはコートされていない)錠剤カプセル(ハードまたはソフト)、粉末顆粒結晶またはマイクロビーズの中に含まれ得る。追加的な活性部化合物(例えば、保存料、抗細菌剤抗ウイルス剤、および抗真菌剤)はまた、これらの組成物に組み込まれ得る。

0093

薬学的組成物は、特定の局所的または全身的な投与経路に適合性であるように処方され得る。従って、薬学的組成物は、特定の経路による投与に適切なキャリア、希釈剤または賦形剤を含む。

0094

本発明の組成物のための投与経路の特定の非限定的例は、吸入または鼻腔内送達である。さらなる経路としては、非経口(例えば、静脈内、皮内、皮下、経口、経皮(局所)、経粘膜および直腸投与)が挙げられる。

0095

非経口、皮内または皮下適用に使用される溶液または懸濁液は、以下を含み得る:滅菌希釈剤(例えば、注射用の水、生理食塩水不揮発油、ポリエチレングリコール、グリセリンプロピレングリコールまたは他の合成溶媒);抗菌剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸または亜硫酸ナトリウム);キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸);緩衝剤(例えば、アセテートシトレートまたはホスフェート)および張度の調整のための薬剤(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)。pHは、酸または塩基(例えば、塩酸または水酸化ナトリウム)で調整され得る。

0096

注射用の薬学的組成物は、滅菌水溶液水溶性の場合)または分散剤、および滅菌の注射可能な溶液または分散剤の即席調製のための滅菌粉末を含む。静脈内投与について、適切なキャリアとしては、生理学的食塩水静菌水、Cremophor ELTM(BASF,Parsippany,NJ)またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が挙げられる。このキャリアは、溶媒または分散媒体であり得、例えば、以下が挙げられる:水、エタノールポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)およびこれらの適切な混合物。例えば、コーティング(例えば、レクチン)の使用によって、分散剤の場合には必要な粒子サイズの維持によって、そして界面活性剤の使用によって、流動性が維持され得る。抗菌剤および抗真菌剤としては、例えば、パラベンクロロブタノールフェノール、アスコルビン酸およびチメロサールが挙げられる。等張剤(例えば、糖、ポリアルコール(例えば、マンニトールソルビトール)、塩化ナトリウム)が、この組成物中に含まれ得る。吸収を遅延する薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を含むことは、注射可能組成物の吸収を延長し得る。

0097

滅菌注射可能溶液は、適切な溶媒中に必要量活性化合物を上記成分の1つ以上の組み合わせと共に取り込み、次いで濾過滅菌することによって、調製され得る。一般に、分散剤は、塩基性の分散媒体および上記のような他の成分を含む滅菌ビヒクル中に活性化合物を取り込むことによって調製される。滅菌注射可能溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製方法としては、例えば、以前に滅菌濾過されたその溶液から、活性成分および任意のさらなる所望の成分の粉末を得る、減圧乾燥および凍結乾燥が挙げられる。

0098

経粘膜投与または経皮投与について、浸透されるべき障壁に適切な浸透剤が、処方物中に使用される。このような浸透剤は、当該分野で一般に公知であり、そして例えば、経粘膜投与について、界面活性剤、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレー吸入デバイス(例えば、吸入器)または坐剤の使用を介して達成され得る。経皮投与について、活性化合物は、当該分野で一般に公知の軟膏(ointment)、軟膏(salve)、ゲルまたはクリーム中に処方される。

0099

本発明のヒト化抗体(部分配列および改変形態を含む)およびこれらをコードする核酸は、身体からの迅速な排出に対して保護するキャリア(例えば、制御放出処方物または時間遅延物質(例えば、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルステアレート))と共に調製され得る。これらの組成物はまた、局所的または全身的な持続送達または制御放出を達成するために、移植物およびマイクロカプセル化送達システムを使用して、送達され得る。

0100

生物分解性生体適合性ポリマー(例えば、エチレンビニルアセテートポリ無水物ポリグリコール酸コラーゲンポリオルトエステルおよびポリ乳酸)が使用され得る。このような処方物の調製のための方法は、当業者に明らかである。これらの物質はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.から購入され得る。リポソーム懸濁物(抗体またはウイルス被覆タンパク質を使用して細胞または組織に標的化されたリポソームを含む)もまた、薬学的に受容可能なキャリアとして使用され得る。これらは、当業者に公知の方法(例えば、米国特許第4,522,811号に記載される)に従って調製され得る。

0101

本発明の方法における投与のための組成物に適切なさらなる薬学的処方物が、当該分野で公知である(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(1990)第18版,Mack Publishing Co.,Easton,PA;The Merck Index(1996)第12版,Merck Publishing Group,Whitehouse,NJ;およびPharmaceutical Principles of Solid Dosage Forms,Technonic Publishing Co.,Inc.,Lancaster,Pa.,(1993)を参照のこと)。

