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技術 溶血素産生細菌の検出用培地

出願人 株式会社日研生物医学研究所
発明者 青柴孝宏加藤孝広
出願日 2011年11月29日 (8年8ヶ月経過) 出願番号 2011-259982
公開日 2013年6月10日 (7年1ヶ月経過) 公開番号 2013-111011
状態 拒絶査定
技術分野 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物、その培養処理
主要キーワード 上層面 一定領域内 臨床検査機関 検出用培地 赤血球液 検査目的 保存血液 採血直後
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年6月10日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

血液寒天培地溶血を起こす溶血素産生細菌検索する場合において、培地性能を保持したまま、従来の血液寒天平板培地に比べて細菌の培養時間を短縮することが可能である検出用培地を提供する。

解決手段

シャーレ14内に、赤血球を含む血液寒天培地からなる下層16と赤血球を含まない寒天培地からなる上層18とを重層し平板培地に形成して、溶血素産生細菌の検出用培地10を構成した。

概要

背景

細菌の中には、血液寒天培地上で培養したときに、その細菌コロニー周辺培地に含まれる赤血球細胞膜破壊してヘモグロビン溶出させるものが存在することが知られている。このような現象は、微生物学細菌学の分野で溶血と呼ばれているが、この溶血は、コロニーの周囲の一定領域内で起き、溶血帯(溶血環)として肉眼観察することができる。この溶血は、細菌を培養したときに細菌が溶血素を産生して、その溶血素がコロニーから血液寒天培地中に拡散することによって起こる。溶血性は、細菌の種類によって相違し、通常、α型(不完全溶血)、β型(完全溶血)およびγ型(非溶血)の3つに分類される。α型は、コロニーの周辺に狭い緑色の溶血帯が形成される場合であり、その狭い溶血帯の外側は溶血しているが、内側には赤血球のオキシヘモグロビンメトヘモグロビンに変化した緑色の部分が見られる。β型は、コロニーの周辺に無色透明に抜けた広い溶血帯が形成される場合であり、その部分の培地中からほとんどの赤血球が消失している。γ型は、溶血が全く認められない場合である。細菌の溶血性は、同一の培養条件下においては細菌の種類によってほぼ一定であるので、この溶血性を利用して細菌の鑑別・同定が行われている。

例えば、ベロ毒素を産生するO157等の腸管出血性大腸菌は、ベロ毒素のほかに、エンテロヘモリシンと称される特殊な溶血素を産生し、ベロ毒素産生性とエンテロヘモリシン産生性との間に高い相関性があること、したがってベロ毒素産生性と溶血性との間に高い相関性があることが報告されており、その報告を受けて、腸管出血性大腸菌のスクリーニング(探索)に溶血(エンテロヘモリシン産生)を指標とすることが検討され試みられている。これに関連した技術として、志賀毒素(ベロ毒素の一種)を産生する大腸菌の検出を容易にするために、血液寒天培地にエンテロヘモリシン産生誘導剤、細胞膜および細胞壁合成阻害剤といった薬剤を添加して、エンテロヘモリシンの産生を促進し、その溶血性を明瞭にする、といった技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

ところで、溶血性の検査に使用される血液寒天培地は、滅菌した寒天培地を加温して溶解した後、50℃ぐらいの温度に冷まし、寒天が固まる前に、兎等の新鮮赤血球液を寒天培地に対して5%〜10%の割合で加え、泡立てないように培地成分と赤血球液とを良く混合してから、平板あるいは斜面に固めて製造される。この場合において、平板の血液寒天培地を製造するときは、例えば直径9cmのシャーレを用いるとすると、そのシャーレ内に18ml〜20mlの血液寒天分注して3mm程度の厚みの平板培地とする。

概要

血液寒天培地で溶血を起こす溶血素産生細菌検索する場合において、培地性能を保持したまま、従来の血液寒天平板培地に比べて細菌の培養時間を短縮することが可能である検出用培地を提供する。シャーレ14内に、赤血球を含む血液寒天培地からなる下層16と赤血球を含まない寒天培地からなる上層18とを重層し平板培地に形成して、溶血素産生細菌の検出用培地10を構成した。

目的

この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、血液寒天培地で溶血を起こす溶血素産生細菌を検索するために用いられる培地であって、培地性能を保持したまま、従来の血液寒天平板培地に比べて細菌の培養時間を短縮することが可能である溶血素産生細菌の検出用培地を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

