図面 (/)

技術 ミストセパレータ用の濾材

出願人 トヨタ紡織株式会社
発明者 森下豪人堀内洋志斉藤泰啓
出願日 2011年10月28日 (9年2ヶ月経過) 出願番号 2011-237539
公開日 2013年5月20日 (7年7ヶ月経過) 公開番号 2013-094699
状態 特許登録済
技術分野 濾過材 内燃機関潤滑の細部、換気
主要キーワード 断面菱形状 親油処理 オイルミストセパレータ 断面長円状 断面十字状 断面六角形状 中密度層 ストレート繊維
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年5月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

オイル又は水の捕捉性とドレン性を高めることができ、オイル又は水の捕捉効率を向上させることができるとともに、目詰まりによる圧力損失の低減を図ることができるミストセパレータ用の濾材を提供する。

解決手段

オイルミストセパレータ10に用いられる濾材15は繊維の集合体よりなり、ブローバイガス中からオイル又は水を除去するように構成されている。この濾材15は、ガスの流れの上流側にオイル又は水を捕捉する繊維の高密度層18と、下流側には前記高密度層18で捕捉されたオイル又は水をドレンする繊維の低密度層19とが積層されて構成されている。これらの高密度層18と低密度層19とは繊維形状をそれぞれオイル又は水の捕捉性とドレン性が発現されるように形成されている。例えば、高密度層18は捲縮繊維で形成され、低密度層19はストレート繊維で形成される。

概要

背景

自動車エンジン運転される際には、未燃焼ガスを含むブローバイガスクランクケース内漏れる。このブローバイガスをそのまま排出すると環境への負荷が大きいため、ブローバイガスをインテークマニホールドに戻して燃焼させるシステムが実施されている。この場合、ブローバイガス中にはオイルミストが含まれていることから、そのオイルミストを分離するオイルミストセパレータが従来から用いられている。

この種のオイルミストセパレータが、例えば特許文献1に記載されている。すなわち、このオイルミストセパレータは、流入孔及び流出孔が形成されたケースと、該ケース内に配設され濾材部を有するフィルタエレメントとからなり、前記濾材部は表面にフッ素樹脂又はシリコーン樹脂コーティングされた濾材で構成されている。

また、換気扇レンジフードに取り付けられて使用される防汚フィルタが特許文献2に開示されている。この防汚フィルタは、繊維径が5μm以上35μm未満である繊維を含む繊維シートからなり、該繊維の表面が撥油性処理又は繊維自体の性質により撥油性を有している。

概要

オイル又は水の捕捉性とドレン性を高めることができ、オイル又は水の捕捉効率を向上させることができるとともに、目詰まりによる圧力損失の低減をることができるミストセパレータ用の濾材を提供する。オイルミストセパレータ10に用いられる濾材15は繊維の集合体よりなり、ブローバイガス中からオイル又は水を除去するように構成されている。この濾材15は、ガスの流れの上流側にオイル又は水を捕捉する繊維の高密度層18と、下流側には前記高密度層18で捕捉されたオイル又は水をドレンする繊維の低密度層19とが積層されて構成されている。これらの高密度層18と低密度層19とは繊維形状をそれぞれオイル又は水の捕捉性とドレン性が発現されるように形成されている。例えば、高密度層18は捲縮繊維で形成され、低密度層19はストレート繊維で形成される。

目的

本発明の目的とするところは、オイル又は水の捕捉性とドレン性の双方を高めることができるとともに、目詰まりによる圧力損失の低減を図ることができるミストセパレータ用の濾材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

繊維の集合体よりなり、ガス中からオイル又は水を除去するためのミストセパレータに用いられる濾材であって、ガスの流れの上流側にはオイル又は水を捕捉する繊維の高密度層と、下流側には前記高密度層で捕捉されたオイル又は水をドレンする繊維の低密度層とを積層して構成するとともに、前記高密度層と低密度層とは繊維形状をそれぞれオイル又は水の捕捉性とドレン性発現されるように形成したことを特徴とするミストセパレータ用の濾材。

