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技術 制御システム、制御装置および制御方法

出願人 ソニー株式会社
発明者 石橋義人澤田淳一鎌田塁
出願日 2011年11月2日 (9年0ヶ月経過) 出願番号 2011-241136
公開日 2013年5月20日 (7年6ヶ月経過) 公開番号 2013-099156
状態 特許登録済
技術分野 電池等の充放電回路
主要キーワード V曲線 OFF信号線 各電子スイッチ プログラム端子 ディスチャージャー フィードバック調整 入力電源回路 最大動作点
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

自然エネルギーを利用する発電装置から取りされる電力を向上させる。

解決手段

制御システムは、第1の装置と、第2の装置とを備える。第1の装置は、発電部からの入力電圧の変動に応じて、あらかじめ定められた範囲の電圧となるように出力電圧を調整する。第2の装置は、第1の装置から供給される入力電圧の変動に応じて、バッテリに対する充電レートを変化させる。第1の装置からの出力電圧が下限に近づいている状態があらかじめ設定された時間より長く継続したときに、発電部からの入力電流があらかじめ設定された区分のいずれに属するかに応じて、下限の値として、2以上用意された下限値うちの1つが選択される。

概要

背景

近年、発電時に大気汚染物質の放出のない、いわゆる自然エネルギークリーンエネルギーとも呼ばれる。)が注目されている。

自然エネルギーの例としては、太陽光発電太陽熱発電風力発電などにより得られる電力が挙げられる。また、太陽光発電などと比較すると小さな電力ではあるが、人の活動により生じる運動エネルギーから電気エネルギーを取りだす試みも盛んに行われている。

ところで、太陽電池には、接続された負荷の必要としている消費電力により、太陽電池から取りだされる電圧電流がきまるという特徴がある。例えば、太陽電池を使用して蓄電池充電しようとすると、太陽電池から取りだされる電流が、蓄電池の必要としている電圧によってきまってしまう。

そのため、接続された負荷の受けいれる電力が不適切であると、太陽電池により得られる発電電力損失が生じてしまう。接続された負荷の必要としている消費電によって取りだされる電圧と電流がきまるため、得られる発電電力が一定とならないという特徴は、風力を利用した発電装置にも共通する。

また、例えば、太陽光発電の場合、太陽電池に対する照度の変化や温度の変化などにより、得られる発電電力が急激に変動することもある。

そこで、太陽電池から効率よく電力を安定して取りだすために、太陽電池と負荷との間に、最大電力点追尾(Maximum Power Point Tracking(MPPT))制御の機能を備えたパワーコンディショナーを介在させることが一般的である。MPPT制御とは、太陽電池から取りだされる電流と電圧との積が最大となる電圧値を計算により逐次求め、太陽電池により得られる発電電力が最大となるように、太陽電池の端子電圧を変化させる制御である。

太陽電池から効率よく電力を取りだす点においてMPPT制御は優れているが、計算に乗算が含まれるために計算の負荷も高く、また、計算に時間を要するため、太陽電池に対する照度の急激な変化などに対応しにくい。

そのため、MPPT制御の場合と比較して簡易回路により実現が可能な電圧追従法による制御が適用されることもある。なお、下記の特許文献1には、リチウム電池用充電制御IC(integrated circuit)における、出力電流を制御するためのプログラム端子に対してフィードバックを行うことにより、太陽電池の出力電圧定電圧制御とすることが開示されている。

概要

自然エネルギーを利用する発電装置から取りされる電力を向上させる。制御システムは、第1の装置と、第2の装置とを備える。第1の装置は、発電部からの入力電圧の変動に応じて、あらかじめ定められた範囲の電圧となるように出力電圧を調整する。第2の装置は、第1の装置から供給される入力電圧の変動に応じて、バッテリに対する充電レートを変化させる。第1の装置からの出力電圧が下限に近づいている状態があらかじめ設定された時間より長く継続したときに、発電部からの入力電流があらかじめ設定された区分のいずれに属するかに応じて、下限の値として、2以上用意された下限値うちの1つが選択される。

目的

特開2009−017686号公報






自然エネルギーを利用する分野においては、発電装置から取りされる電力の向上および安定化が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

発電部からの入力電圧の変動に応じて、あらかじめ定められた範囲の電圧となるように出力電圧を調整する第1の装置と、前記第1の装置から供給される入力電圧の変動に応じて、バッテリに対する充電レートを変化させる第2の装置とを備え、前記第1の装置からの出力電圧が前記下限に近づいている状態があらかじめ設定された時間より長く継続したときに、前記発電部からの入力電流があらかじめ設定された区分のいずれに属するかに応じて、前記下限の値として、2以上用意された下限値うちの1つが選択される制御システム

請求項2

前記区分が、MPPT制御を行ったと仮定したときの動作点と、前記第1の装置による出力電圧の調整および前記第2の装置による充電レートの変化の連動による制御が行われたときの動作点との間の乖離の大きさに応じて設定される請求項1に記載の制御システム。

請求項3

前記発電部に関する、同一の電圧−電流特性曲線上において、MPPT制御を行ったと仮定したときの動作点の電圧値が、前記第1の装置による出力電圧の調整および前記第2の装置による充電レートの変化の連動による制御が行われたときの動作点の電圧値より大なるときに、前記下限が引き上げられる請求項1に記載の制御システム。

請求項4

前記発電部に関する、同一の電圧−電流特性曲線上において、MPPT制御を行ったと仮定したときの動作点の電圧値が、前記第1の装置による出力電圧の調整および前記第2の装置による充電レートの変化の連動による制御が行われたときの動作点の電圧値より小なるときに、前記下限が引き下げられる請求項1に記載の制御システム。

請求項5

前記あらかじめ設定された時間が、1分以上5時間以下である請求項1に記載の制御システム。

請求項6

前記充電レートの変化の有無が、前記発電部からの入力電圧と、あらかじめ設定されたしきい値との比較により判断される請求項1に記載の制御システム。

請求項7

発電部からの入力電圧の変動に応じて、あらかじめ定められた範囲の電圧となるように出力電圧を調整するとともに、前記出力電圧が前記あらかじめ定められた範囲の下限に近づいている状態が、あらかじめ設定された時間より長く継続したときに、前記発電部からの入力電流があらかじめ設定された区分のいずれに属するかに応じて、前記下限の値として、2以上用意された下限値うちの1つを選択する制御装置

請求項8

発電部からの入力電圧の変動に応じて、あらかじめ定められた範囲の電圧となるように第1の装置からの出力電圧を調整させ、前記第1の装置から第2の装置に供給される入力電圧の変動に応じて、バッテリに対する充電レートを変化させ、前記第1の装置からの出力電圧が前記下限に近づいている状態があらかじめ設定された時間より長く継続したときに、前記発電部からの入力電流があらかじめ設定された区分のいずれに属するかに応じて、前記下限の値として、2以上用意された下限値うちの1つを選択させる制御方法

技術分野

0001

本開示は、制御システム制御装置および制御方法に関する。本開示は、特に、太陽電池などの、端子電圧に変動のある発電装置から電力を効率よく取りだすための制御システム、制御装置および制御方法に関する。

背景技術

0002

近年、発電時に大気汚染物質の放出のない、いわゆる自然エネルギークリーンエネルギーとも呼ばれる。)が注目されている。

0003

自然エネルギーの例としては、太陽光発電太陽熱発電風力発電などにより得られる電力が挙げられる。また、太陽光発電などと比較すると小さな電力ではあるが、人の活動により生じる運動エネルギーから電気エネルギーを取りだす試みも盛んに行われている。

0004

ところで、太陽電池には、接続された負荷の必要としている消費電力により、太陽電池から取りだされる電圧電流がきまるという特徴がある。例えば、太陽電池を使用して蓄電池充電しようとすると、太陽電池から取りだされる電流が、蓄電池の必要としている電圧によってきまってしまう。

0005

そのため、接続された負荷の受けいれる電力が不適切であると、太陽電池により得られる発電電力損失が生じてしまう。接続された負荷の必要としている消費電によって取りだされる電圧と電流がきまるため、得られる発電電力が一定とならないという特徴は、風力を利用した発電装置にも共通する。

0006

また、例えば、太陽光発電の場合、太陽電池に対する照度の変化や温度の変化などにより、得られる発電電力が急激に変動することもある。

0007

そこで、太陽電池から効率よく電力を安定して取りだすために、太陽電池と負荷との間に、最大電力点追尾(Maximum Power Point Tracking(MPPT))制御の機能を備えたパワーコンディショナーを介在させることが一般的である。MPPT制御とは、太陽電池から取りだされる電流と電圧との積が最大となる電圧値を計算により逐次求め、太陽電池により得られる発電電力が最大となるように、太陽電池の端子電圧を変化させる制御である。

0008

太陽電池から効率よく電力を取りだす点においてMPPT制御は優れているが、計算に乗算が含まれるために計算の負荷も高く、また、計算に時間を要するため、太陽電池に対する照度の急激な変化などに対応しにくい。

0009

そのため、MPPT制御の場合と比較して簡易回路により実現が可能な電圧追従法による制御が適用されることもある。なお、下記の特許文献1には、リチウム電池用充電制御IC(integrated circuit)における、出力電流を制御するためのプログラム端子に対してフィードバックを行うことにより、太陽電池の出力電圧定電圧制御とすることが開示されている。

先行技術

0010

特開2009−017686号公報

発明が解決しようとする課題

0011

自然エネルギーを利用する分野においては、発電装置から取りされる電力の向上および安定化が望まれている。

課題を解決するための手段

0012

本開示の第1の好ましい実施態様は、
制御システムが、第1の装置と、第2の装置とを備える。
第1の装置は、発電部からの入力電圧の変動に応じて、あらかじめ定められた範囲の電圧となるように出力電圧を調整する。
第2の装置は、第1の装置から供給される入力電圧の変動に応じて、バッテリに対する充電レートを変化させる。
第1の装置からの出力電圧が下限に近づいている状態があらかじめ設定された時間より長く継続したときに、発電部からの入力電流があらかじめ設定された区分のいずれに属するかに応じて、下限の値として、2以上用意された下限値うちの1つが選択される。

0013

本開示の第2の好ましい実施態様は、
制御装置が、発電部からの入力電圧の変動に応じて、あらかじめ定められた範囲の電圧となるように出力電圧を調整するとともに、
出力電圧があらかじめ定められた範囲の下限に近づいている状態が、あらかじめ設定された時間より長く継続したときに、発電部からの入力電流があらかじめ設定された区分のいずれに属するかに応じて、下限の値として、2以上用意された下限値うちの1つを選択する。

0014

本開示の第3の好ましい実施態様は、
発電部からの入力電圧の変動に応じて、あらかじめ定められた範囲の電圧となるように第1の装置からの出力電圧を調整させ、
第1の装置から第2の装置に供給される入力電圧の変動に応じて、バッテリに対する充電レートを変化させ、
第1の装置からの出力電圧が下限に近づいている状態があらかじめ設定された時間より長く継続したときに、発電部からの入力電流があらかじめ設定された区分のいずれに属するかに応じて、下限の値として、2以上用意された下限値うちの1つを選択させる制御方法である。

発明の効果

0015

少なくとも1つの実施例によれば、発電装置から効率よく電力を安定して取りだすことができる。

図面の簡単な説明

0016

図1は、システムの構成例を示すブロック図である。
図2は、コントロールユニットの構成例を示すブロック図である。
図3は、コントロールユニットの電源系統の構成例を示すブロック図である。
図4は、コントロールユニットにおける高圧入力電源回路の具体的な構成の一例を示す。
図5は、バッテリユニットの構成例を示すブロック図である。
図6は、バッテリユニットの電源系統の構成例を示すブロック図である。
図7は、バッテリユニットにおけるチャージャー回路の具体的な構成の一例を示す。
図8Aは、太陽電池の電圧−電流特性を示すグラフである。図8Bは、ある曲線により太陽電池の電圧−電流特性が表される場合における、太陽電池の端子電圧と太陽電池の発電電力との関係を表したグラフ(P−V曲線)である。
図9Aは、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線の変化に対する動作点の変化を説明するための図である。図9Bは、コントロールユニットおよび複数のバッテリユニットにより協調制御を行う制御システムの構成例を示すブロック図である。
図10Aは、太陽電池に対する照度が減少した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化を説明するための図である。図10Bは、太陽電池からみた負荷が増加した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化を説明するための図である。
図11Aは、太陽電池に対する照度と太陽電池からみた負荷との両方が変化した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化を説明するための図である。図11Bは、MPPT制御が実行されているときの動作点と、協調制御による充電レートの調整が実行されているときの動作点とを比較して説明するための図である。
図12Aは、本開示における電力制御装置の構成例を示すブロック図である。図12Bは、協調制御による充電レートの調整が実行されているか否かの判断方法の一例を説明するための図である。
図13は、本開示の制御の一例を説明するためのフローチャートである。
図14は、本開示の制御の一例を説明するためのフローチャートである。
図15は、本開示の制御の一例を説明するためのフローチャートである。
図16は、本開示の制御の一例を説明するためのフローチャートである。

実施例

0017

以下、本開示の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
<1.一実施形態>
<2.変形例>
なお、以下に説明する実施形態および変形例は、本開示の好適な具体例であり、これらの実施形態および変形例に限定されないものとする。

0018

<1.一実施形態>
「システムの構成」
図1は、本開示における制御システムの構成の一例を示す。制御システムは、1または複数のコントロールユニットCUと、1または複数のバッテリユニットBUとから構成される。図1に例示する制御システム1は、1のコントロールユニットCUと、3個のバッテリユニットBUa、BUb、BUcとから構成される。以下の説明において、個々のバッテリユニットを区別する必要がないときは、バッテリユニットBUと適宜称する。

0019

制御システム1では、複数のバッテリユニットBUを独立して制御することが可能とされている。さらに、複数のバッテリユニットBUはそれぞれ独立して、制御システム1に接続できる。例えば、バッテリユニットBUaおよびバッテリユニットBUbが制御システム1に接続された状態で、新たにバッテリユニットBUcを制御システム1に接続することができる。バッテリユニットBUa〜バッテリユニットBUcが制御システム1に接続された状態で、バッテリユニットBUbのみを制御システム1から離脱することができる。