細菌を培養しその細菌が産生する溶血素によって血液寒天培地発現する溶血の状態を観察して細菌を検出するための溶血素産生細菌検出用培地において、赤血球が添加された寒天培地と赤血球が添加されていない寒天培地とを重層したことを特徴とする溶血素産生細菌の検出用培地。

請求項2

赤血球が添加された寒天培地により下層が形成され、赤血球が添加されていない寒天培地により上層が形成された請求項1に記載の溶血素産生細菌の検出用培地。

請求項3

赤血球が添加されていない寒天培地により下層が形成され、赤血球が添加された寒天培地により上層が形成された請求項1に記載の溶血素産生細菌の検出用培地。

請求項4

検出対象細菌腸管出血性大腸菌である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の溶血素産生細菌の検出用培地。

技術分野

0001

この発明は、腸管出血性大腸菌等の細菌を検出するために用いられる培地であり、より詳しくは、細菌を血液寒天培地上で培養したときに細菌が産生する溶血素により、コロニー周辺の培地に含まれる赤血球を溶解(溶血)する現象を起こす場合において、その溶血の状態を観察して細菌を検索するために用いられる溶血素産生細菌検出用培地に関する。

背景技術

0002

細菌の中には、血液寒天培地上で培養したときに、その細菌コロニーの周辺の培地に含まれる赤血球の細胞膜破壊してヘモグロビン溶出させるものが存在することが知られている。このような現象は、微生物学細菌学の分野で溶血と呼ばれているが、この溶血は、コロニーの周囲の一定領域内で起き、溶血帯(溶血環)として肉眼観察することができる。この溶血は、細菌を培養したときに細菌が溶血素を産生して、その溶血素がコロニーから血液寒天培地中に拡散することによって起こる。溶血性は、細菌の種類によって相違し、通常、α型(不完全溶血)、β型(完全溶血)およびγ型(非溶血)の3つに分類される。α型は、コロニーの周辺に狭い緑色の溶血帯が形成される場合であり、その狭い溶血帯の外側は溶血しているが、内側には赤血球のオキシヘモグロビンメトヘモグロビンに変化した緑色の部分が見られる。β型は、コロニーの周辺に無色透明に抜けた広い溶血帯が形成される場合であり、その部分の培地中からほとんどの赤血球が消失している。γ型は、溶血が全く認められない場合である。細菌の溶血性は、同一の培養条件下においては細菌の種類によってほぼ一定であるので、この溶血性を利用して細菌の鑑別・同定が行われている。

0003

例えば、ベロ毒素を産生するO157等の腸管出血性大腸菌は、ベロ毒素のほかに、エンテロヘモリシンと称される特殊な溶血素を産生し、ベロ毒素産生性とエンテロヘモリシン産生性との間に高い相関性があること、したがってベロ毒素産生性と溶血性との間に高い相関性があることが報告されており、その報告を受けて、腸管出血性大腸菌のスクリーニング(探索)に溶血(エンテロヘモリシン産生)を指標とすることが検討され試みられている。これに関連した技術として、志賀毒素(ベロ毒素の一種)を産生する大腸菌の検出を容易にするために、血液寒天培地にエンテロヘモリシン産生誘導剤、細胞膜および細胞壁合成阻害剤といった薬剤を添加して、エンテロヘモリシンの産生を促進し、その溶血性を明瞭にする、といった技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

0004

ところで、溶血性の検査に使用される血液寒天培地は、滅菌した寒天培地を加温して溶解した後、50℃ぐらいの温度に冷まし、寒天が固まる前に、兎等の新鮮赤血球液を寒天培地に対して5%〜10%の割合で加え、泡立てないように培地成分と赤血球液とを良く混合してから、平板あるいは斜面に固めて製造される。この場合において、平板の血液寒天培地を製造するときは、例えば直径9cmのシャーレを用いるとすると、そのシャーレ内に18ml〜20mlの血液寒天分注して3mm程度の厚みの平板培地とする。

先行技術

0005

特許第4394771号公報(第2頁)