請求項2

前記高密度層は捲縮繊維により構成されるとともに、低密度層はストレート繊維により構成されることを特徴とする請求項1に記載のミストセパレータ用の濾材。

請求項3

前記高密度層は繊維径が5〜15μmの細い繊維により構成されるとともに、低密度層は繊維径が20〜30μmの太い繊維により構成されることを特徴とする請求項1に記載のミストセパレータ用の濾材。

請求項4

前記高密度層は円形断面以外の異形断面の繊維により構成されるとともに、低密度層は円形断面の繊維により構成されることを特徴とする請求項1に記載のミストセパレータ用の濾材。

請求項5

前記高密度層は短繊維により構成されるとともに、低密度層は長繊維により構成されることを特徴とする請求項1に記載のミストセパレータ用の濾材。

請求項6

前記高密度層は繊維が縦横に絡み合わされて構成されるとともに、低密度層は一方向に延びる繊維で絡み合わされて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のミストセパレータ用の濾材。

請求項7

前記高密度層の繊維と低密度層の繊維とが交絡して構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のミストセパレータ用の濾材。

請求項8

前記高密度層は撥水撥油処理が施されているとともに、低密度層は親水親油処理が施されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のミストセパレータ用の濾材。

技術分野

0001

本発明は、例えばエンジンで生ずるブローバイガスからオイルミストを分離するためのオイルミストセパレータに用いられ、オイルミストの捕捉効率を向上させるとともに、目詰まりによる圧力損失を低減させることができるミストセパレータ用の濾材に関する。

背景技術

0002

自動車エンジン運転される際には、未燃焼ガスを含むブローバイガスがクランクケース内漏れる。このブローバイガスをそのまま排出すると環境への負荷が大きいため、ブローバイガスをインテークマニホールドに戻して燃焼させるシステムが実施されている。この場合、ブローバイガス中にはオイルミストが含まれていることから、そのオイルミストを分離するオイルミストセパレータが従来から用いられている。

0003

この種のオイルミストセパレータが、例えば特許文献1に記載されている。すなわち、このオイルミストセパレータは、流入孔及び流出孔が形成されたケースと、該ケース内に配設され濾材部を有するフィルタエレメントとからなり、前記濾材部は表面にフッ素樹脂又はシリコーン樹脂コーティングされた濾材で構成されている。

0004

また、換気扇レンジフードに取り付けられて使用される防汚フィルタが特許文献2に開示されている。この防汚フィルタは、繊維径が5μm以上35μm未満である繊維を含む繊維シートからなり、該繊維の表面が撥油性処理又は繊維自体の性質により撥油性を有している。

先行技術

0005

特開2004−255230号公報
特開2009−156569号公報

発明が解決しようとする課題

0006

前記特許文献1に記載されている従来構成のオイルミストセパレータでは濾材の表面にフッ素樹脂又はシリコーン樹脂がコーティングされていることから、濾材の表面を通過する気体に含まれるオイルミストが弾かれて油滴として成長しやすくなり、オイルミストの分離効率を良くすることができる。しかしながら、濾材表面をフッ素樹脂やシリコーン樹脂で撥油処理を行った場合、オイルミストを繊維表面で油滴にすることはできるが、油滴を積極的にドレンするような作用までは望めない。さらに、オイルミストの分離効率を高めようとして濾材部の繊維密度を高くしたり、濾材部の厚みを厚くしたりしてもドレン性は改善されないばかりか、濾材部において圧力損失が増大する結果を招くという問題があった。

0007

一方、特許文献2に記載されている従来構成の防汚フィルタでは、空気流入側非撥油性繊維層が設けられるとともに、空気流出側に撥油性の繊維層が設けられている。このため、空気流入側の非撥油性の繊維によって油滴が膜状になって目詰まりが起きて圧力損失が上昇する心配があるという問題があった。