0020

コントロールユニットCUとそれぞれのバッテリユニットBUとが、電力ラインによって接続されている。電力ラインは、例えば、コントロールユニットCUからバッテリユニットBUに電力が伝送される電力ラインL1と、バッテリユニットBUからコントロールユニットCUに電力が伝送される電力ラインL2とからなる。コントロールユニットCUとそれぞれのバッテリユニットBUとの間で、信号ラインSLを介した双方向の通信がなされる。通信は、例えば、SMBus(System Management Bus)やUART(Universal asynchronous Receiver-Transmitter)などの仕様に準じた通信がなされる。

0021

信号ラインSLは、1または複数のラインによって構成され、用途に応じて、使用されるラインが定義されている。信号ラインSLは共通化されており、信号ラインSLに対して各バッテリユニットBUが接続される。各バッテリユニットBUは、信号ラインSLを介して伝送される制御信号ヘッダ部を分析して、自己に対する制御信号か否かを判別する。制御信号のレベル等を適宜、設定することで、バッテリユニットBUに対するコマンドを伝送できる。バッテリユニットBUからコントロールユニットCUに対する応答は他のバッテリユニットBUにも伝送されるが、他のバッテリユニットBUは、応答が伝送されることに応じた動作をすることはない。なお、この例では、電力の伝送および通信が有線により行われるものとして説明するが、無線によって行われるようにしてもよい。

0022

「コントロールユニットの構成の概要
コントロールユニットCUは、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12を含む構成とされる。コントロールユニットCUは、1または複数の第1の装置を有する。この例では、コントロールユニットCUは、2個の第1の装置を有し、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12がそれぞれ第1の装置に対応している。なお、高圧および低圧という表現を使用しているが、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12に入力される電圧が同じ入力範囲でもかまわない。高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12が受け入れることができる電圧の入力範囲が重複しても一向に構わない。

0023

高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12に、環境に応じて発電する発電部によって生成された電圧が供給される。例えば、発電部は、太陽光や風力によって発電する装置である。一方で、この発電部は、自然環境に応じて発電する装置に限られない。例えば、発電部が人力によって発電する装置として構成されてもよい。このように、発電エネルギーが環境や状況に応じて変動する発電装置を想定しているが、変動しない物も受けいれることが可能である。そのため、図示しているように、AC電力の入力も行われるようになっている。なお、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12には、同一の発電部または異なる発電部から電圧が供給される。そして、発電部によって生成される電圧が第1の電圧の一例とされる。

0024

高圧入力電源回路11には、例えば、太陽光発電によって生成された75V(ボルト)〜100V程度のDC(Direct Current)電圧(V10)が供給される。高圧入力電源回路11に、100V〜250V程度のAC(Alternating Current)電圧が供給されてもよい。高圧入力電源回路11は、太陽光発電から供給される電圧V10の変動に応じて第2の電圧を生成する。例えば、電圧V10が、高圧入力電源回路11によって降圧されることで第2の電圧が生成される。第2の電圧は、例えば、45〜48Vの範囲内のDC電圧である。

0025

高圧入力電源回路11は、電圧V10が75Vのときは、電圧V10を45Vに変換する。電圧V10が100Vのときは、電圧V10を48Vに変換する。電圧V10が75Vから100Vの範囲を変化するのに応じて、高圧入力電源回路11は、45Vから48Vの範囲で略リニアに変化させて、第2の電圧を生成する。高圧入力電源回路11は、生成した第2の電圧を出力する。なお、変化率をリニアにせず、各種フィードバック回路を用いて、その出力をそのまま利用するようにしてもよい。

0026

低圧入力電源回路12には、例えば、風力発電や人力によって生成された10V〜40V程度の範囲のDC電圧(V11)が供給される。低圧入力電源回路12は、高圧入力電源回路11と同様に、電圧V11の変動に応じて第2の電圧を生成する。低圧入力電源回路12は、電圧V11が10V〜40Vの範囲を変化することにともなって、電圧V11を、例えば、45V〜48Vの範囲のDC電圧に昇圧する。昇圧されたDC電圧が低圧入力電源回路12から出力される。

0027

高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12からの出力電圧の両方もしくは一方が、バッテリユニットBUに供給される。図では、バッテリユニットBUに供給されるDC電圧がV12として示されている。上述したように、電圧V12は、例えば、45〜48Vの範囲のDC電圧である。電圧V12によって、複数のバッテリユニットBUのうち全部または一部が充電される。なお、放電しているバッテリユニットBUに対しては、充電はなされない。

0028

コントロールユニットCUに対して、パーソナルコンピュータ接続可能とされてもよい。例えば、USB(Universal Serial Bus)によって、コントロールユニットCUとパーソナルコンピュータとが接続される。パーソナルコンピュータを使用して、コントロールユニットCUに対する制御がなされるようにしてもよい。

0029

「バッテリユニットの構成の概要」
第2の装置の一例であるバッテリユニットの構成の概要について説明する。以下、バッテリユニットBUaを例にして説明するが、バッテリユニットBUbおよびバッテリユニットBUcは、特に断わらない限り同一の構成とされる。

0030

バッテリユニットBUaは、チャージャー(充電)回路41aと、ディスチャージャー(放電)回路42aと、バッテリBaとを含む構成とされる。他のバッテリユニットBUも同様に、チャージャー(充電)回路と、ディスチャージャー(放電)回路と、バッテリとを含む構成とされている。以下の説明において、個々のバッテリを区別する必要がないときは、バッテリBと適宜称する。

0031

チャージャー回路41aは、コントロールユニットCUから供給される電圧V12をバッテリBaに適応した電圧に変換する。変換された電圧に基づいて、バッテリBaが充電される。なお、チャージャー回路41aは、電圧V12の変動に応じて、バッテリBaに対する充電レートを変化させる。

0032

バッテリBaから出力された電力がディスチャージャー回路42aに供給される。バッテリBaからは、例えば、12〜55V程度の範囲のDC電圧が出力される。ディスチャージャー回路42aによって、バッテリBaから供給されたDC電圧V13に変換される。電圧V13は、例えば、48VのDC電圧である。電圧V13が、電力ラインL3を介して、ディスチャージャー回路42aからコントロールユニットCUに対して出力される。なお、バッテリBaから出力されたDC電圧が、ディスチャージャー回路42aを介さずに、外部機器に対して直接、供給されるようにしてもよい。

0033

バッテリBは、リチウムイオンバッテリオリビン型リン酸鉄リチウムイオンバッテリ鉛バッテリなどである。各バッテリユニットBUのバッテリBが異なるバッテリでもよい。例えば、バッテリユニットBUaのバッテリBaおよびバッテリユニットBUbのバッテリBbは、リチウムイオンバッテリで構成される。バッテリユニットBUcのバッテリBcは、鉛バッテリで構成される。バッテリBにおけるバッテリセル個数および接続態様は適宜、変更可能である。複数のバッテリセルが直列または並列に接続されてもよい。複数のバッテリセルが直列に接続されたものが並列に接続されるようにしてもよい。

0034

複数のバッテリユニットが放電するときは、負荷が軽い場合には、出力電圧が最も高い電圧が電圧V13として電力ラインL2に供給される。負荷が重くなるにつれて、複数のバッテリユニットからの出力が合成され、合成された出力が電力ラインL2に供給される。電力ラインL2を介して、電圧V13がコントロールユニットCUに供給される。電圧V13がコントロールユニットCUの出力ポートから出力される。コントロールユニットCUに対しては、複数のバッテリユニットBUから分散して電力を供給することができる。このため、個々のバッテリユニットBUの負担を軽減することが可能となる。

0035

例えば、以下のような使用形態が考えられる。バッテリユニットBUaから出力される電圧V13がコントロールユニットCUを介して外部機器に供給される。バッテリユニットBUbに対しては、コントロールユニットCUから電圧V12が供給され、バッテリユニットBUbのバッテリBbが充電される。バッテリユニットBUcは、予備電源として使用される。例えば、バッテリユニットBUaの残容量が低下した際に、使用するバッテリユニットをバッテリユニットBUaからバッテリユニットBUcに切り換える。バッテリユニットBUcから出力された電圧V13が外部機器に供給される。もちろん、上述した使用形態は一例であり、これに限定されることはない。

0036

「コントロールユニットの内部構成」
図2は、コントロールユニットCUの内部構成の一例を示す。上述したように、コントロールユニットCUは、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12を含む構成とされる。高圧入力電源回路11は、AC入力をDC出力に変換するAC−DCコンバータ11aと、電圧V10を45V〜48Vの範囲のDC電圧に降圧するDC−DCコンバータ11bとを含む構成とされる。AC−DCコンバータ11aおよびDC−DCコンバータ11bの方式については、公知のものを適用できる。なお、高圧入力電源回路11にDC電圧のみが供給されるときは、AC−DCコンバータ11aがなくてもよい。

0037

DC−DCコンバータ11bの入力段および出力段のそれぞれに、電圧センサと、電子スイッチと、電流センサとが接続されている。図2および後述する図5では、電圧センサを四角で、電子スイッチを丸で、電流センサを斜線が付された丸で、それぞれ簡略化して示している。DC−DCコンバータ11bの入力段には、電圧センサ11cと、電子スイッチ11dと、電流センサ11eとが接続されている。DC−DCコンバータ11bの出力段には、電流センサ11fと、電子スイッチ11gと、電圧センサ11hとが接続されている。各センサによって得られるセンサ情報が後述するCPU(Central Processing Unit)13に供給される。各電子スイッチオンオフがCPU13によって制御される。

0038

低圧入力電源回路12は、電圧V11を45V〜48Vの範囲のDC電圧に昇圧するDC−DCコンバータ12aを含む構成とされる。低圧入力電源回路12の入力段および出力段のそれぞれに、電圧センサと、電子スイッチと、電流センサとが接続されている。DC−DCコンバータ12aの入力段には、電圧センサ12bと、電子スイッチ12cと、電流センサ12dとが接続されている。DC−DCコンバータ12aの出力段には、電流センサ12eと、電子スイッチ12fと、電圧センサ12gとが接続されている。各センサによって得られるセンサ情報が後述するCPU13に供給される。各スイッチのオン/オフがCPU13よって制御される。

0039

なお、図において、センサから延びる矢印が、センサ情報がCPU13に供給されることを示している。電子スイッチに対する矢印は、電子スイッチに対してCPU13による制御がなされることを示している。

0040

高圧入力電源回路11の出力電圧がダイオードを介して出力される。低圧入力電源回路12の出力電圧がダイオードを介して出力される。高圧入力電源回路11の出力電圧および低圧入力電源回路12の出力電圧が合成され、合成された電圧V12が電力ラインL1を介してバッテリユニットBUに出力される。バッテリユニットBUから供給された電圧V13が、電力ラインL2を介してコントロールユニットCUに供給される。次に、コントロールユニットCUに供給された電圧V13が、電力ラインL3を介して外部機器に供給される。なお、図において、外部機器に供給される電圧を電圧V14として示している。

0041

電力ラインL3がバッテリユニットBUと接続されてもよい。このような構成により、例えば、バッテリユニットBUaから出力された電力が、電力ラインL2を介してコントロールユニットCUに供給される。供給された電力が電力ラインL3を介してバッテリユニットBUbに供給され、バッテリユニットBUbを充電することができる。なお、図示は省略しているが、電力ラインL2を介してコントロールユニットCUに供給された電力が、電力ラインL1に供給されるようにしてもよい。

0042

コントロールユニットCUは、CPU13を含む構成とされる。CPU13は、コントロールユニットCUの各部を制御する。例えば、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12における電子スイッチをオン/オフする。さらに、CPU13は、各バッテリユニットBUに制御信号を供給する。CPU13は、例えば、バッテリユニットBUの電源をオンさせる制御信号や、充電または放電を指示する制御信号を、バッテリユニットBUに供給する。CPU13は、バッテリユニットBU毎に異なる内容の制御信号を出力することができる。

0043

CPU13は、バス14を介してメモリ15、D/A(Digital to Analog)変換部16、A/D(Analog to Digital)変換部17および温度センサ18と接続されている。バス14は、例えば、I2Cバスで構成される。メモリ15は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリにより構成される。D/A変換部16は、各種の処理で使用されるデジタル信号アナログ信号に変換する。

0044

CPU13には、電圧センサや電流センサにより測定されたセンサ情報が入力される。センサ情報は、A/D変換部17によってデジタル信号に変換された後に、CPU13に入力される。温度センサ18は、環境温度を測定する。例えば、コントロールユニットCU内部の温度や、コントロールユニットCUの周囲の温度を測定する。

0045

CPU13が通信機能を有していてもよい。例えば、CPU13とパーソナルコンピュータ(PC)19との間で通信のやり取りがなされてもよい。パーソナルコンピュータに限らず、インターネットなどのネットワークに接続された機器とCPU13との間で通信がなされるようにしてもよい。

0046

「コントロールユニットの電源系統」
図3は、コントロールユニットCUの、主に電源系統に関する構成の一例を示す。高圧入力電源回路11の出力段には、逆流防止用のダイオード20が接続されている。低圧入力電源回路12の出力段には、逆流防止用のダイオード21が接続されている。ダイオード20およびダイオード21により、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12がOR接続される。高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12の出力が合成されてバッテリユニットBUに供給される。実際には、高圧入力電源回路11および低圧入力電源回路12の出力のうち、電圧が高い一方の出力がバッテリユニットBUに供給されるものの、負荷となるバッテリユニットBUの電力消費量に応じて、両方から電力が供給される状況にもなる。

0047

コントロールユニットCUには、ユーザによって操作可能なメインスイッチSW1が設けられている。メインスイッチSW1がオンされることでCPU13に電力が供給され、コントロールユニットCUが起動する。CPU13に、例えば、コントロールユニットCUに内蔵されるバッテリ22から電力が供給される。バッテリ22は、リチウムイオンバッテリなどの充電可能なバッテリである。バッテリ22からのDC電圧がDC−DCコンバータ23によって、CPU13が動作する電圧に変換される。変換された電圧がCPU13の電源電圧として供給される。このように、コントロールユニットCUの起動時には、バッテリ22が使用される。バッテリ22に対する制御は、例えば、CPU13によってなされる。