0102

薬学的処方物は、投与の容易さおよび投薬均一性のために、投薬単位形態にパッケージされ得る。「投薬単位形態」は、本明細書中で使用する場合、処置されるべき被験体についての単一投薬として適切な物理的に別個の単位をいい;各々の単位が、薬学的なキャリアまたは賦形剤と合わせて、所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含む。

0103

本発明のヒト化抗体としては、細胞のウイルス感染に対して保護する抗体が挙げられる。例えば、HumA、HumB、HumC、HumD、HumF、HumHおよびHumIは、細胞のHRV感染に対して保護する(図4)。従って、別の実施形態において、本発明は、細胞のヒトライノウイルス(HRV)感染に対して保護する抗体を提供する。1実施形態において、抗体は、非ヒト化抗体と等しいか、または非ヒト化抗体よりも少なくとも2〜5倍高い保護効力を有する。別の実施形態において、抗体は、非ヒト化抗体よりも少なくとも5〜10倍高い保護効力を有する。なお別の実施形態において、抗体は、非ヒト化抗体よりも少なくとも10〜20倍高い保護効力を有する。なお別の実施形態において、抗体は、非ヒト化抗体よりも少なくとも20〜30倍高い保護効力を有する。

0104

本明細書中で使用される場合、「ヒトライノウイルス」または「HRV」は、同定された(例えば、Hamparianら、(1987) Virology 159:191を参照のこと)メジャー群およびマイナー群のヒト血清型のライノウイルス、そして後にこのウイルスのクラスに入るとして同定されるライノウイルスを意味する。メジャー群のHRVは、ICAM−1に結合し、そしてマイナー群のHRVは、低密度リポタンパク質(LDL)レセプターに結合する。

0105

本明細書中で使用される場合、用語「保護効力」は、実験条件(例えば、実施例5を参照のこと)下で、感受性細胞の50%を感染から保護し得る抗体の量(すなわち、EC50)である。例えば、HRVについて、EC50での保護効力は、HRV感染から、50%のhela細胞を保護する抗体の量である。従って、別の抗体(例えば、非ヒト化抗体)よりも5倍高い保護効力を有するヒト化抗体は、感染からの同じ程度の保護をなお提供しつつ、非ヒト化抗体の5分の1の量で使用され得る。

0106

本発明のヒト化抗体は、ICAM−1に結合する抗体を含む。理論に束縛されることを望まないが、ICAM−1に結合する抗体は、ウイルスの結合または細胞に感染する能力もしくは細胞に侵入する能力を阻害し、それによって、ウイルスの感染もしくは増殖を阻害すると考えられる。従って、このような抗体は、ICAM−1に結合する病原体(例えば、ウイルス(例えば、HRVおよびA型コクサッキー(coxackie)ウイルス、RSウイルス(RSV))、細菌、真菌および原生動物(例えば、マラリア))を阻害するために有用である。従って、これらの抗体は、HRV感染を阻害するため、ならびにICAM−1レセプターが関与する任意の微生物および他の病原体を阻害するために、有用である。従って、本発明は、細胞の病原体感染を阻害する抗体(ここで、感染は、少なくとも一部、ICAM−1に結合することによって媒介される)および細胞の病原体感染を阻害するための方法(ここで、感染は、少なくとも一部、ICAM−1に結合することによって媒介される)を提供する。

0107

1実施形態において、方法は、細胞のウイルス感染を阻害するのに充分な量の、ICAM−1に結合するヒト化抗体と、ウイルスまたは細胞とを接触させる工程を包含する。1つの局面において、この細胞は、上皮細胞である。別の実施形態において、方法は、被験体のウイルス感染を阻害するのに充分な量の、ICAM−1に結合するヒト化抗体を被験体に投与する工程を包含する。種々の局面において、このウイルスは、HRV、A型コクサッキーウイルスおよびRSウイルスである。なお別の実施形態において、方法は、病原体による被験体の感染を阻害するのに充分な量の、ICAM−1に結合するヒト化抗体を被験体に投与する工程を包含する。

0108

本発明はまた、被験体の感染を阻害するための方法、進行を阻害するための方法、または病原性感染を処置する方法を提供する。1実施形態において、方法は、HRV感染を有するかまたはHRV感染を有する危険性のある被験体に、被験体のHRV感染を阻害するか、その進行を阻害するか、またはHRV感染を処置するために充分な量のヒト化抗体を投与する工程を包含する。別の実施形態において、方法は、A型コクサッキーウイルス感染もしくはRSウイルス感染を有するかまたはA型コクサッキーウイルス感染もしくはRSウイルス感染を有する危険性のある被験体に、被験体のA型コクサッキーウイルス感染もしくはRSウイルス感染を阻害するか、その進行を阻害するか、またはこれらを処置するために充分な量のヒト化抗体を投与する工程を包含する。なお別の実施形態において、方法は、マラリアを有するかまたはマラリアを有する危険性のある被験体に、被験体のマラリアを阻害するか、その進行を阻害するか、またはそれを処置するのに充分な量のヒト化抗体を投与する工程を包含する。種々の局面において、ヒト化抗体は、以下から選択されるVHドメインおよびVLドメインを有する:配列番号1および3(HumA);配列番号4および5(HumB);配列番号6および7(HumC);配列番号8および9(HumD);配列番号10および11(HumE);配列番号12および13(HumF);配列番号14および15(HumG);配列番号16および17(HumH);ならびに配列番号18および19(HumI);ならびに配列番号5および20(Hum40);ならびに配列番号5および21(Hum50)、そしてこれらの抗原結合部分配列。