0008

そこで、本発明の目的とするところは、オイル又は水の捕捉性とドレン性の双方を高めることができるとともに、目詰まりによる圧力損失の低減を図ることができるミストセパレータ用の濾材を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明のミストセパレータ用の濾材では、繊維の集合体よりなり、ガス中からオイル又は水を除去するためのミストセパレータに用いられる濾材であって、ガスの流れの上流側にはオイル又は水を捕捉する繊維の高密度層と、下流側には前記高密度層で捕捉されたオイル又は水をドレンする繊維の低密度層とを積層して構成するとともに、前記高密度層と低密度層とは繊維形状をそれぞれオイル又は水の捕捉性とドレン性が発現されるように形成したことを特徴とする。

0010

請求項2に記載の発明のミストセパレータ用の濾材は、請求項1に係る発明において、前記高密度層は捲縮繊維により構成されるとともに、低密度層はストレート繊維により構成されることを特徴とする。

0011

請求項3に記載の発明のミストセパレータ用の濾材は、請求項1に係る発明において、前記高密度層は繊維径が5〜15μmの細い繊維により構成されるとともに、低密度層は繊維径が20〜30μmの太い繊維により構成されることを特徴とする。

0012

請求項4に記載の発明のミストセパレータ用の濾材は、請求項1に係る発明において、前記高密度層は円形断面以外の異形断面の繊維により構成されるとともに、低密度層は円形断面の繊維により構成されることを特徴とする。

0013

請求項5に記載の発明のミストセパレータ用の濾材は、請求項1に係る発明において、前記高密度層は短繊維により構成されるとともに、低密度層は長繊維により構成されることを特徴とする。

0014

請求項6に記載の発明のミストセパレータ用の濾材は、請求項1に係る発明において、前記高密度層は繊維が縦横に絡み合わされて構成されるとともに、低密度層は一方向に延びる繊維で絡み合わされて構成されていることを特徴とする。

0015

請求項7に記載の発明のミストセパレータ用の濾材は、請求項1から請求項6のいずれか一項に係る発明において、前記高密度層の繊維と低密度層の繊維とが交絡して構成されていることを特徴とする。

0016

請求項8に記載の発明のミストセパレータ用の濾材は、請求項1から請求項7のいずれか一項に係る発明において、前記高密度層は撥水撥油処理が施されているとともに、低密度層は親水親油処理が施されていることを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
本発明のミストセパレータ用の濾材では、ガスの流れの上流側にはオイル又は水を捕捉する繊維の高密度層と、下流側には前記高密度層で捕捉されたオイル又は水をドレンする繊維の低密度層とが積層されて構成されている。そして、高密度層と低密度層とは繊維形状をそれぞれオイル又は水の捕捉性とドレン性が発現されるように形成されている。このため、例えばブローバイガスが濾材に当ったとき、ブローバイガス中のオイル又は水は高密度層を形成する繊維表面で捕捉され、捕捉されたオイル又は水は下流側へ移動して低密度層を形成する繊維表面に到り、その繊維表面を伝って下降し、ドレンされる。

0018

従って、本発明のミストセパレータ用の濾材によれば、オイル又は水の捕捉性とドレン性を高めることができ、オイル又は水の捕捉効率を向上させることができるとともに、目詰まりによる圧力損失の低減を図ることができるという効果を発揮することができる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の一実施形態における濾材を備えたオイルミストセパレータを示す概略断面図。
層構造の濾材を模式的に示す断面図。
(a)は捲縮繊維により形成された高密度層を示す概略正面図、(b)はストレート繊維により形成された低密度層を示す概略正面図。
(a)〜(e)は高密度層を形成する繊維の非円形断面図、(f)は低密度層を形成する繊維の円形断面図。
(a)はランダムに編み込まれた高密度層を示す概略正面図、(b)は繊維により編み込また低密度層を示す概略正面図。
(a)は高密度層の作用を模式的に示す断面図、(b)は低密度層の作用を模式的に示す断面図。