0048

高圧入力電源回路11や低圧入力電源回路12、あるいはバッテリユニットBUから供給される電力によってバッテリ22を充電することができる。バッテリユニットBUから供給された電力がチャージャー回路24に供給される。チャージャー回路24は、DC−DCコンバータを含む構成とされる。バッテリユニットBUから供給された電圧V13がチャージャー回路24によって所定のレベルのDC電圧に変換される。変換されたDC電圧がバッテリ22に供給される。供給されたDC電圧によってバッテリ22が充電される。

0049

なお、高圧入力電源回路11や低圧入力電源回路12、あるいはバッテリユニットBUから供給される電圧V13によってCPU13が動作するようにしてもよい。バッテリユニットBUから供給された電圧V13がDC−DCコンバータ25によって所定のレベルの電圧に変換される。変換された電圧が、電源電圧としてCPU13に供給され、CPU13が動作する。

0050

コントロールユニットCUが起動した後に、V10およびV11の少なくとも一方が入力されると電圧V12が生成される。電圧V12が、電力ラインL1を介してバッテリユニットBUに供給される。このとき、CPU13は、信号ラインSLを使用してバッテリユニットBUと通信を行う。この通信によって、CPU13は、バッテリユニットBUに対して起動および放電を指示する制御信号を出力する。そして、CPU13は、スイッチSW2をオンする。スイッチSW2は、例えば、FET(Field Effect Transistor)から構成される。IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)によって構成されてもよい。スイッチSW2がオンされることで、バッテリユニットBUからコントロールユニットCUに電圧V13が供給される。

0051

スイッチSW2の出力側には、逆流防止用のダイオード26が接続されている。ダイオード26を接続することにより、太陽電池や風力発電などから供給される不安定な電力が、外部機器に直接供給されることを防止できる。そして、外部機器には、バッテリユニットBUから供給される安定した電力を供給できる。もちろん、安全のために、バッテリユニットBUの最終段にもダイオードを設けてもよい。

0052

バッテリユニットBUから供給された電力を外部機器に供給するときは、CPU13は、スイッチSW3をオンする。スイッチSW3がオンされることで、電圧V13に基づく電圧V14が、電力ラインL3を介して外部機器に供給される。なお、電圧V14が他のバッテリユニットBUに供給され、他のバッテリユニットBUのバッテリBが電圧V14によって充電されてもよい。

0053

「高圧入力電源回路の構成例」
図4は、高圧入力電源回路の具体的な構成の一例を示す。図4に示すように、高圧入力電源回路11は、DC−DCコンバータ11bと、後述するフィードフォワード制御系とを備えている。図4では、電圧センサ11c、電子スイッチ11d、電流センサ11e、電流センサ11f、電子スイッチ11gおよび電圧センサ11hならびにダイオード20などの図示を省略している。

0054

低圧入力電源回路12は、DC−DCコンバータ12aが昇圧型のDC−DCコンバータとされること以外は、高圧入力電源回路11の構成とほぼ同様の構成を備えているため、図示および説明を省略する。

0055

DC−DCコンバータ11bは、例えば、スイッチング素子などを含む一次側回路32と、トランス33と、整流素子などを含む二次側回路34とから構成される。図4に例示するDC−DCコンバータ11bは、電流共振型コンバータLL共振コンバータ)である。

0056

フィードフォワード制御系は、オペアンプ35、トランジスタ36、抵抗Rc1、Rc2およびRc3を含み、フィードフォワード制御系の出力は、例えば、DC−DCコンバータ11bの一次側回路32のドライバに備えられた制御用端子に入力される。DC−DCコンバータ11bは、制御用端子に対する入力電圧が一定となるように、高圧入力電源回路11からの出力電圧を調整する。

0057

高圧入力電源回路11がフィードフォワード制御系を備えることにより、高圧入力電源回路11からの出力電圧の値が、あらかじめ設定された範囲内の電圧値となるように調整される。したがって、高圧入力電源回路11を備えるコントロールユニットCUは、例えば、太陽電池などからの入力電圧の変化に応じて出力電圧を変化させる電圧変換装置の機能を有している。

0058

図4に示すように、高圧入力電源回路11からは、コンデンサ31を含むAC−DCコンバータ11a、一次側回路32、トランス33、二次側回路34を介して出力電圧が取り出される。AC−DCコンバータ11aは、コントロールユニットCUの外部からの入力が交流電源であるときに配置される力率補正(Power Factor Correction)回路である。

0059

コントロールユニットCUからの出力は、電力ラインL1により、バッテリユニットBUに送出される。例えば、個々のバッテリユニットBUa、BUb、BUc、・・・は、逆流防止用のダイオードD1、D2、D3、・・・を介して、出力端子Te1、Te2、Te3、・・・にそれぞれ接続される。

0060

以下、高圧入力電源回路11に備えられたフィードフォワード制御系について説明する。

0061

オペアンプ35の非反転入力端子に対しては、高圧入力電源回路11への入力電圧をkc倍(kc:数十〜百分の一程度)した電圧が入力される。一方、オペアンプ35の反転入力端子c1に対しては、あらかじめ定められた一定の電圧Vt0をkc倍した電圧が入力されている。オペアンプ35の反転入力端子c1に対する入力電圧(kc×Vt0)は、例えば、D/A変換部16から印加される。電圧Vt0の値は、例えば、D/A変換部16の内蔵メモリに保持され、必要に応じて、電圧Vt0の値を変更することが可能とされている。電圧Vt0の値が、バス14を介してCPU13に接続されたメモリ15に保持され、これをD/A変換部16に転送するようにしてもよい。

0062

オペアンプ35の出力端子はトランジスタ36のベースに接続されており、トランジスタ36により、オペアンプ35の非反転入力端子に対する入力電圧と反転入力端子に対する入力電圧との差に応じた電圧−電流変換が行われる。

0063

トランジスタ36のエミッタに接続された抵抗Rc2の抵抗値は、抵抗Rc2と並列に接続される抵抗Rc1の抵抗値に対して大とされている。

0064

例えば、高圧入力電源回路11に対する入力電圧が、あらかじめ定められた一定の電圧Vt0よりも十分に高い電圧であったとする。このとき、トランジスタ36はオンであり、抵抗Rc1および抵抗Rc2の合成抵抗の値が抵抗Rc1の抵抗値より小となるため、図4に示すf点の電位グラウンド電位に近づく。

0065

すると、フォトカプラ37を介して接続された、一次側回路32のドライバに備えられた制御用端子に対する入力電圧が低下する。制御用端子に対する入力電圧の低下を検出したDC−DCコンバータ11bは、制御用端子に対する入力電圧が一定となるように、高圧入力電源回路11からの出力電圧を引き上げる。

0066

逆に、例えば、コントロールユニットCUに接続された太陽電池の端子電圧が低下し、高圧入力電源回路11に対する入力電圧が、あらかじめ定められた一定の電圧Vt0に近づいたとする。

0067

高圧入力電源回路11に対する入力電圧が下がってくると、トランジスタ36の状態が、オンからオフの状態に近づく。トランジスタ36の状態がオンからオフの状態に近づくに伴い、抵抗Rc1および抵抗Rc2には電流が流れにくくなり、図4に示すf点の電位が上昇する。

0068

すると、一次側回路32のドライバに備えられた制御用端子に対する入力電圧が一定に保たれなくなるため、DC−DCコンバータ11bは、制御用端子に対する入力電圧が一定となるように、高圧入力電源回路11からの出力電圧を引き下げる。

0069

すなわち、高圧入力電源回路11は、入力電圧があらかじめ定められた一定の電圧Vt0よりも十分に高い電圧である場合には、出力電圧を引き上げる。また、高圧入力電源回路11は、太陽電池の端子電圧が低下して、入力電圧があらかじめ定められた一定の電圧Vt0に近づくと、出力電圧を引き下げる。このように、高圧入力電源回路11を備えるコントロールユニットCUは、入力電圧の大きさに応じて出力電圧を動的に変化させる。

0070

さらに、以下に説明するように、高圧入力電源回路11は、コントロールユニットCUの出力側で必要とされる電圧の変化に対しても出力電圧を動的に変化させる。

0071

例えば、太陽電池の発電中に、コントロールユニットCUに対して電気的に接続されるバッテリユニットBUの数が増加したとする。すなわち、太陽電池の発電中において、太陽電池からみた負荷が増加したとする。

0072

この場合、コントロールユニットCUに対して新たにバッテリユニットBUが電気的に接続されることにより、コントロールユニットCUに接続されている太陽電池の端子電圧が下がることになる。すると、高圧入力電源回路11に対する入力電圧が低下するに伴い、トランジスタ36の状態が、オンからオフの状態に近づくこととなり、高圧入力電源回路11からの出力電圧が引き下げられる。

0073

一方、例えば、太陽電池の発電中に、コントロールユニットCUに対して電気的に接続されたバッテリユニットBUの数が減少したとすると、太陽電池からみた負荷が減少するため、コントロールユニットCUに接続された太陽電池の端子電圧が上昇する。高圧入力電源回路11に対する入力電圧が、あらかじめ定められた一定の電圧Vt0よりも十分に高い電圧になると、一次側回路32のドライバに備えられた制御用端子に対する入力電圧が低下し、高圧入力電源回路11からの出力電圧が引き上げられる。

0074

なお、抵抗Rc1、Rc2およびRc3の抵抗値は、高圧入力電源回路11からの出力電圧の値があらかじめ設定された範囲内の電圧値となるように適宜選択される。すなわち、抵抗Rc1およびRc2の抵抗値により、高圧入力電源回路11からの出力電圧の上限がきめられる。トランジスタ36は、高圧入力電源回路11に対する入力電圧が所定の値を超えているときに、高圧入力電源回路11からの出力電圧の値が、あらかじめ設定された上限の電圧値を超えないようにするために配置されている。

0075

一方、高圧入力電源回路11からの出力電圧の下限は、後述するように、チャージャー回路41aにおけるフィードフォワード制御系のオペアンプの反転入力端子に対する入力電圧によってきめられる。

0076

「バッテリユニットの内部構成」
図5は、バッテリユニットBUの内部構成の一例を示す。ここでは、バッテリユニットBUaを例にして説明する。特に断らない限り、バッテリユニットBUbおよびバッテリユニットBUcは、バッテリユニットBUaと同様の構成とされる。

0077

バッテリユニットBUaは、チャージャー回路41aと、ディスチャージャー回路42aと、バッテリBaとを含む構成とされる。コントロールユニットCUからチャージャー回路41aに対して、電圧V12が供給される。バッテリユニットBUaからの出力である電圧V13が、ディスチャージャー回路42aを介してコントロールユニットCUに供給される。ディスチャージャー回路42aから外部機器に対して、直接、電圧V13が供給されるようにしてもよい。

0078

チャージャー回路41aは、DC−DCコンバータ43aを備える。チャージャー回路41aに入力される電圧V12が、DC−DCコンバータ43aによって所定電圧に変換される。変換された所定電圧がバッテリBaに供給され、バッテリBaが充電される。所定電圧は、バッテリBaの種類等によって異なる。DC−DCコンバータ43aの入力段には、電圧センサ43bと、電子スイッチ43cと、電流センサ43dとが接続されている。DC−DCコンバータ43aの出力段には、電流センサ43eと、電子スイッチ43fと、電圧センサ43gとが接続されている。

0079

ディスチャージャー回路42aは、DC−DCコンバータ44aを備える。バッテリBaからディスチャージャー回路42aに供給されるDC電圧が、DC−DCコンバータ44aによって電圧V13に変換される。変換された電圧V13がディスチャージャー回路42aから出力される。DC−DCコンバータ44aの入力段には、電圧センサ44bと、電子スイッチ44cと、電流センサ44dとが接続されている。DC−DCコンバータ44aの出力段には、電流センサ44eと、電子スイッチ44fと、電圧センサ44gとが接続されている。

0080

バッテリユニットBUaは、CPU45を備える。CPU45は、バッテリユニットBUの各部を制御する。例えば、電子スイッチのオン/オフを制御する。過充電防止機能過電流防止機能などの、バッテリBの安全を確保する処理をCPU45が行うようにしてもよい。CPU45は、バス46に接続されている。バス46は、例えば、I2Cバスである。

0081

バス46には、メモリ47と、A/D変換部48と、温度センサ49とが接続されている。メモリ47は、例えば、EEPROMなどの書き換え可能な不揮発性メモリである。A/D変換部48は、例えば、電圧センサや電流センサによって得られるアナログのセンサ情報をデジタル情報に変換する。A/D変換部48によってデジタル信号へと変換されたセンサ情報がCPU45に供給される。温度センサ49は、バッテリユニットBU内の所定箇所の温度を測定する。温度センサ49は、例えば、CPU45が実装される基板の周囲の温度と、チャージャー回路41aおよびディスチャージャー回路42aの温度と、バッテリBaの温度とを測定する。

0082

「バッテリユニットの電源系統」
図6は、バッテリユニットBUaの、主に電源系統に関する構成の一例を示す。バッテリユニットBUaには、メインスイッチは設けられていない。バッテリBaとCPU45との間には、スイッチSW5およびDC−DCコンバータ39が接続されている。バッテリBaとディスチャージャー回路42aとの間には、スイッチSW6が接続されている。チャージャー回路41aの入力段には、スイッチSW7が接続されている。ディスチャージャー回路42aの出力段には、スイッチSW8が接続されている。それぞれのスイッチSWは、例えば、FETにより構成される。

0083

バッテリユニットBUaは、例えば、コントロールユニットCUからの制御信号によって起動される。コントロールユニットCUから、所定の信号ラインを介して、例えば、ハイレベルの制御信号が常に供給されている。このため、バッテリユニットBUaのポートを所定の信号ラインに接続するだけでハイレベルの制御信号がスイッチSW5に供給され、スイッチSW5がオンされる。スイッチSW5がオンすることで、バッテリユニットBUaが起動する。スイッチSW5がオンすることで、バッテリBaからのDC電圧がDC−DCコンバータ39に供給される。DC−DCコンバータ39によって、CPU45を動作させる電源電圧が生成される。生成された電源電圧がCPU45に供給され、CPU45が動作する。