0109

本発明は、(例えば、HRV、A型コクサッキーウイルス、RSウイルスまたはマラリアによって引き起こされる)病原体感染の1つ以上の症状を低減または阻害するための方法をさらに提供する。1実施形態において、方法は、HRV、A型コクサッキーウイルス、RSウイルスまたはマラリアに関連する1つ以上の症状を有する被験体に、被験体におけるHRV、A型コクサッキーウイルス、RSウイルスまたはマラリアに関連する1つ以上の症状を低減または阻害または予防するのに充分な量のヒト化抗体を投与する工程を包含する。低減または阻害または予防される症状としては、例えば、HRVについて、一般的な風邪に関連する熱、うっ血鼻汁咽喉炎などのうち1つ以上が挙げられる。別の実施形態において、方法は、中耳炎を有する被験体に、被験体において中耳炎の1つ以上の症状を低減または阻害または予防するのに充分な量のヒト化抗体を投与する工程を包含する。なお別の実施形態において、方法は、別の実施形態において、方法は、気管支炎を有する被験体に、被験体において気管支炎の1つ以上の症状を低減または阻害または予防するのに充分な量のヒト化抗体を投与する工程を包含する。なお別の実施形態において、方法は、副鼻腔炎を有する被験体に、被験体において副鼻腔炎の1つ以上の症状を低減または阻害または予防するのに充分な量のヒト化抗体を投与する工程を包含する。さらなる実施形態において、方法は、喘息を有するかまたは喘息を有する危険性のある被験体に、喘息の悪化を低減または阻害または予防するのに充分な量のヒト化抗体を投与する工程を包含する。1局面において、ヒト化抗体は、局所的に投与される。別の局面において、ヒト化抗体は、吸入を介してか、または鼻腔内に投与される。

0110

直接機能するかまたはICAM−1を介して間接的に機能する病原体を阻害することに加えて、本発明のヒト化抗体は、所望されない生理学的状態(例えば、ICAM−1が役割を果たす疾患または障害)を処置するために使用され得る。例えば、ICAM−1とのLFA−1の相互作用は、炎症に関与する。従って、本発明の抗体は、この相互作用を阻害し、それによって局所的炎症または全身的炎症を調節(例えば、低減)するために使用され得る。さらに、ICAM−1は、他の免疫応答経路、癌および転移において、役割を果たす。従って、本発明の抗体は、器官移植拒絶または自己免疫疾患あるいは癌または転移を、低減または予防するために使用され得る。従って、本発明は、免疫応答性(例えば、炎症)およびICAM−1が関与する他の細胞プロセスを調節する抗体、ならびに免疫応答経路を調節するための方法を提供する。

0111

本発明の方法は、感染前(すなわち、予防)もしくは感染後に、感染の急性症状もしくは慢性症状、または生理学的状態もしくは障害の発症の前もしくは後(例えば、器官移植前)に、実施され得る。症状の発症前また発症直後での化合物の投与は、被験体において症状の重篤度を低減し得る。被験体における症状の発症前に化合物を投与することは、被験体の感染性を低減し、それによって、他の被験体が感染した被験体から感染する可能性を低減し得る。

0112

用語「被験体」は、動物、代表的に哺乳動物(例えば、非ヒト霊長類(ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、マカクギボン)、家畜イヌおよびネコ)、農場動物(ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジブタ)、実験動物(マウス、ラットウサギ、モルモット)およびヒト)をいう。ヒト被験体は、成人および小児(例えば、新生児〜年上の子供(例えば、1歳と5歳との間の年齢、5歳と10歳との間の年齢、および10歳と18歳との間の年齢))を含む。ヒト被験体は、ウイルス感染(例えば、HRV)(そしてこれは、1つ以上の感染症状(例えば、一般的な風邪に代表的には関連する症状)を発症する)を有するかまたは有する危険性がある被験体を含み得る。ヒト被験体は、急性の喘息発作の前または急性の喘息発作を被った後に、慢性喘息を被っている喘息患者を含む、喘息を有するかまたは喘息を有する危険性のある被験体を含む。被験体は、本発明のヒト化抗体のインビボの効力を試験するための疾患モデル動物(例えば、マウスおよび非ヒト霊長類)(例えば、HRV動物モデル、喘息動物モデル、器官移植動物モデル、自己免疫障害モデル、癌モデルなど)を含む。

0113

他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または等価な方法および材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料は、本明細書中に記載される。