実施例

0020

以下、本発明を具体化した実施形態を図1図6に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、自動車用エンジンシリンダヘッドカバー11上にはオイルミストセパレータ10のハウジング12が支持されている。該ハウジング12の一端にはブローバイガスの流入孔13が開口されるとともに、他端にはブローバイガスの流出孔14が開口されている。ハウジング12内にはブローバイガス中からオイル(オイルミスト)又は水(水ミスト)を分離するための円筒状をなす濾材15が支持されている。この濾材15は、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等のポリエステル樹脂で形成された繊維の集合体により構成されている。

0021

斯かる濾材15について説明する。図2に示すように、濾材15は繊維16、17の集合体としての不織布等により、繊維密度の高い上流側の高密度層18と繊維密度の低い下流側の低密度層19とが積層されて構成されている。高密度層18は繊維16の形状をオイル又は水の捕捉性が良好に発現されるように形成する一方、低密度層19は繊維17の形状をオイル又は水のドレン性が発現されるように形成する。なお、図1及び図2中の矢印はブローバイガスの流れ方向を示す。

0022

前記高密度層18及び低密度層19の各層における繊維形状は種々の形状を採り得ることから、それらの繊維形状について下記の〔A〕〜〔G〕において順に説明する。
〔A〕図3(a)に示すように、高密度層18を捲縮繊維16aにより構成するとともに、図3(b)に示すように、低密度層19をストレート繊維17aにより構成することができる。捲縮繊維16aはちじれ状態に形成されていることから、オイル又は水は高密度層18を形成する捲縮繊維16aの表面に到ったとき捲縮繊維16aに捕捉されやすくなる。従って、高密度層18はオイル又は水の高い捕捉性を発現することができる。

0023

一方、ストレート繊維17aはほぼ真直ぐに延びていることから、オイル又は水は低密度層19を形成するストレート繊維17aの表面に達したときストレート繊維17a表面に沿って繊維の長さ方向や周面に沿う方向に流れ落ちやすくなる。従って、低密度層19は高いドレン性を発現することができる。

0024

従って、濾材15は高密度層18の捕捉機能と低密度層19のドレン機能が連繋して働き、オイル又は水の捕集効率を著しく高めることができるとともに、圧力損失を大幅に低減させることができる。
〔B〕高密度層18を繊維径が5〜15μmの細い繊維16により構成するとともに、低密度層19を高密度層18と同じ目付で、かつ繊維径が20〜30μmの太い繊維17により構成することができる。同目付で細い繊維16を使用することにより、オイル又は水に対する接触面積が増えることから、オイル又は水が細い繊維16に当る機会が増え、繊維16表面に捕捉されやすくなる。このため、高密度層18はオイル又は水の高捕捉性を発現することができる。

0025

一方、太い繊維17を使用することにより、上流側の高密度層18で捕捉されて大径化された油滴に対しても十分に受け止めて繊維17表面を伝って下降しやすくなる。このため、低密度層19はオイル又は水の高ドレン性を発現することができる。

0026

前記高密度層18の繊維16の繊維径と低密度層19の繊維17の繊維径との差は大きい方が両効果の差は顕著になるが、高密度層18の捕捉性と低密度層19のドレン性とのバランスを損なうおそれがあるため、前記各範囲が適切である。
〔C〕高密度層18を円形断面以外の異形断面の繊維16により構成するとともに、低密度層19を円形断面の繊維17により構成することができる。異形断面の繊維16は円形断面の繊維17に比べてオイル又は水に対する接触面積が増加し、オイル又は水が異形断面の繊維16に当る確率が高くなり、繊維16表面に捕捉されやすくなる。従って、高密度層18はオイル又は水の高捕捉性を発現することができる。

0027

一方、円形断面の繊維17はその周囲に突起などがなく、平滑でストレートであることから、その表面に付着したオイル又は水は繊維17表面を伝って流れ落ちやすくなる。従って、低密度層19はオイル又は水の高ドレン性を発現することができる。