0084

CPU45は、コントロールユニットCUの指示に応じた制御を実行する。コントロールユニットCUからCPU45に対して、例えば、充電指示の制御信号が供給される。充電指示に応じて、CPU45は、スイッチSW6およびスイッチSW8をオフした後にスイッチSW7をオンする。スイッチSW7がオンされることで、コントロールユニットCUから供給される電圧V12が、チャージャー回路41aに供給される。チャージャー回路41aによって電圧V12が所定電圧に変換され、変換された所定電圧によってバッテリBaが充電される。なお、バッテリBに対する充電方法は、バッテリBの種類に応じて適宜変更することができる。

0085

コントロールユニットCUからCPU45に対して、例えば、放電指示の制御信号が供給される。放電指示に応じて、CPU45は、スイッチSW7をオフし、スイッチSW6およびスイッチSW8をオンする。例えば、スイッチSW6をオンしてから、一定時間後にスイッチSW8をオンする。スイッチSW6がオンされることで、バッテリBaからのDC電圧がディスチャージャー回路42aに供給される。ディスチャージャー回路42aによって、バッテリBaからのDC電圧が電圧V13に変換される。変換された電圧V13が、スイッチSW8を介してコントロールユニットCUに供給される。なお、本例では省略しているが、他のバッテリユニットBUからの出力と衝突しないようにするため、スイッチSW8の後段にダイオードを追加するようにしてもよい。

0086

なお、CPU45の制御によって、ディスチャージャー回路42aのオン/オフを切り換えることができる(図中のCPU45からディスチャージャー回路42aに出ているおON/OFF信号線)。例えば、スイッチSW6の出力側に、図示しないスイッチSW(説明の便宜を考慮して、スイッチSW10と称する)が設けられている。スイッチSW10は、ディスチャージャー回路42aを経由する第1の経路と、ディスチャージャー回路42aを経由しない第2の経路とを切り換えるスイッチである。

0087

ディスチャージャー回路42aをオンするときは、CPU45は、スイッチSW10を第1の経路に接続する。これにより、スイッチSW6からの出力がディスチャージャー回路42aを介してスイッチSW8に供給される。ディスチャージャー回路42aをオフするときは、CPU45は、スイッチSW10を第2の経路に接続する。これにより、スイッチSW6からの出力がディスチャージャー回路42aを介さずに直接、スイッチSW8に供給される。

0088

「チャージャー回路の構成例」
図7は、バッテリユニットにおけるチャージャー回路の具体的な構成の一例を示す。図7に示すように、チャージャー回路41aは、DC−DCコンバータ43aと、後述するフィードフォワード制御系およびフィードバック制御系とを備えている。なお、図7では、電圧センサ43b、電子スイッチ43c、電流センサ43d、電流センサ43e、電子スイッチ43f、電圧センサ43gならびにスイッチSW7などの図示を省略している。

0089

各バッテリユニットBUにおけるチャージャー回路も、図7に示すチャージャー回路41aの構成とほぼ同様の構成を備えている。

0090

DC−DCコンバータ43aは、例えば、トランジスタ51、コイル52、制御用IC(IntegratedCircuit)53などから構成される。トランジスタ51は、制御用IC53により制御される。

0091

フィードフォワード制御系は、高圧入力電源回路11と同様に、オペアンプ55、トランジスタ56、抵抗Rb1、Rb2およびRb3を含む。フィードフォワード制御系の出力は、例えば、DC−DCコンバータ43aの制御用IC53に備えられた制御用端子に入力される。DC−DCコンバータ43a中の制御用IC53は、制御用端子に対する入力電圧が一定となるように、チャージャー回路41aからの出力電圧を調整する。

0092

すなわち、チャージャー回路41aに備えられたフィードフォワード制御系は、高圧入力電源回路11に備えられたフィードフォワード制御系と同様に作用する。

0093

チャージャー回路41aがフィードフォワード制御系を備えることにより、チャージャー回路41aからの出力電圧の値が、あらかじめ設定された範囲内の電圧値となるように調整される。チャージャー回路からの出力電圧の値が、あらかじめ設定された範囲内の電圧値に調整されることにより、コントロールユニットCUに電気的に接続された各バッテリBに対する充電電流が、高圧入力電源回路11からの入力電圧の変化に応じて調整される。したがって、チャージャー回路を備えるバッテリユニットBUは、各バッテリBに対する充電レートを変化させる充電装置の機能を有している。

0094

コントロールユニットCUに電気的に接続された各バッテリBに対する充電レートが変化させられることにより、各バッテリユニットBUのチャージャー回路に対する入力電圧の値(高圧入力電源回路11または低圧入力電源回路12からの出力電圧の値といってもよい。)が、あらかじめ設定された範囲内の電圧値となるように調整される。

0095

チャージャー回路41aへの入力は、例えば、上述したコントロールユニットCUの高圧入力電源回路11または低圧入力電源回路12からの出力である。したがって、例えば、図4に示す端子Te1、Te2、Te3、・・・のいずれかと、チャージャー回路41aの入力端子とが接続されている。

0096

図7に示すように、チャージャー回路41aからは、DC−DCコンバータ43a、電流センサ54、フィルタ55を介して出力電圧が取り出される。チャージャー回路41aの端子Tb1には、バッテリBaが接続される。すなわち、チャージャー回路41aからの出力は、バッテリBaに対する入力となる。

0097

後述するように、各チャージャー回路からの出力電圧の値は、各チャージャー回路に接続されるバッテリの種類に応じて、あらかじめ設定された範囲内の電圧値となるように調整されている。各チャージャー回路からの出力電圧の範囲は、抵抗Rb1、Rb2およびRb3の抵抗値が適宜選択されることにより調整される。

0098

このように、各チャージャー回路からの出力電圧の範囲が、チャージャー回路に接続されるバッテリの種類に応じて個別にきめられるため、バッテリユニットBUに備えられるバッテリBの種類は特に限定されない。各チャージャー回路内の抵抗Rb1、Rb2およびRb3の抵抗値を、接続されるバッテリBの種類に応じて適宜選択すればよいからである。

0099

なお、図7ではフィードフォワード制御系の出力が制御用IC53の制御用端子に入力される構成を例示したが、バッテリユニットBUのCPU45が、制御用IC53の制御用端子に入力を与えるようにしてもよい。例えば、バッテリユニットBUのCPU45が、信号ラインSLを介してバッテリユニットBUに対する入力電圧に関する情報をコントロールユニットCUのCPU13から取得するようにしてもよい。コントロールユニットCUのCPU13は、電圧センサ11hや電圧センサ12gなどの測定結果から、バッテリユニットBUに対する入力電圧に関する情報を取得することが可能である。

0100

以下、チャージャー回路41aに備えられたフィードフォワード制御系について説明する。

0101

オペアンプ55の非反転入力端子に対する入力は、チャージャー回路41aへの入力電圧をkb倍(kb:数十〜百分の一程度)した電圧とされる。一方、オペアンプ55の反転入力端子b1に対する入力は、高圧入力電源回路11または低圧入力電源回路12からの出力電圧の下限として設定しようとする電圧Vbをkb倍した電圧である。オペアンプ55の反転入力端子b1に対する入力電圧(kb×Vb)は、例えば、CPU45から印加される。

0102

したがって、チャージャー回路41aに備えられたフィードフォワード制御系は、チャージャー回路41aに対する入力電圧が、あらかじめ定められた一定の電圧Vbよりも十分に高い電圧である場合に、チャージャー回路41aからの出力電圧を引き上げる。また、チャージャー回路41aに対する入力電圧が、あらかじめ定められた一定の電圧Vbに近づくと、フィードフォワード制御系は、チャージャー回路41aからの出力電圧を引き下げる。

0103

トランジスタ56は、図4に示すトランジスタ36と同様に、チャージャー回路41aに対する入力電圧が所定の値を超えているときに、チャージャー回路41aからの出力電圧の値が、あらかじめ設定された上限を超えないようにするために配置されている。なお、チャージャー回路41aからの出力電圧の値の範囲は、抵抗Rb1、Rb2およびRb3の抵抗値の組み合わせによってきまる。そのため、抵抗Rb1、Rb2およびRb3の抵抗値は、各チャージャー回路に接続されるバッテリBの種類に応じて調整される。

0104

また、チャージャー回路41aは、上述したように、フィードバック制御系をも備えている。フィードバック制御系は、例えば、電流センサ54、オペアンプ57およびトランジスタ58などから構成される。

0105

バッテリBaに供給される電流量があらかじめ設定された規定値を超えると、フィードバック制御系により、チャージャー回路41aからの出力電圧が引き下げられ、バッテリBaに供給される電流量が制限される。フィードバック制御系による、バッテリBaに供給される電流量の制限の程度は、各チャージャー回路に接続されるバッテリBの定格にあわせてきめられる。

0106

フィードフォワード制御系またはフィードバック制御系により、チャージャー回路41aからの出力電圧が引き下げられると、バッテリBaに供給される電流量が制限されることになる。バッテリBaに供給される電流量が制限されると、結果として、チャージャー回路41aに接続されたバッテリBaに対する充電が減速される。

0107

次に、本開示の実施形態の理解を容易とするため、MPPT制御と、電圧追従法による制御とを例にとり、それぞれの制御方式について説明する。

0108

「MPPT制御」
まず、以下に、MPPT制御の概略について説明を行う。

0109

図8Aは、太陽電池の電圧−電流特性を示すグラフである。図8A中、縦軸は、太陽電池の端子電流を表し、横軸は、太陽電池の端子電圧を表している。図8A中、Iscは、光照射時において、太陽電池の端子間を短絡したときの出力電流を表し、Vocは、光照射時において、太陽電池の端子間を開放したときの出力電圧を表している。IscおよびVocは、それぞれ短絡電流および開放電圧と呼ばれる。

0110

図8Aに示すように、光照射時において、太陽電池の端子電流は、太陽電池の端子間を短絡したときが最大であり、このとき、太陽電池の端子電圧はほぼ0Vである。一方、光照射時において、太陽電池の端子電圧は、太陽電池の端子間を開放したときが最大であり、このとき、太陽電池の端子電流はほぼ0Aである。

0111

いま、太陽電池の電圧−電流特性を示すグラフが、図8Aに示す曲線C1で表されるとする。ここで、太陽電池に対して負荷を接続したとすると、接続される負荷の必要としている消費電力により、太陽電池から取りだされる電圧と電流がきまる。このときの太陽電池の端子電圧および端子電流の組により表される、曲線C1上の点を、太陽電池の動作点という。なお、図8Aは、動作点の位置を模式的に示したものであり、実際の動作点の位置を示すものではない。本開示の他の図における動作点に関しても、同様とする。

0112

太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線上において動作点を変化させると、端子電圧と端子電流との積、すなわち発電電力が最大となる端子電圧Vaおよび端子電流Iaの組が見つかる。太陽電池により得られる電力が最大となる端子電圧Vaおよび端子電流Iaの組により表される点は、太陽電池の最適動作点と呼ばれる。

0113

太陽電池の電圧−電流特性を示すグラフが図8Aに示す曲線C1で表されるとき、太陽電池から得られる最大の電力は、最適動作点を与えるVaとIaとの積により求められる。すなわち、太陽電池の電圧−電流特性を示すグラフが図8Aに示す曲線C1で表されるとき、太陽電池から得られる最大の電力は、図8Aにおいて網掛けで示された領域の面積(Va×Ia)により表される。なお、(Va×Ia)を(Voc×Isc)で割った量がフィルファクタである。

0114

最適動作点は、太陽電池に接続される負荷の必要としている電力により変化し、最適動作点を表す点PAは、太陽電池に接続される負荷の必要としている電力の変化にしたがって曲線C1上を動く。負荷の必要としている電力量が少ない場合、負荷への電流の供給は、最適動作点における端子電流よりも少ない電流で事足りる。そのため、このときの太陽電池の端子電圧の値は、最適動作点における電圧値よりも高い値になる。一方、負荷の必要としている電力量が、最適動作点で供給できる電力量よりも大きい場合には、この時点の照度で提供できる電力を超えているため、太陽電池の端子電圧が0まで低下していくものと考えられる。

0115

図8Aに示す曲線C2およびC3は、例えば、太陽電池に対する照度が変化した場合における、太陽電池の電圧−電流特性を示している。例えば、図8Aに示す曲線C2は、太陽電池に対する照度が増加した場合における電圧−電流特性に対応し、図8Aに示す曲線C3は、太陽電池に対する照度が減少した場合における電圧−電流特性に対応する。

0116

例えば、太陽電池に対する照度が増加し、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C1から曲線C2に変化したとすると、最適動作点も太陽電池に対する照度の増加に伴って変化する。なお、このとき、最適動作点は、曲線C1上の点から曲線C2上の点にうつる。

0117

MPPT制御とは、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線の変化に対して最適動作点を求め、太陽電池から得られる電力が最大となるように、太陽電池の端子電圧(または端子電流)を制御することにほかならない。

0118

図8Bは、ある曲線により太陽電池の電圧−電流特性が表される場合における、太陽電池の端子電圧と太陽電池の発電電力との関係を表したグラフ(P−V曲線)である。

0119

図8Bに示すように、最大動作点を与える端子電圧において、太陽電池の発電電力が最大値Pmaxをとるものとすると、最大動作点を与える端子電圧は、山登り法と呼ばれる手法により求めることができる。以下に説明する一連の手順は、一般的には、太陽電池と、電力系統との間に接続されるパワーコンディショナー(power conditioner)のCPUなどにより実行される。

0120

例えば、まず、太陽電池から入力される電圧の初期値をV0として、このときの発電電力P0が計算される。次に、V1=V0+ε(ここではε>0とする。)として、太陽電池から入力される電圧がεだけ増加させられる。次に、太陽電池から入力される電圧をV1として、このときの発電電力P1が計算される。次に、得られたP0とP1とが比較され、P1>P0である場合には、V2=V1+εとして、太陽電池から入力される電圧がεだけ増加させられる。次に、太陽電池から入力される電圧をV2として、このときの発電電力P2が計算される。次に、得られたP1とP2とが比較され、P2>P1である場合には、V3=V2+εとして、太陽電池から入力される電圧がεだけ増加させられる。次に、太陽電池から入力される電圧をV3として、このときの発電電力P3が計算される。