0114

本明細書中に引用される全ての刊行物、特許および他の参考文献は、その全体が参考として援用される。矛盾する場合、定義を含む本願明細書が支配する。

0115

本明細書中で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に他をしめさない限り、複数形の対象を含む。従って、例えば、「形質転換細胞(a transformed cell)」に対する言及は、複数のこのような細胞を含み、そして「ヒト化抗体(a humanized antibody)」に対する言及は、1つ以上のこのような細胞または抗体に対する言及を含み得る、など。

0116

本発明の多数の実施形態を記載してきた。それにもかかわらず、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、種々の改変がなされ得ることが理解される。従って、以下の実施例は、特許請求の範囲に記載される発明の範囲を例示することを意図するが、限定することを意図しない。

0117

(実施例1)
この実施例は、1A6をヒト化するためのストラテジーを記載する。

0118

マウスモノクローナル抗体1A6(mAb1A6)は、Colonnoらによって開発され、そしてICAM−1に特異的に結合し、そしてヒトライノウイルス(HRV)メジャー群による感染に対して細胞を保護することが示されている(Colonno RJ,ら、(1991)欧州特許出願番号91201243.2;公開番号:0 459 577 A2、マウスmAb1A6の配列もまた記載する)。親マウスモノクローナル抗体1A6を、scFvの形態で合成した。精製タンパク質(Msc1A6)は、ICAM−1に対して、KDで1.18×10-6 Mの親和性を有する(表4)。

0119

mAb1A6をヒト化するために、選択されたヒトVHサブグループIIIおよびVL−κサブグループIのコンセンサス配列を、アクセプターVHおよびVLフレームワークとして、それぞれ選択した(Padlan(1994)Molecular Immunol.31:169−217;Padlan(1991)Molecular Immunol.28:489−498)。これらのヒト配列は、2つの抗体をヒト化するために以前に使用されている(Carterら、(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4285−4289;Prestaら、(1993)J.Immunol.151:2623−2632)。

0120

重鎖フレームワーク中の合計82アミノ酸残基の中で、ヒトHVIIIコンセンサス配列とmAb1A6抗体とは、54個の同一なアミノ酸残基を共有し、これは、66%の同一性に相当する。81個の軽鎖フレームワーク残基の中で、ヒトκIコンセンサス配列およびmAb1A6抗体は、共通な52アミノ酸残基を有し、これは、64.2%の同一性と等しい(図1)。

0121

mAb1A6とヒトコンセンサス配列との間で異なる合計57個のフレームワークアミノ酸残基の中で、これらのうち49個は、抗体分子の表面に位置するか、または類似の特徴を有する残基であるかのいずれかであり、従って、ヒトコンセンサス残基は、マウス残基を置換するために使用され得る。残りの6個の位置(VH37、VH69、VH71、VH73、VH94およびVL49)は、TooteおよびWinter(1992、J.Mol.Biol.224:487−499)に記載されるような「Vernier」領域に属する。「Vernier」領域の残基は、CDRの基礎となる層を形成し、そしてCDRの構造および抗体の親和性に影響を与え得るので、これらの位置の残基を、抗体の分子モデル構築に基づいて選択した。

0122

(VL49:)
調査により、この位置が、抗体連結部位の中心であり、かつ軽鎖/重鎖の接合点の両方であることが明らかである。この位置での理想残基置換は、さらなる直接結合接触を提供し、そして接合点の特徴を改善することの両方によって、抗原結合を改善し得る。この位置においてヒト抗体で見出されるチロシンは、この両方を行う。モデル構築は、Y49が、ICAMとのファンデルワールス力および水素結合の両方による接触を形成し得ることを示唆する。Y49はまた、重鎖W102と相互作用して、軽鎖/重鎖接合点での結合相互作用および可撓性の両方を提供する、相互作用する芳香族残基ネットワークを完成させ得る。従って、この位置におけるヒトコンセンサス残基であるチロシンは、親マウス残基のリジンよりも優れている。

0123

(VH37:)
この残基は、軽鎖と重鎖との間の接合点にある。親マウス残基のメチオニンと比較すると、ヒトコンセンサス残基のバリンは、この接合点に対してあまり入り込まず、潜在的に、さらなる可撓性を提供する。接合点での可撓性は、抗体のコンフォメーション的な適合性を増大させることによって、結合親和性を増強し得る。

0124

(VH69:)
この残基は、可変ドメインの内部にパックされる。マウス残基のメチオニンは、隣接するβ鎖骨格との、潜在的に不安定化する接触を形成する。対照的に、ヒト残基のイソロイシンは、タンパク質の内側に充分にパックされる。

0125

(VH73:)
分子モデリングは、ヒトコンセンサス残基(アスパラギン酸(D73))が、重鎖CDR1のK30と相互作用し得ることを示す。モデル構築は、K30が抗原結合に直接的には関与しないことを示唆しているので、この安定化する変化は、中性であるかまたは有利であるかのいずれかであると予測される。