0028

例えば、図4(a)に示すように、異形断面の繊維16として断面十字状に形成し、四方に捕捉用突部16bを形成することができる。この四方に延びた捕捉用突部16bにより、オイル又は水が高密度層18の異形断面の繊維16表面に到ったとき捕捉性が高められる。図4(b)に示すように、異形断面の繊維16として断面星型状に形成し、その周囲から多数の捕捉用突部16bを形成することができる。図4(c)に示すように、異形断面の繊維16として断面長円状にして扁平状に構成することができる。図4(d)及び(e)に示すように異形断面の繊維16として断面菱形状断面六角形状に形成することができる。

0029

一方、図4(f)に示すように、円形断面を有する繊維17は異形断面の繊維16と比較して同本数であっても、表面積が小さいため、実質的に低密度層19として機能する。
〔D〕高密度層18を短繊維により構成するとともに、低密度層19を長繊維により構成することができる。短繊維は高密度層18内で不規則な方向に配列されて絡みやすく、そのためオイル又は水と接触する機会が増え、繊維16表面にオイル又は水が捕捉されやすくなる。このため、高密度層18はオイル又は水の高捕捉性を発現することができる。

0030

その一方、長繊維はその表面に付着したオイル又は水が表面を伝って流れ落ちやすくなる。このため、低密度層19は高ドレン性を発現することができる。
〔E〕高密度層18を繊維16が縦横に絡み合うように構成するとともに、低密度層19を一方向に延びる繊維で絡み合うように構成することができる。図5(a)に示すように、繊維16を縦横に絡み合うように構成することにより、高密度層18の厚み方向で繊維16に対するオイル又は水の衝突の確率が高くなる。そのため、高密度層18はオイル又は水の高捕捉性を発現することができる。

0031

一方、図5(b)に示すように、繊維17を一方向に延びる繊維で絡み合わせることにより、繊維に付着したオイル又は水はその重力で繊維17表面を伝って下降しやすくなる。そのため、低密度層19はオイル又は水の高ドレン性を発現することができる。
〔F〕高密度層18の繊維16と低密度層19の繊維17とを交絡して構成することができる。交絡手段としては例えばニードルパンチ法が挙げられ、高密度層18と低密度層19とを重ねた状態でニードルパンチを施すことによって高密度層18の繊維16と低密度層19の繊維17を交絡させることができる。このように構成することにより、高密度層18で捕捉されたオイル又は水が低密度層19側へ移動しやすくなる。従って、低密度層19でオイル又は水のドレンが円滑に行われ、ドレン性を向上させることができる。
〔G〕高密度層18を形成する繊維16に撥水撥油処理を施すとともに、低密度層19を形成する繊維17に親水親油処理を施すことができる。繊維16に撥水撥油処理を施すことにより、繊維16表面でオイル又は水が球状に成長して捕捉されるとともに、捕捉されたオイル又は水が低密度層19側へ移動しやすくなる。すなわち、図6(a)に示すように、高密度層18に到ったオイル又は水20はその繊維16表面で繊維16の撥水撥油性に基づいて球状に形成され、その球が次第に大径化して低密度層19側へ移動する。

0032

撥水撥油処理に用いられる撥水撥油剤としては、フッ素系化合物シリコーン系化合物等が挙げられる。撥水撥油処理方法としては、撥水撥油剤中に繊維16を浸漬(ディッピング)して繊維16表面に撥水撥油被膜を形成する方法、また撥水撥油剤をグラフト重合等により化学的に結合させる方法等が挙げられる。この場合、撥水撥油剤を有機溶剤に溶解して用いることもできる。

0033

一方、繊維17に親水親油処理を施すことにより、高密度層18から移動してきたオイル又は水が低密度層19の繊維17表面に親和し、繊維17表面を流れ落ち、ドレンされる。すなわち、図6(b)に示すように、高密度層18から低密度層19に移動したオイル又は水20は低密度層19の繊維17表面に親和して繊維17表面に沿うように下方へ垂れて流れ落ちる。