0121

ここで、P3<P2であったとすると、最大動作点を与える端子電圧は、V2とV3との間にある。このように、εの大きさを調節することにより、任意の精度で最大動作点を与える端子電圧を求めることができる。上述した手順に、二分法(bisection method algorithm)を適用してもよい。なお、太陽電池の光照射面に部分的に影ができたときなど、P−V曲線が2以上のピークを有していると単純な山登り法では対応できないため、制御プログラムに工夫が必要である。

0122

MPPT制御によれば、太陽電池からみた負荷が常に最適になるように端子電圧が調整されるため、それぞれの気象条件下で、太陽電池から最大の電力を取り出すことができる。その一方で、最大動作点を与える端子電圧の計算にアナログ/デジタル変換(A/D変換)が必要とされるほか、計算に乗算が含まれるために、制御に時間を要してしまう。そのため、MPPT制御では、空が急に曇りだして太陽電池に対する照度が急激に変化したときなど、太陽電池に対する照度の急激な変化に対応できないときがある。

0123

「電圧追従法による制御」
ここで、図8Aに示す曲線C1〜C3を比較すると、太陽電池に対する照度の変化(電圧−電流特性を表す曲線の変化といってもよい。)に対して、開放電圧Vocの変化は、短絡電流Iscの変化と比較して小さい。また、いずれの太陽電池もよく似た電圧−電流特性を示し、最大動作点を与える端子電圧は、結晶シリコン太陽電池の場合、開放電圧のおよそ80%の付近にあることが知られている。したがって、太陽電池の端子電圧として適当な電圧値を設定し、太陽電池の端子電圧が、その設定された電圧値となるようにコンバータの出力電流を調整すれば、太陽電池から効率よく電力を取り出せると予想される。このような電流制限による制御は、電圧追従法と呼ばれる。

0124

以下に、電圧追従法による制御の概略を説明する。前提として、太陽電池とパワーコンディショナーとの間にスイッチング素子が配置され、太陽電池とスイッチング素子との間に電圧測定手段が配置されているものとする。また、太陽電池は、光照射がされた状態にあるものとする。

0125

まず、スイッチング素子がオフとされ、スイッチング素子のオフから所定の時間が経過した時に、電圧測定手段により太陽電池の端子電圧が測定される。スイッチング素子のオフから太陽電池の端子電圧の測定までに所定の時間の経過を待つのは、太陽電池の端子電圧が安定するのを待つためである。このときの端子電圧は、開放電圧Vocである。

0126

次に、測定により得られた開放電圧Vocの例えば80%の電圧値が、目標電圧値として計算され、目標電圧値がメモリなどに一時的に保持される。次に、スイッチング素子がオンとされ、パワーコンディショナー内のコンバータへの通電が開始される。このとき、太陽電池の端子電圧が、目標電圧値となるように、コンバータの出力電流が調整される。上述した一連の手順が、任意の時間間隔で実行される。

0127

電圧追従法による制御は、MPPT制御と比較して、太陽電池により得られる電力の損失が大きいが、簡単な回路で実現でき、低コストであるため、コンバータを備えるパワーコンディショナーを、安価なものとできる。

0128

図9Aは、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線の変化に対する動作点の変化を説明するための図である。図9A中、縦軸は、太陽電池の端子電流を表し、横軸は、太陽電池の端子電圧を表している。また、図9A中の白丸は、MPPT制御を行ったときの動作点を表し、図9A中の黒丸は、電圧追従法による制御を行ったときの動作点を表している。

0129

いま、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C5であったとする。次に、太陽電池に対する照度の変化に伴い、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C5からC8に順に変化したとすると、それぞれの制御方式による動作点も太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線の変化に伴って変化する。なお、太陽電池への照度の変化に対する開放電圧Vocの変化が小さいため、図9A中においては、電圧追従法による制御を行ったときの目標電圧値をほぼ一定の値Vsとみなしている。

0130

図9Aからわかるように、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C6である場合には、MPPT制御の動作点と電圧追従法による制御の動作点との間の乖離度合いは小さい。そのため、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C6である場合には、いずれの制御の場合においても、太陽電池により得られる発電電力に大きな違いはないと考えられる。

0131

一方、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C8である場合には、MPPT制御の動作点と電圧追従法による制御の動作点との間の乖離の度合いが大きい。例えば、図9Aに示すように、MPPT制御を適用したときの端子電圧と電圧追従法による制御を適用したときの端子電圧との差△V6および△V8を比較すると、△V6>△V8となっている。そのため、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C8である場合には、MPPT制御を適用したときに太陽電池から得られる発電電力と電圧追従法による制御を適用したときに太陽電池から得られる発電電力との差は大きい。

0132

「コントロールユニットおよびバッテリユニットの協調制御」
次に、コントロールユニットおよびバッテリユニットの協調制御の概略を説明する。以下、コントロールユニットおよびバッテリユニットの協調連動)による制御を、協調制御と適宜称する。

0133

図9Bは、コントロールユニットおよび複数のバッテリユニットにより協調制御を行う制御システムの構成例を示すブロック図である。

0134

図9Bに示すように、例えば、コントロールユニットCUには、チャージャー回路およびバッテリの組を備える1または複数のバッテリユニットBUが接続される。図9Bに示すように、1または複数のバッテリユニットBUは、電力ラインL1に対して並列に接続されている。なお、図9BではコントロールユニットCUが1つの場合を例示したが、制御システムがコントロールユニットCUを複数備える場合も同様に、1または複数のコントロールユニットCUは、電力ラインL1に対して並列に接続される。

0135

一般的には、太陽電池から得られた電力により1台のバッテリの充電を行おうとする場合、太陽電池とバッテリとの間に介在されたパワーコンディショナーにより、上述したMPPT制御または電圧追従法による制御が実行される。該1台のバッテリには、複数のバッテリが内包されて一体として動作する物も含まれるが、該1台のバッテリは、複数のバッテリとはいえ、単一の種類からなることが一般的である。言い換えれば、上述したMPPT制御または電圧追従法による制御は、太陽電池と、1台のバッテリとの間に接続されるパワーコンディショナーの単体で実行されることが想定されている。そして、充電中における、充電の対象となるバッテリの台数、構成(並列、直列等の接続の態様)には変化がなく、充電中における、充電の対象となるバッテリの台数、構成は、一般に固定されている。

0136

一方、協調制御においては、コントロールユニットCUおよび複数のバッテリユニットBUa、BUb、BUc、・・・のそれぞれが、コントロールユニットCUの出力電圧と、複数個のバッテリユニットBUの必要とする電圧とのバランスがとれるように自律的に制御を行う。上述したように、バッテリユニットBUa、BUb、BUc、・・・に内包されるバッテリBは、いずれの種類でもよい。すなわち、本開示によるコントロールユニットCUは、複数種のバッテリBに対する協調制御を行うことが可能とされる。

0137

さらに、図9Bに示す構成例では、個々のバッテリユニットBUの着脱も自在であり、太陽電池の発電中に、コントロールユニットCUに接続されるバッテリユニットBUの数も変化しうる。図9Bに示す構成例では、太陽電池の発電中において、太陽電池からみた負荷も変化しうるが、協調制御によれば、太陽電池に対する照度の変化のみならず、太陽電池の発電中における、太陽電池からみた負荷の変化にも対応が可能である。これは、従来の構成にはなかった大きな特徴の一つである。

0138

上述したコントロールユニットCUとバッテリユニットBUとを接続することにより、コントロールユニットCUからの供給能力に応じて充電レートを動的に変化させる制御システムを構築することが可能となる。以下、協調制御の一例についての説明を行う。なお、以下の説明では、初期の状態において、コントロールユニットCUに対して1のバッテリユニットBUaが接続された制御システムを例にとるが、コントロールユニットCUに対して複数のバッテリユニットBUが接続されている場合も同様である。

0139

例えば、コントロールユニットCUの入力側に太陽電池が、出力側にバッテリモジュールBUaが接続されているとする。また、例えば、太陽電池の出力電圧の上限が100Vであるものとし、太陽電池の出力電圧の下限を75Vに抑えたいとする。すなわち、Vt0=75Vと設定されており、オペアンプ35の反転入力端子に対する入力電圧が、(kc×75)Vであるとする。

0140

また、コントロールユニットCUからの出力電圧の上限および下限が、例えば、48Vおよび45Vにそれぞれ設定されているものとする。すなわち、Vb=45Vと設定されており、オペアンプ55の反転入力端子に対する入力電圧が、(kb×45)Vであるとする。なお、コントロールユニットCUからの出力電圧の上限である48Vという値は、高圧入力電源回路11内の抵抗Rc1およびRc2を適宜選択することにより調整されている。言い換えれば、コントロールユニットCUからの出力の目標電圧値が、48Vに設定されているものとする。

0141

さらに、バッテリユニットBUaのチャージャー回路41aからの出力電圧の上限および下限が、例えば、42Vおよび28Vにそれぞれ設定されているものとする。したがって、チャージャー回路41a内の抵抗Rb1、Rb2およびRb3は、チャージャー回路41aからの出力電圧の上限および下限がそれぞれ42Vおよび28Vとなるように選択されている。

0142

なお、チャージャー回路41aへの入力電圧が上限であるときが、バッテリBaに対する充電レート100%である状態に対応し、入力電圧が下限であるときが、バッテリBaに対する充電レート0%である状態に対応する。すなわち、チャージャー回路41aへの入力電圧が48Vであるときが、バッテリBaに対する充電レートが100%である状態に対応し、チャージャー回路41aへの入力電圧が45Vであるときが、バッテリBaに対する充電レートが0%である状態に対応する。入力電圧が45V〜48Vの範囲で変動することに応じて、充電レートが0〜100%の範囲で設定される。

0143

なお、協調制御とは別に、バッテリへの充電レート制御を平行して行うようにしてもよい。すなわち、充電初期では定電流充電が行われるため、チャージャー回路41aからの出力をフィードバック調整して充電電流を一定以下に保てるように充電電圧を調整し、最終段階では、充電電圧を一定以下に保つようにする。ここで、調整される充電電圧は、上記協調制御で調整された電圧以下とされる。これにより、コントロールユニットCUから供給される電力内で充電処理がなされる。

0144

まず、太陽電池に対する照度が変化した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化について説明を行う。

0145

図10Aは、太陽電池に対する照度が減少した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化を説明するための図である。図10A中、縦軸は、太陽電池の端子電流を表し、横軸は、太陽電池の端子電圧を表している。また、図10A中の白丸は、MPPT制御を行ったときの動作点を表し、図10A中の網掛けがされた丸は、協調制御を行ったときの動作点を表している。図10Aに示す曲線C5〜C8は、太陽電池に対する照度が変化した場合における、太陽電池の電圧−電流特性を示している。

0146

いま、バッテリBaの必要としている電力が100w(ワット)であるものとし、太陽電池の電圧−電流特性が、曲線C5(最も晴れた状態)により表されるとする。このときの太陽電池の動作点は、例えば、曲線C5上のa点により表され、太陽電池から高圧入力電源回路11およびチャージャー回路41aを介してバッテリBaに供給される電力(供給量)が、バッテリBaの必要としている電力(需要量)を上回っているとする。

0147

太陽電池からバッテリBaに供給される電力が、バッテリBaの必要としている電力を上回っている場合、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧(電圧V12)は、上限の48Vとなる。すなわち、バッテリユニットBUaへの入力電圧が上限の48Vであるため、バッテリユニットBUaのチャージャー回路41aからの出力電圧が上限の42Vとされ、バッテリBaに対する充電が、充電レート100%で行われる。なお、余剰分の電力は、例えば、熱などとして捨てられる。なお、バッテリへのチャージを100%で行うよう説明したが、バッテリへのチャージは100%に限定されず、充電レートは、バッテリの特性に応じて適宜調整が可能である。

0148

この状態から空が曇りだすと、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線は、曲線C5から曲線C6へと変化する。空が曇りだすことにより、太陽電池の端子電圧が徐々に低下し、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧も徐々に低下する。したがって、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C5から曲線C6へと変化することに伴い、太陽電池の動作点は、例えば、曲線C6上のb点にうつる。

0149

この状態からさらに空が曇りだすと、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C6から曲線C7へと変化し、太陽電池の端子電圧が徐々に低下することに伴って、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧も低下する。コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧がある程度低下すると、制御システムは、バッテリBaに対して100%の電力を供給できなくなってくる。

0150

ここで、太陽電池の端子電圧が、100Vから、下限であるVt0=75Vに近づいてくると、コントロールユニットCUの高圧入力電源回路11は、バッテリユニットBUaに対する出力電圧を、48VからVb=45Vに向けて引き下げはじめる。

0151

コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧が引き下げられると、バッテリユニットBUaへの入力電圧が低下するため、バッテリユニットBUaのチャージャー回路41aは、バッテリBaに対する出力電圧を引き下げはじめる。チャージャー回路41aからの出力電圧が引き下げられると、バッテリBaに供給される充電電流が減少されることとなり、チャージャー回路41aに接続されたバッテリBaに対する充電が減速される。すなわち、バッテリBaに対する充電レートが引き下げられる。

0152

バッテリBaに対する充電レートが引き下げられると、消費電力が低下することになるため、太陽電池からみた負荷が小さくなる。すると、太陽電池からみた負荷の減少分だけ太陽電池の端子電圧が上昇(回復)する。

0153

太陽電池の端子電圧が上昇すると、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧の引き下げの度合いが減少し、バッテリユニットBUaへの入力電圧が上昇する。バッテリユニットBUaへの入力電圧が上昇することにより、バッテリユニットBUaのチャージャー回路41aは、チャージャー回路41aからの出力電圧を引き上げ、バッテリBaに対する充電レートを引き上げる。

0154

バッテリBaに対する充電レートが引き上げられると、太陽電池からみた負荷が大きくなり、太陽電池からみた負荷の増加分だけ太陽電池の端子電圧が低下する。太陽電池の端子電圧が低下すると、コントロールユニットCUの高圧入力電源回路11は、バッテリユニットBUaに対する出力電圧を引き下げる。