発明が解決しようとする課題

0006

血液寒天平板培地を用いて細菌の溶血性を検査する場合には、白金耳により細菌を平板培地上画線塗沫し、あるいは、釣菌した白金耳を平板培地にシャーレの底に当たるまで穿刺して植菌し、細菌の培養を行う。溶血性をもつ細菌が培養されて溶血素が産生されると、その溶血素が平板培地の平面方向および厚み方向に拡散して溶血が起こる。このとき、溶血が平板培地の厚み方向の全体に達しない段階では、平板培地を上方から観察しても、またシャーレの底面側から平板培地を観察しても、溶血帯の形成を正しく確認することができないので、或る程度の時間、例えば24時間培養した後に判定を行う必要がある。そして、例えばβ型溶血が起こっているときは、シャーレの底面側から平板培地を見ると、細菌コロニーの周辺に無色透明に抜けた広い溶血帯を観察することができることになる。

0007

上記したように、細菌の溶血性の検査においては、溶血が平板培地の厚み方向の全体にわたって起こる程度の時間、細菌の培養を行う必要がある。なお、シャーレ内への血液寒天の分注量を少なくして平板培地の厚みを薄くすれば、例えば直径9cmのシャーレ内に9ml〜10mlの血液寒天を分注して平板培地の厚みを1.5mm程度とすれば、溶血が平板培地の厚み方向の全体に達する時間を短縮して培養時間を短くすることができると考えられる。しかしながら、血液寒天平板培地の厚みを薄くすると、培地からの水分蒸発により培地の性能を一定以上に保持することができなくなる。

0008

この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、血液寒天培地で溶血を起こす溶血素産生細菌を検索するために用いられる培地であって、培地性能を保持したまま、従来の血液寒天平板培地に比べて細菌の培養時間を短縮することが可能である溶血素産生細菌の検出用培地を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

請求項1に係る発明は、細菌を培養しその細菌が産生する溶血素によって血液寒天培地で発現する溶血の状態を観察して細菌を検出するための溶血素産生細菌の検出用培地において、赤血球が添加された寒天培地と赤血球が添加されていない寒天培地とを重層したことを特徴とする。

0010

請求項2に係る発明は、請求項1に記載の検出用培地において、下層が、赤血球が添加された寒天培地により形成され、上層が、赤血球が添加されていない寒天培地により形成されたことを特徴とする。

0011

請求項3に係る発明は、請求項1に記載の検出用培地において、下層が、赤血球が添加されていない寒天培地により形成され、上層が、赤血球が添加された寒天培地により形成されたことを特徴とする。

0012

請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の検出用培地において、検出対象細菌が腸管出血性大腸菌であることを特徴とする。

発明の効果

0013

請求項1に係る発明の溶血素産生細菌の検出用培地においては、赤血球が添加された寒天培地と赤血球が添加されていない寒天培地とで、平板培地の一定の厚みを確保することができる。一方、赤血球を含有することにより赤色を呈する寒天培地の厚みが薄くなるので、細菌の溶血性の検査において、赤血球が添加された寒天培地部分の厚み方向の全体にわたり溶血する時間を短縮することができる。
したがって、この検出用培地を用いて溶血素産生細菌の検索を行うときは、培地性能を保持したまま、従来の血液寒天平板培地に比べて細菌の培養時間を短縮することが可能となる。

0014

請求項2に係る発明の検出用培地では、赤血球が添加された寒天培地に細菌を接種し、例えば、釣菌した白金耳を、赤血球が添加されていない寒天培地からなる上層側から、赤血球が添加された寒天培地からなる下層の底面まで穿刺して植菌し、細菌の培養を行ったとき、溶血性をもつ細菌が培養されて溶血素が産生されると、その溶血素が下層の寒天培地部分の平面方向および厚み方向に拡散して溶血が起こる。そして、溶血が下層の寒天培地部分の厚み方向の全体に及べば、培地をその底面側(あるいは上面側)から見たときに細菌コロニー周辺の溶血帯の形成を正しく確認することができる。

0015

請求項3に係る発明の検出用培地では、赤血球が添加された寒天培地に細菌を接種し、例えば、白金耳により細菌を、赤血球が添加された寒天培地からなる上層面上に画線塗沫し、細菌の培養を行ったとき、溶血性をもつ細菌が培養されて溶血素が産生されると、その溶血素が上層の寒天培地部分の平面方向および厚み方向に拡散して溶血が起こる。そして、溶血が上層の寒天培地部分の厚み方向の全体に及べば、培地をその底面側(あるいは上面側)から見たときに細菌コロニー周辺の溶血帯の形成を正しく確認することができる。