0126

(VH71およびVH94:)
構造調査は、これらの位置の両方が、適切な抗体コンフォメーションの維持のために小さい側鎖を有する残基を必要とすることを示した。従って、この位置のヒトコンセンサス残基であるアルギニンは、適切ではない。セリンおよびグリシンを、71位について選択した。

0127

Chothiaらによれば、VH94の残基は、H1またはCDR1の標準的構造に含まれる(VH26−VH32として規定される)。1A6のCDR1は、標準的構造1およびファミリー1に属する(ChothiaおよびLesk(1987)J.Mol.Biol.186:651−663;Chothiaら、(1992)J.Mol.Biol.227:799−817;Chothiaら、(1989)Nature 342:877−883)。この標準的構造に対応して、ヒト配列は、VH94位での3つの可能な残基(アルギニン、スレオニンまたはアラニン)を示した(Chothiaら、(1992)J.Mol.Biol.227:799−817)。アルギニンは、この特定の抗体については適切でないので、スレオニンおよび別の小さい残基であるアスパラギン酸を選択した。

0128

最後に、分子モデル構築は、VHドメイン中のCDR2の一部(VH60〜64)は、抗原と直接相互作用しない。従って、これらの位置でのマウス残基(DPKVQ)は、ヒト残基ADSVKによって置換され得る。

0129

(実施例2)
この実施例は、いくつかのヒト化scFv発現構築物の調製を記載する。

0130

730bpを含むヒト化scFvA(HumA)cDNA(図3)を、一連重複オリゴヌクレオチドを使用して合成した。これらの重複オリゴヌクレオチド(表1)を、BamH1部位を用いて、リンカー((G4S)4)によって連結される重鎖(VH)および軽鎖(VL)の可変領域のアミノ酸をコードするように設計した。重鎖および軽鎖を、TOPO 2.1ベクター中に別々にクローニングした。DNA配列決定コンフォメーションの後、重鎖および軽鎖を、発現ベクター(pBAD/pIII A)中サブクローニングして、全長DNAを形成した。

0131

これらのオリゴヌクレオチドを、以下からなる6つの群へと、最初にアニーリングした:重鎖について、オリゴAVH1/AVH2、オリゴAVH3/AVH4、オリゴAVH5/AVH6、そして軽鎖についてオリゴAVL1/AVL2、オリゴAVL3/AVL4、オリゴAVL5/AVL6。各アニーリングした群を、DNAポリメラーゼクレノウフラグメントを使用して伸長した。群1〜3のアニーリングおよび伸長した産物を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、高信頼度忠実度フィデリティー熱安定性DNAポリメラーゼ(Roche)を、プライマーとしてオリゴAVH8およびオリゴAVH9と共に使用して増幅される、重複テンプレートとしてのオリゴAVH7と共にプールした。群4〜6のアニーリングおよび伸長した産物を、オリゴAVL8およびオリゴAVL9をプライマーとして使用するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってこれもまた増幅される、重複テンプレートとしてのオリゴAVL7と共にプールした。これらのPCR産物を、TAクローニングベクターpCR2.1−TOPO(Invitrogen)に直接的に挿入し、そしてTOP10コンピテント細胞トランスフェクトした。挿入物を有するプラスミドを、単離し、そして配列決定した。

0132

軽鎖および重鎖のDNAフラグメントを、それぞれ、Nco I/Bam HIおよびBam HI/Hpa Iを用いた消化によってそれらのクローニングベクターから単離し、そしてNco I/Sal I(平滑化)で切断した発現ベクターpBAD/pIII Aに、カルボキシ末端のHisタグとインフレームになるように、クローニングした。この発現構築物pBAD−HumAの両方の鎖を、配列決定した(MWG Biotech,Inc.)。

0133

全ての他のヒトscFv発現構築物(HumB〜HumH)を、異なるオリゴヌクレオチド(表1)を用いることを除いて、上記のHumAと同じ手順で作製した。

0134

HumBについて、AVH6およびAVH7の代わりにBVH6およびBVH7を用いて;HumCについて、AVH5、AVH6およびAVH7の代わりにCVH5、CVH6およびCVH7を用いて;HumDについて、AVH6 およびAVH7の代わりにDVH6およびDVH7を用いて;HumEについて、AVH4、AVH5、AVH6およびAVH7の代わりにEVH4、EVH5、EVH6およびEVH7を用いて;HumFについて、AVH6およびAVH7の代わりにFVH6およびFVH7を用いて;HumGについて、AVL3、AVL4、AVH5、AVH6およびAVH7の代わりにGVL3、GVL4、GVH5、GVH6およびGVH7を用いて;HumHについて、AVL3、AVL4、AVH4、AVH5、AVH6およびAVH7の代わりにHVL3、HVL4、HVH4、HVH5、HVH6およびHVH7を用いて;HumIについて、AVL3、AVL4、AVH4、AVH5、AVH6およびAVH7の代わりにIVL3、IVL4、IVH4、IVH5、IVH6およびIVH7を用いる。