0155

以後、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧が、ある値に収束して電力の需要量と供給量との間のバランスのとれるまで、上述した充電レートの調整が自動的に繰り返される。

0156

協調制御は、MPPT制御とは異なり、ソフトウェアによる制御ではない。そのため、協調制御には、最大動作点を与える端子電圧の計算が不要である。また、協調制御による充電レートの調整においては、CPUによる計算が介在しない。そのため、協調制御は、MPPT制御と比較して消費電力が小さく、上述した充電レートの調整も、数ナノ秒〜数百ナノ秒程度と短時間で実行される。

0157

また、高圧入力電源回路11およびチャージャー回路41aは、自身に対する入力電圧の大きさを検知して出力電圧を調整するだけなので、アナログ/デジタル変換も不要であり、コントロールユニットCUとバッテリユニットBUaとの間の通信も不要である。したがって、協調制御は、複雑な回路を必要とせず、協調制御を実現するための回路は、小さなものとなる。

0158

ここで、曲線C5上の点aにいたときはコントロールユニットCUが100wの電力を供給できていたと仮定し、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧がある値に収束したとする。すなわち、太陽電池の動作点が、例えば、曲線C7上のc点にうつったとする。このとき、バッテリBaに対して供給される電力は100wを下回ることとなるが、図10Aに示すように、電圧Vt0の値の選び方によっては、MPPT制御行った場合と比較しても遜色のない電力をバッテリBaに対して供給することができる。

0159

さらに空が曇りだすと、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線は、曲線C7から曲線C8へと変化し、太陽電池の動作点は、例えば、曲線C8上のd点にうつる。

0160

図10Aに示すように、協調制御のもとでは、電力の需要量と供給量との間のバランスが調整されるので、太陽電池の端子電圧が電圧Vt0を下回ることはない。すなわち、協調制御のもとでは、太陽電池に対する照度が極端に低下した場合であっても、太陽電池の端子電圧が電圧Vt0を下回ることはない。

0161

太陽電池に対する照度が極端に低下した場合、太陽電池の端子電圧が、電圧Vt0に近い値となり、バッテリBaに対して供給される電流量は、ごくわずかなものとなる。したがって、太陽電池に対する照度が極端に低下した場合には、バッテリBaの充電に時間を要することとなるが、制御システムにおける電力の需要量と供給量との間のバランスがとれているため、制御システムがダウンすることはない。

0162

上述したように、協調制御による充電レートの調整は、非常に短時間で実行されるため、協調制御によれば、急に空が曇りだして太陽電池に対する照度が急激に減少した場合であっても、制御システムのダウンを回避することができる。

0163

次に、太陽電池からみた負荷が変化した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化について説明を行う。

0164

図10Bは、太陽電池からみた負荷が増加した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化を説明するための図である。図10B中、縦軸は、太陽電池の端子電流を表し、横軸は、太陽電池の端子電圧を表している。また、図10B中の網掛けがされた丸は、協調制御を行ったときの動作点を表している。

0165

いま、太陽電池に対する照度の変化がないものとし、太陽電池の電圧−電流特性が、図10Bに示す曲線C0により表されるとする。

0166

制御システムの起動の直後においては、制御システム内部の電力消費がほぼないと考えられるため、太陽電池の端子電圧は、開放電圧にほぼ等しいと考えてよい。したがって、制御システムの起動の直後における太陽電池の動作点は、例えば、曲線C0上のe点にあるものと考えてよい。なお、このときのコントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaに対する出力電圧は、上限である48Vと考えてよい。

0167

バッテリユニットBUaに接続されたバッテリBaに対する電力の供給が開始されると、太陽電池の動作点は、例えば、曲線C0上のg点にうつる。なお、本例の説明においては、バッテリBaの必要としている電力が100wであるため、図10Bに網掛けで示す領域S1の面積は、100wに等しい。

0168

太陽電池の動作点が曲線C0上のg点にあるときの制御システムの状態は、太陽電池から高圧入力電源回路11およびチャージャー回路41aを介してバッテリBaに供給される電力が、バッテリBaの必要としている電力を上回っている状態である。したがって、太陽電池の動作点が曲線C0上のg点にあるときの太陽電池の端子電圧、コントロールユニットCUからの出力電圧およびバッテリBaに供給される電圧は、それぞれ100V、48Vおよび42Vである。

0169

ここで、バッテリユニットBUaと同様の構成を備えるバッテリユニットBUbが、コントロールユニットCUに対して新たに接続されたとする。バッテリユニットBUaに接続されているバッテリBaと同様に、バッテリユニットBUbに接続されているバッテリBbが、充電のために100wの電力を必要とするものとすると、消費電力が増加し、太陽電池からみた負荷が急激に大きくなる。

0170

合計で200wの電力を2つのバッテリに供給するためには、例えば、バッテリユニットBUaのチャージャー回路41aおよびバッテリユニットBUbのチャージャー回路41bからの出力電圧を維持させたまま、出力電流の合計を2倍にしなければならない。

0171

ところが、発電装置が太陽電池である場合、チャージャー回路41aおよび41bからの出力電流の増加に伴って太陽電池の端子電圧も低下してしまうため、太陽電池の動作点がg点にあるときと比較して、出力電流の合計を2倍より大きくする必要がある。そうすると、図10Bに示すように、太陽電池の動作点が、例えば、曲線C0上のh点になければならないこととなり、太陽電池の端子電圧が極端に低下してしまう。太陽電池の端子電圧が極端に低下すると、制御システムがダウンするおそれがある。

0172

協調制御では、バッテリユニットBUbが新たに接続されたことにより、太陽電池の端子電圧が低下すると、制御システムにおける電力の需要量と供給量との間のバランスの調整がなされる。具体的には、バッテリBaおよびバッテリBbに供給される電力が合計で例えば150wとなるように、2つのバッテリに対する充電レートが自動的に引き下げられる。

0173

すなわち、バッテリユニットBUbが新たに接続されたことにより、太陽電池の端子電圧が低下すると、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaおよびBUbに対する出力電圧も低下する。太陽電池の端子電圧が、100Vから、下限であるVt0=75Vに近づいてくると、コントロールユニットCUの高圧入力電源回路11は、バッテリユニットBUaおよびBUbに対する出力電圧を、48VからVb=45Vに向けて引き下げはじめる。

0174

コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaおよびBUbに対する出力電圧が引き下げられると、バッテリユニットBUaおよびBUbへの入力電圧が低下する。
すると、バッテリユニットBUaのチャージャー回路41aおよびバッテリユニットBUbのチャージャー回路41bは、バッテリBaおよびBbに対する出力電圧をそれぞれ引き下げはじめる。チャージャー回路からの出力電圧が引き下げられると、チャージャー回路に接続されたバッテリに対する充電が減速される。すなわち、それぞれのバッテリに対する充電レートが引き下げられることになる。

0175

それぞれのバッテリに対する充電レートが引き下げられると、全体として消費電力が低下することになるため、太陽電池からみた負荷が小さくなり、太陽電池からみた負荷の減少分だけ太陽電池の端子電圧が上昇(回復)する。

0176

以後、太陽電池に対する照度が急激に減少した場合と同様にして、コントロールユニットCUからのバッテリユニットBUaおよびBUbに対する出力電圧が、ある値に収束して電力の需要量と供給量との間のバランスのとれるまで、充電レートの調整が行われる。

0177

なお、実際に収束する電圧値がいくつになるかは状況によって異なる。そのため、実際に収束する電圧値ははっきりとはわからないが、太陽電池の端子電圧が下限であるVt0=75Vになると充電がなされなくなるため、下限であるVt0の値よりは若干高い電圧で収束するものと推定される。また、個々のバッテリユニットは連動制御されていないため、個々のバッテリユニットが同じ構成であっても、使用される素子のばらつきにより充電レートは異なっているものと推測される。ただし、結果として全体を協調制御できることに変わりはない。

0178

協調制御による充電レートの調整が非常に短時間で実行されるため、バッテリユニットBUbが新たに接続されると、太陽電池の動作点は、曲線C0上のg点からi点へとうつる。なお、図10Bにおいては、説明の都合上、曲線C0上に太陽電池の動作点の一例としてh点を図示したが、協調制御のもとでは、太陽電池の動作点が実際にh点にうつるわけではない。

0179

このように、協調制御では、太陽電池からみた負荷の増加に対して、個々のバッテリユニットBUのチャージャー回路が、自身に対する入力電圧の大きさを検知して、個々のバッテリユニットBUのチャージャー回路が、自身の吸いこむ電流量を自動的に抑制する。協調制御によれば、コントロールユニットCUに対して接続されるバッテリユニットBUの数が増加して太陽電池からみた負荷が急激に増加した場合であっても、制御システムのダウンを回避することができる。

0180

次に、太陽電池に対する照度と太陽電池からみた負荷との両方が変化した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化について説明を行う。

0181

図11Aは、太陽電池に対する照度と太陽電池からみた負荷との両方が変化した場合における、協調制御を行ったときの動作点の変化を説明するための図である。図11A中、縦軸は、太陽電池の端子電流を表し、横軸は、太陽電池の端子電圧を表している。また、図11A中の網掛けがされた丸は、協調制御を行ったときの動作点を表している。図11Aに示す曲線C5〜C8は、太陽電池に対する照度が変化した場合における、太陽電池の電圧−電流特性を示している。以下では、同一の照度に対応する太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線に対しては、図面中において、同一の符号を付すこととする。

0182

まず、コントロールユニットCUに対して、充電のために100wの電力を必要とするバッテリBaを備えたバッテリユニットBUaが接続されているものとする。また、このときの太陽電池の電圧−電流特性が、曲線C7により表され、太陽電池の動作点が、曲線C7上のp点により表されるとする。

0183

図11Aに示すように、p点における太陽電池の端子電圧が、太陽電池の出力電圧の下限としてあらかじめ設定された電圧Vt0にかなり近づいているとする。太陽電池の端子電圧が電圧Vt0にかなり近づいていることは、制御システムにおいて、協調制御による充電レートの調整が実行され、充電レートが非常に抑えられていることを意味する。すなわち、太陽電池の動作点が図11Aに示すp点により表される状態では、チャージャー回路41aを介してバッテリBaに供給される電力が、太陽電池から高圧入力電源回路11に供給される電力を大幅に上回っていることを示している。したがって、太陽電池の動作点が図11Aに示すp点により表される状態においては、充電レートの調整が大きくなされ、バッテリBaを充電するチャージャー回路41aに対しては、100wよりもかなり小なる電力が供給されている。

0184

次に、太陽電池に対する照度が増加し、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C7から曲線C6へと変化したとする。また、バッテリユニットBUaと同様の構成を備えるバッテリユニットBUbが、コントロールユニットCUに対して新たに接続されたとする。このとき、太陽電池の動作点は、例えば、曲線C7上のp点から、曲線C6上のq点にうつる。

0185

コントロールユニットCUに対して2つのバッテリユニットが接続されたことにより、チャージャー回路41a、41bがバッテリBa、Bbにフルで充電する際の消費電力は200wとなるが、太陽電池に対する照度が十分でない場合、協調制御が継続され、消費電力が、200w未満(例えば150wなど)に調整される。

0186

次に、空が晴れあがるなどして、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C6から曲線C5へと変化したとする。このとき、太陽電池に対する照度の増加に伴って太陽電池の発電電力が増加してくると、太陽電池からの出力電流が増加する。

0187

太陽電池に対する照度が十分に増加し、太陽電池の発電電力がさらに増加すると、あるところで太陽電池の端子電圧が電圧Vt0と比較して十分大きい値となる。太陽電池から高圧入力電源回路11ならびにチャージャー回路41aおよび41bを介して2つのバッテリに供給される電力が、2つのバッテリを充電するのに必要としている電力を上回ると、協調制御による充電レートの調整が緩和されるか、自動的に解除される。

0188

このとき、太陽電池の動作点は、例えば、曲線C5上のr点で表され、個々のバッテリBaおよびBbに対する充電は、100%の充電レートで行われる。

0189

次に、太陽電池に対する照度が減少し、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C5から曲線C6へと変化したとする。

0190

すると、太陽電池の端子電圧が低下し、太陽電池の端子電圧があらかじめ設定された電圧Vt0に近づくと、協調制御による充電レートの調整が再び実行される。このときの太陽電池の動作点は、曲線C6上のq点で表される。

0191

次に、太陽電池に対する照度がさらに減少し、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C6から曲線C8へと変化したとする。

0192

すると、太陽電池の端子電圧が電圧Vt0を下回らないように充電レートが調整されるため、太陽電池からの端子電流が減少し、太陽電池の動作点が、曲線C6上のq点から、曲線C8上のs点にうつる。

0193

協調制御では、個々のバッテリユニットBUに対する入力電圧があらかじめ定められた電圧Vt0を下回らないように、コントロールユニットCUと個々のバッテリユニットBUとの間で電力の需要量と供給量との間のバランスが調整される。したがって、協調制御によれば、個々のバッテリユニットBUからみた入力側の供給能力に応じて、個々のバッテリBに対する充電レートをリアルタイムで変化させることができる。このように、協調制御によれば、太陽電池に対する照度の変化のみならず、太陽電池からみた負荷の変化に対しても対応が可能である。

0194

上述したように、本開示は、商用電源を必要としない。したがって、電源装置電力網整備されていない地域においても、本開示は有効である。

0195

図11Bは、MPPT制御が実行されているときの動作点と、協調制御による充電レートの調整が実行されているときの動作点とを比較して説明するための図である。図11B中、縦軸は、太陽電池の端子電流を表し、横軸は、太陽電池の端子電圧を表している。また、図11B中の白丸は、MPPT制御を行ったときの動作点を表し、図11B中の網掛けがされた丸は、協調制御を行ったときの動作点を表している。図11Bに示す曲線C7〜C10は、太陽電池に対する照度が変化した場合における、太陽電池の電圧−電流特性を示している。

0196

なお、ここでは、曲線C7〜C10により太陽電池の電圧−電流特性が表される場合において、協調制御による充電レートの調整が実行されているものとする。また、コントロールユニットCUに対するバッテリユニットBUの着脱はなく、太陽電池からみた負荷の変化がないものとする。以下の説明においても、同様とする。