0034

親水親油処理に用いられる親水親油剤としては、ポリエステルアルキレングリコール共重合樹脂等が挙げられる。親水親油処理方法としては、親水親油剤中に繊維17を浸漬して繊維17表面に親水親油被膜を形成する方法等が挙げられる。

0035

前記〔A〕〜〔G〕で述べた高密度層18と低密度層19について、濾材15を通過するガスの性状等に応じて、高密度層18と低密度層19の厚さ、密度等を適宜設定することができる。

0036

次に、上記のように構成されたオイルミストセパレータ10用の濾材15について作用を説明する。
さて、図1に示すように、流入孔13から濾材15内に流入したブローバイガスはその濾材15中を通過する。このとき、濾材15は上流側の高密度層18と下流側の低密度層19とが積層されて構成され、高密度層18と低密度層19とが繊維形状をそれぞれオイル又は水20の高捕捉性と高ドレン性が発現されるように形成されている。このため、濾材15の高密度層18ではブローバイガス中のオイル又は水20の多くが繊維16表面に捕捉され、続いて捕捉されたオイル又は水20がブローバイガスのガス流に乗って低密度層19側へ移動し、低密度層19においては繊維17表面を伝って流れ落ちる。従って、高密度層18と低密度層19との2層で構成された濾材15により、オイル又は水20の捕捉を促し、捕捉されたオイル又は水20を円滑にドレンすることができる。

0037

該濾材15内でブローバイガス中のオイル又は水20が捕捉され、引き続いてドレンされた後、ブローバイガスは流出孔14より流出される。流出孔14から流出されたガスは、エンジンの吸気系へ送られる。

0038

以上詳述した実施形態のオイルミストセパレータ10用の濾材15により発揮される効果を以下にまとめて説明する。
(1)本実施形態のオイルミストセパレータ10用の濾材15は、上流側の高密度層18と下流側の低密度層19とが積層され、高密度層18と低密度層19とがそれぞれオイル又は水20の高捕捉性と高ドレン性が発現されるように構成されている。このため、ブローバイガス中のオイル又は水20が高密度層18の繊維16表面で捕捉され、捕捉されたオイル又は水20が低密度層19の繊維17表面に到り、その繊維17表面を下降し、ドレンされる。