0135

(表1.ヒト化scFvについてのオリゴヌクレオチド)
HumAの軽(VL)鎖についてのオリゴヌクレオチド:

0136

HumAの重(VH)鎖についてのオリゴヌクレオチド:

0137

他のヒトscFv(HumB〜I)を作製するためのオリゴヌクレオチド:

0138

0139

分子モデル構築は、scFvの形態におけるヒト化抗体の9つのバージョン(HumA〜HumI、表2および3にまとめる)の合成を可能にした。ヒト化抗体(HumA〜HumD)のうちの4つは、親マウスのフレームワーク残基を有さず、それらのうちの5つ(HumE〜HumI)は、フレームワークにおいて複数の親マウスの残基を含む。HumBの配列は、図2における親マウス1A6およびヒトコンセンサスフレームワークに匹敵する。

0140

(表2.ヒト化構築物

0141

(表3.ヒト化抗体のアミノ酸配列)

0142

CDR残基は、括弧内に含まれる。

0143

(実施例3)
この実施例は、ヒト化1A6単鎖抗体タンパク質の発現および精製を記載する。

0144

ヒト化1A6 scFvの生成のために、望ましい発現構築物を形質導入されたTOP10細胞を、OD600で0.8に達するまでTB培地(Bio 101)の入ったシェイカーフラスコ中で増殖させた。タンパク質発現を、0.02%アラビノースで室温で18時間誘導した。細胞を、4,000gで15分間、遠心分離によってペレット化した。細胞ペレットを、1/50容量の可溶化緩衝液(20mMリン酸ナトリウム、1% Triton X−100、500mM NaCl、40mMイミダゾール、2mM2−メルカプトエタノール、0.2mMPMSF、lmg/mlリゾチーム)に懸濁し、そして上で30分間インキュベートした。細胞懸濁液を超音波処理し、そしてPMSFの別のアリコートを添加した。細胞デブリを、12,000×gで遠心分離することによってペレット化し、そして浄化した超音波処理物濾過し、金属アフィニティークロマトグラフィーによって分画した。誘導したヒスチジンタグ化タンパク質を、製造業者の指示書に従って、Ni2+で平衡化したHi TrapTM金属キレートカラム(Amersham/Pharmacia)に結合させた。次いで、カラムを、100mMイミダゾール、20mMリン酸ナトリウム(pH 7.4)、500mM NaClからなる緩衝液のカラム容量で4回洗浄した。500mMイミダゾール、20mMリン酸ナトリウム(pH 7.4)において、カラムから溶出したタンパク質の画分を回収し、プールし、そしてリン酸緩衝生理食塩水(PBS)/2mMEDTAに対して4℃で透析し、次いでPBSに対して透析した。

0145

(実施例4)
この実施例は、ICAMに対するヒト化単鎖抗体タンパク質の結合親和性を測定する研究を記載する。

0146

ヒスチジンタグ化ヒト単鎖(hsc)タンパク質の結合親和性を評価するために、可溶性ICAM−1をELISAアッセイにおいて使用した。96−ウェルEIAプレート(Corning,Inc.)を、100μl/ウェルの可溶性ICAM−1(Bender MedSystems)(0.1M NaHCO3中1μg/ml)でコーティングした。TBST(50mM Tris(pH8.0)、150mM NaCl、0.05% Tween−20)で洗浄した後、このプレートを、TBST中3%脱脂乳で、37℃で1時間ブロッキングした。TBSTで洗浄した後、このプレートを、1%脱脂乳/TBST溶液中に希釈したscFvサンプル(100μl/ウェル)とともに、室温で1時間インキュベートした。TBSTで洗浄した後、1%脱脂乳/TBST溶液中に1:2000倍希釈した西洋わさびペルオキシダーゼ結合体化抗His(C−term)抗体(Invitrogen)を添加し、そしてこのプレートを室温で1時間インキュベートした。このプレートを、TBSTで完全に洗浄し、そして100μl/ウェルの3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン(tetamethybenzidine)基質溶液(Kirkegaard and Perry Laboratories)を添加した。5分間のインキュベーション後、100 ml/ウェルで0.12N HClを添加することによって発色を止め、そしてウェルの吸光度(450nm)をプレートリーダー(ICN)によって測定した。

0147

結合研究は、全てのヒト化scFvタンパク質(hsc)が、親マウスscFvよりも10倍以上高いICAM−1に対する結合親和性を実証することを示した(表4)。

0148

(表4.マウス1A6 scFvおよびヒト化1A6 scFv)

0149

*1MOIでのHRV15感染に対するHeLa細胞の50%保護
(実施例5)
この実施例は、ヒト化1A6抗体がHRV感染を保護することを実証するデータを記載する。この実施例はまた、この保護が、マウス1A6抗体よりも有意に高いことを実証するデータを記載する。