0197

図11Bに示すように、制御システムにおいて協調制御による充電レートの調整が実行されているとき、太陽電池の端子電圧は、あらかじめ設定された電圧Vt0と近い電圧になる。

0198

ここで、例えば、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、図11Bに示す曲線C8または曲線C9により表されるとすると、図11Bに示すように、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いは小さい。したがって、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が、曲線C8または曲線C9により表されるような場合には、協調制御およびMPPT制御のいずれの制御の場合であっても、太陽電池により得られる発電電力に大きな違いはないといえる。

0199

一方、図11Bからわかるように、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C7である場合には、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合い△V7が大きい。太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C10である場合には、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合い△V10は、△V7と比較してさらに大きい。

0200

したがって、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線が曲線C7または曲線C10であるような場合には、協調制御を適用して太陽電池から得られる発電電力と、MPPT制御を適用して太陽電池から得られる発電電力との間の差が大きい。

0201

このことは、例えば、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いが大きく、かつ太陽電池に対する照度がほとんど変化しない場合、時間の経過とともに、太陽電池により得られる電力の損失が累積してしまうことを意味する。

0202

本開示の発明者らは、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いに着目し、太陽電池により得られる電力の損失を抑制すべく鋭意検討を重ねた結果、本開示の技術を見出すに至った。

0203

電力損失の抑制」
図12Aは、本開示における電力制御装置の構成例を示すブロック図である。図12Aに示すように、本開示における電力制御装置は、例えば、上述したコントロールユニットCUにより構成することができる。図12Aでは、電力制御装置として、高圧入力電源回路11を備えるコントロールユニットを例示したが、高圧入力電源回路11に変え、または高圧入力電源回路11とともに低圧入力電源回路12を備えるコントロールユニットであってもよい。

0204

図12Aに示すように、コントロールユニットCUは、高圧入力電源回路11と、電圧センサ11cと、電流センサ11eと、CPU13と、制御プログラムの格納されたメモリ15と、D/A変換部16とを含む。高圧入力電源回路11は、DC−DCコンバータ11bおよびオペアンプ35を備える。メモリ15には、制御プログラムが格納されている。D/A変換部16は、内蔵メモリ16mを備える。

0205

上述したように、D/A変換部16の内蔵メモリ16mには電圧Vt0の値が保持されており、D/A変換部16は、内蔵メモリ16mに保持されたデジタル値を変換して、対応する電圧を出力する。内蔵メモリ16mに保持されたデジタル値は、例えば、CPU13により、必要に応じて書き換えがなされる。CPU13が、メモリ15からデータを引き出し、コントロールユニットCUの起動毎に内蔵メモリ16mに保持されるデジタル値をセットするようにしてもよい。

0206

上述したように、コントロールユニットCUには、環境に応じて発電する発電部が接続される。図12Aでは、発電部として、太陽電池PVがコントロールユニットCUに接続された構成例を示した。発電部により得られる電力は、コントロールユニットCUを介して、1または複数のバッテリBなどの負荷に供給される。

0207

発電部により得られる電力の大きさは、周囲の環境によって変動する。コントロールユニットCUは、発電部から送出された電圧の変動に応じて、コントロールユニットCUからの出力電圧を変化させる。

0208

図12Aに示すように、コントロールユニットCUに備えられた高圧入力電源回路11への入力電圧のkc倍の電圧が、オペアンプ35の非反転入力端子に対して印加される。

0209

一方、オペアンプ35の反転入力端子には、太陽電池の出力電圧の下限としてあらかじめ設定される電圧の値Etをkc倍した大きさの電圧がD/A変換部16から印加される。

0210

上述したように、基準電圧の値Etは、例えば、D/A変換部16に内蔵されたメモリ16mに保持されている。例えば、太陽電池の出力電圧の下限をVt0としたい場合には、Et=Vt0とされ、したがって、(kc×Vt0)の大きさの電圧が、オペアンプ35の反転入力端子に印加される。以下では、太陽電池の出力電圧の下限としてあらかじめ設定される電圧を、基準電圧と適宜称する。

0211

オペアンプ35の出力端子からの出力は、上述したように、例えば、DC−DCコンバータ11bのドライバに備えられた制御用端子に入力される。DC−DCコンバータ11bは、制御用端子に対する入力電圧が一定となるように、高圧入力電源回路11からの出力電圧を調整する。したがって、発電部から送出された電圧の変動に応じて、コントロールユニットCUからの出力電圧が調整される。

0212

なお、CPU13は、電圧センサ11cにより、コントロールユニットCUに対する入力電圧の大きさを取得する。コントロールユニットCUに対する入力電圧の大きさは、太陽電池PVの端子電圧の大きさである。

0213

また、CPU13は、電流センサ11eにより、コントロールユニットCUに対する入力電流の大きさを取得する。コントロールユニットCUに対する入力電流の大きさは、太陽電池PVの端子電流の大きさである。

0214

図12Bは、協調制御による充電レートの調整が実行されているか否かの判断方法の一例を説明するための図である。図12B中、縦軸は、太陽電池の端子電流を表し、横軸は、太陽電池の端子電圧を表している。また、図12B中の白丸は、MPPT制御を行ったときの動作点を表し、図12B中の網掛けがされた丸は、協調制御を行ったときの動作点を表している。図12Bに示す曲線C7〜C10は、太陽電池に対する照度が変化した場合における、太陽電池の電圧−電流特性を示している。

0215

上述したように、太陽電池に対する照度の低下に伴って太陽電池の端子電圧が基準電圧に近づくと、高圧入力電源回路11は、高圧入力電源回路11からの出力電圧を引き下げはじめる。なお、協調制御のもとでは、電力の需要量と供給量との間のバランスが調整されるので、太陽電池の端子電圧が電圧Vt0を下回ることはない。

0216

したがって、ある適当な大きさのδ(δ>0)をとることにより、太陽電池の端子電圧が、Vt0を超え、かつVt0+δ以下であるときに、協調制御による充電レートの調整が実行されていると判断することができる。δの値は、適宜設定することができ、例えば、数〜数十V以下程度である。

0217

ここで、図12B中の協調制御を行ったときの動作点の一群を参照してみると、いずれの動作点も、基準電圧Vt0に近い。したがって、図12B中の協調制御を行ったときの動作点により表される状態は、協調制御による充電レートの調整が実行されている状態であると判断することができる。

0218

このように、協調制御によれば、太陽電池の端子電圧を測定することにより、ある時点における、電力の需要量と供給量との間の大小関係を推定することが可能である。

0219

例えば、太陽電池の端子電圧が、Vt0+δよりも十分に高い電圧であれば、電力の需要量に対して、電力の供給能力に余力があると判断することができる。これに対して、例えばMPPT制御では、電力の需要量に対する、供給能力の余力の有無を判断することは困難である。

0220

MPPT制御を適用する場合、現在の動作点が最適動作点よりも高圧側にあれば、余剰電力があると判断可能であるが、この場合、最適動作点における発電量と現在の発電量とを求め、それらの差を求める必要がある。また、電流や電圧の測定には誤差があるため、発電量の正確な値を求めることは困難である。一方、本開示では、このような電力計算が必要とされないため、供給能力の余力の有無の判断を簡易な計算により行うことができる。

0221

太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線は、太陽電池に対する照度に応じて無数に存在するが、協調制御によれば、太陽電池の端子電圧とともに端子電流を測定することにより、端子電圧の測定時における、電圧−電流特性を表す曲線の推定も可能となる。

0222

すなわち、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線のグラフをあらかじめ把握しておけば、太陽電池の端子電圧とともに端子電流を測定することにより、端子電圧の測定時における、電圧−電流特性を表す曲線を推定することが可能である。

0223

例えば、太陽電池の端子電圧を測定したところ、得られた測定値が、Vt0+δ以下であったとする。このとき、得られた端子電圧およびそのときの端子電流の組により表される動作点の近傍を通る曲線が、端子電圧の測定時における、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線である。なお、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線のグラフは、コントロールユニットCUに接続される太陽電池PVの特性をあらかじめ把握しておくことにより、あらかじめ把握することが可能である。

0224

例えば、MPPT制御を適用する場合、端子電圧の測定時における、電圧−電流特性を表す曲線を推定するためには、端子電圧および端子電流の組を記録しておく必要がある。一方、本開示によれば、端子電圧の測定後は、端子電流の値のみを記録しておけばよく、MPPT制御を適用する場合と比較して、必要なメモリ量を低減させることができる。特に、端子電圧の測定値がVt0+δを超えている場合には、端子電流の測定も不要とすることができる。また、後述するように、本開示では、端子電圧の測定時における、電圧−電流特性を表す曲線を推定する際に、端子電流の測定値と、しきい値のみ保持していれば十分である。

0225

さらに、協調制御による充電レートの調整が実行されている場合には、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いを推定することが可能である。

0226

例えば、コントロールユニットCUに接続される太陽電池PVの特性を測定しておくことにより、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線のグラフとして、図12Bに示す4つの曲線C7〜C10があらかじめ得られていたとする。さらに、MPPT制御の動作点をあらかじめ把握しておき、端子電流の測定値に対して、相異なる複数のしきい値を設定しておいたとする。例えば、図12Bに示す例では、2つのしきい値IfおよびIc(ここでは、If<Icとする。)が設定されている。

0227

図12Bに示すように、しきい値Icは、例えば、曲線C7上における、端子電圧Vt0に対応する端子電流の値と、曲線C8上における、端子電圧Vt0に対応する端子電流の値との間にあるものとする。また、しきい値Ifは、例えば、曲線C10上における、端子電圧Vt0に対応する端子電流の値と、曲線C9上における、端子電圧Vt0に対応する端子電流の値との間にあるものとする。

0228

太陽電池の端子電圧および端子電流を測定した時に、例えば、端子電圧の測定値がVt0+δ以下であり、かつ端子電流の測定値がIcを超えていたとする。

0229

端子電圧の測定値がVt0+δ以下であるということは、端子電圧の測定時において、協調制御による充電レートの調整が実行されていることを意味する。また、端子電流の測定値がIcを超えているということは、動作点が曲線C8〜C10のいずれの上にもなく、かつ協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いも大きいということを意味している。

0230

もし、このときの動作点が曲線C7上の点であり、太陽電池に対する照度の変化がしばらくなかったとすると、協調制御を実行するよりもMPPT制御を実行した方が、太陽電池により得られる電力の損失を抑制することができるということになる。言い換えれば、太陽電池に対する照度の変化がしばらくないと仮定すると、基準電圧の値を一時的に引き上げ、太陽電池の出力電圧の下限を電圧Vt0より高い電圧とした方が、太陽電池により得られる電力の損失の累積を低減することができる。

0231

同様に、端子電圧の測定値がVt0+δ以下であり、かつ端子電流の測定値がIf未満であったとすると、基準電圧の値を一時的に引き下げた方が、太陽電池により得られる電力の損失の累積を低減することができる。

0232

そこで、本開示では、協調制御を実行する場合において、基準電圧の値を固定とせず、一定の条件を満たす場合に、基準電圧の値を柔軟に変更する。概略的には、協調制御による充電レートの調整が実行されている場合において、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いの大きい状態が、あらかじめ設定された時間を超えて継続するときに、基準電圧の値の調整を行う。

0233

協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いの大きい状態が、どの程度の時間を超えて継続するときに基準電圧の値の調整を行うかは、任意に設定することができる。例えば、基準電圧の値の調整を実行するか否かの判定の基準とする時間は、例えば、目視気象情報照度計による測定値などから、適宜に設定することができる。基準電圧の値の調整を実行するか否かの判定の基準とする時間に対して、太陽電池により得られる電力の変動が激しい場合には、基準電圧の値は、例えば、初期値として設定された値に戻される。

0234

以下、図13図16を参照しながら、本開示の具体的な制御の一例を説明する。以下に示す一連の処理は、例えば、コントロールユニットCU中のCPU13により実行される。

0235

図13図16は、本開示の制御の一例を説明するためのフローチャートである。

0236

まず、図13に示すステップSt1において、いずれのバッテリBから充電するかの優先順位が決定される。コントロールユニットCUに対して複数のバッテリユニットBUが接続されている場合、上述したように、制御システム1では、複数のバッテリユニットBUを独立して制御することが可能とされているからである。いずれのバッテリBから充電するかの優先順位は、例えば、各バッテリBの残存容量をもとにして決定される。

0237

次に、ステップSt2において、コントロールユニットCUに対する電力の供給の有無が判断される。CPU13は、電圧センサ11cにより、コントロールユニットCUに対する入力電圧の大きさを取得する。コントロールユニットCUに対する入力電圧の大きさが、あらかじめ設定されたしきい値を超えていない場合、CPU13は、発電部の発電電力がないと判断する。コントロールユニットCUに対して発電部が接続されていない場合も同様である。

0238

次に、コントロールユニットCUに対する入力電圧の大きさが、あらかじめ設定されたしきい値を超えていた場合には、ステップSt3において、高圧入力電源回路11が起動される。

0239

次に、ステップSt4において、ステップSt1で決定された優先順位をもとにして、コントロールユニットCUは、充電の対象となるバッテリBを指定する。

0240

次に、ステップSt5において、コントロールユニットCUは、充電の対象となるバッテリBを備えるバッテリユニットBUに対して充電の開始を指示する。具体的には、CPU13が、充電の対象となるバッテリBを備えるバッテリユニットBUのCPU45に対してコマンドを送出する。

0241

CPU45は、取得したコマンドに基づき、図6に示すスイッチSW7をオンする。このとき、スイッチSW6およびスイッチSW8はオフである。スイッチSW7がオンされることにより、コントロールユニットCUとバッテリユニットBUとが電気的に接続される。

0242

まず、図14に示すステップSt6において、メモリ15に格納される基準電圧の値Etが、例えば、初期値としてVt0に設定される。Vt0の大きさは、例えば、太陽電池PVの設置場所や長期的な天候などに応じて、適宜に設定することが可能である。