0016

請求項4に係る発明の検出用培地では、腸管出血性大腸菌を検索することができる。

図面の簡単な説明

0017

この発明の実施形態の1例を示し、シャーレ内に作成された溶血素産生細菌の検出用培地の縦断面図である。
図1に示した溶血素産生細菌の検出用培地に植菌している様子を示す縦断面図である。
図1に示した検出用培地を用いて溶血素産生細菌を培養し溶血が起こっている状態を示す縦断面図である。
図1に示した検出用培地を用いて溶血素産生細菌を培養し溶血が起こっている状態を示す、シャーレの底面側から見た図である。
この発明の別の実施形態を示し、シャーレ内に作成された溶血素産生細菌の検出用培地の縦断面図である。
図5に示した溶血素産生細菌の検出用培地に植菌している様子を示す縦断面図である。
図5に示した検出用培地を用いて溶血素産生細菌を培養し溶血が起こっている状態を示す縦断面図である。
図5に示した検出用培地を用いて溶血素産生細菌を培養し溶血が起こっている状態を示す、シャーレの底面側から見た図である。

実施例

0018

以下、この発明の最良の実施形態について説明する。
図1は、この発明の実施形態の1例を示し、溶血素産生細菌の検出用培地をシャーレ内に作成した平板培地の縦断面図である。

0019

この検出用培地10は、蓋12を有するシャーレ14内に、赤血球が添加された寒天培地と赤血球が添加されていない寒天培地とを順番に分注し冷却固化して形成されている。すなわち、この検出用培地10は、血液寒天培地からなる下層16と赤血球を含まない寒天培地からなる上層18とを重層し平板培地にして形成されている。

0020

上層18をなす寒天培地としては、細菌の培養に一般的に使用されている組成の寒天培地を使用すればよく、対象となる菌の特性や検査目的等により適当な組成の寒天培地を使用すればよい。例えば、ペプトン塩化ナトリウムおよび寒天を組成成分とする寒天培地、肉エキス、ペプトン、塩化ナトリウムおよび寒天を組成成分とする寒天培地(普通寒天培地)などが使用される。また、それらの基礎寒天培地に、必要により溶性デンプン酵母エキストリプトース、ビタミン類等の公知の添加成分を含有させることができる。

0021

下層16をなす血液寒天培地は、上記したような組成の寒天培地に新鮮な赤血球液を加えて調製される。赤血球としては羊赤血球、馬赤血球、兎赤血球などが使用される。赤血球液は、無菌保存血液または脱繊維素血液(採血直後に繊維素を除いたもの)を遠心分離処理し、その赤血球層緩衝液洗浄した後、緩衝液を加えてpH7.2に調整して作製される。血液寒天培地における赤血球の配合割合は、培地に対して例えば1%〜10%とされる。

0022

次に、図1に示した検出用培地10を製造する方法について説明する。
定組成の寒天培地(組成の1例として、ペプトン12.5g、塩化ナトリウム5.0g、塩化カルシウム1.45g、寒天15g、水1,000ml)を作成しオートクレーブで滅菌した後、50℃ぐらいの温度に冷まし、寒天が固まる前に新鮮な赤血球液、例えば羊洗浄血球液を50ml加え、泡立てないように培地成分と羊洗浄血球液とを良く混合してから、血液寒天培地をシャーレ内に分注して冷却し平板に固める。このとき、例えば直径9cmのシャーレを用いるとすると、そのシャーレ内に9ml〜10mlの血液寒天を分注して1.5mm程度の厚みの平板培地とする。続いて、上記組成の寒天培地(羊洗浄血球液を含まない)を作成しオートクレーブで滅菌した後、適当な温度に冷ましてから、液状の寒天培地をシャーレ内に分注して、固化した血液寒天平板培地上に注ぎ入れ、冷却し平板に固める。このときの分注量は、例えば9ml〜10mlとし、これにより、1.5mm程度の厚みの寒天平板培地が形成され、図1に示したように、血液寒天培地からなる赤色の下層16と赤血球を含まない寒天培地からなる無色透明の上層18とが重層された検出用培地10が得られる。