0150

HeLa細胞を、48ウェル組織培養ディッシュの1ウェルあたり1×105細胞でプレートし、そして24時間培養した。培養培地を吸引し、そして100μlのヒト化1A6タンパク質を指定の希釈で各ウェルに添加した。これらのプレートを、37℃のインキュベーターで1時間インキュベートし、タンパク質溶液を取り除き、200μl HRV15(1のMOIで)を添加し、そしてこのプレートを33℃で1時間インキュベートした。次いで細胞を洗浄し、そして1ml/ウェルの増殖培地を添加した。これらの感染細胞を、33℃で48時間インキュベートした。次いで、培地を吸引し、残った生存細胞クリスタルバイオレットで染色した。最後に、このクリスタルバイオレッドを、1ウェルあたり2mlのメタノールで抽出し、抽出した染料をA570を測定することによって決定した。%保護を三連における各時点で、以下の式を用いて算出した:

(100)(サンプル吸光度−ウイルスだけの吸光度)
%保護=−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(非感染細胞の吸光度−ウイルスだけの吸光度)

この保護効率をEC50として定量し、これは、hela細胞をHRV感染から50%保護し得る抗体タンパク質の用量である。いくつかのヒト化1A6タンパク質のEC50を、表4にまとめ、そしてこの保護アッセイからのデータを図4に示す。このアッセイは、Hum19 scFvタンパク質のEC50が、親マウス1A6 scFvタンパク質のEC50よりも60倍より高かったことを示す(図4)。インビトロでの保護は、抗体結合親和性と十分に相関することを示す。

0151

(実施例6)
この実施例は、1A6をヒト化するさらなるストラテジーを記載する。

0152

ヒト化1A6の2つのさらなるバージョンを、2つの異なるヒトコンセンサスフレームワーク配列(Hum40およびHum50)上にVHドメインのCDRループを移植することによって生成した。Hum40は、ヒトコンセンサスVHサブグループII(Hum2)上に移植するCDRから生じるヒト化1A6であり、そしてHum50は、ヒトコンセンサスVHサブグループI(Hum1)上に移植するCDRから生じるヒト化1A6である(Padlan(1991)Mol.Immunol.28:489−498;図5)。

0153

Hum40:
ヒトVHサブグループII(Hum2)は、マウス1A6VH配列と82フレームワーク残基のうち50個の同一なアミノ酸残基を共有し、これは、61%同一性である(図5および6)。マウス1A6とHumIIとの間で異なる32アミノ酸残基のうち、6つは「バーニア」ゾーンに属し(FooteおよびVinter,(1992)、J.Mol.Biol.224:487−499)、そして抗原結合親和性に影響を与え得る。重大な「バーニア」ゾーン残基は、VHの67、69、71、78、93および94である。

0154

VHの67位、69位、78位および93位でのアミノ酸の分析は、ヒトコンセンサス残基およびマウス残基が、非常に類似する特性を有することを示す。従って、ヒトコンセンサス残基は、これらの位置でマウス残基を置換するために使用される。構造的分析は、VHの71および94の残基が小さな側鎖を有し、これは、ヒトコンセンサス残基(これら2つの位置でリジンおよびアルギニン)を除外することを示す。従って、セリンおよびアルギニン(両方とも小さな側鎖を有する)が、それぞれ、VH71およびVH94で選択される。その結果、Hum40のVHドメインは、VH71およびVH94を除いて、フレームワーク位置で全てのヒトコンセンサス残基を含む。マウスまたはヒトの残基のいずれかに関係のない残基を、それらの構造的特徴に起因してVH71およびVH94で選択した(図6)。

0155

Hum50:
ヒトVHサブグループI(Hum1)は、マウス1A6VH配列と82フレームワーク残基のうち62個の同一なアミノ酸残基を共有し、これは、76%同一性である(図5および7)。マウス1A6とHumIとの間で異なる20アミノ酸残基のうち、4つは「バーニア」ゾーンに属し(FooteおよびVinter,(1992)、J.Mol.Biol.224:487−499)、そして抗原結合親和性に影響を与え得る。重大な「バーニア」ゾーン残基は、VHの48、67、93および94である。VHの48位、67位および93位でのアミノ酸の分析は、ヒトコンセンサス残基およびマウス残基が、非常に類似する特性を有することを示す。従って、ヒトコンセンサス残基は、これらの位置でマウス残基を置換するために使用される。構造的分析は、VH94の残基が小さな側鎖を有し、これは、ヒトコンセンサス残基アルギニンを除外することを示す。従って、アラニンが、VH94で選択される。その結果、Hum50は、VH94を除いて、フレームワーク位置で全てヒトコンセンサス残基を含む(図7)。

0156

(実施例7)
この実施例は、ヒト化1A6Fabタンパク質の調製を記載する。

0157

3つの発現構築物を作製する:Fab19、Fab40およびFab50。Fab19は、ヒト化1A6 HumBに由来する可変ドメイン(VHおよびVL)から構成され(表3)、これは、重鎖VHサブグループIIIおよびヒト軽鎖κサブグループIのヒトコンセンサス配列に基づく。Fab40およびFab50は、それぞれHum40VHドメインおよびHum50VHドメインならびにFab19のような同じ軽鎖を含む。Fab19、Fab40およびFab50の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列を表5に列挙し、対応する遺伝子配列を表6に列挙する。