0243

また、ステップSt6において、整数値をとるカウンタnがリセットされる。

0244

次に、ステップSt7において、バッテリBに対する充電の終了の指示の有無が判断される。全てのバッテリユニットBUに対する充電の終了の指示があった場合、処理はここで終了する。

0245

次に、ステップSt8において、協調制御による充電レートの調整が実行されているか否かが判断される。すなわち、端子電圧の測定値Vが、Vt0+δ以下であるか否かが判定される。協調制御による充電レートの調整が実行されていない場合は、電力の需要量に対して、電力の供給能力に余力がある状態であるから、処理がステップSt7に戻される。一方、協調制御による充電レートの調整が実行されている場合には、処理がステップSt9に進められる。なお、ステップSt7からステップSt8に遷移するまでの時間は、任意に設定されてよい。

0246

次に、ステップSt9において、端子電圧の測定時における動作点が、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線のうち、いずれの曲線上にあるか推定される。具体的には、太陽電池の端子電圧の測定とともに太陽電池の端子電流の測定が行われ、端子電流の測定値Iが、複数設定された区間のうち、いずれの区間に属しているか判定される。

0247

例えば、まず、端子電流の測定値に対して、相異なる複数のしきい値が設定されていたとする。設定されるしきい値の数が多いほど(端子電流の測定値Iに対して設定される区間が細かいほど)、推定の確かさが向上するが、ここでは、説明を簡単とするため、図12Bに例示したように2つのしきい値IfおよびIcが設定されているものとする。

0248

端子電流の測定値Iが、例えば、If≦I≦Icを満たす場合には、ステップSt10において、フラグbkの値が0にセットされる。

0249

例えば、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線のグラフとして、図12Bに示した曲線C7〜C10があらかじめ得られていたとすると、端子電圧の測定時における動作点は、曲線C7上にも曲線C10上にもないことと判断できる。すなわち、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いが小さいため、この時点における基準電圧の値Etとして、初期値Vt0は適切であるといえる。

0250

端子電流の測定値Iが、例えば、Ic<Iを満たす場合には、ステップSt11において、フラグbkの値は1にセットされ、I<Ifを満たす場合には、ステップSt12において、フラグbkの値が2にセットされる。

0251

次に、ステップSt13において、例えば、タイマなどによる計時が開始される。

0252

次に、ステップSt14において、タイマなどによる計時開始から、あらかじめ設定された時間Tが経過したか否かが判断される。具体的には、タイマなどにより計時された時間tが、t>Tなる関係を満たすか否かが判定される。あらかじめ設定された時間Tにより、端子電圧の測定の周期が規定される。すなわち、時間Tが経過するごとに、協調制御による充電レートの調整が実行されているか否かの判断が実行される。

0253

あらかじめ設定された時間Tが経過すると、処理はステップSt15に進められ、計時が終了される。

0254

次に、ステップSt16において、ステップSt8と同様の手法により、協調制御による充電レートの調整が実行されているか否かが判断される。

0255

協調制御による充電レートの調整が実行されていない場合は、電力の需要量に対して、電力の供給能力に余力がある状態であるから、処理はステップSt6に戻され、カウンタnがリセットされるとともに、基準電圧の値Etが、初期値であるVt0に設定される。

0256

一方、協調制御による充電レートの調整が実行されている場合には、処理がステップSt17に進められる。

0257

次に、ステップSt17において、ステップSt9と同様の手法により、端子電圧の測定時における動作点が、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線のうち、いずれの曲線上にあるか推定される。

0258

端子電流の測定値Iが、例えば、If≦I≦Icを満たす場合には、ステップSt18において、フラグprの値が0にセットされる。端子電流の測定値Iが、例えば、Ic<Iを満たす場合には、ステップSt19において、フラグprの値が1にセットされ、I<Ifを満たす場合には、ステップSt20において、フラグprの値が2にセットされる。フラグprの値は、現時点の動作点が、曲線C7、C8(C9)またはC10のうち、いずれの曲線に近いかを示している。

0259

次に、図16に示すステップSt21において、現時点の動作点が、前回の端子電流の測定時における動作点と近い位置にあるか否か判断される。具体的には、現在の状態を指定するフラグprの値と、前回の測定時の状態を示すフラグbkの値とが等しいか否かの判定がなされる。

0260

フラグprの値と、フラグbkの値とが異なる場合、処理はステップSt22に進められ、フラグbkの値としてフラグprの値が代入された後、処理がステップSt13に戻される。

0261

フラグprの値と、フラグbkの値とが異なるということは、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線を想定したときに、前回の端子電流の測定時における動作点の乗る曲線と、現時点における動作点の乗る曲線とが異なっていると考えてよい。例えば、bk=1かつpr=2であったとすると、時間Tの間に、動作点が曲線C7から曲線C10にうつったと考えられる。

0262

一方、フラグprの値と、フラグbkの値とが等しい場合には、処理がステップSt23に進められ、ステップSt23において、カウンタnがインクリメントされる。すなわち、カウンタnの値は、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線を想定したときに、動作点が、どのくらいの時間、同じ曲線の近傍に存在したかを表している。

0263

次に、ステップSt24において、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線を想定したときに、動作点が、あらかじめ設定された時間よりも長い時間、同じ曲線の近傍に存在したか否かが判断される。具体的には、カウンタnの値と、あらかじめ設定された数Nとが、n>Nなる関係を満たすか否かが判定される。

0264

動作点が、あらかじめ設定された時間よりも長い時間、同じ曲線の近傍に存在しなかった場合、処理はステップSt22に進められ、フラグbkの値としてフラグprの値が代入された後、処理がステップSt13に戻される。

0265

一方、動作点が、あらかじめ設定された時間よりも長い時間、同じ曲線の近傍に存在した場合には、処理はステップSt25に進められる。

0266

次に、ステップSt25〜ステップSt28において、太陽電池の電圧−電流特性を表す曲線のうち、いずれの曲線の近傍に動作点が存在したかに応じて、基準電圧の値Etが設定される。

0267

例えば、フラグprの値が0である状態が、あらかじめ設定された時間を超えて継続した場合には、ステップSt26において、基準電圧の値Etが、Et=Vt0とされる。同様に、フラグprの値が1である状態が、あらかじめ設定された時間を超えて継続した場合には、ステップSt27において、基準電圧の値Etが、例えば、Et=Vt1とされる。フラグprの値が2である状態が、あらかじめ設定された時間を超えて継続した場合には、ステップSt28において、基準電圧の値Etが、例えば、Et=Vt2とされる。

0268

すなわち、例えば、動作点が、あらかじめ設定された時間を超えて曲線C7にいた場合、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いの大きい状態が継続したといえるため、基準電圧の値Etが、Vt1に引き上げられる。また、例えば、動作点が、あらかじめ設定された時間を超えて曲線C8(C9)にいた場合、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いの小さい状態が継続したといえるため、基準電圧の値Etが、初期値Vt0に戻される。

0269

言い換えれば、本開示では、協調制御による充電レートの調整が実行される程度に、太陽電池に対する照度が低下している場合において、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いに応じて、基準電圧の値Etが、適宜調整される。例えば、あらかじめ設定された時間を超えてにわか雨が降ったりして、太陽電池に対する照度が一時的に低下した場合、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いが小さくなるように、基準電圧の値Etが、適宜調整される。

0270

ここで、動作点が、どの程度の時間だけ同じ曲線の近傍に存在したかは、測定の周期である時間Tと、あらかじめ設定された数Nとの積をとることにより与えられる。時間Tおよび数Nは任意に設定可能であるから、動作点がどの程度の時間だけ同じ曲線の近傍に存在した場合に、基準電圧の値Etを変更するかは、任意に設定可能である。時間Tと、数Nとの積(基準電圧の値Etを変更するか否かの判定の基準とする時間)は、例えば、天候の変化や周囲の気候を考慮して、数分〜数時間程度の範囲内に設定される。

0271

例えば、天気予報等により、天候の変化が激しいと予想した場合には、基準電圧の値Etを変更するか否かの判定の基準とする時間を、例えば、10分から30分程度に設定しておくことができる。より細かい電力制御を行いたい場合等には、基準電圧の値Etを変更するか否かの判定の基準とする時間を、例えば、1分〜5分程度の短い時間としてもよい。また、天候の変化が少ない場合や、端子電圧の測定のための時間を抑えたい場合等には、逆に、基準電圧の値Etを変更するか否かの判定の基準とする時間を、例えば、1時間〜5時間程度に設定しておくことができる。

0272

したがって、本開示によれば、基準電圧の値Etを固定する場合と比較して、より細かい電力制御が可能となる。もちろん、協調制御による充電レートの調整の必要がない程度に、太陽電池に対する照度が増加した場合には、協調制御による充電レートの調整は自動的に緩和または解除される。

0273

基準電圧の値Etの調整後は、処理がステップSt29に進められ、カウンタnがリセットされる。その後、処理はステップSt22に進められ、フラグbkの値としてフラグprの値が代入された後、処理がステップSt13に戻される。

0274

以上に説明したように、本開示によれば、協調制御による充電レートの調整が実行されている場合における、協調制御の動作点とMPPT制御の動作点との間の乖離の度合いを小さくすることができ、太陽電池により得られる電力の損失を抑制することができる。

0275

また、MPPT制御を適用する場合、電力の計算に必要な、電流および電圧を測定するための部品点数が増加して製造コストが高くなってしまうとともに、高速な計算を実現するために高速なA/D変換器を使用すると、製造コストがさらに高くなってしまう。さらに、電流や電圧の測定には誤差がつきものであり、必ずしも正確な値を得られるとは限らない。誤差の影響を低減するためには、移動平均法等、複数回の測定が必要となるが、さらに計算に時間がかかってしまうことになる。このように、MPPT制御を適用する場合、天候変動等に追尾させることは困難である。

0276

これに対して、本開示によれば、MPPT制御のような電力の逐次計算が必要とされないので、太陽電池に対する照度の急激な変化に対応できる。さらに、太陽電池に対する照度の低下した状態が一定時間継続した場合においても、簡易な回路構成により、協調制御の動作点をMPPT制御の動作点に近づけることができる。

0277

本開示によれば、太陽電池に対する照度が低下した場合であっても、太陽電池により得られる電力をMPPT制御により得られる電力に近づけることができ、太陽電池により得られる電力の損失の累積を最小限に抑えることができる。

0278

なお、図13図16を参照して説明した一連の処理は、あくまでも一例にすぎず、例えば、太陽電池の端子電流のログをとり、そのログを解析して、基準電圧の値Etを変更するか否かの判定をするようにしてももちろんかまわない。

0279

<2.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々の変形が可能である。実施形態における構成、数値、材料などは全て一例であり、例示した構成等に限定されることはない。例示した構成等は、技術的矛盾が生じない範囲において、適宜、変更することができる。

0280

制御システムにおけるコントロールユニットおよびバッテリユニットが携帯可能とされてもよい。上述した制御システムが、例えば、自動車家屋などに適用されてもよい。

0281

なお、本開示は、以下の構成をとることもできる。
(1)
発電部からの入力電圧の変動に応じて、あらかじめ定められた範囲の電圧となるように出力電圧を調整する第1の装置と、
前記第1の装置から供給される入力電圧の変動に応じて、バッテリに対する充電レートを変化させる第2の装置と
を備え、
前記第1の装置からの出力電圧が前記下限に近づいている状態があらかじめ設定された時間より長く継続したときに、前記発電部からの入力電流があらかじめ設定された区分のいずれに属するかに応じて、前記下限の値として、2以上用意された下限値うちの1つが選択される制御システム。
(2)
前記区分が、MPPT制御を行ったと仮定したときの動作点と、前記第1の装置による出力電圧の調整および前記第2の装置による充電レートの変化の連動による制御が行われたときの動作点との間の乖離の大きさに応じて設定される(1)に記載の制御システム。
(3)
前記発電部に関する、同一の電圧−電流特性曲線上において、MPPT制御を行ったと仮定したときの動作点の電圧値が、前記第1の装置による出力電圧の調整および前記第2の装置による充電レートの変化の連動による制御が行われたときの動作点の電圧値より大なるときに、前記下限が引き上げられる(1)または(2)に記載の制御システム。
(4)
前記発電部に関する、同一の電圧−電流特性曲線上において、MPPT制御を行ったと仮定したときの動作点の電圧値が、前記第1の装置による出力電圧の調整および前記第2の装置による充電レートの変化の連動による制御が行われたときの動作点の電圧値より小なるときに、前記下限が引き下げられる(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の制御システム。
(5)
前記あらかじめ設定された時間が、1分以上5時間以下である(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の制御システム。
(6)
前記充電レートの変化の有無が、前記発電部からの入力電圧と、あらかじめ設定されたしきい値との比較により判断される(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の制御システム。
(7)
発電部からの入力電圧の変動に応じて、あらかじめ定められた範囲の電圧となるように出力電圧を調整するとともに、
前記出力電圧が前記あらかじめ定められた範囲の下限に近づいている状態が、あらかじめ設定された時間より長く継続したときに、前記発電部からの入力電流があらかじめ設定された区分のいずれに属するかに応じて、前記下限の値として、2以上用意された下限値うちの1つを選択する制御装置。
(8)
発電部からの入力電圧の変動に応じて、あらかじめ定められた範囲の電圧となるように第1の装置からの出力電圧を調整させ、
前記第1の装置から第2の装置に供給される入力電圧の変動に応じて、バッテリに対する充電レートを変化させ、
前記第1の装置からの出力電圧が前記下限に近づいている状態があらかじめ設定された時間より長く継続したときに、前記発電部からの入力電流があらかじめ設定された区分のいずれに属するかに応じて、前記下限の値として、2以上用意された下限値うちの1つを選択させる制御方法。

0282

1・・・・制御システム
11・・・・高圧入力電源回路
11c・・・・電圧センサ
11e・・・・電流センサ
12・・・・低圧入力電源回路
13・・・・CPU
15・・・・メモリ
16・・・・D/A変換部
16m・・・・内蔵メモリ
35・・・・オペアンプ
41a・・・チャージャー回路
Ba・・・・バッテリ
CU・・・・コントロールユニット
BU・・・・バッテリユニット
V10(V11)・・・第1の電圧
V12・・・第2の電圧

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