0023

図1に示した検出用培地10を用いて溶血素産生細菌、例えば腸管出血性大腸菌の検索を行うときは、図2に示すように、患者や環境などから採取した試料から釣菌した白金耳20を、上層18をなす寒天培地に垂直に突き入れ、下層16をなす血液寒天培地の底面まで穿刺して細菌を接種する。そして、常法により、例えば37℃の温度で18時間〜24時間培養する。図3に縦断面図を、図4にシャーレの底面側から見た図を示すように、細菌が増殖してコロニー22を形成し、細菌が溶血素を産生すると、その溶血素が下層16をなす血液寒天培地の平面方向および厚み方向に拡散して溶血が起こる。溶血が下層16の血液寒天培地の厚み方向の全体に及ぶと、例えばエンテロヘモリジン溶血が起こった場合には血液寒天培地の赤色が部分的に抜けてコロニー22の周辺に無色透明の溶血帯24が形成される。この溶血帯24の形成は、シャーレ14の底面側から見ることにより正しく確認することができる。

0024

図5は、この発明の別の実施形態を示し、溶血素産生細菌の検出用培地をシャーレ内に作成した平板培地の縦断面図である。

0025

この検出用培地26は、蓋28を有するシャーレ30内に、赤血球を含まない寒天培地からなる下層32と血液寒天培地からなる上層34とを重層し平板培地にして形成されている。寒天培地および血液寒天培地の各組成、血液寒天培地の調製方法、使用される赤血球液やその配合割合等は、図1に示した検出用培地10と同様である。

0026

図5に示した検出用培地26を製造する方法について説明すると、まず、所定組成の寒天培地(組成の1例として、ペプトン12.5g、塩化ナトリウム5.0g、塩化カルシウム1.45g、寒天15g、水1,000ml)を作成しオートクレーブで滅菌した後、適当な温度に冷ましてから、液状の寒天培地をシャーレ内に分注して冷却し平板に固める。このとき、例えば直径9cmのシャーレを用いるとすると、そのシャーレ内に9ml〜10mlの血液寒天を分注して1.5mm程度の厚みの平板培地とする。続いて、上記組成の寒天培地を作成しオートクレーブで滅菌した後、50℃ぐらいの温度に冷まし、寒天が固まる前に新鮮な赤血球液、例えば羊洗浄血球液を50ml加え、泡立てないように培地成分と羊洗浄血球液とを良く混合してから、血液寒天培地をシャーレ内に分注して、固化した寒天平板培地上に注ぎ入れ、冷却し平板に固める。このときの分注量は、例えば9ml〜10mlとし、これにより、1.5mm程度の厚みの血液寒天平板培地が形成され、図5に示したように、赤血球を含まない寒天培地からなる無色透明の下層32と血液寒天培地からなる赤色の上層34とが重層された検出用培地26が得られる。

0027

図5に示した検出用培地26を用いて腸管出血性大腸菌等の溶血素産生細菌の検索を行うときは、図6に示すように、白金耳20により細菌を、上層34をなす血液寒天培地上に画線塗沫して接種する。そして、常法により、例えば37℃の温度で18時間〜24時間培養する。図7に縦断面図を、図8にシャーレの底面側から見た図を示すように、細菌が増殖してコロニー36を形成し、細菌が溶血素を産生すると、その溶血素が上層34をなす血液寒天培地の平面方向および厚み方向に拡散して溶血が起こる。溶血が上層34の血液寒天培地の厚み方向の全体に及ぶと、例えばエンテロヘモリジン溶血が起こった場合には血液寒天培地の赤色が部分的に抜けてコロニー36の周辺に無色透明の溶血帯38が形成される。この溶血帯38の形成は、シャーレ30の底面側(あるいは上面側)から見ることにより正しく確認することができる。

0028

この発明は、溶血を起こす腸管出血性大腸菌等の細菌の検査を行う医療機関臨床検査機関などの事業所に提供される溶血素産生細菌の検出用培地を製造する場合に利用される。

0029

10、26溶血素産生細菌の検出用培地
12、28シャーレの蓋
14、30 シャーレ
16血液寒天培地からなる下層
18赤血球を含まない寒天培地からなる上層
20白金耳
22、36 細菌のコロニー
24、38溶血帯
32 赤血球を含まない寒天培地からなる下層
34 血液寒天培地からなる上層

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