0158

軽鎖可変ドメイン(VL)およびヒトκ1軽鎖定常領域に由来する軽鎖定常領域(CL)の遺伝子セグメント(Palm and Hilschmann,1975,Z.Physiol Chem.356:167−191)を、PCR増幅によって別々に合成した。配列決定コンホメーション後、2つの遺伝子セグメントを、その軽鎖VL−CL遺伝子を形成するために共に融合した。類似のアプローチを使用して、重鎖可変ドメイン(VH)ならびにヒトIgG1のCH1ドメインの配列に基づく重鎖定常領域(CH)を含む遺伝子セグメントをクローニングした(Ellisonら、1982,Nucl.AcidsRes.10:4071)。

0159

発現ベクターを、Fabタンパク質の生成のために設計した。VHおよびVLドメインを、エンテロトキシンIIシグナル配列をコードする遺伝子セグメントに、その5'末端で正確に融合する。ジシストロン遺伝子(dicistronic gene)内の介在配列は、リボソームエントリー部位を含み、一方、その遺伝子の3'末端は、バクテリオファージλt0転写ターミネータを含む。イソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドIPTG)−誘導性ptacプロモーターを使用して、このジシストロンメッセージの発現を生じさせる。

0160

ヒト化1A6Fabタンパク質の生成のために、望ましい発現構築物を形質導入されたJM83細胞を、OD600で1.2に達するまでTB培地(Bio 101)の入ったシェイカーフラスコ中で増殖させた。タンパク質発現を、0.2mMIPTGで室温で18時間誘導した。細胞を、4,000gで15分間、遠心分離によってペレット化した。細胞ペレットを、可溶化緩衝液(50mM Tris(pH 8.0)、1.0M NaCl、5mMEDTA、0.2mMPMSF、1mg/mlリゾチーム)(10〜15%溶液)に懸濁し、そして氷上で20分間インキュベートした。細胞懸濁液を超音波処理し、そしてPMSFの別のアリコートを添加した。細胞デブリを、12,000×gで遠心分離によって除去し、そして浄化した超音波処理物を濾過し、Fab19についてプロテインAアガロース、そしてFab40およびFab50についてプロテインGアガロースを用いるアフィニティークロマトグラフィーによって分画した。プロテインAまたはプロテインGカラムを50mM Tris(pH 8.0)、2.0M NaCl、5mM EDTAで洗浄した後、結合したタンパク質を0.1Nグリシン(pH2.5)でカラムから溶出し、そして1/10容量の0.1M Tris(pH 9.0)を含むチューブに回収した。これらのタンパク質画分をプールし、次いでTBSに透析した。

0161

(表5.Fab19、Fab40および Fab50のアミノ酸配列)
Fab19、Fab40および Fab50のVLドメイン(配列番号5)

0162

CDR残基は、括弧内に含まれる。

0163

(表6.Fab19、Fab40および Fab50の可変ドメイン遺伝子配列)
Fab19、Fab40および Fab50のVL遺伝子(配列番号22)

0164

(実施例8)
この実施例は、ヒト化1A6Fabの抗原であるICAM−1に対するヒト化1A6Fabの結合親和性の測定を記載する。

0165

ELISAアッセイを使用して、Fabタンパク質の結合親和性を評価した。96−ウェルEIAプレート(Corning,Inc.)を、100μl/ウェルの可溶性ICAM−1(Bender MedSystems)(0.1 M NaHCO3中1μg/ml)でコーティングした。TBST(50mM Tris(pH8.0)、150mM NaCl、0.05% Tween−20)で洗浄した後、このプレートを、TBST中3%脱脂乳で、37℃で室温にて1時間ブロッキングした。TBSTで洗浄した後、このプレートを、1%脱脂乳/TBST溶液中に1:3,000倍希釈した西洋わさびペルオキシダーゼ結合体化抗ヒトIgGFab特異的抗体(Sigma、A−0923)とともに室温にて1時間インキュベートした。このプレートを、TBSTで完全に洗浄し、そして100μl/ウェルの3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン基質溶液(Kirkegaard and Perry Laboratories)を添加した。10分間のインキュベーション後、100ml/ウェルで0.12N HClを添加することによって発色を止め、そして吸光度(450nm)をプレートリーダー(ICN)によって測定し、次いで抗体濃度に対してプロットした。親和性定数(KD)(平衡解離定数とも称される)は、飽和レベルの50%でICAM−1結合を増加させるFabタンパク質の濃度と等しい。

0166

結合研究は、Fab19が、そのscFv形態(HumB、表4を参照のこと)よりも高いICAM−1に対する結合親和性を実証することを示した。3つのヒト化Fabタンパク質の結合親和性は、以下の順である:Fab19>Fab40>Fab50。

0167

(表7.ヒト化1A6Fabの結合親和性)

実施例

0168

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