0039

従って、本実施形態のオイルミストセパレータ10用の濾材15によれば、オイル又は水20の捕捉性とドレン性を高めることができ、オイル又は水20の捕捉効率を向上させることができるとともに、目詰まりによる圧力損失の低減を図ることができるという効果を発揮することができる。
(2)前記高密度層18は捲縮繊維16aにより構成されるとともに、低密度層19はストレート繊維17aにより構成されている。このため、ブローバイガス中のオイル又は水20が捲縮繊維16aに絡みやすく、捕捉性を高めることができるとともに、ストレート繊維17aの表面ではオイル又は水20が表面を伝って下降しやすく、ドレン性を向上させることができる。
(3)前記高密度層18は繊維径が5〜15μmの細い繊維16により構成されるとともに、低密度層19は繊維径が20〜30μmの太い繊維17により構成されている。従って、高密度層18ではオイル又は水20が繊維16と接触する部分が増加して捕捉性を向上させることができるとともに、低密度層19ではオイル又は水20が繊維17表面を流れ落ちやすく、ドレン性を向上させることができる。
(4)前記高密度層18は円形断面以外の異形断面の繊維16により構成されるとともに、低密度層19は円形断面の繊維17により構成されている。そのため、異形断面の繊維16によりその表面積を増加させることができ、オイル又は水の捕捉性を高めることができるとともに、円形断面の繊維17によりオイル又は水がその表面を円滑に下降しやすく、ドレン性を向上させることができる。
(5)前記高密度層18は短繊維により構成されるとともに、低密度層19は長繊維により構成されている。従って、短繊維によってオイル又は水20の捕捉性を良好にできるとともに、長繊維によってオイル又は水20がその表面を下方へ導かれやすく、ドレン性を向上させることができる。
(6)前記高密度層18は繊維16が縦横に絡み合わされて構成されるとともに、低密度層19は一方向に延びる繊維が絡み合わされて構成されている。このため、高密度層18ではオイル又は水が繊維16に衝突する機会が増え、捕捉性を高めることができるとともに、低密度層19ではオイル又は水20が繊維16の表面に沿って流れ落ちやすく、ドレン性を向上させることができる。
(7)前記高密度層18の繊維16と低密度層19の繊維17とは交絡して構成されている。この場合には、高密度層18で捕捉されたオイル又は水20を繊維16の絡みにより低密度層19側へ効率良く移動させることができ、ドレン性を一層促進させることができる。
(8)前記高密度層18は撥水撥油処理が施されているとともに、低密度層19は親水親油処理が施されている。従って、高密度層18ではオイル又は水20が繊維16表面で球状に成長し、捕捉効率を上げることができると同時にオイル又は水20の低密度層19側への移動を促すことができ、低密度層19ではオイル又は水20が繊維17表面に親和して流下しやすく、ドレン性を向上させることができる。
(9)本実施形態の濾材15では、オイル又は水20の高捕捉性を発現する高密度層18と高ドレン性を発現する低密度層19とが積層して構成されている。このため、高密度層18の機能と低密度層19の機能が相乗的に働くことから、濾材15は目詰まりを起こすことなく、通気抵抗の増加を抑制して圧力損失を低くでき、耐久性を向上させることができる。

0040

なお、前記実施形態を次のように変更して実施することも可能である。
・ 前記〔A〕〜〔G〕に挙げた高密度層18の構成と低密度層19の構成の組合せを適宜変更したり、各層をそれぞれ複数層の構成にしたりすることも可能である。

0041

・低密度層19を構成する繊維17として、剛性の高い金属繊維等を使用することもできる。この場合には、繊維17表面にオイル又は水20が付着しても、金属繊維がその形状を維持できることから低密度層19内の空隙を保持することができるとともに、金属繊維表面の平滑性によってオイル又は水20が伝い落ちやすくなり、低密度層19のドレン性を向上させることができる。

0042

・濾材15を高密度層18と低密度層19との間に、それらの中間の繊維密度を有する中密度層を1層又は複数層設けることもできる。
・ 本発明を、シリンダヘッドカバー11の内部に設けられるオイルミストセパレータ10の濾材15、エンジン周りに単独で設けられるオイルミストセパレータ10の濾材15、空調装置に用いられる斜板式圧縮機におけるオイルミストセパレータ10用の濾材15、換気扇におけるミストセパレータ用の濾材15等に具体化することも可能である。

0043

10…オイルミストセパレータ、15…濾材、16、17…繊維、16a…捲縮繊維、17a…ストレート繊維、18…高密度層、19…低密度層、20…オイル又は水。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 和興フィルタテクノロジー株式会社の「 フィルタエレメント」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】濾過性能の向上と濾過寿命の延長とを両立させることができるフィルタエレメントを提供する。【解決手段】フィルタエレメント40は、蛇腹状に襞折り加工されて全体として略円筒状に形成され、外周側に第1襞... 詳細

  • 帝人フロンティア株式会社の「 ニードルパンチ不織布構造体」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】ニードルパンチが施されたニードルパンチ不織布構造体であって、高強力であり、好ましくは捕集性にも優れたニードルパンチ不織布構造体を提供する。【解決手段】ニードルパンチ不織が施されたニードルパンチ... 詳細

  • ダイハツ工業株式会社の「 内燃機関」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】内部にオイルセパレータ室が形成されているヘッドカバーにおいて、オイル落とし穴の制約を外して設計の自由性を向上させる。【解決手段】ヘッドカバー1の内部にバッフルプレート23が配置されており、バッ... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